JPWO2010082602A1 - O/w微細エマルション外用剤の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25重量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程、及び該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F)水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させるO/W微細エマルション調製工程、を備えることを特徴とする乳化粒子径50〜500nmのO/W微細エマルション外用剤の製造方法を提供する。本方法は、特別な冷却装置を用いることなく経済性に優れており、容易に安全性、安定性に優れたO/W微細エマルション外用剤を製造することができる。

Description

関連出願
本出願は、2009年1月14日付け出願の日本国特許出願2009−5531号の優先権を主張しており、ここに折り込まれるものである。
本発明は、O/W微細エマルション外用剤の製造方法、特に簡易性、経済性に優れた製造方法、及びO/W微細エマルション外用剤の安定性の向上に関する。
従来より、化粧品、医薬部外品、医薬品などの皮膚外用剤の乳化安定性を保つ目的で高級脂肪族アルコールとポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤が形成するαゲルを用いたO/W乳化組成物が用いられており、特に、外用剤として用いることが知られている。このようなO/Wエマルション外用剤を調製する方法としては、水に保湿剤と親水的なポリオキシエチレン型非イオン界面活性剤を溶解させ70℃付近に加温した水相に必須成分として油分と高級アルコールを70℃付近で均一にした油相をホモゲナイザーで攪拌しながら乳化したものをオンレーターなどの冷却機で35℃付近まで急速に冷却する方法が用いられてきた(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、従来より検討されている70℃での乳化、冷却という方法はエネルギー的に無駄が多いだけでなく、オンレーター等の冷却機の使用後の洗浄に多量の水を使うこと、更に粒子径が1μm以下の乳化物は調製しにくいという問題点があった。また、近年、環境意識の高まりからより低エネルギーで乳化できる技術が求められていた。
したがって、従来のオンレーター等の冷却装置を用いることなく、経済的に優れながら容易に製造することができ、かつ、経時安定性の高い粒子径のより細かなO/Wエマルション外用剤を開発することが望まれていた。
妹尾学著,「界面活性の化学と応用」,大日本図書,1995年,p.160
本発明は、上記従来技術の事情に鑑みなされたものであり、その解決すべき課題は、簡易性、及び経済性に優れたO/W微細エマルション外用剤の製造方法、及び安定性に優れたO/W微細エマルション外用剤を提供することである。
前述の課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、特定組成を70〜80℃で混合攪拌して、一度W/Oエマルションを調製し、該W/Oエマルション中に、10〜35℃の水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させることにより、オンレーター等の冷却装置を用いることなく、乳化粒子径が50〜500nmで安定性に優れたO/W微細エマルション外用剤を製造することができることを見出した。更に、従来のオンレーターを用いた調製法にはなかった塗布時にさっぱりするのに、塗布後にしっとり、コクがでるという感触を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のO/W微細エマルション外用剤の製造方法は、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25重量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F) 水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させるO/W微細エマルション調製工程と、を備えることを特徴とする、乳化粒子径50〜500nmのO/W微細エマルション外用剤の製造方法である。
また、前記O/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(A)親水性非イオン性界面活性剤のHLBが8以上であることが好適である。
また、前記何れかのO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールの質量比が3:7〜7:3であることが好適である。
また、前記何れかのO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(C)油分の配合量が、前記W/Oエマルション中1〜40質量%であることが好適である。
また、前記何れかのO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒の配合量が、前記W/Oエマルション中5質量%以上であることが好適である。
また、前記何れかのO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒が分子内に3個以下(0〜3個)の水酸基を有する水性溶媒であることが好適である。
また、前記何れかのO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒がポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのアルキルエーテル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコールの中から選択される1種以上であることが好適である。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤の製造方法によれば、オンレーターのような冷却機を用いることなく、低エネルギーで容易に製造することができるため経済性に優れている。また、本発明にかかる製造方法によって製造されたO/W微細エマルション外用剤は、実質的に人体に対する刺激性が比較的小さい非イオン性界面活性剤のみによって乳化されるものであるため、人体に対する安全性が高い。さらに、本発明にかかる製造方法によって製造されたO/W微細エマルション外用剤は、粒子径が50〜500nmと非常に小さいにもかかわらず、安定性に優れており、オンレーターのような冷却機を用いて製造したO/Wエマルションと比較しても、同一の処方成分でありながら、さっぱりしながらコクがある使用性を有している。
