JPWO2011021704A1 - 薬剤を植物体に取り込ませる方法 - Google Patents

薬剤を植物体に取り込ませる方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2011021704A1
JPWO2011021704A1 JP2011527721A JP2011527721A JPWO2011021704A1 JP WO2011021704 A1 JPWO2011021704 A1 JP WO2011021704A1 JP 2011527721 A JP2011527721 A JP 2011527721A JP 2011527721 A JP2011527721 A JP 2011527721A JP WO2011021704 A1 JPWO2011021704 A1 JP WO2011021704A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plant body
drug
aggregate
dispersion
plant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011527721A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5711125B2 (ja
Inventor
山口 正永
正永 山口
慎也 新居
慎也 新居
佐藤 淳
佐藤  淳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Earth Chemical Co Ltd
Original Assignee
Earth Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Earth Chemical Co Ltd filed Critical Earth Chemical Co Ltd
Priority to JP2011527721A priority Critical patent/JP5711125B2/ja
Publication of JPWO2011021704A1 publication Critical patent/JPWO2011021704A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5711125B2 publication Critical patent/JP5711125B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/02Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing liquids as carriers, diluents or solvents
    • A01N25/04Dispersions, emulsions, suspoemulsions, suspension concentrates or gels
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/18Vapour or smoke emitting compositions with delayed or sustained release
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/30Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests characterised by the surfactants

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Dispersion Chemistry (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Catching Or Destruction (AREA)

Abstract

薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程および得られた分散液を植物体の少なくとも一部と接触させて、会合体を植物体に取り込ませる工程を含む、薬剤を植物体に取り込ませる方法。

