JPWO2010119661A1 - 直流電源装置及び応用システム - Google Patents

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Abstract

本発明は、交流電源からの直流成分を除去する直流電源装置及びその直流電源装置を使用した応用システムを提供する。直流電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換して出力するものであり、交流電源(1)をリアクタ(2)を介して短絡するスイッチング素子(302、312)と、交流電源から流入する電流を検出して電流情報として出力する電流検出部(3)と、電流検出部により検出される電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるようにスイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部(8)と、を有し、制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正する。

Description

本発明は、交流電源の出力を整流して直流化し、負荷に電力を供給する直流電源装置、及び直流電源装置を用いた応用システムに関する。
従来の直流電源装置は、交流電圧の瞬時電圧が低い期間でも交流電流が流れるような回路構成を採用している。例えば、従来の直流電源装置は、図1に示すように、交流電源1からの出力を、リアクタ2と、半導体スイッチであるスイッチング素子302、312及びダイオード303、304、313、314で構成されるブリッジ回路と、を介して、直流電力に変換し、コンデンサ4で平滑して、負荷5に直流電力を供給している。直流電源装置は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6により、交流電圧、交流電流、及び直流電圧をそれぞれ検出する。直流電源装置は、直流電圧が所望の値になるように、且つ、交流電源から流れる交流電流が交流電圧の波形と相似形(すなわち、正弦波)になるように、検出した各値に基づいて、スイッチング素子302、312に対する駆動信号を生成し、スイッチング素子302、312を駆動制御する。
交流電流を検出する電流検出器3として、簡易な交流変流器(例えば、電流トランス)を利用できる。しかし、交流変流器は、図13に示すように、電源周波数以下では感度が劣る周波数特性をもつため、瞬時の電流波形を再現することができない。また、電流波形の制御は交流電圧の片側の相から開始されるが、制御開始時は電流が非対称であるため、直流成分が必ず含まれている。しかし、交流変流器により検出される波形は直流成分が除去されたものになる。よって、電流波形制御が定常的になっても、実際の電流には直流成分が残ってしまうことになる。交流電源からの電流や電力に直流成分が含まれると、電力系統における変圧器などの損失増加などの異常をきたしてしまう。
直流電流を検出するためには、ホール素子を用いた電流センサや、回路に直列に挿入した抵抗の両端の電位差を検出する構成などが必要となる。しかしながら、ホール素子等による電流センサは、温度補正などの精密な回路を内部に持つ必要があり、高価である。また、抵抗挿入による手法の場合、電流が抵抗を流れるため、損失が生じると共に抵抗が発熱する。また、抵抗と制御回路との絶縁が難しい。
電流センサや抵抗挿入の手法を用いずに、交流変流器を使用して、駆動信号に含まれる直流成分を低減する方法が、特許文献1に開示されている。図14の制御ブロック線図に示すように、特許文献1に記載の直流電源装置は、直流電圧指令とパワー回路107から得られた実際の直流電圧を比較器101で比較し、比較結果(すなわち、電圧偏差)を電圧系補償演算部102を経由して、乗算回路103に送る。乗算回路103は、瞬時の交流電圧情報が示す値と電圧偏差に基づく情報が示す値とを乗算し、その結果を瞬時電流指令として比較器104に送る。すなわち、直流電源装置は、瞬時交流電圧波形を電圧偏差に基づく情報で変調することにより、瞬時交流電圧波形と同じ波形の瞬時電流指令を得る。比較器104は、瞬時電流指令とパワー回路107から電流検出用の変流器を経て得られた瞬時電流情報とを比較する。比較器104の結果(すなわち、電流偏差)は、電流系補償演算部105と直流成分除去回路801とを経由して、駆動信号としてパワー回路107に送られる。パワー回路107を駆動した結果、瞬時電流及び直流電圧が得られる。得られた瞬時電流を比較器104にフィードバックし、得られた直流電圧を比較器101にフィードバックすることにより、フィードバック制御ループが構成される。特許文献1の直流電源装置は、パワー回路107の前に直流成分除去回路801を設けて、直流成分除去回路801により、パワー回路107への駆動信号から直流成分を除去することで、交流電流に含まれていた直流成分が極力少なくなるようにしている。
特開2002−359976号公報
しかしながら、特許文献1のように、駆動制号から直流成分を除去しても、交流電流における直流成分が完全に除去できるとは限らない。例えば、図1に示す2つのスイッチング素子302、312の特性が異なっていれば、交流電源の正相と負相での電流の流れ方が異なり、交流電源からの流入電流に直流成分が混入してしまう。また、交流電圧波形に歪みがあると、駆動信号の直流成分を除去しても、電源から流入する電力の直流成分がゼロであるとは限らない。交流電流における直流成分が完全に除去できない場合、交流電力系統の損失増加などの異常が発生する。
さらに、特許文献1に記載の制御は、図1に示すような直列に接続された2つのスイッチング素子302、312を、直流出力に対して並列に配置し、それらのスイッチング素子302、312を相補的にオンオフする直流電源装置の場合にしか適用できない。
図1のような電源装置の場合、2つのスイッチング素子302、312を駆動する際に、実際には、直流出力を短絡しないように2つのスイッチング素子302、312が同時にオンすることを防止する必要がある。一般に、IGBTなどのスイッチング素子はオン速度とオフ速度が異なることが多く、さらにオフ速度の方が遅いことが多い。そのため、それぞれのスイッチング素子302、312のオフ期間を長くして、両方のスイッチング素子がオフとなる期間を設けている。これにより、スイッチング素子302、312に対する駆動信号と、スイッチング素子302、312の実際のオンオフの状態とに誤差が生じ、波形の歪みを生じる。この歪みはスイッチング周波数が高いほど大きい値になり、リアクタを小型化する際の障壁の一つになる。また、外来ノイズなどにより誤動作で同時にオンした場合に、安全に回路を停止させるための保護回路が必要となる。
図1に示すような直流電源装置の場合に生じる上記問題を回避する回路構成として、例えば、図5、図7、及び図8に示すような直流電源装置がある。図5に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2と双方向スイッチ素子401で短絡する構成をもつ。図7に示す直流電源装置は、交流電源1をダイオード605、606、615、616で整流してからリアクタ2とスイッチング素子603で短絡する回路構成をもつ。図8に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2a、2bを経由して、スイッチング素子702、712及びダイオード703、713で短絡する回路構成をもつ。図5、図7、及び図8に示す直流電源装置の場合、スイッチング素子に対するオンオフの駆動信号を1つで実現できる。そのため、いずれの場合も、直流側の短絡については配慮する必要がない。
これらの回路構成において、駆動信号のオンオフ比率は、定常的には下記の式に近い値になっている。
「オン比率」≒1−「交流電圧の瞬時値の絶対値」/「直流出力電圧」
この式から、オン比率は交流電圧と直流出力電圧でほぼ決まるため、特許文献1のように、この結果の直流成分を除去する手段は意味を持たないことがわかる。このため、図5、図7、及び図8に示すような直流電源装置の場合、直流成分を除去するためには、特許文献1とは別の手法が必要になる。
以上のように、従来の制御では、交流電源電圧の歪の影響を受ける等により、交流電源から流入する直流成分を除去しきれずに、交流電力系統の損失増加などの異常が発生するという問題があった。また、従来の制御では、適用可能なスイッチング素子及びその駆動信号の数量及び構成が限定されるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止する直流電源装置及びその直流電源装置を使用した応用システムを提供することを目的とする。具体的には、スイッチング素子及びその駆動信号の数量及び構成にかかわらず適用可能で、交流電源電圧の歪の影響を受けずに、交流電源から流入する直流成分を除去できる直流電源装置及びその直流電源装置を使用した応用システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の直流電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、交流電源から流入する電流を検出し、電流情報として出力する電流検出部と、電流検出部により検出される電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるようにスイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、を有し、制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする。
交流電源の一方の極性の時にのみ電流が多い場合、該当する相のタイミングで直流電圧が上昇して、直流電圧に電源周波数と同じ周波数成分が出現する。この周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分に応じて(例えば、周波数成分の振幅値に比例して)、スイッチング素子のオンオフ比率を補正することにより、交流電源からの直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止することができる。
電流検出部は交流変流器であってもよい。本発明の直流電源装置によれば、交流電源からの直流成分を検出することなく、交流電源からの直流成分を除去することができる。よって、直流成分を検出することができない交流変流器を使用することが可能となる。これにより、安価な直流電源装置を提供することができる。
制御部は、交流変流器が検出した電流情報を、交流変流器の周波数特性を用いて補正する周波数特性補正部を有し、制御部は、周波数特性補正部により補正された電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるようにスイッチング素子のオンオフ駆動を行ってもよい。これにより、瞬時の電流がさらに正弦波に近づくため、交流電源の利用効率である力率をさらに改善することができる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルを超えているとき、スイッチング素子のオンオフを休止させてもよい。別の検出部を用いることなく、スイッチング素子の過負荷状態の検出を実現できるため、直流電源装置の構成を簡略化することが可能となる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルより大きい第2の所定レベルを超えているとき、スイッチング素子のオンオフを停止させてもよい。第1の所定レベルを超える電流が検出されているにもかかわらず、電流が抜本的に減少しない場合に、装置動作を停止させることにより、装置の損傷などを防ぐことができる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す電流値の振幅成分を交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第3の所定のレベルよりも大きい場合、出力する直流電圧を低下させてもよい。これにより、過負荷状態で電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって電源が遮断されることなく、動作できる。
