JPWO2011004799A1 - 中空構造を有する錠剤 - Google Patents

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Abstract

中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1の賦形剤並びに疎水効果を示す成分を含む、水に浮遊可能である錠剤。

Description

本発明は、中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、水に浮遊可能である錠剤および該錠剤の製造方法に関する。特に、本発明は、胃内で滞留し且つ徐放性効果を有する錠剤に関する。
胃内で薬物を持続的に放出する錠剤として、胃内滞留型錠剤が知られている。これら胃内滞留型錠剤には、胃内で膨潤することにより胃内に滞留するゲル膨潤型錠剤(特許文献1〜9)、胃内の酸により発泡することにより浮遊させる発泡型錠剤(特許文献10〜13)、比重の低い材質を用いるか(特許文献14および15)又は多孔性の空隙を持たせる(特許文献16および17)ことにより胃内で浮遊させる胃内浮遊型錠剤が知られている。また、顆粒剤においては顆粒内部に空洞を設けることにより胃内に浮遊させる製剤が知られている(特許文献18〜20、非特許文献1)。
経口投与型医薬品以外には、水面に浮遊させる技術として、多孔性の組成物を用いる技術が、農薬に使用されている(特許文献21および22)。また、発泡性の組成物を用いる技術が、入浴剤に使用されている(特許文献23)。
日本国特開2007−131591公報 日本国特表2005−532985公報 日本国特開2002−370970公報 国際公開第95/5809号 日本国特開2005−132803公報 日本国特表2001−500879公報 日本国特表2008−528636公報 日本国特開平6−24959公報 日本国特開2009−40787公報 日本国特開昭62−283919公報 日本国特開昭62−195323公報 日本国特開昭62−207209公報 日本国特表2009−501777公報 日本国特開平1−16715公報 日本国特開2005−112825公報 日本国特開昭61−43108公報 国際公開第91/6281号 日本国特開昭64−30公報 日本国特開平1−224311公報 日本国特開平2−250822公報 日本国特開平5−255067公報 国際公開第00/040085号 日本国特開平10−87477公報
European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics 57巻 235−243(2004年)
本発明が解決しようとする課題は、簡便な製法により作製でき、汎用性の高い、水に浮遊または胃内に滞留して薬物を持続的に放出することを可能とする錠剤を得ることにある。さらには、水に浮遊させる様々な錠剤への応用が可能な技術を確立することにある。
本発明者らは、製造が簡便且つ汎用性の高い水に浮遊可能である錠剤について、鋭意研究を重ねた。その結果、メントール等の昇華性固体を含むコア部分を作製し、該コア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に賦形剤を含む外殻を形成後、加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去し、疎水効果を示す成分を浸透させることにより、水に浮遊可能である中空の錠剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の発明を包含する。
1.中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1の賦形剤並びに疎水効果を示す成分を含む、水に浮遊可能である錠剤。
2.以下の(1)〜(4)の工程を少なくとも含む製造方法により得られる水に浮遊可能である錠剤。
(1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
(2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
(3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
(4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
3.疎水効果を示す成分が、胃内で疎水効果を示す成分である、前項1または2に記載の錠剤。
4.密度が1g/cm以下である前項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
5.空洞部以外の部分に主薬成分を含有する前項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
6.徐放性効果を有する前項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
7.賦形剤が、マンニトール、結晶セルロースおよび乳糖並びにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1である前項1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
8.疎水効果を示す成分が、高級アルコールおよび高級脂肪酸グリセリンエステルの少なくとも1である前項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
9.疎水効果を示す成分が、ステアリルアルコール、セチルアルコール、硬化ヒマシ油およびステアリン酸モノグリセライドから選ばれる少なくとも1である前項1〜8のいずれか1項に記載の錠剤。
10.以下の工程を少なくとも含む中空構造を有する水に浮遊可能である錠剤の製造方法。
(1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
(2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
