JPWO2010073794A1 - 照明光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 - Google Patents

照明光学系、露光装置及びデバイスの製造方法 Download PDF

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Abstract

照明光学系(13)は、光源装置(12)からの露光光(EL)が入射した場合に照明光学系(13)の照明光路内の照明瞳面(27)に二次光源を形成するオプティカルインテグレータ(26)と、二次光源の第3面光源から射出される露光光(EL)の光路内に配置され、該露光光(EL)の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタ(66)と、二次光源の第4面光源から射出される露光光(EL)の光路内に配置され、該露光光(EL)の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタ(67)と、照明光学系(13)の光軸AXに対する傾斜角度が変化するように第1及び第2の透過フィルタ(66,67)を回転させる回転機構(68)と、を備えている。

Description

本発明は、照明光学系、該照明光学系を備える露光装置、及び該露光装置を用いるデバイスの製造方法に関するものである。
一般に、半導体集積回路などのマイクロデバイスを製造するための露光装置は、光源から出力される露光光を所定のパターンが形成されるレチクルなどのマスクに導くための照明光学系を備えている。こうした照明光学系には、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズが設けられている。そして、フライアイレンズに露光光が入射した場合、該フライアイレンズの射出面側においてマスクの被照射面に対して光学的にフーリエ変換の関係にある照明瞳面には、所定の光強度分布(以下、「瞳強度分布」という。)が形成される。なお、瞳強度分布が形成される照明瞳面のことを、多数の面光源からなる二次光源ともいう。
こうした二次光源から射出される露光光は、コンデンサレンズにより集光された後、マスクを重畳的に照明するようになっている。そして、マスクを透過した露光光は、投影光学系を介して感光材料の塗布されるウエハなどの基板上を照射するようになっている。その結果、基板上には、マスクのパターンが投影露光(転写)される。
ところで、近年では、マスクに形成されるパターンの高集積化(微細化)が進んでいる。そのため、マスクの微細パターンを基板上に正確に転写するためには、基板上に均一な照度分布を有する照射領域(「静止露光領域」ともいう。)を形成させることが不可欠である。そこで、従来から、マスクの微細パターンを基板上に正確に転写するために、例えば輪帯状や複数極状(2極状、4極状など)の瞳強度分布を照明瞳面に形成し、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させていた(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2006/0055834号明細書
ところで、マスクの微細パターンを基板上に正確に転写する際には、照明瞳面における瞳強度分布を所望の形状に調整するだけでなく、最終的な被照射面である基板上の各点の光強度をほぼ均一に調整する必要がある。基板上の各点での光強度にばらつきがあると、基板上の位置毎にパターンの線幅がばらついて、マスクの微細パターンを露光領域の全体に亘って所望の線幅で基板上に正確に転写することができないおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被照射面での光強度分布を調整することができる照明光学系、露光装置、及びデバイスの製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明は、実施形態に示す図面に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の一態様に従う照明光学系は、光源(12)からの光(EL)で被照射面(Ra、Wa)を照明する照明光学系(13)であって、前記光源(12)からの光(EL)が入射した場合に前記照明光学系(13)の照明光路内の照明瞳面(27)に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータ(26)と、前記照明瞳面(27)内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角(θ、θ1、θ2、θ3)に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタ(66)と、前記照明瞳面(27)内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角(θ、θ1、θ2、θ3)に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタ(67)と、前記照明光学系(13)の光軸(AX)に対する傾斜角度が変化するように前記第1及び第2の透過フィルタ(66,67)を回転させる回転機構(68)と、を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、第1照明光束が被照射面(Ra、Wa)を照射する際の光強度は、第1照明光束の光路内に配置される第1の透過フィルタ(66)を回転させることにより、調整される。また、第2照明光束が被照射面(Ra、Wa)を照射する際の光強度は、第2照明光束の光路内に配置される第2の透過フィルタ(67)を回転させることにより、調整される。すなわち、各透過フィルタ(66,67)を回転させることにより、被照射面(Ra、Wa)上の照射領域内における光強度分布が調整される。そのため、こうした各透過フィルタ(66,67)の回転によって、被照射面(Ra、Wa)上の各点における光強度分布(「瞳強度分布」ともいう。)を独立的に調整でき、結果として、各点における光強度分布を互いに略同一性状の分布に調整することが可能となる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明によれば、被照射面での光強度分布を調整することができる。
第1実施形態における露光装置を示す概略構成図。 一対のマイクロフライアイレンズを模式的に示す斜視図。 照明瞳面に形成される4極状の二次光源を示す模式図。 (a)はレチクル上に形成される照明領域を示す模式図、(b)はウエハ上に形成される静止露光領域を示す模式図。 静止露光領域内の中心点に入射する入射光によって形成される第1瞳強度分布を示す模式図。 静止露光領域内の周辺点に入射する入射光によって形成される第2瞳強度分布を示す模式図。 (a)は静止露光領域内の中心点に対応する第1瞳強度分布のZ軸方向に沿った光強度を示すグラフ、(b)は静止露光領域内の周辺点に対応する第2瞳強度分布のZ軸方向に沿った光強度を示すグラフ。 第1実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図。 分布補正光学系を図8とは異なる方向から見た場合の概略構成図。 各透過フィルタの透過率特性を示すグラフ。 変更例における分布補正光学系を示す概略構成図。 第2実施形態における露光装置を示す概略構成図。 照明瞳面に形成される円形状の二次光源を示す模式図。 第2実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図。 (a)は調整領域内に透過フィルタを一枚だけ配置した場合を示す概略構成図、(b)は入射角と透過率との関係を示すグラフ。 (a)は各透過フィルタが互いに逆方向に回転した場合を示す概略構成図、(b)は第1の透過フィルタを透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフと第2の透過フィルタを透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフ、(c)は第1及び第2の透過フィルタを共に透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフ。 (a)は各透過フィルタが互いに同じ方向に回転した場合を示す概略構成図、(b)は第1の透過フィルタを透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフと第2の透過フィルタを透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフ、(c)は第1及び第2の透過フィルタを共に透過する際の入射角と透過率との関係を示すグラフ。 第3実施形態における分布補正光学系を示す概略構成図。 別の変更例における分布補正光学系を示す概略構成図。 更に別の変更例における分布補正光学系を示す概略構成図。 デバイスの製造例のフローチャート。 半導体デバイスの場合の基板処理に関する詳細なフローチャート。
以下に、本発明を具体化した第1実施形態について図1〜図9に基づき説明する。なお、第1実施形態では、後述する投影光学系15の光軸(図1における上下方向)をZ軸方向というと共に、図1における左右方向をY軸方向といい、さらに、図1において紙面と直交する方向をX軸方向というものとする。
図1に示すように、第1実施形態の露光装置11は、所定の回路パターンが形成された透過型のレチクルRに露光光ELを照明することにより、表面Wa(+Z方向側の面であって、図1では上面)にレジストなどの感光材料が塗布されたウエハWに回路パターンの像を投影するための装置である。こうした露光装置11は、光源装置12から射出された露光光ELをレチクルRの被照射面Ra(+Z方向側の面)に導く照明光学系13と、レチクルRを保持するレチクルステージ14と、レチクルRを通過した露光光ELをウエハWの表面Waに導く投影光学系15と、ウエハWを保持するウエハステージ16とを備えている。なお、第1実施形態の光源装置12は、193nmの波長の光を出力するArFエキシマレーザ光源を有し、該ArFエキシマレーザ光源から出力される光が露光光ELとして露光装置11内に導かれる。
照明光学系13は、光源装置12から射出される露光光ELを所定の断面形状(例えば、断面略矩形状)をなす平行な光束に変換するための整形光学系17と、該整形光学系17から射出された露光光ELをレチクルR側(ここでは、+Y方向側であって図1における右側)に反射する第1反射ミラー18とを備えている。この第1反射ミラー18の射出側(レチクルR側)には、回折光学素子19が設けられている。この回折光学素子19は、ガラス基板に露光光ELの波長と同程度のピッチを有する複数の段差を形成することにより構成されており、入射側(光源装置12側)から入射した露光光ELを所定の角度に回折する作用を有している。例えば、輪帯照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、断面形状が輪帯状(略円環状)をなす光束がレチクルR側に射出される。また、複数極(2極、4極、8極など)照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、極の数に応じた複数(例えば4つ)の光束がレチクルR側に射出される。
また、照明光学系13には、回折光学素子19から射出される露光光ELが入射するアフォーカル光学系20(「無焦点光学系」ともいう。)が設けられている。このアフォーカル光学系20は、第1レンズ群21(図1では一枚のレンズのみを図示)と、該第1レンズ群21よりも射出側に配置される第2レンズ群22(図1では一枚のレンズのみを図示)とを有している。そして、アフォーカル光学系20の入射側の焦点位置は、回折光学素子19の設置位置と略同一であると共に、アフォーカル光学系20の射出側の焦点位置は、図1において破線で示す所定面23の位置と略同一となるように形成されている。
また、第1レンズ群21と第2レンズ群22との間の光路内において、後述するオプティカルインテグレータ26の照明瞳面27と光学的に共役な位置又はその近傍には、露光光ELの入射位置に応じて透過率の異なる透過率分布を有する補正フィルタ24が設けられている。この補正フィルタ24は、入射側面及び射出側面が平行なガラス基板に対してクロムや酸化クロムなどから構成される遮光性ドットのパターンが形成されたフィルタである。
また、アフォーカル光学系20のレチクルR側には、σ値(σ値=照明光学系13のレチクルR側の開口数/投影光学系15のレチクルR側の開口数)を可変させるためのズーム光学系25が設けられており、該ズーム光学系25は、所定面23よりも射出側に配置されている。そして、ズーム光学系25から射出される露光光ELは、ズーム光学系25によって平行な光束に変換された後、該ズーム光学系25の射出側に配置されるオプティカルインテグレータ26に入射するようになっている。そして、オプティカルインテグレータ26は、入射した露光光ELを複数の光束に波面分割し、その射出側(+Y方向側)に位置する照明瞳面27に所定の光強度分布(「瞳強度分布」ともいう。)を形成するようになっている。なお、瞳強度分布が形成される照明瞳面27のことを、多数の面光源からなる二次光源60(図3参照)ともいう。
オプティカルインテグレータ26は、その入射面(−Y方向側の面であって、図1では左面)がズーム光学系25の射出側の焦点位置(瞳面ともいう。)又は該焦点位置近傍に位置するように配置されている。すなわち、ズーム光学系25は、所定面23とオプティカルインテグレータ26の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係とすると共に、アフォーカル光学系20の瞳面(即ち、補正フィルタ24の設置位置)とオプティカルインテグレータ26の入射面とを光学的にほぼ共役となる位置に配置されている。
オプティカルインテグレータ26の射出側には、投影光学系15の入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、且つ二次光源60の照明に寄与する範囲を規定するための図示しない照明開口絞りが設けられている。この照明開口絞りは、大きさ及び形状の異なる複数の開口部を有している。そして、照明開口絞りでは、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状に対応した開口部が露光光ELの光路内に配置される。すなわち、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状が輪帯状である場合、照明開口絞りは、輪帯状に対応した形状の開口部が露光光ELの光路内に位置するように駆動するようになっている。また、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状が4極状である場合、照明開口絞りは、4極状に対応した形状の開口部が露光光ELの光路内に位置するように駆動するようになっている。
