JP6364855B2 - 膜電極接合体の製造方法 - Google Patents

膜電極接合体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体高分子形燃料電池に好適に用いられる膜電極接合体の製造方法に関する。
燃料電池は、水素等の燃料と空気等の酸化剤を電気化学的に反応させることにより、燃料の化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出す発電方式である。この発電方式は、発電効率が高く、静粛性に優れ、大気汚染の原因となる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)、更に地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない等の利点がある。これらの利点から、燃料電池は新エネルギーとして期待されている。燃料電池の適用分野の例として、携帯電気機器の長時間電力供給、コジェネレーション用定置型発電温水供給機、燃料電池自動車等があり、用途も規模も多様である。
燃料電池の種類は、使用する電解質によって、固体高分子形、リン酸形、溶融炭酸塩形、固体酸化物形、アルカリ形等に分類され、それぞれ運転温度が大きく異なり、それに伴い発電規模や利用分野も異なる。
上述した各種の燃料電池の中で、長所の多い固体高分子形燃料電池が知られている。この固体高分子形燃料電池は、陽イオン交換膜を電解質として用いたものである。その長所として、(1)燃料電池の中でも比較的低温で動作するため室温付近で使用可能である点、(2)電解質膜の薄膜化により内部抵抗を低減できるため高出力化及びコンパクト化が可能である点に着目されている。そのため、固体高分子形燃料電池は、車載用電源や家庭用据置電源等への用途が有望視されており、近年、様々な研究開発が行われている。
固体高分子形燃料電池は、高分子電解質の両面に一対の電極触媒層が形成された膜に、一対のガス拡散層が配置されるとともに、中心部材としての膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:MEA)が構成されている。また、電極触媒層の周縁部にはガスケットが配置されている。そして、中心部材である膜電極接合体を、一対のセパレータ板で挟持することによって電池が構成されている。この固体高分子形燃料電池において、一方の電極に水素を含有する燃料ガスを供給し、他方の電極に酸素を含む酸化剤ガスを供給するために、それぞれのガス流路が形成されている。なお、高分
子電解質の両面に一対の電極触媒層が形成された膜は、触媒層付電解質膜(Catalyst Coated Membrane:CCM)とも呼ばれている。そして、一対のセパレータ板で挟持された電池を単電池セルと呼ぶ。
固体高分子形燃料電池は、出力密度の増大と燃料電池全体のコンパクト化を目的として、複数の単電池セルを積層(スタック)して用いられる。スタックする枚数は、必要な電力により異なり、一般的な携帯電気機器のポータブル電源では数枚から10枚程度、コジェネレーション用定置型電気及び温水供給機では60〜90枚程度、自動車用途では250〜400枚程度である。高出力化をするためにはスタック枚数を増やすことが必要となり、単電池セルのコスト(費用)が燃料電池全体のコストに大きく影響する。プロセスコストの観点から、安価で簡便な触媒層付電解質膜や膜電極接合体の製造方法が望まれてい
る。
触媒層付電解質膜の製造において、固体高分子電解質膜の上に触媒層を形成する方法として、例えば、特許文献1に記載のように、固体高分子電解質膜に触媒を含む塗工液を塗布することにより、触媒層を固体高分子電解質膜上に形成する方法や、特許文献2に記載のように、別途用意した基材フィルム上に触媒を含む塗工液を塗布し、固体高分子電解質膜と積層してホットプレスすることにより触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する方法等が知られている。
