JP3749222B2 - 数値制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ切り加工に適した数値制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被加工物を主軸に取付け回転させ、この被加工物に対向する刃物台に取付けた切削工具(ねじ切りバイト)を、被加工物の回転に直角な切り込み方向(X軸)と該回転に平行な送り方向(Z軸)に駆動制御して所要の加工を行う数値制御旋盤は広く用いられている。
【0003】
このような数値制御旋盤におけるねじ切り加工は、刃物台にねじ切りバイトを取付け、刃物台をX軸方向にX軸送りモータ及びX軸送りねじで送り駆動することにより所定の切り込みを設定し、また、上記刃物台をZ軸方向にZ軸送りモータ及びZ軸送りねじによる所定のピッチでチャックに把持された被加工物の回転位相と同期させて送り制御することにより行われる。
【0004】
又、一般的な数値制御工作機械において、加工条件、制御条件によって位置ループゲイン、速度ループゲイン等のサーボゲインや加減速時定数等のパラメータを最適制御パラメータとして加工制御する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
又、切削送り速度に応じて加減速曲線のパラメータを変えて、最適加減速制御を行うようにしたものも知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−231914号公報
【特許文献2】
特開2001−312309号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ねじ切り加工においては、ねじ切り加工の開始時、および終了時には、サーボ追従遅れ、加減速による遅れに起因する「不完全ねじ」部があり、被加工物を回転させる主軸速度が上昇すると共にこの不完全ねじ部の長さが増加する。
加工製品への不完全ねじ部の影響を無くするためには、ねじ切りバイトのZ軸方向への移動速度が設定速度に達した後に切削を開始するように、製品の外に必要な「余裕代」をとってねじの加工を開始・終了する必要があり、この長さの増加は、ねじ切りの速度向上の妨げとなり、加工サイクルのサイクルタイムを長くする原因となっている。
【0007】
ねじ切り加工の場合は、通常の切削と違い、開始部の立上げ、終了部の切り上げは製品には供しない部分であり、多少機械動作の安定性が損なわれても短時間で立上げ・切り上げを行うことで不完全ねじ部を短くすることがサイクルタイム向上に大きく貢献する。
また、機械によっては加速度的な制限から、加速・減速のショックを緩和するために、加減速が必要になる場合が一般的である。
【0008】
加減速に対しては、加減速時定数が必要であるが、加減速時定数を持つことで、加減速時定数の関数となる遅れ量が発生しこの遅れがねじ切り時の不完全ねじ部となる。即ち、加減速時間中は、ねじ切りバイトのZ軸送り速度が設定値に達していないから、主軸速度(被加工物の回転速度)に対応して速度に達していないので不完全ねじ部が生じることになる。しかも、主軸速度が速いほどこの不完全ねじ部が増大することになる。この不完全ねじ部の長さを小さくするには、被加工物に対して切削を開始する前から、ねじ切りバイトのZ軸送りを開始し、加速が終了する前後で、ねじ切り切削加工を開始しなければならず、この分無駄な時間となり、この加減速分、加工サイクルのサイクルタイムを長くすることになる。
そこで、本発明の目的は、不完全ねじ部を縮小し、加工サイクルのサイクルタイムを短縮するねじ切り加工に適した数値制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の数値制御装置は、旋盤によるねじ切り加工を制御するものであり、工具送り軸を駆動するサーボモータを制御するサーボ制御部におけるサーボ制御用パラメータの少なくとも1つについて、ねじ切り加工用のパラメータ値と、該ねじ切り加工用のパラメータ値と異なるパラメータ値とを記憶するパラメータ記憶手段と、ねじ切り時の主軸速度とねじのリードとの組合わせに対して加減速の種類と加減速時定数とを対応させた加減速データとねじ切り加工以外の加工で使用する通常の加減速データを記憶する加減速データ記憶手段と、ねじ切り加工の指令によって、前記パラメータ記憶手段に記憶された前記ねじ切り加工用のパラメータ値を読み出して前記サーボモータ制御部に設定し、ねじ切り以外の加工の指令によって、前記パラメータ記憶手段に記憶されたねじ切り加工用のパラメータ値と異なるパラメータ値を読み出して前記サーボモータ制御部に設定する設定手段とを備え、ねじ切り加工が指令されると、ねじ切り時の主軸速度とねじのリードとの組合わせに対する加減速の種類と加減速時定数を前記加減速データ記憶手段から読み出し、通常の加減速データから読み出した加減速データに切り換えて加減速処理を行うことに特徴を有するものである。