JP3833314B2 - 発泡性組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品・医薬品・農薬などの分野において、生理活性物質の溶出を適度にコントロールできる発泡性組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、食品・医薬品・農薬などの薬物放出制御システム(ドラッグデリバリーシステム)に関する検討が数多く行われている。特に経口投与剤形において、顆粒剤は、錠剤よりも、胃排出速度、吸収性において固体差がみられず、また食事の影響も殆ど受けない。そこで、経口投与剤を顆粒剤としたり、錠剤に顆粒を配合したり[ドラッグ・デベロップメント・アンド・インダストリアル・ファーマシー(Drug Development and Industrial Pharmacy)、9(7)、1379-1396(1983) 参照]、カプセルに顆粒を充填したカプセル剤としている。
【0003】
顆粒剤に関し、特開昭63−222121号公報には、薬物、ヒドロキシプロピルセルロースおよびエタノール可溶性の可塑剤とを押し出し成形し、顆粒剤を製造する方法が開示されている。この方法では、柔軟性を付与するため、多量の可塑剤が使用されている。特開昭63−99009号公報には、薬物含有固体粒子を転動させながら、結合剤の水溶液又はアルコール溶液を噴霧し、かつ胃及び腸で容易に溶解しない疎水性固体微粒子を散布する方法が開示されている。この方法では、持続性の長い顆粒剤が得られる。
【0004】
特開昭63−222112号公報には、薬物、エタノール不溶性の水溶性高分子物質およびエタノール可溶性の水溶性高分子物質を含有する持続性顆粒の製剤が開示されている。この方法では、エタノール不溶性の水溶性高分子が多量に必要であり、例えば、その実施例では55%以上のエタノール不溶性の水溶性高分子が使用されている。
特開昭63−243036号公報には、ケイ酸カルシウムとヒドロキシプロピルメチルセルロースの胃内滞留型の持続性顆粒が開示されている。この方法は、粉末であるケイ酸カルシウムを見掛比重が1.0以下となるように、乾式で製剤化されている。
さらに、特開平2−174931号公報には、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの分散液を核顆粒に噴霧し、有核顆粒を得る方法が提案され、この方法により得られた顆粒は強度が強くしかも崩壊性に優れている。
【0005】
ヨーロッパ特許公開公報0452862A2には、少なくとも50重量%のマイクロクリスタリンセルロースからなり、平均粒子径が100〜1000μmの不活性な球状の核を、結合剤の水溶液を用いて、活性成分を含む粉体でコーティングし、コーティング剤の水溶液又は水分散液を噴霧して得られた球状の顆粒が開示されている。
これらの方法により得られる顆粒剤は、その粒子径の大部分が500μm以上という特徴がある。また、顆粒剤は、粒子径が大きくかつ揃っている。従って、溶出制御基剤を被覆し、薬物の溶出性をコントロールする場合、コーティングのバラツキが小さく有利である。しかしながら、粒子径が大きいため、調剤性が劣るだけでなく、錠剤やカプセル剤に配合すると、顆粒の添加量のバラツキが大きい。さらには、顆粒剤の剤形では、「第11改正日本薬局方(以下、日局と記載することがある)・製剤総則5顆粒剤」の項において粒度の試験および崩壊の試験が必要であり、それらの規定を満足した薬物放出制御をするには処方化が困難である。
【0006】
一方、散剤は、日局の崩壊試験の規定がなく、また、粒子径が500μm以下と小さいため、顆粒剤に比べて調剤性に優れると共に、錠剤やカプセル剤に配合した場合、その添加量のバラツキが小さくなる。また、散剤は、一般に顆粒剤に比べて胃排出速度、吸収性が高い。しかしながら、散剤の胃排出速度が高いため、薬物によっては、血中濃度が早期に高くなり、副作用が発現する場合がある。しかも、前記顆粒剤に関する先行技術のうち、核に薬物を配合し、例えば高分子基剤のコーティングにより薬物溶出制御を行う方法を、そのまま散剤に適用すると、被覆のバラツキが大きく、被覆精度が悪くなり、かつコーティング量も多くなる。従って、顆粒剤よりも粒子径の小さな散剤において、薬物の放出を精度よく制御することが困難である。
特開平5−92918号公報には、細粒状の核を、水溶性高分子と共に少なくとも1種の生理活性物質で被覆し、粒子径が実質的に500μm以下の有核散剤を得ることが提案されている。この有核散剤は、粒子径の小さな散剤であっても、薬物の放出を比較的精度よく制御できる利点がある。
【0007】
また、発泡性医薬組成物においては、酸に不安定な活性成分は発泡用成分中の酸と接触することにより水酸化されたり分解され保存安定性が悪いので、これら活性成分を安定に発泡性の顆粒や錠剤中に配合することは困難であった。また、疎水性の薬物粒子は水の表面張力により浮いて水上に皮膜を作ったり、あるいはグラスの底に沈んだりし易いという問題もあった。一方、発泡剤の副作用である制酸作用のため、この投与剤形を適用し難い薬物も多い。
