JP2012153712A - 胸やけの処置法 - Google Patents
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Abstract
【課題】胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法および/または予防法を提供すること。
【解決手段】胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法または予防法であって、かかるヒトに、有効量のプロトンポンプ阻害物質および有効な酸中和量の炭酸水素アルカリ金属塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
【選択図】なし
【解決手段】胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法または予防法であって、かかるヒトに、有効量のプロトンポンプ阻害物質および有効な酸中和量の炭酸水素アルカリ金属塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
【選択図】なし
Description
(発明の分野)
本発明は、胸やけおよび胃酸過多の処置のためのオメプラゾール−炭酸水素塩配合物の使用を開示する。
本発明は、胸やけおよび胃酸過多の処置のためのオメプラゾール−炭酸水素塩配合物の使用を開示する。
(発明の背景)
1998年11月24日に発行されたフィリップス,ジェイ(Phillips, J.)の米国特許第5,840,737号には、炭酸水素塩とオメプラゾールとの配合が開示されている。該請求項は、炭酸水素塩(好ましくは、ナトリウムまたはカリウム)と一緒にオメプラゾールまたはランソプラゾールを含む医薬組成物の単回投与を用いる胃酸障害(不特定)の処置に関するものである。投薬は、水溶液または水性懸濁液として経口投与される。
1998年11月24日に発行されたフィリップス,ジェイ(Phillips, J.)の米国特許第5,840,737号には、炭酸水素塩とオメプラゾールとの配合が開示されている。該請求項は、炭酸水素塩(好ましくは、ナトリウムまたはカリウム)と一緒にオメプラゾールまたはランソプラゾールを含む医薬組成物の単回投与を用いる胃酸障害(不特定)の処置に関するものである。投薬は、水溶液または水性懸濁液として経口投与される。
該フィリップス特許は、危篤患者における上部GI出血の予防的阻止に集中している。特に、ほとんどの病院の集中治療室において日常的な処置となっているストレス性潰瘍の予防に関している。固有の利点は、経鼻胃管を介して直接胃に溶液を注入できることである。データは、オメプラゾール−炭酸水素塩の溶液/懸濁液が、pH中和の迅速な開始(炭酸水素塩による)とプロトンポンプ阻害物質(PPI)の作用の期間延長とを兼ね備えていることを示している。同時にPPIであるオメプラゾールの作用の開始が増強される。これは、オメプラゾールの吸収を増強する炭酸水素塩の作用を反映していると考えられる。実際、炭酸水素塩の存在下、オメプラゾールは、より迅速に全身的に利用可能になることが観察され、オメプラゾールの初期吸収は、腸溶性被覆ペレット剤として投与されたオメプラゾールについての2〜3時間に対して、配合物では10〜12分以内に観察される。
しかしながら、フィリップスは、PPI+炭酸水素塩の投与が胸やけ症状の軽減のための作用の迅速な開始および期間延長をもたらす手段として有用であることならびに胸やけ症状の再発の回避に有用であることを示唆していない。
オメプラゾールは、キム(Kim)の米国特許第5,219,870号に開示されているポリエチレングリコールの混合物におけるような多くの様々な実施態様において処方されている;バーグランド(Berglund)の米国特許第5,395,323号には、固体供給物からの医薬品を患者への非経口投与のための非経口上許容される液体形態に混合する装置が開示されている。
