JPWO2010084568A1 - 隊列走行制御システム及び車両 - Google Patents

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Abstract

隊列走行制御システムは、例えば5台の車両が隊列を組んで走行するように各車両の走行状態を最適制御(LQ制御)によって制御するシステムである。この5台の車両のうち後続の4台の車両の加速度指令値は、所定の評価関数を最小にするような値として決定され、評価関数は、各車両同士の車間距離の誤差と、各車両同士の車両間相対速度と、各車両の加速度指令値とに基づいて算出される。

Description

本発明は、複数の車両が隊列を組んで走行するように、隊列を構成する各構成車両の走行状態を制御する隊列走行制御システム、及びそのようなシステムを備える車両に関するものである。
近年では、交通流改善を図り、空気抵抗の低減による燃費向上を図るために、複数の車両を短い車間距離で一列で隊列走行させる技術が注目されている。従来、このような隊列走行の技術として、隊列の各後続車両が、それぞれ前車との車間距離を制御する方式が知られている。この方式では、先頭車両が道路勾配や風等の外乱を受けた際に、車間距離の誤差が後方の車両に伝播されていくといった問題がある。この問題に対して、特開平10−162282号公報のシステムが提案されている。このシステムでは、隊列の各後続車両の各々が、隊列の先頭車両との間の車間距離を制御することで、複数台の車両による隊列走行が実現されている。この方式によれば、隊列の先頭車両が受けた外乱に対しては、各後続車両が素早く応答するので、車間距離の誤差の伝播等もなく、隊列の挙動が乱れにくいと示されている。
特開平10−162282号公報
しかしながら、上記特許文献のシステムでは、先頭車両以外の何れかの後続車両が外乱を受けた場合には、この外乱にはほとんど対処することができないため、隊列の挙動が乱れ不安定となりやすい。また、後続車両同士の車間距離は制御されていないので、後続車両同士が必要以上に接近してしまった場合にも、これを復元しようとする作用は働かず、不安定である。このように、上記特許文献記載のシステムによる隊列走行は、比較的外乱に弱いという問題点がある。
そこで、本発明は、外乱に強い隊列走行を実現することができる隊列走行制御システム及び車両を提供することを目的とする。
本発明の隊列走行制御システムは、複数の車両が隊列を組んで走行するように各車両の走行状態を制御する隊列走行制御システムであって、隊列を構成する構成車両のうち少なくとも一部の構成車両の走行制御量は、所定の評価値を最小にするような走行制御量として決定され、所定の評価値は、各構成車両間の相対関係に関する値と、構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値と、に基づいて算出されることを特徴とする。
この隊列走行制御システムによれば、隊列の構成車両の車両間の相対関係と、構成車両の走行制御量と、を考慮して隊列走行が制御されるので、各構成車両の車両間の相対関係を乱すような外乱にも強い隊列走行を実現することができる。
また、上記の所定の評価値は、各構成車両間の相対関係に関する値と、構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であることとしてもよい。
この場合、各構成車両間の相対関係に関する値と、構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値と、がそれぞれ隊列走行の制御に及ぼす影響に対して、重み付けを行うことができる。
また、上記の構成車両間の相対関係に関する値は、各構成車両における直前の構成車両との各車間距離の誤差、又は各構成車両における直前の構成車両との各相対速度のうち、少なくとも一方を含むこととしてもよい。
この場合、構成車両同士の車間距離又は相対速度が考慮されるので、各構成車両同士の車間距離又は相対速度を乱すような外乱にも強く、車間安定性が高い隊列走行を実現することができる。
また、上記の少なくとも一部の構成車両には、隊列における先頭車両が含まれることとしてもよい。この構成によれば、先頭車両の走行状態も制御され、先頭車両の動きによっても外乱を吸収することができる。
また、この場合、上記の少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値は、先頭車両の走行制御量と、先頭車両以外の後続車両の走行制御量と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であり、この重み付けにおける重みは、先頭車両と当該先頭車両の前方に存在する障害物との位置関係に基づいて決定されることとしてもよい。
本発明者らは、先頭車両の走行状態が制御される場合において、先頭車両と障害物との位置関係が良好でない場合(例えば、先頭車両と障害物とが近い場合)ほど、先頭車両の安全性が低いと考えられるので、先頭車両に制御が介入する度合いを控えめにするべきであることに着目した。この知見に鑑み、隊列走行制御システムの上記構成によれば、評価値において、先頭車両と障害物との位置関係に基づいて重み付けの重みが決定され、その重み付けによって先頭車両への制御介入の度合いと、後続車両への制御介入の度合いとのバランスが配分されるので、先頭車両の安全性に応じたバランスで先頭車両に制御を介入させることができる。その結果、例えば、先頭車両と障害物との距離が近いときに、先頭車両に対して大きな挙動が要求されるといったことが避けられる。
また、上記の所定の評価値は、各構成車両における直前の車両と間の各車間距離の誤差と、構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であり、この重み付けにおける重みは、構成車両が走行する速度に基づいて決定されることとしてもよい。
本発明者らは、この種の車両の隊列走行において燃費向上を図るためには、低速走行時には、空気抵抗の影響が小さいので隊列の安定性よりも構成車両の加減速の低減が重要視され、逆に、高速走行時には空気抵抗の影響が大きいので構成車両の加減速の低減よりも隊列の安定性が重要視されるべきであることに着目した。この知見に鑑み、隊列走行制御システムの上記構成によれば、評価値において、構成車両の走行速度に基づいて重み付けの重みが決定され、隊列の安定性に関係する隊列の構成車両の車両間の相対関係と、構成車両の加減速の抑制に関係する構成車両の走行制御量と、のバランスが配分される。従って、このシステムによれば、隊列の安定性と、構成車両の加減速の抑制とを、隊列の走行速度に基づくバランスで考慮に含めた隊列走行制御が行われ、燃費向上を効率よく図ることができる。
本発明の車両は、上記何れかの隊列走行制御システムを備えたことを特徴とする。この車両は、上記何れかの隊列走行制御システムを備えているので、外乱に強い隊列走行を実現することができる。また、この場合、本発明の車両は、隊列の一構成車両になることもできる。
本発明の隊列走行制御システム及び車両によれば、外乱に強い隊列走行を実現することができる。
