JPWO2011040155A1 - 有機半導体膜の製造方法および有機半導体膜アレイ - Google Patents

有機半導体膜の製造方法および有機半導体膜アレイ Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011040155A1
JPWO2011040155A1 JP2011534146A JP2011534146A JPWO2011040155A1 JP WO2011040155 A1 JPWO2011040155 A1 JP WO2011040155A1 JP 2011534146 A JP2011534146 A JP 2011534146A JP 2011534146 A JP2011534146 A JP 2011534146A JP WO2011040155 A1 JPWO2011040155 A1 JP WO2011040155A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
contact
organic semiconductor
semiconductor film
manufacturing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011534146A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5397921B2 (ja
Inventor
純一 竹谷
純一 竹谷
隆文 植村
隆文 植村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka University NUC
Original Assignee
Osaka University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka University NUC filed Critical Osaka University NUC
Priority to JP2011534146A priority Critical patent/JP5397921B2/ja
Publication of JPWO2011040155A1 publication Critical patent/JPWO2011040155A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5397921B2 publication Critical patent/JP5397921B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • H10K71/13Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating using printing techniques, e.g. ink-jet printing or screen printing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/34Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having potential barriers, e.g. a PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies not provided for in groups H01L21/0405, H01L21/0445, H01L21/06, H01L21/16 and H01L21/18 with or without impurities, e.g. doping materials
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K10/00Organic devices specially adapted for rectifying, amplifying, oscillating or switching; Organic capacitors or resistors having potential barriers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/657Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/60Organic compounds having low molecular weight
    • H10K85/649Aromatic compounds comprising a hetero atom
    • H10K85/657Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons
    • H10K85/6576Polycyclic condensed heteroaromatic hydrocarbons comprising only sulfur in the heteroaromatic polycondensed ring system, e.g. benzothiophene

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)
  • Thin Film Transistor (AREA)

Abstract

有機半導体材料及び溶媒を含む原料溶液を基板1上に供給し、原料溶液を乾燥させることにより有機半導体膜4を前記基板上に形成する。原料溶液を各々付着させる複数の接触面6aが配置された接触部材7を用いる。基板の表面に対して接触面が一定の関係となるように接触部材が配置され、基板上に原料溶液の液滴3が複数個形成されて、それらの液滴が複数の接触面に各々保持された液滴保持状態を形成する。液滴中の溶媒を蒸発させて複数の接触面に対応する基板の表面の各々の位置に有機半導体膜を形成する。塗布法による簡易な工程により実施でき、しかも高い電荷の移動度を有する有機半導体膜を作製することが可能である。

Description

本発明は、有機半導体材料を用い塗布法により有機半導体膜を作製するための製造方法、および有機半導体膜の複数の領域が配置された有機半導体膜アレイに関する。
近年、有機半導体材料は、無機半導体材料と比較しても、優れた電気的特性を有することが明らかとなり、種々の電子デバイス分野への応用開発が進められている。有機半導体膜を半導体チャネルに用いた有機薄膜トランジスタ(TFT)は、無機半導体を用いる場合に比べて加工が容易であり、簡易で安価な製造プロセスを適用可能である。また、室温近傍での製造が可能であるため、プラスチック基板を用いた半導体技術を可能にし、ポストシリコン半導体として期待されている。