Description

本発明は、植物体に薬剤を取り込ませる方法および該方法に用いる薬剤組成物に関する。
薬剤を揮散させて害虫を防除する手段としては、従来から種々のものが知られている。例えば、蚊取り線香、マット式、液体式およびファン式電気蚊取器並びに燻煙剤などが挙げられる。これらの手段は、加熱装置や送風装置、その他の電源や熱源を必要とすることから製造コストがかかり、取り扱いに注意が必要になるなどの問題点があった。
このような状況の中、特許文献1に示されたような新たな手段が検討されている。即ち、装置および熱源などを用いることなく、薬剤の懸濁液を切花に吸い上げさせ、切花を通して薬剤を揮散させて害虫を防除する薬剤の揮散方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の技術は薬剤の持続的な揮散を得ることはできず、実用性に乏しいものであった。また、親水性溶媒を用いて懸濁液としても、油溶性薬剤が分離してしまい分散させることは困難であった。また、エタノール等の親水性溶媒は植物体に薬害を与えるという問題もあった。さらに、当該技術は切花を懸濁液に浸漬させるもので、土壌を介することは全く想定していないものであった。
一方、農業や園芸分野において、植物体に薬剤を取り込ませる技術について検討がなされている。例えば、浸透移行性薬剤は、根、葉および茎などを経て植物体に取り込まれてその効果を発現するが、植物体のクチクラ層、根のスベリン化した内皮および下皮などによって、薬剤の植物体への侵入が阻害されることが知られている。また、植物体に薬剤を取り込ませるためには、用いる薬剤の親油性が高く、また植物体内での移行に適した水に溶解可能であることが必要である。そのため、薬剤の分配係数(Log P)を考慮して、親油性および親水性のバランスを調整し、薬剤の構造設計を行うことで、薬剤に浸透移行性を発揮させるための研究開発がなされている(特許文献2、非特許文献1)。
日本国特開平10−182305号公報 日本国特表2007−534716号公報
農薬の生有機化学と分子設計:江藤守聡(1985)
しかしながら、薬剤の親油性を高めることを目的として構造改変を行うと、殺虫、殺菌等の効果が充分に得られなくなるという問題がある。また、薬剤の構造改変により植物体への取り込みを促進する方法は、薬剤自体の構造に依存した方法であるため、必然的に対象となる害虫および菌などが限られるという欠点があった。さらに、土壌を介して根から薬剤を取り込ませる場合、薬剤の粒径が小さいと土壌に吸着される傾向が強く、薬剤が植物体に充分に到達せず、取り込まれないという問題がある。
上記課題を鑑みて検討した結果、薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を植物体に接触させて当該会合体を植物体に取り込ませることにより、高い効率で薬剤を植物体に取り込ませることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
1.以下の工程(1)および(2)を含む、薬剤を植物体に取り込ませる方法。
(1)薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程
(2)工程(1)で得られた分散液を植物体の少なくとも一部と接触させて、会合体を植物体に取り込ませる工程
2.工程(2)において、分散液を植物体の少なくとも根と接触させる前項1に記載の方法。
3.工程(2)が薬剤を揮散する植物体を製造するために行われる、前項1または2に記載の方法。
4.工程(2)が薬剤を植物体から揮散させるために行われる、前項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
5.薬剤が害虫防除剤である前項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
6.薬剤が両親媒性物質に内包され、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を含有する、植物体に薬剤を取り込ませるための薬剤組成物。
7.前項1〜5のいずれか1項に記載の方法に用いる、前項6に記載の薬剤組成物。
本発明の方法に用いる、薬剤を両親媒性物質に内包する会合体は、植物体の根、葉および茎のクチクラ層、根のスベリン化した内皮および下皮を通過するために必要とされる親油性、および移行溶媒である水系溶媒に溶解するために必要とされる親水性を有している。そのため本発明の方法によれば、薬剤の性質や構造に依らず、効率的に薬剤を植物体に取り込ませることができ、さらには植物体から当該薬剤を持続して揮散させることが可能となる。
また、薬剤の粒径が小さいほど土壌への吸着が強まる傾向があるが、本発明に用いる薬剤を両親媒性物質に内包する会合体は、粒径が100nm以下と小さいにもかかわらず、会合体を水系溶媒に分散させた分散液の状態で植物体と接触させることで、土壌に吸着されることなく薬剤が植物体(特に根)に到達し、取り込ませることができる。
図1は、実施例1で用いた会合体分散液に含有される会合体の粒度分布図である。 図2は、実施例1のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図3は、実施例1のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図4は、実施例1のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図5は、実施例1のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図6は、実施例2のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図7は、実施例2のガスクロマトグラフィーによる分析の結果を示す図である。 図8(a)は、実施例4、5で使用した各植物体を説明するための図であり、図8(b)は、実施例3〜5で使用した各植物体を説明するための図であり、図8(c)は、実施例1、4で使用した各植物体を説明するための図であり、図8(d)は、実施例4、5で使用した各植物体を説明するための図であり、図8(e)は、実施例5で使用した各植物体を説明するための図である。 図9は、実施例3〜5で使用した実験装置を説明するための図である。 図10は、実施例10で用いた会合体分散液に含有される会合体の粒度分布図である。 図11は、実施例10で用いた会合体分散液に含有される会合体の粒度分布図である。 図12は、実施例6で使用した実験装置を説明するための図である。 図13は、実施例6の結果を示す図である。 図14は、参考例1〜3で使用した実験装置を説明するための図である。 図15(a)は、参考例4、6、7で使用した実験装置を説明するための図(平面図)である。図15(b)は、参考例4、6、7で使用した実験装置を説明するための図(斜視図)である。 図16は、参考例4の結果を示すグラフである。 図17(A)〜(C)は、参考例5で使用した各植物体を説明するための図である。 図18は、参考例5で使用した実験装置を説明するための図である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。本発明の方法は、以下の工程(1)および(2)を含む、薬剤を植物体に取り込ませる方法である。
(1)薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程
(2)工程(1)で得られた分散液を植物体の少なくとも一部と接触させて、会合体を植物体に取り込ませる工程
以下、各工程に分けて詳述する。
(1)薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程
この工程は、薬剤、両親媒性物質および水系溶媒を含む混合液を、攪拌等の方法で処理し、薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程である。
(薬剤)
薬剤としては、水溶性ではない、微溶性及び油溶性の成分が好ましい。薬剤としては、例えば、害虫防除剤、殺菌剤などの活性成分が好適に挙げられる。害虫防除剤としては、例えば、害虫忌避成分および殺虫成分が挙げられる。害虫防除剤と殺菌剤を混合し、病害虫防除に用いることもできる。薬剤は、活性成分自体であってもよいし、固体や液状の活性成分を溶剤などの助剤と混合したものであってもよい。
害虫忌避成分としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、カラン−3,4−ジオール(1S,3S,4S,6R−カラン−3,4−ジオールおよび1S,3R,4R,6R−カラン−3,4−ジオール等)、フタル酸ジメチル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,3,4,5−ビス(Δ−ブチレン)テトラヒドロフルフラール、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、コハク酸ジブチル、ジエチルマンデル酸アミド、2−ヒドロキシエチルオクチルスルフィド、2−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペリジンカルボン酸1−メチルプロピル、ゲラニオール、シトロネラール、オイゲノールおよびジ−n−ブチルサクシネート等が挙げられる。
殺虫成分としては、例えば、アレスリン、プラレトリン、エンペントリン、レスメトリン、イミプロトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、テラレスリン、1−エチニル−2−フルオロ−2−ペンテニル 3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシラート、メトフルトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ピリプロキシフェン、フェニトロチオン、メトキサジアゾン、殺虫性精油およびフィトンチッド等が挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、トリアジメホン、メタラキシル、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チオファネート、チオファネートメチル、トリアリモール、ヘキサコナゾール、トリフルミゾール、プロクロラズ、オキサディキシル、ダゾメット、キャプタン、カプタホール、キノメチオーナート、プロベナゾール等が挙げられる。
薬剤としては、本発明の効果を奏するものであれば特に制限されないが、植物体に害を及ぼさないものが好ましい。また上述した病害虫防除剤の他に、例えば、芳香剤、消臭剤、香料、精油および医療用薬剤等を用いることができる。
例えば、芳香剤および消臭剤などの薬剤を両親媒性物質に内包する会合体を水系溶媒に分散させた分散液を植物体に接触させて、屋内等に設置しておくと、植物体に取り込まれて揮散した薬剤により、持続的な効果が得られる。
また、医療用薬剤として、例えば薬剤であるメントールを両親媒性物質に内包する会合体を水系溶媒に分散させた分散液を植物体に接触させて、使用者の近くに置いておくと、植物体から揮散した薬剤により喘息および気管支炎等の症状の緩和が期待できる。さらに薬剤としてラベンダー等の精油を用いることで、同様に揮散した薬剤により精神高揚や鎮静等のアロマテラピー効果が期待できる。
薬剤の使用量は、目的とする効果および会合体の粒径に応じて決定すればよいが、水系溶媒に対して、0.0001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%がより好ましい。薬剤は一種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
(両親媒性物質)
両親媒性物質としては、例えば、多価アルコール、各種界面活性剤、粘土鉱物、ゲル、ポリマー、レシチン等を用いることができる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールおよび3−メチル−1,3−ブタンジオール等の2価アルコール、グリセリン等の3価アルコール、ソルビットおよびマンニット等の糖アルコールが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンヒマシ油およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルおよびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が好ましい。
アニオン系活性剤としては、例えば、リン酸塩、硫酸塩、スルホコハク酸塩およびスルホン酸塩などが挙げられる。
カチオン系活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩および第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
両性活性剤としては、例えば、アルキルアミンオキシドおよびアルキルベタインなどが挙げられる。
ポリマーとしては、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびアラビアガムなどが挙げられる。
上記両親媒性物質のうち植物体への害が少ないため、ノニオン系活性剤が特に好ましい。その他の両親媒性物質についても植物体への影響が起こらない範囲で用いることができる。
両親媒性物質の添加量は、目的とする会合体の粒径に応じて適宜決定すればよい。両親媒性物質の添加量は薬剤量の0.01〜10倍量であればよい。実際の使用時においては、分散液の安定化や薬剤の展着作用を向上させるために両親媒性物質の添加量を増量することができる。その場合には、薬剤に対して0.1〜1000倍量が好ましく、0.1〜200倍量がより好ましい。
(水系溶媒)
水系溶媒としては、例えば、水および各種の緩衝液等が好ましく用いられる。緩衝液としては、pH5〜8に調整されたものが好ましく、例えばリン酸緩衝液、HEPES緩衝液、クエン酸緩衝液および酢酸緩衝液等を使用できる。
(会合体)
本明細書において、「会合体」とは、油性液体もしくは固体、またはその混合物の薬剤粒子が両親媒性物質に内包された微粒子である。
(薬剤)
薬剤は、活性成分自体であってもよく、固体や結晶状、液状の活性成分を溶剤などの助剤と混合したものであってもよい。
本発明の方法に用いる会合体は、薬剤が両親媒性物質に内包されており、粒径が100nm以下である。会合体の粒径は、100nm以下であり、80nm以下が好ましく、60nm以下がより好ましい。また、通常5nm以上が好ましい。
本発明の目的とする効果を得るためには、ほぼ全体の会合体の粒径が100nm以下であることが好ましい。具体的には、95%以上の会合体の粒径が100nm以下であることが好ましい。
会合体の粒径を前記範囲とすることで、土壌に会合体を分散させた分散液を散布して、分散液と植物体とを接触させる場合、土壌粒子への会合体の吸着を防ぐことができるとともに、薬剤の植物の根からの取り込みを促進することができる。