ロヴグレン(Lovgren)らの米国特許第4,786,505号には、錠剤処方物においてコア物質として、アルカリ反応性化合物と一緒にオメプラゾールを含むか、または任意にアルカリ性化合物と一緒にオメプラゾールのアルカリ塩を含む医薬製剤が開示されている。炭酸のナトリウム塩のような物質から選択できるアルカリ性物質を用いて各オメプラゾール粒子の周りに「マイクロpH」を形成して、酸性pHに対して非常に高感度のオメプラゾールを保護する。
酸中和を迅速に開始する製剤を患者に単回投与できる能力は、胸やけ症状の処置または予防のための投与剤形に非常に望ましい。
(発明の概要)
本発明は、胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法および/または予防法であって、かかるヒトに、有効量のプロトンポンプ阻害物質および有効な酸中和量の炭酸水素アルカリ金属塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
該投与は、好ましくは、炭酸水素塩の第二の投薬のさらなる投与を必要としない単回投与からなる。
本発明は、胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法および/または予防法であって、かかるヒトに、有効量のプロトンポンプ阻害物質および有効な酸中和量の炭酸水素アルカリ金属塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法に関する。
該投与は、好ましくは、炭酸水素塩の第二の投薬のさらなる投与を必要としない単回投与からなる。
(発明の詳細な記載)
本発明は、胸やけ症状の軽減のための医薬組成物の単回投与に関する。本明細書で用いる場合、「胸やけ症状」なる用語は、消化不良、胃酸過多(sour stomach)および胃の不調(upset stomach)に関連する胸やけ、食事に伴う偶発性および併発性の胸やけ、ならびに酸性胃内容物の胃食道逆流に関連する胸やけを包含する。これらは、一般に、典型的には一般用(OTC)医薬品、例えば、制酸薬、および、より最近では、低投与量のヒスタミンH2受容体アンタゴニストを用いて処置されるよく認識されている症状である。本明細書で考慮される処置は、FDAのような種々の取締機関が処方箋なしでH2受容体アンタゴニストの使用を認可したこれらの症状と同一のものである。
本発明は、胸やけ症状の軽減のための医薬組成物の単回投与に関する。本明細書で用いる場合、「胸やけ症状」なる用語は、消化不良、胃酸過多(sour stomach)および胃の不調(upset stomach)に関連する胸やけ、食事に伴う偶発性および併発性の胸やけ、ならびに酸性胃内容物の胃食道逆流に関連する胸やけを包含する。これらは、一般に、典型的には一般用(OTC)医薬品、例えば、制酸薬、および、より最近では、低投与量のヒスタミンH2受容体アンタゴニストを用いて処置されるよく認識されている症状である。本明細書で考慮される処置は、FDAのような種々の取締機関が処方箋なしでH2受容体アンタゴニストの使用を認可したこれらの症状と同一のものである。
胸やけの治療における本発明の使用は、胃腸症状を自己制御するのに安全かつ有効かつ有用な治療である。この治療は、活動性十二指腸潰瘍、胃潰瘍、胃食道逆流疾患(GERD)、重篤なびらん性食道炎、低応答性系統的GERD、およびゾリンジャー−エリソン症候群のような病理学的分泌過多症状などの医学的に診断可能な胃腸疾患のためのプロトンポンプ阻害物質および炭酸水素アルカリ金属塩の使用と異なる。投与は、基本的には、一回だけの処置であり、必ずしも何日間もの間、何週間もの間または長期間の間にわたって1日に複数回投与するのに用いられるわけではないが、このように使用することができると認識される。