本発明のO/W微細エマルション外用剤の製造方法の概念図である。 本発明にかかる製造例1−1、及び比較例1−1において、製造された乳化粒子の400倍の顕微鏡写真である。 本発明にかかる製造例1−2、及び比較例1−2において、製造された乳化粒子の400倍の顕微鏡写真である。 本発明にかかる製造例2−2〜2−7において、製造された乳化粒子の400倍の顕微鏡写真である。 本発明にかかる製造例3−4〜3−8において、製造された乳化粒子の400倍の顕微鏡写真である。 本発明にかかる製造例5−1〜5−5において、製造された乳化粒子の400倍の顕微鏡写真である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、
(A)親水性非イオン性界面活性剤と、
(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、
(C)油分と、
(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、
(E)(A)〜(E)全量中5〜25重量%の水と、
を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F)水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させる調製工程と、
を備えることを特徴とする乳化法により調製され、乳化粒子径が50〜500nmであることを特徴としている。
なお、本発明において、「O/W微細エマルション」とは、水/界面活性剤/油系において、二液相からなる乳化系(油相が水相中に乳化した系)であり、半透明または微青白色な程度に乳化粒子が微細化された、熱力学的に不安定な系の組成物のことをいう。
本発明に用いられる(A)親水性非イオン性界面活性剤は、特に限定されるものではないが、水性溶媒中にミセル溶解するものであり、特にHLBが8以上であることが好ましい。(A)親水性非イオン性界面活性剤のHLBが8より小さいと、好適にO/W微細エマルションが生成しなくなる場合がある。
本発明に用いられる(A)親水性非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリル、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、マルチトールヒドロキシ脂肪族アルキルエーテル、アルキル化多糖、アルキルグルコシド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが挙げられる。好ましい例としては、ポリオキシエチレン付加型の非イオン性界面活性剤が挙げられる。親水性非イオン性界面活性剤は2種以上を用いることもできる。
本発明に用いられる(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールは、通常化粧料や医薬品などの外用剤において使用可能なものを適宜用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。好適な例としては炭素数16〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖状高級アルコールが挙げられ、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコールなどが挙げられる。
本発明に用いられる(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールとの質量比は、特に限定されるものではないが、W/Oエマルション中、:7〜7:3とすることが好ましい。この比率を逸脱すると安定なO/W微細エマルションが生成しなくなる場合がある。
(A)親水性非イオン界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールの使用量は、特に限定されるものではないが、W/Oエマルション中、A)親水性非イオン界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールの合計量を、(C)油分10質量部に対して0.5〜10質量部とすることが好ましい。0.5質量部未満の場合には、界面活性剤量及び高級アルコールが少ないため、安定性の高いO/W微細エマルションが得られない場合があり、10質量部を超える場合には、界面活性剤量及び高級アルコールが多すぎるため、使用性の点で好ましくない傾向がある。
本発明に用いられる(C)油分は、特に限定されるものではなく、例えば、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、液体油脂、固体油脂、ロウ類、高級脂肪酸、高級アルコール(上記(B)を除く)等、通常化粧料や医薬品などの外用剤において使用可能な油分を適宜用いることができ、また、これらの2種以上を混合しても用いても良い。
シリコーン油としては、例えば、鎖状ポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等);環状ポリシロキサン(例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、 12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジ2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、等);分枝鎖アルコール(例えば、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
本発明に用いられる(C)油分の濃度は、特に限定されるものではないが、W/Oエマルション全量に対して1〜40質量%とすることが好ましい。40質量%を超えると安定性の高いW/Oエマルションが得られにくい。
本発明に用いられる(D)の水性溶媒は、水と相溶性を示す室温で液状の物質を意味し、(C)油分と相溶しない水性溶媒であって、該水性溶媒中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒である必要がある。このような(D)水性溶媒は、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとが形成するαゲルの融点を低下させることができる。このため、(D)水性溶媒を配合して70〜80℃で調製したW/Oエマルションに10〜35℃の(F)水又は水性処方を添加混合することでゲル化することなく容易に微細で安定なO/Wエマルションを得ることができる。かかる(D)の水性溶媒を用いない場合や、(D)水性溶媒が(C)油分と相溶してしまう場合、あるいは該水性溶媒中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも低い場合には、他の条件を全て満たしていたとしても、安定なO/W微細エマルションを得ることができない。
なお、(D)の水性溶媒としては、上記のようなものであれば、特に限定されるものではなく、公知の水性溶媒の中から、(C)油分、及び(A)親水性非イオン性界面活性剤の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。
