JP2016154434A - モータ駆動装置 - Google Patents

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吉朗 土山
Yoshiro Tsuchiyama
吉朗 土山
吉田 泉
Izumi Yoshida
泉 吉田
シンホイ 戴
Shing Hoi Dai
シンホイ 戴
京極 章弘
Akihiro Kyogoku
章弘 京極
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Abstract

【課題】電源電流を高調波の少ない状態に保ちつつ、脈動負荷でも交流電源を平滑するコンデンサの大型化を防止すること。【解決手段】モータを任意の回転速度とトルクで駆動するモータ駆動装置において、脈動のある負荷を駆動するモータの回転数とトルクに相当する値との積に、交流電源からの流入電流の振幅が比例するように流入電流の電流指令を調整する。これにより、負荷への出力電力と入力電力が常につりあい、平滑コンデンサの電圧変動を低減することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの駆動装置であり、家庭などの単相交流電源を整流して略直流とし、得られた直流を、電力変換回路により、再度、任意周波数と電圧の交流に変換あるいは、任意の電圧の直流に変換して、モータの可変速度駆動するものであって、そのモータの負荷トルクが駆動する対象や機構により瞬時瞬時に大きく変動するものに適用するものである。例えば、圧縮機により冷媒を圧縮することによりヒートポンプを構成し、冷房、暖房、あるいは食品などの冷凍を行うものがあり、冷媒の圧縮動作が圧縮機機構を駆動するモータの回転位相に応じて間歇的に行われるものであって、そのときの交流電源からの電流に含まれる高調波成分の低減や、力率を改善することにより、送電系統の負担を軽減させる技術の高効率な駆動制御に関するものである。
モータの回転位相に同期して負荷トルクが大きく変動する用途に対応する例としては、特許文献1に示す方法が提案されている。ここでは、モータ回転位相毎に速度を記憶する手段を設け、同じ回転位相毎に検出された速度を所望値に収束すべく、駆動電圧あるいは駆動電流を調節制御するものである。これにより、瞬時瞬時の回転変動を小さくできるとしている。
さらに、モータの駆動を、回転子に内蔵される磁石の位相に合わせて、2つの軸で記述し、それらの軸に応じた電流成分を制御する、いわゆるベクトル制御に基づいて、変動する負荷トルクに対応させる方法が特許文献2などに紹介されている。
また、モータ駆動するための電源として、商用の交流電源が用いられることが通常行われる。その場合、商用の交流電源を一旦整流して直流として、直流からインバータ回路により、任意の周波数の擬似交流に変換してモータを駆動するが、商用の交流から、モータ駆動用の擬似交流までの変換も効率よく実現することが望ましい。さらに、商用交流電源から流入する電流に高調波歪が少なく、電源力率が高いことも望ましい。このためには、中間の直流電圧をできるだけ低く保つことや、整流回路部でも半導体スイッチのオン/オフをできるだけ少なくすることが肝要である。このための方法として、特許文献3に示す方法が提案されている。
特許文献3においては、整流回路部において、半導体スイッチのオン/オフを休止する期間、すなわちオフになる期間を所望値にすべく、直流電圧を調整することにより実現させるものである。
特開昭61−173690号公報 特開2010−259133号公報 国際公開第2014/034003号
しかしながら、前記従来例の構成の組み合わせでは、大きく変動する負荷トルクに呼応したトルクを発生して、モータの回転速度を一定に保つことと、交流電源からの電流波形を低歪でかつ高力率に保つことと、回路の効率を向上するための中間の直流電圧を低く保つことや整流回路側の半導体スイッチのオン/オフをできるだけ少なくすることを同時に
実現することは困難である。
まず、モータ駆動に必要な瞬時瞬時の動力あるいは電力は、瞬時瞬時の回転速度とトルクの積であるので、変動する負荷トルクに応じたトルクを発生してモータの回転速度を一定に保つための動力あるいは電力は、変動する負荷トルクに略比例することになる。この動力あるいは電力の変動を賄うために、交流電源から流入電力も同じように変動する必要がある。ところが、特許文献1の第1図には、交流電源を整流して平滑する回路が記載されているが、この回路だけでは、交流電源電流の低歪化や高力率化は実現できない。
また、特許文献2では、モータ駆動のための直流電源が存在することが前提となった記述がなされており、交流電源との関係などは一切開示されていない。
一方、特許文献3では、交流電源電流の低歪化や高力率化を前提として、整流回路の高効率化を実現する手法を提示しているものの、直流に変換された後に接続される負荷については、略一定であることを前提としており、大きく変動するものを想定していない。
これらの先行文献に示されている技術だけで構築した場合に発生する状況について、その原理を図14に示す。図14のブロック61の波形に示すように、交流電源側からの入力電力は、電源周波数の2倍の周波数の脈動状態の電力である。商用電源の周波数は50Hzや60Hzであることが大半であり、電力の周波数は、100Hzや120Hzになる。
一方、圧縮機の負荷トルク脈動による速度変動が大きくなるのは概ね30回転/毎秒以下などであり、それに対応して圧縮機のモータを一定速度で駆動するのに必要な電力は、30Hz以下の脈動になる。これを電力波形として示しているのが図14のブロック62の波形である。
つまり、商用電力から供給される電力と、モータ駆動に必要な電力の値が瞬時瞬時では一致していないことになる。そして瞬時瞬時で一致しない電力は、直流部分の平滑コンデンサに一時的に蓄えられることになる。平滑コンデンサの入出力電力波形をブロック63の波形に示す。平滑コンデンサは商用電源周波数の電力脈動を補償するために設けられたものであるが、モータ駆動に対する低い周波数の電力脈動に対しては、十分に補償できず、端子電圧が大きく変動することになる。