図1は、本発明に係る隊列走行制御システムの第1,第2,第4,第5実施形態を示すブロック図である。 図2は、図1に示す隊列走行制御システムにより実現される隊列走行を示す図である。 図3は、第1実施形態の隊列走行制御システムが、隊列の構成車両が決定された時点で行う処理を示すフローチャートである。 図4は、第1実施形態の隊列走行制御システムが隊列走行中に行う処理を示すフローチャートである。 図5(a),(b),(c)は、従来制御第1による隊列走行に対して未知勾配外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフであり、図5(d)は、従来制御第1による隊列走行制御のモデルを示す図である。 図6(a),(b),(c)は、従来制御第1による隊列走行に対して未知勾配外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフであり、図6(d)は、従来制御第1による隊列走行制御のモデルを示す図である。 図7(a),(b),(c)は、第1実施形態の隊列走行制御システムによる隊列走行に対して未知勾配外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフである。 図8(a),(b),(c)は、従来制御第1による隊列走行に対してインパルス状外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフであり、図8(d)は、従来制御第1による隊列走行制御のモデルを示す図である。 図9(a),(b),(c)は、従来制御第1による隊列走行に対してインパルス状外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフであり、図9(d)は、従来制御第1による隊列走行制御のモデルを示す図である。 図10(a),(b),(c)は、第1実施形態の隊列走行制御システムによる隊列走行に対してインパルス状外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフである。 図11は、第2実施形態の隊列走行制御システムが隊列走行中に行う処理を示すフローチャートである。 図12(a),(b),(c)は、第2実施形態の隊列走行制御システムによる隊列走行に対して未知勾配外乱を付与した場合の、各車両C〜Cの車間誤差、車両間相対速度、及び加速度をそれぞれ示すグラフである。 図13は、本発明の隊列走行制御システムの第3実施形態を示すブロック図である。 図14は、第3実施形態の隊列走行制御システムが隊列走行中に行う処理を示すフローチャートである。 図15は、先頭車両CのTTCと、評価関数に含まれる重みεu1との関係を示すグラフである。 図16は、第4実施形態の隊列走行制御システムが隊列走行中に行う処理を示すフローチャートである。 図17は、車速Vと、評価関数に含まれる重みε,εとの関係を示すグラフである。 図18は、第4実施形態の隊列走行制御システムが隊列走行中に行う処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1,201,301,401,501…隊列走行制御システム、C〜C…車両、C…先頭車両、C〜C…後続車両。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る隊列走行制御システム及び車両の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1に示す隊列走行制御システム1は、複数の車両に隊列を組んで走行させるべく、当該複数の車両の各々の走行状態を制御するシステムである。この隊列走行制御システム1により、複数の車両が比較的狭い車間距離で縦一列に並んで走行する隊列走行が実現される。この隊列走行制御システム1では、任意台数の車両で構成される隊列走行を実現することができるが、ここでは、図2に示すように、5台の車両C,C,C,C,Cで隊列走行が行われる場合を例に挙げて説明する。
なお、以下の説明においては、図2に示されるように、隊列の先頭から数えてn番目(n=1,2,…,5)の車両Cの加速度を「a」で表し、車両Cの速度を「V」で表し、車両Cの加速度指令値を「u」で表す。また、車両Cと車両Cn+1との車間誤差を「L」で表す。なお、車間誤差とは、目標車間距離Ltgtと現在の車間距離との誤差を意味する。また、隊列の構成車両C〜Cのうち、先頭を走行する車両Cを「先頭車両」と呼び、これに対して、車両C〜Cを総称し「後続車両」と呼ぶ場合がある。
隊列を構成するすべての車両C〜Cは、それぞれ1つずつ、以下に説明する隊列走行制御システム1を搭載している。
図1に示すように、隊列走行制御システム1は、車両制御ECU(Electronic Control Unit)10を備えている。車両制御ECU10は、隊列走行制御システム1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、例えばCPU、ROM、RAMを含むコンピュータを主体として構成されている。車両制御ECU10は、情報を一時的又は長期的に保存することが可能な情報記憶部10aを有している。なお、この車両制御ECU10は、後述する所定の演算により車両C〜Cの各加速度指令値u〜uを算出する演算手段として機能する。
更に、隊列走行制御システム1は、自車両の走行状態を検知するためのセンサ類を備えている。このセンサ類には、前方車間距離センサ21aと、後方車間距離センサ22aと、車速センサ23aと、加速度センサ24aとが含まれている。
前方車間距離センサ21aは、自車両の直ぐ前方を走行する車両との車間距離を検知することができる。同様に、後方車間距離センサ22aは、自車両の直ぐ後方を走行する車両との車間距離を検知することができる。このような前方車間距離センサ21a及び後方車間距離センサ22aとしては、例えば、それぞれ車両の前部及び後部にそれぞれ設けられたミリ波レーダが採用される。前方車間距離センサ21aで得られる信号は、前方センサECU21で処理され、前方車間距離情報として車両制御ECU10に送信される。同様に、後方車間距離センサ22aで得られる信号は、後方センサECU22で処理され、後方車間距離情報として車両制御ECU10に送信される。
車速センサ23aは、自車両の速度を検知することができる。車速センサ23aとしては、例えば、車輪速を検知する電磁ピックアップセンサが用いられる。車速センサ23aで得られる信号は、車速センサECU23で処理され、車速情報として車両制御ECU10に送信される。加速度センサ24aとしては、例えば、ガスレートセンサもしくはジャイロセンサが用いられる。加速度センサ24aで得られる信号は、加速度センサECU24で処理され、加速度情報として車両制御ECU10に送信される。
なお、前方センサECU21と、後方センサECU22と、車速センサECU23と、加速度センサECU24とは、車両内ネットワークとして構築された通信・センサ系CAN20を介して車両制御ECU10に接続されている。
以上のように、隊列走行制御システム1では、上述のセンサ類により、自車両についての前方車間距離情報と、後方車間距離情報と、車速情報と、加速度情報とが得られる。なお、以下の説明では、前方車間距離情報と、後方車間距離情報と、車速情報と、加速度情報とをまとめて「走行状態情報」という場合がある。
更に、システム1は、自車両の加減速・操舵等の操作を行うべく、エンジン制御ECU31と、ブレーキ制御ECU32と、ステアリング制御ECU33とを備えている。エンジン制御ECU31は、車両制御ECU10から送信される加速度指令値情報を受信し、当該加速度指令値に対応する操作量でスロットルアクチュエータ31a等を操作する。また、ブレーキ制御ECU32は、上記加速度指令値情報を受信し、当該加速度指令値に対応する操作量でブレーキアクチュエータ32a等を操作する。また、ステアリング制御ECU33は、車両制御ECU10から送信される操舵指令値情報を受信し、当該操舵指令値に対応する操作量でステアリングアクチュエータ33a等を操作する。