(3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
(4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
11.疎水効果を示す成分が、胃内で疎水効果を示す成分である、前項10に記載の製造方法。
12.昇華性固体がテルペン類および昇華性を有する芳香族炭化水素の少なくとも1である前項10または11に記載の製造方法。
13.テルペン類が、メントール、チモールおよびカンファーから選ばれる少なくとも1である前項12に記載の製造方法。
14.工程(2)における外殻部に主薬成分を含有させる前項10〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
15.賦形剤が、マンニトール、結晶セルロースおよび乳糖並びにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1である前項10〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
16.疎水効果を示す成分が、高級アルコールおよび高級脂肪酸グリセリンエステルの少なくとも1である前項10〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
17.疎水効果を示す成分が、ステアリルアルコール、セチルアルコール、硬化ヒマシ油およびステアリン酸モノグリセライドから選ばれる少なくとも1である前項10〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
18.前項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤を用いることによる、錠剤の胃内滞留方法。
19.前項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤を用いることによる、胃内での持続的な薬物放出方法。
本発明の錠剤は、中空構造を有するとともに、疎水効果を示す成分を含むため、水に浮遊可能である。本発明の錠剤に薬剤を含有させることにより、水に浮遊または胃内に滞留し、かつ主薬成分の徐放性効果を発揮することができる。また、本発明の中空構造を有する錠剤は、従来技術と比較して極めて簡便に作製することができる。
試験例1において、参考例1〜5の有核錠を80℃のオーブン中で加熱したときの質量変化を示したものである。 試験例2において、実施例1〜7および比較例1の溶出試験結果を示したものである。 本発明に係る中空錠剤の内部構造を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真である。
本発明は、中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1の賦形剤並びに疎水効果を示す成分を含む、水に浮遊可能である錠剤である。
本発明の錠剤は、中心部分に空洞部を有する中空構造を有する。当該中空構造を有することにより、本発明の錠剤は水に浮遊可能となる。当該中空構造を有する本発明の錠剤は、従来の発泡性の錠剤(日本国特開昭62−283919公報、日本国特開昭62−195323公報、日本国特開昭62−207209公報および日本国特表2009−501777公報)および多孔性の空隙を有する錠剤(日本国特開昭61−43108公報および国際公開第91/6281号)とは区別される。
空洞部の大きさは、錠剤強度が確保され、かつ錠剤が水に浮遊するのに適度な大きさとなるように、適宜調整することができる。また、空洞部の数は必ずしも1つではなく、複数であってもよい。
空洞部は、錠剤強度の観点から錠剤の中心に位置するが、必ずしも正確に錠剤の中心に位置する必要はなく、錠剤強度が確保される範囲内で適宜調整することができる。
前記空洞部の大きさは、錠剤が水に浮遊可能となるように、適宜調整することが好ましい。ここで、錠剤を水に浮遊可能とするには、錠剤全体の密度が1g/cm以下であることが好ましく、0.95g/cm以下であることがより好ましく、0.90g/cm以下であることが特に好ましい。
なお、錠剤の密度は、具体的には、例えば、次の算出方法により概算することができる。錠剤が円柱型形状の場合、錠剤の錠厚および錠径から概算した体積(A)と錠剤質量(B)を用い、(B)÷(A)を計算することにより、錠剤の密度を概算する。
すなわち、錠剤の直径をLcm、錠剤の厚みをDcmである円柱型形状の錠剤の場合、体積(A)は、{(L÷2)×π×D}である。錠剤の質量をBgとすると、錠剤の密度は、下記式1により計算することができる。
B/{(L÷2)×π×D} (式1)
例えば、錠厚が0.36cm、錠径(直径)が0.85cmである円柱型形状の錠剤の場合、体積(A)は
(0.85÷2)×π×0.36=0.20428cm
となる。
したがって、最終的に得られた錠剤の質量が例えば0.25gであれば、密度は
0.250g÷0.20428cm≒1.22g/cm
となり、1g/cmより大きいため水に浮遊しない。
この場合、空洞部の大きさをより大きくすることにより、錠剤の質量を例えば200mgとすると、密度が1g/cm以下となるため浮遊する。
本発明の錠剤は、賦形剤を含有する。賦形剤とは、賦形目的で配合される添加剤を指す。賦形剤は、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1である。
糖アルコールとしては、例えば、マンニトールおよびキシリトールなどが挙げられる。
糖としては、例えば、乳糖、ショ糖および果糖などが挙げられる。
セルロース誘導体としては、例えば、結晶セルロースなどが挙げられる。
スターチ類としては、例えば、コーンスターチなどが挙げられる。これらの中でも、マンニトール、乳糖および結晶セルロースが好ましい。マンニトールとしては、D−マンニトールが好ましい。
錠剤における賦形剤の含有量は、適宜調整できるが、通常5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