本発明において有用な適当なプロトンポンプ阻害物質(PPI)としては、一般に置換ベンゾイミダールと称される化合物の分類に属するこれらの抗分泌性化合物が挙げられる。オメプラゾールは、5−メトキシ−2−[(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾールなる置換ベンゾイミダゾールである。また、オメプラゾールの個々のエナンチオマー、例えば、(S)異性体、または適当な塩形態、例えば、カルシウムもしくはマグネシウム塩、またはオメプラゾールの(S)マグネシウム塩のような両方を組み合わせたものもまた本発明での使用に適当である。本発明での使用に適当な他の置換ベンゾイミダゾールとしては、ランソプラゾール、2−[[[3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール;パントプラゾール、5−(ジフルオロメトキシ)−2−[[(3,4−ジメトキシ−2−ピリジニル)メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾール;およびラベプラゾール、2−[[[4−(3−メトキシプロポキシ)−3−メチル−2−ピリジニル]メチル]スルフィニル]−1H−ベンゾイミダゾールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
この分類の化合物(プロトンポンプ阻害物質)は、胃酸分泌を抑制し、抗コリン作動特性またはヒスタミンH2アンタゴニスト特性を示さない。この分類の薬物は、胃の壁細胞の分泌表面でH<+>/K<+>ATPase酵素系の特異的阻害により胃酸分泌を抑制する。
現行のプロトンポンプ阻害物質の使用、特に、静脈内または経口用液体投与形態のプロトンポンプ阻害物質の使用は、主に、潰瘍、または他の医学的に判定された胃腸管の粘膜出血の医学的に診断可能な処置に関するものである。種々のH2アンタゴニスト、制酸薬およびスクラルファートの組合せは、かかる障害の予防としての他の現行治療法の選択肢である。
しかしながら、これらの使用は、胸やけ症状の予防または処置に関するものではない。
いくつかの緩衝化オメプラゾール溶液が刊行物に開示されている;Andersson et al., Clinical Pharmacokinetics 24(1): 71-8 (1993);Landahl et al., Clinical Pharmacokinetics 23 (6): 469-76 (1992);Andersson et al., Br. J. Clin. Pharmacol., 29(5): 557-63 (1990);Regardh et al., Ther. Drug Monit. 12(2): 163-72 (1990);Andersson et al., Eur. J. Clin. Pharmacol., 39(2): 195-7(1990);および Pilbrant et al., Gastroenterol Suppl., 108: 113-20 (1985)。
これらの刊行物に開示されている緩衝化オメプラゾール溶液は、全て、経口投与されており、経口投与量を摂取することができる健康な患者に投与されていた。これらの研究の全てにおいて、オメプラゾールは、投与の間じゅう酸に対する感度が高いオメプラゾールを保護するために、pHバッファーとして炭酸水素ナトリウムを含む溶液に懸濁された。これらの研究の全てにおいて、経口投与経路を介して投与されるオメプラゾールの酸分解を防止するために、オメプラゾール投与の前、その間、およびその後に炭酸水素ナトリウムの反復投与を必要とした。
炭酸水素塩は、制酸薬としてのその酸中和能のために投与されたのではなく、PPIの分解を防止することにおけるその使用のために投与された。結果として、本発明とは異なって、多量の炭酸水素ナトリウムおよび多量の水の摂取を必要とした。これらの上記研究において、経口投与のためのオメプラゾールの単回投与に伴って水300ml中48ミリモルほどの炭酸水素ナトリウムが摂取された。
本発明は、水と一緒に過剰量の炭酸水素塩を摂取する必要がない。さらにまた、PPIの作用の開始の増強により、胸やけ症状の迅速でかつ長く持続する軽減を達成するために最少用量の使用が可能になる。PPIと炭酸水素塩との併用により、しばしば標準的なRx治療用途(例えば、十二指腸潰瘍または胃潰瘍の治癒、食道びらんの治癒など)については最適以下である用量でPPIの使用が可能になる。オメプラゾールの場合、約10〜約20mgの用量が望ましい。
