JP2588413B2 - 水中油型エマルションの製造方法 - Google Patents
水中油型エマルションの製造方法Info
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- A61K8/04—Dispersions; Emulsions
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は均質で微細な分散滴を有する、安定性に優れ
た水中油型エマルションの製造方法に関するものであ
る。
た水中油型エマルションの製造方法に関するものであ
る。
水中油型エマルションの製造方法としては乳化剤を水
相に溶解させておき、この水相に油相を添加する方法、
乳化剤を油相に溶解させておき、この油相に水相を添加
する方法がある。これらは非常に簡便な方法であるが、
微細かつ均一なエマルションが得難く、添加条件により
得られるエマルション粒子に大きなバラツキがあり、工
業的に品質変動の少ないエマルションを得る方法として
は不適当である。
相に溶解させておき、この水相に油相を添加する方法、
乳化剤を油相に溶解させておき、この油相に水相を添加
する方法がある。これらは非常に簡便な方法であるが、
微細かつ均一なエマルションが得難く、添加条件により
得られるエマルション粒子に大きなバラツキがあり、工
業的に品質変動の少ないエマルションを得る方法として
は不適当である。
これに対して、特公昭57−29213号公報によれば、水
中油型エマルションを製造するために、第1段階として
新水性非イオン界面活性剤を水溶性溶媒中に添加し、次
にこれに油相を添加して水溶性溶媒中油型エマルション
を調製し、第2段階としてこのエマルションに水を添加
する方法が提案されている。この方法では、安定でかつ
乳化粒子の微細なエマルションを得ることができるが、
第1段階で水溶性溶媒中油型エマルションを作る必要が
あるため、その生成するに必要な諸条件の制約を受ける
等の問題がある。
中油型エマルションを製造するために、第1段階として
新水性非イオン界面活性剤を水溶性溶媒中に添加し、次
にこれに油相を添加して水溶性溶媒中油型エマルション
を調製し、第2段階としてこのエマルションに水を添加
する方法が提案されている。この方法では、安定でかつ
乳化粒子の微細なエマルションを得ることができるが、
第1段階で水溶性溶媒中油型エマルションを作る必要が
あるため、その生成するに必要な諸条件の制約を受ける
等の問題がある。
この方に類似した方法に、第1段階で、多価アルコー
ルおよび油相に油溶性界面活性剤を混合し多価アルコー
ル中油型エマルションを調製し、第2段階として、この
エマルションに水を添加する方法(特開昭57−7234)、
第1段階として、イオン性界面活性剤と多価アルコール
および油相を混合し、非水エマルションを調製し、第2
段階として、このエマルションに水を添加する方法があ
る。しかし、これらの方法は、前記乳化法と同様な問題
点があり、又第1段階で多量の多価アルコールを使用し
なければならず、経済的に不利でもある。
ルおよび油相に油溶性界面活性剤を混合し多価アルコー
ル中油型エマルションを調製し、第2段階として、この
エマルションに水を添加する方法(特開昭57−7234)、
第1段階として、イオン性界面活性剤と多価アルコール
および油相を混合し、非水エマルションを調製し、第2
段階として、このエマルションに水を添加する方法があ
る。しかし、これらの方法は、前記乳化法と同様な問題
点があり、又第1段階で多量の多価アルコールを使用し
なければならず、経済的に不利でもある。
又、ゲルや液晶を利用した均一微細エマルションの調
製法として水相成分および非イオン性界面活性剤に油相
を混合し、液晶相を調製し、これに水および水溶性溶媒
を加えた後、水を添加する方法(特開昭56−89832)、
あるいは第1段階で水および2価アルコールに界面活性
剤を混合し、これに油相を添加し0/Dゲルエマルション
を調製し、第2段階としてこのエマルションに水を添加
する方法(日化誌1983、1399ページ)が提案されてい
る。しかしながらこれらの方法によれば、ある程度均一
微細なエマルションは得られるが、第1段階で生成する
液晶相やゲル相は非常に高い粘性を示し、工業的利用す
る場合取り扱いが困難となり実用的には不利である。さ
らに、非イオン性界面活性剤の親水・疎水バランス(HL
B)が温度により変化することを利用した転相温度乳化
法(PIT乳化法)も知られている(JBColloid Inteufae
Sci、24、4(1969))。この方法は水相、油相および
