JPH09132522A - 発泡性組成物およびその製造方法 - Google Patents

発泡性組成物およびその製造方法

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JPH09132522A
JPH09132522A JP23673396A JP23673396A JPH09132522A JP H09132522 A JPH09132522 A JP H09132522A JP 23673396 A JP23673396 A JP 23673396A JP 23673396 A JP23673396 A JP 23673396A JP H09132522 A JPH09132522 A JP H09132522A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発泡性組成物において、活性成分である薬物の
溶出性を制御し、該薬物の均一な液剤を用時調製し得る
製剤を提供する。 【解決手段】比容約5ml/gの細粒状の核に、水溶性
高分子(ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースなど)と少なくとも一種の薬
物、特に酸に不安定な薬物とを含む被覆層と腸容性の被
覆層とを被覆して得られる有核散剤と、発泡成分とを混
合してなる発泡性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品・医薬品・農
薬などの分野において、生理活性物質の溶出を適度にコ
ントロールできる発泡性組成物およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、食品・医薬品・農薬などの薬物
放出制御システム(ドラッグデリバリーシステム)に関
する検討が数多く行われている。特に経口投与剤形にお
いて、顆粒剤は、錠剤よりも、胃排出速度、吸収性にお
いて固体差がみられず、また食事の影響も殆ど受けな
い。そこで、経口投与剤を顆粒剤としたり、錠剤に顆粒
を配合したり[ドラッグ・デベロップメント・アンド・
インダストリアル・ファーマシー(Drug Development a
nd Industrial Pharmacy)、9(7)、1379-1396(1983) 参
照]、カプセルに顆粒を充填したカプセル剤としてい
る。
【0003】顆粒剤に関し、特開昭63−222121
号公報には、薬物、ヒドロキシプロピルセルロースおよ
びエタノール可溶性の可塑剤とを押し出し成形し、顆粒
剤を製造する方法が開示されている。この方法では、柔
軟性を付与するため、多量の可塑剤が使用されている。
特開昭63−99009号公報には、薬物含有固体粒子
を転動させながら、結合剤の水溶液又はアルコール溶液
を噴霧し、かつ胃及び腸で容易に溶解しない疎水性固体
微粒子を散布する方法が開示されている。この方法で
は、持続性の長い顆粒剤が得られる。
【0004】特開昭63−222112号公報には、薬
物、エタノール不溶性の水溶性高分子物質およびエタノ
ール可溶性の水溶性高分子物質を含有する持続性顆粒の
製剤が開示されている。この方法では、エタノール不溶
性の水溶性高分子が多量に必要であり、例えば、その実
施例では55%以上のエタノール不溶性の水溶性高分子
が使用されている。特開昭63−243036号公報に
は、ケイ酸カルシウムとヒドロキシプロピルメチルセル
ロースの胃内滞留型の持続性顆粒が開示されている。こ
の方法は、粉末であるケイ酸カルシウムを見掛比重が
1.0以下となるように、乾式で製剤化されている。さ
らに、特開平2−174931号公報には、低置換度ヒ
ドロキシプロピルセルロースの分散液を核顆粒に噴霧
し、有核顆粒を得る方法が提案され、この方法により得
られた顆粒は強度が強くしかも崩壊性に優れている。
【0005】ヨーロッパ特許公開公報0452862A
2には、少なくとも50重量%のマイクロクリスタリン
セルロースからなり、平均粒子径が100〜1000μ
mの不活性な球状の核を、結合剤の水溶液を用いて、活
性成分を含む粉体でコーティングし、コーティング剤の
水溶液又は水分散液を噴霧して得られた球状の顆粒が開
示されている。これらの方法により得られる顆粒剤は、
その粒子径の大部分が500μm以上という特徴があ
る。また、顆粒剤は、粒子径が大きくかつ揃っている。
従って、溶出制御基剤を被覆し、薬物の溶出性をコント
ロールする場合、コーティングのバラツキが小さく有利
である。しかしながら、粒子径が大きいため、調剤性が
劣るだけでなく、錠剤やカプセル剤に配合すると、顆粒
の添加量のバラツキが大きい。さらには、顆粒剤の剤形
では、「第11改正日本薬局方(以下、日局と記載する
ことがある)・製剤総則5顆粒剤」の項において粒度の
試験および崩壊の試験が必要であり、それらの規定を満
足した薬物放出制御をするには処方化が困難である。
【0006】一方、散剤は、日局の崩壊試験の規定がな
く、また、粒子径が500μm以下と小さいため、顆粒
剤に比べて調剤性に優れると共に、錠剤やカプセル剤に
配合した場合、その添加量のバラツキが小さくなる。ま
た、散剤は、一般に顆粒剤に比べて胃排出速度、吸収性
が高い。しかしながら、散剤の胃排出速度が高いため、
薬物によっては、血中濃度が早期に高くなり、副作用が
発現する場合がある。しかも、前記顆粒剤に関する先行
技術のうち、核に薬物を配合し、例えば高分子基剤のコ
ーティングにより薬物溶出制御を行う方法を、そのまま
散剤に適用すると、被覆のバラツキが大きく、被覆精度
が悪くなり、かつコーティング量も多くなる。従って、
顆粒剤よりも粒子径の小さな散剤において、薬物の放出
を精度よく制御することが困難である。特開平5−92
918号公報には、細粒状の核を、水溶性高分子と共に
