JPWO2011004777A1 - アルミニウム貫通箔 - Google Patents

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Abstract

本発明は、箔厚みが薄いにもかかわらず、高い立方体方位占有率を有するがゆえに、高強度で多くの貫通孔を有するアルミニウム貫通箔を提供するものである。本発明のアルミニウム貫通箔は、Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム貫通箔であって、(1)箔厚みが50μm以下であり、(2)箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、(3)当該アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、新規なアルミニウム貫通箔に関する。より具体的には、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の集電体に用いられるアルミニウム貫通箔に関する。
リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等のエネルギー密度を向上させるためにはより高い電圧が必要である。エネルギー密度を高めるためには、プレドープ技術を利用し、負極電位を下げることが好ましい。プレドープを効率良く行うためには、集電体に貫通孔を設けることが必要である。集電体の貫通孔を通じてリチウムイオンを可逆的に移動可能とすることにより負極活物質にリチウムイオンを担持することができる。
貫通孔を有する集電体の作製方法として、例えばパンチング加工、メッシュ加工、エキスパンド加工、網加工等が知られているが、これらの方法で形成される貫通孔の大きさは一般的に0.3mm以上である。ところが、貫通孔を設けるとそれだけ集電体の強度が低下することになり、前記のような比較的大きな孔径では強度低下の問題がより大きくなる。
これに対し、比較的微細な貫通孔を有する集電体を用いる電極等が提案されている。例えば、リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極とリチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極を備えており、かつ、電解液としてリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液を備えたリチウムイオンキャパシタであって、(1)負極及び/又は正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によってリチウムイオンが負極及び/又は正極にドーピングされ、(2)正極と負極を短絡させた後の正極の電位が2.0V以下であり、(3)前記正極及び/又は負極が、表裏面を貫通する多数の孔を有し、かつこれらの貫通孔の内接円の平均直径が100μm以下である金属箔からなる集電体を有することを特徴とするリチウムイオンキャパシタが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1では、上記集電体についてその平均直径以外の構成については特に言及されていない。しかも、貫通孔の内接円の平均直径が100μm以下にする場合、具体的にどのような材料を使用すれば良いかについて特許文献1には特に言及されていない。一般に、強度が高く、かつ、適切な密度及び数を有する貫通孔を有するアルミニウム箔を製造するためには、アルミニウム箔に対して垂直なピットを形成する必要がある。このような垂直のピットを形成するためにアルミニウム箔の結晶方位(100)面を揃えることが必要であるものの、従来技術では高い(100)面占有率を得ることは困難ないしは不可能である。
また、特許文献1に記載されている100μm以下、特に10μm以下でも密度が高くなりすぎると、集電体に活物質を塗布しても活物質が裏抜けし、不必要な部分にも活物質が塗布されたり、またその対策として前処理が必要となる場合も生じる。また、集電体の強度も低くなり、活物質の塗布工程において制約が多くなる。このため、適切な貫通孔を得るためにはアルミニウム原箔から種々の物性を制御することが必要である。例えば、従来の3003材等で代表されるアルミニウム箔をそのまま用いても、表面から裏面までを最短距離で100μm以下の小さな貫通孔を多数制御することは不可能である。
