JP3861146B2 - 燃料電池用負極触媒 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池用負極触媒及び燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素、エタノールなどを電気化学的に反応させて直接電気エネルギーとして取り出す装置であり、地球環境に優しく、省エネルギーであり、その用途は、各種の範囲に広がっている。例えば、大規模電源、分散型電源、燃料電池自動車用電源、各種携帯機器用電源などとしての利用が期待される。
【0003】
燃料電池は、通常、正極と負極の二つの電極により電解質を挟んだ構成である。この様な燃料電池の内で、電解質としてプロトン導電膜を用いる固体高分子形燃料電池は、(1)室温から100℃の低温度域で作動する、(2)構成材料が全て固体からなる、(3)小型・軽量化が可能である、などの特徴を持つものであり、分散型電源、家庭用電源、燃料電池自動車用電源、各種携帯機器(携帯型パソコン、携帯電話、ディジタルカメラ、PDAなど)用電源等への実用化が大いに期待されている。
【0004】
固体高分子形燃料電池は、一般的に、プロトン導電膜の両側にそれぞれ負極(負極触媒+集電物質)と正極(正極触媒+集電物質)を接合した電極接合体から構成されている。
【0005】
この様な構造の固体高分子形燃料電池では、負極側の反応は、水素(H)がプロトン(H)と電子(e)に分解される反応であり、この反応を促進するための触媒としては、白金が最も良い触媒物質とされており、通常、集電体と白金粒子の担体の機能を兼ねた炭素粉末上に白金粉末を担持させ、プロトン導電膜にホットプレス成形した電極接合体の形態で用いられている。
【0006】
更に、白金を含む触媒として、白金とルテニウムを混合した触媒、白金と酸化バナジウムを混合した触媒、白金と酸化チタンを混合した触媒、白金と酸化モリブデンを混合した触媒等が報告されている(例えば、非特許文献1〜4参照)。しかしながら、従来の負極では、高価且つ資源量に乏しい白金を触媒として多量に使用する必要があるために、これに代わり得る、優れた性能を有する触媒が望まれている。
【0007】
また、燃料である水素としては、通常、天然ガス、石油、石炭などの炭化水素と水蒸気とを反応させて得られる改質ガスを用いることが多いが、改質ガス中には、水素の他に、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸気、未反応の炭化水素などが含まれている。特に、一酸化炭素は、触媒物質である白金の表面に吸着して、発電性能を著しく低下させる原因となる。このため、一酸化炭素の存在下においても優れた触媒活性を維持できる触媒物質の開発が望まれている。
【0008】
【非特許文献1】
安田著、「環境触媒ハンドブック」、NTS出版、2001年、p819−824
【0009】
【非特許文献2】
ティー.トダ(T. Toda)外著、「ジャーナル オブ エレクトロケミカルソサエティー(J. Electrochem. Soc.,)」,146(1999),p3350
【0010】
【非特許文献3】
エイチ.エー.ガスタイガー(H.A. Gasteiger)外著、「ジャーナル オブフィジカル ケミストリー(J. Phys. Chem.,)」、99(1995),p8945
【0011】
【非特許文献4】
ティー.イオロイ(T. Ioroi)外著、「エレクトロケミストリー コミュニケーションズ(Electrochemistry Communications)」、4(2002),p 442−446
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、燃料電池用負極触媒として優れた性能を有し、且つ、白金と比較して安価であって、しかも一酸化炭素の存在する雰囲気下においても優れた触媒活性を維持できる、燃料電池用の新規な触媒物質を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、金微粒子が燃料電池のアノード反応用負極触媒として優れた性能を有し、しかも一酸化炭素が存在する雰囲気下においても優れた触媒性能を維持できる物質であることを見出した。更に、金微粒子に加えて、特定の金属又はその酸化物を用いる場合や貴金属成分を用いる場合には、より優れた触媒性能を発揮できることを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明は、下記の燃料電池用負極触媒及び燃料電池を提供するものである。
1. (1)金微粒子、並びに(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分が、混合した状態で含まれる、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
