JPH05255067A - 浮遊性製剤およびその製造方法 - Google Patents
浮遊性製剤およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH05255067A JPH05255067A JP4131569A JP13156992A JPH05255067A JP H05255067 A JPH05255067 A JP H05255067A JP 4131569 A JP4131569 A JP 4131569A JP 13156992 A JP13156992 A JP 13156992A JP H05255067 A JPH05255067 A JP H05255067A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- drug
- preparation
- porous
- coating
- powder
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- Withdrawn
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Landscapes
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Medicinal Preparation (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 製剤を胃液中で浮遊させ、薬物の溶出を持続
させる。 【構成】 浮遊性製剤は、少なくとも、多孔性セルロー
ス類と、医薬などの薬物とを含み、水に対して30分以
上浮遊する。多孔性セルロース類には、薬物を担持させ
てもよく、薬物を含む被膜を施してもよい。高い浮遊性
を付与するため、多孔性セルロース類を被膜で被覆した
後、薬物を担持したり、薬物を含む被膜で被覆してもよ
い。薬物は結合剤などの添加剤と共に使用してもよい。
浮遊性製剤は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの
固形製剤として使用できる。
させる。 【構成】 浮遊性製剤は、少なくとも、多孔性セルロー
ス類と、医薬などの薬物とを含み、水に対して30分以
上浮遊する。多孔性セルロース類には、薬物を担持させ
てもよく、薬物を含む被膜を施してもよい。高い浮遊性
を付与するため、多孔性セルロース類を被膜で被覆した
後、薬物を担持したり、薬物を含む被膜で被覆してもよ
い。薬物は結合剤などの添加剤と共に使用してもよい。
浮遊性製剤は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤などの
固形製剤として使用できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品・医薬品・農薬な
どの分野において、生理活性物質の溶出を持続させるこ
とができる浮遊性製剤およびその製造方法に関する。
どの分野において、生理活性物質の溶出を持続させるこ
とができる浮遊性製剤およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、食品・医薬品・農薬などの薬物
放出制御システム(ドラッグデリバリーシステム)に関
する検討が数多く行われている。特に経口投与剤形にお
いては、胃内の滞留時間を長くして、徐放性を高めるた
め、比重が1よりも小さく、胃液中に浮遊する製剤が提
案されている。例えば、特公昭55−12411号公報
には、ゼラチン硬カプセル、発泡スチロール、および発
泡ライスなどの発泡穀物などの中空材料に、耐胃液被膜
を施した後、薬物を被覆して、胃液中に浮遊・滞留させ
ている。
放出制御システム(ドラッグデリバリーシステム)に関
する検討が数多く行われている。特に経口投与剤形にお
いては、胃内の滞留時間を長くして、徐放性を高めるた
め、比重が1よりも小さく、胃液中に浮遊する製剤が提
案されている。例えば、特公昭55−12411号公報
には、ゼラチン硬カプセル、発泡スチロール、および発
泡ライスなどの発泡穀物などの中空材料に、耐胃液被膜
を施した後、薬物を被覆して、胃液中に浮遊・滞留させ
ている。
【0003】しかし、前記中空材料や浮遊性材料が大き
いため、得られる製剤の大きさが必然的に大きくなり、
細粒や顆粒を得るのが困難であると共に、薬物の徐放効
果が十分でない。
いため、得られる製剤の大きさが必然的に大きくなり、
細粒や顆粒を得るのが困難であると共に、薬物の徐放効
果が十分でない。
【0004】特公昭63−8084号公報には、薬物、
薬理的に許容される添加物質、比重が1よりも小さい脂
肪物質、および胃液と接触した際、混合物の表面に水不
透過性障壁を与えるヒドロコロイド類とを含み、胃液と
接触した際に浮遊する嵩密度に調節されている徐放性薬
物配合物が開示されている。また、特公平1−5708
6号公報には、水中においてゲルを形成する物質、常温
で固体の油脂、および薬物を混合して成形し、前記油脂
の融点以上に加熱して冷却することにより、閉じられた
微細な空隙を内包した徐放性製剤が開示されている。
薬理的に許容される添加物質、比重が1よりも小さい脂
肪物質、および胃液と接触した際、混合物の表面に水不
透過性障壁を与えるヒドロコロイド類とを含み、胃液と
接触した際に浮遊する嵩密度に調節されている徐放性薬
物配合物が開示されている。また、特公平1−5708
6号公報には、水中においてゲルを形成する物質、常温
で固体の油脂、および薬物を混合して成形し、前記油脂
の融点以上に加熱して冷却することにより、閉じられた
微細な空隙を内包した徐放性製剤が開示されている。
【0005】しかしながら、これらの配合物や製剤で
は、前記脂肪物質、ヒドロコロイド類や、水中において
ゲルを形成する物質を多量に必要とし、薬物の含有量が
制限される。
は、前記脂肪物質、ヒドロコロイド類や、水中において
ゲルを形成する物質を多量に必要とし、薬物の含有量が
制限される。
【0006】さらに、特開平2−250822号公報に
は、腸溶性ポリマーを主体とする外層中に薬物が分散し
た、中空の球状構造を有する中空顆粒状医薬が開示され
ている。しかしながら、この医薬を得るためには、中空
とするための有機溶剤が必要である。
は、腸溶性ポリマーを主体とする外層中に薬物が分散し
た、中空の球状構造を有する中空顆粒状医薬が開示され
ている。しかしながら、この医薬を得るためには、中空
とするための有機溶剤が必要である。
【0007】特開昭62−195323号公報には、中
心粒が、胃液との接触により気体を発生する発泡層と、
発生した気体を保留する膨脹膜とで順次被覆された胃内
滞留型粒子が開示されている。しかし、前記中心粒自体
が胃内で浮遊するものではない。また、発泡層の成分と
して炭酸水素塩及び有機酸を必要とするので、製剤上、
制約を受ける。
心粒が、胃液との接触により気体を発生する発泡層と、
発生した気体を保留する膨脹膜とで順次被覆された胃内
滞留型粒子が開示されている。しかし、前記中心粒自体
が胃内で浮遊するものではない。また、発泡層の成分と
して炭酸水素塩及び有機酸を必要とするので、製剤上、
制約を受ける。
【0008】特開昭63−243036号公報には、ケ
イ酸カルシウムとヒドロキシプロピルメチルセルロース
とを用いて胃内滞留型固形剤が開示されている。しか
し、ケイ酸カルシウムは、pHが8.4〜10.2程度
のアルカリ性物質であるため、使用可能な薬物が制約さ
れる。
イ酸カルシウムとヒドロキシプロピルメチルセルロース
とを用いて胃内滞留型固形剤が開示されている。しか
し、ケイ酸カルシウムは、pHが8.4〜10.2程度
のアルカリ性物質であるため、使用可能な薬物が制約さ
れる。
【0009】また、特開平3−101615号公報に
は、ポリアクリル酸塩などの高吸水性高分子に水を吸水
させたヒドロゲルに被膜を施して乾燥し、ヒドロゲルの
体積減少により中空の顆粒を得た後、さらに、顆粒に、
胃液に対して難溶性又は不溶性被膜を施すことにより、
胃内浮游性製剤を得る方法が開示されている。しかし、
ぬの方法は、工程数が多いだけでなく、吸水能の高い高
分子から水を除去するのに長時間を必要とし、製剤の生
産性を高めるのが困難である。また、高吸水性高分子を
中空の顆粒とする際、ヒドロゲル間を分離するため、ス
テアリン酸金属塩等の分離剤が必要である。
は、ポリアクリル酸塩などの高吸水性高分子に水を吸水
させたヒドロゲルに被膜を施して乾燥し、ヒドロゲルの
体積減少により中空の顆粒を得た後、さらに、顆粒に、
胃液に対して難溶性又は不溶性被膜を施すことにより、
胃内浮游性製剤を得る方法が開示されている。しかし、