本発明の別の態様は、固体形態で、例えば、サシェの粉末剤形でまたは容易に分散させることができる錠剤もしくはカプセル剤として供給される、オメプラゾール溶液/懸濁液を迅速に調製するのに用いることができるオメプラゾールおよび炭酸水素塩の投与形態である。別法として、経口摂取用の圧縮錠剤またはカプセル剤におけるようなオメプラゾールおよび炭酸水素塩の固体投与形態もまた適当であり、患者の胸やけ症状の処置のための患者による使用にでさえ望ましい。
溶液/懸濁液処方物または固体投与処方物のいずれもの利点は、共に、胸やけ症状の軽減のための作用の迅速な開始および期間延長のための手段を提供すること、およびこれらの胸やけ症状の再発を回避することである。
本発明の医薬組成物は、米国特許第5,840,737号(フィリップス,ジェイ(Pillips, J.)に従って調製してもよい(出典明示によりその全体を本明細書の記載とする)。該組成物は、また、オメプラゾールまたは他の置換ベンゾイミダゾールおよびその誘導体とIA族金属の炭酸水素塩を含む溶液とを混合することによって調製することもできる。好ましくは、腸溶性被覆していてもいなくてもよいオメプラゾール粉末または顆粒と炭酸水素ナトリウム溶液とを、所望の最終オメプラゾール濃度を得るように混合する。溶液/懸濁液中のオメプラゾールの濃度は、約0.25mg/ml〜約6.0mg/mlの範囲であり得る。溶液/懸濁液中のオメプラゾールの好ましい濃度は、約0.5mg/ml〜約2mg/mlの範囲である。
炭酸水素塩の医薬上許容されるアルカリ金属塩は、好ましくは、IA族金属塩、例えば、カリウムまたはナトリウムである。該組成物中の炭酸水素塩の濃度は、一般に、約5.0%〜約60.0%の範囲である。好ましくは、炭酸水素塩の濃度は、約7.5%〜約10.0%の範囲である。本発明の一の実施態様において、炭酸水素ナトリウムは好ましい塩であり、約8.4%の濃度で存在する。十分な酸中和能(ANC)値が必要であり、それは、ANC値約5〜約40の範囲であり、好ましくは、ANC値約18〜40の範囲である。FDAが、ANC値5が制酸薬として有用な最少量であると考えていることに注目すべきである。炭酸水素ナトリウムまたはカリウムの場合、好ましい範囲は、18〜40mEqであり、炭酸水素カルシウムの場合、約36〜80mEqである。
本発明の溶液/懸濁液における炭酸水素ナトリウムの使用量は、オメプラゾール1〜2mg当たり炭酸水素ナトリウム約1meq(またはミリモル)であり、オメプラゾール1〜2mg当たり約0.75meq(ミリモル)〜2.0meq(ミリモル)の範囲であり、好ましくは、オメプラゾール1〜2mg当たり約0.5〜1.5mEqの範囲である。
本発明の別の態様において、腸溶性被覆オメプラゾール顆粒を用い、腸溶剤皮を溶解して本発明に従って使用するためのオメプラゾール溶液/懸濁液を形成する炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)または炭酸水素カリウム溶液と混合することができる。別法として、炭酸水素塩を含む腸溶性被覆顆粒の固体投与処方物を調製し、カプセル中に入れるか、または、当該技術分野で現在知られている多くの技法を用いて、圧縮錠剤に製剤化することができる。
別法として、オメプラゾールのようなPPIの超微粉砕した顆粒を慣用的な顆粒または粉末の代わりに使用することができる。より小さい直径の粒子を生成するために、超微粉化として知られている方法を使用する。超微粉化は、固体薬物粒子の大きさを小さくする方法である。溶解速度は固体の表面積に正比例し、粒度の低下は表面積を増大させるので、粒度の低下は溶解速度を増大させる。超微粉化は、超微粉化の利益を無にすることがある粒子の凝集を引き起こす表面積の増大を生じ、かつ高価な製造工程であるが、それは、オメプラゾールのような比較的水不溶性の薬物の溶解速度を増大させるという有意な利益を有する。
該処方物は、ウィンターグリーン、オレンジ、グレープフルーツ、チョコレートおよびチェリーラズベリーを包含するがこれらに限定されない、本発明における使用に適当なフレーバー剤を含有することができる。該処方物中に存在するフレーバーの量は、該組成物の約0.1重量%〜約5.0重量%であってよい。