2. (1)金微粒子、並びに(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分が、導電性担体に担持されたものである上記項に記載の水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
3. (1)金微粒子、(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分、並びに(3)白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒子状の成分が、混合した状態で含まれる、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
. (1)金微粒子、(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分、並びに(3)白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒子状の成分が、導電性担体に担持されたものである上記項に記載の水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
5. 導電性担体が炭素である上記項2又は4に記載された、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
6. 上記項1〜5のいずれかに記載のアノード反応用負極触媒を含む負極を有する、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池。
7. 固体高分子形プロトン導電体の両側にそれぞれ正極と負極を接合した電極接合体から構成される固体高分子形燃料電池において、上記項1〜5のいずれかに記載の触媒をアノード反応用負極触媒とする、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池。
8. 固体高分子形プロトン導電体の両側にそれぞれ正極と負極を接合した電極接合体から構成される固体高分子形燃料電池において
負極、白金をアノード反応用負極触媒成分とする触媒層が固体高分子形プロトン導電体に接合され、この触媒層上に、上記項1〜5のいずれかに記載の触媒をアノード反応用負極触媒成分とする触媒層を積層した構造である、水素を含む燃料ガスを用いる固体電解質形燃料電池。
【0015】
【発明の実施の形態】
金微粒子及び添加剤成分を含む触媒
本発明の燃料電池用負極触媒は、金微粒子を有効成分として含むものである。金微粒子を有効成分とする燃料電池用負極触媒は、燃料電池におけるアノード反応に対して優れた触媒活性を有すると同時に、一酸化炭素の存在下においても、優れた触媒活性を長期間維持することができる。
【0016】
金微粒子は、平均粒子径が100nm程度以下であることが好ましく、30nm程度以下であることがより好ましい。平均粒子径の下限値は特に制限されないが、物理的安定性の見地より約1nm程度以上とすれば良い。なお、該触媒における金属微粒子の平均粒子径は、金属微粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、任意に選んだ100個の粒子径の算術平均値である。
【0017】
発明の燃料電池用触媒では、金微粒子に加えて、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(以下、「添加剤成分」という場合がある)を有効成分として含むことによって、触媒活性をより向上させることができる。
【0018】
上記添加剤成分は、粉末状であることが好ましく、平均粒子径は、5nm〜50μm程度であることが好ましく、10nm〜1μm程度であることがより好ましい。
【0019】
上記添加剤成分の使用量は、金微粒子100重量部に対して0.1〜10000重量部程度であることが好ましく、1〜200重量部程度であることがより好ましい。
【0020】
金微粒子と上記添加剤成分は、十分に混合した状態で用いても良いが、特に、金微粒子と添加剤成分が接触する状態で導電性担体上に担持させることによって、より触媒活性を向上させることができる。
【0021】
導電性担体としては、炭素、チタン、ニオブ、タンタル等を用いることができる。代表的なプロトン導電膜であるパーフルオロ型のスルホン酸膜は酸性であるが、これらの導電性担体は、導電性が良好であって、酸性雰囲気において安定である。導電性担体の形状については特に限定的ではなく、例えば、繊維状、布状、シート状などの形状で用いることができる。その他、各種の形状に予め成形して用いても良い。
【0022】
上記した導電性担体の内では、特に炭素が好ましい。炭素としては、電極触媒担体として公知のものを使用できるが、特に、比表面積が25〜1500cm /g程度のものが好ましく、50〜1500cm /g程度のものがより好ましい。この様な炭素材料としては、導電性カーボンブラックであるファーネスブラック、アセチレンブラック等が好適であり、具体例としては、Denka Black、Vulcan、 Black pearl等として市販されているカーボンブラックを挙げることができる。