オプティカルインテグレータ26及び上記照明開口絞りの射出側には、少なくとも一枚のレンズ(図1では一枚のみ図示)から構成される第1コンデンサ光学系28と、該第1コンデンサ光学系28の射出側であって且つレチクルRの被照射面Raと光学的に共役な位置に配置されるレチクルブラインド29(「マスクブラインド」ともいう。)とが設けられている。第1コンデンサ光学系28は、パワー(焦点距離の逆数)を有する光学素子(レンズ)から構成されている。また、レチクルブラインド29には、長手方向がZ軸方向であって且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の開口部29aが形成されている。そして、第1コンデンサ光学系28から射出された露光光ELは、レチクルブラインド29を重畳的に照明するようになっている。なお、パワーを有する光学素子とは、露光光ELが光学素子に入射することにより、該露光光ELの特性が変化するような光学素子のことである。
また、レチクルブラインド29の射出側には、パワーを有するレンズから構成される第2コンデンサ光学系30が設けられており、該第2コンデンサ光学系30は、レチクルブラインド29側から入射した光を略平行な光束に変換するようになっている。また、第2コンデンサ光学系30の射出側には、該レチクルR上に形成される照明領域ER1(図4(a)参照)や該照明領域ER1と光学的に共役な関係になるウエハW上に形成される静止露光領域ER2(図4(b)参照)内の各点における光強度分布を補正するための分布補正光学系31が設けられている。なお、分布補正光学系31の具体的な構成については、後述するものとする。
そして、分布補正光学系31から射出される露光光ELは、結像光学系32に入射するようになっている。この結像光学系32は、入射側レンズ群33と、該入射側レンズ群33から射出される露光光ELを−Z方向側(図1では下側)に反射する第2反射ミラー34と、該第2反射ミラー34の射出側に配置される射出側レンズ群35とを備えている。入射側レンズ群33は、少なくとも一枚(図1では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されると共に、射出側レンズ群35は、少なくとも一枚(図1では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されている。そして、結像光学系32から射出される露光光ELは、レチクルRの被照射面Raを重畳的に照明するようになっている。なお、第1実施形態では、レチクルブラインド29の開口部29aの形状は、上述したように、矩形状をなしている。そのため、レチクルR上の照明領域ER1及びウエハW上の静止露光領域ER2は、図4(a)(b)に示すように、長手方向がY軸方向となり、且つ短手方向がX軸方向となる矩形状にそれぞれ形成される。
レチクルステージ14は、図1に示すように、投影光学系15の物体面側において、そのレチクルRの載置面が投影光学系15の光軸方向(Z軸方向)とほぼ直交するように配置されている。また、レチクルステージ14には、保持するレチクルRをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないレチクルステージ駆動部が設けられている。
また、レチクルステージ14の近傍には、瞳強度分布計測装置36が設けられている。この瞳強度分布計測装置36は、二次光源60においてレチクルR上の照明領域ER1内の一点に入射する各入射光によって形成される瞳強度分布を点毎(位置毎)に計測する装置である。こうした瞳強度分布計測装置36は、射出側レンズ群35からレチクルRに向けて射出される露光光ELの一部(「反射光」ともいう。)を反射させるビームスプリッタ37と、該ビームスプリッタ37に反射された反射光が入射する計測用レンズ38と、該計測用レンズ38から射出された反射光が入射する検出部39とを備えている。この検出部39は、CCD撮像素子やフォトダイオードなどを有しており、検出部39からは、入射した反射光に応じた検出信号が制御装置40に出力される。そして、制御装置40は、検出部39からの検出信号に基づき、照明領域ER1の点毎の瞳強度分布を導出するようになっている。なお、瞳強度分布計測装置36については、例えば特開2006−54328号公報や特開2003−22967号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0038225号明細書に開示されている。
投影光学系15は、内部が窒素などの不活性ガスで充填された鏡筒41を備え、この鏡筒41内には、図示しない複数のレンズが露光光ELの光路(Z軸方向)に沿って設けられている。また、鏡筒41内において、ウエハWの表面Waの設置位置及びレチクルRの被照射面Raの設置位置と光学的にフーリエ変換の関係となる位置には、開口絞り42が配置されている。そして、露光光ELにて照明されたレチクルR上の回路パターンの像は、投影光学系15を介して所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ16上のウエハWに投影転写される。ここで、光路とは、使用状態において、露光光ELが通ることが意図されている経路のことを示している。
ウエハステージ16は、投影光学系15の光軸とほぼ直交する平面状の載置面43を備え、該載置面43上には、ウエハWが載置される。また、ウエハステージ16には、保持するウエハWをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないウエハステージ駆動部が設けられている。さらに、ウエハステージ16には、ウエハWの表面Waが投影光学系15の光軸と直交状態となるように、ウエハWの位置を微調整させる機能が設けられている。
そして、第1実施形態の露光装置11を用いてウエハWにパターンの像を投影する場合、レチクルRは、上記レチクルステージ駆動部の駆動によって、+X方向側から−X方向側(図1では紙面手前側から紙面奥手側)に所定ストローク毎に移動する。すると、レチクルRにおける照明領域ER1は、該レチクルRの被照射面Raの−X方向側から+X方向側(図1では紙面奥手側から紙面手前側)に沿って移動する。すなわち、レチクルRのパターンが−X方向側から+X方向側に順にスキャンされる。また、ウエハWは、上記ウエハステージ駆動部の駆動によって、レチクルRのX軸方向に沿った移動に対して投影光学系15の縮小倍率に応じた速度比で−X方向側から+X方向側に同期して移動する。その結果、ウエハWの一つのショット領域には、レチクルR及びウエハWの同期移動に伴って、レチクルR上の回路パターンを所定の縮小倍率に縮小した形状のパターンが形成される。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
次に、第1実施形態のオプティカルインテグレータ26について図2に基づき説明する。なお、図2では、明細書の説明理解の便宜上、後述する各シリンドリカルレンズ面52,53,54,55の大きさが誇張して描かれているものとする。
図2に示すように、オプティカルインテグレータ26は、照明光学系13の光軸AX(図1及び図2では一点鎖線で示す。)に沿って配置される一対のマイクロフライアイレンズ50,51を備えている。これら両マイクロフライアイレンズ50,51は、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27が投影光学系15の開口絞り42と光学的に共役な位置に形成されるようにそれぞれ配置されている。
入射側に位置する第1マイクロフライアイレンズ50の入射側、及び射出側に位置する第2マイクロフライアイレンズ51の入射側には、照明光学系13の光軸AXとほぼ直交する入射面50a,51aがそれぞれ形成されている。また、第1マイクロフライアイレンズ50の射出側、及び第2マイクロフライアイレンズ51の射出側には、照明光学系13の光軸AXとほぼ直交する射出面50b,51bがそれぞれ形成されている。そして、両マイクロフライアイレンズ50,51の入射面50a,51a側には、Z軸方向に延びる複数(図2では10個)のシリンドリカルレンズ面52,53がX軸方向に沿ってそれぞれ配列されている。これら各シリンドリカルレンズ面52,53は、円柱の一部を切り取った形状をなすようにそれぞれ形成されており、各シリンドリカルレンズ面52,53のX軸方向における長さ(即ち、幅)は、第1幅H1である。
また、両マイクロフライアイレンズ50,51の射出面50b,51b側には、X軸方向に延びる複数(図2では10個)のシリンドリカルレンズ面54,55がZ軸方向に沿ってそれぞれ配列されている。これら各シリンドリカルレンズ面54,55は、円柱の一部を切り取った形状をなすようにそれぞれ形成されており、各シリンドリカルレンズ面54,55のZ軸方向における長さ(即ち、幅)は、第1幅H1よりも広い第2幅H2である。なお、第1幅H1及び第2幅H2は、レチクルブラインド29の開口部29aにおけるX軸方向における長さ及びZ軸方向における長さ、即ち照明領域ER1及び静止露光領域ER2のX軸方向における長さ及びY軸方向における長さとそれぞれ対応関係がある。
オプティカルインテグレータ26のX軸方向に関する屈折作用に着目した場合、照明光学系13の光軸AXに沿って入射した露光光EL(即ち、平行光束)は、第1マイクロフライアイレンズ50の入射面50aに形成される各シリンドリカルレンズ面52によってX軸方向に沿って第1幅H1の間隔で波面分割される。そして、各シリンドリカルレンズ面52によって波面分割された各光束は、第2マイクロフライアイレンズ51の入射面51aに形成される各シリンドリカルレンズ面53のうち個別対応するシリンドリカルレンズ面でそれぞれ集光作用を受け、その後、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27上でそれぞれ集光するようになっている。また、オプティカルインテグレータ26のZ軸方向に関する屈折作用に着目した場合、照明光学系13の光軸AXに沿って入射した露光光EL(即ち、平行光束)は、第1マイクロフライアイレンズ50の射出面50bに形成される各シリンドリカルレンズ面54によってX軸方向に沿って第2幅H2の間隔で波面分割される。そして、各シリンドリカルレンズ面54によって波面分割された各光束は、第2マイクロフライアイレンズ51の射出面51bに形成される各シリンドリカルレンズ面55のうち個別対応するシリンドリカルレンズ面でそれぞれ集光作用を受け、その後、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27上でそれぞれ集光するようになっている。
なお、各マイクロフライアイレンズ50,51の各シリンドリカルレンズ面52〜55の第1幅H1及び第2幅H2は、本来、非常に狭い。そのため、第1実施形態のオプティカルインテグレータ26での波面分割数は、複数のレンズ要素から構成されるフライアイレンズを用いる場合に比して多い。その結果、オプティカルインテグレータ26の入射側に形成される大局的な光強度分布と、射出側である照明瞳面27に形成される二次光源全体の大局的な光強度分布とは、互いに高い相関関係を示す。したがって、オプティカルインテグレータ26の入射側及び該入射側と光学的に共役な面における光強度分布についても、瞳強度分布と称すことができる。
ここで、回折光学素子19として輪帯照明用の回折光学素子が用いられる場合、オプティカルインテグレータ26の入射側には、照明光学系13の光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。その結果、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、入射側に形成される輪帯状の照野と同じ、輪帯状の二次光源60が形成される。また、回折光学素子19として複数極照明用の回折光学素子が用いられる場合、オプティカルインテグレータ26の入射側には、照明光学系13の光軸AXを中心とした複数の所定形状(円弧状、円形状など)の照野からなる複数極状の照野が形成される。その結果、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、入射側に形成される複数極状の照野と同じ、複数極状の二次光源60が形成される。なお、第1実施形態では、4極照明用の回折光学素子19が用いられるものとする。
すなわち、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、図3に示すように、4つの円弧状の実質的な面光源(以下、単に「面光源」という。)60a,60b,60c,60dからなる4極状の二次光源60(瞳強度分布)が形成される。具体的には、二次光源60は、照明光学系13の光軸AXの+X方向側に位置する円弧状の第1面光源60aと、照明光学系13の光軸AXの−X方向側に位置する円弧状の第2面光源60bとを有しており、第1面光源60aと光軸AXとの間隔は、第2面光源60bと光軸AXとの間隔とほぼ等間隔となっている。また、二次光源60は、照明光学系13の光軸AXの+Z方向側に位置する円弧状の第3面光源60cと、照明光学系13の光軸AXの−Z方向側に位置する円弧状の第4面光源60dとを有しており、第3面光源60cと光軸AXとの間隔は、第4面光源60dと光軸AXとの間隔とほぼ等間隔となっている。
こうした各面光源60a〜60dから射出される各露光光ELがレチクルR上に導かれると、レチクルRの被照射面Ra上には、図4(a)に示すように、長手方向がY軸方向であり且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の照明領域ER1が形成される。また、ウエハWの表面Wa上には、図4(b)に示すように、レチクルR上の照明領域ER1と対応した矩形状の静止露光領域ER2が形成される。この際、静止露光領域ER2(及び照明領域ER1)内の各点に入射する入射光が形成する4極状の瞳強度分布の各々は、露光光ELが入射する位置に依存することなく、互いにほぼ同一形状をなしている。ところが、静止露光領域ER2(及び照明領域ER1)内の点毎の4極状の瞳強度分布の光強度は、静止露光領域ER2内に入射する露光光ELの位置に依存して異なってしまう傾向がある。
具体的には、図5に示すように、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内のY軸方向における中心点P1a,P1bに入射する第1入射光EL1(図8参照)によって形成される第1瞳強度分布61では、Z軸方向に沿って配置される第3面光源61c及び第4面光源61dの光強度の方が、X軸方向に沿って配置される第1面光源61a及び第2面光源61bの光強度よりも強くなる傾向がある。一方、図4(a)(b)及び図6に示すように、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内において中心点P1a,P1bのY軸方向に沿って離間した各周辺点P2a,P3a,P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3(図8参照)によって形成される第2瞳強度分布62では、Z軸方向に沿って配置される第3面光源62c及び第4面光源62dの光強度の方が、X軸方向に沿って配置される第1面光源62a及び第2面光源62bの光強度よりも弱くなる傾向がある。なお、ここでいう各瞳強度分布61,62は、照明光学系13内における露光光ELの光路内に補正フィルタ24及び後述する透過フィルタ66,67が配置されていない場合に、照明瞳面27及び該照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面、(一例として、第2コンデンサ光学系30と入射側レンズ群33との間に位置する瞳共役面65(図8参照))に形成される、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する光強度分布のことを示している。
