JPH06316535A - 高成形性賦形剤およびその製造方法 - Google Patents

高成形性賦形剤およびその製造方法

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JPH06316535A
JPH06316535A JP5344706A JP34470693A JPH06316535A JP H06316535 A JPH06316535 A JP H06316535A JP 5344706 A JP5344706 A JP 5344706A JP 34470693 A JP34470693 A JP 34470693A JP H06316535 A JPH06316535 A JP H06316535A
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末男 長友
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 セルロース質物質を酸加水分解又はアル
カリ酸化分解して得られる重合度100〜375の結晶
セルロースで、その酢酸保持率が280%以上で、かつ
定数a及びbが夫々0.85〜0.90、0.05〜
0.10の川北の式で表される圧縮特性を有する高成形
性賦形剤。 該セルロース粒子を固形分濃度40重量
%以下、pH5〜8.5、電気伝導度300μS/cm
以下の湿潤又は水分散状態で100℃以上に加熱し、乾
燥する該賦形剤の製造方法。 【効果】 圧縮成形性に優れるので、低い圧縮力で成形
することを要求される顆粒含有錠や小型錠の製造を可能
にする。また、同時に崩壊性に優れるので特に崩壊剤を
配合することなく錠剤を製することが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧縮成形用の賦形剤に
関する。特に医薬品分野における錠剤の賦形剤に関す
る。より詳細には、本発明は、結晶セルロースの粉体物
性を制御し、成形性と崩壊性のバランスが良い圧縮成形
用の賦形剤に関する。
【0002】
【従来の技術】多くの粉体原料は取扱い性の改善や機能
の付与を目的として圧縮成形される。圧縮成形物(錠
剤)の最も重要な性質は、輸送や使用に対し摩損や破壊
が生じない強度を持つことである。医薬品分野における
錠剤はこの性質に加えて、服用後のすばやい薬理効果発
現のために、崩壊時間が短くなければならない。その理
由は、一般的な錠剤は服用後消化管内で崩壊し、ついで
薬効成分が消化管液に溶解し、消化管壁から吸収され、
血中に溶解し、体内を循環し、そして薬理効果を発揮す
るので、錠剤が服用後直ちに消化管内で崩壊するという
ことは、それだけ速く薬理効果が発現するということに
なるからである。
【0003】ところで、多くの粉体原料は圧縮しても成
形しないために、圧縮成形性をもつ賦形剤を配合する必
要がある。そして錠剤に所望の強度を付与するために
は、賦形剤の配合量、および 圧縮成形力、を適宜
決定することが必要である。通常、賦形剤配合量を増す
ほど、また、圧縮成形力を上げるほど錠剤強度は高くな
る。
【0004】しかしながら、錠剤中の主剤(粉体原料)
の配合量を多くしたい場合、例えば医薬品分野における
小型錠の製造の場合などには、賦形剤の配合量を著しく
制限されてしまうし、また、過剰な圧縮成形力は圧縮成
形機(打錠機)に負担を掛け、部品の消耗を早める事に
なるので好ましくなく、さらにはフィルムコーティング
を施した顆粒と賦形剤を混合し、打錠して錠剤(このよ
うな錠剤を顆粒含有錠という)を得る場合、あるいは酵
素や抗生物質を錠剤化する場合には、フィルムの損傷や
酵素、抗生物質の変質を防ぐために、より低い圧縮成形
力で成形する必要が生じる。そのために賦形剤はより少
量で、より高い圧縮成形性を示すことが要求される。
【0005】従来、このような目的に使用される賦形剤
としては結晶セルロースが知られている。結晶セルロー
スは安全性が高く、高い圧縮成形性を有し、さらに崩壊
性が良いことから医薬品分野において広く使用されてい
る賦形剤の一つである。結晶セルロースについては、平
均重合度が15〜375、嵩が7〜34lb/ft
(1.84〜8.92cm/g)、粒度が300μ
m以下の結晶セルロースを医薬品錠剤に使用すると錠剤
強度が高く、崩壊性が改善されること(特公昭40−2
6274号公報):平均重合度が60〜375、見掛け
比容積が1.6〜3.1cm/g、見掛けタッピン
グ比容積が1.40cm/g以上、200メッシュ
以上が2〜80%であり、安息角が35〜42度である
結晶セルロースは主薬や添加剤と混合するとき、混合粉
体の流動性が高く、また打錠した場合に崩壊性が早くな
る点で好ましいこと(特公昭56−2047号公報、特
公昭56−38128号公報)などが知られている。
【0006】また、成形性を有するセルロース粉末とし
ては、平均重合度が450〜650程度、コンパクト見
掛け密度が0.40〜0.60g/cm(1.67
〜2.50cm/g)であり、かつ、200メッシ
ュ以下が50%以上のセルロース粉末は錠剤成形用に適
した賦形剤であること(特公昭51−17172号公
報)、特定の平均粒径(30μm以下)、比表面積
(1.3m/g以上)を有するセルロース粉末は成
形性が高いこと(特開昭63−267731号公報):
特定の結晶形(セルロースI型)を有し、直径0.1μ
m以上の細孔の気孔率が20%以上で、かつ、350メ
ッシュ以上が90%以上であるセルロース粉末は流動性
が高く、成形性もあること(特開平1−272643号
公報):また、結晶形がI型で、比表面積が20m
/g以上、直径0.01μm以上の細孔の全容積が0.