また、膜電極接合体の製造において、触媒層付電解質膜にガス拡散層を形成する方法として、例えば、触媒層付電解質膜の触媒層上にガス拡散層を積層してホットプレスすることによりガス拡散層を触媒層上に接合する方法が知られている。
特開2013−20816 特開2013−51047
しかしながら、特許文献1に開示された、固体高分子電解質膜に触媒を含む塗工液を塗布することにより、触媒層を固体高分子電解質膜上に形成する触媒層付電解質膜の製造方法では、固体高分子電解質膜が触媒インクの溶媒に触れるとすぐに膨潤してしまうという課題があり、固体高分子電解質膜上に形成された触媒層が、製造工程における乾燥処理のときの固体高分子電解質膜の収縮に伴って収縮し、固体高分子電解質膜上に形成された触媒層中にクラックが発生するという問題がある。
また、特許文献2に開示された、別途用意した基材フィルム上に触媒を含む塗工液を塗布し、固体高分子電解質膜上に転写する触媒層付電解質膜の製造方法においては、副資材である基材フィルムが必要となるため、製造コストの増加が問題となる。
更に、特許文献2に開示された触媒層付電解質膜の製造方法では、ホットプレス工程が触媒層を固体高分子電解質膜上に転写する時と膜電極接合体製造におけるガス拡散層接合時の2度含まれるため、タクト時間が長くなり、製造コストの増加が問題となる。
本発明は、上記問題を考慮して成し遂げられたものであり、(1)膜電極接合体における触媒層のクラックの発生を抑制する、(2)製造方法が安価である、膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体を採用した。
本発明の実施形態に係る膜電極接合体の製造方法のある態様は、高分子材料と溶媒とを含む触媒インクを固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ塗布する塗布工程と、両面に塗布された触媒インクをそれぞれ乾燥させ、固体高分子電解質膜を挟んだ一対の触媒層を形成する乾燥工程と、一対の触媒層にそれぞれ、固体高分子電解質膜と反対側の面上にガス拡散層を接合する接合工程と、を備えた膜電極接合体の製造方法であって、乾燥工程は、一対の触媒層のうち少なくとも一方の触媒層を、触媒層に含まれる残留溶媒量の、塗布前の触媒インク中に含まれる初期溶媒量に対する比が、30重量%以上80重量%以下の半乾燥状態に乾燥させる半乾燥工程を含むとともに、接合工程は、半乾燥状態に乾燥した触媒層とガス拡散層とを熱圧着により接合する熱圧着工程を含むこと、を要旨とする。
また、前記ある態様に係る膜電極接合体の製造方法において、半乾燥工程における半乾燥状態の触媒層に含まれる残留溶媒量の、塗布前の触媒インク中に含まれる初期溶媒量に対する比が、30重量%以上60重量%以下としてもよい。
また、前記ある態様に係る膜電極接合体の製造方法において、熱圧着工程で熱圧着するときの温度が、半乾燥工程で触媒層を半乾燥状態に乾燥させるときの温度よりも高くしてもよい。
また、前記ある態様に係る膜電極接合体の製造方法において、触媒層とこの触媒層に接合されたガス拡散層との間に、半乾燥工程及び熱圧着工程により触媒層の一部とガス拡散層の一部と混合して混合層を形成してもよい。
本発明によれば、(1)膜電極接合体における触媒層のクラックの発生を抑制する、(2)製造方法が安価である、(3)触媒層−ガス拡散層間の接触抵抗が小さい、膜電極接合体の製造方法及び膜電極接合体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る膜電極接合体の製造方法を工程順に説明するための模式図である。 本発明の実施形態に係る膜電極接合体の構成を示す、図3中のA−A線断面図である。 本発明の実施形態に係る膜電極接合体の構成を示す上面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る膜電極接合体12の製造方法を工程順に説明するための模式図である。本実施形態に係る膜電極接合体12の製造方法の概略は以下のとおりである。
