JPWO2011064816A1 - 数値制御装置 - Google Patents

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Abstract

ワークに対する工具の位置と姿勢を変化させながら加工する際に、工具姿勢を大きく変化させつつワークに対する工具先端点の速度を一定に制御しようとすれした場合に、機械の各駆動軸の速度が高くなって干渉を起こす問題を解決するため、加工プログラムに指令されたワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に従って、送り速度の決定、補間および座標変換を行い機械の各駆動軸の位置を求める数値制御装置において、送り速度決定の際、工具またはテーブル上に設けた基準点の、機械座標系から見た並進速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、この基準送り速度と指令送り速度の小さい方を送り速度とする。また、加工プログラムに各駆動軸の移動を直接指令する数値制御装置において、ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなって加工時間が延びてしまう問題を解決するため、ワークに対する工具の並進移動量が低くなってしまう場合には、上記の所定の基準速度を送り速度として設定する。

Description

本発明は、工作機械の数値制御装置に係り、特に回転駆動軸が設けられワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御することができる多軸工作機械、典型的には5軸加工機の数値制御装置に関するものである。
一般に工作機械の数値制御装置では、加工プログラムに従って、工作機械が備える並進駆動軸(X軸、Y軸、Z軸などの直線駆動軸)、回転駆動軸(A軸、B軸、C軸などの工具回転駆動軸やテーブル回転駆動軸)またはそれらの両方を動作させることにより、ワークに対する工具の相対的な移動を行うことにより、所望の加工形状を加工するように制御を行う。この際に、加工プログラムには、各駆動軸の移動を直接指令する場合と、ワークに対する工具の相対的な移動を指令し数値制御装置内で各駆動軸の移動に変換させる場合とがある。
5軸加工機のようにワークに対して工具の姿勢も変更できるような回転駆動軸を備えた機械の制御において、前述の後者の方法、即ち、ワークに対する工具の相対的な移動を加工プログラムに指令し数値制御装置内で各駆動軸の移動に変換させる方法を用いた場合、次のような問題点がある。
なお、ここで言う、ワークに対する工具の相対的な移動を加工プログラムに指令とは、ワークに対して実際に加工を行う工具先端点の移動とし、加工プログラムにはワークに対する工具先端点の相対的な位置と姿勢、およびワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を指令する場合を指す(一般に工具先端点制御と呼ばれる)。
即ち、例えば加工プログラムに工具先端点の位置の移動がわずかである間に大きな工具姿勢変化を行うような移動指令を行った場合、ワークに対して工具先端点の送り速度を一定に保とうとすれば、大きな工具姿勢変化が短い時間で生じ、それにより回転駆動軸の速度が急激に高くなり、ひいては並進駆動軸の速度も急激に高くなる。あるいは別の例でいうと、加工プログラムに指令する工具姿勢変化はわずかであったとしても、5軸加工機における特異点に工具姿勢が近い場合には、大きな工具姿勢変化が生じ、同様に回転駆動軸および並進駆動軸の速度が急激に高くなる。このように各駆動軸の速度が急激に変化すると、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性があり、また機械振動や過大なエネルギー消費を招くという問題がある。
なお前記特異点とは、一般に特定の方向の自由度の機能が失われる状態を指し、回転軸を含む工作機械の場合には、いずれかの回転駆動軸を動かしてもワークに対する工具姿勢が変化しないような位置(角度)を指す。
このため、機械の各駆動軸の許容される最高速度(一般的には早送り速度または切削クランプ速度と呼ばれる)は超えないように、数値制御装置内部で自動的に送り速度を下げるように制御するものがある(特許文献1参照)。
また、ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度とは別に、工具姿勢速度を指令するようにしたものがある(特許文献2参照)。
特開2002−366208号公報 特開2004−185364号公報
ところが、特許文献1に開示の方法では、早送り速度または切削クランプ速度というかなり高速な速度まで機械の各駆動軸が駆動されてしまい、十分ではない。このとき、早送り速度または切削クランプ速度を十分下げておけばもちろん機械の各駆動軸の速度は十分低い速度まで下がるが、その場合には工具姿勢変化を伴わない加工(例えば並進3軸だけでの加工)においても速度が制限され、極端に加工能率が落ちてしまい、やはり十分ではない。
また特許文献2に開示の方法では、工具姿勢を変更するための回転駆動軸の速度は制限することができるが、工具先端点から工具側回転駆動軸の回転中心までの距離が長い場合や、ワーク側回転駆動軸の回転中心からワークまでの距離が長い場合には、機械の並進速度はこの距離と回転駆動軸の速度の積で決まるので、機械の各駆動軸の並進速度がかなり高くなってしまう場合や、逆に必要以上に低速になってしまう場合がありうる。
また特許文献2に開示の方法は、加工プログラムにプログラマがいちいち回転駆動軸の速度を指令しないといけない点も実用上わずらわしい。
さらには、加工プログラムにワークに対する工具の相対的な移動を指令するのではなく、加工プログラムに各駆動軸の移動を直接指令する場合において、ワークに対する工具の並進移動量が0となるまたは小さくなる場合がある。その場合には、ワークに対する工具の送り速度が0または低い速度となり、加工時間が無駄に長くなってしまうという問題点もあった。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、大きな工具姿勢変化に伴い、回転駆動軸の速度だけでなく、並進速度の急激な変化も抑えることで、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性を抑え、また機械振動や過大なエネルギー消費が生じないようにすることができる数値制御装置を得ることを目的としている。
またこの発明は、逆にワークに対する工具の並進移動量が低くなってしまう場合には、それをより高く制御することで、加工時間を短縮することができる数値制御装置を得ることを目的としている。
本発明は上記従来の課題を解決し、目的を達成するために、ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸、ワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸及び工具を回転移動する工具側回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御する数値制御装置において、前記ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、前記送り速度決定部を、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、機械座標系から見た工具先端点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するようにしたものである。