ぬの方法は、工程数が多いだけでなく、吸水能の高い高
分子から水を除去するのに長時間を必要とし、製剤の生
産性を高めるのが困難である。また、高吸水性高分子を
中空の顆粒とする際、ヒドロゲル間を分離するため、ス
テアリン酸金属塩等の分離剤が必要である。
【0010】さらに、これらの製剤を得るためには、特
殊な製造装置が必要であり、簡便に浮遊性製剤を得るこ
とができない。
殊な製造装置が必要であり、簡便に浮遊性製剤を得るこ
とができない。
【0011】一方、多孔性セルロースとエテンザミドと
を混合し、熱処理してエテンザミドを非晶質化すると、
結晶性セルロースを用いた場合よりも、エテンザミドが
早く溶出することが、仲井らにより報告されている[日
本薬剤学会第6年会(平成2年9月26日)、千葉市民
会館]。また、特開平1−272643号公報には多孔
性セルロース粒子が医薬品の吸着担体として利用できる
ことが開示され、特開平2−84401号公報には、多
孔性セルロース粒子と昇華性薬物とを混合して前記薬物
を吸着させると、薬物の溶出速度が著しく早くなること
が開示されている。
を混合し、熱処理してエテンザミドを非晶質化すると、
結晶性セルロースを用いた場合よりも、エテンザミドが
早く溶出することが、仲井らにより報告されている[日
本薬剤学会第6年会(平成2年9月26日)、千葉市民
会館]。また、特開平1−272643号公報には多孔
性セルロース粒子が医薬品の吸着担体として利用できる
ことが開示され、特開平2−84401号公報には、多
孔性セルロース粒子と昇華性薬物とを混合して前記薬物
を吸着させると、薬物の溶出速度が著しく早くなること
が開示されている。
【0012】しかし、これらの先行技術文献には、水に
対して浮遊し、徐放性を有する製剤については何ら記載
されておらず、使用されている多孔性セルロースは微粒
又は粉砕品であり、水に浮かべるとすぐに吸水し、水底
に沈む。さらに、薬物の溶出性を高めるには、熱処理を
必要とするので、加熱により分解する薬物には適用でき
ないばかりか、製剤の生産性が低下する。
対して浮遊し、徐放性を有する製剤については何ら記載
されておらず、使用されている多孔性セルロースは微粒
又は粉砕品であり、水に浮かべるとすぐに吸水し、水底
に沈む。さらに、薬物の溶出性を高めるには、熱処理を
必要とするので、加熱により分解する薬物には適用でき
ないばかりか、製剤の生産性が低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水に対して浮遊し、徐放性の高い浮遊性製剤を提供
することにある。
は、水に対して浮遊し、徐放性の高い浮遊性製剤を提供
することにある。
【0014】本発明の他の目的は、粒子径が小さく、徐
放性に優れた浮遊性製剤を提供することにある。
放性に優れた浮遊性製剤を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、上記の如き優
れた特性を有する製剤を簡単に、しかも単純な組成で製
造できる方法を提供することにある。
れた特性を有する製剤を簡単に、しかも単純な組成で製
造できる方法を提供することにある。
【0016】
【発明の構成】本発明者らは、鋭意検討した結果、多孔
性セルロース類を含む製剤は、多孔性セルロース類に含
まれる細孔の空気層に起因して、水などに対して浮遊す
ることを見いだし、本発明を完成した。
性セルロース類を含む製剤は、多孔性セルロース類に含
まれる細孔の空気層に起因して、水などに対して浮遊す
ることを見いだし、本発明を完成した。
【0017】すなわち、本発明は、多孔性セルロース類
と薬物とを含み、水に対して浮遊する浮遊性製剤を提供
する。
と薬物とを含み、水に対して浮遊する浮遊性製剤を提供
する。
【0018】また、本発明は、多孔性セルロース類に薬
物を担持させたり、多孔性セルロース類を、薬物を含む
被膜で被覆する浮遊性製剤の製造方法を提供する。
物を担持させたり、多孔性セルロース類を、薬物を含む
被膜で被覆する浮遊性製剤の製造方法を提供する。
【0019】さらに、本発明は、前記製剤を含有する固
形製剤を提供する。
形製剤を提供する。
【0020】なお、本明細書において、「浮遊」とは、
製剤が、液の表面に限らず、液中で浮遊する場合も含ま
れる。「水に対して浮遊する」とは、第11改正日本薬
局方・一般試験法46溶出試験法に用いる容器を用い
て、温度37℃の水900mlを入れた水面上に製剤を
散布し、静置する浮遊試験において、製剤が30分間で
容器の底に沈降しないことを意味する。「担持」及び
「担持層」とは、多孔性セルロース類の表面全体に限ら
ず、部分的に担持されている場合や、吸着、吸収、被覆
されている場合も含む意味に用いる。「被膜」とは、多
孔性セルロース類の表面全体を被覆する連続した層でな
くてもよく、部分的に被覆する場合も含む意味に用い
る。
製剤が、液の表面に限らず、液中で浮遊する場合も含ま
れる。「水に対して浮遊する」とは、第11改正日本薬
局方・一般試験法46溶出試験法に用いる容器を用い
て、温度37℃の水900mlを入れた水面上に製剤を
散布し、静置する浮遊試験において、製剤が30分間で
容器の底に沈降しないことを意味する。「担持」及び
「担持層」とは、多孔性セルロース類の表面全体に限ら
ず、部分的に担持されている場合や、吸着、吸収、被覆
されている場合も含む意味に用いる。「被膜」とは、多
孔性セルロース類の表面全体を被覆する連続した層でな
くてもよく、部分的に被覆する場合も含む意味に用い
る。
【0021】前記多孔性セルロース類としては、例え
ば、ビスコースと炭酸カルシウムなどの発泡剤との混合
液を凝固液に添加し、セルロースの凝縮・再生と発泡剤
の分解を同時に行なわせて得られる多孔性セルロース類
[藤田ら、化学工学会第23会秋季大会予稿集(平成2
年10月21日)、金沢大学]、特開昭64−4353
0号公報、特開平1−167345号公報、特開平1−
188539号公報、特開平1−272643号公報、
特開平2−84401号公報、特開平2−208330
号公報および特開平2−2081331号公報に開示さ
れている多孔性セルロース類、さらには、例えば麻セル
ロースを酵素処理、鉱酸処理した多孔性セルロース類な
どが挙げられる。これらの多孔性セルロース類は、結晶
性であってもよく非結晶性であってもよい。
ば、ビスコースと炭酸カルシウムなどの発泡剤との混合
液を凝固液に添加し、セルロースの凝縮・再生と発泡剤
の分解を同時に行なわせて得られる多孔性セルロース類
[藤田ら、化学工学会第23会秋季大会予稿集(平成2
年10月21日)、金沢大学]、特開昭64−4353
0号公報、特開平1−167345号公報、特開平1−
188539号公報、特開平1−272643号公報、
特開平2−84401号公報、特開平2−208330
号公報および特開平2−2081331号公報に開示さ
れている多孔性セルロース類、さらには、例えば麻セル
ロースを酵素処理、鉱酸処理した多孔性セルロース類な
どが挙げられる。これらの多孔性セルロース類は、結晶
性であってもよく非結晶性であってもよい。
【0022】これらの多孔性セルロース類の空孔構造
は、特に制限されないが、例えば、断面において放射状
に細かな空孔が多数形成された構造(以下、A型と記載
する場合がある)、大きな空孔が形成された構造(以
下、B型と記載する場合がある)、細かな空孔と大きな
空孔とが混在する構造などのいずれであってもよい。空
孔は、連続的に繋っていてもよく、独立していてもよ
い。
は、特に制限されないが、例えば、断面において放射状
に細かな空孔が多数形成された構造(以下、A型と記載
する場合がある)、大きな空孔が形成された構造(以
下、B型と記載する場合がある)、細かな空孔と大きな
空孔とが混在する構造などのいずれであってもよい。空
孔は、連続的に繋っていてもよく、独立していてもよ
い。
【0023】多孔性セルロース類の形状は、製剤の用途
に応じて選択できる。製剤が固形の経口投与剤である場
合には、粒状、角形状、球状、楕円形状、偏平形状、円
柱状、中空円筒状などのいずれの形状であってもよい。
通常、粒状の多孔性セルロース類が繁用される。
に応じて選択できる。製剤が固形の経口投与剤である場
合には、粒状、角形状、球状、楕円形状、偏平形状、円
柱状、中空円筒状などのいずれの形状であってもよい。
通常、粒状の多孔性セルロース類が繁用される。
【0024】粒状の多孔性セルロース類の大きさ、孔径
とその分布は、所望する浮遊性、薬物の徐放性などに応
じて選択できる。好ましい粒状の多孔性セルロース類の
平均粒子径は、例えば、0.001〜10mm程度であ
り、平均孔径分布は、0.0001〜150μm、好ま
しくは0.001〜150μm程度である。また、好ま
しい多孔性セルロース類の見掛比重は、0.01〜0.