固体処方物は、所望により、デンプングリコール酸ナトリウム[ExplotabR]、架橋ポリビニルピロリドン、コーンスターチ、アラビアガム、ナトリウムのクロスカルメロース[Ac−di−solR]、カルボキシメチルセルロースナトリウム、veegumまたはアルギン酸塩など(これらに限定されない)の適当な崩壊剤を含有することができる。存在する崩壊剤の量は、組成物の約1重量%〜約10.0重量%であってよい。
該処方物は、また、さらなる希釈剤または充填剤(好ましくは、膨潤剤である)を含有していてもよく、Avicel PH101、Avicel PH102、およびAvicel PH200などの種々の等級の微結晶性セルロース;コーンスターチ;またはStarch 1500が挙げられるが、これらに限定されるものではない。該処方物中に存在する希釈剤または充填剤の量は、組成物の約1重量%〜約90.0重量%であってよい。
該投与形態は、また、所望により、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびその医薬上許容されるアルカリ金属塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、Cab−O−Sil、Syloid、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウムまたはタルクなど(これらに限定されるものではない)の適当な滑沢剤または湿潤剤を含有していてもよい。好ましくは、適当な滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸である。好ましくは、適当な湿潤剤は、界面活性剤であり、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムである。該処方物中に存在する滑沢剤の量は、組成物の約0.1重量%〜約10.0重量%であってよく、湿潤剤の量は、約0.1〜20重量%であってよい。
該処方物は、また、ポリビニルピロリドン(PVP)、またはPovidone 29K/32のようなさらなる結合剤を含んでいてもよい。処方物中に存在する結合剤の量は、組成物の約0.1重量%〜約30.0重量%であってよい。
該処方物は、着色剤、または顔料、例えば、FD&CまたはD&C承認のレーキおよび染料、酸化鉄および二酸化チタンを含んでいてもよい。存在する顔料の量は、組成物の約0.1重量%〜約5.0重量%であってよい。
付加的な他の慣用的な医薬希釈剤または賦形剤もまた、必要に応じて、混合物中に含有させることができる。使用することができる適当な賦形剤としては、例えば、充填剤、結合剤、滑沢剤、結合剤、圧縮助剤、および湿潤剤が挙げられる。さらに患者の服薬遵守を助長するために、該処方物は、また、フレーバー剤に加えて、種々の天然糖、アスパルテーム、シクラミン酸ナトリウムおよびサッカリンナトリウムのような甘味剤を含有することもできる。存在する甘味剤の量は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%であってよい。
該処方物は、また、水と混合して経口投与するための、発泡錠剤のような濃縮形態で製造されてもよい。本発明での使用に適当な発泡処方物は、当該技術分野でよく知られている。
以下のデータは、本発明の医薬組成物の利用性を説明する。
酸抑制の開始についてのオメプラゾール単独とオメプラゾール−炭酸水素塩併用との比較
Khouryらは、健康なボランティアにおいて、オメプラゾール10mgまたは20mgの食後単回投与の後の酸抑制の開始を研究した。Khoury, et al., Am. J. Gastroenterol. 93: 1619, (1998)。オメプラゾールの作用をラニチジン75mgおよび150mgと比較した。胃内pHプローブを介して胃酸を測定した。その設計は、対象者24人において無作為化クロスオーバーであった。規格化された朝食を食べ尽くし、胃内pHがpH<2.0に戻るとすぐに薬物を投与し、胃内pHを6時間記録した。オメプラゾール10mgおよび20mgでは、共に、食後6時間の記録時間の間、胃内pHは≧3.0に上昇しなかった。対照的に、ラニチジン75mgおよび150mgでは、各々、178分および145.5分以内に胃内pHは>3.0に上昇し、2時間および3時間の記録時間の間、pH>3.0を維持した。したがって、この研究において、オメプラゾール10mgまたは20mgの食後単回投与は、健康な個体群において、投与後6時間、胃内酸性度に影響を及ぼさなかった。