会合体の粒径は、実施例で後述するように、例えば、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAなどで測定される。
会合体の粒径は、攪拌速度、および薬剤と両親媒性物質の配合比等を適宜調整することにより、所望の粒径とすることができる。
例えば、薬剤に対して1〜3倍量の両親媒性物質を混合し、周速0.5〜50m/sで撹拌しながら水系溶媒を添加することで目的とする粒径の会合体分散液を得ることができる。例えば、撹拌装置として、フィルミックスを用いた場合には周速5〜50m/sとすることが好ましく、スターラーを用いた場合には0.5〜3m/sとすることが好ましい。
(分散液)
薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液は、公知の手段、例えば、転相乳化法、液晶乳化法、PIT乳化法、D相乳化法、可溶化領域を利用した超微細乳化法および機械乳化法等により調製することができる。
分散液の調製には、広く市販されている装置を用いることができる。例えば、プロペラおよび磁石撹拌子などのスターラー型、ボールミル、ビーズミルおよびロールミルなどのミル型、ホモミキサーおよびフィルミックスなどの高速せん断型、高圧噴射などの衝突型、並びに超音波照射型などが挙げられる。
攪拌の条件としては、周速0.5〜60m/sが好ましく、周速1〜50m/sがより好ましい。また、攪拌時間は、1〜60分が好ましく、3〜20分がより好ましい。攪拌時の温度は、20〜80℃が好ましい。
撹拌装置としてフィルミックスを使用することで、両親媒性物質の配合量が少ない場合でも、粒径分布の範囲の狭い安定した分散液を得ることができる。
転相乳化法としては、例えば、水に不溶または難溶性の薬剤を攪拌しながら、両親媒性物質を加え混合し、そこに撹拌下で水系溶媒を添加し、油中水滴(W/O)型から水中油滴(O/W)型へと転相させることにより、薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得ることができる。
(添加剤)
分散液には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、防腐剤、ジベレリン等の植物生長調節剤、肥料成分、ゲル化剤、増量剤、展着剤、湿潤剤、安定剤、石けん類、液化石油ガス、ジメチルエーテル、フルオロカーボン等の噴射剤、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸及びカルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
また、例えば、チオシアン酸銀、アミノオキシ酢酸、アミノエトキシビニルグリシン、アミノイソ酪酸、イソプロピリデンアミノオキシ酢酸エステル、アロコロナミン酸、シスプロペニルホスホン酸、アミノトリアゾール、1−メチルシクロプロペン、グアニジン塩化物、ショ糖、8−ヒドロキシキノリン、クエン酸、コハク酸、酒石酸、水溶性第4級アンモニウム化多糖類、水溶性第4級アンモニウム化ヒドロキシアルキル多糖類、第4級アンモニウム塩ポリマー、イソチオシアン酸アリル等の防腐剤、栄養剤およびエチレン捕捉剤等並びにこれらの混合物からなる保存剤等が挙げられる。
薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液は、植物体に薬剤を取り込ませるための分散液として用いることができる。
(2)工程(1)で得られた分散液を植物体の少なくとも一部と接触させて、会合体を植物体に取り込ませる工程
この工程は、工程(1)で得られた会合体の分散液(以下、会合体分散液ともいう)と植物体との接触させる部位としては、植物体の根、茎、葉が好ましく、根および葉がより好ましく、根が特に好ましい。
分散液と植物体とを接触させる方法としては、例えば、植物体の根または茎を分散液に接触させる(例えば、浸漬)方法、植物を植えた天然土壌やポリマーなどの人工の土壌に分散液を散布、注入および滴下するなどの処理方法が挙げられる。
また、植物体の葉面に会合体分散液をスプレーや刷毛等の手段によって塗布してもよい。この場合の塗布量は、薬剤の種類等により適宜決定すればよいが、葉面1cmあたりの薬剤量として、例えば、10〜100μgが例示される。
会合体分散液と植物体との接触時間は、特に制限されないが、通常1〜120時間が好ましい。
本発明の方法に用いる植物体としては、例えば、ガーベラ、サイネリア、デイモルフオセカ、ダリア、クリサンセマム、キンセンカ、ヒマワリ、スイートピー、ヤマフジ、パンジー、ナデシコ、カーネーション、カスミソウ、アサガオ、バラ、ウメ、ボケ、サクラ、ユキヤナギ、ストック、ハボタン、デージー、スターチス、リンドウ、トルコキキョウ、ユリ、テッポウユリ、スカシユリ、カノコユリ、チューリップ、アルストロメリア、アロエ、オーニソガラム、ヒヤシンス、グラジオラス、フリージア、アイリス、クロッカス、アニゴザンザス、スイセン、ネリネ、アマリリス、アリアケカズラ、ニチニチソウ、サクラソウ、シクラメン、プリムラ、シンビジウム、デンドロビウム、デンファレ、カトレア、パフィオペディルム、コチョウラン、オンシジウム、カランコエ、セントポーリア、グロキシニア、ホウセンカ、アネモネ、ラナンキュラス、ボタン、シャクヤク、ブライダルベール、カラー、ポトス、ディフェンバキア、アンスリウム、ゼラニウム、フクシア、ギョウリュウバイ、クチナシ、シダレヤナギ、ネコヤナギ、ハイビスカス、ポインセチア、ブーゲンビリア、ホンコンカポック、ゴム、ベゴニア、リュウゼツラン、ナンテン、ヒイラギナンテン、ツツジ、サツキ、アザレア、シャクナゲ、アジサイ、ツバキ、キク、スプレーギク、コギク、ルビナス、スズメノテッポウ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、ヨモギ、セイタカアワダチソウ、ハマスゲ、ハルジオン、ヒメジョオン、ノゲシ、ナズナ、オオバコ、ギシギシ、ブタクサ、スギナ、スイバ、イヌタデおよびツメクサ等の花卉、観葉植物、雑草類および各種用園芸用植物や農作物が挙げられる。植物体としては、本発明の効果を奏するものであれば特に制限されない。
本明細書における植物体からの薬剤の揮散とは、植物体の根以外の地上に露出している部位からの薬剤の揮散を意味する。
本発明の方法により植物体に取り込まれた薬剤は、植物体の全体から揮散されることが好ましく、植物体の葉、茎から揮散されることがより好ましい。
本発明の方法により薬剤を取り込んだ植物体は、空間に薬剤を揮散する植物体、すなわち、薬剤を揮散させるための媒体として用いることができる。
本発明の方法により薬剤を取り込んだ植物体を、例えば屋内に設置することにより、屋内に薬剤を揮散させることができる。このことにより、例えば、有効な害虫防除効果を得ることができる。
また、農作物に本発明の方法を適用する場合は、上記会合体を水系溶媒に分散させた分散液を植物体に接触させることにより、害虫に対して自衛し得る農作物とすることができ、害虫被害を防ぐことができる。
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(試薬)
以下に実施例で用いた試薬の商品名を記す。
d・d−T−シフェノトリン:ゴキラート−S(住友化学(株)製)
メトフルトリン:エミネンス(住友化学(株)製)
トランスフルトリン:バイオスリン(バイエルクロップサイエンス(株)製)
プロフルトリン:フェアリーテール(住友化学(株)製)
エムペントリン:ベーパースリン(住友化学(株)製)
D−リモネン:D−リモネン(日本テルペン化学(株)製)
POEソルビタンモノラウレート:レオドールTW−L106(花王(株)製)
POE硬化ヒマシ油:エマノーンCH−40(花王(株)製)
POEアルキルエーテル:アクチノールF−7(松本油脂製薬(株)製)
POEノニルフェニルエーテル:ブラウノンN510(青木油脂工業(株)製)
POEスチリルフェノールエーテル:ソルポールT−20,T−15(東邦化学工業(株)製)
ラウリン酸ヘキシル:セチオールA(コグニスジャパン(株)製)
プロピレングリコールモノメチルエーテル:ハイソルブMP(東邦化学工業(株)製)
なお、水はイオン交換水を用いた。
[実施例1]
〈試験検体の調製〉
表1に示す処方1および2に従い、薬剤(d・d−T−シフェノトリン)が両親媒性物質に内包された会合体を水に分散させた分散液(検体1および2)を調製した。なお、会合体の粒径は、薬剤と両親媒性物質との配合比、および撹拌条件により調整した。
分散液の調製は、表2に示す条件により、スターラー[東京理化機(株)、EYELA NZ−1200]を用いて行った。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
検体1および2に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表3〜5および図1に示す。なお、表3および4において、粒径の実測値の単位は「μm」となっているが、1000を実測値に乗じることで、「nm」に換算することができる。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
Figure 2011021704
〈会合体分散液と植物体との接触〉
図8(c)に示すように、検体1および2を供試植物体の土壌に灌注処理した。供試植物体としては、市販のポット鉢に入った、全高20cm程度のシュウカイドウ科シュウカイドウ属ベゴニア・センパフローレンス(Begonia Semperflorens)を用いた。
灌注処理は、パスツールピペットを用いて、植物体に分散液が直接かからないように行った。土壌に灌注処理する各検体の会合体分散液の量は、100mlとした。
〈植物体に取り込まれた薬剤量の測定〉
前記潅注処理から6日後に、植物体の根より上部(検体の会合体分散液が直接接触していない部位)を、下記(1)〜(6)の工程を順次行い、前処理したものをガスクロマトグラフィーにて下記分析条件にて分析した。
〈前処理〉
(1)植物体の根より上部をミキサーで粉砕し、アセトニトリルを30ml加えてジューサーで均一になるまで撹拌する。
(2)30分間超音波抽出後、ペーパーろ過し、残渣にアセトニトリルを加えて、超音波をかけて30分間再抽出する。
(3)ペーパーろ過後、ろ液をアセトニトリルで100mlに定容し、20mlを遠沈管に分取して、0.5M リン酸緩衝液 10ml、塩化ナトリウム 10gを添加する。
(4)遠心分離(3000rpm、30分間)後、油相をODSミニカラム(1000mg)にマウントし、溶出液を濃縮乾固する。
(5)30%アセトン/ヘキサンに溶解し、SAX/PSAミニカラム(500mg/500mg)にマウントする。
(6)溶出液を濃縮乾固し、全量を特級アセトン約1.5mlで溶解して、分析試料とする。
〈ガスクロマトグラフィー分析条件〉
機器:島津製作所ガスクロマトグラフGC−2014カラム:J&WキャピラリーカラムDB−1(30m×φ0.25mm、膜厚0.25μm)
キャリアガス:He気化室温度
280℃カラム温度:50℃(2min)→10℃/min→280℃(10min)
検出器温度:300℃注入モード
スプリット比:−1(オート)制御モード
線速度:40cm/sec
ガスクロマトグラフィーによる分析チャートを図2〜5に示す。なお、ブランクは水を吸液させて同じ操作をしたものとした。
図2〜5に示す結果からわかるように、会合体の粒径が11.9〜21.2nmである検体1の分析チャートには、標準検体と同じ保持時間にd・d−T−シフェノトリンのピークが確認され、薬剤が植物体に取り込まれたことが分かった。
一方、会合体の粒径が476.6〜1710.0nmである検体2の分析チャートには、d・d−T−シフェノトリンのピークが確認されず、薬剤が植物体に取り込まれていないことが分かった。
[実施例2]
〈試験検体の調製〉
表6に示す処方3〜5に従い、薬剤(トランスフルトリンまたはd・d−T−シフェノトリン)が両親媒性物質に内包された会合体を水に分散させた分散液(検体3〜5)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
分散液の調製は、表7に示す条件により、スターラー[アズワン(株)、マグネティックスターラーREXIM RS−6D]を用いて行った。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
検体3〜5の分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表8に示す。
Figure 2011021704
〈会合体分散液と植物体との接触〉
図8(b)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に検体3〜5の会合体分散液を充填した。続いて、ポット鉢から植物体10を取り出し、土を洗い落として根をむき出しにしたものをサンプル瓶20に挿入した。
サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。吸液開始から24時間後、植物体をガスクロマトグラフィーにて分析した。ブランクは水を吸液させて同じ操作をしたものとした。
分析用試料調製方法、分析条件は実施例1と同様とした。
ガスクロマトグラフィーによる分析チャートを図6および7に示す。
図6に示すように、会合体の粒径が12.8〜51.1nmである検体3の分析チャートには、保持時間17.5分付近に標準と同じトランスフルトリンのピークが確認された。なお、ブランクからはトランスフルトリンのピークは検出されなかった。この結果から、検体3の会合体分散液を植物体の根に接触させることによって薬剤が植物体へ取り込まれたことが分かった。
また、図7に示すように、会合体の粒径が12.8〜51.1nmである検体4の分析チャートでは、保持時間24分付近に標準と同じd・d−T−シフェノトリンのピークが確認された。なお、ブランクからはd・d−T−シフェノトリンのピークは検出されなかった。この結果から、検体4の会合体分散液を植物体の根に接触させることによって薬剤が植物体へ取り込まれたことが分かった。
一方、図7に示すように、会合体の粒径が818.0〜6540.0nmである検体5の分析チャートには、d・d−T−シフェノトリンのピークが確認されなかった。この結果から、薬剤が植物体に取り込まれていないことが分かった。
これらの結果から、本発明の方法によれば、d・d−T−シフェノトリンのように揮散性が低い薬剤でも、揮散性物質のトランスフルトリンと同様に植物体に取り込まれることが分かった。なお、参考値(蒸気圧)として、トランスフルトリン4.0×10−6hPa(20℃)、d・d−T−シフェノトリン<1.33×10−7hPa(20℃)であった。
[実施例3]
〈試験検体の調製〉
表9に示す処方6〜10に従い、薬剤(メトフルトリンおよびトランスフルトリンの少なくとも一方)が両親媒性物質に内包された会合体を水に分散させた分散液(検体6〜10)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量および撹拌条件により調整した。
