JP2009027281A - サンプルホールド回路およびパイプラインad変換器 - Google Patents
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Abstract
【課題】低電圧動作の初段増幅器の出力端子の一端がグランドに接続されたオペアンプを有するサンプルホールド回路のスイッチのリーク電流の発生または耐圧オーバーを回避する。
【解決手段】第1のクロックが入力したとき、上記増幅器の出力をリセット容量を介して入力に供給すると共に入力信号と基準電圧との差を入力容量に充電し、第2のクロックが入力したときリセット容量が増幅器から分離されて該リセット容量に基準電圧と出力基準電圧が充電されると共に、回路の動作点を決める参照電圧がスイッチを介して入力容量に入力され、入力容量に充電された入力電圧と参照電圧との差の電荷が上記フィードバック容量に転送され、入力信号が入力容量とフィードバック容量との比によって増幅される。
【選択図】図1
【解決手段】第1のクロックが入力したとき、上記増幅器の出力をリセット容量を介して入力に供給すると共に入力信号と基準電圧との差を入力容量に充電し、第2のクロックが入力したときリセット容量が増幅器から分離されて該リセット容量に基準電圧と出力基準電圧が充電されると共に、回路の動作点を決める参照電圧がスイッチを介して入力容量に入力され、入力容量に充電された入力電圧と参照電圧との差の電荷が上記フィードバック容量に転送され、入力信号が入力容量とフィードバック容量との比によって増幅される。
【選択図】図1
Description
本発明は、スイッチトキャパシタを用いたサンプルホールド回路およびそれを用いたパイプラインAD変換器に関する。
図11に、基本的なサンプルホールド回路500の回路構成を示す。サンプルホールド回路500は、オペアンプ(増幅器)OP1とスイッチSW1a〜SW5a,SW1b〜SW5bと入力(サンプリング)容量Csa,Csbと帰還(フィードバック)容量Cfa,Cfbで構成される。
VdpとVdnは参照電圧を表し、VpinとVninはアナログ入力信号(電圧)を表し、Vcm(コモン電圧または出力基準電圧)はオペアンプOP1の出力電圧の基準を表す。スイッチSW2a,SW3a,SW2b,SW3bはクロックφ1で駆動され、SW1a,SW4a,SW1b,SW4bはクロックφ2で駆動される。またスイッチSW5a,SW5bはクロックφ1Aで駆動される。なお、クロックφ1Aはクロックφ1より位相が所定量進んでいる。
VdpとVdnは参照電圧を表し、VpinとVninはアナログ入力信号(電圧)を表し、Vcm(コモン電圧または出力基準電圧)はオペアンプOP1の出力電圧の基準を表す。スイッチSW2a,SW3a,SW2b,SW3bはクロックφ1で駆動され、SW1a,SW4a,SW1b,SW4bはクロックφ2で駆動される。またスイッチSW5a,SW5bはクロックφ1Aで駆動される。なお、クロックφ1Aはクロックφ1より位相が所定量進んでいる。
図12にサンプルホールド回路500の各スイッチを駆動するためのクロックφ1,φ2,φ1Aに関するタイミングチャートを示す。クロックφ1,φ2の波形は図12に示すようにお互いオーバーラップしないが、φ1Aはφ1より位相が所定量進んでいて、1周期の期間において一部オーバーラップしている。
図12に示すように、各スイッチSW1a〜SW5a,SW1b〜SW5bは、2相のノンオーバーラップのクロックで制御され、サンプルホールド回路500は、リセット(Reset;サンプル)モードとアンプ(AMP;ホールド)モードの2フェイズ(位相)で動作する。
次に、図11に示すサンプルホールド回路500の動作について説明する。このサンプルホールド回路500は、オペアンプOP1の入出力に対して、対称な回路構成となっているので、片側の回路について説明する。
クロックφ1とφ1AでスイッチSW2a,SW3a,SW5aが駆動されショート(導通)する。すなわち、リセットモードでオペアンプOP1の入出力はショートされ、オペアンプOP1の最も利得の高い動作点(Vaz;最高利得動作点電圧)にバイアスされる。アナログ入力電圧(Vpin,Vnin)は、最高利得動作点電圧Vazに対し入力(サンプリング)容量Csにチャージされる。この時のそれぞれの容量Cs,Cfにチャージされる電荷量は(片側のみの変化に着目)以下のようになる。ここで、入力(サンプリング)容量CsはCsa,Csbに、またフィードバック容量CfはCfa,Cfbに相当する。
クロックφ1とφ1AでスイッチSW2a,SW3a,SW5aが駆動されショート(導通)する。すなわち、リセットモードでオペアンプOP1の入出力はショートされ、オペアンプOP1の最も利得の高い動作点(Vaz;最高利得動作点電圧)にバイアスされる。アナログ入力電圧(Vpin,Vnin)は、最高利得動作点電圧Vazに対し入力(サンプリング)容量Csにチャージされる。この時のそれぞれの容量Cs,Cfにチャージされる電荷量は(片側のみの変化に着目)以下のようになる。ここで、入力(サンプリング)容量CsはCsa,Csbに、またフィードバック容量CfはCfa,Cfbに相当する。
QCs=Cs(Vpin-Vaz) ・・・(1)
QCf=Cf(Vcm-Vaz) ・・・(2)
QCf=Cf(Vcm-Vaz) ・・・(2)
一方、クロックφ2でスイッチSW1a,SW4aが駆動されショートする。すなわち、アンプモードではオペアンプOP1の入出力ショート用のスイッチSW5aはオフし容量帰還型のアンプとなる。さらに入力のスイッチSW1aは切り替えられショートしているので、このスイッチSW1aを介して参照電圧Vdpが入力容量Csに入力される。この時のそれぞれの容量Cs,Cf(Csa,Cfaに対応する)にチャージされる電荷量は下記のようになる。
QCs=Cs(Vdp-Vaz) ・・・(3)
QCf=Cf(Vop-Vaz) ・・・(4)
QCf=Cf(Vop-Vaz) ・・・(4)
リセットモードとアンプモードでトータル電荷量は一定なので、出力電圧Vpoutは下記の式(5)に導かれる。
Vpout=(Cs/Cf)*(Vpin−Vnin)+Vcm・・・(5)
この式(5)から出力電圧Vpoutは、コモン電圧Vcmを基準にアナログ入力電圧Vpin,Vpinが入力容量とフィードバック容量の容量比(Cs/Cf)倍されて出力される。
このようなスイッチトキャパシタタイプのオペアンプOP1において、入力段の増幅器に、図13に示すようなソースカップルペア入力の高利得オペアンプ600を用いるのが一般的である。
一方、昨今の低電圧化に伴い、図13に示す複数のトランジスタを縦積みにする回路構成は非常に困難になってきている。トランジスタの縦積みは出力抵抗を大きくするメリットがある反面、オペアンプOP1(600)の出力線形範囲を犠牲にする傾向にある。このため折り返し構成が採用されるケースがあるが、トータルの電流効率としては悪くなる欠点を有する。なお、Q1〜Q9はMOSトランジスタである。
これに対し、図14に示すように、非特許文献1にはソース接地タイプの入力段を有するオペアンプOP1(700)を用いて低電圧化に適したサンプルホールド回路が開示してある。なお、Q21〜Q24,Q31〜Q34はMOSトランジスタである。
一方、昨今の低電圧化に伴い、図13に示す複数のトランジスタを縦積みにする回路構成は非常に困難になってきている。トランジスタの縦積みは出力抵抗を大きくするメリットがある反面、オペアンプOP1(600)の出力線形範囲を犠牲にする傾向にある。このため折り返し構成が採用されるケースがあるが、トータルの電流効率としては悪くなる欠点を有する。なお、Q1〜Q9はMOSトランジスタである。
これに対し、図14に示すように、非特許文献1にはソース接地タイプの入力段を有するオペアンプOP1(700)を用いて低電圧化に適したサンプルホールド回路が開示してある。なお、Q21〜Q24,Q31〜Q34はMOSトランジスタである。
しかしながら図14に示すソース接地を用いたオペアンプOP1は、基準(リセット)電圧が低いので、図15,16と図17,18に図示するように下記の2点の欠点を有する。
第1に、リセットモード(図15参照)からアンプモードに移行した直後、オペアンプOP1の出力ノードの寄生容量Cstによって出力電圧Vpoutが基準電圧となり、OTA(Operational Transconductance Amplifier;電圧電流変換回路、またはオペアンプOP1)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)は参照電圧Vdp(Vdn)から、リセットモード時にフィードバック容量(帰還容量Cfa)に充電された電圧を減算した値に変化する。例えば図16(a)において、出力電圧Vpoutの電圧が+500mV、フィードバック容量Cfaの両端の電圧は1.0Vであるので、オペアンプOP1の入力端子の電圧は−500mVとなる。その結果、オペアンプOP1(OTA)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)がGND(グランド)以下で、かつスイッチSW5aの一方の端子が−500mVになる。このスイッチSW5aが例えばMOSトランジスタで構成されている場合、ゲート電圧を0.0Vとするとソース電圧が−500mVとなるので、ドレイン−ソース間にリーク電流が生じる場合がある(図16(b)参照)。