本発明の実施形態に係る膜電極接合体12の製造方法は、
(1)高分子材料と溶媒とを含む触媒インク2aを固体高分子電解質膜1の両面にそれぞれ塗布する塗布工程と、
(2)両面に塗布された触媒インク2aをそれぞれ乾燥させ、固体高分子電解質膜1を挟んだ一対の触媒層2b,2cを形成する乾燥工程と、
(3)一対の触媒層2b,2cにそれぞれ、固体高分子電解質膜1と反対側の面上にガス拡散層3b,3cを接合する接合工程と、
を備える。
(1)塗布工程(図1(a))
塗布工程の概略は、以下の通りである。
触媒担持粒子と高分子電解質と溶媒とを含む触媒インク2aを用意し、固体高分子電解質膜1の表裏両面に塗布し、カソード触媒層2b、アノード触媒層2cを形成する。
本実施形態で用いる固体高分子電解質膜1は、固体高分子形燃料電池に一般的に用いられるものでよい。例えば、フッ素系電解質膜や炭化水素電解質膜が好適に使用でき、特にフッ素系電解質膜が望ましい。
本実施形態で用いる触媒インク2aには、白金又は白金と他の金属(例えばRu、Rh、Mo、Cr、Co、Fe等)との合金の微粒子(平均粒径は10nm以下が望ましい)が表面に担持されたカーボンブラック等の導電性炭素微粒子(平均粒径:20〜100nm程度)と、パーフルオロスルホン酸樹脂溶液等の高分子溶液とが溶媒の中で均一に混合されたインクを用いて製造されるものが使用できる。溶媒種としては、特に限定されるものではないが、固体高分子電解質膜1が膨潤し難い溶媒(水、エチレングリコール、プロピレングリコール等)を用いるのが好ましい。
(2)乾燥工程(図1(b))
乾燥工程の概略は、以下の通りである。
乾燥工程は、固体高分子電解質膜1上に塗布された触媒インク2aを不完全乾燥し、半乾燥状態のカソード触媒層2b及びアノード触媒層2cを、固体高分子電解質膜1の表裏両面に形成する工程(半乾燥工程)を有する。
半乾燥状態のカソード及びアノード触媒層2b、2cは、各触媒層2b、2c中に含まれる残留溶媒量の、前記(塗布工程)で塗布される前の触媒インク2a中に含まれる初期溶媒量に対する比が、30重量%以上60重量%以下となるように形成されるのが望ましい。乾燥が十分に進み、残留溶媒量が初期溶媒量の30重量%未満となった場合には、固体高分子電解質膜1やカソード及びアノード触媒層2b、2cの過剰な収縮に伴い、カソード及びアノード触媒層2b、2cにクラックが入る。一方、乾燥が極度に不十分であり、残留溶媒量が初期溶媒量の60重量%より大きくなった場合には、カソード及びアノード触媒層2b、2c上にそれぞれカソード及びアノードガス拡散層3b、3cを貼合した際に、各ガス拡散層3b、3cの細孔内に、各触媒層2b、2c中の残留溶媒や高分子電解質が入り込む量が増加して、ガスの拡散性が低下し、燃料電池の発電性能が低下する恐れがある。
(3)接合工程(図1(c))
接合工程の概略は以下の通りである。
接合工程は、カソード及びアノードガス拡散層3b、3cを、触媒層付電解質膜11の一対の触媒層2b、2cの厚み方向の外方にそれぞれ積層して貼合する工程と、半乾燥工程により半乾燥状態に乾燥したカソード及びアノード触媒層2b、2cと、カソード及びアノードガス拡散層3b,3cとを、固体高分子電解質膜1の両面においてそれぞれ熱圧着により接合する工程(熱圧着工程)とを有する。
接合工程は、各ガス拡散層3b,3cを、それぞれ対向する触媒層2b、2cに接合すると共に、カソード及びアノード触媒層2b、2cを、カソード及びアノードガス拡散層3b,3cにより、各触媒層2b、2cが塗布された面側で固定された状態で、各触媒層2b、2cの残留溶媒を除去することが目的となる。各触媒層2b、2cはそれぞれ対向するガス拡散層3b,3cによって固定されているために、乾燥工程を施しても、各触媒層2b、2cのクラックの発生が抑制できる。
