JP2004168559A - 高分散高疎水性シリカ粉末とその製造方法 - Google Patents
高分散高疎水性シリカ粉末とその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高分散性および高疎水性のシリカ粉末とその製造方法を提供する。
【解決手段】疎水率95%以上および疎水化度が70%以上、好ましくは、疎水率98%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上、およびこの範囲外の分布頻度が2%以下であることを特徴とする高分散性および高疎水性のシリカ粉末。この処理粉末は、例えばシリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理、アルキルシラザン系処理剤による二次表面処理を行い、かつ各処理工程の条件を上記疎水性および分布頻度を有するように調整することによって製造することができる。
【選択図】 なし
【解決手段】疎水率95%以上および疎水化度が70%以上、好ましくは、疎水率98%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上、およびこの範囲外の分布頻度が2%以下であることを特徴とする高分散性および高疎水性のシリカ粉末。この処理粉末は、例えばシリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理、アルキルシラザン系処理剤による二次表面処理を行い、かつ各処理工程の条件を上記疎水性および分布頻度を有するように調整することによって製造することができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末に関する。本発明の表面処理したシリカ粉末は電子写真等のトナー用外添剤や粉体塗料材料等として有用であり、トナー材料として用いた場合、高温高湿、低温低湿での帯電変動が少なく、フィルミングやかぶり、クリーニング性など、あるいは環境変動に対して優れた特性を有し、解像度が良く高画質の画像を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真等の現像剤はトナーと外添剤とを含み、必要に応じさらにキャリアなどを含んでいる。近年、電子写真等の高画質化の要求に応えるため、微細なトナー粒子が用いられており、トナー粒子の微細化による流動性の低下を防止するために優れた分散性を有し、かつ高疎水性の外添剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に電子写真用トナーの外添剤としては微細なシリカ、チタニア、アルミナ等の疎水化処理された表面処理粉末が用いられているが、表面処理特性を安定化するために処理剤の使用量を多くすると粒子が凝集し、流動性や分散性が低下する。そこで、表面処理した粉末を解砕して用いる方法が知られており、例えば、特開平8−152742号、国際公開WO−01/42372A1には表面処理粉末をジェットミルで解砕して用いることが記載されている。しかし、このような粉砕処理したものは未処理部分が残るので、一時的に微細化されるものの、経時的に再凝集する問題がある。
【0004】
また、シリコーンオイル系処理剤によって疎水化処理したシリカ粉末等を用いることも知られている(特開昭58−60754号、特開昭59−201063号、特開平2−287459号)。しかし、従来の疎水化粉末は疎水性および分散性が十分ではなく、見掛け上の疎水率は高くても、例えば、メタノール液に対する分散性についてみると、多くはメタノール濃度60%程度において沈降が始まり、70%濃度においてほぼ全量が沈降する。
【0005】
さらに、シリカ粉末をポリシロキサンで処理し、さらにトリメチルシリル化剤で処理する二段処理によって疎水性を高めたシリカ粉末が知られている(特開2002−256170)。しかし、このシリカ粉末も疎水化度(メタノール液に対する疎水性)は75%程度が限界であり、しかも粒子が凝集しているためにトナー添加剤として用いた場合に画像特性が必ずしも良くない。
【0006】
本発明は、従来の疎水化粉末における上記問題を解決したものであり、疎水率と共に疎水化度が高く、かつ分散性に優れており、従って、トナー添加剤として用いた場合に優れた画像特性が得られる高分散高疎水性シリカ粉末とその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明は以下の構成からなる高分散性・高疎水性のシリカ粉末とその製造方法に関する。
(1)疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有することを特徴とする高分散高疎水性シリカ粉末。
(2)疎水率98%以上および疎水化度が78%以上であって、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上、およびこの範囲外の分布頻度が2%以下である上記(1)のシリカ粉末。
(3)粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が12%以上、およびこの範囲外の分布頻度が1.5%以下である上記(2)のシリカ粉末。
(4)シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、一次表面処理後の解砕、および解砕後のアルキルシラザン系処理剤による二次表面処理の各工程を有し、処理後の粉末が請求項1、2または3の疎水率、疎水化度および分布頻度を有するように処理条件を調整して処理することを特徴とする高分散疎水性シリカ粉末の製造方法。
【0008】
本発明のシリカ粉末は、疎水率と共にメタノール液に対する疎水化度が高く、かつ粒径が一定の粒度範囲に集中した分布を有し、従って凝集の程度が低く、粒径が均一であって高い分散性を有する。このため、電子写真用のトナー添加剤として用いた場合に優れた画像特性が得られる。本発明のシリカ粉末は、例えば、シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理、アルキルシラザン系処理剤による二次表面処理を行い、かつ処理粉末が上記疎水率、疎水化度および分布頻度を有するように各処理工程の条件を調整して表面処理および解砕処理することによって得られる。