本発明の応用システムは、上記直流電源装置と、上記直流電源装置の出力により駆動される電動機と、を有し、直流電源装置の電流検出部により検出された電流情報が示す電流値の振幅成分を交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第4の所定のレベルよりも大きい場合に、電動機の回転数を低下させること特徴とする。これにより、直流電力出力に接続される負荷が緩和され、直流電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって電源が遮断されることなく、動作できる。
本発明の他の観点による直流電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、交流電源から流入する電流が略正弦波状になるように、スイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、を有し、制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分と、予め決められた基本パターン又は交流電圧波形に基づいた基本パターンを直流電圧と目標となる直流電圧との偏差に応じて変調した信号と、に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする。これにより、交流電流を検出することなく、交流電源からの直流成分を減少させることができる。
本発明によれば、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動時のオンオフ比率を補正することにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、交流電源から流入する直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常などを防止することができる。また、本発明によれば、スイッチング素子及びその駆動信号の個数及び構成が限定されることなく、簡便な方法で交流電源から流入する直流成分を除去することができる。さらに、本発明によれば、交流電源からの交流電力の直流成分を検出しているため、電圧波形が歪んでいる場合にも適用できる。
本発明の実施の形態1の直流電源装置の回路構成を示す図 本発明の実施の形態1の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 交流電源からの直流成分が無いときの波形図であって、(a)は交流電流、(b)は整流電流、(c)は直流電圧、(d)は電源周波数成分をそれぞれ示す図 交流電源からの直流成分が含まれているときの波形図であって、(a)は交流電流、(b)は整流電流、(c)は直流電圧、(d)は電源周波数成分をそれぞれ示す図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 図5の双方向スイッチの具体構成を示す回路図であって、(a)は逆並列ダイオードを有するIGBTの突合せ構成の回路図、(b)は逆阻止IGBTの逆並列接続構成の回路図、(c)はダイオードにより極性を片側化してIGBTで短絡した構成の回路図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 本発明の実施の形態2の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 図9の周波数特性補正回路の特性を示す図 本発明の実施の形態3の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 本発明の実施の形態4における直流電源装置を利用した応用システムの回路構成を示す図 交流変流器の周波数特性を示す図 従来の直流電源装置における制御の流れを示すブロック線図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の直流電源装置は、交流電源から流入する交流電流に含まれる直流成分を、出力する直流電圧に含まれる電源周波数成分に基づいて判断し、その判断結果に基づきスイッチング素子のオンオフ比率を補正することで、交流電源から流入する直流成分を除去する。具体的には、直流電源装置は、出力する直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出し、抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、スイッチング素子のオンオフ比率を補正する。これにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、交流電源から流入する直流成分を除去することを可能にする。よって、交流電力系統の損失増加などの異常を防止すると共に、交流電源からの力率を改善することができる。
1.1 直流電源装置の構成
図1に、本発明の実施の形態1の直流電源装置を示す。直流電源装置は、交流電圧の瞬時電圧が低い期間においても交流電流が流れるような回路構成を有する。直流電源装置は、交流電源1に接続されたリアクタ2と、リアクタ2に接続されたブリッジ回路と、ブリッジ回路に接続されたコンデンサ4とを有する。ブリッジ回路は、半導体スイッチであるスイッチング素子302、312とダイオード303、304、313、314とを含む。本実施の形態において、スイッチング素子302、312はIGBTである。直流電源装置は、交流電源1から出力される交流電力を、リアクタ2とブリッジ回路を経由して、直流電力に変換する。さらに、その直流電力をコンデンサ4で平滑して、平滑した直流電力を負荷5に供給する。
図1に示す直流電源装置は、さらに、スイッチング素子302、312のオンオフを制御する制御回路(制御部)8を有する。制御回路8は、交流電流が正弦波となるようにフィードバック制御を行う。スイッチング素子302、312には、制御回路8からの駆動信号に基づいて、スイッチング素子302、312のゲート電圧を制御するゲート駆動回路301、311が接続されている。直流電源装置は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6をさらに有する。交流電圧波形検出器7は、交流電源1から出力される交流電圧を検出する。電流検出器3は、交流電源1から出力される交流電流を検出する。本実施の形態において、電流検出器3は交流変流器である。直流電圧検出器6は、コンデンサ4により平滑される直流電圧を検出する。制御回路8は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6の出力に基づいて、スイッチング素子302、312を駆動することにより、出力する直流電圧が所望の値になるように且つ交流電源1からの交流電流が交流電圧の波形と相似形(略正弦波)になるように制御する。
1.2 直流電源装置の制御回路の動作
図2に、本発明の制御回路8による情報処理を表すブロック線図を示す。図2において、パワー回路107は交流電圧を直流電圧に変換する回路であって、図1のリアクタ2、スイッチング素子302、312、ダイオード303、304、313、314、及びコンデンサ4に対応する。図2において、パワー回路107以外の構成要素(比較器101、電圧計補償演算部102、乗算回路103、比較器104、電流計補償演算部105、補正部106、及び電源周波数成分抽出部108)は、図1に示す制御回路8の内部構成を示す。
比較器101は、外部から入力される直流電圧指令と、パワー回路107から得られた実際の直流電圧(図1の直流電圧検出器6の出力)とを比較する。電圧系補償演算部102は、比較器101の比較結果(すなわち、電圧偏差)を補償する。電圧計補償演算部102は、電圧制御系が安定かつ高精度に動作するように設けられる。乗算回路103は、瞬時の交流電圧の情報(図1の交流電圧波形検出器7により検出される交流電圧の情報)が示す値と電圧系補償演算部102から出力される電圧偏差に基づく情報が示す値とを乗算して、その乗算結果を瞬時電流指令として出力する。乗算回路103が、瞬時交流電圧波形を電圧偏差に基づく情報で変調することにより、瞬時交流電圧波形と同じ波形の瞬時電流指令が得られる。
比較器104は、乗算回路103から出力される瞬時電流指令と、パワー回路107から得られる瞬時電流情報(図1の電流検出器3により検出される電流の情報)とを比較し、その比較結果を電流偏差として、出力する。電流系補償演算部105は、比較器104から出力される電流偏差を補償して、駆動信号として出力する。
パワー回路107は、電流系補償演算部105から補正部106を介して出力される駆動信号により駆動される。すなわち、図1のスイッチング素子302、312は、この駆動信号に従ってオン/オフを切り換える。パワー回路107を駆動することにより、瞬時電流及び直流電圧が得られる。瞬時電流(図1の電流検出器3により検出される電流の情報)を比較器104に送り、直流電圧(図1の直流電圧検出器6により検出される直流電圧の情報)を比較器101に送ることにより、フィードバック制御ループが構成される。
電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107を駆動して得られた直流電圧の情報を入力して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。補正部106は、抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、電流計補償演算部105から出力される駆動信号を補正する。本実施の形態において、電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107から出力される直流電圧(すなわち、平滑コンデンサ4により平滑された直流電圧)を電源周波数成分を通過させるフィルタにかけることにより、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。補正部106は、抽出された電源周波数成分を打ち消すようにパワー回路107への駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する。これにより、抽出された電源周波数成分に基づいて、スイッチング素子302、312のオンオフの比率を補正する。
図2のブロック線図での制御原理を図3及び図4の波形図を用いて説明する。図3は交流電源1からの直流成分が無い場合の波形を示している。一方、図4は交流電源1からの直流成分が含まれている場合の波形を示している。
直流成分がないとき、図3(a)に示すように、交流電源1から出力される交流電流は、正方向及び負方向に対称になる。この交流電流が整流されると、図3(b)に示すように、交流電源1の周波数の2倍の成分をもつ脈流波形となる。脈流波形となった電流が平滑コンデンサ4により平滑されると、図3(c)に示すように、交流電源1の周波数の2倍の成分をもつ直流電圧波形になる。この波形を電源周波数成分を通すフィルタにかけた結果(すなわち、電源周波数成分抽出部108により抽出される電源周波数成分)が、図3(d)に示す波形となる。図3(d)に示すように、交流電源に直流成分が含まれていないときは、電源周波数成分抽出部108は電源周波数と同じ周波数の成分を抽出しない。交流電源に直流成分が含まれていないときは、変換後の直流電圧波形に電源周波数と同じ周波数の成分は含まれない。よって、直流成分が原因となって生じる交流電力系統の損失増加などの問題が発生することはない。
一方、交流電流に直流成分が含まれている場合、図4(a)に示すように、交流電源1から出力される交流電流は、正方向と負方向のときとで振幅が異なる波形を持つ。この交流電流が整流されると、図4(b)に示すように、交互に振幅が変化する脈流波形となる。さらに、この脈流が平滑コンデンサ4により平滑されると、図4(c)に示すように、電源周波数と同じ周波数成分を持つうねりが現れる波形となる。この波形を電源周波数成分を通すフィルタにかけた結果(すなわち、電源周波数成分抽出部108により抽出される電源周波数成分)が、図4(d)に示す波形となる。図4(d)に示すように、電源周波数成分抽出部108により抽出される波形から、電源周波数成分をもつ情報が得られる。このように、交流電源1からの交流電流に直流成分が含まれているときは、変換後の直流電圧波形にも電源周波数と同じ周波数の成分が含まれる。よって、直流成分が原因となって生じる交流電力系統の損失増加などの問題が発生する。
