JP5426454B2 - タッピング加工動作を行うタッピング加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主軸モータと送り軸モータとを同期運転してタッピング加工動作を行うタッピング加工装置に関する。
一般的なタッピング加工装置は、タップ加工工具と、タップ加工工具を備えた昇降可能な主軸ヘッドとを含んでいる。タップ加工工具は主軸モータによって主軸回りに回転し、また、送り軸モータによって送り軸が駆動されると、主軸ヘッドは送り軸に沿って昇降する。
これら主軸モータおよび送り軸モータはCNCによって同期運転される必要があり、例えば特許文献1においては送り軸が主軸に追従するように、主軸モータと送り軸モータとが同期運転されるようになっている。また、特許文献2には、補間回路による直線補間を通じて主軸モータと送り軸モータとを同期制御することが開示されている。さらに、特許文献3には、同期誤差を算出し、同期誤差に応じて主軸および送り軸の位置指令パターンを補正する技術が開示されている。
特許第2629729号 特開平3-43012号公報 特開2003-181722号公報
しかしながら、主軸モータおよび送り軸モータを同期運転する際には、主軸に対するトルクが不足する等の外乱要因により、CNCからの指令に対する追従性が変化する場合がある。
例えば、特許文献1に開示されるように送り軸が主軸に追従する方式において、同期開始時に主軸の位置偏差(主軸の位置指令値と主軸の実際の位置との間の偏差)がゼロでない場合には、送り軸は主軸の位置偏差を維持したまま同期するので、同期誤差が発生する。このような場合には、タップ加工を良好に行うのが困難になる。
また、同期時に送り軸が主軸の実際の位置に追従する方式においては、同期終了後に、座標管理された座標への復旧動作(原点復帰、絶対位置通信、オリエンテーション等)を行う必要がある。しかしながら、この動作は作業時間の遅延につながるので、処理の高速化が要求される場合には現実的でない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、同期開始時における同期誤差の低減および同期終了後における座標復旧動作を迅速に行うことのできるタッピング加工装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために1番目の発明によれば、タップ加工工具を主軸回りに回転させる主軸モータと、該主軸モータの前記主軸の回転角を検出する回転角検出部と、前記タップ加工工具が取付けられた送り軸を駆動する送り軸モータと、前記送り軸における前記タップ加工工具の送り位置を検出する送り位置検出部と、を備え、前記主軸モータと前記送り軸モータとを同期運転してタッピング加工動作を行うタッピング加工装置において、前記主軸モータの第一位置指令値と前記送り軸モータの第二位置指令値とを作成する位置指令値作成部と、該位置指令値作成部により作成された前記第一位置指令値と前記回転角検出部により検出された回転角検出値との間の第一位置偏差に基づいて前記主軸モータを駆動する主軸制御部と、前記回転角検出値と前記タップ加工工具のネジピッチとに基づいて第三位置指令値を作成する第三位置指令値作成部と、第一制御モードおよび第二制御モードを備えていて第二位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動する送り軸制御部と、を具備し、前記第二位置偏差は、前記第一制御モードにおいては前記位置指令値作成部により作成された前記第二位置指令値と前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値とから作成されると共に、前記第二制御モードにおいては前記第三位置指令値作成部により作成された前記第三位置指令値と前記送り位置検出値とから作成されており、さらに、前記第一制御モードから前記第二制御モードに切替わるときに取得された前記回転角検出値および前記第一位置偏差と前記ネジピッチとに基づいて送り軸位置補正値を作成する送り軸位置補正値作成部と、を具備し、前記送り軸位置補正値作成部により作成された前記送り軸位置補正値を用いて前記第三位置指令値を補正して前記主軸モータの回転角と前記送り軸の位置との位置関係を合わせるようにしたタッピング加工装置が提供される。