なお、任意の水性溶媒において、該水性溶媒中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高いかどうかについては、(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)を、該水性溶媒中と、水中との二種類の条件で測定し、双方の臨界ミセル濃度(c.m.c)の比較を行うことによって決定すればよい。しかしながら、水性溶媒は、多くの場合、水性溶媒単独で親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)の測定を行うことが非常に困難である。このような場合には、水中に該水性溶媒を適当量添加した水性溶媒−水溶液を調製し、該水性溶媒−水溶液中と、水(単独)中との二種類の条件で(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)を測定し、双方の比較を行えばよい。水性溶媒−水溶液中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)の値が、水中における臨界ミセル濃度(c.m.c)の値よりも高い場合には、該水性溶媒を(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒とすることができる。
さらに具体的には、任意の水性溶媒を10%水に溶解した水性溶媒−水溶液を調製し、当該10%水性溶媒−水溶液中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)の値が、水中における臨界ミセル濃度(c.m.c)の値よりも30%以上高い場合には、該水性溶媒を(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒として決定することができる。
例えば、25℃において、(A)親水性非イオン性界面活性剤がPOE(5)ドデシルエーテルである場合、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル10%水溶液中における臨界ミセル濃度(c.m.c)は1.2×10−4mol/Lであり、水中における臨界ミセル濃度6.5×10−5mol/Lよりも84%高いため、POE(17)POP(4)ジメチルエーテルは、(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒であると言える。
また、本発明に用いられる(D)の水性溶媒としては、(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)がより高い方が好ましい。具体的には、10%水性溶媒−水溶液中における(A)親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)の値が、水中における臨界ミセル濃度(c.m.c)の値よりも50%以上高いことが好ましい。
本発明に用いられる(D)の水性溶媒としては、具体的には、分子内に3個以下の水酸基を有する水性溶媒が挙げられ、さらに具体的には、ポリプロピレングリコール(1〜20モル)・ポリエチレングリコール(5〜30モル)共重合物またはそのアルキル(C1〜C5)エーテル、ポリエチレングリコール(1〜50モル)またはそのアルキル(C1〜C5)エーテルなどのポリアルキレン(C2〜C4)グリコール共重合物またはそのアルキル(C1〜C5)エーテル、ポリオキシアルキレン(C2〜C4、2〜30モル)ジアルキル(C1〜C5)カルボン酸エステル、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタングリコール、1,2−ヘキサングリコール、2−メチル−1,3−プロパノール、エチルカルビトール、1,2−ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができ、これらの中から(C)油分、及び(A)親水性非イオン性界面活性剤の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。また、本発明の(D)の水性溶媒としては、これらの2種類以上を組み合わせて用いても良い。
好ましい水性溶媒としては、例えば、ポリプロピレングリコール(1〜20モル)・ポリエチレングリコール(5〜30モル)共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコール(5〜30モル)又はそのアルキル(C1〜C2)エーテル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコールを挙げることができる。
一方で、分子内に水酸基を4個以上有する水溶性の物質は、通常、室温で固体になってしまい、本発明の(D)水性溶媒として用いることができないことが多い。
また、本発明に用いられる(D)の水性溶媒の配合量は、特に限定されるものではないが、途中で調製するW/Oエマルションに対し、5質量%以上配合することが好ましい。5質量%未満であると、安定なO/W微細エマルションの調製が困難になる傾向にある。
また、本発明に用いられる(C)油分と(D)の水性溶媒との組み合わせとしては、(D)水性溶媒が(C)油分に相溶しない必要がある。このような組み合わせとしては、例えば、
(C)油分がジメチルポリシロキサンである場合には、(D)水性溶媒としてポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール等、
(C)油分がシクロジメチコン(5量体)である場合には、(D)水性溶媒としてポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコールまたはそのエチルエーテル等、
(C)油分がメチルフェニルポリシロキサンである場合には、(D)水性溶媒としてポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、グリセリン等、
(C)油分が流動パラフィンである場合には、(D)水性溶媒としてポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのエチルエーテル、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール等
を挙げることができる。
本発明に用いられる(E)水の配合量は途中で調製するW/Oエマルション全量に対し、5〜25重量%に調整する必要がある。5重量%未満であると最終的に出来上がるO/W微細エマルションの乳化粒子径は大きくなり、25重量%を超えると低エネルギーで調製する効果がなくなる。
なお、(A)親水性非イオン性界面活性剤の(D)水性溶媒中での臨界ミセル濃度(c.m.c)が高いほど、途中のW/Oエマルションの製造に必要とされる(E)水の量は少なくなる傾向にある。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、約70〜80℃で調製された上記(A)〜(E)を必須成分として含有するW/Oエマルションに、さらに、10〜35℃の(F)水または水性処方を添加することにより得られるものである。
本発明に用いられる(F)水または水性処方とは、水あるいは水性溶媒を主な媒体としてなる処方であれば、特に限定されるものではなく、水あるいは水性溶媒の他、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合していても構わない。
