1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係る警告装置は、少なくとも一つの道路ブロックと、光を発生する光発生部と、前記道路ブロックに設けられ、前記光発生部で発生した光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部と、対象物を検知する検知部と、前記検知部の検知結果に基づいて前記光発生部による光の発生を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
〔2〕上記警告装置において、前記対象物は車両であって、前記制御部は、前記検知部による検知結果に基づいて、所定の位置に前記車両が接近していると判定した場合に、前記光発生部から光を発生させてもよい。
〔3〕上記警告装置において、前記制御部は、前記所定の位置と前記車両との位置関係に応じて、前記光出射部から出射される光の明るさを変化させてもよい。
〔4〕上記警告装置において、前記制御部は、前記車両が前記所定の位置に到達するまでの推定到達時間に基づいて、前記光出射部から出射される光の明るさが変化する周期を変更してもよい。
〔5〕上記警告装置において、前記制御部は、前記推定到達時間が所定の閾値より大きい場合に、前記光出射部から出射される光の明るさを第1の周期で変化させ、前記推定到達時間が前記所定の閾値より小さい場合に、前記光出射部から出射される光の明るさを前記第1の周期より短い第2の周期で変化させてもよい。
〔6〕上記警告装置において、前記光発生部と、前記光出射部と、前記検知部と、前記制御部とが同一の前記道路ブロックに設けられていてもよい。
〔7〕上記警告装置において、前記道路ブロックを複数備え、複数の前記道路ブロックのうちの少なくとも一つの前記道路ブロック内に配置され、前記光発生部から発生した光を前記光出射部まで伝搬させる導光路を更に有し、前記光出射部は、前記制御部、前記検知部、および前記光発生部とは異なる前記道路ブロックに設けられていてもよい。
〔8〕上記警告装置において、前記光出射部は、複数の前記道路ブロックにそれぞれ設けられ、前記光出射部が設けられた前記道路ブロックは、少なくとも一部が切り下げられていてもよい。
〔9〕上記警告装置において、前記導光路は、側面発光型の光ファイバを含んでいてもよい。
〔10〕上記警告装置において、前記導光路は、前記道路ブロック毎に設けられ、隣り合う前記道路ブロックの前記導光路同士を連結する継手を更に有していてもよい。
〔11〕上記警告装置において、前記継手は、連結された一方の前記導光路から他方の前記導光路に伝搬する光の一部を前記道路ブロックの外部に出射可能に構成されていてもよい。
〔12〕上記警告装置において、前記継手は、二つの前記導光路が互いに同軸となるように連結可能な連結部と、前記連結部に接続された一方の前記導光路から前記連結部に接続された他方の前記導光路に伝搬する光の一部を外部に出射する発光部とを有し、前記発光部は、互いに隣り合う前記道路ブロック間に挟まれた状態で配置されていてもよい。
〔13〕本発明の代表的な実施の形態に係る別の警告装置は、並んで配置された複数の道路ブロックと、光を発生する第1光発生部および第2光発生部と、少なくとも一つの前記道路ブロックに設けられ、入射された光を前記道路ブロックの外部に出射する光出射部と、前記道路ブロック毎に設けられ、前記第1光発生部から発生した光を伝搬させる第1導光路と、前記道路ブロック毎に設けられ、前記第2光発生部から発生した光を伝搬させる第2導光路と、隣り合う前記道路ブロックの前記第1導光路同士を接続する第1継手と、隣り合う前記道路ブロックの前記第2導光路同士を接続する第2継手と、対象物を検知する検知部と、前記第1光発生部および前記第2光発生部を制御して光を発生させる制御部と、を備え、前記第1光発生部と前記光出射部とは、前記第1継手を介して直列に接続された複数の前記第1導光路を介して互いに光学的に接続され、前記第2継手は、二つの前記第2導光路が互いに同軸となるように連結する連結部と、前記連結部に接続された一方の前記第2導光路から前記連結部に接続された他方の前記第2導光路に伝搬する光の一部を外部に出射する発光部とを有し、前記制御部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記第1光発生部による光の発生を制御することを特徴とする。
〔14〕上記警告装置において、前記発光部は板状に形成され、前記発光部は、第1面と、前記第1面に背向する第2面と、前記第1面と前記第2面との間を貫通する貫通穴とを含み、前記第1継手は、前記第2継手の前記発光部に形成された前記貫通穴に挿通された状態で、隣り合う前記道路ブロックの前記第1導光路同士を接続していてもよい。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
≪実施の形態1≫
図1および図2は、本発明の実施の形態1に係る警告装置の構成を示す図である。
図1には、実施の形態1に係る警告装置100を模式的に示す斜視図が示され、図2には、実施の形態1に係る警告装置100を模式的に示す側面図が示されている。
警告装置100は、所定の対象物が接近していることを警告する装置である。
ここで、所定の対象物は、例えば、車両である。車両には、自動車やトラック、路面電車、自動二輪車、原動機付自転車等の動力を有する車両の他に、動力を有さない自転車等を含む。
図1に示すように警告装置100は、例えば、車道200と歩道300との境界に道路ブロックとして配置される。すなわち、警告装置100は、警告機能を有する道路ブロックである。
図3は、実施の形態1に係る警告装置100の設置例を示す図である。
警告装置100は、一列に並べて配置された複数の道路ブロックのうちの一つの道路ブロックとして配置される。例えば、図3に示すように、警告装置100は、複数の道路ブロックのうち交差点400に近い位置の道路ブロックとして配置される。
警告装置100は、車両(対象物)を検知して光を発することにより、交差点400や横断歩道の周辺にいる歩行者や自転車に乗っている人等に対して、車両が接近していることを警告する。警告装置100は、例えば、無電柱化により道路の地下空間に形成された共同溝に通信線等とまとめて配策された電力線から電力供給を受けることにより、動作可能となっている。
図4は、実施の形態1に係る警告装置100の機能ブロック構成を示す図である。