少なくとも1種の生理活性物質で被覆し、粒子径が実質
的に500μm以下の有核散剤を得ることが提案されて
いる。この有核散剤は、粒子径の小さな散剤であって
も、薬物の放出を比較的精度よく制御できる利点があ
る。
【0007】また、発泡性医薬組成物においては、酸に
不安定な活性成分は発泡用成分中の酸と接触することに
より水酸化されたり分解され保存安定性が悪いので、こ
れら活性成分を安定に発泡性の顆粒や錠剤中に配合する
ことは困難であった。また、疎水性の薬物粒子は水の表
面張力により浮いて水上に皮膜を作ったり、あるいはグ
ラスの底に沈んだりし易いという問題もあった。一方、
発泡剤の副作用である制酸作用のため、この投与剤形を
適用し難い薬物も多い。上記の諸問題を回避し、患者が
飲み易い医薬品の発泡剤溶液を提供する点で、ヨーロッ
パ特許公開公報0670160A1は、可食性固形酸の
結晶を該結晶表面の融点を降下させ得る少なくとも1種
の中性の水溶性物質および炭酸水素アルカリ金属塩、炭
酸アルカリ金属塩、炭酸水素アルカリ土類金属塩、炭酸
アルカリ土類金属塩、固形の可食性酸のアルカリ金属塩
および固形の可食性酸のアルカリ土類金属塩から選ばれ
る少なくとも1種の物質で被覆してなる、医薬品とりわ
けβカロチン、シメチジン、ラニチジンやシスアプライ
ド等の酸に不安定な薬物の経口用発泡剤水溶液あるいは
懸濁液調製に適した発泡剤粒子を提案している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粒子
径が小さくても、薬物の溶出性を精度よく制御できる散
剤組成物およびその製造方法を提供することにあり、ま
た散剤組成物を含む顆粒剤、錠剤およびカプセル剤を提
供することにある。本発明のさらに他の目的は、服用前
に水に分散させる発泡剤としても、薬物、とりわけ酸に
不安定な薬物の溶出性が単独で服用した場合と同等であ
る発泡剤を提供することにある。具体的には、用時溶解
することにより、均一な経口液剤を調製可能な発泡剤が
その好ましい様態の1つである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため鋭意検討した結果、粒子径の小さな核
に、水溶性高分子と薬物とを含む混合液を噴霧し、被覆
層に薬物を含有させると、被覆のバラツキが小さく、被
覆量を多くできる有核散剤が得られ、このような有核散
剤と、発泡成分とを組み合わせると、薬物の溶出を適度
にコントロールできること、また、このような有核散剤
と発泡成分とを組合わせると服用時に爽快感を与えるこ
とを見いだし、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は(a)比容5ml/g以下の
細粒状の核に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物
質とを含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してな
る平均粒子径約300μm以下の有核散剤、(b)発泡成
分および(c)発泡助剤を含有し、(c)の含量が(b)1規
定に対して1.0〜2.0当量である発泡性組成物であ
る。また本発明の方法では、前記有核散剤と発泡成分と
を混合することにより発泡性組成物を製造する。なお、
本明細書において、「被覆」とは、核の表面全体を被覆
する場合に限らず、部分的に被覆する場合や、吸着また
は吸収されていている場合も含む意味に用いる。また、
「球状」とは、真球状に限らず、断面楕円状、なす型
状、液滴状などの曲面を有する形状も含む意味に用い
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に用いる細粒状の核の平均
粒子径は、約250μm以下であればよく、約50〜2
50μm、好ましくは約100〜250μm程度であ
る。このような平均粒子径を有する核としては、50号
(300μm)の篩を全通し、60号(250μm)の篩に
残留する粒子が全体の約5w/w%以下であり、かつ2
82号(53μm)の篩を通過する粒子が全体の約10
w/w%以下であるような粒子が含まれる。細粒状の核
の比容は約5ml/g、好ましくは約3ml/gである。
このような細粒状の核としては、例えば、結晶セルロー
スの約150〜250μmの球形造粒品(旭化成(株)
製、アビセルSP、以下、アビセルSPと記載する)、
結晶セルロースと乳糖による球状造粒物[例えば、結晶
セルロース(3部)と乳糖(7部)による約150〜2
50μmの球形造粒品(フロイント社製、ノンパレル、
以下、NP−7:3と記載する)、結晶セルロース(5
部)と乳糖(5部)による約150〜250μmの球形
造粒品(フロイント社製、ノンパレル、以下、NP−
5:5と記載する)など]、乳糖(9部)とアルファー
化デンプン(1部)による約50〜250μmの撹拌造
粒品、特開昭61−213201号公報に記載の微結晶
セルロース球形顆粒を分級した約250μm以下の微
粒、スプレーチリングや溶融造粒により球状に形成され
たワックス類などの加工品、オイル成分のゼラチンビー
ズ品などの加工品、ケイ酸カルシウム、デンプン、キチ
ン、セルロース、キトサンなどの多孔性粒子、グラニュ
ー糖、結晶乳糖、結晶セルロース、塩化ナトリウムなど
のバルク品およびそれらの製剤加工品などが挙げられ
る。さらに、これらを自体公知の粉砕あるいは造粒し、
篩過して所望の粒子径の粒子を調製してもよい。前記核
は後述する生理活性物質(以下、薬物と称することもあ
る)を含んでいてもよいが、薬物を含む被覆層により、
薬物の放出性をコントロールできるので、核は薬物を含
んでいなくてもよい。核の形状は特に制限されないが、
細粒状であっても、被覆のバラツキを小さくすると共