なお、前記サーボ制御用パラメータは、位置、及び速度フィードフォワードゲイン、ポジションループゲイン、及び速度ループゲインである。
【0010】
【発明の実施の形態】
一般に工作機械においては、その機械に許容できる速度、加速度がある。また、機械を駆動するモータについても、それ自身の負荷、或いは機械軸の負荷に基づき許容できる速度、加速度がある。これらの条件を基に機械毎にサーボシステムの選定が行われる。そして、通常の切削加工においては、最適な加工面を実現するため、工具送り軸を駆動するサーボモータのサーボ制御部に対して設定される最適なサーボゲイン等のサーボパラメータがある。
【0011】
一方、ねじ切り加工においては、上述した通常の切削加工に用いるサーボパラメータを用いると不完全ねじ部の長さが増大することから、本発明においては、機械の振動を犠牲にしてでも、不完全ねじ部を減らすため、限界速度、限界加速度で軸移動を立ち上げるようなサーボパラメータを用いる。
【0012】
そこで、本実施形態では、ねじ切り以外の通常の切削加工用のサーボパラメータと、ねじ切り用サーボパラメータをそれぞれ記憶手段に格納しておき、ねじ切り加工か、通常の切削加工かによって、使用するサーボパラメータを切り替えるようにする。
【0013】
又、ねじ切り加工を速度・加速度の限界で立ち上げる場合、その加速開始部においてスムーズさが必要である。加速開始部・或いは定常速度への移行部に最適速度曲線に基づいて加減速をかけることで部分的に滑らかな速度変化を実現する必要がある。さらに、前述したように、加減速時間によって不完全ねじ部の長さが変わる。例えば、直線加減速を行う場合、この直線加減速時定数をTとし、刃物台をZ軸方向に指令速度Fで移動させねじ切り切削を行う場合、この加減速にともなう不完全ねじ部の長さは、F*T/2となる。即ち、不完全ねじ部は、ねじ切りバイトの送り速度F及び時定数Tに依存した値となる。
【0014】
そこで、本実施形態では、主軸回転速度、ねじリードの2つの要素の組合わせに対応する加減速の種類(加減速曲線)、時定数のテーブルを作成し、ねじ切り指令時に上記2つの要素でテーブルを検索して、加減速曲線、時定数を得て、加減速制御を行うようにする。これにより、ねじ切りバイトの速度に依存しない不完全ねじ部を得るようにしている。
【0015】
図3は、本実施形態で用いる数値制御装置に設定記憶されるねじ切り加工時の加減速制御パラメータ用テーブルの一例である。この例では、主軸回転速度と、ねじの長さ及びそのねじのリードの長さに応じて、加速時の速度曲線(速度カーブ)とその時定数、減速時の速度曲線(速度カーブ)とその時定数が設定されている。なお、図3に示す例では、ねじの長さによっても加減速時の速度曲線、時定数を変えるようにしているが、必ずしもこのねじの長さは考慮しなくてもよい。この実施形態ではより正確にするためにねじの長さも考慮したテーブルとしている。このテーブルに設定されている加減速の速度曲線(速度カーブ)は、直線型加減速、ベル型加減速、指数型加減速であるが、これ以外、直線関数、多次関数、それらの組み合わせ等任意の速度曲線を作成し設定するものである。
【0016】
加減速の種類としては、例えば、直線型加減速、ベル型加減速、指数型加減速等すでに公知である。図4にその速度曲線例と、その関数を示す。
図4(a)は直線型加減速の例で、指令速度Fcに対して、直線的に加速し、直線的に減速するものであり、加速時定数は加速開始してから目標である設定速度Fcに達するまでの時間t1である。又、減速の時定数は、減速開始してから速度が次の速度(図の例では速度0)に達するまでの時間である(図4(a)の例では、減速時定数もt1に設定されている図を示している)。
