JP3470518B2 - 多色画像形成方法 - Google Patents

多色画像形成方法

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JP3470518B2 JP27120296A JP27120296A JP3470518B2 JP 3470518 B2 JP3470518 B2 JP 3470518B2 JP 27120296 A JP27120296 A JP 27120296A JP 27120296 A JP27120296 A JP 27120296A JP 3470518 B2 JP3470518 B2 JP 3470518B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法において静電潜像の現像のために使用する静電潜
像現像用の多色画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子写真方式を用いたフルカラー
複写機やプリンターに採用されている画像形成方式とし
ては、感光体周辺に4つの現像機を配置し各トナーに対
して、帯電、露光、現像の工程を4サイクル繰り返す方
式、および1サイクルで4色トナーの帯電、露光、現像
を行う方式、更には帯電、露光、現像、転写装置を1台
の機械の中に4つづつ併せ持ちトナー像を重ね合わせる
方式等が挙げられる。
【0003】4色トナーを重ね合わせる方式としては、
感光体上に形成されたトナー像を転写紙を巻き付けた転
写ドラム上に1色ずつ転写し重ね合わせる方式、感光体
上に形成されたトナー像を中間転写体上に転写し、転写
体上でカラートナー像を重ね合わせた後、転写紙上に一
括転写する方式、感光体上でカラートナー像を重ね合わ
せた後、転写紙上に一括転写する方式などが挙げられ
る。これらの方式はそのプリント速度、装置の大きさな
どにおいて長所短所を持っているが、利用者の目的に応
じて各々使用されているのが実状である。
【0004】上記方式の中で(1)感光体上に形成され
たトナー像を中間転写体上に転写し、転写体上でカラー
トナー像を重ね合わせた後、転写紙上に一括転写する方
式は転写紙の搬送性が良好である、(2)感光体上でカ
ラートナー像を重ね合わせた後、転写紙上に一括転写す
る方式は中間転写体が不要であることから装置の小型化
が可能であるというそれぞれの利点がある。しかし、い
ずれの方法も最終的に転写紙上に転写されるトナー像が
複層となるため特に転写紙からみて最下層にあるトナー
像の転写が困難であるという問題があった。また、フル
カラー現像共通の問題として繰り返し使用によるトナー
の帯電性の変動による画像の色調の変化があり、これら
を同時に満足する多色画像形成方法がないのが実状であ
る。
【0005】従来よりトナーの帯電性を安定化させるた
めに、流動性・帯電性向上目的でシリカ等の無機酸化微
粉末をトナーに添加する方法等がなされている。しかし
ながら、一般に使用されるシリカ系微粉末の場合、トナ
ー流動性向上効果は特に優れるが、負極性が強く、特に
低温低湿下において負帯電性トナーの帯電を過度に増大
させてしまうため、例え含窒素化合物処理等の正帯電化
を施しても正帯電トナーには適さず、更に、高温高湿下
においては水分を取り込んで帯電性を減少させるため、
両者の帯電性に大きな差を生じさせることになる。その
結果、帯電性を高温高湿、低温低湿下の双方において最
適なものにすることができず、画像濃度再現不良、背景
カブリ、トナーのボタ落ち、更には機内汚染等を生じて
しまうという問題があった。これらを改善する目的で無
機微粉末を表面処理したものを用いることが提案されて
いる。例えば、特開昭46−5782号公報、特開昭4
8−47345号公報、特開昭48−47346号公
報、特開昭59−34539号公報、特開昭59−19
8470号公報、特開昭59−231550号公報等に
はシリカ微粒子の表面を疎水化処理することが記載され
ている。しかしながら、これらの無機微粉末を用いるだ
けでは、特に帯電性において十分な効果が得られておら
ず、特に、結着樹脂にポリエステル樹脂を使用したケー
スにおいては効果はみられない。
