JPWO2010103582A1 - 差動増幅器およびそれを用いたパイプラインad変換器 - Google Patents
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Abstract
差動増幅器(100)において、差動入力が与えられる入力端子(Vinp,Vinn)は、入力トランジスタ(2,3)のゲートにそれぞれ接続されている。入力トランジスタ(2,3)のソースには、容量デバイス(101,102)の一端がそれぞれ接続されている。スイッチ部(20)は、容量デバイス(101,102)の他端と入力端子(Vinp,Vinn)との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に切り替える。
Description
本発明は、パイプラインAD変換器などに用いられる差動増幅器に関する。
図8はパイプラインAD変換器のブロック図を示す。図8に示すように、一般的なパイプラインAD変換器10は、縦続接続された複数のゲインステージ11(ステージ1〜n)とエンコーダ14とを備えている。各ゲインステージ11は、入力したアナログ信号をデジタル変換して得られたデジタル信号D1〜Dnを出力するとともに、入力したアナログ信号から、このデジタル信号D1〜Dnに対応するアナログ量を加減算し、これを例えば2倍して得られたアナログ信号を次段のゲインステージ11に出力する。エンコーダ14は、各ゲインステージ11から出力されたデジタル信号D1〜Dnを1ビットずつシフトして加算し、パイプラインAD変換器10のデジタル出力を生成する。
また図8の下部には、ゲインステージ11の回路構成例を示している。ここではステージ1の回路構成を代表して示しているが、他のゲインステージ11も同様の構成である。各ゲインステージ11は、サブA/D変換器12、サブD/A変換器13、並びに、スイッチ群、サンプリング容量Cs,Cf、および増幅器100Aで構成されるスイッチトキャパシタ回路を備えている。ゲインステージ11(ステージ1)では、入力されたアナログ入力VinをサブAD変換器12によりAD変換してデジタル値D1を出力する。また、そのデジタル値D1をサブDA変換器13によりアナログ値に変換する。スイッチトキャパシタ回路で実現された増幅部は、サブDA変換器13から出力されたアナログ値をアナログ入力Vinから減算して、結果をゲイン倍(1.5bitステージの理想値は2倍)する。
ゲインステージ11の増幅部では、図8中のタイミングチャートに示した位相φ1、φ2でそれぞれのスイッチがオンする。異なる位相φ1,φ2のクロックによりスイッチを制御することによって、次の式(1)が得られる。
ここで、Aは増幅器100AのDCゲイン、Vrefは参照電圧である。1.5bitステージ方式では、サンプリング容量Cs,Cfの容量値をCs=Cfの関係に設定し、約2倍のゲインを実現する。また、Cpは増幅器100Aの入力端子に付加される寄生容量を表している。また図では省略しているが、位相φ1の際、増幅器100Aは能動状態にあり、一般的には、差動入力端子を短絡して前位相の演算結果が差動入力の容量に電荷として残らないようにリセットする。同時に出力端子をリセットすることもできる。
パイプラインAD変換器の低消費電力化や省面積化の実現のために、特許文献1では、2チャネルのゲインステージを位相毎に制御し、並列に信号を処理して高速化を実現するパイプラインAD変換器において、差動増幅器を2チャネル間で共有することによってその個数を削減し、低消費電力を実現するダブルサンプリング技術が開示されている。
また、非特許文献1では、隣り合うゲインステージでは、互いに逆の位相で差動増幅器が能動動作を行うことを利用して、隣り合うゲインステージ間で時分割で差動増幅器を共有するアンプシェア技術が開示されている。
ダブルサンプリングやアンプシェアのように差動増幅器を時分割で共有する構成の場合、差動増幅器の入力容量や寄生容量に前の位相の電荷が履歴として保持され、次の位相のゲインステージ動作における電荷演算結果に干渉が起こるという問題が生じる。上述の式(1)の伝達関数に対して、前位相の演算結果が差動増幅器の入力寄生容量Cpに蓄積された結果として、式(2)が得られる。
ここで、Vout−1は前位相のアナログ出力電圧Voutを表し、式(2)の最終項が履歴項であり、前位相の入力信号依存の干渉となる。
これらの電荷の履歴による信号の干渉は、パイプラインAD変換器の積分非直線性(INL:Integral Non Linearity)や微分非直線性(DNL:Differential Non Linearity)および全高調波ひずみ(THD:Total Harmonic Distortion)の劣化の原因となる。
この問題を回避するためには、例えば、各位相の終了と開始の間にリセット期間を設け、差動増幅器の入力端子をリセットするという方法がある。ところがこの方法は、制御回路の複雑化につながり、また、動作速度が低下することになるので、特にダブルサンプリングのように高速化を目的とした技術では、好ましくない。
また、例えば特許文献2では、2つの差動増幅器と、それぞれの差動増幅器の正負入力端子に接続するスイッチにより、第1の位相では2つの差動増幅器の正入力端子と正入力端子、負入力端子と負入力端子を接続し、第2の位相では入力端子の接続を入れ替え正と負、負と正の入出力端子を接続することにより、差動増幅器の入力容量や寄生容量に保持された電荷をキャンセルする方法が示されている。
"A 250-mW,8-b,52-MSamples/s Parallel-PipelineDAD Converter with Reduced Number of Amplifiers",IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.32,NO.3,MARCH 1997
ところが、特許文献2の方法では、従来のゲインステージ構成に加え、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加することになり、演算のセトリング特性の劣化につながる。
そこで、本発明は、差動増幅器において、例えば時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を、演算のセトリング特性の劣化を招くことなく、低減可能にすることを目的とする。
本発明の一態様では、差動増幅器として、
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
前記第1および第2の入力トランジスタのソースに、一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替えるスイッチ部とを備えたものである。
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
前記第1および第2の入力トランジスタのソースに、一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替えるスイッチ部とを備えたものである。
この発明の態様によると、スイッチ部によって、第1および第2の入力端子に接続される容量デバイスが、位相毎に、切り替えられる。このため、前の位相において入力トランジスタの入力容量や配線寄生容量に蓄積された電荷を、容量デバイスに蓄積される電荷によって、打ち消すことが可能になる。したがって、例えば差動増幅器を時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を低減することができる。しかも、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加する必要がないので、演算のセトリング特性の劣化は生じない。
また、本発明の一態様は、差動増幅器として、
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの一端と前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第1のスイッチ部と、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第2のスイッチ部とを備えたものである。
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの一端と前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第1のスイッチ部と、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第2のスイッチ部とを備えたものである。
この発明の態様によると、第1および第2のスイッチ部によって、第1および第2の入力端子に接続される容量デバイスが、位相毎に、切り替えられる。このため、前の位相において入力トランジスタの入力容量や配線寄生容量に蓄積された電荷を、容量デバイスに蓄積される電荷によって、打ち消すことが可能になる。したがって、例えば差動増幅器を時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を低減することができる。しかも、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加する必要がないので、演算のセトリング特性の劣化は生じない。
本発明の差動増幅器によると、2つの入力端子に接続される容量デバイスの接続を、スイッチ制御で位相毎に入れ替えるので、入力トランジスタに蓄積された電荷による履歴効果を低減することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る差動増幅器の構成図を示す。図1の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、差動入力部1に関しては、便宜的にNchトランジスタ構成を示すが、トランジスタ種類や回路構成は図示した構成に限定されるものではない。他の実施形態についても同様である。また、容量デバイス101,102は、例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量やMOM(Metal-Oxide-Metal)容量などで実現可能であるが、後述するように、Pch,Nchトランジスタでも実現可能である。
図1は実施形態1に係る差動増幅器の構成図を示す。図1の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、差動入力部1に関しては、便宜的にNchトランジスタ構成を示すが、トランジスタ種類や回路構成は図示した構成に限定されるものではない。他の実施形態についても同様である。また、容量デバイス101,102は、例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量やMOM(Metal-Oxide-Metal)容量などで実現可能であるが、後述するように、Pch,Nchトランジスタでも実現可能である。
スイッチ部20は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS1,S2,S3,S4を備えている。スイッチS1,S2は第1の容量デバイス101の他端と、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS3,S4は第2の容量デバイス102の他端と、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。スイッチS1,S3は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS2,S4はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図1の構成では、第1および第2の容量デバイス101,102の一端は、直接トランジスタ2,3のソースに接続されているが、その間にスイッチを設けてもかまわない。