また本発明は、ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸及び工具を回転移動する工具側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御する数値制御装置において、ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、前記送り速度決定部を、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、前記工具側回転駆動軸により駆動される可動部上に基準点を定め、機械座標系から見た前記基準点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するようにしたものである。
また本発明は、前記基準点を、工具の回転中心軸または工具の回転中心軸から工具と反対側の部位に定めたものである。
また本発明は、ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸及びワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御する数値制御装置において、ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、前記送り速度決定部を、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、前記ワーク側回転駆動軸により駆動される可動部、治具またはワーク上に基準点を定め、機械座標系から見た前記基準点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するようにしたものである。
また本発明は、前記基準速度を、直前あるいは直後の移動における監視対象速度、もしくは指令送り速度に1以上の定数を乗じる、もしくは正の定数を加算することにより求めるものである。
また本発明は、各駆動軸の指令経路と全駆動軸合成の指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸及びワークを設置したテーブルを回転移動する回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と工具姿勢を制御する数値制御装置において、送り速度を出力する送り速度決定部と、前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎の各駆動軸の補間位置を求める補間部とを備え、前記送り速度決定部を、前記ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなる場合には、加工プログラム等より指令される指令送り速度を前記補間部に出力することなく、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、ワークに対する工具先端点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような全駆動軸合成の基準送り速度を求め、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、小さいほうの送り速度を前記補間部に出力するようにしたものである。
更にまた本発明は、前記補間部を、加工プログラムに指令された指令経路において、ワークに対する工具姿勢が特異姿勢であり、かつ、ワークに対する工具先端点の並進移動がない場合には、その指令経路は移動時間0もしくは最小制御周期で移動するように補間するようにしたものである。
本発明によれば、並進駆動軸と、ワーク側および工具側に回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には混合型5軸加工機)において、機械座標系から見た工具先端点の並進速度を所定の基準速度以下に制限することで、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性を抑え、また機械振動や過大なエネルギー消費が生じないようにすることができ、しかも加工能率が低下しない。
また本発明によれば、並進駆動軸と、工具側回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には混合型または工具チルト型5軸加工機)において、機械座標系から見た工具側回転駆動軸により駆動される可動部上の基準点の並進速度を所定の基準速度以下に制限することで、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性を抑え、また機械振動や過大なエネルギー消費が生じないようにすることができ、しかも加工能率が低下しない。
また本発明によれば、前記発明において、前記基準点を、工具の回転中心軸または工具の回転中心軸から工具と反対側の部位に定めることで、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性をより抑制できる。
また本発明によれば、並進駆動軸と、ワーク側回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には混合型またはテーブルチルト型5軸加工機)において、機械座標系から見た、ワーク側回転駆動軸により駆動される可動部、治具またはワーク上の基準点の並進速度を所定の基準速度以下に制限することで、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性を抑え、また機械振動や過大なエネルギー消費が生じないようにすることができ、しかも加工能率が低下しない。
また本発明によれば、前記の各発明において、前記基準速度を、直前あるいは直後の移動における監視対象速度もしくは指令送り速度から自動的に求めることで、加工プログラム作成者の指令入力の手間を省くことができる。
また本発明によれば、並進駆動軸と回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には5軸加工機)において、ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなる場合には、ワークに対する工具先端点の並進速度を所定の速度に保って不必要に送り速度が下がることを避け、また過大な送り速度となることも防止できる。
更にまた本発明によれば、前記発明において、ワークに対する工具姿勢が特異姿勢であり、かつ、ワークに対する工具先端点の並進移動がない場合には、その指令経路は移動時間0もしくは最小制御周期で移動することで、加工時間を短縮することができる。
本発明の実施の形態1による数値制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における工作機械の機械構成を表す模式図である。 本発明の実施の形態1による数値制御装置における処理の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による数値制御装置における送り速度を求める処理の流れを表すフローチャートである。 本発明の実施の形態1における機械の動きを表す図である。 本発明の実施の形態2における機械の動きを表す図である。 本発明の実施の形態3における機械の動きを表す図である。 本発明の実施の形態4における機械の動きを表す図である。
実施の形態1.
以下この発明の実施の形態1を、図1〜図5を用いて説明する。
図1は本発明の実施の形態1による数値制御装置の構成を示すブロック図である。図において、1は数値制御装置、2は加工プログラム、3は指令経路、4は指令送り速度、10は送り速度決定部、11は各駆動軸の最高速度、12は基準速度、13は送り速度、20は補間部、21は補間位置、22は座標変換部、23は駆動軸位置である。