【0023】
金微粒子と添加剤成分を導電性担体に担持させる順序については、特に限定はなく、例えば、1)担体に金微粒子を担持させた後、添加剤成分を担持させる方法、2)担体に添加剤成分を担持させた後、金微粒子を担持させる方法、3)金微粒子と添加剤成分を同時に担体に担持させる方法、4)金微粒子を添加剤成分に担持させた後、これを導電性担体
に担持させる方法などを挙げることができる。
【0024】
金微粒子を担持させる方法については、特に限定はなく、従来公知の担持方法を適宜適用できる。例えば、1)含浸法、2)各種還元剤を用いた金種の還元付着・析出法、3)光照射による金種の還元付着・析出法、4)pH制御中和による析出沈殿法、5)有機金錯体吸着法、6)気相での有機金錯体の吸着法、7)気相での物理的蒸気析出(PVD)法、8)真空蒸着法、9)イオン注入法等により行うことができる。これらの各方法における具体的な条件については、特に限定的ではなく、目的とする金微粒子担持体が得られるように適宜設定すればよい。
【0025】
原料として用いる金化合物としては、担持方法に応じて、塩化金、塩化金酸等の金の水溶性化合物、金アセチルアセトナート、クロロ(トリフェニルホスフィン)金(I)[AuCl[P(C ]]等の有機溶媒に可溶性の化合物、金アセチルアセトナート等の昇華性の化合物、各種無機又は有機金錯体化合物等から適宜選択して用いればよい。
【0026】
添加剤成分を担持させる方法については、特に限定的ではなく、公知の方法を適宜適用できる。具体的には、例えば、1)含浸法、2)共沈法、3)金属アルコキシドの加水分解法、4)有機金属錯体吸着法、5)気相での有機金属錯体の吸着法、6)気相での物理的蒸気析出(PVD)法、7)真空蒸着法、8)イオン注入法等により行うことができる。これらの各方法では、原料物質としては、担持方法に応じて、水溶性化合物、有機溶媒に可溶性の化合物、昇華性の化合物、各種無機および有機金錯体化合物等から適宜選択して用いればよい。
【0027】
金微粒子及び添加剤成分の担持量については、導電性担体100重量部に対して、金微粒子と添加剤成分の合計量が1〜300重量部程度となる範囲内とすることが好ましく、5〜120重量部程度となる範囲内とすることがより好ましい。
【0028】
金微粒子、添加剤成分及び貴金属成分を含む触媒
本発明の触媒では、更に、(1)金微粒子、(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(添加剤成分)、並びに(3)白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の成分(貴金属成分)からなる三種類の成分を同時に有効成分として含んでも良い。
【0029】
貴金属成分は、それ自体が燃料電池用触媒としての触媒活性を有するものであり、金微粒子と混合して用いることによって、十分な触媒活性を維持した上で、貴金属成分の使用量を低減することができる。また、金微粒子を併用することによって、一酸化炭素の存在下における触媒活性の低下を抑制できる。
【0030】
また、上記(1)〜(3)の三種類の成分を同時に含む場合には、貴金属成分の使用量を低減した上で、触媒活性を向上させることができ、更に、一酸化炭素の存在下における触媒活性の低下も抑制できる。
【0031】
貴金属成分は、微粒子状として用いることが好ましく、平均粒子径は、1nm〜30nm程度であることが好ましく、1nm〜5nm程度であることがより好ましい。
【0032】
金微粒子、添加剤成分及び貴金属成分の使用量は、金微粒子100重量部に対して、添加剤成分を0.1〜10000重量部程度、貴金属成分を1〜500重量部程度とすることが好ましく、添加剤成分を1〜200重量部程度、貴金属成分を10〜100重量部程度とすることがより好ましい。
【0033】
金微粒子、添加剤成分、及び貴金属成分は、十分に混合した状態で用いても良いが、これらの三成分を導電性担体上に担持させることによって、より触媒活性を向上させることができる。
【0034】
金微粒子、添加剤成分及び貴金属成分を導電性担体に担持させる順序については、特に限定はなく、三種類の成分を同時に担持させてもよく、任意の順序で順次担持させても良い。また、金微粒子を添加剤成分に担持させ、これを導電性担体に担持させても良い。
【0035】
上記貴金属成分を担持させる方法については、特に限定的ではなく、公知の方法を適宜適用できる。具体的には、例えば、1)含浸法、2)共沈法、3)有機金属錯体吸着法、4)気相での有機金属錯体の吸着法、5)気相での物理的蒸気析出(PVD)法、6)真空蒸着法、7)イオン注入法等の方法により行うことができる。これらの各方法では、原料物質としては、担持方法に応じて、水溶性化合物、有機溶媒に可溶性の化合物、昇華性の化合物、各種無機又は有機金錯体化合物等から適宜選択して用いればよい。