3cm/g以上、100μm以下が50%以上であ
るセルロース粉末は流動性が高く、成形性も高いこと
(特開平2−84401号公報)などが知られている。
【0007】しかしながら、これらの中でより成形性の
高いものは崩壊性も悪いという欠点を有する。結晶セル
ロースの成形性を改善するためには見掛け比容積を上げ
ることが効果的であり、そのために従来は結晶セルロー
スを微粉砕したり(特開昭63−267731号公
報):あるいはセルロース粉末粒子を多孔性にして粒子
自身の密度を下げる工夫がなされてきた(特開平2−8
4401号公報)。特開昭63−267731号公報に
記載の発明品は微粉であるために見掛け比容積が高い
が、見掛けタッピング比容積は低いので圧縮により容易
に圧密し、高い圧縮成形性を示すものの、錠剤の間隙
(導水管)も減少してしまうので、崩壊性が著しく悪
い。
【0008】また同様に、特開平2−84401号公報
記載の発明品は多孔性であるためにきわめて比表面積が
高く、見掛け比容積も高いが、粒子自身の強度が低いた
めに圧縮により粒子間の圧着のみならず、粒子の変形・
圧密が生じてしまい、結局、錠剤の間隙(導水管)も減
少してしまうので、崩壊性が著しく悪いものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
結晶セルロースあるいはセルロース粉末は、成形性が高
ければ崩壊性が悪く、また、崩壊性が良い場合は成形性
が低いという欠点を有しており、これらの性質のバラン
スがとれた賦形剤は知られていなかった。前述の通り、
医薬品分野において使用される賦形剤は成形性が高く、
かつ崩壊性が良いというものである必要がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者はこうした現状
に鑑み、結晶セルロースの粉体物性を制御し、成形性と
崩壊性のバランスをとることを鋭意検討した結果、本発
明に到達したものである。即ち、本発明は: セルロース質物質を酸加水分解あるいはアルカリ酸
化分解して得られる平均重合度100から375の白色
粉末状結晶セルロースであり、その酢酸保持率が280
%以上で、かつ、下記(1)式の圧縮特性を有すること
を特徴とする高成形性賦形剤に関する。
【数2】 (但し、a=0.85〜0.90,b=0.05〜0.
10であり、そしてPは結晶セルロースに対するの圧縮
圧力[kgf/cm]、Vは結晶セルロースの
見掛け比容積[cm/g]、Vは圧縮圧力Pにおけ
る結晶セルロースの比容積[cm/g]を表す)、
さらに、
【0011】 白色粉末状結晶セルロースの平均重合
度が180〜220である点にも特徴を有する。また、 見掛け比容積が4.0〜6.0cm/g、見掛
けタッピング比容積が2.4cm/g以上、比表面
積が20m/g未満であり、実質的に355μm以
上の粒子が無く、平均粒径が30〜120μmである点
にも特徴を有する。また、 500mgの白色粉末状結晶セルロースを100k
gf/cmで10秒間圧縮することにより得られる
底面の面積が1cmである円柱状成形体(これを標
準錠剤という)の直径方向の破壊強度が10kgf以上
であり、特に好ましくは11kgf以上であり、かつ、
崩壊時間が100秒以内である点にも特徴を有する。ま
た、
【0012】 円柱状成形体の直径方向の破壊強度が
11kgf以上である点にも特徴を有する。また、 吸着水分が5〜6%である時の吸着水横緩和時間が
0.00024秒以下である点にも特徴を有する。さら
に、本発明は、吸着水分が5〜6%である時の吸着水横
緩和時間が0.00024秒以下であることを特徴とす
る高成形性賦形剤にも関する。さらに、本発明は、篩分
法によって粒度分布を測定する場合、実質的に355μ
mの目開きの篩にとどまる留分は無く、累積50重量%
の粒度で表される平均粒径は30〜120μmであるこ
とを特徴とする高成形性賦形剤にも関する。
【0013】あるいは本発明は、 セルロース質物質
を酸加水分解あるいはアルカリ酸化分解し、精製して得
られたセルロース粒子を、固形分濃度が40重量%以
下、特に好ましくは5〜23重量%で、pHが5〜8.
5、電気伝導度が300μS/cm以下の湿潤状態ある
いは水分散状態で100℃以上に加熱処理し、乾燥する
高成形性賦形剤の製造方法に関する。また、 セルロース質物質を酸加水分解あるいはアルカリ酸
化分解し、精製して得られたセルロース粒子を、固形分
濃度が23重量%以下、pHが5〜8.5、電気伝導度
が300μS/cm以下の水分散状態とし、ついで薄膜
状態で乾燥する記載の高成形性賦形剤の製造方法にも
関する。また、
【0014】 ドラム乾燥機あるいはベルト乾燥機を
用いて加熱処理および乾燥を行うあるいは記載の高
成形性賦形剤の製造方法にも関する。また、 10 セルロース質物質を酸加水分解あるいはアルカリ酸
化分解し、精製して得られたセルロース粒子を、固形分
濃度が23重量%以下、pHが5〜8.5、電気伝導度
が300μS/cm以下の水分散状態とし、ついで薄膜
状態で乾燥する高成形性賦形剤の製造方法にも関する。
また、 11 ドラム乾燥機あるいはベルト式乾燥機を用いて乾燥
を行う10記載の高成形性賦形剤の製造方法にも関する。
【0015】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明の高成形性賦形剤は実質的にセルロースからなる。
「実質的」とはセルロース本来の機能を失わない程度に
ヘミセルロース、リグニン、油脂などの成分を含んでい
ても良いことを意味する。その含有量は水分を除いた本
発明物質のおおよそ10%以下である。
【0016】本発明でいう結晶セルロースとは、精製木
材パルプ、竹パルプ、コットンリンター、ラミーなどの
セルロース質物質を酸加水分解、あるいはアルカリ酸化
分解して得られるものであって、平均重合度は100〜
375、好ましくは180〜220の白色粉末状の物質
である。この物質は特定の重合度を有するために、セル
ロース粉末の中でも特に高い成形性を有するものである
が、その平均重合度は100〜375の範囲である必要
がある。平均重合度が100未満だと成形性が不足する
ので好ましくなく、また、375を超えると繊維性が現
れるため、粉体としての流動性が低下するので好ましく
ない。平均重合度が180〜220の場合は特に成形性
と崩壊性のバランスが良好なので好ましい。
【0017】本発明の高成形性賦形剤はその酢酸保持率
が280%以上、好ましくは290%以上であり、か
つ、川北の式(a=0.85〜0.90、b=0.05
〜0.10)で表される圧縮特性を有するものである。
本発明における酢酸保持率とは試料粉末を約10倍重量
の酢酸に室温で30分間浸漬し、次いで2000Gで遠
心分離を行い、上澄みを除いた場合に試料が保持できる
酢酸の量を示す値であり、絶乾試料重量に対する酢酸の
重量百分率で表される。
【0018】酢酸はセルロース粉末に吸収されるが非晶
領域に存在する遊離水酸基の水素結合(これは一般に、
角質化組織と呼ばれる)を解離するほど強い膨潤力を持
たず〔R.HASEBE,K.MATSUMOTO,
H.MAEDA,Sen’iGakkaishi,Vo
l.12,p203〜207(1955)〕、また、遠
心力をかけて試料を圧密し粒子間隙の酢酸の保持量を制
限していることから、結局、酢酸保持率とは粒子自身の
多孔性とその強度を示すものである。本発明ではこの酢
酸保持率が280%以上でなければならない。
【0019】また、川北の式〔K.KAWAKITA,
Y.TSUTSUMI,Bull.Chem.Soc.