分散液の調製は、表10に示す条件により、フィルミックス[プライミクス(株)、T.K.フィルミックス]を用いて行った。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
検体6〜10の分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表11に示す。
Figure 2011021704
〈効力試験〉
以下の(1)〜(5)の手順により、検体6〜10の会合体分散液を植物体に接触させて、植物体に薬剤を取り込ませ、植物体から薬剤が揮散されるか否かを調べた。
供試植物体として、ベゴニア・センパフローレンス(市販のポット鉢に入った全高20cm程度のもの)を用いた。また、供試虫として、アカイエカの雌20頭を用いた。
(1)図8(b)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶に会合体分散液を充填した。ポット鉢から植物体10を取り出し、土を洗い落として根をむき出しにしたものをサンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
(2)供試虫をポリエチレンテレフタレート(PET)製16メッシュで作製した100mm×200mmのケージに放った。
(3)図9に示すように、500mm×500mm×500mmのPET製チャンバーに上記(1)で作成した植物体および供試虫を放ったケージを置いた。
(4)アース製薬(株)製おそとでノーマットの器具のみを空間撹拌用の送風機(2.2リットル/秒)として、チャンバー内に設置した。
(5)送風機を起動した後、直ぐにチャンバーを密閉し、4時間後のノックダウン率(%)を測定した。その結果を表12に示す。
Figure 2011021704
また、会合体の粒径が15.2〜121.5nmである検体6、会合体の粒径が18.1〜72.3nmである検体9、および会合体の粒径が12.8〜51.1nmである検体10はノックダウン率が100%であり、会合体が植物体に取り込まれ、植物体に取り込まれた薬剤が植物体から揮散して忌避効果を発揮することが分かった。
一方、会合体の粒径が167.5〜972.3nmである検体7および会合体の粒径が121.5〜308.4nmである検体8は、ノックダウン率が0%であり、該会合体は植物体に取り込まれないことが分かった。
会合体の最大粒径が121.5nmである検体6は、ノックダウン率が100%であるのに対し、会合体の最小粒径が121.5nmである検体8はノックダウン率が0%であった。この結果から、植物体に薬剤が取り込まれて揮散させるための会合体の最大粒径の臨界点は、121.5nm付近であると予測された。また、検体6に含まれる会合体のうち、98%は100nm以下であった。このことから、全体の95%以上の会合体の粒径が100nm以下であれば、本発明の目的とする効果が発揮されると考えられる。
[実施例4]
〈試験検体の調製〉
以下の表13に示す処方11および12に従い会合体分散液(検体11および12)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
Figure 2011021704
検体11および12の分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表14に示す。
Figure 2011021704
〈効力試験〉
以下の(1)〜(5)の手順により、検体11または12の会合体分散液を植物体に接触させて、植物体に薬剤を取り込ませ、植物体から薬剤が揮散されるか否かを調べた。
供試植物体として、ベゴニア・センパフローレンス(市販のポット鉢に入った全高20cm程度のもの)を用いた。また、供試虫として、アカイエカの雌20頭を用いた。
(1)検体11または12の会合体分散液を植物体と接触させる方法として、下記のように、a)切花の状態で水耕処理(切花水耕処理)、b)根の状態で水耕処理(根水耕処理)、c)土壌処理(灌注処理)、d)葉面処理の4通りを行なった。
a)切花水耕処理:図8(a)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に会合体分散液を充填した。ポット鉢から植物体10を取り出し、茎部下端で植物体を切断し、サンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
b)根水耕処理:図8(b)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に会合体分散液を充填した。続いて、ポット鉢から植物体10を取り出し、土を洗い落として根をむき出しにしたものをサンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
c)灌注処理:図8(c)に示すように、天面にφ50mmの穴を開けた150mm×150mm×150mmのPET製ボックス40内にポット鉢に入った植物体10を設置し、穴に植物体10を通した。植物体10にかからないようポット鉢の土に30mLの会合体分散液をピペット50で撒き、穴と植物体10に隙間が無いようしっかりとアルミホイル30で密閉して植物体上部と下部を隔離した。
d)葉面処理:図8(d)に示すように、天面にφ50mmの穴を開けた150mm×150mm×150mmのPET製ボックス40内にポット鉢に入った植物体10を設置し、穴に植物体10を通した。ボックス40内の葉面が十分に濡れる程度に会合体分散液を刷毛60で塗付し、穴と植物体10に隙間が無いようしっかりとアルミホイル30で密閉して植物体上部と下部を隔離した。
(2)供試虫をPET製16メッシュで作製した100mm×200mmのケージに放った。
(3)図9に示すように、500mm×500mm×500mmのPET製チャンバーに上記(1)で作成した植物体のいずれか、および供試虫を放ったケージを置いた。
(4)アース製薬(株)製おそとでノーマットの器具のみを空間撹拌用の送風機(2.2リットル/秒)として、チャンバー内に設置した。
(5)送風機を起動した後、直ぐにチャンバーを密閉し、一定時間ごとにノックダウンした供試虫数を確認した。その結果を表15に示す。
表15において、KT50とは50%の害虫がノックダウンするのに要する時間(分)を示し、KT90とは90%の害虫がノックダウンするのに要する時間(分)を示す。
Figure 2011021704
表15に示すように、a)切花水耕処理した場合、検体11および12のいずれにおいても供試虫のノックダウンを確認したことから、切花水耕処理の場合、会合体の粒径によらずに薬剤が植物体に取り込まれ、植物体から薬剤が揮散されることが分かった。
また、切花水耕処理以外の、b)根水耕処理、c)土壌処理およびd)葉面処理の場合、いずれも会合体の粒径が100nmより大きい検体12では供試虫はノックダウンせず、会合体の粒径が100nm以下である検体11では、植物体に会合体が取り込まれることにより、植物体に取り込まれた薬剤が植物体から揮散して忌避効果を発揮することが分かった。
[実施例5]
〈試験検体の調製〉
以下の表16〜17に示す処方13〜23に従い、会合体分散液(検体13〜23)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
検体13〜23の会合体分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表18〜20および図10〜11に示す。なお、表18および19において、粒径の実測値の単位は「μm」となっているが、1000を実測値に乗じることで、「nm」に換算することができる。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
Figure 2011021704
〈効力試験〉
以下の(1)〜(5)の手順により、検体13〜22の会合体分散液を植物体に接触させて、植物体に薬剤を取り込ませ、植物体から薬剤が揮散されるか否かを調べた。
供試植物体として、表21〜23に示す植物体を用いた。また、供試虫として、アカイエカの雌20頭を用いた。
(1)表21〜23に示す方法により、会合体分散液を接触させた。表21〜23に示す方法は、下記のi)〜vi)の通りである。
i)切花水耕処理:図8(a)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に会合体分散液を充填した。ポット鉢から植物体10を取り出し、茎部下端で植物体を切断し、サンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
ii)根水耕処理:図8(b)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に会合体分散液を充填した。続いて、ポット鉢から植物体10を取り出し、土を洗い落として根をむき出しにしたものをサンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
iii)土壌および草に処理:植物体および土壌の両方に会合体分散液を散布した。
iv)土壌処理:図8(e)に示すように、植物体10にかからないようポット鉢の土に会合体分散液をピペットで撒き、土壌と植物体10に隙間が無いようしっかりとアルミホイル30で密閉して植物体と土壌とを隔離した。園芸土壌としては、自然応用科学(株)製「花と野菜の培養土」を用い、赤玉土としては、自然応用科学(株)製赤玉土小粒を用いた。
v)吸水ポリマー処理:図8(e)に示すように、植物体10にかからないようポット鉢の土に会合体分散液をピペットで撒き、吸水ポリマーと植物体10に隙間が無いようしっかりとアルミホイル30で密閉して植物体と土壌とを隔離した。吸水ポリマーとしては、住友精化(株)製アクアコークTWBを用いた。
vi)葉面処理:図8(d)に示すように、天面にφ50mmの穴を開けた150mm×150mm×150mmのPET製ボックス40内にポット鉢に入った植物体10を設置し、穴に植物体10を通した。ボックス40内の葉面が十分に濡れる程度に会合体分散液を刷毛60で塗付し、穴と植物体10に隙間が無いようしっかりとアルミホイル30で密閉して植物体上部と下部を隔離した。
(2)供試虫をPET製16メッシュで作製した100mm×200mmのケージに放った。
(3)図9に示すように、500mm×500mm×500mmのPET製チャンバーに上記(1)で作成した植物体のいずれか、および供試虫を放ったケージを置いた。
(4)アース製薬(株)製おそとでノーマットの器具のみを空間撹拌用の送風機(2.2リットル/秒)として、チャンバー内に設置した。
(5)送風機を起動した後、直ぐにチャンバーを密閉し、一定時間ごとにノックダウンした供試虫数を確認した。その結果を表21に示す。
表21〜23において、KT50とは50%の害虫がノックダウンするのに要する時間(分)を示す。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
Figure 2011021704
表21〜23に示す結果から、粒径が100nm以下であり、薬剤を両親媒性物質に内包した会合体を分散させた会合体分散液を植物体に接触させることにより、薬剤が植物体に取り込まれ、植物体から薬剤が揮散されることが分かった。一方、会合体の粒径が100nmを超えると、植物体に薬剤が取り込まれにくいことが分かった。
植物体の処理方法としては、根水耕処理、吸水ポリマー処理および土壌処理のいずれも効力があり、特に、吸水ポリマーに処理した場合には高い害虫防除効力が得られた。
会合体分散液を接触させる植物体の部位としては、根水耕処理、土壌処理および葉面処理のいずれによっても、薬剤が植物体に取り込まれ、植物体から薬剤が揮散されることが分かった。また、会合体の粒径が大きいと吸収されにくい傾向が、土壌処理および葉面処理のいずれにおいても確認された。
なお、植物体の種類により、効力の違いが見られたが、各植物体の吸水量の違いなど固体差があるためだと考えられる。
[実施例6]
〈試験検体の調製〉
以下の表24に示す組成の会合体分散液(検体24および25)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
Figure 2011021704
検体24および25の会合体分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表25〜26および図10および11に示す。なお、表25において、粒径の実測値の単位は「μm」となっているが、1000を実測値に乗じることで、「nm」に換算することができる。
Figure 2011021704
Figure 2011021704
〈効力試験〉
図12に示すように、4畳空間に、マウスケージに入れたマウス一匹を誘引源として設置し、検体24または25の会合体分散液8g(100g/m相当)を下記i)〜iv)の処理方法で処理した、354mm×234mmバットの土壌に供試植物体4株植え、マウスケージに入れたマウス一匹を誘引源として設置し、4畳空間にて試験した。
i)土壌処理(対照):供試植物体の株元に植物体にかからないよう土に会合体分散液をピペットで撒いた。
ii)滴下処理:供試植物体の株元に会合体分散液をシャワーにて滴下した。
iii)葉面処理:供試植物体の葉面に、会合体分散液をスプレーにて噴霧した。
iv)灌注処理:植物の根近傍に会合体分散液を充填したボトル(アンプルタイプ2g×4本)を挿入した。
供試虫として、ヒトスジシマカの雌50頭を用い、1時間につき13回換気した。試験は27〜29℃にて実施し、処理3日後で供試植物体が枯れてきたため、試験を終了した。
供試虫のマウスへのランディング数を計測し、次式にて忌避率を算出した。その結果を表28〜32および図13に示す。
忌避率=
(無処理時のランディング数−検体処理時のランディング数)/無処理時のランディング数×100
Figure 2011021704
Figure 2011021704
Figure 2011021704
Figure 2011021704
表27〜30および図13に示すように、灌注処理の場合、薬剤がメトフルトリンである検体24、および薬剤がトランスフルトリンである検体25のいずれも、忌避効果は処理3時間後から低下し、効果の持続も処理後3日間程度であった。
また、検体24および25のいずれにおいても、葉面処理により、高い忌避効力を示した。
供試植物体を用いずに土壌処理した場合は、薬剤がメトフルトリンである検体24の方が、忌避効果が持続した。また、供試植物体の株元に会合体分散液をシャワーにて滴下処理した場合、薬剤がトランスフルトリンである検体25の方が、忌避効力が高くなった。
[実施例7]
〈試験検体の調製〉
以下の表31に示す処方26に従って、会合体分散液(検体26)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
Figure 2011021704
検体26の会合体分散液に含まれる会合体の粒径を、日機装(株)製の粒度分布測定装置ナノトラックUPAで測定した。その結果を表32に示す。
Figure 2011021704
〈効力試験〉
以下の(1)〜(5)の手順により、検体26の会合体分散液を植物体に接触させて、植物体に薬剤を取り込ませ、植物体から薬剤が揮散されるか否かを調べた。