このように、交流電流に直流成分が含まれると、直流電圧に電源周波数成分のうねりが含まれる。この現象に基づき、本実施の形態では、制御回路8は、出力する直流電圧の電源周波数成分を抽出して、電源周波数成分のうねりが少なくなるようにスイッチング素子302、312のオンオフを補正する。例えば、図4(d)に示す電源周波数成分は、位相が0からπの区間で正になっている。つまり、交流電圧が正方向のときに電流が多くなっていることがわかる。よって、交流電圧が正相のときのスイッチング素子302、312のオン比率を下げる。一方、図4(d)に示す電源周波数成分は、位相がπから2πの区間で負になっている。よって、交流電圧が負方向のときに電流が少なくなっていることがわかる。よって、交流電圧が負相のときのスイッチング素子302、312のオン比率を上げる。このように、電源周波数成分抽出部108の出力の振幅は、交流電源1から出力される電流に含まれる直流成分に略比例することになるため、その直流成分を打ち消すように、補正部106が駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する。
1.3 まとめ
本実施形態によれば、制御回路8が、パワー回路107から出力される直流電圧に基づいて交流電源1から出力される電流に含まれる直流成分を抽出する電源周波数成分抽出部108と、抽出された直流成分を打ち消すようにパワー回路107の駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する補正部106とを備えることにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、その直流成分を駆動信号から除去することができる。具体的には、交流電源1からの電流や電力に直流成分が混入している場合、正相と負相とで流入する電力が異なり、平滑後の直流電圧に電源周波数の成分が出現する。直流電圧に含まれる電源周波数成分を電源周波数成分抽出部108で抽出し、抽出した位相と振幅に応じて、スイッチング素子302、312の時々刻々のオンオフ比率を補正することにより、交流電源1からの直流成分を検出することなく、その直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止することができる。また、電力系統への負担を軽減することができる。さらに、電流波形をさらに正弦波に近づけることができる。本実施の形態によれば、瞬時の電流が正弦波にさらに近づくため、交流電源の利用効率である力率をさらに改善することができる。本実施の形態の構成によれば、電源電流の直流成分を直接検出することなく、電源電流の直流成分除去のフィードバック制御系を実現することが可能となる。すなわち、交流変流器を用いて、電源電流の直流成分を除去することができるため、安価な直流電源装置を実現できる。本実施形態によれば、交流電源からの交流電力の直流成分を検出しているため、電圧波形が歪んでいる場合にも適用できる。すなわち、交流電源電圧の歪の影響を受けずに、交流電源から流入する直流成分を除去することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で、直流成分の流入を除去して、高い力率を実現することができる。
1.4 変形例
なお、本実施の形態においては、補正部106は抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、直流成分を打ち消すように、駆動信号に逆方向の直流成分を重畳したが、補正部106は、一定値を基準にし、その一定値に電圧誤差及び電源周波数成分に比例した値を加算又は減算することにより、駆動信号を補正してもよい。すなわち、一定値を基準にし、その一定値に電圧誤差及び電源周波数成分に比例した値を加算又は減算するような補正パターンを生成してもよい。また、補正部106は、駆動信号を、直流電圧指令と交流電圧の瞬時電圧から決まるパワー回路107の駆動信号の情報であって、電圧誤差及び電源周波数成分に連動して増減する値に設定してもよい。すなわち、電圧誤差及び電源周波数成分に連動して値が増減するように、補正パターンを生成してもよい。
後者の場合、補正部106は、パワー回路107の駆動信号であるスイッチング素子302、312のオン比率を下記の関係式(関数パターン)で設定する。
「オン比率」=1−「交流電圧の瞬時値の絶対値」/「直流電圧指令」
また、本実施の形態において、電源周波数成分抽出部108は、電源周波数成分を通過させるフィルタを使用して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出した。しかし、電源周波数成分の抽出の方法は本実施の形態に限定されない。電源周波数成分の大きさ(振幅)と極性がわかる手法であれば、他の方法を適用してもよい。例えば、電源周波数成分抽出部108は、交流電源1の(3/4)π、(7/4)π、(11/4)π、(15/4)π・・の位相での直流電圧値を逐次入力し、交互の入力値の差異を求めて、電源周波数成分を抽出してもよい。また、電源周波数成分抽出部108は、交流電源1の(1/4)π、(5/4)π、(9/4)π、(13/4)π・・の位相での直流電圧値を逐次入力し、交互の入力値の差異を求めて、電源周波数成分を抽出してもよい。
なお、本実施の形態において、図2に示す内部構成をもつ制御回路8は、図1に示す回路構成をもつ直流電源装置に適用するものであったが、制御回路8が適用可能な直流電源装置の構成は図1に限定されない。例えば、図5、図7、及び図8に示す回路構成をもつ直流電源装置であっても、本実施の形態における制御回路8を適用できる。
図5に、直流電源装置の他の回路構成を示す。図5において、図1と同一の構成要素については、同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図5に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2と双方向スイッチ401とで短絡する構成を有する。双方向スイッチ401の具体的な構成を図6(a)〜(c)に示す。双方向スイッチ401として、図6(a)に示すような逆並列ダイオード503、513を有するIGBT502、512の突合せ構成によるもの、図6(b)に示すような逆阻止IGBT522、532の逆並列接続構成によるもの、図6(c)に示すような4つのダイオード553、554、555、556により極性を片側化してIGBT552で短絡するものなどが利用できる。図6(a)〜(c)において、各スイッチング素子には、ゲート駆動回路501、521、531、551が接続されている。このような電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。すなわち、交流電源から流入する直流成分を除去することができ、交流電源1からの力率を改善することができる。また、図5の構成は、図1の構成に比べて、双方向スイッチ401に図6(a)の回路を用いた場合には通過損失は同等になり、図6(b)の回路を用いた場合には通過損失を減少させることができる。また、図6(a)、(b)、(c)の全てにおいて、双方向スイッチ401のオンオフの駆動信号は1つで良いため、直流側の短絡について配慮する必要がない。
図7に、直流電源装置のさらに他の構成を示す。図7において、図1と同一の構成要素については同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図7に示す直流電源装置は、交流電源1から出力される交流電圧をダイオード605、606、615、616で整流してから、スイッチング素子603で短絡する。スイッチング素子603には、ゲート駆動回路602が接続されている。このような、電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。また、スイッチング素子603のオンオフの駆動信号を1個で実現できるため、直流側の短絡について配慮する必要がない。さらに、図7の回路構成では、検出器601により交流電圧の情報を直流側で検出できるという利点があり、検出回路や駆動制御回路を簡素化できる。
図8に、直流電源装置のさらに他の構成を示す。図8において、図1と同一の構成要素については、同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図8に示す直流電源装置は、全波整流回路704、714の下側にスイッチング素子702、712を並列に備えている。スイッチング素子702、712には、それぞれ、ゲート駆動回路701、711が接続されている。直流電源装置は、交流電源1を、リアクタ2a、2bを経由して、スイッチング素子702、712とダイオード703、713とで短絡する。このような、電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。図8に示す回路構成においても、スイッチング素子702、712のオンオフの駆動信号を1個で実現できるため、直流側の短絡について配慮する必要がない。また、図8の回路構成の場合、通過損失が図1と同等になる。
上述したように、本実施の形態の制御回路8は、スイッチング素子及び駆動信号の数や構成に限定せず、図1、5、7、8に示すような種々の直流電源装置に適用可能である。
なお、図1、図5、図7、及び図8では、スイッチング素子としてIGBTを用いたが、MOSFETなどの他の素子を用いてもよい。
また、本発明の実施の形態1の直流電源装置は、電流検出器3として交流変流器を用いたが、直流電流を検出可能なセンサを用いてもよい。直流電流を検出可能なセンサを用いる場合、温度特性などにより出力にオフセットが出て、センサの電流がゼロに相当するときの出力の値がずれてしまうことがある。しかし、この場合であっても、直流電圧出力に同様の成分が出てくるため、本発明の手法を適用することで、センサのオフセットを等価的に解消することが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態1では、制御回路8を、瞬時の交流電圧や電圧位相を検出可能な直流電源装置に適用できるものとして説明した。しかし、本実施の形態の制御回路8は、上記直流電源装置に限定せず、瞬時の交流電圧や位相を推定した推定情報を用いる直流電源装置に組み込むことも可能である。瞬時の交流電圧や位相を推定する方法は、本願と同一の発明者を含む先行例(特開2001−45763号公報)などで提案されている。
なお、本実施の形態においては単相電源で説明したが、三相電源であっても、本実施の形態を適用できる(以下の実施の形態2〜4についても同様)。すなわち、三相電源の電源周波数成分の振幅と位相を抽出して、対応するスイッチング素子の駆動を補正することにより、本実施の形態と同一の効果が得られる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の直流電源装置は、電流検出器3(本実施の形態において、交流変流器)の周波数特性と逆の特性により、検出した瞬時電流の情報を補正することにより、上記実施の形態1よりも、電流波形をさらに改善することを可能にする。本実施の形態の直流電源装置は、制御回路8の内部構成が実施の形態1と異なる。それ以外の構成において、本実施の形態の直流電源装置は、実施の形態1と同一である。すなわち、本実施の形態の直流電源装置は、例えば、図1、図5、図7、又は図8に示す回路構成をもつ。
2.1 制御回路の構成
図9に、本実施の形態の制御回路8のブロック線図を示す。本実施の形態の制御回路8は、実施の形態1の図2に示す構成に加え、瞬時電流における電流検出器3(本実施の形態において、交流変流器)の周波数特性を補正する周波数特性補正回路151をさらに有し、パワー回路107を駆動した結果得られる瞬時電流を、一旦、周波数特性補正回路151を経由させて、比較器104に出力する。それ以外の構成において、図9は図2と同一である。