8g/ml程度である。多孔性セルロース類の組成は、
セルロース単体に限らず、キチンとの複合粒子、各種の
官能基を付与したセルロース(例えば、ジエチルアミノ
エチル化セルロース、カルボキシメチル化セルロースな
ど)などであってもよい。
とその分布は、所望する浮遊性、薬物の徐放性などに応
じて選択できる。好ましい粒状の多孔性セルロース類の
平均粒子径は、例えば、0.001〜10mm程度であ
り、平均孔径分布は、0.0001〜150μm、好ま
しくは0.001〜150μm程度である。また、好ま
しい多孔性セルロース類の見掛比重は、0.01〜0.
8g/ml程度である。多孔性セルロース類の組成は、
セルロース単体に限らず、キチンとの複合粒子、各種の
官能基を付与したセルロース(例えば、ジエチルアミノ
エチル化セルロース、カルボキシメチル化セルロースな
ど)などであってもよい。
【0025】本発明の製剤は、少なくとも前記多孔性セ
ルロース類と薬物とを含んでいる。
ルロース類と薬物とを含んでいる。
【0026】前記薬物には、例えば、生理活性を有する
種々の物質、例えば、各種ビタミン類、ミネラル類、ア
ミノ酸類などの飼料又は食品用添加物;殺虫剤、殺菌剤
などの農薬;医薬などが含まれる。好ましい薬物は医薬
である。薬物としては、例えば、中枢神経系薬物とし
て、ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフ
ェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、
ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロ
ラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノ
フェン、エテンザミド、ケトプロフェンなど;循環器系
薬物として、モルシドミン、ビンポセチン、プロプラノ
ロール、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、ト
リアムテレン、ニフェジピン、アテノロール、スピロノ
ラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリ
ル、硝酸イソソルビドなど;呼吸器系薬物として、3−
(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イール)オ
キシ−2,2−ジメチルプロパンスルフォンアミド塩酸
塩(以下、化合物Aと記載することがある)、アムレキ
サノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、プ
ソイドエフェドリン、サルブタモール、グアイフェネシ
ンなど;消化器系薬物として、ランソプラゾール、オメ
プラゾールなどのベンツイミダゾール系薬物、シメチジ
ン、ラニチジン、パンクレアチン、ビサコジル、5−ア
ミノサリチル酸など;抗生物質及び化学療法剤として、
塩酸セフォチアムヘキセチル、セファレキシン、セファ
クロール、セフラジン、アモキシシリン、ピバンピシリ
ン、バカンピシリン、ジクロキサシリン、エリスロマイ
シン、エリスロマイシンステアレート、リンコマイシ
ン、ドキシサイクリン、トリメトプリム/スルファメト
キサゾールなど;代謝系薬物として、セラペプターゼ、
塩化リゾチーム、アデノシントリフォスフェート、グリ
ペンクラミド、塩化カリウムなど;ビタミン系薬物とし
ては、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビ
タミンC、フルスルチアミンなど;ビタミンA、ビタミ
ンEなどのオイル状薬剤;生薬エキスなどの液状やスラ
リー状薬剤;制酸剤などが挙げられる。これらの薬物は
一種または二種以上使用できる。
種々の物質、例えば、各種ビタミン類、ミネラル類、ア
ミノ酸類などの飼料又は食品用添加物;殺虫剤、殺菌剤
などの農薬;医薬などが含まれる。好ましい薬物は医薬
である。薬物としては、例えば、中枢神経系薬物とし
て、ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフ
ェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、
ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロ
ラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノ
フェン、エテンザミド、ケトプロフェンなど;循環器系
薬物として、モルシドミン、ビンポセチン、プロプラノ
ロール、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、ト
リアムテレン、ニフェジピン、アテノロール、スピロノ
ラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリ
ル、硝酸イソソルビドなど;呼吸器系薬物として、3−
(イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イール)オ
キシ−2,2−ジメチルプロパンスルフォンアミド塩酸
塩(以下、化合物Aと記載することがある)、アムレキ
サノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、プ
ソイドエフェドリン、サルブタモール、グアイフェネシ
ンなど;消化器系薬物として、ランソプラゾール、オメ
プラゾールなどのベンツイミダゾール系薬物、シメチジ
ン、ラニチジン、パンクレアチン、ビサコジル、5−ア
ミノサリチル酸など;抗生物質及び化学療法剤として、
塩酸セフォチアムヘキセチル、セファレキシン、セファ
クロール、セフラジン、アモキシシリン、ピバンピシリ
ン、バカンピシリン、ジクロキサシリン、エリスロマイ
シン、エリスロマイシンステアレート、リンコマイシ
ン、ドキシサイクリン、トリメトプリム/スルファメト
キサゾールなど;代謝系薬物として、セラペプターゼ、
塩化リゾチーム、アデノシントリフォスフェート、グリ
ペンクラミド、塩化カリウムなど;ビタミン系薬物とし
ては、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ビ
タミンC、フルスルチアミンなど;ビタミンA、ビタミ
ンEなどのオイル状薬剤;生薬エキスなどの液状やスラ
リー状薬剤;制酸剤などが挙げられる。これらの薬物は
一種または二種以上使用できる。
【0027】前記薬物は、添加剤と併用してもよい。添
加剤としては、経口の固形製剤を製造する際に一般に使
用される慣用の成分、例えば、乳糖、コーンスターチ、
ショ糖、タルク、結晶セルロース、マンニトール、軽質
無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−
システインなどの賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロー
ス(以下、HPCと称することがある)、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、部分
アルファー化デンプン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、
デキストリン、アラビアゴムなどの結合剤;カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース(以下、L−HPCと称することがあ
る)、デンプン類、クロスリンクドカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、クロスリンクドインソルブルポリ
ビニルピロリドンなどの崩壊剤;酸化チタン、ベンガ
ラ、タール色素などの着色剤;l−メントール、ハッカ
油などの矯味剤などが挙げられる。
加剤としては、経口の固形製剤を製造する際に一般に使
用される慣用の成分、例えば、乳糖、コーンスターチ、
ショ糖、タルク、結晶セルロース、マンニトール、軽質
無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−
システインなどの賦形剤;ヒドロキシプロピルセルロー
ス(以下、HPCと称することがある)、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、アルファー化デンプン、部分