Japan,Vol.39,No.7,p1364〜1
368(1966)〕とは粉体の加圧による体積の変化
を表した実験式であり、加圧初期において体積の変化が
大きい粉体に、特によく一致すると言われている。結晶
セルロースも川北の式によく一致する粉体の一つであ
る。川北の式は下記(1)式で表され、aとbは定数で
あり、Pは結晶セルロースに対する圧縮圧力[kgf/
cm]、Vは結晶セルロースの見掛け比容積
[cm/g]、Vは圧縮圧力Pにおける結晶セルロ
ース〔粉体あるいは錠剤〕の比容積[cm/g]を
表すものである。
【数3】
【0020】結晶セルロースの場合、定数aおよびbは
大きいほど成形性が高い傾向があるが、本発明において
は定数aは0.85〜0.90、好ましくは0.86〜
0.89、定数bは0.05〜0.10、好ましくは
0.06〜0.09の範囲内にあることが必要である。
aおよび/あるいはbがこの値より低いと成形性が不充
分である。また、aおよびbが範囲内であっても前述の
酢酸保持力が280%未満であるか、あるいはaおよび
/あるいはbがこの値より高いと加圧圧縮により錠剤の
圧密が著しく進行するために、錠剤の崩壊性が悪化す
る。本発明の高成形性賦形剤は、酸やアルカリあるいは
分解生成物がほとんど存在しない湿潤状態もしくは水分
散状態のセルロース粒子を加熱処理し、乾燥させること
によって製造することができるが、もし加熱処理を施さ
ない場合は水分散状態のセルロース粒子を薄膜状態で乾
燥することによって製造することができる。
【0021】まず、加熱処理を施す場合の製造方法につ
いて説明する。すなわち、セルロース質物質を酸加水分
解もしくはアルカリ酸化分解し、必要があればその前あ
るいは後に機械的処理(摩砕等)を施すことによりセル
ロース粒子を得る。このセルロース粒子は水の他に、酸
やアルカリなどの不必要な成分を含んでいるので、ろ過
や遠心分離、膜分離技術などを用いてこれらを除去し、
精製する。 こうして得られたセルロース粒子は、必要
に応じて水を加え、固形分濃度が40重量%以下、好ま
しくは10〜23重量%、25℃におけるpHが5〜
8.5、好ましくは5.5〜8.0、電気伝導度が30
0μS/cm以下、好ましくは150μS/cm以下の
湿潤状態、あるいは水分散状態で加熱処理に供する。
【0022】この時、純水のみならず、有機溶媒を少量
含む水を用いても良い。固形分濃度が5〜23重量%の
場合は特に加熱処理効果および製造効率が高いので好ま
しい。既存の結晶セルロースの製造方法では、例えば、
酸加水分解の終了時点でセルロース粒子の水分散体が1
00℃以上の加熱を受けている状態をとっていたが、酸
や分解生成物が多量に存在していたので、後述するよう
な構造変化を取り得ず、本発明のような効果は発揮され
ていなかった。
【0023】上記加熱処理は、通常使用されるオートク
レーブや高粘性流体用熱交換機(例えば神鋼パンテック
(株)製フリサーム)などを用いて約100℃以上、好
ましくは約120℃に加熱すればよく、その温度を保つ
時間は短時間でよい。但し、湿潤状態、あるいは水分散
状態のセルロース粒子は非常に伝熱が悪いので昇温し難
く、通常のオートクレーブを用いるような場合には、処
理時間を充分長くするか、充分撹拌する必要がある。
【0024】このような加熱処理によってセルロース粒
子同士、あるいは水素イオン、水酸化物イオン、水分子
などは相互作用を起こす。例えば、水分散体の場合は粘
度の増加(ゲル化)とpHの低下をもたらす。どのよう
な構造をとっているかは明らかでないが、セルロース粒
子同士、あるいは水素イオン、水酸化物イオン、水分子
などが会合してゲル化していることは想像に難くない。
この構造は室温まで冷却しても壊れないが、ガラス棒な
どで軽く撹拌すると直ちに粘度が低下し、そして同時
に、pHが上昇し、加熱処理前の状態に戻る。
【0025】但し、加熱処理の本質はこのような巨視的
なゲル構造ではなく、もっと微視的な構造変化であろ
う。それは、系全体の構造は壊れても、セルロース粒子
の軟凝集が観察されることから、微視的には依然として
粒子の会合は維持しているものと考えられるからであ
る。微視的に粒子が会合しているであろうもう一つの傍
証は水の乾燥速度にある。一度加熱処理したセルロース
粒子水分散体は、加熱処理しないものに比べ10%以上
乾燥速度が速く、この理由は粒子が会合しているので乾
燥物が疎な構造を取るために水分の拡散が良好となるた
めと考えられる。
【0026】このようにして加熱処理を施した後、種々
の方法で水分を蒸発し乾燥させる。乾燥方法は、ディス
クタイプあるいは空気使用の二流体ノズルタイプのアト
マイザーを用いる噴霧乾燥や棚段熱風乾燥など、通常の
方法を用いることができる。この乾燥処理は一度冷却処
理を施した後に行っても良いし、また、冷却することな
く連続的に行っても良い。ここでいう「連続的」とは、
水分の蒸発とセルロース粒子水分散体の昇温を同時に行
う際に、水分の存在する状態で100℃以上に昇温した
後に乾燥が終了することを含む。但し、このときの水分
は気体状態であっても良い。
【0027】加熱処理と乾燥処理を同時に行う好適な例
としてはドラム乾燥機やベルト乾燥機を用いる方法をあ
げることができる。また、100℃以上の水蒸気を用
い、二流体ノズルで噴霧乾燥する方法なども有効であ
る。ドラム乾燥機を用いて乾燥する場合のセルロース粒
子水分散体は、固形分(セルロース粒子)濃度が10〜
23重量%、25℃におけるpHが5〜8.5、25℃
における電気伝導度が300μS/cm以下であること
が好ましい。また、乾燥条件はドラム表面温度が105
〜150℃程度とし、そして乾燥終了時点での乾燥品の
水分が3〜5%程度になるように、ドラムクリアラン
ス、ドラム回転速度、セルロース粒子分散液の供給量な
どを適宜選択する。
【0028】次に、加熱処理を施さなくてもよい場合の
製造方法について説明する。すなわち、本発明の高成形
性賦形剤は、加熱処理を施さない場合は、水分散状態の
セルロース粒子をガラス板やアルミ板などの支持体に薄
く伸展した状態で乾燥することにより製造することがで
きる。その場合は固形分濃度が23重量%以下、pHが
5〜8.5、電気伝導度が300μS/cm以下の水分