【0036】
金微粒子及び添加剤成分を担持させる方法については、前述した各種方法を適宜適用できる。
【0037】
金微粒子、添加剤成分及び貴金属成分の担持量については、導電性担体100重量部に対して、金微粒子、添加剤成分及び貴金属成分の合計量が1〜300重量部程度となる範囲内とすることが好ましく、5〜120重量部程度となる範囲内とすることがより好ましい。
【0038】
燃料電池
本発明触媒は、燃料電池における負極(燃料極)用のアノード反応用触媒として有効である。燃料電池の形状などについては、特に限定はなく、任意形状のイオン導電体上に、負極(燃料極)と正極(酸素極)を密着させて成形体(以下、「電極接合体」という)として用いることができる。特に、ナフィオン等の商標名で市販されている固体高分子形プロトン導電体の両側にそれぞれ負極(燃料極)と正極(酸素極)を接合した電極接合体から構成される固体高分子形燃料電池における負極用触媒として有用性が高いものである。この様な電極接合体は、携帯型パソコン、携帯型端末、携帯電話等の小型電源用燃料電池として適した形態で使用することが可能である。
【0039】
本発明触媒を用いる燃料電池については、その構造は従来公知のものと同様でよく、イオン導電体及び正極(酸素極)としては、公知のものを使用できる。
【0040】
発明の触媒を用いて負極を形成するには、導電性担体上に担持させた触媒を用いる場合には、担体自体が集電物質としても機能するので、必要に応じてバインダーを添加して、イオン導電体の負極側に触媒層を形成すればよい。また、導電性担体に担持させていない場合には、本発明の触媒にカーボン等の集電物質を加え、必要に応じてバインダーを混合して、イオン導電体の負極側に触媒層を形成すればよい。負極(触媒層)の厚さについては、特に限定的ではないが、通常、2〜100μm程度とすればよい。
【0041】
また、本発明の触媒を用いてアノード極を形成する場合に、公知の触媒成分である白金を用いた触媒層を形成した上に、本発明の触媒を用いた触媒層を形成した2層構造の触媒層としても良い。この様な2重構造の触媒層では、触媒層の表面が本発明の触媒を用いた触媒層で形成されていることから、一酸化炭素を含む水素を燃料として用いる場合であっても、白金触媒に接触する前に一酸化炭素が分解され、一酸化炭素の吸着による白金触媒の性能低下を防止でき、白金触媒の機能を長期間有効に発揮することができる。この様な
2重構造の触媒層では、白金触媒としては、従来公知のものをそのまま使用できる。白金を触媒成分とする触媒層の厚さについては、特に限定的ではないが、通常、2〜100μm程度とすることが好ましく、5〜30μm程度とすることがより好ましい。この様な2重構造の触媒層では、金微粒子を含む触媒層が形成されていることから、白金を触媒成分とする触媒層の厚さが従来のものより薄い場合であっても、従来と同様或いは従来を上回る触媒性能を発揮することが可能である。本発明の触媒を用いた触媒層の厚さについては、特に限定的ではないが、白金を触媒物質とする触媒層の表面を十分に被覆できる厚さとすれば良く、通常、2〜50μm程度、好ましくは、5〜30μmの厚さから適宜決めればよい。
【0042】
発電方法
本発明の触媒を用いた燃料電池では、水素を含む燃料ガスを用いて発電を行うことができる。燃料中の水素濃度については、特に限定的ではないが、例えば、燃料中に水素が0.1〜100容量%程度存在すればよい。また、他のガス成分として、例えば、水蒸気、二酸化炭素、窒素等のガスが存在してもよい。更に、白金を触媒成分とする場合に電極触媒の発電性能を著しく低下させることが知られている、一酸化炭素が存在しても良い。また、少量の酸素(例えば、水素に対して10容量%程度以下)、または少量の空気(例えば、水素に対して50容量%程度以下)が共存してもよい。
【0043】
水素を含む燃料ガスの製造方法については、特に限定的ではないが、例えば、石油、石炭、天然ガス由来の炭化水素の改質等により生じたものを使用できる。水素を燃料として発電を行うには、燃料である水素濃度、金微粒子の含有量、ガス中の共存成分等の条件によって異なるが、通常、本発明触媒と水素とを、室温(25℃程度)〜150℃程度、好ましくは60〜100℃程度の温度で接触させればよい。
【0044】
水素を含む燃料の圧力については特に限定的ではないが、例えば、常圧(約0.1MPa)から1Ma程度といった高圧条件まで採用することができる。
【0045】
また、燃料である水素含有ガスを循環させることもでき、発電に利用した水素の割合を高めることができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の触媒は、燃料電池のアノード反応用負極触媒として優れた触媒活性を有するものであり、白金と比較して安価であり、しかも一酸化炭素の存在する雰囲気下においても優れた触媒活性を維持できる。
