JP4779278B2 - 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い出力電圧を長期に渡って安定した出力を得ることが可能な固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、原料となるガスの反応エネルギを直接電気エネルギに変換する電池であり、水素・酸素燃料電池は、その反応生成物が原理的に水のみであり地球環境への影響がほとんどない。なかでも電解質として固体高分子膜を使用する固体高分子型燃料電池は、常温でも作動でき高出力密度が得られるため、近年のエネルギ、地球環境問題への社会的要請の高まりとともに、電気自動車用電源、定置型電源等として大きな期待が寄せられている。
【0003】
固体高分子型燃料電池では、通常、固体高分子電解質としてプロトン伝導性のイオン交換膜が使用され、特にスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換膜が基本特性に優れている。固体高分子型燃料電池では、イオン交換膜の両面にガス拡散性の電極層を配置し、燃料である水素を含むガス及び酸化剤となる酸素を含むガス(空気等)を、それぞれアノード及びカソードに供給することにより発電を行う。
【0004】
近年、特に住宅用や業務用ビル市場等への燃料電池実用化の要望の高まりが加速している。これらの用途では、特に高い効率での運転が要望されるため、高い電圧での運転が望まれている。また、固体高分子型燃料電池では、電解質膜の導電性を確保するためには電解質膜を加湿する必要があるが、燃料電池システム全体の効率の点から低加湿での運転が要求されている。
【0005】
電解質膜の加湿の方式としては、外部加湿方式と内部加湿方式に大別される。外部加湿方式とは、例えば燃料電池の系の外部に備えた水が流れるタンク内に燃料ガス(水素、酸素等)を吹き込み、通過させることによりガスを加湿する方式である。また、内部加湿方式としては、例えば特開平9−35737に記載のような、複数個の単位燃料電池と、単位燃料電池で発生した熱を除去する熱媒が通流する熱交換体の複数個とが積層された積層体の両側に、反応ガスを加湿するための加湿器を有した燃料電池スタックが挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の方式はいずれも高い露点のガスを使用して加湿することを前提とした加湿方式であり、加湿のため供給する水分を所定の温度に昇温するエネルギが必要となり、システム全体の効率を下げる要因となる。そのため、ガスの加湿を低い温度で行うこと、すなわち低加湿のガスを使用することが要求される。したがって、燃料電池のシステムを複雑化せず効率よく安定した電池特性にて電池を運転できるように、低加湿のガスの供給によって安定に出力特性を維持することが可能な固体高分子型燃料電池であることが望まれていた。さらに、供給するガスを加湿して燃料電池に供給するのではなく、ガスを加湿することなく燃料電池に供給し運転が可能となれば、さらにシステム全体の簡略化、コストダウンが可能となる。
【0007】
そこで本発明は、露点の低いガスを供給する条件での運転(以下、低加湿運転という)においても長期に渡って劣化が抑制され安定した出力特性を有する膜・電極接合体、及び当該膜・電極接合体を備える固体高分子型燃料電池を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されるイオン交換膜とを備える固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体において、前記アノード及び前記カソードは、白金又は白金合金がカーボン担体に担持された触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換樹脂とを含む触媒層を有しており、該触媒層中の前記パーフルオロカーボン重合体の質量Wと前記カーボン担体の質量Wとの質量比W/W1.41.6であり、前記触媒層の下記方法で電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量が0.02〜0.1クーロン/cm であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体を提供する。
【0009】
