JP2003131712A - 多軸同期制御装置 - Google Patents

多軸同期制御装置

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JP2003131712A
JP2003131712A JP2001323371A JP2001323371A JP2003131712A JP 2003131712 A JP2003131712 A JP 2003131712A JP 2001323371 A JP2001323371 A JP 2001323371A JP 2001323371 A JP2001323371 A JP 2001323371A JP 2003131712 A JP2003131712 A JP 2003131712A
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axis
slave
gain
synchronization error
speed
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JP2001323371A
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Hidenori Shiiba
英典 椎葉
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スレーブ軸ごとに、該軸を制御するための電気
的な出力を入力の何倍にするかを示す利得を変化させて
同期制御を行うことができる多軸同期制御装置を提供す
る。 【解決手段】 本発明が多軸同期制御装置が適用された
多軸工作機械10は、マスタ軸201およびスレーブ軸
202〜20N、17の現在位置をそれぞれ検出し、検
出されたマスタ軸201の位置に基づいて、マスタ軸2
01の位置に対応する理論的位置をスレーブ軸202〜
20N、17ごとに算出し、各スレーブ軸202〜20
N、17について、算出された理論的位置と検出された
実際の位置との同期誤差を算出し、算出された同期誤差
に基づいて、スレーブ軸202〜20N、17を利得を
変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一つの主軸と該主
軸に追従する従軸とを同期制御するための多軸同期制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、タップやドリルなどの穴あけに用
いられる数値制御工作機では、タップビットやドリルビ
ットなどが装着されている加工軸と、これを送り出す送
り軸とを同期させて制御する方法が用いられている。1
つの加工軸に対して、送り軸の送り速度、すなわち送り
軸を駆動しているモータの回転速度を同期させることに
よって、同期を行わない加工よりも加工速度を高速化す
ることができる。
【0003】また、被加工物の同一面上に対して同じ方
向からタッピングやドリル穴あけを行う場合、一度に多
数の加工軸を駆動して加工を行うことで、生産効率の向
上を図ることができる。たとえば、多軸ギアヘッドを用
いた工作機械などを利用して、一度に多軸ヘッドの軸の
数だけタッピングや穴あけ加工するものがある。
【0004】以上のような多数の加工軸および送り軸を
有する数値制御工作機では、加工軸のうちの一つを同期
の基準となる主軸とし、他の加工軸および送り軸を主軸
に同期して追従する従軸とすることが一般的である。こ
のように複数の軸に主従関係を持たせる技術は、たとえ
ば、特開平11−305839号公報に開示されてい
る。
【0005】この公報に開示されている発明は、主軸と
従軸の区別があるものの、主軸は他の従軸に共通の目標
位置を与えるための基準として設けられているだけであ
り、主軸の現在位置に基づいて従軸の移動の目標位置を
設定するために設けられたものではない。これは、同一
のモータに同一の動作を実行させる作業を想定している
ためであり、各軸に同一の目標位置を与えればよいから
である。
【0006】また、上記公報に記載の発明は、各軸共通
に与えられた目標位置、すなわち、主軸の目標位置に対
する従軸の位置の同期誤差に基づいて、各軸に与える電
圧の増幅率(利得)を変化させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報に記