ただし、メトローズのように溶媒との接触で膨張するものは、形状変化を引き起こし、膨張し硬度が著しく低下するため、本発明の錠剤には不適である。また、製造工程において昇華性固体を除去する際の加熱温度で変性する賦形剤は使用できない。
本明細書において「疎水効果を示す」とは、水に対する親和性が低い、すなわち水に溶解しにくくまたは水と混ざりにくい性質を有することを意味する。本発明の錠剤は、疎水効果を示す成分を含有することにより、薬効成分を徐々に放出させることができる。その結果、薬効成分に係る効果の持続が期待できる。
熱溶融させた疎水効果を示す成分に中空錠剤を浸漬させ、その後冷却固化させることによって、錠剤に当該成分を含有させることが好ましい。そのため、疎水効果を示す成分は、室温で固体である低融点油脂状物質が好ましい。該低融点油脂状物質は、融点が40〜100℃であることが好ましく、更に好ましくは50〜90℃である。また、溶融した際の粘度が低い物質である方が錠剤に浸透しやすいため好ましい。
疎水効果を示す成分としては、例えば、高級脂肪酸グリセリンエステル類および高級アルコール、ロウ類、並びに胃液で溶解しない有機酸などが挙げられる。疎水効果を示す成分の種類により、錠剤の水中における浮遊・滞留時間を制御することができる。また、錠剤に主薬成分を含有する場合は、疎水効果を示す成分の種類により、主薬成分の放出速度を制御することができる。
高級脂肪酸グリセリンエステル類としては、例えば、ステアリン酸モノグリセライド、硬化ヒマシ油、パルミチン酸ステアリン酸モノグリセライド、オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノ・ジグリセライドおよびステアリン酸オレイン酸モノグリセライドが挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、1−エイコサノール、1−ドコサノール、1−テトラコサノール、セリルアルコール、オクタコサン−1−オールおよび1−トリアコンタノールが挙げられる。
胃液で溶解しない有機酸としては、例えば、高級脂肪酸であるステアリン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸およびヘプタデカン酸が挙げられる。
これらの中でも、浸透性の観点及び徐放化効果の観点から、ステアリン酸モノグリセライド、硬化ヒマシ油、ステアリルアルコール、セチルアルコールおよびステアリン酸が好ましい。本発明においては、賦形剤に用いる成分の熱安定性や主薬成分の熱安定性により、用いうる疎水作用を示す成分を適宜選択できる。
本発明の錠剤における疎水効果を示す成分の含有量は、該成分の種類および錠剤の密度等により適宜調整することが好ましいが、通常5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、15〜25質量%であることが好ましい。
本明細書において、「水に浮遊可能である」とは、水などの溶媒中で浮力を発揮し、胃液などの液体表面に長時間浮遊することができることを意味する。錠剤が水に浮遊する時間は、投与後1時間以上であることが好ましく、3時間以上であることがより好ましく、5時間以上であることが特に好ましい。
本発明の錠剤は、空洞部以外の部分、すなわち錠剤を構成する部分に、主薬成分を含有することが好ましい。このことにより、錠剤を水に浮遊させつつ、主薬成分を徐放することができる。
本明細書において「主薬成分」とは、薬理活性を有する成分を意味する。主薬成分としては、特に限定されないが、胃内浮遊型錠剤に使用する場合には、具体的には以下の薬物を挙げることができる。
例えば、バルビタール類、クロルプロマジン、レボドーパ、ジアゼパムおよびイミプラミン等の精神神経系用剤;アセトアミノフエン、アスピリン、イブプロフエン、ケトプロフエンおよびインドメタシン等の解熱鎮痛消炎剤;塩酸ジフエンヒドラミン等の抗ヒスタミン剤;塩酸プロプラノロール等のβ−ブロツカー剤;スピロノラクトン、アセタゾラミドおよびフロセミド等の利尿剤;カプトプリルおよび塩酸ブナゾシン等の血圧降下剤;塩酸ジルチアゼムおよび硝酸イソソルビド等の冠血管拡張剤;ニフエジピン、塩酸ニカルジピン、ニソルジピンおよびニトレンジピン等のCa拮抗剤;プラバスタチン等の抗高脂血症剤;テオフイリンおよびリン酸コデイン等の鎮咳剤;ペプシンおよびジアスターゼ等の消化剤;合成ケイ酸アルミニウムおよび酸化マグネシウム等の制酸剤;シメチジン等の抗潰瘍剤;リボフラビン等のビタミン剤;テトラサイクリン系、ペニシリン系およびセフエム系等の各種抗生物質;オフロキサシンおよびシプロフロキサシン等の合成抗菌剤;チオコナゾールおよびグリセオフルビン等の抗真菌剤;5−FU等の抗悪性腫瘍剤等が挙げられる。
特に、胃内局所で直接的効果を発揮する薬物(例えば、アセトハイドロキサム酸)、胃または小腸上部で良く吸収される薬物(例えば、シプロフロキサシンおよび塩酸ソタロール)、腸液で分解される薬物または腸液で不安定な薬物(例えば、カプトプリル)、腸液で溶解しにくいまたは腸液での溶解性が悪い薬物(例えば、ジアゼパムおよび塩酸ベラパミル)が好ましい。
水田に浮遊させる錠剤の場合、用いる農薬としては、通常水田に使用されるものであれば何れも使用でき、1種または2種以上を併用しても良い。このような農業活性成分としては、例えば次のものが挙げられる。
