JP2005255619A - 昇華性活性成分および多孔質セルロース粒子含有固形製剤組成物 - Google Patents

昇華性活性成分および多孔質セルロース粒子含有固形製剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 粒子内細孔容積の大きい多孔質セルロース粒子を用いることにより、各種活性成分、特に昇華性の活性成分を含む固形製剤において、昇華性活性成分の再結晶化が防止され、打錠性、崩壊性が良好な固形製剤組成物を提供すること。
【解決手段】 1種以上の昇華性活性成分と、セルロース一次粒子が凝集した二次凝集構造を有し、粒子内細孔容積が0.265cm/g以上であり、I型結晶を含有し、平均粒子径が30μmを越え、比表面積が1.3〜20m/g、安息角が44°未満であり、水中で崩壊することを特徴とする多孔質セルロース凝集体を含む固形製剤組成物。
【選択図】 選択図なし

Description

本発明は、化学工業分野、特に医薬、食品で用いられる1種以上の昇華性活性成分と、特定の粒子構造、特定の粉体物性を有する多孔質であるセルロースを含む固形製剤組成物に関し、特に医薬品において、昇華性活性成分の再結晶化防止、不快な味、臭気の隠蔽に関する。
従来、医薬、食品、その他化学工業分野等において、結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース粒子と活性成分を混合することは広く行われている。特に医薬品において、1種以上の活性成分と多孔質セルロースを配合した固形製剤に関しては、以下に示すものがある。
特許文献1には、水に対して不溶性もしくは難溶性で有機溶媒に可溶の結晶性物質などの第三成分と混合し、これを水もしくは水溶性有機溶媒の水溶液を用いて造粒、乾燥した後、第三成分を有機溶媒で抽出・除去して得られる結晶形がI型であり、細孔径が0.1μm以上であり、気孔率が20%以上の細孔を有し、かつ350メッシュ以上の留分が90重量%以上ある多孔性セルロース粒子が記載されている。該文献に記載される多孔性セルロース粒子は、そのセルロース一次粒子が、その粒子の境界が不明瞭なほどに一様に連続したフィルム状の緻密で強固なセルロース壁構造を形成するため、本発明で用いる多孔質セルロース粒子と粒子構造が全く異なる。該セルロース粒子は、流動性に優れるものの、緻密で連続したセルロース壁に水が浸透しにくいため、水中で崩壊せず、活性成分の速放性に支障をきたす場合もあった。また、セルロース圧縮時の塑性変形性に乏しく、成形性が不十分であり、さらに、その製造工程で有機溶媒を使用するため、製造コストが高くなるばかりか、活性成分を失活させる場合もあり、賦形剤として安定に使用するには不十分であった。
特許文献2には、有機溶媒に分散させた微粒子状天然セルロースをスプレードライ法により造粒、乾燥することで得られる、結晶形がI型であり、比表面積が20m/g以上で、直径0.01μm以上の細孔容積が0.3cm/g以上の多孔質構造を有し、平均粒子径が大きくとも100μmである多孔性微小セルロース粒子が記載されているが、この微小セルロース粒子も上記セルロース壁構造を有しており、本発明で用いる多孔質セルロース粒子と粒子構造が全く異なる。該多孔質セルロース粒子も、その製造工程で有機溶媒を使用するため、製造コストが高くなるばかりか、活性成分の失活させる場合もあり、賦形剤として安定に使用するには不十分であった。
特許文献3には、成形性と崩壊性が良いセルロース粉末として、平均重合度が150〜375、見かけ比容積が1.84〜8.92cm/g、粒度が300μm以下のセルロース粉末が記載されている。
特許文献4には、流動性、崩壊性が良いセルロース粉末として、平均重合度が60〜375、見かけ比容積が1.6〜3.1cm/g、見かけタッピング比容積が1.4cm/g以上で、安息角が35〜42°、200メッシュ以上の成分が2〜80重量%である微結晶セルロース凝集体が記載されている。これらの文献に記載される実施例により得られたセルロース粉末は、粒子内細孔容積が小さいため、本発明の如く意図的に形成させた細孔構造とは全く異なる。このため、これらのセルロース粉末は比表面積が0.6〜1.2m/gと小さく、圧縮成形性が低い。これら特許文献には、見掛け比容積の値を調整して、セルロース粒子の成形性、流動性、崩壊性を制御することが開示されているが、見掛け比容積が2.0〜2.9cm/gの小さい範囲においては、流動性、崩壊性に優れるものの、成形性が満足いくものではなく、一方、3.0〜3.2cm/gとやや見掛け比容積が大きくなると、成形性は優れるが、流動性、崩壊性が悪くなるという、問題があった。
特許文献5には、成形性の良いセルロース粉末として、平均粒径が大きくとも30μmであり、かつ比表面積が1.3m/gであるβ−1,4−グルカン粉末が記載されている。該文献に記載されるβ−1,4−グルカン粉末は、二次凝集構造を有さず、個々の一次粒子が単独で存在している。このグルカン粉末は、良好な成形性を有するものの、崩壊性に劣る上、平均粒子径が小さいため、流動性に乏しいという問題があった。
特許文献6には、成形性と崩壊性が良いセルロース粉末として、セルロース質物質を加水分解して得られる平均重合度100〜375、酢酸保持率が280%以上で、川北式(P・V0/(V0−V)=1/a・b+P/a)のa値が0.85〜0.90、b値が0.05〜0.10であり、見かけ比容積が4.0〜6.0cm/g、実質的に355μm以上の粒子がなく、平均粒子径が30〜120μmであるセルロース粉末についての記載がある。該文献に記載される実施例の方法で得られたセルロース粉末も、水銀ポロシメトリーを用いた、細孔分布測定結果によれば、細孔容積が小さいため、本発明の如く意図的に形成させた細孔構造とは全く異なる。該セルロース粉末は圧縮成形性と崩壊性に優れるとの記載があるが、具体的に開示されている、最もバランスの優れる実施例について安息角を測定すると55°を越えており、流動性は充分満足のいくものではなく、流動性に乏しい活性成分が多く配合される処方等では錠剤重量の変動係数が大きくなり、薬物の含量均一性に影響を及ぼすという課題があった。また、該文献のセルロース粉末では、高圧下で成型した場合には高硬度を付与できるものの、意図的に形成させた粒子内細孔がなく、粒子内部への水の浸透性が低いため、崩壊が遅延するという問題があった。
特許文献7には、成形性と流動性と崩壊性が良いセルロース粉末として、平均重合度が100〜375、75μmの篩を通過し38μm篩上に残留する粒子が全重量の70%以上で、かつ、粒子の長径短径比の平均値が2.0以上であることを特徴とする結晶セルロースが記載されている。
特許文献8には、成形性と崩壊性、流動性が良いセルロース粉末として、平均重合度が150〜450、75μm以下の粒子の平均L/D(長径/短径比)が2.0〜4.5、平均粒子径が20〜250μm、見かけ比容積が4.0〜7.0cm/g、安息角が54°以下であり、比表面積が0.5〜4m/gであるセルロース粉末の記載がある。これらの文献に記載されるセルロース粉末も、上記と同様、水銀ポロシメトリーを用いた、細孔分布測定結果によれば、粒子内細孔容積が小さいため、本発明の如く意図的に形成させた細孔構造とは全く異なる。これらの文献に記載されるセルロース粉末は、粒子の形状を細長くすることで、成型体に高い硬度を付与するものであるが、細長い形状を有するが故に、見かけ比容積が大きくなり、成形性が高いものほど流動性が低下する。これらの文献に記載される実施例のセルロース粉末において、最も流動性が良好なものについて安息角を測定すると44°であり、例えば、流動性に乏しい活性成分が多く配合される処方で、かつ高速度で連続成形する場合に、錠剤重量の変動係数が大きくなり、薬物の含量均一性に影響を及ぼすため、流動性の点で満足いくものではなかった。さらに、これらの文献に記載されるセルロース粉末も、高圧下で成型した場合には高い硬度を付与できるものの、意図的に形成させた粒子内細孔がなく、粒子内部への水の浸透性が低いため、崩壊が遅延するという問題があった。
これら、特許文献5〜8に記載されるセルロース粉末は、見掛け比容積が2.3〜6.4cm/g以上の大きい領域において、十分な成形性は得られるものの、流動性、崩壊性が悪化するという問題があった。
上記のように、従来の技術のセルロース粒子においては、成形性、流動性、崩壊性は、互いに相反するも性質であり、これらすべての物性をバランスよく兼ね備えた、セルロース粒子の実現が望まれていた。さらに、これらのセルロース粒子は、意図的に形成させた粒子内細孔を持たず、粒子内細孔容積が小さいため、粒子内に活性成分を担持できず、昇華性の活性成分の再結晶化を十分に改善できなかった。
昇華性の活性成分は、保存時に固形製剤から侵出する問題があり、それを防止する目的で、それらの固形製剤の多くはフィルムコーティングまたは糖衣コーティングが施されてきた。しかし、そのような処置を施されても、フィルム層を通過して製剤外部に侵出することで、製剤中の活性成分ばらつきを生じたり、それが製剤表面に付着することで服薬時の刺激臭を呈したり、瓶などの保存容器内で再結晶化することにより商品価値を著しく低下させる問題があった。また、コーティングを施さない製剤の場合は、コーティングを施した場合に対し、昇華再結晶化はさらに顕著になる。