散状態であることが必要である。具体的な例としては、
ガラス板やアルミ板にセルロース粒子の水分散体を薄く
伸展し、室温乾燥あるいは通風乾燥するか、あるいはド
ラム乾燥機やベルト乾燥機を用いて乾燥する方法などが
挙げられる。加熱処理を施した後に、薄膜状態で乾燥す
ると特に好ましい。薄膜状態で乾燥することにより成形
性が高く、かつ、崩壊性に優れた結晶セルロースが得ら
れる理由は明らかではないが、ガラス板のような支持体
に接することで棒状のセルロース粒子が2次元的に配列
し、かつ、乾燥収縮が制限される、つまり、角質化が抑
えられるためと考えられる。
【0029】結晶セルロース等の製造にドラム乾燥機の
使用が可能なことは、例えば特公昭40−26274号
公報に記載があるが、圧縮成形性が高く、かつ、崩壊性
が良好な結晶セルロースを製造するために上記のような
条件を選択しなければならないことについては何等記載
がなく、従来知られていない技術であった。また、従来
常用されていた噴霧乾燥法や熱風乾燥法などは、たとえ
送風温度が100℃以上であっても、水の蒸発潜熱のた
めに品温は100℃まで上がらぬうちに乾燥してしまう
ので「加熱処理」が施されておらず、また、薄膜状態も
取り得ないので本発明の技術とは異なるものである。
【0030】こうして得られた粉体は必要に応じて粉
砕、篩分などを行い、粒度分布を調整して使用に供す
る。本発明の高成形性賦形剤は、篩分法によって粒度分
布を測定する場合、実質的に355μmの目開きの篩に
とどまる留分は無く、累積50重量%の粒度で表される
平均粒径は30〜120μmであることが、特に40〜
100μmであることが好ましい。
【0031】「実質的」とは粉体の流動性などの機能を
損なわない程度に比較的大きな粒子を含んでいても良い
ことを意味し、その値はおおよそ5重量%以下である。
平均粒径が30μm未満では微小な粒子が多すぎるため
に、粉体としての流れが悪化し、そして錠剤の崩壊性が
悪化するので好ましくない。また、平均粒径が120μ
mを越えると粉体が粗大化してしまい、成形性の低下、
および、他の粉体原料との混合性の悪化が生じるので好
ましくない。
【0032】さらに、本発明の高成形性賦形剤は見掛け
比容積が4.0〜6.0cm/g、好ましくは4.
5〜5.0cm/g、見掛けタッピング比容積が
2.4cm/g以上、好ましくは1.5cm
g以上の結晶セルロースであることが好ましい。見掛け
比容積が4.0cm/g未満であると成形性が低下
し、6.0cm/gを超えると粉体の流動性が低下
するので好ましくない。見掛けタッピング比容積が2.
4cm/g未満であると、錠剤が圧密化されて崩壊
性が悪化するので好ましくない。見掛けタッピング比容
積の上限は見掛け比容積の値より自動的に6.0cm
/gと決められるが、この値以下であれば特に支障
ない。
【0033】また、本発明の高成形性賦形剤はBET法
(吸着物質として窒素を使用)で測定される比表面積が
20m/g未満であり、特に10m/g未満で
あることが好ましい。比表面積が20m/g以上に
なると、結晶セルロース粒子が自身の内部に径の大きな
(約0.01μm以上)細孔を持たざるを得ず、粒子の
強度が弱くなるために、錠剤が圧密されてしまい、結
局、崩壊が悪化するので好ましくない。
【0034】前述の通り、従来は結晶セルロース等の成
形性を向上するために見掛け比容積を増加させるよう腐
心されてきたが、見掛けタッピング比容積や比表面積に
ついて何等考慮がなかったため、崩壊性が悪化するとい
う事態を引き起こしていた。ところが、本発明者らは独
自の乾燥方法を開発することにより、見掛け比容積、見
掛けタッピング比容積、比表面積を特定の範囲にコント
ロールすることが可能となり、従来には存在しなかっ
た、成形性と崩壊性のバランスのとれた結晶セルロース
を発明するに至ったのである。
【0035】標準錠剤の調製法について説明する。すな
わち、標準錠剤を調製するには赤外吸収分析において臭
化カリウム錠剤を作るときに使用されるような金型を使
用する。但し、圧縮成形時には減圧しないので特にその
ような構造は必要なく、単に金属性の臼と杵がある構造
のものでよい。また片側圧縮タイプでも両側圧縮タイプ
でもよい。杵の圧縮面は円柱状の成形体を得るために、
平面で、かつ、面積が1cmの円形である必要があ
る。このような金型に本発明物質500mg(吸着水分
を含む)を仕込み、圧力ゲージのついた加圧装置(ハン
ドプレス)にて100kgf/cmまで圧縮し、こ
の圧力を10秒間保持し、ついで金型より取り出すこと
により標準錠剤を調製する事ができる。圧縮および圧力
の保持、抜圧は万能引張圧縮試験機〔例えば、(株)島
津製作所製オートグラフ〕などで行うこともできる。
【0036】次に、標準錠剤の破壊強度および崩壊時間
の測定方法について説明する。すなわち、 破壊強度
は、標準錠剤(円柱形)の側面を二つの平行な面で挟
み、応力を加え、標準錠剤が破壊したときの応力をもっ
て破壊強度とする。標準錠剤を圧縮する面は一方が固定
であり、一方が一定速度で移動する。その移動速度は4
〜13cm/min程度である。この測定には市販の錠
剤硬度計や前述の万能引張圧縮試験機を利用する事がで
きる。 崩壊時間の測定は第十二改正日本薬局方、一般試験
法、錠剤の崩壊試験法を用いて行う。
【0037】本発明の高成形性賦形剤は、前述の方法で
標準錠剤を製した場合、その破壊強度は10kgf以
上、好ましくは11kgf以上であり、その崩壊時間は
100秒以内、好ましくは90秒以内である。前述した
ように既存の賦形剤は成形性が高いと崩壊時間が長くな
るため、本発明のように高成形性でありながら崩壊性も
優れる賦形剤は知られていなかった。一般に錠剤の破壊
強度は約4kgf以上が実用的に必要であると言われて
おり〔「医薬品の投与剤形(医歯薬出版発行)」198
3年、p157〕、また、速溶性錠剤(服用後の速やか
な薬効発現を目的とした、20分以内に薬物の75%以
上が溶解するような錠剤)の崩壊時間は15分以内であ
ることが求められている〔「医薬品の開発11巻・製剤
の単位操作と機械(廣川書店発行)」1989年、p6
5〕。
【0038】しかしながら、例えば成形性の乏しい薬物
