本発明は、人、車、飛行機などの移動体を適切に誘導するガイド装置に関する。
夜間や暗い場所などでは、例えば、自動車などの車両が道路を安全に走行する、あるいは暗い屋内の駐車場などに安全に駐車するための道路表示装置が設置されていることが望ましい。
このような道路表示装置として、遠方の車両運転者からは水平発光面が良く見える一方、近づいた車両運転者や歩行者には上方発光面が良く見える「自発光式道路鋲」が示されている(例えば、特許文献1参照)。この道路表示装置は道路の適切な設置場所に収納部を設け、該収納部に発光ダイオードを設置し、発光ダイオードから放射される光をファイバにより地上に導き、ファイバの並べ方やカットの仕方により視認性の良い道路表示装置としている。
また、このようなファイバとレーザとを用いて豪雪地帯の路面表示を行うことも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この道路表示装置は、レーザから放射されるレーザビームの直進性等を利用して、積雪などがあっても、雪や氷を通過して路面表示の表示内容が認識できるとしている。
また、道路用の各種ブロック製品に自発光体装置を埋設一体化しファイバケーブルを配置することにより夜間の車や人の識別誘導を容易ならしめる道路用ブロック製品も示されている(例えば、特許文献3参照)。この道路表示装置は、多様な表示方法が可能で、全天候型ソーラー電源を使用しているので、設置場所を伴わず充放電を繰り返しメンテナンスフリーで製品のライフが長いとしている。
しかしながら、上記の従来の道路表示装置の構成では、照明箇所近傍に光源を配置する必要がある。このため、光源を屋外に用いる場合は厳密な防水が必要となる。また、特に、長距離を照明する場合にはコスト的に高くなるという課題があった。さらに、寿命等によりレーザ光源を交換する必要が生じた場合、大規模な道路工事を伴うなど工事期間や費用の面でも課題があった。
特開平7−305313号公報
特開2002−38433号公報
実用新案登録第3036936号公報
本発明は、敷設工事や設置が簡単で低コストでありながら視認性に優れたガイド装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るガイド装置は、移動体を光により導くガイド装置であって、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を伝搬し、前記移動体が往来する路面上でガイド方向に延設されたライン状ガイド部と、を含み、前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬しながらその延設面から当該レーザ光を前記ガイド方向に指向性をもって照射することを特徴としている。
上記の構成によれば、レーザ光源に接続したライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを可能とする。これにより、敷設工事や設置が簡単でメンテナンスも容易な低コストのガイド装置を実現することができる。また、本ガイド装置は、レーザ光がガイド方向に沿って指向性よく照射される。これにより、移動体の運転者などから見やすく視認性に優れたガイド装置を実現することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、及び優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
図3Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Dは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。
図4Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる光学系の構成の一例を示す模式図である。図4Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる光学系の構成の他の例を示す模式図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの構成を示す断面図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの構成を示す平面図である。
図7Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの概略構成を示す説明図である。図7Bは、図7Aのファイバにおける7B−7B線から見た断面図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの概略構成を示す断面図である。
図9Aは、発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。図9Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。図9Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。
図10Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す説明図である。図10Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す断面図である。図10Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す斜視図である。
図11Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置に用いるさらに他のファイバの概略構成を示す説明図である。図11Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置に用いるさらに他のファイバの概略構成を示す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路の路面に沿って設置した例を表す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路のカーブした路面に沿って設置した例を表す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部をトンネル内の道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。
図16Aは、本発明の他の実施の形態に係る他のガイド装置の概略構成図を示す説明図である。図16Bは、本発明の他の実施の形態に係る他のガイド装置における16B−16B線から見た概略構成図を示す説明図である。
図17Aは、本発明の他の実施の形態に係るさらに他のガイド装置の概略構成図を示す平面図である。図17Bは、図17Aのガイドにおける17B−17B線から見た断面図である。
図18Aは、本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成図を示す上面図である。図18Bは、図18Aにおけるガイド装置の概略構成図を示す説明図である。
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
図20Aは、本発明のさらに他のガイド装置の概略構成を示す説明図である。図20Bは、図20Aにおけるガイド装置の接合部の概略構成を示す説明図である。図20Cは、図20Bにおける接合部を固定するための構成の一例を示す説明図である。図20Dは、図20Bにおける接合部を固定する構成の他の例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、説明の便宜上各構成要素を模式的に示しており、形状等については正確な表示ではない場合がある。
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態について、図1ないし図11を参照し、以下に説明する。
図1及び図2は、本実施の形態に係るガイド装置の一構成例として、ガイド装置1を、空港の滑走路の誘導灯として用いた場合について説明する。
図1は、空港の滑走路(路面)11において航空機12(移動体)が矢印12aの方向に着陸する状態を示し、図2は、航空機12(移動体)が矢印12bの方向に離陸する状態を示している。
本実施の形態に係るガイド装置10は、図1及び図2に示すように、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き航空機12が往来する滑走路11上に沿って設置されたファイバ15aからなるライン状ガイド部15とを備えている。そして、このライン状ガイド部15は、レーザ光13を滑走路11に沿った方向に指向性よく照射することにより航空機12を誘導する機能を有している。
本実施の形態のレーザ光源14は、滑走路(路面)11外の管理棟16の屋内に適切に配置されている。
一般に、レーザ光源や駆動回路等の長寿命化を実現するためには、これらの動作温度を常温に保つことが好ましい。そこで、本実施の形態のように、レーザ光源14を屋内に配置することで、夏場の炎天下においても高温下で動作させることがなくなる。また、水や外気および日光などから、レーザ光源14を適切に保護することができる。これにより、レーザ光源14の長寿命化を実現することができ、ひいてはガイド装置10全体の長寿命化を実現することができる。
なお、本実施の形態は、上記の構成に限らず、例えば、滑走路11の下部に適切な保管室を設け、レーザ光源14を当該保管室内に配置してもよい。これにより、管理棟16の屋内に配置する場合と同様に、レーザ光源14を水や外気および日光などから適切に保護することができる。
また、寿命等によりレーザ光源14を交換する必要が生じた場合でも、発光部であるファイバ15a部は交換する必要がなく、管理棟16内のレーザ光源14のみを交換すれば足りる。このため、滑走路11上の航空機12の存在を気にすることなく、いつでもレーザ光源14の交換を実施することができるという利便性の向上が実現できる。さらに、交換場所も一箇所であるため、交換にかかる工程数等を削減することができる。レーザ光源14の設置場所については、高温にならない場所で、容易に交換ができる場所であれば、管理棟や保管室内に限られないのは言うまでもない。
一方、ライン状ガイド部15は使用目的から屋外に配置され、管理棟16の内のレーザ光源14に接続されている。ライン状ガイド部15は、レーザ光源14から出射したレーザ光13をファイバ15aの内部に伝播させる。このライン状ガイド部15を構成するファイバ15aは、絶縁性の石英ガラスや樹脂などの材料からなり可撓性に富んでいる。このため、例えば、図1及び図2で示すように、ライン状ガイド部15は空港の滑走路11に沿って縦横自在に所望の場所に設置することができる。
本実施の形態のガイド装置10は、上記の通り、レーザ光源14等を、水や外気および日光などの影響を避けるため、管理棟16の屋内の適切な位置に配置している。このため、ガイド装置10を、長期間安定的に動作させることができる。
図3A及び図3Bは、本ガイド装置10で用いられるファイバの構成例を示す断面図である。
図3Aに示すファイバ15bは、コア15cのみからなり、石英ガラス、樹脂等の絶縁性の透明材料から形成されている。コア15cは、例えば、屈折率がコア15cと異なるビーズ等の拡散材15dを含んでいる。レーザ光13は、レーザ光13aとしてファイバ15b中を伝播する。そして、このレーザ光13aの一部は拡散材15dにより進路を曲げて、ライン状ガイド部15に沿った前方方向に指向性よくレーザ光13bとして照射される。
図3Bに示すファイバ15aは、コア15c及びクラッド15eから構成されている。同図に示す例では、ファイバ15aを構成するコア15cとクラッド15eの双方が拡散材15dを含んでいる。しかしながら、本実施の形態に係るファイバ15aは、上記の構成に限定されない。例えば、通常用いられるファイバと同様に、コア15cの屈折率をクラッド15eよりも高く設定した場合は、コア15cが拡散材15dを含んでいればよい。一方、クラッド15eの屈折率をコア15cの屈折率より高く設定した場合は、クラッド15e又はコア15cの何れか一方が拡散材15dを含んでいればよい。図3Bに示すファイバ15aでも、図3Aのファイバ15bの場合と同様に、レーザ光13は、レーザ光13aとしてファイバ15a中を伝播しつつ、その一部が拡散材15dにより進路を曲げてファイバ15aから出射される。これにより、ライン状ガイド部15に沿った前方方向に指向性よくレーザ光13bとして照射されることとなる。
このように、クラッド15e又はコア15cの何れか一方が拡散材15dを含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部を実現できる。そして、この構成において、ファイバ15内における拡散材15dの配置や密度を適切に設計することにより、所望のレーザ光13を容易に指向性よく照射することができる。
図1及び図2に示す本実施の形態に係るライン状ガイド部15は、滑走路11上に沿って設置されたファイバ15aからなる。このファイバ15aは、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。
本実施の形態に係るファイバは、図3Cに示すファイバ15fのように、伝播部分Aに被膜を施し、当該伝播部分A内には拡散材15dを含めない構成とすることが好ましい。これにより、レーザ光13は伝播部分Aを低損失で伝播することができる。一方、照射部分Bには、拡散材15dを含めることにより、レーザ光13を指向性よく照射することができる。
ここで、ファイバのうち滑走路11に沿って配置された全ての部分が照射部分Bになっていてもよいし、図3Cに示すように、一部のみが照射部分Bとなっていてもよい。この場合、照射部分Bのみに拡散材15dが含まれて、この照射部分Bのみが被覆15gが除かれているように構成してもよい。この場合、照射部分B以外は伝播部分Aとなっており、被覆が施されて低損失で照射部分Bから次の照射部分Bまでの間を低損失でレーザ光13を伝播させている。
また、上記の照射部分Bと伝播部分Aとが短い周期で繰り返し形成されてなるファイバの場合、下流になるほど照射部分Bの割合を増やすことで、ファイバの全領域において均一な輝度の照明をすることが出来る。即ち、下流になるほどファイバ内を伝播するレーザ光の光量は減少する。そこで、上記のように、ファイバ内の照射部分Bの割合を増加することにより、出射するレーザ光の輝度を補償することができるため、均一な輝度の照明を実現することができる。また、ファイバ内の全領域を照射部分Bとする場合、単位長さ当たりの拡散材15dの量をファイバの下流側ほど増大させることが望ましい。上記の構成によれば、レーザ光の光量は減少する下流側に向かって、拡散材15dの単位長さ当たりの量を多くすることにより、取り出されるレーザ光の量を増やすことができるため、上記の構成と同様にファイバの全領域において均一な輝度の照明を実現することができる。
また、図3Aないし図3Cに示す構成において、各ファイバ15a、15b、及び15fの周囲をミラーで覆うことが好ましい。これにより、レーザ光13をさらに指向性良く出射することができる。この結果、ファイバの全領域において、さらなる視認性及び照射効率の向上を図ることができる。図3Dは、ファイバ15aとミラー15xを含む一構成例を示す断面図である。ファイバ15aの周囲にミラー15xを配置する場合、ミラー15xとして例えば放物面鏡を用いることが好ましい。これにより、ファイバ15aから出射してミラー15xで反射したレーザ光13bを略同一方向に出射させることが出来る。拡散材15dが含まれる領域の径(図3のファイバ15aであればクラッドの径)が小さければ小さいほど好ましい。これは、拡散材15dが含まれる領域の径は小さいほど放物面鏡で反射されたレーザ光15xの指向性が高くなるからである。そこで、一般にファイバのコア径及びクラッド径は小さいため、本実施の形態の様にライン状ガイド部としてファイバを用いることが好ましい。
図4Aは、本実施の形態のガイド装置10で用いられるレーザ光源14及びこのレーザ光源14からのレーザ光13を導波するファイバ15hなどの光学系の一構成例を示す模式図である。図4Bは、図4Aに示す光学系のファイバ15hの一構成例を示す断面図である。
図4Aに示すようにレーザ光源14は、少なくとも赤色レーザ光(R光)13Rを出射する赤色レーザ光源(R光源)14R、緑色レーザ光(G光)13Gを出射する緑色レーザ光源(G光源)14Gおよび青色レーザ光(B光)13Bを出射する青色レーザ光源(B光源)14BからなるRGB光源を含む構成としている。具体的には、R光源14RおよびB光源14Bには、例えば波長640nmおよび波長445nmのR光13RおよびB光13Bを出射する高出力半導体レーザを用い、G光源14Gには波長535nmのG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いている。
上記の構成によれば、色再現性に優れた色彩豊かなレーザ光13を照射することができるため、ガイド装置10の視認性をさらに高めることができる。
また、ライン状ガイド部15を構成するレーザ光源14として、RGB光源を含まないレーザ光源を用いる場合、少なくともG光源14Gを含む光源を用いることが好ましい。この場合、波長535nm付近のG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いることが好ましい。この構成により、人の眼に対して視感度が高い緑色のレーザ光13を利用することができるので効率よく低消費電力で視認性を高めることができる。
図4Aのレーザ光源14から出射するレーザ光13は、コリメートレンズ14aにより平行光線に変換される。そして、コリメートレンズ14aにより平行光線に変換されたレーザ光13は、さらに対物レンズ14bによりファイバ15aに集光されて結合する。そして、複数のファイバ15aは、ファイバ15h(本実施の形態ではバンドルファイバ)にまとめられてライン状ガイド部15として使用される。
図4Bは、ファイバ15hの一構成例を示している。即ち、中央にG光13Gを導波するファイバ15Gが設けられ、それを囲んでR光13R及びB光13Bをそれぞれ導波するファイバ15R及びファイバ15Bが設けられている。これらのファイバ15R、15G及び15Bは、クラッド15jにより一体化されている。
ここで、レーザ光源14にシングルモードレーザを使用した場合には、ライン状ガイド部15から外部に照射されるレーザ光13のスペックルノイズに起因する揺らぎを利用することができる。即ち、レーザ光13がスペックルノイズにより時間的または空間的に揺らいで見えるので、ライン状ガイド部15からのレーザ光13の視認性をさらに高めることができる。
また、上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置10を実現することができる。
図5は、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバの他の構成例を示す断面図である。
ファイバ17は、図5に示すように、レーザ光13aを伝播させるコア15c及びクラッド15eから構成されている。ファイバ17は、滑走路11(図1参照)に沿ってコア15cに入射されたレーザ光13を、クラッド15eから外部に出射するための複数のミラー(またはプリズム)15pをさらに備えている。
上記の構成により、レーザ光13bをさらに容易に指向性よく照射することができる。なお、このファイバ17についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、図5に示すファイバ17を含み、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、を交互に配置して、ライン状ガイド部を構成してもよい。
図6は、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を示す平面図である。図6に示すように、レーザ光源14に直接接続されたファイバ18は、複数の分岐ファイバ18a(本実施の形態では4つ)に分岐している。そして、各分岐ファイバ18aは、さらに平面状に整列された複数の枝ファイバ18bから構成されている。この構成により、滑走路11に沿って線状ではなく面状にレーザ光13bを照射することが可能となるため、視認性のさらなる向上を実現することができる。なお、本ファイバ18は、上記の構成に限らず、例えば、分岐ファイバ18aを介さずに直接平面状に整列された複数の枝ファイバ18bが接続された構成としてもよい。この場合、レーザ光13bを、滑走路11に沿って平面状に照射する構成としてもよい。