【0009】
【具体的な説明】
以下、本発明を具体的に説明する。なお、水に対する疎水性の程度を疎水率によって示し、メタノール液に対する疎水性の程度を疎水化度によって示す。具体的には、疎水化度は、水中にシリカ粉末を添加し、シリカ粉末が浮遊する状態でメタノール液を添加し、シリカ粉末の全量が懸濁するときのメタノール濃度である。
【0010】
本発明のシリカ粉末は、疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有し、好ましくは、疎水率98%以上および疎水化度が78%以上の高分散性および高疎水性のシリカ粉末である。さらに好ましくは疎水化度が80%以上のものである。疎水率、疎水化度および分布密度がこれより低いと、トナー外添剤として用いる場合に画像特性を高めるうえで好ましくない。また、有機物に対する濡れ性を示す疎水化度は高いほうが良く、疎水化度の高いほうが有機物によって汚染され難い。
【0011】
本発明のシリカ粉末において、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有するとは、例えば、粒径10〜70μmの範囲について、この範囲内の分布頻度が10%以上であって、範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。具体的には、例えば1μm〜500μmの粒度範囲において、この粒度範囲をn(1<n<100)に区分した際に、隣接する区分に含まれる粒子の分布指数の比〔log[f(i)/f(i−1)]〕が0.05より大きく0.07未満であるとき、すなわち、i番目の区分の粒子径をf(i)としたとき、0.05<log(f(i)/f(i−1))<0.07であるとき、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上であって、この範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。好ましくは、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が12%以上であって、この範囲外の分布頻度が1.5%以下であるものが良い。
【0012】
なお、分布指数の比〔log[f(i)/f(i−1)]〕が上記範囲より大きいと分散性の程度が判別し難い。また、粒径10〜70μmの範囲内および範囲外の分布頻度がおのおの上記範囲を外れると凝集粒子が多く、分散し難くなる。
【0013】
一般に、表面処理シリカ粉末は一次粒子がナノメータレベルのものの凝集体である。液中で分散の強度を強めた場合、部分的には一次粒子レベルまで分散されることもあるが、実際に用いられる系では、分散強度は大きく異なることはないのが普通であり、従って凝集体を維持するものが多い。本発明はこれを簡単に迅速に分散させるには、粒度分布をある条件、すなわち粒径を10〜70μmに集中させることによって凝集体が分散し易いことを見出した。粒径が70μmより大きいと単独で存在する粒子が現れたり、また粒径が10μmより小さいとダストや画像汚染の問題を生ずる。
【0014】
〔製造方法〕
本発明の上記疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末は、例えば、シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末をアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理する処理工程を有し、処理粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように処理条件を調整して表面処理と解砕処理を行うことによって製造することができる。なお、解砕処理は一次表面処理と同時に行っても良い。
【0015】
シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理後のアルキルシラザン系処理剤による二次表面処理は乾式処理または湿式処理の何れでも良い。ただし、上記一次表面処理と二次表面処理の順序が異なったり、あるいは処理剤の使用量や処理方法などが適切でない場合には、疎水率やメタノール液に対する沈降性が本発明で定めるものにならず、本発明の高分散性疎水化シリカ粉末を得ることができない。例えば、比較例に示すように、アルキルシラザン系処理剤による表面処理を先に行った後にシリコーンオイル系処理剤による表面処理を行ったものや、アルキルシラザン系処理剤とシリコーンオイル系処理剤とを同時に使用して表面処理したもの、あるいは一次表面処理と二次表面処理の間に解砕処理を行わないものは、メタノール液に対する疎水化度が所望の程度に向上せず、本発明の高分散性および高疎水性シリカ粉末を得ることができない。
【0016】
シリコーンオイル系処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。また目的に応じて2種以上を混合しても良い。アルキルシラザン系処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ビニルシラザンなどを用いることができる。これらの処理剤はヘキサン、トルエン、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、アセトン等、場合によっては、水などで希釈して用いると良い。
【0017】
表面処理の具体的な手順は、例えば、オルガノポリシロキサンを溶かした溶剤(好ましくは有機酸等でpH4に調整)の中にシリカ粉末を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。その後、アルキルシラン系を溶かした溶剤の中に、解砕した処理粉を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、次のような方法でも良い。例えば、シリカ粉末を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながらアルコール水を添加し、オルガノポリシロキサン等のシリコーンオイル系処理液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去する。その後、解砕処理を行った後に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、アルキルシラザン系処理液を導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。処理条件はシリカ粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように調整する。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を以下に示す。なお、各測定法は以下のとおりである。