一般に、中心点P1a,P1bに対応する第1瞳強度分布61のZ軸方向に沿った光強度分布は、図7(a)に示すように、Z軸方向における中央が最も弱くなると共に、中央からZ軸方向に沿って離間するに連れて次第に強くなる凹曲線状の分布である。また、各周辺点P2a,P2b,P3a,P3bに対応する第2瞳強度分布62のZ軸方向に沿った光強度分布は、図7(b)に示すように、Z軸方向における中央が最も強くなると共に、中央からZ軸方向に沿って離間するに連れて次第に弱くなる凸曲面状の分布である。
こうした瞳強度分布61,62のZ軸方向に沿った光強度分布は、照明領域ER1及び静止露光領域ER2内のX軸方向に沿った各点の位置にはほとんど依存しないものの、照明領域ER1及び静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点の位置に依存して変化する傾向がある。そのため、静止露光領域ER2内におけるY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに個別に対応する瞳強度分布61,62がそれぞれ均一ではない場合、ウエハWにおいて形成されるパターンの線幅にばらつきが発生するおそれがある。このような課題を解決するために、第1実施形態の照明光学系13内には、補正フィルタ24及び分布補正光学系31が設けられている。
なお、第1実施形態の補正フィルタ24は、照明瞳面27に形成される二次光源60のうちZ軸方向に沿った第3面光源60c及び第4面光源60dを構成する光束を減光させる一方、X軸方向に沿った第1面光源60a及び第2面光源60bを構成する光束をほとんど減光させない透過率分布を有している。
次に、第1実施形態の分布補正光学系31について図8〜図10に基づき説明する。なお、図8には、二次光源60を構成する各面光源60a〜60dのうち第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELの光束のみ図示するものとする。また、図9において、ウエハWの表面Waと光学的に共役な像面共役位置63(図8及び図9では破線で示す位置)には、静止露光領域ER2内の中心点P1bに対応する共役中心点P1cと、各周辺点P2b,P3bに個別に対応する共役周辺点P2c,P3cとそれぞれが示されている。
図8に示すように、分布補正光学系31は、第2コンデンサ光学系30と入射側レンズ群33との間に形成される調整領域64内であって、且つ照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面65よりも射出側に配置される複数枚(第1実施形態では2枚)の透過フィルタ66,67を備えている。これら各透過フィルタ66,67は、図9に示すように、照明光学系13の光軸方向であるY軸方向と直交するX軸方向に沿ってそれぞれ配置されている。また、各透過フィルタ66,67のうち第1の透過フィルタ66は、照明瞳面27に形成される二次光源60の第1領域に相当する第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内に配置されている。また、第2の透過フィルタ67は、照明瞳面27内において第1領域とは異なる第2領域に相当する第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内に配置されている。
また、各透過フィルタ66,67には、X軸方向に沿って延びる所定の回転軸線66a,67aがそれぞれ設けられており、各透過フィルタ66,67は、それらの回転軸線66a,67aを軸中心としてそれぞれ回転自在とされている。こうした各透過フィルタ66,67は、図10に示すように、露光光ELの入射角θに応じて変化する透過率特性をそれぞれ有している。すなわち、各透過フィルタ66,67は、入射角θが「0°」となる露光光ELが入射した場合、それらの透過率が最も高くなる。その一方で、各透過フィルタ66,67の透過率は、該各透過フィルタ66,67に入射する露光光ELの入射角θの絶対値が「0」よりも大きくなるに連れて次第にそれぞれ低くなる。なお、各透過フィルタ66,67は、光の入射角θに応じた偏光度合いの変化が極力小さくなるように設計された膜をガラス板に製膜した構成である。
また、分布補正光学系31には、各透過フィルタ66,67を個別に回転させるための回転機構68が設けられている。この回転機構68には、第1の透過フィルタ66を回転させるべく駆動する第1駆動源69と、第2の透過フィルタ67を回転させるべく駆動する第2駆動源70とが設けられている。これら各駆動源69,70は、制御装置40からの制御指令に応じてそれぞれ駆動するようになっている。さらに、分布補正光学系31には、各透過フィルタ66,67を露光光ELの光路内と光路外との二位置間で進退移動させるための図示しない進退移動装置が設けられており、該進退移動装置は、制御装置40からの制御指令に応じて駆動するようになっている。
第1実施形態の制御装置40は、瞳強度分布計測装置36からの検出信号に基づき、ウエハW上の静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する二次光源60内の瞳強度分布をそれぞれ算出する。そして、制御装置40は、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する各瞳強度分布がほぼ等しくなるように、各透過フィルタ66,67の回転度合いを個別に制御する。
次に、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を調整する際の作用の一例について説明する。なお、初期状態では、各透過フィルタ66,67は、露光光ELの光路外にそれぞれ配置されているものとする。
さて、光源装置12から射出される露光光ELが回折光学素子19に入射すると、該回折光学素子19からは、断面形状が4極状をなす露光光ELが射出される。すると、この露光光ELが照明瞳面27と光学的に共役な位置又はその近傍に配置される補正フィルタ24を通過することにより、オプティカルインテグレータ26の射出側に形成される照明瞳面27には、補正フィルタ24によって補正(減光)された第1面光源60a及び第2面光源60bと、補正フィルタ24によってほとんど補正されない第3面光源60c及び第4面光源60dとを有する二次光源60が形成される。この際、照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面(例えば、第2コンデンサ光学系30と結像光学系32との間に位置する瞳共役面65)の瞳強度分布もまた、補正フィルタ24によって補正される。
なお、第1実施形態の補正フィルタ24は、照明瞳面27に形成される二次光源60のZ軸方向に沿った第3面光源60c及び第4面光源60dの光強度を減光させるためのフィルタである。また、上述したように、レチクルRの照明領域ER1内及びウエハW上の静止露光領域ER2内の中心点P1a,P1bに対応する第1瞳強度分布61では、露光光ELの光路内に補正フィルタ24がない場合、X軸方向に沿った第1面光源61a及び第2面光源61bの各光強度が、Z軸方向に沿った第3面光源61c及び第4面光源61dの各光強度よりもそれぞれ弱い。そのため、第1瞳強度分布61では、補正フィルタ24によって、第3面光源61c及び第4面光源61dの各光強度が、第1面光源61a及び第2面光源61bの各光強度とほぼ同等となる。一方、照明領域ER1内及び静止露光領域ER2内の各周辺点P2a,P2b,P3a,P3bに対応する第2瞳強度分布62では、露光光ELの光路内に補正フィルタ24がない場合、X軸方向に沿った第1面光源62a及び第2面光源62bの各光強度が、Z軸方向に沿った第3面光源62c及び第4面光源62dの各光強度よりもそれぞれ強い。そのため、第2瞳強度分布62では、補正フィルタ24によって、第1面光源61a及び第2面光源62bの各光強度と第3面光源62c及び第4面光源62dの各光強度との差が逆に大きくなってしまう。
このような第1瞳強度分布61と第2瞳強度分布62とをほぼ同一性状の分布にするためには、第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bの光強度を少しだけ減光させると共に、第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bの光強度を大幅に減光させる必要がある。そこで、第1実施形態では、瞳強度分布計測装置36によって、照明瞳面27に形成される二次光源60において静止露光領域ER2内の点毎の4極状の瞳強度分布の光強度がそれぞれ計測される。ここでは、静止露光領域ER2内の中心点P1b、周辺点P2b,P3bに入射する入射光EL1,EL2,EL3によって照明瞳面27に形成される第1瞳強度分布61及び第2瞳強度分布62がそれぞれ計測される。この場合、第1瞳強度分布61と第2瞳強度分布62とは、互いに性状が異なっている。そのため、図示しない進退移動装置の駆動によって、各透過フィルタ66,67が、二次光源60の第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内及び第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内にそれぞれ配置される。
そして、各透過フィルタ66,67がそれぞれ回転すると、瞳強度分布計測装置36によって計測される各瞳強度分布61,62の性状の各々は、各透過フィルタ66,67の回転態様に応じてそれぞれ変化する。そして、静止露光領域ER2の中心点P1bに入射する第1入射光EL1の各透過フィルタ66,67に対する第1入射角θ1が「0°」になると、静止露光領域ER2内の各周辺点P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3の各透過フィルタ66,67に対する入射角θ2,θ3は、「0°」とは異なる入射角にそれぞれなる。この際、第2入射光EL2の各透過フィルタ66,67に対する第2入射角θ2は、第3入射光EL3の各透過フィルタ66,67に対する第3入射角θ3に「−1」を乗算した値となる。そのため、第2入射光EL2が各透過フィルタ66を通過する際の透過率は、第3入射光EL3が各透過フィルタ66を通過する際の透過率とほぼ同等である(図10参照)。
すると、二次光源60の第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELのうち静止露光領域ER2内の中心点P1bに入射する第1入射光EL1は、各透過フィルタ66,67によって少し減光される。一方、二次光源60の第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELのうち静止露光領域ER2内の各周辺点P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3は、各透過フィルタ66,67によって大幅に減光される。換言すると、中心点P1bに対応する第1瞳強度分布61の第1面光源61a及び第2面光源61bの光強度は、各透過フィルタ66,67によってそれぞれ少しだけ減光される一方、周辺点P2b,P3bに対応する第2瞳強度分布62の第1面光源62a及び第2面光源62bの光強度は、各透過フィルタ66,67によってそれぞれ大幅に減光される。
このように各透過フィルタ66,67をそれぞれ回転させると、第1瞳強度分布61の性状と第2瞳強度分布62の性状とがほぼ同一となる。すなわち、各面光源61a〜61dから静止露光領域ER2の中心点P1bに入射する各第1入射光EL1の光強度と、各面光源62a〜62dから静止露光領域ER2の各周辺点P2b,P3bに入射する各第2入射光EL2及び各第3入射光EL3の光強度とは、互いにほぼ同一の光強度となる。そのため、この状態で露光処理が実行されると、ウエハW上の静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62がほぼ同一性状であるため、ウエハWの表面Waにおいて形成されるパターンの線幅にばらつきが発生することが抑制される。
また、第1実施形態では、各透過フィルタ66,67が個別に回転すると、各瞳強度分布61.62の第1面光源61a,62bの光強度及び第2面光源61b,62bの光強度が、個別に調整されることになる。そのため、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62の各性状は、露光光ELの光路内に一枚の透過フィルタのみを配置する場合に比して、より詳細に調整されることになる。
したがって、第1実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27に形成される二次光源60の第1面光源60aから射出される露光光ELの光路内には、第1の透過フィルタ66が配置され、第2面光源60bから射出される露光光ELの光路内には、第2の透過フィルタ67が配置される。そして、第1面光源60a及び第2面光源60bから射出される露光光ELによってレチクルRの被照射面Ra及びウエハWの表面Waを照射する際の光強度は、各透過フィルタ66,67を回転させることにより、それぞれ調整される。すなわち、ウエハW上に形成される静止露光領域ER2内の各点P1b、P2b,P3bに対応する瞳強度分布61,62は、各透過フィルタ66,67の個別の回転によって、独立的にそれぞれ調整される。したがって、例えば露光光ELの光路内に一枚の透過フィルタのみを配置する場合に比して、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を高詳細に調整できる。したがって、ウエハWの静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を互いに略同一性状の分布に調整することができる。
(2)また、第1実施形態では、オプティカルインテグレータ26よりも光源装置12側において、ウエハWの表面Waと光学的に共役な位置には、ウエハW上の静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する瞳強度分布61,62を一律に調整するための補正フィルタ24が設けられる。そして、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62は、補正フィルタ24と各透過フィルタ66,67との協動作用によって、それぞれほぼ均一となるように調整される。そのため、補正フィルタ24を露光光ELの光路内に配置しない場合に比して、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を高精密に調整できる。したがって、レチクルRの回路パターンに応じた適切な照明条件の基でウエハWに対する露光処理を行うことができ、結果として、ウエハWには、その全体に亘って所望する線幅のパターンを忠実に形成することができる。