【0047】
また、白金を含む触媒層上に、本発明の触媒を含む触媒層を積層した構造の負極では、白金を含む触媒層が従来の触媒層より薄い厚さであっても、従来と同様或いは従来を上回る触媒性能を発揮することができ、しかも、一酸化炭素の吸着による触媒活性の低下を抑制することができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を示して、本発明の特徴とするところをより一層明瞭にする。
【0049】
参考例1
金のコロイド溶液(真空冶金(株)製、パーフェクトゴールド、金の含有量8重量%、金の平均粒子径6nm、分散溶媒 α−テルピネオール)6.25gに、イソプロピルアルコール100mlを加えてA液を得た。このA液中にカーボンブラック粉末(キャボット社製、商標名:Valcan XC−72R)0.5gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて
撹拌しながら減圧し、溶媒を除去して粉末を得た。得られた粉末を真空乾燥器にて、真空中で150℃で4時間乾燥した。この粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理し、引き続き水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら、450℃で2時間熱処理することにより、金固定化炭素触媒(参考触媒No.1:Au/C、金の含有量は50重量%)を得た。
【0050】
得られた金固定化炭素触媒の電気化学的特性を下記の方法によって評価した。まず、金固定化炭素触媒の粉末10mgを蒸留水5ml中に入れ、超音波を印加して分散させた。この分散水溶液を3μl採取し、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(内径3mm)上に滴下し、乾燥器中で70℃で30分間乾燥させた。次に、導電性樹脂溶液(ナフィオン(商標名)含有量2.5重量%エタノール溶液)を10μlを滴下し、乾燥器中で150℃で1時間乾燥することにより固定化して、Au/C試験電極を作成した。
【0051】
次に、得られたAu/C試験電極について、以下の方法で、0.5mol/lの硫酸水溶液中で3電極式の電気化学セルを用いて、室温にて電気化学的試験を行った。
【0052】
まず、硫酸水溶液中にアルゴンガスをバブリングさせることにより溶存酸素を除き、電位走査(電位走査範囲:0.05〜1.00V、走査速度:20mV/s)を数十回行ってAu/C試験電極表面を洗浄した。試験電極の電位を0.05Vに保持したままアルゴンガスを試験ガス(水素もしくは水素+一酸化炭素混合ガス)に切り換えて、10分間バブリングした後、電位を変化させて電流値を測定した(電位走査範囲:0.05〜1.00V、走査速度:20mV/s)。
【0053】
Au/C(参考触媒No.1)試験電極について、水素ガスを流通させた場合、及び水素(98容量%)と一酸化炭素(2容量%)の混合ガスを流通させた場合の電流と電位の測定結果を図1に示す。電位値は、水素電極基準(RHE)にて表記する。
【0054】
水素ガスを流通させた場合、及び水素と一酸化炭素の混合ガスを流通させた場合について、いずれも、0.2V付近から電流値(縦軸)が増加し始め、電流値は電位に対して単調に増加することが分かる。この結果は、一酸化炭素が共存する水素ガスを用いる場合であっても発電ができることを示すものである。
【0055】
参考例2:
金のコロイド溶液(真空冶金(株)製、パーフェクトゴールド、金の含有量8重量%、金の平均粒子径6nm、分散溶媒 α−テルピネオール)4.16gにイソプロピルアルコール100mlを加えてA液を得た。このA液中にカーボンブラック粉末(キャボット社製、Valcan XC−72R)0.667gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し溶媒を除去して粉末を得た。得られた粉末を真空乾燥器にて、150℃で4時間真空中で乾燥した。この粉末を石英管に充填し、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理後、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理をすることにより、金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は33.3重量%)を得た。
【0056】