図4に示すように、警告装置100は、制御部1、検知部2、光発生部3、および光出射部4を有している。実施の形態1に係る警告装置100において、制御部1、検知部2、光発生部3、および光出射部4が同一の道路ブロック9にまとめて配置されている。
本実施の形態では、図3に示すように、路面に一列に並んで設置される複数の道路ブロック9_1~9_n(nは2以上の整数)のうち、交差点400の近傍に配置される道路ブロック9_1に制御部1、検知部2、光発生部3、および光出射部4が設けられているものとして説明する。
また、以下の説明において、道路ブロック9_1~9_n等のサフィックスが付された要素について、それぞれの要素を区別しない場合には、「道路ブロック9」等とサフィックスを付けずに表記する場合がある。
道路ブロック9は、路面に設置される縁石用のブロックであり、例えば、コンクリートによって構成されている。図1,2に示すように、道路ブロック9は、例えば、角柱状に形成されている。道路ブロック9は、例えば、道路ブロック9の長手方向から見た断面形状が矩形状(例えば正方形状や台形状)に形成されている。
図2に示すように、制御部1、光発生部3、および光出射部4は、道路ブロック9の内部に形成された収容空間90に配置されている。検知部2は、道路ブロック9の上面、すなわち道路ブロック9が路面に設置されたときに路面に垂直な方向に面する面上に設置されている。道路ブロック9には、道路ブロック9の上面と収容空間90とを連通する穴が形成されており、その穴に挿通された電線(例えばリード線)5によって、検知部2と制御部1とが電気的に接続されている。
検知部2は、対象物の接近を検知する機能部である。検知部2は、周辺に存在する対象物を検出可能なセンサ装置を有している。
センサ装置としては、例えば、振動を検出する振動センサ装置、マイクロフォン等を搭載した集音式車両感知器、超音波式車両感知器、電波式車両感知器、赤外線式車両感知器、および光学式車両感知器等の従来から知られている車両感知器を採用することができる。
ここで、超音波式車両感知器は、車両に向けて間欠的に発射された超音波の反射波に基づいて車両を検知する装置である。電波式車両感知器は、車両に向けて間欠的に発射されたマイクロ波やミリ波等の電波の反射波に基づいて車両を検知する装置である。赤外線式車両感知器は、走行する車両の赤外線を感知して車両を検出する装置である。光学式車両感知器は、光ビーコンやレーダ等の光(例えば近赤外線等)やカメラを利用して車両を検知する装置である。
また、センサ装置として、車両に搭載された端末と無線通信を行うことによって、車両の走行位置の情報等を取得可能な無線通信機器を採用することも可能である。
光発生部3は、光を発生させる機能部であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の可視光を発生させる光源を含んで構成されている。なお、光源としては、LEDに限定されず、可視光を発生させる種々の装置を用いることが可能である。
光出射部4は、光発生部3で発生した光(可視光)を道路ブロック9_1の外部に出射する機能部である。光出射部4は、例えば、光を透過させる光透過部材と、光発生部3で発生した光を上記光透過部材に導く公知の反射材等から構成されている。上記光透過部材は、例えば、アクリル樹脂等の可視光を透過する透明材料によって形成されている。
光出射部4は、光発生部3から入射された光を道路ブロック9_1の外部に出射するために、上記光透過部材の一部が道路ブロック9から露出するように、道路ブロック9に配置される。例えば、図1、2に示すように、道路ブロック9_1の側面、すなわち道路ブロック9_1が路面に設置されたときに車道200側または歩道300側に面する面において、上記光透過部材の一部が露出するように、光出射部4が道路ブロック9_1に配置される。より具体的には、道路ブロック9_1の外周面(例えば側面)に、光出射部4の上述した透明部材の一部を道路ブロック9_1の外部に露出するための開口部91が形成されている。
制御部1は、警告装置100を構成する各機能部の統括的な制御を行う機能部である。具体的に、制御部1は、検知部2の検知結果に基づいて、光発生部3による光(可視光)の発生を制御する。
制御部1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、インターフェース回路等の種々の周辺回路とを含むマイクロコントローラ(プログラム処理装置)や、光発生部3としての光源(LED等)を駆動する駆動回路等がプリント基板に実装された状態で金属等から成る筐体に収容されることにより、実現されている。
制御部1は、検知部2による検知結果に基づいて、所定の位置に対象物(車両)が接近していると判定した場合に、光出射部4から光を発生させる。
ここで、所定の位置とは、例えば、光出射部4が設けられた道路ブロック9_1である。
図5は、制御部1の機能ブロック構成を示す図である。
同図に示すように、制御部1は、検知結果取得部11、判定部12、および発光制御部13を有する。これらの機能ブロックは、上述した制御部1を構成する各ハードウェア資源がソフトウェアと協働することによって実現される。例えば、制御部1の構成要素であるプロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、周辺回路等を制御することにより、実現される。
検知結果取得部11は、検知部2による検知結果を取得する機能部である。
判定部12は、検知結果取得部11によって取得された検知部2の検知結果に基づいて、車両が所定の位置に接近しているか否かを判定する機能部である。例えば、検知部2が振動センサである場合、判定部12は、振動センサによって検知された振動量が所定値以上であるときに、車両が所定の位置(道路ブロック9_1)に接近していると判定する。
発光制御部13は、判定部12の判定結果に基づいて光発生部3を駆動することにより、光の発生を制御する機能部である。発光制御部13は、通常時には、光発生部3による光の発生を停止し、判定部12によって車両が所定の位置(道路ブロック9_1)に接近していると判定された場合に、光発生部3を駆動して光を発生させる。光発生部3から発生した光(可視光)は、光出射部4から出射される。
図3に示すように、車道200と歩道300との境界に配置される縁石の一つとして道路ブロック9_1を採用した場合を考える。この場合に、車両900が道路ブロック9_1に接近したとき、制御部1は、検知部2の検知結果に基づいて、車両900が接近していると判定し、光発生部3から光を発生させる。これにより、道路ブロック9_1の光出射部4から光が出射される。