上記の諸問題を回避し、患者が飲み易い医薬品の発泡剤溶液を提供する点で、ヨーロッパ特許公開公報0670160A1は、可食性固形酸の結晶を該結晶表面の融点を降下させ得る少なくとも1種の中性の水溶性物質および炭酸水素アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸アルカリ土類金属塩、固形の可食性酸のアルカリ金属塩および固形の可食性酸のアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の物質で被覆してなる、医薬品とりわけβカロチン、シメチジン、ラニチジンやシスアプライド等の酸に不安定な薬物の経口用発泡剤水溶液あるいは懸濁液調製に適した発泡剤粒子を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、粒子径が小さくても、薬物の溶出性を精度よく制御できる散剤組成物およびその製造方法を提供することにあり、また散剤組成物を含む顆粒剤、錠剤およびカプセル剤を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、服用前に水に分散させる発泡剤としても、薬物、とりわけ酸に不安定な薬物の溶出性が単独で服用した場合と同等である発泡剤を提供することにある。具体的には、用時溶解することにより、均一な経口液剤を調製可能な発泡剤がその好ましい様態の1つである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、粒子径の小さな核に、水溶性高分子と薬物とを含む混合液を噴霧し、被覆層に薬物を含有させると、被覆のバラツキが小さく、被覆量を多くできる有核散剤が得られ、このような有核散剤と、発泡成分とを組み合わせると、薬物の溶出を適度にコントロールできること、また、このような有核散剤と発泡成分とを組合わせると服用時に爽快感を与えることを見いだし、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は(a)比容5ml/g以下の細粒状の核に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる平均粒子径約300μm以下の有核散剤、(b)発泡成分および(c)発泡助剤を含有し、(c)の含量が(b)1規定に対して1.0〜2.0当量である発泡性組成物である。また本発明の方法では、前記有核散剤と発泡成分とを混合することにより発泡性組成物を製造する。
なお、本明細書において、「被覆」とは、核の表面全体を被覆する場合に限らず、部分的に被覆する場合や、吸着または吸収されていている場合も含む意味に用いる。
また、「球状」とは、真球状に限らず、断面楕円状、なす型状、液滴状などの曲面を有する形状も含む意味に用いる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる細粒状の核の平均粒子径は、約250μm以下であればよく、約50〜250μm、好ましくは約100〜250μm程度である。このような平均粒子径を有する核としては、50号(300μm)の篩を全通し、60号(250μm)の篩に残留する粒子が全体の約5w/w%以下であり、かつ282号(53μm)の篩を通過する粒子が全体の約10w/w%以下であるような粒子が含まれる。細粒状の核の比容は約5ml/g、好ましくは約3ml/gである。
このような細粒状の核としては、例えば、結晶セルロースの約150〜250μmの球形造粒品(旭化成(株)製、アビセルSP、以下、アビセルSPと記載する)、結晶セルロースと乳糖による球状造粒物[例えば、結晶セルロース(3部)と乳糖(7部)による約150〜250μmの球形造粒品(フロイント社製、ノンパレル、以下、NP−7:3と記載する)、結晶セルロース(5部)と乳糖(5部)による約150〜250μmの球形造粒品(フロイント社製、ノンパレル、以下、NP−5:5と記載する)など]、乳糖(9部)とアルファー化デンプン(1部)による約50〜250μmの撹拌造粒品、特開昭61−213201号公報に記載の微結晶セルロース球形顆粒を分級した約250μm以下の微粒、スプレーチリングや溶融造粒により球状に形成されたワックス類などの加工品、オイル成分のゼラチンビーズ品などの加工品、ケイ酸カルシウム、デンプン、キチン、セルロース、キトサンなどの多孔性粒子、グラニュー糖、結晶乳糖、結晶セルロース、塩化ナトリウムなどのバルク品およびそれらの製剤加工品などが挙げられる。さらに、これらを自体公知の粉砕あるいは造粒し、篩過して所望の粒子径の粒子を調製してもよい。
前記核は後述する生理活性物質(以下、薬物と称することもある)を含んでいてもよいが、薬物を含む被覆層により、薬物の放出性をコントロールできるので、核は薬物を含んでいなくてもよい。
核の形状は特に制限されないが、細粒状であっても、被覆のバラツキを小さくすると共に、被覆量を多くするため、球状であるのが好ましい。
【0012】
水溶性高分子としては、例えば、エタノール可溶性の水溶性高分子[例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(以下、HPCと記載することがある)などのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンなど];エタノール不溶性の水溶性高分子[例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載することがある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウム、グアーガムなど]などが挙げられる。なお、エタノール可溶性の水溶性高分子とエタノール不溶性の水溶性高分子とを併用したり、粘度の異なる水溶性高分子を組み合わせて使用することにより、薬物の溶出性をコントロールできる。