(1)分散性評価:表面処理したシリカ粉末をマゼンタトナーに1%添加し、走査型電子顕微鏡(日本電子社製FE−SEM)下で50,000倍にてトナー表面の凝集粒子1000個以上を観察し、次のように評価した。すなわち、(イ)0.005〜0.1μmが99.9%以上のものを優、(ロ)0.005〜0.3μmが99.9%以上のものを良、(ハ)0.005〜0.5μmが99.9%以上のものを可、(ニ)0.005〜1.0μmが99.9%以上のものを不可とする。
(2)粒度分布:レーザ回折法に基づいて測定した。堀場社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(型名LA910)を使用。測定条件は屈折率1.08−0.00i、エタノール中に粉体を所定量投入、分散時間3分、攪拌3、循環3、超音波時間3、待ち時間10秒である。表示条件は体積基準、粒子径間隔は固定間隔である。
【0019】
(3)疎水化度:シリカ粉末試料0.20g(0.20±0.01g)を秤取し、純水50mlを加え、マグネチックスターラで撹拌しながら、シリカ粉末が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを注入し、液面上にシリカ粉末試料が認められなくなったときを終点とする。メタノール使用量をXとし、次式に従って疎水化度(M.W.)を求める。
疎水化度 M.W.(%)=X/(50+X)・100
なお、疎水化度に対応するメタノール量Mは、例えば、疎水化度75%のときM=150.0ml、疎水化度80%のときM=200.0mlであり、疎水化度の差が見掛け上小さくてもメタノール量の差は大きい。
(4)疎水均一性(メタノールウェッタビリィティー法に基づくメタノール液に対する濡れ性の評価):試料を遠沈管に入れ、この遠沈管に濃度の異なるメタノール溶液を各々入れて蓋をし、ターブラーミキサーで分散させた後に、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度とシリカ全量が沈降するメタノール濃度を測定し、その差によって示した。
(5)疎水率:500nmの波長で純水に対する透過率を測定した。
【0020】
[実施例1]
オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200、比表面積200m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理したものを、90%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン10重量部をヘキサン10,000重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。さらに、このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0021】
[実施例2]
オルガノポリシロキサン(50cs)40重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380、比表面積380m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、旋回式解砕装置を用いて解砕処理したものを、80%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン20重量部をヘキサン20重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。さらにこのシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0022】
[実施例3]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL50,比表面積50m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を用い、オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン10重量部と共にヘキサン10000重量部を用いた以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0023】
[実施例4]
オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン20重量部と共にヘキサン10000重量部を用い、一次表面処理後に旋回式解砕装置を用いて解砕処理した以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0024】
[実施例5]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン100重量部で希釈した溶液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに、300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した。その後、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った。次に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、50%メタノール水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部を滴下し、200℃で1時間加熱撹拌、更にアンモニアを除去した後に冷却した。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。また、このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりもなくクリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0025】