上記構成により、本発明の膜・電極接合体は低加湿運転においても長期にわたって安定した出力特性を維持できる。本発明における触媒層中に含まれるイオン交換樹脂は、官能基としてスルホン酸基を有し含水しているので、触媒層中のW/Wが1〜2の範囲であれば、イオン交換樹脂量が充分に多く、低加湿運転でも安定した出力が維持できるものと思われる。
【0010】
/Wが1よりも小さい場合には、触媒層中におけるイオン交換樹脂量が相対的に少ないため、低加湿運転での長期にわたる運転では触媒層中のイオン交換樹脂の乾燥により樹脂の収縮が進行すると触媒を被覆する樹脂の面積が少なくなるおそれがある。その結果、反応サイトの面積が減少するため、電池の耐久性に問題が生じやすい。また、W/Wが2よりも大きい場合には、触媒層中における燃料ガス(水素や酸素)の拡散が抑制され、初期出力特性が極端に低くなるおそれがある。このような観点から、本発明ではW/Wは1〜2であり、より好ましくは1.2〜1.8である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、W/Wの値が上記範囲を満たす触媒層は、電気化学的に測定される触媒層の単位面積あたりのクーロン量が0.02〜0.1クーロンであることが好ましい。この範囲であれば、反応に必要な触媒表面積を充分に確保できており、長期にわたって安定した運転が可能である。クーロン量が0.02クーロン未満であると初期からの出力特性が低くなるおそれがある。また、0.1クーロンよりも大きくするには触媒層を厚くする必要があり、触媒層が厚すぎるとガスの拡散性が低下したり、生成水の排出を阻害するおそれがある。単位面積あたりのクーロン量の値として、より好ましくは0.03〜0.06C/cmである。
【0012】
ここで、触媒層の単位面積あたりのクーロン量は、以下の方法で測定できる。燃料電池用発電用セルに膜・電極接合体を組み込み、アノード側に水素ガスを流し参照極とし、カソード側には窒素ガスを流し作用極とし、これにポテンシオスタットを接続し、さらに電位をスイープするためにファンクションジェネレーターを使用して、サイクリックボルタンメトリー法の測定を行う。この操作によりカソード側の触媒層のクーロン量を求める。また、アノード側の触媒層のクーロン量を測定するには、上記の測定において、カソード側に水素ガスを流し参照極とし、アノード側には窒素ガスを流し作用極として同様に測定を行えばよい。
【0013】
上記サイクリックボルタンメトリー法の測定条件としては、アノード側、カソード側それぞれに供給するガスを、いずれも実際に燃料電池を運転する条件と同じ条件で加湿して供給する。なお、ガスの流量は測定結果にほとんど影響を与えない因子であるため適宜設定できるが、好ましくは水素ガスが10〜200cc/分、窒素ガスが10〜2000cc/分である。本発明における電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量は、このサイクリックボルタンメトリー法により電位の幅140mV〜400mVの間で測定される、金属触媒(白金又は白金合金)の表面に吸着する水素の量を単位面積あたりの電気量(単位クーロン)として算出した値である。
【0014】
一般的に、触媒である白金又は白金合金表面の反応活性な面積は、白金又は白金合金の表面に吸着する水素の量で評価できるため、サイクリックボルタンメトリー法を用いて白金又は白金合金の表面に吸着する水素のピーク面積を求めれば触媒の反応活性な面積を表す指標となる。触媒層の単位面積あたりのクーロン量は、水素の吸着によるピーク面積から算出される値であるから、触媒の反応活性な面積の指標となる。図1に、上記サイクリックボルタンメトリー法により、後述する実施例の例1のカソードの触媒層について測定したサイクリックボルタモグラムを示す図を示す。図1における斜線部が白金又は白金合金の表面に吸着する水素のピーク面積である。
【0015】
なお、上記サイクリックボルタンメトリー法における開始電位は、膜・電極接合体における電解質膜のアノード側からカソード側への水素のリーク量等に依存すると考えられるが、本発明者らは検討を重ねた結果、140mV〜400mVの範囲での測定は再現性がよく信頼性が高いと判断し、この範囲を測定条件として定めた。
【0016】
本発明では、カソード、アノードの少なくとも一方の触媒層がW/Wが1〜2を満たすが、特にカソードの触媒層がこの範囲を満たすことが好ましい。固体高分子型燃料電池を住宅用や業務用ビル用に使用することを想定した場合、エネルギ効率を高くするために特にカソード側をより低加湿で運転する必要があるためである。アノードにはメタンやメタノール等のガスを改質器で改質して得られる水素ガスを供給することが想定されるが、改質には通常、250〜300℃程度の温度が必要なためその排熱を利用すれば露点の高いガスを供給できるため、アノードのほうがカソードよりシステム的にガスを高露点にしやすいためである。