また、平滑コンデンサの電圧変動を少なくするように、平滑コンデンサの直流電圧を検出して、所望の直流電圧値に近づくように交流電流指令を高速調整するなどの、整流回路側で電流を調整することも考えられる。しかし、電圧変動の抑制制御は電源電流を歪ませることに帰着してしまうので、電圧変動の抑制制御と電源電流の歪みを抑制する制御を干渉しないようにする複雑な制御が必要になる。したがって、コンデンサの容量を大きくするか、耐圧の高い、大型のコンデンサを用いるなどの対策がとられる。
さらに、特許文献3記載の整流回路の場合には、半導体スイッチをONしていない期間の電流波形がその瞬間のモータ負荷に大きく影響される。この状況を図15に示す。たとえば、モータ負荷が重い瞬間であれば、同図(c)のように、半導体スイッチのオン/オフ動作により電流が小刻みに調整されている状態から、半導体スイッチがオフ状態になると交流電源電流は急激に増加して尖った波形になる。逆にモータ負荷が軽くなっている瞬間であれば、同図(a)のように交流電源電流は急激に減少してしまう。したがって、負荷が脈動している場合には、電源電流の低歪化、高力率化が実現できなくなる。
以上のように、変動する負荷トルクに対応したモータ制御と電源電流制御の両立をしな
がら、小型の平滑回路のままで回路を高効率に動作させることは困難であった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、変動する負荷トルクに対応したモータ制御と電源電流制御の両立をしながら、回路を高効率に動作させる方法を提供するものである。さらに、本発明のモータ駆動装置以外の負荷が変動するなどの電源系統の環境状況により電源電圧が変動してしまう場合でも、本発明の効果を発揮できる方法を提供する。
前記従来の課題を解決するために、本発明のモータ駆動装置は、交流電源を整流し平滑して直流として再度モータ駆動用の交流もしくは直流の電力形態に変換するように構成された主回路であって、モータの略瞬時の回転速度を検出もしくは推定する手段を有し、得られた回転速度を一定にすべく、前記、擬似交流に再変換手段によりモータのトルクもしくは電流を制御するよう制御する手段と、交流電源から流入する電流の高調波成分が少なくなるように制御する手段と、中間直流部分の電圧が一定となるように前記流入電流の振幅を調整する手段とを備し、制御されるモータのトルクもしくは電流値と回転速度の積に応じて、制御される交流電源からの流入電流の振幅値を調整する。
これによって、モータへ供給される電力と、交流電源から供給される電力が略一致するため、中間直流部分の電圧変動が小さくなり、直流電力を一時蓄積する平滑コンデンサの耐電圧を下げることや静電容量を削減することができ、駆動装置の小型化がはかれる。
さらに、交流電圧振幅を検出する手段を設け、基準とする交流電圧振幅に対する比率の逆数により補正して、前記交流電源からの流入電流の振幅を調整することにより、電源電圧が変動する場合でも、平滑コンデンサの耐電圧を下げることや静電容量を削減することができる。
本発明のモータ駆動装置は、電源電圧が変動しても、平滑コンデンサの耐電圧を下げることや静電容量を削減することができ、さらに、交流電源から力率改善や、回路の変換効率の改善も同時に実現することができる。
本発明の実施の形態1における全体回路構成図 本発明の実施の形態2における全体回路構成図 本発明の実施の形態3における全体回路構成図 本発明の実施の形態4における全体回路構成図 本発明における電力状態を示す電力波形図 本発明の高効率回路制御での電流波形図 本発明の実施の形態5における全体回路構成図 本発明の実施の形態6における全体回路構成図 本発明の実施の形態7における全体回路構成図 本発明の実施の形態8における全体回路構成図 本発明の実施の形態6における交流電圧振幅の検出原理を示す電圧波形図 本発明の実施の形態7における交流電圧振幅の検出原理を示す電圧波形図 本発明の実施の形態8における交流電圧振幅の検出原理を示す電圧波形図 従来の課題である電力状態を示す電力波形図 従来の高効率回路制御の課題を示す電流波形図
第1の発明は、モータの瞬時瞬時の負荷トルクと回転数との乗算値に応じて、交流電源
から流入する電流の振幅が調整されることにより、電源からモータへと移送されるエネルギ量が常につりあうようになり、平滑コンデンサによる調整量が減少するので、平滑コンデンサの電圧変動が少なくなり、平滑コンデンサの耐電圧をさげることや静電容量を削減することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の負荷トルクの情報に代わるものとして、モータを所望の電流にて駆動する手段をもうけ、その所望電流値とモータ回転数の乗算値に応じて、交流電源から流入する電流の振幅が調整されるとすることにより、モータの負荷トルクを直接検出することなく、電源からモータへと移送されるエネルギ量が常につりあうようになり、平滑コンデンサによる調整量が減少するので、負荷トルク検出手段を用いることなく、平滑コンデンサの電圧変動が少なくなり、平滑コンデンサの耐電圧をさげることや静電容量を削減することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、負荷トルク情報あるいはモータの所望電流値の基本波周波数成分を抽出し、基本波周波数成分のみをもって前記交流電源から流入する電流の振幅が調整されるとすることにより、基本波周波数成分以外の周波数成分により振幅調整されることによる干渉によって生じてしまう交流電源から流入する電流への歪みを遮断するので交流電源から流入する電流の歪をさらに少なくすることができる。
第4の発明は、特に、第2または第3の発明において、所望の交流電流波形を有し、実際の交流電流波形を検出して、交流電源をリアクタを介して、半導体スイッチをオン・オフすることにより短絡・開放することにより、実際の交流電源電流波形が前記所望の交流電流波形に近づくよう制御を行うものであって、半導体スイッチとリアクタにより構成される整流回路において、中間直流電圧の指示値を調整して、半導体スイッチをオフする期間を生じせしめ、オフ期間幅が所望の期間幅と一致するように前記中間直流電圧の指示値を調整する。
