JPWO2010035761A1 - 防眩フィルム、防眩性偏光板及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイ - Google Patents

防眩フィルム、防眩性偏光板及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】防眩フィルムの本来の機能である防眩性を有し、高いコントラストを備え、ギラツキを強いレベルで抑制した及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイを提供すること。【解決手段】透明基材と、凹凸構造を有する防眩層とを備え、防眩層が水酸基を有するアクリル系材料を含むバインダマトリックスと、アクリル−スチレン共重合体粒子を含み、アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径RAを防眩層の平均膜厚Hで除した値であるRA/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であり、且つ、防眩層中に、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nAからバインダマトリックスの平均屈折率nMを引いた値と、バインダマトリックスの含有量wMを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wAと、防眩層の平均膜厚Hとの積である|nA−nM|×wA×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、防眩フィルム及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイに関する。特に、窓の表面や液晶ディスプレイ(LCD)、CRTディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けられる防眩フィルム及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイに関する。
液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、ELディスプレイ、および、プラズマディスプレイなどのディスプレイにおいては、視聴時にディスプレイ表面に外光が映りこむことによる視認性の低下を防ぐために、表面に凹凸構造を備える防眩フィルムをディスプレイの表面に設けることが知られている。
表面に凹凸構造を備える防眩フィルムの製造方法としては、例えば、エンボス加工法により防眩フィルムの表面に凹凸構造を型押しして形成する技術、バインダマトリックスの形成材料中に粒子を混入し、バインダマトリックス中に粒子を分散させた塗液を透明基材に塗布することにより、防眩フィルムの表面に凹凸構造を形成する技術が知られている。このようにして形成される防眩フィルムにおいては、その表面に凹凸構造を備えているので、表面の凹凸構造により防眩フィルムに入射する外光が散乱することで、外光の像が不鮮明となる。すなわちディスプレイ表面に外光が映りこむことによる視認性の低下を防ぐことが可能となる。
ここで、エンボス加工により表面に凹凸が形成されている防眩フィルムは、エンボスロール形状を管理することで表面凹凸を完全に制御できる。そのため、再現性が良い。しかし、エンボスロールに欠陥または異物付着があるとそのロールの延長線上において周期的に欠陥が出るといった問題がある。
一方、特許文献には、バインダマトリックス中に粒子を分散させた防眩層を備えた、様々な態様の防眩フィルムが開示されている。特許文献1に記載されている、防眩層にバインダマトリックスと粒子を用いた防眩フィルムは、上述したエンボス加工を用いた防眩フィルムよりも工程数が少ないために、安価に製造できる(特許文献1参照)。
また、特許文献2には、防眩層の形成のために、バインダマトリックス樹脂と球形粒子と不定形粒子とを併用する技術が開示されている(特許文献2参照)。特許文献3には、防眩層形成のために、バインダマトリックス樹脂と、粒径の異なる複数種類の粒子を用いる技術が開示されている(特許文献3参照)。特許文献4には、表面凹凸を有する防眩フィルムについて、凹部の断面積を規定した技術が開示されている(特許文献4参照)。
さらに、特許文献5には、防眩層の内部の散乱と表面の散乱とを併用して防眩性を付与する技術、すなわち、防眩層の内部ヘイズ値(曇度)を1%〜15%とし、表面ヘイズ値(曇度)を7%〜30%とする技術が開示されている(特許文献5参照)。特許文献6には、防眩層形成に際し、バインダー樹脂と粒径0.5μm〜5μmの粒子を用い、バインダー樹脂と粒子との屈折率差を0.02〜0.2とし、バインダー樹脂が100重量部に対し粒子を10重量部より大きく30重量部未満配合する技術が開示されている(特許文献6参照)。特許文献7には、防眩層形成に際し、バインダー樹脂と粒径1μm〜5μmの粒子を用い、バインダー樹脂と粒子の屈折率差を0.05〜0.15として、用いる溶媒、表面粗さなどを所定の範囲とした技術が開示されている(特許文献7参照)。特許文献8には、バインダー樹脂と複数種類の粒子を用い、バインダー樹脂と粒子の屈折率差を0.03〜0.2とする技術が開示されている(特許文献8参照)。特許文献9には、視野角を変化させたときのコントラストの低下、色相変化等を低減することを目的とし、防眩層の表面ヘイズ値(曇度)を3以上、法線方向のヘイズ値と±60°方向のヘイズ値の差を4以下とする技術が開示されている(特許文献9参照)。
上述したように様々な目的で様々な構成の防眩フィルムが開示されている。ディスプレイの前面に用いられる防眩フィルムの性能は、ディスプレイによって異なる。言い換えると、ディスプレイの解像度や使用目的などにより最適な防眩フィルムは異なる。したがって、目的に応じた形で多様な防眩フィルムが求められている。
特許文献1乃至特許文献9に記載の防眩フィルムは、ノートパソコンやデスクトップパソコンあるいはテレビ用の液晶ディスプレイの表面に設けられる。しかし、テレビ用のディスプレイ表面にだけ使うことを目的とした防眩フィルムの製造においては面取り都合の関係でサイズの問題から使用できない不要部が多く出るためコスト高となる。
そのため、近年ではノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビ用のディスプレイの表面のいずれにも使用可能な防眩フィルムが求められるようになっている。
しかし、従来の技術ではノートパソコンやデスクトップパソコン用途の防眩フィルムをテレビ用のディスプレイに用いた場合には十分なコントラストを得ることができず、逆に、テレビ用のディスプレイ用途の防眩フィルムをノートパソコンやデスクトップパソコンに用いた場合には表示した画像がチラチラする現象(ギラツキ)の発生を十分に防ぐことができないという問題があった。
また、ノートパソコンやデスクトップパソコン用途の防眩フィルムにあっては、使用者(観察者)は長時間連続してディスプレイ表面を観察し、凝視し続けるため、ギラツキが高いレベルで抑制された防眩フィルムであることが要求される。一方、テレビ用途の防眩フィルムにあっては、画像の鮮明さを失わないために、ディスプレイ表面に設けた際に高いコントラストで画像を表示できる防眩フィルムであることが要求される。