載の発明では、従軸ごとに目標位置が設定されるのでは
なく、主軸の目標位置に従軸が従うので、実質的に従軸
は主軸に追従しているとはいえず、基準に決められた主
軸と目標位置を同一にして動作しているにすぎない。
【0008】このような発明では、たとえば、軸ごとに
行う作業が異なっていたり、軸ごとに接続されたモータ
の規模が異なっていたりして、各軸の目標位置を異なら
せる必要がある場合、同期制御することができない。ま
た、同様の場合に、主軸の目標位置と従軸の位置との同
期誤差に基づいて利得を定めていたのでは、軸ごとに設
定されるべき目標位置を無視して利得を設定することに
なるので、適当な同期制御を行うことができない。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、主軸の位置に基づいて従軸ごとに目標位置を設
定し、該目標位置と従軸の実際の位置との誤差に基づい
て利得を動的に変化させて同期制御を行うことができる
多軸同期制御装置の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段によって達成される。
【0011】(1)本発明の多軸同期制御装置は、複数
の軸の同期制御の基準となる一つの主軸と、前記主軸の
位置に基づいて該主軸に追従する複数の従軸と、前記主
軸および前記従軸の現在位置をそれぞれ検出する位置検
出手段と、検出された前記主軸の位置に基づいて、該主
軸の位置に対応する理論的位置を前記従軸ごとに算出す
る理論位置算出手段と、前記各従軸について、算出され
た理論的位置と検出された現在位置との同期誤差を算出
する同期誤差算出手段と、算出された前記同期誤差に基
づいて、各従軸を制御するための電気的な出力を入力の
何倍にするかを示す利得を変化させる利得変化手段とを
有する。
【0012】(2)前記利得変化手段は、前記利得を算
出するための一つのパラメータである比例ゲイン値に基
づき利得を変化させ、前記比例ゲイン値は、前記同期誤
差に所定の換算係数を乗算し、該乗算結果を前回の利得
算出に用いられた比例ゲイン値に加算して求められる。
【0013】(3)前記同期誤差算出手段によって算出
された前記同期誤差が所定の許容限界範囲を超えた場
合、前記主軸および従軸を全て停止させる停止手段をさ
らに有する。
【0014】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、主軸の位置に
対応する理論的位置を従軸ごとに算出し、従軸の理論的
位置と現在位置との同期誤差に基づいて従軸ごとに利得
を変化させるので、たとえ、主軸および従軸の規模やそ
の動作内容、または軸に取り付けられた加工具が異なっ
ていても、利得の調節により従軸が主軸に適当に追従
し、適当な同期制御を行うことができる。
【0015】また、利得を変化させることにより、従軸
の制御性を大幅に向上させることができるので、従軸の
主軸に対する追従性が大幅に向上し、結果として、同期
誤差が発生しにくくなり、各軸自体、各軸に取り付けら
れた加工具、または多軸同期制御装置自体等が破損せ
ず、また、加工対象の精度を維持することができる。
【0016】さらに、従軸の利得が同期誤差に基づいて
変化し従軸が主軸を追従するので、主軸の制御性が低速
回転域で不安定であっても同期制御の精度を確保でき
る。
【0017】加えて、各従軸で理論的位置に対する現在
位置の同期誤差を求め、利得を変化させるという単純な
制御系しか有さないので、低コストに実現でき、また、
あらゆる多軸同期を目的とする制御系に容易に応用する
ことができる。
【0018】請求項2に記載の発明は、比例ゲイン値
は、前記同期誤差に所定の換算係数を乗算し、該乗算結
果を前回の利得算出に用いられた比例ゲイン値に加算す
ることによって求められるので、同期誤差に基づいて動
的に変化する比例ゲイン値に伴って利得も動的に変化さ
せることができ、同期誤差を考慮した適当な同期制御を
行うことができる。
【0019】請求項3に記載の発明は、同期誤差が所定
の許容限界範囲を超えた場合に主軸および従軸を全て停
止させるので、各軸自体、各軸に取り付けられた加工
