JPWO2009123329A1 - トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

多数枚のプリントを行っても、転写性に優れ、かぶりの発生が抑制され、耐久安定性に優れたトナーを提供することにある。トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を混合添加してなるトナーであって、該トナーは重量平均粒径が4.0以上9.0μm以下であり、該シリカ微粉体がジメチルシリコーンオイルで疎水化処理されており、該シリカ微粉体の体積基準粒度分布において、0.02μm以上1000.00μm以下の測定範囲において最も累積頻度が多いピークを有し、0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度が7%以下であり、10.10μm以上39.23μm未満の累積頻度をA(%)、39.23μm以上200.00μm未満の累積頻度をB(%)としたとき、以下の1)から3)を満たすことを特徴とする。1)A+B≧93.02)0.45≦A/B≦6.003)(該シリカ微粉体の炭素量/疎水化処理前のシリカ微粉体のBET比表面積)が0.030以上0.055以下

Description

本発明は、電子写真法、静電印刷法、あるいはトナージェット法などにおいて、電気的潜像の形成及び現像を行う際に、好適に用いることのできる少なくともシリカ微粉体を有するトナー、及び該トナーを用いる画像形成方法に関する。
従来、電子写真法は一般に光導電性物質を利用し、種々の手段により潜像担持体(感光体)上に静電潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い記録材に像を転写した後、加熱、圧力、光などにより定着し記録画像を得るものである。
現像方式としては従来、一成分現像方式と二成分現像方式があるが、いずれの現像方式においても、電子写真法によるビジネス用あるいは個人用のプリンター、複写機としては、近年、小型化、高速化、長寿命化(長期使用にわたり安定した画像が得られる。)などの要望が増加している。
一成分現像方式、二成分現像方式共に一般に用いられる電子写真用トナーとしては、トナーの流動性、帯電安定性、部材付着性を低減させることを目的に、微細なシリカ、酸化チタン、アルミナ等の疎水化処理された表面処理微粉体が用いられている。
一般的な一成分現像方式は、トナーをトナー担持体表面に薄層状にコートしたトナー担持体と、静電潜像担持体を接触することで静電潜像を顕像化し、さらにこの顕像を記録材上に転写、定着を逐次行うことで記録画像を得るものである。ここで、トナーは、任意の帯電状態を取るが、このようなトナーへの帯電付与は、規制部材でトナー担持体表面にトナーの薄層を形成すると同時に、トナー担持体表面及び規制部材表面とトナーを摩擦することにより行っている。さらに、このトナーの帯電極性を利用し、現像部で電場を利用して電位的に静電潜像を顕像化するものである。
そのため、規制部材でトナー担持体表面にトナーの薄層を形成する際に、規制部材での押し圧により、トナー担持体表面及び規制部材表面へのトナー及び/またはシリカ微粉体等の外添剤の融着が生じやすい。その結果、この融着物によるトナー層の乱れが画像上に現れ、画像に線(現像スジ)が発生しやすい。このことから、トナー担持体表面及び規制部材表面に融着しにくいトナー及び/またはシリカ微粉体等の外添剤が要望されている。
また、二成分現像方式においては、長期使用により、キャリアへのトナー及び/またはシリカ微粉体等の外添剤の融着が生じやすい。その結果、融着物により、キャリアのトナーへの帯電付与能が低下しやすく、トナーの帯電量が安定せず、画像濃度安定性、かぶり等が悪化し、長期にわたり安定した画像を得ることができない場合がある。そのため、キャリアに融着しにくいトナー及び/またはシリカ微粉体等の外添剤が要望されている。
一方、従来シリカ微粉体としては、疎水化表面処理をしたシリカ微粉体が知られている(例えば、特公昭54−16219号公報、特開昭59−201063号公報、特開昭55−120041号公報参照)。これらの疎水性シリカ微粉体はジメチルジクロルシラン、ヘキサメチルジシラザンで処理されたもので、疎水性が十分とはいえず、厳しい高温高湿環境下においては、吸湿により帯電量の低下を生じる。その結果、長期使用により、画像濃度安定性やかぶりが悪化するというような問題が生じやすい。
またシリカ微粉体をシリコーンオイルで処理してトナーに使用する方法が開示されている(例えば、特開昭49−42354号公報参照)。この方法ではある程度の疎水性が得られるが、シリコーンオイルが高分子物質であるために、シリカ微粉体をシリコーンオイルで処理する際に凝集が生じ、200μm前後の凝集体や、凝集体同士がさらに凝集した大小のダマが生ずる。その結果、トナーの流動性が悪化し、かぶりが生じやすい。
これら表面処理したシリカ微粉体は、数一次平均粒子径は数nm〜数十nm程度であるが、トナー粒子との外添混合前のシリカ微粉体の状態は、一次粒子の凝集体200μm前後や凝集体同士が更に凝集したダマとして存在する。特にシリコーンオイル系で表面処理されたシリカ微粉体は、一次粒子間及び凝集体間の凝集力が強いために、トナー担持体、規制部材やキャリアなどに融着しやすい傾向がある。
そのため、表面処理特性を安定化するために、処理剤の使用量を多くすると粒子が凝集し、流動性や分散性が低下するのを抑制することを目的に、表面処理したシリカ微粉体を解砕して用いる方法が知られている(例えば、特開平8−152742号公報、特開2004−168559号公報参照)。例えば、特開平8−152742号公報には表面処理微粉体をジェットミルで解砕して用いることが記載されている。しかし、このような解砕処理したものは未処理部分が残るので、一時的に微細化されるものの、経時的に再凝集する問題がある。その結果、長期使用に際して、トナーからシリカ微粉体が遊離しやすく、一成分現像方式ではトナー担持体、規制部材に、二成分現像方式ではキャリアに遊離したシリカ微粉体が付着・融着しやすくなり、画像弊害が生じやすくなる。また、例えば、特開2004−168559号公報には、非常に凝集体を細かくなるまで解砕処理し、特定の粒度範囲に分布したシリカ微粉体が記載されている。しかし、このように解砕処理したシリカ微粉体をトナーに外添混合した場合、あまりに凝集体を細かく解砕してしまうために、長期にわたり使用した際に、トナー粒子へのシリカ微粉体が埋没しやすい。その結果、トナーとしての流動性が著しく低下し、転写性が悪化する、あるいは、トナーの帯電量が安定せず、画像濃度安定性、かぶり等が悪化しやすい。
このように、トナーの帯電量をあらゆる環境で安定化させ、かつトナー担持体、規制部材やキャリアへのトナー及び/またはシリカ微粉体の融着抑制をすることはこれまで困難であった。
本発明は、上記問題を解決したトナー及びこれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、多数枚のプリントを行っても(長期使用時においても)、転写性に優れ、かぶりの発生が抑制されており、耐久安定性に優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、一成分現像方式で使用した場合、多数枚のプリントを行っても、現像ローラや規制部材表面へのトナー及び/またはシリカ微粉体の融着が少なく、現像スジなどがない鮮明な画像特性を有し、且つ耐久安定性に優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
本発明の目的は、二成分現像方式で使用した場合、多数枚のプリントを行っても、キャリアへのトナーあるいはシリカ微粉体の付着が少なく、かぶりなどがない鮮明な画像特性を有し、且つ耐久安定性に優れたトナー及び画像形成方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下のトナー及び画像形成方法を用いることで、上記要求を満足することを見出し、本発明に至った。
すなわち、トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添混合してなるトナー及び該トナーを用いる画像形成方法であって、
該トナーは、重量平均粒径が4.0μm以上9.0μm以下であり、該シリカ微粉体が、少なくともジメチルシリコーンオイルで疎水化処理されたものであり、該シリカ微粉体のレーザー回折型粒度分布計による体積基準粒度分布において、少なくとも0.02μm以上1000.00μm以下の測定範囲において最も累積頻度が多いピークを有し、0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度が、7.0%以下であり、10.10μm以上39.23μm未満の累積頻度をA(%)、39.23μm以上200.00μm未満の累積頻度をB(%)としたとき、以下の1)から3)を満たすこと特徴とするトナー及び該トナーを用いる画像形成方法により上記要求を満足することを見出し、本発明に至った。
1)A+B≧93.0
2)0.45≦A/B≦6.00
3)該シリカ微粉体の炭素量/(疎水化処理前のシリカ微粉体のBET比表面積)が0.030以上0.055以下
本発明のトナー及び画像形成方法は、トナーに外添混合されるシリカ微粉体が、適度な量のジメチルシリコーンオイルで表面処理(疎水化処理)され、また適度な粒度分布を有している事から、長期使用した際に、トナーからのシリカ微粉体の遊離及び/またはトナー粒子へのシリカ微粉体の埋め込みが抑制される。このため、長期にわたり安定した画像濃度、画質を得ることができる。
一成分現像方式では、規制部材でトナー担持体表面にトナーの薄層を形成する際に、トナー担持体及び規制部材へのトナー及び/またはシリカ微粉体等の融着が抑制され、長期にわたり安定した画像濃度安定性、画質を得ることができる。
また、二成分現像方式では、キャリアへのトナー及び/またはシリカ微粉体等の融着が抑制され、長期にわたってキャリアの帯電付与能が安定することから、画像濃度が安定し、かぶりの少ない耐久安定性に優れた画質を得ることができる。
さらには、長期使用した際に、トナーからのシリカ微粉体の遊離及び/またはトナー粒子へのシリカ微粉体の埋め込みが抑制されることから、長期にわたり安定したトナーの流動性、帯電性を維持でき、転写性が良好な画質を得ることができる。
本発明者らは、一成分現像方式及び二成分現像方式に用いられる少なくともシリカ微粉体を少なくとも有するトナー及び該トナーを用いる画像形成方法について、シリカ微粉体のシリコーンオイル表面処理量及び、シリカ微粉体の粒度分布について鋭意検討を行った結果、前述の課題を解決するトナー及び画像形成方法が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
図1は、本発明のトナーを用いる画像形成装置の説明図である。
図2は、本発明に適用されうる画像形成装置の一例を示す概略説明図である。
図3は、シリカ微粉体の粒度分布の一例を示すグラフである。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
本発明においては、トナーに外添混合されるシリカ微粉体は、粒度分布及び表面処理量をコントロールしている。
本発明の疎水化処理する前のシリカ微粉体は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された、いわゆる乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ微粉体、及び水ガラス等から製造されるいわゆる湿式シリカ微粉体の両方が使用可能である。
中でも、流動性付与特性を高度に維持することが可能な、ヒュームドシリカが好ましい。
本発明で用いられるシリカ微粉体は、以下詳細に説明するシリコーンオイルの表面処理量及び所望の粒度分布を有するように表面処理と解砕処理を行う事で得ることができる。解砕処理は、シリコーンオイルで表面処理する前及び/または後に行っても良いし、表面処理と同時に行っても良い。中でも、表面処理を行った上で、解砕処理を行った方が、シリカ微粉体の再凝集を抑制できる点で好ましい。
本発明で用いられるシリカ微粉体は、シリコーンオイルによる表面処理だけではなく、その他の表面処理剤、例えばシリル化剤などによる乾式処理または湿式処理等の表面処理を行っても良い。ただし、シリコーンオイルの処理と、他の疎水化処理剤の処理の順序が異なったり、あるいは処理剤の使用量や処理方法などが適切でない場合には、後述する本発明のシリカ微粉体として好ましい形態としての濡れ性を得ることが出来ない場合がある。
