JPH08202425A - インボリュート補間加速度制御方式 - Google Patents

インボリュート補間加速度制御方式

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JPH08202425A
JPH08202425A JP1049295A JP1049295A JPH08202425A JP H08202425 A JPH08202425 A JP H08202425A JP 1049295 A JP1049295 A JP 1049295A JP 1049295 A JP1049295 A JP 1049295A JP H08202425 A JPH08202425 A JP H08202425A
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acceleration
speed
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axis
involute
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JP1049295A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Otsuki
俊明 大槻
Tomoaki Ishibe
知明 石邊
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 インボリュート曲線の加工速度を、一定以下
の形状誤差を維持しながら最も効率の良い加工をするこ
とができるように制御することを目的とする。 【構成】 インボリュート補間中に分配周期毎に工具中
心の接線方向加速度を加速度計算手段3にて計算し、速
度決定手段4では計算された接線方向加速度とあらかじ
め設定された許容加速度と比較して接線方向加速度が許
容加速度を越えている場合はその許容加速度を基にして
速度を逆算し、これを指令速度とするようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインボリュート補間加速
度制御方式に関し、特にインボリュート補間中にかかる
工具の接線方向加速度または各軸の加速度から加工速度
を制御するインボリュート補間加速度制御方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】数値制御装置における曲線補間でインボ
リュート曲線の補間があるが、これはたとえば歯車、エ
アコンのコンプレッサあるいはロータリエンジンなどの
スクロール加工において非常に汎用性の高いものであ
る。インボリュート曲線は、基礎円に巻かれた太さ0の
糸を張った状態で解いていくときにその糸の先端が描く
軌跡であるので、曲率が刻々と変化する曲線である。こ
のため、曲率の大きい部分の加工で所定の形状精度が確
保されている場合でも、送り速度が同じであれば曲率が
小さくなるに連れて次第に所期の形状精度を確保するこ
とが困難になってくる。
【0003】従来では、インボリュート曲線を細かく区
切ることによって、基礎円との接点を中心として描いた
円弧として近似することができるので、各円弧ごとのプ
ログラムを作成し、それぞれのプログラムに対して最適
な速度指令を行うようにすることによって、形状精度の
維持を計るようにしている。
【0004】また、インボリュート曲線の位置に応じて
速度を制御する方法もある(たとえば、特開平2−23
8504号公報)。これは、指令形状から曲率を求め、
その曲率が所定値以下である場合には曲率に応じた速度
にするもので、その速度は指令速度に対するオーバライ
ド値で制御するようにしている。オーバライドは指令速
度に対して何パーセントの速度にするのかを制御する機
能で、その値によって加工速度が低減される。
【0005】さらに、インボリュート補間では、精度を
上げるために、極座標変換された座標で回転軸とともに
補間を行う場合がある。すなわち、回転軸を一定方向に
回転させながら回転軸に対して工具を一方向に相対移動
させることにより、スクロール加工を行うことができる
が、この場合には、回転軸または移動軸に反転動作がな
いので、高精度の加工を行うことができる。
【0006】ここで、形状誤差の原因について説明す
る。形状誤差は、主として、サーボの比例ゲインK
p と、加速時の時定数(遅れ)T2 と、接線方向にかか
る加速度αとによって決定され、これを式で表すと以下
のようになる。