これにより、整流回路部分の半導体の損失が低減し、交流電源から流入する電流の高調波成分の低減作用を保ったまま、整流回路部分の損失を低減することができる。また、中間直流電圧を低く保つことができ、整流回路の昇圧に伴う損失の低減もはかることができる。
第5の発明は、交流電源電圧の振幅を検出する手段を設けて、検出した交流電圧振幅と基準となる交流電圧振幅に対する比率を求め、モータの瞬時瞬時の負荷トルクと回転数との乗算値に対して、その比率の逆数を乗じた値により、交流電源から流入される電流の振幅が調整されるようにする。
これにより、電源電圧が変動し、基準としている電源電圧から変化した場合でも、第1〜第4の発明と同じ効果を発揮することができる。
第6の発明は、第5の発明において、交流電源からの流入電流を調整する部分を、交流電源をダイオードブリッジで整流して直流脈流とし、直流脈流出力の一端をリアクタを経由して短絡して、リアクタに電流を蓄積し、短絡手段が開放になるときに、前記リアクタに蓄積した電流をダイオードを通じて平滑コンデンサとモータ駆動回路に流入させるよう構成し、前記直流脈流部分の電圧を用いて、交流電源電圧の振幅を検出する手段とする。
これにより、直流電圧の検出手段と交流電源電圧振幅の検出手段を共通の基準電位から計測することができ、交流電圧振幅検出手段を簡素化することができる。
第7の発明は、第5の発明において、交流電源からの流入電流を調整する部分を交流電
源の一端をリアクタを介して2つの半導体スイッチとダイオードとを並列接続したデバイスの直列接続により構成される第1のハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源のもう一端をダイオードで構成される第2のハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源電圧の極性に応じて、前記半導体スイッチの1つをオンオフ制御することにより、交流電源からリアクタと2つのハーフブリッジ回路を経由して平滑コンデンサとモータ駆動回路に電流が流れるように構成し、前記、交流電源とリアクタとの接続点と平滑コンデンサの一端との電位差情報を検出し、電位差情報のうち、少なくとも交流電源のリアクタが接続された側の電圧の極性が平滑コンデンサのもう一端の電圧と同極性である期間の電位差情報を用いて交流電源電圧の振幅を検出する手段とする。
これにより、損失が少なくなる回路構成で、直流電圧の検出手段と交流電源電圧振幅の検出手段を共通の基準電位から計測することができ、交流電圧振幅検出手段を簡素化することができる。
第8の発明は、第5の発明において、交流電源からの流入電流を調整する部分を交流電源の一端をリアクタを介してダイオードブリッジによるハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源のもう一端をダイオードブリッジによるハーフブリッジ回路の中点に接続し、2つのハーフブリッジ回路の中点間を双方向半導体スイッチで短絡・開放制御することにより、交流電源からリアクタと2つのハーフブリッジ回路を経由して平滑コンデンサとモータ駆動回路に電流が流れるように構成し、前記、交流電源とリアクタとの接続点と平滑コンデンサの一端との電位差情報を検出し、電位差情報のうち、前記半導体スイッチが開放状態である期間で、かつ、少なくとも交流電源のリアクタが接続された側の電圧の極性が平滑コンデンサのもう一端の電圧と同極性である期間の電位差情報を用いて,交流電源電圧の振幅を検出する手段とする。
これにより、損失が少なくなる回路構成で、直直流電圧の検出手段と交流電源電圧振幅の検出手段を共通の基準電位から計測することができ、交流電圧振幅検出手段を簡素化することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるモータ駆動装置の全体回路構成図を示すものである。
図1において、交流電源1は半導体スイッチおよびリアクタにより構成される整流回路11と平滑コンデンサ2で直流に変換され、モータ駆動回路(インバータ回路)3によりモータ駆動用の電力に変換され、モータ4を駆動する。モータ4の回転速度を所望値(ω)に保つべく、速度検出手段12で回転速度(ω)を検出し、所望値(ω)と比較手段9にて比較し、誤差情報を速度制御の制御系安定化のための速度PI補償手段15を経由してモータのトルク指令とし、トルク比較手段14に入力する。トルク比較手段14では、トルク検出手段13により得られた検出トルクと比較し、その誤差情報を、駆動制御回路16に入力する。駆動制御回路16では、トルクの誤差情報により、モータ4に印加する電圧を調整すべく、モータ駆動回路3を操作する。このようにして、モータ4の負荷が変動した場合でも、回転速度を一定に保つ制御系が構成される。
一方、整流回路11に流入する電流(Iac)を電流検出手段5で検出し、その電流が所望の電流(Iac)と比較手段8で比較して、誤差情報を電流制御の制御系を安定化するための電流PI補償手段10を経由して整流回路11用の駆動回路17に入力して、
整流回路11を駆動する。このようにして、交流電源1からの流入電流を所望値に保つ制御系が構成される。
一方、交流電流の所望値(Iac)は、平滑コンデンサ2の電圧(Vdc)と所望値(Vdc)とを比較手段20にて比較し、その誤差を、電圧PI補償手段21を経由して、加算手段22を経由して、乗算手段7に入力され、交流電圧波形情報6と乗算される。
交流電圧波形情報6は正弦波波形であり、乗算することにより、正弦波波形の振幅を調整することになる。すなわち、負荷変動により、平滑コンデンサ2の電圧が低下した場合には、正弦波波形の振幅を増大させる。この増大される正弦波波形を所望の電流値(Iac)として用いることで、負荷に応じた正弦波状の電源電流が流れる整流回路を構成できる。
さらに、モータ4の制御系から、トルク指令情報を、乗算手段23を経由して、加算手段22にて、整流回路の電流の振幅を調整するための情報に加算する。乗算手段23では、トルク指令と速度指令(ω)とを乗算する。すなわち、乗算手段23の出力は負荷の電力に対応した情報になる。