また、厚さが20〜45μm及び見掛密度が2.00〜2.54g/cmで、透気度20〜120sの表裏面を貫通する多数の貫通孔を有するアルミニウムエッチング箔よりなる集電体と、この集電体上に、活物質として、リチウムイオン及びアニオンを可逆的に担持可能な物質を含有する塗料が塗布されることによって形成された電極層とを有することを特徴とする塗布電極であって、前記集電体の貫通孔の80%以上が、孔径1〜30μmであることを特徴とする塗布電極が知られている(特許文献2)。
しかし、特許文献2も、集電体の貫通孔の80%以上が、孔径1〜30μmであるという点以外の構成については特に記載されていない。また、その製造方法としても、厚み25〜60μm、99.99%のAlにおいて、結晶方位が揃ったアルミニウム軟質箔を用い、直流エッチングにて貫通孔を得ると記載されているが、具体的な製造方法は示されていない。
他方、結晶方位が揃ったアルミニウム箔として、電解コンデンサ用アルミニウム箔が知られている(例えば、特許文献3、特許文献4)。
しかし、電解コンデンサ用アルミニウム箔は、その厚みが通常100μm以上であり、前記のようなプレドープ用の集電体として用いることができない。また、アルミニウム箔の厚みを薄くしようとすると、結晶方位を揃えることが困難となる。事実、例えば特許文献3の実施例1〜3では、厚さ50μmのアルミニウム箔の立方体占有率が示されているが、その値は56〜65%にとどまっている。このため、所望の貫通孔を得るためには、さらなる技術改良が必要である。
特開2007−141897 国際公開WO2008/078777 特開2009−62595 特開2005−174949
従って、本発明の主な目的は、箔厚みが薄いにもかかわらず、高い立方体方位占有率を有するがゆえに、高強度で多くの貫通孔を有するアルミニウム貫通箔を提供することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、所定の構成を有するアルミニウムから特定の方法によりアルミニウム箔を製造することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記のアルミニウム貫通箔に係る。
1. Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム貫通箔であって、
(1)箔厚みが50μm以下であり、
(2)箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、
(3)当該アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上である、
ことを特徴とするアルミニウム貫通箔。
2. JIS P 8117に準じたガーレ式デンソメータによる透気度試験方法によって測定された透気度が5sec/100ml以上である、請求項1に記載のアルミニウム貫通箔。
3. 貫通孔の内径が0.2〜5μmである、前記項1又は2に記載のアルミニウム貫通箔。
4. 貫通孔率s(%)=[(100×測定重量(g))/(箔厚み(cm)×試料面積(cm))]/(アルミニウムの比重(2.70g/cm))が、5≦s≦20の範囲である、前記項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
5. 引張強度h(N)が、
[0.22×箔厚みt(μm)]以上の値である、前記項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
6. 表面積拡大率(%)が、
[0.15×箔厚みt(μm)]以上の値である、前記項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
7. Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム貫通箔であって、
(1)Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム系材料を400〜550℃で均質化処理する工程、
(2)前記の均質化処理された材料を圧延することにより厚み400〜100μmの厚箔を得る工程、