好ましい水溶性高分子には、HPC、HPMC、メチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリビニルアルコールが含まれる。特に好ましい水溶性高分子は、HPC、HPMCなどのセルロース誘導体である。
【0013】
HPCは、ヒドロキシプロポキシル基を、例えば、53.4〜77.5重量%、好ましくは60〜70重量%程度含有する。HPCの20℃における2重量%水溶液の粘度は、通常、1〜150000cps(センチポアズ)程度である。このようなHPCとしては、日局ヒドロキシプロピルセルロースなどが使用される(以下、HPCの粘度はいずれも20℃における2重量%水溶液の値である)。
なお、本発明で使用されるHPCは、前記特開平2−174931号公報に開示されている低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとは、ヒドロキシプロポキシル基の置換度が異なる。
HPMCは、メトキシ基とヒドロキシプロポキシ基が結合した混合エーテルである。HPMCのメトキシ基の含有量は、例えば、19〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基の含有量は、例えば、4〜12重量%程度である。HPMCの20℃における2重量%水溶液の粘度は、通常、1〜40000センチストークス程度である。このようなHPMCとしては、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2208、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906および日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース2910などが使用される。ヒドロキシプロピルメチルセルロースは一種又は二種以上混合して使用できる。
【0014】
生理活性物質は、経口投与される限り特に限定されず、食品、医薬品、農薬などの分野で使用されている種々の生理活性物質が使用できる。好ましい生理活性物質には、医薬活性成分、例えば、中枢神経系薬物(ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノフェン、エテンザミド、ケトプロフェンなど)、循環器系薬物(モルシドミン、ビンポセチン、塩酸デラプリル、プロプラノーロル、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジピン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イソソルビドなど)、呼吸器系薬物(アムレキサノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、シュードエフェドリン、サルブタモール、グアイフェニシンなど)、消化器系薬物(ランソプラゾール、オメプラゾールなどのベンツイミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、パンクレアチン、ビサコジル、5−アミノサリチル酸など)、抗生物質及び化学療法剤(セファレキシン、セファクロール、セフラジン、アモキシシリン、ピバンピシリン、バカンピシリン、ジクロキサシリン、エリスロマイシン、エリスロマイシンステアレート、リンコマイシン、ドキシサイクリン、トリメトプリム/スルファメトキサゾールなど)、代謝系薬物(セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アデノシントリフォスフェート、グリペンクラミド、塩化カリウムなど)、ビタミン系薬物(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、フルスルチアミン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKなど)、制酸剤などが含まれる。これらの薬物は一種または二種以上使用できる。
【0015】
これらのうちでも、酸に不安定な薬物、すなわち酸性領域で不安定および/または酸により不活性となる薬物が好対象であり、例えばビタミン系薬物(ビタミンB12、ビタミンC、フルスルチアミン、葉酸、ビタミンA、ビタミンDなど)、ペプチド性薬物(セラペプチダーゼなど)、抗生物質、シメチジン、ラニチジンあるいはランソプラゾールやオメプラゾールなど、以下の一般式(I)で示される公知の抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系薬物などが好ましく挙げられる。
式(I)
【化1】
Figure 0003833314