を多量に配合する必要があり、かつ、速溶性錠剤である
ことが必要なかぜ薬を製する場合において、既存の賦形
剤は標準錠剤の破壊強度が10kgfを越えないか、そ
の崩壊時間が100秒を越えるか、あるいはその両方で
あったので、前述の速溶性錠剤の2つの性能を満たすこ
とが困難であった。本発明の高成形性賦形剤はこのよう
な問題を解決するものである。つまり本発明の高成形性
賦形剤を錠剤処方に配合すると、従来の賦形剤よりも錠
剤破壊強度が高く、そして優れた崩壊性の錠剤を製する
ことができるのである。標準錠剤の強度が11kgf以
上の場合は高成形性賦形剤を配合した錠剤の強度も高く
なるので、特に好ましい。
【0039】本発明の高成形性賦形剤は、本発明品が水
分を5〜6%含有するときにプロトンNMRスペクトル
法にて測定される吸着水横緩和時間が0.00024秒
以下であることが好ましい。一般に、吸着水を有する固
体試料のNMRスペクトルを1H溶液NMRプルーブを
用いて測定すると吸着水に由来する一本のブロードなピ
ークが得られるので、このピークの半値幅より吸着水横
緩和時間を計算する事ができる。この値が0.0002
4秒を超えると成形性が低下するので好ましくない。こ
の原因は明らかではないが、以下のように推測する。つ
まり、吸着水横緩和時間が短いということは水分子の運
動性がより束縛されているということだから、吸着水と
水素結合しやすようなセルロース分子の水酸基がより多
く存在するのであろう。
【0040】結晶セルロースの圧縮成形性が高い理由の
一つは、結晶セルロース粒子が応力を受けて互いに、あ
るいは他の粉体粒子に押しつけられたときに表面の水酸
基が吸着水を介して水素結合を形成するためといわれて
いる。よって、吸着水横緩和時間が短いほど圧縮成形に
寄与できる水酸基の量が多く、そのために成形性が高く
なるものと考えられる。従来、粉体の圧縮成形性の向上
は圧縮時の高圧密化が主目的に考えられていたが、結晶
セルロースの成形性向上のために接触点の接触強度の向
上を図ったという点で本発明は新規である。
【0041】本発明の高成形性賦形剤は医薬品分野にお
いて既存の賦形剤と同様に使用される。例えば錠剤を製
する場合には、直接粉末圧縮法や乾式顆粒圧縮法、湿打
後末法の結合剤として使用することができるが、既存の
結合剤、例えば結晶セルロースなどよりも成形性が高い
ので少ない配合量か、あるいは低い圧縮力で成形するこ
とが可能となる。また崩壊性が良いので崩壊剤の配合が
必要ないか、あるいは少量でよい。特に賦形剤の配合量
が制限される処方、例えば医薬品成分の配合量の多いか
ぜ薬や小型錠や、低い圧縮力での成形が必要な顆粒含有
錠においては有効である。また、ブロッキング防止や流
動性改善の目的で散剤に配合したり、充填性の改善を目
的としてカプセル剤に配合することもできる。さらに、
押し出し造粒における押し出し性改善剤や流動層造粒、
高速撹拌造粒における造粒助剤など湿式造粒においても
使用することができる。
【0042】その他には、高い圧縮成形性を必要とする
もの、例えば食品分野における錠剤タイプの菓子や健康
食品など、化粧品分野における固形ファンデーションな
ど、セラミクス分野における触媒など使用することがで
きる。さらには食物繊維や食感改良剤として食品に使用
することも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、これらは本発明の範囲を制限しない。なお、実施
例、比較例、使用例、比較使用例におけるセルロース粒
子水分散体、粉体試料および錠剤の物性の測定法は下記
の通りである。 ・pH[−] セルロース粒子水分散体を25℃に調整し、ガラス電極
式水素イオン濃度計(東亜電波工業(株)製、pHメー
ター HM−20E型)にて測定する。
【0044】・電気伝導度[μS/cm] セルロース粒子水分散体を25℃に調整し、電気伝導度
測定装置(横河電機(株)製、SC51POCKET
型)にて測定する。 ・酢酸保持率[%] 粉体試料約3gを精秤し、試料の約10倍重量の酢酸
(純度95%以上)に室温で30分間浸漬する。次いで
2000Gで10分間遠心分離を行い、上澄みを除く。
こうして得られた酢酸湿潤物の重量(W)を測定し、次
いで真空加熱乾燥し、乾燥物の重量(W)を測定
し、次式にて酢酸保持率を計算する。但し、測定は2回
行い、その平均値をとった。酢酸保持率=100・(W
−W)/W
【0045】・圧縮特性(川北の式の定数aおよびb) 粉体試料0.50gを精秤し、底面積が1cmの円
柱状成形体を調製することができる片側圧縮タイプの金
型に仕込み、ハンドプレスにて200、400、80
0、1200、1600kgf/cmまで圧縮し、
この圧力で10秒間保持し、次いで錠剤を取り出す。各
圧力で10個、計50個の錠剤を製し、それぞれの重量
と厚みを測定し、粉体の体積減少率(C)を次式より計
算する。 C=(V−V)/V (ここでVは後述する粉体の見掛け比容積[cm
/g]であり、Vは錠剤の比容積[cm/g]
を表す。) 圧縮圧力PとP/Cの関係を最小自乗法で直線回帰し
(P/C=S+P・T)、その傾きTと切片Sより、川
北の式の定数aおよびbを計算する。 (a=1/T、b=T/S)
【0046】・粒度分布および平均粒径 粉体試料の粒度分布はロータップ式篩振盪機(平工製作
所製シーブシェーカーA型)によりJIS標準篩(Z8
801−1987)を用いて試料30gを10分間篩分
することにより粒度分布を測定し、その累積50重量%
の粒度を平均粒径として表す。45μm以下の留分が多
い場合はエアジェットシーブ粒度分布測定機(ALPI
NE製エアジェットシーブA200LS型)を用いて粒
度分布を測定し、累積50重量%の粒度を求めて平均粒
径とする。
【0047】・見掛け比容積[cm/g] 100cmのガラス製メスシリンダーに粉体試料を
定量フィーダーなどを用い、2〜3分間かけて疎充填
し、粉体層上面を筆のような柔らかいハケで水平になら
し、その容積を読みとる。これを粉体試料の重量で除す
る。粉体試料の重量は容積が70〜100cm程度
になるように適宜決定する。 ・見掛けタッピング比容積[cm/g] 見掛け比容積を測定後、ゴム板を敷いた机の様な衝撃の