(3)前記厚箔を2枚以上重ねた状態で冷間圧延することにより最終箔の箔厚みの110〜130%の厚みの薄箔を得る工程、
(4)前記薄箔を冷間圧延することにより箔厚み50μm以下の最終箔を得る工程、
(5)前記最終箔を塩酸水溶液で直流エッチングする工程、及び
(6)前記の直流エッチングが施された最終箔を塩酸水溶液でケミカルエッチングする工程
を含む方法により得られる、アルミニウム貫通箔。
8. 箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、かつ、当該アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上である、前記項7に記載のアルミニウム貫通箔。
9. 前記方法が、前記工程(5)に先立って、前記最終箔を真空又は不活性ガス雰囲気下450℃以上で焼鈍する工程をさらに含む、前記項7又は8に記載のアルミニウム貫通箔。
10. 前記方法が、前記工程(3)の後、かつ、前記工程(4)に先立って、中間焼鈍として前記薄箔を150〜350℃で熱処理する工程をさらに含む、前記項7〜9のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
11. 前記方法において、前記工程(4)で得られる最終箔の平均粗度Raが0.25μm以下である、前記項7〜10のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
本発明によれば、箔厚みが50μm以下と薄くても、高い比率で立方体集合組織を有するため、強度が高く、かつ、量的に十分な貫通孔を有するアルミニウム貫通箔を提供することができる。
このようなアルミニウム箔は、リチウムイオン電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等の集電体として好適に用いることができる。とりわけ、リチウムイオンキャパシタ又はリチウムイオン二次電池が、1)リチウムイオン及び/又はアニオンを可逆的に担持可能な物質からなる正極、2)リチウムイオンを可逆的に担持可能な物質からなる負極及び3)リチウムイオンを含む電解質溶液を含み、かつ、リチウムイオンが正極及び/又は負極にドーピングされるものの集電体として本発明のアルミニウム貫通箔は有用である。すなわち、本発明のアルミニウム貫通箔を上記のような集電体として用いる場合は、リチウムイオンが貫通孔を通じてドーピングできる集電体として機能するので、電池特性等の向上に寄与することができる。
垂直貫通孔占有率を測定する場合のエッチングピットを走査型電子顕微鏡で観察した結果の一例を示す図(電子顕微鏡写真)である。 所定の角度を有するエッチングピットを観察するための透明カードの模式図である。
アルミニウム貫通箔
本発明のアルミニウム貫通箔(本発明Al箔)は、Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム貫通箔であって、
(1)箔厚みが50μm以下であり、
(2)箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、
(3)当該アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上である、
ことを特徴とする。
本発明Al箔の組成は、前記の通り、Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなる。
Feの含有量は、通常5〜80ppm程度とし、好ましくは10〜50ppmとする。Feは、Al−Fe系の化合物として晶出し、圧延性や伸びを改善することができる元素である。また、適度な量のAl−Fe系の化合物は、結晶核発生サイド及びピン止めにより結晶粒を微細化し、圧延時の耐焼付性(ロールへの材料の溶着)と微粉の発生とを抑えることによって、薄箔の圧延性を向上させることができる。
Feの含有量が5ppm未満の場合は、上記の効果が得られず、結晶粒の粗大化による箔の強度低下が起こり、孔開箔の強度低下や部位による強度のバラツキを生じやすい。一方、Feの含有量が80ppmを超える場合は、表面に過剰な溶解が起こり、孔開箔の強度低下や部位による強度のバラツキを招く。また、立方体方位の占有率が低くなり、十分な貫通エッチングピット密度が得られない。