供試植物体として、ベゴニア・センパフローレンス(市販のポット鉢に入った全高20cm程度のもの)を用いた。
(1)図8(b)に示すように、50mlガラス製サンプル瓶20に会合体分散液を充填した。ポット鉢から植物体10を取り出し、土を洗い落として根をむき出しにしたものをサンプル瓶20に挿入した。サンプル瓶20の瓶口と植物体10を隙間が無いようにきつくアルミホイル30で覆った。
(2)天面にφ50mmの穴を開けた150mm×150mm×150mmのPET製ボックス内に上記(1)で作成した植物体および空間撹拌用の送風機(アース製薬(株)製、おそとでノーマット器具、2.2リットル/秒)を設置した。
(3)送風機を起動した後、直ぐに密閉し、天面の穴から上部に出ている植物体について、パネラー25名により下記項目の官能評価を行った。
なお、以下のブランクとは、検体26の会合体分散液を用いずにサンプル瓶に水のみを入れたこと以外は、上記実験を繰り返した例である。
その結果、検体26の会合体分散液を供試植物体に接触させた結果とブランクで違いはあると回答したパネラーは24名(96%)であった。
また、その違いについてパネラーに質問したところ、21名(84%)のパネラーが、実施例3のほうがブランクに比べて「爽やか」「柑橘系の香りがする」と回答した。したがって、検体26の会合体分散液を供試植物体に接触させた場合、高い割合でD−リモネンの香りが認識されることが分かった。
この結果から、本発明の方法によれば、薬剤がD−リモネンのような精油成分である場合にも、薬剤が植物体に取り込まれて、植物体から薬剤が揮散されることが分かった。
[参考例1]
〈試験検体の調製〉
以下の表33に示す処方27〜29に従い、会合体分散液(検体27〜29)を調製した。なお、会合体の粒径は、両親媒性物質の添加量により調整した。
Figure 2011021704
〈効力試験〉
供試植物体として、ヨモギ、オオアレチノギクを用い、根の部分を切り取った。検体27〜29の各会合体分散液に、供試植物体(100gまたは200g)を浸漬した。なお、供試植物体の茎部分のみを会合体分散液に浸漬した。
一日放置後、縦70cm×横70cm×高さ70cmのガラスチャンバーを用意し、図14のように植物体を容器の中に配置した(換気無し)。なお、容器には、検体27〜29の会合体分散液を充填した。
供試植物体の容器への配置部分を除き、容器の開口部全体に、会合体分散液からの薬剤の揮散を防ぐため、食品用ラップ(フィルム)にて蓋を形成した。
供試植物体にアース製薬(株)製おそとでノーマットの器具により風(2.2リットル/秒)を当て、ガラスチャンバー内にアカイエカのメス17頭を放ち、KT50、KT90の値を算出した。その結果を表34に示す。
ここで、KT50とは50%の害虫がノックダウンするのに要する時間(分)、KT90とは90%の害虫がノックダウンするのに要する時間(分)を示す。
なお、対照としては、蚊取線香を用いた。蚊取線香中の薬剤はdl・d−T80−アレスリン(0.25%)であった。
Figure 2011021704
表34に示すように、いずれの条件でも蚊のKT50、KT90が確認された。検体28の会合体分散液を用いた場合に効力が高い結果となった。さらに、植物体の質量に応じて効力に差が出たことより、植物体からの薬剤の揮散面積の多い方が、より多くの薬剤を揮散していると考えられた。
[参考例2]
参考例1と同様の200gの供試植物体を用いた。ただし、根の除去は行なわなかった。参考例1における検体28の会合体分散液を用い、植物体200gに対し、次の(1)〜(3)の処理を行った。
(1)根水耕処理:根のみを検体に浸漬する。
(2)土壌および葉面処理:植物体を鉢(5号、直径15cm)に植え替え、土(人工土壌200g;花ごころ社製、園芸の土)と葉に検体100ミリリットルを全体にスプレーで散布する。
(3)土壌処理:植物体を鉢(5号、直径15cm)に植え替え、土(人工土壌200g;花ごころ社製、園芸の土)のみに検体100ミリリットルを全体にスプレーで散布する。
前記(1)〜(3)のいずれかの方法で処理した供試植物体を参考例1で使用したガラスチャンバーに入れ、参考例1と同様の試験を行なった。
なお、前記(1)の方法で処理した供試植物体は、参考例1と同様に、植物体の容器への配置部分を除き、容器の開口部全体に、会合体分散液からの薬剤の揮散を防ぐために、食品用ラップにて蓋を形成した。
また、前記(2)および(3)の方法で処理した供試植物体についても、植物体の鉢への配置部分を除き、鉢開口部全体に、食品用ラップにて蓋を形成した。
供試植物体にアース製薬(株)製おそとでノーマットの器具により風(2.2リットル/秒)を当て、ガラスチャンバー内にアカイエカのメス17頭を放ち、一日間経過後、KT50、KT90の値を算出した。その結果を表35に示す。
Figure 2011021704
表35に示すように、根水耕処理、土壌および葉面処理、並びに土壌処理のいずれにおいても、植物体に薬剤が取り込まれ、薬剤が植物体から揮散して、忌避効果を発揮していることが確認された。
[参考例3]
参考例2において、検体28の会合体分散液で土壌および葉面処理した供試植物体をガラスチャンバーに入れ、5、7、10、11、14、20、25、31日後に、ガラスチャンバー内にアカイエカのメス17頭を放ち、KT50、KT90を算出した。その結果を表36に示す(なお参考例2と同様に1日後のKT50、KT90も併せて示した)。
なお、ガラスチャンバーは、25℃ドラフト内に保存した。
Figure 2011021704
表36に示すように、処理後10日目から効力が落ち始め、31日後ではKT値がかなり低下したが、蚊に対する効力は失われていなかった。また、屋内においては、少なくとも1ヶ月程度は蚊に対する忌避効果が持続することが分かった。
[参考例4]
表37に示す処方30〜33に従い会合体分散液(検体30〜33)を調製した。
Figure 2011021704
供試植物体として、ヨモギ、オオアレチノギクを用いた。1鉢あたりの植物体の質量は約100gであった。5号の鉢に、土壌として人工土壌(花ごころ社製、園芸の土)を200g入れ、供試植物体を100g分植え、それを2鉢試験(1鉢当り供試植物体100gを2鉢使用)で使用した。以下、これをサンプルという。
効力試験は、下記のような試験区1〜7により行った。
試験区1:検体30の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置する。
試験区2:検体31の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置する。
試験区3:検体32の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置する。
試験区4:検体33の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置する。
試験区5:検体31の会合体分散液をサンプルの土のみに50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置する。
試験区6:検体30の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットルをスプレーで散布し、25日間放置する。
試験区7:試験区5の処理済サンプルに、さらに検体31の会合体分散液を土にのみ50ミリリットル(計100ミリリットル)スプレーで散布する。
図15(a)および(b)に示すように、換気装置つきの12畳の部屋を仕切り、送風装置(174リットル/秒)、各試験区のいずれかのサンプル、人を配置した。ヒトスジシマカのメス50頭を図15の位置で放した。人の両手、両足にランディングした蚊の数をカウントした(服は着たまま)。コントロール(各試験区のサンプルを使用しない試験)を基準(忌避率0%)にし、ヒトスジシマカの忌避率[忌避率(%)=(1−サンプルを設置した場合の蚊のランディング数/コントロールの蚊のランディング数)×100]を経過時間ごとに算出した。結果を表38および図16に示す。
Figure 2011021704
表38および図16に示すように、試験区1〜4は、検体30〜33の会合体分散液をサンプルの葉と土に処理したものであり、即効性が認められた。また、薬剤としてプロフルトリンを用いた例が、立ち上がりの忌避率が高い結果となった。プロフルトリンの方がメトフルトリンと比べ、揮散性が高い為、このような結果となったと考えられた。
試験区6は検体30の会合体分散液をサンプルの葉と土に50ミリリットル処理し、25日間放置したサンプルを使用したものであるが、20分間後には、高い忌避効果が見られた。また試験区5および7のように土だけに会合体分散液を処理した場合でも、30分程度時間が経てば、十分な効果を発揮した。したがって、土壌に処理した薬剤が植物体に取り込まれ、放出されていることが分かった。
[参考例5]
植物体として、ヨモギ、オオアレチノギクを用いた。1本あたりの植物体の質量は約100gであった。図17(A)に示すように、5号の鉢に、土壌として人工土壌(花ごころ社製、園芸の土)を200g入れ、該植物体2本を根から植えた。
会合体分散液としては、表37に示す処方31の会合体分散液(検体31)を用いた。図17(B)の点線部で示した部位に処理液50ミリリットルをスプレーで散布し、一日放置し、図17(C)に示すように、薬剤の揮散を防ぐために、ラップとアルミホイルで下部の植物体表面および鉢部分を覆い、植物体において薬剤が触れていない部分のみを露出させ、検体(植物体)とした。
縦70cm×横70cm×高さ70cmのガラスチャンバーを用意し、図18のように検体(植物体)をガラスチャンバー内の略中央に配置した(換気無し)。
検体にアース製薬(株)製おそとでノーマットの器具により風(1.4リットル/秒)を当て、ガラスチャンバー内にアカイエカのメス17頭を放ち、KT50、KT90の値を算出した。結果を表39に示す。
Figure 2011021704
表39に示すように、蚊のKT50、KT90が確認された。参考例5では、図17(B)に示すように植物体の下部のみにしか薬剤を処理しておらず、試験時には、図17(C)に示すように薬剤の触れていない植物体の上部しか空間内に露出させなかった。よって、植物体の体表面に処理した薬剤が他の体表面へ移行して揮散したことにより、蚊に対するノックダウンが確認されたと考えられた。
[参考例6]
参考例5と同じ検体(植物体)を用いた。図15(a)および(b)に示すように、換気装置つきの12畳の部屋を仕切り、送風装置(174リットル/秒)、参考例5で作製した検体(植物体)、人を配置した。ヒトスジシマカのメス50頭を図15(a)および(b)に示す位置で放した。
人の両手、両足にランディングした蚊の数をカウントした(服は着たまま)。コントロール(未処理の検体で試験)を基準(忌避率0%)にし、ヒトスジシマカの忌避率[忌避率(%)=(1−検体を設置した場合の蚊のランディング数/コントロールの蚊のランディング数)×100]を経過時間ごとに算出した。結果を表40に示す。
Figure 2011021704
表40に示すように、立ち上がりの忌避効果は若干遅かったが、試験開始後30分前後から高い忌避効果が確認された。植物体の体表面に処理した薬剤が、植物体の他の体表面へ移行して揮散した為、蚊に対する忌避効果が確認されたと考えられた。
[参考例7]
〈試験検体の調製〉
表41に示す組成の処方34の会合体分散液(検体34)10gを固体担体であるパーライト50gに含浸させた。当該処理したパーライトを40℃で8時間乾燥させた後、50gを人工土壌(花ごころ社製、園芸の土)150gと混合した。
当該固体担体を配合した人工土壌200gを5号の鉢に入れ、オオアレチノギク、ヨモギ(各2本、100g)を植え、水50ミリリットルを処理したものを検体(植物体)とした。
Figure 2011021704
図15(a)および(b)に示すように、換気装置つきの12畳の部屋を仕切り、送風装置(174リットル/秒)、上記作製した検体(植物体)、人を配置した。ヒトスジシマカのメス50頭を図15(a)および(b)に示す位置で放した。人の両手、両足にランディングした蚊の数をカウントした(服は着たまま)。コントロール〔未処理の検体(植物体)で試験〕を基準(忌避率0%)にし、ヒトスジシマカの忌避率[忌避率(%)=〔1−検体(植物体)を設置した場合の蚊のランディング数/コントロールの蚊のランディング数〕×100]を経過時間ごとに算出した。結果を表42に示す。
Figure 2011021704
表42に示すように、立ち上がりの蚊に対する忌避効果は若干低かったが、試験開始後30分前後から忌避効果は高くなり、1時間後にはほぼ100%忌避した。
このことから、固体担体に薬剤を処理したものを土に配合した場合でも、薬剤を根から吸い上げ、植物体表面から揮散し、蚊を忌避できることが分かった。
[参考例8]
〈試験検体の調製〉
以下の表43に示す組成の会合体分散液(検体35)を調製した。
Figure 2011021704
処方35に使用した香料は、dl−カンフル5.26g、テレビン油4.68g、l−メントール2.82g、ユーカリ油1.33gを混合したものである。
供試植物体として、ミニバラ(バラ科)およびルビナス(マメ科)を用いた。5号の鉢に、土壌として人工土壌(花ごころ社製、園芸の土)を200g入れ、該植物体をそれぞれ根から植えた。
土面全体に100ミリリットルの検体35の会合体分散液をスプレーで散布した。尚、植物体の鉢への配置部分を除き、土面および鉢全体を食品用ラップとアルミホイルで覆い、布テープで隙間を完全に塞いだ。
表43に記載の処方のうち、香料を除いた処方で作製した溶液を用いて同様に植物体に散布したものをコントロールとした。
一日放置後、縦20cm×横20cm×高さ20cmのボックスに会合体分散液で処理した検体(植物体)およびコントロールをそれぞれ置き、においを充満させた後、パネラー8人により、検体(植物体)とコントロールとの香りの違いの有無を確認した。
パネラー8人全てが、検体35の会合体分散液を接触させたミニバラおよびルビナスのいずれも、コントロールと比較して明らかに香質、香気の違いを感じると評価した。
具体的には、検体35の会合体分散液を接触させたミニバラに関しては、3人のパネラーがコントロールと比べてにおいが強くなったと評価し、3人のパネラーがカンフルの香りがすると評価した。
そして、検体35の会合体分散液を接触させたルビナスに関しては、3人のパネラーがコントロールと比べて強いにおいを感じると評価した。
以上の結果から、薬剤として香料を内包する会合体を分散させた分散液を土面に処理することにより、植物体の香質が明らかに変わっており、香質の中に香料の成分が含まれていると考えられた。したがって、植物体が香料成分を根から取り込み、葉や茎から揮散させることがわかった。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2009年8月21日出願の日本特許出願2009−192409に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10 植物体
20 サンプル瓶
30 アルミホイル
40 ボックス
50 ピペット
60 刷毛