【0017】
加速を開始して時間tが時定数t1に達するまでは、「F(t)=K1・t」の関数で速度は直線的に加速される。設定速度Fcに達した後は、「F(t)=Fc」と、この設定速度Fcに保持される。そして、減速時には、「F(t)=K2・(t−t2)+Fc」の関数により直線的に減速される。
【0018】
図4(b)は指数関数加減速の例で、この場合の加速時の時定数はT1、減速時の時定数はT2であり、加速時において、加速を開始して、目標とする設定速度Fcに達する時間t1までは、関数「F(t)=K1・(1−e(−t/T1))」で表される速度F(t)で指数関数的に加速される。設定速度Fcに達した後は、この値に保持され、減速時には、関数「F(t)=Fc・e((t2−t)/T2)」で表される速度F(t)で指数関数的に減速される。
【0019】
図4(c)はベル型加減速の例で、この場合の時定数はTc(図5(c)に示す例は加速時も減速時も同一時定数としている。)、速度曲線の基本関数OA「F(t)=2Fc・t2/Tc2」と、該関数OAをTc/2の時点で点対称に反転させた関数ABとにより加速曲線を構成し、減速曲線は、加速時の曲線OBを左右反転形とするものである。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態の数値制御装置10と該数値制御装置10で制御される工作機械の要部機能ブロック図である。数値制御装置10の構成、及び工作機械の構成は、従来の数値制御装置の構成、及び従来の旋盤工作機械の構成とは差異はほとんどなく、相違する点は、数値制御装置のメモリ(不揮発性RAM)に前述した、サーボ制御部の通常切削時のサーボパラメータと、ねじ切り加工時のサーボパラメータが設定されていること。及び、通常切削時の加減速パラメータと上述したねじ切り加工時の加減速制御パラメータ用テーブルが格納されている点である。
【0021】
まず、サーボパラメータとしては、位置、速度フィードフォワードゲイン、ポジションゲイン、速度ループゲイン、フィードフォワード係数等があり、通常の切削加工用のこれらサーボパラメータ1は、従来と同様に機械毎に求まる各種機械定数、および駆動モータにかかる負荷条件を基にサーボ選定計算により求め、かつ、求まったパラメータを実際に制御装置に入力して、実験的に微調整を行い検証することで決定する。又、ねじ切り加工用のサーボパラメータ2として、限界速度、限界加速度で軸移動を立ち上げるように、これらサーボパラメータを同様に求めて決定する。特に、位置、速度フィードフォワードゲイン、フィードフォワード係数通常の切削加工用のサーボパラメータとは異なるようにすることが望ましい。
【0022】
ここで得られたサーボパラメータを数値制御装置10内の記憶手段(制御装置10上の決められたメモリ領域)へ手動操作あるいはプログラムにより自動入力する。図1では、パラメータ設定部の記憶部14に通常の切削加工用サーボパラメータをサーボパラメータ1として記憶し、ねじ切り加工用サーボパラメータをサーボパラメータ2として格納されている図を示している。
【0023】
又、通常の切削加工用の加減速パラメータを加減速パラメータ1とし、ねじ切り加工用加減速パラメータとしては、加減速パラメータ2として、図3で示すテーブルをこのパラメータ記憶部14に設定登録する。
【0024】
こうして、各パラメータを設定した後、加工を開始するが、数値制御装置内の記憶部等に格納された加工プログラム11より、ねじ切り加工への切り換え指令、若しくは、通常の切削への切り換え指令が読まれたとき、数値制御装置10の補間・分配処理部は、パラメータ切換処理12aを行い、読み込まれた通常の切削加工かねじ切り加工かに応じて、その加工に対応するパラメータ設定切換処理を行う。
【0025】
図2は本実施形態の数値制御装置のプロセッサが実行する処理のフローチャートである。加工プログラムには、ねじ切り指令の前に、ねじ切り加工への切り換え指令コードと共に、若しくはこのねじ切り加工への切り換え指令より前に主軸回転速度、ねじのリードさらにはこの実施形態ではねじの長さを設定しプログラムしておく。又、通常の切削加工に移行するときには、通常切削切り換え指令(ねじ切り加工からの復帰指令)をプログラムすることによって、ねじ切りモードか、通常切削モードかに切り換えるようにする。なお、数値制御装置10に電源を投入した際には、初期設定により、通常切削用の加減速パラメータ1の加減速曲線と時定数が設定され、又サーボ制御部の各パラメータには、通常切削用のパラメータ1の値が設定されている。