2番目の発明によれば、1番目の発明において、さらに、前記回転角検出部により検出された回転角検出値の単位時間当たりの変化量と、前記主軸制御部と前記送り軸制御部との間で通信するのに必要とされる所要時間と、前記ネジピッチとに基づいて、前記主軸制御部と前記送り軸制御部との間の通信遅れを補正する通信遅れ補正値を作成する通信遅れ補正値作成部を具備する。
3番目の発明によれば、タップ加工工具を主軸回りに回転させる主軸モータと、該主軸モータの前記主軸の回転角を検出する回転角検出部と、前記タップ加工工具が取付けられた送り軸を駆動する送り軸モータと、前記送り軸における前記タップ加工工具の送り位置を検出する送り位置検出部と、を備え、前記主軸モータと前記送り軸モータとを同期運転してタッピング加工動作を行うタッピング加工装置において、前記主軸モータの第一位置指令値と前記送り軸モータの第二位置指令値とを作成する位置指令値作成部と、該位置指令値作成部により作成された前記第一位置指令値と前記回転角検出部により検出された回転角検出値との間の第一位置偏差に基づいて前記主軸モータを駆動する主軸制御部と、第一制御モードおよび第二制御モードを備えていて前記送り軸モータを駆動する送り軸制御部と、前記位置指令値作成部により作成された前記第二位置指令値と前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値との間の第二位置偏差を作成する第二位置偏差作成部と、前記回転角検出値と前記タップ加工工具のネジピッチとに基づいて第三位置指令値を作成する第三位置指令値作成部と、前記第一制御モードから前記第二制御モードに切替わるときに取得された前記回転角検出値および前記第一位置偏差と前記ネジピッチとに基づいて送り軸位置補正値を作成する送り軸位置補正値作成部と、前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値と前記第三位置指令値作成部により作成された前記第三位置指令値と前記送り軸位置補正値作成部により作成された前記送り軸位置補正値と、に基づいて第三位置偏差を作成する第三位置偏差作成部と、を具備し、前記送り軸制御部は、前記第二制御モードにおいては前記第三位置偏差作成部により作成された第三位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動すると共に、前記第二制御モードから前記第一制御モードに切替わったときには前記第二位置偏差作成部により作成された前記第二位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動する、タッピング加工装置が提供される。
1番目の発明においては、第二制御モードにおいて送り軸位置補正値により第三位置指令値を補正している。送り軸位置補正値は、非同期運転時の第一制御モードから同期運転時の第二制御モードに切替わるときの回転角検出値および第一位置偏差とネジピッチとを用いて作成されるので、第二制御モードの開始時における同期誤差を予め低減することができる。
2番目の発明においては、主軸制御部と送り軸制御部との間に通信遅れが存在する場合であっても、通信遅れの影響を排除することができる。このことは、主軸制御部と送り軸制御部との間の通信速度が遅い場合、例えば主軸制御部と送り軸制御部とがシリアル通信されている場合に特に有利である。
3番目の発明においては、第三位置偏差はタッピング動作が行われる前における第一位置偏差の影響を受けているので、第一制御モードから第二制御モードに切替わるときにおける同期誤差を低減することができる。また、第二制御モードから第一制御モードに切替わるときには、元の第二位置偏差を使用するようにしている。従って、同期運転が終了した後であっても、座標管理された座標系への復旧動作を迅速に行うことができる。
本発明に基づくタッピング加工装置の略図である。 本発明の第一の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。 本発明の第一の実施形態における同期誤差などのタイムチャートを示す図である。 本発明の第二の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。 本発明の第二の実施形態における同期誤差などのタイムチャートを示す図である。 本発明の第三の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同様の部材には同様の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は本発明に基づくタッピング加工装置の略図である。図1に示されるように、タッピング加工装置1は、タップ盤2と、タップ盤2の動作を制御するCNC10とから主に構成されている。