一方、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[OCH(CH)0.890gをイソプロパノール100mlに溶解してB液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量:33.3重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し、イソプロパノールを除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中に放置することにより加水分解させた。次に、得られた
粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化チタン金固定化炭素触媒(参考触媒No.2:TiO/Au/C、酸化チタンの含有量25重量%、金の含有量25重量%)を得た。
【0057】
上記の方法と同様に、金のコロイド溶液(真空冶金(株)製、パーフェクトゴールド、金の含有量8重量%、金の平均粒子径6nm、分散溶媒 α−テルピネオール)3.13gにイソプロピルアルコール100mlを加えてC液を得た。このC液中にカーボンブラック粉末(キャボット社製、Valcan XC−72R)0.750gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し溶媒を除去して粉末を得た。得られた粉末を真空乾燥器を用いて、150℃で4時間真空中で乾燥した。この粉末を石英管に充填し、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理後、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理をすることにより、金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)を得た。
【0058】
一方、チタン(IV)イソプロポキシド(Ti[OCH(CH)1.34gをイソプロパノール150mlに溶解してD液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し、イソプロパノールを除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中で放置することにより加水分解させた。次に得られた粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化チタン金固定化炭素触媒(参考触媒No.3:TiO/Au/C、酸化チタンの含有量33.3重量%、金の含有量16.7重量%)を得た。
【0059】
以上の方法で得られた参考触媒No.2及びNo.3について、参考例1と同様にして試験電極を作製し、水素(98容量%)と一酸化炭素(2容量%)の混合ガスを流通させて電気化学的特性を測定した。比較触媒として、市販の白金ルテニウム固定化炭素触媒(比較例触媒No.1:PtRu/C、ジョンソンマッセー製HiSPEC 7000、白金の含有量30重量%、ルテニウムの含有量15重量%)と市販の白金固定化炭素触媒(比較例触媒No.2:Pt/C、ジョンソンマッセー製HiSPEC 4000、白金の含有量40重量%)を用いて同様の測定を行った。結果を図2に示す。図2から、TiO/Au/C触媒を用いる場合には、その他の触媒を用いる場合と比較して、低電位値で発電可能であることが判る。
【0060】
実施例1:
金のコロイド溶液(真空冶金(株)製、パーフェクトゴールド、金の含有量8重量%、金の平均粒子径6nm、分散溶媒 α−テルピネオール)3.13gにイソプロピルアルコール100mlを加えてA液を得た。このA液中にカーボンブラック粉末(キャボット社製、Valcan XC−72R)0.750gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し溶媒を除去して粉末を得た。得られた粉末を真空乾燥器にて、真空中で150℃で4時間乾燥した。この粉末を石英管に充填し、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理後、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理をすることにより、金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)を得た。
【0061】
一方、タンタル(V)エトキシド(Ta[OC)0.69gをエタノール1
00mlに溶解してB液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、50℃にて撹拌しながら減圧しエタノールを除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中で放置することにより加水分解させた。次に得られた粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化タンタル金固定化炭素触媒(本発明触媒No.:Ta/Au/C、酸化タンタルの含有量33.3重量%、金の含有量16.7重量%)を得た。
【0062】