特許文献9には、固形製剤中のイブプロフェンの昇華再結晶化を防止する方法として、イブプロフェン含有固形製剤と、ポリビニルピロリドン、酸化マグネシウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる群から1種または2種以上の安定化物質を共に、瓶などの密閉容器内で保存する方法が記載されている。かかる方法によると、確かに製剤保存時の密閉容器への結晶付着、製剤の刺激臭は改善されるが、ポリビニルピロリドン、酸化マグネシウムおよび炭酸ナトリウム等を別の製剤として容器に入れる必要があり、工程が複雑になるため、本発明の昇華性活性成分含有製剤の如く、その製剤中に多孔質セルロースを入れることで、昇華性が防止された単一製剤とするものとは全くことなる。
また、特許文献10には、有機溶媒に分散させた微粒子状天然セルロースをスプレードライ法により造粒、乾燥することで得られる、特定の比表面積および細孔容積を有する多孔構造のセルロース粒子に、難溶性薬物を混合し、昇華吸着させることにより、薬物の溶出を改善する方法が記載されている。かかる方法で得られた固形製剤は、昇華性活性成分を担持する能力は優れるため、上記製剤の欠点が改良されたものであるが、該特許の実施例には、過度に高い比表面積を有するセルロース粒子を使用し、その表面で昇華吸着された活性成分は非晶化しているため、活性成分の保存安定性が悪い問題があった。
特開平1−272643号公報 特開平2−84401号公報 特公昭40−26274号公報 特公昭53−127553号公報 特開昭63−267731号公報 特開平6−316535号公報 特開平11−152233号公報 WO02/02643号パンフレット 特開平08−193027号公報 特開平03−264537号公報
本発明は、1種以上の昇華性の活性成分を含む固形製剤において、特定の粒子構造と、粉体物性を有する多孔質セルロース粒子を配合することで、昇華性の活性成分の再結晶化が防止された固形製剤組成物およびその簡便な製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するため、1種以上の昇華性の活性成分を含む固形製剤において、特定の粒子構造と、特定の粉体物性を有する多孔質セルロース粒子を配合することにより、昇華性の活性成分の再結晶化防止、崩壊性の付与に画期的に効果があることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
1種以上の昇華性活性成分と、セルロース一次粒子が凝集した二次凝集構造を有し、粒子内細孔容積が0.265cm/g以上であり、I型結晶形を含有するセルロース一次粒子からなり、平均粒子径が30μmを超え、比表面積が1.3〜20m/g、安息角が44°未満であり、水中で崩壊する多孔質セルロース粒子を含むことを特徴とする、固形製剤組成物。
本発明は、1種以上の昇華性の活性成分を含む組成物に、特定の粒子構造と、特定の粉体物性を有する多孔質セルロースを配合することで昇華性の活性成分の再結晶化が防止された固形製剤を提供できる。
以下、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、具体的に説明する。
本発明に使用される多孔質セルロース粒子は、一次粒子が凝集した二次凝集構造を有する必要がある。これは走査型電子顕微鏡(SEM)で、250倍、1500倍で、粒子表面および断面を観察した場合に、一次粒子の境界が明確な二次凝集構造のことをいう。一次粒子が凝集した二次凝集構造は、崩壊性と密接に関係し、この粒子構造でない場合は、崩壊性が悪化するので好ましくない。
本発明に使用される多孔質セルロース粒子としては、その粒子内細孔容積が0.265cm/g以上でなければならない。粒子内細孔容積は大きければ大きいほど、得られる効果も大きく、その上限は特に制限しないが、粒子に付与できる体積を考慮すると3.0cm/gである。粒子内細孔容積が大きい多孔質粒子は、塑性変形性に優れ、圧縮時に粒子が潰れ易いため、成形性に優れるため好ましい。本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、元々のセルロースに由来するものに加えて、意図的に凝集粒子内細孔容積を大きくしたものであり、このように粒子自身の構造を変えることで塑性変形性を高めたものである。そのため、粒子の見掛け比容積によらず、高い圧縮成形性を発現する。粒子内細孔容積が、0.265cm/g未満の場合は、セルロースが本来有する粒子内細孔、もしくは意図的に形成させず自然とセルロースが凝集したことによる粒子内細孔しか持たないため、塑性変形性に乏しく、成形性を高めるためには、粒子の見掛け比容積を大きくせねばならないため、結果的に粒子の流動性が悪くなる。本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、その比較的小さい見かけ比容積で良好な成形性を確保できるため、結果的に流動性にも優れたものが得られる。
また、粒子内細孔容積は、昇華性活性成分の保持性とも密接に関連する。粒子内細孔容積が大きい多孔質セルロース粒子は、粒子内に発達した細孔構造を有するため、粒子内部に昇華吸着した活性成分が、再昇華し、セルロース粒子からの脱離し難く、結果として昇華性活性成分の再結晶化を防止し、安定化させる効果がある。粒子内細孔容積が0.265cm/g未満である場合は、意図的に形成させた粒子内細孔を持たないため、上記の効果が得られないので好ましくない。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子の細孔径分布は、例えば、水銀ポロシメトリーにより測定される。特に、0.1〜10μmの範囲に、「明確なピーク」を識別できることが好ましい。また、細孔分布のピークトップである中央細孔径は、粒子内への水の浸透性に密接に関わるものであり、中央細孔径は0.3μm以上が好ましい。中央細孔径が0.3μm以上の時に水の浸透速度が大きくなり、崩壊性がいっそう向上する。中央細孔径は大きいほど好ましいが、その分布範囲を考慮すると、せいぜい5μm程度である。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子の結晶形はI型でなければならない。セルロースの結晶形としては、I型、II型、III型、IV型などが知られており、その中でも特にI型は、「天然セルロース」、II型は「再生セルロース」と呼ばれ、汎用され、III型、IV型は実験室スケールでは得られているものの工業スケールでは汎用されていない。天然セルロースは古来、植物性繊維として食用に供しており、現在では液状食品の分散安定剤や、医薬品賦形剤として広く使用されている。一方、再生セルロースは、二硫化炭素、水酸化ナトリウム等の化学品溶液、溶剤を取り除き、再生させ、結晶構造を変えたものであり、一部湿式で食品用保形剤として使用されている。結晶形がII型である再生セルロースは、結晶形がI型の天然セルロースから、結晶形が変わることで、粒子が剛直になり、圧縮時の塑性変形性が低下し、成型体に十分な硬度を付与できないので好ましくない。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、その平均粒子径が30μmを越えなければならない。特に好ましくは30μmを超え、250μm以下である。平均粒子径が30μm以下であると、セルロース粒子同士が凝集しやすく、活性成分と混合する際に、活性成分が均一に分散せず、得られた成型体の活性成分ばらつきが大きくなりやすく、また、連続生産する際の成型体の重量ばらつきも大きくなる傾向にある。また、平均粒子径が250μmを超えると、流動性の悪い活性成分と混合した処方粉体を連続で圧縮する際に、分離偏析を生じやすい。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子の比表面積は、1.3m/g〜20m/gでなければならない。比表面積が1.3m/g未満であると、圧縮成形性が低くなり、成型体に高い硬度、低い摩損度を付与できない。さらに、比表面積が1.3m/g未満であると、単位重量当たりの活性成分保持量が少なくなるため好ましくない。また、比表面積が20m/gを超えると、セルロースにより失活しやすい活性成分と配合した場合に、セルロースと活性成分の接触面積が過度に大きくなるため、活性成分が失活するので好ましくない。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子の安息角は、44°未満でなければならない。通常、活性成分は、服用した際の胃液・腸液媒体中で拡散し、迅速に薬効を高められるよう調製されるものであり、粉砕を施す、もしくは元々微粉化しているものが多い。それらは微粉であるが故、流動性が悪いものであるが、セルロース粉末の安息角が44°以上では、流動性が悪い活性成分を多量に配合した場合に混合末の流動性が充分でなく、好ましくない。特に数万〜数十万錠/時の高速打錠時における成型体の重量ばらつきが大きくなる。安息角は小さいほど流動性がよいが、好ましくは25〜42°、特に好ましくは25〜40°である。活性成分との分離偏析を抑止する意味で、安息角は25°以上が好ましい。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子の見かけ比容積は、好ましくは2.0〜6.0cm/gである。本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、多孔質構造を有するため、従来のものに対し、見かけ比容積のほぼ全域に渡って、硬度、流動性、崩壊性をバランスよく有するものである。しかしながら、圧縮成形性付与の観点で見かけ比容積は2.0cm/g以上、流動性付与の観点で6.0cm/g以下が好ましい。より好ましくは、2.5〜5.0cm/gである。
本発明に使用される多孔質セルロース粒子は、上記の物性を満たすものであれば、その製法は特に制限されるものではないが、例えば以下の方法で得ることができる。