第2に、アンプモード(図17参照)からリセットモードに移行した直後、フィードバック容量Cfaのフィードバック側(スイッチSW4aとの接続端子側)の電圧が、オペアンプOP1(OTA)のアンプモード終了時に寄生容量Cstに保持された出力電圧Vpoutとアンプモード時のフィードバック容量Cfaに充電された差電圧を加算した値になる。
例えば、図18(a)に示すように、寄生容量Cstに保持された出力電圧Vpoutを+2.0Vとすると、この電圧にフィードバック容量Cfaの両端の差電圧1.5Vが加算されてスイッチSW4aの入力側の電圧は+3.5Vとなり、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのソースに+3.5Vの電圧が供給される。その結果、ゲート電圧を0.0Vとすると、オフになったこのMOSトランジスタのVgs(ゲート−ソース間電圧)(または、Vgd;ゲート−ドレイン間電圧)で耐圧オーバーを起こす可能性が高い(図18(b)参照)。
第1に、リセットモード(図15参照)からアンプモードに移行した直後、オペアンプOP1の出力ノードの寄生容量Cstによって出力電圧Vpoutが基準電圧となり、OTA(Operational Transconductance Amplifier;電圧電流変換回路、またはオペアンプOP1)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)は参照電圧Vdp(Vdn)から、リセットモード時にフィードバック容量(帰還容量Cfa)に充電された電圧を減算した値に変化する。例えば図16(a)において、出力電圧Vpoutの電圧が+500mV、フィードバック容量Cfaの両端の電圧は1.0Vであるので、オペアンプOP1の入力端子の電圧は−500mVとなる。その結果、オペアンプOP1(OTA)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)がGND(グランド)以下で、かつスイッチSW5aの一方の端子が−500mVになる。このスイッチSW5aが例えばMOSトランジスタで構成されている場合、ゲート電圧を0.0Vとするとソース電圧が−500mVとなるので、ドレイン−ソース間にリーク電流が生じる場合がある(図16(b)参照)。
第2に、アンプモード(図17参照)からリセットモードに移行した直後、フィードバック容量Cfaのフィードバック側(スイッチSW4aとの接続端子側)の電圧が、オペアンプOP1(OTA)のアンプモード終了時に寄生容量Cstに保持された出力電圧Vpoutとアンプモード時のフィードバック容量Cfaに充電された差電圧を加算した値になる。
例えば、図18(a)に示すように、寄生容量Cstに保持された出力電圧Vpoutを+2.0Vとすると、この電圧にフィードバック容量Cfaの両端の差電圧1.5Vが加算されてスイッチSW4aの入力側の電圧は+3.5Vとなり、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのソースに+3.5Vの電圧が供給される。その結果、ゲート電圧を0.0Vとすると、オフになったこのMOSトランジスタのVgs(ゲート−ソース間電圧)(または、Vgd;ゲート−ドレイン間電圧)で耐圧オーバーを起こす可能性が高い(図18(b)参照)。
また上記以外に、半導体プロセスの微細化や低電圧化にともなうトランジスタのVth(閾値)電圧の低下や、高温時におけるトランジスタのVth電圧の低下によって、オペアンプの入力端子の基準電圧は低下する。よって、プロセスの世代が進み、高温での使用時において、図14のソース接地オペアンプ700に限らず、図13のソースカップルペアの高利得オペアンプ600においても上記の耐圧オーバーを起こす可能性がある。
本発明は上記問題点に鑑み、その目的とするところは、ソース接地(またはエミッタ接地)入力のような基準電位の低いオペアンプを用いたサンプルホールド回路およびこれを用いたパイプラインAD変換器を提供することである。
本発明は上記問題点に鑑み、その目的とするところは、ソース接地(またはエミッタ接地)入力のような基準電位の低いオペアンプを用いたサンプルホールド回路およびこれを用いたパイプラインAD変換器を提供することである。
本発明のサンプルホールド回路は、増幅器と、上記入力信号をサンプリングする入力容量と、上記サンプリングされた上記入力信号を充電するフィードバック容量と、上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部に基準電圧を供給する基準電位発生回路と、上記基準電圧と上記サンプルホールド回路の出力電圧の基準電圧を出力する端子から供給された出力基準電圧との差電圧を充電し、上記増幅器の出力電圧を該充電された電圧でレベルシフトして上記増幅器の入力部に帰還するリセット容量と、上記入力容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号を上記入力容量の入力部へ供給する第1のスイッチと、上記出力基準電圧が供給される端子と上記フィードバック容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記出力基準電圧を上記フィードバック容量へ供給する第2のスイッチと、上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部と基準電位発生回路の出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングする際、上記基準電位発生回路の出力部から上記サンプリングのための基準電圧を上記入力容量の出力部へ供給する第3のスイッチと、上記リセット容量と上記増幅器の入出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力を上記リセット容量を介して該増幅器の入力部に帰還する第4のスイッチと、上記入力容量の入力部に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングするための参照電圧を上記入力容量へ供給する第5のスイッチと、上記フィードバック容量の出力部と上記増幅器の出力部との間に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力部と上記フィードバック容量を接続する第6のスイッチとを有する。
本発明のパイプラインAD変換器は、アナログ信号をデジタルコードに変換するAD変換器と、上記AD変換器の出力するデジタルコードをアナログ値に変換するDA変換器と、上記AD変換器に供給しているアナログ信号と上記DA変換器から出力されるアナログ信号との差分を2(a-1)[a:AD変換器の分解能]倍して出力するサンプルホールド回路と、で構成されるAD変換サブブロックを複数個縦続接続したパイプラインAD変換器において、上記サンプルホールド回路は、位相が異なる第1と第2クロックを用いて入力信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路であって、増幅器と、上記入力信号をサンプリングする入力容量と、上記サンプリングされた上記入力信号を充電するフィードバック容量と、上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部に基準電圧を供給する基準電位発生回路と、上記基準電圧と上記サンプルホールド回路の出力電圧の基準電圧を出力する端子から供給された出力基準電圧との差電圧を充電し、上記増幅器の出力電圧を該充電された電圧でレベルシフトして上記増幅器の入力部に帰還するリセット容量と、上記入力容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号を上記入力容量の入力部へ供給する第1のスイッチと、上記出力基準電圧が供給される端子と上記フィードバック容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記出力基準電圧を上記フィードバック容量へ供給する第2のスイッチと、上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部と基準電位発生回路の出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングする際、上記基準電位発生回路の出力部から上記サンプリングのための基準電圧を上記入力容量の出力部へ供給する第3のスイッチと、上記リセット容量と上記増幅器の入出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力を上記リセット容量を介して該増幅器の入力部に帰還する第4のスイッチと、上記入力容量の入力部に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングするための参照電圧を上記入力容量へ供給する第5のスイッチと、上記フィードバック容量の出力部と上記増幅器の出力部との間に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力部と上記フィードバック容量を接続する第6のスイッチとを有する。