【0017】
上記観点から、アノード側に供給する水素を含むガスは60〜90℃の露点を有するガスを供給することが好ましく、カソードに供給するガスは40〜80℃の露点を有するようにすることが好ましい。より出力特性を安定させるには、カソード、アノードともに触媒層がW/Wが1〜2を満たすようにし、かつアノードには60〜90℃の露点を有するガスを、カソードには40〜80℃の露点を有するガスを供給することが好ましい。
【0018】
さらにアノード、カソードともに供給されるガスの露点が上記条件を満たす場合は、より好ましくはアノードの触媒層のW/Wを1.2〜1.6とし、カソードの触媒層のW/Wを1.3〜1.8として、アノードの触媒層のW/Wをカソードの触媒層のW/W以下の値とする。すなわち、高露点のガスの供給をしやすいアノードのほうが触媒層中のイオン交換樹脂が乾燥しにくく反応サイトが減少しにくいので、アノードのほうがカソードよりW/Wを低くしても出力特性を維持できる。
【0019】
なお、カソード、アノードに供給するガスの露点の調整は、例えば、露点を60℃とするなら、60℃に維持した温水中にガスを通した後にカソード又はアノードに当該ガスを供給すればよい。なお、ガスが流れる配管に露点計を設置することにより、正確な露点を測定することができる。
【0020】
カソードには酸素を含む酸化剤ガスが供給され、カソードでは反応により水が生成する。そのため、表面にガスの流路となる溝が形成されたセパレータをカソードに隣接して配置して酸化剤ガスをカソードに供給する場合、ガスの流路の入口近くを流れるガスは低加湿であっても、ガスの流路の出口近くを流れるガスは生成水により高く加湿されたガスとなる。したがって、ガスの流路の入口領域近傍の膜・電極接合体は特に乾燥しやすく、ガスの流路の出口領域近傍では膜・電極接合体は乾燥しにくい。
【0021】
本発明において使用される触媒としては、細孔の発達したカーボン材料に白金又は白金合金を担持させた担持触媒が好ましい。細孔の発達したカーボン材料としては、カーボンブラックや活性炭などが好ましく使用できる。カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラックなどが挙げられ、また活性炭は、種々の炭素原子を含む材料を炭化、賦活処理して得られる。
【0022】
また、カーボン担体に白金又は白金合金を担持させた触媒を用いるが、白金合金を使用すると、電極触媒としての安定性や活性をさらに付与させることもできる。白金合金としては、白金以外の白金族の金属(ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム)、鉄、チタン、金、銀、クロム、マンガン、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、レニウム、亜鉛、及びスズからなる群から選ばれる1種以上と白金との合金が好ましく、該白金合金には白金と合金化される金属との金属間化合物が含有されていてもよい。
【0023】
白金又は白金合金の担持率(担持触媒全質量に対する白金又は白金合金の質量の割合)は、20〜70質量%、特に30〜55質量%が好ましい。この範囲であれば、高い出力を得られる。担持率が20質量%未満では、充分な出力を得られないおそれがあり、70質量%を超えると、白金又は白金合金の粒子を分散性よく担体となるカーボン材料に担持できないおそれがある。
【0024】
また、白金又は白金合金の一次粒子径は、高活性なガス拡散電極を得るためには1〜20nmであることが好ましく、特には、反応活性の点で白金又は白金合金の表面積を大きく確保できる2〜5nmであることが好ましい。
【0025】
本発明における触媒層には、上述の担持触媒に加え、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体が含まれる。通常、担持触媒は当該重合体により被覆されており、この重合体の繋がっている経路を通ってプロトン(H)が移動する。
【0026】
スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体としては、特に、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(式中、Xはフッ素原子又はトリフルオロメチル基であり、mは0〜3の整数であり、nは1〜12の整数であり、pは0又は1である。)とを含む共重合体が好ましい。なお本明細書においてパーフルオロカーボン重合体とは、炭素原子とフッ素原子のみからなる重合体だけではなく、スルホン酸基以外の水素原子が全てフッ素原子と置換されていれば例えばエーテル結合性の酸素原子等を含有するものも含むものとする。
