JP7395545B2 - 光拡散ファイバを用いた光デバイス - Google Patents

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本発明は、光拡散ファイバを用いた光デバイスに関する。
照明等の用途において光拡散ファイバが用いられている。例えば、特許文献1には、散乱構造を有するコアと、そのコアを被覆するように内側から順に同心状に設けられたクラッド、二次被覆、及びジャケットとを備えた光拡散ファイバが開示されている。
特許第6483095号公報
本発明の課題は、光取り出し効率が高い光拡散ファイバを用いた光デバイスを提供することである。
本発明は、光散乱機能を有さない第1コアと、前記第1コアに接触して被覆するように設けられた光散乱機能を有する第2コアとを備え、前記第2コアが前記第1コアよりも屈折率が高い第2コア本体を含む光拡散ファイバと、前記光拡散ファイバの一端に接続された出射光の拡がり角度が可変である第1の光源と、前記光拡散ファイバの他端に接続された出射光の拡がり角度が可変である第2の光源とを有する光デバイスである。
本発明によれば、第1コアに接触して被覆するように設けられた光散乱機能を有する第2コアが、第1コアよりも屈折率が高い第2コア本体を含むことにより、高い光取り出し効率を得ることができる。
実施形態に係る光拡散ファイバの横断面図である。 実施形態に係る光拡散ファイバの縦断面図である。 ライン状光源の構成を示す図である。 ライン状光源の第1の変形例の構成及び動作を示す第1の図である。 ライン状光源の第1の変形例の構成及び動作を示す第2の図である。 ライン状光源の第2の変形例の構成を示す図である。 透過型の光ファイバ応力センサの構成を示す図である。 透過型の光ファイバ応力センサの第1の変形例の構成を示す図である。 透過型の光ファイバ応力センサの第2の変形例の構成を示す図である。 反射型の光ファイバ応力センサの構成を示す図である。 実施形態に係る光拡散ファイバを用いた空間光の集光及び結合を示す図である。 実施例モデルの入射光の拡がり角度と散乱光量との関係を示すグラフである。 比較例モデル1の入射光の拡がり角度と散乱光量との関係を示すグラフである。 比較例モデル2の入射光の拡がり角度と散乱光量との関係を示すグラフである。 実施例モデルの長さ方向の位置と散乱光強度との関係を示すグラフである。 比較例モデル1の長さ方向の位置と散乱光強度との関係を示すグラフである。 比較例モデル2の長さ方向の位置と散乱光強度との関係を示すグラフである。 実施例モデルの散乱光の出射角度と散乱光強度との関係を示すグラフである。 比較例モデル1の散乱光の出射角度と散乱光強度との関係を示すグラフである。 比較例モデル2の散乱光の出射角度と散乱光強度との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について説明する。
図1A及びBは、実施形態に係る光拡散ファイバ10を示す。この光拡散ファイバ10は、ファイバ側面から散乱光を出射する光学部品である。
実施形態に係る光拡散ファイバ10は、第1コア11、第2コア12、クラッド13、及び被覆層14を備える。
第1コア11は、ファイバ中心に設けられている。第1コア11の断面形状は、円形である。第1コア11の直径は、例えば10μm以上2000μm以下である。第1コア11は、ガラス材料で形成されていることが好ましい。ガラス材料としては、例えば、純粋石英、フッ素(F)やゲルマニウム(Ge)がドープされて屈折率が調整された石英等が挙げられる。第1コア11は、アクリル樹脂等の樹脂材料で形成されていてもよい。
第2コア12は、第1コア11に接触して被覆するように設けられている。第2コア12の断面形状は、環状である。第2コア12の外径は、例えば100μm以上10000μm以下である。第2コア12は、第1コア11よりも屈折率が高いマトリクスの第2コア本体121と、その第2コア本体121に分散した光散乱体122とを含む。