このように、本発明のサンプルホールド回路およびこれを用いたパイプラインAD変換器は、アンプモードのとき、リセット容量に基準電圧と出力基準電圧を供給し、サンプルモードのとき、リセット容量をサンプルホールドのオペアンプの入出力を接続して、オペアンプの入力電圧を低くし、このオペアンプの入力電圧の変動を小さくする。またサンプルホールド回路のスイッチに供給される電圧を所望の値に設定する。
本発明のサンプルホールド回路およびこのサンプルホールド回路を用いたパイプラインAD変換器は、サンプルモードのときオペアンプの入力−出力間をリセット容量で接続することにより、オペアンプの入出力端子をショートすることなくリセットできる。オペアンプの入力端子の電位を、低い電位に抑えることができスイッチを構成するトランジスタのリーク電流の発生や耐圧オーバーを回避することができる。
図1に本発明の実施形態に係るサンプルホールド回路100の回路構成を示す。
サンプルホールド回路100は、サンプリング(入力)容量Csa,Csb、フィードバック容量Cfa,Cfb、リセット容量Cra,Crb、オペアンプOP1(またはOTA)、基準電位発生回路10とスイッチSW1a〜SW10a,SW1b〜SW10bで構成される。
さらに、端子T4aとグランド間に寄生容量(Cst)が存在する。なお以後、SW1a,SW2a(SW1b,SW2b)を入力(サンプリング)スイッチ、SW3a,SW6a(SW3b,SW6b)をプリチャージスイッチ、SW4a(SW4b)を出力スイッチ、SW5a,SW10a(SW5b,SW10b)をリセットスイッチ、SW7a,SW8a,SW9a(SW7b,SW8b,SW9b)を基準電圧供給スイッチとも称する。
サンプルホールド回路100は、サンプリング(入力)容量Csa,Csb、フィードバック容量Cfa,Cfb、リセット容量Cra,Crb、オペアンプOP1(またはOTA)、基準電位発生回路10とスイッチSW1a〜SW10a,SW1b〜SW10bで構成される。
さらに、端子T4aとグランド間に寄生容量(Cst)が存在する。なお以後、SW1a,SW2a(SW1b,SW2b)を入力(サンプリング)スイッチ、SW3a,SW6a(SW3b,SW6b)をプリチャージスイッチ、SW4a(SW4b)を出力スイッチ、SW5a,SW10a(SW5b,SW10b)をリセットスイッチ、SW7a,SW8a,SW9a(SW7b,SW8b,SW9b)を基準電圧供給スイッチとも称する。
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
なお、実施形態を説明するための各回路図において、同一機能または同一素子については同一符号を付与する。図1に示すように、サンプルホールド回路100は、第1の入出力端子間(T1a,T2a−T4a)の回路構成と第2の入出力端子間(T1b,T2b−T4b)の回路構成は対称となっている。
なお、実施形態を説明するための各回路図において、同一機能または同一素子については同一符号を付与する。図1に示すように、サンプルホールド回路100は、第1の入出力端子間(T1a,T2a−T4a)の回路構成と第2の入出力端子間(T1b,T2b−T4b)の回路構成は対称となっている。
まず、サンプルホールド回路100の第1の入出力端子間の接続について述べる。
端子T2aはスイッチSW2aの一方に端子に接続され、スイッチSW2aの他方の端子はサンプリング容量Csaの一方の端子に接続される。端子T1aはスイッチSW1aの一方の端子に接続され、スイッチSW1aの他方の端子はサンプリング容量Csaの一方の端子に接続される。
サンプリング容量Csaの他方の端子はフィードバック容量Cfaの一方の端子(出力(部)とも称する)に接続され、またスイッチSW7a,SW9aの一方の端子に接続される。スイッチSW7aの他方の端子はスイッチSW8aの一方の端子と基準電位発生回路10の出力に接続され、スイッチSW9aの他方の端子はスイッチSW10aの一方の端子に接続されると共にオペアンプOP1の第1の入力端子に接続される。なお、オペアンプOP1は例えば図14に示す回路で構成され、第1の入力端子は図14に示すMOSトランジスタQ21のゲートに対応する。
スイッチSW8aとSW10aの他方の端子はリセット容量Craの一方の端子に接続され、リセット容量Craの他方の端子はスイッチSW5aとSW6aの一方の端子に接続される。コモン電圧(出力基準電圧)が入力される端子T3aはスイッチSW3aとSW6aの他方の端子に接続される。フィードバック容量Cfaの他方の端子(入力(部)とも称する)はスイッチSW3a,SW4aの一方の端子に接続される。オペアンプOP1の第1の出力はスイッチSW4aとSW5aの他方の端子と端子T4aに接続される。
端子T2aはスイッチSW2aの一方に端子に接続され、スイッチSW2aの他方の端子はサンプリング容量Csaの一方の端子に接続される。端子T1aはスイッチSW1aの一方の端子に接続され、スイッチSW1aの他方の端子はサンプリング容量Csaの一方の端子に接続される。
サンプリング容量Csaの他方の端子はフィードバック容量Cfaの一方の端子(出力(部)とも称する)に接続され、またスイッチSW7a,SW9aの一方の端子に接続される。スイッチSW7aの他方の端子はスイッチSW8aの一方の端子と基準電位発生回路10の出力に接続され、スイッチSW9aの他方の端子はスイッチSW10aの一方の端子に接続されると共にオペアンプOP1の第1の入力端子に接続される。なお、オペアンプOP1は例えば図14に示す回路で構成され、第1の入力端子は図14に示すMOSトランジスタQ21のゲートに対応する。
スイッチSW8aとSW10aの他方の端子はリセット容量Craの一方の端子に接続され、リセット容量Craの他方の端子はスイッチSW5aとSW6aの一方の端子に接続される。コモン電圧(出力基準電圧)が入力される端子T3aはスイッチSW3aとSW6aの他方の端子に接続される。フィードバック容量Cfaの他方の端子(入力(部)とも称する)はスイッチSW3a,SW4aの一方の端子に接続される。オペアンプOP1の第1の出力はスイッチSW4aとSW5aの他方の端子と端子T4aに接続される。
次に、サンプルホールド回路100の第2の入出力端子間の接続について述べる。回路構成は第1の入出力端子間の構成と同じである。
端子T2bはスイッチSW2bの一方の端子に接続され、スイッチSW2bの他方の端子はサンプリング容量Csbの一方の端子に接続される。端子T1bはスイッチSW1bの一方の端子に接続され、スイッチSW1bの他方の端子はサンプリング容量Csbの一方の端子に接続される。
サンプリング容量Csbの他方の端子はフィードバック容量Cfbの一方の端子に接続され、またスイッチSW7b,SW9bの一方の端子に接続される。スイッチSW7bの他方の端子はスイッチSW8bの一方の端子と基準電位発生回路10の出力に接続され、スイッチSW9bの他方の端子はスイッチSW10bの一方の端子に接続されると共にオペアンプOP1の第2の入力端子に接続される。スイッチSW7bとSW8bの共通接続点(部)は基準電位発生回路10の出力に接続される。なお、第2の入力端子は図14に示すMOSトランジスタQ31のゲートに対応する。
スイッチSW8bとSW10bの他方の端子はリセット容量Crbの一方の端子に接続され、リセット容量Crbの他方の端子はスイッチSW5bとSW6bの一方の端子に接続される。端子T3bはスイッチSW3bとSW6bの他方の端子に接続される。フィードバック容量Cfbの他方の端子はスイッチSW3b,SW4bの一方の端子に接続される。オペアンプOP1の第2の出力はスイッチSW4bとSW5bの他方の端子と端子T4bに接続される。
端子T2bはスイッチSW2bの一方の端子に接続され、スイッチSW2bの他方の端子はサンプリング容量Csbの一方の端子に接続される。端子T1bはスイッチSW1bの一方の端子に接続され、スイッチSW1bの他方の端子はサンプリング容量Csbの一方の端子に接続される。
サンプリング容量Csbの他方の端子はフィードバック容量Cfbの一方の端子に接続され、またスイッチSW7b,SW9bの一方の端子に接続される。スイッチSW7bの他方の端子はスイッチSW8bの一方の端子と基準電位発生回路10の出力に接続され、スイッチSW9bの他方の端子はスイッチSW10bの一方の端子に接続されると共にオペアンプOP1の第2の入力端子に接続される。スイッチSW7bとSW8bの共通接続点(部)は基準電位発生回路10の出力に接続される。なお、第2の入力端子は図14に示すMOSトランジスタQ31のゲートに対応する。
スイッチSW8bとSW10bの他方の端子はリセット容量Crbの一方の端子に接続され、リセット容量Crbの他方の端子はスイッチSW5bとSW6bの一方の端子に接続される。端子T3bはスイッチSW3bとSW6bの他方の端子に接続される。フィードバック容量Cfbの他方の端子はスイッチSW3b,SW4bの一方の端子に接続される。オペアンプOP1の第2の出力はスイッチSW4bとSW5bの他方の端子と端子T4bに接続される。
このように、オペアンプOP1の第2の入出力端子間(T1b,T2b−T4b)の回路構成は上述した第1の入出力端子間の回路構成と同じであるが、端子T1bとT2bに供給されるアナログ入力電圧Vninと参照電圧Vdnが異なる。
図2に図1で示した基準電位発生回路10の回路構成例を示す。基準電位発生回路10は定電流源20とMOSトランジスタ21で構成される。定電流源20の一方の端子は電源VDDに接続され、他方の端子はMOSトランジスタ21のドレインとゲートに接続され、MOSトランジスタ21のソースはグランドに接続される。MOSトランジスタ21はドレインとゲートが接続されてMOSダイオードが構成され、このMOSダイオード(21)のアノード(ドレインとゲートの共通接続点(部))から基準電圧Vrが出力される。