【0027】
また、本発明におけるイオン交換膜も、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなることが好ましく、特に、CF=CFに基づく重合単位とCF=CF−(OCFCFX)−O−(CF−SOHに基づく重合単位(とを含む共重合体からなることが好ましい。
【0028】
本発明における膜・電極接合体は、アノードの触媒層、イオン交換膜及びカソードの触媒層のみからなってもよいが、アノード、カソードともに触媒層の外側にカーボンペーパーやカーボンクロスのような導電性多孔質基材からなるガス拡散層が配置されるとさらに好ましい。ガス拡散層は集電体としても機能するので、本明細書ではガス拡散層を有する場合はガス拡散層と触媒層とを合わせて電極というものとする。
【0029】
本発明の膜・電極接合体を備える固体高分子型燃料電池では、カソードには酸素を含むガス、アノードには水素を含むガスが供給される。具体的には、例えばガスの流路となる溝が形成されたセパレータを膜・電極接合体の両方の電極の外側に配置し、ガスの流路にガスを流すことにより膜・電極接合体に燃料となるガスを供給する。上述したように、本発明の膜・電極接合体は、特に低加湿運転のときに効果が高い。
【0030】
本発明の膜・電極接合体を製造する方法としては、イオン交換膜の上に触媒層を直接形成し必要に応じガス拡散層で挟み込む方法、カーボンペーパー等のガス拡散層となる基材上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜と接合する方法、及び平板上に触媒層を形成しこれをイオン交換膜に転写した後平板を剥離し、さらに必要に応じガス拡散層で挟み込む方法等の各種の方法が採用できる。
【0031】
触媒層の形成方法としては、担持触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体とを分散媒に分散させた分散液を用いて(必要に応じて撥水剤、造孔剤、増粘剤、希釈溶媒等を加え)、イオン交換膜、ガス拡散層、又は平板上に噴霧、塗布、濾過等により形成させる公知の方法が採用できる。触媒層をイオン交換膜上に直接形成しない場合は、触媒層とイオン交換膜とは、ホットプレス法、接着法(特開平7−220741参照)等により接合することが好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例(例1、2)及び比較例(例3、4)を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0033】
[例1]
白金をカーボン担体に触媒全質量の54%含まれるように担持してなる触媒(田中貴金属工業社製)を1.0gと、CF=CF/CF=CFOCFCF(CF)O(CFSOH共重合体(イオン交換容量1.1ミリ当量/g乾燥樹脂、以下、共重合体Aという)をエタノールに分散させた固形分濃度9質量%の液7.2gと蒸留水6.5gを混合した。この混合液をホモジナイザー(ポリトロン、KINEMATICA社製)で分散させ、これを触媒層形成用塗工液aとした。このとき、この塗工液a中に含まれるイオン交換樹脂の質量(W)と触媒中のカーボンの質量(W)の質量比W/Wは1.4であった。
【0034】
この塗工液aを、15cm角に切断したポリプロピレン製の基材フィルムの上にバーコータで塗工し、80℃の乾燥器内で15分乾燥させて触媒層aを作製した。なお、触媒層a形成前の基材フィルムと触媒層a形成後の基材フィルムの質量を測定することにより、触媒層aに含まれる白金の量を算出したところ0.5mg/cmであった。
【0035】
次に、固体高分子電解質膜として、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなる厚さ50μmのイオン交換膜(商品名:フレミオン、旭硝子社製、イオン交換容量1.1)を使用し、この膜の両面にホットプレス法により上記の触媒層aを転写して、電極面積が25cmである膜・触媒層接合体を作製した。
【0036】
[例2]