有機TFTに用いる結晶性の有機半導体薄膜を作製する方法としては、従来、蒸着法、分子線エピタキシャル法、溶媒蒸発法、融液法、ラングミュア−ブロジェット法など、材料の特性により種々の方法が検討されている。
特許文献1には、溶媒蒸発法により有機単結晶膜を作製する改良された方法の例が開示されている。同方法は、石英などの基板を複数枚重ねて、その基板間に溶媒蒸発法により有機単結晶膜を成長させていた従来の方法を改良したものである。すなわち、有機物質の溶液を含む容器内に、基板を液面に対して水平に配置していた形態に変更を加え、基板を液面に対して傾斜させて溶媒蒸発法を行なう。それにより、基板間での結晶成長に必要な範囲までの溶媒蒸発の進行を早めて、種結晶の発生、成長のプロセスの効率を向上させることを目的としている。
溶媒蒸発法の原理を用いた方法のうち、簡易で安価、室温近傍での製造が可能という観点からは、液滴成形、スピンコーティング、印刷のような溶液を用いた塗布法によるプロセスが、高性能の有機TFT開発のために最も望まれる方法である。塗布法は、有機半導体材料溶液を基板面に塗布あるいは滴下して、溶液に含まれる溶媒を乾燥させることで、溶媒の蒸発により溶液を飽和状態にして結晶を析出させ、有機半導体薄膜を形成する方法である。
特開平03−59036号公報
特許文献1に開示された技術は、光学素子用の有機単結晶膜を作製するための方法であり、有機半導体として望まれる電気的特性を得ることを意図したものではない。そのため、特許文献1に開示された方法を適用しても、有機TFTに用いる有機半導体膜として、満足できる電気的特性、特に、十分な電荷の移動度を有する有機半導体膜を作製することは困難である。
また、塗布法により十分な電荷の移動度を有する有機半導体膜を作製するために、低分子から高分子に至る多くの材料を用いた種々の技術が報告されているが、これらの塗布法による有機半導体膜及びそれを用いた有機TFTの性能は、未だ工業的にアモルファスシリコンTFTに置き換わる程十分ではない。すなわち、塗布法により、単に溶媒を乾燥させるというだけでは、十分な移動度を持った有機半導体膜を得ることは困難であった。
従って、本発明は、塗布法による簡易な工程により実施され、しかも高い電荷の移動度を有する有機半導体膜を作製することが可能な有機半導体膜の製造方法を提供することを目的とする。
また、そのような有機半導体膜の製造方法を利用して得られる、複数の有機半導体膜領域が配置された有機半導体膜アレイを提供することを目的とする。
本発明の有機半導体膜の製造方法は、有機半導体材料及び溶媒を含む原料溶液を基板上に供給し、前記原料溶液を乾燥させることにより有機半導体膜を前記基板上に形成する方法である。
上記課題を解決するために、本発明の製造方法は、前記原料溶液を各々付着させる複数の接触面が配置された接触部材を用い、前記基板の表面に対して前記接触面が一定の関係となるように前記接触部材が配置され、前記基板上に前記原料溶液の液滴が複数個形成されて、前記液滴が前記複数の接触面に各々保持された液滴保持状態を形成し、前記液滴中の前記溶媒を蒸発させて前記複数の接触面に対応する前記基板の表面の各々の位置に前記有機半導体膜を形成することを特徴とする。
本発明の有機半導体膜アレイは、基板と、前記基板の表面上の複数の領域に互いに分離して配置された有機半導体膜とを備え、前記有機半導体膜は、塗布法により形成され結晶性の膜であることを特徴とする。
上記構成の有機半導体膜の製造方法によれば、原料溶液の液滴が接触面に付着した状態により、接触面との接触を介した作用により、蒸発プロセスにおいて有機半導体膜の領域の成長方向が規定される。その結果、有機半導体膜分子の配列の規則性が良好になり、塗布法による簡易な工程でありながら、高い移動度を有する有機半導体膜を得ることが可能となる。しかも、基板の表面上の複数の領域に互いに分離され、接触部材の位置に対応して形成された複数領域の有機半導体膜を含む有機半導体膜アレイを、容易に作製することができる。
上記構成の有機半導体膜アレイの構成によれば、高い移動度を有する有機半導体膜を備えながら、容易に製造可能である。
本発明の実施の形態1における有機半導体膜の製造方法の工程を示す斜視図 同製造方法の図1Aに続く工程を示す斜視図 同製造方法の工程を示す断面図 同製造方法の工程の変形例を示す断面図 同製造方法に用いられる有機半導体材料の一例であるC−BTBTの分子構造を示す図 同製造方法により作製された有機半導体膜の状態を説明するための斜視図 同有機半導体膜の断面プロファイルを示す図 同有機半導体膜を用いて作製した電界効果トランジスタの伝達特性を示す図 同電界効果トランジスタの出力特性を示す図 実施の形態1における有機半導体膜アレイの製造方法の工程を示す断面図 同製造方法の図6Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の図6Bに続く工程を示す断面図 同製造方法の工程の変形例を示す断面図 本発明の実施の形態2における有機半導体膜の製造方法の工程を示す斜視図 同製造方法の図8Aに続く工程を示す斜視図 同製造方法の工程を示す断面図 同有機半導体膜を用いて作製した電界効果トランジスタの伝達特性を示す図 同有機半導体膜を用いて作製した電界効果トランジスタの出力特性を示す図 実施の形態2における有機半導体膜アレイの製造方法の工程を示す断面図 同製造方法の図11Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の図11Bに続く工程を示す断面図 同製造方法の図11Cに続く工程を示す断面図 同製造方法により作製された有機半導体膜アレイの平面図 同製造方法の第1変形例の工程を示す断面図 同製造方法の第1変形例の図13Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の第2変形例の工程を示す断面図 同製造方法の図14Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の図14Bに続く工程を示す断面図 同製造方法の図14Cに続く工程を示す断面図 同製造方法の第3変形例の工程を示す断面図 同製造方法の図15Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の図15Bに続く工程を示す断面図 同製造方法の図15Cに続く工程を示す断面図 同製造方法の第4変形例の工程を示す断面図 同製造方法の図16Aに続く工程を示す断面図 同製造方法の図16Bに続く工程を示す断面図 同製造方法の図16Cに続く工程を示す断面図