【0006】また、トナー粒子の負帯電性を緩和する方
法としては、前述したアミノ変性シリコーンオイルで表
面処理されたシリカ微粒子を外添させる方法(特開昭6
4−73354号公報)及びアミノシラン及び/又はア
ミノ変性シリコーンオイルで表面処理されたシリカ微粒
子を外添させる方法(特開平1−237561号公報)
が知られている。しかし、これらのアミノ化合物による
処理では、特に低温低湿下における負帯電性トナーの過
剰な帯電上昇は抑制できるが、シリカ微粉末自身の持つ
環境依存性を充分に改善することはできない。すなわ
ち、高温高湿下においても同様な電荷の中和が起こるた
め、相変わらず環境依存性は改善されず、帯電不良を原
因とする背景部カブリ、画像濃度低下を引き起こす。以
上のように、シリカ微粒子は、疎水化処理、負帯電性を
緩和させる処理等を行っても、シリカの持つ帯電の環境
依存性、帯電速度、帯電分布を改善するには至っていな
いのが現状である。
【0007】また、帯電・流動性目的に添加される無機
酸化物が、一般に使用されるチタニアの場合は、帯電の
立ち上がりがシリカに対して速く、且つチタニアが持つ
低抵抗のためか帯電分布がシャープになるという特徴を
有している。しかしながら、チタニアを添加するケース
は、トナーに高帯電を付与することができず、搬送量の
低下、帯電低下による濃度再現性の低下、背景部カブリ
を生じ易い。
【0008】この帯電性を改善する目的で、2成分系、
一成分系を問わず、疎水性酸化チタンをトナーに外添す
る方法が提案されている。(特開昭58−216252
号公報、特開昭60−123862号公報、特開昭60
−238847号公報) 疎水性酸化チタンは、その表
面をシラン化合物、シランカップリング剤、シリコーン
オイル等で処理することにより得られる。処理剤で酸化
チタンの疎水化を上げることにより、帯電レベルの向
上、環境依存性の向上は、従来の親水性酸化チタンより
確かに優れてはいるが、逆に酸化チタンの持つ帯電速度
の速さ及び帯電分布のシャープさ等において従来の酸化
チタンに対して大きく劣ってくるというのが実情であ
る。
【0009】また、酸化チタンは、主にイルメナイト鉱
石から硫酸法、または塩酸法により酸化チタン結晶を取
り出す方法により得られるが、これらは湿式法により酸
化チタンが精製され加熱、焼成により得る為に、脱水縮
合の結果生じる化学結合も当然存在し、既存の技術では
このような凝集粒子を再分散させることは容易ではな
い。即ち微粉末として取り出した酸化チタンは2次、3
次凝集を形成しており、トナーの流動性向上効果もシリ
カに比べ著しく劣るものであった。特に近年カラー等の
高画質要求が市場では高まっており、トナーの粒径を細
かくし高画質を達成しようという試みがなされている
が、トナー粒子を細かくすることで粒子間付着力が増え
益々トナーの流動性を悪化させるものであり、この現象
は顕著である。また、従来から使われている酸化チタン
は、シリカに対し比重が大きいためか、トナー表面に強
固に着かず、トナー表面から剥離しやすいという欠点を
併せ持つ。このため長期の帯電安定性に対し劣り、ま
た、感光体の汚染も引き起こし易く、画質劣化、画質欠
陥の原因となる。
【0010】流動性向上と帯電の環境依存性の両立を達
成するために、疎水性酸化チタンと疎水性シリカの併用
添加が試みられている。(特開昭60−136755号
公報) この手法により、疎水性シリカおよび疎水性酸
化チタンのそれぞれの欠点が一時的には抑制されるが、
分散状態によりどちらかの添加剤の影響を受けやすい。
特に維持性を考慮した際、安定にトナー表面での分散構
造を制御することは困難であり、スリーブ上のストレス
により疎水性シリカあるいは疎水性酸化チタンのそれぞ
れの特徴が現れやすい。即ち、それぞれの欠点を長期に
渡り安定的に制御することは困難であった。
【0011】次に疎水性アモルファス酸化チタンをトナ
ーに添加する方法が提案されている。(特開平5−20
4183号公報、特開平5−72797号公報) アモ
ルファス酸化チタンはCVD法を用いて、金属アルコキ
シドあるいは金属ハライドを加水分解することにより得