殺虫剤としては、例えば、CYAP、MPP、MEP、ECP、ピリミホスメチル、エリトムホス、ダイアジノン、キナルホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、クロルピリホス、ECP、バミドチオン、プロフェノホス、マラソン、PAP、ジメトエート、ホルモチオン、チオメトン、エチルチオメトン、ホサロン、PMP、DMTP、プロチオホス、スルプロホス、ピラクロホス、DDVP、モノクロトホス、BRP、CVMP、ジメチルビンホス、CVP、プロパホス、アセフェート、イソフェンホス、サリチオン、DEP、EPN、エチオン、NAC、MTMC、MIPC、BPMC、PHC、MPMC、XMC、エチオフェンカルブ、ベンダイオカルブ、ピリミカーブ、カルボスルファン、ベンフラカルブ、チオジカルブ、アレスリン、レスメトリン、ペルメトリン、シペルメトリン、シハロトリン、シフルトリン、フェンプロパトリン、トラロメトリン、シクロプロトリン、フェンバレレート、フルシトリネート、フルバリネート、エトフェンプロックス、ピレトリン、ロテノン、硫酸ニコチン、マシン油、なたね油、CPCBS、ケルセン、クロルベンジレート、フェニソブロモレート、テトラジホン、BPPS、キノメチオネート、アミトラズ、ベンゾメート、ビナパクリル、フェノチオカルブ、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ジエノクロル、ポリナクチン複合体、クロフェンテジン、エビゾエピン、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ブプロフェジンおよびBTなどが挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、硫酸銅、消石灰、塩基性硫酸銅カルシウム、塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化第二銅、銅アンモニウム錯塩、オキシン銅、ノニルフェノールスルホン酸銅、DBEDC、テレフタル酸銅、硫黄、多硫化石灰、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、アンバム、ポリカーバメート、有機硫黄ニッケル塩、プロピネブ、ジラム、チウラム、ミルネブ、キャプタン、ジクロフルアニド、TPN、フサライド、IBP、EDDP、トルクロホスメチル、ピラゾホス、ホセチル、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダゾール、チアベンダゾール、イプロジオン、ビンクロゾリン、プロシミドン、フルオルイミド、オキシカルボキシン、メプロニル、フルトラニル、テフロフタラム、トリクラミド、ペンシクロン、メタラキシル、オキサジキシル、トリアジメホン、ビテルタノール、トリフルミゾール、フェナリモル、トリホリン、ブラストサイジンS、カスガマイシン、ポリオキシン、バリダマイシンA、ストレプトマイシン、オキシテトラサイクシン、ミルディオマイシン、PCNB、ヒドロキシイソキサゾール、エクロメゾール、ダゾメット、メタスルホカルブ、硫酸亜鉛、水酸化トリフェニルスズ、MAF、MAFE、ジチアノン、ベンチアゾール、フェナジンオキシド、CNA、DPC、ジメチリモール、ジクロメジン、アニラジン、プロベナゾール、イソプロチオラン、トリシクラゾール、ピロキロン、オキソニック酸、グアザチン、プロパモカルブ塩基塩および大豆レシチンなどが挙げられる。
除草剤としては、例えば、2,4−D、MCP、MCPB、MCPP、トリクロピル、フェノチオール、クロメプロップ、ナプロアニリド、フェノキサプロップエチル、フルアジホップ、CNP、クロメトキシニル、ビフェノックス、MCC、IPC、フェンメデファム、MBPMC、バーナレート、ベンチオカーブ、オルソベンカーブ、エスプロカルブ、モリネート、ジメピペレート、DCPA、アラクロール、ブタクロール、プレチラクロール、メトラクロール、ブロモブチド、メフェナセット、ダイムロン、ベンスルフロンメチル、シメトリン、プロメトリン、ジメタメトリン、ベンタゾン、オキサジアゾン、ピラゾレート、ピラゾキシフェン、ベンゾフェナップ、トリフルラリン、ピペロホス、ブタミホス、ベンスリド、DCBNおよびACNなどが挙げられる。
植物調節剤としては、例えば、イナベンフィド、オキシエチレンドコサノール、ニコチン酸アミドおよびベンジルアミノプリンなどが挙げられる。
錠剤における主薬成分の含有量は、選択する賦形剤、疎水効果を示す成分および主薬成分の種類等によって異なるが、通常5〜95質量%が好ましく、10〜80質量%がより好ましく、15〜70質量%が特に好ましい。
本発明の錠剤には、上記成分の他に、必要に応じて結合剤、滑沢剤、香料、崩壊剤、着色剤、甘味料、矯味剤および防腐剤等を適宜配合することができる。
本明細書において「徐放性効果」とは、薬物が製剤から徐々に放出されることを意味する。本発明の錠剤は中空構造を有することから水に浮遊し、疎水効果を示す成分を含むことから水に崩壊せず、長時間に渡って浮遊・滞留し、主薬成分を水中に放出することにより、徐放性効果を発揮することができる。
また、本発明の錠剤は、特に、胃内で疎水効果を示す成分を含むことにより、胃内で崩壊することなく、長時間にわたり浮遊・滞留して主薬成分を放出することにより、徐放性効果を発揮することができる。そのため、作用部位が胃である薬物や、胃内で吸収が速く腸管での吸収が遅い薬物、吸収部位(absorption window)が小腸上部に限られている薬物、腸内環境で不安定な薬物等に応用することにより、薬効を持続させる徐放性効果を発揮することができる。
放出様式は薬物の性質により適宜選択できる。放出様式としては、具体的には、例えば、1時間後における薬物の放出率が20%程度であり、5時間後の放出率が90%以上であるような、放出様式が挙げられる。放出様式は、賦形剤、疎水効果を示す成分、主薬成分の種類および含有量並びに錠剤の密度等により適宜調整することができる。
本発明の錠剤は、以下の(1)〜(4)の工程を少なくとも含む製造方法により製造することができる。
(1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
(2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
(3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
(4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
以下、各工程について説明する。
(1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
工程(1)は、昇華性固体を打錠してコア部分を作製する工程である。昇華性固体を乳鉢中で乳棒を用いて粉砕し、これを打錠機にて目的とする大きさの臼と杵を用いて圧縮成型し、コア部分を作製する。