以上、実施の形態1に係る警告装置100は、少なくとも一つの道路ブロック9と、光を発生する光発生部3と、道路ブロック9に設けられ、光発生部3で発生した光を道路ブロック9の外部に出射する光出射部4と、対象物を検知する検知部2と、検知部2の検知結果に基づいて光発生部3による光の発生を制御する制御部1とを備えている。
これによれば、検知部2によって対象物としての車両900が道路ブロック9_1に接近したことが検知された場合に、道路ブロック9_1から光を発して、道路ブロック9_1の周辺に存在する歩行者等に、車両が接近していることを警告することが可能となる。これにより、従来の照明付きの道路ブロック等に比べて、車両と歩行者との接触事故等の交通事故の抑止効果を高めることが可能となる。
≪実施の形態2≫
図6は、実施の形態2に係る警告装置の構成を模式的に示す側面図である。
図6に示すように、実施の形態2に係る警告装置100Aは、警告のための光を出射する光出射部4と、制御部1A、検知部2、および光発生部3とが互いに異なる道路ブロック9に配置される点において、実施の形態1に係る警告装置100と相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る警告装置100Aと同様である。
実施の形態2に係る警告装置100Aは、制御部1A、検知部2、光発生部3、および光出射部4に加えて、複数の導光路6_1~6_nおよび継手7を更に備えている。
警告装置100Aにおいて、光発生部3は、光出射部4と異なる道路ブロック9に設けられている。例えば、図6に示すように、一列に並んで配置された複数の道路ブロック9_1~9_nのうち、道路ブロック9_nに制御部1A、検知部2、および光発生部3が配置され、道路ブロック9_1に光出射部4が配置されている。
導光路6_1~6_nは、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続するための部品である。導光路6_1~6_nとしては、入射口から入射された光を全反射によって伝搬させて出射口から出射させる光デバイスを用いることができる。この光デバイスとしては、プラスチック等の樹脂から構成された光パイプや光ファイバ等を例示することができる。
導光路6は、複数の道路ブロック9のうちの少なくとも一つの道路ブロック9内に配置され、光発生部3から発生した光を光出射部4まで伝搬させる。
本実施の形態に係る警告装置100Aにおいて、導光路6_1~6_nは、複数の道路ブロック9_1~9_n毎に設けられている。導光路6_1~6_nは、道路ブロック9_1~9_nの内部を通って、光発生部3と光出射部4とを光学的に接続する。
各導光路6_1~6_nは、対応する道路ブロック9_1~9_nにおいて、各道路ブロック9_1~9_nの長手方向に沿って形成された貫通孔93に挿通されている。隣り合う道路ブロック9の導光路6同士は、継手7によって互いに光学的に接続されている。
図7は、実施の形態2に係る継手7の構成を模式的に示す図である。
図7には、図6に示した警告装置100AのA-A断面が示されている。
継手7は、隣り合う道路ブロック9の導光路6同士を連結する部品である。継手7は、連結した二つの導光路6を互いに光学的に接続する。継手7は、例えば金属や樹脂等の材料から構成されている。継手7は、二つの導光路6の各々の光軸が同軸となるように、当該二つの導光路6を接続する。具体的に、継手7は、例えば導光路6の外径に対応した内径を有する筒状(例えば円筒状)に形成されている。
図6に示すように、道路ブロック9における長手方向の端部、すなわち、道路ブロック9における隣り合う他の道路ブロック9と対面する領域には、継手7を配置するための空間を画成する穴92が形成されている。図7に示すように、穴92は、断面視で貫通孔93よりも大きい径の円形状に形成されている。
例えば、複数の道路ブロック9は、道路ブロック9の長手方向から見て、隣り合う道路ブロック9の端部に形成された穴92が互いに重なるように一列に配置される。継手7は、隣り合う二つの道路ブロック9が接触したときに、当該2つの道路ブロック9に形成された穴92によって画成される空間94に配置される。空間94において、継手7の一端に、連結対象の二つの導光路6のうちの一方の導光路6が接続され、継手7の他端に、連結対象の二つの導光路6のうちの他方の導光路6が接続される。これにより、二つの導光路6は、互いの光軸が同軸となるように接続される。
なお、継手7は、一方の導光路6から入射された光が他方の導光路6以外に漏れないように形成されていることが好ましい。
図8は、実施の形態2に係る警告装置の設置例を示す図である。
例えば図8に示すように、警告装置100Aの光出射部4は、交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に配置され、制御部1、検知部2、および光発生部3は、道路ブロック9_1と同列に配置された他の道路ブロック9_nに配置される。
警告装置100Aは、例えば、図8におけるA方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知して警告(光)を発する。
例えば、検知部2として、超音波式車両感知器、電波式車両感知器、赤外線式車両感知器、および光学式車両感知器等のセンサ装置を採用する場合には、道路のA方向に向かって信号(光信号または電波)の送受信が可能になるように、検知部2の設置場所や向きを適切に定める。これにより、A方向から接近する車両900を高精度に検知することが可能となる。
また、検知部2として、振動センサ装置や集音式車両感知器を採用した場合には、以下の手法により、A方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知することが可能となる。
例えば、図8に示すように、車道200に車両通過検知部201を形成しておき、車両900が車両通過検知部201を通過したときに、車両900が一般の道路を走行するときに発生する振動(または音)よりも大きな振動(または音)を発生させる。
ここで、車両通過検知部201は、例えば、車道200に形成された溝や段差等である。
検知部2が配置される位置Pを基準とした場合、車道200の延在方向における一方の側に形成する車両通過検知部201の個数と、車道200の延在方向における一方の側に形成する車両通過検知部201の個数を互いに相違させる。
例えば、図8に示すように、検知部2が配置される位置Pを基準として車道200の延在方向における一方の側に、2つの車両通過検知部201を形成するとともに、車道200の延在方向の他方の側に、例えば1つの車両通過検知部201を形成する。