に、被覆量を多くするため、球状であるのが好ましい。
【0012】水溶性高分子としては、例えば、エタノー
ル可溶性の水溶性高分子[例えば、ヒドロキシプロピル
セルロース(以下、HPCと記載することがある)など
のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンなど];エ
タノール不溶性の水溶性高分子[例えば、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース(以下、HPMCと記載するこ
とがある)、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースナトリウムなどのセルロース誘導体、ポリアクリ
ル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナ
トリウム、グアーガムなど]などが挙げられる。なお、
エタノール可溶性の水溶性高分子とエタノール不溶性の
水溶性高分子とを併用したり、粘度の異なる水溶性高分
子を組み合わせて使用することにより、薬物の溶出性を
コントロールできる。好ましい水溶性高分子には、HP
C、HPMC、メチルセルロースなどのセルロース誘導
体、ポリビニルアルコールが含まれる。特に好ましい水
溶性高分子は、HPC、HPMCなどのセルロース誘導
体である。
【0013】HPCは、ヒドロキシプロポキシル基を、
例えば、53.4〜77.5重量%、好ましくは60〜7
0重量%程度含有する。HPCの20℃における2重量
%水溶液の粘度は、通常、1〜150000cps(セ
ンチポアズ)程度である。このようなHPCとしては、
日局ヒドロキシプロピルセルロースなどが使用される
(以下、HPCの粘度はいずれも20℃における2重量
%水溶液の値である)。なお、本発明で使用されるHP
Cは、前記特開平2−174931号公報に開示されて
いる低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとは、ヒド
ロキシプロポキシル基の置換度が異なる。HPMCは、
メトキシ基とヒドロキシプロポキシ基が結合した混合エ
ーテルである。HPMCのメトキシ基の含有量は、例え
ば、19〜30重量%、ヒドロキシプロポキシ基の含有
量は、例えば、4〜12重量%程度である。HPMCの
20℃における2重量%水溶液の粘度は、通常、1〜4
0000センチストークス程度である。このようなHP
MCとしては、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2208、日局ヒドロキシプロピルメチルセルロース
2906および日局ヒドロキシプロピルメチルセルロー
ス2910などが使用される。ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースは一種又は二種以上混合して使用できる。
【0014】生理活性物質は、経口投与される限り特に
限定されず、食品、医薬品、農薬などの分野で使用され
ている種々の生理活性物質が使用できる。好ましい生理
活性物質には、医薬活性成分、例えば、中枢神経系薬物
(ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフェ
ン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、ジ
クロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロラ
ゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノフ
ェン、エテンザミド、ケトプロフェンなど)、循環器系
薬物(モルシドミン、ビンポセチン、塩酸デラプリル、
プロプラノーロル、メチルドパ、ジピリダモール、フロ
セミド、トリアムテレン、ニフェジピン、アテノロー
ル、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロー
ル、カプトプリル、硝酸イソソルビドなど)、呼吸器系
薬物(アムレキサノクス、デキストロメトルファン、テ
オフィリン、シュードエフェドリン、サルブタモール、
グアイフェニシンなど)、消化器系薬物(ランソプラゾ
ール、オメプラゾールなどのベンツイミダゾール系薬
物、シメチジン、ラニチジン、パンクレアチン、ビサコ
ジル、5−アミノサリチル酸など)、抗生物質及び化学
療法剤(セファレキシン、セファクロール、セフラジ
ン、アモキシシリン、ピバンピシリン、バカンピシリ
ン、ジクロキサシリン、エリスロマイシン、エリスロマ
イシンステアレート、リンコマイシン、ドキシサイクリ
ン、トリメトプリム/スルファメトキサゾールなど)、
代謝系薬物(セラペプターゼ、塩化リゾチーム、アデノ
シントリフォスフェート、グリペンクラミド、塩化カリ
ウムなど)、ビタミン系薬物(ビタミンB1、ビタミンB
2、ビタミンB6、ビタミンC、フルスルチアミン、ビタ
ミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンKなど)、
制酸剤などが含まれる。これらの薬物は一種または二種
以上使用できる。
【0015】これらのうちでも、酸に不安定な薬物、す
なわち酸性領域で不安定および/または酸により不活性
となる薬物が好対象であり、例えばビタミン系薬物(ビ
タミンB12、ビタミンC、フルスルチアミン、葉酸、ビ
タミンA、ビタミンDなど)、ペプチド性薬物(セラペ
プチダーゼなど)、抗生物質、シメチジン、ラニチジン
あるいはランソプラゾールやオメプラゾールなど、以下
の一般式(I)で示される公知の抗潰瘍作用を有するベ
ンツイミダゾール系薬物などが好ましく挙げられる。 式(I)