本発明の有機半導体膜の製造方法は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記接触部材は、補助基板とその補助基板上に形成された複数個の接触凸部により構成され、前記接触凸部の前記補助基板の表面に交差する端面の一部により前記接触面が各々形成され、前記液滴保持状態を形成するときには、前記基板の表面に対して上方から前記接触凸部が当接するように前記接触部材を配置する態様とすることができる。
この態様の場合、前記基板を所定角度に傾斜させた状態に維持し、前記接触面を形成する端面が前記基板の傾斜の方向を横切るように、前記接触部材を前記基板上に戴置することが好ましい。
また、他の態様では、前記接触部材は、補助基板とその補助基板上に形成された複数個の接触凸部により構成され、前記接触凸部の上面が各々前記接触面を形成し、前記液滴保持状態を形成するときには、前記複数個の接触凸部の前記接触面が少なくとも一部に間隙を設けて前記基板の表面に対向するように前記接触部材を配置し、前記原料溶液の液滴が各々、前記基板の表面と前記複数の接触面の間に保持される。
この態様の場合、前記複数個の接触面は各々、前記補助基板の表面に対して傾斜した傾斜部を有することが好ましい。
また、前記液滴保持状態を形成するときには、前記接触面の一部が前記基板の表面に当接するように前記接触部材を配置することが好ましい。
また、前記液滴を形成するために前記原料溶液を供給した後は、前記補助基板及び前記基板を所定角度に傾斜させた状態に維持して前記液滴保持状態を形成する態様とすることができる。
また、前記有機半導体材料として、[1]benzothieno[3,2-b]benzothiophene誘導体、2,9-Dialkyldinaphtho[2,3-b:2’,3’-f]thieno[3,2-b]thiophene誘導体、dinaphth[2,3-b:2,3-f]thiopheno[3,2-b]thiophene誘導体、TIPS−ペンタセン、TES−ADT、及びその誘導体、ペリレン誘導体、TCNQ、F4−TCNQ、F4−TCNQ、ルブレン、ペンタセン、p3HT、pBTTT、及びpDA2T−C16から選択したいずれかの材料を用いることができる。
上記構成の有機半導体膜アレイにおいて、好ましくは、前記有機半導体膜の電荷移動度は、3.5cm/Vs以上である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
A.実施の形態1の基本工程
本発明の実施の形態1における有機半導体膜の製造方法の基本工程について、図1A、1B、及び図2Aを参照して説明する。この製造方法は塗布法に基づくものであり、基板1、及び端面接触部材2を用いる。すなわち、有機半導体材料及び溶媒を含む原料溶液を、図1Aに示すように、端面接触部材2に接触するように基板1上に供給して、液滴3を形成する。この状態で液滴3を乾燥させることにより、基板1上に有機半導体膜4を形成する。
端面接触部材2は、基板1の表面に戴置された状態でその表面に交差する端面の一部として、平面形状、すなわち基板1の上方から見た形状が直線状または曲線状の接触面2aを含む。液滴3は、端面接触部材2の接触面2aに接触するように供給される。端面接触部材2は、例えば樹脂により形成することができるが、以下に説明する機能を適切に果たすものであれば、樹脂以外のどのような材質を用いてもよい。
有機半導体膜の製造工程としてはまず、図1Aに示すように、端面接触部材2を、接触面2aが基板1の所定のA方向を横切るように、望ましくは接触面2aがA方向と直交するように基板1上に戴置する。この状態で、原料溶液を、接触面2aに接触するように基板1の表面上に供給する。供給された原料溶液の液滴3は、接触面2aにより保持されて、一定の力が作用する状態になる。この状態の断面形状を、図2Aに示す。
接触面2aにより液滴3が保持された状態で乾燥プロセスを行って、液滴3中の溶媒を蒸発させる。それにより、液滴3中では図2Aに示すように、A方向における接触面2aからの遠端縁の部分で順次、溶媒の蒸発により原料溶液が飽和状態になり有機半導体材料の結晶が析出し始める。溶媒の蒸発に伴う液滴3の遠端縁の移動を、一点鎖線e1、e2で示す。溶媒の蒸発とともに有機半導体材料の結晶化が進展し、図1Bに示すように、有機半導体膜4が成長する。すなわち、基板1のA方向に沿って接触面2aに向かって結晶の成長が進み、有機半導体膜4が漸次形成されてゆく。
この乾燥プロセスにおいては、原料溶液の液滴3が接触面2aに付着した状態によって、接触面2aとの接触を介して結晶成長方向を規定する作用が働く。これにより、結晶性の制御効果が得られ、有機半導体材料の分子の配列の規則性が良好になり、電子伝導性(移動度)の向上に寄与するものと考えられる。なお、形成される有機半導体膜4は、多結晶状態であっても結晶性が良好で、十分に良好な半導体特性が得られる。
以上の製造方法の変形例として、図2Bに示すように、基板1をA方向に所定角度に傾斜させて維持し、端面接触部材2を、接触面2aが基板1の傾斜方向を横切るように、望ましくは接触面2aが傾斜方向と直交するように基板1上に戴置する。この状態で、接触面2aに接触するように、原料溶液を基板1の表面上に供給する。供給された原料溶液の液滴3は、接触面2aにより保持されて、基板1の傾斜方向に懸架された状態になる。基板1を傾斜させることにより、液滴3による濡れ面の大きさを制御し、所望の特性の有機半導体膜を得ることが容易になる。
なお、液滴3を形成する方法は、上述の方法に限られない。例えば、端面接触部材2とともに基板1を原料溶液に浸した状態から取り出すことにより、接触面2aに付着した液滴を形成することもできる。
本実施の形態による方法による効果を調べるために、有機半導体材料として、[1]benzothieno[3,2-b]benzothiophene(BTBT)の誘導体であるC−BTBTを用いた実験を行なった。溶媒としては、ヘプタン(heptane)を用い、原料溶液としてC−BTBTの0.4wt%溶液を用意した。基板1として、不純物添加Si層上にSiO層を形成したものを用いた。端面接触部材2としては、シリコンウェハーの小片を用いた。
BTBT誘導体は、真空蒸着でも、スピンコートでも優れたTFT性能を示す。その分子は、BTBT骨格構造に加えられたアルキル鎖を含む(図3参照)。アルキル鎖は、分子ファスナー効果と呼ばれる鎖どうしの引力的相互作用により、隣接する分子間の結合力を向上させる。その結果、結晶構造解析によれば、分子間距離が小さく、電子伝導を担うπ骨格の距離を近づける効果もあって、より移動度が高くなる要因となっている。一方、引力的相互作用は急速に結晶成長させる効果もあるため、容易に多結晶が形成される。