【0007】
【数1】 ΔE=(a1 /Kp +a2 2 )×α ・・・(1) ここに、ΔEは形状誤差、a1 ,a2 は係数である。し
たがって、比例ゲインをできるだけ大きくすることによ
り、加速による遅れをできるだけ小さくすることによ
り、そして加速度をできるだけ小さくすることにより誤
差は小さく高精度に加工することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、インボリュー
ト曲線を細かく分けてそれぞれのプログラムを作成する
方法では、1つのスクロール加工でも複数のプログラム
に分けて作成しなければならず、非常に煩雑である。し
かも、個々の速度を指令するというのは、速度本位で考
えていて、精度を考えることはできなかった。
【0009】オーバライド値による制御は、あくまで速
度指令に対してオーバライドがかかるので、精度本位で
考えることができない。つまり、同じ曲率部分の加工で
も、指令速度が違えばその指令速度に対するパーセント
でオーバライドがかかるので、加工速度が異なることに
なり、その結果、工具中心に対してかかる加速度は、指
令速度によって異なることになり、加速度に起因する形
状誤差は一定とはならない。また、その最大切削誤差も
予想することができず、その誤差自体もプログラムによ
り変化することになる。
【0010】また、極座標変換を行う方法では、たとえ
ば速度制御なしに接線速度を一定に保った場合、基礎円
に近づけば近づくほど回転軸の回転速度は速くなり、精
度を維持することが非常に困難になる。しかも、回転軸
の剛性は通常、高く作られていないので、回転軸は通常
のオーバライドをかけるよりも厳密な速度制御を必要と
し、ある一定速度以上にならないようにするための速度
クランプ値を求めようにも極座標上における具体的な値
を計算することが作業的に困難である、という問題点が
あった。
【0011】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、インボリュート曲線の加工速度を、一定以下
の形状誤差を維持しながら最も効率の良い加工をするこ
とができるように制御するインボリュート補間加速度制
御方式を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、インボリュート曲線を補間して数値制御
加工を行うときの加工速度を制御するインボリュート補
間加速度制御方式において、前処理手段から出力された
指令速度を基に工具中心にかかる接線方向加速度を計算
する加速度計算手段と、前記接線方向加速度があらかじ
め設定された許容加速度を越えた場合にその許容加速度
を基にした速度を逆算して最終的な速度を決定する速度
決定手段と、最終的な速度に対して補間前加減速処理を
行う速度制御手段と、前記速度制御手段にて決定された
接線方向速度を基にして各軸のパルス分配を決定するイ
ンボリュート補間手段と、を備えたインボリュート補間
加速度制御方式が提供される。
【0013】
【作用】上述の手段によれば、指令速度とインボリュー
ト補間処理のためにあらかじめ用意されていた工具中心
位置から基礎円に引いた接線の長さとから接線方向加速
度を計算し、この接線方向加速度があらかじめ設定され
た許容加速度を越えた場合にはその許容加速度を基にし
た速度を逆算し、この速度を最終的な指令速度として補
間前加減速を行う速度制御手段に渡す。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明のインボリュート補間加速度制御
方式の構成を示す図である。
【0015】図において、NC指令1はスクロール加工
を指令するプログラムである。前処理手段2はNC指令
1を解読して、プログラムで指令された速度を出力す
る。加速度計算手段3は指令された速度から工具中心に
かかる接線方向加速度を計算する。速度決定手段4は接
線方向加速度をあらかじめ設定された許容加速度と比較
して、接線方向加速度が許容加速度を越えた場合には、
その許容加速度を基にした速度を逆算して最終的な速度
を決定する。許容加速度はパラメータ入力によって設定
される。数値制御装置はこの入力されたパラメータの値
より1分配周期当たりの許容加速度値(パルス換算)を
計算する。速度決定手段4は、詳しくは、接線方向加速
度をあらかじめ設定された許容加速度と比較し、接線方
向加速度が許容加速度を越えた場合に許容加速度を加速
度とする加速度比較手段4aと、その加速度から速度を
逆算する速度計算手段4bと、計算された速度をあらか