本明細書中において「昇華性固体」とは、融点が25℃以上であり、かつ昇華性を示す物質を意味する。具体的には、例えば、メントール、チモールおよびカンファーなどのテルペン類、並びにナフタレンなどの昇華性を有する芳香族炭化水素などが挙げられる。
胃内浮遊型の経口徐放製剤を作成する際には、メントール、チモロールおよびカンファーなどのテルペン類が好ましい。
また、賦形剤に用いる成分の熱安定性や主薬成分の熱安定性により、用いうる昇華性固体は適宜選択できるが、これらの中でもメントールが好ましい。また、メントールは、l−メントールおよびdl−メントールの何れも用いることができる。
本明細書において「コア部分」とは、昇華性物質を打錠等することによって得られる部分構造を意味する。昇華性固体を含むコア部分は、工程(2)における外殻の作製後、工程(3)における加熱処理により除去される。したがって、コア部分の形状そのものが最終的には本発明に係る錠剤の空洞部分となる。
コア部分の大きさおよび形状は、所望する空洞部の大きさおよび形状に合わせて適宜選択することができる。例えば、直径6mm、厚さ1mmの円盤状コア部分を作製すれば、最終的に得られる錠剤の空洞部も直径6mm且つ厚さ1mmの円盤状とすることができる。
昇華性物質を含むコア部分を製造する場合、直接打錠法によって製造しても、乾式造粒法、湿式造粒法等を用いて造粒してから錠剤としても良いが、製造性、生産性、操作性および簡便性の観点から、直接打錠法が好ましい。
直接打錠法によって錠剤を製造する場合、打錠成形機としてはロータリー式打錠機や単発式打錠機など通常使用されるものを用いることができる。打錠圧は、使用する昇華性物質により適宜調整可能であるが、通常300〜2000kgが好ましく、100〜1000kgがより好ましい。
昇華性固体を含むコア部分の形状としては、例えば、円形、並びに楕円形、長円形および四角形等の面形を有する各種異形形状が挙げられる。
(2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
工程(2)は、工程(1)で作製した昇華性固体を含むコア部分の外側に、賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠とする工程である。本明細書において「外殻」とは、通常、錠剤の外層を意味する。本発明の錠剤においては、空洞部の周囲に位置する固体部分を意味する。なお、外殻は主薬成分を含有してもよい。
外殻の形成は次のように行う。賦形剤を含む外殻構成物質の一部を低打圧で打錠する。主薬成分を本発明の錠剤に含有させる場合、前記外殻構成物質に主薬成分を混合する。ここで、低打圧とは、5〜40kgが好ましく、7〜25kgがより好ましく、10〜15kgが特に好ましい。また、低打圧で打錠する際の外殻構成物質の一部とは、外殻構成物質の全量の1/4〜1/2が好ましく、全量の1/3がより好ましい。
次いで、工程(1)で得られたコア部分を低打圧で打錠した外殻構成物質の中心部に置き、更にその上から外殻構成物質の残量を充填し、打錠機にて圧縮成型することで有核錠を得ることができる。また、本工程における有核錠は、連続式有核打錠機を用いても製造することができる。圧縮成型する際の打錠圧は、使用する賦形剤により適宜調整可能であるが、300〜2000kgが好ましく、500〜1500kgがより好ましい。
外殻の形状としては、例えば、円形、並びに楕円形、長円形および四角形等の面形を有する各種異形形状が挙げられる。
(3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
工程(3)は、工程(2)で得られた有核錠の外殻の内側に位置するコア部分に含まれる昇華性固体を、加熱することにより溶融・昇華させて除去する工程である。工程(2)で得られた有核錠を加熱処理することで、コア部分に含有される昇華性固体が外殻の内部を通って外部に流出・昇華することでコア部が除去される。
加熱方法としては、例えば、工程(2)で得られた有核錠を加熱したオーブン中に静置する方法が挙げられる。
加熱の条件は、賦形剤として用いる成分の熱安定性、主薬成分の熱安定性、および昇華性固体の性質により適宜選択することができ、特に限定されないが、加熱温度は、通常60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が特に好ましい。また、加熱時間は、通常60〜180分が好ましく、80〜120分がより好ましく、90〜100分が特に好ましい。
具体的には、例えば、メントールをコアに用い、かつ常圧で除去する場合、加熱温度は通常50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上が特に好ましい。また、メントールをコアに用い、かつ常圧で除去する場合、加熱時間は、通常60〜180分が好ましく、60〜120分がより好ましく、60〜90分が特に好ましい。
また、例えば、賦形剤としてD−マンニトール150mgを用いて作製した外殻を有し、75mgのメントールを含むコア部分を外殻内の中心部分に含有する錠剤の場合、80℃で1時間加熱することにより、完全にコア部分が除去された中空の錠剤が得られる。
(4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
工程(4)は、工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、あらかじめ加熱溶融させた疎水効果を示す成分に浸漬させる工程である。また、浸漬時間は適宜設定できるが、短時間で十分な効果を示す。具体的には、通常30秒間〜5分間が好ましく、1〜3分間がより好ましく、1分が特に好ましい。本工程を経ることにより、薬物放出速度が劇的に変化し、即溶性の薬物放出の徐放化が可能となる。
疎水効果を示す成分に浸漬させた錠剤は、熱溶融した疎水効果を示す成分から取り出し、熱溶融した成分の融点以下に放置することにより冷却する。冷却温度は適宜選択できるが、操作の簡便性から、室温に放置することが好ましい。疎水効果を示す成分に浸漬させた錠剤を冷却することにより、錠剤内部に浸透した疎水効果を示す成分が冷却・固化される。