なお、本発明のO/W微細エマルション外用剤における最終的な水の配合量は、W/Oエマルション生成に用いられる(E)水の配合量と、(F)水または水性処方中に含有される水の配合量との和になる。本発明に用いられる水の総配合量は、特に限定されるものではないが、一般的には、O/W微細エマルション外用剤全量に対して40〜95重量%であることが好ましい。
また、(F)水または水性処方の温度は10〜35℃が好ましく、15〜35℃であることが特に好ましい。10℃未満であるとO/W微細エマルション外用剤の乳化粒子径が大きくなり、発明の効果が損なわれる傾向にあり、35℃を超えると、O/W微細エマルション外用剤の製造直後の安定性が悪くなる傾向にある。
以下、本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤の製造方法の概念を説明する。
概念
図1は、親水性非イオン性界面活性剤濃度が一定条件下での、界面活性剤−油−水系における相図の一例である。
本発明において、W/Oエマルションは、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に自由に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25重量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して得られる。
上記W/Oエマルションを攪拌しながら、徐々に10〜35℃の(F)水または水性処方を加えていくと、図1(iii)の矢印方向に示されるように、ゲル化領域を通過することなくO/W領域へ入るので、ゲル化することなく(C)油分を内相とするO/W微細エマルションへの転相が生じ、O/W微細エマルションを得ることができる。
そして、得られたO/W微細エマルション外用剤は、粒子径が50〜500nmと、非常に小さな粒子径であるにもかかわらず、広い温度範囲で長期間安定に存在することができる。
もし、70〜80℃よりも低い温度で混合撹拌してW/Oエマルションを調製した場合、αゲルの融点(図1のゲル領域の頂点の温度)を下回るため、ゲル状になってしまう。このため、(E)水の配合量を大きくしてみたり、この低温度領域のまま(F)水又は水性処方を添加したとしても、図1(ii)のように本発明のO/W微細エマルション外用剤を調製することができない。
本発明の方法では、W/Oエマルション調製工程において、αゲルの融点を下げ、粘度を低下させるために特定の(D)水性溶媒を配合している。このような特定の(D)水性溶媒を配合しなかった場合には、配合した場合よりもゲル化領域が大きく、αゲルの融点も高くなる。よって、70〜80℃の高温で疎水的なW/Oエマルションを調製し、これに10〜30℃の(F)水又は水性処方を添加していくと、ゲル化領域を通過した際にゲル化してしまい、その後いくら(F)水又は水性処方を添加しても、もはや本発明のような微細で安定なO/Wエマルションを得ることはできない。
従来のO/Wエマルション製造方法では、図1(i)に示されるように、水、保湿剤、及び親水性非イオン界面活性剤を予め溶解させ70℃付近に加温した水相に、油分と高級アルコールを70℃付近で均一にした油相を、ホモゲナイザーで攪拌しながら乳化したものを35℃付近まで急冷する方法が用いられてきた。しかしながら、従来の製造方法では、エネルギーの無駄が多く、冷却器に使用される水の消費量がかさむだけでなく、粒子径の小さい乳化物を調製することが困難である。
これに対して、本発明の製造方法によって得られるO/W微細エマルション外用剤は、乳化の際、オンレーターなどの冷却機を用いることなく、多量の(F)水または水性処方を加熱する必要がないため、低エネルギーで容易に製造することができる。また、実質的に、人体に対する刺激性が比較的小さい非イオン性界面活性剤のみによって乳化されるものであるため、安全性に優れている。さらに、オンレーターのような冷却機を用いて同一成分で製造したO/Wエマルションと比較しても、さっぱりしながらコクがある優れた使用性を有している。
以上のように、本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤の製造方法は、予め製造したW/Oエマルションに、水または水性処方中に配合するだけで、良好なO/W微細エマルション外用剤とすることができるため、従来用いられてきた製造工程を大幅に簡素化できる。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、例えば、皮膚、頭髪など身体に適用し得る、皮膚化粧料、頭髪洗浄料、皮膚洗浄料、整髪料等に用いることができる。
また、本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤には、上記必須成分の他に、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合することができる。かかる成分としては、例えば次のようなものが挙げられる。
アボガド油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、月見草油、ヒマシ油、ヒマワリ油、茶実油、コメヌカ油、ホホバ油、カカオ脂、ヤシ油、スクワレン、牛脂、モクロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、流動パラフィン、ポリオキシエチレン(8モル)オレイルアルコールエーテル、モノオレイン酸グリセリルなどの油分。
カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどの高級アルコール。
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸などの高級脂肪酸。
ポリエチレングリコール及びそのアルキルエーテル、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサンなどの保湿剤。
メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコールなどの増粘剤。
エタノール、1,3−ブチレングリコールなどの有機溶剤。
ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などの酸化防止剤。
安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル(エチルパラベン、ブチルパラベンなど)、ヘキサクロロフェンなどの抗菌防腐剤。
グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、タウリン、アルギニン、ヒスチジンなどのアミノ酸と塩酸塩。
アシルサルコシン酸(例えばラウロイルサルコシンナトリウム)、グルタチオン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸などの有機酸。
ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15及びその誘導体などのビタミンB類、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステル(塩)、アスコルビン酸ジパルミテートなどのビタミンC類、α―トコフェロール、β―トコフェロール、γ―トコフェロール、ビタミンEアセテート、ビタミンEニコチネートなどのビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類。ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体、ヒノキチオール、ムシジン、ビサボロール、ユーカリプトール、チモール、イノシトール、サポニン類(サイコサポニン、ニンジンサポニン、ヘチマサポニン、ムクロジサポニンなど)、パントテニルエチルエーテル、エチニルエストラジオール、トラネキサム酸、セファランチン、プラセンタエキスなどの各種薬剤。
ギシギシ、クララ、コウホネ、オレンジ、セージ、タイム、ノコギリソウ、ゼニアオイ、センキュウ、センブリ、トウキ、トウヒ、バーチ、スギナ、ヘチマ、マロニエ、ユキノシタ、アルニカ、ユリ、ヨモギ、シャクヤク、アロエ、クチナシ、サワラなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス。
ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイドなどのカチオン界面活性剤。
エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属封鎖剤。
また、その他、粉末成分、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、美白剤、香料、スクラブ剤なども、安定性を損なわない範囲で適宜配合することができる。
以下、本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤の実施例を示し、本発明について更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1−1
(1) (A)親水性非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン(60モル)イソステアリン酸グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−160(HLB19))5.5質量%、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールとして、脱臭セタノール(高級アルコール工業株式会社製)4.5質量%、(C)油分として、流動パラフィン(日本石油株式会社製、流動パラフィンE)10質量%、(D)の水性溶媒として、ジプロピレングリコール5質量%、(E)水5質量%を配合した組成物を70℃に加温して混合攪拌したところW/Oエマルションを得た。
(2) 続いて、上記(1)により得られたW/Oエマルションを攪拌しながら、(F)20℃の水70質量%を徐々に添加していき、微青白色O/W微細エマルションを得た(製造例1−1)。
この結果、水20質量%を添加した時点で、組成物は微青白色のO/W微細エマルションとなった。
上記製造例1−1の組成物における、O/W微細エマルションの400倍の顕微鏡写真を図2の左側に示す。本顕微鏡写真より、上記製造例1−1により得られたO/W微細エマルションは、粒子径300nm程度のO/W微細エマルションであることが分かった。
比較例1−1
(1) (A)親水性非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン(60モル)イソステアリン酸グリセリル(日本エマルジョン株式会社製、エマレックスGWIS−160(HLB19))5.5質量%、(D)の水性溶媒として、ジプロピレングリコール5質量%、(E)水75質量%を70℃に加熱して均一に混合した。
(2) (B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールとして、脱臭セタノール(高級アルコール工業株式会社製)4.5質量%、(C)油分として、流動パラフィン(日本石油株式会社製、流動パラフィン)10質量%を70℃に加熱して均一に混合した。
(3) (1)の成分にホモゲナイザーで攪拌しながら70℃で(2)を加えて乳化して調製したO/Wエマルションをオンレーターに通過させて35℃まで冷却してO/Wエマルションを得た。
上記比較例1−1の組成物における、O/Wエマルションの400倍の顕微鏡写真を図2の右側に示す。本顕微鏡写真より、上記比較例1−1により得られたO/Wエマルションは、粒子径1〜5μm程度のO/Wエマルションであることがわかった。さらに、図2の顕微鏡写真を見比べると、製造例1−1は処方成分が比較例1−1と同じでありながら、遥かに細かい乳化粒子径のO/W微細エマルションが製造できることが分かった。
製造例1−2
(D)の水性溶媒としてポリオキシエチレン(14モル)ポリオキシプロピレン(7モル)共重合体ジメチルエーテル5質量%を用いた以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、微青白色O/W微細エマルションを得た(製造例1−2)。
この結果、(E)水を25重量%添加した時点で、安定なO/W微細エマルション組成物となった。
上記製造例1−2の組成物における、O/W微細エマルションの400倍の顕微鏡写真を図3の左側に示す。本顕微鏡写真より、上記製造例1−2により得られたO/W微細エマルションは、粒子径100nm程度のO/W微細エマルションであることが分かった。
比較例1−2
(D)の水性溶媒としてポリオキシエチレン(14モル)ポリオキシプロピレン(7モル)共重合体ジメチルエーテル5質量%を用いた以外は、比較例1−1と同様の操作を行った。
上記比較例1−2の組成物における、O/Wエマルションの400倍の顕微鏡写真を図3の右側に示す。本顕微鏡写真より、上記比較例1−2により得られたO/Wエマルションは、粒子径1〜10μm程度のO/Wエマルションであることがわかった。さらに、図3の顕微鏡写真を見比べると、製造例1−2は処方成分が比較例1−2と同じでありながら、遥かに細かい乳化粒子径のO/W微細エマルションが製造できることが分かった。
上記製造例1−1〜1−2、比較例1−1〜1−2のO/Wエマルションの乳化粒子と安定性による評価結果について、各種組成物の配合組成と併せ、下記表1にまとめて示す。なお、評価内容は以下の通りであり、下記の表中の量は質量%で示している。
O/W微細エマルション乳化粒子径
製造例1−1〜1−2、比較例1−1〜1−2により生成したエマルション組成物について、O/Wエマルションの粒子径と顕微鏡写真を示した。
O/W微細エマルション安定性
上記製造例1−1〜1−2、比較例1−1〜1−2により生成したO/Wエマルション組成物を、1か月間50℃に保存して安定性を評価した。
○:O/Wエマルションは分離しない。
×:O/Wエマルションは分離する。