[実施例6]
ヘキサメチルジシラザンを20重量部用いた以外は実施例5と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0026】
[実施例7]
実施例5において、一次表面処理した後に解砕処理することに代えて、一次表面処理の工程で同時にピン式解砕装置を用いて解砕処理を行う以外は実施例5と同様にして疎水性シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0027】
[比較例1]
解砕処理を行わない以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この解砕処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて25,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0028】
[比較例2]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部を加えて、200℃で1時間加熱撹拌し、アンモニアを除去した後に冷却した。次いで、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った後に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を滴下し、300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した。その後、さらに衝突式解砕装置を用い、二次解砕処理を行った。この疎水化シリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて35,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0029】
[比較例3]
二次表面処理後の解砕処理を行わない以外は比較例2と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。このシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて35,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0030】
[比較例4]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10000重量部に混合したものを反応槽に導入し、250℃で2時間加熱撹拌し、アンモニアおよび溶剤を除去し、その後冷却した。この疎水化シリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて15,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0031】
[比較例5]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン100重量部で希釈した溶液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した後に、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った。このように二次表面処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて10,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0032】
[比較例6]
オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチレンジシラザン20重量部と共にヘキサン10,000重量部を用い、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200、比表面積200m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加して反応させ、溶剤を除去し、疎水化シリカ粉末を得た。このように解砕処理および二次表面処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて15,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0033】
表1に示す本発明の疎水化シリカ粉末は何れも、疎水率が98%以上であり、かつ疎水化度は一部が70%以上、大部分は76%以上であり、高い疎水性を有している。さらに、粒度分布は粒径10〜70μmの範囲内において分布頻度10%以上、大部分は12%以上であり、この範囲外の分布頻度は1.5%以下、大部分は1%以下である。この分布頻度から明らかなように、本発明のシリカ粉末の粒度は粒径10〜70μmの範囲にに集中しており、粒径が均一であり、従って凝集の程度が低く、分散性が高いことがわかる。さらに、本発明の疎水化シリカ粉末は疎水均一性が10%以下であり、凝集の少ない均一な疎水性を有するものである。一方、シリコンオイルによる一次表面処理の後または同時に解砕処理を行わずにHMDSによる二次表面処理を行った比較例は、疎水均一性が何れも15%以上であり、これは凝集体が多いために疎水化処理が部分的になるためであると考えられる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】