まず、decyltriethoxysilane(デシルトリトリエトキシシラン;DTS)の真空蒸着により、基板1の表面処理を行なった後、傾けた基板1上に原料溶液の液滴3を形成し、端面接触部材2の接触面2aにより保持した。溶媒の蒸発とともに、傾斜の方向に結晶領域が成長した。結晶性膜の成長後、端面接触部材2を除去し、溶媒を完全に除去するために、真空中、50℃で5時間の乾燥を行なった。
図4Aに、上記と同様にして形成されたC−BTBTの膜の、原子間力顕微鏡により観察される表面形態を示す。図4Bに断面プロファイルを示す。マイクロメータスケールの段部領域に亘って、分子レベルで平坦であり、段差は、C−BTBT分子の高さの一分子層に相当するものとなっている。段部及び段差構造は、ルブレンやペンタセンのような代表的な有機単結晶と同様の典型的なものである。良好な平坦性と明確に規定された分子段差は、高度に配向した結晶膜が基板1のSiO誘電体表面に成長していることを示す。
次に、上述のようにして形成されたC−BTBTの有機半導体膜に対して、チャネルがA方向すなわち結晶成長の方向に平行になるように、ソース及びドレイン電極を蒸着により形成した。チャネルの長さ及び幅はそれぞれ、0.1mm及び1.5mmとした。基板1における不純物添加Si層を、ゲート電極として用い、それにより500nm厚のSiO(誘電率は約3.9)に電界を印加した。
このように作製し動作させたTFTの、飽和領域における伝達特性を、図5Aに示す。図5Aにおいて、横軸はゲート電圧(V)、左側の縦軸はドレイン電流の絶対値の平方根、右側の縦軸はドレイン電流(A)を対数スケールで示す。白丸で示す測定値は、ドレイン電流の絶対値の平方根、黒丸は、ドレイン電流(A)を示す。
図5Aのプロットの傾斜は、5cm/Vs程の移動度を示している。サブスレショルド特性は、3V/decadeと良好である。同様の方法で作製された良好なデバイスの殆どは、3.5〜5cm/Vsの範囲の値を示した。一方、光学顕微鏡で観察可能な明らかな結晶欠陥があるデバイスでは、2cm/Vsであった。デバイスの寸法を小さくして、半導体膜の乾燥をよりゆっくり行なえば、歩留まりを、より改善することが可能である。オン−オフ比は、作製した全てのデバイスについて、概ね10を超えた。
図5Bは、上記の作製されたデバイスの出力特性を示す。ゲート電圧V=0、−20、−30、−40、−50Vの各々の場合が示される。
従来の塗布方による最も高い移動度としては、C13−BTBTの膜の場合に2.3cm/Vsが得られているが、再現性は低い。本実施の形態と同様、C−BTBTを使用した場合は、従来の塗布法によって1.8cm/Vs程度の高い移動度が実現していた。これに対して、本実施の形態の場合は、上述のとおり、再現性良く5cm/Vsもの移動度が得られた。この移動度の値は、典型的なアモルファスシリコンTFTの移動度が1cm/Vs程度であるのに対して、その5倍に匹敵し、本実施の形態による有機TFTの優位性を示すものである。
以上のように、本実施の形態によれば、塗布法に基づく容易な製造法でありながら、配向の良好な結晶性膜を成長させることができ、高い移動度が得られる有機半導体膜を作製することができる。従って、簡便・低コストで高性能な有機トランジスタを量産するための基本的な技術となり得る。
基板1の材料としては、上述の、不純物添加Si層上にSiO層が形成されたものに限らず、銅やアルミニウムなどの導電性金属表面に、パリレンやポリビニルフェノールなどの高分子絶縁膜をコートしたもの等を用いることもできる。また、端面接触部材2としては、例えば、シリコンウェハー以外でも、上述の機能に適切であれば、どのような材質をもちいてもよい。
また、有機半導体材料、あるいは作製しようとする有機半導体膜の特性や形態等に対応させて、基板1の傾斜角度、乾燥プロセスの速度、溶媒等を適宜調整することが望ましい。
B.有機半導体膜アレイの製造工程
次に、上述の工程に基づく、有機薄膜トランジスタ(TFT)の作製にとって実用価値の高い、有機半導体膜アレイを製造するための方法について、図6A〜6Cを参照して説明する。
ここで、本発明の有機半導体膜アレイの製造方法の特徴は、基本的には、原料溶液を各々付着させる複数の接触面が配置された接触部材を用いて、基板上に液滴保持状態を形成するものとして定義される。液滴保持状態は、基板の表面に対して接触面が一定の関係となるように接触部材が配置され、基板上に原料溶液の液滴が複数個形成され、それらの液滴が各々複数の接触面に保持された状態である。この状態で、液滴中の溶媒を蒸発させて複数の接触面に対応する基板の表面の各々の位置に有機半導体膜を形成する。このような定義による特徴は、本発明の全ての実施の形態の有機半導体膜アレイの製造方法に共通である。
一方、図6A〜6Cに示す製造工程は、図1A、1Bに示した形態に対応する有機半導体膜アレイの製造方法の一例である。従って、この方法では、図6Aに示すように、補助基板5上に接触凸部6が複数個配置された構成の接触部材7を用いる。接触凸部6は、図1Aに示した端面接触部材2と同様の機能を有するものである。すなわち、接触凸部6における補助基板5の表面に交差する端面の一部により、接触面6aが各々形成される。
有機半導体膜の製造工程としては、まず液滴保持状態を形成するために、図6Aに示すように、基板1の上方に、接触凸部6を基板1と対向させて接触部材7を配置し、図6Bに示すように、接触凸部6を基板1に当接させる。この状態で接触面6aの各々に対して接触するように原料溶液を供給して、液滴3を形成する。原料溶液の液滴3は各々、接触面6aにより保持された状態になる。
なお、本実施の形態においても、液滴3を形成する方法は、上述の方法に限られず、例えば、接触部材7とともに基板1を原料溶液に浸した後、その状態から取り出すことにより、接触面6aに液滴3を保持させることもできる。
この状態で図6Cに示すように、乾燥プロセスを行って液滴3中の溶媒を蒸発させると、上述の場合と同様、各々の液滴3中では、溶媒の蒸発とともに有機半導体材料の結晶が成長し、複数の接触面6aに対応する基板1面の各々の位置に、有機半導体膜4aが形成される。このようにして、基板1の表面上の複数の領域に互いに分離して有機半導体膜4aが配置された、有機半導体膜アレイを作製することができる。複数の有機半導体膜4aは、上述の場合と同様に、高い移動度を示す。
C.本実施の形態の変形例