Khouryらは、健康なボランティアにおいて、オメプラゾール10mgまたは20mgの食後単回投与の後の酸抑制の開始を研究した。Khoury, et al., Am. J. Gastroenterol. 93: 1619, (1998)。オメプラゾールの作用をラニチジン75mgおよび150mgと比較した。胃内pHプローブを介して胃酸を測定した。その設計は、対象者24人において無作為化クロスオーバーであった。規格化された朝食を食べ尽くし、胃内pHがpH<2.0に戻るとすぐに薬物を投与し、胃内pHを6時間記録した。オメプラゾール10mgおよび20mgでは、共に、食後6時間の記録時間の間、胃内pHは≧3.0に上昇しなかった。対照的に、ラニチジン75mgおよび150mgでは、各々、178分および145.5分以内に胃内pHは>3.0に上昇し、2時間および3時間の記録時間の間、pH>3.0を維持した。したがって、この研究において、オメプラゾール10mgまたは20mgの食後単回投与は、健康な個体群において、投与後6時間、胃内酸性度に影響を及ぼさなかった。
同様に、Decktorらは、食事刺激性胃酸分泌についてオメプラゾール10mgまたは20mg、ファモチジン10mgおよびプラセボの単回投与の作用を比較した。Decktor, et al., Am. J. Gastroenterol. 92: 1588, (1997)。ブラインドしたプラセボ対照クロスオーバー研究において、対象者12人の各々は、無作為に、酸分泌量を最大に刺激するように設計した液状ペプトンミール(600ml、8%ペプトン、pH4.0)の胃内注入の1時間前に処置を受けた。NaOHの連続注入によって胃内pHをpH4.0に維持した。プラセボと比較して、ファモチジン、オメプラゾール20mgおよびオメプラゾール10mgについて、各々、ミール注入の45分後、75分後および90分後に有意な酸抗分泌活性の開始が観察された。5時間の記録時間にわたって、ファモチジン10mgは、pHを4.0に維持するのに必要な滴定剤の量を81%減少させたが、オメプラゾール20mgおよび10mgは、各々、56%および27%減少させた。ファモチジン10mgは、オメプラゾールよりも作用開始が有意に速く、かつ、抗分泌作用が有意に大きかった。
フィリップスの米国特許第5,840,737号は、対照的に、炭酸水素塩+オメプラゾールの単回投与が、投与後2時間以内に、危篤患者における胃内pHを3.0±0.7から7.0±0.6に上昇させることを報告している。投与量は、炭酸水素塩によって与えられる20mEq ANCおよびオメプラゾール40mgであった。次いで、研究の間、オメプラゾールの毎日単回投与(10mEq ANC+オメプラゾール20mg)により中和を維持した。
食事誘発性胸やけの予防におけるオメプラゾールの作用の欠如
Decktorは、最近、オメプラゾール10mgまたは20mgの単回投与が食事誘発性胸やけを予防しなかったことを報告した。Decktor, et al., Am. J. Gastroenreril. 93: 1614, (1998)。食物誘発性胸やけの病歴をもつ対象者385人が、単回投与の平行なブラインドした無作為化プラセボ対照試験に参加した。規格化された胸やけ誘発性ミール(チリ(chili)および清涼飲料)を食べる60分前に、対象者に、プラセボ、ファモチジン(Pepcid AC)10mg、オメプラゾール10mgまたはオメプラゾール20mgを投与した。VASスケールで対象者の胸やけ症状の重篤度の評価を、食事の直前に始め、食後3時間半の間30分間隔で行なった。プラセボと比較して、いずれの投与量のオメプラゾールも食後の胸やけを有意に予防も軽減もしなかった;プラセボ、オメプラゾール10mgまたはオメプラゾール20mgで処置した対象者の54、52および55%が中度から重度の食後胸やけ症状を報告した。対照的に、ファモチジンで処置した対象者の34%には胸やけがなく、27%だけが中度から重度の症状を報告した(従前に公表された試験と一致する)。プラセボ、オメプラゾール10mgおよびオメプラゾール20mgで処置した対象者の各々40%、42%および47%と比較して(対ファモチジンp<0.03)、ファモチジン10mgによる軽減を対象者の64%が良好または優れていると報告した。いずれの有効性パラメーターについても、いずれの投与量のオメプラゾールもプラセボと有意に異ならなかった。この研究は、食事誘発性胸やけ症状の予防においてオメプラゾールよりもファモチジンの方が明らかに優れた結果を示した。