加工プログラム2には、CAMまたは手動編集によって指令経路3と指令送り速度4を表す命令(コマンド)が所定のプログラムフォーマットに従って指令される。ここで指令経路3はワークに対する工具先端点の相対的な指令経路であり、指令送り速度4はワークに対する工具先端点の相対的な指令送り速度である。指令経路3には並進位置と工具姿勢が含まれる。
またここで、各駆動軸とは、工作機械が備える並進駆動軸、回転駆動軸を指し、例えば5軸加工機では直線3軸(X軸、Y軸、Z軸)の並進駆動軸と、回転2軸(A軸、B軸、C軸のうち2つ)の合計5軸を指す。各駆動軸の最高速度11は、各駆動軸を駆動するアクチュエータ、ボールネジの伝達特性、駆動される機械の質量(またはイナーシャ)等から予め設定される、各駆動軸の許容される最大速度を指す。また基準速度は、機械衝突の防止の観点等から予めパラメータ等で設定する、操作盤や画面からオペレータが入力する、あるいは後述するように指令送り速度や前後の移動から自動計算するようにする。
図2は本発明の実施の形態1における工作機械の機械構成を示す模式図である。図において、100は機械座標系であり、XM、YM、ZMの直交3軸から構成され、機械に固定された座標系である。101は工具側回転駆動軸(この例ではY軸周りに回転するB軸)、102は工具、103は工具先端点(工具先端中心点)、104は工具軸方向ベクトル(工具姿勢ベクトル)である。工具軸方向ベクトルは、工具先端点から工具の根本側(主軸端面方向)に向かう単位ベクトルである。工具102は、図示しない主軸によって工具軸方向ベクトル周りに回転することにより加工を行う。110はワーク(加工物)、111はワーク座標系、112はワークを動かすためのテーブル(この例では円テーブル)、113はテーブルを回転させるためのワーク側回転駆動軸(この例ではZ軸周りに回転するC軸)。ワーク座標系はXW、YW、ZWの直交3軸から構成され、ワークの基準位置(この例ではワーク上面の1つの角)を原点として所定の向きに設定され、ワーク上に固定される。テーブル112が回転した場合にはワーク110が回転するが、このときにワーク座標系111はテーブルに連動して移動する。即ちここで言うワーク座標系はテーブルに連動して移動するワーク上に固定された座標系である。一方、機械座標系はテーブルに連動して動かない。この機械の軸構成は並進3軸に加えて、回転駆動軸をワーク側(テーブル側)と工具側(主軸側)のそれぞれ1軸ずつ備えた、いわゆる混合型5軸加工機にあたる。
次に動作を説明する。図3は本発明の実施の形態1による数値制御装置における処理の流れを表すフローチャートである。
ステップS1では加工プログラム2に指令された命令を解析し、指令経路3と指令送り速度4を読み込む。ここで指令経路3はワークに対する工具先端点の相対的な指令経路であり、指令送り速度4はワークに対する工具先端点の相対的な指令送り速度である。即ち図2におけるテーブル112に連動するワーク座標系11から見た工具先端点103の指令経路と指令速度にあたる。
次にステップS2では図1の送り速度決定部10において、加工プログラムに指令された指令経路3と指令送り速度4、および各駆動軸の最高速度11、基準速度12から送り速度13を求める。ステップS2の動作が本発明の中心部分であり、その詳細は図4を用いて後述する。
ステップS3では図1の補間部20において、指令経路3に沿って送り速度13で移動する制御周期(補間周期)毎のワークに対する工具先端点の位置(並進位置)および工具姿勢の補間位置21を求める。送り速度をF、制御周期をdT、指令経路が関数C(s)、sは曲線の媒介変数として表されるとき、現在の補間位置に相当する媒介変数をs1とすると、現在の補間位置C(s1)から次の補間位置C(s)までの曲線に沿った距離が制御周期毎の補間長さ(即ち送り速度Fと制御周期dTの積)に一致するような媒介変数sを解析的、あるいは数値的に求め、その媒介変数sに対応する曲線上の位置C(s)を次の補間位置とする。なお工具先端点制御においては、指令送り速度はワークに対する工具先端点の合成並進速度であり、工具姿勢変化は工具先端点と同期して補間される。指令経路を表す関数C(s)において、並進移動成分をCt(s)、工具姿勢変化(回転移動)成分をCr(s)とおくと、並進移動について現在の補間位置Ct(s1)から次の補間位置Ct(s)までの曲線に沿った距離が制御周期毎の補間長さ(即ち送り速度Fと制御周期dTの積)に一致するような媒介変数sを解析的、あるいは数値的に求め、その媒介変数sに対応する並進移動に関する曲線上の位置Ct(s)を次の並進位置の補間位置とするとともに、その媒介変数sに対応する工具姿勢変化を表す曲線上の位置Cr(s)を工具姿勢の補間位置とする。
ステップS4では、図1の座標変換部22において、補間位置21に対する駆動軸位置23の関係式を用いて、補間位置21から駆動軸位置23に座標変換を行う。この座標変換の関係は一般的に各駆動軸の回転駆動軸の向きや各駆動軸間のリンク長などに基づいた逆運動学から数学的に表現できることが一般的に知られている。ここでは、以下の説明のため、各並進駆動軸の位置をPm(図2の例ではXm、Ym、Zmの3要素のベクトル)、各回転駆動軸をθ(図2の例ではθはB、Cからなる2要素のベクトル)、ワーク座標系から見た工具先端位置をPw(PwはXw、Yw、Zwからなる3要素のベクトル)、ワーク座標系から見た工具姿勢ベクトルをQw(3要素の単位ベクトル)としたとき、
Pw=Φ(Pm、θ)・・・・・(式1)
Qw=Ψ(θ)・・・・・・・(式2)
Pm=Φ-1(Pw、θ)・・・・(式3)
θ=Ψ-1(Qw)・・・・・・(式4)
という関係が成り立つとする。
ステップS5では、駆動軸位置23をサーボ系(アンプ)に各駆動軸の位置指令として送り、工作機械の各駆動軸の位置を駆動することにより、工作機械を動作させる。
実際には、この一連の流れの中で、各軸ごと(補間後加減速)ないしは合成速度(補間前加減速)を滑らかにするための加減速処理を行うが、どのデータに対してどの部分で加減速処理を行うかは本発明とは関係しないので説明は省略する。
次に図3におけるステップS2の処理(送り速度を求める処理)の詳細な動作を、図4のフローチャートを用いて説明する。
ステップS21では、いずれの駆動軸もその最高速度を超えない指令経路に沿った最高の送り速度FMXを求める。ワーク座標系から見た位置および工具姿勢と各駆動軸の位置との間の座標変換の関係式を用いて、いずれの駆動軸の速度も各駆動軸の最高速度11を超えないような送り速度を求める。現在の並進駆動軸の位置、各回転駆動軸の位置、ワーク座標系から見た工具先端位置、ワーク座標系から見た工具姿勢ベクトルをPm、θ、Pw、Qwとする。現在の位置から指令経路に沿って単位速度で移動したワーク座標系上の位置Pw'、Qw'を前記図3のステップS3の補間処理と同様に求める。座標変換の関係式(Φ-1、Ψ-1)を用いて、移動後の並進駆動軸の位置Pm'、各回転駆動軸の位置θ'を求める。各駆動軸の最高速度を、移動後の各駆動軸と現在の各駆動軸位置との差の絶対値(距離)で除算し、この計算を各軸について行い、その中で最小の値をFとする。Fがいずれの駆動軸もその最高速度を超えない指令経路に沿った最高の送り速度FMXを求める。
ステップS22では監視対象速度FCHKが所定の基準速度BASとなる指令経路に沿った基準送り速度FMBを求める。基準点pcを機械座標系100から見た工具先端点103の並進位置とし、監視対象速度FCHKはこの基準点pcの並進速度とする。Lを工具先端点から回転駆動軸中心までの、工具軸方向ベクトルに平行な長さとすると、以下の関係が成り立つ。
pc=Γ(Pm、θ)=(Xm-LsinB、const.、Zm-LcosB)・・・・・(式5)
const.は定数を表す。Γは各駆動軸の位置に対する機械座標系から見た基準点の並進位置を表す関数であり、この場合は工具を移動させるX軸、Z軸およびB軸が関係し、ワーク側のY軸とC軸は関係しない。送り速度Fで工具先端点が指令経路に沿って移動したとすると、まず現在の位置から指令経路に沿って単位速度で移動した場合のワーク座標系上の位置Pw'、Qw'を前記図3のステップS3の補間処理と同様に求める。