加算手段22では、負荷の電力に対応した情報と、平滑コンデンサ2の電圧を所望値に保つ制御に必要な値とを加算する。この加算結果で正弦波の振幅を調整して電源電流指令とする。すなわち、負荷の電力に対応した情報で、電源電流指令を直接操作する。これにより、平滑コンデンサ2の電圧を一定に保つことによる、負荷電力と入力電力とを一致させる制御だけでなく、負荷電力の情報で、入力電力を直接操作する制御が付加されるので、変化の速い負荷電力に対しても、高速に入力電力を応答させることができる。
その結果、平滑コンデンサ2の電圧変動は抑圧され、平滑コンデンサ2の容量低減や耐電圧の低減などが実現でき、平滑コンデンサ2の小型化が図れる。なお、整流回路11の回路構成方法は、具体構成例を図2などには示しているが、特に限定されるものではない。たとえば、特許文献3の図1、図11、図12に示された整流回路構成でも同様のことが実現できることは明白である。
図5は本実施の形態における、入力電力、出力電力、平滑コンデンサ2への入出力電力の関係を示す、波形図である。モータ4への出力電力波形を示すブロック52は、図7と同における波形62と同じである。一方、入力電力波形51を示すブロック51の波形は、電源周波数の2倍の周波数の電力を有する波形をモータ4への出力電力で正方向に振幅変調した波形になっている。したがって、電源周波数の2倍の周波数成分を平滑すると、出力電力波形を示すブロック52の波形と合致する。
一方、平滑コンデンサ2への入出力電力波形を示すブロック53の波形は、ゼロを中心として電源周波数の2倍の周波数成分の振幅が増減する波形になる。この電力波形は、平均はゼロであり、平滑コンデンサ2の端子電圧(Vdc)はほとんど変動しない。つまり、平滑コンデンサ2の耐電圧や容量を大きくする必要がなくなり、駆動装置の小型化をはかることができる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の第2の実施の形態におけるモータ駆動装置の全体回路構成図を示すものである。ダイオードブリッジ151、リアクタ153、半導体スイッチ152、ダイオード154とで構成される整流回路を経て、平滑コンデンサ2にて平滑することにより、交流電力を直流電力に変換する。得られた直流電力をモータ駆動回路3で再度交流電力に
変換し、モータ4を駆動する。図1の回路構成図との違いは、モータ4のトルクや速度を直接は検出していない点である。
モータ4とモータ駆動回路3の間の結線には電流検出手段155が取り付けられ、モータ4に流れる電流を検出できるように構成する。検出された電流をdq変換手段156にて回転座標情報に変換し、位置推定手段157に入力する。位置推定手段157では、モータ4のインダクタンス情報などを用いて、モータ4の回転速度や回転位相を推定する。
推定された回転速度(ω^)は回転速度の所望値(ω)と比較手段9にて比較され、その誤差情報が速度制御の安定化のための速度PI補償手段15に送られる。速度PI補償手段15で得られた結果はモータ電流指令(Im)として、比較手段158に送られて、実際のモータ電流(Im)と比較される。比較の結果、得られた電流誤差は電流制御を安定化するための電流PI補償手段159に送られ、逆dq変換手段160を経て、モータの固定座標に変換されて、PWM変換手段161にてパルス幅信号に変換され、モータ駆動回路3を駆動して、速度制御系を構成する。
一方、推定された回転位相(θ^)はdq変換手段156や逆dq変換手段160に送られて、モータの駆動制御における座標変換に用いられる。位置推定手段157における処理内容は、たとえば、特許文献2などに記載されているものを使用することができる。
次に整流回路の構成を説明する。交流電源1をダイオードブリッジ151にて直流脈硫流化し、そこからの出力をリアクタ153、ダイオード154を通じて平滑コンデンサ2に電力を供給する。リアクタ153とダイオード154との接続点と直流のもう一端子との間に半導体スイッチ152を設け、交流電源1を、リアクタ153を経由して短絡・開放可能な構成としている。また、電流検出手段5によりリアクタ153に流れる電流を検出できるようにしている。
整流回路としての動作を説明する。平滑コンデンサ2の電圧(Vdc)を検出し、比較手段20で所望値(Vdc)と比較し、その誤差情報を電圧制御安定化のための電圧PI補償手段21に入力する。電圧PI補償手段21の出力は加算手段22を経て乗算手段7に入力され、交流電圧波形情報6と乗算され、交流電流の電流所望値(Iac)を得る。加算手段22に入力されるもう一方の情報については後述する。
すなわち、平滑コンデンサ2の電圧(Vdc)の所望電圧(Vdc)に対する過不足により、交流電流の電流所望値をその波形を保ったまま調整するようにするものである。このようにして決定された交流電流の所望値(Iac)は比較手段8に送られ、実際に検出された交流電流(Iac)と比較され、その誤差情報を、電流制御を安定化するための電流PI補償手段10に入力する。
電流PI補償手段10の出力はPWM変換手段165に送られパルス幅信号に変換され、半導体スイッチ152をオン・オフ制御する。すなわち、交流電流(Iac)を所望値(Iac)に近づける制御系を構成している。
平滑コンデンサ2の電圧(Vdc)の制御系に設けられた加算手段22へ入力されるもう一方の情報は、モータ駆動制御系からの情報である。具体的には、モータ4の電流指令情報(Im)とモータの回転数指令(ω)とを乗算手段23に入力した結果の情報である。モータ4を電流制御を基本とする駆動制御方式で、モータの効率がもっともよい状態で駆動しようとすると、その電流はトルクに比例するようになる。その比例定数はトルク定数と呼ばれ、モータ4のインダクタンスや永久磁石による発電電圧などから一意に決まる値である。
したがって、電流情報を用いれば、実施例1におけるトルク検出手段を省略することができる。そして乗算手段23で回転数指令(ω)と乗算すれば、モータ4の瞬時の電力情報になる。このモータの瞬時の電力情報を加算手段22に入力することにより、交流電源1からの電流(Iac)が連動するようにその所望値(Iac)を直接調整してやれば、モータ4の負荷脈動に直接電源電流が連動するようになるので、平滑コンデンサ2によるモータ4の負荷脈動分の調整が不要となり、平滑コンデンサ2の低容量化、低耐電圧化などの小型化が可能になる。しかも、モータ4の負荷トルク検出手段を必要としない。