タップ盤2は、スライダ7が昇降するボールネジ6を備えたベース3を含んでいる。スライダ7には、タップ加工工具5が先端に取付けられた主軸ヘッド4が連結している。図示されるように、主軸モータ21が主軸ヘッド4の頂面に配置されており、主軸モータ21によってタップ加工工具5は主軸8回りに回転する。
同様に、送り軸モータ31がボールネジ6に連結されており、送り軸モータ31によってボールネジ6が駆動されると、スライダ7は主軸ヘッド4と一緒にボールネジ6に沿って上下方向に送られる。なお、これら主軸モータ21および送り軸モータ31は、それぞれについて座標管理された座標系に対して動作される。
また、主軸モータ21にはエンコーダ22が取付けられており、主軸モータ21の主軸8の回転角を所定の制御周期で検出する。同様に、送り軸モータ31に取付けられたエンコーダ32は、送り軸モータ31の出力軸の回転に基づいて、ボールネジ6における主軸ヘッド4の送り位置を所定の制御周期で検出する。従って、これらエンコーダ22、32は、それぞれ回転角検出部および送り位置検出部としての役目を果たす。図1から分かるように、エンコーダ22、32で検出された値はCNC10に供給される。
図2は本発明の第一の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。CNC10は一種のデジタルコンピュータであり、図2に示されるように、記憶部11と、主軸モータ21、31のそれぞれの位置指令値CP1、CP2を作成する位置指令作成部12と、主軸モータ21を制御する主軸制御部20と、送り軸モータ31を制御する送り軸制御部30とを主に含んでいる。
記憶部11はROMおよびRAMの組合せである。記憶部11のROMには、タップ盤2の動作プログラムに加えて、タップ加工工具5のネジピッチSTPなどが記憶されている。なお、ネジピッチSTPはタップ加工工具5の一つのネジ山から隣のネジ山までの距離を指す。また、記憶部11のRAMには、指令値作成などの目的で各種データが一時的に記憶される。
図2に示されるように、主軸制御部20は、位置指令作成部12により作成された主軸モータ21の位置指令値CP1から、エンコーダ22により検出された回転角検出値DAを減算して第一位置偏差ΔP1を作成する第一位置偏差作成部23と、第一位置偏差ΔP1に基づいて主軸モータ21の速度指令を作成する速度制御部24とを含んでいる。作成された速度指令はサーボアンプ25を通じて主軸モータ21に出力され、それにより、主軸モータ21が動作される。
また、送り軸制御部30は、送り軸モータ31の制御を第一制御モードと第二制御モードとの間で切換える切換器33と、第三位置指令値CP3を作成する第三位置指令値作成部36と、送り軸位置補正値RFPを作成する送り軸位置補正値作成部37と、第二位置偏差ΔP2を作成する第二位置偏差作成部38と、第二位置偏差ΔP2に基づいて送り軸モータ31の速度指令を作成する速度制御部34とを含んでいる。作成された速度指令はサーボアンプ35を通じて送り軸モータ31に出力され、それにより、送り軸モータ31が駆動される。
ここで、第三位置指令値作成部36は、タップ加工工具5のネジピッチSTPと回転角検出値DAとを用いて以下の式(1)により第三位置指令値CP3を作成する。
CP3=DA×STP (1)
さらに、送り軸位置補正値作成部37は、回転角検出値DAと第一位置偏差ΔP1とネジピッチSTPを用いて以下の式(2)により送り軸位置補正値RFPを作成する。
RFP=−(DA+ΔP1)×STP (2)
第一の実施形態における第二位置偏差ΔP2は、切換器33により切替られるモードが第一制御モードであるか、第二制御モードであるかに応じて異なる。ここで、第一制御モードは主軸モータ21と送り軸モータ31とが同期運転されていないモードであり、主軸モータ21および送り軸モータ31は個別に駆動されている。第二制御モードは、主軸モータ21と送り軸モータ31とが同期運転されるモードを指す。