また、隊列走行制御システム1は、隊列の他の構成車両との間で互いの走行状態情報等を交換すべく、無線アンテナ26a及び無線制御ECU26を備えている。隊列内の各車両C〜Cは、この無線アンテナ26a及び無線制御ECU26により互いに車車間通信を行い、他の構成車両すべての車両諸元情報、走行状態情報、及び加速度指令値情報を取得すると共に、自車両の車両諸元情報、走行状態情報、及び加速度指令値情報を他車両に送信する。このような車車間通信により、すべての車両C〜Cの車両制御ECU10において、すべての車両C〜Cの車両諸元情報、走行状態情報、及び加速度指令値情報を共有することができる。なお、無線制御ECU26は、前述の通信・センサ系CAN20を介して車両制御ECU10に接続されている。
続いて、この隊列走行制御システム1による隊列走行制御について説明する。
隊列走行制御システム1による隊列走行制御では、先頭車両Cの走行状態に応じて、4台の後続車両C〜Cの走行状態が制御される。すなわち、先頭車両Cは運転者により手動で運転され、先頭車両Cの走行状態には隊列走行制御システム1の制御が介入しない。そして、隊列走行制御システム1は、運転者が手動運転する先頭車両Cに追従するように、4台の後続車両C〜Cの走行状態を制御する。
隊列走行制御システム1によれば、各後続車両C〜Cの各加速度指令値u〜uを決定する際に、すべての車両C〜Cの走行状態情報等が利用される。具体的には、隊列走行制御システム1では、最適制御(LQ制御)が用いられ、隊列を構成するすべての車両C〜Cについての加速度a〜aと、車間誤差L〜Lと、車両間相対速度L’〜L’と、加速度指令値u〜uと、を利用して、加速度指令値u〜uが決定される。なお、車両間相対速度は、車両Cの車速Vと車両Cn+1の車速Vn+1との差であるが、車間誤差Lの時間微分でもあるので、車両間相対速度を、dLn/dt又はL’で表わす。
ここで、この隊列走行制御システム1が、各後続車両C〜Cの加速度指令値u〜uを決定するアルゴリズムを説明する。
この隊列走行制御においては、加速度指令値u〜uを制御入力とし、加速度a〜aと、車間誤差L〜Lと、車両間相対速度L’〜L’とを状態量として、車両C〜Cの隊列走行を下の状態空間方程式(1)で表わす。そして、この状態空間方程式(1)で表されるシステムに対して、最適制御(LQ制御)を適用する。
Figure 2010084568
但し、
x :状態ベクトル、x=(a1,L1,L'1,a2,L2,L'2,a3,L3,L'3,a4,L4,L'4,a5)T
:加速度指令値ベクトル、u=(u,u,u,u
:先頭車両の加速度指令値
:道路勾配や風などの外乱
である。
また、式(1)中のA,B,B,Bは、車両C〜Cの車両諸元情報等の諸条件に基づいて適宜決定される行列である。なお、式(1)においてx等の文字の上のドット(点)は、時間微分を表すものであるが、本文中では、ドットの代わりに、x’等と表す。また、数式の中では、行列、ベクトルを示す文字を太字表示しているが、本文中では太字表示を省略し通常の文字で表す。
このとき、上記の加速度指令値ベクトルuは、フィードバックゲイン行列Kを用いて、下式(2)で表される。
Figure 2010084568
ここでは、フィードバックゲイン行列Kは、13列×4行の行列である。
そして、状態空間方程式(1)で表されるシステムの最適制御(LQ制御)を行うための評価関数Jは、式(3)のように定められる。
Figure 2010084568
式(3)中の車間誤差L〜Lに関する項、車両間相対速度L’〜L’に関する項、加速度指令値u〜uに関する項には、それぞれ重み付けの重みε,εdL,εが設定されている。すなわち、評価関数Jに含まれる重みε,εdL,εを配分することで、車間距離の安定性、車両間相対速度の低減、車両の加減速の低減(加減速のエネルギー節約)といった3つの要素の隊列走行制御における重要度のバランスが決定される。従って、重みε,εdL,εを調整することで、上記3要素が所望の配分で重要視される隊列走行制御を実行させることができる。なお、重みε,εdL,εの値は、隊列走行制御システム1の設計者により所望の設計思想に基づいて予め決定され、車両制御ECU10の情報記憶部10aに予め記憶されている。
この式(3)の評価関数Jを最小にするようなフィードバックゲイン行列Kは、隊列を構成する車両C〜Cの5台の組が決定された時に、一意に求められる。そして、求められたフィードバックゲイン行列Kを式(2)に適用する。そして、フィードバックゲイン行列Kが適用された式(2)において、先頭車のuをフードフォワードにセットすると共に、各センサ類からの情報に基づいて得られる状態ベクトルxを代入することで、評価関数Jを最小にするような加速度指令値ベクトルuが求められる。すなわち、評価関数Jを最小にするような加速度指令値u〜uの組が求められる。
具体的には、式(2)に基づいて、フィードバックゲイン行列Kに含まれる13×4個の要素を”k”に添字を付けて表せば、
Figure 2010084568
といった演算で、加速度指令値u〜uが求められる。
なお、この隊列走行制御で用いられる状態ベクトルxは、各車両C〜Cの各センサ類からの情報に基づいて得られる。すなわち、状態ベクトルxの加速度a〜aは、各車両C〜Cの加速度センサ24aから得られる各加速度情報に基づいて求められる。また、車間誤差L〜Lは、各車両C〜Cの前方車間距離センサ21a或いは後方車間距離センサ22aから得られる各車間距離情報に基づいて求められる。また、車両間相対速度L’〜L’は、各車両C〜C車速センサ23aから得られる各車速情報に基づいて、前後の車両の車速同士の差を算出することにより求められる。なお、加速度a〜a、車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’は、他の方法で求めてもよい。例えば、車両間相対速度L’〜L’は、それぞれ車間誤差L〜Lの変化率に基づいて求めてもよい。
続いて、各車両C〜Cの隊列走行制御システム1が上記アルゴリズムに基づいて行う具体的な処理について、フローチャートを参照しながら説明する。すべての車両C〜Cの隊列走行制御システム1の車両制御ECU10は、各々が、以下に説明する処理を並行して行う。
まず、隊列を構成する構成車両C〜Cが決定された時点で、各車両C〜Cの車両制御ECU10が行う処理について図3を参照し説明する。
図3に示すように、隊列を構成する車両C〜Cが決定された時、車両制御ECU10は、無線制御26a及び無線制御ECU26を通じた車車間通信により、他のすべての構成車両の車両諸元情報を取得する。更に、情報記憶部10aに記録されている自車の車両諸元情報を読み出すことで、すべての車両C〜Cの車両諸元情報を取得する。(S11)。この車両諸元情報には、各車両の加速応答特性等が含まれている。次に、車両制御ECU10は、取得されたすべての車両C〜Cの車両諸元情報に基づいて、式(1)の状態空間方程式及び式(3)の評価関数を作成し、評価関数Jを最小にするフィードバックゲイン行列Kを算出する(S13)。そして、車両制御ECU10は、算出したフィードバックゲイン行列Kを情報記憶部10aに記録する(S15)。