同様に、ニオブ(V)エトキシド(Nb[OC)0.90gをエタノール100mlに溶解してC液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、50℃にて撹拌しながら減圧しエタノールを除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中で放置することにより加水分解させた。次に得られた粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化ニオブ金固定化炭素触媒(本発明触媒No.:Nb/Au/C、酸化ニオブの含有量33.3重量%、金の含有量16.7重量%)を得た。
【0063】
同様に、ジルコニウム(IV)エトキシド(Zr[OC)0.826gをイソプロパノール100mlに溶解してD液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧しイソプロパノールを除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中で放置することにより加水分解させた。次に得られた粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化ジルコニウム金固定化炭素触媒(本発明触媒No.:ZrO/Au/C、酸化ジルコニウムの含有量33.3重量%、金の含有量16.7重量%)を得た。
【0064】
同様に、硝酸セリウム(Ce[NO・6HO)0.946gを蒸留水100mlに溶解してE液を得た。この溶液に上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)0.75gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し水を除去して粉末を得た。得られた粉末を乾燥器中にて70℃で4時間、空気中で放置することにより加水分解させた。次に得られた粉末を石英管に充填し、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理した後、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理することにより、酸化セリウム金固定化炭素触媒(本発明触媒No.:CeO/Au/C、酸化セリウムの含有量33.3重量%、金の含有量16.7重量%)を得た。
【0065】
上記した各触媒について、参考例1と同様にして試験電極を作製し、水素(98容量%)と一酸化炭素(2容量%)の混合ガスを流通させて電気化学的特性を測定した。結果を図3に示す。図3から、Ta/Au/C触媒、Nb/Au/C触媒、ZrO/Au/C触媒及びCeO/Au/C触媒は、TiO/Au/C触媒を用いる場合と同様に、その他の触媒を用いる場合と比較して、低電位値で発電可能であることが判る。
【0066】
参考例3:
金のコロイド溶液(真空冶金(株)製、パーフェクトゴールド、金の含有量8重量%、金の平均粒子径6nm、分散溶媒 α−テルピネオール)3.13gにイソプロピルアルコール100mlを加えてA液を得た。このA液中にカーボンブラック粉末(キャボット社製、Valcan XC−72R)0.750gを加えて、30分間撹拌した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーター装置に取り付け、60℃にて撹拌しながら減圧し溶媒を除去して粉末を得た。得られた粉末を真空乾燥器にて真空中、150℃で4時間乾燥した。この粉末を石英管に充填し、水素(10容量%)を含む窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理後、窒素ガスを流通させながら450℃で2時間熱処理をすることにより、金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)を得た。
【0067】
得られた金固定化炭素触媒を用いて、下記の方法で白金固定化炭素触媒との二重構造の試験電極を作製した。
【0068】
白金固定化炭素触媒としては、市販品(比較例触媒No.2:Pt/C、ジョンソンマッセー製HiSPEC 4000、白金の含有量40重量%)を用いた。
【0069】
まず、白金固定化炭素触媒(比較例触媒No.2:Pt/C)の粉末10mgを蒸留水5ml中に入れ、超音波を印加して分散させた。この分散水溶液を3μl採取し、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(内径3mm)上に滴下し、乾燥器中で70℃で30分間乾燥させた。次に、上記の金固定化炭素触媒(Au/C、金の含有量は25重量%)の粉末10mgを蒸留水5ml中に入れ、超音波を印加して分散させた。この分散水溶液を3μl採取し、白金固定化炭素触媒を滴下、乾燥させた部分に滴下し、乾燥器中で70℃で30分間乾燥させた。更に、導電性樹脂溶液(ナフィオン(商標名)含有量2.5重量%エタノール溶液)を10μl滴下し、乾燥器中で150℃で1時間乾燥することにより固定化して、Pt触媒層上にAu触媒層を形成したAu/Pt2重層構造の試験電極(Au/Pt/C試験電極)を作成した。