(実施の形態3)
図3は、本発明の第3の実施の形態におけるモータ駆動装置の全体回路構成図を示すものである。構成は実施の形態2として説明した図2とほぼ同じであり、モータ4の速度制御の結果得られたモータ電流指令(Im)をモータ4の回転速度所望値(ω)とを乗算する手前に、基本波通過手段(BPF)170を具備している。基本波通過手段(BPF)170はモータ4の機械回転数の周波数成分だけを通過させる。この手段を追加することにより、特許文献1の第10図に記載されているようなトルク負荷波形が正弦波で無い場合において、その高調波成分の情報を除去することになる。
トルク負荷波形に高調波成分があると、その周波数が高いため、交流電圧波形情報6と乗算したときに低い周波数成分を生じてしまい、結果として平滑コンデンサ2の電圧変動が大きくなるためである。つまり、基本波通過手段(BPF)170を具備することにより、トルク負荷波形に高調波成分が含まれている場合でも、平滑コンデンサ2の電圧変動を抑制でき、結果として、平滑コンデンサ2の低容量化、低耐電圧化などの小型化が可能になる。
なお、本実施の形態では基本波通過手段(BPF)170は乗算手段23の手間に設けたが、乗算手段23と加算手段22との間に設置しても同様の効果が得られることは明白である。
(実施の形態4)
図4は、本発明の第4の実施の形態におけるモータ駆動装置の全体回路構成図を示すものである。構成は実施の形態3として説明した図3とほぼ同じであり、整流回路制御系のPWM変換手段165の出力からオフ幅検出手段180を具備し、PWM変換手段165の結果、PWM出力がオフ状態になっている時間幅を検出する。
検出された時間幅(実オフ幅)は所望のオフ幅(基準オフ幅)と比較手段181にて比較し、その比較結果に基づいて平滑コンデンサ2の所望電圧値(Vdc)を調整する。すなわち、実オフ幅が所望値よりも大きければ、平滑コンデンサ2の所望電圧値(Vdc)を上昇させる。逆に、実オフ幅が所望値よりも小さければ、平滑コンデンサ2の所望電圧値(Vdc)を下げる。
なお、本実施の形態では、時間幅で説明したが、時間幅の代わりに、交流電源周期あたりのオフ状態期間の比率、すなわち、位相幅でも同じことを実現できることは明白である。
また、実施の形態3まで使用していた交流電圧波形情報6の代わりに所望電流波形情報182を用いる。すなわち整流回路制御系の構成を特許文献3と同様に構成にするものである。ただし、加算手段22によりモータ4の負荷電力に応じた情報が交流電流指令に加算されるので、負荷の軽重に応じて交流電流指令(Iac)が変化し、平滑コンデンサ2の電圧変動を少なくするように動作する。ここで、PWM変換手段165から半導体ス
イッチ152をオフするようになると、直前までリアクタ153に流れていた電流は、そのときの交流電源1の電圧と平滑コンデンサ2の電圧との関係による電流変化に転じる。
したがって、平滑コンデンサ2の変動を小さくしておくほうが、負荷が変動しても電流波形相似になる。すなわち図6に示すような波形が得られる。負荷が急に減衰した場合には、交流電流指令も急に小さくなり、波形(a)のように交流電流がゆっくりと立ち上がるようになり、オン・オフ制御がオフ状態になっている区間も平滑コンデンサ2の電圧の変動が少ないので、安定時と同様の電流波形になり、直流電圧急に負荷が増大した場合には、交流電流指令も急に大きくなり、波形(c)のように交流電流がすばやく立ち上がるようになり、オン・オフ制御がオフ状態になっている区間も平滑コンデンサ2の電圧の変動が少ないので、安定時と同様の電流波形になる。この結果、整流回路の効率向上という効果がさらに加わる。
なお、本実施の形態では、基本波通過手段(BPF)170を設けた例を提示したが、トルク負荷波形に含まれる高調波成分が少ない場合には省略することが可能であることは明白である。
また、実施の形態1から4では、モータ4はモータ駆動回路3を介して交流電力を供給することで駆動するものとして説明したが、直流電力を供給することで駆動できる、いわゆる直流モータであっても同様の効果を生じることができることは明白である。
さらに、実施の形態1から3においては、電源電流は交流電圧波形すなわち正弦波波形に制御させることを前提として説明したが、実施の形態4で説明したことと同様に、特許文献3に記載されているように、電源電流の高調波規制範囲内での高調波を含む波形で電源電流波形制御を実現しても同様の効果が得られることも明白である。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施の形態は、実施の形態1に対して、第5の発明の概念を追加したものである。図7は、本実施の形態のモータ駆動装置の全体回路構成図である。以下、実施の形態1に対応する図1との差異を中心に説明する。
図7に示す回路構成では、交流電源1に、交流電圧検出手段900を設け、交流電源1の交流電圧を検出する。検出された交流電圧情報は振幅検出手段905に送られ、交流電圧の振幅値に変換される。得られた交流電圧の振幅値情報は、逆数演算手段901に送られて、交流電圧振幅の逆数に変換される。得られた交流電圧振幅の逆数情報は、乗算手段903に送られ、予め設定されている基準電圧振幅情報902と乗算される。乗算手段903の出力は乗算手段904に送られ、所望電流波形情報182と乗算される。乗算手段904の出力は、乗算手段7に送られ、実施の形態1と同様に、加算手段22からの出力情報との乗算が行われる。
次に、このように構成された回路での作用を説明する。振幅検出手段905で得られた交流電圧振幅情報を逆数演算手段901を経由して基準電圧振幅情報と乗算した結果で所望電流波形を乗算することは、交流電圧振幅に応じて、所望電流をその波形を保ったまま、電力が変動しないように補正することに相当する。すなわち、同じ入力電力であるためには、交流電源の電圧が高ければ入力電流は少なくなるという原理に基づくものである。