定電流源20の電流はI0/N(ここでNは正の整数)で表される。一方、MOSダイオード(21)のアノード電圧(基準電圧Vr)はゲート幅W、ゲート長L、電流I0と整数Nにより決定される。
定電流源20の電流はI0/N(ここでNは正の整数)で表される。一方、MOSダイオード(21)のアノード電圧(基準電圧Vr)はゲート幅W、ゲート長L、電流I0と整数Nにより決定される。
次に、図3に、図1に示したオペアンプOP1の入力部の回路構成例を示す。入力部はたとえばソース接地型の増幅器で構成され、定電流源31,32とMOSトランジスタ33,34で構成される。
定電流源31の一方の端子は電源VDDに接続され、他方の端子はMOSトランジスタ33のドレインに接続される。MOSトランジスタ33のゲートにサンプリング容量Csaの出力電圧やリセット容量Craからの帰還電圧が供給され、ソースはグランドに接続される。
また同様に、定電流源32の一方の端子は電源VDDに接続され、他方の端子はMOSトランジスタ34のドレインに接続される。MOSトランジスタ34のゲートにサンプリング容量Csbの出力電圧やリセット容量Crbからの帰還電圧が供給され、ソースはグランドに接続される。
この入力部の回路はソース接地アンプを構成する。ここで、Wはゲート幅を表し、Lはゲート長を表す。このゲート幅Wとゲート長Lにより、コンダクタンスgmが決まる。
定電流源31の一方の端子は電源VDDに接続され、他方の端子はMOSトランジスタ33のドレインに接続される。MOSトランジスタ33のゲートにサンプリング容量Csaの出力電圧やリセット容量Craからの帰還電圧が供給され、ソースはグランドに接続される。
また同様に、定電流源32の一方の端子は電源VDDに接続され、他方の端子はMOSトランジスタ34のドレインに接続される。MOSトランジスタ34のゲートにサンプリング容量Csbの出力電圧やリセット容量Crbからの帰還電圧が供給され、ソースはグランドに接続される。
この入力部の回路はソース接地アンプを構成する。ここで、Wはゲート幅を表し、Lはゲート長を表す。このゲート幅Wとゲート長Lにより、コンダクタンスgmが決まる。
図3に示すように、MOSトランジスタを用いたサンプルホールド回路100のオペアンプOP1の構成について説明したが、本発明は、入力部にMOSトランジスタに限定することなく、化合物半導体やTFTなどの電界効果トランジスタを用いたソース接地型増幅回路でも良く、その他、バイポーラトランジスタを用いたエミッタ接地型増幅回路でも良い。
次に図1に示したサンプルホールド回路100の動作について、図4,5,12を用いて説明する。なお、第1の入出力端子間と第2の入出力端子間の回路は、アナログ入力電圧(Vpin,Vnin)と参照電圧(Vdp,Vdn)が異なるだけであり、第1と第2の入出力端子間の回路の動作は同様であるので、ここでは第1の入出力端子間の動作について説明する。
サンプルホールド回路100は図12に示すクロックを用いてスイッチを切り替えて動作モードを設定する。動作モードは、例えばリセットモード(Reset Mode;サンプルモード)、アンプモード(AMP Mode)がある。ここでクロックφ1Aはクロックφ1より位相は進み、一部オーバーラップする。しかし、クロックφ1Aとφ1はクロックφ2とオーバーラップしない。
サンプルホールド回路100は図12に示すクロックを用いてスイッチを切り替えて動作モードを設定する。動作モードは、例えばリセットモード(Reset Mode;サンプルモード)、アンプモード(AMP Mode)がある。ここでクロックφ1Aはクロックφ1より位相は進み、一部オーバーラップする。しかし、クロックφ1Aとφ1はクロックφ2とオーバーラップしない。
リセットモード(Reset Mode)の動作について説明する。
図4にリセットモードにおけるサンプルホールド回路100の接続構成を示す。リセットモードのとき、まずクロックφ1AによりスイッチSW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートし、次にクロックφ1によりスイッチSW2a,SW3aが駆動されショートする。
クロックφ1Aが供給されると、リセット容量Craの両端に接続されているスイッチSW5a,SW10aがショートし、オぺアンプOP1の第1の入出力端子間はリセット容量Craで接続される。またサンプリング容量Csaの他方の端子とフィードバック容量Cfaの一方の端子には基準電位発生回路10からスイッチSW7aを介して例えば+500mVの基準電圧Vrが供給される。
次に、クロックφ1が供給されると、アナログ入力電圧Vpinが端子T2aからスイッチSW2aを介してサンプリング容量Csaの一方の端子に供給される。フィードバック容量Cfaには端子T3aからスイッチSW3aを介して、例えば+1.5Vのコモン電圧(プリチャージ電圧または出力基準電圧)Vcmが供給される。
このように、クロックφ1でアナログ入力電圧Vpinがサンプリング容量Csaに供給され、基準電位発生回路10から供給された基準電圧Vrとの差電圧(電荷)が蓄積され、また、フィードバック容量Cfaの両端には1Vの差電圧が充電される。
上述したように、リセットモードの時にアナログ入力電圧Vpinがサンプリングされるが、オペアンプOP1はサンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaから切り離される。また、オペアンプOP1は、入出力を直接接続しないで、リセット容量Craを介して接続した容量帰還回路を構成する。このとき、端子T4aの出力電圧Vpout(+1.5V)が寄生容量Cstに保持されていると、リセット容量Craの差電圧を減算した電圧の+500mVがオペアンプOP1の入力端子にOTA入力電圧Vinとして供給される。
図4にリセットモードにおけるサンプルホールド回路100の接続構成を示す。リセットモードのとき、まずクロックφ1AによりスイッチSW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートし、次にクロックφ1によりスイッチSW2a,SW3aが駆動されショートする。
クロックφ1Aが供給されると、リセット容量Craの両端に接続されているスイッチSW5a,SW10aがショートし、オぺアンプOP1の第1の入出力端子間はリセット容量Craで接続される。またサンプリング容量Csaの他方の端子とフィードバック容量Cfaの一方の端子には基準電位発生回路10からスイッチSW7aを介して例えば+500mVの基準電圧Vrが供給される。
次に、クロックφ1が供給されると、アナログ入力電圧Vpinが端子T2aからスイッチSW2aを介してサンプリング容量Csaの一方の端子に供給される。フィードバック容量Cfaには端子T3aからスイッチSW3aを介して、例えば+1.5Vのコモン電圧(プリチャージ電圧または出力基準電圧)Vcmが供給される。
このように、クロックφ1でアナログ入力電圧Vpinがサンプリング容量Csaに供給され、基準電位発生回路10から供給された基準電圧Vrとの差電圧(電荷)が蓄積され、また、フィードバック容量Cfaの両端には1Vの差電圧が充電される。
上述したように、リセットモードの時にアナログ入力電圧Vpinがサンプリングされるが、オペアンプOP1はサンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaから切り離される。また、オペアンプOP1は、入出力を直接接続しないで、リセット容量Craを介して接続した容量帰還回路を構成する。このとき、端子T4aの出力電圧Vpout(+1.5V)が寄生容量Cstに保持されていると、リセット容量Craの差電圧を減算した電圧の+500mVがオペアンプOP1の入力端子にOTA入力電圧Vinとして供給される。
次に図5に示すアンプモード(AMP Mode)の動作について説明する。
図5(a)に示すようにアンプモードになると、クロックφ2によりスイッチSW1a,SW4a,SW6a,SW8a,SW9aが駆動されてショートする。
端子T1aから入力された参照電圧VpdがスイッチSW1aを介してサンプリング容量Csaに供給される。サンプリング容量Csaの出力はスイッチSW9aを介してオペアンプOP1の入力に接続され、フィードバック容量Cfaの出力はスイッチSW4aを介してオペアンプOP1の出力と端子T4aに接続されるので、オペアンプOP1は、容量帰還(フィードバック)型のアンプを構成する。その結果、サンプリング容量Csaの電荷はフィードバック容量Cfaに転送され充電される。換言すると、アナログ入力電圧Vpinが、サンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaの比(Csa/Cfa)で決まる値で増幅されて、オペアンプOP1の出力端子から端子T4aに出力される。
一方、スイッチSW6a,SW8aはショートしているので、リセット容量Craの両端は基準電位発生回路10と端子T3aにそれぞれ接続される。このとき、リセット容量Craの一方の端子には+500mVの電圧が供給され、他方の端子には+1.5Vのコモン電圧Vcmが供給される。その結果、リセット容量Craの両端には1.0Vの差電圧が充電される。