本発明において、シリカ微粉体の疎水化処理に使用されるシリコーンオイルとしては、高温高湿環境下で、トナーが湿度による影響を小さくすることを目的に、ジメチルシリコーンオイルを使用する。
また、ジメチルシリコーンオイルの他に、公知のシリコーンオイル、具体的に例示すれば、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを目的に応じて混合しても良い。中でも、高温高湿環境下で、トナーが湿度による影響を小さくすることを目的に、ストレートシリコーンオイルを選択する事が好ましい。
またその他の表面処理剤としては、公知のものを何ら制限されずに使用することができる。
例えば、シリル化剤としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン類やテトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、o−メチルフェニルトリメトキシシラン、p−メチルフェニルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、i−ブチルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザン、ヘキサプロピルジシラザン、ヘキサブチルジシラザン、ヘキサペンチルジシラザン、ヘキサヘキシルジシラザン、ヘキサシクロヘキシルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ジメチルテトラビニルジシラザン等のシラザン類等がある。
さらに、脂肪酸及びその金属塩としては、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ドデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ペンタデシル酸、ステアリン酸、ヘプタデシル酸、アラキン酸、モンタン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸などの長鎖脂肪酸が挙げられ、その金属塩としては亜鉛、鉄、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、ナトリウム、リチウムなどの金属との塩も表面処理剤(疎水化剤)として有効である。
シリカ微粉体の表面処理は、シリカ微粉体に疎水化剤を乾式で処理する方法、水や有機化合物等の溶媒に浸漬し、シリカ微粉体に疎水化剤を湿式で処理する方法などその処理方法は特に限定されず、公知の方法で問題なく実施できる。
表面処理の具体的な手順は、例えば、ジメチルシリコーンオイルを溶かした溶剤の中にシリカ微粉体を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、次のような方法でも良い。例えば、シリカ微粉体を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、ジメチルシリコーンオイルを反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。
また、アルキルシラザン等で表面処理した後に、ジメチルシリコーンオイルで表面処理する場合には、例えば、アルキルシラン系を溶かした溶剤の中に、シリカ微粉体を入れて反応させ、溶剤を除去し、冷却する。その後、ジメチルシリコーンオイルを溶かした溶剤(好ましくは有機酸等でpH4に調整)の中にシリカ微粉体を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、次のような方法でも良い。例えば、シリカ微粉体を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルキルシラザンを導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。その後、窒素雰囲気下、撹拌しながらアルコール水を添加し、ジメチルシリコーンオイルを反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。
処理条件はシリカ微粉体が下記表面処理量、粒度分布、好ましい形態としての濡れ性等になるように調整する。
ジメチルシリコーンオイルのシリカ微粉体への処理量としては、未処理のシリカ微粉体の比表面積に対するジメチルシリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体の炭素量が以下の範囲になるようにする。
(シリカ微粉体の炭素量/疎水化処理前のシリカ微粉体のBET比表面積)[以下“C量/BET”と略すことがある。]が、0.030以上0.055以下、好ましくは0.035以上0.050以下である。上記炭素量の単位は質量%、上記BET比表面積の単位はm/gである。なお、シリカ微粉体の炭素量とは、ジメチルシリコーンオイル由来の炭素量であり、その測定方法を以下に示す。
<炭素量の測定>
ジメチルシリコーンオイルで処理したシリカ微粉体の表面疎水基が含有する炭素を1100℃、酸素雰囲気中にてCOに熱分解した後、微量炭素分析装置(Horiba製EMIA−110)によりシリカ微粉体の含有する炭素量を求める。ただし、ジメチルシリコーンオイル以外の処理剤の炭素量は除く事とする。例えば、ジメチルシリコーンオイルとその他のシリコーンオイルを併用して使用する場合には、ジメチルシリコーンオイルだけを使用したものを同条件で作成し、その炭素量を“シリカ微粉体の炭素量”とする。また例えば、シランカップリング剤でシリカ微粉体を表面処理し、その後ジメチルシリコーンオイルで表面処理したシリカ微粉体の場合には、シランカップリン処理までしたシリカ微粉体の炭素量を、シランカップリング剤及びジメチルシリコーンオイルまで表面処理したシリカ微粉体の炭素量から差し引いた炭素量を“シリカ微粉体の炭素量”とする。
<シリカ微粉体のBET比表面積の測定方法>
BET比表面積の測定は、脱ガス装置バキュプレップ061(マイクロメソティック社製)、BET測定装置ジェミニ2375(マイクロメソティック社製)等公知の装置を用いて行う。本発明におけるBET比表面積は、多点法BET比表面積の値である。具体的には、以下のような手順で行う。
空のサンプルセルの質量を測定した後、測定試料を1.0乃至2.0g程度入るように充填する。さらに、脱ガス装置に、試料(表面処理前のシリカ微粉体)が充填されたサンプルセルをセットし、室温で3時間脱ガスを行う。脱ガス終了後、サンプルセル全体の質量を測定し、空サンプルセルとの差から試料の正確な質量を算出する。次に、BET測定装置のバランスポートおよび分析ポートに空のサンプルセルをセットする。所定の位置に液体窒素の入ったデュワー瓶をセットし、飽和蒸気圧(P0)測定コマンドにより、P0を測定する。P0測定終了後、分析ポートに脱ガス調製されたサンプルセルをセットし、サンプル質量およびP0を入力後、BET測定コマンドにより測定を開始する。後は自動でBET比表面積が算出される。
C量/BETが上記の範囲内であれば、シリカ微粉体におけるシリコーンオイルの処理量が適度であり、トナーの流動性を長期にわたり良好に保つことができ、かぶり等の発生を抑制し、また、現像剤担持体、規制部材や、キャリアへのシリカ微粉体の付着を良好に抑制できる。
本発明に係わるシリカ微粉体は、一次個数平均長径が5nm以上200nm以下であるものが好ましく、より好ましくは7nm以上100nm以下である。
ここで、シリカ微粉体の一次粒子の平均長径の測定は、走査型電子顕微鏡FE−SEM(日立製作所製S−4700)により50万倍に拡大したトナー粒子表面の写真を撮影し、その拡大写真を測定対象として行う。
一次粒子の平均長径は、拡大写真において10視野にわたり測定し、その平均を平均長径とする。なお、シリカ微粉体の一次粒子の輪郭に接する様に引いた平行線の内、その平行線間距離が最大となるものを長径とする。
また、シリカ微粉体は、BET法による比表面積によって、水分吸着の程度や帯電サイトの程度が変るため、これを制御することが好ましい。
本発明におけるシリカ微粉体(疎水化処理後)のBET比表面積は、好ましくは35m/g以上350m/g以下、さらに好ましくは75m/g以上250m/g以下である。BET比表面積が上記の範囲であれば、トナーからの遊離や凝集体の形成を良好に抑制することができる。
また、シリカ微粉体への表面処理の程度としては、C量/BETに加えて、本発明のシリカ微粉体のメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性が、70体積%以上75体積%以下であることが好ましい。濡れ性が、上記の範囲内であれば、環境によらず十分なトナーの流動性が得られ、かぶり等の発生を良好に抑えることができ、また、長期使用に際しても安定した画像濃度を維持することができる。
<濡れ性の測定>
本発明における濡れ性は、粉体濡れ性測定器WET−100P(RHESCA社製)を用いて行った。
純水の波長780nmにおける光の透過率を100%とし、以下の方法で濡れ性を測定した。
シリカ微粉体0.20g(0.20±0.01g)を秤量し、純水50mlに加え、マグネットスターラー(300rpm)で撹拌しながら、シリカ微粉体が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを注入(流量2.5ml/5分)した。そして、シリカ微粉体がメタノール/水混合溶媒にシリカ分散した際、波長780nmにおける光の透過率が50%になった際のメタノール濃度(体積%)を濡れ性とした。
本発明で用いられるシリカ微粉体は、トナー粒子に外添する前の状態で、以下の粒度分布を有するものである。このような粒度分布は、一次粒径を有するシリカ微粉体の一次粒子が、複数合一した複合粒子を形成することによって、達成される。複合粒子を存在させ、本発明の粒度分布にすることにより、トナー粒子からのシリカ微粉体の遊離や、トナー粒子へのシリカ微粉体の埋め込みが抑制され、トナー担持体、規制部材やキャリアへのトナー及び/またはシリカ微粉体の融着を抑制することができる。さらには、シリカ微粉体のスペーサー粒子としての効果が得られ、転写性の向上やトナー劣化防止を良好に達成することができる。
本発明においては、シリカ微粉体の解砕処理条件を調整することで、以下のシリカ微粉体の粒度分布になるようにした。
本発明のトナーに用いるシリカ微粉体のレーザー回折型粒度分布計による体積基準粒度分布は、少なくとも0.02μm以上1000.00μm以下の測定範囲において最も累積頻度が多いピークを有し、0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度が、7.0%以下、好ましくは5.0%以下、さらに好ましくは3.0%以下である。また10.10μm以上39.23μm未満の累積頻度をA(%)、39.23μm以上200.00μm未満の累積頻度をB(%)としたとき、以下の1)、2)を満たす。
1)A+B≧93.0
2)0.45≦A/B≦6.00、好ましくは0.50≦A/B≦3.50、さらに好ましくは0.52≦A/B≦2.00
<シリカ微粉体の粒度分布の測定方法>
本発明で用いられるシリカ微粉体の体積基準の粒度分布の測定は、JISZ8825−1(2001年)に準じて測定されるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用いた。測定条件の設定および測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBA LA−920 for Windows(登録商標)WET(LA−920)Ver.2.02」を用いた。また、測定溶媒としては、エタノールを用いる。
測定は、フローセルを用いて循環系にて測定を行う。各種測定条件は以下のとおりである。
超音波:レベル3
循環速度:レベル3
相対屈折率:1.08
測定手順は、以下の通りである。
エタノールを循環させ、約1mg(透過率が70%乃至95%になる量)のシリカ微粉体を少量ずつ加え、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理をする。なを、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