冷却条件としては、具体的には、例えば、「胃内で疎水効果を示す成分」としてステアリルアルコールを用いた場合、ステアリルアルコールの熱溶融物中から取り出された錠剤を、室温で約10秒間放置する方法が挙げられる。
また、本発明における製造方法は極めて容易であり、昇華性固体が極めて短時間でかつ完全に除去でき、錠剤に十分な浮遊性を持たせることができる。また、胃内で疎水効果を示す成分を浸漬する工程も約1分と短く、製造を容易にしている。胃内で疎水効果を示す成分を適宜選択することにより、徐放性効果の異なる錠剤を作製することも容易である。
[実施例]
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。
[実施例1]
l−メントール(関東化学,特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠した錠剤の中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部分の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させて、中空製剤を作製した。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.740±0.002g/cmであった。
得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させた硬化ヒマシ油(商品名 ラブリワックス101、フロイント産業)の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.872±0.022g/cmであった。
[実施例2]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリルアルコール(商品名 NAA−45、日本油脂)の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.827±0.021g/cmであった。
[実施例3]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリン酸モノグリセライド(商品名 MGS−AMV、日本サーファクタント工業)の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.841±0.034g/cmであった。
[実施例4]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリン酸モノグリセライド(商品名 MGS−AMV、日本サーファクタント工業)と硬化ヒマシ油(商品名 ラブリワックス101、フロイント産業)の質量比1:1混合物の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.818±0.008g/cmであった。
[実施例5]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリルアルコール(商品名 NAA−45、日本油脂)と硬化ヒマシ油(商品名 ラブリワックス101、フロイント産業)の質量比1:1混合物の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.857±0.004g/cmであった。
[実施例6]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)60mg及びファモチジン90mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力800kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリン酸モノグリセライド(商品名 MGS−AMV、日本サーファクタント工業)と硬化ヒマシ油(商品名 ラブリワックス101、フロイント産業)の質量比1:1混合物の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.853±0.015g/cmであった。
[実施例7]
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)30mg及びファモチジン120mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力800kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。
その後、得られた有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。得られた中空製剤を、90℃の水浴上で溶融させたステアリン酸モノグリセライド(商品名 MGS−AMV、日本サーファクタント工業)と硬化ヒマシ油(商品名 ラブリワックス101、フロイント産業)の質量比1:1混合物の中に1分間浸漬させた後、速やかに取り出し、室温で冷却固化させて錠剤を得た。得られた錠剤の比重を式1により計算した結果、0.856±0.007g/cm3であった。
次に参考例および試験例を示し、本発明の有用性を示す。
(参考例1)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力10kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上からマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)100mgをコア部分の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力600kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで加熱してl−メントールを溶融・昇華させた。