アルファー化デンプン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、
デキストリン、アラビアゴムなどの結合剤;カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロ
ピルセルロース(以下、L−HPCと称することがあ
る)、デンプン類、クロスリンクドカルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、クロスリンクドインソルブルポリ
ビニルピロリドンなどの崩壊剤;酸化チタン、ベンガ
ラ、タール色素などの着色剤;l−メントール、ハッカ
油などの矯味剤などが挙げられる。
【0028】さらに、添加剤には、味のマスキング、水
分や水の移行を制御するバリアー、薬物及び/又は添加
剤間の分離、腸溶性、胃溶性などを付与するための、腸
溶性、胃溶性または不溶性の被膜形成用基剤なども含ま
れる。これらの添加剤は2種以上用いてもよい。なお、
必要に応じて、アニオン系又は非イオン系などの界面活
性剤を添加剤として併用してもよい。
分や水の移行を制御するバリアー、薬物及び/又は添加
剤間の分離、腸溶性、胃溶性などを付与するための、腸
溶性、胃溶性または不溶性の被膜形成用基剤なども含ま
れる。これらの添加剤は2種以上用いてもよい。なお、
必要に応じて、アニオン系又は非イオン系などの界面活
性剤を添加剤として併用してもよい。
【0029】本発明の製剤は、水に対して浮遊する。こ
のような製剤を医薬品として使用し、服用すると、胃内
の消化液により製剤が浮遊し、薬効が持続する。
のような製剤を医薬品として使用し、服用すると、胃内
の消化液により製剤が浮遊し、薬効が持続する。
【0030】本発明の製剤は、多孔性セルロース類の水
に対する浮遊性に応じて、種々の態様で薬物を含有させ
ることができる。なお、多孔性セルロース類の空孔の構
造などにもよるが、例えば、粒径約1mm以上の多孔性
セルロース類を含む製剤は、水に対して長時間浮遊す
る。
に対する浮遊性に応じて、種々の態様で薬物を含有させ
ることができる。なお、多孔性セルロース類の空孔の構
造などにもよるが、例えば、粒径約1mm以上の多孔性
セルロース類を含む製剤は、水に対して長時間浮遊す
る。
【0031】より具体的には、多孔性セルロース類によ
り水に対する製剤の浮遊性を確保できる場合には、多孔
性セルロース類を、吸着剤などの担体として使用し、多
孔性セルロース類に少なくとも薬物などを担持させ担持
層を形成してもよい。
り水に対する製剤の浮遊性を確保できる場合には、多孔
性セルロース類を、吸着剤などの担体として使用し、多
孔性セルロース類に少なくとも薬物などを担持させ担持
層を形成してもよい。
【0032】また、多孔性セルロース類を核として使用
し、多孔性セルロース類を、少なくとも1つの被膜で被
覆してもよい。被膜は薬物を含むのが好ましい。複数の
被膜で多孔性セルロース類を被覆する場合、少なくとも
1つの被膜が薬物を含んでいればよい。また、少なくと
も1つの被膜と担持層とを、それらの順序の如何を問わ
ず、多孔性セルロース類に形成してもよい。前記被膜お
よび担持層が形成されている場合には、被膜および担持
層の少なくとも一方が、薬物を含有していればよい。さ
らに、前記被膜で被覆する場合、前記多孔性セルロース
類には、予め薬物が混和又は担持されていてもよい。
し、多孔性セルロース類を、少なくとも1つの被膜で被
覆してもよい。被膜は薬物を含むのが好ましい。複数の
被膜で多孔性セルロース類を被覆する場合、少なくとも
1つの被膜が薬物を含んでいればよい。また、少なくと
も1つの被膜と担持層とを、それらの順序の如何を問わ
ず、多孔性セルロース類に形成してもよい。前記被膜お
よび担持層が形成されている場合には、被膜および担持
層の少なくとも一方が、薬物を含有していればよい。さ
らに、前記被膜で被覆する場合、前記多孔性セルロース
類には、予め薬物が混和又は担持されていてもよい。
【0033】なお、前記被膜、担持層は、前記添加剤や
結合剤を含んでいてもよい。
結合剤を含んでいてもよい。
【0034】さらに、多孔性セルロース類を添加剤とし
て使用し、少なくとも、多孔性セルロース類と薬物とを
混和し、製剤を構成してもよい。
て使用し、少なくとも、多孔性セルロース類と薬物とを
混和し、製剤を構成してもよい。
【0035】製剤の浮遊性を高めるには、多孔性セルロ
ース類の表面を、被膜、好ましくは不溶性被膜で被覆す
るのが好ましい。この場合、短時間内に水底に沈降し易
い多孔性セルロース類であっても、その内部に閉塞した
細孔を形成できるので、浮遊性を製剤に付与できる。
ース類の表面を、被膜、好ましくは不溶性被膜で被覆す
るのが好ましい。この場合、短時間内に水底に沈降し易
い多孔性セルロース類であっても、その内部に閉塞した
細孔を形成できるので、浮遊性を製剤に付与できる。
【0036】さらには、薬物の溶出性をコントロールす
るため、前記製剤の最外層には、胃溶性、腸溶性及び/
又は水不溶性の被膜が形成されているのが好ましい。
るため、前記製剤の最外層には、胃溶性、腸溶性及び/
又は水不溶性の被膜が形成されているのが好ましい。
【0037】薬物の担持は、多孔性セルロース類への薬
物の吸着、多孔性セルロース類の薬物による被覆などに
より行なうことができる。さらに、薬物の混和は、多孔
性セルロース類と薬物との混合又は練合により行なうこ
とができる。これらの場合、必要に応じて前記添加剤や
結合剤を併用してもよい。
物の吸着、多孔性セルロース類の薬物による被覆などに
より行なうことができる。さらに、薬物の混和は、多孔
性セルロース類と薬物との混合又は練合により行なうこ
とができる。これらの場合、必要に応じて前記添加剤や
結合剤を併用してもよい。
【0038】被膜は、腸溶性、胃溶性または不溶性の基
剤を含むコーティング剤を用いて形成できる。基剤とし
ては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、HP
C、L−HPC、ポリエチレングリコール、ツイーン8
0、プルロニックF68、ヒマシ油、セルロースアセテ
ートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートサクシネート、アクリル酸コポリマー、カルボキ
シメチルエチルセルロース、ポリビニルアセタールジエ
チルアミノアセテート、セラック、ワックス類、および
タルク、酸化チタン、ベンガラなどの色素が挙げられ
る。これらの基剤は少なくとも一種使用できる。これら
の基剤は、薬物の溶出性をコントロールするため、脂肪
酸とその塩、脂肪族高級アルコール、脂肪酸グリセリン
エステルとその硬化油などの脂質や、HLBが調整され
たポリグリセリン脂肪酸エステルなどを含んでいてもよ
い。
剤を含むコーティング剤を用いて形成できる。基剤とし
ては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、HP
C、L−HPC、ポリエチレングリコール、ツイーン8
0、プルロニックF68、ヒマシ油、セルロースアセテ
ートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
フタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセ
テートサクシネート、アクリル酸コポリマー、カルボキ
シメチルエチルセルロース、ポリビニルアセタールジエ
チルアミノアセテート、セラック、ワックス類、および
タルク、酸化チタン、ベンガラなどの色素が挙げられ
る。これらの基剤は少なくとも一種使用できる。これら
の基剤は、薬物の溶出性をコントロールするため、脂肪
酸とその塩、脂肪族高級アルコール、脂肪酸グリセリン
エステルとその硬化油などの脂質や、HLBが調整され
たポリグリセリン脂肪酸エステルなどを含んでいてもよ
い。
【0039】前記多孔性セルロース類の含有量は、水に
対して製剤が浮遊する限り特に制限されず、多孔性セル
ロース類の比重、担持量や被覆量により選択できる。多
孔性セルロース類の含有量は、例えば、製剤の10重量
%以上、好ましくは20重量%以上である。多孔性セル
ロース類の含有量が10重量%未満である場合には、製
剤が水底に沈み易く、水面または水中での浮遊性を確保
できない場合がある。なお、多孔性セルロース類の含有