Siの含有量は、通常5〜100ppm程度とし、好ましくは10〜60ppmとする。Siは、主に、強度を向上させることができる元素である。また、例えば、特に厚みが50μm以下の薄箔への圧延時にはアルミニウム貫通箔の表面のみならず、内部にも圧延加工に伴う瞬間的な温度上昇が発生するが、シリコンの存在により転位の消失を抑制して強度の低下を防ぐことができる。
Siの含有量が5ppm未満の場合は、上記の効果が得られず、強度低下が起こり、孔開箔の強度低下や部位による強度のバラツキを生じやすい。また、Siの含有量が100ppmを超える場合は、立方体方位の占有率が低くなり、十分な貫通エッチングピット密度が得られない。
Cuの含有量は、通常10〜100ppm程度とし、好ましくは15〜60ppmとする。Cuは、主として塩酸エッチング時の溶解性を向上させ、貫通エッチングピットの形成に寄与する。
Cuの含有量が10ppm未満の場合は上記の効果が十分に得られない上、薄箔の圧延性を著しく低下させる。他方、Cuの含有量が100ppmを超える場合は、表面に過剰な溶解が起こり、孔開箔の強度低下や部位による強度のバラツキを招く。また、立方体方位の占有率が低くなり、十分な貫通エッチングピット密度が得られない。
本発明Al箔では、上記のような成分のほか、必要に応じてPbが含まれていても良い。Pbは、主としてエッチング処理に使用する電解液とアルミニウム箔との反応を促進し、初期のエッチングピット数を増加させる働きがあることから、いっそう高い貫通エッチング密度を達成することが可能となる。Pbを含有する場合のPb含有量は、通常0.01〜20ppm程度とし、好ましくは0.05〜10ppmとすれば良い。
Pbは、主としてエッチング処理に使用する電解液とアルミニウム箔との反応を促進し、初期のエッチングピット数を増加させる働きがあるので、いっそう高い貫通エッチング密度を達成することが可能となる。Pbを含有する場合のPbの含有量は、上記のような効果が達成できるように適宜調整することができるが、通常0.01〜20ppm程度、好ましくは0.05〜10ppmとすれば良い。
特に、本発明Al箔では、Pbがアルミニウム箔の表面から深さ0.1μmまでの領域において40〜2000ppmの範囲となるように設定することが望ましい。上記範囲内に設定することによって、貫通エッチング密度をよりいっそう高めることができる。
なお、このようなPb含有量の調整は、例えばアルミニウム箔の製造段階においてアルミニウム溶湯に添加するPb量を調節し、さらに焼鈍温度を450℃以上の範囲内で制御することによって実施することができる。
残部は実質的にAlと不可避不純物からなる。本発明のアルミニウム合金箔におけるアルミニウム純度は、集電体用として使える範囲内であれば特に制限されない。また、不可避不純物としては、例えばMg、Mn、Zn、Ti、V、Ga、Cr、Zr、B等が含まれていても良い。
本発明Al箔の厚みは、50μm以下、好ましくは40μm以下とする。上記の厚みに設定することにより、リチウムイオンキャパシタの集電体として好適に用いることができる。なお、厚みの下限値は限定的ではないが、通常は1μm程度とすれば良い。
また、貫通孔の内径は、Al箔の用途、使用目的等に応じて適宜設定することができるが、通常は0.2〜5μm、特に0.5〜3μmとすることが好ましい。貫通孔の内径は、エッチング処理時において特にエッチング時間を調整することにより適宜制御することができる。
本発明Al箔では、アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上であり、好ましくは1.5以上であり、より好ましくは1.6以上である。このことは、本発明Al箔が、従来のアルミニウム貫通箔と比べて、同じ厚みでもより高い垂直貫通孔占有率を示すものである。すなわち、本発明Al箔は、厚みが薄いにもかかわらず、より高い垂直貫通孔占有率を有するものである。一般に、高純度アルミニウム箔は、厚くが薄くなるほど立方体方位占有率が低くなり、それに伴って垂直貫通孔占有率も低下する。一般的には立方体方位占有率は、箔厚み(μm)%の数値程度の値に相当すると言われている。例えば、箔厚み55μmのアルミニウム箔であれば立方体方位占有率はおよそ55%前後となる。これに対し、本発明では、Fe、Si、Cu等の含有量を制御すること等によって、薄い箔であっても従来技術よりも高い立方体方位占有率を実現させることができる結果、垂直貫通孔占有率をより高くすることが可能となる。