特開平6−18706号公報 特開2003−260748号公報 特開2004−004777号公報 特開2003−004903号公報 特開平11−305010号公報 特開2002−207109号公報 特開2000−338310号公報 特開2000−180611号公報 特開平11−160505号公報
本発明は、防眩フィルムの本来の機能である防眩性を有し、高いコントラストで画像の表示が可能で、ギラツキを強いレベルで抑制した防眩フィルム及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイを提供することである。
本発明の請求項1に係る発明は、透明基材と、透明基材上に形成され、透明基材と反対側の面に凹凸構造を有する防眩層とを備える防眩フィルムにおいて、防眩層が水酸基を有するアクリル系材料を含むバインダマトリックスと、アクリル−スチレン共重合体粒子を含み、アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径Rを防眩層の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であり、且つ、防眩層中に、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占めるバインダマトリックスの含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wと、防眩層の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルムとしたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、防眩層の平均膜厚Hが3μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防眩フィルムとしたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、水酸基を有するアクリル系材料がペンタエリスリトールトリアクリレートであり、且つ、防眩層が、バインダマトリックス100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレートを18重量部以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の防眩フィルムとしたものである。
本発明の請求項4に係る発明は、透明基材を準備し、透明基材上に電離放射線によって硬化するバインダマトリックスの形成材料とアクリル−スチレン共重合体粒子とを含む防眩層の形成用塗液を塗布して、塗膜を形成し、バインダマトリックスを電離放射線により硬化して防眩層とする防眩フィルムの製造方法において、アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径Rを防眩層の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であり、且つ、防眩層中に、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、バインダマトリックスの含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wと、防眩層の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルムの製造方法としたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、バインダマトリックスはペンタエリスリトールトリアクリレートを含み、且つ、防眩層を構成するバインダマトリックス100重量部のうちペンタエリスリトールトリアクリレートが18重量部以上を占めることを特徴とする請求項4に記載の防眩フィルムの製造方法としたものである。
本発明の請求項6に係る発明は、防眩層の形成用塗液はダイコーター法を用いて塗布されることを特徴とする請求項4または5に記載の防眩フィルムの製造方法としたものである。
本発明の請求項7に係る発明は、観察者側から順に、請求項1乃至請求項3に記載の防眩フィルム、第1の偏光板、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットを備え、防眩フィルムの防眩層が観察者側の表面にあることを特徴とする透過型液晶ディスプレイとしたものである。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至請求項3に記載の防眩フィルムと、防眩フィルムの透明基材における防眩層非形成面に形成された偏光層と、第2の透明基材と、を備えることを特徴とする防眩性偏光板としたものである。
本発明の請求項9に係る発明は、観察者側から順に、請求項8に記載の防眩性偏光板、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットを備え、防眩性偏光板の防眩層が観察者側の表面にあることを特徴とする透過型液晶ディスプレイとしたものである。
本発明によれば、防眩フィルムの本来の機能である防眩性を有し、高いコントラストを備え、ギラツキを強いレベルで抑制した防眩フィルム、防眩性偏光板及びその製造方法並びに透過型液晶ディスプレイを提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルムを示す概略断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るダイコーター塗布装置を示す概略断面図である。 本発明の防眩フィルムを用いた第3及び第4の実施の形態に係る透過型液晶ディスプレイを示す概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態において重複する説明は省略する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルムを示す概略断面図である。図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルム100は、第1の透明基材110上に防眩層120を備える。本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100が備える防眩層120はバインダマトリックス121とアクリル−スチレン共重合体粒子122を含んでいる。
本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルム100は、防眩層120がバインダマトリックス121中にアクリル−スチレン共重合体粒子122を含み、且つ、バインダマトリックス121が水酸基を有するアクリル系材料を含むこと、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径RAを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であること、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層120に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする。