次に座標変換の関係式(Φ-1、Ψ-1)を用いて、移動後の並進駆動軸の位置Pm'、各回転駆動軸の位置θ'を求める。Pm'、θ'と関数Γを用いて、基準点の移動後の位置pc'を求める。 基準速度BASを、移動後の基準点の位置pc'と現在の基準点の位置pcの差の絶対値(距離)を制御周期で除算した値が、基準送り速度FMBとなる(FMB=BAS/(|pc'-pc|/dT))。監視対象速度FCHKは、工具先端点の並進速度という意味では指令送り速度FCMDと同じであるが、指令送り速度FCMDがワーク座標系111から見た並進速度であるのに対して、監視対象速度FCHKは機械座標系100から見た速度という違いがあり、テーブル側回転駆動軸も同時に移動するような指令経路においては両者の値が相違する。
ステップS23では、指令送り速度FCMD、最高送り速度FMX、基準送り速度FMBのうち最小のものをFとし、最終的に補間部20に出力する送り速度13とする。
なお上記ステップS21、ステップS22では関数Φ、Ψ、あるいはΓを用いて位置を座標変換し、位置の差分から速度を求めたが、関数Φ、Ψ、Γのヤコビ関数を用いて、直接各駆動軸あるいは基準点に生じる速度を求めても良い。
次に図5に本発明を用いた場合の、機械の動きに例を示す。
図5(1)は加工プログラムであり、N2ブロックで工具先端点制御モードが有効となり、N3ブロックでX、Y、Z軸が0(ワーク原点)、B軸が5度、C軸が0度に移動し、N4ブロックで工具先端点はほぼ移動せず(正確にはY軸方向に0.5という微小量だけ移動)、主に角度がB軸が0度、C軸が10度移動するようなプログラムである。
図5(2)にN4ブロックにおけるワーク座標系から見た工具の移動を示す。工具先端点の位置はN3ブロックとほぼ同じ位置に保持したまま、工具姿勢が変更される。Lは工具先端点から工具側回転駆動軸中心までの、工具軸方向ベクトルに平行な長さである。
図5(3)はN4ブロックにおける機械座標系(XY平面)から見た工具およびワークの移動を示す。Rはワーク原点とテーブル回転駆動軸中心までの距離である。C軸が10度回転するのに伴い、ワークが10度回転し、工具は5度傾いている状態から0度の状態に姿勢変更していく。ワークが回転するのに伴い、工具先端点位置はワークに固定されたワーク座標系の原点位置をほぼ保持するように、半径Rの円弧状に沿って移動する。C軸が回転するのに伴い工具先端点は、主にXm軸方向に約R×10×π/180だけ移動する(Cが微小としてsinC≒Cと近似)。
図5(4)はN4ブロックにおける機械座標系(XZ平面)から見た工具およびワークの移動を示す。工具先端点が図5(3)のように移動しながら、同時に工具がB軸周りに5度回転するのに伴い工具側回転駆動軸中心位置(ピボット点)は工具先端点に対して主に-Xm軸方向に約L×5×π/180だけ移動する(sinB≒Bと近似)。L/R=C軸回転角度/B軸回転角度=2を満たす場合には、両者が移動が打ち消しあって、結果的に機械座標系から見た工具側回転駆動軸中心位置(ピボット点)、即ち各並進駆動軸の移動はほぼ0となる。即ち、ワークからみた工具先端点の並進速度も、機械の各並進駆動軸の速度も0またはほぼ0であるが、実際には静止した機械座標系から見ると工具先端点は移動している。
この場合は、図4で述べたフローチャートに従うと、まず指令送り速度FCMDは加工プログラムより1000となる。最高送り速度FMXについては、X,Y,Zの移動はほぼ0なので、実質影響するのはB軸とC軸である。B軸の最高速度を10000、C軸の最高速度を15000とすると、FMX=MIN(10000*0.5/5、15000*0.5/10)=750となる。もし本発明を適用しなければ、FCMDとFMXの小さいほう、即ち750の速度で移動することになるが、その場合には並進移動量が0.5であるN4ブロックの移動にかかる時間は0.5/750となる。この短い時間で機械座標系から見た工具先端点が約R×10×π/180だけ移動することになり、例えばRを50、L=100とすると、機械座標系から見た工具先端点の並進速度は50×10×π/180/(0.5/750)≒13090と、指令送り速度FMCDを大幅に超えた速度で動作することになり、危険である。
一方、本発明を適用すると、例えば基準送り速度BAS=3000と設定しておくと、機械座標系から見た工具先端点の並進速度が3000を越えないようにFMB= 3000/(50×10×π/180/0.5)≒172となり、
F=min(1000、750、172)=172
と、指令送り速度FCMD、各駆動軸の速度を超えない最高送り速度FMXよりも低い送り速度に制御することで、機械座標系から見た工具先端点の並進速度が指定した基準速度を超えないように制御することが可能となる。
本発明では、空間に静止した(あるいは工場の床に固定された)機械座標系から見た工具先端点の並進速度に着目し、これを監視対象速度とし、この監視対象速度が所定の基準速度を超えないように制御を行った。機械座標系から見た工具先端点の並進速度は、作業者から見て工具先端が動く速度にあたり、この速度を基準値以下に制限し、急激に動かないようにすることで、作業者への干渉の危険性を下げることができる。また機械のベースやカバー等に固定された部材(例えばセンサ類)や、現在行う加工においては停止している可動部(例えば当該の加工では使用しない周辺軸や他系統の軸)への工具の衝突や、それによる工具の破損を防ぐためにも、機械座標系から見た工具先端点の並進速度を制限し、急激に動かないようにすることが有効である。
なお上記の説明では監視速度、基準速度とも基準点の並進速度としたが、両者とも合成速度とし全軸共通としても、各軸ごとに設定・比較するようにしても良い。また実用上は、より高速な移動である早送り移動や、人間への危険性の高い手動送りモード中やシングルブロック運転モード中のみに適用し、加工時間を不必要に延ばさないようにすることも有効である。
また基準速度は指令送り速度や前後の移動から自動計算するようにすると、設定の手間が省力化でき、また過剰に加工時間を延ばすことがないため有効である。基準速度として、指令送り速度、もしくはそれに1以上の値を乗じる(例えば指令送り速度の1.5倍とする)、もしくは正の定数を加算することによって、指令速度に連動して自動設定する。回転駆動軸の移動を行わない、つまり直交3軸の移動のみの場合には、指令送り速度は機械座標系での合成速度に一致する。オペレータから見るとこの速度程度もしくはこれをやや上回る程度に速度を制限することがわかりやすい。本仕様によれば、オペ−タから見ると指令送り速度よりもやや高い速度までは許容するという仕様となり、指令送り速度を大きく超えるような高速移動を避けつつも、元々高速な加工ではより高めに、元々低速な加工ではより慎重な速度制御が可能となり、加工に応じて過剰に加工時間を延ばさない適切な速度制限が可能となる。
あるいは、基準速度を、直前あるいは直後(直後も考慮すると急激な減速も避けることが可能となる)の移動において動作した場合の監視対象速度を用いて、それに1以上の定数を乗じる、もしくは正の定数を加算することにより求めても良い。この場合には、移動ブロック間の急激な速度変化を避けることができ、一方、移動ブロック間で緩やかに速度が変化することは許容することになる(これにより連続的で滑らかな速度となる)。一般に速度が急激に変化することが危険であり、速度自体が高くても緩やかに速度変化している場合にはある程度オペレータも機械の動きを想定可能であり、危険性は低い。直前あるいは直後の移動の監視対象速度を用いて基準速度を定めることにより、急激な速度変化だけを抑制し、加工時間の不必要な延長を避けることができる。
実施の形態2.