(参考例2)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として結晶セルロース(商品名 セオラスPH−102、旭化成ケミカルズ)50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力20kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から結晶セルロース(商品名 セオラスPH−102、旭化成ケミカルズ)100mgをコア部分の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力500kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで加熱してl−メントールを溶融・昇華させた。
(参考例3)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として乳糖(200M、フォンテラ)50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力12kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から乳糖(200M、フォンテラ)100mgをコア部分の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力750kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで加熱してl−メントールを溶融・昇華させた。
(参考例4)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。これとは別に、外殻成分としてヒプロメロース(商品名 メトローズ90SH−4000SR、信越化学工業)50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力25kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上からヒプロメロース(商品名 メトローズ90SH−4000SR、信越化学工業)100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力900kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで加熱してl−メントールを溶融・昇華させた。
(参考例5)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分としてアミノアルキルメタクリレートコポリマー(商品名 オイドラギットRS PO、デグサ)50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上からアミノアルキルメタクリレートコポリマー(商品名 オイドラギットRS PO、デグサ)100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1200kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで加熱してl−メントールを溶融・昇華させた。
(比較例1)
l−メントール(関東化学、特級)を乳鉢ですりつぶした後、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径6mmの臼及び平面杵を用いて質量75mgとなるように、圧力500kgで打錠することでコア部分の錠剤を得た。
コア部分の錠剤とは別に、外殻成分として850μmの篩を通したマンニトール(商品名 マンニット−P、東和化成工業)120mg及びファモチジン30mgを混合した粉末を調製し、このうち50mgを打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて、圧力15kgで打錠した。
外殻成分を打錠したものの中心部分に先ほど作製したコア部分の錠剤を置き、さらにこの上から残りの外殻成分100mgをコア部の錠剤を覆うように充填し、打錠機(畑鉄工所、HT−AP−18−SSII)にて直径8.5mmの臼及び平面杵を用いて圧力1000kgで打錠することにより、1錠質量225mgの有核錠を得た。その後、該有核錠を80℃のオーブンで90分間加熱してl−メントールを溶融・昇華させ、中空製剤を作製した。
(試験例1)中空構造の製造容易性
図1は、参考例1〜5の有核錠を80℃のオーブン中で加熱したときの質量変化を示したものである。外殻にマンニトール(参考例1)、結晶セルロース(参考例2)、乳糖(参考例3)を用いたものはl−メントールが容易に除去され、中空製剤が作製できた。外殻にヒプロメロース(参考例4)を用いたものは、l−メントールの除去に時間がかかり、且つ、昇華する際にヒプロメロースが若干膨張し、外殻がもろくなり実用的ではなかった。
外殻にオイドラギットRSPO(参考例5)を用いたものは、オイドラギットRSPOのガラス転移点がオーブンの80℃よりも低いために軟化し、l−メントールの抜け道が塞がれ、ほとんどl−メントールが除去されず、中空製剤が作製できなかった。
(試験例2)溶出試験および浮遊性試験
試験液に0.01M塩酸900mLを用い、パドル法により毎分100回転で溶出試験を行った。溶出試験開始後1、2、3、4、5及び6時間後に孔径0.45μmのメンブランフィルターを通してサンプリングを行い、以下の条件で液体クロマトグラフ法にて溶出率を算出した。浮遊性試験は試験開始後30分おきに目視にて確認した。
液体クロマトグラフィーによる試験条件
カラム:Inertsil ODS−3、内径4.6mm、長さ250mm、粒径5μm、ジーエルサイエンス製
移動相:20mMリン酸二水素ナトリウム水溶液/液体クロマトグラフィー用メタノール混液(4:1)
検出器:紫外可視吸光光度計(測定波長:254nm)
浮遊性試験の結果を表1に示す。表1に示すように、第4工程および第5工程を行わなかった比較例1は、試験開始直後は浮くが、マンニトールが水によく溶けるため数十秒で崩壊して沈んだ。一方、第4工程および第5工程を行った実施例1〜7は試験開始後6時間まで浮いていた。すなわち、実施例1〜7の錠剤は、長時間にわたり胃内に浮遊し滞留することが期待される。なお、コア部分を除去していない錠剤は、全く浮遊しなかった。
Figure 2011004799