図6に示すファイバ18についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと含む構成としてもよい。
図7Aは、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を示している。ファイバ20は、図7Aに示すように、複数のループ21A、21B、21Cを形成している。ファイバ20に入射されたレーザ光13は、まず、ループ21Aを伝播する。このループ21Aで、コアとクラッドとの境界とクラッドと外気との境界とで全反射条件を超えると、レーザ光13bはファイバ20から放射状に出射され、ループ21Bへと伝播される。そして、ループ21Aの場合と同様に、コアとクラッドとの境界とクラッドと外気との境界とで全反射条件を超えると、レーザ光13bはファイバ20から放射状に出射され、ループ21Cへと伝播される。そして、ループ21Cを通過する際に全反射条件を超えると、ファイバ20外に出射される。ここで、ファイバ20の下流側になるほどファイバ20内を伝播するレーザ光量が減少する。そこで、図7Aに示すように、ファイバ20の下流側ほどループ径を小さくすることが好ましい。これにより、ファイバ内で全反射条件を超えやすくなり、均一な光量で出射することができる。
図7Bは、図7Aの7B-7B断面での断面図である。図7Aに示すファイバ20の構成において、図7Bに示すように、ファイバ20の周囲にミラーを配置することが好ましい。この構成によれば、例えば、ファイバ20に沿って放物面鏡15xを配置する場合、図7Bに示すように、円周外側に出射したレーザ光13bは、放物面15xにより反射して所定の角度内で放射状かつ上向きに出射させることが出来る。このため、ファイバ20内に拡散材を含めなくても、ファイバから指向性を持たせてレーザ光を取り出すことが出来る。これにより、ガイド装置のさらなる低コスト化を実現することができる。
図8は、本実施の形態のガイド装置10に用いる他のファイバの概略構成を示している。図8に示すように、ファイバ30は、内部が中空であるクラッド31と、当該クラッド31に注入される液体32及び液体33とを含んでいる。液体33は、拡散材35(例えばポリスチレンやポリメタクリル酸メチル等で出来た粒径数ミクロン程度の透明な微粒子)を含む透明な液体である。液体32には、前記液体33と混じらない液体を用いる。例えば、液体33として水を用いた場合、ジクロロメタン、ヘキサン等無極性溶媒を用いることができる。これらの液体32及び液体33は、コアに相当する。
上記構成のファイバ30における光の入射側と反対側の端面は、ポンプ34に接続されている。ポンプ34は、内部に液体32と、拡散材35を含む液体33とを収容しており、制御部36の制御により、所望のタイミングで液体32と、拡散材35を含む液体33とを交互にクラッド31内へ吐出するように構成されている。これにより、図8に示すように、ファイバ30内の任意の位置に拡散材35を含む液体33を配置することが出来る。この状態で、ファイバ30におけるポンプ34が設けられている側の反対側(図中左側)からレーザ光13を入射すると、拡散材35を含まない液体32内では、レーザ光13は効率よく伝播する。
また、これらの液体32や液体33の屈折率がクラッド31の屈折率よりも大きい場合、液体32や液体33に入射したレーザ光13は、通常見られる石英ファイバ等の様にクラッド31と液体32との境界面、及びクラッド31と液体33との境界面で全反射して進行する。この場合、入射したレーザ光13が液体33に到達すると、液体33の内部の拡散材35で拡散し、ファイバ30外に出射する。ファイバ30の各位置から出射する光量は、図3Cのファイバ15fの場合と同様に、拡散材35の密度を調整したり、液体32及び液体33の割合を調整してポンプ34から吐出させることで、任意に設定することができる。
さらに、レーザ光13がファイバ30に入射されている状態でポンプ34を駆動することで、液体32及び液体33を、ファイバ30内で移動させて調整することが出来る。これにより、照明する位置を、所望の位置に調整することができる。
さらに、同様の構成のファイバを3本バンドルし、各ファイバにそれぞれ赤色、青色、緑色のレーザ光を一色ずつ入射し、各ファイバの色を組合せる構成としてもよい。これにより、任意の位置を任意の色で照明することができる。
一方、コアとしての液体32や液体33の屈折率がクラッド31の屈折率よりも小さい場合、ファイバ30に入射したレーザ光13は、液体32及び液体33と、クラッド31との境界面ではなく、クラッド31と外気との境界面で全反射しながらファイバ30内を伝播することになる。この場合、ファイバ30内で液体33の位置に到達した場合でも、その時にクラッド31内に存在している光は拡散されずに通過することになる。
そこで、クラッド31の断面積を、コアに相当する液体32及び液体33が注入された箇所の断面積よりも相対的に大きくすることが好ましい。この場合、ファイバ30の遠方までレーザ光を到達させることが可能になるため、遠方まで少しずつ拡散させたい場合に有効である。尚、本実施の形態では、液体32及び液体33の2種類の液体を用いた構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。3種類以上の液体を用いてもよく、また、1種類の液体に対して、拡散材35を含めても構わないことは言うまでもない。1種類の液体に対して拡散材35を含めた場合は、図3Bのファイバ15aを用いた場合と同様の効果を奏する。また、図8に示す構成では、液体32には拡散材35を含めなかったが、液体32として、拡散部35を含めたものを用いてもよい。この場合、隣接する液体32と液体33とで、拡散材の密度を変更したり、粒径を変えることにより、異なる輝度で発光させることが可能である。また、3種類以上の液体を用いることで、さらに異なるパターンで発光させることも可能である。
図8では、液体33が拡散材35を含む構成について説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限らず、例えば、拡散材に代えて蛍光体(例えば、ナノシリコン、ZnS:Ag(青)、Zn2SiO4:Mn(緑)、Y2O3:Eu(赤)等)を含める構成としてもよい。この場合、蛍光体の種類を変えたり、ナノシリコンの場合は、粒径を変えることで、例えば、青色のレーザ光を入射した場合に、赤色に発色させたり、緑色に発色させたりすることが可能になる。即ち、単一のファイバでありながら、任意の位置に任意の色の発光をさせることが可能になる。また、このように、拡散材に代えて蛍光体を用いた場合も、拡散材を用いた場合と同様に、液体32及び液体33の各屈折率と、クラッドの屈折率との大小による効果や、3種類以上の液体を用いた場合の効果を得ることができる。
尚、液体32及び液体33の種類については、透明性を有し、かつ互いに溶け合わない液体であれば、上記の例に特に限定されない。
図9Aないし図9Cは、本実施の形態に係るガイド装置10に用いる他のファイバの概略構成図である。図9Aのファイバは、レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバテーパファイバ40であり、テーパファイバ40の太い側からレーザ光13を入射する。
一般に、出射するレーザ光を略平行に近づける目的で、テーパファイバ40の細い側からレーザ光を入射し、太い側から出射させて使用する場合がある。しかしながら、図9A及び図9Bの構成では、上記の通り、レーザ光13を太い側から入射している。これにより、テーパファイバ40内を進行するレーザ光13を徐々にファイバ40外に取り出すことが可能になる。
図9Aに示す様に、テーパ角θを持つテーパファイバ40内に角度φで入射したレーザ光13は、テーパファイバ40の端面で反射する度にその角度が2θずつ大きくなる。そして、テーパファイバ40の端面での反射を繰り返すうちに、当該テーパファイバ40と外気との境界面での全反射条件を超えると、レーザ光13は、テーパファイバ40の外部に出射される。
図9Aに示すテーパファイバ40についても、図3Bに示すように、拡散材15dを含むクラッドで覆って外部に出射したレーザ光13を図3Bの構成のように、拡散材15dを含むクラッド15eで覆う構成としてもよい。この場合、レーザ光13を、さらに拡散させて出射させることができるため、テーパファイバ40からレーザ光13を簡便に取り出すことができる。
また、通常、テーパファイバ40は、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を低くすることで、コアとクラッドとの端面で全反射を発生させて光を遠方まで伝送させている。しかしながら、本実施の形態のように、テーパファイバ40から光を取り出す場合、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を高くすることで、均一な分布で長い領域に渡ってテーパファイバ40から容易に光を取り出すことが可能となる。
例えば、低屈折率物質(例えば空気:屈折率1.0)から、高屈折率物質(例えばアクリル樹脂等:1.5)に光が入射する場合、光の透過率は例えば入射角が42°から37°のわずか5°の範囲内で透過率(S、P各偏光の平均)が0から90%に変動する(図9Bの(1)参照)。このことからも分かる様に、テーパファイバ40内で反射を繰り返すとレーザ光13のクラッドへの透過率が急激に上昇する。このため、長い領域に渡って均一に出射することが困難になる。
しかしながら、逆に高屈折率物質(上と同じく例えば1.5)から、低屈折率物質(同じく1.0)に入射する場合、同じく透過率(S、P各偏光の平均)が0から90%に変動するのは、入射角が90°から60°までの約30°の範囲内(図9Bの(2)参照)と各段に広くなる。このことからもわかる様に、ファイバ40内で反射を繰り返しても透過率は、急激に上昇することはない。このため、ファイバ40内を伝播する光のクラッドへの透過によるコア内のレーザ光の減少と、反射の繰り返しによる入射角の低下による透過率の上昇とが相殺されて、長い領域に渡って均一な照明が可能になる。
例えば、テーパ角θが0.02°で、太い側のコア半径が500ミクロン、長さが1mで、コアの屈折率が1.44、拡散材を含んだクラッドの屈折率が1.49のテーパファイバに対して、ビーム半径400ミクロン(1/e^2)で広がり角0.5°(半値:1/e^2)のガウシアン分布を持つビームが入射した場合、ファイバの全長のほぼ全域に渡って輝度ばらつき20%の範囲で光らせることが可能になる。
また、同じファイバでコアの屈折率を1.0(即ち中空)にした場合も、ビーム半径400ミクロン(1/e^2)で広がり角0.9°(半値:1/e^2)のガウシアン分布を持つビームが入射した場合、ファイバの全長ほぼ全域に渡って輝度ばらつき20%の範囲で光らせることが可能になる。さらに、光らせたい長さや、用いるファイバの特性(屈折率、コア径等)等に応じて様々な組み合わせを設定することが出来ることは言うまでもない。
尚、上記の例では、テーパファイバにおけるコアの屈折率をクラッドの屈折率よりも低くする場合について説明した。しなしながら、テーパを形成していない通常のファイバの場合も、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を高くすれば、ファイバ端面に対する入射角は変わらないものの、テーパファイバの場合と同様に、少しずつファイバ外に光を取り出せる効果を有することは明確である。したがって、テーパを形成していない通常のファイバの場合も長い領域に渡ってレーザ光を出射することができる。
さらに、テーパファイバ40の場所によってテーパ角θを変えることが好ましい。この場合、任意の位置で出射する光量を調整することが可能になる。即ち、輝度の低い箇所のテーパ角θを大きくすることで、その位置から出射するレーザ光の強度を大きくすることができ、さらに均一なレーザ光を得ることが出来る。
上記の構成において、図3Cの場合と同様に、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。この場合、図9Aに示すように、テーパファイバ40を照射部分Bとして、当該照射部分Bに、伝播部分Aとしてテーパを形成していないファイバを接続すればよい。即ち、テーパを形成していないファイバの中では、レーザ光の角度はそれ以上増大しない。このため、テーパを形成していないファイバでは、全反射条件を超えることはなくなるため、レーザ光は出射されない。したがって、テーパファイバ40の部分を照射部分Bとして用いる一方、テーパを形成していない部分を伝播部分Aとして用いれば、図3Cの構成のように、照射部分と伝播部分とを設けることができる。
図9Cは、図9Aで説明したテーパファイバ40を用いてさらに均一かつロスの無い照明を可能にするファイバの構成図である。テーパファイバ40の太い側には、テーパファイバ40の太い側の径よりも細いファイバ41を接続している。一方、テーパファイバ40の細い側には、テーパファイバ40の細い側の径と同じ径のファイバ42を接続している。さらに、ファイバ42における前記テーパファイバ40の細い側に接続された側と反対側の端部は、テーパファイバ40の太い側に接続している。
ファイバ41に入射され、ファイバ41から出射したレーザ光13は、テーパファイバ40に入射される。テーパファイバ40内に入射したレーザ光13は、テーパファイバ40内を伝播しながら図9Aに示すように、少しずつテーパファイバ40外に取り出される。一方、テーパファイバ40内に残ったレーザ光13はファイバ42に入射される。このように、ファイバ42を緩やかにテーパファイバ40の太い側に戻すことで、ファイバ42内を伝播するレーザ光13を、ロスなくテーパファイバ42の太い側に戻すことができる。その後、レーザ光13は、テーパファイバ40から取り出されるまで、テーパファイバ40とファイバ42とのループ周回を繰り返す。これにより、入射されたレーザ光13をロスなく照明に用いることができる。また、テーパファイバ40に拡散材を含めない場合でも、テーパファイバ40内では僅かながら内部に有する不純物による光の散乱が発生し、テーパファイバ40から僅かずつレーザ光を取り出すことが出来る。
また、テーパファイバ40にテーパを形成しない場合であっても、テーパファイバ40とファイバ42とで構成したループをわずかずつ散乱しながら周回することができる。これにより、テーパファイバ40とファイバ42とを均一に光らせることが可能になる。
図10Aないし図10Cは、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を模式的に示す側面図である。この構成例では、図10Aに示すように、電源14は、管理棟16の中に収容され、当該管理棟16の電源14cに接続されている。そして、この電源14にファイバ50が接続されている。
このファイバ50は、図10Aに示すように、管理棟16の外で分岐され、各分岐ファイバの先端部50aがさらにレーザ光13bを面状に照射する導光板51に接続されている。この導光板51の散乱部51aにより散乱されたレーザ光13bは、例えば、図10Bに示すようなプリズムシート51bにより外部に指向性よく取り出すことができる。
この場合、レーザ光13bを面状にも照射可能であるため、当該レーザ光を前記路面11上で幅を持って照射することができる。この結果、視認性のさらなる向上を実現することができる。
さらに、図10Cに示す様な構成を取ることで、各ファイバに接続された導光板51の色及び強度を任意に設定することができる。即ち、ファイバ50としてバンドルファイバを用い、このバンドルファイバを構成する個々のファイバ55を、各導光板に接続する。レーザ光13は赤、青、緑の三色のレーザ光を混合しており、図10Cの様にロッドインテグレータ52内で断面内の強度分布が赤色、青色、緑色とも略均一化されて空間変調素子53に照射する。空間変調素子53の各画素を透過したレーザ光は、マイクロレンズアレイ54を通過することで、バンドルファイバを構成する個々のファイバ55の入り口に対して結像し、カップリングする。この構成において、空間変調素子53の各画素における各色の透過率を制御することで、各ファイバ55に入射するレーザ光の光量、色を制御することが可能になるため、各導光板51から出射するレーザ光の色、強度を任意に設定することが可能になる。
また、図10の導光板51に代えて、図11A及び図11Bに示す導光シート60を用いてもよい。この場合、簡便に広範囲を照明することが可能になる。導光シート60は、図11Aに示すように、切れ目を列ごとに交互に設けている。この状態で図中矢印(1)の方向に導光シート60を引くと、図11Bの様に導光シート60は網目状に延伸され、複数の穴部61を設けることができる。
導光シート60にファイバ55を接続し、この状態でファイバ55から導光シート60にレーザ光13を入射すると、導光シート60内にレーザ光13が伝播する。そして、レーザ光13の一部は、導光シート60を矢印(1)の方向に引いたことにより発生する穴部61近傍の上方向を向いた断面62からレーザ光13bとして指向性良く出射させることが可能になる。
また、矢印(1)の方向に引く強さを変えることで、出射するレーザ光13bの向きを変えることも出来る。また、本実施の形態の様に路面上に配置する場合に、例えばファイバ55を網目状に配置してライン状ガイド部として用いた場合、もしファイバの上を移動体が通過すると、ファイバが切断する可能性がある。その場合、切断されたファイバでは、切断位置より下流側においてはもはやライン状ガイド部としてレーザ光が出射されない。
そこで、上記の導光シート60を用いることにより、仮に伝搬路の一部が切断されたとしても、別の箇所からレーザ光が回りこむため、伝搬路の切断位置より下流側でもレーザ光を出射させることができる。これにより、簡便な構成で広範囲に指向性良くレーザ光を出射ことができ、かつ信頼性の高いガイド装置を実現できる。
上記の構成において、導光シート60を延伸する前に、導光シート60の上面及び下面に金属等で反射膜を設けることが好ましい。これにより、導光シート60内で光をさらに確実に閉じ込めることができるため、さらに、低損失で効率よく伝播することができるファイバを構成することができる。
上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置10を実現することができる。
なお、上記図10Aのファイバ50についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと含む構成としてもよい。
また、図10Bのプリズムシート51bは、集光作用を持っていれば上記の構成に限定されるものではなく、例えば、フレネルレンズシート、レンズアレイシート等を用いてもよい。
(実施の形態2)
本発明の他の実施に形態について、図12ないし図17を参照し以下に説明する。
図12は、本実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す上面図である。図13は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。図14は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路のカーブした路面に沿って設置した例を表す斜視図である。図15は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部をトンネル内の道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。
図12に示すガイド装置100は、夜間または屋内の駐車場の路面101において、自動車102が駐車する際、または駐車していた自動車102が駐車場から出る際の路面101の誘導灯として用いられる。
図12に示すように、本実施の形態のガイド装置100は、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き自動車(移動体)102が往来する路面101上に沿って設置されたファイバ103からなるライン状ガイド部104とを備えている。このライン状ガイド部104は、レーザ光13を路面101に沿った方向に指向性よく照射することにより自動車(移動体)102を駐車方向又は駐車場から出る方向に導いている。