量に関する上限値は、薬物の含有量により規定される。
対して製剤が浮遊する限り特に制限されず、多孔性セル
ロース類の比重、担持量や被覆量により選択できる。多
孔性セルロース類の含有量は、例えば、製剤の10重量
%以上、好ましくは20重量%以上である。多孔性セル
ロース類の含有量が10重量%未満である場合には、製
剤が水底に沈み易く、水面または水中での浮遊性を確保
できない場合がある。なお、多孔性セルロース類の含有
量に関する上限値は、薬物の含有量により規定される。
【0040】製剤中の薬物の含有量は、製剤の態様、添
加剤との併用の有無によって選択できる。担持層に薬物
が含まれている場合、担持層中の薬物の含有量は、例え
ば、0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜10
0重量%程度である。また、被膜に薬物が含まれている
場合、被膜中の薬物の含有量は、0.01〜97重量
%、好ましくは0.1〜95重量%程度である。
加剤との併用の有無によって選択できる。担持層に薬物
が含まれている場合、担持層中の薬物の含有量は、例え
ば、0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜10
0重量%程度である。また、被膜に薬物が含まれている
場合、被膜中の薬物の含有量は、0.01〜97重量
%、好ましくは0.1〜95重量%程度である。
【0041】本発明の製剤の大きさは、用途に応じて選
択できるが、散剤である場合、その粒子径は、通常、実
質的に500μm以下である。このように粒子径が小さ
くても、製剤は浮遊性を有し、薬物の徐放性が高い。
択できるが、散剤である場合、その粒子径は、通常、実
質的に500μm以下である。このように粒子径が小さ
くても、製剤は浮遊性を有し、薬物の徐放性が高い。
【0042】以下に、本発明の製造方法について詳細に
説明する。
説明する。
【0043】本発明の浮遊性製剤は、その構造に応じ
て、多孔性セルロース類、薬物、添加剤や基剤を適当に
組合せて製造できる。
て、多孔性セルロース類、薬物、添加剤や基剤を適当に
組合せて製造できる。
【0044】本発明の製造方法において、多孔性セルロ
ース類を吸着剤として使用する場合、少なくとも薬物
を、吸着、吸収、被覆により担持させればよい。水溶性
薬物は、水に溶解して多孔性セルロース類に添加するの
が、薬物の含量のバラツキを少なくする上で有利であ
る。この場合、多孔性セルロース類には、他の薬物や添
加剤を担持させてもよい。水に対する溶解性が低い薬物
は、エタノールなどの有機溶媒からなる溶媒やpH緩衝
液などの溶媒に溶解してもよい。
ース類を吸着剤として使用する場合、少なくとも薬物
を、吸着、吸収、被覆により担持させればよい。水溶性
薬物は、水に溶解して多孔性セルロース類に添加するの
が、薬物の含量のバラツキを少なくする上で有利であ
る。この場合、多孔性セルロース類には、他の薬物や添
加剤を担持させてもよい。水に対する溶解性が低い薬物
は、エタノールなどの有機溶媒からなる溶媒やpH緩衝
液などの溶媒に溶解してもよい。
【0045】多孔性セルロース類への薬物の担持は、転
動造粒機、撹拌造粒機、流動造粒機および遠心転動造粒
機などに入れた多孔性セルロース類に、薬物と、必要に
応じて添加剤を含む混合液を添加することにより行なう
ことができる。転動および撹拌タイプの造粒機を用いる
場合には、多孔性セルロース類の吸着能力を越えない程
度の液量が使用される。多孔性セルロース類の吸着能力
は、液の種類により異なるが、水や有機溶媒の場合、例
えば、多孔性セルロース類の1〜13倍程度である。一
方、流動および遠心転動流動タイプの造粒機は、多孔性
セルロース類が湿潤状態で流動する条件下で、液を噴霧
すればよい。
動造粒機、撹拌造粒機、流動造粒機および遠心転動造粒
機などに入れた多孔性セルロース類に、薬物と、必要に
応じて添加剤を含む混合液を添加することにより行なう
ことができる。転動および撹拌タイプの造粒機を用いる
場合には、多孔性セルロース類の吸着能力を越えない程
度の液量が使用される。多孔性セルロース類の吸着能力
は、液の種類により異なるが、水や有機溶媒の場合、例
えば、多孔性セルロース類の1〜13倍程度である。一
方、流動および遠心転動流動タイプの造粒機は、多孔性
セルロース類が湿潤状態で流動する条件下で、液を噴霧
すればよい。
【0046】担持処理した湿潤状態の多孔性セルロース
類を、真空、流動、凍結、加熱などの慣用の方法で乾燥
することにより、浮遊性製剤が得られる。
類を、真空、流動、凍結、加熱などの慣用の方法で乾燥
することにより、浮遊性製剤が得られる。
【0047】薬物が水に対する溶解性が低い場合には、
機械的な衝撃によるオーダードミクスチャーなどの方法
により担持させてもよい。機械的な衝撃により薬物など
を担持する場合には、ボールミルタイプ、ハンマーミル
タイプ、転動圧密タイプの機器を用い、乾式でまたは適
当な溶媒を入れて吸着させることにより、吸着末を製造
できる。
機械的な衝撃によるオーダードミクスチャーなどの方法
により担持させてもよい。機械的な衝撃により薬物など
を担持する場合には、ボールミルタイプ、ハンマーミル
タイプ、転動圧密タイプの機器を用い、乾式でまたは適
当な溶媒を入れて吸着させることにより、吸着末を製造
できる。
【0048】多孔性セルロース類を添加剤として使用す
る場合、多孔性セルロース類と、薬物と、必要に応じて
添加剤とを混和することにより、製剤が得られる。この
方法は、薬剤及び/又は添加剤の含有量が多い場合や、
前記の方法を適用するのが困難な場合に有利である。多
孔性セルロース類と薬物との混和は、撹拌造粒や転動造
粒により行なうのが好ましい。
る場合、多孔性セルロース類と、薬物と、必要に応じて
添加剤とを混和することにより、製剤が得られる。この
方法は、薬剤及び/又は添加剤の含有量が多い場合や、
前記の方法を適用するのが困難な場合に有利である。多
孔性セルロース類と薬物との混和は、撹拌造粒や転動造
粒により行なうのが好ましい。
【0049】多孔性セルロース類を核として使用する場
合、基剤と薬物とを含むコーティング剤を用い、多孔性
セルロース類に、薬物を含む被膜を施してもよい。ま
た、多孔性セルロース類に、被膜形成用コーティング剤
および担持層を形成する混合液を、順序の如何を問わ
ず、噴霧し、被覆することにより被膜と担持層と形成し
てもよい。この場合、前記被膜形成用コーティング剤お
よび担持層を形成する混合液の少なくとも一方に、薬物
を含有させればよい。また、混合液は、結合剤や添加剤
を含んでいてもよく、溶液又は分散液のいずれであって
もよい。なお、前記コーティング剤や混合液の噴霧、被
覆過程で、薬物などの吸着も生じる。
合、基剤と薬物とを含むコーティング剤を用い、多孔性
セルロース類に、薬物を含む被膜を施してもよい。ま
た、多孔性セルロース類に、被膜形成用コーティング剤
および担持層を形成する混合液を、順序の如何を問わ
ず、噴霧し、被覆することにより被膜と担持層と形成し
てもよい。この場合、前記被膜形成用コーティング剤お
よび担持層を形成する混合液の少なくとも一方に、薬物
を含有させればよい。また、混合液は、結合剤や添加剤
を含んでいてもよく、溶液又は分散液のいずれであって
もよい。なお、前記コーティング剤や混合液の噴霧、被
覆過程で、薬物などの吸着も生じる。
【0050】また、多孔性セルロース類を、基剤を含む
コーティング剤により予めコーティングしておくと、内
部に空孔が確保され、浮遊性に優れた製剤が得られる。
コーティング剤により予めコーティングしておくと、内
部に空孔が確保され、浮遊性に優れた製剤が得られる。
【0051】また、他の方法においては、混合液を核に
噴霧しながら、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末散
布剤を散布してもよく、少なくとも結合剤を含み、薬物
を含まない液を噴霧しながら、少なくとも一種の薬物を
含む粉状散布剤を散布してもよい。これらの方法では、
粉末状散布剤を散布するという簡単な操作で被膜を形成
できる。後者の方法では、混合液中に含まれる溶媒に対
して安定性が損われ易い薬物であっても、容易に被膜を
形成できる。前記散布剤の粒度は、通常、100μm以
下、好ましくは約50μm以下である。また、混合液を
用いることなく、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末