(式中、A環は置換されていてもよく、R1、R3およびR4は同一または異なって水素、アルキル基またはアルコキシ基を、R2はハロゲン、ヒドロキシ基あるいは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基を、nは0または1をそれぞれ示す)
【0016】
上記一般式(I)において、A環が置換されている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換されていてもよい炭素数2〜16のアルケニル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、カルボキシ基、C1-7アルコキシカルボニル基、C1-4アルコキシカルボニルC1-4アルキル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-4アルキル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシC1-7アルキル基、C1-6アシル基、カルバモイルオキシ基、ニトロ基、C1-6アシルオキシ基、C6-12アリール基、C6-12アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基またはC1-6アルキルスルフィニル基等が挙げられる。前記アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基上の置換基としては、例えばハロゲン、ニトロ、アミノ基(C1-4アルキル基、C1-4アシル基等を1〜2個置換基として有していてもよい)、アミジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基等が挙げられる。前記アルコキシ基上の置換基としては、例えばハロゲン、ニトロ、アミノ基(C1-4アルキル基、C1-4アシル基等を1〜2個置換基として有していてもよい)、アミジノ基、グアニジノ基等が挙げられる。また前記各基における、これら置換基の数は1〜3個程度である。
【0017】
1、R3またはR4で示されるアルキル基としては、例えば炭素数1〜10の直鎖または分枝状のアルキル基が挙げられる。該アルキル基の具体例としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙げられる。この中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状のアルキル基が好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖または分枝状のアルキル基が特に好ましい。
1、R3またはR4で示されるアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。該アルコキシ基の具体例としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。この中で炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。さらに炭素数1〜3のアルコキシ基が特に好ましい。
2で示されるアルキル基およびその置換基であるアルコキシ基としては、上記に例示されるアルキル基およびアルコキシ基のうち、炭素数1〜4のアルキル基およびアルコキシ基等がそれぞれがあげられる。また、R2で示されるアルキル基の有する置換基数は1〜3個が好ましい。
【0018】
このような抗潰瘍作用を有するベンツイミダゾール系化合物は、例えば特開昭52−62275号公報、特開昭54−141783号公報、特開昭57−53406号公報、特開昭58−135881号公報、特開昭58−192880号公報、特開昭59−181277号公報、特開昭61−50978号公報、特開昭62−116576号公報、特開昭62−277322号公報、特開昭62−258320号公報、特開昭62−258316号公報、特開昭64−6270号公報、特開昭64−79177号公報、特開平5−59043号公報、特開昭62−111980号公報、特開平5−117268号公報、ヨーロッパ特許公開第166287号公報、ヨーロッパ特許公開第519365号公報などに記載されている。
本発明に用いられる生理活性物質としては、これらのベンズイミダゾール系薬物がとりわけ好ましい。
このように、細粒状の核を酸に不安定な生理活性物質(医薬)と水溶性高分子とを含有する被覆層(内層)および腸溶性被覆層(外層)で被覆して成る有核散剤は、本発明の有核散剤の好ましい様態として挙げげられる。
【0019】
薬物を含む被覆層は、有核散剤の強度を増すため、例えば特開平2−174931号公報に記載の低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、L−HPCと記載する)や、その他の製剤添加剤を含んでいてもよい。