次に、隊列走行中における各車両C〜Cの車両制御ECU10が行う処理について、図4を参照し説明する。
図4に示すように、車両制御ECU10は、車車間通信によって他車両4台分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S101)。次に、自車両のセンサ類21a〜24aから自車両の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S103)。これらの処理により、車両制御ECU10は、全車両C〜C分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得することになり、取得したこれらの情報に基づいて、加速度a〜a、車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’を算出し、状態ベクトルxを得ることができる。
次に、前述の式(2)において、先頭車両Cの加速度指令値uがフィードフォワードにセットされ(S111)、情報記録部10aからフィードバックゲイン行列Kが読み込まれる(S113)。そして、式(2)より、フィードバックゲイン行列Kを用いて、加速度指令値u及び状態ベクトルxに基づいて加速度指令値ベクトルuが算出される。すなわち、フィードバック制御指令値u〜uの組が求められる(S115)。
その後、車両C〜Cの車両制御ECU10は、算出された加速度指令値u〜uのうち、自車両の加速度指令値u(例えば、自車両が車両Cであれば加速度指令値u、自車両が車両Cであれば加速度指令値u)をエンジン制御ECU31及びブレーキ制御ECU32に送信する(S131)。そして、エンジン制御ECU31は受信した加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31aを操作し、ブレーキ制御ECU32は受信した加速度指令値uに基づいてブレーキアクチュエータ32aを操作する(S133)。以上のような図4のS101〜S133の処理が隊列走行中に繰り返される。このような処理により、4台の後続車両C〜Cの加減速が先頭車両C1に対応して制御され、5台の車両C〜Cによる隊列走行が達成される。
以上説明した通り、各車両C〜Cが搭載する隊列走行制御システム1は、隊列内のすべての車両C〜Cに関する加速度a〜a、車間誤差L〜L、及び車両間相対速度L’〜L’を取得する。そして、取得された加速度a〜a、車間誤差L〜L、及び車両間相対速度L’〜L’を要素とする状態ベクトルxを用い、LQ制御によって全後続車両C〜Cの加速度指令値u〜uの組が決定される。そして、各後続車両C〜Cの隊列走行制御システム1は、決定された加速度指令値u〜uのうち、自車両Cに関する加速度指令値uを採用し、エンジン制御ECU31、ブレーキ制御ECU32は、加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31a、ブレーキアクチュエータ32aを操作する。
このように、隊列走行制御システム1によれば、車両C〜Cの加速度a〜aと、車両C〜Cの間における車間誤差L〜Lと、車両C〜Cの間における車両間相対速度L’〜L’と、車両C2〜Cの加速度指令値u〜uと、を考慮して隊列走行が制御される。従って、隊列走行中に車両C〜Cの何れか1台が受けた外乱に対しても、4台の後続車両C〜Cが協調して動いて車間を安定させ、スムーズに車間誤差を収束させる。よって、隊列走行制御システム1によれば、各車両C〜Cの車両間の車間距離や車両間相対速度を乱すような外乱に強い隊列走行を実現することができる。
また、評価関数Jにおいては、車間誤差L〜Lに関する項、車両間相対速度L’〜L’に関する項、加速度指令値u〜uに関する項、各々に配分される重みε,εdL,εを、設計者が設定することで、車間距離の安定性、車両間相対速度の低減、及び加減速のエネルギー節約といった事項が所望の配分で重要視される隊列走行制御を実行させることができる。
続いて、この隊列走行制御システム1による車両C〜Cの走行状態の外乱安定性を評価すべく本発明者らが行ったシミュレーションの結果について、図5〜図10を参照し説明する。
本発明者らは、隊列走行制御システム1による車両C〜Cの隊列走行制御において、隊列に対して所定の外乱が加えられた場合における車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’、及び加速度a〜aをシミュレーションにより求めた。また、本発明者らは、比較対象として、2種類の従来の2制御による隊列走行についても同様のシミュレーションを行った。この2種類の従来の制御とは、車両C〜Cをばねダンパ緩衝ユニットで直列に結合したモデルを用いた隊列走行制御(図5(d)参照;以下、「従来制御第1」と称する)と、後続車両C〜Cのそれぞれを並列してばねダンパ緩衝ユニットで車両Cに結合したモデルを用いた隊列走行制御(図6(d)参照;以下、「従来制御第2」と称する)である。これらのモデルのばねダンパ緩衝ユニットは、図5(d)、図6(d)に示すように、ばねkとダンパcとを並列に結合したものである。
図5には、従来制御第1において、隊列が15km/hで定常走行中に1degの未知道路勾配に進入した場合における各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図5(a))、車両間相対速度L’〜L’(図5(b))、及び加速度a〜a(図5(c))を示している。
また、図6には、従来制御第2において、隊列が上記と同じ条件で未知道路勾配に進入した場合の各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図6(a))、車両間相対速度L’〜L’(図6(b))、及び加速度a〜a(図6(c))を示している。
これに対し、図7には、隊列走行制御システム1による隊列走行制御において、隊列が上記と同じ条件で未知道路勾配に進入した場合の各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図7(a))、車両間相対速度L’〜L’(図7(b))、及び加速度a〜a(図7(c))を示している。
更に、図8には、従来制御第1において、隊列が100km/hで定常走行中に、車両Cに対して0.1Gのインパルス状外乱を付与した場合の各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図8(a))、車両間相対速度L’〜L’(図8(b))、及び加速度a〜a(図8(c))を示している。
また、図9には、従来制御第2において、上記と同じ条件でインパルス状外乱を付与した場合の各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図9(a))、車両間相対速度L’〜L’(図9(b))、及び加速度a〜a(図9(c))を示している。
これに対し、図10には、隊列走行制御システム1による隊列走行制御において、上記と同じ条件でインパルス状外乱を付与した場合の各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図10(a))、車両間相対速度L’〜L’(図10(b))、及び加速度a〜a(図10(c))を示している。
なお、車間誤差L〜Lを示す図5(a)〜図10(a)の縦軸のスケールはすべて同一であり、車両間相対速度L’〜L’を示す図5(b)〜図10(b)の縦軸のスケールはすべて同一であり、加速度a〜aを示す図5(c)〜図10(c)の縦軸のスケールはすべて同一である。また、時間を示す各図の横軸のスケールはすべて共通である。