上記表1、及び図1,2から見て、本発明の製造方法を用いたO/Wエマルションは、従来のオンレーターを用いて冷却する工程のO/Wエマルションに比べて、低エネルギーで製造できるため経済性に優れ、かつ手間もかからず、乳化粒子径は遥かに微細で、安定であることが明らかとなった。
続いて、本発明者らは、O/W微細エマルションに転相させる調製工程時に添加する(F)水または水性処方の好適な温度について検討するため、上記表1の製造例1−1と同様の処方で、(F)水の温度を適宜変化させ、それぞれの乳化安定性を検討した。
前記表2に示すように、上記製造例1−1と同様の配合処方で本発明の製造方法により(F)イオン交換水の温度を適宜変化させてそれぞれの乳化安定性を検討した。
この結果、添加する(F)イオン交換水の温度を10〜35℃、特に15〜35℃とした場合(製造例2−2〜2−7)においては、乳化粒子が微細であり、優れた安定性が得られることが分かった。
一方、(F)イオン交換水の温度を5℃とした場合(製造例2−1)、乳化粒子径の大きいエマルションが生成し、目的のO/W微細エマルションを得ることができなかった。また、40℃とした場合にも安定性に劣るものとなった(製造例2−8)。
また、上記製造例2−2〜2−7により生成したO/Wエマルション組成物について、図4に顕微鏡写真を示した。これらの図からも判断できるように、添加する(F)イオン交換水の温度を10〜35℃とした場合、乳化粒子径が極めて微細であることが分かった。
続いて、本発明者らは、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールの組合せによるO/Wエマルション組成物の安定性向上機構について検討を行った。製造方法は前記製造例1−1に準じた。
前記表3に示すように、試験例3−1〜3−12において、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの合計配合量を10質量%とし、その配合比を適宜変化させてそれぞれの乳化安定性を検討した。
この結果、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの配合比率を3:7〜7:3とした場合(試験例3−3〜3−10)においては、それぞれ単独の場合(試験例3−1及び3−12)や、配合比率が2:8、及び8:2とした場合(試験例3−2及び3−11)と比較して乳化安定性が優れた安定性が得られることが分かった。
また、上記試験例3−4〜3−8により生成したO/Wエマルション組成物について、図5に顕微鏡写真を示した。これらの図から判断できるように、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの配合比率を3:7〜7:3とした場合、乳化粒子径が極めて微細であることが分かった。
次に、本発明者らは、安定なO/Wエマルションの調製に使用する好適な(D)水性溶媒について検討を行った。製造方法は前記製造例1−1に準じた。
前記表4に示すように、水分子内に3個以下の水酸基を有し、(A)親水性非イオン性界面活性剤の水中におけるcmcよりも高いcmcを与える水性溶媒である、ポリプロピレングリコール(7モル)・ポリエチレングリコール(14モル)共重合体、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール(分子量1000)、イソプレングリコール、プロピレングリコールを配合した場合(試験例4−1〜4−5)は、乳化粒子が微細で、安定性の高いO/Wエマルションを得ることができた。
一方、分子内4個以上の水酸基を有するエリスリトール(試験例4−6)、又はマルチトール(試験例4−7)を配合した場合においては、O/Wエマルションの調製工程中に硬いゲルとなってしまい、目的のO/W微細エマルション外用剤が得られなかった。
さらに、本発明者らは、安定性に優れたO/W微細エマルションを調製するための(E)水の配合比について検討を進めた。製造方法は前記製造例1−1に準じた。
前記表5に示すように、本発明のO/W微細エマルションを調製するために好適な(E)水の配合比を検討した。
この結果、(E)水の配合量が1〜4質量%である場合、粒子径が大きくなり、安定性が悪くなる傾向にあった(試験例5−1〜5−4)。しかし、(E)水の配合量が5〜25質量%である場合には、O/W微細エマルションの粒子径は非常に細かいものとなり、安定性に非常に優れるものとなった(試験例5−5〜5−7)。しかしながら、(E)水の配合量が25質量%より多く配合させた場合、乳化の効率が悪くなることが明らかとなり、また、加温しなければならない容量が大きくなるため、低エネルギーで調製する効果がなくなってしまうことが明らかとなった(試験例5−8)。
また、上記試験例5−1〜5−5により生成したO/Wエマルション組成物について、図6に顕微鏡写真を示した。これらの図から判断できるように、(E)水の配合量が5質量%である場合、乳化粒子径が極めて微細であることが分かった(試験例5−5)。
以下、実施例を挙げて本発明について更に説明を行うが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記の処方中の量は質量%で示している。
成分(1)〜(7)を75℃に加温し攪拌し、W/Oエマルションを得たのち、これに予め25℃で混合した(8)〜(13)の水性成分をホモゲナイザーで攪拌しながら徐添して、美容液を得た。得られた美容液は油相、水相をそれぞれ75℃で加温乳化した後、オンレーターで冷却した同一処方の美容液に比べて、乳化粒子径が微細であり、安定でさっぱりするのにコクのある使用感触であった。
成分(1)〜(8)を75℃に加温し攪拌し、W/Oエマルションを得たのち、これに予め30℃で混合した(9)〜(13)の水性成分をホモゲナイザーで攪拌しながら徐添して、クリームを得た。得られたクリームは油相、水相をそれぞれ75℃で加温乳化した後、オンレーターで冷却した同一処方のクリームに比べて、乳化粒子径が微細であり、安定でさっぱりするのにコクのある使用感触であった。
成分(1)〜(7)を70℃に加温し攪拌し、W/Oエマルションを得たのち、これに予め25℃で混合した(8)〜(9)の水性成分をホモゲナイザーで攪拌しながら徐添して、クレンジングローションを得た。得られたクレンジングローションは油相、水相をそれぞれ70℃で加温乳化した後、オンレーターで冷却した同一処方のクリームに比べて、乳化粒子径が微細であり、安定で伸びの良い使用感触であった。
成分(1)〜(13)を75℃に加温し攪拌し、W/Oエマルションを得たのち、これに予め20℃で混合した(14)〜(20)の水性成分をホモゲナイザーで攪拌しながら徐添して、乳液を得た。得られた乳液は油相、水相をそれぞれ75℃で加温乳化した後、オンレーターで冷却した同一処方の乳液に比べて、乳化粒子径が微細であり、安定で伸びの良いコクのある使用感触であった。