さらに、本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルム100は、防眩層120の表面に凹凸構造を備えることにより、防眩フィルム100の表面に入射する外光を散乱させ、防眩フィルム100の表面に映りこむ外光の像を不鮮明とするものである。防眩層120がバインダマトリックス121と粒子からなる場合、防眩層120の表面の凹凸は粒子が単独で存在するあるいは複数が凝集して存在することによって形成される。
しかし、粒子が過度に凝集することにより防眩層表面に凹凸が過剰に形成されることがあり、この凹凸が白ボケの原因となるという問題があった。
防眩層表面に凹凸構造を備える防眩フィルム100においては、防眩層表面に形成される凸部を大きくすることにより、外光が映りこんだ際に外光の像を不鮮明とすることができ、強い防眩性を得ることができる。しかしながら、防眩層120の表面の凹凸構造が大きすぎると、蛍光灯等の照明が映りこんだ際に「白ボケ」と呼ばれるディスプレイ全体が白茶ける現象が発生する。白ボケは、防眩層120の表面に形成された過剰な凹凸構造により防眩層120の表面に入射する蛍光灯等の照明が過剰に散乱することにより発生し、白ボケが発生した場合にはコントラストが低下する。
本発明者らは、粒子としてアクリル−スチレン共重合体粒子122を用い、バインダマトリックス121に水酸基を有するアクリル系材料を含有させることにより、バインダマトリックス121中で粒子が過度に凝集するのを防ぐことができ、結果として白ボケを抑制し、コントラストの低下を防ぐことができることを見出した。
粒子としてアクリル−スチレン共重合体粒子122を用い、バインダマトリックス121中に水酸基を有するアクリル系材料を用いることにより、アクリル−スチレン共重合体粒子122のアクリル部位に存在するカルボニル基とバインダマトリックス中121に存在する水酸基との相互作用により粒子が過度に凝集することを防ぐことができるためと考えられる。
本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100は、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であることを特徴とする。
ここで、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径RAを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30未満の場合、防眩層120の表面に十分な凹凸を形成することが困難となり、防眩性が低下し、外光の映り込みを十分に防ぐことができなくなってしまう。一方、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.80を超える場合、防眩層120の表面に大きな凸部が形成され、防眩層120の表面凹凸が過剰となり、白ボケが発生し、コントラストを大きく低下させてしまう。このように、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100は、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hを0.30以上0.30以下の範囲内とすることにより、防眩性とコントラストとの両立を実現している。
なお、本発明の実施の形態において、防眩層120の平均膜厚Hとは表面凹凸のある防眩層120の膜厚の平均値のことである。防眩層120の平均膜厚Hは、電子マイクロメータ、全自動微細形状測定機により求めることができる。また、本発明の実施の形態に係るアクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒子径Rは、光散乱式粒子径分布測定装置により求められる。
また、本発明の実施の形態に係る防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする。
ここで、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.7未満の場合、防眩層120中での光拡散機能が不十分であるために、ギラツキの度合いが大きくなってしまう。一方、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nAからバインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが3.00を越える場合、光拡散機能が強くなりすぎてしまい、黒を表示した際の正面輝度が増加して、コントラストを大きく低下させてしまう。
本発明者らは、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nからバインダマトリックス121の平均屈折率nを引いた値である|n−n|と、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積が、防眩層120中の光拡散機能を極めて正確に表すことを見出した。すなわち、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nからバインダマトリックス121の平均屈折率nを引いた値である|n−n|と、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hを0.70以上3.00以下の範囲内とすることにより、防眩層120の内部の光の拡散性能を精密に制御することができ、高いコントラスト表示機能と極めて強いギラツキ防止機能を両立した防眩フィルム100とすることができる。
なお、本発明の実施の形態において、バインダマトリックス121の屈折率nとはバインダマトリックス121のみで膜を形成して測定した膜の屈折率を意味する。すなわち、防眩層120においてアクリル−スチレン共重合体粒子122を除いた箇所での屈折率がバインダマトリックス121の屈折率となる。なお、バインダマトリックス121の屈折率n及びアクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nはベッケ線検出法(液浸法)により求めることができる。
また、本発明の実施の形態において、防眩層に占めるバインダマトリックス121の含有量wとは、防眩層120の総重量からアクリル−スチレン共重合体粒子122の総重量を除いたバインダマトリックスの総重量を100重量部として表したものである。
また、防眩層に占めるバインダマトリックスの含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wとは、防眩層に占めるバインダマトリックスの総重量を100重量部とした際に、同防眩層に占めるアクリル−スチレン共重合体粒子122の総重量を重量部で表したものである。