じめ設定された最小速度と比較してその計算された速度
が最小速度以下の場合にはその最小速度を最終的な速度
とする速度クランプ手段4cとから構成される。速度制
御手段5は最終的な速度に対して補間前加減速処理を行
う。インボリュート補間手段6は速度制御手段5にて決
定された接線方向速度を基にして各軸の分配を決定す
る。決定された分配周期におけるパルス数は各軸の軸制
御手段7a,7b,7c,7dおよびサーボアンプ8
a,8b,8c,8dを介してサーボモータ9a,9
b,9c,9dに与えられる。
【0016】この構成において、インボリュート補間モ
ード中は、分配周期毎に、工具中心にかかる接線方向加
速度(近似値)を計算する。接線方向加速度は指令速度
とインボリュート補間手段6で前回の分配周期での処理
に用いられた基礎円との接線の長さとによって計算され
る。この接線方向加速度があらかじめ計算されている許
容加速度を越えた場合には、この許容加速度以下になる
ように接線方向の速度を制御する。すなわち、その許容
加速度を基に速度を逆算し、これを指令速度とする。
【0017】ここで、本発明の加速度制御について説明
しておく。形状誤差の要因を表した前述の式(1)によ
れば、形状誤差ΔEはサーボの比例ゲインKp の逆数と
加速時の時定数T2 との和に接線方向にかかる加速度α
を乗じた式によって表される。ここで、サーボの比例ゲ
インKp および加速時の時定数T2 は一度設定すれば機
械固有の定数値になる。したがって、形状誤差ΔEは加
速度αとの関係のみになる。さらに、ΔEを、精度を保
証する値とした定数と考えると、加速度αが一義的に決
まる。加速度αは、
【0018】
【数2】α=V2 /R ・・・(2) で表される。ここに、Vは速度、Rはインボリュート曲
線の現在位置からインボリュート補間基礎円に引いた接
線の長さである。この式から、ある誤差を維持するため
に許される最大の加速度αを基にした速度Vを求めるこ
とができる。これが、加速度制御の概念である。
【0019】図2は接線方向加速度の算出方法を示す図
である。接線方向加速度の計算方法は、インボリュート
曲線Inの現在位置Pからインボリュート補間基礎円C
に対して接線を引き、現在位置Pのインボリュート曲線
Inを接線の長さRを半径とする円弧で近似し、その円
弧から現在位置Pにおける接線方向加速度αを算出す
る。現在位置Pとは工具中心位置である。
【0020】ここで計算された加速度αは、ある誤差を
維持するために許される最大の加速度としてパラメータ
設定された許容加速度αmax と比較される。この許容加
速度αmax はサーボの比例ゲインKp および加速時の時
定数T2 が決定されれば、許容誤差を基にし、機械の剛
性などを考慮して設定される。加速度αが許容加速度α
max を越えている場合には、加速度をαmax として速度
Vを算出する。このときの速度Vは、
【0021】
【数3】V=(αmax ×R)1/2 ・・・(3) によって求められる。R値については、インボリュート
補間を行う際に、分配周期毎に既に計算されており、前
回の分配周期での値が使用される。
【0022】また、基礎円に近づく加工の場合のインボ
リュート補間では、基礎円に近づくほど接線方向加速度
は上昇するが、その上昇は許容加速度αmax で制限され
る。加速度が制限されると、今度は、基礎円に近づくほ
どRの値が小さくなるので、加速度により制御される速
度Vは次第に小さくなる。このため、ある許容最小速度
min を設定し、加速度から逆算された速度Vがあらか
じめ設定された許容最小速度Vmin を下回る場合には、
指令速度を許容最小速度Vmin にクランプして、これ以
下には下がらないようにする。この接線方向加速度制御
の結果を以下に示す。
【0023】図3は接線方向加速度制御の特性曲線を示
す図である。この図では、接線方向加速度αおよび接線
方向速度Vの変化を表している。接線方向加速度αは、
加速度制御なしの場合は基礎円へ近づくに従って破線で
示したように加速度的に上昇する。これに対して加速度
制御を行った場合には、実線で示したように、基礎円へ
近づいて接線方向加速度αが上昇していく段階におい
て、時刻t1にて接線方向加速度αがαmax に達する
と、これ以降はそのαmaxに固定されている。一方、接
線方向速度Vについては接線方向加速度αがαmaxに達
した時刻t1から次第に降下していき、時刻t2にて許
容最小速度Vmin にクランプされ、これ以降はその許容
最小速度Vmin に固定されている。
【0024】図4は接線方向加速度制御の流れを示す説