上述のように、車道200に車両通過検知部201を形成した場合、A方向から接近する車両900は2つの車両通過検知部201を通過するので、大きな振動(または音)が二回連続して発生する。一方、B方向から接近する車両900は1つの車両通過検知部201を通過するので、大きな振動(または音)が一回だけ発生する。
制御部1の判定部12は、検知部2によって検出された所定の閾値を超える振動または音の発生回数を判定することにより、車両900が接近する方向を特定する。上述の例の場合、判定部12は、所定の時間内に所定の閾値を超える振動または音が二回連続して発生した場合に、A方向から車両900が接近していると判定することができる。制御部1の発光制御部13は、判定部12によってA方向から車両900が接近していると判定された場合に、光発生部3を駆動して光を発生させる。光発生部3によって発生した光は、導光路6_1~6_nを伝搬して光出射部4から出射される。
このように、上記の手法によれば、警告装置100Aは、特定の方向から接近する車両900を検知した場合に、警告(光)を発することができる。
以上、実施の形態2に係る警告装置100Aは、制御部1、検知部2、および光発生部3と光出射部4とは、複数の道路ブロック9_1~9_nのうち互いに異なる道路ブロック9にそれぞれ設けられ、複数の道路ブロック内に配置された導光路6_1~6_nによって互いに光学的に接続されている。
これによれば、車両を検知するための検知部2と警告(光)を発する光出射部4とを離して配置することができるので、検知部2と光出射部4とをそれぞれ適切な場所に配置することが可能となる。例えば、図8に示したように、光出射部4を交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に配置し、検知部2を交差点400から離れた位置の道路ブロック9_nに配置する。これによれば、交差点に近づいてくる車両を事前に検知して、車両が交差点に到達するタイミングよりも十分に早いタイミングにおいて、交差点の周辺に存在する歩行者等に警告することが可能となり、交通事故の抑止効果を更に高めることが可能となる。
また、電力の供給を受けることによって動作する制御部1、検知部2、および光発生部3を、光出射部4とは異なる場所、例えば、既存の街灯等の地上に設置された電気設備の近くに配置することができる。これによれば、既存の電気設備のために地下空間に配策されている電源配線から制御部1、検知部2、および光発生部3に電力を供給することが可能になるので、警告装置100Aを設置することによる、電源配線の配策工事の手間や費用等を抑えることが可能となる。
また、警告装置100Aにおいて、導光路6_1~6_nは道路ブロック9_1~9_n毎に設けられ、隣り合う道路ブロック9の各導光路6は継手7によって互いに接続されている。
これによれば、一本の導光路6を複数の道路ブロック9内に配策する場合に比べて、警告装置100Aの設置が容易となる。
≪実施の形態3≫
図9は、実施の形態3に係る警告装置の構成を模式的に示す側面図である。
図9に示すように、実施の形態3に係る警告装置100Bは、各道路ブロック9_1~9_n内に設けられた各導光路6_1~6_nを接続するための継手から光が出射される点において、実施の形態2に係る警告装置100Aと相違し、その他の点においては、実施の形態1に係る警告装置100Aと同様である。
実施の形態3に係る警告装置100Bにおいて、継手7Bは、接続された導光路6を伝搬する光を道路ブロック9の外部に出射可能に構成されている。
図10は、実施の形態3に係る継手の構成を示す図である。
同図には、図9に示した警告装置100BのA-A断面が示されている。
図9および図10に示すように、継手7Bは、連結部72と発光部71とを有する。連結部72は、二つの導光路6が互いに同軸となるように連結する機能部である。発光部71は、連結部72に接続された一方の導光路6から連結部72に接続された他方の導光路6に伝搬する光の一部を外部に出射する機能部である。
具体的に、発光部71は、連結部72に接続された二つの導光路6のうちの一方の導光路6から入射された光を、連結部72に接続された二つの導光路6のうちの他方の導光路6に導くとともに、入射された光の一部を拡散して外部に出射する。
図9,10に示すように、発光部71は、板状部材であって、例えば、道路ブロック9の断面形状に対応した平面形状を有している。発光部71は、例えば、アクリル樹脂等によって構成された導光板(LGP:Light Guiding Panel)である。連結部72は、例えば発光部71と同一の材料によって、発光部71と一体に形成されている。
発光部71は、第1面710と、第1面710に背向する第2面711とを有している。連結部72は、一つの導光路6を保持するための、発光部71の第1面710に形成された第1保持部720と、もう一つの導光路6を保持するための、発光部71の第2面711に形成された第2保持部721とを有している。
図10に示すように、第1保持部720および第2保持部721は、例えば導光路6の外径に対応する径の穴723を有する筒状(円筒状)に形成されている。例えば、第1保持部720と第2保持部721とは、発光部71を挟んで互いに同軸になるように、発光部71と一体に形成されている。
図9に示すように、継手7Bの発光部71は、隣り合う二つの道路ブロック9に挟まれた状態で配置される。このとき、継手7Bの連結部72を構成する第1保持部720および第2保持部721は、当該二つの道路ブロック9における長手方向の端部に形成された穴92によって画成された空間94にそれぞれ配置される。空間94において、第1保持部720の穴723に、二つの導光路6のうちの一方の導光路6が接続され、第2保持部721の穴723に、上記二つの導光路6のうちの他方の導光路6が接続される。これにより、上記二つの導光路6が、互いの光軸が同軸となるように接続される。
警告装置100Aにおいて、継手7Bの第1保持部720に接続された導光路6から出射された光は、継手7Bの第2保持部721に接続された導光路6に入射される。このとき、第1保持部720に接続された導光路6から出射された光の一部は、継手7Bの発光部71から拡散して出射される。
図11は、実施の形態3に係る警告装置の設置例を示す図である。
警告装置100Bにおいて、例えば、光出射部4は、交差点に近い位置の道路ブロック9_1に配置され、制御部1、検知部2、および光発生部3は、道路ブロック9_1と同列に配置される他の道路ブロック9_nに配置される。