第一制御モードにおいては、第二位置偏差作成部38は、位置指令作成部12により作成された送り軸モータ31の位置指令値CP2から、エンコーダ32により検出された送り位置検出値DPを減算することにより、第二位置偏差ΔP2を作成する。
これに対し、第二制御モードにおいては、第二位置偏差作成部38は、以下の式(3)に基づいて第二位置偏差ΔP2を作成する。
ΔP2=CP3−DP+RFP (3)
言い換えれば、第二制御モードにおいては、第三位置指令値CP3は送り軸位置補正値RFPにより補正される。
タッピング加工装置1の動作時においては、はじめに切換器33は第一制御モードを設定する。従って、第二位置偏差ΔP2は位置指令値CP2と送り位置検出値DPとの間の偏差として作成される。この場合には、第二位置偏差ΔP2は主軸制御部20からの影響を受けておらず、主軸モータ21と送り軸モータ31とは互いに同期することなしに駆動される。つまり、第一制御モードにおいては、主軸ヘッド4のタップ加工工具5が回転しつつ、スライダ7が被加工物Wに向かって移動するのみであり、タッピング動作は行われていない。
タップ加工工具5が被加工物Wの穴にタッピング可能な状況になると、切換器33は第一制御モードから第二制御モードに設定する。そして、第一制御モードから第二制御モードに切換えた瞬間における第一位置偏差ΔP1および回転角検出値DAが取得され、主軸制御部20から送り軸制御部30まで供給される。
次いで、第三位置指令値作成部36は供給された回転角検出値DA等に基づいて第三位置指令値CP3を作成すると共に、送り軸位置補正値作成部37は供給された回転角検出値DAおよび第一位置偏差ΔP1に基づいて送り軸位置補正値RFPを作成する。
そして第二制御モードにおいては、前述した式(3)に基づいて第二位置偏差ΔP2が作成され、第二位置偏差ΔP2に基づいて送り軸モータ31が駆動される。前述したように送り軸位置補正値RFPは、第一制御モードから第二制御モードに切替わるときの回転角検出値DAおよび第一位置偏差ΔP1とネジピッチSTPとを用いて作成される。
従って、第一の実施形態においては、そのような送り軸位置補正値RFPで第三位置指令値CP3を補正することにより、第二制御モードの開始時における同期誤差を予め低減することが可能となる。それゆえ、本発明においては、タップ加工工具5は被加工物Wの穴を良好にタッピングすることができる。
第二制御モードにおいては主軸モータ21と送り軸モータ31とが同期運転する。そして、第一位置偏差ΔP1および回転角検出値DAは所定の制御周期毎に作成されるので、第三位置指令値CP3および送り軸位置補正値RFPも所定の制御周期毎に更新される。従って、第二制御モードにおいては良好な同期運転を継続できることが分かるであろう。
図3は本発明の第一の実施形態における同期誤差などのタイムチャートを示す図である。図3においてはタッピング動作の有無、送り軸位置補正値RFPの有無に応じた同期誤差、主軸8の回転速度が示されている。図3に示されるように、送り軸位置補正値RFPが無効にされている従来技術の場合においては、タッピング動作の開始時における主軸モータ21と送り軸モータ31との間に位置ズレが存在するために、同期誤差は定常的なオフセットを有することになる。
これに対し、送り軸位置補正値RFPが有効である本発明の場合においては、タッピング動作開始時における位置ズレは発生しないかまたは大幅に低減される。従って、同期誤差における定常的なオフセットはほぼ解消されているのが分かるであろう。
図4は本発明の第二の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。図4に示される構成は図2の構成と概ね同様であるので、以下においては主に相違点について説明する。
図4においては主軸制御部20と送り軸制御部30は、通信ケーブル40により互いに接続されている。通信ケーブル40は例えばシリアル通信ケーブルである。通信ケーブル40を用いて主軸制御部20と送り軸制御部30との間で通信するためには、通信ケーブル40の長さおよび転送レートに応じた所定の所要時間が必要とされる。その結果、図4に示される第二の実施形態においては主軸制御部20と送り軸制御部30との間において通信遅れが発生する。