明図である。この図において、まず、前処理11でプロ
グラムの1つのブロックを計算し、これ以降は実行およ
び分配の領域に入り、そのブロックの中で、実行分配周
期で分配が終了するまで実行がループする。
【0025】その中で、前処理11を基にして第1速度
制御12を行う。ここでは、プログラムで指定された速
度から接線方向速度、すなわち、1分配周期当たりのパ
ルス数を決定する。第2速度制御13では指定された補
間前加減速時定数に従って補間前加減速処理、すなわ
ち、実行段階においてある指定された速度に徐々に到達
する処理が行われ、最終的にその分配周期における出さ
なければならない接線方向速度が決定されて、インボリ
ュート補間14の処理に渡される。インボリュート補間
14は第2速度制御13によって決定された接線方向速
度を基にして各軸、すなわち、X軸、Y軸、Z軸および
C軸の分配周期におけるパルスの分配を決定し、決定さ
れたパルスをサーボ機構15に渡す。第1速度制御12
からインボリュート補間14までの処理は指令位置に到
達するまで、分配周期毎にループする。なお、インボリ
ュート補間14の処理では、インボリュート補間をして
パルス分配を行う際に接線の長さRのデータが必要であ
るので、この接線の長さRは既に用意されているもので
ある。
【0026】接線方向加速度制御16は、第1速度制御
12で接線方向速度Vが決定した後に行われる。接線方
向加速度制御16では、前回の分配周期で決定されたR
と第1速度制御12で求まった接線方向速度Vとを基に
して、加速度αをチェックする。ここで、加速度αが許
容加速度αmax を越えているならば、その接線方向速度
自体を変更して、第2速度制御13の補間前加減速処理
に渡す。
【0027】図5は接線方向加速度制御の処理を示すフ
ローチャートである。接線方向加速度制御では、まず、
前回の分配周期において計算された接線の長さRと今回
の指令速度Vとから加速度αを計算する(ステップS
1)。次に、計算された加速度αと許容加速度αmax
を比較する(ステップS2)。加速度αが許容加速度α
max 以下であれば、今回の指令速度Vが接線方向速度と
なり、加速度αが許容加速度αmax を越えているなら
ば、許容加速度αmax を基にして速度Vを逆算する(ス
テップS3)。次に、逆算された速度Vが許容最小速度
mi n と比較される(ステップS4)。速度Vが許容最
小速度Vmin より大きければ、その速度Vが接線方向速
度となり、速度Vが許容最小速度Vmin 以下であれば、
接線方向速度を許容最小速度Vmin にクランプする(ス
テップS5)。このようにして求められた速度Vが最終
的な接線方向速度とし(ステップS6)、補間前加減速
のための第2速度制御に渡され、インボリュート補間処
理に入る。
【0028】次に、別の加速度制御について説明する。
たとえば、極座標変換を含むインボリュート補間の場合
は、接線方向速度が一定値以下に抑えられていたとして
も、回転軸の移動についてはその回転半径が小さくなる
に連れて角速度が大きくなるので、上記の接線方向加速
度の制御だけでは十分ではない。すなわち、C軸は回転
半径が小さくなると高速に回転するようになり、しかも
回転軸であるので剛性が低く、加速度を基にした制御維
持が困難になる。このため、接線方向加速度制御を行う
ときには剛性の低い軸に制御の限界を設定する必要があ
る。以下に、このような点に対処した加速度制御、すな
わち、軸別加速度制御について説明する。
【0029】図6は軸別加速度制御の流れを示す説明図
である。この図において、まず、前処理21でプログラ
ムの1つのブロックを計算し、第1速度制御22で、プ
ログラム指定された速度から接線方向速度、すなわち、
1分配周期当たりのパルス数を決定し、第2速度制御2
3で補間前加減速処理が行われる。この第2速度制御2
3で、最終的に加減速のかかった接線方向速度が決定さ
れ、インボリュート補間24の処理に渡される。インボ
リュート補間24で計算されたX軸、Y軸、Z軸および
C軸の軸別のデータは極座標補間25で極座標に変換さ
れる。極座標変換されたデータ(パルス)はそのまま加
工されずにサーボ機構26に渡される。
【0030】極座標補間25で計算された各軸のデータ
は加速度αによる限界のチェック27が行われる。加速
度αによる限界のチェック27では、軸別の加速度αの
検出および指令速度の計算を行う。この計算結果は次の
分配周期での速度制御に反映される。すなわち、補間前
加減速処理を行う速度制御23の前において、加速度α