警告装置100Bは、警告装置100Aと同様に、図11におけるA方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知した場合、光発生部3から光を発生させる。光発生部3から発生した光は、導光路6を伝搬して光出射部4から出射されるとともに、継手7B(発光部71)からも拡散して出射される。
以上、実施の形態3に係る警告装置100Bにおいて、隣り合う道路ブロック9にそれぞれ配置された導光路6同士を接続する継手7Bが、接続された導光路6を伝搬する光を道路ブロック9の外部に出射可能に構成されている。
これによれば、図11に示すように、車両900が交差点400に接近した際には、複数の道路ブロック9_1~9_nのうちの交差点に近い位置にある道路ブロック9_1から光が出射されるだけでなく、各道路ブロック9_1~9_nの継ぎ目に配置された継手7Bからも光が出射される。これにより、交差点付近に存在する歩行者等のみならず、歩道を移動している歩行者等に対しても車両の接近を知らせることができるので、交通事故の抑止効果を更に高めることが可能となる。
≪実施の形態4≫
図12は、実施の形態4に係る警告装置の構成を模式的に示す側面図である。
図12に示すように、実施の形態4に係る警告装置100Cは、複数の光出射部と、各光出射部に対応する導光路を備える点において、実施の形態3に係る警告装置と相違し、その他の点においては、実施の形態3に係る警告装置100Bと同様である。
警告装置100Cは、複数の光発生部と、光発生部毎に対応して設けられた継手と、を有する。本実施の形態では、一例として、警告装置100Cが、2つの光発生部3,3Cと、各光発生部3,3Cに対応する導光路6,6Cおよび継手7,7Cを有するものとして説明する。
第2光発生部としての光発生部3Cは、第1光発生部としての光発生部3と同様に、例えばLED(Light Emitting Diode)等の可視光を発生させる光源を含んで構成されている。なお、光源としては、LEDに限定されず、可視光を発生させる種々の装置を用いることが可能である。
図12に示すように、警告装置100Cは、光発生部3,3C毎に導光路および継手を有する。
具体的に、第1導光路としての導光路6_1~6_nは、道路ブロック9_1~9_n毎に設けられ、光発生部3から発生した光を伝搬させる。第2導光路としての導光路6C_2~6C_nは、道路ブロック9_2~9_n毎に設けられ、光発生部3Cから発生した光を伝搬させる。
各導光路6C_2~6C_nは、導光路6_1~6_nと同様に、対応する道路ブロック9_2~9_nにおいて、各道路ブロック9_2~9_nの長手方向に沿って形成された貫通孔93に挿通されている。
隣り合う道路ブロック9の導光路6,6C同士は、継手7,7Cによって互いに光学的に接続されている。すなわち、第1継手としての継手7は、隣り合う道路ブロック9_1~9_nの導光路6_1~6_n同士を接続する。第2継手としての継手7Cは、隣り合う道路ブロック9_2~9_nの導光路6_2~6_n同士を接続する。
これにより、光発生部3と光出射部4とは、実施の形態1に係る警告装置100と同様に、継手7によって直列に接続された複数の導光路6Cを介して、互いに光学的に接続される。一方、光発生部3Cは、継手7Cを介して、複数の導光路6Cと光学的に接続される。
図13は、実施の形態3に係る継手の構成を示す図である。
同図には、図12に示した警告装置100CのA-A断面が示されている。
図12および図13に示すように、継手7Cは、発光部71Cと連結部72Cを有する。継手7Cは、上述した実施の形態3に係る継手7Bと同様の機能を有するものであり、発光部71Cおよび連結部72Cは、発光部71および連結部72にそれぞれ対応している。
具体的に、連結部72Cは、二つの導光路6Cが互いに同軸となるように連結する機能部である。発光部71Cは、連結部72Cに接続された一方の導光路6Cから連結部72Cに接続された他方の導光路6Cに伝搬する光の一部を外部に出射する機能部である。
具体的に、発光部71Cは、連結部72Cに接続された二つの導光路6Cのうちの一方の導光路6Cから入射された光を、連結部72Cに接続された二つの導光路6Cのうちの他方の導光路6Cに導くとともに、入射された光の一部を拡散して外部に出射する。
図12,13に示すように、発光部71Cは、板状部材であって、例えば、発光部71と同様に、アクリル樹脂等によって構成された導光板(LGP:Light Guiding Panel)である。連結部72は、例えば発光部71と同一の材料によって、発光部71と一体に形成されている。
発光部71Cは、第1面710Cと、第1面710Cに背向する第2面711Cとを有している。連結部72Cは、一つの導光路6Cを保持するための、発光部71Cの第1面710Cに形成された第1保持部720Cと、もう一つの導光路6Cを保持するための、発光部71Cの第2面711Cに形成された第2保持部721Cとを有している。
図13に示すように、第1保持部720Cおよび第2保持部721Cは、例えば導光路6Cの外径に対応する径の穴723Cを有する筒状(円筒状)に形成されている。例えば、第1保持部720Cと第2保持部721Cとは、発光部71Cを挟んで互いに同軸になるように、発光部71Cと一体に形成されている。
図12に示すように、継手7Cの発光部71Cは、隣り合う二つの道路ブロック9に挟まれた状態で配置される。このとき、継手7Cの連結部72Cを構成する第1保持部720Cおよび第2保持部721Cは、隣り合う二つの道路ブロック9における空間94に配置される。空間94において、第1保持部720Cの穴723Cに、二つの導光路6Cのうちの一方の導光路6Cが接続され、第2保持部721Cの穴723Cに、上記二つの導光路6Cのうちの他方の導光路6Cが接続される。これにより、上記二つの導光路6Cが、互いの光軸が同軸となるように接続される。
警告装置100Cにおいて、継手7Cの第1保持部720Cに接続された導光路6Cから出射された光は、継手7Cの第2保持部721Cに接続された導光路6Cに入射される。このとき、第1保持部720Cに接続された導光路6Cから出射された光の一部は、継手7Cの発光部71Cから拡散して出射される。
図12および図13に示すように、発光部71Cには、第1面710Cと第2面711Cとを連通する貫通孔713Cが形成されている。発光部71Cの貫通孔713Cには、継手7が挿通されている。