前記の垂直貫通孔占有率に関し、本発明Al箔では垂直貫通孔占有率そのものの値については箔厚み等によって変動するので特に限定されないが、一般的には30〜98%、特に40〜98%の範囲内にあれば良い。
なお、一般に、水平面から70〜110度の角度をなす貫通孔の割合が、エッチング前のアルミニウム箔の立方体方位占有率とほぼ同じ値となることから、本発明では貫通孔が水平面から70〜110度(すなわち、90度±20度)の範囲の角度をなすものを垂直貫通孔とし、貫通孔の総数に対する垂直貫通孔が占める割合を垂直貫通孔占有率としている。よって、本発明のおける垂直貫通孔占有率は、エッチング前のアルミニウム箔の立方体方位占有率とほぼ同じ値となる。
また、本発明Al箔は、JIS P 8117に準じたガーレ式デンソメータによる透気度試験方法によって測定された透気度が5sec/100ml以上、特に15sec/100ml以上であることが好ましい。かかる透気度を有することにより、本発明Al箔に活物質を塗布しても活物質が裏抜けせず、不必要な部分にも活物質が塗布されることがないため、その対策としての前処理が不要になるという効果が得られる。なお、前記透気度の上限値は特に制限されないが、通常は180sec/100ml程度とすれば良い。
本発明Al箔においては、表面積拡大率が[0.15×箔厚みt(μm)]以上の値、特に[0.17×箔厚みt(μm)]以上の値であることが好ましい。表面積拡大率を上記範囲に設定することによって、集電体としての本発明Al箔と活物質との密着性を向上させることができる。
また、本発明Al箔では、貫通孔率s(%)=〔 測定重量(g)/〔箔厚み(cm)×試料面積(cm)〕〕/アルミニウムの比重(2.70g/cm)が、5≦s≦20の範囲にあることが好ましい。上記範囲内に設定することによって、貫通孔を通じてリチウムイオンを可逆的に移動可能でありながら、強度が低くなりすぎるおそれをなくすことができる。
本発明Al箔は、引張強度h(N)が、少なくとも[0.22×箔厚みt(μm)]以上、特に[0.26×箔厚みt(μm)]以上の値であることが好ましい。上記範囲内に設定することによって、コンマコーター等による活物質の塗工が容易になり、生産性に支障をきたすおそれをなくすことができる。
アルミニウム貫通箔の製造方法
本発明Al箔は、例えば次のようにして製造することができる。まず、鋳造から板圧延(約1mm位)まではほぼ通常の方法で製造することができる。例えば、上記組成を有する原料の溶湯を調製し、溶湯を凝固させることにより鋳塊を製造する。この場合、得られた鋳塊に対して400〜550℃で1〜20時間程度の均質化処理を施すことが好ましい。特に、本発明では、均質化処理温度を550℃以下とすることが望ましい。均質化処理温度を550℃以下とすることによって、50μm以下の箔に圧延して焼鈍した後により高い立方体方位占有率を得ることができる。
その後、鋳塊に対して熱間圧延及び冷間圧延を施すことによって350μm程度の厚箔とする。なお、必要に応じて、板表面の不純物又は酸化皮膜を除去する等の目的で板洗浄、箔洗浄等の公知の処理を行っても良い。
次いで、前記の厚箔を冷間圧延することによって、薄箔を得る。この場合、圧延後の薄箔の厚みは、最終箔の厚みの110〜130%の厚みとすることが好ましい。なお、冷間圧延の温度自体は、公知の冷間圧延と同様にすれば良く、例えば120℃を超えない温度範囲内で実施することができる。
薄箔の圧延時にはアルミニウム箔の表面のみならず内部にも、圧延加工に伴う瞬間的な温度上昇が発生する。また、アルミニウム箔と圧延ロールとの間の摩擦等、機械的ストレスが大きくなると、50μm以下の箔に圧延して焼鈍した後に立方体方位の占有率が低くなるおそれがある。従って、薄箔の圧延(少なくとも最後の圧延(すなわち、最終箔を得るための圧延))は、圧延ロールの平均粗度Raを0.25μm以下、特に0.20μm以下、さらには0.18μm以下とすることが好ましい。この場合、得られる薄箔の平均粗度Raは、圧延ロールと接する面がそれぞれ0.25μm以下、特に0.20μm以下、さらに0.18μm以下となる。