すなわち、本発明のO/W微細エマルション外用剤の製造方法は、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25質量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F) 水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させるO/W微細エマルション調製工程と、を備えることを特徴とする、乳化粒子径50〜500nmのO/W微細エマルション外用剤の製造方法である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、
(A)親水性非イオン性界面活性剤と、
(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、
(C)油分と、
(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、
(E)(A)〜(E)全量中5〜25質量%の水と、
を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F)水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させる調製工程と、
を備えることを特徴とする乳化法により調製され、乳化粒子径が50〜500nmであることを特徴としている。
本発明に用いられる(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールは、通常化粧料や医薬品などの外用剤において使用可能なものを適宜用いればよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。好適な例としては炭素数16〜24の飽和もしくは不飽和の直鎖状高級アルコールが挙げられ、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコールなどが挙げられる。
本発明に用いられる(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールとの質量比は、特に限定されるものではないが、W/Oエマルション中、:7〜7:3とすることが好ましい。この比率を逸脱すると安定なO/W微細エマルションが生成しなくなる場合がある。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
本発明に用いられる(D)の水性溶媒としては、具体的には、分子内に3個以下の水酸基を有する水性溶媒が挙げられ、さらに具体的には、ポリプロピレングリコール(1〜20モル)・ポリエチレングリコール(5〜30モル)共重合物またはそのアルキル(C1〜C5)エーテル、ポリエチレングリコール(1〜50モル)またはそのアルキル(C1〜C5)エーテルなどのポリアルキレン(C2〜C4)グリコール重合物またはそのアルキル(C1〜C5)エーテル、ポリオキシアルキレン(C2〜C4、2〜30モル)ジアルキル(C1〜C5)カルボン酸エステル、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2−ペンタングリコール、1,2−ヘキサングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、エチルカルビトール、1,2−ブチレングリコール、グリセリン等を挙げることができ、これらの中から(C)油分、及び(A)親水性非イオン性界面活性剤の種類に応じて、適宜選択して用いることができる。また、本発明の(D)の水性溶媒としては、これらの2種類以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に用いられる(E)水の配合量は途中で調製するW/Oエマルション全量に対し、5〜25質量%に調整する必要がある。5質量%未満であると最終的に出来上がるO/W微細エマルションの乳化粒子径は大きくなり、25質量%を超えると低エネルギーで調製する効果がなくなる。
なお、(A)親水性非イオン性界面活性剤の(D)水性溶媒中での臨界ミセル濃度(c.m.c)が高いほど、途中のW/Oエマルションの製造に必要とされる(E)水の量は少なくなる傾向にある。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、約70〜80℃で調製された上記(A)〜(E)を必須成分として含有するW/Oエマルションに、さらに、10〜35℃の(F)水または水性処方を添加することにより得られるものである。
本発明に用いられる(F)水または水性処方とは、水あるいは水性溶媒を主な媒体としてなる処方であれば、特に限定されるものではなく、水あるいは水性溶媒の他、通常、化粧品、医薬品等に用いられる成分を安定性に影響が出ない範囲の配合量で配合していても構わない。
なお、本発明のO/W微細エマルション外用剤における最終的な水の配合量は、W/Oエマルション生成に用いられる(E)水の配合量と、(F)水または水性処方中に含有される水の配合量との和になる。本発明に用いられる水の総配合量は、特に限定されるものではないが、一般的には、O/W微細エマルション外用剤全量に対して40〜95質量%であることが好ましい。
以下、本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤の製造方法の概念を説明する。
概念
図1は、親水性非イオン性界面活性剤濃度が一定条件下での、界面活性剤−油−水系における相図の一例である。
本発明において、W/Oエマルションは、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に自由に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25質量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して得られる。
製造例1−2
(D)の水性溶媒としてポリオキシエチレン(14モル)ポリオキシプロピレン(7モル)共重合体ジメチルエーテル5質量%を用いた以外は、製造例1−1と同様の操作を行い、微青白色O/W微細エマルションを得た(製造例1−2)。
この結果、(E)水を25質量%添加した時点で、安定なO/W微細エマルション組成物となった。
上記製造例1−2の組成物における、O/W微細エマルションの400倍の顕微鏡写真を図3の左側に示す。本顕微鏡写真より、上記製造例1−2により得られたO/W微細エマルションは、粒子径100nm程度のO/W微細エマルションであることが分かった。
前記表3に示すように、製造例3−1〜3−12において、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの合計配合量を10質量%とし、その配合比を適宜変化させてそれぞれの乳化安定性を検討した。
この結果、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの配合比率を3:7〜7:3とした場合(製造例3−3〜3−10)においては、それぞれ単独の場合(製造例3−1及び3−12)や、配合比率が2:8、及び8:2とした場合(製造例3−2及び3−11)と比較して乳化安定性が優れた安定性が得られることが分かった。