散布剤を添加し、乾式法により、多孔性セルロース類を
被覆してもよい。
噴霧しながら、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末散
布剤を散布してもよく、少なくとも結合剤を含み、薬物
を含まない液を噴霧しながら、少なくとも一種の薬物を
含む粉状散布剤を散布してもよい。これらの方法では、
粉末状散布剤を散布するという簡単な操作で被膜を形成
できる。後者の方法では、混合液中に含まれる溶媒に対
して安定性が損われ易い薬物であっても、容易に被膜を
形成できる。前記散布剤の粒度は、通常、100μm以
下、好ましくは約50μm以下である。また、混合液を
用いることなく、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末
散布剤を添加し、乾式法により、多孔性セルロース類を
被覆してもよい。
【0052】一方、配合性の悪い2種以上の薬物を被覆
する場合、それぞれの混合液や粉末散布剤を同時又は各
別に使用して被覆してもよく、各薬物の担持層及び/又
は被膜間を被膜により遮断してもよい。さらには、少な
くとも薬物を吸着等により担持した多孔性セルロース類
に、少なくとも、前記薬物とは配合性の悪い薬物を含む
混合液や粉末散布剤を用いて被覆してもよい。この方法
は、溶出時間の異なる2種以上の薬物を含む製剤を得る
場合にも有利である。
する場合、それぞれの混合液や粉末散布剤を同時又は各
別に使用して被覆してもよく、各薬物の担持層及び/又
は被膜間を被膜により遮断してもよい。さらには、少な
くとも薬物を吸着等により担持した多孔性セルロース類
に、少なくとも、前記薬物とは配合性の悪い薬物を含む
混合液や粉末散布剤を用いて被覆してもよい。この方法
は、溶出時間の異なる2種以上の薬物を含む製剤を得る
場合にも有利である。
【0053】混合液に対する結合剤の添加量は、薬物や
添加剤の添加量などにより異なるが、通常、0.1〜7
0重量%、好ましくは0.5〜30重量%程度である。
結合剤の添加量が0.1重量%未満では、核に対する薬
物の結合力が小さく、70重量%を越えると、混合液の
粘度が増大し、製造作業性が低下し易い。
添加剤の添加量などにより異なるが、通常、0.1〜7
0重量%、好ましくは0.5〜30重量%程度である。
結合剤の添加量が0.1重量%未満では、核に対する薬
物の結合力が小さく、70重量%を越えると、混合液の
粘度が増大し、製造作業性が低下し易い。
【0054】さらに、基剤を含むコーティング剤、結合
剤を含む混合液や粉末散布剤を用いて、複数の被覆層で
多孔性セルロース類を被覆してもよい。この場合、含有
割合や粘度の異なるグレードの基剤などを選択したり、
薬物や他の添加剤の割合が変化した混合液などを用いて
順次被覆し、核の担持層及び/又は被膜中の基剤などの
含有割合、薬物の濃度などを連続的にまたは段階的に変
動させてもよい。この場合、例えば、混合液として、結
合剤の含有量が0.1〜70重量%の範囲を外れた溶液
又は分散液を使用してもよい。
剤を含む混合液や粉末散布剤を用いて、複数の被覆層で
多孔性セルロース類を被覆してもよい。この場合、含有
割合や粘度の異なるグレードの基剤などを選択したり、
薬物や他の添加剤の割合が変化した混合液などを用いて
順次被覆し、核の担持層及び/又は被膜中の基剤などの
含有割合、薬物の濃度などを連続的にまたは段階的に変
動させてもよい。この場合、例えば、混合液として、結
合剤の含有量が0.1〜70重量%の範囲を外れた溶液
又は分散液を使用してもよい。
【0055】また、コーティング剤や混合液中に他の薬
物や他の添加剤が溶解又は分散している場合には、それ
らの配合割合を変動させてもよい。
物や他の添加剤が溶解又は分散している場合には、それ
らの配合割合を変動させてもよい。
【0056】これらの方法において、例えば、遠心転動
型流動造粒機、流動造粒機、撹拌造粒機などの慣用の装
置を用いて行なうことができる。
型流動造粒機、流動造粒機、撹拌造粒機などの慣用の装
置を用いて行なうことができる。
【0057】このようにして得られた製剤には、味のマ
スキング、腸溶性、胃溶性などを付与したり、薬物の溶
出性をコントロールするため、慣用の方法によりコーテ
ィング剤によるコーティングを施してもよい。
スキング、腸溶性、胃溶性などを付与したり、薬物の溶
出性をコントロールするため、慣用の方法によりコーテ
ィング剤によるコーティングを施してもよい。
【0058】さらには、前記の方法を繰返したり、前記
の方法を適当に組合せて、浮遊性製剤を製造してもよ
い。例えば、前記多孔性セルロース類を、予め、基剤を
含むコーティング剤でコーティングした後、薬物などの
吸着処理に供してもよく、吸着処理後又は乾燥後の吸着
末、混和物や、粉状散布剤と共に前記混合液を用いて被
覆した造粒末をコーティング剤でコーティングしてもよ
い。また、吸着処理の途中でコーティング剤によるコー
ティングを行なってもよい。さらに、薬物を遮断分離す
るため、複数の被膜の間や、被膜と担持層との間に、基
剤を含むコーティング剤によるコーティング層を形成し
てもよい。
の方法を適当に組合せて、浮遊性製剤を製造してもよ
い。例えば、前記多孔性セルロース類を、予め、基剤を
含むコーティング剤でコーティングした後、薬物などの
吸着処理に供してもよく、吸着処理後又は乾燥後の吸着
末、混和物や、粉状散布剤と共に前記混合液を用いて被
覆した造粒末をコーティング剤でコーティングしてもよ
い。また、吸着処理の途中でコーティング剤によるコー
ティングを行なってもよい。さらに、薬物を遮断分離す
るため、複数の被膜の間や、被膜と担持層との間に、基
剤を含むコーティング剤によるコーティング層を形成し
てもよい。
【0059】本発明の固形製剤は、浮遊性製剤をそのま
ま散剤として使用できる。さらに、固形製剤は、慣用の
方法に従って、浮遊性製剤を顆粒や錠剤に添加した顆粒
剤や錠剤であってもよく、カプセルに充填したカプセル
剤であってもよい。また、浮遊性製剤を予め容器に入れ
て、必要に応じて水等を添加して使用する固形剤として
もよい。
ま散剤として使用できる。さらに、固形製剤は、慣用の
方法に従って、浮遊性製剤を顆粒や錠剤に添加した顆粒
剤や錠剤であってもよく、カプセルに充填したカプセル
剤であってもよい。また、浮遊性製剤を予め容器に入れ
て、必要に応じて水等を添加して使用する固形剤として
もよい。
【0060】多孔性セルロース類には、乾燥時には、収
縮して体積が小さいものの、水分を吸収すると、体積が
膨脹する特性をもつ種類もある。
縮して体積が小さいものの、水分を吸収すると、体積が
膨脹する特性をもつ種類もある。
【0061】その特性を利用して、坐薬として使用して
もよい。この場合、直腸部分で製剤が膨脹し、長時間同
じ位置に留まり、薬効効果を高めることができるという
利点がある。また、製剤を、例えば、適当な被膜で被覆
すると、核である多孔性セルロース類の膨脹力の増加に
より、目的とする部位や時間で爆発的に被膜が破裂し、
薬物が溶出するというターゲッティング効果も得られ
る。
もよい。この場合、直腸部分で製剤が膨脹し、長時間同
じ位置に留まり、薬効効果を高めることができるという
利点がある。また、製剤を、例えば、適当な被膜で被覆
すると、核である多孔性セルロース類の膨脹力の増加に
より、目的とする部位や時間で爆発的に被膜が破裂し、
薬物が溶出するというターゲッティング効果も得られ
る。
【0062】
【発明の効果】本発明の製剤は、多孔性セルロース類を
含み、水に対して浮遊するので、薬物の徐放性が高い。
含み、水に対して浮遊するので、薬物の徐放性が高い。
【0063】また、粒子径が小さくても、製剤は、浮遊
性および徐放性に優れている。
性および徐放性に優れている。
【0064】本発明の製造方法によれば、多孔性セルロ
ース類に、薬物を担持させたり、被膜を施すなどの簡単
な操作で、しかも単純な組成で、上記の如き優れた特性
を有する製剤を得ることができる。
ース類に、薬物を担持させたり、被膜を施すなどの簡単
な操作で、しかも単純な組成で、上記の如き優れた特性
を有する製剤を得ることができる。
【0065】
【実施例】以下、実施例、比較例及び実験例に基づいて
本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0066】実施例1 球形多孔性セルロース(空孔の構造A型、見掛比重0.