前記添加剤としては、散剤を製造する際に一般に配合される添加剤が使用できる。添加剤としては、例えば、乳糖、コーンスターチ、ショ糖、タルク、結晶セルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、L−システィンなどの賦形剤;アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、アラビアゴムなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカルシウム、デンプン類、クロスリンクドカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリドンなどの崩壊剤;酸化チタン、ベンガラ、タール色素などの着色剤等が挙げられる。保存安定性の悪い薬物には安定剤を添加剤として添加することも望ましい。これらの添加剤は二種以上用いてもよい。
【0020】
HPC及び/またはHPMCなどの水溶性高分子の含量は、有核散剤中の薬物の溶出性をコントロールできる範囲であればよく、有核散剤全体に対して、例えば、約0.1重量〜50重量%、好ましくは約1〜30重量%程度である。水溶性高分子の割合が、0.1重量%未満である場合には、薬物の溶出をコントロールするのが困難であり、50重量%を越えると薬物含有量が低下する。
核に対する被覆層の割合は、薬物の溶出性を制御できる範囲で選択でき、例えば、核100重量部に対して、約50〜400重量部程度である。被覆量が約50重量部未満では、薬物の溶出をコントロールするのが困難であり、約400重量部を越えると、粒が大きく成長し、散剤の粒度規格を外れやすくなる。
なお、被覆層は複数の層で形成されていてもよく、複数の被覆層の少なくとも1つの層が薬物を含有していればよい。複数の被覆層を構成する、活性成分を有しない被覆層や下掛け用の被覆層、腸溶性被覆層など種々の被覆層の組み合わせは適宜選択されうる。
本発明の有核散剤は酸に不安定な生理活性物質の保護あるいは腸溶性の付与を目的として腸溶性被覆層を外層として有する。この目的で用いられる腸溶性のコティング剤としては、例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(以下、HP−55と記載する)、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、アクリル酸コポリマー(例えば、オイドラギット(Eudragit) L30D−55など)、カルボキシメチルエチルセルロース、セラックなどが挙げられる。
腸溶性被覆層の割合は、有核散剤全体(総量)に対して約35重量〜50重量%の範囲である。腸溶性被覆層の割合が、35重量%未満である場合には、薬物含有層中の酸に不安定な薬物を安定性を十分に保つことが困難であり、50重量%を越えると薬物の溶出性が低下し始める。
【0021】
前記有核散剤の平均粒子径は、約300μm以下、好ましくは約100〜300μm、さらに好ましくは約150〜300μm程度である。このような平均粒子径を有する有核散剤は、目開き300μmの篩を全通し、42号(355μm)の篩に残留する粒子が全体の約5w/w%以下であり、かつ100号(150μm)の篩を通過する粒子が全体の約5w/w%以下であるような粒子が含まれうる。発泡剤用途において、粒子径の小さな有核散剤粒子は均一な水溶液あるいは懸濁液をすみやかに調製し、その分散状態を維持するうえで有利である。しかし、粒子径があまり小さくなると、製造工程において静電気により製造機器の壁に散剤が付着するなどの問題が生じ易くなる。
前記有核散剤の比容は約3ml/g、好ましくは約2ml/gである。発泡剤組成物を投入して得られる懸濁液中での有核散剤の均一な分散状態を維持する場合、分散媒の比重(比容)に応じて比容は上記範囲から適宜選択すればよい。
本発明発泡性組成物に用いられる有核散剤においては、水溶性高分子(例えば、HPC,HPMCなど)の粘度や含有量の異なる被膜(被覆層)を形成したり、エタノール可溶性の水溶性高分子(例えばHPC)とエタノール不溶性の水溶性高分子(例えばHPMC)との比率を調整して被膜を形成することにより、薬物の溶出性をコントロールできる。また、溶解する液性に余り影響されることなく、薬物の溶出性を適当にコントロールできる。
【0022】
本発明の発泡性組成物は、服用時の爽快感を与えるため発泡成分を含んでいる。また、発泡剤としても、溶出性は有核散剤単独と同様に精度よくコントロールすることができる。発泡成分には、安全性を損わない限り種々の化合物が使用でき、例えば、アルカリ金属炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)および炭酸アンモニウムなどが含まれる。これらの発泡成分は、単独で又二種以上使用できる。好ましい発泡成分には、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが含まれる。発泡成分の割合は、発泡性を付与できる範囲で選択でき、例えば、有核散剤100重量部に対して約10〜2500重量部、好ましくは約50〜2000重量部(例えば、約75〜1500重量部)、さらに好ましくは約100〜1000重量部程度である。
【0023】