Claims (7)

  1. 以下の工程(1)および(2)を含む、薬剤を植物体に取り込ませる方法。
    (1)薬剤が両親媒性物質に内包された、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を得る工程
    (2)工程(1)で得られた分散液を植物体の少なくとも一部と接触させて、会合体を植物体に取り込ませる工程
  2. 工程(2)において、分散液を植物体の少なくとも根と接触させる請求項1に記載の方法。
  3. 工程(2)が薬剤を揮散する植物体を製造するために行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(2)が薬剤を植物体から揮散させるために行われる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 薬剤が害虫防除剤である請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 薬剤が両親媒性物質に内包され、粒径が100nm以下である会合体を水系溶媒に分散させた分散液を含有する、植物体に薬剤を取り込ませるための薬剤組成物。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法に用いる、請求項6に記載の薬剤組成物。
JP2011527721A 2009-08-21 2010-08-20 薬剤を植物体に取り込ませる方法 Active JP5711125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011527721A JP5711125B2 (ja) 2009-08-21 2010-08-20 薬剤を植物体に取り込ませる方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009192409 2009-08-21
JP2009192409 2009-08-21
PCT/JP2010/064120 WO2011021704A1 (ja) 2009-08-21 2010-08-20 薬剤を植物体に取り込ませる方法
JP2011527721A JP5711125B2 (ja) 2009-08-21 2010-08-20 薬剤を植物体に取り込ませる方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011021704A1 true JPWO2011021704A1 (ja) 2013-01-24
JP5711125B2 JP5711125B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=43607152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011527721A Active JP5711125B2 (ja) 2009-08-21 2010-08-20 薬剤を植物体に取り込ませる方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20120148652A1 (ja)
EP (1) EP2468092A4 (ja)
JP (1) JP5711125B2 (ja)
CN (1) CN102480938A (ja)
WO (1) WO2011021704A1 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059198A (ja) * 2009-11-20 2010-03-18 Sumitomo Chemical Co Ltd 害虫防除用組成物及び害虫の防除方法
JP6223919B2 (ja) * 2014-07-10 2017-11-01 アース製薬株式会社 ピレスロイド系化合物を水に溶解させる方法
US11375714B2 (en) 2016-04-08 2022-07-05 Battelle Memorial Institute Encapsulation compositions