具、または多軸同期制御装置自体等が破損を防止するこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0021】まず、最初に、本願発明が適用される多軸
工作機械について説明する。
【0022】図1は、本発明が適用される多軸工作機械
の概略構成図である。
【0023】多軸工作機械10は、複数の加工軸11
と、加工軸11をそれぞれ独立に速度制御する加工軸ア
ンプ12と、複数の加工軸11を一度に同一方向へ移動
させるための送り軸13と、この送り軸13の速度制御
を行う送り軸アンプ14とからなる。加工軸アンプ12
と送り軸アンプ14は、ともに加工軸11と送り軸13
を同期制御するためのコントローラ15に接続されてい
る。なお、図1においては、複数の加工軸11を、第1
加工軸111、第2加工軸112〜第N加工軸11Nと
して示している。
【0024】加工軸11は、いずれも独立に回転するモ
ータによって回転し、このモータの回転数を検出するた
めのアブソリュートエンコーダ(不図示)が設けられて
いる。このアブソリュートエンコーダは、多軸工作機械
10に供給されている電源が切断されても、再度電源が
供給されたときに位置を確認することができる。加工軸
11は、ワーク100の同一面を同じ方向に、たとえ
ば、タッピング加工を行う。
【0025】加工軸アンプ12は、コントローラ15か
ら与えられる速度指令値に基づいて、モータに電力を供
給する。
【0026】送り軸13は、加工軸11を保持する可動
台16をワーク100方向へ送り移動させるためのもの
であり、送り軸モータ17と、このモータ17によって
回転するボールネジ18とからなる。ボールネジ18
は、可動台16底部分に刻まれたギア溝(不図示)と噛
み合い、ボールネジ18が回転することで可動台16が
ワーク方向へ前進または後退する。送り軸モータ17に
は、エンコーダ(不図示)が設けられており、このモー
タ17の回転数が検出される。
【0027】送り軸アンプ14は、コントローラ15か
ら与えられる速度指令値に基づいて、送り軸モータ17
に電力を供給する。
【0028】コントローラ15は、加工軸アンプ12お
よび送り軸アンプ14にそれぞれ速度指令値を出力す
る。コントローラ15の具体的な内部構成は、図2に示
される。
【0029】図2は、多軸工作機械10の各軸を同期制
御するコントローラ15の機能を説明するためのブロッ
ク図である。
【0030】なお、以下の説明では、複数の加工軸11
1〜11Nのうち第1加工軸111がマスタ軸(主軸)
であり、第2加工軸112〜第N加工軸11Nおよび送
り軸13がマスタ軸に追従して動作するスレーブ軸(従
軸)であるとして説明する。また、図1に示す加工軸ア
ンプ12は、図2に示すように、第1アンプ121から
第Nアンプ12Nまで加工軸11の本数分設けられてお
り、それぞれに接続された第1モータ201〜第Nモー
タ20Nの速度を制御する。第1モータ201〜第Nモ
ータ20Nは、それぞれ第1加工軸111〜第N加工軸
11Nを回転させる。
【0031】図2に示すように、コントローラ15は、
第1目標位置計算部21と、第1速度計算部22と、第
2目標位置計算部232〜第N目標位置計算部23N
と、第2速度計算部242〜第N速度計算部24Nと、
第2フィードフォワード部252〜第Nフィードフォワ
ード部25Nと、送り軸目標位置計算部26と、送り軸
速度計算部27と、送り軸フィードフォワード部28と
を含んで構成される。
【0032】第1目標位置計算部21は、第1加工軸1
11の移動の目標位置の情報が図示しない入力装置から
入力され、第1加工軸111の動作量、たとえば、第1
加工軸111に取り付けられた加工ツールの1回転分の
移動量(リード)に基づいて目標位置まで移動するのに
必要な第1加工軸111の回転数を算出する。
【0033】第1速度計算部22は、入力された回転数
(動作量)に基づいて、ワーク100に対する第1加工
軸111の単位時間当たりの移動量を求め、第1加工軸
111の速度指令値を計算し、第1アンプ121に出力
する。また、第1加工軸111の速度指令値は、第2フ
ィードフォワード部252〜第Nフィードフォワード部
25Nにも出力される。
【0034】なお、第1モータ201には、アブソリュ
ートエンコーダが設けられており、第1モータ201の
回転数の情報が第1アンプ121を介して第1速度計算