白金担持カーボンのかわりに、白金−ルテニウム合金が触媒全体の53.5質量%(白金:ルテニウムが質量比で30.1:23.4)カーボン担体に担持された触媒(田中貴金属工業社製)2.0gを用い、共重合体Aのエタノール分散液の量を16.6gとし、蒸留水の量を15.1gとした以外は例1と同様にして触媒層形成用塗工液bを調製した。ここで、この塗工液bに含まれるイオン交換樹脂の質量と触媒中のカーボンの質量との質量比W/Wは1.6であった。この塗工液bを塗工液aと同様にポリプロピレン製の基材フィルム上に塗工し、触媒層bを作製した。触媒層b中の白金−ルテニウム合金の量は0.65mg/cmであった。
触媒層aはカソードのみに用い、アノードには触媒層bを用いた以外は例1でと同様にして有効電極面積が25cmである膜・触媒層接合体を作製した。
【0037】
[例3]
例1における塗工液aの調製においてイオン交換樹脂の質量と触媒中のカーボンの質量との質量比W/Wが0.9となるようにイオン交換樹脂と触媒の混合比を変更した以外は、塗工液aと同様にして触媒層形成用塗工液cを作製した。この塗工液cを塗工液aと同様にポリプロピレン製の基材フィルム上に塗工し、触媒層cを作製した。触媒層c中の白金の量は0.3mg/cmであった。
カソード、アノードともに触媒層cを用いた以外は例1でと同様にして有効電極面積が25cmである膜・触媒層接合体を作製した。
【0038】
[例4]
例1における塗工液aの調製においてイオン交換樹脂の質量と触媒中のカーボンの質量との質量比W/Wが2.2となるようにイオン交換樹脂と触媒の混合比を変更した以外は、塗工液aと同様にして触媒層形成用塗工液dを作製した。この塗工液dを塗工液aと同様にポリプロピレン製の基材フィルム上に塗工し、触媒層dを作製した。触媒層d中の白金の量は1.4mg/cmであった。
カソード、アノードともに触媒層dを用いた以外は例1でと同様にして有効電極面積が25cmである膜・触媒層接合体を作製した。
【0039】
(評価)
例1〜4で得られた各膜・触媒層接合体を、厚さ60μmのカーボンペーパー(東レ社製)からなるガス拡散層2枚の間に挟んで膜・電極接合体をそれぞれ得て、発電用セルに組み込み、常圧にて、水素(利用率70%)/空気(利用率40%)を供給し、セル温度75℃において固体高分子型燃料電池の初期特性評価及び電流密度0.2A/cmにおける耐久性評価を実施した。アノード側の露点は70℃、カソード側の露点は55℃となるように、それぞれ水素及び空気を加湿してセル内に供給した。
【0040】
初期特性は、発電用セルに組み込んだ状態で、アノード側に露点70℃の水素ガスを53cc/分で、カソード側に露点55℃の窒素ガスを222cc/分で供給し、アノード側を参照極、カソード側を作用極として、ポテンシオスタットとファンクションジェネレーターを組み合わせた測定用装置でカソード側のサイクリックボルタンメトリー(CV)を測定した。さらに、膜/電極接合体を取り外して反転させ、上記と同様の方法によりアノード側のCVの測定を行い、カソード、アノードそれぞれについて触媒層の単位面積あたりの電気化学的なクーロン量を測定した。
【0041】
クーロン量の測定結果を表1に、セルの出力電圧の初期特性及び経時変化を表2に示す。また、図1に、例1のカソード側の触媒層のサイクリックボルタンメトリー法によって測定されたサイクリックボルタモグラムを示す。図1中、斜線部は、水素の吸着ピークを示す。さらに、図2に例1〜4の各膜・電極接合体を電流密度0.2A/cmで連続運転したときの経過時間とセル電圧の関係を示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004779278
【0043】
【表2】
Figure 0004779278
【0044】
【発明の効果】
本発明の固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体は、燃料電池の連続運転による経時的な劣化が抑制されているので、耐久性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1のカソード側の触媒層のサイクリックボルタンメトリー法によって測定されたサイクリックボルタモグラムを示す図
【図2】例1〜4の各膜・電極接合体を電流密度0.2A/cmで連続運転したときの経過時間とセル電圧の関係を示す図

Claims (2)