第2コア本体121は、第1コア11よりも屈折率が高い材料で形成されている。第2コア本体121は、樹脂材料で形成されていることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)樹脂、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)樹脂など)、ポリアミド系樹脂(ナイロン樹脂など)等が挙げられる。シリコーン系樹脂は、多種の光散乱体122との親和性が高いので、光散乱体122を均一に分散させることができる。シリコーン系樹脂は、放熱性が高いので、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)樹脂やポリスチレン(PS)樹脂のような熱に弱い光散乱体122の劣化を抑制することができる。シリコーン系樹脂は、石英との密着性が高いので、第1コア11がガラス材料で形成されている場合には、第1コア11と第2コア12との高い密着性を得ることができる。シリコーン系樹脂は、光の透過率が高いので、レーザ光に対する高い耐性を得ることができる。これらのことから、第2コア本体121は、シリコーン系樹脂で形成されていることが好ましい。第1コア11がガラス材料で形成されている場合、第1コア11の線引きに続いて、その表面上に第2コア12を形成加工し、高い量産性及び再現性を得る観点からは、第2コア本体121は、熱硬化型又は紫外線硬化型のシリコーン系樹脂で形成されていることがより好ましい。なお、第2コア本体121は、純粋石英、フッ素(F)やゲルマニウム(Ge)がドープされて屈折率が調整された石英等のガラス材料で形成されていてもよい。
光散乱体122は、無機材料、有機材料、セラミックス材料、又は、金属材料の粒状物で構成されていてもよい。無機材料としては、例えば石英等が挙げられる。有機材料では、例えばPMMAやPSが挙げられる。セラミックス材料では、例えば光透過性のTiO等が挙げられる。金属材料では、例えばアルミニウム(Al)や金(Au)等が挙げられる。粒状物の光散乱体122は、内部に空気層を持つ多重構造を有していてもよい。光散乱体122は、微細な気泡で構成されていてもよい。光散乱体122は、これらのうちの1種又は2種以上で構成されていることが好ましく、第2コア本体121がシリコーン系樹脂で形成されている場合、透明性が高く、光吸収が少なく、分散性が良好であるという観点から、有機材料の粒状体で構成されていることがより好ましい。光透過性を有する光散乱体122では、その屈折率は、第2コア本体121の屈折率と異なれば良く、高くても低くても良い。
光散乱体122の粒径は、例えば0.1μm以上30μm以下である。光散乱体122の粒度分布は、粒子径が揃った単分散でも、粒子径分布が幅を持つ多分散でも、どちらでもよい。なお、光散乱体122の粒度分布が単分散の場合、伝播光の波長が変化すると、散乱光の特性も変化するが、多分散の場合、伝播光の波長が変化しても、散乱光の特性の変化を抑えることができる。光散乱体122が粒状物の場合、第2コア12における光散乱体122の含有量は、例えば第2コア本体121の含有量に対して0.01質量%以上30質量%以下であり、光散乱体122による光の吸収及び長さ方向における散乱光量の偏りの抑制の観点から、好ましくは3質量%以下である。
第2コア12は、光散乱体122に加えて、蛍光体及び/又は蓄光体を含んでいてもよい。蛍光体及び蓄光体の直径、粒度分布、及び含有量は、光散乱体122の場合と同一である。例えば、伝搬光が波長440nm付近の青色光である場合、第2コア12が、この青色光を励起光として黄色を発光する蛍光体(例えばYAl12:Ce3+(YAG))を含んでいれば、青色の散乱光と黄色の蛍光とを混合した疑似白色の発光を得ることができる。また、第2コア12が蓄光体を含んでいれば、伝搬光が途絶えても、暫くの間は燐光による発光を得ることができ、それを避難表示に利用することができる。例えば、伝搬光の波長が405nmである場合、第2コア12は、これを励起光として緑色を発光する蓄光体(アルミン酸ストロンチウム(SrAl)系、硫化亜鉛(ZnS))を第2コア12が含んでいてもよい。
クラッド13は、第2コア12に接触して被覆するように設けられている。被覆層14は、クラッド13に接触して被覆するように設けられている。クラッド13及び被覆層14の断面形状は、いずれも環状である。クラッド13及び被覆層14の外径は、例えば200μm以上20000μmである。クラッド13及び被覆層14は、樹脂材料で形成されていることが好ましい。樹脂材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられる。クラッド13及び被覆層14を形成する樹脂材料は、ハイパワーのレーザ光の伝送への耐性、耐熱性、屋外における耐候性の観点から、シリコーン系樹脂及びフッ素系樹脂が好ましい。クラッド13及び被覆層14を形成する樹脂材料は、結晶性を有していてもよい。クラッド13の屈折率は、第2コア本体121の屈折率よりも低いことが好ましいが、第2コア本体121の屈折率よりも高くてもよい。被覆層14の屈折率は、クラッド13の屈折率よりも高くても、低くても、どちらでもよい。クラッド13及び被覆層14は、第2コア12と同一又は異なる光散乱体を含んでいてもよい。