(3)第1実施形態では、各透過フィルタ66,67は、瞳強度分布計測装置36からの検出信号に基づき算出された計測結果、即ちレチクルRの照明領域ER1内の各点P1a,P2a,P3aに対応する各瞳強度分布61,62に基づき、それぞれ回転する。そのため、照明光学系13を構成する各種光学素子のうち少なくとも一つの光学素子の劣化などに起因して各瞳強度分布61,62が変化した場合、瞳強度分布計測装置36による計測結果によって各透過フィルタ66,67がそれぞれ回転することにより、各瞳強度分布61,62を、それらの性状の分布が所望する性状の分布となるように速やかに調整することができる。
(4)各透過フィルタ66,67は、照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面65の近傍(即ち、調整領域64内)にそれぞれ配置される。そのため、各透過フィルタ66,67を回転させることにより、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62を、それらの性状の分布が所望する性状の分布となるようにそれぞれ調整できる。
(第2実施形態)
以下に、本発明を具体化した第2実施形態について図12〜図17に基づき説明する。なお、第2実施形態では、後述する投影光学系15の光軸(図12における上下方向)をZ軸方向というと共に、図12における左右方向をY軸方向といい、さらに、図12において紙面と直交する方向をX軸方向というものとする。
図12に示すように、第2実施形態の露光装置11は、所定の回路パターンが形成された透過型のレチクルRに露光光ELを照明することにより、表面Wa(+Z方向側の面であって、図12では上面)にレジストなどの感光材料が塗布されたウエハWに回路パターンの像を投影するための装置である。こうした露光装置11は、光源装置12から射出された露光光ELをレチクルRの被照射面Ra(+Z方向側の面)に導く照明光学系13と、レチクルRを保持するレチクルステージ14と、レチクルRを通過した露光光ELをウエハWの表面Waに導く投影光学系15と、ウエハWを保持するウエハステージ16とを備えている。なお、第2実施形態の光源装置12は、193nmの波長の光を出力するArFエキシマレーザ光源を有し、該ArFエキシマレーザ光源から出力される光が露光光ELとして露光装置11内に導かれる。
照明光学系13は、光源装置12から射出される露光光ELを所定の断面形状(例えば、断面略矩形状)をなす平行な光束に変換するための整形光学系17と、該整形光学系17から射出された露光光ELをレチクルR側(ここでは、+Y方向側であって図12における右側)に反射する第1反射ミラー18とを備えている。この第1反射ミラー18の射出側(レチクルR側)には、回折光学素子19が設けられている。この回折光学素子19は、ガラス基板に露光光ELの波長と同程度のピッチを有する複数の段差を形成することにより構成されており、入射側(光源装置12側)から入射した露光光ELを所定の角度に回折する作用を有している。例えば、円形照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、断面形状が円形状をなす光束がレチクルR側に射出される。また、複数極(2極、4極、8極など)照明用の回折光学素子19を用いる場合、回折光学素子19に入射側から断面略矩形状をなす平行な光束の露光光ELが入射すると、回折光学素子19からは、極の数に応じた複数(例えば4つ)の光束がレチクルR側に射出される。
また、照明光学系13には、回折光学素子19から射出される露光光ELが入射するアフォーカル光学系20(「無焦点光学系」ともいう。)が設けられている。このアフォーカル光学系20は、第1レンズ群21(図12では一枚のレンズのみを図示)と、該第1レンズ群21よりも射出側に配置される第2レンズ群22(図12では一枚のレンズのみを図示)とを有している。そして、アフォーカル光学系20の入射側の焦点位置は、回折光学素子19の設置位置と略同一であると共に、アフォーカル光学系20の射出側の焦点位置は、図12において破線で示す所定面23の位置と略同一となるように形成されている。
また、第1レンズ群21と第2レンズ群22との間の光路内において、後述するオプティカルインテグレータ26の照明瞳面27と光学的に共役な位置又はその近傍には、露光光ELの入射位置に応じて透過率の異なる透過率分布を有する補正フィルタ24が設けられている。この補正フィルタ24は、入射側面及び射出側面が平行なガラス基板に対してクロムや酸化クロムなどから構成される遮光性ドットのパターンが形成されたフィルタである。
また、アフォーカル光学系20のレチクルR側には、σ値(σ値=照明光学系13のレチクルR側の開口数/投影光学系15のレチクルR側の開口数)を可変させるためのズーム光学系25が設けられており、該ズーム光学系25は、所定面23よりも射出側に配置されている。そして、ズーム光学系25から射出される露光光ELは、ズーム光学系25によって平行な光束に変換された後、該ズーム光学系25の射出側に配置されるオプティカルインテグレータ26に入射するようになっている。そして、オプティカルインテグレータ26は、入射した露光光ELを複数の光束に波面分割し、その射出側(+Y方向側)に位置する照明瞳面27に所定の光強度分布(「瞳強度分布」ともいう。)を形成するようになっている。なお、瞳強度分布が形成される照明瞳面27のことを、少なくとも一つの面光源からなる二次光源60(図13参照)ともいう。
オプティカルインテグレータ26は、その入射面(−Y方向側の面であって、図12では左面)がズーム光学系25の射出側の焦点位置(瞳面ともいう。)又は該焦点位置近傍に位置するように配置されている。すなわち、ズーム光学系25は、所定面23とオプティカルインテグレータ26の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係とすると共に、アフォーカル光学系20の瞳面(即ち、補正フィルタ24の設置位置)とオプティカルインテグレータ26の入射面とを光学的にほぼ共役となる位置に配置されている。
オプティカルインテグレータ26の射出側には、投影光学系15の入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に配置され、且つ二次光源60の照明に寄与する範囲を規定するための図示しない照明開口絞りが設けられている。この照明開口絞りは、大きさ及び形状の異なる複数の開口部を有している。そして、照明開口絞りでは、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状に対応した開口部が露光光ELの光路内に配置される。すなわち、二次光源60から射出される露光光ELの断面形状が円形状である場合、照明開口絞りは、円形状に対応した形状の開口部が露光光ELの光路内に位置するように駆動するようになっている。
オプティカルインテグレータ26及び上記照明開口絞りの射出側には、少なくとも一枚のレンズ(図12では一枚のみ図示)から構成される第1コンデンサ光学系28と、該第1コンデンサ光学系28の射出側であって且つ照明瞳面27と光学的に共役な位置に配置されるレチクルブラインド29(「マスクブラインド」ともいう。)とが設けられている。第1コンデンサ光学系28は、パワー(焦点距離の逆数)を有する光学素子(レンズ)から構成されている。また、レチクルブラインド29には、長手方向がZ軸方向であって且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の開口部29aが形成されている。そして、第1コンデンサ光学系28から射出された露光光ELは、レチクルブラインド29を重畳的に照明するようになっている。なお、パワーを有する光学素子とは、露光光ELが光学素子に入射することにより、該露光光ELの特性が変化するような光学素子のことである。
また、レチクルブラインド29の射出側には、パワーを有するレンズから構成される第2コンデンサ光学系30が設けられており、該第2コンデンサ光学系30は、レチクルブラインド29側から入射した光を略平行な光束に変換するようになっている。また、第2コンデンサ光学系30の射出側には、該レチクルR上に形成される照明領域ER1(第1実施形態の図4(a)参照)や該照明領域ER1と光学的に共役な関係になるウエハW上に形成される静止露光領域ER2(第1実施形態の図4(b)参照)内の各点における光強度分布を補正するための分布補正光学系31が設けられている。なお、分布補正光学系31の具体的な構成については、後述するものとする。
そして、分布補正光学系31から射出される露光光ELは、結像光学系32に入射するようになっている。この結像光学系32は、入射側レンズ群33と、該入射側レンズ群33から射出される露光光ELを−Z方向側(図12では下側)に反射する第2反射ミラー34と、該第2反射ミラー34の射出側に配置される射出側レンズ群35とを備えている。入射側レンズ群33は、少なくとも一枚(図12では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されると共に、射出側レンズ群35は、少なくとも一枚(図12では一枚のみ図示)のパワーを有する光学素子(レンズ)から構成されている。そして、結像光学系32から射出される露光光ELは、レチクルRの被照射面Raを重畳的に照明するようになっている。なお、第2実施形態では、レチクルブラインド29の開口部29aの形状は、上述したように、矩形状をなしている。そのため、レチクルR上の照明領域ER1及びウエハW上の静止露光領域ER2は、第1実施形態の図4(a)(b)に示すように、長手方向がY軸方向となり、且つ短手方向がX軸方向となる矩形状にそれぞれ形成される。
レチクルステージ14は、図12に示すように、投影光学系15の物体面側において、そのレチクルRの載置面が投影光学系15の光軸方向(Z軸方向)とほぼ直交するように配置されている。また、レチクルステージ14には、保持するレチクルRをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないレチクルステージ駆動部が設けられている。
また、レチクルステージ14の近傍には、瞳強度分布計測装置36が設けられている。この瞳強度分布計測装置36は、二次光源60においてレチクルR上の照明領域ER1内の一点に入射する各入射光によって形成される瞳強度分布を点毎(位置毎)に計測する装置である。こうした瞳強度分布計測装置36は、射出側レンズ群35からレチクルRに向けて射出される露光光ELの一部(「反射光」ともいう。)を反射させるビームスプリッタ37と、該ビームスプリッタ37に反射された反射光が入射する計測用レンズ38と、該計測用レンズ38から射出された反射光が入射する検出部39とを備えている。この検出部39は、CCD撮像素子やフォトダイオードなどを有しており、検出部39からは、入射した反射光に応じた検出信号が制御装置40に出力される。なお、瞳強度分布計測装置36については、例えば特開2006−54328号公報や特開2003−22967号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0038225号明細書に開示されている。
投影光学系15は、内部が窒素などの不活性ガスで充填された鏡筒41を備え、この鏡筒41内には、図示しない複数のレンズが露光光ELの光路(Z軸方向)に沿って設けられている。また、鏡筒41内において、ウエハWの表面Waの設置位置及びレチクルRの被照射面Raの設置位置と光学的にフーリエ変換の関係となる位置には、開口絞り42が配置されている。そして、露光光ELにて照明されたレチクルR上の回路パターンの像は、投影光学系15を介して所定の縮小倍率に縮小された状態で、ウエハステージ16上のウエハWに投影転写される。ここで、光路とは、使用状態において、露光光ELが通ることが意図されている経路のことを示している。
ウエハステージ16は、投影光学系15の光軸とほぼ直交する平面状の載置面43を備え、該載置面43上には、ウエハWが載置される。また、ウエハステージ16には、保持するウエハWをX軸方向に所定ストロークで移動させる図示しないウエハステージ駆動部が設けられている。さらに、ウエハステージ16には、ウエハWの表面Waが投影光学系15の光軸と直交状態となるように、ウエハWの位置を微調整させる機能が設けられている。
そして、第2実施形態の露光装置11を用いてウエハWにパターンの像を投影する場合、レチクルRは、上記レチクルステージ駆動部の駆動によって、+X方向側から−X方向側(図12では紙面手前側から紙面奥手側)に所定ストローク毎に移動する。すると、レチクルRにおける照明領域ER1は、該レチクルRの被照射面Raの−X方向側から+X方向側(図12では紙面奥手側から紙面手前側)に沿って移動する。すなわち、レチクルRのパターンが−X方向側から+X方向側に順にスキャンされる。また、ウエハWは、上記ウエハステージ駆動部の駆動によって、レチクルRのX軸方向に沿った移動に対して投影光学系15の縮小倍率に応じた速度比で−X方向側から+X方向側に同期して移動する。その結果、ウエハWの一つのショット領域には、レチクルR及びウエハWの同期移動に伴って、レチクルR上の回路パターンを所定の縮小倍率に縮小した形状のパターンが形成される。そして、一つのショット領域へのパターンの形成が終了した場合、ウエハWの他のショット領域に対するパターンの形成が連続して行われる。
次に、第2実施形態のオプティカルインテグレータ26は、第1実施形態のものと同様である。ただし、第2実施形態では、回折光学素子19として円形照明用の回折光学素子が用いられるので、オプティカルインテグレータ26の入射側には、照明光学系13の光軸AXを中心とした円形状の照野が形成される。その結果、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、入射側に形成される円形状の照野と同じ、円形状の二次光源60が形成される。そのため、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、図13に示すように、円形状の実質的な面光源(以下、単に「面光源」という。)60aを有する二次光源60(瞳強度分布)が形成される。