なお、図2Bに示した形態と同様、図7に示すように、基板1を所定角度に傾斜させて維持する方法を採ることもできる。接触部材7は、接触面6aが基板1の傾斜方向を横切るように、望ましくは接触面6aが傾斜方向と直交するように、基板1上に戴置する。この状態で、原料溶液の液滴3を形成し、乾燥工程を行なう。
(実施の形態2)
A.実施の形態2の基本工程
本発明の実施の形態2における有機半導体膜の製造方法の基本的な工程について、図8A、8B、及び図9を参照して説明する。この製造方法では、平面接触部材8における基板1に対向する面が接触面8aを形成する。平面接触部材8は、接触面8aが基板1に対して傾斜するように配置される。従って、接触面8aと基板1の表面の間にくさび状の間隙が設けられ、液滴保持状態を形成するときには、原料溶液の液滴3が、基板1の表面と接触面8aの間に保持される。
平面接触部材8は、実施の形態1の端面接触部材2と同様、例えば樹脂により形成することができるが、以下に説明する機能を適切に果たすものであれば、樹脂以外のどのような材質を用いてもよい。また、後述するように、接触面8aを傾斜させることは必須ではない。
製造工程としてはまず、図8Aに示すように、平面接触部材8を、接触面8aの傾斜方向が基板1の所定のB方向に沿うように基板1上に戴置する。この状態で、原料溶液を接触面8aに接触するように供給し、接触面8aと基板1の表面の間隙中にキャピラリーフォースによって展開させる。形成された原料溶液の液滴3は、接触面8aにより保持されて、一定の力が作用する状態になる。この状態の断面形状が、図9に示される。
接触面8aにより液滴3が保持された状態で乾燥プロセスを行って、液滴3中の溶媒を蒸発させる。それにより、液滴3中では図8Aに示すように、基板1のB方向における接触面2aの開放側の端縁部分で順次、溶媒の蒸発により原料溶液が飽和状態になり有機半導体材料の結晶が析出し始める。溶媒の蒸発に伴う液滴3の開放側の端縁の移動を、一点鎖線e1、e2で示す。溶媒の蒸発とともに有機半導体材料の結晶化が進展し、図8Bに示すように、有機半導体膜4が成長する。すなわち、基板1のB方向に沿って接触面8aの閉鎖側に向かって結晶の成長が進み、有機半導体膜4が漸次形成されてゆく。
この乾燥プロセスにおいては、実施の形態1の場合と同様、原料溶液の液滴3が接触面8aに付着した状態により、接触面8aとの接触を介して結晶成長方向を規定する作用が働く。これにより、結晶性の制御効果が得られ、有機半導体材料の分子の配列の規則性が良好になり、電子伝導性(移動度)の向上に寄与するものと考えられる。
なお、液滴3を形成する方法は、上述の方法に限られない。例えば、平面接触部材8とともに基板1を原料溶液に浸した状態から取り出すことにより、接触面8aに付着した液滴を形成することもできる。
本実施の形態における有機半導体膜の製造方法は、例えば2,9-Dialkyldinaphtho[2,3-b:2’,3’-f]thieno[3,2-b]thiophenes(Cn-DNTT)のような、有機溶媒への溶解度の低い材料の結晶性膜を形成するのに適している。このような材料は気相成長法よって作製される場合が多く、塗布法により高移動度の膜を形成した例は知られていない。これに対して、本実施の形態の製造方法を適用してC10−DNTTから成膜することにより、移動度6cm/Vsを示す高移動度特性を持った有機半導体膜を形成することができた。
成膜に際しては、基板1を約120℃に保ち、C10−DNTTを120℃に加熱したo−ジクロロベンゼンに溶解させ、接触面8aと基板1の表面の間隙中に展開した。この方法によれば、原料溶液が間隙中にしっかりと保持され、また溶液の乾燥方向が一定に定められるため、配向性の揃った高い結晶性を有する塗布膜が得られる。
上述のようにして形成されたC10−DNTTの有機半導体膜に対して、チャネルがB方向すなわち結晶成長の方向に平行になるように、ソース及びドレイン電極を蒸着により形成した。チャネルの長さ及び幅はそれぞれ、0.1mm及び1.5mmとした。基板1における不純物添加Si層を、ゲート電極として用い、それにより500nm厚のSiO(誘電率は約3.9)に電界を印加した。
このように作製し動作させたTFTの、飽和領域における伝達特性を、図10Aに示す。図10Aにおいて、横軸はゲート電圧(V)、左側の縦軸はドレイン電流の絶対値の平方根、右側の縦軸はドレイン電流(A)を対数スケールで示す。図10Aのプロットの傾斜から、飽和領域における移動度は6cm/Vsを示していることが判る。図10Bは、上記の作製されたデバイスの出力特性を示す。ゲート電圧V=0、−20、−30、−40Vの各々の場合が示される。
本実施の形態の方法に用いる有機半導体材料としては、実施の形態1に述べたような材料を用いることができる。基板1の材料としても、実施の形態1に述べたような材料を用いることができる。
B.有機半導体膜アレイの製造工程
次に、本実施の形態の上述の基本工程に基づく、有機半導体膜アレイの実用的な製造方法について、図11A〜11Dを参照して説明する。この製造方法では、図11Aに示すように、図8Aに示した平面接触部材8と同様の機能を有する接触凸部9が複数個、補助基板10上に設けられた構成の接触部材11を用いる。接触凸部9における上面が各々接触面9aを形成する。この例では、複数個の接触面9aは各々、補助基板10の表面に対して傾斜している。また、基板1の裏面には、加熱用のホットプレート12を当接させることができる。それにより、有機溶媒への溶解度の低い材料を昇温させた状態で用いることが容易になる。
製造工程としては、まず、図8Aの場合と同様、図11Aに示すように、接触凸部9の上面(図では下面)である複数個の接触面9aと基板1とを対向させる。そして、液滴保持状態を形成するために、図11Bに示すように、接触凸部9の先端が基板1の表面に当接するように接触部材11を配置する。すなわち、補助基板10の表面からの高さが大きい側の接触面9aの端縁が基板1の表面に当接するので、接触面9aの傾斜部分と基板1の表面との間に間隙が形成される。この状態で原料溶液を供給すれば、基板1の表面と複数の接触面9aの間に各々、原料溶液の液滴3が保持される。但し、液滴3を形成するための料溶液を供給には、実施の形態1の場合と同様、他の方法を用いることもできる。
この状態で乾燥プロセスを行って液滴3中の溶媒を蒸発させると、図11Cに示すように、結晶成長方向が制御された状態の下で、溶媒の蒸発とともに各液滴3における有機半導体材料の結晶化が進展する。その結果、図11Dに示すように、複数の接触凸部9の接触面9aに対応する基板1面の各々の位置に、有機半導体膜4aが成長する。