以上の構成の実施形態に係る光拡散ファイバ10によれば、第1コア11に接触して被覆するように設けられた光散乱機能を有する第2コア12が、第1コア11よりも屈折率が高い第2コア本体121を含むことにより、第1コア11の伝搬光が、第2コア12に容易に導かれて散乱光として外部に放出されるので、高い光取り出し効率を得ることができる。
ところで、高屈折率のコアが光散乱体を含む低屈折率のクラッドで被覆された光拡散ファイバでは、コアの伝播光をクラッドに漏洩させ、その光を光散乱体に導いて散乱させる必要がある。そのため、コアにクラッドとの界面の臨界角を越えるような大きな拡がり角度の光を入射する手段やクラッドにおける光散乱体の含有量を多くしてコアとクラッドとの界面に屈折率や構造の不均一部分を形成することによりコアの伝播光を放射モードに変える手段が講じられる。
しかしながら、前者の手段では、拡がり角度の大きい光を発する専用の光源を準備する必要があるという問題がある。後者の手段では、光散乱体による光吸収が多いとともに、不均一部分の影響が過大になり易いので、光拡散ファイバの長さ方向で散乱光量に偏りが生じるという問題がある。
これに対し、実施形態に係る光拡散ファイバ10では、第2コア本体121が第1コア11よりも屈折率が高く、第1コア11の伝搬光が、第2コア12に容易に導かれるので、第1コア11の伝搬光を第2コア12に漏洩させるために、拡がり角度の大きい光を発する専用の光源を用いる必要がなく、高屈折率のコアが光散乱体を含む低屈折率のクラッドで被覆された光拡散ファイバのように、クラッドに多くの散乱体を含有させて、コアとの界面近傍に屈折率や構造の不均一部分を形成する必要が無いので、実施形態に係る光拡散ファイバ10では、第2コア12における光散乱体122の含有量を少量とすることができる。このことにより、光散乱体122による光の吸収を抑制することができるとともに、屈折率や構造の不均一部分の影響を小さくできるので、長さ方向における散乱光量の偏りを抑制することができる。また、不均一部分を形成することを目的とした最低限の光散乱体122の含有量という制約事項がないので、光拡散ファイバ10の設計の高い自由度を得ることができる。
実施形態に係る光拡散ファイバ10は、第1コア11から光散乱体122に至る光の角度に対する制限が緩和され、第1コア11の伝搬光の変動に伴って散乱光の出射角度が変動することから、この特性を利用することにより、例えば照明や表示などの各種の光源、光ファイバセンサ等の光デバイスに用いることができる。
図2は、光デバイスの一例であるライン状光源20を示す。
このライン状光源20は、実施形態に係る光拡散ファイバ10と、その一端に接続された原光源21とを有する。
このライン状光源20では、原光源21からの光の拡がり角度を変えることにより、散乱光の出射角度を制御し、図2に示す実線矢印と破線矢印との間の範囲において、散乱光を所望の方向に導いて出射させることができる。
ここで、原光源21からの光の拡がり角度を変える方法としては、例えば、発する光の拡がり角度が異なる複数の原光源21を切り換える方法、レンズなどの光学部品を用いて光の拡がり角度を変える方法、原光源21から光拡散ファイバ10への入射角度を変える方法、原光源21と光拡散ファイバ10とを別の光ファイバで繋ぎ、その光ファイバに外部応力や熱を加えて光伝搬特性を変える方法、光拡散ファイバ10自身に外部応力を加える方法等が挙げられる。
ライン状光源20は、図3A及びBに示すように、光拡散ファイバ10の一端に第1原光源211及び他端に第2原光源212がそれぞれ接続された構成であってもよい。このライン状光源20では、図3Aに示すように第1原光源211からの伝搬光を散乱光として出射させる場合と、図3Bに示すように第2原光源212からの伝搬光を散乱光として出射させる場合とを使い分けることで、より誘目性を強調することができる。