こうした二次光源60(即ち、面光源60a)から射出される露光光ELがレチクルR上に導かれると、レチクルRの被照射面Ra上には、図4(a)に示すように、長手方向がY軸方向であり且つ短手方向がX軸方向となる矩形状の照明領域ER1が形成される。また、ウエハWの表面Wa上には、図4(b)に示すように、レチクルR上の照明領域ER1と対応した矩形状の静止露光領域ER2が形成される。すなわち、照明領域ER1内のY軸方向における中心点P1aに入射した第1入射光EL1(図15参照)は、投影光学系15を介して静止露光領域ER2内のY軸方向における中心点P1bに入射するようになっている。また、照明領域ER1内のY軸方向における両端側に位置する各周辺点P2a,P3aに入射した第2入射光EL2及び第3入射光EL3(図15参照)は、投影光学系15を介して静止露光領域ER2内のY軸方向における両端側の各周辺点P2b,P3bにそれぞれ入射するようになっている。この際、静止露光領域ER2(及び照明領域ER1)内の各点P1b〜P3b(P1a〜P3a)に入射する入射光EL1〜EL3によって形成される円形状の瞳強度分布の各々は、露光光ELが入射する位置に依存することなく、互いにほぼ同一形状(即ち、円形状)をなしている。
次に、第2実施形態の分布補正光学系31について図14に基づき説明する。なお、図14において、ウエハWの表面Waと光学的に共役な像面共役位置63(図14では破線で示す位置)には、静止露光領域ER2内の中心点P1bに対応する共役中心点P1cと、各周辺点P2b,P3bに個別に対応する共役周辺点P2c,P3cとがそれぞれ示されている。
図14に示すように、分布補正光学系31は、第2コンデンサ光学系30と入射側レンズ群33との間に形成される調整領域64内であって、且つ照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面65の近傍に配置される複数枚(第2実施形態では2枚)の透過フィルタ66,67を備えている。これら各透過フィルタ66,67は、照明瞳面27に形成される二次光源60から射出される露光光ELの光束が入射するように、それぞれ構成されている。また、各透過フィルタ66,67のうち第1の透過フィルタ66は、第2コンデンサ光学系30と瞳共役面65との間に配置される共に、第2の透過フィルタ67は、瞳共役面65と入射側レンズ群33との間に配置されている。具体的には、各透過フィルタ66,67は、それらの入射面が照明光学系13の光軸AXに対して直交するように配置される場合、瞳共役面65までの各間隔が互いにほぼ同一となるようにそれぞれ配置されている。また、各透過フィルタ66,67は、X軸方向に沿って延びる所定の回転軸線(図示略)がそれぞれ設けられており、各透過フィルタ66,67は、それらの回転軸線を軸中心としてそれぞれ回転自在とされている。
こうした各透過フィルタ66,67は、第1実施形態の図10に示すように、露光光ELの入射角θに応じて変化する透過率特性をそれぞれ有している。すなわち、各透過フィルタ66,67は、入射角θが「0°」となる露光光ELが入射した場合、それらの透過率が最も高くなる。その一方で、各透過フィルタ66,67の透過率は、該各透過フィルタ66,67に入射する露光光ELの入射角θの絶対値が「0」よりも大きくなるに連れて次第にそれぞれ低くなる。なお、各透過フィルタ66,67は、光の入射角θに応じた偏光度合いの変化が極力小さくなるように設計された誘電体多層膜をガラス板に製膜した構成である。
また、分布補正光学系31には、図14に示すように、第1の透過フィルタ66を回転させるための第1回転機構68aと、第2の透過フィルタ67を回転させるための第2回転機構68bとが設けられている。これら各回転機構68a,68bは、各透過フィルタ66,67を回転させるべく駆動する第1駆動源71a及び第2駆動源71bをそれぞれ有しており、各駆動源71a,71bは、制御装置40からの制御指令に応じてそれぞれ駆動するようになっている。さらに、分布補正光学系31には、各透過フィルタ66,67を露光光ELの光路内と光路外との二位置間で進退移動させるための図示しない進退移動装置が設けられており、該進退移動装置は、制御装置40からの制御指令に応じて駆動するようになっている。
第2実施形態の制御装置40は、瞳強度分布計測装置36からの検出信号に基づき、ウエハW上の静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する二次光源60内の瞳強度分布をそれぞれ算出する。そして、制御装置40は、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する各瞳強度分布の光強度がほぼ等しくなるように、各透過フィルタ66,67の回転度合いを個別に制御する。
次に、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布を調整する際の作用について図15〜図17に基づき説明する。なお、照明瞳面27及び該照明瞳面27と共役な瞳共役面(例えば瞳共役面65)において、中心点P1bに対応する瞳強度分布のことを第1瞳強度分布というと共に、周辺点P2bに対応する瞳強度分布のことを第2瞳強度分布といい、さらに、周辺点P3bに対応する瞳強度分布のことを第3瞳強度分布というものとする。
さて、光源装置12から露光光ELが射出されると、オプティカルインテグレータ26には、回折光学素子19を介した断面が円形状をなす露光光ELが入射する。すると、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27には、円形状をなす面光源60aを有する二次光源60が形成される。そして、この二次光源60から射出される露光光ELは、第1コンデンサ光学系28、レチクルブラインド29及び第2コンデンサ光学系30を介して第1の透過フィルタ66に入射する。この際、露光光ELのうち静止露光領域内の中心点P1bに入射する第1入射光EL1、及び各周辺点P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3は、第1の透過フィルタ66への入射角θ1,θ2,θ3が互いに異なる角度となって第1の透過フィルタ66にそれぞれ入射する。
ここで、図15(a)に示すように、もし仮に調整領域64内に一枚の透過フィルタ75のみを配置した構成であったとすると、各入射光EL1〜EL3の透過フィルタ75に対する各入射角θ1〜θ3は以下に示すようになる。例えば、調整領域64内で瞳共役面65と入射側レンズ群33との間に透過フィルタ75を配置し、該透過フィルタ75を図15(a)に示す方向に回転させると、第2入射光EL2の透過フィルタ75に対する第2入射角θ2の絶対値は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3の透過フィルタ75に対する第1入射角θ1及び第3入射角θ3の絶対値よりも大きくなる。また、第3入射角θ3の絶対値は、第1入射角θ1の絶対値よりも小さくなる。すると、第2入射光EL2に対する透過フィルタ75の透過率は、図15(b)に実線で示すように、他の入射光EL1,EL3に対する透過フィルタ75の各透過率よりも小さくなり、第1入射光EL1に対する透過フィルタ75の透過率は、第3入射光EL3に対する透過フィルタ75の透過率よりも小さくなる。そのため、静止露光領域ER2内の周辺点P2bに対応する第2瞳強度分布の光強度の変化量は、他の点P1b,P3bに対応する第1瞳強度分布及び第3瞳強度分布の光強度の変化量よりも多くなる。また、中心点P1bに対応する第1瞳強度分布の光強度の変化量は、周辺点P3bに対応する第3瞳強度分布の光強度の変化量よりも多くなる。
一方、透過フィルタ75が照明光学系13の光軸AXに対して図15(a)に示す場合と逆方向に傾斜する場合には、図15(b)に破線で示すように、第3入射光EL3に対する透過フィルタ75の透過率は、図15(b)に実線で示すように、他の入射光EL1,EL2に対する透過フィルタ75の各透過率よりも大きくなる。その結果、第1、第2及び第3瞳強度分布のうち第3瞳強度分布の光強度の変化量が最も少なくなると共に、第1瞳強度分布の光強度の変化量が二番目に少なく、さらに、第2瞳強度分布の光強度の変化量が最も多くなる。
すなわち、透過フィルタ75を一枚だけ配置する構成の場合では、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対して、一次関数的にしか瞳強度分布の光強度を調整することしかできない。そのため、第2及び第3瞳強度分布の光強度が第1瞳強度分布の光強度よりも強い場合などには、各瞳強度分布の光強度を互いに同程度の光強度にすることができなかった。
その点、第2実施形態では、調整領域64内には、瞳共役面65を挟むように第1の透過フィルタ66及び第2の透過フィルタ67が配置されている(図14参照)。そして、図16(a)に示すように、第1の透過フィルタ66の回転方向と第2の透過フィルタ67の回転方向とが互いに反対方向である場合、静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する第1、第2及び第3瞳強度分布の光強度は、以下に示すようにそれぞれ調整される。すなわち、露光光ELが第1の透過フィルタ66を透過すると、周辺点P2bに入射する第2入射光EL2の第1の透過フィルタ66に対する第2入射角θ2の絶対値が最も小さくなり、中心点P1bに入射する第1入射光EL1の第1の透過フィルタ66に対する第1入射角θ1の絶対値が二番目に小さくなる。すると、図16(b)に示すように、第2入射光EL2に対する第1の透過フィルタ66の透過率は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3に対する第1の透過フィルタ66の各透過率よりも大きくなる。その結果、第1の透過フィルタ66の作用に基づく第2瞳強度分布の光強度の変化量は、第1及び第3瞳強度分布の各光強度の変化量よりも少ない。また、第1の透過フィルタ66の作用に基づく第1瞳強度分布の光強度の変化量は、第3瞳強度分布の光強度の変化量よりも少ない。なお、第1の透過フィルタ66が図16(a)の場合と逆方向に回転した場合には、第3瞳強度分布の光強度の変化量が第1及び第2瞳強度分布の各光強度の変化量に比して少なくなる。
そして、第1の透過フィルタ66を透過した露光光ELは、図16(a)に示すように、第2の透過フィルタ67に入射する。この際、第2の透過フィルタ67の回転方向は、第1の透過フィルタ66の回転方向とは逆方向となる。そのため、第2入射光EL2の第2の透過フィルタ67に対する第2入射角θ2の絶対値が最も大きくなり、第1入射光EL1の第2の透過フィルタ67に対する第1入射角θ1の絶対値が二番目に大きくなる。すなわち、図16(b)に示すように、第2入射光EL2に対する第2の透過フィルタ67の透過率は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3に対する第2の透過フィルタ67の各透過率よりも小さくなる。その結果、第2の透過フィルタ67の作用に基づく第3瞳強度分布の光強度の変化量は、第1及び第2瞳強度分布の各光強度の変化量よりも少ない。また、第2の透過フィルタ67の作用に基づく第1瞳強度分布の光強度の変化量は、第2瞳強度分布の光強度の変化量よりも少ない。
そのため、ウエハWの表面Waと光学的に共役な像面共役位置のうち各透過フィルタ66,67よりもレチクルR側に位置する像面共役位置63では、図16(c)に示すように、各透過フィルタ66,67の作用によって、中心点P1bに対応する第1瞳強度分布の光強度の変化量が周辺点P2b,P3bに対応する第2及び第3瞳強度分布の各光強度の変化量よりも少なくなる。すなわち、第2実施形態では、各透過フィルタ66,67の作用によって、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する瞳強度分布の光強度を、Y軸方向に沿って二次関数的に調整することが可能となる。したがって、オプティカルインテグレータ26の照明瞳面27において、中心点P1bに対応する第1瞳強度分布の光強度が周辺点P2b,P3bに対応する第2及び第3瞳強度分布の各光強度よりも小さい場合には、各透過フィルタ66,67を互いに逆方向に回転させることにより、静止露光領域ER2内におけるY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対する光強度が互いに同程度となる。
また、図17(a)(b)に示すように、各透過フィルタ66,67を互いに同じ方向に回転させる場合、第2入射光EL2の第1の透過フィルタ66に対する第2入射角θ2は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3の第1の透過フィルタ66に対する第1入射角θ1及び第3入射角θ3よりも大きくなる。その結果、第2入射光EL2の第1の透過フィルタ66に対する透過率は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3の第1の透過フィルタ66に対する各透過率よりも小さい。また、第1入射光EL1の第1の透過フィルタ66に対する透過率は、第3入射光EL3の第1の透過フィルタ66に対する透過率よりも小さい。
そして、第1の透過フィルタ66を透過した露光光ELは、図17(a)に示すように、第2の透過フィルタ67に入射する。この際、第2入射光EL2の第2の透過フィルタ67に対する第2入射角θ2は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3の第2の透過フィルタ67に対する第1入射角θ1及び第3入射角θ3よりも大きくなる。その結果、第2入射光EL2の第2の透過フィルタ67に対する透過率は、第1入射光EL1及び第3入射光EL3の第2の透過フィルタ67に対する各透過率よりも小さい。また、第1入射光EL1の第2の透過フィルタ67に対する透過率は、第3入射光EL3の第2の透過フィルタ67に対する透過率よりも小さい。
そのため、ウエハWの表面Waと光学的に共役な像面共役位置のうち各透過フィルタ66,67よりもレチクルR側に位置する像面共役位置63では、図17(c)に示すように、各透過フィルタ66,67の作用によって、周辺点P2bに対応する第2瞳強度分布の光強度の変化量は、中心点P1b及び周辺点P3bに対応する第1及び第3瞳強度分布の各光強度の変化量よりも多くなる。すなわち、第2実施形態では、各透過フィルタ66,67を互いに同一方向に回転させることにより、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点に対応する各瞳強度分布を、Y軸方向に沿って一次関数的に調整することが可能となる。したがって、オプティカルインテグレータ26の照明瞳面27において、第2瞳強度分布の光強度が第1及び第3瞳強度分布の光強度よりも大きく、第3瞳強度分布の光強度が第1瞳強度分布の光強度よりも小さい場合には、各透過フィルタ66,67を互いに同一方向に回転させることにより、静止露光領域ER2内におけるY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対する光強度が互いにほぼ均一となる。
したがって、第2実施形態では、第1実施形態の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(5)露光光ELの光路内に配置される第1及び第2の透過フィルタ66,67をそれぞれ回転させることにより、レチクルRの被照射面Ra上の照明領域ER1及びウエハWの表面Wa上の静止露光領域ER2の光強度分布が調整される。そのため、こうした各透過フィルタ66,67の回転によって、照明領域ER1及び静止露光領域ER2内の各点P1a〜P3a,P1b〜P3bに対応する各瞳強度分布の光強度を独立的に調整することができる。