図5(a)に示すようにアンプモードになると、クロックφ2によりスイッチSW1a,SW4a,SW6a,SW8a,SW9aが駆動されてショートする。
端子T1aから入力された参照電圧VpdがスイッチSW1aを介してサンプリング容量Csaに供給される。サンプリング容量Csaの出力はスイッチSW9aを介してオペアンプOP1の入力に接続され、フィードバック容量Cfaの出力はスイッチSW4aを介してオペアンプOP1の出力と端子T4aに接続されるので、オペアンプOP1は、容量帰還(フィードバック)型のアンプを構成する。その結果、サンプリング容量Csaの電荷はフィードバック容量Cfaに転送され充電される。換言すると、アナログ入力電圧Vpinが、サンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaの比(Csa/Cfa)で決まる値で増幅されて、オペアンプOP1の出力端子から端子T4aに出力される。
一方、スイッチSW6a,SW8aはショートしているので、リセット容量Craの両端は基準電位発生回路10と端子T3aにそれぞれ接続される。このとき、リセット容量Craの一方の端子には+500mVの電圧が供給され、他方の端子には+1.5Vのコモン電圧Vcmが供給される。その結果、リセット容量Craの両端には1.0Vの差電圧が充電される。
次に、サンプルホールド回路100のリーク電流の発生を回避する動作について図4と図5(a)を用いて説明する。図4に示すように、リセット(サンプル)モードの時に、オペアンプOP1はサンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaから切り離され、リセット容量Craで入出力間が容量接続された増幅器が構成される。オペアンプOP1の出力は端子T4aに接続され、この端子に寄生容量Cstが存在するので、アンプモード直前の出力電圧Vpoutが保持される。また、これと同時に、サンプリング容量Csaとフィードバック容量Cfaの共通接続点(部)に基準電位発生回路10から基準電圧Vrが供給される。
次に、サンプリング容量Csaにはアナログ入力信号(電圧)Vpinが供給され、フィードバック容量Cfaにはコモン電圧Vcmが供給される。
その結果、アナログ入力電圧Vpinがサンプリングされ、またオペアンプOP1の入力端子の電圧は、端子T4aの電圧からリセット容量Craで発生する差電圧だけ低下した電圧、例えば+500mVの低電圧(電位)に設定される。
次に、サンプリング容量Csaにはアナログ入力信号(電圧)Vpinが供給され、フィードバック容量Cfaにはコモン電圧Vcmが供給される。
その結果、アナログ入力電圧Vpinがサンプリングされ、またオペアンプOP1の入力端子の電圧は、端子T4aの電圧からリセット容量Craで発生する差電圧だけ低下した電圧、例えば+500mVの低電圧(電位)に設定される。
アンプモードの時に、図5(a)に示すように、基準電位発生回路10の基準電圧Vrとコモン電圧Vcmを使用して、リセット容量Craに電圧を充電してプリセットする。これに加えて、従来のサンプルホールド回路500と同様に、オペアンプOP1を使用してリセットモード時にサンプリング容量Csaに蓄えた電荷をフィードバック容量Cfaに転送する。
この時のオペアンプOP1の入力端子の電圧(Vin:OTA入力電圧)は基準電位発生回路10から供給される基準電圧Vr(+500mV)付近になる。
また、リセット容量CraとスイッチSW5aの共通接続点(部)に端子T3aからコモン電圧Vcmの+1.5Vが供給されるので、スイッチSW5aを構成するMOSトランジスタのソースは、図16(b)に示した時の電圧(−500mV)に比べて高くなり、ゲート電圧を0.0Vとすると、Vgs(ゲート−ソース)電圧が閾値電圧以下の逆バイアス状態となるので、リーク電流は発生しない(図5(b)参照)。
このように、基準電位発生回路10とリセット容量Craを用いてサンプリングすれば、オペアンプOP1の入出力端子をショートすることなくリセットできるので、オペアンプOP1の入力端子は、ほぼ一定の低電圧に設定される。さらにアンプモード時に、リーク電流の発生を防止することができる。
この時のオペアンプOP1の入力端子の電圧(Vin:OTA入力電圧)は基準電位発生回路10から供給される基準電圧Vr(+500mV)付近になる。
また、リセット容量CraとスイッチSW5aの共通接続点(部)に端子T3aからコモン電圧Vcmの+1.5Vが供給されるので、スイッチSW5aを構成するMOSトランジスタのソースは、図16(b)に示した時の電圧(−500mV)に比べて高くなり、ゲート電圧を0.0Vとすると、Vgs(ゲート−ソース)電圧が閾値電圧以下の逆バイアス状態となるので、リーク電流は発生しない(図5(b)参照)。
このように、基準電位発生回路10とリセット容量Craを用いてサンプリングすれば、オペアンプOP1の入出力端子をショートすることなくリセットできるので、オペアンプOP1の入力端子は、ほぼ一定の低電圧に設定される。さらにアンプモード時に、リーク電流の発生を防止することができる。
次に、サンプルホールド回路100のリセット直後の耐圧オーバーを回避する動作について図6,図7を用いて説明する。
図6にサンプルホールド回路100のアンプモード時における回路接続を示す。クロックφ2によりスイッチSW1a,SW4a,SW6a,SW8a,SW9aが駆動されてショートする。サンプルホールド回路100はフィードバック容量Cfaによりフィードバック回路が形成され、容量帰還型の増幅器を構成する。端子T4aに寄生容量Cstが存在するので、+2.0Vの出力電圧Vpoutが保持される。このとき、オペアンプOP1(OTA)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)は+500mV、フィードバック容量Cfaの両端の差電圧は1.5Vとなる。
一方、リセット容量Craの一方の端子には基準電位発生回路10から+500mVの基準電圧Vrが供給され、また他方の端子には、端子T3aから+1.5Vのコモン電圧Vcmが供給される。その結果、リセット容量Craには1.0Vの差電圧が充電される。
図6にサンプルホールド回路100のアンプモード時における回路接続を示す。クロックφ2によりスイッチSW1a,SW4a,SW6a,SW8a,SW9aが駆動されてショートする。サンプルホールド回路100はフィードバック容量Cfaによりフィードバック回路が形成され、容量帰還型の増幅器を構成する。端子T4aに寄生容量Cstが存在するので、+2.0Vの出力電圧Vpoutが保持される。このとき、オペアンプOP1(OTA)の入力電圧(Vin:OTA入力電圧)は+500mV、フィードバック容量Cfaの両端の差電圧は1.5Vとなる。
一方、リセット容量Craの一方の端子には基準電位発生回路10から+500mVの基準電圧Vrが供給され、また他方の端子には、端子T3aから+1.5Vのコモン電圧Vcmが供給される。その結果、リセット容量Craには1.0Vの差電圧が充電される。
次に、図7にリセットモード直後のサンプルホールド回路100の回路構成を示す。
図7(a)に示すように、リセット直後にクロックφ1Aがφ1より先にハイレベル(高電圧)となり(図12参照)、スイッチSW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートする。この状態でスイッチSW2a,SW3aはまた駆動されずオフ状態である。
またリセットモード直後において、フィードバック容量Cfaの出力と端子T4a間に接続されたスイッチSW4aがオフ状態である。端子T4aには、アンプモード時における出力電圧Vpout(+2.0V)が寄生容量Cstに保持されている。
一方、基準電位発生回路10の基準電圧Vr(+500mV)がスイッチSW7aを介してフィードバック容量Cfaに供給されるので、フィードバック容量CfaとスイッチSW4aの共通接続点(部)の電圧はフィードバック容量Cfaの差電圧の1.5Vが加算されて+2.0Vとなる。
したがって、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのソース電圧が+2.0Vとなり、従来例のサンプルホールド回路500の場合の+3.5Vと比較して低くなる(図7(b)参照)。すなわち、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのゲート−ソース間の電圧は従来の電圧より下がるので、MOSトランジスタのゲート酸化膜間にかかる電圧が下がり、酸化膜の破壊を防止することができる。これは半導体プロセスが微細化するに伴い酸化膜厚が薄くなった時に効果が大きくなる。
図7(a)に示すように、リセット直後にクロックφ1Aがφ1より先にハイレベル(高電圧)となり(図12参照)、スイッチSW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートする。この状態でスイッチSW2a,SW3aはまた駆動されずオフ状態である。
またリセットモード直後において、フィードバック容量Cfaの出力と端子T4a間に接続されたスイッチSW4aがオフ状態である。端子T4aには、アンプモード時における出力電圧Vpout(+2.0V)が寄生容量Cstに保持されている。