以下、図5〜図10を比較しながら、シミュレーション結果の考察を行う。
隊列が前述の道路勾配進入時のような未知勾配外乱を受けた場合について、図5(a)、図6(a)、図7(a)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図7(a))では、従来制御第1及び第2(図5(a)、図6(a))に比べて、車間誤差L〜Lが小さく、また、車間誤差L〜Lが増幅していないことが判る。
また、図5(b)、図6(b)、図7(b)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図7(b))では、従来制御第1及び第2(図5(b)、図6(b))に比べて、車両間相対速度L’〜L’の収束が早いことが判る。
また、図5(c)、図6(c)、図7(c)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図7(c))では、従来制御第1及び第2(図5(c)、図6(c))に比べて、加速度a〜aが小さく走行がスムーズであることが判る。
このように、隊列走行制御システム1による隊列走行制御では、外乱に対して全部の後続車両C〜Cが協調して動くことで車間距離を安定させ、スムーズに車間誤差を収束させると共に、車両C〜Cの加速度a〜aが小さくスムーズな走行がなされるといった効果が得られている。
また、隊列が前述のインパルス状外乱を受けた場合について、図8(a)、図9(a)、図10(a)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図10(a))では、従来制御第1及び第2(図8(a)、図9(a))に比べて、車間誤差L〜Lが小さく、また、車間誤差L〜Lが増幅していないことが判る。
また、図8(b)、図9(b)、図10(b)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図10(b))では、従来制御第1及び第2(図8(b)、図9(b))に比べて、車両間相対速度L’〜L’の収束が早いことが判る。
また、図8(c)、図9(c)、図10(c)を比較すると、隊列走行制御システム1による隊列走行制御(図10(c))では、従来制御第1及び第2(図8(c)、図9(c))に比べて、加速度a〜aが小さく走行がスムーズであることが判る。
このように、隊列走行制御システム1による隊列走行制御では、車両C3のみが受けた外乱に対しても、全部の後続車両C〜Cが協調して動くことで車間距離を安定させ、スムーズに車間誤差を収束させる効果が得られている。
以上の通り、隊列走行制御システム1による隊列走行制御によれば、外乱に対する車間距離及び車両間相対速度の安定性が高く、また、加減速が少ないことから省エネルギーにも有利な隊列走行が実現可能であることが示された。
(第2実施形態)
続いて、本発明に係る隊列走行制御システムの第2実施形態について説明する。本実施形態の隊列走行制御システム201の物理的な構成は、図1に示すように、隊列走行制御システム1と同様であるので、重複する説明は省略する。
前述の隊列走行制御システム1によれば、先頭車両Cに外乱が加わった場合にも、この外乱を後続車両C〜Cの動きのみで補償しようとするので、この場合、後続車両C〜Cに無理がかかる場合がある。
そこで、この隊列走行制御システム201では、5台すべての構成車両C〜Cの走行状態が制御される点において、後続車両C〜Cのみの走行状態が制御される隊列走行制御システム1とは異なっている。すなわち隊列走行制御システム201では、先頭車両Cの走行状態を含め、すべての構成車両C〜Cの走行状態に制御が介入する。この場合、先頭車両Cの目標加速度指令値uは、運転者により手動で決定されるか、又は、予め定められた走行計画等に基づいて自動的に決定される。
この隊列走行制御システム201では、状態空間方程式(1)における加速度指令値ベクトルuは、全車両C〜Cの5つの加速度指令値u〜uを含むベクトルであり下のように表される。
=(u,u,u,u,u
そして、加速度指令値ベクトルuは、下式(5)で表される。
Figure 2010084568
なお、この式(5)中のBffは、前述の式(2)中のBffとは異なるベクトルとなる。
ここでは、フィードバックゲイン行列Kは、13列×5行の行列である。
また、評価関数Jは、下式(6)となる。
Figure 2010084568
そして、隊列走行制御システム1の場合と同様にして、この式(6)の評価関数Jを最小にするようなフィードバックゲイン行列Kを求めることで、評価関数Jを最小にするような加速度指令値ベクトルu(すなわち、加速度指令値u〜uの組)が求められる。
続いて、各車両C〜Cの隊列走行制御システム201が行う具体的な処理について、フローチャートを参照しながら説明する。すべての車両C〜Cの隊列走行制御システム201の車両制御ECU10は、各々が、以下に説明する処理を並行して行う。
まず、隊列を構成する構成車両C〜Cが決定された時点で、各車両C〜Cの車両制御ECU10は、隊列走行制御システム1の場合と同様に(図3参照)、フィードバックゲイン行列Kを求め、情報記憶部10aに記録する。
その後、隊列走行中においては、図11に示すように、車両制御ECU10は、車車間通信によって他車両4台分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S201)。次に、自車両のセンサ類21a〜24aから自車両の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S203)。これらの処理により、車両制御ECU10は、全車両C〜C分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得することになり、取得したこれらの情報に基づいて、加速度a〜a、車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’を算出し、状態ベクトルxを得ることができる。
次に、前述の式(6)において、先頭車両Cの目標加速度指令値uがフィードフォワードにセットされ(S221)、情報記録部10aからフィードバックゲイン行列Kが読み込まれる(S223)。そして、式(6)より、フィードバックゲイン行列Kを用いて、目標加速度指令値u及び状態ベクトルxに基づいて加速度指令値ベクトルuが算出され、フィードバック制御指令値u〜uが求められる(S225)。
その後、車両C〜Cの車両制御ECU10は、算出された加速度指令値u〜uのうち、自車両の加速度指令値u(例えば、自車両が車両Cであれば加速度指令値u、自車両が車両Cであれば加速度指令値u)をエンジン制御ECU31及びブレーキ制御ECU32に送信する(S231)。そして、エンジン制御ECU31は受信した加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31aを操作し、ブレーキ制御ECU32は受信した加速度指令値uに基づいてブレーキアクチュエータ32aを操作する(S233)。以上のような図11のS201〜S233の処理が隊列走行中に繰り返される。このような処理により、5台の後続車両C〜Cの加減速が制御され、5台の車両C〜Cによる隊列走行が達成される。