図1の差動増幅器100は、ダブルサンプリングやアンプシェアなど時分割で差動増幅器を共有する構成に用いることが可能である。図9はダブルサンプリング技術を適応したゲインステージに図1の差動増幅器100を用いた構成を示している。図9の構成では、差動増幅器100の差動入力Vinp,Vinnのそれぞれに関して、図8に示したようなスイッチとサンプリング容量の群を、チャネル15a,15bとして並列に2つ備えている。そしてスイッチsw1a,sw1bによって、差動増幅器100の差動入力Vinp,Vinnと2つのチャネル15a,15bとを位相毎に交互に接続し、時分割で差動増幅器100を共有する。これにより、消費電力を増加させることなく演算速度を約2倍にすることを可能とする。位相φ1,位相φ2を制御するクロックは、図8のタイミングチャートで示したものと同様である。
ここでは図9を用いて、図1の差動増幅器100をダブルサンプリングに適応した場合の動作を説明する。なお、差動増幅器100のスイッチ制御は、図9のゲインステージに用いるものと同じクロックによって実現することができる。以下、位相毎の動作の詳細について説明する。
[φ1の動作]
φ1では、図9のゲインステージは、チャネル15a側のスイッチ群はサンプリングフェーズであり、容量デバイスCsa,Cfaにアナログ入力AINP,AINNが接続され、容量デバイスCsa,Cfaと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとの間のスイッチsw1aはオフしている。このとき、チャネル15b側がホールドフェーズであり、容量デバイスCsb,Cfbと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとがスイッチsw1bによって接続される。また、図1の構成において、スイッチS1,S3がオンになり、スイッチS2,S4がオフになり、正側入力端子Vinpと容量デバイス101とが接続され、負側入力端子Vinnと容量デバイス102とが接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1では、図9のゲインステージは、チャネル15a側のスイッチ群はサンプリングフェーズであり、容量デバイスCsa,Cfaにアナログ入力AINP,AINNが接続され、容量デバイスCsa,Cfaと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとの間のスイッチsw1aはオフしている。このとき、チャネル15b側がホールドフェーズであり、容量デバイスCsb,Cfbと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとがスイッチsw1bによって接続される。また、図1の構成において、スイッチS1,S3がオンになり、スイッチS2,S4がオフになり、正側入力端子Vinpと容量デバイス101とが接続され、負側入力端子Vinnと容量デバイス102とが接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1の演算が収束した結果、差動増幅器100の入力端子間電位差は、
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。ここで、Aは差動増幅器100のDCゲインを表す。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の(3)式で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
…(3)
ここで、Cinはトランジスタの入力容量(ゲートドレイン間、ゲートソース間、ゲート基板間含む)であり、Cpは入力トランジスタのゲートの配線寄生容量、C101は容量デバイス101の容量値、C101pは容量デバイス101の配線寄生容量を表す。同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。C102は容量デバイス102の容量値、C102pは容量デバイス102の配線寄生容量を表す。
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。ここで、Aは差動増幅器100のDCゲインを表す。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の(3)式で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
…(3)
ここで、Cinはトランジスタの入力容量(ゲートドレイン間、ゲートソース間、ゲート基板間含む)であり、Cpは入力トランジスタのゲートの配線寄生容量、C101は容量デバイス101の容量値、C101pは容量デバイス101の配線寄生容量を表す。同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。C102は容量デバイス102の容量値、C102pは容量デバイス102の配線寄生容量を表す。
[φ2の動作]
φ2では、逆にスイッチsw1aがオンになり、チャネル15a側のスイッチ群がホールドフェーズになり、チャネル15b側のスイッチ群がサンプリングフェーズになる。差動増幅器100において、スイッチS1,S3がオフになり、スイッチS2,S4がオンになる。これによりφ1とは逆に、正側入力端子Vinpに容量デバイス102が接続され、負側入力端子Vinnに容量デバイス101が接続される。
φ2では、逆にスイッチsw1aがオンになり、チャネル15a側のスイッチ群がホールドフェーズになり、チャネル15b側のスイッチ群がサンプリングフェーズになる。差動増幅器100において、スイッチS1,S3がオフになり、スイッチS2,S4がオンになる。これによりφ1とは逆に、正側入力端子Vinpに容量デバイス102が接続され、負側入力端子Vinnに容量デバイス101が接続される。
入力トランジスタ2,3と容量デバイス101,102に蓄積された電荷量は、φ1から保存されるため、φ2に移行した際の正側入力端子Vinpの電荷量Qin2’は、容量デバイスに蓄積された電荷の項だけ入れ替わり、
Qin2’=Vinp×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
となる。
Vinn=−Vinp
であることから、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となる。
Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101p
になるように容量デバイスとその配線寄生容量を設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
Qin2’=Vinp×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
となる。
Vinn=−Vinp
であることから、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となる。
Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101p
になるように容量デバイスとその配線寄生容量を設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
負側入力端子Vinnについても同様に、φ2に移行した際の電荷量Qin3’は、
Qin3’=Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、正負入力端子にφ1演算結果から蓄積された電荷について打ち消すことができ、φ2に移行した際もチャネル15b側の演算結果に履歴効果として干渉しない。
Qin3’=Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、正負入力端子にφ1演算結果から蓄積された電荷について打ち消すことができ、φ2に移行した際もチャネル15b側の演算結果に履歴効果として干渉しない。
このため、上述の式(2)中の履歴項を低減して、差動増幅器100を時分割共有する場合でも、ゲインステージにおいて、精度劣化を招くことなく演算を行うことが可能である。また、本実施形態では、上述の特許文献2にように演算のセトリング特性の劣化を招くことなく、残留電荷の履歴効果を低減することが可能である。
このように本実施形態によると、差動増幅器の入力端子に容量デバイスを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態2)
図2は実施形態2に係る差動増幅器の構成図を示す。図2の差動増幅器100は、図1の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図2の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に、ソースがそれぞれ接続された第1および第2のダミートランジスタ103,104と、第1および第2のダミートランジスタ103,104のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、ダミートランジスタ103、104は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
図2は実施形態2に係る差動増幅器の構成図を示す。図2の差動増幅器100は、図1の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図2の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に、ソースがそれぞれ接続された第1および第2のダミートランジスタ103,104と、第1および第2のダミートランジスタ103,104のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、ダミートランジスタ103、104は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
スイッチ部20は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS1,S2,S3,S4を備えている。スイッチS1,S2は第1のダミートランジスタ103のゲートと、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS3,S4は第2のダミートランジスタ104のゲートと、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。実施形態1と同様に、スイッチS1,S3は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS2,S4はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図2の構成では、第1および第2のダミートランジスタ103,104のドレインは、ソースと短絡されているが、このドレインについては、未接続状態としてもよい。
位相φ1終了時での正側入力端子Vinpに蓄積された電荷は、実施形態1で示した式(3)と同様に、下の式(4)で表わされる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
…(4)
ここで、Cduminはダミートランジスタの入力容量、Cdumpはダミートランジスタのゲートの配線寄生容量を示している。入力トランジスタの入力容量Cinは、ゲートソース間容量Cgs、ゲートドレイン間容量Cgdおよびゲート基板間容量Cgbで構成され、以下では、入力トランジスタと同サイズのトランジスタの入力容量はCgs、Cgd、Cgbで表記することとする。また、Cduminも同様に分けることができ、ドレインソース端子を短絡した場合はCgd=Cgsとなる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
…(4)
ここで、Cduminはダミートランジスタの入力容量、Cdumpはダミートランジスタのゲートの配線寄生容量を示している。入力トランジスタの入力容量Cinは、ゲートソース間容量Cgs、ゲートドレイン間容量Cgdおよびゲート基板間容量Cgbで構成され、以下では、入力トランジスタと同サイズのトランジスタの入力容量はCgs、Cgd、Cgbで表記することとする。また、Cduminも同様に分けることができ、ドレインソース端子を短絡した場合はCgd=Cgsとなる。