【0026】
数値制御装置10のプロセッサは加工プログラム11から1ブロックを読み込み(ステップ100)、読み込んだブロックの指令がねじ切り加工への切り換え指令か否か判断し(ステップ101)、ねじ切り加工への切り換え指令ではない場合には、通常切削加工への切換指令か判断し(ステップ102)、通常切削への切り変え指令でもなければ、従来と同様読み込んだ指令を実行し(ステップ103)、ステップ100に戻る。以下、ねじ切り加工又は通常切削への切り換え指令が読み出されなければ、ステップ100〜103の処理を繰り返し実行し、プログラムの各ブロックで指令された処理を実行する。
【0027】
即ち、プログラム11で指令された主軸回転速度に応じた移動指令を補間・分配処理部12はスピンドル制御部20に出力し、スピンドル制御部20は、この移動指令と、スピンドルモータ22の回転速度を検出するポジションコーダ23からのフィードバック信号に基づいて速度ループ制御を行い、指令主軸回転速度に一致するよう、スピンドルアンプ21を介してスピンドルモータ22を駆動する。
【0028】
又、加工プログラムから工具送り軸への指令が読み込まれると、読み込まれた指令に基づいて補間・分配処理部12は所定周期毎に、移動指令を加減速処理部13に出力し、加減速処理部13は、設定されている加減速パラメータ1によって決まる速度曲線演算処理13aを実行して加減速処理された移動指令をサーボ制御部30に出力する。サーボ制御部30は、この移動指令と、送り軸を駆動するサーボモータ32に取り付けられた位置、速度検出器33からの位置、速度フードバック信号に基づいて、設定されているサーボパラメータ1によって、位置、速度のフィードフォワード処理、位置、速度ループ処理さらには電流ループ処理を行いサーボアンプ31を介して、各送り軸のサーボモータ32(図1では1つのサーボモータのみ示している)を駆動制御する。
上述した、スピンドルモータ22,サーボモータ32の駆動制御は、従来と同一である。
【0029】
一方、ステップ100で読み出したブロックの指令がねじ切り加工への切り換え指令と判断されると、指令された主軸回転速度、ねじのリード、さらにはねじの長さに基づいて、テーブルより加速時、減速時の加減速の種類(速度曲線)及びその時定数の加減速パラメータ2を読み出し、加減速処理部13の速度曲線演算処理のパラメータに設定する(ステップ104)。
【0030】
さらに、ねじ切り加工用のサーボパラメータ2をサーボ制御部30に設定する。即ち、サーボ制御部30の位置、速度のフィードフォワード処理のポジションゲイン、速度フィードバックゲイン、位置フィードフォワードゲイン、速度フィードフォワードゲイン、さらには、フィードフォワード係数等のサーボパラメータ30aの値をサーボパラメータ2の値に切り換える(ステップ105)。そして、ステップ100に戻る。ねじ切り加工への切り換え指令の後には、ねじ切り加工の指令がなされているから、順次各ブロックから読み出された指令は、ステップ103で実行され、上述した、ねじ切り加工用の加減速パラメータ2の加速時、減速時の速度曲線(速度カーブ)、その時定数で加減速制御がなされて、サーボ制御部30へ移動指令が出力される。サーボ制御部30は、この移動指令と、送り軸を駆動するサーボモータ32に取り付けられた位置、速度検出器33からの位置、速度フードバック信号に基づいて、設定されているねじ切り加工用のサーボパラメータ2によって、位置、速度のフィードフォワード処理、位置、速度ループ処理さらには電流ループ処理を行いサーボアンプ31を介して、各軸のサーボモータ32を駆動制御する。
【0031】
このようにして、ねじ切り用の加減速パラメータ2で加減速制御され、ねじ切り加工用のサーボパラメータ2によってサーボ制御がなされて各軸のサーボモータが駆動され、ねじ切り加工が実行される。そして、ねじ切り加工が終了し、通常切削への切換指令(ねじ切り加工からの復帰指令)が読み込まれると、ステップ102からステップ106に移行し、通常の切削加工用の加減速パラメータ1を読み出し、数値制御装置10の加減速処理部13で行う加減速曲線演算処理13aの加減速バラメータをこの読み出した加減速パラメータ1に切り替える。