その後、粒度分布の測定を行う。尚、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置「LA−920」においては、まず各粒子の粒径を求め、表1のチャンネルに振り分ける。そして、各チャンネルの中心径をそのチャンネルの代表値とし、その代表値を直径として有する球を想定し、その球の体積をもとに体積基準の粒度分布を求めている。
Figure 2009123329
得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度、10.10μm以上39.23μm未満の累積頻度、39.23μm以上200.00μm未満の累積頻度%を算出する。
本発明のトナーに用いるシリカ微粉体のA+Bが93.0%未満の場合は、10.10μm未満と200μm以上の累積頻度が多いことを意味する。例えば200μm以上が多いとトナーからのシリカ微粉体の遊離が多くなり、現像剤担持体、規制部材やキャリアにシリカ微粉体が付着・融着しやすい。また10μm未満が多いと、長期使用時において、トナー粒子へのシリカ微粉体が埋め込みやすくなり、トナーの流動性を長期にわたり維持することが出来ない場合がある。特に0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度%が、7%より大きいとこの問題が顕著となる。
本発明のトナーに用いるシリカ微粉体のA/Bが0.45未満の場合、すなわち解砕が不十分な場合、凝集しているシリカ微粉体が多いため、トナー担持体、規制部材やキャリアにシリカ微粉体が付着・融着しやすい。A/Bが6.00より大きい場合、長期使用時において、トナー粒子へのシリカ微粉体の埋め込みやすくなり、トナーの流動性を長期にわたり維持することが出来ず、かぶりや転写性が悪化する場合がある。また、シリカ微粉体が静電凝集しやすくなり、経時的に再凝集しやすく、トナーからのシリカ微粉体の遊離が多くなり、現像剤担持体、規制部材やキャリアにシリカ微粉体が融着しやすい。
また、上記粒度分布に加えて、77.34μm以上200.00μm未満の累積頻度が、2.5%以上であることが好ましい。2.5%未満であると長期使用時において、トナー粒子へのシリカ微粉体が埋め込みやすくなり、トナーの流動性を長期にわたり維持する事が出来ず、かぶりや転写性が悪化する場合が有る。また、シリカ微粉体が、経時的に再凝集しやすく、トナーからのシリカ微粉体の遊離が多くなり、現像剤担持体、規制部材やキャリアにシリカ微粉体が付着・融着する場合がある。
本発明中の、上記粒度分布のシリカ微粉体を得る解砕方法としては、公知の解砕機を用いる事ができる。例えば、表面処理されたシリカ微粉体を、高速衝撃式微粉砕機パルベライザー(ホソカワミクロン社製)で、シリカ微粉体の凝集体を上記粒度分布を有する複合体に解砕する方法などがある。
本発明において、シリカ微粉体をトナーに添加する場合の好ましい添加量としては、トナー粒子100質量部に対し0.05乃至3.00質量部である。
シリカ微粉体の添加量が上記の範囲内であれば、スペーサーとしての効果が良好に発揮され、より良好な転写性、現像性を得ることができる。また、トナーからシリカ微粉体の遊離を抑え、トナーの流動性を高めることができるため、現像剤担持体、規制部材やキャリアにトナーが融着するのを良好に抑制できる。
本発明のトナーについてさらに説明する。
本発明に係るトナーは、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー粒子と外添剤とからなる。本発明に係るトナーは重量平均粒径(D4)が4.0μm以上9.0μm以下である。
トナーの重量平均粒径が9.0μmを超えると、静電荷像を現像するトナーが大きくなるために、静電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすくなる。また、トナーの重量平均粒径を4.0μm未満とした場合には、例え本発明のシリカ微粉体を有するトナーであっても、所望の流動性を長期にわたり得ることが出来ず、トナーがトナー担持体、規制部材やキャリアに融着しやすくなる。また、トナーの非静電的付着力が強くなるため、中間転写体等の転写部材へのトナーの付着力が強くなり、転写性が悪化する場合がある。
トナーの粒径の測定には、例えばコールターカウンターを使用する方法を挙げることができる。
トナー粒子に使用される結着樹脂としては、下記に例示される樹脂の使用が可能である。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル;フェノール樹脂;天然変性フェノール樹脂;天然樹脂変性マレイン酸樹脂;アクリル樹脂;メタクリル樹脂;ポリ酢酸ビニール;シリコーン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリウレタン;ポリアミド樹脂;フラン樹脂;エポキシ樹脂;キシレン樹脂;ポリビニルブチラール;テルペン樹脂;クマロンインデン樹脂;ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂;ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物;ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物;ポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物;石油系樹脂等が使用できる。
特に限定されないが、好ましい結着樹脂としては、スチレン系共重合体、ポリエステル樹脂、又はポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又はハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又はハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、もしくはポリエステル樹脂とビニル系重合体との混合物、のいずれかから選択される樹脂が好ましい。
また、架橋されたスチレン系樹脂も好ましい結着樹脂である。
スチレン系重合体またはスチレン系共重合体は架橋されていても良く、さらに架橋されている樹脂と架橋されていない樹脂とが混合されていても良い。
結着樹脂の架橋剤としては、主として2個以上の重合可能な二重結合を有する化合物を用いてもよい。例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンのような芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレートのような二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物;および3個以上のビニル基を有する化合物が挙げられる。これらは単独もしくは混合物として用いられる。
本発明において、上述の結着樹脂他に、結着樹脂としてポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂の如きカルボキシル基を有する極性樹脂を併用することができる。
例えば、懸濁重合法により直接トナー粒子を製造する場合には、分散工程から重合工程に至る重合反応時に極性樹脂を添加すると、トナー粒子となる重合性単量体組成物と水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じて、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に薄層を形成したり、トナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもって存在するように、極性樹脂の存在状態を制御することができる。即ち、極性樹脂を添加することは、コアシェル構造のシェル部を強化することができる。
上記極性樹脂の好ましい添加量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上25質量部以下であり、より好ましくは2質量部以上15質量部以下である。上記範囲内であれば、トナー粒子中での極性樹脂の存在状態を適度な厚さで均一にできる。
本発明に用いられる極性樹脂としては、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体が挙げられる。特に極性樹脂として、分子量3,000以上10,000以下にメインピークの分子量を有するポリエステル樹脂がトナー粒子の流動性、負摩擦帯電特性を良好にすることができるので好ましい。
トナー粒子は荷電制御剤を含有しても良い。
トナー粒子を負荷電性に制御するものとしては下記物質が挙げられる。例えば、有機金属化合物、キレート化合物が有効であり、さらにモノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸系の金属化合物が好ましく用いられる。さらに、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそれらの金属塩、それらの無水物、それらのエステル類、ビスフェノール等のそれらのフェノール誘導体類;尿素誘導体;含金属サリチル酸系化合物;含金属ナフトエ酸化合物;ホウ素化合物;4級アンモニウム塩;カリックスアレーン;ケイ素化合物;スチレン−アクリル酸共重合体;スチレン−メタクリル酸共重合体;スチレン−アクリル−スルホン酸共重合体;及びノンメタルカルボン酸系化合物が挙げられる。
トナー粒子を正荷電性に制御するものとしては下記物質が挙げられる。例えば、アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物および有機染料特に塩基性染料とその塩が知られており、ベンジルジメチル−ヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシル−トリメチルアンモニウムクロライド、ニグロシン塩基、ニグロシンヒドロクロライド、サフラニンT及びクリスタルバイオレット等が挙げられる。なおこれら染料は、着色剤としても用いることができる。
これら荷電制御剤は、単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
トナー粒子は、磁性体を含有しても良い。磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属、或いはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合物が挙げられる。これら磁性体は、着色剤としてもよい。
本発明に用いられるトナー粒子の着色剤について次に述べる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、或いは、以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものを用いることができる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、アリルアミド化合物等に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168又は180が好適に用いられる。さらにC.I.ソルベントイエロー93、162、163等の染料を併用しても良い。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アンスラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221又は254等が好適に用いられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
これらの着色剤は、単独又は混合して、更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透明性、トナー粒子中への分散性の点から選択される。
また、本発明に係るトナー粒子は離型剤としてワックスを含有することも好ましい形態である。トナー粒子がワックスを含有する場合、特にトナー粒子表面にワックスが存在する場合、トナーが現像剤担持体、規制部材やキャリアに融着しやすくなる。そのためトナー粒子にワックスを有するトナーにおいては、本発明で用いるシリカ微粉体を用いた場合は、トナーが現像剤担持体、規制部材やキャリアに融着するのを抑制することが出可能であり、その効果を十分に発揮する事ができるため、好ましい形態の1つである。