この通信遅れを解消するために、図4に示される送り軸制御部30は、通信遅れ補正値RTを作成する通信遅れ補正値作成部41と、開始位置補正値RSPを作成する開始位置補正値作成部42とを含んでいる。
第二の実施形態の第一制御モードは図2を参照して説明したのと同様である。そして、第二の実施形態の第二制御モードにおいては、通信遅れ補正値作成部41が回転角検出値DAおよびネジピッチSTPに基づいて以下の式(4)により通信遅れ補正値RTを作成する。
RT={DA(n)−DA(n−1)}×Δt×STP (4)
ここで、「DA(n)」は第二制御モード(タッピング動作時)における最新の回転角検出値DAを表しており、「DA(n−1)」は第二制御モードにおいて最新の回転角検出値DAよりも一つの制御周期ぶんだけ前の回転角検出値DAを表している。「Δt」は主軸制御部20と送り軸制御部30との間で通信するのに必要とされる所定の所要時間である。なお、通信遅れ補正値RTは通信ケーブル40を用いた供給作用により生じた通信遅れを補正するための補正値である。
また、開始位置補正値作成部42は、第一位置偏差ΔP1と回転角検出値DAとネジピッチSTPとを用いて以下の式(5)に基づいて開始位置補正値RSPを作成する。
RSP=−(DA+ΔP1)×STP (5)
式(5)により算出される開始位置補正値RSPは、前述した式(2)により算出される送り軸位置補正値RFPと同様である。
このため、第二の実施形態においては、送り軸位置補正値作成部37は以下の式(6)に基づいて送り軸位置補正値RFPを算出する。
RFP=RSP+RT (6)
第二の実施形態においても、タップ加工工具5が被加工物Wの穴にタッピング可能な状況になると、切換器33は第一制御モードから第二制御モードに設定する。そして、第一制御モードから第二制御モードに切換えた瞬間における第一位置偏差ΔP1および回転角検出値DAが取得され、主軸制御部20から通信ケーブル40を通じて送り軸制御部30まで供給される。
次いで、通信遅れ補正値作成部41および開始位置補正値作成部42は、それぞれ通信遅れ補正値RTおよび開始位置補正値RSPを前述したように作成する。そして、送り軸位置補正値作成部37はこれら通信遅れ補正値RTおよび開始位置補正値RSPを加算して送り軸位置補正値RFPを作成し、送り軸位置補正値RFPにより第三位置指令値CP3を補正する。
前述したように通信遅れ補正値RTは通信ケーブル40を用いた供給作用により生じた通信遅れを補正するための補正値である。しかしながら、第二の実施形態においては、通信遅れ補正値RTを含んだ送り軸位置補正値RFPにより第三位置指令値CP3を補正して、送り軸モータ31を駆動している。
このため、第二の実施形態においては、主軸制御部20と送り軸制御部30との間に通信遅れが存在する場合であっても、通信遅れの影響を排除できる。つまり、第二の実施形態においては、第二制御モードの開始時における同期誤差の低減と、通信遅れの影響の排除とを同時に行うことが可能となる。それゆえ、第二の実施形態においても、タップ加工工具5は被加工物Wの穴を良好にタッピングできるのが分かるであろう。なお、第二の実施形態は、通信ケーブル40の処理が低速である場合、例えば通信ケーブル40がシリアル通信ケーブルである場合に特に有利である。
図5は本発明の第二の実施形態における同期誤差などのタイムチャートを示す図である。図5においては、主軸8の回転速度と、通信遅れ補正値RTの有無に応じた同期誤差とが示されている。図5に示されるように、通信遅れ補正値RTが無効にされている場合においては、同期誤差が発生している。そして、この同期誤差の大きさは主軸速度に比例していることが分かる。
これに対し、通信遅れ補正値RTが有効である場合には、主軸速度に比例した同期誤差の変動はほぼ解消されている。すなわち、通信遅れ補正値RTが有効である場合には極めて良好にタッピング動作を行うことができるのが分かるであろう。
図6は本発明の第三の実施形態におけるタッピング加工装置の機能ブロック図である。以下においては、図2の構成に対する相違点について主に説明する。
図6においては、第三位置偏差ΔP3を作成する第三位置偏差作成部45を含んでいる。具体的には、第三位置偏差作成部45は、第二制御モードにおいて第三位置指令値CP3と送り位置検出値DPと送り軸位置補正値RFPとを用いて以下の式(7)に基づいて第三位置偏差ΔP3を作成する。