【0070】
一方、白金固定化炭素触媒(比較例触媒No.2:Pt/C)の粉末10mgを蒸留水5ml中に入れ、超音波を印加して分散させた。この分散水溶液を3μl採取し、鏡面研磨したグラッシーカーボン電極(内径3mm)上に滴下し、乾燥器中で70℃で30分間乾燥させた。再びこの白金固定化炭素触媒の分散水溶液を3μl採取し、白金固定化炭素触媒を滴下、乾燥させた部分に滴下し、乾燥器中で70℃で30分間乾燥させた。更に、導電性樹脂溶液(ナフィオン(商標名)含有量2.5重量%エタノール溶液)を10μl滴下し、乾燥器中で150℃で1時間乾燥することにより固定化して、Pt/C試験電極を作成した。
【0071】
上記した方法で得たAu/Pt/C試験電極とPt/C試験電極について、純水素、及び水素(99.9容量%)と一酸化炭素(0.1容量%)の混合ガスを流通させて電気化学的特性を測定した。結果を図4に示す。図4から、Au/Pt2重層構造の電極は、水素中に一酸化炭素が存在しても水素による発電可能であることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1における電気化学的試験の結果を示すグラフ。
【図2】参考例2における電気化学的試験の結果を示すグラフ。
【図3】実施例における電気化学的試験の結果を示すグラフ。
【図4】参考例3における電気化学的試験の結果を示すグラフ。

Claims (8)

  1. (1)金微粒子、並びに(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分が、混合した状態で含まれる、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
  2. (1)金微粒子、並びに(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分が、導電性担体に担持されたものである請求項1に記載の水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
  3. (1)金微粒子、(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分、並びに(3)白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒子状の成分が、混合した状態で含まれる、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
  4. (1)金微粒子、(2)酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化ジルコニウム及び酸化セリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の粉末状の成分、並びに(3)白金、ルテニウム及びルテニウムの酸化物からなる群から選ばれた少なくとも1種の微粒子状の成分が、導電性担体に担持されたものである請求項3に記載の水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
  5. 導電性担体が炭素である請求項2又は4に記載された、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池のアノード反応用負極触媒。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のアノード反応用負極触媒を含む負極を有する、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池。
  7. 固体高分子形プロトン導電体の両側にそれぞれ正極と負極を接合した電極接合体から構成される固体高分子形燃料電池において、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒をアノード反応用負極触媒とする、水素を含む燃料ガスを用いる固体高分子形燃料電池。
  8. 固体高分子形プロトン導電体の両側にそれぞれ正極と負極を接合した電極接合体から構成される固体高分子形燃料電池において
    負極、白金をアノード反応用負極触媒成分とする触媒層が固体高分子形プロトン導電体に接合され、この触媒層上に、請求項1〜5のいずれかに記載の触媒をアノード反応用負極触媒成分とする触媒層を積層した構造である、水素を含む燃料ガスを用いる固体電解質
    燃料電池。
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