自動車102が矢印102aの方向にバックして駐車場の路面101に沿って車止め105まで進んで駐車する際に、ライン状ガイド部104のファイバ103からレーザ光13が照射される。このように、レーザ光13は、矢印102aの進行方向に沿って指向性よく照射される。これにより、自動車102の運転者は、駐車場のライン状ガイド部104の位置や方向を視認性よく認識することができる。
なお、レーザ光源14及びこれを駆動するための電源14cは、管理ボックス106内に配置されている。この管理ボックス106は、駐車場に隣接した路面101外または路面101下部に設けられており、外気や雨などを遮断した状態で設置されている。また、ライン状ガイド部104を構成するファイバ103と、レーザ光源14とを接続するファイバ103aとは、ここでは図12に示すように、路面101より下に埋設されている。
一方、自動車102が矢印102bの方向に進行して駐車場から出る場合、運転者はレーザ光13が矢印102aの進行方向に沿って指向性よく照射される。これにより、運転手は、駐車場のライン状ガイド部104の位置や方向を視認性よく認識することができるため、安全に駐車場から出ることができる。
このような構成とすることにより、本実施の形態と同様に工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置100を実現することができる。また、本ガイド装置100は、レーザ光13が路面101に沿って指向性よく照射されるので自動車102の運転者などから見やすく視認性に優れている。また、レーザ光源14を水や外気および日光などから適切に保護することができ、装置を長寿命化することができる。
さらに、例えば壁面にセンサをつけておき、自動車102の壁面までの距離を検知し、自動車102と壁面までの距離に従ってレーザ光13の色を自由に変えることにより、例えば駐車時や出庫時に自動車102が壁面へ一定距離以上近接した場合に運転者に警告することで、安全運転にも効果を有する。
図13は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。ライン状ガイド部110は、図13に示すように、高速道路や一般道路の路面101に沿って設置され、車線のラインとして用いている。このライン状ガイド部110は、図3Aないし図3Cに示すファイバ15a、15b、15f等の実施の形態1で示した構成を適用してもよい。
例えば、図3Bのファイバ15aの構成を適用した場合、ライン状ガイド部110は、ファイバを構成するコアおよびクラッドの少なくとも何れか一方が拡散材を含む構成とすることが好ましい。
このように、コア及びクラッドの少なくとも一方に拡散材を含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部110を実現できる。そして、この構成において、ファイバ内における拡散材の配置や密度を適切に設計することにより、自動車102が進行する矢印102cの方向に沿ってレーザ光13を、容易に指向性よく照射することができる。これにより、夜間においても自動車102を運転する運転者は視認性よく車線のラインとしてのライン状ガイド部107を認識することができ、安全に運転することができる。また、一般に追い越し可能な高速道路や一般道路では、センターラインは破線で示されている(高速道路では白線8メートル、間隔12メートル。一般道路では白線、間隔ともに5メートル)。
したがって、以下のように、上述した実施の形態に係るファイバを適用することができる。
すなわち、図3Cに示すファイバ15fの構成を適用した場合、白線に相当する部分には拡散材15dを含む照射部分Bを配置し、間隔に相当する部分には伝播部分Aを配置すれば、例えば、道路のセンターラインに好適に適用することができる。
同様に、図5に示すファイバ17の構成を適用した場合、白線に相当する部分にはミラー(もしくはプリズム)15pをアレイ状に有する部分を配置し、間隔に該当する部分にはミラー(もしくはプリズム)15pのないファイバを配置すれば、道路のセンターラインに好適に適用することができる。その他の構成のファイバ(20、30、40等)を用いた場合についても同様である。
尚、図13の構成でも、実施の形態1及び本実施の形態の図12に示す構成と同様に、レーザ光源14及び電源14cは、高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、料金所、一般道路の定められた場所などに設置された管理棟(図示せず)や管理ボックス(図示せず)等の中に配置されている。
図13の例では、道路を走行する自動車を用いて説明したが、本実施の形態はこれに限定するものではなく、例えば自転車道路や歩道脇のラインとして、その他横断歩道のライン等にも同様に用いることができるのは言うまでもない。
図14は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。図14のライン状ガイド部110は、高速道路や一般道路のカーブした路面101aに沿って設置されている。図14に示すように、路面101がカーブしていても、図3に示すファイバ15a、15b等の構成を適用すれば、当該ファイバの可撓性を利用してライン状ガイド部110を路面101に沿って敷設することができる。なお、図14のライン状ガイド部110に適用可能なファイバは、上記ファイバ15a及び15bに限らず、例えば、実施の形態1で説明した他のファイバも適用できることは言うまでもない。
また、ファイバから出射されるレーザ光13が自動車102の前方から照射されるように、レーザ光13のファイバに対する入射方向を選択することが好ましい。この場合、図中、矢印102dの方向に運転する自動車102を運転者に対し、レーザ光13をさらに容易に指向性よく照射することができる。この結果、自動車102を運転者は、夜間においても視認性よくカーブした車線のラインとしてのライン状ガイド部110を認識することができ、運転者は、安全に自動車102を運転することができる。
図15は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。図15に示すライン状ガイド部110は、トンネル111内の路面101のセンターライン112や側壁113に沿って、敷設されている。図15のライン状ガイド部110として、図3A及び図3Bに示すファイバ15a及びファイバ15bの構成を適用することが好ましい。
この場合、レーザ光13をさらに容易に指向性よく照射することができるため、外に比べて暗いトンネル内においても、自動車102を運転する運転者は視認性よくトンネル内の車線のラインとしてのライン状ガイド部110を認識することができる。この結果、暗いトンネル内でも、運転者は、安全に自動車102を運転することができる。なお、図15のライン状ガイド部110にも他のファイバ(20,30, 40等)を適用できることは言うまでもない。
なお、図12ないし図15に示す各ライン状ガイド部104及び110ついても、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとを含む構成としてもよい。
図16Aは、本実施の形態に係るガイド装置の他の構成例を示す平面図であり、図16Bは、図16Aの16B−16B線から見た断面図である。
図16Aに示すガイド装置130は、路面101に沿って2つの車線に並行して敷設されたライン状ガイド部121を備えている。なお、レーザ光源14及び電源14cは、道路の定められた場所等に設置された管理棟(図示せず)や管理ボックス(図示せず)などの中に実施の形態1および図8に示す構成と同様に配置されている。本ライン状ガイド部121は、レーザ光13を伝搬する伝搬ライン122と、ファイバ(伝搬ライン)122におけるレーザ光13の出射側の面に接触可能に設けられて当該ファイバ122からレーザ光13の一部を外部へ取り出す接触部123とを含むことが好ましい。
ここで、ライン状ガイド部121の動作について説明する。ファイバ122に入射されたレーザ光13は、ファイバ122の中を伝播して接触部123aの直下に到達する。接触部123aの屈折率は、ファイバ122の屈折率よりもわずかに高く設定されている。これにより、ファイバ122から接触部123aにレーザ光13の一部が入射し、レーザ光13の残りは継続してファイバ122内を伝播する。接触部123aに入射したレーザ光は、接触部123aが内部に拡散材を含む場合は、前方に散乱される。拡散材を用いた構成以外でも、例えば、実施の形態1の図10Aで説明したように、プリズムシートを用いれば、接触部123a内で拡散した光を、所定の方向にさらに指向性良く出射させることが出来る。ファイバ122内を伝播している残りのレーザ光13も、次の接触部123aに到達すると、同様に出射させることが出来る。
さらに、本実施の形態に係る接触部123bは、通常はファイバ122に接触していないが、例えば周囲が暗くなった場合等、必要に応じて下に降ろしてファイバ122に接触させることで、前述の接触部123aの場合と同様に接触部123bからもレーザ光13bを出射させることができる。この場合、周囲の明るさに応じて照明される場所の密度を調整することができるため、夜間でも自動車102を運転する運転者は視認性よく路面101に沿ったライン状ガイド部121を認識することができる。この結果、運転者は、安全に自動車を運転することができる。
図17Aは、本実施の形態に係る他のガイド装置の構成例を示す平面図であり、図17Bは、図17Aの17B−17B線から見た断面図である。
図17A及び図17Bに示すガイド装置は、図16A及び図16Bのガイド装置とほぼ同じ構成であるが、ライン状ガイド部131を構成するファイバ132が路面101上に沿って折り返して並列配置されている点が異なっている。図17のガイド装置130は、図16に示すガイド装置120と同様に、本ライン状ガイド部131が、レーザ光13を伝搬する伝搬ライン132と、伝搬ライン132におけるレーザ光13の出射側の面に接触可能に設けられて当該ファイバ(伝播ライン)132からレーザ光13の一部を外部へ取り出す接触部123とを含むことが好ましい。
ファイバ132に入射したレーザ光13が接触部123aの直下に到達すると、その一部が接触部123a内に入射して外部にレーザ光13bとして出射される。
ライン状ガイド部131は、レーザ光源14からの距離が遠ざかるほどにその延設面から出射されるレーザ光13は少なくなるが、上記のように折り返して並列的に配置されたライン状ガイド部132では、レーザ光源14からの距離が近い部位と遠い部位とが並列的に重なり合い、路面に沿った各位置からのレーザ光の照射強度をほぼ均一にすることが可能であり、視認性を向上させることができる。
一方、ファイバ132内に残ったレーザ光13は、別の接触部123aに到達して、同様に接触部132a外に取り出される。ここで、本ガイド装置130においては、ファイバ132を、折り返して敷設している。このため、レーザ光13が接触部123aに入射する向きを逆にして、再度同一の接触部123aに入射することになる。ファイバ132内を伝播するレーザ光13の光量は、接触部123aにファイバ132が接触する度に減少するため、ファイバ132の上流の接触部123から出射する光量は、下流側の接触部123から出射する光量より多くなる。そこで、本ガイド装置130は、ファイバ132を折り返して敷設している。これにより、各接触部はそれぞれ二回ファイバ132に接触することになり、各接触部から出射するレーザ光の光量は、折り返し前及び折り返し後のトータル光量では、各接触部123のファイバ132上の位置に関わらず略同一の光量を出射させることが可能になる。また、接触部123に対するファイバ132からのレーザ光13は、図17中、左側及び右側からの両側から入射される。このため、仮に接触部123が拡散材を含んでいる場合、接触部123から出射するレーザ光は図面、右側及び左側に散乱される。例えば、対面通行のセンターラインの様に、ライン状ガイド部131の両側を、向きを違えて自動車102が通行するような場所に適用した場合、どちらの向きに通行する車102に対しても視認性良く照明することができる。
ファイバ132に接触していない場合(通常状態)での接触部123bの動作等については、前述の図16に示すガイド装置120の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図17A及び図17Bに示す構成によれば、路面101上に沿った各位置から、略均一の照射強度でレーザ光13bを照射することができるため、視認性の向上を図ることができる。この結果、自動車102を運転する運転者は視認性よく路面101に沿ったライン状ガイド部131を認識することができ、運転者は、自動車102を安全に運転することができる。
(実施の形態3)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について、図18A及び図18Bを参照し、以下に説明する。
図18Aは、本実施の形態に係るガイド装置140の概略構成を示す平面図であり、図18Bは、図18Aの18B−18B線から見た断面図である。
図18Aに示すように、本実施の形態に係るガイド装置140は、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き自動車(移動体)102が往来する路面101上に沿って設置されたファイバ142a及び142bからなるライン状ガイド部141と、を備えている。
ここで、ファイバ142a及び142bは、図18A及び図18Bに示すように、路面101上に配置された凸状の中央分離帯143の側面上部143aに設置されている。
ファイバ142a及び142bは、例えば実施の形態1の図3のファイバ15a、15b、及び15fのように、内部に拡散材15dを含む構成としてもよい。この場合、ファイバの外部にレーザ光13bを例えば、図3Dに示すように、ミラー15x等で所定の方向に指向性よく出射させることが出来る。本実施の形態は、上記に限らず、例えば、実施の形態1で示した他の方法でレーザ光13をファイバ142a及び142bの外部に取り出してもよい。
本実施の形態のライン状ガイド部141は、レーザ光13を路面101に沿った方向に指向性よく照射することにより、自動車(移動体)102を導く機能を有している。また、レーザ光13をファイバに対して自動車102の前方側から入射することで、拡散材15dによるファイバでの前方散乱により、図18Aで示すように、ファイバを道路と平行に配置したままで、自動車102の前方より照明することが可能になる。図5のファイバ17であれば、ミラー(もしくはプリズム)15pの角度を適宜選択することで、レーザ光13のファイバに対する入射方向に関係なく、自動車102の前方より照明することが可能になる。
上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置140を実現することができる。また、本ガイド装置140によれば、レーザ光13を路面101に沿って指向性よく照射することができる。このため、自動車102の運転者などから見やすく視認性に優れたライン状ガイド部を実現することができる。
本実施の形態ガイド装置140は、図18Bに示すように、ファイバ142a及び142bを中央分離帯143の側面上部143aに設置する構成としている。このため、視認性のよい位置にコンパクトにライン状ガイド部141を設置することができる。また、上述の通り、本実施の形態のガイド装置140は、指向性に優れているため、少ない消費電力で、所望の領域を照明することが出来る。なお、ファイバ142a及び142bの代わりに、実施の形態1で示した他のファイバや導光板や導光シートを用いてもよい。
また、図18A及び図18Bに示すように、ガイド装置140は、管理ボックス106内に、レーザ光源14に加え、レーザ光13を変調する変調部144、当該変調部144及びレーザ光源14を制御する制御部145をさらに備えている。そして、変調部144によりレーザ光13を0.2Hz以上、10Hz以下で変調する。
この場合、ガイド機能に加え、レーザ光13を人が視認できるスピードで点灯することにより、様々な状況下で運転者に対して交通情報等の目視可能な情報を提供することができる。なお、レーザ光13を0.1Hz以下、または10Hzを超える周波数で変調した場合、人が眼により視認する場合に遅すぎる、または早すぎる変調となってしまうからである。
また、レーザ光13を変調する代わりに、レーザ光13の色彩を変えることにより、自動車102の運転者に対して交通情報を提供する構成としてもよい。例えば、高速道路の渋滞情報であれば、点灯周波数を現在地点から渋滞地点までの距離、渋滞の長さを色(渋滞が無い場合は緑、渋滞が長くなるにつれて、黄色から赤色に変色する)とすれば、運転者はリアルタイムに直感的に、ラジオ等で渋滞情報等を能動的に受信することなく、受動的に渋滞情報を得ることが出来る。
また、変調部144によりレーザ光13を高速変調して自動車102に発信し走行情報を伝達する構成としてもよい。この場合、自動車102に、変調されたレーザ光13を受信する受光器(受信機)145を設けることにより、変調されたレーザ光13を受信して電気信号に変換された走行情報を利用することができる。
上記の構成により、レーザ光13が路面101に沿って指向性よく照射されるため、さらに視認性よく運転者の注意を促すことができると共に、このレーザ光13をキャリアとしての各種情報を変調信号として載せて自動車102に備え付けられた受光器145により受信することができる。この結果、自動車102が位置するエリアの道路などの交通情報などをリアルタイムに受信することができるため、運転者の利便性の向上を図ることができる。
尚、本実施の形態では、送受信する情報として走行情報や交通情報を例に挙げて説明したが、本実施の形態で扱う送受信対象の情報は、これらの情報に限らず、例えば、気象情報、近隣エリアのガイド等に関する情報であってもよい。また、受信する媒体は、自動車に限定されず、人が携帯端末等を通して道案内情報を受信する場合にも適用できることは言うまでもない。
さらに、図18Aに示すように、本ライン状ガイド部141に、路面101の明るさを検知する光センサ146が設けられていることが好ましい。
この場合、路面101や中央分離帯143に照射される外光は、光センサ146に検知される。そして、光センサ146に検知された外光は、電気信号に変換されて制御部145に送られる。そして、制御部145は、この電気信号の入力に基づいて、レーザ光13の強度等を調節し制御する。これにより、制御部145は、例えば、周囲の明るさに応じてレーザ光13の強度や色を調節し制御する。この結果、運転者が最適に視認することができるレーザ光13を必要十分な電力で照射することができるため、消費電力の低減を図ることができる。
本ライン状ガイド部141は、また、歩行者(人)147の存在を検知する人体検知センサとしての赤外線センサ148を備えていることが好ましい。
人体検知センサとして、赤外線センサを備えた構成では、人147が赤外線センサ148に近づくと、当該センサ148近傍の赤外線147aの光量が増加する。このため、赤外線センサ148は、この赤外線147aの光量の増加を検知することによって、人147の存在を検知することができる。上記の構成を、例えば、道路や駐車場に適用した場合、自動車(移動体)102に近い場所に、人147がいることをすばやく検知して運転者に知らせることができる。さらに、安全性を高めたガイド装置140を実現することができる。前記人体検知センサは、赤外線センサ148に限らず、例えば、焦電型赤外線センサを用いてもよい。
本実施の形態では、前述の各実施の形態と同様に、レーザ光源14は、少なくとも、R光13Rを出射するR光源14R、G光13Gを出射するG光源14G及びB光13Bを出射するB光源14BからなるRGB光源を含む構成とすることが好ましい。この構成により、色再現性に優れた色彩豊かなレーザ光13を照射することができる。この結果、ガイド装置の視認性をさらに高めることができる。
また、本実施の形態のレーザ光源は、前述の各実施の形態と同様に、ライン状ガイド部をレーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。このような構成とすることにより、レーザ光13、54を効率よく使用することができるため、レーザ光源14を低消費電力で動作させることができる。