非イオン性界面活性剤を混合し、HLBのちょうどつり合
った温度(転相温度)まで上げ、これを冷却して水中油
型エマルションを得る方法である。
製法として水相成分および非イオン性界面活性剤に油相
を混合し、液晶相を調製し、これに水および水溶性溶媒
を加えた後、水を添加する方法(特開昭56−89832)、
あるいは第1段階で水および2価アルコールに界面活性
剤を混合し、これに油相を添加し0/Dゲルエマルション
を調製し、第2段階としてこのエマルションに水を添加
する方法(日化誌1983、1399ページ)が提案されてい
る。しかしながらこれらの方法によれば、ある程度均一
微細なエマルションは得られるが、第1段階で生成する
液晶相やゲル相は非常に高い粘性を示し、工業的利用す
る場合取り扱いが困難となり実用的には不利である。さ
らに、非イオン性界面活性剤の親水・疎水バランス(HL
B)が温度により変化することを利用した転相温度乳化
法(PIT乳化法)も知られている(JBColloid Inteufae
Sci、24、4(1969))。この方法は水相、油相および
非イオン性界面活性剤を混合し、HLBのちょうどつり合
った温度(転相温度)まで上げ、これを冷却して水中油
型エマルションを得る方法である。
ここで形成される混合系は転相温度に於て、油相、ミ
クロエマルション相および水相の3相に分離し、このミ
クロエマルション相は水相に対しても油相に対しても極
めて低い界面張力を与えることから、この温度で水相と
油相の界面張力も最小となり、微細乳化ができることに
なる。一般にミクロエマルション相とは、粒径が100〜1
000Åの透明ないし半透明のエマルション又は界面活性
剤が層状に並びその層間に水および油をはさみ込んだい
わゆるバイコンティニュアス構造のものを言う。通常の
エマルション(粒径1000〜100,000Å)および可溶化溶
液(粒径50〜100Å)とは区別して取り扱われる。PIT乳
化に於て形成されるミクロエマルション相は、篠田らに
よりバイコンティニュアス構造であるとされている。
(K.Shinoda、S.Friberg “Emulsions&Solubilizatio
n"Wiley−Interseiense(1986)、p32)。しかしこの乳
化法では生成するエマルションの粒子径は、冷却速度に
大きく依存するため、最終的なエマルションを調製する
ためには、非常に大きな冷却速度が必要となり、工業的
な乳化装置では極めて困難であること等の問題がある。
クロエマルション相および水相の3相に分離し、このミ
クロエマルション相は水相に対しても油相に対しても極
めて低い界面張力を与えることから、この温度で水相と
油相の界面張力も最小となり、微細乳化ができることに
なる。一般にミクロエマルション相とは、粒径が100〜1
000Åの透明ないし半透明のエマルション又は界面活性
剤が層状に並びその層間に水および油をはさみ込んだい
わゆるバイコンティニュアス構造のものを言う。通常の
エマルション(粒径1000〜100,000Å)および可溶化溶
液(粒径50〜100Å)とは区別して取り扱われる。PIT乳
化に於て形成されるミクロエマルション相は、篠田らに
よりバイコンティニュアス構造であるとされている。
(K.Shinoda、S.Friberg “Emulsions&Solubilizatio
n"Wiley−Interseiense(1986)、p32)。しかしこの乳
化法では生成するエマルションの粒子径は、冷却速度に
大きく依存するため、最終的なエマルションを調製する
ためには、非常に大きな冷却速度が必要となり、工業的
な乳化装置では極めて困難であること等の問題がある。
本発明は均質が微細なエマルションを大きな機械力に
よらず低エネルギーで調製し得る簡便な製造方法を提供
することを目的とする。
よらず低エネルギーで調製し得る簡便な製造方法を提供
することを目的とする。
本発明は、特定の温度で均一な単一相からなるミクロ
エマルション相を形成させ、ついでこれを瞬時に20℃以
上低温の水に分散混合すると上記問題点を解決できると
の知見に基づいてなされたものである。
エマルション相を形成させ、ついでこれを瞬時に20℃以
上低温の水に分散混合すると上記問題点を解決できると
の知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は少なくとも1種類の非イオン性界
面活性剤成分と水および油相成分とを混合し、40〜80℃
の温度範囲にて、均一な単一相のミクロエマルション相
を形成させ、次いでこれを瞬時に、前記温度よりも20℃
以上低い温度の水へ分散混合させることを特徴とする水