一般に、商用の交流電源には、公称電圧が定められているが、使用している機器以外も含めて、負荷の変動などにより電圧が変動してしまうことがある。この変動幅が大きいと、交流側の入力電流とモータ負荷側で生じる負荷脈動とが釣合うようにすることに基づいている本発明の基本概念に誤差を生じてしまう。
これに対して、図7に示す一連の手段を追加することにより、交流電源1の電圧変動を検出することができ、変動による誤差を無くすように、所望の入力電流を変化させることができる。
なお、交流電圧検出手段900は、例えば、トランスを用いることで容易に実現できる。この場合、トランスの出力を整流して平滑することで、振幅情報に変換することも容易に実現できる。
(実施の形態6)
本発明の第6の実施の形態は、実施の形態2から4(第2から第4の発明概念に対応)に対して、第5の発明概念を追加したものである。図8は、本実施の形態のモータ駆動装置の全体回路構成図である。以下、実施の形態4に対応している図面である図4との差異を中心に説明する。
図8に示す回路構成では、交流電源1をダイオードブリッジ151で整流し、非平滑の直流脈流状態になっている回路に、交流電圧検出手段900aを設け、直流脈流部分の電圧を検出する。検出された直流脈流部分の電圧情報は振幅検出手段905aに送られ、交流電圧の振幅値に変換される。得られた交流電圧の振幅値情報は、実施の形態5と同様に、逆数演算手段901に送られて、交流電圧振幅の逆数に変換される。得られた交流電圧振幅の逆数情報は、乗算手段903に送られ、予め設定されている基準電圧振幅情報902と乗算される。乗算手段903の出力は乗算手段904に送られ、所望電流波形情報182と乗算される。乗算手段904の出力は、乗算手段7に送られ、実施の形態1と同様に、加算手段22からの出力情報との乗算が行われる。
図11は図8の振幅検出手段905aにおける、交流電圧と直流脈流電圧との関係を示すための波形図である。上段の波形は交流電圧であり、正弦波状に変化する。下段の波形は直流脈流部分の電圧波形である。上段の正弦波の振幅をVac_p−pとすると、下段の直流脈流部分の電圧振幅はその半分の、(1/2)Vac_p−pである。
つまり、直流脈流部分の電圧振幅を計測することにより、交流電圧の振幅を検出することができる。また、直流脈流部の電圧と直流電圧部の電圧とは一端のマイナス側が共通であるので、直流電圧部のマイナス側を基準とする電圧として簡単に計測できる。このため、実施の形態5で説明したトランスなどを必要とせずに検出でき、回路が小型簡便化できる。
(実施の形態7)
本発明の第7の実施の形態は、実施の形態6の変形例である。図9は、本実施の形態のモータ駆動装置の全体回路構成図である。以下、実施の形態6に対応している図面である図8との差異を中心に説明する。
図9に示す回路構成では、交流電源1の一端は、リアクタ953を経由して、半導体スイッチとダイオードが並列接続されたデバイス952a、952bを直列接続した、第1のハーフブリッジ回路の中点に接続されている。交流電源1のもう一端は、ダイオード951a、951bからなる第2のハーフブリッジ回路の中点に接続されている。
PWM変換手段165からのパルス幅信号は分配手段959を用いて、交流電源電圧の極性に応じて、デバイス952aの半導体スイッチとデバイス952bの半導体スイッチのどちらか1つをオン/オフすることにより、第1のハーフブリッジ回路と第2のハーフブリッジ回路とを経由して、モータ4に電力を移送する。すなわち、交流電源1側から直
流側である平滑コンデンサ2、モータ駆動回路(インバータ回路)3を経由してモータ4に電力を移送する。
本実施の形態では、交流電源1から直流への電力変換過程における、通過する半導体デバイスの数が少ないため、図8に比べて、回路損失が少なくなるという利点がある。
図9に示す回路構成では、交流電源1とリアクタ953との接続点と直流部の負電位側との間に電圧検出手段956aを設けて2点間の電圧を検出し、得られた電圧情報は振幅検出手段1105aに送られ、交流電圧の振幅値に変換される。得られた交流電圧の振幅値情報は、実施の形態5と同様に、逆数演算手段901に送られて、交流電圧振幅の逆数に変換される。得られた交流電圧振幅の逆数情報は、乗算手段903に送られ、予め設定されている基準電圧振幅情報902と乗算される。乗算手段903の出力は乗算手段904に送られ、所望電流波形情報182と乗算される。乗算手段904の出力は、乗算手段7に送られ、実施の形態1と同様に、加算手段22からの出力情報との乗算が行われる。
図12は図9の振幅検出手段1105aにおける、交流電圧と電圧検出手段956aとの関係を示すための波形図である。上段の波形は交流電源のリアクタが接続されている側の電圧であり、正弦波状に変化する。下段の波形は電圧検出手段956aの出力波形である。上段の正弦波の振幅はVac_p−pである。一方、下段の波形では、上段の正弦波が正の期間においては、同じ波形となり、その期間においては最大値が、(1/2)Vac_p−pである。一方、上段の正弦波が負の期間においては、上段の波形と同じ形状ではあるものの、直流電圧Vdcだけ上昇している。
つまり、この期間においては最小値が「Vdc」−「(1/2)Vac_p−p」となるので、最小値と直流電圧がわかれば、上段の正弦波の振幅を求めることができる。したがって、電圧検出手段956aの出力から交流電圧の振幅を検出する方法としては、交流電源のリアクタが接続されている側の電圧が、平滑コンデンサ2の電圧検出と同じ極性である正の期間における最大値を用いることがもっとも簡便に検出できる方法である。さらに、検出頻度や精度を上げるために、交流電源電圧が負の期間における最小値から求めることができる交流電源の振幅値情報を併用することも可能である。
また、電圧検出手段956aで検出する電圧と直流電圧部の電圧とは平滑コンデンサ2の一端のマイナス側が共通であるので、直流電圧部のマイナス側を基準とする電圧として簡単に計測できる。このため、実施の形態5で説明したトランスなどを必要とせずに検出でき、回路が小型簡便化できる。