  1. アノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されるイオン交換膜とを備える固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体において、前記アノード及び前記カソードは、白金又は白金合金がカーボン担体に担持された触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換樹脂とを含む触媒層を有しており、該触媒層中の前記パーフルオロカーボン重合体の質量Wと前記カーボン担体の質量Wとの質量比W/W1.41.6であり、前記触媒層の下記方法で電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量が0.02〜0.1クーロン/cm であることを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体。
    (クーロン量の測定方法)
    燃料電池用発電用セルに膜・電極接合体を組み込み、アノード側に水素ガスを流し参照極とし、カソード側には窒素ガスを流し作用極とし、これにポテンシオスタットを接続し、さらに電位をスイープするためにファンクションジェネレーターを使用して、サイクリックボルタンメトリー法の測定を行う。この操作によりカソード側の触媒層のクーロン量を求める。また、アノード側の触媒層のクーロン量を測定するには、上記の測定において、カソード側に水素ガスを流し参照極とし、アノード側には窒素ガスを流し作用極として同様に測定を行う。上記サイクリックボルタンメトリー法の測定条件としては、アノード側、カソード側それぞれに供給するガスを、いずれも実際に燃料電池を運転する条件と同じ条件で加湿して供給する。電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量は、このサイクリックボルタンメトリー法により電位の幅140mV〜400mVの間で測定される、金属触媒(白金又は白金合金)の表面に吸着する水素の量を単位面積あたりの電気量(単位クーロン)として算出した値である。
  2. アノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置されるイオン交換膜とを有する膜・電極接合体を備え、該膜・電極接合体のアノードに水素を含むガスを供給し、カソードに酸素を含むガスを供給する固体高分子型燃料電池において、前記アノード及び前記カソードは、白金又は白金合金がカーボン担体に担持された触媒とスルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体からなるイオン交換樹脂とを含む触媒層を有しており、該触媒層中の前記パーフルオロカーボン重合体の質量Wと前記カーボン担体の質量Wとの質量比W/W1.41.6であり、前記触媒層の下記方法で電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量が0.02〜0.1クーロン/cm であり、かつ前記水素を含むガスは、60〜90℃の露点を有し、前記酸素を含むガスは、40〜80℃の露点を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
    (クーロン量の測定方法)
    燃料電池用発電用セルに膜・電極接合体を組み込み、アノード側に水素ガスを流し参照極とし、カソード側には窒素ガスを流し作用極とし、これにポテンシオスタットを接続し、さらに電位をスイープするためにファンクションジェネレーターを使用して、サイクリックボルタンメトリー法の測定を行う。この操作によりカソード側の触媒層のクーロン量を求める。また、アノード側の触媒層のクーロン量を測定するには、上記の測定において、カソード側に水素ガスを流し参照極とし、アノード側には窒素ガスを流し作用極として同様に測定を行う。上記サイクリックボルタンメトリー法の測定条件としては、アノード側、カソード側それぞれに供給するガスを、いずれも実際に燃料電池を運転する条件と同じ条件で加湿して供給する。電気化学的に測定される単位面積あたりのクーロン量は、このサイクリックボルタンメトリー法により電位の幅140mV〜400mVの間で測定される、金属触媒(白金又は白金合金)の表面に吸着する水素の量を単位面積あたりの電気量(単位クーロン)として算出した値である。
JP2001299214A 2001-09-28 2001-09-28 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体 Expired - Fee Related JP4779278B2 (ja)

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