一方、基準電位発生回路10の基準電圧Vr(+500mV)がスイッチSW7aを介してフィードバック容量Cfaに供給されるので、フィードバック容量CfaとスイッチSW4aの共通接続点(部)の電圧はフィードバック容量Cfaの差電圧の1.5Vが加算されて+2.0Vとなる。
したがって、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのソース電圧が+2.0Vとなり、従来例のサンプルホールド回路500の場合の+3.5Vと比較して低くなる(図7(b)参照)。すなわち、スイッチSW4aを構成するMOSトランジスタのゲート−ソース間の電圧は従来の電圧より下がるので、MOSトランジスタのゲート酸化膜間にかかる電圧が下がり、酸化膜の破壊を防止することができる。これは半導体プロセスが微細化するに伴い酸化膜厚が薄くなった時に効果が大きくなる。
次に、本発明の他の実施形態に係るパイプラインAD変換器(ADC)200について説明する。
図8に本発明のサンプルホールド回路100を用いたパイプラインAD変換器200を示す。パイプラインAD変換器200の初段には本発明のサンプルホールド回路(S/H)201が備えられ、その後n-bit/stageのビットブロック211(n1b)〜214(n4b),・・・が分解能に応じて縦続接続される。各ビットブロック211〜214,・・・からのディジタルデータはエラー訂正回路220で加算されエラーコレクションが行われた後出力される。
なお、サンプルホールド(S/H)回路201とビットブロック211〜214,・・・のサンプルホールド(S/H)回路に本発明のサンプルホールド回路100を適用できる。
図8に本発明のサンプルホールド回路100を用いたパイプラインAD変換器200を示す。パイプラインAD変換器200の初段には本発明のサンプルホールド回路(S/H)201が備えられ、その後n-bit/stageのビットブロック211(n1b)〜214(n4b),・・・が分解能に応じて縦続接続される。各ビットブロック211〜214,・・・からのディジタルデータはエラー訂正回路220で加算されエラーコレクションが行われた後出力される。
なお、サンプルホールド(S/H)回路201とビットブロック211〜214,・・・のサンプルホールド(S/H)回路に本発明のサンプルホールド回路100を適用できる。
図9にn-bit/stage(ビットブロック)211〜214,・・・の構成例を示す。n-bit/stage211〜214,・・・の構成は、n-bitのAD変換器301、DA(ディジタル−アナログ)変換器302、減算器303、そしてアナログ電圧とDA変換器302から再生される出力電圧との差を2(n-1)倍に増幅するサンプルホールド(S/H)回路304などで構成される(nは1より大きい正の整数)。なお、DA変換、減算、増幅、ホールド動作はMDAC(Multiplying DAC)310と呼ばれる回路一つで実現することができ、パイプラインAD変換器には多用される。このMDAC310に本発明のサンプルホールド回路100を適用した例については後述する。
以下、本発明のサンプルホールド回路100を用いたパイプラインAD変換器200の動作について説明する。アナログ入力信号(電圧)(Analog In)がサンプルホールド(S/H)回路201に入力されると、サンプリング期間、サンプリングクロックに同期してアナログ信号をサンプリングする。次のタイミング(クロック)でサンプリングされたアナログ信号をホールドする。
S/H回路201でホールドされた信号はビットブロック211に入力され、所定の精度(ビット)でアナログ信号がディジタル信号に変換される。なお、ビットブロック211のAD変換器301のビット精度として、1.5ビット、2,3または4ビットなどがあり、各ビットブロックで精度を使い分ける。
例えばビットブロック211のAD変換器301の構成はフラッシュ型構成が用いられ、パイプライン動作ができるように高速動作させている。そのため、比較器がビット数の2のべき乗に比例するので、できるだけビット数は少なくする。1.5ビットのとき2個、2ビットのとき3個、3ビットのとき7個、・・・となり、比較器の数が多くなるとチップ面積が大きくなるので、ビットブロックの段数とビット精度を考慮して決める。
例えばビットブロック211のAD変換器301の構成はフラッシュ型構成が用いられ、パイプライン動作ができるように高速動作させている。そのため、比較器がビット数の2のべき乗に比例するので、できるだけビット数は少なくする。1.5ビットのとき2個、2ビットのとき3個、3ビットのとき7個、・・・となり、比較器の数が多くなるとチップ面積が大きくなるので、ビットブロックの段数とビット精度を考慮して決める。
AD変換器301でS/H(サンプルホード)回路201から供給されたホールド信号がディジタル信号に変換され、このディジタルデータは図8に示したエラー訂正回路220に供給され、ディジタルデータと制御信号がMDAC310を構成するDA変換器302とS/H回路304に供給される。
DA変換器302でディジタル信号がアナログ信号に変換され減算器303に供給されて、ホールドされた入力アナログ信号と減算処理が行われる。すなわち、この減算器303から出力される信号は、入力アナログ信号から上位のアナログ信号を引いた差信号が出力される。この差信号はS/H(サンプルホールド)回路304に供給され、そこで2の(n1−1)べき乗のゲイン倍してかつこの増幅した信号をホールドする(n1は1より大きい正の整数)。
次に、ビットブロック211のS/H回路304でホールドされたアナログ信号を、次段のビットブロック212に供給し、ビットブロック211で説明した同じ動作をし、さらに細かい量子化を行う。以下、この動作をエラー訂正回路220に構成される不図示のクロック発生回路から出力されるクロックタイミングにしたがって繰り返す。
DA変換器302でディジタル信号がアナログ信号に変換され減算器303に供給されて、ホールドされた入力アナログ信号と減算処理が行われる。すなわち、この減算器303から出力される信号は、入力アナログ信号から上位のアナログ信号を引いた差信号が出力される。この差信号はS/H(サンプルホールド)回路304に供給され、そこで2の(n1−1)べき乗のゲイン倍してかつこの増幅した信号をホールドする(n1は1より大きい正の整数)。
次に、ビットブロック211のS/H回路304でホールドされたアナログ信号を、次段のビットブロック212に供給し、ビットブロック211で説明した同じ動作をし、さらに細かい量子化を行う。以下、この動作をエラー訂正回路220に構成される不図示のクロック発生回路から出力されるクロックタイミングにしたがって繰り返す。
上述した、各ビットブロック211〜214,・・・はサンプルホールド機能を持つので、時間的に順次続く入力信号に対して、各ビットブロック211〜214,・・・が順次変換を行っており、高速な変換動作が可能になる。すなわち、たとえばビットブロック211がAD変換動作を行っているとき、次段のビットブロック212はビットブロック211がAD変換している信号の1つ前にサンプリングされたアナログ信号をAD変換していることになる。
このように、構成されたビットブロックの段数の数だけの時系列にサンプリングされたアナログ信号を同時にAD変換し、そのAD変換されたデータをクロックタイミングにしたがって、逐次ディジタルデータとしてエラー訂正回路220から取り出すことができる。
このように、構成されたビットブロックの段数の数だけの時系列にサンプリングされたアナログ信号を同時にAD変換し、そのAD変換されたデータをクロックタイミングにしたがって、逐次ディジタルデータとしてエラー訂正回路220から取り出すことができる。
次に、図10にMDAC310の回路構成例を示す。MDAC310はオペアンプOP1の2入力―2出力端子間に、対称な回路が構成されるので、図10にはMDAC310の片側の回路構成のみを示す。
また、このMDAC310の回路構成は、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−n以外は、図1のサンプルホールド回路100と同じ回路構成である。したがって、ここでは図1と異なる構成について主に説明する。なお図10において、図1と同一素子と同一機能について同一の番号を付与する。
また、このMDAC310の回路構成は、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−n以外は、図1のサンプルホールド回路100と同じ回路構成である。したがって、ここでは図1と異なる構成について主に説明する。なお図10において、図1と同一素子と同一機能について同一の番号を付与する。
入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nは、それぞれ、サンプリング容量Csa1とスイッチSW1a1−1,SW1a1−2,SW2a1−1、・・・、Csa(n−1)とスイッチSW1a(n−1)−1,SW1a(n−1)−2,SW2a(n−1)−1、CsanとスイッチSW1an−1,SW1an−2,SW2an−1で構成される。
例えば、入力回路401−1において、スイッチSW1a1−1の一方の端子は参照電圧VRTを供給する端子T1a−1に接続され他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続され、また、入力SW1a1−2の一方の端子は参照電圧VRBを供給する端子T1a−2に接続され他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続される。