前記発泡成分は単独で用いてもよく、発泡助剤と組み合わせて使用してもよい。発泡助剤には、可食性発泡助剤、特に可食性有機酸、例えば、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸などのオキシカルボン酸、酢酸、コハク酸などの飽和脂肪族カルボン酸、フマル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸などが含まれる。これらの発泡助剤も一種又は二種以上使用できる。好ましい可食性発泡助剤には、クエン酸、酒石酸などのオキシカルボン酸などが含まれる。発泡助剤の使用量は、通常、前記発泡成分1規定に対して約0.1〜2.0当量、好ましくは約0.3〜1.7当量程度であり、腸溶性被膜を施している有核散剤においてはpHを酸性領域に維持するため、前記発泡成分1規定に対して、約1.0〜2.0当量、好ましくは、約1.3〜1.7当量程度であり、また、胃溶性被膜を施している有核散剤においてはpHを塩基性領域に維持するため、約0.1〜1.0当量、好ましくは0.3〜0.7当量程度である。
本発明の発泡性組成物は、前記有核散剤と発泡成分とを含んでいればよく、必要に応じて、さらに前記添加剤(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤など)を含んでいてもよい。
【0024】
本発明の発泡性組成物は、細粒状の核を水溶性高分子および少なくとも一種の薬物を含む混合液で被覆し、得られた有核散剤と発泡成分とを混合することにより調整することができる。発泡助剤を組み合わせて使用することが好ましい。
前記の薬物・水溶性高分子混合液は、溶液であってもよく、分散液であってもよい。混合液は、水あるいはエタノールなどの有機溶媒、またはこれらの混液を用いて調製できる。
混合液中の水溶性高分子の濃度は、薬物および添加剤の割合により異なるが、通常約0.1〜50重量%、好ましくは約0.5〜10重量%程度である。濃度が0.1重量%未満では核に対する薬物の結合力が小さく、50重量%を越えると、混合液の粘度が増大して作業性が低下し易い。
被覆層は1つの層に限らず複数の層で形成してもよい。この場合、水溶性高分子の配合割合や粘度のグレードを選定したり、薬物や他の添加剤の割合が変化した混合液を用いて順次被覆し、各層の薬物濃度を連続的にまたは段階的に変動させてもよい。その場合、被覆層全体が水溶性高分子を約0.1〜50重量%含む限り、約0.1〜50重量%の配合割合を外れた混合液で被覆してもよい。さらには、公知の方法により不活性な被膜を形成し、薬物を含む各層の間を遮断するよう複数からなる被覆層としてもよい。
また、2種以上の配合性の悪い薬物を配合する場合、それぞれの混合液を同時にまたは別々に使用して、核を被覆してもよい。
【0025】
本発明の他の方法においては、混合液を核に噴霧しながら、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末散布剤を散布することにより有核散剤を調製してもよい。この方法では、粉末状散布剤を散布するという簡単な操作で被覆層を形成できる。散布剤の粒度は、好ましくは約50μm以下である。
前記の方法により核を混合液などで被覆することにより、造粒が行なわれる。造粒温度は、薬物の安定性を損わない範囲で行なわれる。薬物の安定性が高い場合には、混合液の温度は特に調整する必要はなく、一般に混合液の温度は室温(例えば、1〜30℃程度)である。核を被覆する方法は特に制限されず、例えば、遠心流動型コーティング造粒装置、流動型コーティング造粒装置、撹拌造粒装置などの慣用の設備が使用できる。遠心流動型コーティング造粒装置の具体例としては、例えば、フロイント社製の「CF装置」や「スパイラフロー」、パウレック社製の「マルチプレックス」、不二パウダル社製の「ニューマルメ」などが挙げられる。なお、混合液の噴霧方法は造粒装置の種類に応じて適当に選択でき、例えば、ボトムスプレー方式、タンジェンシャルスプレー方式などのいずれであってもよい。
【0026】
造粒物を乾燥した後、篩により粒度の揃った有核散剤が得られる。散剤の形状は、通常、核に対応しているので、略球形の有核散剤を得ることもできる。篩としては、例えば50メッシュ(300μm)の丸篩が使用でき、50メッシュを通過する散剤を選別することにより、有核散剤が得られる。
このようにして得られた有核散剤には、味のマスキング、腸溶性、胃溶性などを付与するため、慣用の方法によりコーティングを施してもよい。
コーティング剤としては、例えば、HPMC、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール(例えば、マクロゴール6000など)、ツイーン80、プルロニックF68、ヒマシ油、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(以下、HP−55と記載する)、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、アクリル酸コポリマー(例えば、オイドラギットEudragit L30D−55など)、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、セラック、ワックス類、及びタルク、酸化チタン、ベンガラなどの色素が挙げられる。
なお、複数のコーティング剤を用い、複数のコーティング層(例えば、HPMCなどによる下掛けフィルム層と、アクリル酸コポリマーなどによる腸溶性フィルム層や胃溶性フィルム層など)を有核散剤に形成してもよい。
【0027】