工具側の回転駆動軸を備えた工作機械において、工具先端点の並進移動量は小さく、一方工具姿勢が大きく変化する場合に、危険が大きいことは前述の実施の形態にも述べた通りである。実施の形態1では機械座標系から見た工具先端点の並進速度に着目し、その速度を基準速度以下に制限することで、特にワークから見た工具先端点の並進速度も、機械の各並進駆動軸の速度も高くない場合に機械の急激な移動を避けることができることを示した。
一方、機械の各並進駆動軸の速度がある程度高く、従来の技術により各駆動軸の最高速度以下となるように送り速度を制限するようにしているもののまだ不十分である場合もある。即ち、従来の技術では各駆動軸がそれぞれ最高速度以下となるだけであるため、各駆動軸が同時に動作する場合には、例えばX、Y、Zの3軸が同時に移動する場合にはその合成速度は仮にX、Y、Zの各軸の最高速度が同じだったとすれば、合成速度は最大√3倍となり、かなり危険な速度となる。また従来の技術では各軸毎の速度を機械の各駆動軸の許容される最高速度(一般的には早送り速度または切削クランプ速度と呼ばれる)を超えないように数値制御装置内部で自動的に送り速度を下げるようには制御するのが一般的であるが、この方法では早送り速度または切削クランプ速度というかなり高速な速度まで機械の各駆動軸が駆動されてしまい、指令された送り速度に比べてかなり高くなってしまうという問題点もある。
そこで上記問題点に対応するための発明を本実施の形態にて述べる。本発明の実施の形態2による数値制御装置の構成、対象となる機械構造、および動作は、実施の形態1で述べた図1から図4と基本的に同じであるため、同一部分の説明は省略し、以下相違のある部分について説明する。
まず本実施の形態2による数値制御装置に対象となる機械構造は、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸と、工具を回転移動する工具側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸とを備え、ワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御することが可能な多軸工作機械であり、典型的には工具側に回転2軸を備えた工具チルト型か、もしくは工具側とワーク側のそれぞれに各1軸を備えた混合型である。以下では図2は機械構成を用いて説明する。
この機械構造において、本実施の形態2では、工具側回転駆動軸により駆動される可動部上に基準点を定める。具体的に工具姿勢が大きく変化する場合に大きく動く箇所として、例えば工具側回転駆動軸の回転中心点(図6のピボット点)、あるいは干渉しやすい箇所として主軸ヘッドが工具側回転駆動軸の回転中心点よりも工具と反対側に突き出ているような場合には、その飛び出した可動部の端部(図6の△部)とすると良い。
図4のステップS22における計算処理が一部異なる。ステップS22では監視対象速度FCHKが所定の基準速度BASとなる指令経路に沿った基準送り速度FMBを求める。基準点pcを機械座標系100から見た主軸ヘッド端部(図6の△)とし、監視対象速度FCHKはこの基準点pcの並進速度とする。工具側回転駆動軸中心位置(ピボット点)から基準点pcまでの距離をL2とすると、以下の関係が成り立つ。
pc=Γ(Pm、θ)=(Xm+L2sinB、const.、Zm+L2cosB) (式6)
Γは各駆動軸の位置に対する機械座標系から見た基準点の並進位置を表す関数であり、この場合は工具を移動させるX軸、Z軸およびB軸が関係し、ワーク側のY軸とC軸は関係しない。送り速度Fで工具先端点が指令経路に沿って移動したとすると、まず現在の位置から指令経路に沿って単位速度で移動した場合のワーク座標系上の位置Pw'、Qw'を<ステップS3>の補間処理と同様に求める。次に座標変換の関係式(Φ-1、Ψ-1)を用いて、移動後の並進駆動軸の位置Pm'、各回転駆動軸の位置θ'を求める。Pm'、θ'と関数Γを用いて、基準点の移動後の位置pc'を求める。基準速度BASを、移動後の基準点の位置pc'と現在の基準点の位置pcの差の絶対値(距離)を制御周期で除算した値が、基準送り速度FMBとなる。
図6は本発明の実施の形態2による動作の例で、工具先端点の並進移動量は比較的小さく、一方工具側回転駆動軸(B軸)の変化は大きい。特にこの場合は主軸ヘッドが大きく、工具側回転駆動軸中心位置から工具の反対側に大きく張り出しているおり、その端部が干渉しやすい構造となっている。この例ではこの主軸ヘッドの工具と反対側の端部に基準点122を設定し、その機械座標系から見た並進速度を制限すすることで、基準点の位置とオペレータもしくは他の構造部(例えば背面主軸など)との干渉を抑えるようにする。
本発明の実施の形態2では、空間に静止した(あるいは工場の床に固定された)機械座標系から見た工具側回転駆動軸により駆動される可動部上に基準点の合成並進速度を監視対象速度とし、この監視対象速度が所定の基準速度を超えないように制御を行った。特に、工具姿勢が大きく変化する移動において、工具側回転駆動時を並進駆動する軸(この例ではXとZ)の合成速度を制限できること、またさらには回転中心点の位置ではなく、工具側回転駆動軸により駆動される可動部上の干渉しやすい点(特に回転中心軸に対して工具と反対側の部位、典型的には回転中心軸から最も離れた点、即ち工具先端点からもっとも離れた点など)の速度を制限することで、人への接触や機械干渉を生じにくくし、より安全に制御することができる。また実施の形態1でも述べたように、基準速度は指令送り速度や前後の移動から自動計算するようにすることで、加工中に急激な速度変化を起こすことなく、かつ加工時間の不必要な延長を避けることができる。
実施の形態3.