スイッチSW2a1−1の一方の端子はアナログ入力電圧Vpinが供給される端子T2aに接続され、他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続される。サンプリング容量Csa1の他方の端子は、フィードバック容量Cfaと基準電位発生回路10、スイッチSW7a,SW9aの一方の端子に接続される。これ以外の回路接続は図1と同様である。
以下同様に、入力回路401−nまで同様な回路構成が繰り返される。
なお、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nにおいて、スイッチSW1a1−1,SW1a1−2(、・・・、SW1a(n−1)−1,SW1a(n−1)−2、SW1an−1,SW1an−2)はクロックφ2で駆動され、スイッチSW2a1−1(、・・・、SW2a(n−1)―1,SW2an―1)はクロックφ1で駆動される。
例えば、入力回路401−1において、スイッチSW1a1−1の一方の端子は参照電圧VRTを供給する端子T1a−1に接続され他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続され、また、入力SW1a1−2の一方の端子は参照電圧VRBを供給する端子T1a−2に接続され他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続される。
スイッチSW2a1−1の一方の端子はアナログ入力電圧Vpinが供給される端子T2aに接続され、他方の端子はサンプリング容量Csa1の一方の端子に接続される。サンプリング容量Csa1の他方の端子は、フィードバック容量Cfaと基準電位発生回路10、スイッチSW7a,SW9aの一方の端子に接続される。これ以外の回路接続は図1と同様である。
以下同様に、入力回路401−nまで同様な回路構成が繰り返される。
なお、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nにおいて、スイッチSW1a1−1,SW1a1−2(、・・・、SW1a(n−1)−1,SW1a(n−1)−2、SW1an−1,SW1an−2)はクロックφ2で駆動され、スイッチSW2a1−1(、・・・、SW2a(n−1)―1,SW2an―1)はクロックφ1で駆動される。
MDAC310において、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nに設けられたサンプリング容量Csa1(,・・・,Csa(n−1),Csan)の容量値はビットブロックのADの分解能に応じて設けられ、ビットブロックのAD変換器(301)のサーモメータコード出力に従って参照電圧VRT,VRBに接続される。
入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nに接続される後段の回路構成は図1に示したサンプルホールド回路100と同じ構成であるので、ここではその説明は省略する。
入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nに接続される後段の回路構成は図1に示したサンプルホールド回路100と同じ構成であるので、ここではその説明は省略する。
次に、MDAC310の動作について説明する。
リセットモードのとき、クロックφ1A,φ1により各スイッチが駆動され、スイッチSW2a1−1(,・・・,SW2a(n−1)−1,SW2an−1)とスイッチSW3a,SW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートする。これにより、サンプリング容量Csa1,・・・,Csa(n−1),Csanにアナログ入力信号(電圧)Vpin(Vnin)が供給されてサンプリングされる。
しかしこのとき、他の2個のスイッチSW1a1―1,SW1a1−2(、・・・、SW1a(n−1)−1,SW1a(n−1)―2、SW1an−1,SW1an―2)はオフしているので、AD変換器301のサーモメータコード出力に従うサーモ電圧(参照電圧VRB,VRT)は供給されない。
リセットモードのとき、クロックφ1A,φ1により各スイッチが駆動され、スイッチSW2a1−1(,・・・,SW2a(n−1)−1,SW2an−1)とスイッチSW3a,SW5a,SW7a,SW10aが駆動されショートする。これにより、サンプリング容量Csa1,・・・,Csa(n−1),Csanにアナログ入力信号(電圧)Vpin(Vnin)が供給されてサンプリングされる。
しかしこのとき、他の2個のスイッチSW1a1―1,SW1a1−2(、・・・、SW1a(n−1)−1,SW1a(n−1)―2、SW1an−1,SW1an―2)はオフしているので、AD変換器301のサーモメータコード出力に従うサーモ電圧(参照電圧VRB,VRT)は供給されない。
例えば、クロックφ1Aがハイレベルの期間、スイッチSW7aを介してサンプリング容量Cs1とフィードバック容量Cfaに、基準電位発生回路10から例えば+500mVの基準電圧Vrが供給される。また、オペアンプOP1の入出力間は、スイッチSW5a、SW10aがショートされてリセット容量Craが接続される。
クロックφ1で、スイッチSW2a1−1を介してアナログ入力信号(電圧)Vpinがサンプリング容量Csa1に入力され、フィードバック容量Cfaの入力側はスイッチSW3aを介してコモン電圧Vcm(+1.5V)が供給される。
リセットモード直後、スイッチSW5a,SW10aが駆動されショートされ、オペアンプOP1の入出力端子間はリセット容量Craにより接続されているのでオペアンプの入力電圧を+500mVと安定した低電圧に設定できる。また、スイッチSW4aに供給される電圧は図7で説明したように、従来と比較して低くなり耐圧オーバーを回避できる。
クロックφ1で、スイッチSW2a1−1を介してアナログ入力信号(電圧)Vpinがサンプリング容量Csa1に入力され、フィードバック容量Cfaの入力側はスイッチSW3aを介してコモン電圧Vcm(+1.5V)が供給される。
リセットモード直後、スイッチSW5a,SW10aが駆動されショートされ、オペアンプOP1の入出力端子間はリセット容量Craにより接続されているのでオペアンプの入力電圧を+500mVと安定した低電圧に設定できる。また、スイッチSW4aに供給される電圧は図7で説明したように、従来と比較して低くなり耐圧オーバーを回避できる。
つぎに、アンプモードの時、クロックφ2により各スイッチが駆動されて、スイッチの導通状態がリセット時のときと逆になる。すなわち、スイッチSW1a1−1またはSW1a1−2(、・・・、SW1a(n−1)−1またはSW1a(n−1)−2、SW1an−1またはSW1an−2)が駆動されてショートし、参照電圧VRTまたはVBTがサンプリング容量Csa1,・・・,Csa(n−1),Csanに供給される。このとき、オペアンプOP1は増幅動作状態となり、サンプリング容量Csa1,・・・,Csa(n−1),Csanに蓄積された電荷がフィードバック容量Cfaに転送され、アナログ入力電圧Vpinは入力(サンプリング)容量とフィードバック容量Cfaの容量比で決まるゲイン倍され出力される。
また、アンプモードのときのオペアンプOP1の入力端子は+500mVに近づく。このとき、端子T3aからコモン電圧Vcmの+1.5VがスイッチSW5aの一方の端子に供給されているので、図5(b)に示すように、スイッチSW5aのMOSトランジスタのVgs(ゲート−ソース間電圧)がしきい値電圧以下に逆バイアスされるので、リーク電流が発生することを防止できる。
図9に示したMDAC310は、AD変換器301で得られた制御信号により参照電圧VRTまたはVRBのいずれか一方と接続され、入力回路401−1,・・・,401−(n−1),401−nのサンプリング容量Csa1,・・・,Csa(n−1),Csanを介してリセット時にサンプルされた信号と参照電圧VRTあるいはVRBとの変化分がオペアンプOP1に伝達される。この変化分はゲイン倍(=Cs/Cfa、ここでCs=Csa1+…+Csa(n−1)+Csan)されて出力し、次段のビットブロックに供給される。
このように、MDAC310において、基準電位発生回路10とリセット容量Cra(Crb)を用いてサンプリングすれば、オペアンプOP1の入出力端子をショートすることなくリセットでき、オペアンプOP1の入力端子をほぼ一定の低電位に抑えられ、図15〜18に示すスイッチトランジスタのリーク電流や耐圧オーバーを回避することができる(図4〜7参照)。
なお、本実施形態のサンプルホールド回路およびパイプラインAD変換器のクロックφ1は本発明における第1のクロックに相当し、第2のクロックは本発明におけるφ2に相当する。また、本実施形態のオペアンプOP1は本発明における増幅器に相当する。また、本実施形態の基準電位発生回路は本発明における基準電位発生回路に相当する。