例えば、本発明で使用する多孔質セルロース粒子は、平均粒子径の異なる2種以上の天然セルロース系物質の分散粒子群と媒体を含む分散液であって、該セルロース分散粒子の平均粒子径が1〜110μmであるセルロース分散液を乾燥することで得られる。
天然セルロース系物質とは、植物性でも動物性でもよく、例えば木材、竹、麦わら、稲わら、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等のセルロースを含有する天然物由来の繊維質物質であり、セルロースI型の結晶構造を有していることが好ましい。原料として、上記のうち1種の天然セルロース系物質を使用してもよいし、2種以上を混合したものを使用することも可能である。また、精製パルプの形態で使用することが好ましいが、パルプの精製方法には特に制限がなく、溶解パルプ、クラフトパルプ、NBKPパルプ等いずれのパルプを使用してもよい。ここで天然セルロース系物質は、パルプ等の原料を加水分解してもよいし、しなくてもよい。特に加水分解する場合は、酸加水分解であっても、アルカリ酸化分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン等であってもよく、いずれかの方法単独であっても、2種以上を併用してもよい。
上記製法において、セルロース系物質を含む固形分を、その後適当な媒体に分散させる場合に用いられる媒体としては、水が好ましいが、工業的に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、水及び/または有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類が挙げられる。特に、有機溶剤は、医薬品に使用されるものが好ましく「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤はそれを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させたのち、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
本発明で使用する多孔質セルロース粒子は、平均粒子径の異なる2種以上のセルロース分散粒子群を混合したセルロース分散液を乾燥することにより得られる。それぞれのセルロース分散粒子群の平均粒子径には、特に制限はないが、1〜110μmが好ましい。本発明は、この平均粒子径範囲にある平均粒子径が異なる2種以上のセルロース分散粒子群を含んでいればよく、それぞれが同じ平均粒子径である場合以外であれば、どの平均粒子径を有するものを配合してもよい。例えば、平均粒子径が異なる2種のセルロース分散粒子群を混合する際には、平均粒子径が大きいものについて10〜110μm、小さいものは、大きいものの平均粒径に対し0.005〜0.99倍の平均粒径であることが好ましい。さらに好ましくは、小さいものが大きい平均粒径に対し0.01〜0.8倍の平均粒径であることが好ましい。最も好ましくは、小さいものが大きい平均粒径に対し0.01〜0.7倍の平均粒径であることが好ましい。2種以上の平均粒径の異なるセルロース分散粒子群を混合することは、セルロース分散液を乾燥する際に、平均粒子径の小さいセルロース分散粒子が、平均粒子径の大きいセルロース分散粒子成分間に入ることにより、平均粒子径の大きいセルロース分散粒子同士の過度の凝集を抑制することに寄与する。この乾燥時のセルロース分散粒子の構造は、媒体が気化する際に発生する毛管凝縮を抑制するため、それぞれを一次粒子とする二次凝集構造をとり、粒子内に大きな細孔容積を維持することができる。
平均粒子径の大きいセルロース粒子群と、平均粒子径が小さいセルロース粒子群の重量比は、その目的にもよるが通常5対95〜95対5の範囲にあればよい。好ましくは、10対90〜90対10であり、さらに好ましくは、20対80〜80対20である。適当な重量比を選ぶことにより、細孔容積の値を制御することができる。
また、このとき上記の平均粒子径の大きいセルロース粒子群の粒子形状は、その長径と短径それぞれの平均値の比(L/D)が2.0以上であるものを用いることが好ましい。L/Dが大きいほど、乾燥時の過度の粒子凝集を抑制する効果が大きく、そのため、粒子内に大きい細孔容積を維持することができる。
上記の2種以上の異なる平均粒子径のセルロース粒子群から、その分散液を得る方法には、特に制限はないが、i)平均粒子径の異なる複数のセルロース粒子群から、各々、別個に調製したセルロース粒子分散液を混合する方法、ii)一種のセルロース粒子群から、一部を処理し平均粒子径の異なるものを調製し混合する方法。iii)一つの平均粒子径を有するセルロース粒子群を、分画しそれぞれに処理を施し、それぞれ平均粒子径の異なるものを調製し混合する方法のいずれの方法で製造してもよい。i〜iii)の製造方法は1種を単独で用いても、2種以上を併用することも自由である。ここで施す処理方法は、湿式であっても、乾式であってもよく、それぞれ湿式で得られたもの同士を乾燥前に混合しても、それぞれ乾式で得られたもの同士を乾燥前に混合しても、湿式または乾式で得られたものを組み合わせてもよい。特に制限はないが、例えば摩砕・粉砕してもよく、篩を使用した分級、サイクロン、遠心分離機を用いた遠心分離等の方法を用いてもよく、それらを組み合わせた方法でもよい。
摩砕方法としては、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する摩砕方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌摩砕方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する摩砕方法、例えばニーダーのような軸回転押し出し式の摩砕方法等いずれでもよい。粉砕方法としては、スクリーンミル、ハンマーミル等のスクリーン式粉砕方法、フラッシュミル等の翼回転せん断スクリーン式粉砕方法、ジェットミル等の気流式粉砕方法、ボールミル、振動ボールミル等のボール式粉砕方法、翼攪拌式粉砕方法等のいずれでもよい。
上記操作により得られたセルロース分散粒子は、乾燥前に5〜40重量%濃度の分散液とすることが好ましい。得られる多孔質セルロース凝集体粒子の自流動性の点で5重量%以上、圧縮成形性の点で40重量%以下が好ましい。より好ましくは、10〜40重量%であり、さらに好ましくは、15〜40重量%である。
また、上記5〜40重量%濃度のセルロース分散液中に存在するセルロース分散粒子の平均粒子径は、1〜110μmであることが好ましい。平均粒子径が110μmを越えると、乾燥後のセルロース粒子が過度に大きくなり、活性成分の種類によっては、それらと混合する際に分離編析を生じる場合がある一方、平均粒子径が1μm以下であると、乾燥後のセルロース粒子が過度に小さくなり、良好な流動性を保つことがむつかしくなる場合がある。より好ましくは、5〜90μmであり、さらに好ましくは10〜80μmである。ここでいう平均粒子径は、例えば、レーザー回折式粒度分布計(HORIBA製、商品名、LA−910型)で測定される体積粒度分布測定の一般的に用いられる手法により、求めることができる。
上記平均粒子径は、その分散液中の平均分散粒子径測定による検証をおこないながら、既存の方法による原料セルロースの加水分解による重合度の調節、および/または分散工程の条件、特にセルロースの重合度が低いほど分散により平均粒子径は低下しやすく、加水分解溶液もしくは分散溶液の攪拌力、を調整することにより、所望の範囲に制御することができる。一般に、加水分解の条件(酸、アルカリ濃度、反応温度)を強く、攪拌力を強くすると、分散粒子の平均粒子径が小さくなる傾向にある。
乾燥方法についても特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚乾燥、気流乾燥、真空乾燥のいずれを使用してもよく、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。噴霧乾燥する際の、噴霧方法は、ディスク式、加圧ノズル、加圧二流体ノズル、加圧四流体ノズル等のいずれの噴霧方法でもよく、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
上記の噴霧乾燥する際には、分散液の表面張力を下げる目的で、微量の水溶性高分子、界面活性剤を添加しても、媒体の気化速度を促進させる目的で発泡剤または、ガスを分散液に添加してもよい。
水溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキソビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊当の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載される水溶性高分子類が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