ることが出来る。(化学工学論文集(第18巻,第3
号,303〜307(1992))しかし、このように
加水分解法により得られた酸化チタンは帯電特性とトナ
ー流動性向上の両立はできるが、粒子内部に吸着水を多
く有し、転写時にそれ自身で感光体に残留する。即ち、
アモルファス酸化チタンと感光体との付着力が強く、ア
モルファス酸化チタンのみが転写されずに感光体上に残
り、画像上の白点抜けあるいはクリーニング時に硬い酸
化チタンによって感光体上に傷を付ける等の欠点を有し
ている。
【0012】また、一方では湿式法により酸化チタンを
精製する方法において、水系媒体中でシラン化合物を加
水分解させ、酸化チタンの表面を処理し、凝集を抑えた
状態で酸化チタンを取り出し、トナーに添加する方法が
提案されている。(特開平5−188633号公報)こ
の方法でシラン化合物処理を行うと、従来の酸化チタン
の疎水化法に比べ、凝集粒子においては少なくなる、即
ち、トナーの流動性向上は得られるが、負帯電トナーの
帯電レベル及び環境依存性は従来のものとなんら変わり
なく、目的の高負帯電性、環境依存性においては十分で
なく、更に帯電速度(追加トナーのアドミックス性)、
電荷分布において悪影響を与える。
【0013】これらの問題を解決するために、特開平6
−95429公報、特開平6−102699公報、特開
平6−266156等では、外添剤の埋め込み防止のた
め、特定のバインダー樹脂を使用することが提案されて
いる。また特開平6−51561、特開平6−2082
42、特開平6−250442等では、特定の帯電制御
剤、外添剤を使用することが提案されている。しかしな
がら、これらの効果はいずれも十分とはいえず、特に4
色重ね合わせるフルカラー現像システムにおいては、よ
り精密にトナー現像量を制御することが必要であり、従
ってトナー帯電量の長期安定化には未だ課題が残ってい
る。
【0014】また、上記帯電量の安定化に加え、前述の
重ね合わせトナー像の転写性改善のためにはトナーと感
光体あるいは中間転写体との付着力の軽減とを両立させ
る必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑み、その問題点を解決することを目的としてなされ
たものである。即ち、本発明の第一の目的は、重ね合わ
せトナー像を良好に紙に転写可能な多色画像形成方法を
提供することである。また、本発明の第二の目的は、長
期に渡りトナー帯電を安定化し、安定した画像濃度が得
られる多色画像形成方法を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記問題
を簡潔すべく鋭意研究を重ねた結果、潜像保持体上に形
成された潜像を複数の現像剤を用いて繰り返し現像する
工程と、前記潜像保持体上あるいは中間転写体に重ね合
わせて形成された多色トナー像を転写シート上に一括転
写する工程とを有する画像形成方法において、前記現像
剤が少なくとも結着樹脂、着色剤を含有するトナー粒子
と添加剤とを含有する現像剤であり、該添加剤がTiO
(OH) 2 100重量部に対しシラン化合物またはシリ
コーンオイルを5重量部以上反応させたチタン化合物、
およびBET比表面積が20〜100m2/gのシリカ
を使用することによって、濃度変化やカブリ等の問題が
ない安定した画像が、長期にわたり得られ、重ね合わせ
トナー像を転写紙上に一括転写する際の転写性も改善さ
れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
多色画像形成方法は、潜像保持体上に形成された潜像を
複数の現像剤を用いて繰り返し現像する工程と、前記潜
像保持体上あるいは中間転写体に重ね合わせて形成され
た多色トナー像を転写シート上に一括転写する工程とを
少なくとも有するが、詳しくは、潜像保持体上に潜像を
形成する潜像形成工程、該潜像保持体上の潜像を複数の
現像剤を用いて繰り返し現像する工程、潜像保持体上あ
るいは中間転写体に重ね合わせて形成されたトナー像を
転写紙上に一括転写する工程、および転写紙上のトナー
画像を熱定着する定着工程を有する。
【0018】潜像形成工程は、従来公知の方法が適用で