本発明の表面処理粉末は優れた疎水性と分散性を有するので、電子写真等のトナー用外添剤や粉体塗料材料等どとして有用であり、トナー材料として用いた場合、高温高湿、低温低湿での帯電変動が少なく、フィルミングやかぶり、クリーニング性など、あるいは環境変動に対して優れた特性を有し、解像度が良く高画質の画像を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末に関する。本発明の表面処理したシリカ粉末は電子写真等のトナー用外添剤や粉体塗料材料等として有用であり、トナー材料として用いた場合、高温高湿、低温低湿での帯電変動が少なく、フィルミングやかぶり、クリーニング性など、あるいは環境変動に対して優れた特性を有し、解像度が良く高画質の画像を得ることができる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電子写真等の現像剤はトナーと外添剤とを含み、必要に応じさらにキャリアなどを含んでいる。近年、電子写真等の高画質化の要求に応えるため、微細なトナー粒子が用いられており、トナー粒子の微細化による流動性の低下を防止するために優れた分散性を有し、かつ高疎水性の外添剤が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に電子写真用トナーの外添剤としては微細なシリカ、チタニア、アルミナ等の疎水化処理された表面処理粉末が用いられているが、表面処理特性を安定化するために処理剤の使用量を多くすると粒子が凝集し、流動性や分散性が低下する。そこで、表面処理した粉末を解砕して用いる方法が知られており、例えば、特開平8−152742号、国際公開WO−01/42372A1には表面処理粉末をジェットミルで解砕して用いることが記載されている。しかし、このような粉砕処理したものは未処理部分が残るので、一時的に微細化されるものの、経時的に再凝集する問題がある。
【0004】
また、シリコーンオイル系処理剤によって疎水化処理したシリカ粉末等を用いることも知られている(特開昭58−60754号、特開昭59−201063号、特開平2−287459号)。しかし、従来の疎水化粉末は疎水性および分散性が十分ではなく、見掛け上の疎水率は高くても、例えば、メタノール液に対する分散性についてみると、多くはメタノール濃度60%程度において沈降が始まり、70%濃度においてほぼ全量が沈降する。
【0005】
さらに、シリカ粉末をポリシロキサンで処理し、さらにトリメチルシリル化剤で処理する二段処理によって疎水性を高めたシリカ粉末が知られている(特開2002−256170)。しかし、このシリカ粉末も疎水化度(メタノール液に対する疎水性)は75%程度が限界であり、しかも粒子が凝集しているためにトナー添加剤として用いた場合に画像特性が必ずしも良くない。
【0006】
本発明は、従来の疎水化粉末における上記問題を解決したものであり、疎水率と共に疎水化度が高く、かつ分散性に優れており、従って、トナー添加剤として用いた場合に優れた画像特性が得られる高分散高疎水性シリカ粉末とその製造方法を提供する。
【0007】
【課題を解決する手段】
本発明は以下の構成からなる高分散性・高疎水性のシリカ粉末とその製造方法に関する。
(1)疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有することを特徴とする高分散高疎水性シリカ粉末。
(2)疎水率98%以上および疎水化度が78%以上であって、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上、およびこの範囲外の分布頻度が2%以下である上記(1)のシリカ粉末。
(3)粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が12%以上、およびこの範囲外の分布頻度が1.5%以下である上記(2)のシリカ粉末。
(4)シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、一次表面処理後の解砕、および解砕後のアルキルシラザン系処理剤による二次表面処理の各工程を有し、処理後の粉末が請求項1、2または3の疎水率、疎水化度および分布頻度を有するように処理条件を調整して処理することを特徴とする高分散疎水性シリカ粉末の製造方法。
【0008】
本発明のシリカ粉末は、疎水率と共にメタノール液に対する疎水化度が高く、かつ粒径が一定の粒度範囲に集中した分布を有し、従って凝集の程度が低く、粒径が均一であって高い分散性を有する。このため、電子写真用のトナー添加剤として用いた場合に優れた画像特性が得られる。本発明のシリカ粉末は、例えば、シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理、アルキルシラザン系処理剤による二次表面処理を行い、かつ処理粉末が上記疎水率、疎水化度および分布頻度を有するように各処理工程の条件を調整して表面処理および解砕処理することによって得られる。
【0009】
【具体的な説明】
以下、本発明を具体的に説明する。なお、水に対する疎水性の程度を疎水率によって示し、メタノール液に対する疎水性の程度を疎水化度によって示す。具体的には、疎水化度は、水中にシリカ粉末を添加し、シリカ粉末が浮遊する状態でメタノール液を添加し、シリカ粉末の全量が懸濁するときのメタノール濃度である。
【0010】
本発明のシリカ粉末は、疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有し、好ましくは、疎水率98%以上および疎水化度が78%以上の高分散性および高疎水性のシリカ粉末である。さらに好ましくは疎水化度が80%以上のものである。疎水率、疎水化度および分布密度がこれより低いと、トナー外添剤として用いる場合に画像特性を高めるうえで好ましくない。また、有機物に対する濡れ性を示す疎水化度は高いほうが良く、疎水化度の高いほうが有機物によって汚染され難い。
【0011】
本発明のシリカ粉末において、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有するとは、例えば、粒径10〜70μmの範囲について、この範囲内の分布頻度が10%以上であって、範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。具体的には、例えば1μm〜500μmの粒度範囲において、この粒度範囲をn(1<n<100)に区分した際に、隣接する区分に含まれる粒子の分布指数の比〔log[f(i)/f(i−1)]〕が0.05より大きく0.07未満であるとき、すなわち、i番目の区分の粒子径をf(i)としたとき、0.05<log(f(i)/f(i−1))<0.07であるとき、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上であって、この範囲外の分布頻度が2%以下であることを云う。好ましくは、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が12%以上であって、この範囲外の分布頻度が1.5%以下であるものが良い。