これまで述べた実施の形態1、2では工具先端点、または工具側の回転駆動軸によって駆動させる可動部上の点を基準点とし、機械座標系から見た並進速度を制限することで、干渉などの危険を抑える方法について述べた。
一方、干渉が生じるのは工具や工具側回転駆動軸によって駆動される部位だけではない。ワーク側回転駆動軸を備えた機械においては、テーブル、テーブル上に設置されたジグやワークと、人間や機械の他の部位どの干渉の恐れもある。この問題は大きな回転テーブルを備えた機械の場合にはより顕著となる。そこで上記問題点に対応するための発明を本実施の形態にて述べる。
本発明の実施の形態3による数値制御装置の構成、対象となる機械構造、および動作は、実施の形態1で述べた図1から図4と基本的に同じであるため、同一部分の説明は省略し、以下相違のある部分について説明する。
まず本実施の形態2による数値制御装置に対象となる機械構造は、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸と、ワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸とを備え、ワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御することが可能な多軸工作機械であり、典型的にはワーク側に回転2軸を備えた工具チルト型か、もしくは工具側とワーク側のそれぞれに各1軸を備えた混合型である。以下では図2は機械構成を用いて説明する。
この機械構造において、本実施の形態3では、ワーク側回転駆動軸により駆動される可動部、治具またはワーク上に基準点を定める。具体的にワーク側回転駆動軸の回転により大きく移動する箇所として、テーブル上面のテーブル回転駆動軸から最も離れた位置(典型的には円テーブルの外周上、図7の△の位置)、もしくは干渉しやすい部分としてワークの位置(例えばその代表位置としてワーク原点)、もしくはテーブル上に設置したジグの特定の角の位置などを用いる。
図4のステップS22における計算処理が一部異なる。ステップS22では監視対象速度FCHKが所定の基準速度BASとなる指令経路に沿った基準送り速度FMBを求める。基準点pcを機械座標系100から見た主軸ヘッド端部(図6の△)とし、監視対象速度FCHKはこの基準点pcの並進速度とする。テーブル側回転駆動軸中心位置に対してC軸が0度のときの基準点pcの位置を(R、0、0)、ここでRはテーブル側回転中心から基準点までの距離とすると、以下の関係が成り立つ。
pc=Γ(Pm、θ)=(RcosC、-RsinC+Ym、const.)・・・・(式7)
Γは各駆動軸の位置に対する機械座標系から見た基準点の並進位置を表す関数であり、この場合はテーブルを移動させるY軸およびC軸が関係し、工具側のX、Z軸とB軸は関係しない。送り速度Fで工具先端点が指令経路に沿って移動したとすると、まず現在の位置から指令経路に沿って単位速度で移動した場合のワーク座標系上の位置Pw'、Qw'を<ステップS3>の補間処理と同様に求める。次に座標変換の関係式(Φ-1、Ψ-1)を用いて、移動後の並進駆動軸の位置Pm'、各回転駆動軸の位置θ'を求める。Pm'、θ'と関数Γを用いて、基準点の移動後の位置pc'を求める。基準速度BASを、移動後の基準点の位置pc'と現在の基準点の位置pcの差の絶対値(距離)を制御周期で除算した値が、基準送り速度FMBとなる。
図7は本発明の実施の形態3による動作の例で、B軸の角度は保持しながら、C軸が180度近く回転するように指令された場合である。ワークがテーブル中心付近に設置されているため、ワーク工具並進軸の移動は大きくなく、またにB軸の傾斜角度も小さいため機械の各並進駆動軸の移動も小さい。一方、ワークに対してテーブルは大きく、テーブル端部の並進速度は高くなる。この例ではテーブル端部に取り付けられたジグあるいは角度基準部材上に基準点を設定し、その機械座標系から見た並進速度を制限することで、基準点の位置とオペレータもしくは他の構造部との干渉を抑えるようにする。
本発明の実施の形態3では、空間に静止した(あるいは工場の床に固定された)機械座標系から見たワーク側回転駆動軸により駆動される可動部、治具またはワーク上に基準点の並進速度を監視対象速度とし、この監視対象速度が所定の基準速度を超えないように制御を行った。これによりテーブルやジグ、ワークの、人や他の部材への干渉を生じにくくし、より安全に制御することができる。また実施の形態1でも述べたように、基準速度は指令送り速度や前後の移動から自動計算するようにすることで、加工中に急激な速度変化を起こすことなく、かつ加工時間の不必要な延長を避けることができる。
実施の形態4.