図10に、周波数特性補正回路151の特性と電流検出器3である交流変流器の特性を示す。図10に示すように、周波数特性補正回路151は、交流変流器の周波数特性の略逆特性を有する。周波数特性補正回路151により、交流変流器の周波数特性が補正され、比較器104に出力される瞬時電流は交流変流器の周波数特性を含まない波形となる。図10に示すように、一般の変流器は電源周波数以上の周波数領域においては十分な感度を有しているが、電源周波数以下の周波数領域では感度が低下する。特に、電源周波数の半分の周波数あたりから感度が低下し始める。このため、実施の形態1では、電源周波数と直流との間の情報量が低下することになる。そのため、交流変流器を使用したフィードバック制御において、交流電流の正弦波波形の精度を高くすることができない。一方、実施の形態2では、周波数特性補正回路151により、交流変流器3の周波数特性が補正されるため、正弦波波形の精度をより高くすることが可能となる。
2.2 変形例1
なお、実施の形態1の図2及び実施の形態2の図9に示す制御回路8を備える直流電源装置は、さらに瞬時の過大な電流を検出することができるように、以下の構成を採用してもよい。具体的には、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報もしくは周波数特性補正回路151により得られた補正電流情報が示す瞬時値の絶対値が第1の所定レベルを超過したときに、スイッチング素子(例えば、図1のスイッチング素子302、312、図5のスイッチング素子401、図7のスイッチング素子603、及び図8のスイッチング素子702、712)のオンオフの駆動を、所定時間、休止する。スイッチング素子のオンオフを休止することにより、スイッチング素子による交流電源1とリアクタ2の短絡がなくなるため、電流の増加を防止することができる。
また、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報又は周波数特性補正回路151により得られた補正電流情報が示す瞬時値の絶対値が第1の所定レベルよりも大きい第2の所定レベルを超えた場合、スイッチング素子(例えば、図1のスイッチング素子302、312、図5のスイッチング素子401、図7のスイッチング素子603、及び図8のスイッチング素子702、712)のオンオフの駆動を停止させる。これにより、第一の所定レベルを超える電流が検出されているにもかかわらず、電流が抜本的に減少しない場合に、装置動作を停止させることにより、装置の損傷などを防ぐことができる。また、スイッチング素子の過負荷状態を別の検出を用いることなく実現できるため、直流電源装置の簡略化が図れる。
2.3 変形例2
図2又は図9に示す制御回路8を備えた直流電源装置は、直流負荷を駆動している場合に、負荷が過大かどうかを、電流検出器3である交流変流器で検出した電流情報を用いて、検出してもよい。具体的には、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報又は周波数特性補正回路151により得られた補正した補正電流情報が示す電流値の振幅を電源周期以上の期間で平均化した値が所定のレベル(第3の所定レベル)かどうかをみることにより、負荷が過大かどうかを判別する。負荷に供給する直流電圧が高すぎる場合に、負荷が過大になることが多い。そのため、上記判別結果に基づいて直流電圧を下げることにより、負荷側で過負荷状況を脱出することができる。これにより、電源装置は、過負荷状態で電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって、電源が遮断されることなく、動作できる。そのため、電源装置そのものや負荷として接続されているシステムの損傷を防ぐことができる。さらに、この交流変流器は、電源電流を正弦波状にするための制御で用いているものをそのまま利用できるため、部品点数の増加や装置の大型化を招かない。
(実施の形態3)
次に本発明の原理を用いて、さらに簡便な構成の直流電源装置を説明する。本実施の形態の直流電源装置は、図1、図5、図7、又は図8に示すような回路構成をもつが、電流検出部3を備えていない。また、本実施の形態の直流電源装置は、制御回路8の内部構成が上記実施の形態1及び2と異なる。図11に、本実施の形態における制御回路8のブロック線図を示す。図11において、パワー回路107は、例えば、図1のリアクタ2、スイッチング素子302、312、ダイオード303、304、313、314、及びコンデンサ4に対応する。図11において、パワー回路107以外の構成要素(比較器101、電圧計補償演算部102、第1及び第2のパターン関数110、120、補正部106、及び電源周波数成分抽出部108)は、制御回路8の内部構成を示す。図11に示す本実施の形態の制御回路8は、図2に示す制御回路と比較して、瞬時の電流波形を計測して精度の高い正弦波電流にするための制御機能を省いた簡便な構成を有する。
図11に示すように、比較器101は、外部から入力される直流電圧指令とパワー回路107から得られた実際の直流電圧を比較し、比較結果(すなわち、電圧偏差)を出力する。電圧系補償演算部102は、電圧偏差を補償する。電圧系補償演算部102は、電圧制御系が安定かつ高精度に動作するように設けられている。
第1のパターン関数部110は、そのときの交流電圧位相と電圧系補償演算部102から出力される補償後の電圧偏差の情報とに基づいて、駆動信号を生成する。第1のパターン関数部110から出力される駆動信号は、補正部106を経由して、パワー回路107へ送られる。
電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107が駆動されることにより得られた直流電圧の情報を入力して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。第2のパターン関数部120は、そのときの交流電圧の位相(又は、そのときの交流電圧位相及び補償後の電圧偏差の情報)と、電源周波数成分抽出部108により抽出された電源周波数成分とに基づいて、駆動信号の補正情報を生成する。このように、電源周波数成分抽出部108により抽出された電源周波数成分は、第2のパターン関数部120を経て、補正部106に送られる。補正部106は、第1のパターン関数部110から出力される駆動信号を、第2のパターン関数部120により得られる情報に基づいて、補正して、パワー回路107に出力する。言い換えると、制御回路8は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分と、予め決められた基本パターン又は交流電圧波形に基づいた基本パターンを直流電圧と目標となる直流電圧との偏差に応じて変調した信号とに応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正する。
本実施の形態において、交流電源1からの直流成分を検出する原理は、上述した実施の形態1又は2と同じである。なお、本実施の形態では、図1に示す電流検出部3を具備していない。すなわち、駆動信号は、パワー回路107で検出される瞬時電流の情報に基づいて生成されない。しかし、補正部106により、駆動信号を直流成分と逆極性で補正することにより、電流検出部3を備えている場合と同様のことを実現できる。また、駆動信号の補正パターンとしては、例えば、実施の形態1で説明したような関数パターンを用いることができる。
これにより、交流側の電流検出部3を用いずに、交流電源からの直流成分を除去することが可能になる。
(実施の形態4)
上記実施の形態では、直流電源装置が制御回路8を備える場合について説明したが、上記実施の形態の制御回路8は電源装置を利用した応用システムに備えられても良い。例えば、図2及び図9に示す制御回路8は、インバータを介して交流電動機を駆動する応用システム(例えば、モータ駆動装置)に適用することができる。
図12に、本実施の形態における、直流電源装置を利用した応用システムの全体回路構成を示す。本実施の形態の応用システムは、図1に示す直流電源装置に加え、インバータ回路351と、インバータ回路351に接続された交流電動機352と、を備え、交流電動機352に接続された動力負荷(図示せず)を駆動する。
一般の動力負荷には、回転数の増加に伴って、負荷トルクが増加するものや、回転数が増加してもトルクは略一定となるものがある。前者の場合、負荷動力は、回転数の増加に伴い飛躍的に増大する。後者の場合、負荷動力は、回転数の増加に比例して増大する。前者においても後者においても、なんらかの環境変化や異常で動力負荷が過大になってしまった状況を解消するには、交流電動機352の回転数を下げる必要がある。
図12に示す応用システムは、実施の形態2の変形例2と同様に、電源周期以上の期間で平均化した交流変流器の検出値(電流情報が示す電流値の振幅成分)が所定のレベル(第4の所定のレベル)よりも大きいかどうかをみることにより、動力負荷が過大になっているかどうかを判別できる。動力負荷が過大になっていることを検知したときに交流電動機352の回転数を下げることにより、負荷は過負荷状況を解消することができる。これにより、電源装置、応用システム、及び負荷であるインバータ回路351及び交流電動機352の損傷を防ぐことができる。
本実施の形態では、応用システムにおいて電源電流を正弦波状にするための制御で用いている電流検出器3をそのまま利用できるため、部品点数の増加や装置の大型化を招かない。
なお、動力負荷を駆動する際に、モータに直流電動機を用いることができる場合は、インバータ回路は不要である。しかし、この場合でも、実施の形態2の変形例2で説明したように、過大な負荷状態になったときには、直流電圧を下げるようにすることで、モータの回転数を下げることができる。
なお、上述した実施の形態における負荷が過大かどうかの判別においては、交流変流器が検出した電流情報を使用し、電流情報が示す電流値の振幅を電源周期以上の期間で平均化した値を利用した。しかし、これに限らず、電流情報が示す交流の実効値を用いる方法や、電流情報が示す電流値の電源周期以上の期間における振幅のピーク値を用いる方法なども利用可能である。
なお、上記実施の形態においては、応用システムとして図12に示すモータ駆動装置を例示したが、応用システムは電源装置を利用してモータを駆動するものであれば良い。例えば、応用システムは、コンプレッサを備え、コンプレッサに対して電源を供給する空気調和機であっても良い。
本発明によれば、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出し、抽出した電源周波数成分に基づいて、スイッチング素子のオンオフ比率を補正することにより、交流電源から流入する直流成分を除去して、電力系統への負担を軽減することができる。よって、本発明は、直流電源装置、及び交流電源から略直流的な負荷をとり且つ消費電力が大きい応用システム(例えば、インバータエアコン)に適している。
1 交流電源
2 リアクタ
3 電流検出器
4 コンデンサ
5 負荷
6 直流電圧検出器
7 交流電圧波形検出器
8 制御回路
101、104 比較器
102 電圧系補償演算部
103 乗算回路
105 電流系補償演算部
106 補正部
107 パワー回路
108 電源周波数成分抽出部
110 第1のパターン関数部
120 第2のパターン関数部
151 周波数特性補正回路
301、311 ゲート駆動回路
302、312 スイッチング素子
303、304、313、314 ダイオード
351 インバータ回路
352 交流電動機
401 双方向スイッチ
603、702、712 スイッチング素子
本発明は、交流電源の出力を整流して直流化し、負荷に電力を供給する直流電源装置、及び直流電源装置を用いた応用システムに関する。
従来の直流電源装置は、交流電圧の瞬時電圧が低い期間でも交流電流が流れるような回路構成を採用している。例えば、従来の直流電源装置は、図1に示すように、交流電源1からの出力を、リアクタ2と、半導体スイッチであるスイッチング素子302、312及びダイオード303、304、313、314で構成されるブリッジ回路と、を介して、直流電力に変換し、コンデンサ4で平滑して、負荷5に直流電力を供給している。直流電源装置は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6により、交流電圧、交流電流、及び直流電圧をそれぞれ検出する。直流電源装置は、直流電圧が所望の値になるように、且つ、交流電源から流れる交流電流が交流電圧の波形と相似形(すなわち、正弦波)になるように、検出した各値に基づいて、スイッチング素子302、312に対する駆動信号を生成し、スイッチング素子302、312を駆動制御する。