【0012】
なお、分布指数の比〔log[f(i)/f(i−1)]〕が上記範囲より大きいと分散性の程度が判別し難い。また、粒径10〜70μmの範囲内および範囲外の分布頻度がおのおの上記範囲を外れると凝集粒子が多く、分散し難くなる。
【0013】
一般に、表面処理シリカ粉末は一次粒子がナノメータレベルのものの凝集体である。液中で分散の強度を強めた場合、部分的には一次粒子レベルまで分散されることもあるが、実際に用いられる系では、分散強度は大きく異なることはないのが普通であり、従って凝集体を維持するものが多い。本発明はこれを簡単に迅速に分散させるには、粒度分布をある条件、すなわち粒径を10〜70μmに集中させることによって凝集体が分散し易いことを見出した。粒径が70μmより大きいと単独で存在する粒子が現れたり、また粒径が10μmより小さいとダストや画像汚染の問題を生ずる。
【0014】
〔製造方法〕
本発明の上記疎水性と分散性を有する表面処理シリカ粉末は、例えば、シリコーンオイル系処理剤によって一次表面処理し、この一次処理粉末を解砕し、さらに解砕粉末をアルキルシラザン系処理剤によって二次表面処理する処理工程を有し、処理粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように処理条件を調整して表面処理と解砕処理を行うことによって製造することができる。なお、解砕処理は一次表面処理と同時に行っても良い。
【0015】
シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、解砕処理後のアルキルシラザン系処理剤による二次表面処理は乾式処理または湿式処理の何れでも良い。ただし、上記一次表面処理と二次表面処理の順序が異なったり、あるいは処理剤の使用量や処理方法などが適切でない場合には、疎水率やメタノール液に対する沈降性が本発明で定めるものにならず、本発明の高分散性疎水化シリカ粉末を得ることができない。例えば、比較例に示すように、アルキルシラザン系処理剤による表面処理を先に行った後にシリコーンオイル系処理剤による表面処理を行ったものや、アルキルシラザン系処理剤とシリコーンオイル系処理剤とを同時に使用して表面処理したもの、あるいは一次表面処理と二次表面処理の間に解砕処理を行わないものは、メタノール液に対する疎水化度が所望の程度に向上せず、本発明の高分散性および高疎水性シリカ粉末を得ることができない。
【0016】
シリコーンオイル系処理剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルやアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどの変性シリコーンオイルを用いることができる。また目的に応じて2種以上を混合しても良い。アルキルシラザン系処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ビニルシラザンなどを用いることができる。これらの処理剤はヘキサン、トルエン、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、アセトン等、場合によっては、水などで希釈して用いると良い。
【0017】
表面処理の具体的な手順は、例えば、オルガノポリシロキサンを溶かした溶剤(好ましくは有機酸等でpH4に調整)の中にシリカ粉末を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。その後、アルキルシラン系を溶かした溶剤の中に、解砕した処理粉を入れて反応させ、その後、溶剤を除去し、解砕処理を施す。また、次のような方法でも良い。例えば、シリカ粉末を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながらアルコール水を添加し、オルガノポリシロキサン等のシリコーンオイル系処理液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去する。その後、解砕処理を行った後に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、アルキルシラザン系処理液を導入して表面処理を行い、さらに加熱撹拌して溶剤を除去した後に冷却する。処理条件はシリカ粉末が上記疎水率、疎水化度および上記分布頻度を有するように調整する。
【0018】
【実施例】
本発明の実施例および比較例を以下に示す。なお、各測定法は以下のとおりである。
(1)分散性評価:表面処理したシリカ粉末をマゼンタトナーに1%添加し、走査型電子顕微鏡(日本電子社製FE−SEM)下で50,000倍にてトナー表面の凝集粒子1000個以上を観察し、次のように評価した。すなわち、(イ)0.005〜0.1μmが99.9%以上のものを優、(ロ)0.005〜0.3μmが99.9%以上のものを良、(ハ)0.005〜0.5μmが99.9%以上のものを可、(ニ)0.005〜1.0μmが99.9%以上のものを不可とする。
(2)粒度分布:レーザ回折法に基づいて測定した。堀場社製レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(型名LA910)を使用。測定条件は屈折率1.08−0.00i、エタノール中に粉体を所定量投入、分散時間3分、攪拌3、循環3、超音波時間3、待ち時間10秒である。表示条件は体積基準、粒子径間隔は固定間隔である。
【0019】
(3)疎水化度:シリカ粉末試料0.20g(0.20±0.01g)を秤取し、純水50mlを加え、マグネチックスターラで撹拌しながら、シリカ粉末が液面に浮いた状態で液面下にメタノールを注入し、液面上にシリカ粉末試料が認められなくなったときを終点とする。メタノール使用量をXとし、次式に従って疎水化度(M.W.)を求める。