加えて、触媒インク2a中の溶媒が、カソード及びアノードガス拡散層3b、3cの細孔間への浸透する現象が、カソード及びアノード触媒層2b、2cを塗布形成するガス拡散電極の作成時に問題とされるところ、本実施形態に係る触媒インク2a中の溶媒のカソード及びアノードガス拡散層3b、3cの細孔間への浸透は、各触媒層2b、2cが半乾燥状態であり、残留溶媒量が60重量%以下であることから、溶媒の浸透に伴う各ガス拡散層3b、3cの細孔の閉塞が抑制される。
熱圧着工程は、特に限定されるものではないが、必要に応じてホットプレスや熱ラミネートを行うことができる。
熱圧着工程の加熱温度は、カソード及びアノード触媒層2b、2c中の溶媒を完全に除去できる温度であることを目的としているため、各触媒層2b、2cと、これらに貼合するそれぞれのガス拡散層3b、3cとを熱圧着するときに用いるプレス用熱盤22の温度が、半乾燥工程で各触媒層2b、2cを半乾燥状態に乾燥させるときの乾燥温度よりも高温であることが望ましい。また、各ガス拡散層3b、3cとこれらに貼合するそれぞれの触媒層2b、2cと接合するのに十分な量である温度であることが望ましい。
図2、図3は、前記した膜電極接合体12の製造方法を用いて製造された膜電極接合体12の構成を示す図である。
本発明の実施の形態に係る膜電極接合体12は、固体高分子電解質膜1の表裏両面上にカソード触媒層2bとアノード触媒層2cがそれぞれ形成され、カソード触媒層2bの厚み方向の外方にカソードガス拡散層3bが配置される。またアノード触媒層2cの厚み方向の外方にアノードガス拡散層3cが配置される。また膜電極接合体12は、アノード触媒層2cとアノード触媒層2cに接合されたアノードガス拡散層3cとの間に、アノード側混合層5cを備える。また膜電極接合体12は、カソード触媒層2bとカソード触媒層2bに接合されたカソードガス拡散層3bとの間にカソード側混合層5bを備える。
アノード側混合層5cは、前記した(半乾燥工程)及び(熱圧着工程)によりアノード触媒層2cの一部とアノードガス拡散層3cの一部とが混合して形成された層である。カソード側混合層5bは、前記した(半乾燥工程)及び(熱圧着工程)によりカソード触媒層2bの一部とカソードガス拡散層3bの一部とが混合して形成された層である。
また、カソード触媒層2bとカソードガス拡散層3bの外周縁部にカソードガスケット層4b、アノード触媒層2cとアノードガス拡散層3cの外周縁部にアノードガスケット層4cが形成されている。
本実施形態に係る膜電極接合体12の製造方法によれば、カソード及びアノード触媒層2b、2cのクラック発生が抑制できる。その理由は以下のとおりである。
各触媒層2b、2cが半乾燥状態で固体高分子電解質膜1上に形成され、半乾燥状態の各触媒層2b、2cにそれぞれのガス拡散層3b、3cが貼合されるため、カソード及びアノード触媒層2b、2cが、カソード及びアノードガス拡散層3b,3cにより、各触媒層2b、2cが塗布された面側で固定された状態が形成される。各触媒層2b、2cが完全に乾燥した状態でなく、半乾燥状態でそれぞれのガス拡散層3b、3cが貼合されることにより、カソード触媒層2bとカソードガス拡散層3bとの間の一体性及びアノード触媒層2cとアノードガス拡散層3cとの間の一体性がそれぞれ高まる。そして、各触媒層2b、2cとそれぞれ貼合するガス拡散層3b、3cとの一体性を高めた状態を維持したまま、熱圧着時の加熱により各触媒層2b、2cを完全に乾燥させるので、固体高分子電解質膜1又は各触媒層2b、2cが収縮した場合であっても、カソード及びアノード触媒層2b、2cのクラック発生が抑制できる。
また、本実施形態に係る膜電極接合体12の製造方法によれば、安価に膜電極接合体12を製造することができる。その理由は、各触媒層2b、2cを固体高分子電解質膜1に直接塗布形成することにより、触媒層付電解質膜11をホットプレスや熱ラミネート工程によることなく製造し、カソード及びアノードガス拡散層3b、3cを触媒層付電解質膜11に貼合した後にのみホットプレスや熱ラミネート工程があるため、ホットプレスや熱ラミネートの回数を低減できるためである。