位相φ2に移行した際、正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2’は、ダミートランジスタの電荷量の項が入れ替わり、
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。例えば、ダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2*Cgs+Cgb
となるため、
Cin−Cdumin=Cgd−Cgs
となり、電荷量を大きく低減することができる。また入力トランジスタとダミートランジスタの配線寄生容量を揃えることにより、Qin2’をさらに低減することができる。
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。例えば、ダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2*Cgs+Cgb
となるため、
Cin−Cdumin=Cgd−Cgs
となり、電荷量を大きく低減することができる。また入力トランジスタとダミートランジスタの配線寄生容量を揃えることにより、Qin2’をさらに低減することができる。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態3)
図3は実施形態3に係る差動増幅器の構成図を示す。図3の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の一端と入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。
図3は実施形態3に係る差動増幅器の構成図を示す。図3の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の一端と入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。
第1のスイッチ部31は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS9,S10,S11,S12を備えている。スイッチS9,S10は第1の容量デバイス101の一端と、入力トランジスタ2,3のドレインとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS11,S12は第2の容量デバイス102の一端と、入力トランジスタ3,2のドレインとの間にそれぞれ設けられている。
第2のスイッチ部32は、第5〜第8のスイッチとしてのスイッチS5,S6,S7,S8を備えている。スイッチS5,S6は第1の容量デバイス101の他端と、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS7,S8は第2の容量デバイス102の他端と、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。
スイッチS5,S7,S9,S11は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12はその逆の位相φ2でオンになる。
各位相φ1,φ2の動作について説明する。
[φ1の動作]
φ1では、スイッチS5,S7,S9,S11がオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオフになる。この結果、第1の容量デバイス101はスイッチS5,S9を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS7,S11を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1では、スイッチS5,S7,S9,S11がオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオフになる。この結果、第1の容量デバイス101はスイッチS5,S9を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS7,S11を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1での演算が収束した結果、差動増幅器100の入力端子間電位差は、
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の実施形態1で示した式(3)で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の実施形態1で示した式(3)で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。
[φ2の動作]
φ2では、スイッチS5,S7,S9,S11がオフになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオンになる。これによりφ1とは逆に、第1の容量デバイス101はスイッチS6,S10を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS8,S12を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続される。
φ2では、スイッチS5,S7,S9,S11がオフになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオンになる。これによりφ1とは逆に、第1の容量デバイス101はスイッチS6,S10を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS8,S12を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続される。
入力トランジスタ2,3と容量デバイス101,102に蓄積された電荷量は、φ1から保存されるため、φ2に移行した際の正側入力端子Vinpの電荷量Qin2’は、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となり、Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101pになるように設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となり、Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101pになるように設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
負側入力端子Vinnについても同様に、
Q3’= Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、本実施形態では、入力端子に残る電荷の干渉による履歴効果を低減することが可能である。
Q3’= Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、本実施形態では、入力端子に残る電荷の干渉による履歴効果を低減することが可能である。
このように本実施形態によると、差動増幅器の入力端子に容量デバイスを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態4)
図4は実施形態4に係る差動増幅器の構成図を示す。図4の差動増幅器100は、図3の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図4の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2のダミートランジスタ105,106と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のドレインと入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。なお、実施形態2と同様に、ダミートランジスタ105,106は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
図4は実施形態4に係る差動増幅器の構成図を示す。図4の差動増幅器100は、図3の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図4の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2のダミートランジスタ105,106と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のドレインと入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。なお、実施形態2と同様に、ダミートランジスタ105,106は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
第1のスイッチ部31は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS9,S10,S11,S12を備えている。スイッチS9,S10は第1のダミートランジスタ105のドレインと、入力トランジスタ2,3のドレインとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS11,S12は第2のダミートランジスタ106のドレインと、入力トランジスタ3,2のドレインとの間にそれぞれ設けられている。
第2のスイッチ部32は、第5〜第8のスイッチとしてのスイッチS5,S6,S7,S8を備えている。スイッチS5,S6は第1のダミートランジスタ105のゲートと、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS7,S8は第2のダミートランジスタ106のゲートと、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。
スイッチS5,S7,S9,S11は同じ位相φ1でオンになり(図4に示した接続状態)、スイッチS6,S8,S10,S12はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図4の構成では、第1および第2のダミートランジスタ105,106のソースは、ドレインと短絡されているが、このソースについては、未接続状態としてもよい。
位相φ1終了時での正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2は、実施形態2で示した式(4)と同様に、
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
と表わされる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
と表わされる。
位相φ2に移行した際、正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2’は、
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。よって実施形態2と同様に、例えばダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2*Cgd+Cgb
となる。これにより、
Cin−Cdumin=Cgs−Cgd
となり、電荷量を大きく低減することができる。実施形態2と同様に、CgdとCgsを比較して考えた場合、入力トランジスタのトランスコンダクタンスgmと入力トランジスタのドレイン側負荷抵抗によるミラー効果によりCgdの成分の効果が大きく、これに応じたダミートランジスタのサイズ調整が必要になる。
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。よって実施形態2と同様に、例えばダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2*Cgd+Cgb