本発明では、厚箔を圧延して薄箔を得る場合は、圧延ロールに接触しない面を確保しながら圧延することが好ましい。圧延ロールに接触しない面を確保することにより、結晶粒の動きを阻害する要因を除くことができ、これにより薄い箔であっても高い立方体方位占有率を得ることができる。圧延ロールに接触しない面をつくりだすには、例えばいわゆる合わせ圧延(併せ圧延)を行うことが好ましい。すなわち、箔を2枚又はそれ以上重ね合わせた状態で圧延することにより、圧延ロールに接触しない面を有する薄箔を得ることができる。この場合、最終的に得られる薄箔の厚みを均一化するために、箔を重ね合わせる場合の総厚みは350μm以下とすることが好ましい。重ね合わせた箔の分離は、次の工程である焼鈍の前及び/又は後に実施することができる。この合わせ圧延においても、圧延ロールの平均粗度Raを0.25μm以下、特に0.20μm以下、さらには0.18μm以下とすることが好ましい。
上記の冷間圧延を実施した後、必要に応じて、中間焼鈍として150〜350℃(特に150〜300℃)で1〜30時間程度の熱処理を施すことが好ましい。特に前記の熱処理温度は350℃以下とすることが望ましい。熱処理温度を350℃以下とすることによって、50μm以下の箔に圧延して焼鈍した後により高い立方体方位占有率を得ることができる。なお、中間焼鈍の雰囲気は限定的でなく、例えば真空中、大気中、不活性ガス雰囲気中等のいずれであっても良い。
次に、前記薄箔をさらに冷間圧延することにより所望の箔厚みをもつ最終箔(最終的な箔厚みをもつ箔)を得る。すなわち、この冷間圧延によって、箔厚み50μm以下の箔を得ることができる。なお、この冷間圧延においても、圧延ロールの平均粗度Raを0.25μm以下、特に0.20μm以下、さらには0.18μm以下とすることが好ましい。
本発明では、前記の最終箔に対して焼鈍(最終焼鈍)工程を実施することが好ましい。また、焼鈍工程に先立ち、例えば箔表面の圧延油、不純物、酸化皮膜を除去する等の目的で箔洗浄を行っても良い。洗浄後には乾燥を適宜行っても良い。特に、圧延油が過大に付着したまま高温の焼鈍を行なうと、箔表面の一部がシミ状に黄変し、エッチング処理を行なっても所望の形状のエッチングピットが得られなくなるおそれがある。
焼鈍温度は限定的ではないが、通常450℃以上とし、特に450℃以上660℃未満、さらには500〜620℃に設定することが望ましい。焼鈍温度が450℃未満になると立方体方位率が低下し、エッチング処理を行っても所望の形状のエッチングピットが得られなくなるおそれがある。焼鈍時間は、焼鈍温度等にもよるが、一般的には1〜100時間程度とすれば良い。
焼鈍雰囲気は、実質的に真空又は不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。ただし、昇温及び降温の工程も含め350℃を超える場合には、焼鈍雰囲気中の酸素濃度を工業的に可能な限り低減させることが望ましい。すなわち、10−5Torr以下の減圧下又は酸素を0〜1体積%含む不活性ガス雰囲気とすることが望ましい。10−5Torrを超える真空雰囲気又は焼鈍雰囲気中の酸素濃度が1.0体積%を超える不活性ガス雰囲気の場合は、焼鈍後の箔表面の一部がシミ状に黄変し、エッチング処理を行なっても所望の形状のエッチングピットが得られなくなるおそれがある。焼鈍雰囲気中の酸素濃度を上記のように設定することによって、薄くて均一な熱酸化皮膜が得られ、透気度の制御に寄与することができる。
このようにして得られた箔(最終箔)に対してエッチング処理を施すことにより貫通孔を形成させる。エッチング処理の方法は限定的ではなく、1段階のエッチングにより所望の貫通孔を形成しても良いし、2段階又はそれ以上に分けて実施しても良い。
本発明では、例えば少なくとも2段階のエッチングとし、1段目のエッチングで貫通孔を形成し、2段目のエッチングで貫通孔の内径を調整することにより、所望の貫通孔を好適に形成することができる。
この場合、1段目のエッチングは、好ましくは塩酸を主成分とする電解液中で直流エッチングする。1段目エッチングでは、主にエッチングピットを形成するとともにその密度と形状(貫通形状)を制御することができる。電解液としては、塩酸1〜10重量%が水に溶解した水溶液を使用することができる。この場合、電解液中にはシュウ酸、リン酸、硫酸等を0.001〜0.1重量%加えても良い。また、液温は60〜90℃程度とし、電流密度は0.1〜0.5A/cm程度とする。エッチング方式は、直流エッチングとすることが好ましい。なお、エッチング時間は、箔厚、目標とする透気度等に応じて適宜設定することができる。