低い台の上で、手でタッピングを行う。タッピングは数
cmの高さから台に垂直に落とすようにして行い、粉体
層の圧密が止まるまで行う。タッピング終了後、粉体層
の容積を読みとり、粉体試料重量で除する。
【0048】・平均重合度[−] INDUSTRIAL AND ENGINEERIN
G CHEMISTRY Vol.42,No.3 p
502〜507(1950)に記載された銅安溶液粘度
法により測定する。 ・比表面積[m/g] 島津製作所(株)製フローソーブII2300を用い、
吸着ガスとして窒素ガスを使用し、BET法により測定
する。
【0049】・吸着水横緩和時間[s] 吸着水分を5〜6%(=100×水分重量/(水分重量
+絶乾試料重量))に調整した粉体試料を溶液用試料管
に導入し、ブルーカー社FT−NMR(AC200P
型)、1H溶液NMRプローブを用いて測定する。吸着
水横緩和時間は次式より求める。吸着水横緩和時間=1
/(得られたピークの半値幅×π) ・錠剤の重量[mg]および重量CV[%] 錠剤10個を精秤し、その数平均値を錠剤重量、その変
動係数を重量CVとする。
【0050】・錠剤の破壊強度[kgf] シュロインゲル錠剤硬度計(フロイント産業(株)製、
6D型)で錠剤の直径方向に荷重を加え、破壊した時の
荷重で表す。繰り返し数は10でその数平均値をとる。 ・錠剤の崩壊時間[s] 第十二改正日本薬局方、一般試験法、錠剤の崩壊試験法
に準じて崩壊試験を行う。崩壊試験機は富山産業(株)
製NT−2HS型を用い、試料6個の数平均値をとる。
【0051】(実施例1)市販DPパルプを細断し、1
0%塩酸水溶液中で105℃で30分間加水分解して得
られた酸不溶解残渣を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整
を行い、固形分濃度17%、pH6.4、電気伝導度1
20μS/cmのセルロース粒子水分散体を得た。これ
をドラム乾燥機(楠木機械製作所(株)製、KDD−1
型、スチーム圧力3.5kgf/cm、ドラム表面
温度136℃、ドラム回転速度2rpm、溜め部水分散
体温度100℃)で乾燥後、ハンマーミルで粉砕し、目
開き425μmの篩で粗大粒子を除き、試料Aを得た。
試料Aの基礎物性を表1に示す。
【0052】(実施例2)市販KPパルプを細断し、後
は実施例1と同様に処理して得られた酸不溶解残渣を濾
過、洗浄、pH調整、濃度調整を行い、固形分濃度21
%、pH8.4、電気伝導度275μS/cmのセルロ
ース粒子水分散体を得た。これをドラム乾燥機(スチー
ム圧力1.2kgf/cm、ドラム表面温度110
℃、ドラム回転速度0.5rpm、溜め部水分散体温度
99〜100℃)で乾燥後、ハンマーミルで粉砕し、目
開き425μmの篩で粗大粒子を除き、試料Bを得た。
試料Bの基礎物性を表1に示す。
【0053】(実施例3)実施例1と同様にして得られ
た酸不溶解残渣を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整を行
い、固形分濃度18%、pH7.2、電気伝導度84μ
S/cmのセルロース粒子水分散体を得た。これを噴霧
乾燥機(二流体ノズル使用、水分散体を噴霧化する流体
にはスチームを使用、噴霧圧力4kgf/cm、約
150℃)にて乾燥したのち、目開き425μmの篩で
粗大粒子を除き、試料Cを得た。試料Cの基礎物性を表
1に示す。
【0054】(比較例1)市販DPパルプを細断し、1
0%塩酸水溶液中で105℃で30分間加水分解して得
られた酸不溶解残渣を濾過洗浄し、棚段熱風乾燥機にて
80℃で乾燥し、ハンマーミルで粉砕し、目開き425
μmの篩で粗大粒子を除き、試料Dを得た。試料Dの基
礎物性を表1に示す。
【0055】(比較例2)比較例1で得た試料を、気流
式粉砕機((株)セイシン企業製、シングルトラックジ
ェットミルSTJ−200型)で試料供給量を変えて粉
砕し、特開昭63−267731号公報記載の発明品に
相当する試料E、Fを得た。試料E、Fのの基礎物性を
表1に示す。
【0056】(比較例3)市販SPパルプを細断し、1
%硫酸水溶液中で99℃、30分間加水分解して得られ
た酸不溶解残渣を濾過、洗浄し、棚段熱風乾燥機にて8
0℃で乾燥した。乾燥物の平均重合度は452であっ
た。続いてこれをハンマーミルで粉砕し、さらに磁製ボ
ールミルで12時間粉砕し、目開き425μmの篩で粗
大粒子を除き、特公昭51−17172号公報記載の発
明品に相当する試料Gを得た。試料Gの基礎物性を表1
に示す。
【0057】
【表1】
【0058】(使用例1〜3)試料A、B、C、150
gと乳糖(DMV社製、Pharmatose100
M)600gをポリ袋中で3分間混合し、ついでステア
リン酸マグネシウム(太平科学産業(株)製)3.75
gを加え更に30秒間混合したものを、ロータリー打錠
機((株)菊水製作所製、CLEANPRESS CO
RRECT 12HUK)で8mmφ、12Rの杵を用
いてターンテーブル回転速度25rpmで打錠し、重量
200mgの錠剤を得た。その錠剤の物性を表2に示
す。
【0059】(比較使用例1〜3)試料A、B、Cの代
わりに試料D、E、Gを用いて使用例1と同様に打錠を
行った。得られた錠剤の物性を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2の結果より、試料Eを用いた場合(比
較使用例2)では圧縮力の増加と共に破壊強度も増加す
るものの、崩壊時間も非常に長くなっていることがわか
る。また、試料D、Gの場合(比較使用例1、3)は圧
縮力が増加しても崩壊時間はそれほど長くはならない
が、破壊強度もあまり増加しないことがわかる。これに
対し、本発明品を用いた場合(使用例1〜3)では圧縮
力が増加すると共に錠剤の破壊強度も著しく増加するが
崩壊時間は短いままである。特に標準錠剤の破壊強度が
11kgf以上である試料A、C(使用例1、2)で
は、破壊強度が高い。これらのことから本発明を使用す
れば、高い破壊強度を有し、かつ、速崩壊性の錠剤を容
易に作成することが可能であることがわかる。
【0062】(実施例4)市販DPパルプを細断し、4
%硫酸水溶液中で105℃で3時間加水分解して得られ