となる。これにより、
Cin−Cdumin=Cgs−Cgd
となり、電荷量を大きく低減することができる。実施形態2と同様に、CgdとCgsを比較して考えた場合、入力トランジスタのトランスコンダクタンスgmと入力トランジスタのドレイン側負荷抵抗によるミラー効果によりCgdの成分の効果が大きく、これに応じたダミートランジスタのサイズ調整が必要になる。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を図ることができる。
(実施形態5)
図5は実施形態5に係る差動増幅器の構成図を示す。図5の差動増幅器100は、差動入力部1と、図2に示したダミートランジスタ103,104およびスイッチ部20と、図4に示したダミートランジスタ105,106並びに第1および第2のスイッチ部31,32とを備えている。そして、その動作は実施形態2,4と同様であり、位相φ1とφ2において実施形態2,4に示したようにスイッチ制御を行う。
図5は実施形態5に係る差動増幅器の構成図を示す。図5の差動増幅器100は、差動入力部1と、図2に示したダミートランジスタ103,104およびスイッチ部20と、図4に示したダミートランジスタ105,106並びに第1および第2のスイッチ部31,32とを備えている。そして、その動作は実施形態2,4と同様であり、位相φ1とφ2において実施形態2,4に示したようにスイッチ制御を行う。
なお、図5の構成では、ダミートランジスタ103,104,105,106はドレインとソースが短絡されているが、ダミートランジスタ103,104は少なくともソースが接続されておればよく、ダミートランジスタ105,106は少なくともドレインが接続されていればよい。
ダミートランジスタ103,104,105,106のサイズWが、入力トランジスタ2,3の半分のサイズに設定されているものとする。この場合、ダミートランジスタ103のゲートドレイン容量はゲートソース容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は、
2*(1/2)*Cgs
となる。また、ダミートランジスタ105のゲートソース容量はゲートドレイン容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は
2*(1/2)*Cgd
となる。これにより、位相φ1が終了し位相φ2が開始した時点の正側入力端子Vinpの電荷Qin2’は、入力トランジスタのゲートドレイン間容量、ゲートソース間容量、ゲート基板間容量が、それぞれ、2個のダミートランジスタの合計値と等しくなるため、
Qin2’=Vinp×(Cgs+Cgd+Cgb+Cp)
−Vinp×{Cgs+Cgd+2*(1/2)*Cgb+2*Cdump}
=Vinp(Cp−2*Cdump)
となる。入力トランジスタの配線寄生容量に対し、ダミートランジスタの配線寄生容量を調整することによって、電荷を完全にキャンセルすることができる。
2*(1/2)*Cgs
となる。また、ダミートランジスタ105のゲートソース容量はゲートドレイン容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は
2*(1/2)*Cgd
となる。これにより、位相φ1が終了し位相φ2が開始した時点の正側入力端子Vinpの電荷Qin2’は、入力トランジスタのゲートドレイン間容量、ゲートソース間容量、ゲート基板間容量が、それぞれ、2個のダミートランジスタの合計値と等しくなるため、
Qin2’=Vinp×(Cgs+Cgd+Cgb+Cp)
−Vinp×{Cgs+Cgd+2*(1/2)*Cgb+2*Cdump}
=Vinp(Cp−2*Cdump)
となる。入力トランジスタの配線寄生容量に対し、ダミートランジスタの配線寄生容量を調整することによって、電荷を完全にキャンセルすることができる。
ここで、差動増幅器のDCゲインAを40dBに設計し、参照電圧Vrefを0.5Vとし、サンプリング容量Cs,Cfと寄生容量Cpとが等しい(Cs=Cf=Cp)としてシミュレーションを行った。このシミュレーションの結果、従来技術の場合は5.1mVの履歴効果による誤差が生じたのに対して、本実施形態のようにダミートランジスタを追加したことによって、履歴効果による誤差が0.3mVまで削減されるという効果が確認された。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態6)
図6は実施形態6に係る差動増幅器の周辺回路構成図であり、図7は図6におけるスイッチ制御を示すタイミングチャートである。
図6は実施形態6に係る差動増幅器の周辺回路構成図であり、図7は図6におけるスイッチ制御を示すタイミングチャートである。
図6に示すスイッチsw1a,sw1bは、図9に示した、ゲインステージにおいて差動増幅器100の差動入力をチャネル15a,15b間で切り替えるためのスイッチsw1a,sw1bに対応している。なお、ここでは、差動増幅器100として、実施形態2に係るスイッチS1,S2,S3,S4を含む構成を図示している(他の構成要素は図示を省略)。ただし、図6の差動増幅器100はこの限りではなく、上述の実施形態1〜5に係るいずれかの差動増幅器で実現できる。
図7のタイミングチャートは図6におけるスイッチ動作と対応しており、φ1pはφ1よりも立下りが早いクロックであり、同様にφ2pはφ2よりも立下りが早いクロックである。位相φ1,φ1pの立上りでスイッチsw1bとスイッチS1,S3がオンになり、φ1pの立下りでスイッチsw1bがオフ、φ1の立下りでスイッチS1,S3がオフになる。これにより、スイッチsw1bがオフする際にスイッチsw1bから流入するチャージインジェクションなどの電荷が、スイッチS1,S3がオンであることにより、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnにそれぞれ接続されている、上述した入力トランジスタとダミートランジスタのゲート容量に、電荷として保持される。
スイッチsw1bとスイッチS1,S3とが同時にオフする場合、微小なタイミングずれやクロックスルーの違いにより、スイッチsw1bからの流入電荷量を確定することができず、ダミートランジスタに蓄積される電荷と入力トランジスタに蓄積される電荷に誤差が生じる。ところが本実施形態のように、スイッチsw1bを先にオフすることによって、ダミートランジスタと入力トランジスタに蓄積される電荷量を一定にすることが可能である。位相φ2,φ2pによって制御されるスイッチsw1aとスイッチS2,S4についても同様のことが言える。
このように本実施形態では、ゲインステージ内の差動増幅器の差動入力を入れ替えるためのスイッチをオフするタイミングを、差動増幅器におけるスイッチ制御よりも先に設定することによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を図ることができる。
本発明の差動増幅器では、差動入力トランジスタに蓄積された電荷による履歴効果の低減が可能になるので、例えば、高速動作するパイプラインAD変換器の特性劣化を抑制するのに有用である。
2 第1の入力トランジスタ
3 第2の入力トランジスタ
10 パイプラインAD変換器
11 ゲインステージ
20 スイッチ部
31 第1のスイッチ部
32 第2のスイッチ部
100 差動増幅器
101 第1の容量デバイス
102 第2の容量デバイス
103 第1のダミートランジスタ
104 第2のダミートランジスタ
105 第1のダミートランジスタ
106 第2のダミートランジスタ
Vinp 正側入力端子(第1の入力端子)
Vinn 負側入力端子(第2の入力端子)
S1〜S4 第1〜第4のスイッチ
S5〜S8 第5〜第8のスイッチ
S9〜S12 第1〜第4のスイッチ
3 第2の入力トランジスタ
10 パイプラインAD変換器
11 ゲインステージ
20 スイッチ部
31 第1のスイッチ部
32 第2のスイッチ部
100 差動増幅器
101 第1の容量デバイス
102 第2の容量デバイス
103 第1のダミートランジスタ
104 第2のダミートランジスタ
105 第1のダミートランジスタ
106 第2のダミートランジスタ
Vinp 正側入力端子(第1の入力端子)
Vinn 負側入力端子(第2の入力端子)
S1〜S4 第1〜第4のスイッチ
S5〜S8 第5〜第8のスイッチ
S9〜S12 第1〜第4のスイッチ
本発明は、パイプラインAD変換器などに用いられる差動増幅器に関する。
図8はパイプラインAD変換器のブロック図を示す。図8に示すように、一般的なパイプラインAD変換器10は、縦続接続された複数のゲインステージ11(ステージ1〜n)とエンコーダ14とを備えている。各ゲインステージ11は、入力したアナログ信号をデジタル変換して得られたデジタル信号D1〜Dnを出力するとともに、入力したアナログ信号から、このデジタル信号D1〜Dnに対応するアナログ量を加減算し、これを例えば2倍して得られたアナログ信号を次段のゲインステージ11に出力する。エンコーダ14は、各ゲインステージ11から出力されたデジタル信号D1〜Dnを1ビットずつシフトして加算し、パイプラインAD変換器10のデジタル出力を生成する。
また図8の下部には、ゲインステージ11の回路構成例を示している。ここではステージ1の回路構成を代表して示しているが、他のゲインステージ11も同様の構成である。各ゲインステージ11は、サブA/D変換器12、サブD/A変換器13、並びに、スイッチ群、サンプリング容量Cs,Cf、および増幅器100Aで構成されるスイッチトキャパシタ回路を備えている。ゲインステージ11(ステージ1)では、入力されたアナログ入力VinをサブAD変換器12によりAD変換してデジタル値D1を出力する。また、そのデジタル値D1をサブDA変換器13によりアナログ値に変換する。スイッチトキャパシタ回路で実現された増幅部は、サブDA変換器13から出力されたアナログ値をアナログ入力Vinから減算して、結果をゲイン倍(1.5bitステージの理想値は2倍)する。
ゲインステージ11の増幅部では、図8中のタイミングチャートに示した位相φ1、φ2でそれぞれのスイッチがオンする。異なる位相φ1,φ2のクロックによりスイッチを制御することによって、次の式(1)が得られる。
ここで、Aは増幅器100AのDCゲイン、Vrefは参照電圧である。1.5bitステージ方式では、サンプリング容量Cs,Cfの容量値をCs=Cfの関係に設定し、約2倍のゲインを実現する。また、Cpは増幅器100Aの入力端子に付加される寄生容量を表している。また図では省略しているが、位相φ1の際、増幅器100Aは能動状態にあり、一般的には、差動入力端子を短絡して前位相の演算結果が差動入力の容量に電荷として残らないようにリセットする。同時に出力端子をリセットすることもできる。
パイプラインAD変換器の低消費電力化や省面積化の実現のために、特許文献1では、2チャネルのゲインステージを位相毎に制御し、並列に信号を処理して高速化を実現するパイプラインAD変換器において、差動増幅器を2チャネル間で共有することによってその個数を削減し、低消費電力を実現するダブルサンプリング技術が開示されている。
また、非特許文献1では、隣り合うゲインステージでは、互いに逆の位相で差動増幅器が能動動作を行うことを利用して、隣り合うゲインステージ間で時分割で差動増幅器を共有するアンプシェア技術が開示されている。
ダブルサンプリングやアンプシェアのように差動増幅器を時分割で共有する構成の場合、差動増幅器の入力容量や寄生容量に前の位相の電荷が履歴として保持され、次の位相のゲインステージ動作における電荷演算結果に干渉が起こるという問題が生じる。上述の式(1)の伝達関数に対して、前位相の演算結果が差動増幅器の入力寄生容量Cpに蓄積された結果として、式(2)が得られる。
ここで、Vout−1は前位相のアナログ出力電圧Voutを表し、式(2)の最終項が履歴項であり、前位相の入力信号依存の干渉となる。
これらの電荷の履歴による信号の干渉は、パイプラインAD変換器の積分非直線性(INL:Integral Non Linearity)や微分非直線性(DNL:Differential Non Linearity)および全高調波ひずみ(THD:Total Harmonic Distortion)の劣化の原因となる。