部22にフィードバックされる。第1速度計算部22
は、フィードバックされた回転数を第1目標位置計算部
21から入力された目標位置までの回転数と比較して、
目標位置までの残りの回転数を計算し、この回転数に基
づいて速度指令値を計算する。このようなフィードバッ
ク制御により速度指令値が逐次更新される。
【0035】また、アブソリュートエンコーダは、多軸
工作機械10に供給される電源が切断されても、その構
造により回転数を確認し位置を検出することができる。
第1モータ201の回転数の情報は、第1速度計算部2
2に出力されるだけではなく、第2目標位置計算部23
2〜第N目標位置計算部23Nにも出力される。
【0036】第2目標位置計算部232〜第N目標位置
計算部23Nは、予め第1加工軸111に取り付けられ
た加工ツールのリードの情報を記憶しており、このリー
ドの情報およびエンコーダから入力された第1モータ2
01の回転数の情報に基づき、第1加工軸111の移動
量を算出する。
【0037】第1加工軸111の移動量と、第2加工軸
112〜第N加工軸11Nの移動量とが一致すれば、全
加工軸11は同期をとれていることになる。したがっ
て、第2目標位置計算部232〜第N目標位置計算部2
3Nは、算出した第1加工軸111の移動量に対応して
第2加工軸112〜第N加工軸11Nが移動するための
目標となる理論的位置、すなわち、第1加工軸111の
移動量分、第2加工軸112〜第N加工軸11Nが移動
するのに必要な回転数を算出する。
【0038】第2速度計算部242〜第N速度計算部2
4Nは、それぞれ第2目標位置計算部232〜第N目標
位置計算部23Nで算出された理論的位置に基づいて、
第2加工軸112〜第N加工軸11Nの速度指令値を計
算し、第2アンプ122〜第Nアンプ12Nに出力す
る。
【0039】第2フィードフォワード部252〜第Nフ
ィードフォワード部25Nは、第1速度計算部22から
出力された現在の第1モータ201の速度指令値を、第
2速度計算部242〜第N速度計算部24Nから出力さ
れた第2加工軸112〜第N加工軸11Nの速度指令値
に加える。
【0040】したがって、第2目標位置計算部232〜
第N目標位置計算部23Nおよび第2速度計算部242
〜第N速度計算部24Nでそれぞれ演算を行っている間
に生じる第1モータ201との同期誤差を、第2フィー
ドフォワード部252〜第Nフィードフォワード部25
Nからの出力値によって補正することができる。
【0041】結果として、第2アンプ122〜第Nアン
プ12Nには、第2フィードフォワード部252〜第N
フィードフォワード部25Nの出力によって、補正され
た速度指令値が入力され、第2モータ202〜第Nモー
タ20Nは、第1モータ201に同期することができ
る。
【0042】なお、第2モータ202〜第Nモータ20
Nには、アブソリュートエンコーダが設けられており、
第2モータ202〜第Nモータ20Nの回転数の情報が
それぞれ第2アンプ122〜第Nアンプ12Nを介して
第2速度計算部242〜第N速度計算部24Nにフィー
ドバックされる。第2速度計算部242〜第N速度計算
部24Nは、フィードバックされた回転数と、第2目標
位置計算部232〜第N目標位置計算部23Nで算出さ
れた理論的位置までの回転数とを比較して、この比較結
果に基づいて速度指令値を算出する。速度指令値を算出
する第2速度計算部242〜第N速度計算部24Nの構
成は後述する。
【0043】また、アブソリュートエンコーダは、多軸
工作機械10に供給される電源が切断されても、その構
造により回転数を確認し位置を検出することができる。
【0044】送り軸目標位置計算部26は、第2目標位
置計算部232〜第N目標位置計算部23Nと同様に、
予め第1加工軸111に取り付けられた加工ツールのリ
ードの情報を記憶しており、このリードの情報およびエ
ンコーダから入力された第1モータ201の回転数の情
報に基づき、第1加工軸111の移動量を算出する。そ
して、送り軸13が第1加工軸111と同期をとるため
に、第1加工軸111の移動量分移動した位置を、送り
軸13の移動の目標となる理論的位置とする。
【0045】送り軸速度計算部27は、送り軸目標位置
計算部26で算出された理論的位置に基づいて、送り軸
13の速度指令値を計算し、送り軸アンプ14に出力す
る。