交流電流を検出する電流検出器3として、簡易な交流変流器(例えば、電流トランス)を利用できる。しかし、交流変流器は、図13に示すように、電源周波数以下では感度が劣る周波数特性をもつため、瞬時の電流波形を再現することができない。また、電流波形の制御は交流電圧の片側の相から開始されるが、制御開始時は電流が非対称であるため、直流成分が必ず含まれている。しかし、交流変流器により検出される波形は直流成分が除去されたものになる。よって、電流波形制御が定常的になっても、実際の電流には直流成分が残ってしまうことになる。交流電源からの電流や電力に直流成分が含まれると、電力系統における変圧器などの損失増加などの異常をきたしてしまう。
直流電流を検出するためには、ホール素子を用いた電流センサや、回路に直列に挿入した抵抗の両端の電位差を検出する構成などが必要となる。しかしながら、ホール素子等による電流センサは、温度補正などの精密な回路を内部に持つ必要があり、高価である。また、抵抗挿入による手法の場合、電流が抵抗を流れるため、損失が生じると共に抵抗が発熱する。また、抵抗と制御回路との絶縁が難しい。
電流センサや抵抗挿入の手法を用いずに、交流変流器を使用して、駆動信号に含まれる直流成分を低減する方法が、特許文献1に開示されている。図14の制御ブロック線図に示すように、特許文献1に記載の直流電源装置は、直流電圧指令とパワー回路107から得られた実際の直流電圧を比較器101で比較し、比較結果(すなわち、電圧偏差)を電圧系補償演算部102を経由して、乗算回路103に送る。乗算回路103は、瞬時の交流電圧情報が示す値と電圧偏差に基づく情報が示す値とを乗算し、その結果を瞬時電流指令として比較器104に送る。すなわち、直流電源装置は、瞬時交流電圧波形を電圧偏差に基づく情報で変調することにより、瞬時交流電圧波形と同じ波形の瞬時電流指令を得る。比較器104は、瞬時電流指令とパワー回路107から電流検出用の変流器を経て得られた瞬時電流情報とを比較する。比較器104の結果(すなわち、電流偏差)は、電流系補償演算部105と直流成分除去回路801とを経由して、駆動信号としてパワー回路107に送られる。パワー回路107を駆動した結果、瞬時電流及び直流電圧が得られる。得られた瞬時電流を比較器104にフィードバックし、得られた直流電圧を比較器101にフィードバックすることにより、フィードバック制御ループが構成される。特許文献1の直流電源装置は、パワー回路107の前に直流成分除去回路801を設けて、直流成分除去回路801により、パワー回路107への駆動信号から直流成分を除去することで、交流電流に含まれていた直流成分が極力少なくなるようにしている。
特開2002−359976号公報
しかしながら、特許文献1のように、駆動制号から直流成分を除去しても、交流電流における直流成分が完全に除去できるとは限らない。例えば、図1に示す2つのスイッチング素子302、312の特性が異なっていれば、交流電源の正相と負相での電流の流れ方が異なり、交流電源からの流入電流に直流成分が混入してしまう。また、交流電圧波形に歪みがあると、駆動信号の直流成分を除去しても、電源から流入する電力の直流成分がゼロであるとは限らない。交流電流における直流成分が完全に除去できない場合、交流電力系統の損失増加などの異常が発生する。
さらに、特許文献1に記載の制御は、図1に示すような直列に接続された2つのスイッチング素子302、312を、直流出力に対して並列に配置し、それらのスイッチング素子302、312を相補的にオンオフする直流電源装置の場合にしか適用できない。
図1のような電源装置の場合、2つのスイッチング素子302、312を駆動する際に、実際には、直流出力を短絡しないように2つのスイッチング素子302、312が同時にオンすることを防止する必要がある。一般に、IGBTなどのスイッチング素子はオン速度とオフ速度が異なることが多く、さらにオフ速度の方が遅いことが多い。そのため、それぞれのスイッチング素子302、312のオフ期間を長くして、両方のスイッチング素子がオフとなる期間を設けている。これにより、スイッチング素子302、312に対する駆動信号と、スイッチング素子302、312の実際のオンオフの状態とに誤差が生じ、波形の歪みを生じる。この歪みはスイッチング周波数が高いほど大きい値になり、リアクタを小型化する際の障壁の一つになる。また、外来ノイズなどにより誤動作で同時にオンした場合に、安全に回路を停止させるための保護回路が必要となる。
図1に示すような直流電源装置の場合に生じる上記問題を回避する回路構成として、例えば、図5、図7、及び図8に示すような直流電源装置がある。図5に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2と双方向スイッチ素子401で短絡する構成をもつ。図7に示す直流電源装置は、交流電源1をダイオード605、606、615、616で整流してからリアクタ2とスイッチング素子603で短絡する回路構成をもつ。図8に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2a、2bを経由して、スイッチング素子702、712及びダイオード703、713で短絡する回路構成をもつ。図5、図7、及び図8に示す直流電源装置の場合、スイッチング素子に対するオンオフの駆動信号を1つで実現できる。そのため、いずれの場合も、直流側の短絡については配慮する必要がない。
これらの回路構成において、駆動信号のオンオフ比率は、定常的には下記の式に近い値になっている。
「オン比率」≒1−「交流電圧の瞬時値の絶対値」/「直流出力電圧」
この式から、オン比率は交流電圧と直流出力電圧でほぼ決まるため、特許文献1のように、この結果の直流成分を除去する手段は意味を持たないことがわかる。このため、図5、図7、及び図8に示すような直流電源装置の場合、直流成分を除去するためには、特許文献1とは別の手法が必要になる。
以上のように、従来の制御では、交流電源電圧の歪の影響を受ける等により、交流電源から流入する直流成分を除去しきれずに、交流電力系統の損失増加などの異常が発生するという問題があった。また、従来の制御では、適用可能なスイッチング素子及びその駆動信号の数量及び構成が限定されるという問題があった。
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止する直流電源装置及びその直流電源装置を使用した応用システムを提供することを目的とする。具体的には、スイッチング素子及びその駆動信号の数量及び構成にかかわらず適用可能で、交流電源電圧の歪の影響を受けずに、交流電源から流入する直流成分を除去できる直流電源装置及びその直流電源装置を使用した応用システムを提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明の直流電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、交流電源から流入する電流を検出し、電流情報として出力する電流検出部と、電流検出部により検出される電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるようにスイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、を有し、制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする。
交流電源の一方の極性の時にのみ電流が多い場合、該当する相のタイミングで直流電圧が上昇して、直流電圧に電源周波数と同じ周波数成分が出現する。この周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分に応じて(例えば、周波数成分の振幅値に比例して)、スイッチング素子のオンオフ比率を補正することにより、交流電源からの直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止することができる。
電流検出部は交流変流器であってもよい。本発明の直流電源装置によれば、交流電源からの直流成分を検出することなく、交流電源からの直流成分を除去することができる。よって、直流成分を検出することができない交流変流器を使用することが可能となる。これにより、安価な直流電源装置を提供することができる。
制御部は、交流変流器が検出した電流情報を、交流変流器の周波数特性を用いて補正する周波数特性補正部を有し、制御部は、周波数特性補正部により補正された電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるようにスイッチング素子のオンオフ駆動を行ってもよい。これにより、瞬時の電流がさらに正弦波に近づくため、交流電源の利用効率である力率をさらに改善することができる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルを超えているとき、スイッチング素子のオンオフを休止させてもよい。別の検出部を用いることなく、スイッチング素子の過負荷状態の検出を実現できるため、直流電源装置の構成を簡略化することが可能となる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルより大きい第2の所定レベルを超えているとき、スイッチング素子のオンオフを停止させてもよい。第1の所定レベルを超える電流が検出されているにもかかわらず、電流が抜本的に減少しない場合に、装置動作を停止させることにより、装置の損傷などを防ぐことができる。
制御部は、電流検出部により検出された電流情報又は周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す電流値の振幅成分を交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第3の所定のレベルよりも大きい場合、出力する直流電圧を低下させてもよい。これにより、過負荷状態で電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって電源が遮断されることなく、動作できる。
本発明の応用システムは、上記直流電源装置と、上記直流電源装置の出力により駆動される電動機と、を有し、直流電源装置の電流検出部により検出された電流情報が示す電流値の振幅成分を交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第4の所定のレベルよりも大きい場合に、電動機の回転数を低下させること特徴とする。これにより、直流電力出力に接続される負荷が緩和され、直流電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって電源が遮断されることなく、動作できる。
本発明の他の観点による直流電源装置は、交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、交流電源から流入する電流が略正弦波状になるように、スイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、を有し、制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分と、予め決められた基本パターン又は交流電圧波形に基づいた基本パターンを直流電圧と目標となる直流電圧との偏差に応じて変調した信号と、に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする。これにより、交流電流を検出することなく、交流電源からの直流成分を減少させることができる。
本発明によれば、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動時のオンオフ比率を補正することにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、交流電源から流入する直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常などを防止することができる。また、本発明によれば、スイッチング素子及びその駆動信号の個数及び構成が限定されることなく、簡便な方法で交流電源から流入する直流成分を除去することができる。さらに、本発明によれば、交流電源からの交流電力の直流成分を検出しているため、電圧波形が歪んでいる場合にも適用できる。