2段目のエッチングでは、好ましくはケミカルエッチングを実施する。これにより、主としてエッチングピット径を制御することができる。例えば、上記1段目エッチングと同組成・温度の液中で、ケミカルエッチングを行うことができる。エッチング時間は、例えば箔厚、目標とする透気度等に応じて適宜設定することができる。また、必ずしも塩酸を主成分としなくても良く、硝酸を主成分とした電解液中でも良い。また、ケミカルエッチングでなく、電解エッチングとしても良い。さらに必要に応じて、ケミカルエッチングや電解エッチング、エッチング液組成を組み合わせて、「2段目のエッチング」をさらに多段化しても良い。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
比較例1
表1に示す組成を有する溶湯を調製した後、溶湯を凝固させることにより鋳塊を得た。次いで、前記鋳塊を500℃で10時間かけて均質化処理を施した。その後、前記鋳塊に対して熱間圧延(温度400℃)及び冷間圧延を施すことによって厚さ65μmまで圧延した。250℃で8時間かけて中間焼鈍を施した後、さらに冷間圧延を施すことによって厚さ50μmの箔を得た。有機溶剤系洗浄剤(イソプロピレン)で洗浄した後、アルゴンガス中530℃で10時間かけて焼鈍を施した。エッチング処理に先立ち、圧延ロールと接した箔面の平均粗度Ra及び箔厚を測定した。結果を表1に示す。
得られた箔について2段階のエッチング処理を施した。1段目のエッチング処理は、塩酸5重量%を含む水溶液を電解液として用い、液温70℃及び電流密度0.3A/cmで直流エッチングにて実施した。2段目のエッチング処理は、1段目のエッチング処理で形成された貫通孔の内径を調整するために、1段目と同じ電解液オ及び液温度で300秒間(50μm用)ケミカルエッチングにて実施した。このようにして所定の貫通孔を有するアルミニウム貫通箔を得た。
比較例2〜10
溶湯の組成及び製造条件を表1に示す組成に変更し、箔厚30μmのアルミニウム箔のケミカルエッチング時間を200秒としたほかは、比較例1と同様にしてアルミニウム貫通箔を製造した。
実施例1
表1に示す組成を有する溶湯を調製した後、溶湯を凝固させることにより鋳塊を得た。次いで、前記鋳塊を500℃で10時間かけて均質化処理を施した。その後、前記鋳塊に対して熱間圧延(温度400℃)及び冷間圧延を施すことによって厚さ130μmまで圧延した。このようにして得られたシートを2枚用意し、両者を重ね合わせた状態でさらに冷間圧延(併せ圧延又は合わせ圧延)を施すことによって合計厚さ130μm(各65μm)の箔を得た。250℃で8時間かけて中間焼鈍を施した後、さらに冷間圧延を行うことにより合計厚さ100μm(各50μm)の箔を得た。
2枚の箔を別々に分離し、有機溶剤系洗浄剤(イソプロピレン)で洗浄した後、アルゴンガス中で530℃で10時間かけて焼鈍を施した。エッチング処理に先立ち、圧延ロールと接した箔面の平均粗度Ra及び箔厚を測定した。結果を表1に示す。
次に、得られた箔について2段階のエッチング処理を施した。1段目のエッチング処理は、塩酸5重量%を含む水溶液を電解液として用い、液温70℃及び電流密度0.3A/cmで直流エッチングにて実施した。2段目のエッチング処理は、1段目のエッチング処理で形成された貫通孔の内径を調整するために、1段目と同じ電解液及び液温度で300秒間(50μm用)ケミカルエッチングにて実施した。このようにして所定の貫通孔を有するアルミニウム貫通箔を得た。
実施例2〜10
溶湯の組成及び製造条件を表1に示すように変更し、箔厚30μmのアルミニウム箔のケミカルエッチング時間を200秒としたほかは、比較例1と同様にしてアルミニウム貫通箔を製造した。
Figure 2011004777
試験例1
比較例及び実施例で得られたアルミニウム貫通箔について、垂直貫通孔占有率、貫通孔の内径等をそれぞれ測定した。その結果を表2及び表3に示す。
Figure 2011004777
Figure 2011004777
なお、各物性の測定方法は、次のようにして実施した。
(1)アルミニウム貫通箔(エッチング処理後)の垂直貫通孔占有率