た酸不溶解残渣を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整を行
い、固形分濃度17%の水分散体を得た。この水分散体
を実施例1と同様にして乾燥後、ハンマーミルで粉砕
し、目開き425μmの篩で粗大粒子を除き、試料Hを
得た。試料Hの基礎物性を表3に示す。
【0063】(実施例5)実施例1と同様にして得られ
た酸不溶解残渣を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整し、
固形分濃度18%の水分散体を得た。この水分散体を高
圧滅菌器(オートクレーブ)に入れ、系の温度を121
℃で2時間保ち、水分散体の温度を121℃に上げた
後、放冷し、取り出した。取り出したときの水分散体の
温度は95℃であった。この水分散体をガラス板上に厚
さ1mm程度に薄くのばし、棚段熱風乾燥機にて80℃
で乾燥した後、剥離してハンマーミルで粉砕し、目開き
425μmの篩で粗大粒子を除き、試料Iを得た。試料
Iの基礎物性を表3に示す。
【0064】(比較例4)加水分解時間を5分間とした
以外は実施例1と同様に操作を行い、得られた乾燥未粉
砕物を、不二パウダル(株)製フラッシュミルFL−2
00型にて粉砕し、目開き425μmの篩で粗大粒子を
除き、試料Jを得た。試料Jの基礎物性を表3に示す。
【0065】(比較例5)レーヨン糸くずを細断し、
0.3%塩酸水溶液中で100℃で40分間加水分解し
て得られた酸不溶解残渣をデカンテーション法で洗浄
し、濾過、pH調整、濃度調整し、固形分濃度10%の
水分散体を得た。この水分散体を実施例1と同様にして
乾燥後、気流式粉砕機で粉砕し、目開き425μmの篩
で粗大粒子を除き、試料Kを得た。試料Kの基礎物性を
表3に示す。
【0066】(比較例6)比較例1と同様にして得た酸
不溶解残渣を濾過、洗浄、脱水し、水分50%のウェッ
トケークを得た。これをイソプロピルアルコールに分散
し、濾過、脱液、再分散を2回行い、さらに日本精機製
作所(株)製ゴーリンホモジナイザー15M型にて、4
00kgf/cmの処理圧で3回分散処理を行っ
た。このスラリーにイソプロピルアルコールを加えて固
形分濃度が10重量%になるように調整した後、窒素循
環型のスプレードライヤーにて噴霧乾燥(送風温度15
0℃、排風温度83℃)を行い、目開き425μmの篩
で粗大粒子を除き、特開平2−84401号公報記載の
発明品に相当する試料Lを得た。試料Lの直径0.01
μm以上の細孔の全容積(水銀ポロシメーターにて測
定)は0.7cm/gであった。試料Lのその他の
基礎物性を表3に示す。
【0067】(比較例7)市販DPパルプを細断し、
0.5%塩酸水溶液中で121℃で1時間加水分解して
得られた酸不溶解残渣を濾過、洗浄、脱水し、真空乾燥
機にて70℃で乾燥し、水分4.2%の乾燥物を得た。
これをハンマーミルで粉砕し、目開き425μmの篩で
粗大粒子を除き、特公昭40−26274号公報記載の
発明品に相当する試料Mを得た。試料Mの基礎物性を表
3に示す。
【0068】
【表3】
【0069】(使用例4、5)試料H、I、70gと乳
糖(DMV社製、Pharmatose100M)63
0gとステアリン酸マグネシウム(太平科学産業(株)
製)3.5gを用い、あとは使用例1と同様に打錠し
た。得られた錠剤の物性を表4に示す。
【0070】(比較使用例4〜7)試料H、Iの代わり
に試料J、K、L、Mを用いて使用例4と同様に打錠を
行った。得られた錠剤の物性を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】表4の結果より、試料Lを用いた場合(比
較使用例6)では圧縮力の増加と共に破壊強度も増加す
るものの、崩壊時間も非常に長くなっていることがわか
る。試料Jを用いた場合(比較使用例4)では圧縮力が
増加してもあまり破壊強度は増加しないが、崩壊は長く
なっており、また、平均粒径が120μmより大きいの
で打錠用粉体の流動性が低く、それを反映して錠剤の重
量CVが高くなっている。試料K、Mを用いた場合(比
較使用例5、7)では圧縮力が増加しても崩壊時間は非
常に短いが、破壊強度があまり高くならない。
【0073】これに対し、本発明品である試料H、Iを
用いた場合(使用例4、5)では、その配合量が約10
重量%であるにも関わらず、圧縮力が増加すると共に錠
剤の破壊強度も著しく増加するが崩壊時間は比較的短
く、また、重量CVが低いことから、低添加量で高破壊
強度、速崩壊性、重量均一性の高い錠剤の作成が可能で
あることがわかる。
【0074】(実施例6)実施例1と同様にして得られ
た酸不溶解残渣を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整し、
固形分濃度19%の水分散体を得た。この水分散体をド
ラム乾燥機(スチーム圧力5kgf/cm、ドラム
表面温度143℃、ドラム回転速度5rpm、溜め部水
分散体温度100℃)で乾燥後、不二パウダル(株)製
フラッシュミルFL−200型にて粉砕し、目開き42
5μmの篩で粗大粒子を除き、試料Nを得た。試料Nの
基礎物性を表5に示す。
【0075】(実施例7)精製リンターを充分ほぐし、
後は実施例1と同様に処理して得られた酸加水分解残渣
を濾過、洗浄、pH調整、濃度調整し、固形分濃度20
%の水分散体を得た。この水分散体をドラム乾燥機(ス
チーム圧力3kgf/cm、ドラム表面温度131
℃、ドラム回転速度1rpm、溜め部水分散体温度99
〜100℃)で乾燥後、ハンマーミルで粉砕し、目開き
425μmの篩で粗大粒子を除き、試料Oを得た。試料
Oの基礎物性を表5に示す。
【0076】(比較例8)加水分解時間を5分間とした
以外は実施例1と同様に操作を行い、試料Pを得た。試
料Pの基礎物性を表5に示す。 (比較例9)市販の結晶セルロース(アビセル<登録商
標>PH−101、旭化成工業(株)製)を試料Qとし
た。試料Qの基礎物性を表5に示す。
【0077】(比較例10)市販の結晶セルロース(ア
ビセル<登録商標>PH−301、旭化成工業(株)
製)を試料Rとした。試料Rの安息角は41度であり、
特公昭56−38128号公報記載の発明品に相当す