1g/ml、直径2.0mmφ)25gを乳鉢に入れ、
予め、化合物A10gを蒸溜水100mlに溶解した溶
液を添加し、スパーテルで軽く混合し、吸着処理した。
次いで、40℃、真空下で16時間乾燥し、吸着末を得
た。
1g/ml、直径2.0mmφ)25gを乳鉢に入れ、
予め、化合物A10gを蒸溜水100mlに溶解した溶
液を添加し、スパーテルで軽く混合し、吸着処理した。
次いで、40℃、真空下で16時間乾燥し、吸着末を得
た。
【0067】得られた吸着末は、湿潤状態で2〜3倍に
膨脹したが、乾燥により、元の直径に復元した。第11
改正日本薬局方の一般試験法38崩壊試験法の第1液に
代えて水を用いた浮遊試験において、吸着粉末を投入し
たところ、水面に5時間以上浮遊した。
膨脹したが、乾燥により、元の直径に復元した。第11
改正日本薬局方の一般試験法38崩壊試験法の第1液に
代えて水を用いた浮遊試験において、吸着粉末を投入し
たところ、水面に5時間以上浮遊した。
【0068】実施例2 実施例1で得られた吸着末52.5mgを、オートグラ
フ(島津製作所製:AG−5000B)により、杵径
5.5mmφ、打錠圧150Kg/cm2 の条件で打錠
し、錠剤を得た。得られた錠剤を浮遊試験に供したとこ
ろ、吸着末の状態に分散し、水面に2時間以上浮遊し
た。
フ(島津製作所製:AG−5000B)により、杵径
5.5mmφ、打錠圧150Kg/cm2 の条件で打錠
し、錠剤を得た。得られた錠剤を浮遊試験に供したとこ
ろ、吸着末の状態に分散し、水面に2時間以上浮遊し
た。
【0069】実施例3 打錠圧を600Kg/cm2 とする以外、実施例2と同
様にして、錠剤を作製した。得られた錠剤を浮遊試験に
供したところ、吸着末の状態に分散し、水中に1時間以
上浮遊した。
様にして、錠剤を作製した。得られた錠剤を浮遊試験に
供したところ、吸着末の状態に分散し、水中に1時間以
上浮遊した。
【0070】実施例4 球形多孔性セルロース(空孔の構造B型、見掛比重0.
2g/ml、直径0.3mmφ)380gを流動型コー
ティング造粒機(パウレック社製:FD−3S)に入
れ、送風温度70℃、品温約40℃にコントロールしな
がら、ボトムスプレー方式で、予め調製した下記組成の
バルク液を噴霧し、コーティングした。所定量のバルク
液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのまま1分間乾燥し
た後、32メッシュの丸篩で篩過し、480gの散剤を
得た。得られた散剤を浮遊試験に供したところ、散剤は
水面に30分間以上浮遊した。
2g/ml、直径0.3mmφ)380gを流動型コー
ティング造粒機(パウレック社製:FD−3S)に入
れ、送風温度70℃、品温約40℃にコントロールしな
がら、ボトムスプレー方式で、予め調製した下記組成の
バルク液を噴霧し、コーティングした。所定量のバルク
液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのまま1分間乾燥し
た後、32メッシュの丸篩で篩過し、480gの散剤を
得た。得られた散剤を浮遊試験に供したところ、散剤は
水面に30分間以上浮遊した。
【0071】[バルク液] ビンポセチン 5g 乳糖 25g タルク 20g L−HPC 20g HPC(タイプM、粘度300cps) 6g HPC(タイプL、粘度8cps) 44g 水 1080g 得られた散剤を、「第11改正日本薬局方の製剤総則1
1散剤の項・粒度の試験」に従って粒度を評価したとこ
ろ、下記のように、日局の規定に適合する細粒の散剤で
あった。
1散剤の項・粒度の試験」に従って粒度を評価したとこ
ろ、下記のように、日局の規定に適合する細粒の散剤で
あった。
【0072】 比較例1 結晶セルロース(旭化成(株)製:アビセル)25gを
乳鉢に入れ、化合物A10gと混合し、蒸留水20ml
を添加して練合した。次いで、40℃、真空下で16時
間乾燥し、練合末を得た。
乳鉢に入れ、化合物A10gと混合し、蒸留水20ml
を添加して練合した。次いで、40℃、真空下で16時
間乾燥し、練合末を得た。
【0073】得られた練合末を、実施例1で用いた第1
液に投入したところ、速かに水底に沈んだ。
液に投入したところ、速かに水底に沈んだ。
【0074】比較例2 実施例4の多孔性セルロースに代えて、アビセルSP
(旭化成(株)製:200〜300μm)380gを用
いる以外、実施例4と同様にして、475gの散剤を得
た。得られた散剤の粒度を、実施例4と同様にして調べ
たところ、下記のように、第11改正日本薬局方の規定
に適合する細粒の散剤であった。得られた散剤を水に入
れたところ、散剤は速かに水底に沈んだ。
(旭化成(株)製:200〜300μm)380gを用
いる以外、実施例4と同様にして、475gの散剤を得
た。得られた散剤の粒度を、実施例4と同様にして調べ
たところ、下記のように、第11改正日本薬局方の規定
に適合する細粒の散剤であった。得られた散剤を水に入
れたところ、散剤は速かに水底に沈んだ。
【0075】 実験例1 実施例1で得た吸着末52.5mg、実施例2および3
で得た錠剤、比較例1で得た練合末52.5mgの溶出
性を、第11改正日本薬局方・一般試験法46溶出試験
法・第2法(100rpm)で試験した。試験液は蒸溜
水500mlを用いた。試験結果を表1に示す。
で得た錠剤、比較例1で得た練合末52.5mgの溶出
性を、第11改正日本薬局方・一般試験法46溶出試験
法・第2法(100rpm)で試験した。試験液は蒸溜
水500mlを用いた。試験結果を表1に示す。
【0076】
【表1】 表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた製剤
は、化合物Aが蒸溜水に易溶(溶解度:約150mg/
ml)であるにも拘らず、比較例1の練合末よりも溶出
率が小さく、薬効が持続する。
は、化合物Aが蒸溜水に易溶(溶解度:約150mg/
ml)であるにも拘らず、比較例1の練合末よりも溶出
率が小さく、薬効が持続する。
【0077】実験例2 実施例4で得た散剤500mg及び比較例2で得た散剤
500mg、試験液として第1液を用いる以外、実験例
1と同様にして、薬物の溶出性を調べた。結果を表2に
示す。
500mg、試験液として第1液を用いる以外、実験例
1と同様にして、薬物の溶出性を調べた。結果を表2に
示す。
【0078】
【表2】 表2から明らかなように、実施例4で得られた散剤は、
ビンポセチンが易溶(溶解度:100mg/ml以上)
であるにも拘らず、比較例2の散剤よりも、薬物の溶出
性が抑制され、薬効が持続する。
ビンポセチンが易溶(溶解度:100mg/ml以上)
であるにも拘らず、比較例2の散剤よりも、薬物の溶出
性が抑制され、薬効が持続する。
【0079】実施例5 球形多孔性セルロース(空孔の構造B型、見掛比重0.