なお、第1のハーフブリッジを構成する2つの半導体スイッチデバイス952a、952bのオン/オフ制御は、交流電源極性に応じてどちらか一方のみをオン/オフするものとして説明したが、残りの一方を逆の論理、すなわち、オフ/オン制御する、いわゆる同期整流を行っても良い。同様に、第2のハーフブリッジにおいてもダイオードブリッジ951a、951bの代わりに、第1のハーフブリッジと同様に半導体スイッチデバイスによるハーフブリッジを構成し、交流電源の電圧極性に応じて、半導体スイッチのオン/オフを制御する同期整流によって、ダイオードと同じ機能を実現する構成としても同等の効果が得られることはいうまでもない。
(実施の形態8)
本発明の第8の実施の形態は、実施の形態6または7の変形例である。図10は、本実施の形態のモータ駆動装置の全体回路構成図である。以下、実施の形態6または7に対応している図面である図8または図9との差異を説明する。
図10に示す回路構成では、交流電源1の一端は、リアクタ953を経由して、もう一端は直接、ダイオードブリッジ1251に接続されている。また、双方向半導体スイッチ957により、交流電源1はリアクタ953を介して短絡・開放することができるよう構成している。
双方向半導体スイッチ957をオン/オフすることにより、リアクタ953を流れる電流量を調整しながらダイオードブリッジ1251を経由して、モータ4に電力を移送する。すなわち、交流電源1側から直流側である平滑コンデンサ2、モータ駆動回路(インバータ回路)3を経由してモータ4に電力を移送する。
本実施の形態では、実施の形態7と同様に、交流電源1から直流への電力変換過程における、通過する半導体デバイスの数が少ないため、図8に比べて、回路損失が少なくなるという利点がある。
図10に示す回路構成では、交流電源1とリアクタ953との接続点と直流部の負電位側との間に電圧検出手段956bを設けて2点間の電圧を検出し、得られた電圧情報は振幅検出手段1105aに送られ、交流電圧の振幅値に変換される。得られた交流電圧の振幅値情報は、実施の形態5と同様に、逆数演算手段901に送られて、交流電圧振幅の逆数に変換される。得られた交流電圧振幅の逆数情報は、乗算手段903に送られ、予め設定されている基準電圧振幅情報902と乗算される。乗算手段903の出力は乗算手段904に送られ、所望電流波形情報182と乗算される。乗算手段904の出力は、乗算手段7に送られ、実施の形態1と同様に、加算手段22からの出力情報との乗算が行われる。
図13は図10の振幅検出手段1105bにおける、交流電圧と電圧検出手段956bとの関係を示すための波形図である。上段の波形は交流電源のリアクタが接続されている側の電圧であり、正弦波状に変化する。下段の波形は電圧検出手段956bの出力波形である。これらは、実施の形態7の図12と同じ波形であるが、図12とは異なり、破線で波形図を示している。
その理由は、実際に図10に示す回路構成で、双方向半導体スイッチ957をオン/オフ動作を行うと、電位差が常に検出できるとは限らないからである。なぜならば、図10に示す回路構成で双方向半導体スイッチ957をオンしているときには交流電源側と直流側は接続されておらず、電位が定まらないからである。ただし、双方向半導体スイッチ957をオフ状態にして、平滑コンデンサ2のある直流側へ電流が流れると、交流電源側と直流部との電位関係が定まるので、電位差を検出することができる。すなわち、双方向半導体スイッチ957がオフ状態にあるときの検出電圧を用いて、実施の形態7と同様の制御操作を行えばよい。
また、実施の形態8においても、また、電圧検出手段956bで検出する電圧と直流電圧部の電圧とは一端のマイナス側が共通であるので、直流電圧部のマイナス側を基準とする電圧として簡単に計測できる。このため、実施の形態5で説明したトランスなどを必要とせずに検出でき、回路が小型簡便化できる。
なお、実施の形態5から8の説明において、交流電源電圧の検出手法として、交流電圧波形の最大値に着目した方法を示したが、正弦波波形や直流脈流波形であれば、その二乗平均の平方根(いわゆる、実効値)を算出し、基準電圧振幅における同じ種類の値(すなわち基準電圧の実効値)に対する比率を演算しても同じ効果を得ることができることは明白である。
実施の形態7,8での説明においても、交流電源電圧と同じ波形が検出できる期間において、同じ計算手法を用いれば、同様の効果を得ることができることも明白である。さらに、図12や図13で示したように、交流電源波形に対して直流電圧分だけずれて検出される期間においても、ずれを補正する演算を加えることにより、同じ効果を得ることができることも明白である。さらにまた、実効値を用いる代わりに、交流電圧の瞬時の電圧情報の絶対値、すなわち直流脈流と同様の情報に変換し、その平均を用いることでも同様の効果が得られることも明白である。
また、実施の形態7、8において、交流電源の極性に応じて、交流電源電圧振幅の検出方法を変える方法を示したが、交流電源の極性やさらに分解能の高い電源位相の検出方法については、たとえば、特許文献3の4番目の引例に記載された手法を用いることができる。
さらに、本発明では、モータ負荷に脈動があることで説明してきたが、脈動が無い場合にも、これらの実施の形態はそのまま適用できる。このため、動作中に脈動が発生したり、発生しなかったりするような場合にも、制御方式を変更することなく、こららの実施の形態をそのまま適用することができる。
以上のように、本発明にかかるモータ駆動装置は、モータ負荷に脈動性が有る場合でも、平滑コンデンサの電圧変動を抑圧することができ、平滑コンデンサの小型化が可能となり、また、整流回路の低損失化もはかれることから、冷凍空調機器などの小型化や高効率化がはかれる。
1 交流電源
2 平滑コンデンサ
3 モータ駆動回路
4 モータ
5、155、955 電流検出手段
6 交流電圧波形情報
7、23、903、904 乗算手段
8、9、20、158,181 比較手段
10、159 電流PI補償手段
11 整流回路
12 速度検出手段
13 トルク検出手段
14 トルク比較手段
15 速度PI補償手段
16 駆動制御回路
17 駆動回路
21 電圧PI補償手段
22 加算手段
151、1251 ダイオードブリッジ
152、951a、951b 半導体スイッチ
153、953 リアクタ
154 ダイオード
156 dq変換手段
157 位置推定手段
160 逆dq変換手段
161、165 PWM変換手段