発泡剤としては、酒石酸、炭酸水素ナトリウム、バレイショデンプン、無水クエン酸、薬用石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウマクロゴール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載される発泡剤類が挙げられ、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、医薬品添加剤以外にも、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等の熱分解しガスを発生する重炭酸塩類、炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等の酸と反応してガスを発生する炭酸塩類を使用してもよい。ただし、上記の炭酸塩類を使用する際には、酸とともに使用する必要がある。酸としては、クエン酸、酢酸、アスコルビン酸、アジピン酸等の有機酸類、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸等のプロトン酸、フッ化ホウ素等のルイス酸等の酸物質が挙げられ、医薬品・食品として使用されるものが好ましいが、それ以外でも同様の効果を有する。発泡剤ではなく、窒素、二酸化炭素、液化石油ガス、ジメチルエーテル等のガス類を分散液に含浸してもよい。これらの水溶性高分子、界面活性剤、ガスを発生する物質は、乾燥前に添加されていればよく、その添加のタイミングには特に制限はない。
本発明の固形製剤組成物は、1種以上の昇華性活性成分と本発明で用いる多孔質セルロース粒子を含有する必要がある。また、本発明で用いる多孔質セルロース粒子の配合量は1〜99重量%が好ましく、活性成分は0.001〜99重量%が好ましい。活性成分が0.001%未満であると、治療に有効な量が確保できず、99%を超えると、本発明で用いる多孔質セルロース粒子が1%未満となるため、本発明の効果が得られにくい。
ここでいう固形製剤組成物とは、散剤、顆粒剤、打錠用散剤、打錠用顆粒剤、錠剤、カプセル剤等の一般的に固形製剤として使用されるものであり、それぞれについてコーティング剤でコーティングされたものも含まれる。また、本発明の効果は、その形状および重量に左右されることはなく、固形製剤組成物を製造するための方法については、一般的な固形製剤の製造方法であれば、特に制限はない。
以下に本発明の固形製剤組成物の製造方法について記載するが、一例であって、下記に限定されるものではない。
本発明でいう活性成分とは、医薬品薬効成分、農薬成分、肥料成分、飼料成分、食品成分、化粧品成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、界面活性剤をいい、常温で粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状などいずれの形態でもよい、また溶出制御、酸化防止、苦味低減などの目的でコーティングを施したものであってもよい。活性成分は単独で使用しても、複数を併用してもよい。
本発明でいう昇華性の活性成分とは、昇華性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、常温で固体状であっても、液体状であっても、半固体状であっても、その状態はいずれでもよい。
昇華性の活性成分としては、例えば、安息香酸、エテンザミド、カフェイン、カンフル、サリチル酸、フェナセチン、イブプロフェン等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載される昇華性の医薬品薬効成分等を挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。本発明の固形製剤組成物は、上記の昇華性活性成分に加えて、さらに他の生理活性成分を添加してもよい。
医薬品に使用する場合のその他の生理活性成分としては、例えばアスピリン、アスピリンアルミニ ウム、アセトアミノフェン、エテンザミド、サザピリン、サリチルアミド、ラクチルフェネチジン、塩酸イソ チベンジル、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒ ドラミン、塩酸ジフェテロール、塩酸トリプロリジン、 塩酸トリペレナミン、塩酸トンジルアミン、塩酸フェネ タジン、塩酸メトジラジン、サリチル酸ジフェンヒドラ ミン、ジフェニルジスルホン酸カルビノキサミン、酒石 酸アリメマジン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、テオ クル酸ジフェニルピラリン、ナパジシル酸メブヒドロリ ン、プロメタジンメチレン二サリチル酸塩、マレイン酸 カルビノキサミン、dl−マレイン酸クロルフェニラミ ン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、リン酸ジフェ テロール、塩酸アロクラミド、塩酸クロペラスチン、ク エン酸ペントキシベリン(クエン酸カルベタペンタ ン)、クエン酸チペピジン、ジブナートナトリウム、臭化水素酸デキストロメトルファン、デキストロメトルフ ァン・フェノールフタリン酸、ヒベンズ酸チペピジン、 フェンジゾ酸クロペラスチン、リン酸コデイン、リン酸 ジヒドロコデイン、塩酸ノスカピン、ノスカピン、dl−塩酸メチルエフェドリン、dl−メチルエフェドリンサッカリン塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、グアイフェネシン、安息香酸ナトリウムカフェイン、カフェイン、無水カフェイン、ビタミンB1及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB2及びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンC及びその誘導体並びにそれらの塩類、ヘスペリジン及 びその誘導体並びにそれらの塩類、ビタミンB6及びそ の誘導体並びにそれらの塩類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酢酸、ケイ酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合 成ヒドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアルミニウム・アミノ酢酸塩(アルミニウムグリシネート)、水酸化アルミニウムゲル(乾燥水酸化アルミニウムゲルとして)、乾燥水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム・炭酸マグネシウム混合乾燥ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウムの共沈生成物、水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・炭酸マグネシウムの共沈生成物、水酸化マグネシウム・硫酸アルミニウムカリウムの共沈生成物、炭酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、塩酸ラニチジン、シメチジン、 ファモチジン、ナプロキセ ン、ジクロフェナックナトリウム、ピロキシカム、アズレン、インドメタシン、ケトプロフェン、イブプロフェン、塩酸ジフェニドール、塩酸ジフェニルピラリン、塩酸ジフェンヒドラミ ン、塩酸プロメタジン、塩酸メクリジン、ジメンヒドリ ナート、タンニン酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸フェネタジン、テオクル酸ジフェニルピラリン、フマル酸ジフェンヒドラミン、プロメタジンメチレンジサリチル 酸塩、臭化水素酸スポコラミン、塩酸オキシフェンサイクリミン、塩酸ジサイクロミン、塩酸メチキセン、臭化 メチルアトロピン、臭化メチルアニソトロピン、臭化メチルスポコラミン、臭化メチル−1−ヒヨスチアミン、 臭化メチルベナクチジウム、ベラドンナエキス、ヨウ化イソプロパミド、ヨウ化ジフェニルピペリジノメチルジオキソラン、塩酸パパベリン、アミノ安息香酸、シュウ 酸セシウム、ピペリジルアセチルアミノ安息香酸エチル、アミノフィリン、ジプロフィリン、テオフィリン、炭酸水素ナトリウム、フルスルチアミン、硝酸イソソルバイド、エフェドリン、セファレキシン、アンピシリン、スルフィキサゾール、スクラルファート、アリルイソプロピルアセチル尿素、ブロムワレリル尿素等、マオウ、ナンテンジツ、オウヒ、オンジ、カンゾウ、キキョウ、シャゼンシ、シャゼ ンソウ、セネガ、バイモ、ウイキョウ、オウバク、オウレン、ガジュツ、カミツレ、ケイヒ、ゲンチアナ、ゴオウ、獣胆(ユウタンを含む)、シャジン、ショウキョ ウ、ソウジュツ、チョウジ、チンピ、ビャクジュツ、地 竜、チクセツニンジン、ニンジン、カノコソウ、ボタンピ、サンショウ及びこれらのエキス等、インスリン、バゾプレッシン、インターフェロン、ウロキナーゼ、セラチオペプチターゼ、ソマトスタチン等の「日本薬局方」、「局外基」、「USP」、「NF」、「EP」に記載の医薬品薬効成分等を挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
本発明の固形製剤組成物は、活性成分、本発明で用いる多孔質セルロース粒子の他に、必要に応じて賦形剤、崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤を含むことも自由である。