中油型エマルションの製造方法を提供する。
面活性剤成分と水および油相成分とを混合し、40〜80℃
の温度範囲にて、均一な単一相のミクロエマルション相
を形成させ、次いでこれを瞬時に、前記温度よりも20℃
以上低い温度の水へ分散混合させることを特徴とする水
中油型エマルションの製造方法を提供する。
本発明でミクロエマルションとは、肉眼観察により青
色透明の状態を示し、かつ、光学的異方性のない(偏光
顕微鏡観察により液晶由来の構造が見られない)溶液の
ことである。マイクロエマルションの構造を正確に決定
することは難しいが、バイコンティニュアス構造をとっ
ていると考えられる。
色透明の状態を示し、かつ、光学的異方性のない(偏光
顕微鏡観察により液晶由来の構造が見られない)溶液の
ことである。マイクロエマルションの構造を正確に決定
することは難しいが、バイコンティニュアス構造をとっ
ていると考えられる。
本発明によれば、第1段階として非イオン性界面活性
剤と水相および油相を用いて、40〜80℃、好ましくは50
〜70℃の温度で均一な単一相からなるミクロエマルショ
ンを調製する。このミクロエマルションの組成は、第2
段階で水希釈を行うため、油含有量が高く、かつ経済的
に界面活性剤量を最も低くすることが望ましい。又、ミ
クロエマルションを作る最適温度域ぱ、用いた非イオン
性界面活性剤のHLBにより変化するが、実用的見地か
ら、40℃〜80℃に転相温度を持つようなHLB値が7〜1
1、好ましくは8〜10の非イオン界面活性剤を選ぶのが
よい。しかしながら、通常、安定な水中油型エマルショ
ンを与える非イオン性界面活性剤のHLB値は8〜18とさ
れており、(北原、古澤共著「分散・乳化系の化学」工
学図書63ページ)比較的HLBの高いものが必要となる場
合もある。HLB値が高くなると転相温度が水の沸点以上
になるものもあるが、このような界面活性剤を使う場合
には、低HLB値を持つ非イオン性界面活性剤と混合して
用いるか、少量のイオン性界面活性剤を添加すること、
さらに油相成分に高級脂肪酸、高級アルコール、多価ア
ルコールを混合すること、などにより容易にミクロエマ
ルションを40〜80℃で作ることが可能となる。非イオン
性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシスチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などがあげら
れる。ここでエチレンオキシドの平均付加モル数として
は2〜40、好ましくは5〜20である。これらの界面活性
剤は、単独又は2種以上の組合せで用いられる。尚、脂
肪酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤を非イオン性
界面活性剤に併合することができる。
剤と水相および油相を用いて、40〜80℃、好ましくは50
〜70℃の温度で均一な単一相からなるミクロエマルショ
ンを調製する。このミクロエマルションの組成は、第2
段階で水希釈を行うため、油含有量が高く、かつ経済的
に界面活性剤量を最も低くすることが望ましい。又、ミ
クロエマルションを作る最適温度域ぱ、用いた非イオン
性界面活性剤のHLBにより変化するが、実用的見地か
ら、40℃〜80℃に転相温度を持つようなHLB値が7〜1
1、好ましくは8〜10の非イオン界面活性剤を選ぶのが
よい。しかしながら、通常、安定な水中油型エマルショ
ンを与える非イオン性界面活性剤のHLB値は8〜18とさ
れており、(北原、古澤共著「分散・乳化系の化学」工
学図書63ページ)比較的HLBの高いものが必要となる場
合もある。HLB値が高くなると転相温度が水の沸点以上
になるものもあるが、このような界面活性剤を使う場合
には、低HLB値を持つ非イオン性界面活性剤と混合して
用いるか、少量のイオン性界面活性剤を添加すること、
さらに油相成分に高級脂肪酸、高級アルコール、多価ア
ルコールを混合すること、などにより容易にミクロエマ
ルションを40〜80℃で作ることが可能となる。非イオン
性界面活性剤としてはポリオキシエチレンアキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシスチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチ
レングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒ
マシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などがあげら