前述の実施の形態1〜3では加工プログラムにワークに対する工具先端点の送り速度を指令する場合(工具先端点制御)について述べた。一方、工具先端点制御を用いない場合には、加工プログラムには指令経路として各駆動軸の移動量を、また指令送り速度として移動速度(全駆動軸の合成速度)を直接指令する。このとき、加工プログラムに指令した指令経路と指令送り速度によってはワークに対する工具の並進移動量が0となるまたは小さくなる場合がある。その場合には、ワークに対する工具の送り速度が0または低い速度となり、加工時間が無駄に長くなってしまうという問題点もあった。そこで本実施の形態4による数値制御装置ではこの問題を解決を図る。
本発明の実施の形態4による数値制御装置の構成、対象となる機械構造、および動作は、実施の形態1で述べた図1から図4と基本的に同じであるため、同一部分の説明は省略し、以下相違のある部分について説明する。
本発明の実施の形態4による数値制御装置では、各駆動軸の移動量と速度を直接指令するので、図1に示す座標変換部22(図3で示すステップS4の手順)がなくてもよい。ただし、加工プログラム2にて想定したワークの位置および位置、あるいは加工面の位置および姿勢が、実際に工作機械上にて設置したワークの位置・および姿勢、あるいは加工したい加工面の位置および姿勢と異なる場合には、両者の位置および姿勢の相違量(ワーク設置誤差量または、加工面の位置および姿勢のオフセット量)に相当する座標変換を行い、加工プログラムに指令した工具の位置・姿勢(ワーク設置誤差量またはオフセット量を考慮しない各駆動軸位置)から、実際の各駆動軸位置へ座標変換する。
また対象とする機械構造は、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸、ワークを設置したテーブルを回転移動する回転駆動軸により、ワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御することが可能な多軸工作機械、即ち典型的には5軸加工機で、テーブルチルト型、混合型、工具チルト型のいずれでもよい。
さて、本実施の形態4では、基準点を工具先端点とし、ワークに対する工具先端点の並進速度を監視対象速度とする。このとき図4のステップS22における計算処理が一部異なる。ステップS22では監視対象速度FCHKが所定の基準速度BASとなる指令経路に沿った基準送り速度FMBを求める。基準点pcをワーク座標系100から見た工具先端点(図8の△)とし、監視対象速度FCHKはこの基準点pcのワーク座標系から見た並進速度とする。各駆動軸の位置から、ワーク座標系から見た工具先端点の並進位置までの座標変換は式1で与えられる。送り速度Fで工具先端点が指令経路に沿って移動したとすると、まず現在の位置から指令経路に沿って単位速度で移動した場合の各駆動軸の位置Pm'、θ'を<ステップS3>の補間処理と同様に求める。次に式1の座標変換の関係式(Φ)を用いて、ワーク座標系から見た基準点の移動後の位置pc'を求める。基準速度BASを、移動後の基準点の位置pc'と現在の基準点の位置pcの差の絶対値(距離)を制御周期で除算した値が、基準送り速度FMBとなる。
また、ステップS23ではFCMDは用いず、FMBとFMXの小さい方を送り速度とする。
F = min(FMX、FMB)・・・・・(式8)
図8は本発明の実施の形態4における機械の動きを表す図である。図中の(1)は特異姿勢(工具姿勢ベクトルがテーブル回転中心軸に平行な状態)において、工具先端中心がテーブル回転駆動軸の中心軸上にあり、その位置においてC軸だけの移動が指令された場合である。明らかにこの場合は、テーブル側回転駆動軸(C軸)の移動によって、ワーク座標系から見た工具先端中心点(基準点、図中の△)の位置は変わらない。この場合には、全軸合成の送り速度FCMD(この例ではC軸の回転速度)をいくら高くしてもワーク座標系から見た工具先端点の並進速度は0である。この場合には、FMBは無限大となり、式8においてはF=FMXとすればよい。
図8(2)は特異姿勢において、C軸移動と、X,Y軸の円弧移動が同時に指令された場合で、ワークから見ると工具先端点の位置は一定となる。この場合も同様に、全軸合成の送り速度FCMD(この例ではC軸の回転速度)をいくら高くしてもワーク座標系から見た工具先端点の並進速度は0である。この場合には、FMBは無限大となり、式8においてはF=FMXとすればよい。このように特異姿勢におけるテーブル側回転駆動軸を含む移動では、ワークから見た工具先端点の相対速度が0となる場合がある。また特異姿勢に近い場合における、テーブル側回転駆動軸を含む移動では、ワークから見た工具先端点の相対速度が小さい値となる場合がある。このような場合には、ワークから見た工具先端点の相対速度を上げるように、指令送り速度よりも高い速度で移動するようにする。
ここで特異姿勢(特異点)とは、一般に特定の方向の自由度の機能が失われる状態を指し、回転軸を含む工作機械の場合には、いずれかの回転駆動軸を動かしてもワークに対する工具姿勢が変化しないような位置(角度)を指す。
前述したようにワーク設置誤差の補正などのために座標変換を行う場合には、図8の例ではC軸の移動が指令されて指令速度でC軸を補間しても、ワーク座標系から見た工具先端点の位置と工具姿勢ベクトルは変わらないため、座標変換した後の各駆動軸位置も変わらない(つまり機械は動かない)ことになる。即ち機械は動かないのに、移動のための時間がかかることになる。このような場合に、上記方法を用いて、指令速度よりも高い速度で補間を行うことで、移動時間を短縮する。
本発明の実施の形態2によれば、並進駆動軸と回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には5軸加工機)において、ワークに対する工具先端点の並進速度が所定の基準速度となるように指令送り速度を修正することで、ワークに対する工具先端点の並進速度を一定の速度に保ち、不必要に送り速度が下がることを避けることができる。
特に加工プログラムに指令された指令経路において、ワークに対する工具姿勢が特異姿勢であり、かつ、ワークに対する工具先端点の並進移動がない場合には、その指令経路は移動時間0(その移動指令は移動なしとして実行せず次の移動指令に即座に進む)もしくは最小制御周期で移動する(その指令経路の全軸合成距離を制御周期で除算した値を送り速度とする)ように、次の指令経路に進む、もしくは送り速度を変更することで、無駄に移動時間が長くならないような補間を実現し、加工時間を短縮することができる。
なおこれまで述べた実施の形態1〜4とも、加工プログラムに従って自動運転する場合の例を挙げたが、指令送り速度をたとえば押しボタンやハンドルにより手動で指令する場合にも同様に本発明は適用可能である。この場合は手動による運転において干渉などの問題がおきにくくなるという効果がある。
この発明に係る数値制御装置は、回転駆動軸が設けられワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御することができる多軸工作機械を制御する際に、機械衝突やオペレータとの接触などの危険性を抑えるために用いられるのに適している。
1 数値制御装置、2 加工プログラム、3 指令経路、4 指令送り速度、10 送り速度決定部、11 各駆動軸の最高速度、12 基準速度、13 送り速度、20 補間部、21 補間位置、22 座標変換部、23 駆動軸位置、100 機械座標系、101 工具側回転駆動軸、102 工具、103 工具先端点、104 工具軸方向ベクトル、110 ワーク、111 ワーク座標系、112 テーブル、113 ワーク側回転駆動軸、120 工具側回転駆動軸中心位置(ピボット点)、121 主軸ヘッド、122 基準点。
本発明は上記従来の課題を解決し、目的を達成するために、各駆動軸の指令経路と全駆動軸合成の指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸及びワークを設置したテーブルを回転移動する回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と工具姿勢を制御する数値制御装置において、送り速度を出力する送り速度決定部と、前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎の各駆動軸の補間位置を求める補間部とを備え、前記送り速度決定部を、前記ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなる場合には、加工プログラム等より指令される指令送り速度を前記補間部に出力することなく、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、ワークに対する工具先端点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような全駆動軸合成の基準送り速度を求め、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、小さいほうの送り速度を前記補間部に出力するようにしたものである。