この問題を回避するためには、例えば、各位相の終了と開始の間にリセット期間を設け、差動増幅器の入力端子をリセットするという方法がある。ところがこの方法は、制御回路の複雑化につながり、また、動作速度が低下することになるので、特にダブルサンプリングのように高速化を目的とした技術では、好ましくない。
また、例えば特許文献2では、2つの差動増幅器と、それぞれの差動増幅器の正負入力端子に接続するスイッチにより、第1の位相では2つの差動増幅器の正入力端子と正入力端子、負入力端子と負入力端子を接続し、第2の位相では入力端子の接続を入れ替え正と負、負と正の入力端子を接続することにより、差動増幅器の入力容量や寄生容量に保持された電荷をキャンセルする方法が示されている。
"A 250-mW,8-b,52-MSamples/s Parallel-Pipelined A/D Converter with Reduced Number of Amplifiers",IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.32,NO.3,MARCH 1997
ところが、特許文献2の方法では、従来のゲインステージ構成に加え、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加することになり、演算のセトリング特性の劣化につながる。
そこで、本発明は、差動増幅器において、例えば時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を、演算のセトリング特性の劣化を招くことなく、低減可能にすることを目的とする。
本発明の一態様では、差動増幅器として、
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
前記第1および第2の入力トランジスタのソースに、一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替えるスイッチ部とを備えたものである。
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
前記第1および第2の入力トランジスタのソースに、一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替えるスイッチ部とを備えたものである。
この発明の態様によると、スイッチ部によって、第1および第2の入力端子に接続される容量デバイスが、位相毎に、切り替えられる。このため、前の位相において入力トランジスタの入力容量や配線寄生容量に蓄積された電荷を、容量デバイスに蓄積される電荷によって、打ち消すことが可能になる。したがって、例えば差動増幅器を時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を低減することができる。しかも、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加する必要がないので、演算のセトリング特性の劣化は生じない。
また、本発明の一態様は、差動増幅器として、
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの一端と前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第1のスイッチ部と、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第2のスイッチ部とを備えたものである。
差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの一端と前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第1のスイッチ部と、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第2のスイッチ部とを備えたものである。
この発明の態様によると、第1および第2のスイッチ部によって、第1および第2の入力端子に接続される容量デバイスが、位相毎に、切り替えられる。このため、前の位相において入力トランジスタの入力容量や配線寄生容量に蓄積された電荷を、容量デバイスに蓄積される電荷によって、打ち消すことが可能になる。したがって、例えば差動増幅器を時分割で共有する際の入力端子に残る電荷による履歴効果を低減することができる。しかも、差動増幅器の出力端子から入力端子へのフィードバックループにスイッチを追加する必要がないので、演算のセトリング特性の劣化は生じない。
本発明の差動増幅器によると、2つの入力端子に接続される容量デバイスの接続を、スイッチ制御で位相毎に入れ替えるので、入力トランジスタに蓄積された電荷による履歴効果を低減することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は実施形態1に係る差動増幅器の構成図を示す。図1の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、差動入力部1に関しては、便宜的にNchトランジスタ構成を示すが、トランジスタ種類や回路構成は図示した構成に限定されるものではない。他の実施形態についても同様である。また、容量デバイス101,102は、例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量やMOM(Metal-Oxide-Metal)容量などで実現可能であるが、後述するように、Pch,Nchトランジスタでも実現可能である。
図1は実施形態1に係る差動増幅器の構成図を示す。図1の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、差動入力部1に関しては、便宜的にNchトランジスタ構成を示すが、トランジスタ種類や回路構成は図示した構成に限定されるものではない。他の実施形態についても同様である。また、容量デバイス101,102は、例えば、MIM(Metal-Insulator-Metal)容量やMOM(Metal-Oxide-Metal)容量などで実現可能であるが、後述するように、Pch,Nchトランジスタでも実現可能である。
スイッチ部20は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS1,S2,S3,S4を備えている。スイッチS1,S2は第1の容量デバイス101の他端と、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS3,S4は第2の容量デバイス102の他端と、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。スイッチS1,S3は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS2,S4はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図1の構成では、第1および第2の容量デバイス101,102の一端は、直接トランジスタ2,3のソースに接続されているが、その間にスイッチを設けてもかまわない。
図1の差動増幅器100は、ダブルサンプリングやアンプシェアなど時分割で差動増幅器を共有する構成に用いることが可能である。図9はダブルサンプリング技術を適応したゲインステージに図1の差動増幅器100を用いた構成を示している。図9の構成では、差動増幅器100の差動入力Vinp,Vinnのそれぞれに関して、図8に示したようなスイッチとサンプリング容量の群を、チャネル15a,15bとして並列に2つ備えている。そしてスイッチsw1a,sw1bによって、差動増幅器100の差動入力Vinp,Vinnと2つのチャネル15a,15bとを位相毎に交互に接続し、時分割で差動増幅器100を共有する。これにより、消費電力を増加させることなく演算速度を約2倍にすることを可能とする。位相φ1,位相φ2を制御するクロックは、図8のタイミングチャートで示したものと同様である。
ここでは図9を用いて、図1の差動増幅器100をダブルサンプリングに適応した場合の動作を説明する。なお、差動増幅器100のスイッチ制御は、図9のゲインステージに用いるものと同じクロックによって実現することができる。以下、位相毎の動作の詳細について説明する。
[φ1の動作]
φ1では、図9のゲインステージは、チャネル15a側のスイッチ群はサンプリングフェーズであり、容量デバイスCsa,Cfaにアナログ入力AINP,AINNが接続され、容量デバイスCsa,Cfaと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとの間のスイッチsw1aはオフしている。このとき、チャネル15b側がホールドフェーズであり、容量デバイスCsb,Cfbと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとがスイッチsw1bによって接続される。また、図1の構成において、スイッチS1,S3がオンになり、スイッチS2,S4がオフになり、正側入力端子Vinpと容量デバイス101とが接続され、負側入力端子Vinnと容量デバイス102とが接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1では、図9のゲインステージは、チャネル15a側のスイッチ群はサンプリングフェーズであり、容量デバイスCsa,Cfaにアナログ入力AINP,AINNが接続され、容量デバイスCsa,Cfaと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとの間のスイッチsw1aはオフしている。このとき、チャネル15b側がホールドフェーズであり、容量デバイスCsb,Cfbと差動増幅器100の入力端子Vinn,Vinpとがスイッチsw1bによって接続される。また、図1の構成において、スイッチS1,S3がオンになり、スイッチS2,S4がオフになり、正側入力端子Vinpと容量デバイス101とが接続され、負側入力端子Vinnと容量デバイス102とが接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1の演算が収束した結果、差動増幅器100の入力端子間電位差は、
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。ここで、Aは差動増幅器100のDCゲインを表す。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の(3)式で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
…(3)
ここで、Cinはトランジスタの入力容量(ゲートドレイン間、ゲートソース間、ゲート基板間含む)であり、Cpは入力トランジスタのゲートの配線寄生容量、C101は容量デバイス101の容量値、C101pは容量デバイス101の配線寄生容量を表す。同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。C102は容量デバイス102の容量値、C102pは容量デバイス102の配線寄生容量を表す。
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。ここで、Aは差動増幅器100のDCゲインを表す。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の(3)式で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
…(3)
ここで、Cinはトランジスタの入力容量(ゲートドレイン間、ゲートソース間、ゲート基板間含む)であり、Cpは入力トランジスタのゲートの配線寄生容量、C101は容量デバイス101の容量値、C101pは容量デバイス101の配線寄生容量を表す。同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。C102は容量デバイス102の容量値、C102pは容量デバイス102の配線寄生容量を表す。
[φ2の動作]