このようにして形成される有機半導体膜アレイの平面形状は、図12に示すとおりである。基板1の表面上の複数の領域に互いに分離して、接触凸部9の接触面9aに対応する有機半導体膜4aのアレイを作製することができる。有機半導体膜4aのアレイを形成するための接触凸部9の各々は、それぞれ異なる形状とすることも可能であり、また、それらの配列も、規則的である必要はなく、自由に設定可能である。
C.本実施の形態の第1変形例
本実施の形態の製造方法の第1変形例について、図13A、13Bを参照して説明する。この変形例では、図11Aに示した接触部材11を、図13Aに示すような接触部材13に変更する。同図の接触部材13では、複数個の接触凸部14が各々、補助基板10の表面に対して傾斜した傾斜部により形成された接触面14aを有するとともに、一部が補助基板10の表面に対して平行な平坦当接面14bを形成している。
液滴保持状態を形成する際には、図13Bに示すように、平坦当接面14bが基板1の表面に当接するように、基板1上に接触部材13を載置する。それにより、接触面14aと基板1の表面との間に間隙が形成される。この状態で原料溶液を供給すれば、液滴3を形成し接触面14aにより保持することができる。また、平坦当接面14bが基板1の表面に密着するので、接触面14aの閉鎖側での液滴3の乾燥を抑制する効果が得られる。
D.本実施の形態の第2変形例
本実施の形態の製造方法の第2変形例について、図14A〜14Dを参照して説明する。この変形例では、図14Aに示すように、図11Aに示したものと同様の接触部材11を用いる。但し、接触部材11は、接触凸部9の接触面9aを上方に向けて配置する。この状態で補助基板10上に、複数個の接触面9aを覆うように原料溶液を供給して液滴3を形成する。
次に、図14Bに示すように、接触部材11の上方に基板1を配置して、接触凸部9の先端に基板1の表面を当接させる。すなわち、補助基板10の表面からの高さが大きい側の接触面9aの端縁に基板1の表面が当接し、複数個の接触面9aの傾斜部分と基板1の表面との間に間隙が形成される。なお、液滴3を形成するためには、基板1を対向させてから原料溶液を供給してもよい。
この状態で乾燥プロセスを行って液滴3中の溶媒を蒸発させると、図14Cに示すように、溶媒の蒸発とともに液滴3が、補助基板10側の液滴3aと基板1側の液滴3bに分離する。基板1側の液滴3bは更に、複数の接触面9aの各々に対応して分離し、基板1上で接触面9aにより保持された状態になる。
この状態で乾燥プロセスが進むことにより、上述の図11Bの場合と同様の作用が得られ、乾燥プロセスにおける結晶成長方向が規定された状態の下で、有機半導体材料の結晶化が進展する。その結果、図14Dに示すように、複数の接触面9aに対応する基板1面の各々の位置に、有機半導体膜4aが成長する。この過程で、有機半導体膜4aは、接触凸部9の接触面9aよりは接着性の良好なSiO基板1に付着する。
E.本実施の形態の第3変形例
本実施の形態の製造方法の第3変形例について、図15A〜15Dを参照して説明する。この変形例は、第2変形例と概略同様であり、各構成要素には同一の参照番号を付して説明する。第2変形例との相違点は、図15Bに示すように、接触部材11の上方に基板1を配置する際に、接触凸部9の先端に基板1の表面を当接させないことである。それにより、複数個の接触面9aと基板1の間隔は、図14Bに示す状態よりも大きくなる。
製造工程としては、まず、第2変形例と同様、図15Aに示す状態で補助基板10上に、複数個の接触面9aを覆うように原料溶液を供給して液滴3を形成する。そして図15Bに示すように、基板1を、接触凸部9の先端に当接しないように上方に配置して、複数個の接触面9aとの間に一定の間隔を持って対向させる。
この状態で乾燥プロセスを行って液滴3中の溶媒を蒸発させると、図15Cに示すように、溶媒の蒸発とともに液滴3が、補助基板10側の液滴3cと基板1側の液滴3dに分離する。基板1側の液滴3dは更に、複数の接触面9aの各々に対応して分離し、基板1上で接触面9aにより保持された状態になる。なお、接触面9aの各々に対応して分離する液滴3dは、基板1が接触凸部9の先端に当接していないことにより、図14Cに示した場合に比べて、接触面9aの基板1方向の長さに対する比率の大きい長さに形成される。
この状態で乾燥プロセスが進むことにより、上述の図11Bの場合と同様の作用が得られ、乾燥プロセスにおける結晶成長方向が規定された状態の下で、有機半導体材料の結晶化が進展する。その結果、図15Dに示すように、複数の接触面9aに対応する基板1面の各々の位置に、有機半導体膜4aが成長する。
F.本実施の形態の第3変形例
本実施の形態の製造方法の第3変形例について、図16A〜16Dを参照して説明する。この変形例では、図14A〜14Dに示した第2変形例における接触部材11を、図16Aに示すような接触部材15に変更する。すなわち、補助基板10の表面には、複数個の接触凸部16が設けられ、接触凸部16は各々、補助基板10の表面に平行な平坦な上端面により接触面16aを形成する。
製造工程としては、まず、図16Aに示すように、補助基板10上に、複数個の接触凸部16の接触面16aを覆うように原料溶液を供給して液滴3を形成する。そして図16Bに示すように、複数個の接触凸部16の接触面16aとの間に所定の間隔を持って、上方から基板1を対向させる。それにより、基板1と補助基板10の間に原料溶液が充填された状態が形成される。更に、図16Cに示すように、補助基板10及び基板1を所定角度に傾斜させた状態で維持する。但し、補助基板10及び基板1を傾斜させることは必須ではない。
この状態で乾燥プロセスを行って液滴3中の溶媒を蒸発させると、図16Cに示すように、溶媒の蒸発とともに液滴3が、補助基板10側の液滴3eと基板1側の液滴3fに分離する。基板1側の液滴3fは更に、複数の接触凸部16の各々に対応して分離し、基板1上で接触面16aにより保持された状態になる。
この状態で乾燥プロセスが進むことにより、結晶成長方向が規定された状態の下で、有機半導体材料の結晶が成長する。その結果、図16Dに示すように、複数の接触凸部16の接触面16aに対応する基板1面の各々の位置に、有機半導体膜4aが形成される。
以上のような本実施の形態の方法に用いる有機半導体材料は、自己凝集機能の高い材料であることが望ましい。自己凝集機能とは、分子が溶媒から析出する際に、自発的に凝集して、結晶化しやすい傾向を意味する。有機半導体材料としては、上記以外に、dinaphth[2,3-b:2,3-f]thiopheno[3,2-b]thiophene誘導体、TIPS−ペンタセン、TES−ADT、及びその誘導体、ペリレン誘導体、TCNQ、F4−TCNQ、ルブレン、ペンタセンなどの低分子半導体材料、p3HT、pBTTT、pDA2T−C16などを用いることができる。