以上述べたように、低電圧動作のサンプルホールド回路の複数の増幅回の内、初段増幅回路をソース接地またはエミッタ接地とした回路構成において、サンプルホールド回路を構成するオペアンプの入出力端子間にリセット容量を設け、このリセット容量に所定のクロックタイミングで基準電圧と出力基準電圧を供給し、リセット時に所定の電圧を保持したリセット容量でオペアンプの入出力端子を接続することにより、入出力間をショートすることなくリセットできる。したがって、オペアンプの入力端子をほぼ一定の低電位に抑えることができまたスイッチを構成するトランジスタのリーク電流の発生や耐圧オーバーを回避することができる。
また、これらのサンプルホールド回路を用いたパイプラインAD変換器は、リーク電圧の発生や耐圧オーバーを回避することができ、さらにこれに伴い変換精度を向上することができる。
また、これらのサンプルホールド回路を用いたパイプラインAD変換器は、リーク電圧の発生や耐圧オーバーを回避することができ、さらにこれに伴い変換精度を向上することができる。
10…基準電位発生回路、20,31,32…定電流源、21,33,34…MOSトランジスタ、100,201,304,500…サンプルホールド(S/H)回路、200…パイプラインAD変換器(ADC)、211〜214,300…ビットブロック、220…エラー訂正回路、301…AD変換器、302…DA変換器、303…減算器、310…マルチDA変換器(MDAC)、SW1a〜SW10a,SW1b〜SW10b,SW1a1−1〜SW1an―1,SW1a1−2〜SW1an―2,SW2a1−1〜SW2an−1…スイッチ、Csa,Csb,Csa1〜Csan…サンプリング容量、Cfa,Cfb…フィードバック(帰還)容量、Cra,Crb…リセット容量、OP1…オペアンプ。
Claims (5)
- 位相が異なる第1と第2クロックを用いて入力信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路であって、
増幅器と、
上記入力信号をサンプリングする入力容量と、
上記サンプリングされた上記入力信号を充電するフィードバック容量と、
上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部に基準電圧を供給する基準電位発生回路と、
上記基準電圧と上記サンプルホールド回路の出力電圧の基準電圧を出力する端子から供給された出力基準電圧との差電圧を充電し、上記増幅器の出力電圧を該充電された電圧でレベルシフトして上記増幅器の入力部に帰還するリセット容量と、
上記入力容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号を上記入力容量の入力部へ供給する第1のスイッチと、
上記出力基準電圧が供給される端子と上記フィードバック容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記出力基準電圧を上記フィードバック容量へ供給する第2のスイッチと、
上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部と基準電位発生回路の出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングする際、上記基準電位発生回路の出力部から上記サンプリングのための基準電圧を上記入力容量の出力部へ供給する第3のスイッチと、
上記リセット容量と上記増幅器の入出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力を上記リセット容量を介して該増幅器の入力部に帰還する第4のスイッチと、
上記入力容量の入力部に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングするための参照電圧を上記入力容量へ供給する第5のスイッチと、
上記フィードバック容量の出力部と上記増幅器の出力部との間に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力部と上記フィードバック容量を接続する第6のスイッチと
を有する
サンプルホールド回路。 - 上記増幅器は複数の増幅回路を有し、該増幅器の初段増幅回路はソース接地またはエミッタ接地型である
請求項1記載のサンプルホールド回路。 - 上記第3と第4のスイッチを導通するクロックは、上記第1のクロックより位相が進んでいる
請求項1記載のサンプルホールド回路。 - 上記入力信号をサンプリングするための基準電圧と上記参照電圧との差の検出と増幅動作が上記サンプルホールド回路の制御クロックと逆位相で動作する
請求項1記載のサンプルホールド回路。 - アナログ信号をデジタルコードに変換するAD変換器と、上記AD変換器の出力するデジタルコードをアナログ値に変換するDA変換器と、上記AD変換器に供給しているアナログ信号と上記DA変換器から出力されるアナログ信号との差分を2(a-1)[a:AD変換器の分解能]倍して出力するサンプルホールド回路と、で構成されるAD変換サブブロックを複数個縦続接続したパイプラインAD変換器において、
上記サンプルホールド回路は、位相が異なる第1と第2クロックを用いて入力信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路であって、
増幅器と、
上記入力信号をサンプリングする入力容量と、
上記サンプリングされた上記入力信号を充電するフィードバック容量と、
上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部に基準電圧を供給する基準電位発生回路と、
上記基準電圧と上記サンプルホールド回路の出力電圧の基準電圧を出力する端子から供給された出力基準電圧との差電圧を充電し、上記増幅器の出力電圧を該充電された電圧でレベルシフトして上記増幅器の入力部に帰還するリセット容量と、
上記入力容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号を上記入力容量の入力部へ供給する第1のスイッチと、
上記出力基準電圧が供給される端子と上記フィードバック容量の入力部に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記出力基準電圧を上記フィードバック容量へ供給する第2のスイッチと、
上記入力容量の出力部と上記フィードバック容量の出力部との共通接続部と基準電位発生回路の出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングする際、上記基準電位発生回路の出力部から上記サンプリングのための基準電圧を上記入力容量の出力部へ供給する第3のスイッチと、
上記リセット容量と上記増幅器の入出力部との間に接続され、上記第1のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力を上記リセット容量を介して該増幅器の入力部に帰還する第4のスイッチと、
上記入力容量の入力部に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記入力信号をサンプリングするための参照電圧を上記入力容量へ供給する第5のスイッチと、
上記フィードバック容量の出力部と上記増幅器の出力部との間に接続され、上記第2のクロックが入力したとき導通し、上記増幅器の出力部と上記フィードバック容量を接続する第6のスイッチと
を有する
パイプラインAD変換器。
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Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011188143A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Seiko Instruments Inc | スイッチトキャパシタアンプ |
JP2011251707A (ja) * | 2010-05-31 | 2011-12-15 | Tiger Vacuum Bottle Co Ltd | 飲料容器栓 |
JP2016223782A (ja) * | 2015-05-27 | 2016-12-28 | セイコーエプソン株式会社 | 回路装置、電子機器及び移動体 |
US9685974B1 (en) | 2016-03-14 | 2017-06-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Switched capacitor circuit |
US10985772B2 (en) | 2019-09-12 | 2021-04-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor integrated circuit, A/D converter, delta sigma-type A/D converter, incremental delta sigma-type A/D converter, and switched capacitor |
CN113890538A (zh) * | 2021-09-25 | 2022-01-04 | 北京知存科技有限公司 | 采样电路、采样阵列、存算一体芯片以及电子设备 |
-
2007
- 2007-07-17 JP JP2007186248A patent/JP2009027281A/ja active Pending
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