本発明者らは、防眩フィルム100において、防眩層120がバインダマトリックス121中にアクリル−スチレン共重合体粒子122を含み、且つ、バインダマトリックス121が水酸基を有するアクリル系材料を含むこととし、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であること、防眩層120中において、アクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nからバインダマトリックス121の平均屈折率nを引いた値と、防眩層210に占めるバインダマトリックス121の含有量wを100重量部とした際のアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内とすることにより、防眩性を有し、ノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビ用のディスプレイの表面のいずれにも使用できる高いコントラスト表示機能を有し、ギラツキを強いレベルで抑制した防眩フィルム100とすることができるため、ノートパソコン、デスクトップパソコン、テレビ用のディスプレイの表面のいずれにも好適に用いられる防眩フィルム100、及び防眩フィルム100を用いた透過型液晶ディスプレイとすることができることを見出した。本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100は、上述した要件を満たすことにより、防眩性を有し、高いコントラストを有し、ギラツキを高いレベルで抑制した防眩フィルム100とすることができる。
本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100の防眩層120は、バインダマトリックス121中に含まれる水酸基を有するアクリル系材料がペンタエリスリトールトリアクリレートであり、且つ、防眩層120を占めるバインダマトリックス121全体を100重量部とした際に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを18重量部以上含むことを特徴とする。バインダマトリックス100重量部に占めるペンタエリスリトールトリアクリレートの含有量が18重量部未満の場合、防眩性を有し、高いコントラストを有し、ギラツキを高いレベルで抑制した防眩フィルム100を得ることができなくなってしまう。
また、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100においては、防眩層120の平均膜厚Hが3μm以上30μm以下の範囲内であることが好ましい。防眩層120の平均膜厚Hが3μm未満の場合、得られる防眩フィルム100はディスプレイ表面に設けられるだけの十分な硬度を得ることができなくなってしまう。一方、防眩層120の平均膜厚Hが30μmを超える場合、得られる防眩フィルム100のカールの度合いが大きくなってしまい、ディスプレイ表面に設けるための加工工程に適さなくなってしまう。さらに多量の材料を必要とするためコスト高になるという問題も生じる。なお、より好ましい防眩層120の平均膜厚Hは4μm以上20μm以下の範囲内である。
本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100は、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能、色補正性能等を有する機能層が設けられる。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防汚層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層等が挙げられる。なお、これらの機能層は単層であってもかまわないし、複数の層であってもかまわない。機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していても構わない。また、これらの機能層は、第1の透明基材110と防眩層120との間に設けても良いし、防眩層120上に設けても良い。また、本発明の実施の形態においては、各種層間の接着性向上のために、各層間にプライマー層や接着層等を設けても良い。
次に、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100の製造方法について説明する。本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100の製造方法は、電離放射線によって硬化するバインダマトリックス121の形成材料とアクリル−スチレン共重合体粒子122とを含む防眩層120の形成用塗液を第1の透明基材110上に塗布し、第1の透明基材110上に塗膜を形成する工程と、バインダマトリックス121の形成材料を電離放射線により硬化させる硬化工程とを備えることにより第1の透明基材110上に防眩層120を形成することができる。
本発明の実施の形態に係る第1の透明基材110としては、ガラスやプラスチックフィルムなどを用いることができる。プラスチックフィルムとしては適度の透明性、機械強度を有していれば良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ジアセチルセルロース、アセチルセルロースブチレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等のフィルムを用いることができる。中でも、トリアセチルセルロースフィルムは複屈折が少なく、透明性が良好であることから好適に用いることができる。本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100を液晶ディスプレイ表面に設ける場合には、第1の透明基材110としてトリアセチルセルロースを用いることが特に好ましい。
第1の透明基材の厚みとしては20μm以上200μ以下が好ましく、さらには20μm以上100μm以下が好ましい。特にPETなど多少なりとも複屈折を有する透明基材を用いる場合は、複屈折の影響を最小限に抑えるため、薄いほうが好ましい。
防眩層120を形成するための防眩層120の形成用塗液としては、電離放射線によって硬化するバインダマトリックス121の形成材料とアクリル−スチレン共重合体粒子122を含むことが好ましい。
このとき、バインダマトリックス121の形成材料としては、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料を用いることができる。アクリル系材料としては、例えば、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能または多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明の実施の形態において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。また、たとえば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」の両方を示している。