を基にした接線方向加速度Vの変更28が行われるが、
加速度αによる限界のチェック27では、次の分配周期
での接線方向速度を変更するためのデータが作られる。
【0031】図7は加速度による限界のチェック処理の
流れを示すフローチャートである。極座標補間されて軸
別の分配パルス計算が行われた後、サーボ機構に渡され
る直前のデータ(パルス)を2分配周期に渡って取得す
る(ステップS21)。ここでは、前回の分配周期での
移動パルスをPold、今回の分配周期での移動パルス
をPnewで示してある。取得したこれらのデータから
加速度αを計算により求める(ステップS22)。前回
サーボ機構に渡したデータと今回計算したデータとの
差、すなわち、|Pold−Pnew|が加速度になる
から、その周期で加速度を検出する。加速度計算の詳細
については後述する。そして、指令速度計算の処理で
は、計算された加速度の許容加速度との比較や次回の分
配周期用の接線方向加速度の計算などを行う(ステップ
S23)。この指令速度計算処理の詳細については後述
する。
【0032】図8は軸別加速度の計算方法を示す図であ
る。各軸の加速度検出については、インボリュート補間
の計算が終了し、極座標変換が行われた後に、サーボ機
構に対してパルスを渡す直前に行われる。各軸に分配さ
れたパルスは、2分配周期に渡って取得される。たとえ
ば、前回の分配周期での移動パルスで位置P1からP2
まで移動し、今回は位置P2からP3まで移動するとす
る。これを軸別で見ると、X軸の移動は前回がXol
d、今回がXnewで表すことができ、Y軸の移動は前
回がYold、今回がYnewで表すことができる。し
たがって、X軸の加速度は|Xold−Xnew|、Y
軸の加速度は|Yold−Ynew|で表される。
【0033】加速度の単位は、パルス/(分配周期)2
であるが、実は、分配周期は計算の基本単位になってい
るので、パルス/分配周期で表される速度も、パルス数
で表される移動量もすべて同じ値になる。したがって、
たとえばX軸の|Xold−Xnew|で表される値
は、1分配周期に移動される値であり、その分配周期で
の速度であり、加速度を表していることになる。なお、
ユーザが入力するパラメータはたとえば「mm/sec
2 」という単位であるが、通常は、これを内部的にパル
ス/(分配周期)2 に変換して計算する。計算は、分配
周期が固定値(たとえば8mm/sec2 )であるの
で、これを基にして行われ、単位が合わせられる。
【0034】図9は軸別加速度制御の指令速度計算処理
を示すフローチャートである。指令速度計算処理では、
まず、各軸の加速度と許容加速度との比較を行う(ステ
ップS31)。各軸の加速度は軸別加速度の計算方法に
したがって計算され、許容加速度については各軸に対し
て個々にパラメータ設定されている。計算された加速度
が許容加速度より大きいかどうかを軸毎に判定する(ス
テップS32)。すなわち、N軸の加速度αN がその軸
の許容加速度αNmaxを越えているかどうかを判定する。
ここで、加速度αN が許容加速度αNmax以下であればそ
の軸に関して速度を抑える必要はないので、次に、判定
すべき別の軸があるかどうかが判定される(ステップS
33)。別の軸があれば、その軸の加速度とその軸の許
容加速度との比較を行うステップS31に戻る。このル
ープでは、機械がたとえばX軸、Y軸、C軸の構成であ
れば、これらX軸、Y軸、C軸のすべてについてそれら
の加速度と許容加速度との比較を行う。ステップS33
にて、判定すべき別の軸がなければ、加速度による速度
制御はしないで(ステップS34)、終了する。
【0035】ステップS32の判定にて、N軸の加速度
αN がその軸の許容加速度αNmaxを越えている場合に
は、次に、極座標補間であるかどうかを判定する(ステ
ップS35)。ここで、極座標補間であれば、指令系の
移動に戻して計算をしなおす必要があるので、極座標逆
変換をして軸毎の加速度のデータにする(ステップS3
6)。つまり、パルス分配直後のデータがX軸、Y軸の
データである場合には、極座標変換することによってX
軸、C軸のデータになってサーボ機構に渡されているの
で、加速度のチェックもこのX軸、C軸について行われ
る。このため、X軸、C軸のデータは指令系のX軸、Y
軸の加速度のデータに変換される。
【0036】その後、N軸の加速度αN をその許容加速
度αNmaxとし、この加速度から接線方向速度を計算する
(ステップS37)。そして、次の分配周期での速度指
令を、このようにして計算された接線方向速度でクラン