φ2では、逆にスイッチsw1aがオンになり、チャネル15a側のスイッチ群がホールドフェーズになり、チャネル15b側のスイッチ群がサンプリングフェーズになる。差動増幅器100において、スイッチS1,S3がオフになり、スイッチS2,S4がオンになる。これによりφ1とは逆に、正側入力端子Vinpに容量デバイス102が接続され、負側入力端子Vinnに容量デバイス101が接続される。
φ2では、逆にスイッチsw1aがオンになり、チャネル15a側のスイッチ群がホールドフェーズになり、チャネル15b側のスイッチ群がサンプリングフェーズになる。差動増幅器100において、スイッチS1,S3がオフになり、スイッチS2,S4がオンになる。これによりφ1とは逆に、正側入力端子Vinpに容量デバイス102が接続され、負側入力端子Vinnに容量デバイス101が接続される。
入力トランジスタ2,3と容量デバイス101,102に蓄積された電荷量は、φ1から保存されるため、φ2に移行した際の正側入力端子Vinpの電荷量Qin2’は、容量デバイスに蓄積された電荷の項だけ入れ替わり、
Qin2’=Vinp×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
となる。
Vinn=−Vinp
であることから、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となる。
Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101p
になるように容量デバイスとその配線寄生容量を設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
Qin2’=Vinp×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
となる。
Vinn=−Vinp
であることから、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となる。
Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101p
になるように容量デバイスとその配線寄生容量を設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
負側入力端子Vinnについても同様に、φ2に移行した際の電荷量Qin3’は、
Qin3’=Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、正負入力端子にφ1演算結果から蓄積された電荷について打ち消すことができ、φ2に移行した際もチャネル15b側の演算結果に履歴効果として干渉しない。
Qin3’=Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、正負入力端子にφ1演算結果から蓄積された電荷について打ち消すことができ、φ2に移行した際もチャネル15b側の演算結果に履歴効果として干渉しない。
このため、上述の式(2)中の履歴項を低減して、差動増幅器100を時分割共有する場合でも、ゲインステージにおいて、精度劣化を招くことなく演算を行うことが可能である。また、本実施形態では、上述の特許文献2にように演算のセトリング特性の劣化を招くことなく、残留電荷の履歴効果を低減することが可能である。
このように本実施形態によると、差動増幅器の入力端子に容量デバイスを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態2)
図2は実施形態2に係る差動増幅器の構成図を示す。図2の差動増幅器100は、図1の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図2の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に、ソースがそれぞれ接続された第1および第2のダミートランジスタ103,104と、第1および第2のダミートランジスタ103,104のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、ダミートランジスタ103、104は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
図2は実施形態2に係る差動増幅器の構成図を示す。図2の差動増幅器100は、図1の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図2の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、トランジスタ2,3のソース(電流源0に共通に接続されている)に、ソースがそれぞれ接続された第1および第2のダミートランジスタ103,104と、第1および第2のダミートランジスタ103,104のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替えるスイッチ部20とを備えている。なお、ダミートランジスタ103、104は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
スイッチ部20は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS1,S2,S3,S4を備えている。スイッチS1,S2は第1のダミートランジスタ103のゲートと、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS3,S4は第2のダミートランジスタ104のゲートと、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。実施形態1と同様に、スイッチS1,S3は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS2,S4はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図2の構成では、第1および第2のダミートランジスタ103,104のドレインは、ソースと短絡されているが、このドレインについては、未接続状態としてもよい。
位相φ1終了時での正側入力端子Vinpに蓄積された電荷は、実施形態1で示した式(3)と同様に、下の式(4)で表わされる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
…(4)
ここで、Cduminはダミートランジスタの入力容量、Cdumpはダミートランジスタのゲートの配線寄生容量を示している。入力トランジスタの入力容量Cinは、ゲートソース間容量Cgs、ゲートドレイン間容量Cgdおよびゲート基板間容量Cgbで構成され、以下では、入力トランジスタと同サイズのトランジスタの入力容量はCgs、Cgd、Cgbで表記することとする。また、Cduminも同様に分けることができ、ドレインソース端子を短絡した場合はCgd=Cgsとなる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
…(4)
ここで、Cduminはダミートランジスタの入力容量、Cdumpはダミートランジスタのゲートの配線寄生容量を示している。入力トランジスタの入力容量Cinは、ゲートソース間容量Cgs、ゲートドレイン間容量Cgdおよびゲート基板間容量Cgbで構成され、以下では、入力トランジスタと同サイズのトランジスタの入力容量はCgs、Cgd、Cgbで表記することとする。また、Cduminも同様に分けることができ、ドレインソース端子を短絡した場合はCgd=Cgsとなる。
位相φ2に移行した際、正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2’は、ダミートランジスタの電荷量の項が入れ替わり、
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。例えば、ダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2×Cgs+Cgb
となるため、
Cin−Cdumin=Cgd−Cgs
となり、電荷量を大きく低減することができる。また入力トランジスタとダミートランジスタの配線寄生容量を揃えることにより、Qin2’をさらに低減することができる。
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。例えば、ダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2×Cgs+Cgb
となるため、
Cin−Cdumin=Cgd−Cgs
となり、電荷量を大きく低減することができる。また入力トランジスタとダミートランジスタの配線寄生容量を揃えることにより、Qin2’をさらに低減することができる。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態3)
図3は実施形態3に係る差動増幅器の構成図を示す。図3の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の一端と入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。
図3は実施形態3に係る差動増幅器の構成図を示す。図3の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2の容量デバイス101,102と、第1および第2の容量デバイス101,102の一端と入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2の容量デバイス101,102の他端と正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。
第1のスイッチ部31は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS9,S10,S11,S12を備えている。スイッチS9,S10は第1の容量デバイス101の一端と、入力トランジスタ2,3のドレインとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS11,S12は第2の容量デバイス102の一端と、入力トランジスタ3,2のドレインとの間にそれぞれ設けられている。
第2のスイッチ部32は、第5〜第8のスイッチとしてのスイッチS5,S6,S7,S8を備えている。スイッチS5,S6は第1の容量デバイス101の他端と、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS7,S8は第2の容量デバイス102の他端と、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。
スイッチS5,S7,S9,S11は同じ位相φ1でオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12はその逆の位相φ2でオンになる。
各位相φ1,φ2の動作について説明する。
[φ1の動作]
φ1では、スイッチS5,S7,S9,S11がオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオフになる。この結果、第1の容量デバイス101はスイッチS5,S9を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS7,S11を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1では、スイッチS5,S7,S9,S11がオンになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオフになる。この結果、第1の容量デバイス101はスイッチS5,S9を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS7,S11を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続された状態(図示した接続状態)になる。
φ1での演算が収束した結果、差動増幅器100の入力端子間電位差は、