本発明の有機半導体膜の製造方法は、簡易な工程により実施され、しかも高い電荷の移動度を有する有機半導体膜を作製することが可能であって、有機トランジスタの作製等に有用である。
1 基板
2 端面接触部材
2a、6a、8a、9a、14a、16a 接触面
3、3a、3b、3c、3d、3e、3f 液滴
4、4a 有機半導体膜
5、10 補助基板
6、9、14、16 接触凸部
7、11、13、15 接触部材
8 平面接触部材
12 ホットプレート
14b 平坦当接面

Claims (10)

  1. 有機半導体材料及び溶媒を含む原料溶液を基板上に供給し、前記原料溶液を乾燥させることにより有機半導体膜を前記基板上に形成する有機半導体膜の製造方法において、
    前記原料溶液を各々付着させる複数の接触面が配置された接触部材を用い、
    前記基板の表面に対して前記接触面が一定の関係となるように前記接触部材が配置され、前記基板上に前記原料溶液の液滴が複数個形成されて、前記液滴が前記複数の接触面に各々保持された液滴保持状態を形成し、
    前記液滴中の前記溶媒を蒸発させて前記複数の接触面に対応する前記基板の表面の各々の位置に前記有機半導体膜を形成することを特徴とする有機半導体膜の製造方法。
  2. 前記接触部材は、補助基板とその補助基板上に形成された複数個の接触凸部により構成され、前記接触凸部の前記補助基板の表面に交差する端面の一部により前記接触面が各々形成され、
    前記液滴保持状態を形成するときには、前記基板の表面に対して上方から前記接触凸部が当接するように前記接触部材を配置する請求項1に記載の有機半導体膜の製造方法。
  3. 前記基板を所定角度に傾斜させた状態に維持し、
    前記接触面を形成する端面が前記基板の傾斜の方向を横切るように、前記接触部材を前記基板上に戴置する請求項2に記載の有機半導体膜の製造方法。
  4. 前記接触部材は、補助基板とその補助基板上に形成された複数個の接触凸部により構成され、前記接触凸部の上面が各々前記接触面を形成し、
    前記液滴保持状態を形成するときには、前記複数個の接触凸部の前記接触面が少なくとも一部に間隙を設けて前記基板の表面に対向するように前記接触部材を配置し、前記原料溶液の液滴が各々、前記基板の表面と前記複数の接触面の間に保持される請求項1に記載の有機半導体膜の製造方法。
  5. 前記複数個の接触面は各々、前記補助基板の表面に対して傾斜した傾斜部を有する請求項4に記載の有機半導体膜の製造方法。
  6. 前記液滴保持状態を形成するときには、前記接触面の一部が前記基板の表面に当接するように前記接触部材を配置する請求項5に記載の有機半導体膜の製造方法。
  7. 前記液滴を形成するために前記原料溶液を供給した後は、前記補助基板及び前記基板を所定角度に傾斜させた状態に維持して前記液滴保持状態を形成する請求項4に記載の有機半導体膜の製造方法。
  8. 前記有機半導体材料として、[1]benzothieno[3,2-b]benzothiophene誘導体、2,9-Dialkyldinaphtho[2,3-b:2’,3’-f]thieno[3,2-b]thiophene誘導体、dinaphth[2,3-b:2,3-f]thiopheno[3,2-b]thiophene誘導体、TIPS−ペンタセン、TES−ADT、及びその誘導体、ペリレン誘導体、TCNQ、F4−TCNQ、F4−TCNQ、ルブレン、ペンタセン、p3HT、pBTTT、及びpDA2T−C16から選択したいずれかの材料を用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機半導体膜の製造方法。
  9. 基板と、
    前記基板の表面上の複数の領域に互いに分離して配置された有機半導体膜とを備え、
    前記有機半導体膜は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機半導体膜の製造方法により形成され結晶性の膜であることを特徴とする有機半導体膜アレイ。
  10. 前記有機半導体膜の電荷移動度は、3.5cm/Vs以上である請求項9に記載の有機半導体膜アレイ。
JP2011534146A 2009-10-02 2010-08-26 有機半導体膜の製造方法 Active JP5397921B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011534146A JP5397921B2 (ja) 2009-10-02 2010-08-26 有機半導体膜の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009230451 2009-10-02
JP2009230451 2009-10-02
JP2011534146A JP5397921B2 (ja) 2009-10-02 2010-08-26 有機半導体膜の製造方法
PCT/JP2010/064488 WO2011040155A1 (ja) 2009-10-02 2010-08-26 有機半導体膜の製造方法および有機半導体膜アレイ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011040155A1 true JPWO2011040155A1 (ja) 2013-02-28
JP5397921B2 JP5397921B2 (ja) 2014-01-22

Family

ID=43825988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011534146A Active JP5397921B2 (ja) 2009-10-02 2010-08-26 有機半導体膜の製造方法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8921152B2 (ja)
JP (1) JP5397921B2 (ja)
KR (1) KR101323018B1 (ja)
CN (1) CN102598232B (ja)
TW (1) TWI433369B (ja)
WO (1) WO2011040155A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2923083B1 (fr) * 2007-10-24 2015-04-17 Centre Nat Rech Scient Realisation d'une couche mince en materiau semiconducteur organique moleculaire.