トナー粒子へのワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して1乃至20質量部が好ましく、さらには2乃至17質量部が好ましい。
結着樹脂、着色剤およびワックスを有する混合物を溶融混練後、冷却し粉砕、分級してトナー粒子を得る粉砕法によってトナーを製造する場合においては、ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対し1乃至10質量部が好ましく、より好ましくは2乃至7質量部である。
重合性単量体と着色剤及びワックスを有する混合物を重合させることにより、直接的にトナー粒子を得る重合法によってトナーを製造する場合、ワックスの添加量は、重合性単量体又は、重合性単量体の重合によって合成された樹脂100質量部に対し2乃至20質量部が好ましく、より好ましくは5乃至17質量部である。
通常、ワックスは、結着樹脂より極性が低いため、水系媒体中での重合方法を行う重合法ではトナー粒子内部に多量のワックスを内包化させ易いため、粉砕法と比較し、多量のワックスを用いることが可能となる。よって重合法でトナーを製造した場合には、より良好なオフセット防止効果が得られる。
ワックスの配合量が上記の範囲内である場合には、外添剤の遊離や埋め込みを良好に抑制できる。
次に本発明に用いられるトナー粒子を製造するための方法について説明する。本発明に係るトナー粒子は、公知の粉砕法及び重合法を用いて製造することが可能である。
粉砕法によるトナー粒子の製造方法においては、結着樹脂、ワックス、着色剤としての顔料、染料又は磁性体、必要に応じて荷電制御剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により充分混合し、得られた混合物を加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練することにより、樹脂成分を互いに相溶させた中に金属化合物、顔料、染料、磁性体を分散又は溶解させ;得られた混練物を冷却固化後粉砕及び分級を行ってトナー粒子を得ることができる。
本発明のトナーは、トナー担持体、規制部材やキャリアへの付着性をより軽減する、あるいはより転写性を向上させることを目的に、フロー式粒子像分析装置による平均円形度Rが0.960≦R≦0.995であることが好ましい。
そのため、上記粉砕トナー粒子の製造方法で得られるトナー粒子においては、球形化、改質化を行う事が好ましい。
トナー粒子の球形化、改質化を行う方法としては、表面改質装置を用いた方法(特開2004−326075号公報等)、熱風による方法(特開2000−29241号公報等)、機械的衝撃力による方法(特開平7−181732合公報等)など、公知の方法を用いて行う事が可能である。
重合トナー粒子の製造方法は、特公昭56−13945号公報等に記載のディスク又は多流体ノズルを用い溶融混合物を空気中に霧化し球状トナー粒子を得る方法や、特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報、特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合法を用いて直接トナー粒子を生成する方法や、単量体には可溶で得られる重合体が不溶な水系有機溶剤を用い直接トナー粒子を生成する分散重合法又は水溶性極性重合開始剤存在下で直接重合しトナー粒子を生成するソープフリー重合法に代表される乳化重合法や、予め一次極性乳化重合粒子を作った後、反対電荷を有する極性粒子を加え会合させるヘテロ凝集法等を用いトナー粒子を製造することが可能である。
また、一旦得られた重合トナー粒子に更に単量体を吸着させた後、重合開始剤を用い重合させる所謂シード重合方法も本発明に好適に利用することができる。
さらに必要に応じてトナー粒子と所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により充分外添混合し、本発明に用いられるトナーを得ることができる。
次に、本発明のトナーは、上述の少なくとも本発明に用いられるシリカ微粉体のほかに、以下の外添剤を外添混合してもよい。
本発明においては、シリカ、アルミナ、酸化チタン等の無機微粉体;ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン等の有機微粉体の如き流動化付与剤が外添されていることが好適である。トナーに対して上述した流動化付与剤を外添混合することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー粒子相互の間に微粉体が存在することとなる。そのため、トナーに好適な流動性を付与するのに適している。また、現像剤の帯電立ち上がり性、環境安定性、流動性、転写性などが向上され、さらに現像剤の寿命も向上する。
上述した流動性付与剤の個数平均粒径は3乃至200nmであることが好ましい。
これらの流動化付与剤の表面積としては、BET法による窒素吸着によったBET比表面積が30m/g以上、特に50乃至400m/gの範囲のものが良好である。
また、本発明のトナーに少なくとも外添混合されるシリカ微粉体に加えて、好ましくは、これら流動化付与剤を、1種類以上添加することが好ましく、得られるトナーの帯電性・環境安定性・流動性などを向上させることができる。
特に、トナーが負帯電性トナーである場合には、本発明のシリカ微粉体に加え、少なくとも1種類は酸化チタンを用いることが好ましい。つまり、シリカ微粉体は、アルミナや酸化チタン等の流動化剤より負帯電性が高いため、トナー母体との密着性が高く、遊離する外添剤が少なくなる。そのため、部材の汚染を抑制することができる。その反面、低湿下でのトナーの帯電量の増加が生じやすい。また、酸化チタンは、帯電立ち上がり性、チャージアップの防止、環境安定性、及び帯電分布の均一化をすることができる。その反面、長期使用時にトナーの帯電能低下を生じ場合がある。
そのため、本発明で少なくとも用いられるシリカ微粉体と酸化チタン微粉体の少なくとも2種類を併用することで、両方の特性を加味した相乗的効果を得ることが出来るので、より好ましい。
該流動化付与剤は高湿下での帯電性を維持するために、疎水化処理されていることが好ましい。その疎水化処理の例を下記に示す。
疎水化処理剤の一つとしてシランカップリング剤が挙げられ、その量は、シリカ100質量部に対して、1乃至40質量部、好ましくは2乃至35質量部を用いるのが良い。処理量が1〜40質量部であると耐湿性が向上し凝集体が発生しにくい。
また、別の疎水化処理剤の一つとしてシリコーンオイルが挙げられる。
各種トナー特性付与を目的として、他の外添剤を加えることができる。外添剤は、トナー粒子に添加した時の耐久性の点から、トナーの重量平均粒径の1/5以下の粒径であることが好ましい。これら特性付与を目的とした添加剤としては、例えば、研磨剤、滑剤、荷電制御粒子等が用いられる。
研磨剤としては、例えば、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び酸化クロム等の金属酸化物;窒化ケイ素等の窒化物;炭化ケイ素の炭化物;及び硫酸カルシウム,硫酸バリウム及び炭酸カルシウム等の金属塩が挙げられる。
滑剤としては、例えばフッ化ビニリデン及びポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末;及びステアリン酸亜鉛及びステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩が挙げられる。
荷電制御性粒子としては、例えば酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素及び酸化アルミニウム等の金属酸化物;及びカーボンブラックが挙げられる。
これら添加剤は、トナー粒子100質量部に対し、好ましくは0.1乃至10質量部、より好ましくは0.1乃至5質量部が用いられる。
次に本発明のトナーを二成分系現像剤として用いる際に、同時に用いられるキャリアについて説明する。
本発明のトナーを二成分系現像剤に用いる場合は、トナーはキャリアと混合して使用される。キャリアとしては、磁性体粒子そのもの、磁性体粒子を樹脂で被覆した被覆キャリア、磁性体粒子を樹脂粒子中に分散させた磁性体分散型樹脂キャリア等の公知のキャリアを用いることができ、磁性体粒子としては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用できる。
上記キャリア粒子の表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。被覆方法としては、樹脂の如き被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめて調製した塗布液をキャリアコア粒子表面に付着せしめる方法、キャリアコア粒子と被覆材とを粉体で混合する方法等、従来公知の方法が適用できる。
キャリアコア粒子表面への被覆材料としては、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂が挙げられる。これらは、単独或いは複数で用いる。上記被覆材料の処理量は、キャリアコア粒子に対し0.1乃至30質量%(好ましくは0.5乃至20質量%)が好ましい。これらキャリアコア粒子の体積基準の50%粒径(D50)は10乃至100μm、好ましくは20乃至70μmを有することが好ましい。
体積基準の50%粒径は、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所株式会社製)により測定した。
本発明のトナーとキャリアとを混合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2乃至15質量%、好ましくは4乃至13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
本発明のトナーは、例えば、高速システム用トナー、オイルレス定着用トナー、クリーナーシステム用トナー、長期使用によって劣化した現像器内のキャリアを順次回収し、フレッシュなキャリアを補給していく現像方式(オートリフレッシュ現像方式)用トナー等、公知の一成分現像方式、二成分現像方式を用いた画像形成方法に適用可能である。特に、本発明のトナーは、非常に転写性が良く、長期にわたり安定した画像を得ることができることから、中間転写体を有する画像形成方法、クリーナーレスシステムを有する画像形成方法に対して好適に用いることができる。
次に、本発明のトナーを適用することができる画像形成方法に関して説明する。
画像形成方法について添付図面を参照しながら以下に説明する。
図1は本発明のトナーを適用することができる画像形成方法の一例の概略を示す図である。本例の画像形成方法は、複数の像担持体である感光ドラムを上下に並べて配置したタンデム型で、中間転写ベルト方式の電子写真カラー(多色画像)プリンターである。
PY、PM、PC及びPBkはそれぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各色のトナー画像を形成する第1〜第4の4つの画像形成部(画像形成ユニット)であり、画像形成方法本体内に下から上に順に並列配置されている。
これらの第1〜第4の4つの画像形成部PY、PM、PC及びPBkは互いに形成するトナー画像の色が上記のように異なる他は、同一の構成及び電子写真作像機能を有している。すなわち、第1〜第4の各画像形成部はそれぞれ、第1の画像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(感光ドラム)1、一次帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、一次転写手段としての一次転写ローラ5、クリーニング手段としてのブレードクリーニング装置6等からなる。第1〜第4の各画像形成部の現像装置4に収容させている現像剤はそれぞれイエロートナー、シアントナー、マゼンタトナー及びブラックトナーである。ここのマゼンタトナーは本発明のマゼンタトナーである。