ΔP3=CP3−DP+RFP (7)
さらに、第三の実施形態における第一制御モードでは第二位置偏差ΔP2に基づいて送り軸モータ31が駆動され、第二制御モードでは第三位置偏差ΔP3に基づいて送り軸モータ31が駆動される。なお、第三の実施形態における第二位置偏差ΔP2は以下の式(8)に基づいて、第二位置偏差作成部38によって作成され、第二位置偏差ΔP2が制御モードに応じて異なることはない。
ΔP2=CP2−DP (8)
第三の実施形態におけるタッピング加工装置1の動作時には、はじめに切換器33は第一制御モードを設定する。第一制御モードにおいては、位置指令値CP2と送り位置検出値DPとの間の偏差である第二位置偏差ΔP2に基づいて送り軸モータ31が駆動される。前述したようにこの場合には、主軸モータ21と送り軸モータ31とは同期運転されていない。また、主軸ヘッド4のタップ加工工具5が回転しつつ、スライダ7が被加工物Wに向かって移動するのみであり、タッピング動作は行われていない。
タップ加工工具5が被加工物Wの穴にタッピング可能な状況になると、切換器33は第一制御モードから第二制御モードに設定する。第二制御モードにおいては第三位置偏差ΔP3に基づいて送り軸モータ31が駆動される。ただし、第二制御モードにおいても第二位置偏差ΔP2は所定の制御周期毎に作成され、記憶部11のRAMに順次記憶される。第三位置偏差ΔP3はタッピング動作が行われる前における第一位置偏差ΔP1の影響を受けているので、第一制御モードから第二制御モードに切替わるときにおける同期誤差を低減することができる。従って、第三の実施形態においても、極めて良好にタッピング動作を行うことが可能である。
そして、タッピング動作が終了して第二制御モードから第一制御モードに再び切替わると、記憶部11のRAMに記憶された最新の第二位置偏差ΔP2に基づいて送り軸モータ31が駆動されるようになる。この場合には、送り軸位置補正値RFPの影響を受けている第三位置偏差ΔP3の採用から、位置指令値CP2と送り位置検出値DPとの間の偏差である第二位置偏差ΔP2の採用へと移行することになる。
つまり、送り軸位置補正値RFPを含まない元の第二位置偏差ΔP2を採用することになる。従って、第三の実施形態においては、原点復帰、絶対位置通信、オリエンテーション等を行う必要がない。それゆえ、同期運転が終了した後であっても、主軸モータ21および送り軸モータ31のそれぞれの座標系への復旧動作を迅速に行うことができる。このため、第三の実施形態においては、タッピング加工動作全体の処理を高速化できるのが分かるであろう。
なお、図面を参照して説明した実施形態においては、第三位置指令値作成部36、送り軸位置補正値作成部37、通信遅れ補正値作成部41、開始位置補正値作成部42および第三位置偏差作成部45が送り軸制御部30に含まれている。しかしながら、これらが必ずしも送り軸制御部30に含まれる必要はなく、送り軸制御部30の外部に配置されていてもよいのは当業者であれば、明らかであろう。
1 タッピング加工装置
2 タップ盤
3 ベース
5 タップ加工工具
7 スライダ
10 CNC
11 記憶部
20 主軸制御部
21 主軸モータ
22 エンコーダ(回転角検出部)
23 第一位置偏差作成部
24 速度制御部
25 サーボアンプ
30 送り軸制御部
31 送り軸モータ
32 エンコーダ(送り位置検出部)
33 切換器
34 速度制御部
35 サーボアンプ
36 第三位置指令値作成部
37 送り軸位置補正値作成部
38 第二位置偏差作成部
40 通信ケーブル
41 通信遅れ補正値作成部
42 開始位置補正値作成部
45 第三位置偏差作成部
CP1〜CP3 第一位置指令値〜第三位置指令値
DA 回転角検出値
DP 送り位置検出値
ΔP1〜ΔP3 第一位置偏差〜第三位置偏差
RFP 送り軸位置補正値
RSP 開始位置補正値
RT 通信遅れ補正値

Claims (3)

  1. タップ加工工具を主軸回りに回転させる主軸モータと、
    該主軸モータの前記主軸の回転角を検出する回転角検出部と、
    前記タップ加工工具が取付けられた送り軸を駆動する送り軸モータと、
    前記送り軸における前記タップ加工工具の送り位置を検出する送り位置検出部と、を備え、前記主軸モータと前記送り軸モータとを同期運転してタッピング加工動作を行うタッピング加工装置において、