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の実施形態1で示した式(3)で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。
Vinp−Vinn=(Voutp−Voutn)/A
となる。φ1の終了時には、正側入力端子Vinpには、下の実施形態1で示した式(3)で得られる電荷Qin2が蓄積される。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(C101+C101p)
同様に、負側入力端子Vinnには、
Qin3=Vinn×(Cin+Cp)+Vinn×(C102+C102p)
の電荷が蓄積される。
[φ2の動作]
φ2では、スイッチS5,S7,S9,S11がオフになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオンになる。これによりφ1とは逆に、第1の容量デバイス101はスイッチS6,S10を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS8,S12を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続される。
φ2では、スイッチS5,S7,S9,S11がオフになり、スイッチS6,S8,S10,S12がオンになる。これによりφ1とは逆に、第1の容量デバイス101はスイッチS6,S10を介して負側入力端子Vinnと入力トランジスタ3のドレインとに接続され、第2の容量デバイス102はスイッチS8,S12を介して正側入力端子Vinpと入力トランジスタ2のドレインとに接続される。
入力トランジスタ2,3と容量デバイス101,102に蓄積された電荷量は、φ1から保存されるため、φ2に移行した際の正側入力端子Vinpの電荷量Qin2’は、
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となり、Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101pになるように設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
Qin2’=Vinp×(Cin−C102+Cp−C102p)
となり、Cin=C102=C101、Cp=C102p=C101pになるように設定すれば、位相φ1に蓄積された電荷を打ち消すことができる。
負側入力端子Vinnについても同様に、
Q3’= Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、本実施形態では、入力端子に残る電荷の干渉による履歴効果を低減することが可能である。
Q3’= Vinn×(Cin−C101+Cp−C101p)
となり、電荷を打ち消すことができる。これにより、本実施形態では、入力端子に残る電荷の干渉による履歴効果を低減することが可能である。
このように本実施形態によると、差動増幅器の入力端子に容量デバイスを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態4)
図4は実施形態4に係る差動増幅器の構成図を示す。図4の差動増幅器100は、図3の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図4の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2のダミートランジスタ105,106と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のドレインと入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。なお、実施形態2と同様に、ダミートランジスタ105,106は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
図4は実施形態4に係る差動増幅器の構成図を示す。図4の差動増幅器100は、図3の構成において、容量デバイスをダミートランジスタによって構成したものである。すなわち、図4の差動増幅器100は、差動入力が与えられる第1および第2の入力端子としての正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnと、第1および第2の入力トランジスタとしてのNchトランジスタ2,3と電流源0とを有する差動入力部1と、第1および第2のダミートランジスタ105,106と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のドレインと入力トランジスタ2,3のドレインとの間の接続を位相毎に切り替える第1のスイッチ部31と、第1および第2のダミートランジスタ105,106のゲートと正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間の接続を位相毎に切り替える第2のスイッチ部32とを備えている。なお、実施形態2と同様に、ダミートランジスタ105,106は、入力トランジスタ2,3と同型のトランジスタに限定されるものではないが、ここでは同型のNchトランジスタを用いるものとしている。
第1のスイッチ部31は、第1〜第4のスイッチとしてのスイッチS9,S10,S11,S12を備えている。スイッチS9,S10は第1のダミートランジスタ105のドレインと、入力トランジスタ2,3のドレインとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS11,S12は第2のダミートランジスタ106のドレインと、入力トランジスタ3,2のドレインとの間にそれぞれ設けられている。
第2のスイッチ部32は、第5〜第8のスイッチとしてのスイッチS5,S6,S7,S8を備えている。スイッチS5,S6は第1のダミートランジスタ105のゲートと、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnとの間にそれぞれ設けられている。また、スイッチS7,S8は第2のダミートランジスタ106のゲートと、負側入力端子Vinnおよび正側入力端子Vinpとの間にそれぞれ設けられている。
スイッチS5,S7,S9,S11は同じ位相φ1でオンになり(図4に示した接続状態)、スイッチS6,S8,S10,S12はその逆の位相φ2でオンになる。
なお、図4の構成では、第1および第2のダミートランジスタ105,106のソースは、ドレインと短絡されているが、このソースについては、未接続状態としてもよい。
位相φ1終了時での正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2は、実施形態2で示した式(4)と同様に、
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
と表わされる。
Qin2=Vinp×(Cin+Cp)+Vinp×(Cdumin+Cdump)
と表わされる。
位相φ2に移行した際、正側入力端子Vinpに蓄積された電荷Qin2’は、
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。よって実施形態2と同様に、例えばダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2×Cgd+Cgb
となる。これにより、
Cin−Cdumin=Cgs−Cgd
となり、電荷量を大きく低減することができる。実施形態2と同様に、CgdとCgsを比較して考えた場合、入力トランジスタのトランスコンダクタンスgmと入力トランジスタのドレイン側負荷抵抗によるミラー効果によりCgdの成分の効果が大きく、これに応じたダミートランジスタのサイズ調整が必要になる。
Qin2’=Vinp×(Cin−Cdumin+Cp−Cdump)
となる。よって実施形態2と同様に、例えばダミートランジスタのサイズWを入力トランジスタ2のサイズWと等しく設定すると、入力トランジスタの入力容量
Cin=Cgs+Cgd+Cgb
に対し、ダミートランジスタの入力容量は、
Cdumin=2×Cgd+Cgb
となる。これにより、
Cin−Cdumin=Cgs−Cgd
となり、電荷量を大きく低減することができる。実施形態2と同様に、CgdとCgsを比較して考えた場合、入力トランジスタのトランスコンダクタンスgmと入力トランジスタのドレイン側負荷抵抗によるミラー効果によりCgdの成分の効果が大きく、これに応じたダミートランジスタのサイズ調整が必要になる。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を図ることができる。
(実施形態5)
図5は実施形態5に係る差動増幅器の構成図を示す。図5の差動増幅器100は、差動入力部1と、図2に示したダミートランジスタ103,104およびスイッチ部20と、図4に示したダミートランジスタ105,106並びに第1および第2のスイッチ部31,32とを備えている。そして、その動作は実施形態2,4と同様であり、位相φ1とφ2において実施形態2,4に示したようにスイッチ制御を行う。
図5は実施形態5に係る差動増幅器の構成図を示す。図5の差動増幅器100は、差動入力部1と、図2に示したダミートランジスタ103,104およびスイッチ部20と、図4に示したダミートランジスタ105,106並びに第1および第2のスイッチ部31,32とを備えている。そして、その動作は実施形態2,4と同様であり、位相φ1とφ2において実施形態2,4に示したようにスイッチ制御を行う。
なお、図5の構成では、ダミートランジスタ103,104,105,106はドレインとソースが短絡されているが、ダミートランジスタ103,104は少なくともソースが接続されておればよく、ダミートランジスタ105,106は少なくともドレインが接続されていればよい。
ダミートランジスタ103,104,105,106のサイズWが、入力トランジスタ2,3の半分のサイズに設定されているものとする。この場合、ダミートランジスタ103のゲートドレイン容量はゲートソース容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は、
2×(1/2)×Cgs
となる。また、ダミートランジスタ105のゲートソース容量はゲートドレイン容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は
2×(1/2)×Cgd
となる。これにより、位相φ1が終了し位相φ2が開始した時点の正側入力端子Vinpの電荷Qin2’は、入力トランジスタのゲートドレイン間容量、ゲートソース間容量、ゲート基板間容量が、それぞれ、2個のダミートランジスタの合計値と等しくなるため、
Qin2’=Vinp×(Cgs+Cgd+Cgb+Cp)
−Vinp×{Cgs+Cgd+2×(1/2)×Cgb+2×Cdump}
=Vinp(Cp−2×Cdump)
となる。入力トランジスタの配線寄生容量に対し、ダミートランジスタの配線寄生容量を調整することによって、電荷を完全にキャンセルすることができる。
2×(1/2)×Cgs
となる。また、ダミートランジスタ105のゲートソース容量はゲートドレイン容量と等しく、入力トランジスタの半分のサイズのため、入力容量は
2×(1/2)×Cgd
となる。これにより、位相φ1が終了し位相φ2が開始した時点の正側入力端子Vinpの電荷Qin2’は、入力トランジスタのゲートドレイン間容量、ゲートソース間容量、ゲート基板間容量が、それぞれ、2個のダミートランジスタの合計値と等しくなるため、
Qin2’=Vinp×(Cgs+Cgd+Cgb+Cp)
−Vinp×{Cgs+Cgd+2×(1/2)×Cgb+2×Cdump}
=Vinp(Cp−2×Cdump)
となる。入力トランジスタの配線寄生容量に対し、ダミートランジスタの配線寄生容量を調整することによって、電荷を完全にキャンセルすることができる。
ここで、差動増幅器のDCゲインAを40dBに設計し、参照電圧Vrefを0.5Vとし、サンプリング容量Cs,Cfと寄生容量Cpとが等しい(Cs=Cf=Cp)としてシミュレーションを行った。このシミュレーションの結果、従来技術の場合は5.1mVの履歴効果による誤差が生じたのに対して、本実施形態のようにダミートランジスタを追加したことによって、履歴効果による誤差が0.3mVまで削減されるという効果が確認された。