本実施例の画像形成方法では、第1〜第4の各画像形成部PY、PM、PC及びPBkが、それぞれ、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置4、ブレードクリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括して画像形成方法本体に対して着脱交換自在のプロセスユニット(プロセスカートリッジ)として構成されている。
30は第2の画像担持体としてのエンドレスベルト状の中間転写ベルトであり、上記の第1〜第4の4つの画像形成部PY、PM、PC及びPBkの感光ドラム1側(プリンター前面側)においてこの4つの画像形成部の全体部にわたらせて、不図示の複数の支持ローラ間に懸回張設させて縦方向に配設してある。第1〜第4の各画像形成部において、一次転写ローラ5はそれぞれこの中間転写ベルト30を介して感光ドラム1に圧接させてある。各感光ドラム1と中間転写ベルト30との接触部が一次転写部である。
第1〜第4の各画像形成部PY、PM、PC及びPBkにおいて、正回転駆動された各感光ドラム1は、その回転過程でそれぞれ不図示の電源回路から帯電バイアスが印加される帯電ローラ2により所定の極性及び電位に一様に一次帯電処理される。その帯電処理面に対してLEDアレイ装置などのレーザー照射装置3によりそれぞれフルカラー画像の色分解成分像である、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色の画像パターンにしたがった光像露光LY、LM、LC及びLBkがなされ、各感光ドラム1上に画像情報の静電潜像が形成される。その静電潜像がそれぞれ現像装置4によってトナー画像として現像されることで、第1〜第4の4つの画像形成部PY、PM、PC及びPBkの各感光ドラム1の面にそれぞれ電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分像である、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色トナー画像が所定のシーケンス制御タイミングにて形成される。
そして、第1〜第4の各画像形成部PY、PM、PC及びPBkにおいて、各感光ドラム1の面に形成されるイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色トナー画像が、各感光ドラム1の正回転方向に順方向の矢印の時計方向に感光ドラム1と略同速で回転駆動される中間転写ベルト30の面に対して、第1〜第4の各画像形成部PY、PM、PC及びPBkの一次転写部において一次転写ローラに不図示の電源回路から印加される一次転写バイアスによって順次に重畳転写される。これにより回転駆動される中間転写ベルト30の面に未定着のフルカラートナー画像(鏡像)が合成形成される。
第1〜第4の各画像形成部PY、PM、PC及びPBkにおいて、中間転写ベルト30に対するトナー画像の一次転写後に各感光ドラム1上に残った転写残トナーはブレードクリーニング装置6のクリーニングブレードによって除かれて、ブレードクリーニング装置6内の貯留部に貯留される。
32は2次転写ローラ、32aは対向ローラである。対向ローラ32aは中間転写ベルト30の下端側において中間転写ベルトの内側に配設してあり、2次転写ローラ32は対向ローラ32aとの間に中間転写ベルト30を挟ませて該中間転写ベルト30の外面に当接させて配設してある。2次転写ローラ32と中間転写ベルト30との接触部が二次転写部である。
40は画像形成方法本体の下部に配設した給紙カセットであり、最終記録媒体としての転写材Pを積載収容させてある。CPUは所定のシーケンス制御タイミングにて搬送手段であるピックアップローラ31を駆動させて給紙カセット40内の転写材Pを1枚分離して給紙させ、所定のタイミングにて二次転写部に給送する。中間転写ベルト30上に合成形成された未定着のフルカラートナー画像は、この二次転写部において二次転写ローラ32に不図示の電源回路から印加される二次転写バイアスによって転写材Pの面に一括転写されていく。
二次転写部を通過した転写材Pは、中間転写ベルト30の面から分離されて紙搬送ベルト35によって定着装置7に送られる。
中間転写ベルト30上に残った転写残トナーは中間転写ベルトクリーニング装置33のクリーニングブレードによって除かれ、廃トナーボックス34に送られて貯留される。
定着装置7に送られた転写材P上の未定着のフルカラートナー画像は定着装置7により熱及び圧を加えられて転写材Pに溶融固着され、シートパス41を通って画像形成方法本体の上面に配設した排紙トレイ36上にカラー画像形成物として排出される。
次に、本発明のトナーに適応される二成分現像方式を用いる画像形成方法の一例として、以下にクリーナーレス画像形成方法について説明する。
図2は本発明に従う画像形成方法例の概略構成模型図である。本例の画像形成方法は、転写方式電子写真プロセス利用、接触帯電方式、反転現像方式、クリーナーレス、最大通紙サイズがA3サイズのレーザービームプリンタである。
図2において、画像担持体としての感光ドラム1、一次帯電手段としての帯電ローラ2、露光手段としての露光装置3、現像手段としての現像装置4、転写手段としての転写ローラ5、定着装置としての定着装置7である。
2は感光ドラム1の周面を一様に帯電処理する帯電手段としての接触帯電装置(接触帯電器)であり、本例は帯電ローラ(ローラ帯電器)である。
この帯電ローラ2は、芯金の両端部をそれぞれ不図示の軸受け部材により回転自在に保持させると共に、不図示の押し圧ばねによって感光ドラム方向に付勢して感光ドラム1の表面に対して所定の押圧力をもって圧接させており、感光ドラム1の回転に従動して回転する。感光ドラム1と帯電ローラ2との圧接部が帯電部(帯電ニップ部)である。
帯電ローラ2の芯金には不図示の電源より所定の条件の帯電バイアス電圧が印加されることにより回転感光ドラム1の周面が所定の極性・電位に接触帯電処理される。本例において、帯電ローラ2に対する帯電バイアス電圧は、直流電圧(Vdc)と交流電圧(Vac)とを重畳した振動電圧を印加する。
具体的には、直流電圧:−500Vと、周波数f:1000Hz、ピーク間電圧Vpp:1400Vであり、波形が正弦波である交流電圧とを重畳した振動電圧を印加し、感光ドラム1の周面は−500V(暗電位Vd)に一様に接触帯電処理される。
3は帯電処理された感光ドラム1の面に静電潜像を形成する情報書き込み手段としては露光である。LEDアレイを用いる方法、半導体レーザーを用いる方法、液晶シャッタアレイを用いた方などがある。
本例は半導体レーザーを用いたレーザービームスキャナである。画像読み取り装置等のホスト装置からプリンター側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光を出力して回転感光ドラム1の一様帯電処理面を露光位置bにおいてレーザー走査露光L(イメージ露光)する。このレーザー走査露光Lにより感光ドラム1面のレーザー光で照射されたところの電位が低下することで、回転感光ドラム1面には走査露光した画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
4は感光ドラム1上の静電潜像に現像剤(トナー)を供給し静電潜像を可視化する現像手段としての現像装置(現像器)であり、本例は二成分系現像方式の反転現像装置である。
4aは現像容器、4bは非磁性の現像スリーブであり、この現像スリーブ4bはその外周面の一部を外部に露出させて現像容器4a内に回転可能に配設してある。4cは非回転に固定して現像スリーブ4b内に挿設したマグネットローラ、4dは現像剤コーティングブレード、4eは現像容器に収容した二成分系現像剤、4fは現像容器内の底部側に配設した現像剤撹拌部材、4gはトナーホッパーであり、補給用トナーを収容させてある。
而して、回転する現像スリーブ4bの面に薄層としてコーティングされ、現像部cに搬送された現像剤中のトナー分が、電源S2によって印加される所定の条件の現像バイアスによる電界によって感光ドラム1面に静電潜像に対応して選択的に付着することで静電潜像がトナー画像として現像される。本例の場合は感光ドラム1面の露光明部にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
現像部cを通過した現像スリーブ4b上の現像剤薄層は引き続く現像スリーブの回転に伴い現像容器4a内の現像剤溜り部に戻される。
現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度を所定の略一定範囲内に維持させるために、現像容器4a内の二成分現像剤4eのトナー濃度が不図示の例えば光学式トナー濃度センサーによって検知され、その検知情報に応じてトナーホッパー4gが駆動制御されて、トナーホッパー内のトナーが現像容器4a内の二成分現像剤4eに補給される。二成分現像剤4eに補給されたトナーは撹拌部材4fにより撹拌される。
5は転写装置であり、本例は転写ローラである。この転写ローラ5は感光ドラム1に所定の押圧力をもって圧接させてあり、その圧接ニップ部が転写部dである。この転写部dに不図示の給紙機構部から所定の制御タイミングにて転写材(被転写部材、記録材)Pが給送される。
転写部dに給送された転写材Pは、回転する感光ドラム1と転写ローラ5の間に挟持されて搬送され、その間、転写ローラ5に電源S3からトナーの正規帯電極性である負極性とは逆極性である正極性の転写バイアス、本例では+2kVが印加されることで、転写部dを挟持搬送されていく転写材Pの面に感光ドラム1面側のトナー画像が順次に静電転写されていく。
転写部dを通ってトナー画像の転写を受けた転写材Pは、回転感光ドラム1面から順次に分離されて定着装置6(例えば熱ローラ定着装置)へ搬送されてトナー画像の定着処理を受けて画像形成物(プリント、コピー)として出力される。
次にクリーナーレスシステムおよびトナー帯電量制御について説明する。
本例のプリンターはクリーナーレスであり、転写材Pに対するトナー画像転写後の感光ドラム1面に若干量残留する転写残トナーを除去する専用のクリーニング装置は具備させていない。転写後の感光ドラム1面上の転写残トナーは引き続く感光ドラム1の回転に伴い帯電部a、露光部bを通って現像部cに持ち運ばれて、現像装置4により現像兼クリーニング(回収)される(クリーナーレスシステム)。
本実施例においては現像装置4の現像スリーブ4bは前述したように現像部cにおいて、感光ドラム1面の進行方向とは逆方法に回転させており、これは感光ドラム1上の転写版トナーの回収に有利である。
感光ドラム1面上の転写残トナーは露光部bを通るので露光工程はその転写残トナー上からなされるが、転写残トナーの量は少ないため、大きな影響は現れない。
ただ前述のように、転写残トナーには帯電極性が正規極性のもの、逆極性のもの(反転トナー)、帯電量が少ないものが混在しており、その内の反転トナーや帯電量が少ないトナーが帯電部aを通過する際に帯電ローラ2に付着することで帯電ローラが許容以上にトナー汚染して帯電不良を生じることになる。
また、感光ドラム1面上の転写残トナーの現像装置3による現像兼回収を効果的に行わせるためには、現像部cに持ち運ばれる感光ドラム上の転写残トナーの帯電極性が正規極性であり、かつその帯電量が現像装置によって感光ドラムの静電潜像を現像できるトナーの帯電量であることが必要である。反転トナーや帯電量が適切でないトナーについては感光ドラム上から現像装置に除去・回収できず、不良画像の原因となってしまう。
そこで本実施例においては、転写部dよりも感光ドラム回転方向下流側で、帯電部aよりも感光ドラム回転方向上流側の位置において、転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えるためのトナー帯電量制御手段10を設けている。
転写残トナーの帯電極性を正規極性である負極性に揃えることにより、さらに下流に位置する帯電部aで、該転写残トナーの上から感光ドラム1面上を帯電処理する際に、感光ドラム1への鏡映力が大きくし、転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止するのである。
次に現像工程における転写残トナーの回収について述べる。
現像装置4は上述したとおりで、現像を行う際に転写残トナーを清掃するクリーナーレス方式である。
感光ドラム1上の転写残トナーが現像装置4に回収されるためのトナー帯電量は、前記現像剤帯電量制御手段で帯電処理されたときの帯電量の絶対値よりも小さい絶対値の帯電量にすることが必要である。これはいわゆる除電であり、転写残トナーの帯電量が高いとドラムとの親和力の方が勝り、現像装置4に回収されなくなり、画像欠陥を生じることによる。