Decktorは、最近、オメプラゾール10mgまたは20mgの単回投与が食事誘発性胸やけを予防しなかったことを報告した。Decktor, et al., Am. J. Gastroenreril. 93: 1614, (1998)。食物誘発性胸やけの病歴をもつ対象者385人が、単回投与の平行なブラインドした無作為化プラセボ対照試験に参加した。規格化された胸やけ誘発性ミール(チリ(chili)および清涼飲料)を食べる60分前に、対象者に、プラセボ、ファモチジン(Pepcid AC)10mg、オメプラゾール10mgまたはオメプラゾール20mgを投与した。VASスケールで対象者の胸やけ症状の重篤度の評価を、食事の直前に始め、食後3時間半の間30分間隔で行なった。プラセボと比較して、いずれの投与量のオメプラゾールも食後の胸やけを有意に予防も軽減もしなかった;プラセボ、オメプラゾール10mgまたはオメプラゾール20mgで処置した対象者の54、52および55%が中度から重度の食後胸やけ症状を報告した。対照的に、ファモチジンで処置した対象者の34%には胸やけがなく、27%だけが中度から重度の症状を報告した(従前に公表された試験と一致する)。プラセボ、オメプラゾール10mgおよびオメプラゾール20mgで処置した対象者の各々40%、42%および47%と比較して(対ファモチジンp<0.03)、ファモチジン10mgによる軽減を対象者の64%が良好または優れていると報告した。いずれの有効性パラメーターについても、いずれの投与量のオメプラゾールもプラセボと有意に異ならなかった。この研究は、食事誘発性胸やけ症状の予防においてオメプラゾールよりもファモチジンの方が明らかに優れた結果を示した。
本発明は、10mgまたは20mgの投与量のオメプラゾールおよび炭酸水素塩の好ましい酸中和能が炭酸水素塩の追加の投与を必要とせずに胸やけ症状の軽減を誘発するのに十分であるという認識に関する。
胸やけの軽減および予防における併用治療の有効性を証明する研究
適当な研究は、食事誘発性胸やけへの罹患を報告し、胸やけ症状を刺激的な食事によって再発させることができる個体への刺激的なミール(チリ、清涼飲料)の投与を含み、制酸/酸中和処置に応答する。通常、食事の摂食後30〜60分以内の胸やけの発生後、無作為化しブラインドした方法でオメプラゾールと炭酸水素塩とを組み合わせて投与する(炭酸水素塩10〜20mEq(ANC)およびオメプラゾール10〜20mgを含有する10〜20mL)。対照処置は、炭酸水素塩単独、オメプラゾール単独およびプラセボを含む。併用処置および炭酸水素塩処置は、共に、胸やけ症状の迅速な軽減をもたらすが、オメプラゾールおよびプラセボによる軽減はあまり得られない(後者の処置の間で軽減の程度における差はない)。次いで、最初の食事の少なくとも4時間後に2回目の胸やけ誘発性ミールを食べ尽くさせるが、これ以上の処置は行なわない。最初の食事後にオメプラゾールを含む処置を受けたこれらの対象者は、2回目の食事に対する胸やけ症状の減少を経験する。1回目の食事について制酸薬単独(炭酸水素塩)またはプラセボ処置を受けた対象者は、後の食事について完全に再発性症状を有すると考えられる。したがって、炭酸水素塩+オメプラゾールの併用は、胸やけ軽減の迅速な開始および期間延長をもたらす。