170 基本波通過手段(BPF)
180 オフ幅検出手段
182 所望電流波形情報
900、900a 交流電圧検出手段
901 逆数演算手段
902 基準電圧振幅情報
905、905a、1105a、1105b 振幅検出手段
952a、952b デバイス
956a、956b 電圧検出手段
957 双方向半導体スイッチ

Claims (8)

  1. 交流電源を半導体スイッチとリアクタを含む回路で整流し平滑することにより直流に変換し、直流を任意の周波数と電圧の擬似交流あるいは、任意の電圧の直流に再変換することにより、モータを任意の回転速度とトルクで駆動するモータ駆動装置であって、モータの瞬時瞬時の駆動トルクと回転数の積に応じて、前記交流電源から流入する電流の振幅が調整されることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. モータの略瞬時の回転速度を検出もしくは推定する手段を有し、得られた回転速度を一定にすべく、前記擬似交流あるいは、前記任意の電圧の直流への再変換手段によりモータの有効電流を調整するよう制御する手段と、交流電源から流入する電流の高調波成分を少なくするように定められた所望の電流波形状に制御する手段とを具備し、制御されるモータ有効電流値と回転数の積に応じて、制御される交流電源からの流入電流の振幅値を調整することを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. モータの略瞬時の電流を検出する手段を有し、検出された電流が所望値に近づくよう制御されるモータ電流制御手段と、交流電源から流入する略瞬時の電流を検出する手段を有し、流入する電流の高調波成分を少なくするように定められた所望の電流波形状になるように制御される交流電源電流制御手段と、直流部分の平均電圧が所望値に近づくように、前記交流電源電流制御手段における所望の略正弦波電流値の振幅を調整する、直流電圧制御手段とを具備し、前記モータ電流の所望値のうち、負荷トルクと関連する成分の基本波成分と回転数の積に応じて、前記交流電源電流制御手段における交流電流所望値の振幅を調整することを特徴とする請求項2記載のモータ駆動装置。
  4. 所望の交流電流波形を有し、実際の交流電流波形を検出して、交流電源をリアクタを介して、半導体スイッチをオン・オフすることにより短絡・開放することにより、実際の交流電源電流波形が前記所望の交流電流波形に近づくよう制御を行うものであって、半導体スイッチがオン・オフ動作を行っているか、オフ状態か、の判定手段を設け、判定手段により判明した交流電源周期あたりのオフ状態期間が所望値になるように、平均直流電圧の所望値を調整制御する手段を具備したことを特徴とする請求項2もしくは3記載のモータ駆動装置。
  5. 前記交流電源の電圧の振幅を検出する手段を設け、検出した交流電圧振幅の基準となる交流電圧振幅に対する比率を求め、モータの瞬時瞬時の負荷トルクと回転数との乗算値に対して、前記比率の逆数を乗じた値により、前記交流電源から流入される電流の振幅が調整されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項記載のモータ駆動装置。
  6. 前記交流電源をダイオードブリッジで整流して直流脈流とし、直流脈流出力の一端をリアクタを経由して短絡して、リアクタに電流を蓄積し、短絡手段が開放になるときに、前記リアクタに蓄積した電流をダイオードを通じて平滑コンデンサとモータ駆動回路に流入させるよう構成し、
    前記短絡手段の短絡・開放により、交流電源から流入する電流の高調波成分を少なくするように定められた所望の電流波形状に制御する手段とを具備し、
    直流脈流部分の電圧を用いて、前記交流電源の電圧の振幅を検出することを特徴とする、請求項5記載のモータ駆動装置。
  7. 前記交流電源の一端をリアクタを介して2つの半導体スイッチとダイオードとを並列接続したデバイスの直列接続により構成される第1のハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源のもう一端をダイオードで構成される第2のハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源電圧の極性に応じて前記半導体スイッチの1つをオンオフ制御することにより
    、交流電源から前記リアクタと2つのハーフブリッジ回路を経由して平滑コンデンサとモータ駆動回路に電流が流れるように構成し、
    前記半導体スイッチのオンオフ制御により、交流電源から流入する電流の高調波成分を少なくするように定められた所望電流波形状に制御する手段とを具備し、
    前記交流電源とリアクタとの接続点と平滑コンデンサの一端との電位差情報を検出し、電位差情報のうち、少なくとも交流電源のリアクタが接続された側の電圧の極性が平滑コンデンサのもう一端の電圧と同極性である期間の電位差情報を用いて交流電源電圧の振幅を検出することを特徴とする、請求項5記載のモータ駆動装置。
  8. 交流電源の一端を、リアクタを介してダイオードブリッジによるハーフブリッジ回路の中点に接続し、交流電源のもう一端を、ダイオードブリッジによるハーフブリッジ回路の中点に接続し、2つのハーフブリッジ回路の中点間を双方向半導体スイッチで短絡・開放制御することにより、交流電源から前記リアクタと2つのハーフブリッジ回路を経由して平滑コンデンサとモータ駆動回路に電流が流れるように構成し、
    前記双方向半導体スイッチの短絡・開放制御により、交流電源から流入する電流の高調波成分を少なくするように定められた所望電流波形状に制御する手段とを具備し、
    交流電源とリアクタとの接続点と平滑コンデンサの一端との電位差情報を検出し、
    電位差情報のうち、前記半導体スイッチが開放状態である期間で、かつ、少なくとも交流電源のリアクタが接続された側の電圧の極性が平滑コンデンサのもう一端の電圧と同極性である期間での電位差情報を用いて、交流電源電圧の振幅を検出することを特徴とする、請求項5記載のモータ駆動装置。
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