しかしながら、上述したように帯電ローラ2へのトナー付着を防止するために、トナー帯電量制御手段10によって負極性に大きく帯電された転写残トナーを、現像装置4において回収させるためには、除電を行う必要がある。その除電は帯電部aでなされる。即ち、帯電ローラ2には前記したように1000Hz、1400Vの交流電圧が印加されていることにより、転写残トナーは交流除電されるのである。また、帯電ローラ2への印加交流電圧の調整により帯電部aを通過後のトナー帯電量を交流除電で調整することができる。現像工程においては、トナーが現像されるべきではない感光ドラム1上の転写残トナーは、上記の理由で現像装置4に回収される。
かくして、転写部dから帯電部aへ持ち運ばれる感光ドラム1上の転写残トナーのトリボを、電源S4に接続されたトナー帯電量制御手段10で正規極性である負極性に揃えて帯電処理することで転写残トナーの帯電ローラ2への付着を防止しつつ、帯電ローラ2で感光ドラム1を所定の電位に帯電すると同時に、上記のトナー帯電量制御手段10で正規極性である負極性に帯電処理された転写残トナーの帯電量を、現像装置4によって感光ドラムの静電潜像を現像できる適切な帯電量に制御することで現像装置での転写残トナーの回収も効率的になされるもので、これにより、帯電不良や不良画像がなく、しかもクリーナーレスシステムのメリットを生かした画像形成装置を提供できる。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。
《シリカ微粉体Aの製造例》
酸素−水素炎で形成された外炎中において、オクタメチルシクロテトラシロキサンを酸水素炎中(火炎断熱温度:2010℃)にて燃焼酸化させた。得られた原体シリカ微粉体をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。このまま30分間保持し、原体シリカ微粉体を乾燥させた。この操作により、原体シリカ微粉体の水分量は、0.1質量%以下となった。得られた原体シリカ微粉体は、BET比表面積131m/g、数平均一次粒子径16nmであった。
引き続き、同条件でミキサーの撹拌を続け、原体シリカ微粉体100質量部に対して21.5質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度50mm/s)を、2流体ノズルを用いて噴霧し、原体シリカ微粉体に付着させた。
更に、同条件でミキサーの撹拌を続け、60分間保持し、冷却した。その後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕を行いシリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体Aを得た。得られたシリカ微粉体Aの物性を表2に示す。また、シリカ微粉体Aの粒度分布を図3に示す。
《シリカ微粉体B〜Iの製造例》
シリカ微粉体Aの製造例において、パルベライザーの回転数、フィード量を変更し、“A/B”などを調整(回転数上げる及び/またはフィード量を下げることによって解砕強度が上がる。解砕強度が強くなると、“A/B”が大きくなる。)した以外は、同様に行った。得られたシリカ微粉体B〜Iの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体J〜Oの製造例》
シリカ微粉体Aの製造例において、ジメチルシリコーンオイルの添加量をそれぞれ、20.0質量部、17.5質量部、15.0質量部、29.8質量部、33.9質量部、38.0質量部添加した以外は、同様に行った。得られたシリカ微粉体J〜Oの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Pの製造例》
酸素−水素炎で形成されたほか炎中において,置くため散るし黒テトラシロキサンを三水素炎中(火炎断熱温度:2130℃)にて燃焼酸化させた。この原体シリカ微粉体に対して、微粉体同士の接触を促進するような混合等の操作は、一切行わないように注意した。
原体シリカ微粉体をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。このまま30分間保持し、原体シリカ微粉体を乾燥させた。この操作により、原体シリカ微粉体の水分量は、0.1質量%以下となった。得られた原体シリカ微粉体は、BET比表面積92m/g、数平均一次粒子径20nmであった。
次に、この原体シリカ微粉体100質量部を、90%メタノール水10質量部、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)3.46質量部をヘキサン10000質量部に溶解さした液に入れて反応させ、溶剤を除去した。その後、HMDS処理したシリカ微粉体100質量部をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。これに、14.0質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度50mm/s)を、2流体ノズルを用いて噴霧し、原体シリカ微粉体に付着させた。
更に、同条件でミキサーの撹拌を続け、60分間保持し、冷却した。その後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕を行い表面処理されたシリカ微粉体Pを得た。得られたシリカ微粉体Pの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Q〜Sの製造例》
シリカ微粉体Nの製造例において、パルペライザーの回転数、フィード量を変更し、“A/B”、“0.10μm以上200.00μm以下”の量を表2の値になるように調整(回転数上げる及び/またはフィード下げることによって解砕強度が上がる。解砕強度が強くなると、“A/B”及び“0.10μm以上200.00μm以下”が大きくなる。)した以外は、同様に行った。得られたシリカ微粉体Q〜Sの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Tの製造例》
酸素−水素炎で形成された外炎中において、オクタメチルシクロテトラシロキサンを酸水素炎中(火炎断熱温度:2132℃)にて燃焼酸化させた。この原体シリカ微粉体に対して、微粉体同士の接触を促進するような混合等の操作は、一切行わないように注意した。
原体シリカ微粉体をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。このまま30分間保持し、原体シリカ微粉体を乾燥させた。この操作により、原体シリカ微粉体の水分量は、0.1質量%以下となった。得られた原体シリカ微粉体は、BET比表面積87m/g、数平均一次粒子径21nmであった。
次に、この原体シリカ微粉体100質量部を、90%メタノール水10質量部、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)3.27質量部をヘキサン10000質量部に溶解さした液に入れて反応させ、溶剤を除去した。その後、HMDS処理したシリカ微粉体100質量部をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。これに、13.3質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度50mm/s)を、2流体ノズルを用いて噴霧し、原体シリカ微粉体に付着させた。
更に、同条件でミキサーの撹拌を続け、60分間保持し、冷却した。その後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕を行い表面処理されたシリカ微粉体Tを得た。得られたシリカ微粉体Tの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Uの製造例》
“シリカ微粉体Tの製造例”において、火炎断熱温度:2135℃、ヘキサメチレンジシラザン(HMDS)を3.08質量部、ジメチルシリコーンオイルを12.5質量部にした他は、同様に行った。得られたシリカ微粉体Uの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Vの製造例》
酸素−水素炎で形成された外炎中において、オクタメチルシクロテトラシロキサンを酸水素炎中(火炎断熱温度:1720℃)にて燃焼酸化させた。この原体シリカ微粉体に対して、微粉体同士の接触を促進するような混合等の操作は、一切行わないように注意した。
原体シリカ微粉体をミキサーに入れ、ミキサー内温度が250℃、周速94m/s、1分間の混合度が98%の条件にて撹拌を開始し、窒素を流通させた。このまま30分間保持し、原体シリカ微粉体を乾燥させた。この操作により、原体シリカ微粉体の水分量は、0.1質量%以下となった。得られた原体シリカ微粉体は、BET比表面積398m/g、数平均一次粒子径6nmであった。
引き続き、同条件でミキサーの撹拌を続け、原体シリカ微粉体100質量部に対して59.0質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度50mm/s)を、2流体ノズルを用いて噴霧し、原体シリカ微粉体に付着させた。
更に、同条件でミキサーの撹拌を続け、60分間保持し、冷却した。その後、パルベライザー(ホソカワミクロン社製)にて解砕を行いシリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粉体Vを得た。得られたシリカ微粉体Vの物性を表2に示す。
《シリカ微粉体Wの製造例》
“シリカ微粉体Tの製造例”において、火炎断熱温度:1715℃、ジメチルシリコーンオイルを66質量部にした他は、同様に行った。得られたシリカ微粉体Wの物性を表2に示す。
Figure 2009123329
(キャリア1の製造例)
フェライト成分として、26.0mol%のMnO、3.0mol%のMgO、70.0mol%のFe及び1.0mol%のSrCOを湿式ボールミルで5時間粉砕、混合し、乾燥させた。得られた乾燥品を、900℃で3時間保持し、仮焼成を行った。この仮焼成品を湿式ボールミルで7時間粉砕し、2μm以下とした。このスラリーにバインダー(ポリビニルアルコール)を2.0質量%添加し、次いでスプレードライヤー(製造元:大川原化工機)により造粒、乾燥し、体積基準の50%粒径(D50)が40μm程度の造粒品を得た。この造粒品を電気炉にて入れ、窒素ガス中の酸素濃度を2.0vol%に調整した混合ガス中で、1150℃で3時間保持し、本焼成を行った。得られた本焼成品を、解砕し、さらに篩(目開き75μm)で篩い分けして、体積基準の50%粒径(D50)が34μmの磁性キャリアコア1を得た。このコア表面をSEMで観察するとコアの表面に溝が見られた。
次に、下記成分をキシレン300質量部と混合して、キャリア樹脂被覆溶液とした。
ストレートシリコーン樹脂(信越化学社製KR255(固形分換算))
100質量部
シラン系カップリング剤(γ−アミノプロピルエトキシシラン)
10質量部
カーボンブラック(CB)(個数平均粒径30nm、DBP吸油量50ml/100g)
10質量部
このキャリア樹脂被覆溶液を70℃に加熱した流動床を用いて撹拌しながら、キャリアコア1に、キャリアコアの質量に対してストレートシリコーン樹脂の質量が12.0質量%となるように塗布および溶媒除去操作を行った。
さらに、オーブンを用いて、230℃で2.5時間の処理を行った後に、解砕、篩(目開き75μm)による分級処理を行い、キャリア1を得た。
<実施例1>
下記のようにして、水系分散媒及び重合性単量体組成物を夫々調製した。
(水系分散媒の調製)
イオン交換水292質量部に、0.1モル/リットル−NaPO水溶液47質量部を投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、13000rpmにて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl水溶液68.5質量部を徐々に添加し、リン酸カルシウム化合物を含むpH6の水系媒体を得た。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 83質量部
・n−ブチルアクリレート 17質量部
・着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3) 5質量部