(6)もし調整領域64内に透過フィルタを一枚のみ配置した構成である場合、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対して、一次関数的にしか各瞳強度分布の光強度を調整することしかできない。しかも、第1、第2及び第3瞳強度分布の光強度の変化量の差分を大きくしたい場合、即ち図15(b)における各線の傾きを大きくしたい場合には、透過フィルタの照明光学系13の光軸AXに対する傾斜角度(以下、「第1傾斜角度」という。)を大きくする必要がある。その点、第2実施形態では、調整領域64内に照明光学系13の光軸AXに沿って2枚の透過フィルタ66,67が配置されている。これら各透過フィルタ66,67を同じ回転方向に回転させることにより、静止露光領域ER2内のY軸方向に沿った各点P1b,P2b,P3bに対して、一次関数的に各瞳強度分布の光強度を調整することができる。しかも、各透過フィルタ66,67の光軸AXに対する傾斜角度(以下、「第2傾斜角度」という。)を、上記第1傾斜角度の半分程度に設定することにより、調整領域64内に透過フィルタを一枚のみ配置した構成の場合とほぼ同等の効果を得ることができる。すなわち、各透過フィルタ66,67の回転角度の可動範囲を、調整領域64内に透過フィルタを一枚のみ配置した構成の場合に比して狭くすることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図18に従って説明する。なお、第3実施形態は、分布補正光学系の構成が第3実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第3実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第3実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図18に示すように、第3実施形態の分布補正光学系31Aは、調整領域64内において瞳共役面65よりも第2コンデンサ光学系30側に配置される複数枚(第3実施形態では2枚)の第1の透過フィルタ80,81と、調整領域64内において瞳共役面65よりも入射側レンズ群33側に配置される複数枚(第3実施形態では2枚)の第2の透過フィルタ82,83とを備えている。各第1の透過フィルタ80,81は、Y軸方向においてほぼ同一位置にそれぞれ配置されている。そして、+Z方向側(図18では上側)に位置する第1の透過フィルタ80には、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27に形成される二次光源60を構成する複数の領域のうち、第1の領域から射出される露光光ELが入射するようになっている。また、−Z方向側(図18では下側)に位置する第1の透過フィルタ81には、二次光源60を構成する複数の領域のうち、第1の領域とは異なる第2の領域から射出される露光光ELが入射するようになっている。なお、第1の領域と第2の領域とは、それらの一部が二次光源60内において重複していてもよい。
また、各第2の透過フィルタ82,83は、Y軸方向においてほぼ同一位置にそれぞれ配置されている。そして、+Z方向側に位置する第2の透過フィルタ82には、二次光源60を構成する複数の領域のうち第1の領域から射出される露光光EL、即ち第1の透過フィルタ80を通過した露光光ELが入射するようになっている。また、−Z方向側に位置する第2の透過フィルタ83には、二次光源60を構成する複数の領域のうち第2の領域から射出される露光光EL、即ち第1の透過フィルタ81を通過した露光光ELが入射するようになっている。
すなわち、第3実施形態では、二次光源60内の各領域から射出される露光光ELの光束毎に、第1の透過フィルタ80,81及び第2の透過フィルタ82,83が設けられている。そのため、第3実施形態の分布補正光学系31Aは、各透過フィルタ80〜83の回転を個別に調整することにより、第1の領域から射出される露光光ELのうち静止露光領域ER2内の中心点P1bに入射する第1入射光EL1と、第2の領域から射出される露光光ELのうち第1入射光EL1とで互いに異なる減光作用を付与することが可能である。同様に、分布補正光学系31Aは、第1の領域から射出される露光光ELのうち静止露光領域ER2内の周辺点P2b,P3bに入射する第2入射光EL2及び第3入射光EL3と、第2の領域から射出される露光光ELのうち第2入射光EL2及び第3入射光EL3とで互いに異なる減光作用を付与することが可能である。
したがって、第3実施形態では、第2実施形態の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(7)第3実施形態では、オプティカルインテグレータ26の射出側に位置する照明瞳面27に形成される二次光源60の第1の領域から射出される露光光ELの光路内には、第1の透過フィルタ80及び第2の透過フィルタ82が配置される。また、二次光源60の第2の領域から射出される露光光ELの光路内には、第1の透過フィルタ81及び第2の透過フィルタ83が配置される。そのため、二次光源60から射出される露光光ELは、各透過フィルタ80〜83の作用によって、二次光源60内の領域毎に調整される。そのため、静止露光領域ER2内の各点P1b、P2b,P3bに対応する第1、第2及び第3瞳強度分布を、第2実施形態の場合に比して、より高詳細に調整することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1実施形態において、回折光学素子19は、4極照明以外の他の複数極照明用(例えば2極照明用)の回折光学素子であってもよいし、輪帯照明用の回折光学素子であってもよいし、円形状用の回折光学素子であってもよい。第2及び第3実施形態において、回折光学素子19は、複数極照明用(例えば4極照明用)の回折光学素子であってもよいし、輪帯照明用の回折光学素子であってもよい。また、各実施形態において、露光光ELの形状を変形させることが可能な光学素子であれば、回折光学素子19の代わりに、或いは回折光学素子19に加えて、アキシコンレンズ対などの他の任意の光学素子を配置してもよい。アキシコンレンズ対を備えた照明光学系は、例えば国際公開第2005/076045A1号パンフレット、及びそれに対応する米国特許出願公開第2006/0170901号明細書に開示されている。図2に示した実施形態では、補正フィルタ24の近傍にアキシコンレンズ対を配置することができる。
また、各実施形態において、回折光学素子19に代えて、例えばアレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小な要素ミラーにより構成されて入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換する空間光変調素子を用いてもよい。このような空間光変調素子を用いた照明光学系は、例えば特開2002−353105号公報に開示されている。
また、例えば照明瞳面27に輪帯状の二次光源や円形状の二次光源が形成される場合、第1の透過フィルタ66を透過する照明光束の露光光ELを射出する第1領域と、第2の透過フィルタ67を透過する照明光束の露光光ELを射出する第2領域とは、照明瞳面27にて一部が重複していてもよい。
・第1実施形態において、各透過フィルタ66,67は、図11に示すように、調整領域64内であれば瞳共役面65よりも光源装置12側に配置してもよい。このように構成しても、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
また、第1の透過フィルタ66を、瞳共役面65よりもレチクルR側に配置し、第2の透過フィルタ67を、瞳共役面65よりも光源装置12側に配置してもよい。このように構成しても、第1の透過フィルタ66は、二次光源60の第3面光源60cから射出される露光光ELの光路内に配置されると共に、第2の透過フィルタ67は、二次光源60の第4面光源60dから射出される露光光ELの光路内に配置されるため、第1実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
・第3実施形態において、回折光学素子19として複数極照明用(例えば4極照明用)の回折光学素子を用いる場合に形成される二次光源60を構成する4極の面光源に対して、第1の透過フィルタ及び第2の透過フィルタをそれぞれ設けてもよい。この場合、4極の面光源から射出される露光光ELの各々は、それらに個別対応する第1の透過フィルタ及び第2の透過フィルタによって個別に調整されることになる。
・第3実施形態において、調整領域64内において瞳共役面65よりも第2コンデンサ光学系30側には、第1の透過フィルタを一枚だけ配置した構成であってもよい。この場合、第1の透過フィルタは、二次光源60から射出される光束の全てが入射するような構成であってもよい。
・同様に、第3実施形態において、調整領域64内において瞳共役面65よりも入射側レンズ群33側には、第2の透過フィルタを一枚だけ配置した構成であってもよい。この場合、第2の透過フィルタは、二次光源60から射出される光束の全てが入射するような構成であってもよい。
・第2実施形態において、第1コンデンサ光学系28とレチクルブラインド29との間には、図19に示すように、第2の透過フィルタ67bを配置してもよい。この場合、調整領域64内において瞳共役面65よりも入射側レンズ群33側には、第2の透過フィルタ67を設けなくてもよい。このように構成しても、第2実施形態と同等の作用効果を得ることができる。
同様に、第3実施形態において、第1コンデンサ光学系28とレチクルブラインド29との間には、第2の透過フィルタ82,83を配置してもよい。
・第2及び第3実施形態において、第1の透過フィルタ66,80,81と瞳共役面65との間の間隔と、第2の透過フィルタ67,82,83と瞳共役面65との間の間隔とが互いに異なるように、各透過フィルタ66,67,80〜83を配置してもよい。
・各実施形態において、調整領域64内には、パワーを有しない光学素子(例えば平行平面板)を配置してもよい。ただし、パワーを有しない光学素子は、回転する透過フィルタ66,67、80〜83に接触しない位置に配置してもよい。また、各透過フィルタ66,67、80〜83は、照明瞳面27よりもレチクルR側であって且つ照明瞳面27と光学的に共役な瞳共役面の近傍であれば、照明光学系13の光軸方向に沿って配置される一対のパワーを有しない光学素子によって囲まれる調整領域内にそれぞれ配置されてもよい。
・各実施形態において、調整領域は、レチクルブラインド29の設置される位置近傍に設定してもよい。第1実施形態の場合、調整領域は、第1コンデンサ光学系28と第2コンデンサ光学系との間の領域に設定される。第2及び第3実施形態の場合、第1の透過フィルタ66,80,81と第2の透過フィルタ67,82,83との間には、レチクルブラインド29が配置されることになる。
・第1実施形態において、調整領域は、照明瞳面27と第1コンデンサ光学系28との間の領域であってもよい。この場合、各透過フィルタ66,67は、照明瞳面27と第1コンデンサ光学系28との間の領域内にそれぞれ配置されることになる。
・第1実施形態において、各透過フィルタ66,67を、図11に示すように、二次光源60の第3面光源60c及び第4面光源60dから射出される各露光光ELの光路内にそれぞれ配置してもよい。この場合、ウエハW上の静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布61,62では、それらの第3面光源61c,62c及び第4面光源61d,62dは、各透過フィルタ66,67をX軸方向に延びる軸線を中心に回転させることにより、それぞれ調整される。
・第1実施形態において、二次光源60の各面光源60a〜60dから射出される各露光光ELの光路内には、図20に示すように、透過フィルタ75、76,77,78をそれぞれ配置してもよい。これら各透過フィルタ75〜78は、それらの回転軸線75a,76a、77a、78aを軸中心としてそれぞれ回転することになる。
また、図20に示すように、照明光学系13の光軸AXを中心とする径方向において各透過フィルタ75〜78の内側には、照明瞳面27の第3領域及び第4領域に相当する位置から射出される露光光ELの光路内に配置される透過フィルタ79,80,81,82を設けてもよい。これら各透過フィルタ79〜82は、それらの回転軸線79a,80a,81a,82aを軸中心としてそれぞれ回転することになる。
また、各透過フィルタ79〜82の露光光ELの入射角θに対する透過率特性は、径方向における外側に位置する透過フィルタ75〜78の露光光ELの入射角θに対する透過率特性とは異なる特性であってもよい。この場合、例えばズーム光学系25の駆動によってオプティカルインテグレータ26に入射する露光光ELのビーム径又はビームの光軸からの距離を変更させることにより、使用する透過フィルタを使い分けることができる。
・第2及び第3実施形態において、第1の透過フィルタ66,80,81の露光光ELの入射角θに対する透過率特性は、第2の透過フィルタ67,82,83の露光光ELの入射角θに対する透過率特性とは異なっていてもよい。
・第1実施形態の回転機構68、及び第2及び第3実施形態の回転機構68,69は、瞳強度分布計測装置36による計測結果に連動して駆動する構成でなくてもよい。すなわち、瞳強度分布計測装置36による計測結果を図示しないモニタ等の表示画面に表示させ、該表示画面に表示させた計測結果に基づき作業者が各透過フィルタ66,67、80,81、82,83を回転させるようにしてもよい。この場合、回転機構68には、各駆動源69,70を設けなくてもよい。すなわち、各透過フィルタ66,67、80,81、82,83は、作業者による手動で回転することになる。
・各実施形態において、補正フィルタ24は、露光光ELの入射位置に応じて透過率の異なる透過率分布を有するフィルタであれば任意の透過率分布を有するフィルタであってもよい。例えば、第1実施形態の補正フィルタ24は、照明瞳面27に形成される二次光源60のうちX軸方向に沿った第1面光源60a及び第2面光源60bを構成する光束を大幅に減光させる一方、Z軸方向に沿った第3面光源60c及び第4面光源60dを構成する光束をほとんど減光させない透過率分布を有するフィルタであってもよい。
また、各実施形態において、入射位置に対する透過率分布が互いに異なる複数枚の補正フィルタ24を用意し、必要に応じて露光光ELの光路内に配置する補正フィルタを取り替え可能としてもよい。このように構成すると、補正フィルタ24と各透過フィルタ66,67、80,81、82,83との協働作用による静止露光領域ER2内の各点P1b,P2b,P3bに対応する各瞳強度分布の調整の自由度を向上させることができる。