    前記主軸モータの第一位置指令値と前記送り軸モータの第二位置指令値とを作成する位置指令値作成部と、
    該位置指令値作成部により作成された前記第一位置指令値と前記回転角検出部により検出された回転角検出値との間の第一位置偏差に基づいて前記主軸モータを駆動する主軸制御部と、
    前記回転角検出値と前記タップ加工工具のネジピッチとに基づいて第三位置指令値を作成する第三位置指令値作成部と、
    第一制御モードおよび第二制御モードを備えていて第二位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動する送り軸制御部と、を具備し、前記第二位置偏差は、前記第一制御モードにおいては前記位置指令値作成部により作成された前記第二位置指令値と前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値とから作成されると共に、前記第二制御モードにおいては前記第三位置指令値作成部により作成された前記第三位置指令値と前記送り位置検出値とから作成されており、
    さらに、
    前記第一制御モードから前記第二制御モードに切替わるときに取得された前記回転角検出値および前記第一位置偏差と前記ネジピッチとに基づいて送り軸位置補正値を作成する送り軸位置補正値作成部と、を具備し、
    前記送り軸位置補正値作成部により作成された前記送り軸位置補正値を用いて前記第三位置指令値を補正して前記主軸モータの回転角と前記送り軸の位置との位置関係を合わせるようにしたタッピング加工装置。
  2. さらに、前記回転角検出部により検出された回転角検出値の単位時間当たりの変化量と、前記主軸制御部と前記送り軸制御部との間で通信するのに必要とされる所要時間と、前記ネジピッチとに基づいて、前記主軸制御部と前記送り軸制御部との間の通信遅れを補正する通信遅れ補正値を作成する通信遅れ補正値作成部を具備する請求項1に記載のタッピング加工装置。
  3. タップ加工工具を主軸回りに回転させる主軸モータと、
    該主軸モータの前記主軸の回転角を検出する回転角検出部と、
    前記タップ加工工具が取付けられた送り軸を駆動する送り軸モータと、
    前記送り軸における前記タップ加工工具の送り位置を検出する送り位置検出部と、を備え、前記主軸モータと前記送り軸モータとを同期運転してタッピング加工動作を行うタッピング加工装置において、
    前記主軸モータの第一位置指令値と前記送り軸モータの第二位置指令値とを作成する位置指令値作成部と、
    該位置指令値作成部により作成された前記第一位置指令値と前記回転角検出部により検出された回転角検出値との間の第一位置偏差に基づいて前記主軸モータを駆動する主軸制御部と、
    第一制御モードおよび第二制御モードを備えていて前記送り軸モータを駆動する送り軸制御部と、
    前記位置指令値作成部により作成された前記第二位置指令値と前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値との間の第二位置偏差を作成する第二位置偏差作成部と、
    前記回転角検出値と前記タップ加工工具のネジピッチとに基づいて第三位置指令値を作成する第三位置指令値作成部と、
    前記第一制御モードから前記第二制御モードに切替わるときに取得された前記回転角検出値および前記第一位置偏差と前記ネジピッチとに基づいて送り軸位置補正値を作成する送り軸位置補正値作成部と、
    前記送り位置検出部により検出された送り位置検出値と前記第三位置指令値作成部により作成された前記第三位置指令値と前記送り軸位置補正値作成部により作成された前記送り軸位置補正値と、に基づいて第三位置偏差を作成する第三位置偏差作成部と、を具備し、
    前記送り軸制御部は、前記第二制御モードにおいては前記第三位置偏差作成部により作成された第三位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動すると共に、前記第二制御モードから前記第一制御モードに切替わったときには前記第二位置偏差作成部により作成された前記第二位置偏差に基づいて前記送り軸モータを駆動する、タッピング加工装置。
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