また、本実施の形態のレーザ光源は、前述の各実施の形態と同様に、RGB光源を含まない光源であってもよい。この場合、レーザ光源14は、少なくともG光源14Gを含むことが好ましい。この場合、G光源14Gとして、波長535nm付近のG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いることが好ましい。この場合、人の眼に対して視感度が高い緑色のレーザ光13を利用することができるため、視認性の高いライン状ガイド部を低消費電力で提供することができる。
緑色のレーザ光13は、光電変換効率が高く、しかも波長スペクトルの半値幅も狭いという利点がある。このため、緑色のレーザ光13を用いることにより、例えば、緑色のLEDからの光を用いて同様の効果を得るときに比べ、約10分の1の電力で高い視感度を実現することができる。
(実施の形態4)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について図19を参照し以下に説明する。
本実施の形態に係るガイド装置150は、図19に示すように、レーザ光源14と、ライン状ガイド部151とを備えている。本実施の形態に係るライン状ガイド部151は、例えば、オフィス、マンション等のビルにおいて、火災等の非常時における誘導灯として適している。
本実施の形態では、レーザ光源14は、別室内において、図示しない耐火性のシェルター内で管理し、ファイバを用いて導光している。
火災時においては、有害な煙や気体(炭酸ガス等)は天井付近から溜まるため、建物外に逃げる場合、人間は、通常、通路の路面154近くに体をかがめながら屋外へ逃げようとするが予想される。
そこで、本実施の形態では、また、ライン状ガイド部151は、屋内通路を構成する側面153の下半分の領域において、高さ方向Hの下半分以下の領域に敷設している。これにより、例えば、火事等でかがみながら逃げようとする人に対し、通路を明確に視認させることができる。この結果、人が屋外に速やかに避難できるように、ガイドすることができるため、無事に屋外に逃げることができる可能性を高くすることができる。よって、本実施の形態に係るガイド装置150は、屋内通路の誘導灯として好適に用いることができる。
本ライン状ガイド部151の材料としては、石英等のガラスを用いることが好ましい。
この場合、ガラスは耐熱性に優れ1000℃以上の高温にも耐えることが出来るため、上述の様にレーザ光源14を別室にて耐火性のシェルター等に入れておけば、火事においても故障することなく通路を示すことが出来るため、非常時における誘導灯として好適に用いることが出来る。
また、ファイバ自体は非常に細く全く場所をとらないため、避難通路の幅を狭めることもなく好ましい。
また、上記の図19に示す構成に、図4に示すようなフルカラーで点灯する構成を適用してもよい。この場合、例えば、室内に設けた温度センサと連動して、火事の発生している部屋の近く等、逃げ込んではいけない区画に敷設されたライン状ガイド部を赤色で点灯させたり、上記各部屋の温度センサ情報から安全かつ最短で避難できる通路を割り出して緑で点灯したりして、避難する人152に進むべき通路の情報を提供することもできる。これにより、避難すべき人152が、無事に屋外へ逃げることができるように、的確にガイドし、より安全に非難させることができる。
なお、本構成におけるライン状ガイド部151は、側面153ではなく通路の路面154上に敷設しても構わない。
また、上の各実施の形態で述べた拡散材15dや拡散材35は、拡散材の周囲の物質に対して屈折率が異なり透明な物質であればよく、さらには拡散材15dや拡散材35の代わりに蛍光体を用いても構わない。蛍光体も所望の色の蛍光を発するものであれば、実施の形態2で述べた物質に限定するものではない。
(実施の形態5)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について図20Aないし図20Dを参照し以下に説明する。
図20Aないし図20Dは、本実施の形態に係るガイド装置160の概略構成図である。本ガイド装置160は、図20Aに示すように、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、所定の単位長さを有する複数の単位長さファイバ161と、隣接する前記単位長さファイバ161同士を接合する接合部162とを含んでいる。各接合部162からレーザ光13bを取り出す構成と示している。接合部162におけるレーザ光13bを取り出す構成の一例を図20Bに示している。
図20Bにおいて、接合する単位長さファイバ161(図20Bでは、レーザ光13bが出射する側と入射する側を区別して、それぞれ161a、161bとする)の各端面を同じ角度θで切断し、切断した端面が互いに平行になる様に配置し、空隙を透明な接合部材164で埋めている。
この状態において、単位長さファイバ161aの端面法線に対して角度αで入射したレーザ光13の一部は、端面法線に対して角度αで反射される。一方、入射したレーザ光13の残りはスネルの法則を満たす角度βで端面を透過して単位長さファイバ161bの端面に入射する。同様に、単位長さファイバ161bの端面に角度βで入射したレーザ光13の一部は、端面法線に対して角度αで透過する。一方、入射したレーザ光13の残りは、角度βで反射し、再度単位長さファイバ161aの端面に到達し、さらにその一部は単位長さファイバ161a内に角度αで透過する。以後、単位長さファイバ161aと161bの端面間において同様の反射を繰り返すことになる。この様に、単位長さファイバ161aと161bとの端面で多重反射したレーザ光は、いずれも同じ角度γの向きにレーザ光13bとして出射することとなる。具体的には、例えばθ=45°で切断されたファイバ(屈折率=1.5)に対して接合部材164(屈折率1.7)で接合し、水平に(即ちα=45°で)入射したレーザ光は、ファイバから真上に向けて(即ちγ=0°で)出射する。この時、レーザ光13bは、入射したレーザ光13の0.8%程度がファイバ外に取り出されることになる。
本実施の形態に係るライン状ガイド部は、各接合部からレーザ光を取り出すことができるため、所定の間隔(すなわち単位長さファイバの長さ)毎に発光部を簡便に設けることができるという効果を奏する。また、図20Bの構成により、ファイバ外部に指向性良く取り出すことが可能になるため、より視認性にすぐれた構成とすることが出来る。
尚、上記の構成は、単に一例にすぎず、端面の角度θ、入射角α、屈折率等は、適宜選択できることは言うまでもない。また、接合部材164の屈折率をゼロ(すなわち単位長さファイバの空隙を何も埋めない)としてもよい。
また、ファイバの単位長さは、例えば1mとすることが好ましい。この場合、等間隔で規則正しく照明することが可能になり、効果的に照明しながら消費電力を抑えることが出来る。さらに、ファイバの切断や端面の加工等の工程を、工場で事前に大量に行うことができるため、安価なガイドを提供することができる。なお、この単位長さは、単に一例であって、施工場所の必要性等に応じて任意の長さに変更可能なことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態に係るガイドライン装置160は、図20Cに示す構成としてもよい。すなわち、レーザ光13bを、地面163に対してレーザ光13bが所定の角度で出射する位置に、接合部162を固定してもよい。本実施の形態では、図20Cに示すように、接合部162は保持部162aと固定台162bとにより地面163に固定されている。例えば、図20Bにおいて示した単位長さファイバ161a、161bを用いた場合では、レーザ光13bを所定の向きに指向性良く取り出すためには、上で述べたとおり端面が互いに平行である必要がある。そのため、保持部162aを用いて、端面が互いに平行であるように固定することで、指向性良くレーザ光13bを取り出すことが可能になる。さらに、保持部162aに固定台162bを所定の向きで固定した状態で地面163に固定すれば、設置する地面163に対して所定の向きにレーザ光13bを出射するように固定することができる。この場合、各接合位置から出射するレーザ光の向きを簡便に揃えることが可能になる。
図20Dの構成において、図20Bの場合と同様に、固定台162bの代わり固定突起162cを用いてもよい。しかしながら、本実施の形態は、これに限らず、ファイバの向きを固定できる他の方法及び構成を用いてもよい。
尚、上述の各実施の形態では、ファイバのコアやクラッドを構成する物質として、石英、樹脂等を挙げたが、使用する環境、長さ、用途によって自由に選択することが出来ることは言うまでもない。単純には屋外で長期間使用する場合は、耐候性に優れる石英ファイバの使用が考えられ、曲げた状態で敷設する場合は、太くとも可撓性に優れるアクリルやポリカーボネート等の樹脂ファイバの使用が考えられるが、それらに限定するものではなく、フッ素ポリマー樹脂や含重水素化ポリマーやポリスチレン等、自由に選択できる。コアとして石英を用い、クラッドとして樹脂等を用いて、組み合わせてもよい。
以上のように、本発明の一局面に係る移動体を光により導くガイド装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を伝搬し、前記移動体が往来する路面上でガイド方向に延設されたライン状ガイド部と、を含み、前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬しながらその延設面から当該レーザ光を前記ガイド方向に指向性をもって照射することを特徴としている。
上記の構成によれば、レーザ光源から出射されたレーザ光は、路面上に延設されたライン状ガイド部を伝搬しながら、その延設面からガイド方向に指向性をもって照射されるようになっている。すなわち、ライン状ガイド部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を伝搬する機能と、当該レーザ光を延設面から照射してガイドする機能とを兼ね備えている。このような構成のライン状ガイド部は、下記のように一般的な光ファイバとは大きく異なっている。
すなわち、一般的な光ファイバは光を伝搬する機能しかなく、そのような一般的な光ファイバにおいては、伝搬された光がその先端部から出射されるのみである。よって、一般的な光ファイバによって、光を用いたガイド装置を実現しようとすれば、前記特許文献2のように多数の光ファイバを用い、多数の光ファイバの先端部を配列する必要がある。
これに対して、本ガイド装置のライン状ガイド部は、上述のように、レーザ光を伝搬しながら延設面からレーザ光を取り出して照射するので、一本のライン状ガイド部の延設面から所望のレーザ光を広範囲にわたって取り出すことができる。すなわち、本ガイド装置は、レーザ光源に接続したライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを可能とする。これにより、敷設工事や設置が簡単でメンテナンスも容易な低コストのガイド装置を実現することができる。また、本ガイド装置は、レーザ光がガイド方向に沿って指向性よく照射されるので移動体の運転者などから見やすく視認性に優れている。
前記レーザ光源は、前記路面外または前記路面下部に設置されていることが好ましい。
上記のようにレーザ光源を路面外または路面下部に設置しても、ライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを実現できる。よって、レーザ光源を、例えば路面外の管理棟の屋内や路面下部の保管室に設けることができ、当該レーザ光源を水や外気および日光などから適切に保護することも容易である。これにより、ガイド装置全体の長寿命化を実現することができる。
前記ライン状ガイド部は、コア及びクラッドを有するファイバを含み、前記コア及びクラッドの少なくとも一方が拡散材を含んでいることが好ましい。
このように、前記コア及びクラッドの少なくとも一方に拡散材を含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部を実現できる。そして、この構成において、ファイバ内における拡散材の配置や密度を適切に設計することにより、所望のレーザ光を容易に指向性よく照射することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を前記延設面から外部に出射させる複数のミラーまたはプリズムを備えていることが好ましい。
このように、複数のミラーまたはプリズムを用いれば、レーザ光を容易かつ指向性よく所望の方向に照射することができる。
上記の構成において、前記ライン状ガイド部の先端部に接続され、前記レーザ光を面状に照射する導光板をさらに含むことが好ましい。
この場合、前記レーザ光を面状にも照射可能であるため、当該レーザ光を前記路面上で幅を持って照射することができる。この結果、視認性のさらなる向上を実現することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬する伝搬ラインと、前記伝搬ラインにおける前記レーザ光の出射側の面に接触可能に設けられて当該伝搬ラインからレーザ光の一部を外部へ取り出す接触部とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、伝搬ラインに接触させる接触部の配置を適切に設計することにより、前記レーザ光を所望の位置で効率よく取り出すことができる。例えば、定周期的にレーザ光を取り出すことも可能である。
前記ライン状ガイド部は、前記路面に沿って折り返して並列配置されていることが好ましい。
ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離が遠ざかるほどにその延設面から出射されるレーザ光は少なくなるが、上記のように折り返して並列的に配置されたライン状ガイド部では、レーザ光源からの距離が近い部位と遠い部位とが並列的に重なり合い、路面に沿った各位置からのレーザ光の照射強度をほぼ均一にすることが可能であり、視認性を向上させることができる。
前記ライン状ガイド部は、前記路面上に設けられた凸状の中央分離帯の側面上部に設置されていることが好ましい。
この場合、視認性のよい位置にコンパクトにガイド装置を設置することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記路面としての屋内通路を構成する側面の下半分の領域に設置されていることが好ましい。
この場合、屋内通路の誘導灯として好適なガイド装置を実現できる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を面状に照射するように配列され複数の枝ファイバを含むことが好ましい。
これにより、簡単な構成によりレーザ光の面状照射が可能となり、さらなる視認性の向上を図ることができる。
前記ライン状ガイド部の周囲にミラーを配置し、前記ミラーにより前記ライン状ガイド部から出射した前記レーザ光を反射させることが好ましい。
前記ミラーは、放物面鏡であることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬するファイバを含み、前記レーザ光を取り出す位置において、前記ファイバが湾曲していることが好ましい。
前記レーザ光を取り出す位置におけるファイバの湾曲径は、前記ファイバの下流側ほど小さいことが好ましい。
これにより、ファイバの下流側ほどファイバ内で全反射条件を超えやすくなり、レーザ光源からの距離によらず均一な光量で出射することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬するファイバを含み、前記ファイバは、クラッドと、当該クラッドに囲まれた中空部と、を有し、前記中空部には、蛍光体または拡散材を含む透明液体が注入されていることが好ましい。
上記の構成において、互いに混合しない複数の前記透明液体が前記中空部に注入されていることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバを含むことが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、その終端部が前記レーザ光の入射部に接続された環状構造であることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバであることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、コア及びクラッドを有するファイバを含み、前記コアの屈折率が、前記クラッドの屈折率よりも低いことが好ましい。
この場合、均一な分布で長い領域に渡って容易にレーザ光を取り出すことが可能となる。
前記ライン状ガイド部は、所定長さを持つ複数本のファイバを接合してなり、前記複数本のファイバをそれぞれ接合する接合部から前記レーザ光を取り出すことが好ましい。
この場合、前記各接合部からレーザ光を取り出すことができるため、所定の間隔毎に発光部を簡便に設けることができる。また、前記ファイバの外部に指向性良く取り出すことが可能になるため、より視認性にすぐれた構成とすることが出来る。
上記の構成において、前記接合部を前記路面に対して所定の向きで固定する固定部をさらに含むことが好ましい。
本発明の他の局面に係るガイド装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を入射して導光するファイバと、ファイバにより導光されたレーザ光を二次元光として出射する導光シートを含み、前記導光シートは網目状に加工されていることが好ましい。
上記の構成によれば、網目状に加工されている導光シートを用いることにより、仮に伝搬路の一部が切断されたとしても、別の箇所からレーザ光が回りこむため、伝搬路の切断位置より下流側でもレーザ光を出射させることができる。これにより、簡便な構成で広範囲に指向性良くレーザ光を出射ことができ、かつ信頼性の高いガイド装置を実現できる。
上記の構成において、前記レーザ光源を制御して前記レーザ光の発光周波数または色を変更させる制御部をさらに備え、前記制御部は、前記レーザ光の発光周波数を0.2Hz以上かつ10Hz以下の範囲で変調するか、または前記レーザ光の色を変えることにより前記移動体の運転者に対して情報を提供することが好ましい。
この場合、ガイド機能に加え、運転者に対して交通情報等の目視可能な情報を提供することにより注意を促すことができる。
上記の構成において、前記レーザ光を変調する変調部をさらに備え、前記変調部は、前記レーザ光をキャリアとして変調して前記移動体に情報を発信することが好ましい。
上記の構成によれば、レーザ光をキャリアとして各種情報を変調信号として載せて移動体に発信することができる。これにより、移動体に備え付けられた受信機で前記レーザ光を受信すれば、前記移動体が位置するエリアの道路走行情報などをリアルタイムに得ることができる。これにより、運転者の利便性の向上を図ることができる。
上記の構成において、前記路面の明るさを検知する光センサと、前記光センサの検知結果に基づいて前記レーザ光源を制御する制御部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、周囲の明るさに応じてレーザ光の強度や色を変えることによって、運転者が最適に視認することができるレーザ光を必要十分な電力で照射することができる。
上記の構成において、前記ガイドラインは、歩行者の存在を検知する人体検知センサと、前記人体検知センサの検知結果に基づいて前記レーザ光源を制御する制御部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、駐車場などで人が移動体に近いところにいることをすばやく検知して運転者に知らせることにより、さらに安全性を高めたガイド装置を実現することができる。
本発明のガイド装置は、ファイバの構成や路面への配置およびファイバからのレーザ光の取り出しを光学的に工夫して指向性を持たせることにより工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れた道路表示装置等に好適に用いることができる。
さらに、レーザ光のスペックルノイズや色を効果的に利用することにより必要十分な電力で視認性を高めることができるので低消費電力動作が可能で、多量の情報をリアルタイムに移動体の運転者に提供することができ移動体を快適に運転できるので有用である。