加えて、本実施形態に係る膜電極接合体12によれば、触媒層とこれに接合するガス拡散層間の接触抵抗を低減することができる。その理由は、半乾燥状態の各触媒層2b、2cに、ガス拡散層3b、3cを貼合することから、各触媒層2b、2cとガス拡散層3b、3c間に、触媒層の一部とガス拡散層の一部とが混合したカソード側混合層5b及びアノード側混合層5cが形成され、各混合層5b,5cの存在により触媒層とこれに接合するガス拡散層と触媒層間の密着性やカーボンのネットワークが向上し、導電性が向上するためである。
以下、具体的な実施例(実施例1実施例2比較例)により、本発明の固体高分子形燃料電池の膜電極接合体及びその製造方法を説明する。なお、以下に説明する、実施例1実施例2及び比較例においては、製造時における触媒層の乾燥温度(加熱吸着板温度)、触媒層の乾燥時間(加熱吸着板上保持時間)及び触媒層の残留溶媒量の初期溶媒量に対する比を、以下の表1中に示す条件とする。
Figure 0006364855
(実施例1)
白金担持量が50%である白金担持カーボン触媒(商品名:TEC10E50E、田中貴金属工業製)と、20質量%高分子電解質溶液であるNafion(登録商標、デュポン社製)とを、混合比1:1の水とエチレングリコールとの混合溶媒で混合した。続いて、遊星ボールミルで分散処理を行い、触媒インク2aを調整した。
次に、弱粘着層付きのポリエチレンテレフタラートフィルムの中央を打ち抜いてマスク6とし、枠状のマスク6を固体高分子電解質膜1に貼合した(図1(a))。固体高分子電解質膜としてはNafion212(デュポン社製)を用いた。
次に、加熱吸着板(図示せず)上に枠状のマスク6を貼合した固体高分子電解質膜1を固定した。なお、この時の加熱吸着板の温度は、触媒インク2a中の溶媒が固体高分子電解質膜1内に拡散するのを抑制し、溶媒が半乾燥状態に保たれるよう、溶媒の沸点以下となることを目的として、60℃に設定した。
調整した触媒インク2aをダイヘッド21より塗出し、ダイコータ(図示せず)による塗布を行った。なお、この時のカソード触媒層2bの白金担持量は0.4mg/cm2相当となるよう、塗布工程を実施した。
カソード触媒層2b中の残存溶媒量が45重量%となるように、5分間加熱吸着板上に保持して乾燥工程を施した後に、マスク6を剥離し、固体高分子電解質膜1の片面に、半乾燥状態のカソード触媒層2bが形成された状態とした。
作製された、カソード触媒層2bが片面に形成された触媒層付電解質膜を上下反転させ、カソード触媒層2bの形成面と反対側の面にアノード触媒層2cを同様にして形成し、固体高分子電解質膜1の両面にカソード触媒層2b、アノード触媒層2cが形成された触媒層付電解質膜11を形成した。なお、アノード触媒層の白金担持量は0.1mg/cm2相当となるよう、塗布工程、乾燥工程を実施した。
作製された触媒層付電解質膜11にカソード及びアノードガス拡散層3b、3cを貼合した。貼合後、プレス用熱盤22を用いたホットプレスによりカソード及びアノードガス拡散層3b、3cを、それぞれ対向する触媒層2b、2cに接合すると共に、各触媒層2b、2c中の残留溶媒を除去し、カソード及びアノードガス拡散層3b、3cが触媒層付電解質膜11上に形成された膜電極接合体12とした。なお、この時のホットプレスの条件は、各拡散層3b、3cがそれぞれ触媒層2b、2cに接合すること、各触媒層2b、2c中の残留溶媒を除去することを目的として、120℃、10分とした。
作製した膜電極接合体12の断面を観察した所、カソード及びアノード触媒層2b、2cの、それぞれガス拡散層3b、3cに接している側にはクラックは観察されず、各触媒層2b、2cがガス拡散層3b、3cとそれぞれ良好に密着している様子が観察され、発電性能も良好であった。