本発明の実施の形態1の直流電源装置の回路構成を示す図 本発明の実施の形態1の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 交流電源からの直流成分が無いときの波形図であって、(a)は交流電流、(b)は整流電流、(c)は直流電圧、(d)は電源周波数成分をそれぞれ示す図 交流電源からの直流成分が含まれているときの波形図であって、(a)は交流電流、(b)は整流電流、(c)は直流電圧、(d)は電源周波数成分をそれぞれ示す図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 図5の双方向スイッチの具体構成を示す回路図であって、(a)は逆並列ダイオードを有するIGBTの突合せ構成の回路図、(b)は逆阻止IGBTの逆並列接続構成の回路図、(c)はダイオードにより極性を片側化してIGBTで短絡した構成の回路図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 本発明の実施の形態1の直流電源装置の他の回路構成を示す図 本発明の実施の形態2の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 図9の周波数特性補正回路の特性を示す図 本発明の実施の形態3の制御回路の制御の流れを示すブロック線図 本発明の実施の形態4における直流電源装置を利用した応用システムの回路構成を示す図 交流変流器の周波数特性を示す図 従来の直流電源装置における制御の流れを示すブロック線図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1の直流電源装置は、交流電源から流入する交流電流に含まれる直流成分を、出力する直流電圧に含まれる電源周波数成分に基づいて判断し、その判断結果に基づきスイッチング素子のオンオフ比率を補正することで、交流電源から流入する直流成分を除去する。具体的には、直流電源装置は、出力する直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出し、抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、スイッチング素子のオンオフ比率を補正する。これにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、交流電源から流入する直流成分を除去することを可能にする。よって、交流電力系統の損失増加などの異常を防止すると共に、交流電源からの力率を改善することができる。
1.1 直流電源装置の構成
図1に、本発明の実施の形態1の直流電源装置を示す。直流電源装置は、交流電圧の瞬時電圧が低い期間においても交流電流が流れるような回路構成を有する。直流電源装置は、交流電源1に接続されたリアクタ2と、リアクタ2に接続されたブリッジ回路と、ブリッジ回路に接続されたコンデンサ4とを有する。ブリッジ回路は、半導体スイッチであるスイッチング素子302、312とダイオード303、304、313、314とを含む。本実施の形態において、スイッチング素子302、312はIGBTである。直流電源装置は、交流電源1から出力される交流電力を、リアクタ2とブリッジ回路を経由して、直流電力に変換する。さらに、その直流電力をコンデンサ4で平滑して、平滑した直流電力を負荷5に供給する。
図1に示す直流電源装置は、さらに、スイッチング素子302、312のオンオフを制御する制御回路(制御部)8を有する。制御回路8は、交流電流が正弦波となるようにフィードバック制御を行う。スイッチング素子302、312には、制御回路8からの駆動信号に基づいて、スイッチング素子302、312のゲート電圧を制御するゲート駆動回路301、311が接続されている。直流電源装置は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6をさらに有する。交流電圧波形検出器7は、交流電源1から出力される交流電圧を検出する。電流検出器3は、交流電源1から出力される交流電流を検出する。本実施の形態において、電流検出器3は交流変流器である。直流電圧検出器6は、コンデンサ4により平滑される直流電圧を検出する。制御回路8は、交流電圧波形検出器7、電流検出器3、及び直流電圧検出器6の出力に基づいて、スイッチング素子302、312を駆動することにより、出力する直流電圧が所望の値になるように且つ交流電源1からの交流電流が交流電圧の波形と相似形(略正弦波)になるように制御する。
1.2 直流電源装置の制御回路の動作
図2に、本発明の制御回路8による情報処理を表すブロック線図を示す。図2において、パワー回路107は交流電圧を直流電圧に変換する回路であって、図1のリアクタ2、スイッチング素子302、312、ダイオード303、304、313、314、及びコンデンサ4に対応する。図2において、パワー回路107以外の構成要素(比較器101、電圧計補償演算部102、乗算回路103、比較器104、電流計補償演算部105、補正部106、及び電源周波数成分抽出部108)は、図1に示す制御回路8の内部構成を示す。
比較器101は、外部から入力される直流電圧指令と、パワー回路107から得られた実際の直流電圧(図1の直流電圧検出器6の出力)とを比較する。電圧系補償演算部102は、比較器101の比較結果(すなわち、電圧偏差)を補償する。電圧計補償演算部102は、電圧制御系が安定かつ高精度に動作するように設けられる。乗算回路103は、瞬時の交流電圧の情報(図1の交流電圧波形検出器7により検出される交流電圧の情報)が示す値と電圧系補償演算部102から出力される電圧偏差に基づく情報が示す値とを乗算して、その乗算結果を瞬時電流指令として出力する。乗算回路103が、瞬時交流電圧波形を電圧偏差に基づく情報で変調することにより、瞬時交流電圧波形と同じ波形の瞬時電流指令が得られる。
比較器104は、乗算回路103から出力される瞬時電流指令と、パワー回路107から得られる瞬時電流情報(図1の電流検出器3により検出される電流の情報)とを比較し、その比較結果を電流偏差として、出力する。電流系補償演算部105は、比較器104から出力される電流偏差を補償して、駆動信号として出力する。
パワー回路107は、電流系補償演算部105から補正部106を介して出力される駆動信号により駆動される。すなわち、図1のスイッチング素子302、312は、この駆動信号に従ってオン/オフを切り換える。パワー回路107を駆動することにより、瞬時電流及び直流電圧が得られる。瞬時電流(図1の電流検出器3により検出される電流の情報)を比較器104に送り、直流電圧(図1の直流電圧検出器6により検出される直流電圧の情報)を比較器101に送ることにより、フィードバック制御ループが構成される。
電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107を駆動して得られた直流電圧の情報を入力して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。補正部106は、抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、電流計補償演算部105から出力される駆動信号を補正する。本実施の形態において、電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107から出力される直流電圧(すなわち、平滑コンデンサ4により平滑された直流電圧)を電源周波数成分を通過させるフィルタにかけることにより、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。補正部106は、抽出された電源周波数成分を打ち消すようにパワー回路107への駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する。これにより、抽出された電源周波数成分に基づいて、スイッチング素子302、312のオンオフの比率を補正する。
図2のブロック線図での制御原理を図3及び図4の波形図を用いて説明する。図3は交流電源1からの直流成分が無い場合の波形を示している。一方、図4は交流電源1からの直流成分が含まれている場合の波形を示している。
直流成分がないとき、図3(a)に示すように、交流電源1から出力される交流電流は、正方向及び負方向に対称になる。この交流電流が整流されると、図3(b)に示すように、交流電源1の周波数の2倍の成分をもつ脈流波形となる。脈流波形となった電流が平滑コンデンサ4により平滑されると、図3(c)に示すように、交流電源1の周波数の2倍の成分をもつ直流電圧波形になる。この波形を電源周波数成分を通すフィルタにかけた結果(すなわち、電源周波数成分抽出部108により抽出される電源周波数成分)が、図3(d)に示す波形となる。図3(d)に示すように、交流電源に直流成分が含まれていないときは、電源周波数成分抽出部108は電源周波数と同じ周波数の成分を抽出しない。交流電源に直流成分が含まれていないときは、変換後の直流電圧波形に電源周波数と同じ周波数の成分は含まれない。よって、直流成分が原因となって生じる交流電力系統の損失増加などの問題が発生することはない。
一方、交流電流に直流成分が含まれている場合、図4(a)に示すように、交流電源1から出力される交流電流は、正方向と負方向のときとで振幅が異なる波形を持つ。この交流電流が整流されると、図4(b)に示すように、交互に振幅が変化する脈流波形となる。さらに、この脈流が平滑コンデンサ4により平滑されると、図4(c)に示すように、電源周波数と同じ周波数成分を持つうねりが現れる波形となる。この波形を電源周波数成分を通すフィルタにかけた結果(すなわち、電源周波数成分抽出部108により抽出される電源周波数成分)が、図4(d)に示す波形となる。図4(d)に示すように、電源周波数成分抽出部108により抽出される波形から、電源周波数成分をもつ情報が得られる。このように、交流電源1からの交流電流に直流成分が含まれているときは、変換後の直流電圧波形にも電源周波数と同じ周波数の成分が含まれる。よって、直流成分が原因となって生じる交流電力系統の損失増加などの問題が発生する。
このように、交流電流に直流成分が含まれると、直流電圧に電源周波数成分のうねりが含まれる。この現象に基づき、本実施の形態では、制御回路8は、出力する直流電圧の電源周波数成分を抽出して、電源周波数成分のうねりが少なくなるようにスイッチング素子302、312のオンオフを補正する。例えば、図4(d)に示す電源周波数成分は、位相が0からπの区間で正になっている。つまり、交流電圧が正方向のときに電流が多くなっていることがわかる。よって、交流電圧が正相のときのスイッチング素子302、312のオン比率を下げる。一方、図4(d)に示す電源周波数成分は、位相がπから2πの区間で負になっている。よって、交流電圧が負方向のときに電流が少なくなっていることがわかる。よって、交流電圧が負相のときのスイッチング素子302、312のオン比率を上げる。このように、電源周波数成分抽出部108の出力の振幅は、交流電源1から出力される電流に含まれる直流成分に略比例することになるため、その直流成分を打ち消すように、補正部106が駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する。
1.3 まとめ
本実施形態によれば、制御回路8が、パワー回路107から出力される直流電圧に基づいて交流電源1から出力される電流に含まれる直流成分を抽出する電源周波数成分抽出部108と、抽出された直流成分を打ち消すようにパワー回路107の駆動信号に逆方向の直流成分を重畳する補正部106とを備えることにより、交流電源から出力される交流電流に直流成分が含まれている場合に、その直流成分を駆動信号から除去することができる。具体的には、交流電源1からの電流や電力に直流成分が混入している場合、正相と負相とで流入する電力が異なり、平滑後の直流電圧に電源周波数の成分が出現する。直流電圧に含まれる電源周波数成分を電源周波数成分抽出部108で抽出し、抽出した位相と振幅に応じて、スイッチング素子302、312の時々刻々のオンオフ比率を補正することにより、交流電源1からの直流成分を検出することなく、その直流成分を除去することができる。よって、交流電力系統の損失増加などの異常が発生することを防止することができる。また、電力系統への負担を軽減することができる。さらに、電流波形をさらに正弦波に近づけることができる。本実施の形態によれば、瞬時の電流が正弦波にさらに近づくため、交流電源の利用効率である力率をさらに改善することができる。本実施の形態の構成によれば、電源電流の直流成分を直接検出することなく、電源電流の直流成分除去のフィードバック制御系を実現することが可能となる。すなわち、交流変流器を用いて、電源電流の直流成分を除去することができるため、安価な直流電源装置を実現できる。本実施形態によれば、交流電源からの交流電力の直流成分を検出しているため、電圧波形が歪んでいる場合にも適用できる。すなわち、交流電源電圧の歪の影響を受けずに、交流電源から流入する直流成分を除去することができる。このように、本実施の形態によれば、簡素な構成で、直流成分の流入を除去して、高い力率を実現することができる。