本発明によれば、並進駆動軸と回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には5軸加工機)において、ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなる場合には、ワークに対する工具先端点の並進速度を所定の速度に保って不必要に送り速度が下がることを避け、また過大な送り速度となることも防止できる。
まず本実施の形態2による数値制御装置に対象となる機械構造は、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸と、工具を回転移動する工具側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸とを備え、ワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御することが可能な多軸工作機械であり、典型的には工具側に回転2軸を備えた工具チルト型か、もしくは工具側とワーク側のそれぞれに各1軸を備えた混合型である。以下では図2の機械構成を用いて説明する。
本発明の実施の形態3による数値制御装置の構成、対象となる機械構造、および動作は、実施の形態1で述べた図1から図4と基本的に同じであるため、同一部分の説明は省略し、以下相違のある部分について説明する。
まず本実施の形態2による数値制御装置に対象となる機械構造は、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸と、ワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸とを備え、ワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御することが可能な多軸工作機械であり、典型的にはワーク側に回転2軸を備えた工具チルト型か、もしくは工具側とワーク側のそれぞれに各1軸を備えた混合型である。以下では図2の機械構成を用いて説明する。
本発明の実施の形態4によれば、並進駆動軸と回転駆動軸を備えた工作機械(典型的には5軸加工機)において、ワークに対する工具先端点の並進速度が所定の基準速度となるように指令送り速度を修正することで、ワークに対する工具先端点の並進速度を一定の速度に保ち、不必要に送り速度が下がることを避けることができる。
特に加工プログラムに指令された指令経路において、ワークに対する工具姿勢が特異姿勢であり、かつ、ワークに対する工具先端点の並進移動がない場合には、その指令経路は移動時間0(その移動指令は移動なしとして実行せず次の移動指令に即座に進む)もしくは最小制御周期で移動する(その指令経路の全軸合成距離を制御周期で除算した値を送り速度とする)ように、次の指令経路に進む、もしくは送り速度を変更することで、無駄に移動時間が長くならないような補間を実現し、加工時間を短縮することができる。

Claims (7)

  1. ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と送り速度に基づいて、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸、ワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸及び工具を回転移動する工具側回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御する数値制御装置において、
    前記ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、
    前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、
    前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、
    前記送り速度決定部は、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、機械座標系から見た工具先端点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するものであることを特徴とする数値制御装置。
  2. ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸及び工具を回転移動する工具側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と姿勢を制御する数値制御装置において、
    ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、
    前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、
    前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、
    前記送り速度決定部は、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、前記工具側回転駆動軸により駆動される可動部上に基準点を定め、機械座標系から見た前記基準点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するものであることを特徴とする数値制御装置。
  3. 前記基準点は、工具の回転中心軸または工具の回転中心軸から工具と反対側の部位に定められることを特徴とする請求項2に記載の数値制御装置。
  4. ワークに対する工具先端点の相対的な指令経路と指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の相対的な並進移動を行う1軸以上の並進駆動軸及びワークを設置したテーブルを回転移動するワーク側回転駆動軸を含む1軸以上の回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な並進位置と工具姿勢を制御する数値制御装置において、
    ワークに対する工具先端点の相対的な送り速度を出力する送り速度決定部と、
    前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎のワークに対する工具先端点の位置および工具姿勢の補間位置を求める補間部と、
    前記補間位置に対する前記駆動軸の位置の関係式を用いて、前記補間位置から前記駆動軸の位置に座標変換を行う座標変換部とを備え、
    前記送り速度決定部は、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、前記ワーク側回転駆動軸により駆動される可動部、治具またはワーク上に基準点を定め、機械座標系から見た前記基準点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような基準送り速度を求め、加工プログラム等より指令される指令送り速度、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、最も小さい送り速度を前記補間部に出力するものであることを特徴とする数値制御装置。
  5. 前記基準速度は、直前あるいは直後の移動における監視対象速度、もしくは指令送り速度に1以上の定数を乗じる、もしくは正の定数を加算することにより求めることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の数値制御装置
  6. 各駆動軸の指令経路と全駆動軸合成の指令送り速度に基づいて、ワークに対する工具の並進移動を行う並進駆動軸及びワークを設置したテーブルを回転移動する回転駆動軸を備えた多軸工作機械のワークに対する工具の相対的な位置と工具姿勢を制御する数値制御装置において、
    送り速度を出力する送り速度決定部と、
    前記指令経路に沿って前記送り速度で移動する制御周期毎の各駆動軸の補間位置を求める補間部とを備え、
    前記送り速度決定部は、前記ワークに対する工具の並進移動量が0または小さくなる場合には加工プログラム等より指令される指令送り速度を前記補間部に出力することなく、各駆動軸がその最高速度を超えない前記指令経路に沿った最高の送り速度を求めるとともに、ワークに対する工具先端点の並進速度を監視対象速度としてこの監視対象速度が所定の基準速度となるような全駆動軸合成の基準送り速度を求め、前記求められた最高の送り速度及び基準送り速度のうち、小さいほうの送り速度を前記補間部に出力するものであることを特徴とする数値制御装置。
  7. 前記補間部は、加工プログラムに指令された指令経路において、ワークに対する工具姿勢が特異姿勢であり、かつ、ワークに対する工具先端点の並進移動がない場合には、その指令経路は移動時間0もしくは最小制御周期で移動するように補間することを特徴とする請求項6に記載の数値制御装置。
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