疎水化度 M.W.(%)=X/(50+X)・100
なお、疎水化度に対応するメタノール量Mは、例えば、疎水化度75%のときM=150.0ml、疎水化度80%のときM=200.0mlであり、疎水化度の差が見掛け上小さくてもメタノール量の差は大きい。
(4)疎水均一性(メタノールウェッタビリィティー法に基づくメタノール液に対する濡れ性の評価):試料を遠沈管に入れ、この遠沈管に濃度の異なるメタノール溶液を各々入れて蓋をし、ターブラーミキサーで分散させた後に、シリカ粉末が沈降を開始するメタノール濃度とシリカ全量が沈降するメタノール濃度を測定し、その差によって示した。
(5)疎水率:500nmの波長で純水に対する透過率を測定した。
【0020】
[実施例1]
オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200、比表面積200m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、ピン式解砕装置を用いて解砕処理したものを、90%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン10重量部をヘキサン10,000重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。さらに、このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0021】
[実施例2]
オルガノポリシロキサン(50cs)40重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液に、フュームドシリカ(商品名AEROSIL380、比表面積380m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加し、100℃以上で反応させた後に溶剤を除去した。その後、旋回式解砕装置を用いて解砕処理したものを、80%のメタノール水10重量部、へキサメチレンジシラザン20重量部をヘキサン20重量部に溶解させた液に入れて反応させ、溶剤および副生成物を除去して疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。さらにこのシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0022】
[実施例3]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL50,比表面積50m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を用い、オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン10重量部と共にヘキサン10000重量部を用いた以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0023】
[実施例4]
オルガノポリシロキサン(50cs)10重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチルジシラザン20重量部と共にヘキサン10000重量部を用い、一次表面処理後に旋回式解砕装置を用いて解砕処理した以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0024】
[実施例5]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン100重量部で希釈した溶液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに、300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した。その後、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った。次に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、50%メタノール水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部を滴下し、200℃で1時間加熱撹拌、更にアンモニアを除去した後に冷却した。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。また、このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりもなくクリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0025】
[実施例6]
ヘキサメチルジシラザンを20重量部用いた以外は実施例5と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0026】
[実施例7]
実施例5において、一次表面処理した後に解砕処理することに代えて、一次表面処理の工程で同時にピン式解砕装置を用いて解砕処理を行う以外は実施例5と同様にして疎水性シリカ粉末を得た。この表面処理したシリカ粉末について分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表1に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて50,000枚以上刷ったが、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、画像はフィルミング、かぶりがなく、クリーニング特性、画像濃度も良好であった。
【0027】
[比較例1]
解砕処理を行わない以外は実施例1と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。この解砕処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて25,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0028】