プするようにフラグをセットし(ステップS38)、終
了する。
【0037】軸別加速度制御では、加速度の検出は軸別
で行われるが、これによる速度制御は軸別ではできな
い。これは実際の1分配周期当たりの動きを速度指令の
段階で統括しているからである。ある軸の動きを抑えた
い時には、次の分配周期で、分配に対しての指令速度を
ある軸の動きが抑えられるような速度に変更する。した
がって、軸別の加速度による加速度制御は1分配周期遅
れる。今回の分配周期で、ある軸の加速度が許容加速度
を越えた場合、それが反映されるのは、次回の分配周期
の時になる。
【0038】なお、軸別加速度による速度制御を行った
場合、その許容加速度は分配時に補間前加減速の加速度
よりも小さくなくては意味をなさない。したがって、こ
の機能を常時有効とさせていた場合、補間前加減速の加
速度もあらかじめ設定されている許容加速度にクランプ
されてしまうので、軸別加速度による機能の有効無効に
ついては、ある特定軸のみ有効にするか、または、補間
前加減速中にはこの加速度クランプを無効にする必要が
ある。これらの設定についてはパラメータ入力で行うも
のとし、利用者が設定していずれにするかを選択するこ
とができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、分配周
期毎に接線方向加速度の計算をし、これがあらかじめ設
定された許容加速度を越えている場合はその許容加速度
を基にして速度を逆算し、これを指令速度とするように
構成した。これにより、許容することのできる形状誤
差、すなわち、許容加速度を設定することで、その許容
加速度を基にして精度を維持した速度制御が可能であ
る。また、この接線方向加速度による速度制御は、許容
加速度のパラメータは1つで良く、しかもC軸のような
剛性の低い回転軸がない構成に対しては許容加速度を高
く設定することができる。
【0040】また、本発明では、各軸にかかる加速度を
計算し、これがあらかじめ設定された許容加速度を越え
た軸があった場合には、その許容加速度を基にして接線
方向速度を求め、次の分配周期での速度指令をその速度
にクランプするよう構成した。このため、軸別に設定さ
れた許容加速度を基にして精度を維持した速度制御が可
能である。この軸別加速度による速度制御は、許容加速
度のパラメータを軸別に設定しているので、剛性の低い
C軸では低い限界に、剛性の高いX軸,Y軸では高い限
界に速度指令をクランプすることができ、より木目の細
かな制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインボリュート補間加速度制御方式の
構成を示す図である。
【図2】接線方向加速度の算出方法を示す図である。
【図3】接線方向加速度制御の特性曲線を示す図であ
る。
【図4】接線方向加速度制御の流れを示す説明図であ
る。
【図5】接線方向加速度制御の処理を示すフローチャー
トである。
【図6】軸別加速度制御の流れを示す説明図である。
【図7】加速度による限界のチェック処理の流れを示す
フローチャートである。
【図8】軸別加速度の計算方法を示す図である。
【図9】軸別加速度制御の指令速度計算処理を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 NC指令 2 前処理手段 3 加速度計算手段 4 速度決定手段 5 速度制御手段 6 インボリュート補間手段

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インボリュート曲線を補間して数値制御
    加工を行うときの加工速度を制御するインボリュート補
    間加速度制御方式において、 前処理手段から出力された指令速度を基に工具中心にか
    かる接線方向加速度を計算する加速度計算手段と、 前記接線方向加速度があらかじめ設定された許容加速度
    を越えた場合にその許容加速度を基にした速度を逆算し
    て最終的な速度を決定する速度決定手段と、 最終的な速度に対して補間前加減速処理を行う速度制御
    手段と、 前記速度制御手段にて決定された接線方向速度を基にし
    て各軸のパルス分配を決定するインボリュート補間手段
    と、 を備えたインボリュート補間加速度制御方式。
  2. 【請求項2】 前記許容加速度は、1つのパラメータに
    よって設定されることを特徴とする請求項1記載のイン
    ボリュート補間加速度制御方式。
  3. 【請求項3】 前記速度決定手段は、接線方向加速度を