・荷電制御剤 1質量部
(3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸金属化合物)
・ビスフェノールAのP.O及びE.O付加物とテレフタル酸の縮合反応により得られる飽和ポリエステル樹脂(Mw=10000,AV(酸価)=6mgKOH/g)
4質量部
・ジビニルベンゼン 0.05質量部
上記成分を60℃に加温して十分に溶解分散し分散組成物を得た。
そしてこの分散組成物に、有機化酸化物系開始剤t−ブチルパーオキシピバレート3.5質量部とトルエン1.5質量部をあらかじめ混合したものを溶解して重合性単量体組成物を得、該組成物を前記水系媒体中に投入し、高速回転剪断撹拌機クレアミックス(エムテクニック社製)で高速撹拌して10分間造粒を行った。これをパドル撹拌翼に換え内温65℃で重合を継続させた。重合反応5時間後に無水炭酸ナトリウム5質量部を系内に添加した後、重合温度を80℃に昇温し、更に5時間継続して撹拌し重合反応を完了させた(反応終了後の懸濁液のpHは10.6であった)。冷却後、ろ過により固液分離して水洗後、リスラリーを行い更に希塩酸を添加して分散剤を溶解し、再び固液分離、水洗、ろ過、乾燥することにより重合トナー粒子(6.0μm)を得た。
得られたシアントナー粒子100質量部と、シリカ微粉体A1.8質量部及びi−ブチルトリメトキシシランとジメチルシリコーンオイルで表面処理されたルチル型酸化チタン微粉体0.2質量部(数平均一次粒子径:30nm)をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)で5分間乾式混合して、本発明のトナー1を得た。
《画像評価》
図1の構成及び仕様になるようにキヤノン製プリンターLBP5300を改造(トナー規制部材として、厚み10μmのSUSブレードを用い、このトナー規制部材にブレードバイアスを現像バイアスに対して−200Vのブレードバイアスを印加できるように改造したもの)し、各環境下にて画像評価を行った。評価は、トナーとして上記トナー1を160g充填したものをシアンステーションに装着し、その他にはダミーカートリッジを装着し、画像評価を実施した。
画像評価は、15℃/10%Rh(低温低湿環境、以下LL環境と略すことがある)、30℃/80%Rh(高温高湿環境、以下HH環境と略すことがある)の各環境で行った。印字率が1%の画像を1枚出力する動作を繰り返し、出力枚数が500枚に到達する毎に現像スジ発生の有無を確認した。最終的には15000枚の画像出力を行い、以下の方法で評価した。評価結果を表3に示す。結果がしめすとおり、全ての評価において、良好な結果が得られた。
〔現像スジの評価〕(LL環境)
現像スジ発生の有無の確認は、50枚出力した後5時間休止させることを繰り返し、出力枚数が500枚に到達する毎に、ベタ画像、ハーフトーン画像を出力して画像を目視することにより判断し、15000枚まで耐久評価した。現像スジ発生開始枚数が遅いものほど現像スジに対する特性が良い。
A:15000枚まで、現像スジ未発生
B:14001乃至15000枚で、現像スジ発生
C:13001乃至14000枚で、現像スジ発生
D:12001乃至13000枚で、現像スジ発生
E:12000枚以前で、現像スジ発生
〔画像カブリの評価〕(HH環境)
15000枚の耐久評価終了時に白地部分を有する画像を出力し、「REFLECTMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)により測定したプリントアウト画像の白地部分の白色度(反射率Ds(%))と転写紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差から、カブリ濃度(%)(=Dr(%)−Ds(%))を算出し、耐久評価終了時の画像カブリを評価した。フィルターは、アンバーライトフィルターを用いた。
A:0.3%未満
B:0.3%以上0.8%未満
C:0.8%以上1.3%未満
D:1.3%以上2.0%未満
〔画像濃度安定性〕(HH環境、LL環境)
画像濃度は、カラー反射濃度計(例えばX−rite 504A MANUFACTURED BY X−rite Co.)で、測定する。HH環境、LL環境でそれぞれ10万枚ごとに画像を評価し、評価中最も悪い画像について下のように評価判断した。
A:画像上の濃度ムラはなく、濃度も安定して良好。
B:画像上の濃度ムラはないが、濃度低下若干あり。
C:画像上の濃度ムラ少々あり、濃度低下あり。
D:画像上の濃度ムラ及び濃度低下が顕著にあり。
〔画像均一性・画質〕(HH環境)
1)画出し試験において、耐久最後に単色ベタ画像及びハーフトーン画像をプリントアウトし、その画像均一性・画質を目視で評価した。
A:均一画像で画像ムラが確認できないレベル。
B:若干の画像ムラが確認できるレベル。
C:画像ムラが確認できるレベル。
D:画像ムラが著しいレベル。
2)画出し試験において、耐久最後に2%DUTYのオリジナル文字画像をプリントアウトし、その画質を目視及びルーペで評価した。
A:飛び散り及び/または中抜けが確認できないレベル。
B:若干の飛び散り及び/または中抜けが確認できるレベル。
C:飛び散り及び/または中抜けが確認できるレベル。
D:飛び散り及び/または中抜けが著しいレベル。
上記、1)、2)のうち悪い結果を評価結果とした。
<実施例2〜4>
実施例1において、シリカ微粉体B〜Dに変えた他は同様に行い、トナー2〜4を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例1>
実施例1において、シリカ微粉体Eに変えた他は同様に行い、トナー5を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果のとおり、LL環境での現像スジなどが悪化した。これは、A/Bが小さいために、長期使用により、トナーからシリカ微粉体が遊離しやすく、トナー担持体及び規制ブレードにシリカ微粉体が融着したためであると推定される。
<実施例5〜7>
実施例1において、シリカ微粉体F〜Hに変えた他は同様に行い、トナー6〜8を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例2>
実施例1において、シリカ微粉体1に変えた他は同様に行い、トナー9を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果のとおり、LL環境での現像スジなどが悪化した。これは、A/Bが大きい、長期使用により、トナー粒子へシリカ微粉体の埋め込まれ、トナーが劣化したために、トナー担持体及び規制ブレードにトナーが融着したためであると推定される。
<実施例8、9>
実施例1において、シリカ微粉体J、Kに変えた他は同様に行い、トナー10、11を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例3>
実施例1において、シリカ微粉体Lに変えた他は同様に行い、トナー12を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果が示すとおり、HH環境におけるかぶりや、画像均一性・画質などが悪化した。これは、C量/BET及び濡れ性が小さいために、シリカ微粉体が吸湿しやすく、トナーが良好な帯電を維持できなかったためであると推定される。
<実施例10、11>
実施例1において、シリカ微粉体M、Nに変えた他は同様に行い、トナー13、14を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例4>
実施例1において、シリカ微粉体Oに変えた他は同様に行い、トナー15を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。C量/BETが大きいため、たとえ解砕処理したとしてもシリカ微粉体が再凝集しやすく、長期使用により、からシリカ微粉体が遊離しやすく、トナー担持体及び規制ブレードにシリカ微粉体が融着したためであると推定される。
<実施例12〜14>
実施例1において、シリカ微粉体P〜Rに変えた他は同様に行い、トナー16〜18を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例5>
実施例1において、シリカ微粉体Sに変えた他は同様に行い、トナー19を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果のとおり、LL環境での現像スジなどが悪化した。これは、0.10以上1.00μm以下の量が多いために、長期使用により、トナー粒子へシリカ微粉体の埋め込まれ、トナーが劣化したために、トナー担持体及び規制ブレードにトナーが融着したためであると推定される。
<実施例15〜18>
実施例1において、シリカ微粉体T〜Wに変えた他は同様に行い、トナー20〜23を得た。評価においても、実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<実施例19>
実施例1において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を51.8質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を70.5質量部に変えたほかは同様に行い、トナー24を得た。評価においても実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例6>
実施例1において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を52.6質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を70.8質量部に変えたほかは同様に行い、トナー25を得た。評価においても実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果が示すとおり、現像スジなどが悪化した。そのため、例え本発明で使用するシリカ微粉体であっても、トナーの粒径が小さいために、トナーの流動性が悪く、長期使用により、トナー粒子へシリカ微粉体の埋め込まれ、トナーが劣化したために、トナー担持体及び規制ブレードにトナーが融着したためであると推定される。
<実施例20>
実施例1において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を38.3質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を67.9質量部に変えたほかは同様に行い、トナー26を得た。評価においても実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。
<比較例7>
実施例1において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を36.9質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を67.8質量部に変えたほかは同様に行い、トナー27を得た。評価においても実施例1と同様に行い、表3の結果を得た。結果が示すとおり、画像均一性・画質などが悪化した。例え本発明で使用するシリカ微粉体であっても、トナーの粒径が大きいために、静電荷像に忠実な現像が行われにくく、また、静電的な転写を行うとトナーが飛び散りやすくなったためであると推定される。
Figure 2009123329
《実施例21》
実施例1で用いたシアントナー粒子100質量部に対して、シリカ微粉体Aを1.0質量部、酸化チタン(テイカ社製 MT150)0.7質量部をヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合して本発明のトナー28を得た。
キャリア1とシアントナーを用いて、それぞれ全質量に対するトナーの割合が8質量%となるように混合し、二成分系現像剤を製造した。
得られた二成分系現像剤を用いて、市販の複写機iRC5185N(キヤノン社製)改造機を用いて、高温高湿下(32.5℃/90%RH)にてA4シアン単色・画像DUTY3%のオリジナル画像を5万枚画出しし、画像濃度変化、画像均一性・画質、ベタ均一性、カブリ、静電荷像担持体へのキャリア付着に関して評価を行った。結果を表4に示す。それぞれの測定条件及び評価基準を以下に示す。