例えば、単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタンおよびアダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレートなどのアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、例えば、2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、例えば、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
また、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート化合物としては、多価アルコール、多価イソシアネート及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる化合物を用いることができる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306I等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を用いることができる。
また、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100の防眩層120には、バインダマトリックス121の形成材料として、水酸基を有するアクリル系材料を含むことが好ましい。水酸基を有するアクリル系材料としては、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、あるいはジペンタエリスリトールペンタアクリレートを用いることができる。中でも、ペンタエリスリトールトリアクリレートを好適に用いることができる。
電離放射線として紫外線を用いる場合、防眩層120の形成用塗液に光重合開始剤が加えられる。光重合開始剤はバインダマトリックス121の形成材料の一部を構成する。光重合開始剤は、用いるバインダマトリックス121の形成材料にあったものを用いることが好ましい。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類等が用いられる。光重合開始剤の使用量は、バインダマトリックス形成材料に対して0.5重量部〜20重量部である。好ましくは1重量部〜5重量部である。
また、例えば、バインダマトリックス121の形成材料としては、電離放射線硬化型材料であるアクリル系材料の他に熱可塑性樹脂等を加えることもできる。熱可塑性樹脂としては、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体、酢酸ビニル及びその共重合体、塩化ビニル及びその共重合体、塩化ビニリデン及びその共重合体等のビニル系樹脂、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール樹脂、アクリル樹脂及びその共重合体、メタクリル樹脂及びその共重合体等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、線状ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を使用できる。熱可塑性樹脂が防眩層120に含まれることにより、第1の透明基材110と防眩層120との密着性を向上させることができる。また、熱可塑性樹脂が防眩層に含まれることにより、防眩フィルム100のカールを抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る防眩層120のアクリル−スチレン共重合体粒子122としては、メタクリル酸メチル(MMA)とスチレンの共重合体粒子を用いることができる。モノマーであるメタクリル酸メチル(MMA)とスチレンを出発原料とし懸濁重合をおこなうことにより粒子状のMMAとスチレンとの共重合体を得ることができる。そして、出発原料であるMMA(屈折率1.49)とスチレン(屈折率1.59)との重量比率を変化させることにより、屈折率を変化させたメタクリル酸メチル(MMA)とスチレンとの共重合体粒子122を得ることができる。
アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径としては1.5μm以上10μm以下が好ましく、3.0μm以上6.0μm以下が更に好ましい。10μmより大きいと凹凸が大きくなり、防眩層表面に過剰な凹凸が形成され、コントラストが低下してしまう。また、適度な凹凸とするために、防眩層の膜厚が厚くなってしまう。1.5μmより小さいと、液晶ディスプレイのために十分な防眩性を得ることができない。
防眩層120の形成用塗液には、必要に応じて溶媒を加える。溶媒を加えることにより、アクリル−スチレン共重合体粒子122やバインダマトリックス121をより均一に分散させることができる。また、防眩層120の形成用塗液を第1の透明基材110上に塗布するに際し、塗液の粘度を適切な範囲に調整することができる。
本発明の実施の形態においては、第1の透明基材110としてトリアセチルセルロースを用い、第1の透明基材110であるトリアセチルセルロースフィルム上に他の機能層を介さず直接防眩層120を設ける。直接防眩層120を設ける場合には、防眩層120の形成用塗液の溶媒として、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒と、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒の混合溶媒を用いることが好ましく、混合溶媒を用いることによりトリアセチルセルロースフィルム(第1の透明基材110)と防眩層120との界面において十分な密着性を有する防眩フィルム100とすることができる。
このとき、トリアセチルセルロースフィルム(第1の透明基材110)を溶解または膨潤させる溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトール等のエーテル類、またアセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびエチルシクロヘキサノン等の一部のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトン等のエステル類、さらには、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類が挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトンなどの一部のケトン類などが挙げられる。これらは1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の実施の形態に係る防眩層120においては、塗布形成される防眩層(塗膜)120にハジキ、ムラといった塗膜欠陥が発生するのを防止するために、バインダマトリックス121に表面調整剤と呼ばれる添加剤を含んでも良い。表面調整剤は防眩層120の形成用塗液に添加して用いられ、バインダマトリックス121の形成材料の一部を構成する。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれるが、いずれも形成される塗膜(防眩層)の表面張力を低下させる働きを備える。