なお、発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。
本発明は、人、車、飛行機などの移動体を適切に誘導するガイド装置に関する。
夜間や暗い場所などでは、例えば、自動車などの車両が道路を安全に走行する、あるいは暗い屋内の駐車場などに安全に駐車するための道路表示装置が設置されていることが望ましい。
このような道路表示装置として、遠方の車両運転者からは水平発光面が良く見える一方、近づいた車両運転者や歩行者には上方発光面が良く見える「自発光式道路鋲」が示されている(例えば、特許文献1参照)。この道路表示装置は道路の適切な設置場所に収納部を設け、該収納部に発光ダイオードを設置し、発光ダイオードから放射される光をファイバにより地上に導き、ファイバの並べ方やカットの仕方により視認性の良い道路表示装置としている。
また、このようなファイバとレーザとを用いて豪雪地帯の路面表示を行うことも提案されている(例えば、特許文献2参照)。この道路表示装置は、レーザから放射されるレーザビームの直進性等を利用して、積雪などがあっても、雪や氷を通過して路面表示の表示内容が認識できるとしている。
また、道路用の各種ブロック製品に自発光体装置を埋設一体化しファイバケーブルを配置することにより夜間の車や人の識別誘導を容易ならしめる道路用ブロック製品も示されている(例えば、特許文献3参照)。この道路表示装置は、多様な表示方法が可能で、全天候型ソーラー電源を使用しているので、設置場所を伴わず充放電を繰り返しメンテナンスフリーで製品のライフが長いとしている。
特開平7−305313号公報
特開2002−38433号公報
実用新案登録第3036936号公報
しかしながら、上記の従来の道路表示装置の構成では、照明箇所近傍に光源を配置する必要がある。このため、光源を屋外に用いる場合は厳密な防水が必要となる。また、特に、長距離を照明する場合にはコスト的に高くなるという課題があった。さらに、寿命等によりレーザ光源を交換する必要が生じた場合、大規模な道路工事を伴うなど工事期間や費用の面でも課題があった。
本発明は、敷設工事や設置が簡単で低コストでありながら視認性に優れたガイド装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るガイド装置は、移動体を光により導くガイド装置であって、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を伝搬し、前記移動体が往来する路面上でガイド方向に延設されたライン状ガイド部と、を含み、前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬しながらその延設面から当該レーザ光を前記ガイド方向に指向性をもって照射することを特徴としている。
上記の構成によれば、レーザ光源に接続したライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを可能とする。これにより、敷設工事や設置が簡単でメンテナンスも容易な低コストのガイド装置を実現することができる。また、本ガイド装置は、レーザ光がガイド方向に沿って指向性よく照射される。これにより、移動体の運転者などから見やすく視認性に優れたガイド装置を実現することができる。
本発明によれば、敷設工事や設置が簡単で低コストでありながら視認性に優れたガイド装置を提供することができる。
本発明のさらに他の目的、特徴、及び優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
図3Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。図3Dは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるファイバの概略構成の一例を示す断面図である。
図4Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる光学系の構成の一例を示す模式図である。図4Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる光学系の構成の他の例を示す模式図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの構成を示す断面図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの構成を示す平面図である。
図7Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられる他のファイバの概略構成を示す説明図である。図7Bは、図7Aのファイバにおける7B−7B線から見た断面図である。
本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの概略構成を示す断面図である。
図9Aは、発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。図9Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。図9Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの説明図である。
図10Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す説明図である。図10Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す断面図である。図10Cは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置で用いられるさらに他のファイバの構成を模式的に示す斜視図である。
図11Aは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置に用いるさらに他のファイバの概略構成を示す説明図である。図11Bは、本発明の一実施の形態に係るガイド装置に用いるさらに他のファイバの概略構成を示す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路の路面に沿って設置した例を表す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路のカーブした路面に沿って設置した例を表す説明図である。
本発明の他の実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部をトンネル内の道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。
図16Aは、本発明の他の実施の形態に係る他のガイド装置の概略構成図を示す説明図である。図16Bは、本発明の他の実施の形態に係る他のガイド装置における16B−16B線から見た概略構成図を示す説明図である。
図17Aは、本発明の他の実施の形態に係るさらに他のガイド装置の概略構成図を示す平面図である。図17Bは、図17Aのガイドにおける17B−17B線から見た断面図である。
図18Aは、本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成図を示す上面図である。図18Bは、図18Aにおけるガイド装置の概略構成図を示す説明図である。
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す説明図である。
図20Aは、本発明のさらに他のガイド装置の概略構成を示す説明図である。図20Bは、図20Aにおけるガイド装置の接合部の概略構成を示す説明図である。図20Cは、図20Bにおける接合部を固定するための構成の一例を示す説明図である。図20Dは、図20Bにおける接合部を固定する構成の他の例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合もある。また、図面は、説明の便宜上各構成要素を模式的に示しており、形状等については正確な表示ではない場合がある。
(実施の形態1)
本発明の一実施の形態について、図1ないし図11を参照し、以下に説明する。
図1及び図2は、本実施の形態に係るガイド装置の一構成例として、ガイド装置1を、空港の滑走路の誘導灯として用いた場合について説明する。
図1は、空港の滑走路(路面)11において航空機12(移動体)が矢印12aの方向に着陸する状態を示し、図2は、航空機12(移動体)が矢印12bの方向に離陸する状態を示している。
本実施の形態に係るガイド装置10は、図1及び図2に示すように、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き航空機12が往来する滑走路11上に沿って設置されたファイバ15aからなるライン状ガイド部15とを備えている。そして、このライン状ガイド部15は、レーザ光13を滑走路11に沿った方向に指向性よく照射することにより航空機12を誘導する機能を有している。
本実施の形態のレーザ光源14は、滑走路(路面)11外の管理棟16の屋内に適切に配置されている。
一般に、レーザ光源や駆動回路等の長寿命化を実現するためには、これらの動作温度を常温に保つことが好ましい。そこで、本実施の形態のように、レーザ光源14を屋内に配置することで、夏場の炎天下においても高温下で動作させることがなくなる。また、水や外気および日光などから、レーザ光源14を適切に保護することができる。これにより、レーザ光源14の長寿命化を実現することができ、ひいてはガイド装置10全体の長寿命化を実現することができる。
なお、本実施の形態は、上記の構成に限らず、例えば、滑走路11の下部に適切な保管室を設け、レーザ光源14を当該保管室内に配置してもよい。これにより、管理棟16の屋内に配置する場合と同様に、レーザ光源14を水や外気および日光などから適切に保護することができる。
また、寿命等によりレーザ光源14を交換する必要が生じた場合でも、発光部であるファイバ15a部は交換する必要がなく、管理棟16内のレーザ光源14のみを交換すれば足りる。このため、滑走路11上の航空機12の存在を気にすることなく、いつでもレーザ光源14の交換を実施することができるという利便性の向上が実現できる。さらに、交換場所も一箇所であるため、交換にかかる工程数等を削減することができる。レーザ光源14の設置場所については、高温にならない場所で、容易に交換ができる場所であれば、管理棟や保管室内に限られないのは言うまでもない。
一方、ライン状ガイド部15は使用目的から屋外に配置され、管理棟16の内のレーザ光源14に接続されている。ライン状ガイド部15は、レーザ光源14から出射したレーザ光13をファイバ15aの内部に伝播させる。このライン状ガイド部15を構成するファイバ15aは、絶縁性の石英ガラスや樹脂などの材料からなり可撓性に富んでいる。このため、例えば、図1及び図2で示すように、ライン状ガイド部15は空港の滑走路11に沿って縦横自在に所望の場所に設置することができる。
本実施の形態のガイド装置10は、上記の通り、レーザ光源14等を、水や外気および日光などの影響を避けるため、管理棟16の屋内の適切な位置に配置している。このため、ガイド装置10を、長期間安定的に動作させることができる。
図3A及び図3Bは、本ガイド装置10で用いられるファイバの構成例を示す断面図である。
図3Aに示すファイバ15bは、コア15cのみからなり、石英ガラス、樹脂等の絶縁性の透明材料から形成されている。コア15cは、例えば、屈折率がコア15cと異なるビーズ等の拡散材15dを含んでいる。レーザ光13は、レーザ光13aとしてファイバ15b中を伝播する。そして、このレーザ光13aの一部は拡散材15dにより進路を曲げて、ライン状ガイド部15に沿った前方方向に指向性よくレーザ光13bとして照射される。
図3Bに示すファイバ15aは、コア15c及びクラッド15eから構成されている。同図に示す例では、ファイバ15aを構成するコア15cとクラッド15eの双方が拡散材15dを含んでいる。しかしながら、本実施の形態に係るファイバ15aは、上記の構成に限定されない。例えば、通常用いられるファイバと同様に、コア15cの屈折率をクラッド15eよりも高く設定した場合は、コア15cが拡散材15dを含んでいればよい。一方、クラッド15eの屈折率をコア15cの屈折率より高く設定した場合は、クラッド15e又はコア15cの何れか一方が拡散材15dを含んでいればよい。図3Bに示すファイバ15aでも、図3Aのファイバ15bの場合と同様に、レーザ光13は、レーザ光13aとしてファイバ15a中を伝播しつつ、その一部が拡散材15dにより進路を曲げてファイバ15aから出射される。これにより、ライン状ガイド部15に沿った前方方向に指向性よくレーザ光13bとして照射されることとなる。
このように、クラッド15e又はコア15cの何れか一方が拡散材15dを含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部を実現できる。そして、この構成において、ファイバ15内における拡散材15dの配置や密度を適切に設計することにより、所望のレーザ光13を容易に指向性よく照射することができる。
図1及び図2に示す本実施の形態に係るライン状ガイド部15は、滑走路11上に沿って設置されたファイバ15aからなる。このファイバ15aは、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。
本実施の形態に係るファイバは、図3Cに示すファイバ15fのように、伝播部分Aに被膜を施し、当該伝播部分A内には拡散材15dを含めない構成とすることが好ましい。これにより、レーザ光13は伝播部分Aを低損失で伝播することができる。一方、照射部分Bには、拡散材15dを含めることにより、レーザ光13を指向性よく照射することができる。
ここで、ファイバのうち滑走路11に沿って配置された全ての部分が照射部分Bになっていてもよいし、図3Cに示すように、一部のみが照射部分Bとなっていてもよい。この場合、照射部分Bのみに拡散材15dが含まれて、この照射部分Bのみが被覆15gが除かれているように構成してもよい。この場合、照射部分B以外は伝播部分Aとなっており、被覆が施されて低損失で照射部分Bから次の照射部分Bまでの間を低損失でレーザ光13を伝播させている。
また、上記の照射部分Bと伝播部分Aとが短い周期で繰り返し形成されてなるファイバの場合、下流になるほど照射部分Bの割合を増やすことで、ファイバの全領域において均一な輝度の照明をすることが出来る。即ち、下流になるほどファイバ内を伝播するレーザ光の光量は減少する。そこで、上記のように、ファイバ内の照射部分Bの割合を増加することにより、出射するレーザ光の輝度を補償することができるため、均一な輝度の照明を実現することができる。また、ファイバ内の全領域を照射部分Bとする場合、単位長さ当たりの拡散材15dの量をファイバの下流側ほど増大させることが望ましい。上記の構成によれば、レーザ光の光量は減少する下流側に向かって、拡散材15dの単位長さ当たりの量を多くすることにより、取り出されるレーザ光の量を増やすことができるため、上記の構成と同様にファイバの全領域において均一な輝度の照明を実現することができる。
また、図3Aないし図3Cに示す構成において、各ファイバ15a、15b、及び15fの周囲をミラーで覆うことが好ましい。これにより、レーザ光13をさらに指向性良く出射することができる。この結果、ファイバの全領域において、さらなる視認性及び照射効率の向上を図ることができる。図3Dは、ファイバ15aとミラー15xを含む一構成例を示す断面図である。ファイバ15aの周囲にミラー15xを配置する場合、ミラー15xとして例えば放物面鏡を用いることが好ましい。これにより、ファイバ15aから出射してミラー15xで反射したレーザ光13bを略同一方向に出射させることが出来る。拡散材15dが含まれる領域の径(図3のファイバ15aであればクラッドの径)が小さければ小さいほど好ましい。これは、拡散材15dが含まれる領域の径は小さいほど放物面鏡15xで反射されたレーザ光の指向性が高くなるからである。そこで、一般にファイバのコア径及びクラッド径は小さいため、本実施の形態の様にライン状ガイド部としてファイバを用いることが好ましい。
図4Aは、本実施の形態のガイド装置10で用いられるレーザ光源14及びこのレーザ光源14からのレーザ光13を導波するファイバ15hなどの光学系の一構成例を示す模式図である。図4Bは、図4Aに示す光学系のファイバ15hの一構成例を示す断面図である。
図4Aに示すようにレーザ光源14は、少なくとも赤色レーザ光(R光)13Rを出射する赤色レーザ光源(R光源)14R、緑色レーザ光(G光)13Gを出射する緑色レーザ光源(G光源)14Gおよび青色レーザ光(B光)13Bを出射する青色レーザ光源(B光源)14BからなるRGB光源を含む構成としている。具体的には、R光源14RおよびB光源14Bには、例えば波長640nmおよび波長445nmのR光13RおよびB光13Bを出射する高出力半導体レーザを用い、G光源14Gには波長535nmのG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いている。
上記の構成によれば、色再現性に優れた色彩豊かなレーザ光13を照射することができるため、ガイド装置10の視認性をさらに高めることができる。
また、ライン状ガイド部15を構成するレーザ光源14として、RGB光源を含まないレーザ光源を用いる場合、少なくともG光源14Gを含む光源を用いることが好ましい。この場合、波長535nm付近のG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いることが好ましい。この構成により、人の眼に対して視感度が高い緑色のレーザ光13を利用することができるので効率よく低消費電力で視認性を高めることができる。
図4Aのレーザ光源14から出射するレーザ光13は、コリメートレンズ14aにより平行光線に変換される。そして、コリメートレンズ14aにより平行光線に変換されたレーザ光13は、さらに対物レンズ14bによりファイバ15aに集光されて結合する。そして、複数のファイバ15aは、ファイバ15h(本実施の形態ではバンドルファイバ)にまとめられてライン状ガイド部15として使用される。
図4Bは、ファイバ15hの一構成例を示している。即ち、中央にG光13Gを導波するファイバ15Gが設けられ、それを囲んでR光13R及びB光13Bをそれぞれ導波するファイバ15R及びファイバ15Bが設けられている。これらのファイバ15R、15G及び15Bは、クラッド15jにより一体化されている。
ここで、レーザ光源14にシングルモードレーザを使用した場合には、ライン状ガイド部15から外部に照射されるレーザ光13のスペックルノイズに起因する揺らぎを利用することができる。即ち、レーザ光13がスペックルノイズにより時間的または空間的に揺らいで見えるので、ライン状ガイド部15からのレーザ光13の視認性をさらに高めることができる。
また、上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置10を実現することができる。
図5は、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバの他の構成例を示す断面図である。
ファイバ17は、図5に示すように、レーザ光13aを伝播させるコア15c及びクラッド15eから構成されている。ファイバ17は、滑走路11(図1参照)に沿ってコア15cに入射されたレーザ光13を、クラッド15eから外部に出射するための複数のミラー(またはプリズム)15pをさらに備えている。
上記の構成により、レーザ光13bをさらに容易に指向性よく照射することができる。なお、このファイバ17についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、図5に示すファイバ17を含み、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、を交互に配置して、ライン状ガイド部を構成してもよい。