なお評価は、補給用シアントナーとして、上記シアントナーをトナーカートリッジに470g充填したものをシアンステーションに装着し、その他にはダミー現像器、ダミートナーカートリッジを装着し、画像評価を実施した。
紙は、キヤノン社製カラーレーザーコピアSK紙を各環境下にて24時間調湿したものを使用した。
〔画像濃度変化〕
画像濃度はカラー反射濃度計(例えばX−RITE 404Amanufactured by X−Rite Co.)で測定する。初期濃度と20万枚画出し後の濃度の差で評価する。高温高湿下(32.5℃/90%RH)、常温低湿下(23℃/15%RH)の画出しにおいて、画像濃度変化の悪い方を下基準にて評価した。
A:0.1%以下
B:0.1%を超え0.2%以下
C:0.2%を超える
〔画像かぶり評価〕(HH環境)
カブリに関しては、20万枚画出し終了後、反射濃度計(densitometer TC6MC:(有)東京電色技術センター)を用いて、白紙の反射濃度、及び複写機で画出しした紙の非画像質量部の反射濃度を測定し、両者の反射濃度の差を白紙の反射濃度を基準とし、カブリが最も悪い部位を下記評価基準に基づいて示した。
A:0.5%未満
B:0.5〜0.8%未満
C:0.8〜1.1%未満
D:1.1〜2.0%未満
E:2.0%以上
〔画像均一性・画質〕(LL環境、HH環境)
1)画出し試験において、耐久最後に単色ベタ画像及びハーフトーン画像をプリントアウトし、その画像均一性・画質を目視で評価した。HH環境、LL環境の画出しにおいて、画像濃度変化の悪い方を以下の基準にて評価した。
A:均一画像で画像ムラが確認できないレベル。
B:若干の画像ムラが確認できるレベル。
C:画像ムラが確認できるレベル。
D:画像ムラが著しいレベル。
2)画出し試験において、耐久最後に2%DUTYのオリジナル文字画像をプリントアウトし、その画質を目視及びルーペで評価した。HH環境、LL環境の画出しにおいて、画像濃度変化の悪い方を以下の基準にて評価した。
A:飛び散り及び/または中抜けが確認できないレベル。
B:若干の飛び散り及び/または中抜けが確認できるレベル。
C:飛び散り及び/または中抜けが確認できるレベル。
D:飛び散り及び/または中抜けが著しいレベル。
上記、1)、2)のうち悪い結果を評価結果とした。
<実施例22〜24>
実施例21において、シリカ微粉体B〜Dに変えた他は同様に行い、トナー29〜31を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例8>
実施例21において、シリカ微粉体Eに変えた他は同様に行い、トナー32を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、かぶり等が悪化した。これは、A/Bが小さいために、トナーからのシリカ微粉体の遊離が多く、キャリアにシリカ微粉体が多量に付着したため、キャリアの帯電付与能が著しく低下したためであると推定される。
<実施例25〜27>
実施例21において、シリカ微粉体F〜Hに変えた他は同様に行い、トナー33〜35を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例9>
実施例21において、シリカ微粉体1に変えた他は同様に行い、トナー36を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、画像均一性・画質が悪化した。これは、A/Bが大きいために、トナーへシリカ微粉体が埋め込まれやすく、長期使用時において、トナーの流動性が著しく悪化したため、静電荷像に対する忠実な現像、転写が行われなかったためであると推定される。
<実施例28、29>
実施例21において、シリカ微粉体J、Kに変えた他は同様に行い、トナー37、38を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例10>
実施例21において、シリカ微粉体Lに変えた他は同様に行い、トナー39を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、かぶり等が悪化した。これは、シリカ微粉体のシリコーンオイルでの表面処理量が少なく、濡れ性も低い事から、シリカ微粉体のシリコーンオイルでの表面処理が均一に行われていないため、高温多湿下でのシリカ微粉体の吸湿が激しく、トナーの帯電量が著しく低下したためであると推定される。
<実施例30、31>
実施例21において、シリカ微粉体M、Nに変えた他は同様に行い、トナー40、41を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例11>
実施例21において、シリカ微粉体Oに変えた他は同様に行い、トナー42を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、かぶり等が悪化した、これは、シリカ微粉体のシリコーンオイル量による表面処理量が大きいために、トナーの流動性が著しく低下したためであると推定される。
<実施例32〜34>
実施例21において、シリカ微粉体P〜Rに変えた他は同様に行い、トナー43〜45を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例12>
実施例21において、シリカ微粉体Sに変えた他は同様に行い、トナー46を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、かぶり等が悪化した。これは、0.10μm以上1.00μm以下量が多いために、これらの複合粒子が、トナーに埋め込まれ、トナーの流動性が著しく低下したためであると推定される。
<実施例35〜38>
実施例21において、シリカ微粉体R〜Uに変えた他は同様に行い、トナー47〜48を得た。評価においても、実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<実施例39>
実施例21において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を51.8質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を70.5質量部に変えたほかは同様に行い、トナー51を得た。評価においても実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例13>
実施例21において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を52.6質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を70.8質量部に変えたほかは同様に行い、トナー52を得た。評価においても実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、かぶり等が悪化した。これは、本発明のシリカ微粉体を外添したトナーであっても、トナーの粒径が大きいために、静電荷像に忠実な現像が行われず、また、静電的な転写を行った際に、トナーが飛び散りやすくなったためであると推定される。
<実施例40>
実施例21において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を38.3質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を67.9質量部に変えたほかは同様に行い、トナー53を得た。評価においても実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。
<比較例14>
実施例21において、0.1モル/リットル−NaPO水溶液の量を36.9質量部、1.0モル/リットル−CaCl水溶液の量を67.8質量部に変えたほかは同様に行い、トナー54を得た。評価においても実施例21と同様に行い、表4の結果を得た。結果が示すとおり、画像均一性・画質が悪化した。これは、トナーの粒径が小さいために、静電荷像に忠実な現像が行なわれず、また、静電的な転写を行った際に、トナーの飛び散りが生じたためであると推定される。
Figure 2009123329
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
この出願は2008年3月31日に出願された日本国特許出願番号第2008−091160からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。

Claims (10)

  1. トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添混合してなるトナーであって、
    該トナーは、重量平均粒径が4.0μm以上9.0μm以下であり、
    該シリカ微粉体が、少なくともジメチルシリコーンオイルで疎水化処理されており、
    該シリカ微粉体のレーザー回折型粒度分布計による体積基準粒度分布において、少なくとも0.02μm以上1000.00μm以下の測定範囲において最も累積頻度が多いピークを有し、0.10μm以上1.00μm未満の累積頻度が7.0%以下であり、10.10μm以上39.23μm未満の累積頻度をA(%)、39.23μm以上200.00μm未満の累積頻度をB(%)としたとき、以下の1)から3)を満たすことを特徴とするトナー。
    1)A+B≧93.0
    2)0.45≦A/B≦6.00
    3)該シリカ微粉体の炭素量/(疎水化処理前のシリカ微粉体のBET比表面積)が0.030以上0.055以下
  2. 該シリカ微粉体が、0.50≦A/B≦3.50を満たすことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 該シリカ微粉体の77.34μm以上200.00μm未満の累積頻度が、2.5%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 該シリカ微粉体の0.10μm以上1.00μm以下の累積頻度が、5.0%以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー。
  5. 該シリカ微粉体の炭素量/(疎水化処理前のシリカ微粉体のBET比表面積)が0.035以上0.050以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトナー。
  6. 該シリカ微粉体のBET比表面積は35m/g以上350m/g以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のトナー。
  7. 前記トナーのフロー式粒子像分析装置による平均円形度Rが0.960≦R≦0.995であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のトナー。
  8. 前記トナー粒子は、少なくとも重合性単量体、着色剤、極性樹脂、離型剤及び重合開始剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して造粒し、重合性単量体を重合させることにより生成されたトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のトナー。
  9. 該シリカ微粉体のメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性が、波長780nmの光の透過率が50%の時のメタノール濃度が70体積%以上75体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー。
  10. 像担持体と、像担持体の面を帯電する帯電手段と、帯電された像担持体に静電潜像を形成する情報書き込み手段と、静電潜像をトナーによって可視化する現像手段と、可視化したトナー画像を中間転写体を介してまたは介さずに転写材に転写する転写手段とを有し、
    トナー粒子に、少なくともシリカ微粉体を外添混合してなるトナーを使用する画像形成方法であって、
    該トナーが、請求項1乃至9のいずれかに記載されたトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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