【0046】送り軸フィードフォワード部28は、第1
速度計算部22から出力された現在の第1モータ201
の速度指令値を、送り軸速度計算部27から出力された
送り軸モータ17の速度指令値に加える。
【0047】したがって、第1モータ201から出力さ
れた第1モータ201の回転数に基づいて送り軸目標位
置計算部26および送り軸速度計算部27でそれぞれ演
算を行っている間に生じる第1モータ201との同期誤
差を、送り軸フィードフォワード部28からの出力値に
よって補正することができる。
【0048】結果として、送り軸アンプ14には、送り
軸フィードフォワード部28の出力によって、補正され
た速度指令値が入力され、送り軸モータ17は、第1モ
ータ201に同期することができる。
【0049】なお、送り軸モータ17には、アブソリュ
ートエンコーダが設けられており、送り軸モータ17の
回転数の情報がそれぞれ送り軸アンプ14を介して送り
軸速度計算部27にフィードバックされる。送り軸速度
計算部27は、フィードバックされた回転数と、送り軸
目標位置計算部26で算出された理論的位置までの回転
数とを比較して、この比較結果に基づいて速度指令値を
算出する。速度指令値を算出する送り軸速度計算部27
の構成は次述の通りである。
【0050】図3は、第2速度計算部242〜第N速度
計算部24Nまたは送り軸速度計算部27の構成を示す
ブロック図である。
【0051】ここで、第2速度計算部242〜第N速度
計算部24Nおよび送り軸速度計算部27は、それぞ
れ、目標位置と現在位置が入力され、該入力に基づいて
利得を変化させるという動作について同一なので、同一
の構成であるものとして説明する。なお、利得とは、ス
レーブ軸202〜20N、17を制御するための電気的
な出力(速度指令値)を入力(目標位置と現在位置の誤
差)の何倍にするかを決定するものである。
【0052】図3に示すように、第2速度計算部242
〜第N速度計算部24Nまたは送り軸速度計算部27
は、公知技術のPID制御が適応されており、比例動
作、微分動作および積分動作を実行可能となっている。
比例動作、微分動作および積分動作の結果を合計するこ
とによって、結果的に、同期誤差eが何倍かされる。こ
のときの倍率がいわゆる利得である。
【0053】微分動作のためのパラメータSと積分動作
のためのパラメータ1/sは、それぞれ、実験や作業者
の経験等に基づき、良好な制御動作を得るために予め算
出されている定数である。また、比例動作のためのパラ
メータである比例ゲイン値P nは変数であり、以下の式
(1)で求められる。したがって、利得は比例ゲイン値
nの変化にしたがって動的に変化する。
【0054】比例動作のためのパラメータPnは、 Pn=Pn-1+P´×e ・・・ 式(1) で与えられる変数である。ここで、Pn-1は前回のフィ
ードバック制御の周期における比例ゲイン値、すなわ
ち、今回の比例ゲイン値に変化する前の比例ゲイン値を
示す。
【0055】速度指令値を最初に算出する場合、すなわ
ち、従軸202〜20Nまたは17の回転数が一度もフ
ィードバックされていない場合の比例ゲイン値P1は比
例ゲイン初期値P0である。この比例ゲイン初期値P
0は、パラメータS、1/sと同様に、実験等や作業者
の経験等に基づき、良好な制御動作を得るために予め算
出されている定数である。また、P´は、誤差eが回転
数で表されているので、誤差eを比例ゲイン値Pnのス
ケールに換算するための換算係数である。
【0056】次に、第2速度計算部242〜第N速度計
算部24Nまたは送り軸速度計算部27の作用について
説明する。
【0057】第2速度計算部242〜第N速度計算部2
4Nまたは送り軸速度計算部27は、まず、従軸につい
ての目標位置が入力される。ここでの目標位置は、実際
は該目標位置に従軸が到達するまでの目標の回転数を示
す。さらに、従軸からフィードバックされてきた従軸の
現在位置(回転数)が入力される。そして、目標の回転
数と従軸からフィードバックされてきた回転数とを比較
してその誤差eを算出する。この誤差eに基づいて比例
動作、積分動作および微分動作が実行され、速度指令値
が算出される。
【0058】比例動作では、上記した式(1)で示すよ
うに、前回の比例ゲイン値Pn-1を用いて、今回の比例
ゲイン値Pnが動的に変化させられる。この比例ゲイン