図6は、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を示す平面図である。図6に示すように、レーザ光源14に直接接続されたファイバ18は、複数の分岐ファイバ18a(本実施の形態では4つ)に分岐している。そして、各分岐ファイバ18aは、さらに平面状に整列された複数の枝ファイバ18bから構成されている。この構成により、滑走路11に沿って線状ではなく面状にレーザ光13bを照射することが可能となるため、視認性のさらなる向上を実現することができる。なお、本ファイバ18は、上記の構成に限らず、例えば、分岐ファイバ18aを介さずに直接平面状に整列された複数の枝ファイバ18bが接続された構成としてもよい。この場合、レーザ光13bを、滑走路11に沿って平面状に照射する構成としてもよい。
図6に示すファイバ18についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと含む構成としてもよい。
図7Aは、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を示している。ファイバ20は、図7Aに示すように、複数のループ21A、21B、21Cを形成している。ファイバ20に入射されたレーザ光13は、まず、ループ21Aを伝播する。このループ21Aで、コアとクラッドとの境界とクラッドと外気との境界とで全反射条件を超えると、レーザ光13bはファイバ20から放射状に出射され、ループ21Bへと伝播される。そして、ループ21Aの場合と同様に、コアとクラッドとの境界とクラッドと外気との境界とで全反射条件を超えると、レーザ光13bはファイバ20から放射状に出射され、ループ21Cへと伝播される。そして、ループ21Cを通過する際に全反射条件を超えると、ファイバ20外に出射される。ここで、ファイバ20の下流側になるほどファイバ20内を伝播するレーザ光量が減少する。そこで、図7Aに示すように、ファイバ20の下流側ほどループ径を小さくすることが好ましい。これにより、ファイバ内で全反射条件を超えやすくなり、均一な光量で出射することができる。
図7Bは、図7Aの7B-7B断面での断面図である。図7Aに示すファイバ20の構成において、図7Bに示すように、ファイバ20の周囲にミラーを配置することが好ましい。この構成によれば、例えば、ファイバ20に沿って放物面鏡15xを配置する場合、図7Bに示すように、円周外側に出射したレーザ光13bは、放物面鏡15xにより反射して所定の角度内で放射状かつ上向きに出射させることが出来る。このため、ファイバ20内に拡散材を含めなくても、ファイバから指向性を持たせてレーザ光を取り出すことが出来る。これにより、ガイド装置のさらなる低コスト化を実現することができる。
図8は、本実施の形態のガイド装置10に用いる他のファイバの概略構成を示している。図8に示すように、ファイバ30は、内部が中空であるクラッド31と、当該クラッド31に注入される液体32及び液体33とを含んでいる。液体33は、拡散材35(例えばポリスチレンやポリメタクリル酸メチル等で出来た粒径数ミクロン程度の透明な微粒子)を含む透明な液体である。液体32には、前記液体33と混じらない液体を用いる。例えば、液体33として水を用いた場合、ジクロロメタン、ヘキサン等無極性溶媒を用いることができる。これらの液体32及び液体33は、コアに相当する。
上記構成のファイバ30における光の入射側と反対側の端面は、ポンプ34に接続されている。ポンプ34は、内部に液体32と、拡散材35を含む液体33とを収容しており、制御部36の制御により、所望のタイミングで液体32と、拡散材35を含む液体33とを交互にクラッド31内へ吐出するように構成されている。これにより、図8に示すように、ファイバ30内の任意の位置に拡散材35を含む液体33を配置することが出来る。この状態で、ファイバ30におけるポンプ34が設けられている側の反対側(図中左側)からレーザ光13を入射すると、拡散材35を含まない液体32内では、レーザ光13は効率よく伝播する。
また、これらの液体32や液体33の屈折率がクラッド31の屈折率よりも大きい場合、液体32や液体33に入射したレーザ光13は、通常見られる石英ファイバ等の様にクラッド31と液体32との境界面、及びクラッド31と液体33との境界面で全反射して進行する。この場合、入射したレーザ光13が液体33に到達すると、液体33の内部の拡散材35で拡散し、ファイバ30外に出射する。ファイバ30の各位置から出射する光量は、図3Cのファイバ15fの場合と同様に、拡散材35の密度を調整したり、液体32及び液体33の割合を調整してポンプ34から吐出させることで、任意に設定することができる。
さらに、レーザ光13がファイバ30に入射されている状態でポンプ34を駆動することで、液体32及び液体33を、ファイバ30内で移動させて調整することが出来る。これにより、照明する位置を、所望の位置に調整することができる。
さらに、同様の構成のファイバを3本バンドルし、各ファイバにそれぞれ赤色、青色、緑色のレーザ光を一色ずつ入射し、各ファイバの色を組合せる構成としてもよい。これにより、任意の位置を任意の色で照明することができる。
一方、コアとしての液体32や液体33の屈折率がクラッド31の屈折率よりも小さい場合、ファイバ30に入射したレーザ光13は、液体32及び液体33と、クラッド31との境界面ではなく、クラッド31と外気との境界面で全反射しながらファイバ30内を伝播することになる。この場合、ファイバ30内で液体33の位置に到達した場合でも、その時にクラッド31内に存在している光は拡散されずに通過することになる。
そこで、クラッド31の断面積を、コアに相当する液体32及び液体33が注入された箇所の断面積よりも相対的に大きくすることが好ましい。この場合、ファイバ30の遠方までレーザ光を到達させることが可能になるため、遠方まで少しずつ拡散させたい場合に有効である。尚、本実施の形態では、液体32及び液体33の2種類の液体を用いた構成について説明したが、この構成に限定されるものではない。3種類以上の液体を用いてもよく、また、1種類の液体に対して、拡散材35を含めても構わないことは言うまでもない。1種類の液体に対して拡散材35を含めた場合は、図3Bのファイバ15aを用いた場合と同様の効果を奏する。また、図8に示す構成では、液体32には拡散材35を含めなかったが、液体32として、拡散部35を含めたものを用いてもよい。この場合、隣接する液体32と液体33とで、拡散材の密度を変更したり、粒径を変えることにより、異なる輝度で発光させることが可能である。また、3種類以上の液体を用いることで、さらに異なるパターンで発光させることも可能である。
図8では、液体33が拡散材35を含む構成について説明した。しかしながら、本実施の形態はこれに限らず、例えば、拡散材に代えて蛍光体(例えば、ナノシリコン、ZnS:Ag(青)、Zn2SiO4:Mn(緑)、Y2O3:Eu(赤)等)を含める構成としてもよい。この場合、蛍光体の種類を変えたり、ナノシリコンの場合は、粒径を変えることで、例えば、青色のレーザ光を入射した場合に、赤色に発色させたり、緑色に発色させたりすることが可能になる。即ち、単一のファイバでありながら、任意の位置に任意の色の発光をさせることが可能になる。また、このように、拡散材に代えて蛍光体を用いた場合も、拡散材を用いた場合と同様に、液体32及び液体33の各屈折率と、クラッドの屈折率との大小による効果や、3種類以上の液体を用いた場合の効果を得ることができる。
尚、液体32及び液体33の種類については、透明性を有し、かつ互いに溶け合わない液体であれば、上記の例に特に限定されない。
図9Aないし図9Cは、本実施の形態に係るガイド装置10に用いる他のファイバの概略構成図である。図9Aのファイバは、レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバ40であり、テーパファイバ40の太い側からレーザ光13を入射する。
一般に、出射するレーザ光を略平行に近づける目的で、テーパファイバ40の細い側からレーザ光を入射し、太い側から出射させて使用する場合がある。しかしながら、図9A及び図9Bの構成では、上記の通り、レーザ光13を太い側から入射している。これにより、テーパファイバ40内を進行するレーザ光13を徐々にファイバ40外に取り出すことが可能になる。
図9Aに示す様に、テーパ角θを持つテーパファイバ40内に角度φで入射したレーザ光13は、テーパファイバ40の端面で反射する度にその角度が2θずつ大きくなる。そして、テーパファイバ40の端面での反射を繰り返すうちに、当該テーパファイバ40と外気との境界面での全反射条件を超えると、レーザ光13は、テーパファイバ40の外部に出射される。
図9Aに示すテーパファイバ40についても、図3Bに示すように、拡散材15dを含むクラッドで覆って外部に出射したレーザ光13を図3Bの構成のように、拡散材15dを含むクラッド15eで覆う構成としてもよい。この場合、レーザ光13を、さらに拡散させて出射させることができるため、テーパファイバ40からレーザ光13を簡便に取り出すことができる。
また、通常、テーパファイバ40は、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を低くすることで、コアとクラッドとの端面で全反射を発生させて光を遠方まで伝送させている。しかしながら、本実施の形態のように、テーパファイバ40から光を取り出す場合、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を高くすることで、均一な分布で長い領域に渡ってテーパファイバ40から容易に光を取り出すことが可能となる。
例えば、低屈折率物質(例えば空気:屈折率1.0)から、高屈折率物質(例えばアクリル樹脂等:1.5)に光が入射する場合、光の透過率は例えば入射角が42°から37°のわずか5°の範囲内で透過率(S、P各偏光の平均)が0から90%に変動する(図9Bの(1)参照)。このことからも分かる様に、テーパファイバ40内で反射を繰り返すとレーザ光13のクラッドへの透過率が急激に上昇する。このため、長い領域に渡って均一に出射することが困難になる。
しかしながら、逆に高屈折率物質(上と同じく例えば1.5)から、低屈折率物質(同じく1.0)に入射する場合、同じく透過率(S、P各偏光の平均)が0から90%に変動するのは、入射角が90°から60°までの約30°の範囲内(図9Bの(2)参照)と各段に広くなる。このことからもわかる様に、ファイバ40内で反射を繰り返しても透過率は、急激に上昇することはない。このため、ファイバ40内を伝播する光のクラッドへの透過によるコア内のレーザ光の減少と、反射の繰り返しによる入射角の低下による透過率の上昇とが相殺されて、長い領域に渡って均一な照明が可能になる。
例えば、テーパ角θが0.02°で、太い側のコア半径が500ミクロン、長さが1mで、コアの屈折率が1.44、拡散材を含んだクラッドの屈折率が1.49のテーパファイバに対して、ビーム半径400ミクロン(1/e^2)で広がり角0.5°(半値:1/e^2)のガウシアン分布を持つビームが入射した場合、ファイバの全長のほぼ全域に渡って輝度ばらつき20%の範囲で光らせることが可能になる。
また、同じファイバでコアの屈折率を1.0(即ち中空)にした場合も、ビーム半径400ミクロン(1/e^2)で広がり角0.9°(半値:1/e^2)のガウシアン分布を持つビームが入射した場合、ファイバの全長ほぼ全域に渡って輝度ばらつき20%の範囲で光らせることが可能になる。さらに、光らせたい長さや、用いるファイバの特性(屈折率、コア径等)等に応じて様々な組み合わせを設定することが出来ることは言うまでもない。
尚、上記の例では、テーパファイバにおけるコアの屈折率をクラッドの屈折率よりも低くする場合について説明した。しなしながら、テーパを形成していない通常のファイバの場合も、コアの屈折率よりもクラッドの屈折率を高くすれば、ファイバ端面に対する入射角は変わらないものの、テーパファイバの場合と同様に、少しずつファイバ外に光を取り出せる効果を有することは明確である。したがって、テーパを形成していない通常のファイバの場合も長い領域に渡ってレーザ光を出射することができる。
さらに、テーパファイバ40の場所によってテーパ角θを変えることが好ましい。この場合、任意の位置で出射する光量を調整することが可能になる。即ち、輝度の低い箇所のテーパ角θを大きくすることで、その位置から出射するレーザ光の強度を大きくすることができ、さらに均一なレーザ光を得ることが出来る。
上記の構成において、図3Cの場合と同様に、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。この場合、図9Aに示すように、テーパファイバ40を照射部分Bとして、当該照射部分Bに、伝播部分Aとしてテーパを形成していないファイバを接続すればよい。即ち、テーパを形成していないファイバの中では、レーザ光の角度はそれ以上増大しない。このため、テーパを形成していないファイバでは、全反射条件を超えることはなくなるため、レーザ光は出射されない。したがって、テーパファイバ40の部分を照射部分Bとして用いる一方、テーパを形成していない部分を伝播部分Aとして用いれば、図3Cの構成のように、照射部分と伝播部分とを設けることができる。
図9Cは、図9Aで説明したテーパファイバ40を用いてさらに均一かつロスの無い照明を可能にするファイバの構成図である。テーパファイバ40の太い側には、テーパファイバ40の太い側の径よりも細いファイバ41を接続している。一方、テーパファイバ40の細い側には、テーパファイバ40の細い側の径と同じ径のファイバ42を接続している。さらに、ファイバ42における前記テーパファイバ40の細い側に接続された側と反対側の端部は、テーパファイバ40の太い側に接続している。
ファイバ41に入射され、ファイバ41から出射したレーザ光13は、テーパファイバ40に入射される。テーパファイバ40内に入射したレーザ光13は、テーパファイバ40内を伝播しながら図9Aに示すように、少しずつテーパファイバ40外に取り出される。一方、テーパファイバ40内に残ったレーザ光13はファイバ42に入射される。このように、ファイバ42を緩やかにテーパファイバ40の太い側に戻すことで、ファイバ42内を伝播するレーザ光13を、ロスなくテーパファイバ42の太い側に戻すことができる。その後、レーザ光13は、テーパファイバ40から取り出されるまで、テーパファイバ40とファイバ42とのループ周回を繰り返す。これにより、入射されたレーザ光13をロスなく照明に用いることができる。また、テーパファイバ40に拡散材を含めない場合でも、テーパファイバ40内では僅かながら内部に有する不純物による光の散乱が発生し、テーパファイバ40から僅かずつレーザ光を取り出すことが出来る。
また、テーパファイバ40にテーパを形成しない場合であっても、テーパファイバ40とファイバ42とで構成したループをわずかずつ散乱しながら周回することができる。これにより、テーパファイバ40とファイバ42とを均一に光らせることが可能になる。
図10Aないし図10Cは、本実施の形態のガイド装置10に用いるファイバのさらに他の構成例を模式的に示す側面図である。この構成例では、図10Aに示すように、電源14は、管理棟16の中に収容され、当該管理棟16の電源14cに接続されている。そして、この電源14にファイバ50が接続されている。
このファイバ50は、図10Aに示すように、管理棟16の外で分岐され、各分岐ファイバの先端部50aがさらにレーザ光13bを面状に照射する導光板51に接続されている。この導光板51の散乱部51aにより散乱されたレーザ光13bは、例えば、図10Bに示すようなプリズムシート51bにより外部に指向性よく取り出すことができる。
この場合、レーザ光13bを面状にも照射可能であるため、当該レーザ光を前記路面11上で幅を持って照射することができる。この結果、視認性のさらなる向上を実現することができる。
さらに、図10Cに示す様な構成を取ることで、各ファイバに接続された導光板51の色及び強度を任意に設定することができる。即ち、ファイバ50としてバンドルファイバを用い、このバンドルファイバを構成する個々のファイバ55を、各導光板に接続する。レーザ光13は赤、青、緑の三色のレーザ光を混合しており、図10Cの様にロッドインテグレータ52内で断面内の強度分布が赤色、青色、緑色とも略均一化されて空間変調素子53に照射する。空間変調素子53の各画素を透過したレーザ光は、マイクロレンズアレイ54を通過することで、バンドルファイバを構成する個々のファイバ55の入り口に対して結像し、カップリングする。この構成において、空間変調素子53の各画素における各色の透過率を制御することで、各ファイバ55に入射するレーザ光の光量、色を制御することが可能になるため、各導光板51から出射するレーザ光の色、強度を任意に設定することが可能になる。
また、図10の導光板51に代えて、図11A及び図11Bに示す導光シート60を用いてもよい。この場合、簡便に広範囲を照明することが可能になる。導光シート60は、図11Aに示すように、切れ目を列ごとに交互に設けている。この状態で図中矢印(1)の方向に導光シート60を引くと、図11Bの様に導光シート60は網目状に延伸され、複数の穴部61を設けることができる。
導光シート60にファイバ55を接続し、この状態でファイバ55から導光シート60にレーザ光13を入射すると、導光シート60内にレーザ光13が伝播する。そして、レーザ光13の一部は、導光シート60を矢印(1)の方向に引いたことにより発生する穴部61近傍の上方向を向いた断面62からレーザ光13bとして指向性良く出射させることが可能になる。
また、矢印(1)の方向に引く強さを変えることで、出射するレーザ光13bの向きを変えることも出来る。また、本実施の形態の様に路面上に配置する場合に、例えばファイバ55を網目状に配置してライン状ガイド部として用いた場合、もしファイバの上を移動体が通過すると、ファイバが切断する可能性がある。その場合、切断されたファイバでは、切断位置より下流側においてはもはやライン状ガイド部としてレーザ光が出射されない。
そこで、上記の導光シート60を用いることにより、仮に伝搬路の一部が切断されたとしても、別の箇所からレーザ光が回りこむため、伝搬路の切断位置より下流側でもレーザ光を出射させることができる。これにより、簡便な構成で広範囲に指向性良くレーザ光を出射ことができ、かつ信頼性の高いガイド装置を実現できる。
上記の構成において、導光シート60を延伸する前に、導光シート60の上面及び下面に金属等で反射膜を設けることが好ましい。これにより、導光シート60内で光をさらに確実に閉じ込めることができるため、さらに、低損失で効率よく伝播することができるファイバを構成することができる。
上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置10を実現することができる。
なお、上記図10Aのファイバ50についても、図3Cに示す構成を適用することができる。すなわち、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bと、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと含む構成としてもよい。
また、図10Bのプリズムシート51bは、集光作用を持っていれば上記の構成に限定されるものではなく、例えば、フレネルレンズシート、レンズアレイシート等を用いてもよい。
(実施の形態2)
本発明の他の実施に形態について、図12ないし図17を参照し以下に説明する。
図12は、本実施の形態に係るガイド装置の概略構成を示す上面図である。図13は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。図14は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部を高速道路や一般道路のカーブした路面に沿って設置した例を表す斜視図である。図15は、本実施の形態に係るガイド装置のライン状ガイド部をトンネル内の道路の路面に沿って設置した例を表す斜視図である。
図12に示すガイド装置100は、夜間または屋内の駐車場の路面101において、自動車102が駐車する際、または駐車していた自動車102が駐車場から出る際の路面101の誘導灯として用いられる。