適当な研究は、食事誘発性胸やけへの罹患を報告し、胸やけ症状を刺激的な食事によって再発させることができる個体への刺激的なミール(チリ、清涼飲料)の投与を含み、制酸/酸中和処置に応答する。通常、食事の摂食後30〜60分以内の胸やけの発生後、無作為化しブラインドした方法でオメプラゾールと炭酸水素塩とを組み合わせて投与する(炭酸水素塩10〜20mEq(ANC)およびオメプラゾール10〜20mgを含有する10〜20mL)。対照処置は、炭酸水素塩単独、オメプラゾール単独およびプラセボを含む。併用処置および炭酸水素塩処置は、共に、胸やけ症状の迅速な軽減をもたらすが、オメプラゾールおよびプラセボによる軽減はあまり得られない(後者の処置の間で軽減の程度における差はない)。次いで、最初の食事の少なくとも4時間後に2回目の胸やけ誘発性ミールを食べ尽くさせるが、これ以上の処置は行なわない。最初の食事後にオメプラゾールを含む処置を受けたこれらの対象者は、2回目の食事に対する胸やけ症状の減少を経験する。1回目の食事について制酸薬単独(炭酸水素塩)またはプラセボ処置を受けた対象者は、後の食事について完全に再発性症状を有すると考えられる。したがって、炭酸水素塩+オメプラゾールの併用は、胸やけ軽減の迅速な開始および期間延長をもたらす。
本明細書にて引用した特許および特許出願を包含するがこれらに限定されない全ての刊行物は、個々の刊行物が十分に開示されているかの如く具体的かつ個別的に出典明示により本明細書の一部とすることが明示されているかのように出典明示により本明細書の一部とする。
上記記載事項は、好ましい実施態様を包含する本発明を十分に開示する。本明細書に具体的に開示した実施態様の変更および改良は請求の範囲の範囲内に含まれる。さらに推敲することなく、当業者は上記記載事項を用いて本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書における実施例は単に例示的であって、如何なる場合も本発明の範囲を制限するものではない。排他的特性および優先権を主張する本発明の実施態様は請求の範囲に定義するとおりである。
上記記載事項は、好ましい実施態様を包含する本発明を十分に開示する。本明細書に具体的に開示した実施態様の変更および改良は請求の範囲の範囲内に含まれる。さらに推敲することなく、当業者は上記記載事項を用いて本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書における実施例は単に例示的であって、如何なる場合も本発明の範囲を制限するものではない。排他的特性および優先権を主張する本発明の実施態様は請求の範囲に定義するとおりである。
Claims (13)
- 胸やけ症状の処置または予防を必要とするヒトにおけるその処置法または予防法であって、かかるヒトに、有効量のプロトンポンプ阻害物質および有効な酸中和量の炭酸水素アルカリ金属塩を含む医薬組成物を投与することを含む方法。
- プロトンポンプ阻害物質がオメプラゾール、ランソプラゾール、パントプラゾール、ペルプラゾールもしくはラベプラゾール、またはその塩、異性体、エナンチオマーもしくは誘導体である請求項1記載の方法。
- プロトンポンプ阻害物質がオメプラゾールである請求項2記載の方法。
- オメプラゾールの投与量が約10〜約20mgである請求項3記載の方法。
- 炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムもしくは炭酸水素カリウムまたはそれらの混合物である請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
- 炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムである請求項5記載の方法。
- 炭酸水素塩が約18〜40mEqのANC量で投与される請求項6記載の方法。
- プロトンポンプ阻害物質および炭酸水素アルカリ金属塩が固体単位投与形態で投与される請求項1記載の方法。
- 投与形態が圧縮錠剤である請求項8記載の方法。
- 投与形態がカプセル剤である請求項8記載の方法。
- プロトンポンプ阻害物質がオメプラゾールであり、約10〜約20mgの範囲の投与量である請求項7記載の方法。
- 医薬組成物が約10ml〜20mlの容量の水溶液で投与される単回単位投与形態である請求項1記載の方法。
- 投与形態が水と一緒に投与されるサシェである請求項12記載の方法。
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