実施例2
実施例1と同様の手法で触媒インク2aを調整し、触媒インク2aを固体高分子電解質膜1上に塗布した。
塗布後、触媒層2b、2c中の残留溶媒が80重量%となるように、60℃の加熱吸着板上に1分間保持し、触媒層付電解質膜11を形成した。
実施例1と同様の手法で各ガス拡散層3b、3cを触媒層付電解質膜11に接合し、膜電極接合体12とした。
作製した膜電極接合体12の断面を観察した所、カソード及びアノード触媒層2b、2cの、それぞれガス拡散層3b、3cに接している側にはクラックは観察されず、ガス拡散層と良好に密着している様子が観察された。しかしながら、発電性能は低下していた。
比較例
実施例1と同様の手法で触媒インク2aを調整し、触媒インクを固体高分子電解質膜1上に塗布した。
塗布後、触媒層2b、2c中の溶媒が完全に除去されるように、加熱吸着板上に10分間保持し、触媒層付電解質膜11を形成した。なお、加熱吸着板の温度は溶媒が完全に除去されるよう、120℃に設定した。
実施例1と同様の手法でガス拡散層3b、3cを触媒層付電解質膜11に接合し、膜電極接合体12とした。
作製した膜電極接合体12の断面を観察した所、カソード及びアノード触媒層2b、2cの、それぞれガス拡散層3b、3cに接している側にクラックが観察され、ガス拡散層と部分的に密着していない箇所が観察された。

本発明は固体高分子形燃料電池、特に燃料電池自動車や家庭用燃料電池などにおける、固体高分子形燃料電池単セルやスタックに好適に活用することができる。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
1…固体高分子電解質膜
2a…触媒インク
2b…カソード触媒層
2c…アノード触媒層
3b…カソードガス拡散層
3c…アノードガス拡散層
4b…カソードガスケット層
4c…アノードガスケット層
5b…カソード側混合層
5c…アノード側混合層
6…マスク
11…触媒層付電解質膜
12…膜電極接合体
21…ダイヘッド
22…プレス用熱盤

Claims (4)

  1. 高分子材料と溶媒とを含む触媒インクを固体高分子電解質膜の両面にそれぞれ塗布する塗布工程と、
    塗布された触媒インクをそれぞれ乾燥させ、前記固体高分子電解質膜を挟んだ一対の触媒層を形成する乾燥工程と、
    前記一対の触媒層にそれぞれ、前記固体高分子電解質膜と反対側の面上にガス拡散層を接合する接合工程と、
    を備えた膜電極接合体の製造方法であって、
    前記乾燥工程は、前記一対の触媒層のうち少なくとも一方の触媒層を、前記触媒層に含まれる残留溶媒量の、塗布前の触媒インク中に含まれる初期溶媒量に対する比が、30重量%以上80重量%以下の半乾燥状態に乾燥させる半乾燥工程を含むとともに、
    前記接合工程は、半乾燥状態とされた触媒層と前記ガス拡散層とを熱圧着により接合する熱圧着工程を含むこと、
    を特徴とする膜電極接合体の製造方法。
  2. 前記半乾燥工程における半乾燥状態の触媒層に含まれる残留溶媒量の、塗布前の触媒インク中に含まれる初期溶媒量に対する比が、30重量%以上60重量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の膜電極接合体の製造方法。
  3. 前記熱圧着工程で熱圧着するときの温度が、前記半乾燥工程で触媒層を半乾燥状態に乾燥させるときの温度よりも高いことを特徴とする請求項1又は2に記載の膜電極接合体の製造方法。
  4. 前記触媒層と該触媒層に接合されたガス拡散層との間に、前記半乾燥工程及び熱圧着工程により触媒層の一部とガス拡散層の一部と混合して混合層を形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の膜電極接合体の製造方法
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