図12に示すように、本実施の形態のガイド装置100は、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き自動車(移動体)102が往来する路面101上に沿って設置されたファイバ103からなるライン状ガイド部104とを備えている。このライン状ガイド部104は、レーザ光13を路面101に沿った方向に指向性よく照射することにより自動車(移動体)102を駐車方向又は駐車場から出る方向に導いている。
自動車102が矢印102aの方向にバックして駐車場の路面101に沿って車止め105まで進んで駐車する際に、ライン状ガイド部104のファイバ103からレーザ光13が照射される。このように、レーザ光13は、矢印102aの進行方向に沿って指向性よく照射される。これにより、自動車102の運転者は、駐車場のライン状ガイド部104の位置や方向を視認性よく認識することができる。
なお、レーザ光源14及びこれを駆動するための電源14cは、管理ボックス106内に配置されている。この管理ボックス106は、駐車場に隣接した路面101外または路面101下部に設けられており、外気や雨などを遮断した状態で設置されている。また、ライン状ガイド部104を構成するファイバ103と、レーザ光源14とを接続するファイバ103aとは、ここでは図12に示すように、路面101より下に埋設されている。
一方、自動車102が矢印102bの方向に進行して駐車場から出る場合、運転者はレーザ光13が矢印102aの進行方向に沿って指向性よく照射される。これにより、運転手は、駐車場のライン状ガイド部104の位置や方向を視認性よく認識することができるため、安全に駐車場から出ることができる。
このような構成とすることにより、本実施の形態と同様に工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置100を実現することができる。また、本ガイド装置100は、レーザ光13が路面101に沿って指向性よく照射されるので自動車102の運転者などから見やすく視認性に優れている。また、レーザ光源14を水や外気および日光などから適切に保護することができ、装置を長寿命化することができる。
さらに、例えば壁面にセンサをつけておき、自動車102の壁面までの距離を検知し、自動車102と壁面までの距離に従ってレーザ光13の色を自由に変えることにより、例えば駐車時や出庫時に自動車102が壁面へ一定距離以上近接した場合に運転者に警告することで、安全運転にも効果を有する。
図13は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。ライン状ガイド部110は、図13に示すように、高速道路や一般道路の路面101に沿って設置され、車線のラインとして用いている。このライン状ガイド部110は、図3Aないし図3Cに示すファイバ15a、15b、15f等の実施の形態1で示した構成を適用してもよい。
例えば、図3Bのファイバ15aの構成を適用した場合、ライン状ガイド部110は、ファイバを構成するコアおよびクラッドの少なくとも何れか一方が拡散材を含む構成とすることが好ましい。
このように、コア及びクラッドの少なくとも一方に拡散材を含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部110を実現できる。そして、この構成において、ファイバ内における拡散材の配置や密度を適切に設計することにより、自動車102が進行する矢印102cの方向に沿ってレーザ光13を、容易に指向性よく照射することができる。これにより、夜間においても自動車102を運転する運転者は視認性よく車線のラインとしてのライン状ガイド部107を認識することができ、安全に運転することができる。また、一般に追い越し可能な高速道路や一般道路では、センターラインは破線で示されている(高速道路では白線8メートル、間隔12メートル。一般道路では白線、間隔ともに5メートル)。
したがって、以下のように、上述した実施の形態に係るファイバを適用することができる。
すなわち、図3Cに示すファイバ15fの構成を適用した場合、白線に相当する部分には拡散材15dを含む照射部分Bを配置し、間隔に相当する部分には伝播部分Aを配置すれば、例えば、道路のセンターラインに好適に適用することができる。
同様に、図5に示すファイバ17の構成を適用した場合、白線に相当する部分にはミラー(もしくはプリズム)15pをアレイ状に有する部分を配置し、間隔に該当する部分にはミラー(もしくはプリズム)15pのないファイバを配置すれば、道路のセンターラインに好適に適用することができる。その他の構成のファイバ(20、30、40等)を用いた場合についても同様である。
尚、図13の構成でも、実施の形態1及び本実施の形態の図12に示す構成と同様に、レーザ光源14及び電源14cは、高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、料金所、一般道路の定められた場所などに設置された管理棟(図示せず)や管理ボックス(図示せず)等の中に配置されている。
図13の例では、道路を走行する自動車を用いて説明したが、本実施の形態はこれに限定するものではなく、例えば自転車道路や歩道脇のラインとして、その他横断歩道のライン等にも同様に用いることができるのは言うまでもない。
図14は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。図14のライン状ガイド部110は、高速道路や一般道路のカーブした路面101aに沿って設置されている。図14に示すように、路面101がカーブしていても、図3に示すファイバ15a、15b等の構成を適用すれば、当該ファイバの可撓性を利用してライン状ガイド部110を路面101に沿って敷設することができる。なお、図14のライン状ガイド部110に適用可能なファイバは、上記ファイバ15a及び15bに限らず、例えば、実施の形態1で説明した他のファイバも適用できることは言うまでもない。
また、ファイバから出射されるレーザ光13が自動車102の前方から照射されるように、レーザ光13のファイバに対する入射方向を選択することが好ましい。この場合、図中、矢印102dの方向に運転する自動車102を運転者に対し、レーザ光13をさらに容易に指向性よく照射することができる。この結果、自動車102を運転者は、夜間においても視認性よくカーブした車線のラインとしてのライン状ガイド部110を認識することができ、運転者は、安全に自動車102を運転することができる。
図15は、本実施の形態に係るライン状ガイド部の他の構成例を示す説明図である。図15に示すライン状ガイド部110は、トンネル111内の路面101のセンターライン112や側壁113に沿って、敷設されている。図15のライン状ガイド部110として、図3A及び図3Bに示すファイバ15a及びファイバ15bの構成を適用することが好ましい。
この場合、レーザ光13をさらに容易に指向性よく照射することができるため、外に比べて暗いトンネル内においても、自動車102を運転する運転者は視認性よくトンネル内の車線のラインとしてのライン状ガイド部110を認識することができる。この結果、暗いトンネル内でも、運転者は、安全に自動車102を運転することができる。なお、図15のライン状ガイド部110にも他のファイバ(20,30, 40等)を適用できることは言うまでもない。
なお、図12ないし図15に示す各ライン状ガイド部104及び110ついても、レーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとを含む構成としてもよい。
図16Aは、本実施の形態に係るガイド装置の他の構成例を示す平面図であり、図16Bは、図16Aの16B−16B線から見た断面図である。
図16Aに示すガイド装置130は、路面101に沿って2つの車線に並行して敷設されたライン状ガイド部121を備えている。なお、レーザ光源14及び電源14cは、道路の定められた場所等に設置された管理棟(図示せず)や管理ボックス(図示せず)などの中に実施の形態1および図8に示す構成と同様に配置されている。本ライン状ガイド部121は、レーザ光13を伝搬する伝搬ライン122と、ファイバ(伝搬ライン)122におけるレーザ光13の出射側の面に接触可能に設けられて当該ファイバ122からレーザ光13の一部を外部へ取り出す接触部123とを含むことが好ましい。
ここで、ライン状ガイド部121の動作について説明する。ファイバ122に入射されたレーザ光13は、ファイバ122の中を伝播して接触部123aの直下に到達する。接触部123aの屈折率は、ファイバ122の屈折率よりもわずかに高く設定されている。これにより、ファイバ122から接触部123aにレーザ光13の一部が入射し、レーザ光13の残りは継続してファイバ122内を伝播する。接触部123aに入射したレーザ光は、接触部123aが内部に拡散材を含む場合は、前方に散乱される。拡散材を用いた構成以外でも、例えば、実施の形態1の図10Aで説明したように、プリズムシートを用いれば、接触部123a内で拡散した光を、所定の方向にさらに指向性良く出射させることが出来る。ファイバ122内を伝播している残りのレーザ光13も、次の接触部123aに到達すると、同様に出射させることが出来る。
さらに、本実施の形態に係る接触部123bは、通常はファイバ122に接触していないが、例えば周囲が暗くなった場合等、必要に応じて下に降ろしてファイバ122に接触させることで、前述の接触部123aの場合と同様に接触部123bからもレーザ光13bを出射させることができる。この場合、周囲の明るさに応じて照明される場所の密度を調整することができるため、夜間でも自動車102を運転する運転者は視認性よく路面101に沿ったライン状ガイド部121を認識することができる。この結果、運転者は、安全に自動車を運転することができる。
図17Aは、本実施の形態に係る他のガイド装置の構成例を示す平面図であり、図17Bは、図17Aの17B−17B線から見た断面図である。
図17A及び図17Bに示すガイド装置は、図16A及び図16Bのガイド装置とほぼ同じ構成であるが、ライン状ガイド部131を構成するファイバ132が路面101上に沿って折り返して並列配置されている点が異なっている。図17のガイド装置130は、図16に示すガイド装置120と同様に、本ライン状ガイド部131が、レーザ光13を伝搬する伝搬ライン132と、伝搬ライン132におけるレーザ光13の出射側の面に接触可能に設けられて当該ファイバ(伝播ライン)132からレーザ光13の一部を外部へ取り出す接触部123とを含むことが好ましい。
ファイバ132に入射したレーザ光13が接触部123aの直下に到達すると、その一部が接触部123a内に入射して外部にレーザ光13bとして出射される。
ライン状ガイド部131は、レーザ光源14からの距離が遠ざかるほどにその延設面から出射されるレーザ光13は少なくなるが、上記のように折り返して並列的に配置されたライン状ガイド部132では、レーザ光源14からの距離が近い部位と遠い部位とが並列的に重なり合い、路面に沿った各位置からのレーザ光の照射強度をほぼ均一にすることが可能であり、視認性を向上させることができる。
一方、ファイバ132内に残ったレーザ光13は、別の接触部123aに到達して、同様に接触部123a外に取り出される。ここで、本ガイド装置130においては、ファイバ132を、折り返して敷設している。このため、レーザ光13が接触部123aに入射する向きを逆にして、再度同一の接触部123aに入射することになる。ファイバ132内を伝播するレーザ光13の光量は、接触部123aにファイバ132が接触する度に減少するため、ファイバ132の上流の接触部123から出射する光量は、下流側の接触部123から出射する光量より多くなる。そこで、本ガイド装置130は、ファイバ132を折り返して敷設している。これにより、各接触部はそれぞれ二回ファイバ132に接触することになり、各接触部から出射するレーザ光の光量は、折り返し前及び折り返し後のトータル光量では、各接触部123のファイバ132上の位置に関わらず略同一の光量を出射させることが可能になる。また、接触部123に対するファイバ132からのレーザ光13は、図17中、左側及び右側からの両側から入射される。このため、仮に接触部123が拡散材を含んでいる場合、接触部123から出射するレーザ光は図面、右側及び左側に散乱される。例えば、対面通行のセンターラインの様に、ライン状ガイド部131の両側を、向きを違えて自動車102が通行するような場所に適用した場合、どちらの向きに通行する車102に対しても視認性良く照明することができる。
ファイバ132に接触していない場合(通常状態)での接触部123bの動作等については、前述の図16に示すガイド装置120の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
図17A及び図17Bに示す構成によれば、路面101上に沿った各位置から、略均一の照射強度でレーザ光13bを照射することができるため、視認性の向上を図ることができる。この結果、自動車102を運転する運転者は視認性よく路面101に沿ったライン状ガイド部131を認識することができ、運転者は、自動車102を安全に運転することができる。
(実施の形態3)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について、図18A及び図18Bを参照し、以下に説明する。
図18Aは、本実施の形態に係るガイド装置140の概略構成を示す平面図であり、図18Bは、図18Aの18B−18B線から見た断面図である。
図18Aに示すように、本実施の形態に係るガイド装置140は、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、レーザ光13を導き自動車(移動体)102が往来する路面101上に沿って設置されたファイバ142a及び142bからなるライン状ガイド部141と、を備えている。
ここで、ファイバ142a及び142bは、図18A及び図18Bに示すように、路面101上に配置された凸状の中央分離帯143の側面上部143aに設置されている。
ファイバ142a及び142bは、例えば実施の形態1の図3のファイバ15a、15b、及び15fのように、内部に拡散材15dを含む構成としてもよい。この場合、ファイバの外部にレーザ光13bを例えば、図3Dに示すように、ミラー15x等で所定の方向に指向性よく出射させることが出来る。本実施の形態は、上記に限らず、例えば、実施の形態1で示した他の方法でレーザ光13をファイバ142a及び142bの外部に取り出してもよい。
本実施の形態のライン状ガイド部141は、レーザ光13を路面101に沿った方向に指向性よく照射することにより、自動車(移動体)102を導く機能を有している。また、レーザ光13をファイバに対して自動車102の前方側から入射することで、拡散材15dによるファイバでの前方散乱により、図18Aで示すように、ファイバを道路と平行に配置したままで、自動車102の前方より照明することが可能になる。図5のファイバ17であれば、ミラー(もしくはプリズム)15pの角度を適宜選択することで、レーザ光13のファイバに対する入射方向に関係なく、自動車102の前方より照明することが可能になる。
上記の構成により、工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れたガイド装置140を実現することができる。また、本ガイド装置140によれば、レーザ光13を路面101に沿って指向性よく照射することができる。このため、自動車102の運転者などから見やすく視認性に優れたライン状ガイド部を実現することができる。
本実施の形態ガイド装置140は、図18Bに示すように、ファイバ142a及び142bを中央分離帯143の側面上部143aに設置する構成としている。このため、視認性のよい位置にコンパクトにライン状ガイド部141を設置することができる。また、上述の通り、本実施の形態のガイド装置140は、指向性に優れているため、少ない消費電力で、所望の領域を照明することが出来る。なお、ファイバ142a及び142bの代わりに、実施の形態1で示した他のファイバや導光板や導光シートを用いてもよい。
また、図18A及び図18Bに示すように、ガイド装置140は、管理ボックス106内に、レーザ光源14に加え、レーザ光13を変調する変調部144、当該変調部144及びレーザ光源14を制御する制御部145をさらに備えている。そして、変調部144によりレーザ光13を0.2Hz以上、10Hz以下で変調する。
この場合、ガイド機能に加え、レーザ光13を人が視認できるスピードで点灯することにより、様々な状況下で運転者に対して交通情報等の目視可能な情報を提供することができる。なお、レーザ光13を0.1Hz以下、または10Hzを超える周波数で変調した場合、人が眼により視認する場合に遅すぎる、または早すぎる変調となってしまうからである。
また、レーザ光13を変調する代わりに、レーザ光13の色彩を変えることにより、自動車102の運転者に対して交通情報を提供する構成としてもよい。例えば、高速道路の渋滞情報であれば、点灯周波数を現在地点から渋滞地点までの距離、渋滞の長さを色(渋滞が無い場合は緑、渋滞が長くなるにつれて、黄色から赤色に変色する)とすれば、運転者はリアルタイムに直感的に、ラジオ等で渋滞情報等を能動的に受信することなく、受動的に渋滞情報を得ることが出来る。
また、変調部144によりレーザ光13を高速変調して自動車102に発信し走行情報を伝達する構成としてもよい。この場合、自動車102に、変調されたレーザ光13を受信する受光器(受信機)145を設けることにより、変調されたレーザ光13を受信して電気信号に変換された走行情報を利用することができる。
上記の構成により、レーザ光13が路面101に沿って指向性よく照射されるため、さらに視認性よく運転者の注意を促すことができると共に、このレーザ光13をキャリアとしての各種情報を変調信号として載せて自動車102に備え付けられた受光器145により受信することができる。この結果、自動車102が位置するエリアの道路などの交通情報などをリアルタイムに受信することができるため、運転者の利便性の向上を図ることができる。
尚、本実施の形態では、送受信する情報として走行情報や交通情報を例に挙げて説明したが、本実施の形態で扱う送受信対象の情報は、これらの情報に限らず、例えば、気象情報、近隣エリアのガイド等に関する情報であってもよい。また、受信する媒体は、自動車に限定されず、人が携帯端末等を通して道案内情報を受信する場合にも適用できることは言うまでもない。
さらに、図18Aに示すように、本ライン状ガイド部141に、路面101の明るさを検知する光センサ146が設けられていることが好ましい。
この場合、路面101や中央分離帯143に照射される外光は、光センサ146に検知される。そして、光センサ146に検知された外光は、電気信号に変換されて制御部145に送られる。そして、制御部145は、この電気信号の入力に基づいて、レーザ光13の強度等を調節し制御する。これにより、制御部145は、例えば、周囲の明るさに応じてレーザ光13の強度や色を調節し制御する。この結果、運転者が最適に視認することができるレーザ光13を必要十分な電力で照射することができるため、消費電力の低減を図ることができる。
本ライン状ガイド部141は、また、歩行者(人)147の存在を検知する人体検知センサとしての赤外線センサ148を備えていることが好ましい。
人体検知センサとして、赤外線センサを備えた構成では、人147が赤外線センサ148に近づくと、当該センサ148近傍の赤外線147aの光量が増加する。このため、赤外線センサ148は、この赤外線147aの光量の増加を検知することによって、人147の存在を検知することができる。上記の構成を、例えば、道路や駐車場に適用した場合、自動車(移動体)102に近い場所に、人147がいることをすばやく検知して運転者に知らせることができる。さらに、安全性を高めたガイド装置140を実現することができる。前記人体検知センサは、赤外線センサ148に限らず、例えば、焦電型赤外線センサを用いてもよい。
本実施の形態では、前述の各実施の形態と同様に、レーザ光源14は、少なくとも、R光13Rを出射するR光源14R、G光13Gを出射するG光源14G及びB光13Bを出射するB光源14BからなるRGB光源を含む構成とすることが好ましい。この構成により、色再現性に優れた色彩豊かなレーザ光13を照射することができる。この結果、ガイド装置の視認性をさらに高めることができる。
また、本実施の形態のレーザ光源は、前述の各実施の形態と同様に、ライン状ガイド部をレーザ光源14からのレーザ光13を低損失で伝播させる伝播部分Aと、散乱により指向性よくレーザ光13を照射する照射部分Bとで構成してもよい。このような構成とすることにより、レーザ光13、54を効率よく使用することができるため、レーザ光源14を低消費電力で動作させることができる。