また、上記製造例3−4〜3−8により生成したO/Wエマルション組成物について、図5に顕微鏡写真を示した。これらの図から判断できるように、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)高級アルコールとの配合比率を3:7〜7:3とした場合、乳化粒子径が極めて微細であることが分かった。
前記表4に示すように、分子内に3個以下の水酸基を有し、(A)親水性非イオン性界面活性剤の水中におけるcmcよりも高いcmcを与える水性溶媒である、ポリプロピレングリコール(7モル)・ポリエチレングリコール(14モル)共重合体ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール(分子量1000)、ジプロピレングリコールイソプレングリコール、プロピレングリコールを配合した場合(製造例4−1〜4−5)は、乳化粒子が微細で、安定性の高いO/Wエマルションを得ることができた。
一方、分子内4個以上の水酸基を有するエリスリトール(製造例4−6)、又はマルチトール(製造例4−7)を配合した場合においては、O/Wエマルションの調製工程中に硬いゲルとなってしまい、目的のO/W微細エマルション外用剤が得られなかった。
前記表5に示すように、本発明のO/W微細エマルションを調製するために好適な(E)水の配合比を検討した。
この結果、(E)水の配合量が1〜4質量%である場合、粒子径が大きくなり、安定性が悪くなる傾向にあった(製造例5−1〜5−4)。しかし、(E)水の配合量が5〜25質量%である場合には、O/W微細エマルションの粒子径は非常に細かいものとなり、安定性に非常に優れるものとなった(製造例5−5〜5−7)。しかしながら、(E)水の配合量が25質量%より多く配合させた場合、乳化の効率が悪くなることが明らかとなり、また、加温しなければならない容量が大きくなるため、低エネルギーで調製する効果がなくなってしまうことが明らかとなった(製造例5−8)。
また、上記製造例5−1〜5−5により生成したO/Wエマルション組成物について、図6に顕微鏡写真を示した。これらの図から判断できるように、(E)水の配合量が5質量%である場合、乳化粒子径が極めて微細であることが分かった(製造例5−5)。
成分(1)〜(7)を70℃に加温し攪拌し、W/Oエマルションを得たのち、これに予め25℃で混合した(8)〜(9)の水性成分をホモゲナイザーで攪拌しながら徐添して、クレンジングローションを得た。得られたクレンジングローションは油相、水相をそれぞれ70℃で加温乳化した後、オンレーターで冷却した同一処方のクレンジングローションに比べて、乳化粒子径が微細であり、安定で伸びの良い使用感触であった。
すなわち、本発明のO/W微細エマルション外用剤の製造方法は、(A)親水性非イオン性界面活性剤と、(B)前記(A)とαゲルを形成する炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、(C)油分と、(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、(E)(A)〜(E)全量中5〜25質量%の水と、を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F) 水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させるO/W微細エマルション調製工程と、を備えることを特徴とする、乳化粒子径50〜500nmのO/W微細エマルション外用剤の製造方法である。
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明にかかるO/W微細エマルション外用剤は、
(A)親水性非イオン性界面活性剤と、
(B)前記(A)とαゲルを形成する炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、
(C)油分と、
(D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、
(E)(A)〜(E)全量中5〜25質量%の水と、
を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
該W/Oエマルション中に、10〜35℃の(F)水または水性処方を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させる調製工程と、
を備えることを特徴とする乳化法により調製され、乳化粒子径が50〜500nmであることを特徴としている。

Claims (7)

  1. (A)親水性非イオン性界面活性剤と、
    (B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールと、
    (C)油分と、
    (D)水に溶解する水性溶媒であって、該水性溶媒中における前記親水性非イオン性界面活性剤の臨界ミセル濃度(c.m.c)が水中におけるそれよりも高い水性溶媒と、
    (E)(A)〜(E)全量中5〜25重量%の水と、
    を70〜80℃で混合攪拌して、W/Oエマルションを調製するW/Oエマルション調製工程と、
    該W/Oエマルション中に、10〜35℃の
    (F)水または水性処方
    を混合攪拌しながら添加してO/W微細エマルションに転相させるO/W微細エマルション調製工程と、
    を備えることを特徴とする乳化粒子径50〜500nmのO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  2. 請求項1に記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(A)親水性非イオン性界面活性剤のHLBが8以上であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(A)親水性非イオン性界面活性剤と(B)炭素数16以上の直鎖状高級アルコールの質量比が3:7〜7:3であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(C)油分の配合量が前記W/Oエマルション中1〜40質量%であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒の配合量が前記W/Oエマルション中5質量%以上であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒が分子内に3個以下の水酸基を有する水性溶媒であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
  7. 請求項6に記載のO/W微細エマルション外用剤の製造方法において、(D)水性溶媒がポリプロピレングリコール・ポリエチレングリコール共重合体又はそのジメチルエーテル、ポリエチレングリコール又はそのアルキルエーテル、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコールの中から選択される1種以上であることを特徴とするO/W微細エマルション外用剤の製造方法。
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