以上説明した通り、各車両C〜Cが搭載する隊列走行制御システム1は、隊列内のすべての車両C〜Cに関する加速度a〜a、車間誤差L〜L、及び車両間相対速度L’〜L’を取得する。そして、取得された加速度a〜a、車間誤差L〜L、及び車両間相対速度L’〜L’を要素とする状態ベクトルxを用い、LQ制御によって全後続車両C〜Cの加速度指令値u〜uの組が決定される。そして、各車両C〜Cの隊列走行制御システム1は、決定された加速度指令値u〜uのうち、自車両Cに関する加速度指令値uを採用し、エンジン制御ECU31、ブレーキ制御ECU32が、加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31a、ブレーキアクチュエータ32aを操作する。
この隊列走行制御システム201によれば、隊列走行中に車両C〜Cの何れか1台が受けた外乱に対しても、5台の車両C〜C全部が協調して動いて車間を安定させ、スムーズに車間誤差を収束させる。よって、隊列走行制御システム201によれば、各車両C〜Cの車両間の車間距離や車両間相対速度を乱すような外乱に強い隊列走行を実現することができる。
続いて、この隊列走行制御システム201による車両C〜Cの走行状態の外乱安定性を評価すべく本発明者らが行ったシミュレーションの結果について説明する。
図12には、隊列走行制御システム201による隊列走行制御において、隊列が15km/hで定常走行中に1degの未知道路勾配に進入した場合における各車両C〜Cの車間誤差L〜L(図12(a))、車両間相対速度L’〜L’(図12(b))、及び加速度a〜a(図12(c))を示している。すなわち、このシミュレーションでは、図5〜図7と同様の外乱を隊列に付与している。また、車間誤差L〜Lを示す図12(a)の縦軸のスケールは図5(a)〜図7(a)と同一であり、車両間相対速度L’〜L’を示す図12(b)の縦軸のスケールは図5(b)〜図7(b)と同一であり、加速度a〜aを示す図12(c)の縦軸のスケールは図5(c)〜図7(c)と同一である。また、時間を示す図12(a)〜(c)の横軸のスケールはすべて図5〜図8と共通である。
ここで、図7(a),(b)と図12(a),(b)とをそれぞれ比較すると、隊列走行制御システム201では、隊列走行制御システム1に比べて、わずかではあるが車間誤差及び車両間相対速度の変動が少ないことが判る。また、図7(c)と図12(c)とを比較すると、隊列走行制御システム201では、隊列走行制御システム1に比べて、加速度の変動が特に少ないことが判る。図12(c)に示されるように、隊列走行制御システム201では、先頭車両Cが勾配進入により減速した後、後続車両Cとの車間距離が詰まることに起因して先頭車両Cは加速側に転じている。このため、隊列全体として減速しすぎないような制御がなされる。このように、隊列走行制御システム201によれば、隊列走行制御システム1による作用効果に加えて、更に加減速が小さくスムーズな走行が実現可能であることが示された。
(第3実施形態)
続いて、本発明に係る隊列走行制御システムの第3実施形態について説明する。図13に示すように、本実施形態の隊列走行制御システム301は、隊列走行制御システム1に加えて、操作スイッチ29aを更に備えている。操作スイッチ29aは、通信・センサ系CAN20を介して車両制御ECU10に接続されている。操作スイッチ29aは、運転者による選択操作を受け付け、電気信号として車両制御ECU10に送信する。
この隊列走行制御システム301では、隊列走行制御システム1のように4台の後続車両C〜Cの走行状態を制御する(「第1タイプの制御」という)か、隊列走行制御システム201のように全車両C〜Cの走行状態を制御する(「第2タイプの制御」という)かを、例えば、先頭車両Cにおける操作スイッチ29a(図1参照)によって選択的に切替え可能である。先頭車両Cの操作スイッチ29aにおいて何れのタイプの制御が選択されているかを示す制御タイプ選択情報は、車車間通信によって全車両C〜Cで共有される。
続いて、各車両C〜Cの隊列走行制御システム301が行う具体的な処理について、フローチャートを参照しながら説明する。すべての車両C〜Cの隊列走行制御システム301の車両制御ECU10は、各々が、以下に説明する処理を並行して行う。
車両制御ECU10は、隊列を構成する構成車両C〜Cが決定された時点で、車両制御ECU10は、すべての車両C〜Cの車両諸元情報に基づいて、第1タイプの制御に用いられるフィードバックゲイン行列Kと、第2タイプの制御に用いられるフィードバックゲイン行列Kとを双方とも算出し、情報記憶部10aに記録する。
そして、隊列走行中においては、図14に示すように、車両制御ECU10は、処理S101,S103を行った後、制御タイプ選択情報に基づいて何れのタイプの制御が選択されているかを判断する(S305)。
ここで、車両制御ECU10は、第1タイプの制御が選択されている場合には処理S111,S113,S115を行い、第2タイプの制御が選択されている場合には処理S221,S223,S225を行う。その後、車両制御ECU10は処理S131を行い、エンジン制御ECU31及びブレーキ制御ECU32では、処理S133が行われる。以上のような図14のS101〜S133の処理が隊列走行中に繰り返される。なお、図14においては、図4又は図11の処理と同一又は同等の処理には同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。以上のような処理によれば、先頭車両Cの運転者の意志により、先頭車両Cの操作スイッチ29aの操作によって、第1又は第2タイプの制御を選択的に行わせることができる。なおこの場合、先頭車両Cの操作スイッチ29aに限られず、他の車両C〜Cの何れかの操作スイッチ29aによって制御タイプを選択可能としてもよい。
(第4実施形態)
続いて、本発明に係る隊列走行制御システムの第4実施形態について説明する。本実施形態の隊列走行制御システム401の物理的な構成は、図1に示すように、隊列走行制御システム1と同様であるので、重複する説明は省略する。
前述の隊列走行制御システム201では、先頭車両Cの走行状態にも制御が介入している。しかしながら、先頭車両Cは、障害物など周囲との関係を把握しながら安全に走行を行う必要がある。先頭車両Cの障害物としては、例えば、前方を走行する隊列外の先行車両や、周囲に存在する車両以外の障害物などがある。従って、先頭車両Cの周囲の状況によっては、先頭車両Cの走行状態に対して制御が過度に介入するのが好ましくない場合もある。例えば、先頭車両Cの比較的近い位置に障害物が存在する場合には、先頭車両Cにとっては隊列走行よりも障害物のリスク管理の方がより優先されるべきであるので、障害物が存在しない場合に比べて、先頭車両Cの走行状態に制御が介入する度合いを小さくすべきである。
このような知見に鑑み、本実施形態の隊列走行制御システム401では、先頭車両C1の走行状態に制御が介入する度合いを、先頭車両Cの前方のリスクに応じて変更されるようにしている。
具体的には、隊列走行制御システム401では、前述の隊列走行制御システム201における式(7)の評価関数J代えて、下の式(9)で表される評価関数Jを用いて隊列走行制御が行われる。
Figure 2010084568
但し、先頭車両CのTTC(Time to Collision;衝突予測時間)をTTCで表すと、式(7)のεu1は、εu1=f(TTC)と表される。すなわち、εu1はTTCの関数であり、εu1とTTCとの関係は、例えば、図15のグラフで表される。