・各実施形態において、瞳強度分布計測装置36は、レチクルR上の照明領域ER1内の各点P1a,P2a,P3aに対応する瞳強度分布61,62を計測可能であれば、レチクルRの近傍ではなくてもよい。ただし、瞳強度分布計測装置36は、レチクルRの被照射面Ra(即ち、ウエハWの表面Wa)と光学的に共役な位置近傍であれば、任意の位置に設置してもよい。
・第1実施形態において、各透過フィルタ66,67,79〜82を回転(傾斜)させても面光源60a〜60dの光軸AXからの距離を一定に維持するために、各透過フィルタ66,67,79〜82の回転(傾斜)に応じてズーム光学系25を駆動して、各透過フィルタ66,67,79〜82に入射する光束の光軸AXからの距離を変更してもよい。また、上述したアキシコンレンズ対を備えている場合には、各透過フィルタ66,67,79〜82の回転(傾斜)に応じてアキシコンレンズ対の間隔を変更してもよい。また、例えば特開2003−318087号公報に開示される複数の象限毎に独立して間隔可変なアキシコンレンズ対や特開平11−274060号公報に開示される偏心して配置される複数のプリズム対を用いれば、各透過フィルタ66,67,79〜82の回転角(傾斜角)が異なっている場合においても、各面光源の光軸AXからの距離を一定に維持することができる。また、回折光学素子に代えて上述の空間光変調素子を用いた場合には、各透過フィルタ66,67,79〜82の回転角(傾斜角)に応じて、空間光変調素子が形成する瞳強度分布を変更することによって、各透過フィルタ66,67,79〜82の回転角(傾斜角)が異なっている場合においても、各面光源の光軸AXからの距離を一定に維持することができる。
・各実施形態において、露光装置11は、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクルまたはマスクを製造するために、マザーレチクルからガラス基板やシリコンウエハなどへ回路パターンを転写する露光装置であってもよい。また、露光装置11は、液晶表示素子(LCD)などを含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッド等の製造に用いられて、デバイスパターンをセラミックウエハ等へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置などであってもよい。
・各実施形態において、露光装置11を、レチクルRとウエハWとが相対移動した状態でレチクルRのパターンをウエハWへ転写し、ウエハWを順次ステップ移動させるスキャニング・ステッパに具体化してもよい。
・各実施形態において、オプティカルインテグレータ26は、屈折率を有する単位波面分割面がZ方向及びX方向に沿って配列される1枚のマイクロフライアイレンズから構成されるものであってもよい。また、オプティカルインテグレータとして、複数のレンズ要素が配列されてなるフライアイレンズを用いてもよい。また、オプティカルインテグレータとして、複数のミラー面が配列されてなる一対のフライアイミラーであってもよい。また、オプティカルインテグレータとして、Y軸方向に沿って延びるロッド型(内面反射型)インテグレータであってもよい。オプティカルインテグレータとして、ロッド型インテグレータを用いる場合には、ズーム光学系25の後側にその前側焦点位置がズーム光学系25の後側焦点位置と一致するように集光レンズ系を配置し、この集光レンズ系の後側焦点位置またはその近傍に入射端が位置決めされるようにロッド型インテグレータを配置する。このとき、ロッド型インテグレータの射出端がレチクルブラインド29の位置になる。ロッド型インテグレータを用いる場合、このロッド型インテグレータの下流のレチクルブラインド結像光学系(第2コンデンサ光学系30及び結像光学系32)内の、投影光学系15の開口絞り42の位置と光学的に共役な位置を照明瞳面と呼ぶことができる。また、ロッド型インテグレータの入射面の位置には、照明瞳面の二次光源の虚像が形成されることになるため、この位置およびこの位置と光学的に共役な位置も照明瞳面と呼ぶことができる。この場合、分布補正光学系31は、この照明瞳面を含む空間(第2コンデンサ光学系30と結像光学系32との間の空間)に配置することができる。
・各実施形態において、露光装置11を、可変パターン生成器(例えば、DMD(Digital Mirror Device又はDigital Micro-mirror Device))を用いたマスクレス露光装置に具体化してもよい。このようなマスクレス露光装置は、例えば特開2004−304135号公報、国際公開第2006/080285号パンフレット及びこれに対応する米国特許出願公開第2007/0296936号明細書に開示されている。
・各実施形態において、光源装置12は、例えばg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエキシマレーザ(248nm)、Fレーザ(157nm)、Krレーザ(146nm)、Arレーザ(126nm)等を供給可能な光源であってもよい。また、光源装置12は、DFB半導体レーザまたはファイバレーザから発振される赤外域、または可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(またはエルビウムとイッテルビウムの双方)がドープされたファイバアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を供給可能な光源であってもよい。
・各実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用してもよい。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第99/49504号パンフレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。
・各実施形態において、米国特許出願公開第2006/0203214号明細書、米国特許出願公開第2006/0170901号明細書、及び米国特許出願公開第2007/0146676号細書に開示される偏光照明方法を適用してもよい。
・第1の透過フィルタ、第2の透過フィルタ及び回転機構が一体化されたユニットは、透過フィルタユニットと呼ぶこともある。
次に、本発明の実施形態の露光装置11によるデバイスの製造方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図21は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。
まず、ステップS101(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS102(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクルRなど)を製作する。一方、ステップS103(基板製造ステップ)において、シリコン、ガラス、セラミックス等の材料を用いて基板(シリコン材料を用いた場合にはウエハWとなる。)を製造する。
次に、ステップS104(基板処理ステップ)において、ステップS101〜ステップS104で用意したマスクと基板を使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によって基板上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS105(デバイス組立ステップ)において、ステップS104で処理された基板を用いてデバイス組立を行う。このステップS105には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS106(検査ステップ)において、ステップS105で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
図22は、半導体デバイスの場合におけるステップS104の詳細工程の一例を示す図である。
ステップS111(酸化ステップ)おいては、基板の表面を酸化させる。ステップS112(CVDステップ)においては、基板表面に絶縁膜を形成する。ステップS113(電極形成ステップ)においては、基板上に電極を蒸着によって形成する。ステップS114(イオン打込みステップ)においては、基板にイオンを打ち込む。以上のステップS111〜ステップS114のそれぞれは、基板処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
基板プロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップS115(レジスト形成ステップ)において、基板に感光性材料を塗布する。引き続き、ステップS116(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置11)によってマスクの回路パターンを基板に転写する。次に、ステップS117(現像ステップ)において、ステップS116にて露光された基板を現像して、基板の表面に回路パターンからなるマスク層を形成する。さらに続いて、ステップS118(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップS119(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となった感光性材料を取り除く。すなわち、ステップS118及びステップS119において、マスク層を介して基板の表面を加工する。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、基板上に多重に回路パターンが形成される。
11…露光装置、12…光源としての光源装置、13…照明光学系、15…投影光学系、25…入射態様調整光学系としてのズーム光学系、26…オプティカルインテグレータ、27…照明瞳面、28…第1コンデンサ光学系、30…第1光学素子としての第2コンデンサ光学系、33…第2光学素子としての入射側レンズ群、36…瞳強度分布計測装置、40…制御装置、42…開口絞り、50a,51a…入射面、52〜55…単位波面分割面としてのシリンドリカルレンズ面、60…所定の光強度分布としての二次光源、64…調整領域、65…瞳共役面、66,80,81…第1の透過フィルタ、67,67b,82,83…第2の透過フィルタ、68、68a,68b…回転機構、69,70、71a,71b…駆動源、75〜82…第1、第2、第3及び第4の透過フィルタとしての透過フィルタ、AX…光軸、EL…露光光、P1a〜P3a,P1b〜P3b…所定の点としての点、Ra…被照射面、W…基板としてのウエハ、Wa…被照射面としての表面、θ,θ1〜θ3…入射角。

Claims (49)

  1. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    前記光源からの光が入射した場合に前記照明光学系の照明光路内の照明瞳面に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータと、
    前記照明瞳面内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタと、
    前記照明瞳面内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタと、
    前記照明光学系の光軸に対する傾斜角度が変化するように前記第1及び第2の透過フィルタを回転させる回転機構と、を備えることを特徴とする照明光学系。
  2. 前記回転機構は、前記第1及び第2透過フィルタの傾斜角度を調整させるべく駆動する駆動源を有することを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  3. 前記第1及び第2透過フィルタは、前記照明光学系の光軸方向において前記照明瞳面または前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面を含んで設定される調整領域内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明光学系。
  4. 前記オプティカルインテグレータの前記被照射面側に配置されるコンデンサ光学系をさらに備え、
    前記第1及び第2透過フィルタは、前記光の光軸方向において前記コンデンサ光学系の前記被照射面側に設定される調整領域内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明光学系。
  5. 前記被照射面上の所定の点に到達する光束の角度方向の光強度分布を計測する計測装置と、
    該計測装置による計測結果に応じて前記駆動源を制御する制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の照明光学系。
  6. 前記オプティカルインテグレータは、前記光軸と交差する面内に配列される複数の単位波面分割面を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  7. 前記調整領域は、前記瞳共役面よりも前記光源側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第1光学素子と、前記瞳共役面よりも前記被照射面側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第2光学素子との間の領域であることを特徴とする請求項3に記載の照明光学系。
  8. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子のうち少なくとも一方の光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項7に記載の照明光学系。
  9. 前記調整領域は、前記コンデンサ光学系と、該コンデンサ光学系よりも前記被照射面側において前記コンデンサ光学系に最も近接した位置に配置される光学素子との間の領域であることを特徴とする請求項4に記載の照明光学系。
  10. 前記光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項9に記載の照明光学系。
  11. 前記第1及び第2の透過フィルタは、前記光軸に対して略直交する方向に沿ってそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  12. 前記第1領域及び第2領域は、前記照明瞳面内において重畳していないことを特徴とする請求項1〜請求項11のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  13. 前記照明瞳面内の第3領域を通過する第3照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第3の透過フィルタと、
    前記照明瞳面内の第4領域を通過する第4照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第4の透過フィルタと、をさらに備え、