1.4 変形例
なお、本実施の形態においては、補正部106は抽出された電源周波数成分の振幅の情報に基づいて、直流成分を打ち消すように、駆動信号に逆方向の直流成分を重畳したが、補正部106は、一定値を基準にし、その一定値に電圧誤差及び電源周波数成分に比例した値を加算又は減算することにより、駆動信号を補正してもよい。すなわち、一定値を基準にし、その一定値に電圧誤差及び電源周波数成分に比例した値を加算又は減算するような補正パターンを生成してもよい。また、補正部106は、駆動信号を、直流電圧指令と交流電圧の瞬時電圧から決まるパワー回路107の駆動信号の情報であって、電圧誤差及び電源周波数成分に連動して増減する値に設定してもよい。すなわち、電圧誤差及び電源周波数成分に連動して値が増減するように、補正パターンを生成してもよい。
後者の場合、補正部106は、パワー回路107の駆動信号であるスイッチング素子302、312のオン比率を下記の関係式(関数パターン)で設定する。
「オン比率」=1−「交流電圧の瞬時値の絶対値」/「直流電圧指令」
また、本実施の形態において、電源周波数成分抽出部108は、電源周波数成分を通過させるフィルタを使用して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出した。しかし、電源周波数成分の抽出の方法は本実施の形態に限定されない。電源周波数成分の大きさ(振幅)と極性がわかる手法であれば、他の方法を適用してもよい。例えば、電源周波数成分抽出部108は、交流電源1の(3/4)π、(7/4)π、(11/4)π、(15/4)π・・の位相での直流電圧値を逐次入力し、交互の入力値の差異を求めて、電源周波数成分を抽出してもよい。また、電源周波数成分抽出部108は、交流電源1の(1/4)π、(5/4)π、(9/4)π、(13/4)π・・の位相での直流電圧値を逐次入力し、交互の入力値の差異を求めて、電源周波数成分を抽出してもよい。
なお、本実施の形態において、図2に示す内部構成をもつ制御回路8は、図1に示す回路構成をもつ直流電源装置に適用するものであったが、制御回路8が適用可能な直流電源装置の構成は図1に限定されない。例えば、図5、図7、及び図8に示す回路構成をもつ直流電源装置であっても、本実施の形態における制御回路8を適用できる。
図5に、直流電源装置の他の回路構成を示す。図5において、図1と同一の構成要素については、同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図5に示す直流電源装置は、交流電源1をリアクタ2と双方向スイッチ401とで短絡する構成を有する。双方向スイッチ401の具体的な構成を図6(a)〜(c)に示す。双方向スイッチ401として、図6(a)に示すような逆並列ダイオード503、513を有するIGBT502、512の突合せ構成によるもの、図6(b)に示すような逆阻止IGBT522、532の逆並列接続構成によるもの、図6(c)に示すような4つのダイオード553、554、555、556により極性を片側化してIGBT552で短絡するものなどが利用できる。図6(a)〜(c)において、各スイッチング素子には、ゲート駆動回路501、521、531、551が接続されている。このような電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。すなわち、交流電源から流入する直流成分を除去することができ、交流電源1からの力率を改善することができる。また、図5の構成は、図1の構成に比べて、双方向スイッチ401に図6(a)の回路を用いた場合には通過損失は同等になり、図6(b)の回路を用いた場合には通過損失を減少させることができる。また、図6(a)、(b)、(c)の全てにおいて、双方向スイッチ401のオンオフの駆動信号は1つで良いため、直流側の短絡について配慮する必要がない。
図7に、直流電源装置のさらに他の構成を示す。図7において、図1と同一の構成要素については同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図7に示す直流電源装置は、交流電源1から出力される交流電圧をダイオード605、606、615、616で整流してから、スイッチング素子603で短絡する。スイッチング素子603には、ゲート駆動回路602が接続されている。このような、電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。また、スイッチング素子603のオンオフの駆動信号を1個で実現できるため、直流側の短絡について配慮する必要がない。さらに、図7の回路構成では、検出器601により交流電圧の情報を直流側で検出できるという利点があり、検出回路や駆動制御回路を簡素化できる。
図8に、直流電源装置のさらに他の構成を示す。図8において、図1と同一の構成要素については、同一の符号を付けて、詳細な説明を省略する。図8に示す直流電源装置は、全波整流回路704、714の下側にスイッチング素子702、712を並列に備えている。スイッチング素子702、712には、それぞれ、ゲート駆動回路701、711が接続されている。直流電源装置は、交流電源1を、リアクタ2a、2bを経由して、スイッチング素子702、712とダイオード703、713とで短絡する。このような、電源装置であっても、図2に示す制御回路8を備えることにより、上記実施の形態1と同一の効果を得られる。図8に示す回路構成においても、スイッチング素子702、712のオンオフの駆動信号を1個で実現できるため、直流側の短絡について配慮する必要がない。また、図8の回路構成の場合、通過損失が図1と同等になる。
上述したように、本実施の形態の制御回路8は、スイッチング素子及び駆動信号の数や構成に限定せず、図1、5、7、8に示すような種々の直流電源装置に適用可能である。
なお、図1、図5、図7、及び図8では、スイッチング素子としてIGBTを用いたが、MOSFETなどの他の素子を用いてもよい。
また、本発明の実施の形態1の直流電源装置は、電流検出器3として交流変流器を用いたが、直流電流を検出可能なセンサを用いてもよい。直流電流を検出可能なセンサを用いる場合、温度特性などにより出力にオフセットが出て、センサの電流がゼロに相当するときの出力の値がずれてしまうことがある。しかし、この場合であっても、直流電圧出力に同様の成分が出てくるため、本発明の手法を適用することで、センサのオフセットを等価的に解消することが可能となる。
さらに、本発明の実施の形態1では、制御回路8を、瞬時の交流電圧や電圧位相を検出可能な直流電源装置に適用できるものとして説明した。しかし、本実施の形態の制御回路8は、上記直流電源装置に限定せず、瞬時の交流電圧や位相を推定した推定情報を用いる直流電源装置に組み込むことも可能である。瞬時の交流電圧や位相を推定する方法は、本願と同一の発明者を含む先行例(特開2001−45763号公報)などで提案されている。
なお、本実施の形態においては単相電源で説明したが、三相電源であっても、本実施の形態を適用できる(以下の実施の形態2〜4についても同様)。すなわち、三相電源の電源周波数成分の振幅と位相を抽出して、対応するスイッチング素子の駆動を補正することにより、本実施の形態と同一の効果が得られる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の直流電源装置は、電流検出器3(本実施の形態において、交流変流器)の周波数特性と逆の特性により、検出した瞬時電流の情報を補正することにより、上記実施の形態1よりも、電流波形をさらに改善することを可能にする。本実施の形態の直流電源装置は、制御回路8の内部構成が実施の形態1と異なる。それ以外の構成において、本実施の形態の直流電源装置は、実施の形態1と同一である。すなわち、本実施の形態の直流電源装置は、例えば、図1、図5、図7、又は図8に示す回路構成をもつ。
2.1 制御回路の構成
図9に、本実施の形態の制御回路8のブロック線図を示す。本実施の形態の制御回路8は、実施の形態1の図2に示す構成に加え、瞬時電流における電流検出器3(本実施の形態において、交流変流器)の周波数特性を補正する周波数特性補正回路151をさらに有し、パワー回路107を駆動した結果得られる瞬時電流を、一旦、周波数特性補正回路151を経由させて、比較器104に出力する。それ以外の構成において、図9は図2と同一である。
図10に、周波数特性補正回路151の特性と電流検出器3である交流変流器の特性を示す。図10に示すように、周波数特性補正回路151は、交流変流器の周波数特性の略逆特性を有する。周波数特性補正回路151により、交流変流器の周波数特性が補正され、比較器104に出力される瞬時電流は交流変流器の周波数特性を含まない波形となる。図10に示すように、一般の変流器は電源周波数以上の周波数領域においては十分な感度を有しているが、電源周波数以下の周波数領域では感度が低下する。特に、電源周波数の半分の周波数あたりから感度が低下し始める。このため、実施の形態1では、電源周波数と直流との間の情報量が低下することになる。そのため、交流変流器を使用したフィードバック制御において、交流電流の正弦波波形の精度を高くすることができない。一方、実施の形態2では、周波数特性補正回路151により、交流変流器3の周波数特性が補正されるため、正弦波波形の精度をより高くすることが可能となる。
2.2 変形例1
なお、実施の形態1の図2及び実施の形態2の図9に示す制御回路8を備える直流電源装置は、さらに瞬時の過大な電流を検出することができるように、以下の構成を採用してもよい。具体的には、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報もしくは周波数特性補正回路151により得られた補正電流情報が示す瞬時値の絶対値が第1の所定レベルを超過したときに、スイッチング素子(例えば、図1のスイッチング素子302、312、図5のスイッチング素子401、図7のスイッチング素子603、及び図8のスイッチング素子702、712)のオンオフの駆動を、所定時間、休止する。スイッチング素子のオンオフを休止することにより、スイッチング素子による交流電源1とリアクタ2の短絡がなくなるため、電流の増加を防止することができる。
また、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報又は周波数特性補正回路151により得られた補正電流情報が示す瞬時値の絶対値が第1の所定レベルよりも大きい第2の所定レベルを超えた場合、スイッチング素子(例えば、図1のスイッチング素子302、312、図5のスイッチング素子401、図7のスイッチング素子603、及び図8のスイッチング素子702、712)のオンオフの駆動を停止させる。これにより、第一の所定レベルを超える電流が検出されているにもかかわらず、電流が抜本的に減少しない場合に、装置動作を停止させることにより、装置の損傷などを防ぐことができる。また、スイッチング素子の過負荷状態を別の検出を用いることなく実現できるため、直流電源装置の簡略化が図れる。
2.3 変形例2
図2又は図9に示す制御回路8を備えた直流電源装置は、直流負荷を駆動している場合に、負荷が過大かどうかを、電流検出器3である交流変流器で検出した電流情報を用いて、検出してもよい。具体的には、制御回路8は、電流検出器(交流変流器)3により得られた電流情報又は周波数特性補正回路151により得られた補正した補正電流情報が示す電流値の振幅を電源周期以上の期間で平均化した値が所定のレベル(第3の所定レベル)かどうかをみることにより、負荷が過大かどうかを判別する。負荷に供給する直流電圧が高すぎる場合に、負荷が過大になることが多い。そのため、上記判別結果に基づいて直流電圧を下げることにより、負荷側で過負荷状況を脱出することができる。これにより、電源装置は、過負荷状態で電源が破綻することなく、且つ、交流電源側が過負荷となって、電源が遮断されることなく、動作できる。そのため、電源装置そのものや負荷として接続されているシステムの損傷を防ぐことができる。さらに、この交流変流器は、電源電流を正弦波状にするための制御で用いているものをそのまま利用できるため、部品点数の増加や装置の大型化を招かない。