    あらかじめ設定された許容加速度と比較し、接線方向加
    速度が許容加速度を越えた場合に許容加速度を加速度と
    する加速度比較手段と、その加速度から速度を逆算する
    速度計算手段とから構成されることを特徴とする請求項
    1記載のインボリュート補間加速度制御方式。
  4. 【請求項4】 前記速度決定手段は、前記速度計算手段
    にて計算された速度をあらかじめ設定された最小速度と
    比較してその計算された速度が最小速度より小さい場合
    にはその最小速度を最終的な速度とする速度クランプ手
    段をさらに有することを特徴とする請求項3記載のイン
    ボリュート補間加速度制御方式。
  5. 【請求項5】 インボリュート曲線を補間して数値制御
    加工を行うときの加工速度を制御するインボリュート補
    間加速度制御方式において、 各軸にかかる加速度を検出する加速度検出手段と、 各軸の前記加速度のいずれかが各軸に対してあらかじめ
    設定された対応する許容加速度を越えた場合にその許容
    加速度を基にした接線方向速度を計算する速度計算手段
    と、 次の分配周期での速度指令を前記速度計算手段による前
    記接線方向速度に変更して最終的な速度とする速度変更
    手段と、 前記最終的な速度に対して補間前加減速処理を行う速度
    制御手段と、 前記速度制御手段にて決定された接線方向速度を基にし
    て各軸のパルス分配を決定するインボリュート補間手段
    と、 を備えたインボリュート補間加速度制御方式。
  6. 【請求項6】 前記加速度検出手段は、前記インボリュ
    ート補間手段から各軸に分配されたパルスをそれぞれ2
    分配周期に渡り取得するデータ取得手段と、前回の分配
    周期で取得したデータと今回の分配周期で計算したデー
    タとから加速度を計算する加速度計算手段とを有するこ
    とを特徴とする請求項5記載のインボリュート補間加速
    度制御方式。
  7. 【請求項7】 補間前加減速中は前記速度変更手段によ
    る速度変更を無効にする手段をさらに有することを特徴
    とする請求項5記載のインボリュート補間加速度制御方
    式。
  8. 【請求項8】 補間前加減速中は特定の軸について前記
    速度計算手段の機能を無効にする手段をさらに有するこ
    とを特徴とする請求項5記載のインボリュート補間加速
    度制御方式。
  9. 【請求項9】 インボリュート曲線を補間して数値制御
    加工を行うときの加工速度を制御するインボリュート補
    間加速度制御方式において、 各軸にかかる加速度を検出する加速度検出手段と、 各軸の前記加速度のいずれかが各軸に対してあらかじめ
    設定された対応する許容加速度を越えた場合に指令系の
    移動に戻して極座標変換前の軸毎の加速度に計算をしな
    おす極座標逆変換手段と、 極座標逆変換された前記加速度を基にした接線方向速度
    を計算する速度計算手段と、 次の分配周期での速度指令を前記速度計算手段による前
    記接線方向速度に変更して最終的な速度とする速度変更
    手段と、 前記最終的な速度に対して補間前加減速処理を行う速度
    制御手段と、 前記速度制御手段にて決定された接線方向速度を基にし
    て各軸のパルス分配を決定する、極座標補間作業を含ん
    だインボリュート補間手段と、 を備えたインボリュート補間加速度制御方式。
  10. 【請求項10】 前記加速度検出手段は、前記インボリ
    ュート補間手段から各軸に分配されたパルスをそれぞれ
    2分配周期に渡り取得するデータ取得手段と、前回の分
    配周期で取得したデータと今回の分配周期で計算したデ
    ータとから加速度を計算する加速度計算手段とを有する
    ことを特徴とする請求項9記載のインボリュート補間加
    速度制御方式。
  11. 【請求項11】 補間前加減速中は前記速度変更手段に
    よる速度変更を無効にする手段をさらに有することを特
    徴とする請求項9記載のインボリュート補間加速度制御
    方式。
  12. 【請求項12】 補間前加減速中は特定の軸について前
    記極座標逆変換手段の機能を無効にする手段をさらに有
    することを特徴とする請求項9記載のインボリュート補
    間加速度制御方式。
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