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05502042A (ja) * 1990-08-24 1993-04-15 イーデーエーアー イノヴァティヴェ デルマーレ アプリカティオーネン ゲーエムベーハー 作用物質投与用超微小滴状調剤
JPH08130985A (ja) * 1994-12-19 1996-05-28 T Hasegawa Co Ltd 切り花の芳香増強剤
JPH08209125A (ja) * 1995-02-08 1996-08-13 Kanebo Ltd 園芸用芳香剤
JPH10182305A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Sumitomo Chem Co Ltd 薬剤の揮散方法
JPH10234231A (ja) * 1996-12-24 1998-09-08 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 育成効果を有する芝生着色剤
JP2000139319A (ja) * 1998-11-09 2000-05-23 Fumakilla Ltd 薬剤蒸散体
JP2004231515A (ja) * 2002-06-08 2004-08-19 International Floral Design Kyokai:Kk 生花風の加工物及びその製造方法
JP2004298176A (ja) * 2003-03-17 2004-10-28 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 植物成長調節剤およびその製造方法
JP2005170020A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Toshihide Yamaoka 蛍光染色植物および該植物を用いる装飾方法
JP2007153699A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Taiyo Kagaku Co Ltd 植物の鉄含量向上用組成物
JP2007534716A (ja) * 2004-04-27 2007-11-29 バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト アルキルカルボキサミドの浸透剤としての使用
WO2009072845A2 (en) * 2007-12-05 2009-06-11 Eui-Sik Yoon Functional agricultural product and method for cultivating the same