賦形剤としては、アクリル酸デンプン、L−アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、アミノ酢酸、あめ(粉)、アラビアゴム、アラビアゴム末、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルファー化デンプン、イノシトール、エチルセルロース、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、塩化ナトリウム、オリーブ油、カオリン、カカオ脂、カゼイン、果糖、軽石粒、カルメロース、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥酵母、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥硫酸ナトリウム、乾燥硫酸マグネシウム、カンテン、カンテン末、キシリトール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム、グリセリン、グリセロリン酸カルシウム、グルコン酸ナトリウム、L−グルタミン、クレー、クレー粒、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質流動パラフィン、ケイヒ末、結晶セルロース、結晶セルロース・カルメロースナトリウム、結晶セルロース(粒)、ゲンマイコウジ、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロタルサイト、ゴマ油、小麦粉、コムギデンプン、小麦胚芽粉、コメコ、コメデンプン、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸フタル酸セルロース、サフラワー油、サラシミツロウ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、β―シクロデキストリン、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、2,6−ジ−ブチル−4−メチルフェノール、ジメチルポリシロキサン、酒石酸、酒石酸水素カリウム、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、水酸化アルミナマグネシウム、水酸化アルミニウム・ゲル、水酸化アルミニウム・炭酸水素ナトリウム共沈物、水酸化マグネシウム、スクラワン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル、ステアリン酸マグネシウム、ステロテックスHM、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、精製白糖球状顆粒、セトステアリルアルコール、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ゼラチン、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、第三リン酸カルシウム、ダイズ油、大豆不ケン化物、大豆レシチン、脱脂粉乳、タルク、炭酸アンモニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、中性無水硫酸ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デキストラン、デキストリン、天然ケイ酸アルミニウム、トウモロコシデンプン、トラガント末、二酸化ケイ素、乳酸カルシウム、乳糖、白色セラック、白色ワセリン、ハクド、白糖、白糖・デンプン球状顆粒、ハダカムギ緑葉エキス末、裸麦芽葉青汁乾燥粉末、ハチミツ、パラフィン、バレイショデンプン、半消化体デンプン、人血清アルブミン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートフィチン酸、ブドウ糖、ブドウ糖水和物、部分アルファー化デンプン、プルラン、プロピレングリコール、粉末還元麦芽糖水飴、粉末セルロース、ペクチン、ベントナイト、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、マルチトール、マルトース、D−マンニトール、水アメ、ミリスチン酸イソプロピル、無水乳糖、無水リン酸水素カルシウム、無水リン酸カルシウム造粒物、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、綿実粉、綿実油、モクロウ、モノステアリン酸アルミニウム、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、薬用炭、ラッカセイ油、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、粒状トウモトコシデンプン、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸−水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム造粒物、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸二水素カルシウム、リン酸二水素ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に賦形剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に崩壊剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に結合剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に流動化剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ショ糖脂肪酸エステル、タルク等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に滑沢剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に矯味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に着香剤、香料として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビン等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に着色剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等の「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に甘味剤として分類されるものを挙げることができる。上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
組成物の例としては、医薬品に用いる場合、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、エキス剤、丸剤の固形製剤等が挙げられる。医薬品に限らず、菓子、健康食品、食感改良剤、食物繊維強化剤等の食品、固形ファンデーション、浴用剤、動物薬、診断薬、農薬、肥料、セラミックス触媒等に利用されるものも本発明に含まれる。
以下に1種以上の活性成分と多孔質セルロース粒子を主成分とする錠剤組成物の製造方法について記述するが、一例であって、本発明の効果は、以下の方法に制限されるものではない。
ここでいう活性成分とは、固形状、液状、半固形状のいずれの形態でもよく、活性成分を単体で使用しても、活性成分を媒体に溶解、懸濁、乳化して使用してもよい。
製造方法としては、例えば、i)活性成分に粉砕を施す、またはそのまま使用し、多孔質セルロース粒子と必要に応じてその他の成分と混合する方法、ii)活性成分に粉砕を施す、またはそのまま使用し、得られた活性成分に流動化剤等の添加剤を前処理混合した後、多孔質セルロース粒子と必要に応じてその他の成分と混合する方法、iii)活性成分を水及び/または有機溶媒と必要に応じ溶解補助剤を添加し、溶解または分散させた後、必要に応じて本発明で用いる多孔質セルロース粒子または/および他の添加剤に吸着させ、本発明で用いる多孔質セルロース粒子と必要に応じ他の添加剤を混合し、必要に応じて水及び/または有機溶媒を留去する方法のいずれでもよい。ここで、常温で結晶を形成する活性成分を使用した場合に、固形製剤組成物とした後の活性成分の結晶形は製剤前の状態と同じであっても、異なってもよいが、安定性の点で同じであることが好ましい。
特にiii)の方法の場合には、水に難溶性、不溶性の活性成分を一旦溶解または分散させる工程を経るため、活性成分の溶出改善の効果もある。
また、医薬品活性成分の分散体として、ポリエチレングリコール等の液状分散体を併用する際は、元々の活性成分が結晶粉末であっても、それを分散させた分散体は液状または半固形状となるため、本発明で用いる多孔質セルロース粒子のように圧縮成形性、流動性に優れるものでないと錠剤化が困難である。また、医薬品活性成分の分散体として、ポリエチレングリコール等を使用する際は、活性成分が体内に吸収されたときに、血中においてポリエチレングリコールで被覆された構造をとるといわれており、肝臓で代謝され易い活性成分の薬効を持続させる効果も期待される。
活性成分を媒体に溶解または分散方法としては、通常行われる溶解、分散方法であれば特に制限はないが、ポータブルミキサー、立体ミキサー、側面ミキサーなどの1方向回転式、多軸回転式、往復反転式、上下移動式、回転+上下移動式、管路式等の撹拌翼を使用する撹拌混合方法、ラインミキサー等の噴流式撹拌混合方法、気体吹き込み式の撹拌混合方法、高剪断ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等を使用する混合方法でも、シェーカーを使用する容器振とう式混合方法等を用いてもよい。