れる。ここでエチレンオキシドの平均付加モル数として
は2〜40、好ましくは5〜20である。これらの界面活性
剤は、単独又は2種以上の組合せで用いられる。尚、脂
肪酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤を非イオン性
界面活性剤に併合することができる。
本発明で用いる油相成分としては、通常化粧品等に用
いられている油脂、エステル類、親油性界面活性剤、炭
化水素、シリコン化合物等が用いられる。具体的には流
動パラフィンがあげられる。
いられている油脂、エステル類、親油性界面活性剤、炭
化水素、シリコン化合物等が用いられる。具体的には流
動パラフィンがあげられる。
本発明で用いるミクロエマルションは油相成分の含量
が多いことが必要で、界面活性剤成分0.1〜50重量%
(以下%と略称する)を含み、好ましくは5〜30%界面
活性剤成分を除く、成分中の油相成分/(水+油相成
分)の重量比が0.5〜0.99/1、で用いるのが良い。
が多いことが必要で、界面活性剤成分0.1〜50重量%
(以下%と略称する)を含み、好ましくは5〜30%界面
活性剤成分を除く、成分中の油相成分/(水+油相成
分)の重量比が0.5〜0.99/1、で用いるのが良い。
前記のようにして得られたミクロエマルションを水に
分散させることにより、油性成分を分散質とするエマル
ションを得る。分散させりミクロエマルションは、乳化
スケールにより異なるものの、瞬時、好ましくは約20〜
40秒で添加すると、一層良好な乳化系を効率よく調製で
きる。この工程で用いる水の量を変えることにより、任
意の割合で油相を含む水中油型エマルションを自由に調
製することができるが、添加水量が少なすぎると高粘性
のエマルションになってしまうことから添加するミクロ
エマルション相の重量に対し、2〜100重量、好ましく
は5〜50倍量がよい。水温は、20℃以上低ければよく、
好ましくは添加するミクロエマルションの温度よりも20
〜40℃低くするのがよい。
分散させることにより、油性成分を分散質とするエマル
ションを得る。分散させりミクロエマルションは、乳化
スケールにより異なるものの、瞬時、好ましくは約20〜
40秒で添加すると、一層良好な乳化系を効率よく調製で
きる。この工程で用いる水の量を変えることにより、任
意の割合で油相を含む水中油型エマルションを自由に調
製することができるが、添加水量が少なすぎると高粘性
のエマルションになってしまうことから添加するミクロ
エマルション相の重量に対し、2〜100重量、好ましく
は5〜50倍量がよい。水温は、20℃以上低ければよく、
好ましくは添加するミクロエマルションの温度よりも20
〜40℃低くするのがよい。
尚、特に好ましくは常温20〜40℃の水である。さら
に、この水と添加混合においては強い攪拌力は必要とさ
れず、極めて弱い撹拌力により均質で微細なエマルショ
ンを得ることができる。
に、この水と添加混合においては強い攪拌力は必要とさ
れず、極めて弱い撹拌力により均質で微細なエマルショ
ンを得ることができる。
本発明の乳化法が均質で微細なエマルションを与える
理由は、水に添加するミクロエマルション相が、水に対
して極めて低い界面張力を持つためであると考えられ
る。これは、ミクロエマルション相が従来技術のPIT乳
化で述べたように、非イオン活性剤の転相温度における
バイコンティニュアス型ミクロエマルションと同様な構
造をとっており、水と接触することで速やかに、界面活
性剤の層間に閉じ込められた油相が崩壊し、微細油滴と
なるためであろう。しかし、PIT乳化法では、転相温度
でミクロエマルションを介し水相と油相の界面張力を低
下させ、この状態で両相を混合し、すみやかに冷却する
ことにより微細エマルションを調製する方法であるのに
比べ、本発明では、ミクロエマルションのみを単独で乳
化に用いること、さらに水による希釈という操作をとる
ことでPIT乳化法と異なり、よりすぐれた効果が得られ
るのである。
理由は、水に添加するミクロエマルション相が、水に対
して極めて低い界面張力を持つためであると考えられ
る。これは、ミクロエマルション相が従来技術のPIT乳
化で述べたように、非イオン活性剤の転相温度における
バイコンティニュアス型ミクロエマルションと同様な構
造をとっており、水と接触することで速やかに、界面活
性剤の層間に閉じ込められた油相が崩壊し、微細油滴と
なるためであろう。しかし、PIT乳化法では、転相温度
でミクロエマルションを介し水相と油相の界面張力を低
下させ、この状態で両相を混合し、すみやかに冷却する