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3954967A (en) * 1971-08-05 1976-05-04 Vanguard Chemical Company, Inc. Method of producing microcolloidal aqueous emulsions of unsaturated organic insecticidal compounds
GB8822936D0 (en) * 1988-09-30 1988-11-09 Nc Dev Inc Pesticidal control
US6165500A (en) * 1990-08-24 2000-12-26 Idea Ag Preparation for the application of agents in mini-droplets
US5466458A (en) * 1992-03-09 1995-11-14 Roussel Uclaf Emulsified spray formulations
CN101426369A (zh) * 2006-02-27 2009-05-06 西北大学 含有游离脂肪酸和/或游离脂肪酸衍生物的微乳液形式组合物
ITVA20070047A1 (it) * 2007-05-24 2008-11-25 Lamberti Spa Microemulsioni e loro uso per migliorare l'efficacia biologica dei pesticidi

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05502042A (ja) * 1990-08-24 1993-04-15 イーデーエーアー イノヴァティヴェ デルマーレ アプリカティオーネン ゲーエムベーハー 作用物質投与用超微小滴状調剤
JPH08130985A (ja) * 1994-12-19 1996-05-28 T Hasegawa Co Ltd 切り花の芳香増強剤
JPH08209125A (ja) * 1995-02-08 1996-08-13 Kanebo Ltd 園芸用芳香剤
JPH10234231A (ja) * 1996-12-24 1998-09-08 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 育成効果を有する芝生着色剤
JPH10182305A (ja) * 1996-12-25 1998-07-07 Sumitomo Chem Co Ltd 薬剤の揮散方法
JP2000139319A (ja) * 1998-11-09 2000-05-23 Fumakilla Ltd 薬剤蒸散体
JP2004231515A (ja) * 2002-06-08 2004-08-19 International Floral Design Kyokai:Kk 生花風の加工物及びその製造方法
JP2004298176A (ja) * 2003-03-17 2004-10-28 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 植物成長調節剤およびその製造方法
JP2005170020A (ja) * 2003-12-11 2005-06-30 Toshihide Yamaoka 蛍光染色植物および該植物を用いる装飾方法
JP2007534716A (ja) * 2004-04-27 2007-11-29 バイエル・クロツプサイエンス・アクチエンゲゼルシヤフト アルキルカルボキサミドの浸透剤としての使用
JP2007153699A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Taiyo Kagaku Co Ltd 植物の鉄含量向上用組成物
WO2009072845A2 (en) * 2007-12-05 2009-06-11 Eui-Sik Yoon Functional agricultural product and method for cultivating the same

Also Published As

Publication number Publication date
CN102480938A (zh) 2012-05-30
US20120148652A1 (en) 2012-06-14
EP2468092A4 (en) 2013-08-07
EP2468092A1 (en) 2012-06-27
JP5711125B2 (ja) 2015-04-30
WO2011021704A1 (ja) 2011-02-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5561663B2 (ja) 匍匐害虫忌避剤並びに匍匐害虫の忌避方法
US20050214337A1 (en) Pesticidal compositions
JP6576643B2 (ja) 揮発性閉鎖空間防害虫剤
JP5840029B2 (ja) 昆虫防除剤
JP2017128530A (ja) 揮発性閉鎖空間防害虫剤
JP5711125B2 (ja) 薬剤を植物体に取り込ませる方法
JP2011236136A (ja) 衣料害虫の食害防止剤
IL269738B2 (en) Device for releasing fluids at an even rate
WO2009104770A1 (ja) 薬剤揮散用植物体
CN1953659A (zh) 害虫防治剂、粉体状杀虫制剂和等足类行为搅乱剂
JP2005350469A (ja) 害虫等の忌避剤
JPH11343209A (ja) 病害虫の防除剤および農薬
JP2012121825A (ja) 害虫防除剤及びそれを用いた害虫防除方法
JP2002234804A (ja) 屋外飛翔昆虫の防除方法
JP2009119335A (ja) 環境改善方法
JP2004250331A (ja) 防虫性、防ダニ性および静菌性のある消臭性組成物
JP6538424B2 (ja) 穀物・乾物用防虫剤および防虫方法
JP4183790B2 (ja) 殺虫線香及び殺虫成分の移行及び散逸防止方法
JP2001163715A (ja) 腹足類駆除剤
JP5898662B2 (ja) 陸棲腹足類忌避剤および陸棲腹足類の忌避方法
JP4278654B2 (ja) 害虫防除剤
JP5735335B2 (ja) 殺虫剤の殺虫効力増強剤
JP6778594B2 (ja) ゴキブリの臭気抑制方法
RU2214093C2 (ru) Средство борьбы с кератофагами
JP2002068917A (ja) 害虫駆除組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130508

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20140210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141029

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20150122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150305

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5711125

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250