1g/ml、直径3.0mmφ)54gをステンレス製
ボールに入れ、化合物A 6gを蒸留水100mlに溶
解した溶液を添加し、実施例1と同様にして吸着末を得
た。
1g/ml、直径3.0mmφ)54gをステンレス製
ボールに入れ、化合物A 6gを蒸留水100mlに溶
解した溶液を添加し、実施例1と同様にして吸着末を得
た。
【0080】得られた吸着末50gを流動型コーティン
グ造粒機(パウレック社製:FD−3S)に入れ、送風
温度60℃、品温約35℃にコントロールしながら、ボ
トムスプレー方式で、エチルセルロース(粘度タイプ1
0cp)の5重量%含有エタノール溶液を噴霧し、前記
吸着末に対してエチルセルロース15重量%をコーティ
ングし、サンプリングした。また、上記と同様にして、
前記吸着末に対してエチルセルロース30重量%をコー
ティングし、サンプリングした。
グ造粒機(パウレック社製:FD−3S)に入れ、送風
温度60℃、品温約35℃にコントロールしながら、ボ
トムスプレー方式で、エチルセルロース(粘度タイプ1
0cp)の5重量%含有エタノール溶液を噴霧し、前記
吸着末に対してエチルセルロース15重量%をコーティ
ングし、サンプリングした。また、上記と同様にして、
前記吸着末に対してエチルセルロース30重量%をコー
ティングし、サンプリングした。
【0081】前記吸着末、15重量%コーティング末及
び30重量%コーティング末をそれぞれ浮遊試験に供し
たところ、いずれも水面に1時間以上浮遊した。
び30重量%コーティング末をそれぞれ浮遊試験に供し
たところ、いずれも水面に1時間以上浮遊した。
【0082】実験例3 実施例5で得られた吸着末150mg、15重量%コー
ティング末173mg及び30重量%コーティング末1
95mgを用い、実験例1と同様にして、薬物の溶出性
を調べた。結果を表3に示す。
ティング末173mg及び30重量%コーティング末1
95mgを用い、実験例1と同様にして、薬物の溶出性
を調べた。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】 表3から明らかなように、実施例5で得られた製剤は、
化合物Aが易溶であるにも拘らず、薬物の溶出が遅い。
また、コーティング末では、薬物の溶出性がさらに抑制
され、薬効が持続する。
化合物Aが易溶であるにも拘らず、薬物の溶出が遅い。
また、コーティング末では、薬物の溶出性がさらに抑制
され、薬効が持続する。
【0084】実施例6 実施例5で得られた30重量%コーティング末56g
を、流動型コーティング造粒機(パウレック社製:FD
−3S)に入れ、予め調製した下記組成のバルク液を噴
霧する以外、実施例5と同様にして、ダブルコーティン
グ末を得た。
を、流動型コーティング造粒機(パウレック社製:FD
−3S)に入れ、予め調製した下記組成のバルク液を噴
霧する以外、実施例5と同様にして、ダブルコーティン
グ末を得た。
【0085】[バルク液] リボフラビン 1g 乳糖 2g タルク 2g L−HPC 2g HPC−L 3g 水 90g 得られたダブルコーティング末を浮遊試験に供したとこ
ろ、水面に1時間以上浮遊した。
ろ、水面に1時間以上浮遊した。
【0086】比較例3 実施例6で用いた30重量%コーティング末56gに代
えて、ケイ酸カルシウム[徳山曹達(株)製、フローラ
イトRM、直径約3mmφ]56gを用いる以外、実施
例6と同様にして、コーティング末を得た。
えて、ケイ酸カルシウム[徳山曹達(株)製、フローラ
イトRM、直径約3mmφ]56gを用いる以外、実施
例6と同様にして、コーティング末を得た。
【0087】実験例4 実施例6で得たダブルコーティング末66mg及び比較
例3で得たダブルコーティング末66mgを用い、実験
例1と同様の条件で、リボフラビンの溶出性を調べた。
結果を表4に示す。
例3で得たダブルコーティング末66mgを用い、実験
例1と同様の条件で、リボフラビンの溶出性を調べた。
結果を表4に示す。
【0088】
【表4】 表4から明らかなように、実施例6で得られた製剤は、
比較例3の製剤よりも、リボフラビンの溶出が持続す
る。
比較例3の製剤よりも、リボフラビンの溶出が持続す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/56 J 7329−4C 47/38 B 7433−4C C 7433−4C // C08J 9/28 7148−4F C09K 3/00 110 9049−4H
Claims (8)
- 【請求項1】 多孔性セルロース類と薬物とを含み、水
に対して浮遊する浮遊性製剤。 - 【請求項2】 多孔性セルロース類に薬物が担持されて
いる請求項1記載の浮遊性製剤。 - 【請求項3】 被膜で被覆されている請求項1又は2記
載の浮遊性製剤。 - 【請求項4】 被膜が薬物を含む請求項3記載の浮遊性
製剤。 - 【請求項5】 被膜と担持層とを含み、前記被膜および
担持層の少なくとも一方に、薬物が含有されている請求
項1記載の浮遊性製剤。 - 【請求項6】 多孔性セルロース類に薬物を担持させ、
水に対して浮遊する製剤を製造する方法。 - 【請求項7】 多孔性セルロース類を、薬物を含む被膜
で被覆する浮遊性製剤の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1記載の製剤を含有する固形製
剤。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3-124985 | 1991-04-25 | ||
JP12498591 | 1991-04-25 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255067A true JPH05255067A (ja) | 1993-10-05 |
Family
ID=14899073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4131569A Withdrawn JPH05255067A (ja) | 1991-04-25 | 1992-04-24 | 浮遊性製剤およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05255067A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001064189A1 (fr) * | 2000-03-02 | 2001-09-07 | Basf Aktiengesellschaft | Granules revetus et compositions moussantes les contenant |
WO2011004799A1 (ja) | 2009-07-06 | 2011-01-13 | 杏林製薬株式会社 | 中空構造を有する錠剤 |
WO2017104384A1 (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 日本リファイン株式会社 | 藻類抑制剤、該藻類抑制剤の製造方法及び藻類の抑制方法 |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP4131569A patent/JPH05255067A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001064189A1 (fr) * | 2000-03-02 | 2001-09-07 | Basf Aktiengesellschaft | Granules revetus et compositions moussantes les contenant |
WO2011004799A1 (ja) | 2009-07-06 | 2011-01-13 | 杏林製薬株式会社 | 中空構造を有する錠剤 |
WO2017104384A1 (ja) * | 2015-12-17 | 2017-06-22 | 日本リファイン株式会社 | 藻類抑制剤、該藻類抑制剤の製造方法及び藻類の抑制方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990706 |