ことにより微細エマルションを調製する方法であるのに
比べ、本発明では、ミクロエマルションのみを単独で乳
化に用いること、さらに水による希釈という操作をとる
ことでPIT乳化法と異なり、よりすぐれた効果が得られ
るのである。
本発明の方法によれば、大量の均質で微細な水中油型
エマルションをごく少量の熱エネルギーを使用するだけ
で製造することができ、その際、従来の乳化法で製造す
る場合に必要であった、大きな機械的攪拌力や急冷等の
装置的工夫も不要となることから工業的なエマルション
の製造方法として好適である。
エマルションをごく少量の熱エネルギーを使用するだけ
で製造することができ、その際、従来の乳化法で製造す
る場合に必要であった、大きな機械的攪拌力や急冷等の
装置的工夫も不要となることから工業的なエマルション
の製造方法として好適である。
すなわち本発明によれば、乳化に必要な油相と水相の
界面張力を、高油含量で作るミクロエマルションにする
ことで極めて低くすることができ、得られるエマルショ
ン中の乳化粒子は直径1μm以下という極めて微細かつ
安定性に優れたものとなる。
界面張力を、高油含量で作るミクロエマルションにする
ことで極めて低くすることができ、得られるエマルショ
ン中の乳化粒子は直径1μm以下という極めて微細かつ
安定性に優れたものとなる。
本発明の乳化法は、種々の油を用いても均質で微細な
水中油型エマルションを調製でき得ることから、化粧品
はもとより、医薬品、食料品等の広範囲の分野の製品に
利用される。
水中油型エマルションを調製でき得ることから、化粧品
はもとより、医薬品、食料品等の広範囲の分野の製品に
利用される。
次に実施例により本発明を説明する。
実施例1 ミリスチン酸イソプロピル15重量部、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部、精製水5重量部を混合し、加温した。液
温が60℃に達すると、この混合液は、青色透明のマイク
ロエマルションとなり、これを攪拌状態にある精製水75
重量部中へ瞬時に注入し、水中油型エマルションを得
た。攪拌は、通常のプロペラを用い、その攪拌速度は20
0rpmとし、注入される精製水の温度を変化させて、精製
したエマルションの粒子径および保存安定性を検討し
た。
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部、精製水5重量部を混合し、加温した。液
温が60℃に達すると、この混合液は、青色透明のマイク
ロエマルションとなり、これを攪拌状態にある精製水75
重量部中へ瞬時に注入し、水中油型エマルションを得
た。攪拌は、通常のプロペラを用い、その攪拌速度は20
0rpmとし、注入される精製水の温度を変化させて、精製
したエマルションの粒子径および保存安定性を検討し
た。
比較例1 ミリスチン酸イソプロピル15重量部、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部に精製水80重量部を攪拌下混合し、60℃に
昇温した。ここでの温度は、転相温度に相当しておりこ
の状態の混合液を冷却し、エマルションを得た。攪拌は
実施例1と同じ条件とし、冷却速度を変化させた。
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部に精製水80重量部を攪拌下混合し、60℃に
昇温した。ここでの温度は、転相温度に相当しておりこ
の状態の混合液を冷却し、エマルションを得た。攪拌は
実施例1と同じ条件とし、冷却速度を変化させた。
比較例2 ミリスチン酸イソプロピル15重量部、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部に精製水80重量部を攪拌下混合しエマルシ
ョンを得た。この場合、攪拌装置としては、ホモミキサ
ー(特殊機化社製)を用い、その攪拌速度は5000rpmで
あった。攪拌時の温度を変化させ検討した。
レンラウリルエーテル(エチレンオキシド付加モル数
5)5重量部に精製水80重量部を攪拌下混合しエマルシ
ョンを得た。この場合、攪拌装置としては、ホモミキサ
ー(特殊機化社製)を用い、その攪拌速度は5000rpmで
あった。攪拌時の温度を変化させ検討した。
本発明品では、いずれの注入水温に於ても、0.2〜0.4
μのエマルションが得られるのに比べ、比較品の場合0.
5〜3μであり、より微細な乳化粒子を含むことが認め
られた。又、安定性に於ても本発明品は、1ケ月の安定
性を示したのに対し、比較品ではいずれも水層の分離が
見られた。
μのエマルションが得られるのに比べ、比較品の場合0.