表面調整剤として通常用いられる添加剤としては、例えば、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、アクリル系添加剤等が用いられる。シリコーン系添加剤にあっては、ポリジメチルシロキサンを基本構造とする誘導体であり、ポリジメチルシロキサン構造の側鎖を変性したものが用いられる。例えば、ポリエーテル変性ジメチルシロキサンがシリコーン添加剤として用いられる。また、フッ素系添加剤としては、パーフルオロアルキル基を備える化合物が用いられる。また、アクリル系添加剤としては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造とするものが用いられる。また、アクリル系添加剤にあっては、アクリルモノマーやメタクリルモノマーやスチレンモノマーを重合させた構造を基本構造として、側鎖にアルキル基やポリエーテル基、ポリエステル基、水酸基、エポキシ基等の置換基を含有していても構わない。
また、本発明の実施の形態に係る防眩層120の形成用塗液においては、塗液中に前述した表面調整剤のほかにも、他の機能を有する機能性添加剤を加えても良い。これらの機能性添加剤はバインダマトリックス121に含まれ、防眩層120を構成する。ただし、これらの機能性添加剤は形成される防眩層120の透明性、光の拡散性などに影響を与えないほうが好ましい。機能性添加剤としては、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤、などを使用でき、それにより、形成される防眩層120に帯電防止機能、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能、防汚機能、撥水機能といった、防眩機能以外の機能を持たせることができる。
本発明の実施の形態に係る防眩層120の形成用塗液は、第1の透明基材110上に塗布され、塗膜を形成する。防眩層120の形成用塗液を第1の透明基材110上に塗布するための塗工方法としては、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いた塗工方法を使用できる。中でも、ロール・ツー・ロール方式で高速で塗工することができるダイコーターを用いることが好ましい。また塗液の固形分濃度は、塗工方法により異なる。固形分濃度は、重量比で約30重量%〜約70重量%であればよい。
次に、本発明の実施の形態に係るダイコーター塗布装置400について説明する。図2は、本発明の第2の実施の形態に係るダイコーター塗布装置400を示す概略断面図である。図2に示すように、本発明の第2の実施の形態に係るダイコーター塗布装置400は、ダイヘッド310と塗液タンク330が配管320によって接続されている。送液ポンプ340によって、塗液タンク330内に蓄えられた防眩層120の形成用塗液がダイヘッド310内に送液される構造となっている。ダイヘッド310に送液された防眩層120の形成用塗液は第ヘッド310のスリット間隙から吐出され、第1の透明基材110上に塗膜が形成される。第1の透明基材110としてロール状の巻き取り式の基材を用い、これを回転ロール350を使用して送ることにより、ロール・ツー・ロール方式により連続して第1の透明基材110上に塗膜を形成することができる。
電離放射線硬化型材料を含む防眩層の形成用塗液を第1の透明基材110上に塗布することにより得られる塗膜に対し、電離放射線を照射することにより、塗膜が硬化し、防眩層120が形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合は、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアーク等の光源が利用できる。また、電子線硬化の場合はコックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器から放出される電子線が利用できる。電子線は、50KeV〜1000KeVのエネルギーを有するのが好ましい。100KeV〜300KeVのエネルギーを有する電子線がより好ましい。
なお、防眩層の形成用塗液の塗布により塗膜を形成した後、電離放射線の照射等により塗膜を硬化して防眩層120を形成する工程の前後に乾燥工程を設けてもよい。また、塗膜の硬化と乾燥を同時におこなってもよい。特に、防眩層の形成用塗液がバインダマトリックス121の材料とアクリル−スチレン共重合体粒子122との他に溶媒を含む場合、形成された塗膜から溶媒を除去する必要があるために電離放射線を照射する前に乾燥工程を設ける。乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが例示される。
上述した方法を用いて作製した防眩フィルム100は、防眩性を有し、高いコントラストを有し、ギラツキを高いレベルで抑制することができる。
次に、本発明の実施の形態に係る防眩フィルムを用いた画像表示装置について説明する。なお、以下では、透過型液晶ディスプレイについて説明するが、本発明の実施の形態に係る防眩フィルム100は、透過型液晶ディスプレイだけでなく、窓の表面やCRTディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、プラズマディスプレイ(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)などのディスプレイの表面に設けることができる。
図3(a)及び(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルム100を用いた透過型液晶ディスプレイ200及び300を示す図である。図3(a)に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る透過型液晶ディスプレイ200は、防眩フィルム100、第1の偏光板210、液晶セル220、第2の偏光板230及びバックライトユニット240を備えている。このとき、防眩フィルム100側が観察者側すなわちディスプレイ表面となる。
バックライトユニット240は、図示しないが光源と光拡散板とを備える。液晶セル220は、図示しないが、一方の透明基材に電極が設けられ、もう一方の透明基材に電極及びカラーフィルタを備えており、両電極間に液晶が封入された構造となっている。この液晶セル220を挟むように第1の偏光板210及び第2の偏光板230が設けられている。第1の偏光板は第2の透明基材211及び第3の透明基材212に第1の偏光層213を狭持した構造となっている。第2の偏光板は第4の透明基材231及び第5の透明基材232に第2の偏光層233を挟持した構造となっている。透過型液晶ディスプレイ200では、防眩フィルム100を構成する第1の透明基材110と第1の偏光板210を構成する第2の基材211とを別々に備える構造となっている。