図12に示すように、継手7は、継手7Cの発光部71Cに形成された貫通孔713Cに挿通された状態で、各空間94にそれぞれ配置される。空間94において、継手7の一端に、二つの導光路6のうちの一方の導光路6が接続され、継手7の他端に、二つの導光路6のうちの他方の導光路6が接続される。これにより、二つの導光路6が、互いの光軸が同軸となるように接続される。これにより、光発生部3から発生した光は、継手7によって直列に接続された複数の導光路6を伝搬し、光出射部4から出射される。このとき、継手7は継手7Cの発光部71Cと光学的に接続されていないため、光発生部3から発生した光が継手7Cの発光部71Cから漏れ出ることはない。
図14は、実施の形態4に係る警告装置の設置例を示す図である。
実施の形態2に係る警告装置100Aと同様に、光出射部4は、交差点に近い位置の道路ブロック9_1に配置され、制御部1C、検知部2、および光発生部3,3Cは、道路ブロック9_1と同列に配置される他の道路ブロック9_nに配置される。
警告装置100Cにおいて、制御部1Cは、実施の形態2に係る警告装置100A等と同様に、図14におけるA方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知した場合、光発生部3を駆動して道路ブロック9_1に設けられた光出射部4から警告のための光を発生させる。
また、制御部1Cは、光発生部3Cを駆動することにより、各道路ブロック9_1~9_nの継ぎ目に配置された継手7Cの発光部71Cから光を出射する。
ここで、光発生部3と光発生部3Cとは、同じ用途で用いられてもよいし、異なる用途で用いられてもよい。
例えば、制御部1Cは、図14におけるA方向から道路ブロック9_1に接近する車両900を検知した場合に、光発生部3Cを光発生部3と同様に駆動して、各道路ブロック9_1~9_nの継ぎ目に配置された継手7Cから、警告のための光を発生させてもよい。このとき、例えば、光出射部4(道路ブロック9_1)から出射される光と継手7C(各道路ブロック9_1~9_nの継ぎ目)から出射される光とが同じ態様で出射されてもよいし、異なる態様で出射されてもよい。例えば、光出射部4から出射される光と継手7Cから出射される光とが同期して点滅するようにしてもよいし、非同期で点滅するようにしてもよい。また、光出射部4から出射される光と継手7Cから出射される光とが互いに同じ色で発光してもよいし、異なる色で発光してもよい。
また、光発生部3を、上述のように警告のために用い、光発生部3Cを、例えば夜間において歩行者の足元を照らすことや道路のイルミネーション等のために用いてもよい。例えば、制御部1Cは、夜間において光発生部3Cを駆動して、各道路ブロック9_1~9_nの継ぎ目に配置された継手7Cから、歩行者の足元を照らすための光を出射させつつ、道路ブロック9_1に接近する車両900を検知した場合には、道路ブロック9_1から、警告のための光を出射させてもよい。
以上、実施の形態4に係る警告装置100Cは、複数の異なる光発生部3,3Cを備え、一方の光発生部3から出射された光は導光路6を伝搬して光出射部4から出射され、他方の光発生部3Cから出射された光は導光路6Cを伝搬して継手7Bから出射される。
これによれば、光出射部4からの発光と各継手7Bからの発光とを別個に制御することが可能になるので、例えば、上述したように、夜間において、光発生部3Cを駆動して各道路ブロック9_1~9_n間に配置された継手7Cから光を発して歩行者の足元を照らしつつ、車両の接近を検知した場合には、光発生部3を駆動して光出射部4から光を発して交差点付近に存在する歩行者等に警告することが可能となる。
このように光発生部3,3Cを個別に制御することにより、交通事故の抑制効果を更に高めることが可能となる。
また、複数の異なる光発生部3,3Cを備えているので、上述したように、光発生部3を警告のために用い、例えば光発生部3Cをイルミネーションに用いることも可能となる。
このように、警告装置100Cを警告灯としての用途以外にも利用することが可能となるので、ユーザの利便性が向上する。
≪実施の形態5≫
図15および図16は、実施の形態5に係る警告装置100Dの構成を示す図である。
図15には、実施の形態5に係る警告装置100Dを模式的に示す上面図が示され、図16には、実施の形態5に係る警告装置100Dを模式的に示す側面図が示されている。
実施の形態5に係る警告装置100Dは、光発生部3から発生した光が導光路6Cを経由して複数の道路ブロック9D_1~9D_nに設けられた光出射部4Dから出射される点において、実施の形態2に係る警告装置100Aと相違し、その他の点において、実施の形態2に係る警告装置100Aと同様である。
図15および図16に示すように、警告装置100Dは、制御部1、検知部2、光発生部3、光出射部4A、少なくとも一つの導光路6D、および道路ブロック9D_1~9D_nを備えている。なお、図15では、理解の容易化のため、制御部1、光発生部3、および導光路6Dを実線で描いているが、これらの構成要素は、図16に示されるように、道路ブロック9D_1~9D_nの内部に設けられている。
道路ブロック9D_1~9D_nは、例えば横断歩道に接続される歩道の縁端に、少なくとも一部が切り下げられた道路ブロックとして設けられる。
導光路6Dは、複数の道路ブロック9D_1~9D_nの内部に配置され、光発生部3から発生した光を伝搬させるとともに、入射された光の一部を側面から出射する。導光路6Dとしては、例えば、側面発光型の光ファイバのような、伝搬する光の一部が表面から外部に出射される光デバイスを用いることができる。
本実施の形態では、警告装置100Dが3つの導光路6D_1~6D_3を有する場合について説明するが、導光路6Dの数は特に制限はない。
図15に示すように、導光路6D_1~6D_3は、道路ブロック9D_1~9D_n内に並列に配置される。光発生部3から発生した光は、導光路6D_1~6D_3にそれぞれ入射される。これにより、導光路6D_1~6D_3に入射された光が導光路6D_1~6D_3内を伝搬するとともに、その光の一部が導光路6D_1~6D_3の側面から出射される。
光出射部4Dは、入射された光を道路ブロック9D_1~9D_nの外部に出射する機能部である。図15および図16に示すように、光出射部4Dは、対応する導光路6D_1~6D_3上にそれぞれ設けられている。光出射部4Dは、導光路6Dの側面から出射される光を道路ブロック9Dの外部に出射する。光出射部4Dは、例えば、光を透過させる光透過部材と、光発生部3で発生した光を上記光透過部材に導く公知の反射材等から構成されている。上記光透過部材は、例えば、アクリル樹脂等の可視光を透過する透明材料によって形成されている。