値Pnの動的な変化が速度指令値の増減に最も寄与し、
結果として第2速度計算部242〜第N速度計算部24
Nまたは送り軸速度計算部27における利得が増減され
る。そして、比例動作、微分動作および積分動作の結果
を合計して得られた速度指令値が、アンプに送信され
る。
【0059】このように、従軸の理論的位置と現在位置
との同期誤差eに基づいて、比例ゲイン値Pnを変化さ
せるので、たとえば、理論的位置に対して現在位置がだ
いぶ遅れた場合にも、遅れた分だけ勘案されて比例ゲイ
ン値Pnが増幅され、利得も大きくなるので、遅れた従
軸の速度が速くなり、同期誤差をより迅速、確実に小さ
くすることができる。逆に、従軸が理論的位置に対して
進んだ場合には、同期誤差eが負の値になり、上記式
(1)により比例ゲイン値Pnが減少され、利得も小さ
くなるので、進んだ従軸の速度が遅くなり、同期誤差を
迅速、確実に小さくすることができる。
【0060】次に、多軸工作機械10の同期制御の手順
について説明する。
【0061】図4は、多軸工作機械10の同期制御の手
順を示すフローチャートである。
【0062】以下に説明する同期制御では、加工軸20
1を単にマスタ軸といい、加工軸202〜20Nおよび
送り軸17を総称して単にスレーブ軸という。また、コ
ントローラ15の各部構成については上述したので、こ
こでは構成の動作の説明を省略し、コントローラ15の
総括的な動作として説明する。
【0063】最初に、作業者によりコントローラ15に
マスタ軸の動作の目標位置が入力されると、コントロー
ラ15は、該目標位置までに必要なマスタ軸の回転数を
算出し(ステップS1)、算出した回転数に基づいてマ
スタ軸を動作させる(ステップS2)。そして、動作中
のマスタ軸の現在位置が検出される(ステップS3)。
【0064】コントローラ15は、検出したマスタ軸の
位置に基づいて、該マスタ軸に同期させるようにスレー
ブ軸ごとの目標位置(回転数)を算出し(ステップS
4)、算出した目標位置に基づきスレーブ軸を動作させ
る(ステップS5)。そして、動作中のスレーブ軸ごと
の現在位置が検出される(ステップS6)。
【0065】コントローラ15は、スレーブ軸ごとに、
算出した目標位置と現在位置との同期誤差eを算出し
(ステップS7)、この同期誤差eが予め設定されてい
る所定の許容範囲内かどうかを判断する(ステップS
8)。なお、許容範囲は、作業者等により、実験や経験
に基づいて予め設定されているものである。
【0066】同期誤差eが許容範囲内とならないスレー
ブ軸がある場合は(ステップS8:NO)、マスタ軸に
対するスレーブ軸の同期誤差が大きすぎて、軸および該
軸に装着された加工具等の破損が生じる虞があるので、
多軸工作機械10自体を停止させるために、各軸の動作
を停止して同期制御を終了する。
【0067】全ての同期誤差eが許容範囲内である場合
は(ステップS8:YES)、上述した式(1)に該同
期誤差eの値を代入して、スレーブ軸ごとに比例ゲイン
値を更新する(ステップS9)。コントローラ15は、
図3に示す速度計算部242〜24N、27の構成によ
り、更新した比例ゲイン値等を用いて、同期誤差eに基
づく速度指令値をスレーブ軸の回転のためのアンプ12
2〜12N、14に出力し(ステップS10)、スレー
ブ軸をそれぞれ動作させる。
【0068】そして、加工が完了したかどうか、すなわ
ち、S1で入力された目標位置までマスタ軸が動作した
かどうかを判断し(ステップS11)、加工が完了した
場合(ステップS12:YES)は、全軸を停止して加
工動作を終了し、加工が完了しない場合(ステップS1
2:NO)は、再びS3からの動作を繰り返す。
【0069】以上説明してきたように、本発明が適用さ
れた多軸工作機械10は、マスタ軸の位置に対応する理
論的位置をスレーブ軸ごとに算出し、スレーブ軸の理論
的位置と現在位置との同期誤差に基づいてスレーブ軸ご
とに利得を変化させるので、たとえ、マスタ軸およびス
レーブ軸の規模やその動作内容、または軸に取り付けら
れた加工具が異なっていても、スレーブ軸がマスタ軸に
適当に追従し、適当な同期制御を行うことができる。
【0070】また、利得を変化させることにより、スレ
ーブ軸の制御性を大幅に向上させることができるので、
スレーブ軸のマスタ軸に対する追従性が大幅に向上し、