図3(b)に示すように、本発明の第4の実施の形態に係る透過型液晶ディスプレイ300は、防眩性偏光板410、液晶セル220、第2の偏光板230及びバックライトユニット20を備えている。防眩性偏光板410は本発明の防眩フィルム100と、第3の透明基材212とで第1の偏光層213を狭持した構造となっている。このとき、防眩フィルム100が備える第1の透明基材110において、その防眩層120の非形成面に第1の偏光層213が設けられている。すなわち、第3の実施の形態である透過型液晶ディスプレイと対比すると、第1の透明基材110は第2の透明基材211の役目も兼ねる構造となっている。
第2乃至第5の透明基材211、212、231、232としては、第1の透明基材と同様の材料を使用することができる。
第1の偏光層213及び第2の偏光層233としては、例えば、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。
本発明の第3及び第4の実施の形態に係る透過型液晶ディスプレイ200及び300には、他の機能性部材を備えても良い。他の機能性部材としては、例えば、バックライトから発せられる光を有効に使うための、拡散フィルム、プリズムシート、輝度向上フィルムや、液晶セルや偏光板の位相差を補償するための位相差フィルムが挙げられるが、本発明の実施の形態に係る透過型液晶ディスプレイ200及び300はこれらに限定されるものではない。
本発明の第1の実施の形態に係る防眩フィルム100を用いた透過型液晶ディスプレイ200及び300は、高い防眩性を有しながら、ギラツキが抑制され、コントラストの低下も抑えることができる。つまり、視認性に優れた透過型液晶ディスプレイ200及び300を得ることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて詳細に説明する。
実施例として、図1に示す構成の防眩フィルムを製造した。第1の透明基材110には、富士写真フィルム社製TD−80Uであるトリアセチルセルロースフィルムを用いた。防眩層120の形成用塗液としては、バインダマトリックス121の形成材料として、分子内に水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A(アクリル系材料1))を25重量部、分子内に水酸基を有さないジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(アクリル系材料2)を69.5重量部、光重合開始剤として、チバ・ジャパン株式会社社製イルガキュア184を5.0重量部、表面調整剤として、アクリル系添加剤のビックケミージャパン株式会社社製BYK350を0.5重量部ずつそれぞれ使用した。また、アクリル−スチレン共重合体粒子122として平均粒子径RAが6.0μm、屈折率が1.535のアクリル−スチレン共重合体粒子122を18.0重量部使用した。溶媒としては、ジオキソラン30重量部とトルエン70重量部との混合溶媒を使用した。なお、アクリル−スチレン共重合体粒子122はメタクリル酸メチル(MMA)とスチレンとの共重合体粒子である。
これらの、バインダマトリックス121の形成材料とアクリル−スチレン共重合体粒子122と溶媒とを混合して調整した防眩層120の形成用塗液を、ダイコーター塗布装置400を用いて、第1の透明基材110であるトリアセチルセルロースフィルム上に塗布し、塗膜を形成した。形成した塗膜を乾燥し塗膜に含まれる溶媒を除去した。その後、高圧水銀灯を用いて250mJ/cmの紫外線を照射し、塗膜を硬化させ、透明基材110(トリアセチルセルロースフィルム)上に膜厚9μmの防眩層120を備える防眩フィルム100を作製した。
バインダマトリックス121の形成材料として、分子内に水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A(アクリル系材料1))のほかに、分子内に水酸基を有さないモノマー1(アクリル系材料2)を用い、これらの混合比及びアクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒子径R、屈折率n、添加量wを変化させ、それぞれ、防眩層120の形成用塗液を作製し、実施例2〜実施例8及び比較例1〜比較例15とした。これら防眩層の形成用塗液の組成を表1に示す。これらの防眩層120の形成用塗液を用いて、実施例1と同様にして、トリアセチルセルロースフィルム(第1の透明基材110)上に防眩層120を備える防眩フィルム100及び比較のための防眩フィルムを作製した。なお、比較例15については、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PE3A(アクリル系材料1))は用いなかった。
なお、実施例及び比較例にかかる防眩層120の平均膜厚Hは電子マイクロメーター(アンリツ製K351C)により測定した。また、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rは、光散乱式粒径分布測定装置(島津製作所製SALD−7000)を用いて測定した。また、アクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nはベッケ線検出法(液浸法)により測定した。また、バインダマトリックス121の屈折率nは、アクリル−スチレン共重合体粒子122を添加せずに、バインダマトリックス121の形成材料を透明基材上に塗布し、乾燥、紫外線硬化させたものを用い、ベッケ線検出法(液浸法)により測定した。それぞれ防眩層の平均膜厚H、アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径R、バインダマトリックスの屈折率n及びアクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nも表1に示す。
Figure 2010035761
次に、実施例1〜実施例8で得られた本発明の防眩フィルム及び比較例1〜比較例15で得られた比較のための防眩フィルムについて、以下の方法を用いて「コントラスト」、「ギラツキ」、「防眩性」の評価をおこなった。
(コントラスト)
実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例15において得られた本発明の防眩フィルム及び比較のための防眩フィルムを粘着剤を介して液晶モニタ(BUFFALO社製FTD−W2023ADSR)に貼り付け、輝度計(コニカミノルタ社製LS−100)を用いて液晶モニタの白表示時の輝度(白輝度)、黒表示時の輝度(黒輝度)を測定し、白輝度を黒輝度で除した値をコントラストとした。測定環境下は暗室条件及び測定部が200luxとなるように調光した明室条件それぞれで測定した。このとき、液晶モニタに何も貼り付けない状態で測定した値から、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例15において得られた防眩フィルムを貼り付けた状態で測定した値の低下率が、暗室条件下で3%以下、かつ明室条件下で45%以下の場合を「丸印」として示し、暗室条件下で3%を超えた場合または明室条件下で45%を越えた場合の一方または両方を満たした場合を「バツ印」として示した。
(ギラツキ)