上記の製造方法において使用する溶剤としては、医薬品に使用されるものであれば、特に制限されるものではないが、例えば、水及び/または有機溶剤を使用してもよい。有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、2−メチルブチルアルコール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、アセトン、エチルメチルケトンなどのケトン類が挙げられる。特に、有機溶剤は、医薬品に使用されるものが好ましく「医薬品添加物事典」(薬事日報社(株)発行)に溶剤として分類されるものが挙げられる。水、有機溶剤はそれを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由であり、1種の媒体で一旦分散させたのち、その媒体を除去し、異なる媒体に分散させてもよい。
溶解補助剤としての水溶性高分子としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリアクリル酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、デンプン糊等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載される水溶性高分子が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
溶解補助剤としての油脂としては、例えば、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリ ン酸トリグリセリド、ステア リン酸ショ糖エステル、流動パラフィン等のパラフィン類、カルナウバロウ,硬化ヒマシ油等の硬化油類、ヒマシ油、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載される油脂が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
溶解補助剤としての界面活性剤としては、例えば、リン脂質、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンサンモノラウレート、ポリソルベート、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸グリセリド、モノオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、モノオキシエチレンソルビタンモノステアレート、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に界面活性剤として分類されるものが挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
1種以上の活性成分を、本発明で用いる多孔質セルロース粒子、他の添加剤の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。
活性成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、それらを多孔質セルロース粒子または他の添加剤に噴霧する方法を採用することで、最終製品中の活性成分濃度ばらつきが小さくなるので好ましい。噴霧方法としては、圧力ノズル、二流体ノズル、四流体ノズル、回転ディスク、超音波ノズル等を使用し活性成分溶液/分散液を噴霧する方法、管状ノズルから活性成分溶液/分散液を滴下する方法のいずれでもよい。活性成分溶液/分散液を添加する際には、多孔質セルロース粒子表面に活性成分を積層させるようなレイヤリング、コーティングを施しても、多孔質セルロース粒子内部に担持させてもよく、活性成分溶液/分散液を結合液として多孔質セルロース粒子または多孔質セルロース粒子と他の添加剤の混合物をマトリックス状に造粒させてもよい。レイヤリング、コーティングは湿式であっても、乾式であっても効果は同様である。
また、活性成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、多孔質セルロース粒子または多孔質セルロース粒子と他の添加剤の混合物を担体としたディッピングの如く、活性成分溶液、懸濁液、乳化液に浸漬させ、活性成分を保持させる方法がとれる。活性成分種、濃度等の条件によるが、かかるディッピング等の液浸漬方法でも、実用的に活性成分の均一性が保たれ、また、上記噴霧に比べ、工程が簡略である点で優れている。
さらに、活性成分が溶液、懸濁液、乳化液の場合には、多孔質セルロース粒子または多孔質セルロース粒子と他の添加剤の混合物を担体として、活性成分溶液、懸濁液、乳化液に浸漬させた後、その分散液を噴霧乾燥し、複合体とする方法をとってもよい。
活性成分溶液/分散液を添加前の多孔質セルロース粒子または、多孔質セルロース粒子と他の添加剤の混合物は、それぞれの単位粒子が個々に分散した状態であっても、凝集した造粒物の形態をとっていてもよい。
また、活性成分溶液/分散液を添加前後の多孔質セルロース粒子または、多孔質セルロース粒子と他の添加剤の混合物は、それぞれの単位粒子が個々に分散した状態であっても、凝集した造粒物の形態をとっていてもよい。
特に不快な味、臭気を有する活性成分を本発明で用いる多孔質セルロース粒子に担持させた場合は、その味、臭気を隠蔽する効果も有する。
活性成分、セルロース粒子、その他の添加剤の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
製造工程において造粒を経る場合の造粒方法としては、乾式造粒、湿式造粒、加熱造粒、噴霧造粒、マイクロカプセル化がある。湿式造粒造粒法は、具体的には流動層造粒法、攪拌造粒法、押し出し造粒法、破砕造粒法、転動造粒法が有効であり、流動層造粒法では、流動層造粒装置の中で、流動化された粉体に結合液を噴霧して造粒する。攪拌造粒法では、結合液を添加しながら、混合槽内で攪拌羽根を回転させることにより、粉体の混合、練合、造粒が密閉構造の中で同時に行われる。押し出し造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊をスクリュー式やバスケット式等の方法で、適当な大きさのスクリーンから強制的に押し出すことにより造粒する。破砕造粒法では、結合液の添加によって練合された湿潤塊を造粒機の回転刃で剪断、破砕し、その遠心力によって外周のスクリーンからはじき出すことにより造粒する。転動造粒法では、回転するローターの遠心力によって転動し、この時スプレーガンから噴霧される結合液によって、雪だるま式に粒径の均一な球形顆粒を成長させていくことにより造粒する。
造粒物の乾燥方法は、熱風加熱型(棚乾燥、真空乾燥、流動層乾燥)、伝導伝熱型(平鍋型、棚段箱型、ドラム型)や、凍結乾燥のようないずれかの方法を使用することもできる。熱風加熱型では、材料を熱風を直接接触させ、同時に蒸発水分を除去する。伝導伝熱型では、伝熱壁を通して材料を間接的に加熱させる。凍結乾燥では、材料を−10〜40℃で凍結させておき、次に高真空下(1.3×10−5〜2.6×10−4MPa)で加温することによって、水を昇華させて除去する。 例えば、i)活性成分と多孔質セルロース粒子を混合したもの、または1種以上の活性成分と多孔質セルロース粒子と、必要に応じて他の添加剤を混合したものを通常の方法で圧縮成型する。(直接打錠法)あるいは、ii)活性成分と多孔質セルロース粒子と、必要に応じて他の添加剤を混合した後、造粒して顆粒とし、通常の方法で圧縮成型してもよい。(湿式/乾式顆粒圧縮法)さらに、iii)活性成分と多孔質セルロース粒子と、必要に応じて他の添加剤を混合し、造粒して顆粒とし、さらに多孔質セルロース粒子と、必要に応じて他の添加剤を混合し、通常の方法で圧縮成型してもよい。(湿式/乾式顆粒後末圧縮法)
1種以上の活性成分、本発明で用いる多孔質セルロース粒子、他の添加剤、または顆粒の添加方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、小型吸引輸送装置、空気輸送装置、バケットコンベヤ、圧送式輸送装置、バキュームコンベヤ、振動式定量フィーダー、スプレー、漏斗等を用いて連続的に添加しても、一括投入してもよい。
活性成分、多孔質セルロース粒子、その他の添加剤の混合方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、V型、W型、ダブルコーン型、コンテナタック型混合機などの容器回転式混合機、あるいは高速撹拌型、万能撹拌型、リボン型、パグ型、ナウター型混合機などの撹拌式混合機、高速流動式混合機、ドラム式混合機、流動層式混合機を使用してもよい。またシェーカー等の容器振とう式混合機を使用することもできる。
組成物の圧縮成形方法は、通常行われている方法であれば特に制限はないが、臼と杵を使用し所望の形状に圧縮成形する方法、予めシート状に圧縮成形した後所望の形状に割断する方法でもよい。圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローラー式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等の圧縮機を使用できる。
上記の方法で得られる固形、液状、半固形状の活性成分と多孔質セルロース粒子組成物は、粉末または顆粒状で固形製剤として使用しても、粉末または顆粒状組成物にさらにコーティング剤をコーティングしコーティング粉末または顆粒状固形製剤として使用してもよい。ここで得られたコーティングを施した/施さない粉末または顆粒状組成物は、カプセルに充填し使用してもよく、それらを圧縮成型し錠剤型固形製剤として使用してもよい。さらにカプセルまたは、錠剤にコーティングを施して使用してもよい。