    前記第3領域は、前記第1領域及び第2領域とは異なり、前記第4領域は、前記第1領域、第2領域及び第3領域とは異なることを特徴とする請求項12に記載の照明光学系。
  14. 前記照明瞳面内の第3領域を通過する第3照明光束の光路内であって前記第1透過フィルタよりも前記光軸を中心とした径方向における内側に配置される第3の透過率フィルタと、
    前記照明瞳面内の第4領域を通過する第4照明光束の光路内であって前記第2透過フィルタよりも前記光軸を中心とした径方向における内側に配置される第4の透過率フィルタと、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項12のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  15. 前記第3及び第4の透過フィルタは、前記第1及び第2の透過フィルタの前記光の入射角に対する透過率特性とは異なる透過率特性をそれぞれ有することを特徴とする請求項13又は請求項14に記載の照明光学系。
  16. 前記オプティカルインテグレータよりも前記光源側に配置され、且つ前記オプティカルインテグレータに入射する光の入射態様を調整可能な入射態様調整光学系をさらに備えることを特徴とする請求項13〜請求項15のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  17. 前記光の入射態様は、前記オプティカルインテグレータの入射面における光の強度分布であることを特徴とする請求項16に記載の照明光学系。
  18. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、
    前記照明瞳は、前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置に形成されることを特徴とする請求項1〜請求項17のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  19. 前記第2の透過フィルタは、前記オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の照明光学系。
  20. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、
    前記光源からの光が入射した場合に前記照明光学系の照明光路内の照明瞳面に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータと、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の前記光源側に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタと、
    前記オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタと、
    前記照明光学系の光軸に対する傾斜角度が変化するように前記各透過フィルタを回転させる回転機構と、を備えることを特徴とする照明光学系。
  21. 前記回転機構は、前記第1及び第2の透過フィルタの傾斜角度を調整させるべく駆動する駆動源を有することを特徴とする請求項19又は請求項20に記載の照明光学系。
  22. 前記被照射面上の所定の点に到達する光束の角度方向の光強度分布を計測する計測装置と、
    該計測装置による計測結果に応じて前記駆動源を制御する制御装置と、をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の照明光学系。
  23. 前記オプティカルインテグレータは、前記光軸と交差する面内に配列される複数の単位波面分割面を有することを特徴とする請求項19〜請求項22のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  24. 前記第1及び第2の透過フィルタは、前記瞳共役面を前記光軸方向において間に挟むようにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項19〜請求項23のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  25. 前記瞳共役面の前記光源側には、前記第1の透過フィルタが複数設けられ、該各第1の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する複数の照明光束の各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項20〜請求項24のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  26. 前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側には、前記第2の透過フィルタが複数設けられ、該各第2の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する前記複数の照明光束の前記各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項25に記載の照明光学系。
  27. 前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側には、前記第2の透過フィルタが複数設けられ、該各第2の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する複数の照明光束の各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項20〜請求項24のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  28. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、
    前記照明瞳面は、前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置に形成されることを特徴とする請求項19〜請求項27のうち何れか一項に記載の照明光学系。
  29. 光源から出力される光を前記被照射面上の所定のパターンへ導く請求項1〜請求項28のうち何れか一項に記載の照明光学系を備え、
    該照明光学系から射出される光で前記所定のパターンを照明することにより形成されたパターンの像を、感光材料が塗布された基板上に投影することを特徴とする露光装置。
  30. 前記パターンの像を前記基板上に投影するための投影光学系をさらに備え、
    該投影光学系に対して前記パターン及び前記基板を走査方向に沿って相対移動させることにより、前記基板上に前記パターンの像を投影することを特徴とする請求項29に記載の露光装置。
  31. 請求項29又は請求項30に記載の露光装置を用いて、前記パターンの像を前記基板の表面に露光する露光ステップと、
    該露光ステップ後において、前記基板を現像して前記パターンの像に対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成する現像ステップと、
    該現像ステップ後において、前記マスク層を介して前記基板の表面を加工する加工ステップと、を含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
  32. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、前記光源からの光が入射した場合に前記照明光学系の照明光路内の照明瞳面に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットにおいて、
    前記照明瞳面内の第1領域を通過する第1照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタと、
    前記照明瞳面内の前記第1領域とは異なる第2領域を通過する第2照明光束の光路内に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタと、
    前記照明光学系の光軸に対する傾斜角度が変化するように前記第1及び第2の透過フィルタを回転させる回転機構と、を備えることを特徴とする透過フィルタユニット。
  33. 前記回転機構は、前記第1及び第2透過フィルタの傾斜角度を調整させるべく駆動する駆動源を有することを特徴とする請求項32に記載の透過フィルタユニット。
  34. 前記第1及び第2透過フィルタは、前記照明光学系の光軸方向において前記照明瞳面または前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面を含んで設定される調整領域内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項32又は請求項33に記載の透過フィルタユニット。
  35. 前記照明光学系は、前記オプティカルインテグレータの前記被照射面側に配置されるコンデンサ光学系をさらに備え、
    前記第1及び第2透過フィルタは、前記光の光軸方向において前記コンデンサ光学系の前記被照射面側に設定される調整領域内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項32又は請求項33に記載の透過フィルタユニット。
  36. 前記調整領域は、前記瞳共役面よりも前記光源側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第1光学素子と、前記瞳共役面よりも前記被照射面側において前記瞳共役面に最も近接した位置に配置される第2光学素子との間の領域であることを特徴とする請求項34に記載の透過フィルタユニット。
  37. 前記第1光学素子及び前記第2光学素子のうち少なくとも一方の光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項36に記載の透過フィルタユニット。
  38. 前記調整領域は、前記コンデンサ光学系と、該コンデンサ光学系よりも前記被照射面側において前記コンデンサ光学系に最も近接した位置に配置される光学素子との間の領域であることを特徴とする請求項35に記載の透過フィルタユニット。
  39. 前記光学素子は、パワーを有する光学素子であることを特徴とする請求項38に記載の透過フィルタユニット。
  40. 前記第1及び第2の透過フィルタは、前記光軸に対して略直交する方向に沿ってそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項32〜請求項39のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
  41. 前記第1領域及び第2領域は、前記照明瞳面内において重畳していないことを特徴とする請求項32〜請求項40のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
  42. 前記第2の透過フィルタは、前記オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側に配置されることを特徴とする請求項32に記載の透過フィルタユニット。
  43. 光源からの光で被照射面を照明する照明光学系であって、前記光源からの光が入射した場合に前記照明光学系の照明光路内の照明瞳面に所定の光強度分布を形成するオプティカルインテグレータを備える照明光学系と組み合わせて用いられる透過フィルタユニットにおいて、
    該オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面と光学的に共役な瞳共役面の前記光源側に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第1の透過フィルタと、
    前記オプティカルインテグレータよりも前記被照射面側であって且つ前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側に配置され、前記光の入射角に応じて変化する透過率特性を有する第2の透過フィルタと、
    前記照明光学系の光軸に対する傾斜角度が変化するように前記各透過フィルタを回転させる回転機構と、を備えることを特徴とする透過フィルタユニット。
  44. 前記回転機構は、前記第1及び第2の透過フィルタの傾斜角度を調整させるべく駆動する駆動源を有することを特徴とする請求項42又は請求項43に記載の透過フィルタユニット。
  45. 前記第1及び第2の透過フィルタは、前記瞳共役面を前記光軸方向において間に挟むようにそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項42〜請求項44のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
  46. 前記瞳共役面の前記光源側には、前記第1の透過フィルタが複数設けられ、該各第1の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する複数の照明光束の各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項43〜請求項45のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
  47. 前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側には、前記第2の透過フィルタが複数設けられ、該各第2の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する前記複数の照明光束の前記各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項46に記載の透過フィルタユニット。
  48. 前記照明瞳面及び前記瞳共役面のうち少なくとも一方の前記被照射面側には、前記第2の透過フィルタが複数設けられ、該各第2の透過フィルタは、前記照明瞳面内の複数の領域をそれぞれ通過する複数の照明光束の各光路内にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項43〜請求項45のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
  49. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、
    前記照明瞳面は、前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置に形成されることを特徴とする請求項32〜請求項48のうち何れか一項に記載の透過フィルタユニット。
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