蛍光灯を内蔵したライトテーブル上に80ppi〜200ppiのパターンを有するブラックマトリックス(BM)ガラス基板を配置し、その上に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例15において得られた防眩フィルムのギラツキを評価した。このとき、ギラツキがほぼ観察できなくなるBM解像度のうち、最大のものを対応解像度とし、対応解像度が150ppi以上の場合を「丸印」として示し、対応解像度が150ppiに満たない場合のものを「バツ印」として示した。
(防眩性)
実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例15で得られた防眩フィルムを黒色のプラスティック板に粘着剤を介して貼り付けた状態で、防眩フィルムに対して垂直な方向から、1m離れた地点から観察し目視評価した。目視評価の結果、観察者自らの顔が確認されるものの許容される場合を「丸印」として示し、観察者自らの顔が鮮明に写りこむ場合を「バツ印」として示した。
表2に、実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例15で得られた防眩フィルムの「コントラスト」、「ギラツキ」、「防眩性」の評価結果を示す。なお、あわせて、アクリル−スチレン共重合体粒子122の平均粒径Rを防眩層120の平均膜厚Hで除した値であるR/H、および、アクリル−スチレン共重合体粒子122の屈折率nからバインダマトリックス121の平均屈折率nを引いた値と、防眩層120中におけるアクリル−スチレン共重合体粒子122の含有量wと、防眩層120の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hを示す。
Figure 2010035761
以上の結果、実施例1〜実施例8で作成した本発明の防眩フィルムと、比較例1〜比較例15で作成した比較のための防眩フィルムを比較すると、本発明の防眩フィルムである実施例1〜実施例8の防眩フィルムは、高い防眩性を有しながら、ギラツキが抑制され、ディスプレイに使用した際のコントラスト低下の少ない防眩フィルムであることがわかる。
100:防眩フィルム、110:第1の透明基材、120:防眩層、121:バインダマトリックス、122:アクリル−スチレン共重合体粒子、RA:アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径、H:防眩層の平均膜厚、200:透過型液晶ディスプレイ、300:透過型液晶ディスプレイ、210:第1の偏光板、211:第2の透明基材、212:第3の透明基材、213:第1の偏光層、220:液晶セル、230:第2の偏光板、231:第4の透明基材、232:第5の透明基材、233:第2の偏光層、240:バックライトユニット、410:防眩性偏光板、400:ダイコーター塗布装置、310:ダイヘッド、320:配管、330:塗液タンク、340:送液ポンプ、350:回転ロール

Claims (9)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に形成され、前記透明基材と反対側の面に凹凸構造を有する防眩層とを備える防眩フィルムにおいて、
    前記防眩層が水酸基を有するアクリル系材料を含むバインダマトリックスと、アクリル−スチレン共重合体粒子を含み、
    前記アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径Rを前記防眩層の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であり、且つ、前記防眩層中に、前記アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nから前記バインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占める前記バインダマトリックスの含有量wを100重量部とした際の前記アクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wと、前記防眩層の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルム。
  2. 前記防眩層の平均膜厚Hが3μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の防眩フィルム。
  3. 前記水酸基を有するアクリル系材料がペンタエリスリトールトリアクリレートであり、且つ、前記防眩層が、前記バインダマトリックス100重量部に対して、前記ペンタエリスリトールトリアクリレートを18重量部以上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の防眩フィルム。
  4. 透明基材を準備し、前記透明基材上に電離放射線によって硬化するバインダマトリックスの形成材料とアクリル−スチレン共重合体粒子とを含む防眩層の形成用塗液を塗布して、塗膜を形成し、前記バインダマトリックスを電離放射線により硬化して防眩層とする防眩フィルムの製造方法において、
    前記アクリル−スチレン共重合体粒子の平均粒径Rを前記防眩層の平均膜厚Hで除した値であるR/Hが0.30以上0.80以下の範囲内であり、且つ、前記防眩層中に、前記アクリル−スチレン共重合体粒子の屈折率nから前記バインダマトリックスの平均屈折率nを引いた値と、防眩層に占める前記バインダマトリックスの含有量wを100重量部とした際の前記アクリル−スチレン共重合体粒子の含有量wと、前記防眩層の平均膜厚Hとの積である|n−n|×w×Hが0.70以上3.00以下の範囲内であることを特徴とする防眩フィルムの製造方法。
  5. 前記バインダマトリックスはペンタエリスリトールトリアクリレートを含み、且つ、前記防眩層を構成する前記バインダマトリックス100重量部のうち、ペンタエリスリトールトリアクリレートが18重量部以上を占めることを特徴とする請求項4に記載の防眩フィルムの製造方法。
  6. 前記防眩層の形成用塗液はダイコーター法を用いて塗布されることを特徴とする請求項4または5に記載の防眩フィルムの製造方法。
  7. 観察者側から順に、請求項1乃至請求項3に記載の防眩フィルム、第1の偏光板、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットを備え、前記防眩フィルムの前記防眩層が観察者側の表面にあることを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。
  8. 請求項1乃至請求項3に記載の防眩フィルムと、
    前記防眩フィルムの前記透明基材における前記防眩層非形成面に形成された偏光層と、
    第2の透明基材と、
    を備えることを特徴とする防眩性偏光板。
  9. 観察者側から順に、請求項8に記載の防眩性偏光板、液晶セル、第2の偏光板、バックライトユニットを備え、前記防眩性偏光板の防眩層が観察者側の表面にあることを特徴とする透過型液晶ディスプレイ。
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