【化1】 (式中、A環は置換されていてもよく、R1、R3および
4は同一または異なって水素、アルキル基またはアル
コキシ基を、R2はハロゲン、ヒドロキシ基あるいは炭
素数1〜4のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素
数1〜4のアルキル基を、nは0または1をそれぞれ示
す)
【0016】上記一般式(I)において、A環が置換さ
れている場合の置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル
基、置換されていてもよい炭素数3〜7のシクロアルキ
ル基、置換されていてもよい炭素数2〜16のアルケニ
ル基、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキ
シ基、シアノ基、カルボキシ基、C1-7アルコキシカル
ボニル基、C1-4アルコキシカルボニルC1-4アルキル
基、カルバモイル基、カルバモイルC1-4アルキル基、
ヒドロキシ基、ヒドロキシC1-7アルキル基、C1-6アシ
ル基、カルバモイルオキシ基、ニトロ基、C1-6アシル
オキシ基、C6-12アリール基、C6-12アリールオキシ
基、C1-6アルキルチオ基またはC1-6アルキルスルフィ
ニル基等が挙げられる。前記アルキル基、シクロアルキ
ル基、アルケニル基上の置換基としては、例えばハロゲ
ン、ニトロ、アミノ基(C1-4アルキル基、C1-4アシル
基等を1〜2個置換基として有していてもよい)、アミ
ジノ基、グアニジノ基、カルバモイル基等が挙げられ
る。前記アルコキシ基上の置換基としては、例えばハロ
ゲン、ニトロ、アミノ基(C1-4アルキル基、C1-4アシ
ル基等を1〜2個置換基として有していてもよい)、ア
ミジノ基、グアニジノ基等が挙げられる。また前記各基
における、これら置換基の数は1〜3個程度である。
【0017】R1、R3またはR4で示されるアルキル基
としては、例えば炭素数1〜10の直鎖または分枝状の
アルキル基が挙げられる。該アルキル基の具体例として
は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどが挙
げられる。この中で炭素数1〜6の直鎖または分枝状の
アルキル基が好ましい。さらに炭素数1〜3の直鎖また
は分枝状のアルキル基が特に好ましい。R1、R3または
4で示されるアルコキシ基としては、例えば炭素数1
〜10のアルコキシ基が挙げられる。該アルコキシ基の
具体例としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロ
ポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキ
シ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキ
シ、イソペントキシ、ネオペントキシ、ヘキシルオキ
シ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、
シクロブトキシ、シクロペントキシ、シクロヘキシルオ
キシ等が挙げられる。この中で炭素数1〜6のアルコキ
シ基が好ましい。さらに炭素数1〜3のアルコキシ基が
特に好ましい。R2で示されるアルキル基およびその置
換基であるアルコキシ基としては、上記に例示されるア
ルキル基およびアルコキシ基のうち、炭素数1〜4のア
ルキル基およびアルコキシ基等がそれぞれがあげられ
る。また、R2で示されるアルキル基の有する置換基数
は1〜3個が好ましい。
【0018】このような抗潰瘍作用を有するベンツイミ
ダゾール系化合物は、例えば特開昭52−62275号
公報、特開昭54−141783号公報、特開昭57−
53406号公報、特開昭58−135881号公報、
特開昭58−192880号公報、特開昭59−181
277号公報、特開昭61−50978号公報、特開昭
62−116576号公報、特開昭62−277322
号公報、特開昭62−258320号公報、特開昭62
−258316号公報、特開昭64−6270号公報、
特開昭64−79177号公報、特開平5−59043
号公報、特開昭62−111980号公報、特開平5−
117268号公報、ヨーロッパ特許公開第16628
7号公報、ヨーロッパ特許公開第519365号公報な
どに記載されている。本発明に用いられる生理活性物質
としては、これらのベンズイミダゾール系薬物がとりわ
け好ましい。このように、細粒状の核を酸に不安定な生
理活性物質(医薬)と水溶性高分子とを含有する被覆層
(内層)および腸溶性被覆層(外層)で被覆して成る有核散
剤は、本発明の有核散剤の好ましい様態として挙げげら
れる。
【0019】薬物を含む被覆層は、有核散剤の強度を増
すため、例えば特開平2−174931号公報に記載の
低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(以下、L−H
PCと記載する)や、その他の製剤添加剤を含んでいて
もよい。前記添加剤としては、散剤を製造する際に一般
に配合される添加剤が使用できる。添加剤としては、例
えば、乳糖、コーンスターチ、ショ糖、タルク、結晶セ
ルロース、マンニトール、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、L−システィンなどの賦形
剤;アルファー化デンプン、部分アルファー化デンプ
ン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ポリビニルピロリドン、プルラン、デキストリン、アラ
ビアゴムなどの結合剤;カルボキシメチルセルロースカ
ルシウム、デンプン類、クロスリンクドカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、クロスリンクドインソルブル