この式(8)中の先頭車両Cの加速度指令値uに関する項と、後続車両C〜C
の加速度指令値u〜uに関する項とには、それぞれ別の重みεu1,εu25が設定されている。すなわち、評価関数Jに含まれる重みεu1,εu25を配分することで、先頭車両Cの加速度指令値uに制御が介入する度合いと、後続車両C〜Cの加速度指令値u〜uに制御が介入する度合いとのバランスを調整することができる。しかも、εu1は、TTCの関数であるので、先頭車両Cの加速度指令値uに制御が介入する度合いは、先頭車両CのTTCに基づいて変化することになる。すなわち、この評価関数Jを用いたLQ制御では、図15に示されるように、先頭車両CのTTCが大きい(衝突のリスクが低い)ほど、εu1が大きくなっており、先頭車両C1の加速度指令値uへの制御の介入の度合いが大きくなる。そして、先頭車両CのTTCが小さい(衝突のリスクが高い)ほど、εu1が小さくなっており、先頭車両Cの加速度指令値uへの制御の介入の度合いが小さくなる。更に、頭車両CのTTCが所定値以下の範囲では、εu1はゼロであり、先頭車両C1の加速度指令値uへは制御が介入しないようになっている。
なお、TTCは、車両が前方障害物(例えば前方を走行する車両)に衝突するまでの予測時間を意味し、先頭車両CのTTCは、例えば、先頭車両Cから前方障害物までの距離を、先頭車両Cと前方障害物との相対速度で割った値として算出することができる。
続いて、各車両C〜Cの隊列走行制御システム401が行う具体的な処理について、フローチャートを参照しながら説明する。すべての車両C〜Cの隊列走行制御システム401の車両制御ECU10は、各々が、以下に説明する処理を並行して行う。
まず、図16に示すように、先頭車両Cの車両制御ECU10が、当該先頭車両CにおけるTTCを算出し、車車間通信で後続車両C〜Cに先頭車両TTC情報として配信する(S401)。ここでは、先頭車両Cの車両制御ECU10は、例えば、前方を走行する先行車両から車車間通信で得た先行車両の車速情報と、前方車間距離センサ21aで得られた先行車両との車間距離情報と、車速センサ23aで得られた自車両Cの車速情報と、に基づいてTTCを算出する。先頭車両CによるTTC情報の算出及び後続車両C〜Cへの配信により、先頭車両TTC情報は、すべての車両C〜Cにおいて共有される。
次に、車両制御ECU10は、車車間通信によって他車両4台分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S403)。次に、自車両のセンサ類21a〜24aから自車両の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S405)。これらの処理により、車両制御ECU10は、全車両C〜C分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得することになり、取得したこれらの情報に基づいて、加速度a〜a、車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’を算出し、状態ベクトルxを得ることができる。
続いて、車両制御ECU10は、図15で示される関係から、先頭車両TTC情報に基づいてεu1を決定する(S407)。そして、決定されたεu1を前述の式(9)に適用し、式(9)の評価関数Jを最小にするフィードバックゲイン行列Kを算出する(S409)。そして、前述の式(6)において、先頭車両Cの目標加速度指令値uがフィードフォワードにセットされ(S411)、算出された上記フィードバックゲイン行列K用いて、加速度指令値u及び状態ベクトルxに基づいて加速度指令値ベクトルuが算出され、フィードバック制御指令値u〜uが求められる(S413)。
その後、車両C〜Cの車両制御ECU10は、算出された加速度指令値u〜uのうち、自車両の加速度指令値u(例えば、自車両が車両Cであれば加速度指令値u、自車両が車両Cであれば加速度指令値u)をエンジン制御ECU31及びブレーキ制御ECU32に送信する(S415)。そして、エンジン制御ECU31は受信した加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31aを操作し、ブレーキ制御ECU32は受信した加速度指令値uに基づいてブレーキアクチュエータ32aを操作する(S417)。以上のような図16のS401〜S417の処理が隊列走行中に繰り返される。
以上説明した隊列走行制御システム401によれば、隊列走行制御の先頭車両Cへの介入量が、先頭車両Cの前方のリスクに応じて自動的に調整される。例えば、図15に例示した先頭車両TTCとεu1との関係によれば、先頭車両CのTTCが小さい(すなわち、先頭車両の前方のリスクが高い)状況では、εu1がゼロ又は十分に小さい値であり、先頭車両Cへの制御の介入量をゼロ又は十分に小さくすることができる。従って、例えば、先頭車両Cにおける前方の他車との車間距離が小さく前方のリスクが高い時に、先頭車両Cに対して隊列走行制御による高加減速が要求されるといったことが避けられる。
(第5実施形態)
続いて、本発明に係る隊列走行制御システムの第5実施形態について説明する。本実施形態の隊列走行制御システム501の物理的な構成は、図1に示すように、隊列走行制御システム1と同様であるので、重複する説明は省略する。
車両の隊列走行の重要な目的の一つとして、燃費の向上が挙げられる。隊列走行における燃費向上のために考慮されるべき要素としては、大きく分けて、各車両C〜Cの加減速を低減させることと、各車間距離を短く安定して保ち空気抵抗を低減させること、の2つの要素がある。ここで、空気抵抗は車速の2乗に比例するため、空気抵抗低減の効果は、車速に大きく依存する。すなわち、燃費向上を効率よく図るためには、隊列走行の車速が大きくなるほど、車間距離安定による空気抵抗低減の効果が重要視されるべきであり、車速が小さくなるほど、車両の加減速低減の効果が重要視されるべきである。
このような知見に鑑み、本実施形態の隊列走行制御システム501では、隊列走行制御において、車両の加減速低減の要素と、車両の車間距離安定の要素と、のバランス配分が、車両C〜Cの車速に応じて変更されるようにしている。
具体的には、隊列走行制御システム501は、前述の隊列走行制御システム201において、式(6)の評価関数Jの重みε,εを、車速に応じて可変とするものである。すなわち、式(6)中の車両C〜Cの加速度指令値u〜uに関する項と、車間誤差L〜Lに関する項には、それぞれ重みε,εが設定されており、この重みε,εを配分することで、隊列走行制御における、車両の加減速低減の要素と、車両の車間距離安定の要素と、のバランスを調整することができる。
そこで、重みε,εを、図17で示されるような車速Vの関数とする。すなわち、車速Vが小さいほどεは大きくεは小さく、車速Vが大きいほどεは小さくεは大きくなるようにする。このような重みε,εにより、この評価関数Jを用いたLQ制御では、隊列走行の車速が小さいほど、車両の加減速低減の要素が相対的に重要視され、隊列走行の車速が大きいほど、車両の車間距離安定の要素が相対的に重要視されることになる。このように、車速Vに対応した重みε,εが自動的に設定されることで、車両の加減速低減の要素と、車両の車間距離安定の要素と、が隊列走行の車速に対応した適切なバランスで重要視された隊列走行制御が実行される。