ライン状光源20は、図4に示すように、光拡散ファイバ10に、伝搬光を曲げたり、或いは、伝搬光を制限する機能付与構造22が設けられた構成であってもよい。これにより、機能付与構造22が設けられた部分において、光が点滅する効果や誘目性が高まる効果等を得ることができる。
以上のライン状光源20は、光拡散ファイバ10が可撓性に優れるので、光拡散ファイバ10を任意の形状に曲げて配置することができ、また、光拡散ファイバ10を二次元的に並べた面光源や三次元的に積み上げた立体光源を構成することもできる。さらに、展示用照明として使用する場合には、光源の設置位置を変えることなく、展示物に対する光の照射の方向を変えることができる。農業における植物育成用照明として使用する場合には、光の照射の方向を変えて、光が当たらない葉の裏側などの影の部分へも光を当てることができる。案内表示として使用する場合には、光の出射の方向を変えることにより、誘目性の優れた表示を行うことができる。なお、原光源21並びに第1及び第2原光源211,212の出射光は、可視光、赤外光、及び紫外光のうちのいずれでもよいが、案内表示の場合には、可視光が好ましい。
図5は、光デバイスの一例である透過型の光ファイバ応力センサ30を示す。
この光ファイバ応力センサ30は、光源31と、その光源31に一端が接続されたセンシング部321を含む光ファイバ32と、その他端に接続された実施形態に係る光拡散ファイバ10と、光拡散ファイバ10の出射側部分に設けられた光検出器33とを有する。
この光ファイバ応力センサ30では、光源31からの光が、光ファイバ32に入射して伝播するのに続いて、光拡散ファイバ10に入射して伝播し、光検知器33が、光拡散ファイバ10からの散乱光の出射角度分布を検知する。そして、光ファイバ32のセンシング部321に外力F(側圧、曲がり、温度等)が作用すると、光ファイバ32の伝播光の拡がり角度が変化し、この変化が光拡散ファイバ10からの散乱光の出射角度分布の変化として現れ、光検知器33は、その拡がり角度が変化した散乱光の出射角度分布を検知する。このことから、光検知器33が検知する光拡散ファイバ10からの散乱光の出射角度分布の変化に基づき、センシング部321に作用した外力Fを測定することができる。従来の同種の光ファイバ応力センサでは、センシング部が光ファイバとは異なる構造や材料で形成されてため光接続が困難である、また、センサ機能に応じた特殊な光源が必要である等の課題がある。しかしながら、この光ファイバ応力センサ30では、そのような課題がない。また、従来の光ファイバ応力センサのようにセンシング部に特殊な構造を形成する必要がない。センシング部321は、外力Fが伝わり易い構造や配置で光ファイバ32、光拡散ファイバ10の近傍に設けても良い。またセンシング部321として具体的な構造を設けなくとも、光ファイバ32、光拡散ファイバ10自身が直接外力Fを受けるように敷設しても良い。前者の場合は特定の位置での検出、後者の場合は敷設した広いエリアでの検出が可能である。例えば、前者の場合、生体内の特定部位のセンシングやロボットの関節部分のセンシング等に有効である。また後者の場合、崩落危険地帯の広いエリアでの地形変動のセンシング等に有効である。
なお、センシング部321は、光拡散ファイバ10に設けられていてもよい。また、図6Aに示すように、センシング部321が複数設けられていてもよく、光ファイバ32の全長の全領域がセンシング部321を構成していてもよい。さらに、図6Bに示すように、光ファイバ32、光拡散ファイバ10、及び光検出器33のユニットが直列に複数接続されていてもよい。
図7は、光デバイスの一例である反射型の光ファイバ応力センサ30を示す。
この光ファイバ応力センサ30は、光源31と、その光源31に一端が接続された実施形態に係る光拡散ファイバ10と、その他端に接続されたセンシング部321を含む光ファイバ32と、光拡散ファイバ10の出射側部分及び入射側部分にそれぞれ設けられた第1及び第2光検出器331,332と、光ファイバ32の出射端に設けられた反射ミラー34とを有する。