ここでコーティングを施す場合のコーティング剤としては、例えば、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー分散液、アセチルグリセリン脂肪酸エステル、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、アラビアゴム、アラビアゴム末、エチルセルロース、エチルセルロース水分散液、オクチルデシルトリグリセリド、オリブ油、カオリン、カカオ脂、カゴソウ、カスターワックス、カラメル、カルナバロウ、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、含水二酸化ケイ素、乾燥水酸化アルミニウムゲル、乾燥乳状白ラック、乾燥メタクリル酸コポリマーLD、寒梅粉、魚鱗粉、金箔、銀箔、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ケイ酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、軽質無水ケイ酸含有ヒドロキシプロピルセルロース、軽質流動パラフィン、鯨ロウ、結晶セルロース、硬化油、合成ケイ酸アルミニウム、合成ワックス、高ブドウ糖水飴、硬ロウ、コハク化ゼラチン、小麦粉、コムギデンプン、コメデンプン、酢酸セルロース、酢酸ビニル樹脂、酢酸フタル酸セルロース、サラシミツロウ、酸化チタン、酸化マグネシウム、ジメチルアミノエチルメタアクリレート・メチルメタアクリレートコポリマー、ジメチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、酸化ケイ素混合物、焼セッコウ、ショ糖脂肪酸エステル、ジンコウ末、水酸化アルミニウムゲル、水素添加ロジングリセリンエステル、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸マグネシウム、精製ゼラチン、精製セラック、精製白糖、ゼイン、セスキオレイン酸ソルビタン、セタノール、セッコウ、ゼラチン、セラック、ソルビタン脂肪酸エステル、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、第三リン酸カルシウム、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、単シロップ、中金箔、沈降炭酸カルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、テルペン樹脂、デンプン(溶性)、トウモロコシシロップ、トウモロコシ油、トリアセチン、乳酸カルシウム、白色セラック、白糖、蜂蜜、ハードファット、パラフィン、パール末、バレイショデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルセルロース・酸化チタン・ポリエチレングリコール混合物、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ピペロニルブトキシド、ヒマシ油、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、ブリツフタリルブチルグリコレート、ブドウ糖、部分アルファー化デンプン、フマル酸・ステアリン酸・ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート・ヒドロキシプロピルセルロース混合物、プルラン、プロピレングリコース、粉糖、ベントナイト、ポビドン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリソルベート80、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリエチレングリコール、末端水酸基置換メチルポリシロキサンシリコーン樹脂共重合体、D−マンニトール、水飴、ミツロウ、ミリスチルアルコール、無水ケイ酸水和物、無水フタル酸、無水リン酸水素カルシウム、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーLD、メタクリル酸コポリマーS、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、メチルセルロース、2−メチル−5−ビニルピリジンメチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、モクロウ、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノラウリル酸ソルビタン、モンタン酸エステルワックス、薬用炭、ラウロマクロゴール、硫酸カルシウム、流動クマロン樹脂、流動パラフィン、dl−リンゴ酸、リン酸一水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素カルシウム、ロジン等の「医薬品添加剤事典」(薬事日報社(株)発行)に記載されるコーティング剤が挙げられ、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
本発明でいう錠剤とは、本発明で用いる多孔質セルロース粒子と、1種以上の活性成分と必要に応じて他の添加剤を含んだものであって、圧縮成形により得られ得る成型体をいう。本発明で用いる多孔質セルロース粒子を配合した錠剤用組成物は、特に、複雑な工程を経ずに直接打錠法のような簡便な方法で実用硬度が得られるものであるが、必要に応じて乾式顆粒圧縮法、湿式顆粒圧縮法、後末法、予め圧縮成形した錠剤を内核とする多核錠、予め圧縮した複数の成型体を重ねて再度圧縮する多層錠の製造方法等のいずれかの製造方法を使用してもよい。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、圧縮成形性、自流動性、崩壊性の賦形剤として要求される諸物性に優れるので、特に錠剤硬度が出にくく、錠剤表面の割れ、かけ、内部からの剥離、クラック等の打錠障害を生じやすい、薬物を多種、大量に含む錠剤、例えば大衆薬、漢方等のエキス粉末配合錠剤、小型の錠剤、エッジのくびれ等の圧縮圧が均等にかかり難い箇所を有するような円形でない変形錠剤、打圧・賦形剤との摩擦により失活し易い酵素・蛋白等の薬物、コーティング顆粒含有錠剤等に有効である。また、本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、圧縮成形性、崩壊性に優れるため、比較的低い圧縮圧で実用的な摩損度を示す錠剤が得られる。そのため、錠剤内に空隙(導水管)を維持できるので、口腔内で迅速に崩壊させるような口腔内崩壊錠にも有効である。さらに、数種の組成の成分を一段回または他段階で圧縮成型する多層錠、有核錠に関しては、上記の硬度付与、一般的な打錠障害の抑制に加え、層間の剥離、クラックを抑制する効果もある。本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、一次粒子が凝集した二次凝集構造を有すため、粒子自体の分割性にも優れ、割線錠等に使用した場合には、錠剤を均一に分割し易くなる。さらに、本発明で用いる多孔質セルロース粒子は発達した多孔質構造を有し、多孔質セルロース粒子自体が微粒子状薬物、懸濁液状薬物、溶液状成分の保持性に優れるため、それを使用した錠剤も固、懸濁液、溶液状成分の保持性に優れる。そのため、錠剤に懸濁液状、溶液状の成分をレイヤリング、コーティング錠剤、さらに糖、炭酸カルシウム等の成分を懸濁状態で錠剤表面に積層させる糖衣錠剤等のレイヤリング、コーティング層、糖衣層の剥離防止、補強に使用することも有効である。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子は発達した多孔質構造を有し、粒子自体が薬物の保持性に優れるため、薬物を細孔内に担持たせた粒子をそのまま細粒として使用しても、造粒して顆粒として使用しても、それらを圧縮成形してもよい。それらの細粒、顆粒、錠剤は、さらにその上にコーティングしてもよい。担持方法は、公知の方法であれば特に制限がないが、i)微粒子状薬物と混合し、細孔内に担持させる方法、ii)粉末状薬物と高シア化で混合し、強制的に細孔内に担持させる方法、iii)一旦溶液または分散液とした薬物と混合し、細孔内に担持たせた後、必要に応じ乾燥し担持させる方法、iv)昇華性の薬物と混合し、加熱及び/または減圧することで細孔内に昇華吸着させる方法、v)加熱前または加熱中に薬物と混合し、溶融させたものを細孔内に担持させる方法のいずれの方法でもよく、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明で用いる多孔質セルロース粒子は、発達した細孔構造を有し、適度に保水性、保油性を有するので賦形剤以外に、レイヤリング、コーティング用の核粒子としても使用でき、その際には、レイヤリング、コーティング工程において、粒子間の凝集を抑制する効果がある。レイヤリング、コーティングは乾式であっても、湿式であっても効果は同様である。
上記の如く圧縮成形し、錠剤にして使用する以外に、本発明の錠剤用組成物は、固体、液状成分の保持性にも優れるため、特に流動性、耐ブロッキング性、耐凝集性を改善する目的で顆粒剤または散剤として使用してもよい。顆粒剤、散剤の製造方法としては、例えば、乾式造粒、湿式造粒、加熱造粒、噴霧乾燥、マイクロカプセル化のいずれを使用しても同様の効果が得られる。
本発明を実施例に基づいて説明する。
(1)セルロース分散粒子の平均粒子径(μm)