続いて、各車両C〜Cの隊列走行制御システム501が行う具体的な処理について、フローチャートを参照しながら説明する。すべての車両C〜Cの隊列走行制御システム501の車両制御ECU10は、各々が、以下に説明する処理を並行して行う。
まず、図18に示すように、車両制御ECU10は、車車間通信によって他車両4台分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S503)。次に、自車両のセンサ類21a〜24aから自車両の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得する(S505)。これらの処理により、車両制御ECU10は、全車両C〜C分の前方車間距離、後方車間距離、車速、加速度を取得することになり、取得したこれらの情報に基づいて、加速度a〜a、車間誤差L〜L、車両間相対速度L’〜L’を算出し、状態ベクトルxを得ることができる。
続いて、車両制御ECU10は、図17で示される関係から、自車両の車速Vに基づいて、ε及びεを決定する(S507)。そして、決定されたε,εを前述の式(6)に適用し、式(6)の評価関数Jを最小にするフィードバックゲイン行列Kを算出する(S509)。そして、前述の式(5)において、先頭車両Cの目標加速度指令値uがフィードフォワードにセットされ(S511)、算出された上記フィードバックゲイン行列K用いて、加速度指令値u及び状態ベクトルxに基づいて加速度指令値ベクトルuが算出され、フィードバック制御指令値u〜uが求められる(S513)。
その後、車両C〜Cの車両制御ECU10は、算出された加速度指令値u〜uのうち、自車両の加速度指令値u(例えば、自車両が車両Cであれば加速度指令値u、自車両が車両Cであれば加速度指令値u)をエンジン制御ECU31及びブレーキ制御ECU32に送信する(S515)。そして、エンジン制御ECU31は受信した加速度指令値uに基づいてスロットルアクチュエータ31aを操作し、ブレーキ制御ECU32は受信した加速度指令値uに基づいてブレーキアクチュエータ32aを操作する(S517)。以上のような図18のS501〜S517の処理が隊列走行中に繰り返される。
以上説明した隊列走行制御システム501によれば、隊列を構成する車両C〜Cが高速で走行しているときには、車両C1〜C5の加減速によるエネルギー損失が多少増加しても、車間誤差L〜Lを抑制し空気抵抗低減の要素を重視した隊列走行が実行される。逆に、車両C〜Cが低速で走行しているときには、車間誤差L〜Lが多少増加しても、車両C〜Cの加減速低減の要素を重視した隊列走行が実行される。このように、隊列走行制御システム501によれば、車両の加減速低減の要素と、車両の車間距離安定の要素とが、隊列走行の速度に基づくバランスで考慮された隊列走行制御が行われ、燃費向上を効率よく図ることができる。
なお、本発明は上述した第1〜第5実施形態に限定されるものではない。例えば、第1〜第5実施形態では、各車両C〜Cがそれぞれ備える各隊列走行制御システムが、それぞれ独立して重複する演算処理を並行して行うようにしているが、車両C〜Cのうちの何れか1台の車両の隊列走行制御システムが上記演算処理を行って加速度指令値u〜u(又は加速度指令値u〜u)を算出した後、車車間通信により演算結果を各他車両に配信するようにしてもよい。但し、各車両C〜Cが備える各隊列走行制御システムが、それぞれ独立して演算処理を行う方式は、車車間通信分の遅れが発生しない点で優れている。また、各車両C〜Cが備える各隊列走行制御システムが、それぞれ独立して演算処理を行うと共に、車車間通信により互いに演算結果を交換し、演算結果のクロスチェックを行うようにしてもよい。
また、例えば第2実施形態では、式(6)の評価関数Jに、5台すべての車両C〜Cの加速度指令値u〜uが含まれているが、評価関数Jには、加速度指令値u〜uのうちの少なくとも1台分を含むようにしてもよい。例えば、車両C〜Cのうちの何台かに、制御を介入させたくない事情がある場合においては、制御を介入させたくない車両の加速度指令値uを評価関数Jの数式中から除くようにしてもよい。例えば、車両CがVIP車両である場合、式(6)の右辺から車両Cの加速度指令値に関するu を取り除くことにより、車両Cの走行状態に対しては制御が介入せず、VIP車両である車両Cに対して無理な加減速が要求されることが避けられる。
また、この第1〜第5実施形態では、5台の車両C〜Cで隊列走行が行われる場合を例として説明しているが、第1〜第5実施形態における隊列走行制御に倣えば、5台に限られず任意台数の車両による隊列走行が実現できることは明白である。
本発明は、複数の車両が隊列を組んで走行するように、各車両の走行状態を制御する隊列走行制御システムに関するものであり、隊列走行の外乱安定性を高めるものである。

Claims (7)

  1. 複数の車両が隊列を組んで走行するように前記各車両の走行状態を制御する隊列走行制御システムであって、
    前記隊列を構成する構成車両のうち少なくとも一部の構成車両の走行制御量は、所定の評価値を最小にするような走行制御量として決定され、
    前記所定の評価値は、
    前記各構成車両間の相対関係に関する値と、前記構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値と、に基づいて算出されることを特徴とする隊列走行制御システム。
  2. 前記所定の評価値は、
    前記各構成車両間の相対関係に関する値と、前記構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であることを特徴とする請求項1に記載の隊列走行制御システム。
  3. 前記構成車両間の相対関係に関する値は、
    前記各構成車両における直前の構成車両との各車間距離の誤差、又は前記各構成車両における直前の構成車両との各相対速度のうち、少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の隊列走行制御システム。
  4. 前記少なくとも一部の構成車両には、前記隊列における先頭車両が含まれることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の隊列走行制御システム。
  5. 前記少なくとも1台の構成車両の走行制御量に関する値は、
    前記先頭車両の目標走行制御量と、前記先頭車両以外の後続車両の走行制御量と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であり、
    この重み付けにおける重みは、
    前記先頭車両と当該先頭車両の前方に存在する障害物との位置関係に基づいて決定されることを特徴とする請求項4に記載の隊列走行制御システム。
  6. 前記所定の評価値は、
    前記各構成車両における直前の車両と間の各車間距離の誤差と、前記構成車両のうち少なくとも1台の構成車両の走行制御量と、のそれぞれに重み付けを行って算出される値であり、
    この重み付けにおける重みは、前記各構成車両が走行する速度に基づいて決定されることを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の隊列走行制御システム。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の隊列走行制御システムを備えたことを特徴とする車両。
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