ポリビニルピロリドンなどの崩壊剤;酸化チタン、ベン
ガラ、タール色素などの着色剤等が挙げられる。保存安
定性の悪い薬物には安定剤を添加剤として添加すること
も望ましい。これらの添加剤は二種以上用いてもよい。
【0020】HPC及び/またはHPMCなどの水溶性
高分子の含量は、有核散剤中の薬物の溶出性をコントロ
ールできる範囲であればよく、有核散剤全体に対して、
例えば、約0.1重量〜50重量%、好ましくは約1〜
30重量%程度である。水溶性高分子の割合が、0.1
重量%未満である場合には、薬物の溶出をコントロール
するのが困難であり、50重量%を越えると薬物含有量
が低下する。核に対する被覆層の割合は、薬物の溶出性
を制御できる範囲で選択でき、例えば、核100重量部
に対して、約50〜400重量部程度である。被覆量が
約50重量部未満では、薬物の溶出をコントロールする
のが困難であり、約400重量部を越えると、粒が大き
く成長し、散剤の粒度規格を外れやすくなる。なお、被
覆層は複数の層で形成されていてもよく、複数の被覆層
の少なくとも1つの層が薬物を含有していればよい。複
数の被覆層を構成する、活性成分を有しない被覆層や下
掛け用の被覆層、腸溶性被覆層など種々の被覆層の組み
合わせは適宜選択されうる。本発明の有核散剤は酸に不
安定な生理活性物質の保護あるいは腸溶性の付与を目的
として腸溶性被覆層を外層として有する。この目的で用
いられる腸溶性のコティング剤としては、例えば、セル
ロースアセテートフタレート(CAP)、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロースフタレート(以下、HP−55と
記載する)、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサ
クシネート、アクリル酸コポリマー(例えば、オイドラ
ギット(Eudragit) L30D−55など)、カルボキシメ
チルエチルセルロース、セラックなどが挙げられる。腸
溶性被覆層の割合は、有核散剤全体(総量)に対して約3
5重量〜50重量%の範囲である。腸溶性被覆層の割合
が、35重量%未満である場合には、薬物含有層中の酸
に不安定な薬物を安定性を十分に保つことが困難であ
り、50重量%を越えると薬物の溶出性が低下し始め
る。
【0021】前記有核散剤の平均粒子径は、約300μ
m以下、好ましくは約100〜300μm、さらに好ま
しくは約150〜300μm程度である。このような平
均粒子径を有する有核散剤は、目開き300μmの篩を
全通し、42号(355μm)の篩に残留する粒子が全
体の約5w/w%以下であり、かつ100号(150μ
m)の篩を通過する粒子が全体の約5w/w%以下であ
るような粒子が含まれうる。発泡剤用途において、粒子
径の小さな有核散剤粒子は均一な水溶液あるいは懸濁液
をすみやかに調製し、その分散状態を維持するうえで有
利である。しかし、粒子径があまり小さくなると、製造
工程において静電気により製造機器の壁に散剤が付着す
るなどの問題が生じ易くなる。前記有核散剤の比容は約
3ml/g、好ましくは約2ml/gである。発泡剤組成
物を投入して得られる懸濁液中での有核散剤の均一な分
散状態を維持する場合、分散媒の比重(比容)に応じて比
容は上記範囲から適宜選択すればよい。本発明発泡性組
成物に用いられる有核散剤においては、水溶性高分子
(例えば、HPC,HPMCなど)の粘度や含有量の異
なる被膜(被覆層)を形成したり、エタノール可溶性の水
溶性高分子(例えばHPC)とエタノール不溶性の水溶
性高分子(例えばHPMC)との比率を調整して被膜を
形成することにより、薬物の溶出性をコントロールでき
る。また、溶解する液性に余り影響されることなく、薬
物の溶出性を適当にコントロールできる。
【0022】本発明の発泡性組成物は、服用時の爽快感
を与えるため発泡成分を含んでいる。また、発泡剤とし
ても、溶出性は有核散剤単独と同様に精度よくコントロ
ールすることができる。発泡成分には、安全性を損わな
い限り種々の化合物が使用でき、例えば、アルカリ金属
炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムな
ど)、アルカリ金属炭酸水素塩(例えば、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなど)および炭酸アンモニウ
ムなどが含まれる。これらの発泡成分は、単独で又二種
以上使用できる。好ましい発泡成分には、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸アンモニウムなどが含ま
れる。発泡成分の割合は、発泡性を付与できる範囲で選
択でき、例えば、有核散剤100重量部に対して約10
〜2500重量部、好ましくは約50〜2000重量部
(例えば、約75〜1500重量部)、さらに好ましく
は約100〜1000重量部程度である。
【0023】前記発泡成分は単独で用いてもよく、発泡
助剤と組み合わせて使用してもよい。発泡助剤には、可
食性発泡助剤、特に可食性有機酸、例えば、クエン酸、
酒石酸、リンゴ酸、乳酸、グルコン酸などのオキシカル
ボン酸、酢酸、コハク酸などの飽和脂肪族カルボン酸、
フマル酸などの不飽和脂肪族カルボン酸などが含まれ
る。これらの発泡助剤も一種又は二種以上使用できる。
好ましい可食性発泡助剤には、クエン酸、酒石酸などの
オキシカルボン酸などが含まれる。発泡助剤の使用量
は、通常、前記発泡成分1規定に対して約0.1〜2.0
当量、好ましくは約0.3〜1.7当量程度であり、腸溶
性被膜を施している有核散剤においてはpHを酸性領域
に維持するため、前記発泡成分1規定に対して、約1.