この光ファイバ応力センサ30では、光源31からの光が、進行方向に、光拡散ファイバ10に入射して伝播するのに続いて、光ファイバ32に入射して伝播し、反射ミラー34で反射した後、後進方向に、光ファイバ32を伝播するのに続いて、光拡散ファイバ10に入射して伝播し、第1光検出器331が、進行方向に伝播する光源31からの光の散乱光の出射角度分布を検知するとともに、第2光検出器332が、後進方向に伝播する光ファイバ31からの光の散乱光の出射角度分布を検知する。そして、光ファイバ32のセンシング部321に外力F(側圧、曲がり、温度等)が作用すると、光ファイバ32の伝播光の拡がり角度が変化し、この変化が後進方向に伝播する光の光拡散ファイバ10からの散乱光の出射角度分布の変化として現れ、第2光検知器332は、その拡がり角度が変化した散乱光の出射角度分布を検知する。一方、第1光検出器331は、外力Fに影響されていない光源31自身の出射角度分布を検知しているので、第1及び第2光検知器331,332が検知する光拡散ファイバ10からの散乱光の出射角度分布の相違に基づき、センシング部321に作用した外力Fを測定することができる。光ファイバ32の伝搬光は、進行方向及び後進方向に往復して伝播し、センシング部321に作用する外力Fによる影響を大きく受ける。このことから、外力Fの高い検出感度を得ることができる。なお、この反射型の光ファイバ応力センサ30でも、センシング部321が複数設けられていてもよい。また、光ファイバ32の全長の全領域がセンシング部321を構成していてもよい。
実施形態に係る光拡散ファイバ10は、散乱光の出射角度の範囲が広いので、光相反性の原理より、図8に示すように、空間光を集光して結合させ易い、つまり、空間光の結合効率が高い構造を有し、集光した空間光を結合させて出射する。したがって、この光拡散ファイバ10を二次元的に並べた平面構造、三次元的に配置した立体構造、可撓性を利用した任意の曲面構造の集光部材を構成し、それを用いることにより、効率のよい光結合装置を構成することができる。なお、複数の光拡散ファイバ10からの光は、光カプラ、レンズ、ミラー等の光学部品を用いて合波することができる。また、空間光は、可視光、赤外光、及び紫外光のうちのいずれでもよい。
なお、上記実施形態では、断面形状が円形の単一の第1コア11がファイバ中心に設けられた構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、第1コアの断面形状が矩形や多角形等であってもよく、第1コアが複数設けられていてもよく、第1コアがファイバ中心から偏心して設けられていてもよい。
上記実施形態では、第2コア12が光散乱体122を含む構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、第2コアが、光散乱体を含まず、例えばフッ素系樹脂やポリアミド系樹脂等の結晶性を有する樹脂材料で形成されて光散乱機能を有する構成であってもよい。
光学設計解析ソフトウェア(Zemax OpticStudio Zemax社製)を用いて行ったシミュレーションについて説明する。
第1コア及び第2コア並びにクラッドが内側から順に同心状に設けられた光拡散ファイバであって、第2コアが、第1コアよりも屈折率が高い第2コア本体に光散乱体が均一に分散した構成のものを実施例モデルとした。実施例モデルの光拡散ファイバでは、第1コアの直径を100μm及び屈折率を1.45、第2コアの外径を200μm及び第2コア本体の屈折率を1.50、クラッドの外径を700μm及び屈折率を1.40、並びに光散乱体の粒径を2μm及び屈折率を1.49とした。
第2コア本体の屈折率を1.40、したがって、第2コア本体の屈折率を第1コアの屈折率よりも低くし、且つ光散乱体の添加濃度が増えてその25%が第1コアに接触するように、光散乱体を第1コアと第2コアとの界面に偏在させたことを除いて実施例モデルと同一構成の光拡散ファイバを比較例モデル1とした。
第2コア本体の屈折率を1.40、したがって、第2コア本体の屈折率を第1コアの屈折率よりも低くしたことを除いて実施例モデルと同一構成の光拡散ファイバを比較例モデル2とした。
シミュレーションでは、各モデルの光拡散ファイバについて、水平方向及び垂直方向のいずれの方向にも単峰性のガウシアン形状の強度分布を有する可視光の入射光を入射するシミュレートを行い、そのときの光拡散ファイバからの側方への散乱光の光量及び強度並びに出射角度を解析した。シミュレーションは、第2コアにおける光散乱体の含有量を含有量A乃至C(A<B<C)の3水準変量した場合、及び入射光の拡がり角度を変量した場合について行った。