(実施の形態3)
次に本発明の原理を用いて、さらに簡便な構成の直流電源装置を説明する。本実施の形態の直流電源装置は、図1、図5、図7、又は図8に示すような回路構成をもつが、電流検出部3を備えていない。また、本実施の形態の直流電源装置は、制御回路8の内部構成が上記実施の形態1及び2と異なる。図11に、本実施の形態における制御回路8のブロック線図を示す。図11において、パワー回路107は、例えば、図1のリアクタ2、スイッチング素子302、312、ダイオード303、304、313、314、及びコンデンサ4に対応する。図11において、パワー回路107以外の構成要素(比較器101、電圧計補償演算部102、第1及び第2のパターン関数110、120、補正部106、及び電源周波数成分抽出部108)は、制御回路8の内部構成を示す。図11に示す本実施の形態の制御回路8は、図2に示す制御回路と比較して、瞬時の電流波形を計測して精度の高い正弦波電流にするための制御機能を省いた簡便な構成を有する。
図11に示すように、比較器101は、外部から入力される直流電圧指令とパワー回路107から得られた実際の直流電圧を比較し、比較結果(すなわち、電圧偏差)を出力する。電圧系補償演算部102は、電圧偏差を補償する。電圧系補償演算部102は、電圧制御系が安定かつ高精度に動作するように設けられている。
第1のパターン関数部110は、そのときの交流電圧位相と電圧系補償演算部102から出力される補償後の電圧偏差の情報とに基づいて、駆動信号を生成する。第1のパターン関数部110から出力される駆動信号は、補正部106を経由して、パワー回路107へ送られる。
電源周波数成分抽出部108は、パワー回路107が駆動されることにより得られた直流電圧の情報を入力して、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出する。第2のパターン関数部120は、そのときの交流電圧の位相(又は、そのときの交流電圧位相及び補償後の電圧偏差の情報)と、電源周波数成分抽出部108により抽出された電源周波数成分とに基づいて、駆動信号の補正情報を生成する。このように、電源周波数成分抽出部108により抽出された電源周波数成分は、第2のパターン関数部120を経て、補正部106に送られる。補正部106は、第1のパターン関数部110から出力される駆動信号を、第2のパターン関数部120により得られる情報に基づいて、補正して、パワー回路107に出力する。言い換えると、制御回路8は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分と、予め決められた基本パターン又は交流電圧波形に基づいた基本パターンを直流電圧と目標となる直流電圧との偏差に応じて変調した信号とに応じて、スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正する。
本実施の形態において、交流電源1からの直流成分を検出する原理は、上述した実施の形態1又は2と同じである。なお、本実施の形態では、図1に示す電流検出部3を具備していない。すなわち、駆動信号は、パワー回路107で検出される瞬時電流の情報に基づいて生成されない。しかし、補正部106により、駆動信号を直流成分と逆極性で補正することにより、電流検出部3を備えている場合と同様のことを実現できる。また、駆動信号の補正パターンとしては、例えば、実施の形態1で説明したような関数パターンを用いることができる。
これにより、交流側の電流検出部3を用いずに、交流電源からの直流成分を除去することが可能になる。
(実施の形態4)
上記実施の形態では、直流電源装置が制御回路8を備える場合について説明したが、上記実施の形態の制御回路8は電源装置を利用した応用システムに備えられても良い。例えば、図2及び図9に示す制御回路8は、インバータを介して交流電動機を駆動する応用システム(例えば、モータ駆動装置)に適用することができる。
図12に、本実施の形態における、直流電源装置を利用した応用システムの全体回路構成を示す。本実施の形態の応用システムは、図1に示す直流電源装置に加え、インバータ回路351と、インバータ回路351に接続された交流電動機352と、を備え、交流電動機352に接続された動力負荷(図示せず)を駆動する。
一般の動力負荷には、回転数の増加に伴って、負荷トルクが増加するものや、回転数が増加してもトルクは略一定となるものがある。前者の場合、負荷動力は、回転数の増加に伴い飛躍的に増大する。後者の場合、負荷動力は、回転数の増加に比例して増大する。前者においても後者においても、なんらかの環境変化や異常で動力負荷が過大になってしまった状況を解消するには、交流電動機352の回転数を下げる必要がある。
図12に示す応用システムは、実施の形態2の変形例2と同様に、電源周期以上の期間で平均化した交流変流器の検出値(電流情報が示す電流値の振幅成分)が所定のレベル(第4の所定のレベル)よりも大きいかどうかをみることにより、動力負荷が過大になっているかどうかを判別できる。動力負荷が過大になっていることを検知したときに交流電動機352の回転数を下げることにより、負荷は過負荷状況を解消することができる。これにより、電源装置、応用システム、及び負荷であるインバータ回路351及び交流電動機352の損傷を防ぐことができる。
本実施の形態では、応用システムにおいて電源電流を正弦波状にするための制御で用いている電流検出器3をそのまま利用できるため、部品点数の増加や装置の大型化を招かない。
なお、動力負荷を駆動する際に、モータに直流電動機を用いることができる場合は、インバータ回路は不要である。しかし、この場合でも、実施の形態2の変形例2で説明したように、過大な負荷状態になったときには、直流電圧を下げるようにすることで、モータの回転数を下げることができる。
なお、上述した実施の形態における負荷が過大かどうかの判別においては、交流変流器が検出した電流情報を使用し、電流情報が示す電流値の振幅を電源周期以上の期間で平均化した値を利用した。しかし、これに限らず、電流情報が示す交流の実効値を用いる方法や、電流情報が示す電流値の電源周期以上の期間における振幅のピーク値を用いる方法なども利用可能である。
なお、上記実施の形態においては、応用システムとして図12に示すモータ駆動装置を例示したが、応用システムは電源装置を利用してモータを駆動するものであれば良い。例えば、応用システムは、コンプレッサを備え、コンプレッサに対して電源を供給する空気調和機であっても良い。
本発明によれば、直流電圧に含まれる電源周波数成分を抽出し、抽出した電源周波数成分に基づいて、スイッチング素子のオンオフ比率を補正することにより、交流電源から流入する直流成分を除去して、電力系統への負担を軽減することができる。よって、本発明は、直流電源装置、及び交流電源から略直流的な負荷をとり且つ消費電力が大きい応用システム(例えば、インバータエアコン)に適している。
1 交流電源
2 リアクタ
3 電流検出器
4 コンデンサ
5 負荷
6 直流電圧検出器
7 交流電圧波形検出器
8 制御回路
101、104 比較器
102 電圧系補償演算部
103 乗算回路
105 電流系補償演算部
106 補正部
107 パワー回路
108 電源周波数成分抽出部
110 第1のパターン関数部
120 第2のパターン関数部
151 周波数特性補正回路
301、311 ゲート駆動回路
302、312 スイッチング素子
303、304、313、314 ダイオード
351 インバータ回路
352 交流電動機
401 双方向スイッチ
603、702、712 スイッチング素子

Claims (8)

  1. 交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、
    交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、
    前記交流電源から流入する電流を検出し、電流情報として出力する電流検出部と、
    前記電流検出部により検出される前記電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるように前記スイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、出力する前記直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分に応じて、前記スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする直流電源装置。
  2. 前記電流検出部は、交流変流器である、請求項1に記載の直流電源装置。
  3. 前記制御部は、前記交流変流器が検出した電流情報を、前記交流変流器の周波数特性を用いて補正する周波数特性補正部を有し、
    前記制御部は、前記周波数特性補正部により補正された電流情報が示す電流の波形が略正弦波状になるように前記スイッチング素子のオンオフ駆動を行うことを特徴とする請求項2に記載の直流電源装置。
  4. 前記制御部は、前記電流検出部により検出された電流情報又は前記周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルを超えているとき、前記スイッチング素子のオンオフを休止させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの請求項に記載の直流電源装置。
  5. 前記制御部は、前記電流検出部により検出された電流情報又は前記周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す瞬時値の絶対値が、第1の所定のレベルより大きい第2の所定レベルを超えているとき、前記スイッチング素子のオンオフを停止させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかの請求項に記載の直流電源装置。
  6. 前記制御部は、前記電流検出部により検出された電流情報又は前記周波数特性補正部により補正された後の電流情報が示す電流値の振幅成分を前記交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第3の所定のレベルよりも大きい場合、出力する直流電圧を低下させることを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれかの請求項に記載の直流電源装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかの請求項に記載の直流電源装置と、
    前記直流電源装置の出力により駆動される電動機と、
    を有する応用システムであって、
    前記直流電源装置の電流検出部により検出された電流情報が示す電流値の振幅成分を交流電源の周期以上の期間で平均化し、平均化した値が第4の所定のレベルよりも大きい場合に、前記電動機の回転数を低下させること特徴とする、応用システム。
  8. 交流電圧を直流電圧に変換して出力する直流電源装置であって、
    交流電源をリアクタを介して短絡するスイッチング素子と、
    前記交流電源から流入する電流が略正弦波状になるように、前記スイッチング素子のオンオフ駆動を行う制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、出力する直流電圧に含まれる交流電源周波数成分を抽出し、抽出した交流電源周波数成分と、予め決められた基本パターン又は交流電圧波形に基づいた基本パターンを前記直流電圧と目標となる直流電圧との偏差に応じて変調した信号と、に応じて、前記スイッチング素子のオンオフ駆動のオンオフ比率を補正することを特徴とする直流電源装置。
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