図17は、実施の形態5に係る警告装置100Dの設置例を示す図である。
図17に示すように、警告装置100Dは、例えば交差点400付近の横断歩道に接続される歩道と車道の境界において、少なくとも一部が切り下げられた道路ブロックとして配置される。
警告装置100Dは、例えば、図17に示すように、道路ブロック9_1に設けられた検知部2によって車両900の接近が検知されると、光発生部3が光を発生する。光発生部3から発生した光は導光路6D_1~6D_3を伝搬し、導光路6D_1~6D_3の上部に設けられた光出射部4Dを通って道路ブロック9D_1~9_nの外部に出射される。
以上、実施の形態5に係る警告装置100Dは、光発生部3から発生した光を、複数の道路ブロック9Dの内部に配置された導光路6Dに入射し、導光路6Dを伝搬する光を複数の道路ブロック9_1~9_nに設けられた光出射部4Dから、各道路ブロック9_1~9_nの外部に出射する。
これによれば、上述したように、例えば、警告装置100Dを交差点付近の横断歩道に接続される歩道と車道の境界に、少なくとも一部が切り下げられた道路ブロックとして配置することにより、横断歩道の周辺を広範囲に光らせることが可能となる。これにより、横断歩道で信号待ちをしている歩行者等に対して、車両が接近していることを、より効果的に警告することが可能となる。
また、警告装置100Dによれば、歩行者等が通行する頻度が高い道路ブロック9D_2~9D_nとは異なる道路ブロック9D_1に、制御部1、検知部2、および光発生部3等の電力供給を受けて動作する機器が配置されているので、歩行者等の通行による衝撃等に起因する上記機器の故障を防止することができる。これにより、警告装置100Dの信頼性を高めることが可能となる。
≪実施の形態6≫
上述した実施の形態1乃至5に係る警告装置100,100A~100Dでは、検知部2が車両の接近を検出した場合に、道路ブロックから光を出射させる場合を例示したが、所定の位置と車両との位置関係に応じて、道路ブロックから出射する光の明るさを変化させてもよい。以下、詳細に説明する。
図18は、実施の形態6に係る制御部1Eの機能ブロック構成を示す図である。
図19は、実施の形態6に係る警告装置100Eの設置例を示す図である。
ここで、実施の形態6に係る警告装置100Eは、実施の形態2に係る警告装置100Aにおける制御部1の代わりに図18に示す制御部1Eを採用した構成を有するものである。
制御部1Eは、所定の位置と車両との位置関係に応じて、光出射部4から出射する光の明るさを変更する。具体的には、図8において、制御部1Eは、車両が所定の位置に到達するまでの推定到達時間に基づいて、光出射部4から出射される光の明るさが変化する周期を変更する。
ここで、所定の位置は、例えば交差点であり、図19の場合、光出射部4が設置された道路ブロック9_1の位置Qである。
図18に示すように、制御部1Eは、検知結果取得部11、到達時間推定部14、計時部15、到達時間更新部16、判定部12E、および発光制御部13Eを有する。これらの機能ブロックは、実施の形態1に係る制御部1と同様に、例えば、制御部1Eの構成要素であるプロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種演算を実行し、周辺回路等を制御することにより、実現される。
到達時間推定部14は、検知部2によって検知された車両が、光出射部4が設置された道路ブロック9(図19における道路ブロック9_1)に到達するまでの時間を算出する機能部である。
到達時間推定部14は、車両が接近していることを示す検知結果を検知結果取得部11が取得した場合に、車両が所定の位置(光出射部4が設置された道路ブロック9_1)に到達するまでの時間を推定する。
例えば、到達時間推定部14は、検知部2による検知結果に基づいて、接近する車両が移動する速度vを算出し、算出した車両の速度vと、検知部2が設置された道路ブロック9(図19における道路ブロック9_n)の位置Pと光出射部4が設置された道路ブロック9(図19における道路ブロック9_1)の位置Qとの間の距離Dとに基づいて、車両が道路ブロック9_1に到達するまでの推定到達時間Tr(=D/v)を算出する。
ここで、距離Dの情報は、制御部1Eを構成するマイクロコントローラの記憶部に予め記憶されている。
また、到達時間推定部14による車両の速度vは、例えば以下の手法によって算出することができる。
具体的には、検知部2として、振動センサ装置や集音式車両感知器を採用した場合には、図19に示すように、検知部2が配置される位置PよりもA方向側に連続して形成した2つの車両通過検知部201間の距離dと、車両が2つの車両通過検知部201を通過したときに発生する二つの大きな振動(または音)の間隔(時間)とに基づいて、車両の速度を算出する。
一方、検知部2として、例えば、超音波式車両感知器、電波式車両感知器、赤外線式車両感知器、および光学式車両感知器等のセンサ装置を採用した場合には、これらのセンサ装置を用いた公知の速度算出方法により、接近する車両の速度を算出する。
到達時間推定部14によって算出される推定到達時間Trは初期値であり、後述するように、推定到達時間Trは到達時間更新部16によって適宜更新される。
計時部15は、経過時間を計測する機能部である。具体的に、計時部15は、接近する車両を検知したタイミングで経過時間Tpの計測を開始し、後述する判定部12Eによって、車両900が道路ブロック9_1(交差点)を通過したと判定された場合に、計測した経過時間Tpをリセットする。
到達時間更新部16は、計時部15によって計測された経過時間に基づいて、推定到達時間Trを更新する機能部である。例えば、到達時間更新部16は、直前に算出された推定到達時間Trから経過時間Tpを減算することにより、推定到達時間Trを更新する。
判定部12Eは、推定到達時間Trと所定の閾値Tthとを比較し、判定結果を出力する。
また、判定部12Eは、車両900が道路ブロック9_1(交差点)を通過したか否かを判定する。例えば、判定部12Eは、推定到達時間Trがゼロより大きい場合に、車両が道路ブロック9_1(交差点)を通過していないと判定し、推定到達時間Trがゼロ以下である場合に、車両が道路ブロック9_1を通過したと判定する。