0〜2.0当量、好ましくは、約1.3〜1.7当量程度
であり、また、胃溶性被膜を施している有核散剤におい
てはpHを塩基性領域に維持するため、約0.1〜1.0
当量、好ましくは0.3〜0.7当量程度である。本発明
の発泡性組成物は、前記有核散剤と発泡成分とを含んで
いればよく、必要に応じて、さらに前記添加剤(例え
ば、賦形剤、結合剤、崩壊剤など)を含んでいてもよ
い。
【0024】本発明の発泡性組成物は、細粒状の核を水
溶性高分子および少なくとも一種の薬物を含む混合液で
被覆し、得られた有核散剤と発泡成分とを混合すること
により調整することができる。発泡助剤を組み合わせて
使用することが好ましい。前記の薬物・水溶性高分子混
合液は、溶液であってもよく、分散液であってもよい。
混合液は、水あるいはエタノールなどの有機溶媒、また
はこれらの混液を用いて調製できる。混合液中の水溶性
高分子の濃度は、薬物および添加剤の割合により異なる
が、通常約0.1〜50重量%、好ましくは約0.5〜1
0重量%程度である。濃度が0.1重量%未満では核に
対する薬物の結合力が小さく、50重量%を越えると、
混合液の粘度が増大して作業性が低下し易い。被覆層は
1つの層に限らず複数の層で形成してもよい。この場
合、水溶性高分子の配合割合や粘度のグレードを選定し
たり、薬物や他の添加剤の割合が変化した混合液を用い
て順次被覆し、各層の薬物濃度を連続的にまたは段階的
に変動させてもよい。その場合、被覆層全体が水溶性高
分子を約0.1〜50重量%含む限り、約0.1〜50重
量%の配合割合を外れた混合液で被覆してもよい。さら
には、公知の方法により不活性な被膜を形成し、薬物を
含む各層の間を遮断するよう複数からなる被覆層として
もよい。また、2種以上の配合性の悪い薬物を配合する
場合、それぞれの混合液を同時にまたは別々に使用し
て、核を被覆してもよい。
【0025】本発明の他の方法においては、混合液を核
に噴霧しながら、薬物及び/又は添加剤を混和した粉末
散布剤を散布することにより有核散剤を調製してもよ
い。この方法では、粉末状散布剤を散布するという簡単
な操作で被覆層を形成できる。散布剤の粒度は、好まし
くは約50μm以下である。前記の方法により核を混合
液などで被覆することにより、造粒が行なわれる。造粒
温度は、薬物の安定性を損わない範囲で行なわれる。薬
物の安定性が高い場合には、混合液の温度は特に調整す
る必要はなく、一般に混合液の温度は室温(例えば、1
〜30℃程度)である。核を被覆する方法は特に制限さ
れず、例えば、遠心流動型コーティング造粒装置、流動
型コーティング造粒装置、撹拌造粒装置などの慣用の設
備が使用できる。遠心流動型コーティング造粒装置の具
体例としては、例えば、フロイント社製の「CF装置」
や「スパイラフロー」、パウレック社製の「マルチプレ
ックス」、不二パウダル社製の「ニューマルメ」などが
挙げられる。なお、混合液の噴霧方法は造粒装置の種類
に応じて適当に選択でき、例えば、ボトムスプレー方
式、タンジェンシャルスプレー方式などのいずれであっ
てもよい。
【0026】造粒物を乾燥した後、篩により粒度の揃っ
た有核散剤が得られる。散剤の形状は、通常、核に対応
しているので、略球形の有核散剤を得ることもできる。
篩としては、例えば50メッシュ(300μm)の丸篩
が使用でき、50メッシュを通過する散剤を選別するこ
とにより、有核散剤が得られる。このようにして得られ
た有核散剤には、味のマスキング、腸溶性、胃溶性など
を付与するため、慣用の方法によりコーティングを施し
てもよい。コーティング剤としては、例えば、HPM
C、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレング
リコール(例えば、マクロゴール6000など)、ツイ
ーン80、プルロニックF68、ヒマシ油、セルロース
アセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセル
ロースフタレート(以下、HP−55と記載する)、ヒ
ドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、ア
クリル酸コポリマー(例えば、オイドラギットEudragit
L30D−55など)、カルボキシメチルエチルセルロ
ース、ポリビニルアセタルジエチルアミノアセテート、
セラック、ワックス類、及びタルク、酸化チタン、ベン
ガラなどの色素が挙げられる。なお、複数のコーティン
グ剤を用い、複数のコーティング層(例えば、HPMC
などによる下掛けフィルム層と、アクリル酸コポリマー
などによる腸溶性フィルム層や胃溶性フィルム層など)
を有核散剤に形成してもよい。
【0027】上述のようにして得られる有核散剤と発泡
成分とを混合して得られる本発明の発泡性組成物は、そ
のまま発泡剤として使用できる。発泡性組成物は、例え
ば、賦形剤、結合剤、崩壊剤などの前記添加剤を用いて
造粒、打錠することにより、顆粒剤、錠剤としてもよ
い。また、有核散剤はカプセルに充填してカプセル剤と
してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明の発泡性組成物は、前記有核散剤