【0032】
さらに、通常の切削加工用のサーボパラメータ1を読み出し、サーボ制御部30が実行する位置、速度ループ処理、位置、速度のフィードフォワード処理のポジションゲイン、速度フィードバックゲイン、位置フィードフォワードゲイン、速度フィードフォワードゲイン、さらには、フィードフォワード係数等のサーボパラメータ30aを読み出したサーボパラメータ1に切り替える(ステップ107)。
以後は、ステップ100〜103の処理を加工プログラム11に基づいて実行し、通常の切削加工を行うことになる。
【0033】
以上の通り、ねじ切り加工への切り換え指令が加工プログラムより読み込まれると、ねじ切り加工用の加減速パラメータ2に切り換えられ、加減速制御がなされると共に、ねじ切り用サーボパラメータ2にサーボ制御部30のパラメータ30aは切り換えられ、位置、速度、電流のループ制御等のサーボ制御がなされサーボモータ32は駆動制御されることになる。又、通常切削への切り換え指令が加工プログラムより読み込まれた場合には、通常切削用の加減速パラメータ1に切り換えられて加減速制御がなされると共に、通常切削用のサーボパラメータ1にサーボ制御部32のサーボパラメータ32aが切り換えられ、位置、速度ループ等のサーボ制御がなされてサーボモータ32は駆動制御される。
その結果、不完全ねじ部の少ないねじ加工と、最適な加工面を持つねじ切り以外の加工が同時に実現される。
【0034】
なお、上述した実施形態では、ねじ切り加工用の加減速パラメータ2を主軸の回転速度、ねじの長さ、ねじのリード長によって、選択するようにしたが、主軸の回転速度とねじリード長の2つの要素によって選択するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、主軸の回転速度、ねじのリードに応じて自動的に加減速制御の速度曲線及び時定数を最適なものに設定されるから、不完全ねじ部を一定長に、かつ短くすることができる。しかも、ねじ製品の外にとる余裕代は小さくなり、ねじ切り加工サイクルのサイクルタイムが短くなる。又、通常の切削においても最適な加工面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の数値制御装置と該数値制御装置で制御される工作機械の要部機能ブロック図である。
【図2】同実施形態における数値制御装置のプロセッサが実行する処理のフローチャートである。
【図3】同実施形態で用いるねじ切り加工時の加減速制御パラメータ用テーブルの一例である。
【図4】直線型加減速、ベル型加減速、指数型加減速の速度曲線の説明図である。
【符号の説明】
10 数値制御装置
22 主軸モータ
23 ポジションコーダ
32 サーボモータ
33 位置・速度検出器
Claims (2)
- 旋盤によるねじ切り加工を制御する数値制御装置であって、工具送り軸を駆動するサーボモータを制御するサーボ制御部におけるサーボ制御用パラメータの少なくとも1つについて、ねじ切り加工用のパラメータ値と、該ねじ切り加工用のパラメータ値と異なるパラメータ値とを記憶するパラメータ記憶手段と、
ねじ切り時の主軸速度とねじのリードとの組合わせに対して加減速の種類と加減速時定数とを対応させた加減速データとねじ切り加工以外の加工で使用する通常の加減速データを記憶する加減速データ記憶手段と、
ねじ切り加工の指令によって、前記パラメータ記憶手段に記憶された前記ねじ切り加工用のパラメータ値を読み出して前記サーボモータ制御部に設定し、ねじ切り以外の加工の指令によって、前記パラメータ記憶手段に記憶されたねじ切り加工用のパラメータ値と異なるパラメータ値を読み出して前記サーボモータ制御部に設定する設定手段とを備え、
ねじ切り加工が指令されると、ねじ切り時の主軸速度とねじのリードとの組合わせに対する加減速の種類と加減速時定数を前記加減速データ記憶手段から読み出し、通常の加減速データから読み出した加減速データに切り換えて加減速処理を行うことを特徴とする数値制御装置。 - 前記サーボ制御用パラメータは、位置、及び速度フィードフォワードゲイン、ポジションループゲイン、及び速度ループゲインであることを特徴とする請求項1に記載の数値制御装置。
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