US8658805B2 (en) 2011-11-07 2014-02-25 Samsung Electronics Co., Ltd. Fused polyheteroaromatic compound, organic thin film including the compound, and electronic device including the organic thin film
KR102015163B1 (ko) * 2012-10-19 2019-08-27 가부시키가이샤 니콘 박막 형성 장치 및 박막 형성 방법
JP6154144B2 (ja) * 2013-01-28 2017-06-28 株式会社Sijテクノロジ 有機半導体膜の製造方法、その製造装置および有機半導体基板
KR20150127192A (ko) 2013-03-08 2015-11-16 고쿠리츠다이가쿠호진 고베다이가쿠 유기 반도체 박막의 제조 방법
JP6061743B2 (ja) 2013-03-15 2017-01-18 富士フイルム株式会社 有機半導体膜の形成方法
JP6128665B2 (ja) * 2013-04-25 2017-05-17 パイクリスタル株式会社 有機半導体薄膜の製造方法
JP6229924B2 (ja) * 2013-04-26 2017-11-15 国立研究開発法人物質・材料研究機構 大面積ドメイン有機半導体結晶膜の作成方法及び大面積ドメイン有機半導体結晶膜
JP6225992B2 (ja) 2013-07-23 2017-11-08 トッパン・フォームズ株式会社 トランジスタ
US9330809B2 (en) * 2013-12-17 2016-05-03 Dow Global Technologies Llc Electrically conducting composites, methods of manufacture thereof and articles comprising the same
US9336921B2 (en) 2013-12-17 2016-05-10 Dow Global Technologies Llc Electrically conducting composites, methods of manufacture thereof and articles comprising the same
JP6071925B2 (ja) * 2014-03-03 2017-02-01 富士フイルム株式会社 有機半導体膜の形成方法および有機半導体膜の形成装置
JP6590361B2 (ja) * 2014-03-20 2019-10-16 パイクリスタル株式会社 有機半導体膜及びその製造方法
JP6543320B2 (ja) * 2014-03-26 2019-07-10 富士フイルム株式会社 非発光性有機半導体デバイス用塗布液、有機トランジスタ、化合物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、有機トランジスタの製造方法および有機半導体膜の製造方法の提供
JP6246150B2 (ja) 2014-03-26 2017-12-13 富士フイルム株式会社 非発光性有機半導体デバイス用塗布液、有機トランジスタ、化合物、非発光性有機半導体デバイス用有機半導体材料、有機トランジスタ用材料、有機トランジスタの製造方法および有機半導体膜の製造方法の提供
KR20170030639A (ko) 2014-07-17 2017-03-17 닛뽄 가야쿠 가부시키가이샤 유기 반도체 박막의 형성 방법, 그리고 그것을 이용한 유기 반도체 디바이스 및 그의 제조 방법
WO2017134990A1 (ja) 2016-02-03 2017-08-10 富士フイルム株式会社 有機半導体膜の製造方法
WO2017169398A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 富士フイルム株式会社 膜の製造方法
JP6683820B2 (ja) * 2016-09-27 2020-04-22 富士フイルム株式会社 膜の製造方法
US11974501B2 (en) 2018-08-31 2024-04-30 The University Of Tokyo Chalcogen-containing organic compound, organic semiconductor material, organic semiconductor film, and organic field-effect transistor

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0359036A (ja) 1989-07-27 1991-03-14 Fujitsu Ltd 有機単結晶膜の作製方法
US6842657B1 (en) * 1999-04-09 2005-01-11 E Ink Corporation Reactive formation of dielectric layers and protection of organic layers in organic semiconductor device fabrication
JP2001183666A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Nec Corp 液晶表示装置
JP2003059036A (ja) 2001-08-20 2003-02-28 Hitachi Maxell Ltd 磁気テープ
JP3922177B2 (ja) * 2002-02-12 2007-05-30 セイコーエプソン株式会社 成膜方法、成膜装置、液滴吐出装置、カラーフィルタの製造方法、表示装置の製造方法
KR100995451B1 (ko) * 2003-07-03 2010-11-18 삼성전자주식회사 다층 구조의 게이트 절연막을 포함하는 유기 박막 트랜지스터
JP4616596B2 (ja) * 2004-08-27 2011-01-19 株式会社 日立ディスプレイズ 電子装置の製造方法
US7910271B2 (en) * 2004-10-13 2011-03-22 Sharp Kabushiki Kaisha Functional substrate
JP2007294709A (ja) * 2006-04-26 2007-11-08 Epson Imaging Devices Corp 電気光学装置、電子機器、および電気光学装置の製造方法
JP4961819B2 (ja) 2006-04-26 2012-06-27 株式会社日立製作所 電界効果トランジスタ及びその製造方法
WO2007142238A1 (ja) * 2006-06-07 2007-12-13 Panasonic Corporation 半導体素子およびその製造方法ならびに電子デバイスおよびその製造方法
US7638356B2 (en) * 2006-07-11 2009-12-29 The Trustees Of Princeton University Controlled growth of larger heterojunction interface area for organic photosensitive devices
JP5103957B2 (ja) * 2007-03-13 2012-12-19 コニカミノルタホールディングス株式会社 薄膜結晶の製造方法、有機薄膜トランジスタの製造方法
WO2009101862A1 (ja) * 2008-02-12 2009-08-20 Konica Minolta Holdings, Inc. 有機半導体層の成膜方法、および有機薄膜トランジスタの製造方法
JP5401831B2 (ja) * 2008-04-15 2014-01-29 株式会社リコー 表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20120193618A1 (en) 2012-08-02
KR101323018B1 (ko) 2013-10-29
CN102598232B (zh) 2015-06-24
TWI433369B (zh) 2014-04-01
JP5397921B2 (ja) 2014-01-22
TW201126782A (en) 2011-08-01
KR20120068954A (ko) 2012-06-27
WO2011040155A1 (ja) 2011-04-07
CN102598232A (zh) 2012-07-18
US8921152B2 (en) 2014-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5397921B2 (ja) 有機半導体膜の製造方法
JP6346339B2 (ja) 有機半導体薄膜の製造装置
JP4700162B2 (ja) 有機回路の作製プロセス
JP6590361B2 (ja) 有機半導体膜及びその製造方法
EP2190007B1 (en) Single crystal thin film of organic semiconductor compound and method for producing the same
US8502356B2 (en) Organic thin film transistors
JP2013040124A (ja) 自己組織化単分子膜形成用の化合物及びそれを用いた有機半導体素子
JP7399499B2 (ja) 有機半導体デバイス、有機半導体単結晶膜の製造方法、及び有機半導体デバイスの製造方法
KR20140088104A (ko) 유기 단결정 막, 유기 단결정 막 어레이 및 유기 단결정 막을 포함하는 반도체 디바이스
US10600962B2 (en) Method of manufacturing organic semiconductor thin film using bar-coating process and method of fabricating flexible organic semiconductor transistor comprising the same
JP2018088518A (ja) 結晶性有機膜
US7855121B2 (en) Method of forming organic thin film and method of manufacturing semiconductor device using the same
TWI685993B (zh) 包含小分子半導體化合物及非導體聚合物之薄膜半導體與有機半導體溶液及該溶液之用途
KR101788207B1 (ko) 전하 이동도가 향상된 유기 반도체 결정 박막의 제조방법
JP2014216568A (ja) 大面積ドメイン有機半導体結晶膜の作成方法及び大面積ドメイン有機半導体結晶膜
JP6934130B2 (ja) チエノアセンの単結晶性有機半導体膜
JP2020167439A (ja) 有機半導体膜及びその製造方法
JP2008053659A (ja) 高品位分子性結晶製造方法及び有機半導体デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130827

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131008

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5397921

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250