あるいは、判定部12Eは、到達時間推定部14によって算出された推定到達時間Tr(初期値)と計時部15によって計測された経過時間Tpとを比較し、推定到達時間Tr(初期値)が経過時間Tpより大きい場合に、車両が、光出射部4が設置された道路ブロック9_1を通過していないと判定し、推定到達時間Tr(初期値)が経過時間Tp以下である場合に、車両が、光出射部4が設置された道路ブロック9_1を通過したと判定する。
発光制御部13Eは、判定部12Eによる判定結果に基づいて、光発生部3を駆動する機能部である。発光制御部13Eは、判定部12Eによって推定到達時間Trが所定の閾値Tthより大きいと判定された場合に、光発生部3から発生する光の明るさが第1の周期T1で変化するように光発生部3を駆動する。例えば、発光制御部13Eは、第1の周期T1で、光発生部3から発生する光を点滅させる(低速点滅)。
一方、発光制御部13Eは、判定部12Eによって、推定到達時間Trが所定の閾値Tthより小さいと判定された場合に、光発生部3から発生する光の明るさが第1の周期T1よりも短い第2の周期T2で変化するように光発生部3を駆動する。例えば、発光制御部13Eは、第1の周期T1よりも短い第2の周期T2で、光発生部3から発生する光を点滅させる(高速点滅)。
また、発光制御部13Eは、判定部12Eによって、車両900が道路ブロック9_1を通過したと判定された場合に、光発生部3を駆動して光の発生を停止させる。
図20は、実施の形態6に係る警告装置100Eによる処理の流れを示すフローチャートである。
同図に示すように、警告装置100Eは、対象物(車両)の検出処理を行う(ステップS1)。具体的には、判定部12Eが、検知結果取得部11が取得した検知部2の検知結果に基づいて、交差点400(光出射部4が設置された道路ブロック9_1)に車両900が接近しているか否かを判定する。
ステップS1において、判定部12Eが、交差点400に車両900が接近していないと判定した場合には、車両の検出処理を引き続き実行する。
一方、ステップS1において、判定部12Eが、交差点400に車両900が接近していると判定した場合には、警告装置100Eは、検出された車両の速度vを算出する速度算出処理を実行する(ステップS2)。具体的には、到達時間推定部14が、上述した手法により、検出された車両の速度vを算出する。
次に、警告装置100Eは、検出した車両が交差点400(光出射部4が設置された道路ブロック9_1)に到達するまでの推定到達時間Trを算出する到達時間算出処理を実行する(ステップS3)。具体的には、到達時間推定部14が、上述した手法により、ステップS2で算出した車両の速度vと予め制御部1E内の記憶部に記憶されている距離Dとに基づいて、推定到達時間Trを算出する。
また、ステップS2の後、警告装置100Eは、計時部15によって経過時間の計測を開始する(ステップS4)。
ステップS3およびステップS4の後、警告装置100Eは、判定部12Eによって、推定到達時間Trと閾値Tthとを比較する(ステップS5)。
ステップS5において、推定到達時間Trが閾値Tthよりも大きい場合には、警告装置100Eは、第1点滅処理を実行する(ステップS6)。例えば、発光制御部13Eが、第1の周期T1で光発生部3から発生する光を低速で点滅させる。
一方、ステップS5において、推定到達時間Trが閾値Tthよりも小さい場合には、警告装置100Eは、第2点滅処理を実行する(ステップS7)。例えば、発光制御部13Eが、第2の周期T2で、光発生部3から発生する光を高速で点滅させる。
ステップS6またはステップS7の後、警告装置100Eは、直前に算出された推定到達時間Trを更新する到達時間更新処理を実行する(ステップS8)。具体的には、上述したように、到達時間更新部16が、直前に算出された推定到達時間Trから経過時間Tpを減算することにより、推定到達時間Trを更新する。
次に、警告装置100Eは、ステップS1で検出された車両が交差点400を通過したか否かを判定する(ステップS9)。具体的には、判定部12Eが、上述した手法により、車両が交差点400付近の道路ブロック9_1を通過したか否かを判定する。
ステップS9において、車両が交差点400を通過していない場合には、警告装置100Eは、ステップS5に戻り、上述したステップS5~S9を再び実行する。
一方、ステップS9において、車両が道路ブロック9_1を通過した場合には、警告装置100Eは、点滅処理(第1点滅処理または第2点滅処理)を停止する(ステップS10)。具体的には、発光制御部13Eが光発生部3からの光の発生を停止させる。
以上の処理手順により、警告装置100Eは、車両が交差点に接近していることを歩行者等に警告する。
以上、実施の形態6に係る警告装置100Eは、所定の位置と車両との位置関係に応じて、光出射部4から出射する光の明るさを変化させる。これによれば、所定の道路ブロック9と車両との距離に応じて光の発光態様が変化するので、歩行者等に対して、警告の度合いを容易に認識させることが可能となる。
具体的には、制御部1Eは、車両が所定の道路ブロック9に到達するまでの推定到達時間Trに基づいて、光出射部4から出射される光の明るさが変化する周期を変更する。例えば、上述したように、推定到達時間Trが所定の閾値Tthよりも大きい場合に、光発生部3から発生する光を低速で点滅させ、推定到達時間Trが所定の閾値Tthよりも小さい場合に、光発生部3から発生する光を高速で点滅させる。
これによれば、歩行者等に対して警告の度合いを容易に認識させることが可能となり、交通事故の抑止効果を更に高めることが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、所定の対象物が車両である場合を例示したが、これに限られない。例えば、所定の対象物は、歩行者(人)であってもよい。例えば図21に示す警告装置100Fのように、交差点400に近い位置の道路ブロック9_1に少なくとも検知部2を配置し、交差点から離れた位置の道路ブロック9_nに光出射部4を配置する。これによれば、A方向から交差点に接近する車両に対して、交差点付近に歩行者800が存在することを事前に警告することが可能となる。
また、実施の形態6では、光出射部4から出射される光を点滅させる場合を例示したが、これに限られない。例えば、光をオン/オフさせる完全な点滅ではなく、人が認識可能な程度に光の明るさを周期的に変化させてもよい。
また、実施の形態6では、図18に示した制御部1Eを実施の形態2に係る警告装置100Aに適用する場合を例示したが、その他の実施の形態に係る警告装置100,100B~100D,100Fにも同様に適用することが可能である。