このように本実施形態によると、差動増幅器の正負入力端子のそれぞれにダミートランジスタを接続し、各位相で正負端子への接続を入れ替えることによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を得ることができる。
(実施形態6)
図6は実施形態6に係る差動増幅器の周辺回路構成図であり、図7は図6におけるスイッチ制御を示すタイミングチャートである。
図6は実施形態6に係る差動増幅器の周辺回路構成図であり、図7は図6におけるスイッチ制御を示すタイミングチャートである。
図6に示すスイッチsw1a,sw1bは、図9に示した、ゲインステージにおいて差動増幅器100の差動入力をチャネル15a,15b間で切り替えるためのスイッチsw1a,sw1bに対応している。なお、ここでは、差動増幅器100として、実施形態2に係るスイッチS1,S2,S3,S4を含む構成を図示している(他の構成要素は図示を省略)。ただし、図6の差動増幅器100はこの限りではなく、上述の実施形態1〜5に係るいずれかの差動増幅器で実現できる。
図7のタイミングチャートは図6におけるスイッチ動作と対応しており、φ1pはφ1よりも立下りが早いクロックであり、同様にφ2pはφ2よりも立下りが早いクロックである。位相φ1,φ1pの立上りでスイッチsw1bとスイッチS1,S3がオンになり、φ1pの立下りでスイッチsw1bがオフ、φ1の立下りでスイッチS1,S3がオフになる。これにより、スイッチsw1bがオフする際にスイッチsw1bから流入するチャージインジェクションなどの電荷が、スイッチS1,S3がオンであることにより、正側入力端子Vinpおよび負側入力端子Vinnにそれぞれ接続されている、上述した入力トランジスタとダミートランジスタのゲート容量に、電荷として保持される。
スイッチsw1bとスイッチS1,S3とが同時にオフする場合、微小なタイミングずれやクロックスルーの違いにより、スイッチsw1bからの流入電荷量を確定することができず、ダミートランジスタに蓄積される電荷と入力トランジスタに蓄積される電荷に誤差が生じる。ところが本実施形態のように、スイッチsw1bを先にオフすることによって、ダミートランジスタと入力トランジスタに蓄積される電荷量を一定にすることが可能である。位相φ2,φ2pによって制御されるスイッチsw1aとスイッチS2,S4についても同様のことが言える。
このように本実施形態では、ゲインステージ内の差動増幅器の差動入力を入れ替えるためのスイッチをオフするタイミングを、差動増幅器におけるスイッチ制御よりも先に設定することによって、前位相において入力端子の容量に蓄積された電荷を低減し、時分割で差動増幅器を共有した場合の入力端子に残る電荷による履歴効果の低減を図ることができる。
本発明の差動増幅器では、差動入力トランジスタに蓄積された電荷による履歴効果の低減が可能になるので、例えば、高速動作するパイプラインAD変換器の特性劣化を抑制するのに有用である。
2 第1の入力トランジスタ
3 第2の入力トランジスタ
10 パイプラインAD変換器
11 ゲインステージ
20 スイッチ部
31 第1のスイッチ部
32 第2のスイッチ部
100 差動増幅器
101 第1の容量デバイス
102 第2の容量デバイス
103 第1のダミートランジスタ
104 第2のダミートランジスタ
105 第1のダミートランジスタ
106 第2のダミートランジスタ
Vinp 正側入力端子(第1の入力端子)
Vinn 負側入力端子(第2の入力端子)
S1〜S4 第1〜第4のスイッチ
S5〜S8 第5〜第8のスイッチ
S9〜S12 第1〜第4のスイッチ
3 第2の入力トランジスタ
10 パイプラインAD変換器
11 ゲインステージ
20 スイッチ部
31 第1のスイッチ部
32 第2のスイッチ部
100 差動増幅器
101 第1の容量デバイス
102 第2の容量デバイス
103 第1のダミートランジスタ
104 第2のダミートランジスタ
105 第1のダミートランジスタ
106 第2のダミートランジスタ
Vinp 正側入力端子(第1の入力端子)
Vinn 負側入力端子(第2の入力端子)
S1〜S4 第1〜第4のスイッチ
S5〜S8 第5〜第8のスイッチ
S9〜S12 第1〜第4のスイッチ
Claims (14)
- 差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
前記第1および第2の入力トランジスタのソースに、一端がそれぞれ接続された第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替えるスイッチ部とを備えた
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項1において、
前記スイッチ部は、
前記第1の容量デバイスの他端と、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第1および第2のスイッチと、
前記第2の容量デバイスの他端と、前記第2および第1の入力端子との間にそれぞれ設けられた第3および第4のスイッチとを備えたものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項1において、
前記スイッチ部は、第1の位相において、前記第1の容量デバイスの他端と前記第1の入力端子とを接続するとともに、前記第2の容量デバイスの他端と前記第2の入力端子とを接続し、第2の位相において、前記第2の容量デバイスの他端と前記第1の入力端子とを接続するとともに、前記第1の容量デバイスの他端と前記第2の入力端子とを接続するものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項1において、
パイプラインAD変換器における2つのゲインステージ間で、時分割で共有される
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項1において、
前記第1および第2の容量デバイスは、それぞれ、第1および第2のダミートランジスタによって構成されており、
前記第1および第2のダミートランジスタは、ソースが、前記第1および第2の入力トランジスタのソースに接続されており、ゲートが、前記スイッチ部に接続されている
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項5において、
前記スイッチ部は、
前記第1のダミートランジスタのゲートと、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第1および第2のスイッチと、
前記第2のダミートランジスタのゲートと、前記第2および第1の入力端子との間にそれぞれ設けられた第3および第4のスイッチとを備えたものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - 差動入力が与えられる第1および第2の入力端子と、
前記第1および第2の入力端子と、ゲートがそれぞれ接続された第1および第2の入力トランジスタと、
第1および第2の容量デバイスと、
前記第1および第2の容量デバイスの一端と前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第1のスイッチ部と、
前記第1および第2の容量デバイスの他端と前記第1および第2の入力端子との間の接続を、制御クロックに応じて、位相毎に、切り替える第2のスイッチ部とを備えた
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項7において、
前記第1のスイッチ部は、
前記第1の容量デバイスの一端と、前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間にそれぞれ設けられた第1および第2のスイッチと、
前記第2の容量デバイスの一端と、前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間にそれぞれ設けられた第3および第4のスイッチとを備えたものであり、
前記第2のスイッチ部は、
前記第1の容量デバイスの他端と、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第5および第6のスイッチと、
前記第2の容量デバイスの他端と、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第7および第8のスイッチとを備えたものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項7において、
前記第1のスイッチ部は、第1の位相において、前記第1の容量デバイスの一端と前記第1の入力トランジスタのドレインとを接続するとともに、前記第2の容量デバイスの一端と前記第2の入力トランジスタのドレインとを接続し、第2の位相において、前記第2の容量デバイスの一端と前記第1の入力トランジスタのドレインとを接続するとともに、前記第1の容量デバイスの一端と前記第2の入力トランジスタのドレインとを接続するものであり、
前記第2のスイッチ部は、前記第1の位相において、前記第1の容量デバイスの他端と前記第1の入力端子とを接続するとともに、前記第2の容量デバイスの他端と前記第2の入力端子とを接続し、前記第2の位相において、前記第2の容量デバイスの他端と前記第1の入力端子とを接続するとともに、前記第1の容量デバイスの他端と前記第2の入力端子とを接続するものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項7において、
パイプラインAD変換器における2つのゲインステージ間で、時分割で共有される
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項7において、
前記第1および第2の容量デバイスは、それぞれ、第1および第2のダミートランジスタによって構成されており、
前記第1および第2のダミートランジスタは、ドレインが、前記第1のスイッチ部に接続されており、ゲートが、前記第2のスイッチ部に接続されている
ことを特徴とする差動増幅器。 - 請求項11において、
前記第1のスイッチ部は、
前記第1のダミートランジスタのドレインと、前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間にそれぞれ設けられた第1および第2のスイッチと、
前記第2のダミートランジスタのドレインと、前記第1および第2の入力トランジスタのドレインとの間にそれぞれ設けられた第3および第4のスイッチとを備えたものであり、
前記第2のスイッチ部は、
前記第1のダミートランジスタのゲートと、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第5および第6のスイッチと、
前記第2のダミートランジスタのゲートと、前記第1および第2の入力端子との間にそれぞれ設けられた第7および第8のスイッチとを備えたものである
ことを特徴とする差動増幅器。 - ゲインステージを備えたパイプラインAD変換器であって、
前記ゲインステージは、
請求項1記載の差動増幅器と、
サンプリング容量デバイスと、
前記差動増幅器の前記第1および第2の入力端子と、前記サンプリング容量デバイスとの間に設けられたスイッチとを備え、
前記スイッチをオフする制御タイミングが、前記差動増幅器の前記スイッチ部をオフする制御タイミングよりも早く設定されている
ことを特徴とするパイプラインAD変換器。 - ゲインステージを備えたパイプラインAD変換器であって、
前記ゲインステージは、
請求項7記載の差動増幅器と、
サンプリング容量デバイスと、
前記差動増幅器の前記第1および第2の入力端子と、前記サンプリング容量デバイスとの間に設けられたスイッチとを備え、
前記スイッチをオフする制御タイミングが、前記差動増幅器の前記第1および第2のスイッチ部をオフする制御タイミングよりも早く設定されている
ことを特徴とするパイプラインAD変換器。
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