上述のようにして得られる有核散剤と発泡成分とを混合して得られる本発明の発泡性組成物は、そのまま発泡剤として使用できる。発泡性組成物は、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤などの前記添加剤を用いて造粒、打錠することにより、顆粒剤、錠剤としてもよい。
また、有核散剤はカプセルに充填してカプセル剤としてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の発泡性組成物は、前記有核散剤を含むので、調剤性に優れ、添加量のバラツキが小さいと共に、有核散剤に加えて発泡成分を含むので、粒子径が小さくても、薬物の放出性を精度よくコントロールできる。また、服用時に爽快感を与える、酸に不安定な薬物の均一な液剤を用時調製することができる。
本発明の方法では、前記の如き優れた特性を有する発泡性組成物を、有核散剤と発泡成分とを混合するという簡単な操作で簡便かつ容易に得ることができる。
【0029】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
有核散剤の製造
アビセルSP(粒子径100〜200μm)800gを遠心流動型コーティング造粒機(パウレック社製:MP−10)に入れ、送風温度80℃、品温約38℃にコントロールし、タンジャンシャルスプレー方式で、予め調製した下記組成のバルク液を噴霧しコーティングした。規定量のバルク液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのまま乾燥を5分間行った後、60号の丸篩(250μm)と100号の丸篩(150μm)で篩過し、1450gの有核散剤を得た。
【0030】
[バルク液]
ランソプラゾール 300g
炭酸マグネシウム 200g
L−HPC 50g
タルク 50g
HPC(タイプSSL) 100g
水 3200g
下掛フィルム有核散剤の製造
前記有核散剤1200gを上記流動型コーティング造粒機(MP−10)に入れ、送風温度85℃、品温約40℃にコントロールし、予め調製した下記組成の下掛フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式で、供給速度12g/分で噴霧し、下掛フィルム有核散剤を得た。
【0031】
[フィルム液]
HPMC(タイプ2910、粘度3センチストークス) 80g
水 1520g
腸溶性有核散剤の製造
前記下掛フィルム有核散剤960gを前記流動型コーティング造粒機(MP−10)に入れ、送風温度65℃、品温約38℃にコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶性フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式で、供給速度15g/分で噴霧した。コーティング品を40℃で16時間真空乾燥し、42号の丸篩(355μm)と80号の丸篩(177μm)を用いて篩過し、1500gの腸溶性有核散剤を得た。
【0032】
[腸溶性フィルム液]
オイドラギット L30D-55 1783.8g
タルク 160.8g
マクロゴール6000 52.8g
酸化チタン 52.8g
ポリソルベート80 24.0g
水 3744.0g
さらに、静電気を除去するため、タンブラー混合機(TM−15,昭和化学(株)製)に前記腸溶性有核散剤1500g、タルク6g及び軽質無水ケイ酸6gを入れ、回転速度30rpmで3分間混合した。得られた腸溶性有核散剤は下記のように、シャープな粒度分布を示し、日局の粒度試験に合格する有核散剤である。
【0033】
篩 重量比
18号(850μm)残留 0%
30号(500μm)残留 0%
200号(75μm)残留 100%
200号(75μm)通過 0%
実施例2
発泡性組成物の製造
実施例1で得られた腸溶性有核散剤300mg、クエン酸粉末1800mgおよび炭酸水素ナトリウム粉末900mgを混合し発泡性組成物を調製した。
【0034】
実施例3
有核散剤の製造
アビセルSP(粒子径100〜200μm)800gを遠心流動型コーティング造粒機(パウレック社製:MP−10)に入れ、送風温度80℃、品温約38℃にコントロールし、タンジャンシャルスプレー方式で、予め調製した下記組成のバルク液を噴霧しコーティングした。規定量のバルク液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのまま乾燥を5分間行った後、60号(250μm)と100号(150μm)の丸篩で篩過し、1450gの有核散剤を得た。
【0035】
[バルク液]
ランソプラゾール 300g
炭酸マグネシウム 300g
L−HPC 50g
タルク 50g
HPC(タイプSSL) 100g
水 3200g
腸溶性有核散剤の製造
前記有核散剤960gを前記流動型コーティング造粒機(MP−10)に入れ、送風温度65℃、品温約38℃にコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶性フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式で15g/分で噴霧した。コーティング品を40℃で16時間真空乾燥し、42号(355μm)と80号(177μm)の丸篩を用いて篩過し、1500gの腸溶性有核散剤を得た。
【0036】