を含むので、調剤性に優れ、添加量のバラツキが小さい
と共に、有核散剤に加えて発泡成分を含むので、粒子径
が小さくても、薬物の放出性を精度よくコントロールで
きる。また、服用時に爽快感を与える、酸に不安定な薬
物の均一な液剤を用時調製することができる。本発明の
方法では、前記の如き優れた特性を有する発泡性組成物
を、有核散剤と発泡成分とを混合するという簡単な操作
で簡便かつ容易に得ることができる。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 有核散剤の製造 アビセルSP(粒子径100〜200μm)800gを
遠心流動型コーティング造粒機(パウレック社製:MP
−10)に入れ、送風温度80℃、品温約38℃にコン
トロールし、タンジャンシャルスプレー方式で、予め調
製した下記組成のバルク液を噴霧しコーティングした。
規定量のバルク液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのま
ま乾燥を5分間行った後、60号の丸篩(250μm)
と100号の丸篩(150μm)で篩過し、1450g
の有核散剤を得た。
【0030】[バルク液] ランソプラゾール 300g 炭酸マグネシウム 200g L−HPC 50g タルク 50g HPC(タイプSSL) 100g 水 3200g 下掛フィルム有核散剤の製造 前記有核散剤1200gを上記流動型コーティング造粒
機(MP−10)に入れ、送風温度85℃、品温約40
℃にコントロールし、予め調製した下記組成の下掛フィ
ルム液をタンジャンシャルスプレー方式で、供給速度1
2g/分で噴霧し、下掛フィルム有核散剤を得た。
【0031】 [フィルム液] HPMC(タイプ2910、粘度3センチストークス) 80g 水 1520g 腸溶性有核散剤の製造 前記下掛フィルム有核散剤960gを前記流動型コーテ
ィング造粒機(MP−10)に入れ、送風温度65℃、
品温約38℃にコントロールし、予め調製した下記組成
の腸溶性フィルム液をタンジャンシャルスプレー方式
で、供給速度15g/分で噴霧した。コーティング品を
40℃で16時間真空乾燥し、42号の丸篩(355μ
m)と80号の丸篩(177μm)を用いて篩過し、1
500gの腸溶性有核散剤を得た。
【0032】[腸溶性フィルム液] オイドラギット L30D-55 1783.8g タルク 160.8g マクロゴール6000 52.8g 酸化チタン 52.8g ポリソルベート80 24.0g 水 3744.0g さらに、静電気を除去するため、タンブラー混合機(T
M−15,昭和化学(株)製)に前記腸溶性有核散剤1
500g、タルク6g及び軽質無水ケイ酸6gを入れ、
回転速度30rpmで3分間混合した。得られた腸溶性
有核散剤は下記のように、シャープな粒度分布を示し、
日局の粒度試験に合格する有核散剤である。
【0033】 実施例2 発泡性組成物の製造 実施例1で得られた腸溶性有核散剤300mg、クエン
酸粉末1800mgおよび炭酸水素ナトリウム粉末90
0mgを混合し発泡性組成物を調製した。
【0034】実施例3 有核散剤の製造 アビセルSP(粒子径100〜200μm)800gを
遠心流動型コーティング造粒機(パウレック社製:MP
−10)に入れ、送風温度80℃、品温約38℃にコン
トロールし、タンジャンシャルスプレー方式で、予め調
製した下記組成のバルク液を噴霧しコーティングした。
規定量のバルク液を噴霧した時点で噴霧を止め、そのま
ま乾燥を5分間行った後、60号(250μm)と10
0号(150μm)の丸篩で篩過し、1450gの有核
散剤を得た。
【0035】[バルク液] ランソプラゾール 300g 炭酸マグネシウム 300g L−HPC 50g タルク 50g HPC(タイプSSL) 100g 水 3200g 腸溶性有核散剤の製造 前記有核散剤960gを前記流動型コーティング造粒機
(MP−10)に入れ、送風温度65℃、品温約38℃
にコントロールし、予め調製した下記組成の腸溶性フィ
ルム液をタンジャンシャルスプレー方式で15g/分で
噴霧した。コーティング品を40℃で16時間真空乾燥
し、42号(355μm)と80号(177μm)の丸
篩を用いて篩過し、1500gの腸溶性有核散剤を得
た。
【0036】[腸溶性フィルム液] オイドラギット L30D-55 1783.8g タルク 160.8g マクロゴール6000 52.8g 酸化チタン 52.8g ポリソルベート80 24.0g 水 3744.0g さらに、静電気を除去するため、タンブラー混合機(T
M−15,昭和化学(株)製)に前記腸溶性有核散剤1
500g、タルク6g及び軽質無水ケイ酸6gを入れ、
30回転/分で3分間混合したところ、得られた腸溶性
有核散剤は下記のように日局の粒度試験に合格する有核
散剤である。
【0037】 実施例4 発泡性組成物の製造 実施例3で得られた腸溶性有核散剤300mg、クエン
酸粉末1800mgおよび炭酸水素ナトリウム粉末90
0mgを混合し発泡性組成物を製造した。