また、本実施の形態のレーザ光源は、前述の各実施の形態と同様に、RGB光源を含まない光源であってもよい。この場合、レーザ光源14は、少なくともG光源14Gを含むことが好ましい。この場合、G光源14Gとして、波長535nm付近のG光13Gを出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザを用いることが好ましい。この場合、人の眼に対して視感度が高い緑色のレーザ光13を利用することができるため、視認性の高いライン状ガイド部を低消費電力で提供することができる。
緑色のレーザ光13は、光電変換効率が高く、しかも波長スペクトルの半値幅も狭いという利点がある。このため、緑色のレーザ光13を用いることにより、例えば、緑色のLEDからの光を用いて同様の効果を得るときに比べ、約10分の1の電力で高い視感度を実現することができる。
(実施の形態4)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について図19を参照し以下に説明する。
本実施の形態に係るガイド装置150は、図19に示すように、レーザ光源14と、ライン状ガイド部151とを備えている。本実施の形態に係るライン状ガイド部151は、例えば、オフィス、マンション等のビルにおいて、火災等の非常時における誘導灯として適している。
本実施の形態では、レーザ光源14は、別室内において、図示しない耐火性のシェルター内で管理し、ファイバを用いて導光している。
火災時においては、有害な煙や気体(炭酸ガス等)は天井付近から溜まるため、建物外に逃げる場合、人間は、通常、通路の路面154近くに体をかがめながら屋外へ逃げようとするが予想される。
そこで、本実施の形態では、また、ライン状ガイド部151は、屋内通路を構成する側面153の下半分の領域において、高さ方向Hの下半分以下の領域に敷設している。これにより、例えば、火事等でかがみながら逃げようとする人に対し、通路を明確に視認させることができる。この結果、人が屋外に速やかに避難できるように、ガイドすることができるため、無事に屋外に逃げることができる可能性を高くすることができる。よって、本実施の形態に係るガイド装置150は、屋内通路の誘導灯として好適に用いることができる。
本ライン状ガイド部151の材料としては、石英等のガラスを用いることが好ましい。
この場合、ガラスは耐熱性に優れ1000℃以上の高温にも耐えることが出来るため、上述の様にレーザ光源14を別室にて耐火性のシェルター等に入れておけば、火事においても故障することなく通路を示すことが出来るため、非常時における誘導灯として好適に用いることが出来る。
また、ファイバ自体は非常に細く全く場所をとらないため、避難通路の幅を狭めることもなく好ましい。
また、上記の図19に示す構成に、図4に示すようなフルカラーで点灯する構成を適用してもよい。この場合、例えば、室内に設けた温度センサと連動して、火事の発生している部屋の近く等、逃げ込んではいけない区画に敷設されたライン状ガイド部を赤色で点灯させたり、上記各部屋の温度センサ情報から安全かつ最短で避難できる通路を割り出して緑で点灯したりして、避難する人152に進むべき通路の情報を提供することもできる。これにより、避難すべき人152が、無事に屋外へ逃げることができるように、的確にガイドし、より安全に非難させることができる。
なお、本構成におけるライン状ガイド部151は、側面153ではなく通路の路面154上に敷設しても構わない。
また、上の各実施の形態で述べた拡散材15dや拡散材35は、拡散材の周囲の物質に対して屈折率が異なり透明な物質であればよく、さらには拡散材15dや拡散材35の代わりに蛍光体を用いても構わない。蛍光体も所望の色の蛍光を発するものであれば、実施の形態2で述べた物質に限定するものではない。
(実施の形態5)
本発明のさらに他の実施の形態に係るガイド装置について図20Aないし図20Dを参照し以下に説明する。
図20Aないし図20Dは、本実施の形態に係るガイド装置160の概略構成図である。本ガイド装置160は、図20Aに示すように、レーザ光13を出射するレーザ光源14と、所定の単位長さを有する複数の単位長さファイバ161と、隣接する前記単位長さファイバ161同士を接合する接合部162とを含んでいる。各接合部162からレーザ光13bを取り出す構成と示している。接合部162におけるレーザ光13bを取り出す構成の一例を図20Bに示している。
図20Bにおいて、接合する単位長さファイバ161(図20Bでは、レーザ光13bが出射する側と入射する側を区別して、それぞれ161a、161bとする)の各端面を同じ角度θで切断し、切断した端面が互いに平行になる様に配置し、空隙を透明な接合部材164で埋めている。
この状態において、単位長さファイバ161aの端面法線に対して角度αで入射したレーザ光13の一部は、端面法線に対して角度αで反射される。一方、入射したレーザ光13の残りはスネルの法則を満たす角度βで端面を透過して単位長さファイバ161bの端面に入射する。同様に、単位長さファイバ161bの端面に角度βで入射したレーザ光13の一部は、端面法線に対して角度αで透過する。一方、入射したレーザ光13の残りは、角度βで反射し、再度単位長さファイバ161aの端面に到達し、さらにその一部は単位長さファイバ161a内に角度αで透過する。以後、単位長さファイバ161aと161bの端面間において同様の反射を繰り返すことになる。この様に、単位長さファイバ161aと161bとの端面で多重反射したレーザ光は、いずれも同じ角度γの向きにレーザ光13bとして出射することとなる。具体的には、例えばθ=45°で切断されたファイバ(屈折率=1.5)に対して接合部材164(屈折率1.7)で接合し、水平に(即ちα=45°で)入射したレーザ光は、ファイバから真上に向けて(即ちγ=0°で)出射する。この時、レーザ光13bは、入射したレーザ光13の0.8%程度がファイバ外に取り出されることになる。
本実施の形態に係るライン状ガイド部は、各接合部からレーザ光を取り出すことができるため、所定の間隔(すなわち単位長さファイバの長さ)毎に発光部を簡便に設けることができるという効果を奏する。また、図20Bの構成により、ファイバ外部に指向性良く取り出すことが可能になるため、より視認性にすぐれた構成とすることが出来る。
尚、上記の構成は、単に一例にすぎず、端面の角度θ、入射角α、屈折率等は、適宜選択できることは言うまでもない。また、接合部材164の屈折率をゼロ(すなわち単位長さファイバの空隙を何も埋めない)としてもよい。
また、ファイバの単位長さは、例えば1mとすることが好ましい。この場合、等間隔で規則正しく照明することが可能になり、効果的に照明しながら消費電力を抑えることが出来る。さらに、ファイバの切断や端面の加工等の工程を、工場で事前に大量に行うことができるため、安価なガイドを提供することができる。なお、この単位長さは、単に一例であって、施工場所の必要性等に応じて任意の長さに変更可能なことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態に係るガイド装置160は、図20Cに示す構成としてもよい。すなわち、レーザ光13bを、地面163に対してレーザ光13bが所定の角度で出射する位置に、接合部162を固定してもよい。本実施の形態では、図20Cに示すように、接合部162は保持部162aと固定台162bとにより地面163に固定されている。例えば、図20Bにおいて示した単位長さファイバ161a、161bを用いた場合では、レーザ光13bを所定の向きに指向性良く取り出すためには、上で述べたとおり端面が互いに平行である必要がある。そのため、保持部162aを用いて、端面が互いに平行であるように固定することで、指向性良くレーザ光13bを取り出すことが可能になる。さらに、保持部162aに固定台162bを所定の向きで固定した状態で地面163に固定すれば、設置する地面163に対して所定の向きにレーザ光13bを出射するように固定することができる。この場合、各接合位置から出射するレーザ光の向きを簡便に揃えることが可能になる。
図20Dの構成において、図20Bの場合と同様に、固定台162bの代わり固定突起162cを用いてもよい。しかしながら、本実施の形態は、これに限らず、ファイバの向きを固定できる他の方法及び構成を用いてもよい。
尚、上述の各実施の形態では、ファイバのコアやクラッドを構成する物質として、石英、樹脂等を挙げたが、使用する環境、長さ、用途によって自由に選択することが出来ることは言うまでもない。単純には屋外で長期間使用する場合は、耐候性に優れる石英ファイバの使用が考えられ、曲げた状態で敷設する場合は、太くとも可撓性に優れるアクリルやポリカーボネート等の樹脂ファイバの使用が考えられるが、それらに限定するものではなく、フッ素ポリマー樹脂や含重水素化ポリマーやポリスチレン等、自由に選択できる。コアとして石英を用い、クラッドとして樹脂等を用いて、組み合わせてもよい。
以上のように、本発明の一局面に係る移動体を光により導くガイド装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を伝搬し、前記移動体が往来する路面上でガイド方向に延設されたライン状ガイド部と、を含み、前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬しながらその延設面から当該レーザ光を前記ガイド方向に指向性をもって照射することを特徴としている。
上記の構成によれば、レーザ光源から出射されたレーザ光は、路面上に延設されたライン状ガイド部を伝搬しながら、その延設面からガイド方向に指向性をもって照射されるようになっている。すなわち、ライン状ガイド部は、レーザ光源から出射されたレーザ光を伝搬する機能と、当該レーザ光を延設面から照射してガイドする機能とを兼ね備えている。このような構成のライン状ガイド部は、下記のように一般的な光ファイバとは大きく異なっている。
すなわち、一般的な光ファイバは光を伝搬する機能しかなく、そのような一般的な光ファイバにおいては、伝搬された光がその先端部から出射されるのみである。よって、一般的な光ファイバによって、光を用いたガイド装置を実現しようとすれば、前記特許文献2のように多数の光ファイバを用い、多数の光ファイバの先端部を配列する必要がある。
これに対して、本ガイド装置のライン状ガイド部は、上述のように、レーザ光を伝搬しながら延設面からレーザ光を取り出して照射するので、一本のライン状ガイド部の延設面から所望のレーザ光を広範囲にわたって取り出すことができる。すなわち、本ガイド装置は、レーザ光源に接続したライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを可能とする。これにより、敷設工事や設置が簡単でメンテナンスも容易な低コストのガイド装置を実現することができる。また、本ガイド装置は、レーザ光がガイド方向に沿って指向性よく照射されるので移動体の運転者などから見やすく視認性に優れている。
前記レーザ光源は、前記路面外または前記路面下部に設置されていることが好ましい。
上記のようにレーザ光源を路面外または路面下部に設置しても、ライン状ガイド部を延設することにより、容易かつ広範囲に、光によるガイドを実現できる。よって、レーザ光源を、例えば路面外の管理棟の屋内や路面下部の保管室に設けることができ、当該レーザ光源を水や外気および日光などから適切に保護することも容易である。これにより、ガイド装置全体の長寿命化を実現することができる。
前記ライン状ガイド部は、コア及びクラッドを有するファイバを含み、前記コア及びクラッドの少なくとも一方が拡散材を含んでいることが好ましい。
このように、前記コア及びクラッドの少なくとも一方に拡散材を含むファイバを用いることにより、容易にライン状ガイド部を実現できる。そして、この構成において、ファイバ内における拡散材の配置や密度を適切に設計することにより、所望のレーザ光を容易に指向性よく照射することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を前記延設面から外部に出射させる複数のミラーまたはプリズムを備えていることが好ましい。
このように、複数のミラーまたはプリズムを用いれば、レーザ光を容易かつ指向性よく所望の方向に照射することができる。
上記の構成において、前記ライン状ガイド部の先端部に接続され、前記レーザ光を面状に照射する導光板をさらに含むことが好ましい。
この場合、前記レーザ光を面状にも照射可能であるため、当該レーザ光を前記路面上で幅を持って照射することができる。この結果、視認性のさらなる向上を実現することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬する伝搬ラインと、前記伝搬ラインにおける前記レーザ光の出射側の面に接触可能に設けられて当該伝搬ラインからレーザ光の一部を外部へ取り出す接触部とを含むことが好ましい。
上記の構成によれば、伝搬ラインに接触させる接触部の配置を適切に設計することにより、前記レーザ光を所望の位置で効率よく取り出すことができる。例えば、定周期的にレーザ光を取り出すことも可能である。
前記ライン状ガイド部は、前記路面に沿って折り返して並列配置されていることが好ましい。
ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離が遠ざかるほどにその延設面から出射されるレーザ光は少なくなるが、上記のように折り返して並列的に配置されたライン状ガイド部では、レーザ光源からの距離が近い部位と遠い部位とが並列的に重なり合い、路面に沿った各位置からのレーザ光の照射強度をほぼ均一にすることが可能であり、視認性を向上させることができる。
前記ライン状ガイド部は、前記路面上に設けられた凸状の中央分離帯の側面上部に設置されていることが好ましい。
この場合、視認性のよい位置にコンパクトにガイド装置を設置することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記路面としての屋内通路を構成する側面の下半分の領域に設置されていることが好ましい。
この場合、屋内通路の誘導灯として好適なガイド装置を実現できる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を面状に照射するように配列され複数の枝ファイバを含むことが好ましい。
これにより、簡単な構成によりレーザ光の面状照射が可能となり、さらなる視認性の向上を図ることができる。
前記ライン状ガイド部の周囲にミラーを配置し、前記ミラーにより前記ライン状ガイド部から出射した前記レーザ光を反射させることが好ましい。
前記ミラーは、放物面鏡であることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬するファイバを含み、前記レーザ光を取り出す位置において、前記ファイバが湾曲していることが好ましい。
前記レーザ光を取り出す位置におけるファイバの湾曲径は、前記ファイバの下流側ほど小さいことが好ましい。
これにより、ファイバの下流側ほどファイバ内で全反射条件を超えやすくなり、レーザ光源からの距離によらず均一な光量で出射することができる。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光を伝搬するファイバを含み、前記ファイバは、クラッドと、当該クラッドに囲まれた中空部と、を有し、前記中空部には、蛍光体または拡散材を含む透明液体が注入されていることが好ましい。
上記の構成において、互いに混合しない複数の前記透明液体が前記中空部に注入されていることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバを含むことが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、その終端部が前記レーザ光の入射部に接続された環状構造であることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、前記レーザ光源からの距離によって断面径が変化するテーパファイバであることが好ましい。
前記ライン状ガイド部は、コア及びクラッドを有するファイバを含み、前記コアの屈折率が、前記クラッドの屈折率よりも低いことが好ましい。
この場合、均一な分布で長い領域に渡って容易にレーザ光を取り出すことが可能となる。
前記ライン状ガイド部は、所定長さを持つ複数本のファイバを接合してなり、前記複数本のファイバをそれぞれ接合する接合部から前記レーザ光を取り出すことが好ましい。
この場合、前記各接合部からレーザ光を取り出すことができるため、所定の間隔毎に発光部を簡便に設けることができる。また、前記ファイバの外部に指向性良く取り出すことが可能になるため、より視認性にすぐれた構成とすることが出来る。
上記の構成において、前記接合部を前記路面に対して所定の向きで固定する固定部をさらに含むことが好ましい。
本発明の他の局面に係るガイド装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光を入射して導光するファイバと、ファイバにより導光されたレーザ光を二次元光として出射する導光シートを含み、前記導光シートは網目状に加工されていることが好ましい。
上記の構成によれば、網目状に加工されている導光シートを用いることにより、仮に伝搬路の一部が切断されたとしても、別の箇所からレーザ光が回りこむため、伝搬路の切断位置より下流側でもレーザ光を出射させることができる。これにより、簡便な構成で広範囲に指向性良くレーザ光を出射ことができ、かつ信頼性の高いガイド装置を実現できる。
上記の構成において、前記レーザ光源を制御して前記レーザ光の発光周波数または色を変更させる制御部をさらに備え、前記制御部は、前記レーザ光の発光周波数を0.2Hz以上かつ10Hz以下の範囲で変調するか、または前記レーザ光の色を変えることにより前記移動体の運転者に対して情報を提供することが好ましい。
この場合、ガイド機能に加え、運転者に対して交通情報等の目視可能な情報を提供することにより注意を促すことができる。
上記の構成において、前記レーザ光を変調する変調部をさらに備え、前記変調部は、前記レーザ光をキャリアとして変調して前記移動体に情報を発信することが好ましい。
上記の構成によれば、レーザ光をキャリアとして各種情報を変調信号として載せて移動体に発信することができる。これにより、移動体に備え付けられた受信機で前記レーザ光を受信すれば、前記移動体が位置するエリアの道路走行情報などをリアルタイムに得ることができる。これにより、運転者の利便性の向上を図ることができる。
上記の構成において、前記路面の明るさを検知する光センサと、前記光センサの検知結果に基づいて前記レーザ光源を制御する制御部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、周囲の明るさに応じてレーザ光の強度や色を変えることによって、運転者が最適に視認することができるレーザ光を必要十分な電力で照射することができる。
上記の構成において、前記ガイドラインは、歩行者の存在を検知する人体検知センサと、前記人体検知センサの検知結果に基づいて前記レーザ光源を制御する制御部をさらに備えていることが好ましい。
この場合、駐車場などで人が移動体に近いところにいることをすばやく検知して運転者に知らせることにより、さらに安全性を高めたガイド装置を実現することができる。
本発明のガイド装置は、ファイバの構成や路面への配置およびファイバからのレーザ光の取り出しを光学的に工夫して指向性を持たせることにより工事や設置が簡単でメンテナンスが容易な視認性に優れた道路表示装置等に好適に用いることができる。
さらに、レーザ光のスペックルノイズや色を効果的に利用することにより必要十分な電力で視認性を高めることができるので低消費電力動作が可能で、多量の情報をリアルタイムに移動体の運転者に提供することができ移動体を快適に運転できるので有用である。
なお、発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施態様または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する特許請求事項との範囲内で、種々変更して実施することができるものである。