溶出試験の結果を表2に示す。溶出率は、「各溶出時間における錠剤から放出された主薬成分の量」÷「1錠中の主薬成分含量」×100により算出した。なお、本試験で使用した主薬成分であるファモチジンは、酸性条件下で分解するため、上記式の「各溶出時間における錠剤から放出された主薬成分の量」は、ファモチジンの量とその分解物の量を合算して算出した。
表2に示すように、第4工程および第5工程を行わなかった比較例1は、直ぐに錠剤が崩壊し、徐放性を示さなかった。それに対し、実施例は様々な程度の徐放性を示した。この徐放性の違いは、浸透させるワックス成分の水溶性の違いにより制御されていると考えられる。
Figure 2011004799
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更および変形が可能であることは、当業者にとって明らかである。なお、本出願は、2009年7月6日付けで出願された日本特許出願(特願2009−159804号)、2009年11月2日付けで出願された日本特許出願(特願2009−251715号)に基づいており、その全体が引用により援用される。
本発明によれば、簡便な製法により、水に浮遊して滞留することにより薬物の持続的放出を可能とする汎用性の高い錠剤を得ることができ、有用である。本発明の錠剤は、胃内滞留製剤、水質浄化剤、浮遊性農薬製剤、プール等用の浮遊性塩素剤、プール等用の浮遊性清浄剤、プール等用の浮遊性除藻剤、浮遊性徐溶型入浴剤、観賞魚用浮遊性給餌剤および浮遊性の釣り餌剤などに適用することができる。

Claims (19)

  1. 中心部分に空洞部を有する中空構造を有し、糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1の賦形剤並びに疎水効果を示す成分を含む、水に浮遊可能である錠剤。
  2. 以下の(1)〜(4)の工程を少なくとも含む製造方法により得られる水に浮遊可能である錠剤。
    (1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
    (2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
    (3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
    (4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
  3. 疎水効果を示す成分が、胃内で疎水効果を示す成分である、請求項1または2に記載の錠剤。
  4. 密度が1g/cm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の錠剤。
  5. 空洞部以外の部分に主薬成分を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の錠剤。
  6. 徐放性効果を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の錠剤。
  7. 賦形剤が、マンニトール、結晶セルロースおよび乳糖並びにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1である請求項1〜6のいずれか1項に記載の錠剤。
  8. 疎水効果を示す成分が、高級アルコールおよび高級脂肪酸グリセリンエステルの少なくとも1である請求項1〜7のいずれか1項に記載の錠剤。
  9. 疎水効果を示す成分が、ステアリルアルコール、セチルアルコール、硬化ヒマシ油およびステアリン酸モノグリセライドから選ばれる少なくとも1である請求項1〜8のいずれか1項に記載の錠剤。
  10. 以下の工程を少なくとも含む中空構造を有する水に浮遊可能である錠剤の製造方法。
    (1)昇華性固体を含むコア部分を作製する工程
    (2)工程(1)で得られたコア部分が中心部分に位置するように、該コア部分の外側に糖アルコール、糖、セルロース誘導体およびスターチ類から選ばれる少なくとも1以上の賦形剤を含む外殻を形成し、有核錠を作製する工程
    (3)工程(2)で得られた有核錠を加熱することによりコア部分に含まれる昇華性固体を除去して、中空構造を有する錠剤を得る工程
    (4)工程(3)で得られた中空構造を有する錠剤を、疎水効果を示す成分に浸漬させる工程
  11. 疎水効果を示す成分が、胃内で疎水効果を示す成分である、請求項10に記載の製造方法。
  12. 昇華性固体がテルペン類および昇華性を有する芳香族炭化水素の少なくとも1である請求項10または11に記載の製造方法。
  13. テルペン類が、メントール、チモールおよびカンファーから選ばれる少なくとも1である請求項12に記載の製造方法。
  14. 工程(2)における外殻部に主薬成分を含有させる請求項10〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 賦形剤が、マンニトール、結晶セルロースおよび乳糖並びにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1である請求項10〜14のいずれか1項に記載の製造方法。
  16. 疎水効果を示す成分が、高級アルコールおよび高級脂肪酸グリセリンエステルの少なくとも1である請求項10〜15のいずれか1項に記載の製造方法。
  17. 疎水効果を示す成分が、ステアリルアルコール、セチルアルコール、硬化ヒマシ油およびステアリン酸モノグリセライドから選ばれる少なくとも1である請求項10〜16のいずれか1項に記載の製造方法。
  18. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤を用いることによる、錠剤の胃内滞留方法。
  19. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の錠剤を用いることによる、胃内での持続的な薬物放出方法。
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