図9A乃至Cは、それぞれ実施例モデル並びに比較例モデル1及び2の入射光の拡がり角度と散乱光量との関係を示す。
図9Aによれば、実施例モデルでは、光散乱体の含有量A乃至Cのいずれの場合でも、入射光の拡がり角度が変化しても、散乱光量の変化は少なく、特に拡がり角度が小さくても、安定した散乱光量が得られることが分かる。このことから、実施例モデルと同様の構成の光拡散ファイバであれば、第1コアと第2コアとの界面の臨界角を越えるような大きな拡がり角度の出射光を発する光源を準備する必要もなく、また、第1コアと第2コアとの界面に屈折率や構造の不均一部分を形成するために光散乱体を高濃度に添加する必要もない。
図9Bによれば、比較例モデル1では、入射光の拡がり角度が変化すると、散乱光量も大きく変化し、また、拡がり角度が小さいと、大きな散乱光量が得られないことが分かる。
図9Cによれば、比較例モデル2でも、入射光の拡がり角度が変化すると、散乱光量も大きく変化し、また、入射光の拡がり角度が開口数を越える角度にならないと、大きな散乱光量が得られないことが分かる。
図10A乃至Cは、それぞれ実施例モデル並びに比較例モデル1及び2の長さ方向の位置と散乱光強度との関係を示す。
図10Aによれば、実施例モデルでは、入射光の拡がり角度がいずれの場合でも、光源32側から長さ方向に沿って散乱光強度が高くなることが分かる。これは、長さ方向に沿って第1コアから第2コアに徐々に光が漏洩して散乱光が出射され、それにより長さ方向に沿って散乱光強度が均一になることを示すものである。
図10Bによれば、比較例モデル1では、光源から150mm乃至300mmの範囲において、散乱光強度が高いことが分かる。これは、第1コアと第2コアとの界面の不均一部分が、過度に第1コアの導波モードに影響していることが推測される。
図10Cによれば、比較例モデル2でも、光源から150mm乃至200mmの範囲において、散乱光強度が高いことが分かる。また、比較例モデル2では、拡がり角度の大きい入射光を使用する必要があることが分かる。
図11A乃至Cは、それぞれ実施例モデル並びに比較例モデル1及び2の散乱光の出射角度と散乱光強度との関係を示す。なお、散乱光の出射角度は、長さ方向に直交する方向からの角度である。なお、88°付近から90°までの出射角度は、主には第1コアの伝搬光の伝送モードの角度である。
図11Aによれば、実施例モデルでは、入射光の拡がり角度がいずれの場合でも、出射角度が最低60°付近から大凡30°の幅で散乱光が存在し、入射光の拡がり角度が変わると、散乱光の出射角度の成分分布が変わることが分かる。具体的には、入射光の拡がり角度が小さいと、出射角度が大きい成分が多いが、入射光の拡がり角度が大きくなると、出射角度が小さい成分が増えることが分かる。なお、出射角度の可変幅は、第1及び第2コアなどの屈折率及びサイズ、並びに光散乱体の粒径等で調整することができる。
図11Bによれば、比較例モデル1でも、入射光の拡がり角度が変わると、散乱光の出射角度の成分分布が変わるが、その可変幅は、実施例モデルよりも小さいことが分かる。
図11Cによれば、比較例モデル2では、入射光の拡がり角度が変わっても、散乱光の出射角度の成分分布がほとんど変わらないことが分かる。
本発明は、光拡散ファイバを用いた光デバイスの技術分野について有用である。
10 光拡散ファイバ
11 第1コア
12 第2コア
121 第2コア本体
122 光散乱体
13 クラッド
14 被覆層
20 ライン状光源(光デバイス)
21 原光源
211 第1原光源
212 第2原光源
22 機能付与構造
30 光ファイバ応力センサ(光デバイス)
31 光源
32 光ファイバ
321 センシング部
33 光検出器
331 第1光検出器
332 第2光検出器
34 反射ミラー

Claims (1)

  1. 光散乱機能を有さない第1コアと、前記第1コアに接触して被覆するように設けられた光散乱機能を有する第2コアと、を備え、前記第2コアが前記第1コアよりも屈折率が高い第2コア本体を含む光拡散ファイバと、
    前記光拡散ファイバの一端に接続された出射光の拡がり角度が可変である第1の光源と、
    前記光拡散ファイバの他端に接続された出射光の拡がり角度が可変である第2の光源と、
    を有する光デバイス。
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