エッチング処理後のアルミニウム貫通箔のLT−ST面(圧延方向に垂直な断面)が観察面となるようにサンプル(10mm幅)をエポキシ樹脂に埋め込み、試料をバフ研磨(ダイヤモンド研磨)する。その後、アルミニウム部分を電解(電解条件:エタノール:過塩素酸=4:1の溶液にて、0℃、定電圧(20V)電解×180秒)にて溶解し、エッチングピット(エッチングピットに入り込んだ樹脂部分)を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する。そして、無作為に撮影した10視野(倍率500倍)の写真から、図1に示すように各試料の測定長さが写真の寸法で100mmとなる部位を選び、図2に示すような角度測定用透明カードを上記写真に重ね合わせ、下表面から70〜110°(90±20°)の範囲内の角度をもった貫通孔の数を計測し、全体の貫通孔の合計数を目視にてカウントした後、その合計数に対する割合を垂直貫通孔占有率(%)として算出する。
(2)貫通孔の内径
倍率を5000倍としたほかは前記(1)と同様の方法にて無作為に10視野の写真を撮影し、各試料の測定面積が写真の寸法で100mm×100mmの範囲を画像解析してエッチングピット数及び総エッチングピット面積を計測し、貫通孔を円形と仮定して貫通孔の内径を算出する。画像解析装置としては、多目的高速画像解析装置「PCA11」(システムサイエンス株式会社製)を用いた。
(3)表面積拡大率
エッチング処理後のアルミニウム貫通箔を60℃の陽極酸化処理液(5%アジピン酸アンモニウム溶液)に浸漬し、10Vで陽極酸化処理することにより陽極酸化皮膜を形成させた後、LCRメータを用いて静電容量を測定し、エッチング前のアルミニウム箔の静電容量比から算出する。測定投影面積は、5cm×10cmとした。
(4)引張強度
エッチング処理後のアルミニウム貫通箔を幅10mm、長さ150mmに切断し、EIAJ RC−2364A(アルミニウム電解コンデンサ用電極箔の試験方法)に基づき測定した。
(5)貫通孔率
貫通孔率s(%)= [(100×測定重量(g))/(箔厚み(cm)×試料面積(cm))]/(アルミニウムの比重(2.70g/cm))を求めた。前記「箔厚み」は、試料4隅と中央部の計5点をマイクロメーターで測定した平均値とする。前記「試料面積」は10cm×5cmとする。前記「測定重量」は試料を電子天秤で秤量した値とする。
(6)透気度
JIS P 8117に準じたガーレ式デンソメータによる透気度試験方法によって測定する。
(7)平均粗度
JIS B 0601に従い、アルミニウム貫通箔表面の圧延直角方向の中心線平均粗さを接触式表面粗度計((株)東京精密製 製品名「SURFCOM1400D−12」)を用いて測定し、平均粗度(Ra)とした。なお、測定範囲は10mmとする。

Claims (6)

  1. Fe:5〜80重量ppm、Si:5〜100重量ppm、Cu:10〜100重量ppmならびに残部:Al及び不可避不純物からなるアルミニウム貫通箔であって、
    (1)箔厚みが50μm以下であり、
    (2)箔表面から裏面に至る貫通孔を複数有し、
    (3)当該アルミニウム貫通箔における垂直貫通孔占有率c(%)と前記箔厚みt(μm)の比率[c/t]が1.4以上である、
    ことを特徴とするアルミニウム貫通箔。
  2. JIS P 8117に準じたガーレ式デンソメータによる透気度試験方法によって測定された透気度が5sec/100ml以上である、請求項1に記載のアルミニウム貫通箔。
  3. 貫通孔の内径が0.2〜5μmである、請求項1又は2に記載のアルミニウム貫通箔。
  4. 貫通孔率s(%)=[(100×測定重量(g))/(箔厚み(cm)×試料面積(cm))]/(アルミニウムの比重(2.70g/cm))が、5≦s≦20の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
  5. 引張強度h(N)が、
    [0.22×箔厚みt(μm)]以上の値である、請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
  6. 表面積拡大率が、
    [0.15×箔厚みt(μm)]以上の値である、請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム貫通箔。
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