水で分散した試料を、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所製、商品名、LA−910)を使用し、超音波処理なし、屈折率1.20で測定した累積体積50%粒子として表した。ただし、この測定値は、以下のロータップ式で得られる乾燥粒子の粒度分布と測定原理が全く異なるため、必ずしも相関するものではない。通常、セルロース分散粒子は、細長い繊維状の形態を取るものであり、レーザー回折により測定される平均粒子径は、繊維状粒子を、その長径の80%の長さを直径とする球とみなし、その直径に対する体積頻度で測定されるものである。それに対し、ロータップ式で得られる平均粒子径は、得られた粉末を篩上で振とうさせ、分画し、粒径に対する重量頻度を測定するものであり、ここでは、粒子の分画は、繊維の短径による。従って、一般的に、繊維の長径に依存するレーザー回折式の方が、繊維の短径に依存するロータップ式に対し、大きい値となる。
(2)SEMによる粒子表面および細孔の観察
各セルロース試料を、カーボンテープを貼った試料台に載せ、白金パラジウムを真空蒸着(この際の蒸着膜の膜厚は20nm以下)し、日本分光(株)製 商品名、JSM−5510LVを使用し、加速電圧6kV、倍率250、1500倍で観察した場合に、一次粒子が連続して凝集し、一次粒子の境界が明確であり、確認できる細孔の中央細孔径が0.1μm以上である一次粒子が凝集した二次凝集粒子構造を有するものを○とし、それ以外の構造を取るものを×とした。
(3)粒子内細孔容積(cm/g)、中央細孔径(μm)
島津製作所(株)製、商品名、オートポア9520型を用い、水銀ポロシメトリーにより細孔分布を求めた。測定に用いた各試料粉体は、室温で15時間減圧乾燥したものを使用した。初期圧20kPaの測定により、得られた細孔分布から、細孔径0.1〜10μmの範囲にある「明確なピーク部分」を粒子内細孔容積として計算した。また、得られた細孔分布から、細孔径0.1〜10μmに見られる「明確なピーク」のピークトップを中央細孔径とし値を読みとった。
(4)結晶形
X線ディフラクトメーターによりX線回折を行い、そのX線パターンにより判定した。
(5)乾燥粒子の平均粒子径(μm)
粉体試料の平均粒径はロータップ式篩振盪機(平工作所製、商品名、シーブシェーカーA型)、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより粒度分布を測定し、累積重量50%粒径として表した。
(6)比表面積(m/g)
マイクロメリティクス(株)製、商品名、TriSTARを用い、吸着ガスとして窒素を使用しBET法により測定した。各試料粉体を約1gづつセルに仕込み測定した。測定に用いた各試料粉体は、110℃で3時間減圧乾燥したものを使用した。
(7)見かけ比容積(cm/g)
100cmのメスシリンダーを使用し、粉体試料を定量フィーダーなどを用いて2〜3分かけて粗充填し、粉体層上面を筆のような軟らかい刷毛で水平になるようにならし、その容積を読み取り、これを粉体試料の重量で割りかえした値である。粉体の重量は、容積が70〜100cmになるよう適宜設定した。
(8)安息角(°)
杉原式安息角測定器(スリットサイズ奥行10x幅50x高さ140mm、幅50mmの位置に分度器を設置)を使用し、定量フィーダーを使用し、セルロース粉末を3g/分でスリットに投下した際の動的自流動性を測定した。
(9)水中でのセルロース粒子の崩壊
各セルロース試料0.1gをガラス試験管に導入し、さらに10gの純水を投入し、超音波で1分間処理した後、超音波処理の有無でマイクロスコープ(キーエンス製、商品名、VH−7000)で観察し、粒子の崩壊の有無を観察した。崩壊が観察されたものを○とし、観察されなかったものを×とした。
[実施例1]
市販のパルプ(木材由来の天然セルロース溶解パルプ)を細断したものを2kgと、4Nの塩酸水溶液30Lを低速型攪拌機(池袋琺瑯工業(株)製、商品名、30LGL反応器)に入れ攪拌しながら、40℃、48時間加水分解し、酸不溶解性残渣を得た。得られた酸不溶解性残渣は、純水で十分に洗浄した後、ろ過し、湿フロック(この酸不溶解性残渣のセルロース分散粒子の平均粒子径は55μmであった)を得た。得られた湿フロックの内、50重量%をさらに純水で充分洗浄した後、中和し、再度ろ過し、風乾することにより、フロック状の乾燥物を得た。このフロック状乾燥物を家庭用ミキサーで解砕した後、気流式粉砕機(セイシン企業(株)製、商品名、シングルトラックジェットミルSTJ−200型)を使用してさらに粉砕し(この時のセルロース粒子径は5μmであった)粉砕物を得た。得られた粉砕物と前記湿状態の酸不溶解性残渣を50重量部と50重量部(ドライベース)の組成で、90Lポリバケツに導入し、全固形分濃度が25重量%になるように純水を加え3−1モーターで攪拌しながら、アンモニア水で中和(中和後のpHは7.5〜8.0であった)し、これを噴霧乾燥(分散液供給速度6kg/hr、入口温度180〜220℃、出口温度50〜70℃)して、セルロース粒子Aを得た。セルロース粒子Aの諸物性を表1に示した。
得られたセルロース粉末Aを使用し、市販のイブプロフェン(日本薬局方14改訂に水にほとんど溶けないと記載される活性成分)をエタノール(和光純薬製、試薬特級)に1:5の割合で溶解させた液をセルロース粒子Aに対し、10重量%となるように添加し、乳鉢中で攪拌した。得られた湿混合粉末をエバポレーターを使用し、完全にエタノールを除去し、乾燥粉末を得た。得られた乾燥粉末を0.2g計りとり、臼(菊水製作所製、材質SUS2,3を使用)に入れ、直径0.8cmの円形平面杵(菊水製作所製、材質SUS2,3を使用)で圧力が100MPaになるまで圧縮し(アイコーエンジニアリング製、商品名、PCM−1A使用、圧縮速度は1cm/分)、目標圧で10秒間保持した後、円柱状成型体を取り出した。得られた円柱状成型体100個を瓶に入れ、密栓系40℃で2週間保存し、瓶の曇りを観察した。
得られた円柱状成型体を、溶出試験器(日本分光(株)製、パドル回転数100rpm、局方I液、900mL)、紫外吸光度測定器で1分後の液の吸光度を測定し、試験開始3分後の溶出率を測定した結果を表1に示す。得られた成型体は十数秒で崩壊し、崩壊性は良好であった。
[比較例1]
市販の結晶セルロース「アビセル」PH−101(登録商標)と、バンタムミル(細川鉄工所(株)製 使用スクリーン径2mm)で微粉砕した局方アセトアミノフェン(メルクホエイ製)をセルロースが50重量%、アセトアミノフェンが50重量%の組成で、粉体計500gを高速攪拌造粒機(五橋製作所製、商品名、NSK250型)に導入し、攪拌羽根の回転速度を500rpmで1分間回転させることによりよく混合し、次いで結合液として50重量%エタノール水溶液を245〜255g添加しながら2分間さらに混合し、球状造粒物を得た。得られた造粒物を50℃で12時間乾燥後、粗大粒子として12メッシュ以上の留分を切りすてた後、アセトアミノフェンをソックスレ−抽出器を使用し、20時間アセトンで抽出した。これを再び50℃で12時間乾燥し、目開き177μmで篩で篩粉し、篩通過分であるセルロース粒子B(特開平1−272643号公報の実施例2に相当)を得た。得られたセルロース粒子Bの諸物性値を表1に示した。
また、実施例1と同様に円柱状成型体を製し、同様に密栓系で保存後、瓶の曇りの観察、溶出試験を実施した。その結果、瓶の曇りは観察されなかったが、錠剤は1分では崩壊せず、液面を浮遊していた。結果を表2に示した。
[比較例2]
市販の溶解パルプを切断し、7%の塩酸水溶液中で105℃、20分間加水分解し、得られた酸不溶解性残渣を中和、洗浄、ろ過、脱水したウェットケーク(水分50重量%)をイソプロピルアルコールに分散し、ろ過、脱水、再分散を2回行い、さらにマントンゴーリンホモジナイザー(日本精機製作所(株)製、商品名、15M型)を使用し、処理圧400kg/cmで3回分散処理を行い、固形分濃度9.8重量%、水分2.5重量%、イソプロピルアルコールが87.7重量%として、これを窒素循環型スプレードライヤーを用いて噴霧乾燥を行った。得られたサンプルをJIS標準篩を用いて250μm以上の粗留分をカットし、セルロース粒子C(特開平2−84401号公報の実施例2に相当)を得た。得られたセルロース粒子Cの諸物性値を表1に示す。
また、実施例1と同様に円柱状成型体を製し、同様に密栓系で保存後、瓶の曇りの観察、溶出試験を実施した。比較例1と同様に、瓶の曇りは観察されなかったが、錠剤は1分では崩壊せず、液面を浮遊していた。結果を表2に示した。
[比較例3]
市販の結晶セルロース「アビセル」PH−101(登録商標、旭化成ケミカルズ(株)製)を使用し、実施例1と同様に円柱状成型体を製し、同様に密栓系で保存後、瓶の曇りの観察、溶出試験を実施した。その結果、昇華したイブプロフェンが瓶壁内で再結晶化したため瓶の曇りが確認された。「アビセル」PH−101(登録商標)の諸粉体物性を表1に示す。また、錠剤は十数秒で崩壊した。結果を表2に示した。
Figure 2005255619
Figure 2005255619
本発明の組成物は、化学工業全般、特に医薬、食品の分野で好適に固形製剤として利用できる。

Claims (1)

  1. 1種以上の昇華性活性成分と、セルロース一次粒子が凝集した二次凝集構造を有し、粒子内細孔容積が0.265cm/g以上であり、I型結晶形を含有し、平均粒子径が30μmを超え、比表面積が1.3〜20m/g、安息角が44°未満であり、水中で崩壊する多孔質セルロース粒子を含むことを特徴とする固形製剤組成物。
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