[腸溶性フィルム液]
オイドラギット L30D-55 1783.8g
タルク 160.8g
マクロゴール6000 52.8g
酸化チタン 52.8g
ポリソルベート80 24.0g
水 3744.0g
さらに、静電気を除去するため、タンブラー混合機(TM−15,昭和化学(株)製)に前記腸溶性有核散剤1500g、タルク6g及び軽質無水ケイ酸6gを入れ、30回転/分で3分間混合したところ、得られた腸溶性有核散剤は下記のように日局の粒度試験に合格する有核散剤である。
【0037】
篩 重量比
18号(850μm)残留 0%
30号(500μm)残留 0%
200号( 75μm)残留 100%
200号( 75μm)通過 0%
実施例4
発泡性組成物の製造
実施例3で得られた腸溶性有核散剤300mg、クエン酸粉末1800mgおよび炭酸水素ナトリウム粉末900mgを混合し発泡性組成物を製造した。
【0038】
実験例1
実施例1および3で得た腸溶性有核散剤と実施例2および4で得た発泡性組成物の溶出性を、日局・溶出試験法第2法(150rpm)で調べた。試験液は、腸溶性散剤であるため、日局・第1液を用いて試験を行った後、第2液を用いた。また、発泡性組成物は精製水100mlに分散・発泡させ、5分間放置した後、溶出試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003833314
表1から明らかなように、2つの腸溶性有核散剤は耐酸性および薬物の放出性は同等であり、さらに、発泡成分を加えて発泡させても腸溶性有核散剤と同等の耐酸性および薬物の放出性を維持することができ、発泡剤として服用しても細粒剤と同等の薬効が得られる。
【0040】
実験例2
実施例1で有核散剤の製造に核として用いた得たアビセルSPおよび得られた有核散剤、下掛けフィルム有核散剤、腸溶性有核散剤の比容を、次の方法により測定した。
それぞれの粒50gを量り、200mlのメスシリンダーに徐々に入れて静置し、その容積を測った。得られた容積をその重量(50g)で割ることにより、比容を算出した。その結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0003833314

Claims (13)

  1. (a)比容5ml/g以下の細粒状の核に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる平均粒子径300μm以下の有核散剤、(b)発泡成分および(c)可食性有機酸である発泡助剤を含有し、(b)の含量が(a)100重量部に対して10〜2500重量部であり、(c)の含量が(b)1規定に対して1.0〜2.0当量である発泡性組成物。
  2. 細粒状の核が生理的に不活性である請求項1記載の発泡性組成物。
  3. 細粒状の核が球状である請求項1記載の発泡性組成物。
  4. 水溶性高分子がセルロース誘導体である請求項1記載の発泡性組成物。
  5. 水溶性高分子の含量が、有核散剤全体に対して0.1〜50重量%である請求項1記載の発泡性組成物。
  6. 生理活性物質がベンズイミダゾール系薬物である請求項1記載の発泡性組成物。
  7. ベンズイミダゾール系薬物がランソプラゾールである請求項6記載の発泡性組成物。
  8. 腸溶性被覆層の割合が、有核散剤全体に対して30〜50重量%である請求項1記載の発泡性組成物。
  9. 発泡成分が、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩および炭酸アンモニウムから選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の発泡性組成物。
  10. 発泡助剤が、オキシカルボン酸および飽和あるいは不飽和カルボン酸から選ばれた少なくとも一種の可食性有機酸である請求項1記載の発泡性組成物。
  11. (a)生理的に不活性な球状の細粒状の核に、水溶性セルロース誘導体とランソプラゾールとを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる有核散剤、(b)アルカリ金属炭酸水素塩から選ばれた発泡成分および(c)可食性のオキシカルボン酸から選ばれた発泡助剤を含有し、(b)の含量が(a)100重量部に対して10〜2500重量部であり、(c)の含量が(b)1規定に対して1.0〜2.0当量である請求項1記載の発泡性組成物。
  12. (a)比容5ml/g以下の細粒状の核に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる平均粒子径300μm以下の有核散剤、(b)(a)100重量部に対して10〜2500重量部の発泡成分および(c)(b)1規定に対して1.0〜2.0当量の可食性有機酸である発泡助剤を混合する発泡性組成物の製造方法。
  13. 比容5ml/g以下の細粒状の核に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる比容2ml/g以下、平均粒子径300μm以下であり、腸溶性被覆層の割合が有核散剤全体に対して30〜50重量%である有核散剤。
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