5〜3μであり、より微細な乳化粒子を含むことが認め
られた。又、安定性に於ても本発明品は、1ケ月の安定
性を示したのに対し、比較品ではいずれも水層の分離が
見られた。
実施例2 実施例1で用いた条件でミリスチン酸イソプロピルを
流動パラフィンに変えて乳化実験を行った。
流動パラフィンに変えて乳化実験を行った。
比較例3 比較例1で用いた条件でミリスチン酸イソプロピルを
流動パラフィンに変えて、乳化実験を行った。
流動パラフィンに変えて、乳化実験を行った。
比較例4 比較例2で用いた条件で、ミリスチン酸イソプロピル
を流動パラフィンに変えて乳化実験を行った。
を流動パラフィンに変えて乳化実験を行った。
本発明品では、いずれも注入水温に於ても0.5〜0.7μ
のエマルションが得られるのに比べ、比較品の場合2〜
3μであり、より微細な乳化粒子を含むことが認められ
た。
のエマルションが得られるのに比べ、比較品の場合2〜
3μであり、より微細な乳化粒子を含むことが認められ
た。
又、安定性に於ても本発明品は、1ケ月の安定性を示
したのに対し比較品ではいずれも水層の分離が見られ
た。
したのに対し比較品ではいずれも水層の分離が見られ
た。
実施例3 実施例1で用いた条件で、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ネチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて乳
化実験を行った。
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(ネチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて乳
化実験を行った。
比較例5 比較例1で用いた条件で、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて、
乳化実験を行った。
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて、
乳化実験を行った。
比較例6 比較例2で用いた条件で、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて、
乳化実験を行った。
ルエーテル(エチレンオキシド付加モル数5)5部を、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(エチレンオキシ
ド付加モル数10)4.0部、ステアリン酸1.0部に変えて、
乳化実験を行った。
本発明品では、高いHLB値を持つ非イオン性界面活性
剤を用いても、注入水温によらず0.3〜0.5μのエマルシ
ョンが得られるのに比べ、比較品の場合、0.5〜1.2μで
あり、より微細な乳化粒子を含むことが認められた。
剤を用いても、注入水温によらず0.3〜0.5μのエマルシ
ョンが得られるのに比べ、比較品の場合、0.5〜1.2μで
あり、より微細な乳化粒子を含むことが認められた。
又、安定性に於ても、本発明品は、1ケ月の安定性を
示したのに対し、比較品ではいずれも水層の分離が見ら
れた。
示したのに対し、比較品ではいずれも水層の分離が見ら
れた。
Claims (2)
- 【請求項1】少なくとも1種類の非イオン性界面活性剤
成分と水および油相成分とを混合し、40〜80℃の温度範
囲にて、均一な単一相のミクロエマルションの相を形成
させ、次いでこれを瞬時に、前記温度よりも20℃以上低
い温度の水へ分散混合させることを特徴とする水中油型
エマルションの製造方法。 - 【請求項2】ミクロエマルション相が界面活性剤0.1〜5
0重量%を含み、油相成分/(水+油相成分)の重量比
が0.5/1〜0.99/1の範囲にある特許請求の範囲第1項記
載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62315484A JP2588413B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 水中油型エマルションの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62315484A JP2588413B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 水中油型エマルションの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01155941A JPH01155941A (ja) | 1989-06-19 |
JP2588413B2 true JP2588413B2 (ja) | 1997-03-05 |
Family
ID=18065920
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62315484A Expired - Fee Related JP2588413B2 (ja) | 1987-12-14 | 1987-12-14 | 水中油型エマルションの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2588413B2 (ja) |
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FR2716372B1 (fr) * | 1994-02-18 | 1996-04-12 | Oreal | Compositions cosmétiques antisolaires stables, fluides et/ou fluidifiables, procédé de préparation et utilisation. |
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JP4643377B2 (ja) * | 2005-07-07 | 2011-03-02 | 株式会社資生堂 | 一相マイクロエマルション組成物、及びo/w超微細エマルション外用剤の製造方法 |
US9743680B2 (en) | 2005-10-14 | 2017-08-29 | Wild Flavors, Inc. | Microemulsions for use in food and beverage products |
JP2008086887A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-04-17 | Fujifilm Corp | 乳化物及び乳化物の製造方法 |
EP2387985B1 (en) * | 2009-01-14 | 2014-04-02 | Shiseido Company Ltd. | Process for producing o/w microemulsion preparation for external application |
BR112012004841A2 (ja) * | 2009-09-04 | 2018-03-13 | Shiseido Company, Ltd. | A manufacturing method of an O/W emulsification constituent |
CN102573762B (zh) * | 2009-09-04 | 2014-04-30 | 株式会社资生堂 | 高粘度o/w乳膏的制备方法 |
JP4834775B2 (ja) * | 2010-03-04 | 2011-12-14 | 株式会社 資生堂 | 日焼け止め用組成物 |
-
1987
- 1987-12-14 JP JP62315484A patent/JP2588413B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01155941A (ja) | 1989-06-19 |
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