【0038】実験例1 実施例1および3で得た腸溶性有核散剤と実施例2およ
び4で得た発泡性組成物の溶出性を、日局・溶出試験法
第2法(150rpm)で調べた。試験液は、腸溶性散剤
であるため、日局・第1液を用いて試験を行った後、第
2液を用いた。また、発泡性組成物は精製水100ml
に分散・発泡させ、5分間放置した後、溶出試験を行っ
た。試験結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 表1から明らかなように、2つの腸溶性有核散剤は耐酸
性および薬物の放出性は同等であり、さらに、発泡成分
を加えて発泡させても腸溶性有核散剤と同等の耐酸性お
よび薬物の放出性を維持することができ、発泡剤として
服用しても細粒剤と同等の薬効が得られる。
【0040】実験例2 実施例1で有核散剤の製造に核として用いた得たアビセ
ルSPおよび得られた有核散剤、下掛けフィルム有核散
剤、腸溶性有核散剤の比容を、次の方法により測定し
た。それぞれの粒50gを量り、200mlのメスシリン
ダーに徐々に入れて静置し、その容積を測った。得られ
た容積をその重量(50g)で割ることにより、比容を算
出した。その結果を表2に示す。
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/38 A61K 47/38 D

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)比容約5ml/g以下の細粒状の核に、水
    溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被
    覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる平均粒子径約3
    00μm以下の有核散剤、(b)発泡成分および(c)
    発泡助剤を含有し、(c)の含量が(b)1規定に対して
    1.0〜2.0当量である発泡性組成物。
  2. 【請求項2】細粒状の核が生理的に不活性である請求項
    1記載の発泡性組成物。
  3. 【請求項3】細粒状の核が球状である請求項1記載の発
    泡性組成物。
  4. 【請求項4】水溶性高分子がセルロース誘導体である請
    求項1記載の発泡性組成物。
  5. 【請求項5】水溶性高分子の含量が、有核散剤全体に対
    して約0.1〜50重量%である請求項1記載の発泡性
    組成物。
  6. 【請求項6】生理活性物質がベンズイミダゾール系薬物
    である請求項1記載の発泡性組成物。
  7. 【請求項7】ベンズイミダゾール系薬物がランソプラゾ
    ールである請求項6記載の発泡性組成物。
  8. 【請求項8】腸溶性被覆層の割合が、有核散剤全体に対
    して約30〜50重量%である請求項1記載の発泡性組
    成物。
  9. 【請求項9】発泡成分が、アルカリ金属炭酸塩、アルカ
    リ金属炭酸水素塩および炭酸アンモニウムから選ばれた
    少なくとも一種である請求項1記載の発泡性組成物。
  10. 【請求項10】発泡助剤が、オキシカルボン酸および飽
    和あるいは不飽和カルボン酸から選ばれた少なくとも一
    種の可食性有機酸である請求項1記載の発泡性組成物。
  11. 【請求項11】発泡成分の割合が、有核散剤100重量
    部に対して約10〜2500重量部である請求項1記載
    の発泡性組成物。
  12. 【請求項12】(a)生理的に不活性な球状の細粒状の
    核に、水溶性セルロース誘導体とランソプラゾールとを
    含有する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる有核
    散剤、(b)アルカリ金属炭酸塩から選ばれた発泡成分
    および(c)可食性のオキシカルボン酸から選ばれた発
    泡助剤を含有し、(b)の含量が(a)100重量部に
    対して約10〜2500重量部であり、(c)の含量が
    (b)1規定に対して1.0〜2.0当量である請求項1
    記載の発泡性組成物。
  13. 【請求項13】(a)比容約5ml/g以下の細粒状の核
    に、水溶性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有
    する被覆層および腸溶性被覆層で被覆してなる平均粒子
    径約300μm以下の有核散剤、(b)発泡成分および
    (b)1規定に対して1.0〜2.0当量の(c)発泡助
    剤とを混合する発泡性組成物の製造方法。
  14. 【請求項14】比容約5ml/g以下の細粒状の核に、水溶
    性高分子と酸に不安定な生理活性物質とを含有する被覆
    層および腸溶性被覆層で被覆してなる比容約2ml/g以
    下、平均粒子径約300μm以下であり、腸溶性被覆層
    の割合が有核散剤全体に対して約30〜50重量%であ
    る有核散剤。
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