結果として、同期誤差が発生しにくくなり、各軸自体、
各軸に取り付けられた加工具、または多軸同期制御装置
自体等が破損せず、また、加工対象となるワークの精度
を維持することができる。
【0071】さらに、スレーブ軸の利得が同期誤差に基
づいて変化しスレーブ軸がマスタ軸を追従するので、マ
スタ軸の制御性が低速回転域で不安定であっても同期制
御の精度を確保できる。具体的には、たとえば、タップ
加工においてタップ加工終了後に該タップ加工に供した
タップビット(加工具)をワークから抜き出すときに、
ワークがタップビットに与える負荷の影響が最も大きく
なり各軸の制御性が最も悪くなるが、この場合において
も同期誤差が発生しにくくなる。
【0072】加えて、本発明は、各スレーブ軸で理論的
位置に対する現在位置の同期誤差を求め、利得を変化さ
せるという単純な制御系しか有さないので、低コストに
実現でき、また、あらゆる多軸同期を目的とする制御系
に容易に応用することができる。
【0073】また、比例ゲイン値は、前記同期誤差に所
定の換算係数を乗算し、該乗算結果を前回の利得算出に
用いられた比例ゲイン値に加算することによって求めら
れるので、同期誤差に基づいて動的に変化する比例ゲイ
ン値に伴って利得も動的に変化させることができ、同期
誤差を考慮した適当な同期制御を行うことができる。
【0074】また、同期誤差が所定の許容限界範囲を超
えた場合にマスタ軸およびスレーブ軸を全て停止させる
ので、各軸自体、各軸に取り付けられた加工具、または
多軸同期制御装置自体等が破損を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される多軸工作機械の概略構成
図である。
【図2】 多軸工作機械の各軸を同期制御するコントロ
ーラの機能を説明するためのブロック図である。
【図3】 第2速度計算部〜第N速度計算部または送り
軸速度計算部の構成を示すブロック図である。
【図4】 同期制御の手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10…多軸工作機械、 11〜11N…第1加工軸〜第N加工軸、 12、121〜12N…加工軸アンプ、 13…送り軸、 14…送り軸アンプ、 15…コントローラ、 17…送り軸モータ、 201〜20N…第1モータ〜第Nモータ、 21…第1目標位置計算部、 22…第1速度計算部、 232〜23N…第2目標位置計算部〜第N目標位置計
算部、 242〜24N…速度計算部、 26…送り軸目標位置計算部、 27…送り軸速度計算部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の軸の同期制御の基準となる一つの
    主軸と、 前記主軸の位置に基づいて該主軸に追従する複数の従軸
    と、 前記主軸および前記従軸の現在位置をそれぞれ検出する
    位置検出手段と、 検出された前記主軸の位置に基づいて、該主軸の位置に
    対応する理論的位置を前記従軸ごとに算出する理論位置
    算出手段と、 前記各従軸について、算出された理論的位置と検出され
    た現在位置との同期誤差を算出する同期誤差算出手段
    と、 算出された前記同期誤差に基づいて、各従軸を制御する
    ための電気的な出力を入力の何倍にするかを示す利得を
    変化させる利得変化手段と、 を有する多軸同期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記利得変化手段は、 前記利得を算出するための一つのパラメータである比例
    ゲイン値に基づき利得を変化させ、 前記比例ゲイン値は、前記同期誤差に所定の換算係数を
    乗算し、該乗算結果を前回の利得算出に用いられた比例
    ゲイン値に加算して求められる多軸同期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記同期誤差算出手段によって算出され
    た前記同期誤差が所定の許容限界範囲を超えた場合、前
    記主軸および従軸を全て停止させる停止手段をさらに有
    する請求項1または請求項2に記載の多軸同期制御装
    置。
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