る。試料Sの基礎物性を表5に示す。 (比較例11)市販の結晶セルロース(GRADE M
−101、MING TAI CHEMICAL C
O.,LTD.製)を試料Sとした。試料Sの基礎物性
を表5に示す。
【0078】
【表5】
【0079】(使用例6、7)試料N、O、150gと
フェナセチン(山本化学工業製)150gと乳糖(DM
V社製、Pharmatose100M)450gをポ
リ袋中で3分間混合し、ついでステアリン酸マグネシウ
ム(太平科学産業(株)製)3.75gを加え更に30
秒間混合したものを、ロータリー打錠機((株)菊水製
作所製、CLEANPRESS CORRECT 12
HUK)で8mmφ、12Rの杵を用いてターンテーブ
ル回転速度25rpmで打錠し、重量200mgの錠剤
を得た。その錠剤の物性を表6に示す。
【0080】(比較使用例8〜12)試料N、Oの代わ
りに試料F、P、Q、R、Sを用いて使用例6と同様に
打錠を行った。得られた錠剤の物性を表6に示す。
【0081】
【表6】
【0082】表6の結果より、試料Fを用いた場合(比
較使用例8)では圧縮力の増加と共に破壊強度も増加す
るものの、崩壊時間も極端に長くなっていることが分か
る。また、試料Fは平均粒径が小さく、嵩高い(見掛け
比容積が大きい)ことから、打錠用粉体の流動性が低
く、それを反映して錠剤の重量CVが高い。試料Pを用
いた場合(比較使用例9)では圧縮力が増加しても崩壊
時間は非常に短いが、破壊強度があまり高くならない。
市販の結晶セルロースである試料Q、R、Sを用いた場
合(比較使用例10、11、12)でも同様の結果であ
った。
【0083】これに対し、本発明品である試料N、O
(使用例6、7)では圧縮力が増加すると共に錠剤の破
壊強度も著しく増加するが崩壊時間は短いままで、さら
に錠剤の重量CVが低いことから、高い破壊強度を有
し、速崩壊性で、かつ、錠剤の重量均一性の高い錠剤を
容易に作成することが可能であることがわかる。
【0084】
【発明の効果】本発明の高成形性賦形剤によると、該賦
形剤は圧縮成形性に優れるので、錠剤の成形に適用した
場合に少量の配合で成形が可能なので、小型錠やかぜ薬
のような賦形剤の配合に制限があるような場合に有用で
ある。また、該賦形剤は低い圧縮力で成形が可能である
から、顆粒含有錠のような高い圧縮力を避けなければな
らない場合にも有用である。さらに、該賦形剤は同時に
崩壊性に優れるので、特に崩壊剤を配合することなく錠
剤を製すること可能である。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース質物質を酸加水分解あるいは
    アルカリ酸化分解して得られる平均重合度100〜37
    5の白色粉末状結晶セルロースであり、その酢酸保持率
    が280%以上で、かつ、下記(1)式の圧縮特性を有
    することを特徴とする高成形性賦形剤。 【数1】 (但し、a=0.85〜0.90,b=0.05〜0.
    10であり、そしてPは結晶セルロースに対する圧縮圧
    力[kgf/cm]、Vは結晶セルロースの見
    掛け比容積[cm/g]、Vは圧縮圧力Pにおける
    結晶セルロースの比容積[cm/g]を表す)
  2. 【請求項2】 白色粉末状結晶セルロースの平均重合度
    が180〜220であることを特徴とする請求項1の高
    成形性賦形剤。
  3. 【請求項3】見掛け比容積が4.0〜6.0cm
    g、見掛けタッピング比容積が2.4cm/g以
    上、比表面積が20m/g未満であり、実質的に3
    55μm以上の粒子が無く、平均粒径が30〜120μ
    mであることを特徴とする請求項1あるいは2の高成形
    性賦形剤。
  4. 【請求項4】 500mgの白色粉末状結晶セルロース
    を100kgf/cmで10秒間圧縮することによ
    り得られる底面の面積が1cmである円柱状成形体
    の直径方向の破壊強度が10kgf以上であり、かつ、
    崩壊時間が100秒以内であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の高成形性賦形剤。
  5. 【請求項5】 円柱状成形体の直径方向の破壊強度が1
    1kgf以上であることを特徴とする請求項4記載の高
    成形性賦形剤。
  6. 【請求項6】 吸着水分が5〜6%である時の吸着水横
    緩和時間が0.00024秒以下であることを特徴とす
    る請求項1〜5のいずれかに記載の高成形性賦形剤。
  7. 【請求項7】 セルロース質物質を酸加水分解あるいは
    アルカリ酸化分解し、精製して得られたセルロース粒子
    を、固形分濃度が40重量%以下、pHが5〜8.5、
    電気伝導度が300μS/cm以下の湿潤状態あるいは
    水分散状態で100℃以上に加熱処理し、乾燥すること
    を特徴とする高成形性賦形剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 固形分濃度が5〜23重量%のセルロー
    ス粒子を加熱処理することを特徴とする請求項7記載の
    高成形性賦形剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 ドラム乾燥機あるいはベルト乾燥機を用
    いて加熱処理および乾燥を行うことを特徴とする請求項
    7あるいは8記載のの高成形性賦形剤の製造方法。
  10. 【請求項10】 セルロース質物質を酸加水分解あるい
    はアルカリ酸化分解し、精製して得られたセルロース粒
    子を、固形分濃度が23重量%以下、pHが5〜8.
    5、電気伝導度が300μS/cm以下の水分散状態と
    し、ついで薄膜状態で乾燥することを特徴とする高成形
    性賦形剤の製造方法。
  11. 【請求項11】 ドラム乾燥機あるいはベルト式乾燥機
    を用いて乾燥を行うことを特徴とする請求項10記載の
    高成形性賦形剤の製造方法。
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