[比較例2]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部を加えて、200℃で1時間加熱撹拌し、アンモニアを除去した後に冷却した。次いで、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った後に、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10000重量部で希釈した溶液を滴下し、300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した。その後、さらに衝突式解砕装置を用い、二次解砕処理を行った。この疎水化シリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて35,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0029】
[比較例3]
二次表面処理後の解砕処理を行わない以外は比較例2と同様にして疎水化シリカ粉末を得た。このシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて35,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0030】
[比較例4]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、水2重量部を添加し、ヘキサメチルジシラザン10重量部、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10000重量部に混合したものを反応槽に導入し、250℃で2時間加熱撹拌し、アンモニアおよび溶剤を除去し、その後冷却した。この疎水化シリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて15,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0031】
[比較例5]
フュームドシリカ(商品名AEROSIL200,比表面積200m2/g、日本アエロジル社製)100重量部を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら、オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン100重量部で希釈した溶液を反応槽に導入して表面処理を行い、さらに300℃で2時間加熱撹拌して溶剤を除去した後に、衝突式解砕装置を用いて解砕処理を行った。このように二次表面処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて10,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0032】
[比較例6]
オルガノポリシロキサン(50cs)20重量部をヘキサン10,000重量部で希釈した溶液を用い、またヘキサメチレンジシラザン20重量部と共にヘキサン10,000重量部を用い、フュームドシリカ(商品名AEROSIL200、比表面積200m2/g、日本アエロジル株式会社製)100重量部を徐々に添加して反応させ、溶剤を除去し、疎水化シリカ粉末を得た。このように解砕処理および二次表面処理を行わないシリカ粉末について、分散性、粒度分布、疎水化度、疎水均一性、疎水率を測定した。この結果を表2に示した。このシリカ粉末1wt%を6μmのマゼンタトナーに添加し、市販の複写機を用いて15,000枚以上刷ったところで画像にフィルミングが生じ、クリーニング特性にも問題が生じた。また、高温高湿下(40℃、85%RH)で連続印刷した後、低温低湿下(10℃、20%RH)において画像特性をチェックしたところ、フィルミングが生じ、画像濃度にも問題が生じた。
【0033】
表1に示す本発明の疎水化シリカ粉末は何れも、疎水率が98%以上であり、かつ疎水化度は一部が70%以上、大部分は76%以上であり、高い疎水性を有している。さらに、粒度分布は粒径10〜70μmの範囲内において分布頻度10%以上、大部分は12%以上であり、この範囲外の分布頻度は1.5%以下、大部分は1%以下である。この分布頻度から明らかなように、本発明のシリカ粉末の粒度は粒径10〜70μmの範囲にに集中しており、粒径が均一であり、従って凝集の程度が低く、分散性が高いことがわかる。さらに、本発明の疎水化シリカ粉末は疎水均一性が10%以下であり、凝集の少ない均一な疎水性を有するものである。一方、シリコンオイルによる一次表面処理の後または同時に解砕処理を行わずにHMDSによる二次表面処理を行った比較例は、疎水均一性が何れも15%以上であり、これは凝集体が多いために疎水化処理が部分的になるためであると考えられる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】
本発明の表面処理粉末は優れた疎水性と分散性を有するので、電子写真等のトナー用外添剤や粉体塗料材料等どとして有用であり、トナー材料として用いた場合、高温高湿、低温低湿での帯電変動が少なく、フィルミングやかぶり、クリーニング性など、あるいは環境変動に対して優れた特性を有し、解像度が良く高画質の画像を得ることができる。
Claims (4)
- 疎水率95%以上および疎水化度が76%以上であって、粒径10〜70μmの範囲に集中した分布密度を有することを特徴とする高分散高疎水性シリカ粉末。
- 疎水率98%以上および疎水化度が78%以上であって、粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が10%以上、およびこの範囲外の分布頻度が2%以下である請求項1のシリカ粉末。
- 粒径10〜70μmの範囲内の分布頻度が12%以上、およびこの範囲外の分布頻度が1.5%以下である請求項2のシリカ粉末。
- シリコーンオイル系処理剤による一次表面処理、一次表面処理後の解砕、および解砕後のアルキルシラザン系処理剤による二次表面処理の各工程を有し、処理後の粉末が請求項1、2または3の疎水率、疎水化度および分布頻度を有するように処理条件を調整して処理することを特徴とする高分散疎水性シリカ粉末の製造方法。
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