き、電子写真法あるいは静電記録法によって、感光層あ
るいは誘電体層等の潜像保持体の上に静電潜像を形成す
る。本発明に用いる潜像保持体の感光層としては、有機
系、アモルファスシリコン等公知のものが使用できる。
また、感光層を保持する円筒状保持体としては、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工
する等の公知の製法により得られる。
【0019】現像工程は、一成分現像の場合は、トナー
担持体(現像ロール)としての回転円筒体上に、トナー
を弾性ブレード等によって薄層形成して現像部まで搬送
し、現像ロールと静電潜像を保持する潜像保持体とを現
像部にて接触または一定の間隙を設けて配置し、現像ロ
ールと潜像保持体との間にバイアスを印加しながら静電
潜像をトナーで現像する。本発明に用いるトナー担持体
としては、シリコンゴムなどの弾性体スリーブ、アル
ミ、SUS、ニッケル等の金属やセラミックスを引き抜
きしたスリーブおよびトナーの搬送性や帯電性を制御す
るため基体表面の酸化または金属メッキ、研磨、ブラス
ト処理等の表面処理や樹脂によるコーテイングなどを施
したものが使用され、特にアルミ、SUS、ニッケル等
の金属やセラミックスを引き抜きしたスリーブが好まし
い。現像ロールにおけるトナー層形成は弾性ブレードを
スリーブ表面に当接させて行う。弾性ブレードの材質は
シリコーンゴム、ウレタンゴム等のゴム弾性体が好まし
く用いられ、トナー帯電量をコントロールするために弾
性体中に有機物または無機物を添加・分散させてもよ
い。
【0020】二成分現像の場合のキャリヤとしては、鉄
粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉、マグネ
タイト粉、あるいはそれらの表面に樹脂コーテイングを
施したもの、あるいは樹脂と帯電制御剤等を磁性材料と
練りこみ粉砕、分級を行い得られた樹脂分散型キャリア
を用いることができる。
【0021】転写工程は、潜像保持体上あるいは中間転
写体上のトナー画像を最終転写体である紙に転写する。
本発明における転写手段としては、潜像保持体に転写ロ
ーラーを圧接させる接触型のものと、コロトロンを用い
る非接触型のもの等公知のものがあげられる。
【0022】クリーニング工程は、転写工程にて転写さ
れずに潜像保持体に残ったトナーを、クリーナーにより
除去する。本発明におけるクリーニング手段としては、
ブレードクリーニングまたはローラークリーニングなど
の公知のものがあげられる。ブレードクリーニングは、
シリコーンゴムやウレタンゴムなどの弾性ゴムが用いら
れる。
【0023】定着工程は、転写体に転写されたトナー画
像を定着器にて定着する。定着手段としては、ヒートロ
ールを用いる熱定着方式が一般に使用されている。
【0024】本発明に用いる現像剤は、少なくとも結着
樹脂、着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とからな
る。添加剤は、TiO(OH)2 の一部もしくは全部を
シラン化合物で反応させたチタン化合物またはTiO
(OH)2 の一部もしくは全部をシリコーンオイルで反
応させたチタン化合物、およびBET比表面積が20〜
100m2 /gのシリカからなる。このTiO(OH)
2 は、湿式法で作製され比重2.8〜3.6のチタン化
合物が好ましい。一般に、通常の湿式法による酸化チタ
ンの製法は、溶媒中で化学反応を経て製造され、硫酸法
と塩酸法に分けることができる。
【0025】硫酸法は簡略すると下記の反応が液相で進
み、不溶性のTiO(OH)2 が加水分解により作製さ
れる。 FeTiO3 +2H2 SO4 → FeSO4 +TiOSO4 +2H2 O TiOSO4 +2H2 O → TiO(OH)2 +H2 SO4 また、塩酸湿式法は、乾式法と同様手法にて塩素化によ
り4塩化チタンを作製する。その後水に溶解させ、強塩
基を投入しながら加水分解し、TiO(OH) 2 が作製
される。簡略すると以下の様になる。 TiCl4 +H2 O → TiOCl2 +2HCl TiOCl2 +2H2 O → TiO(OH)2 +2HCl
【0026】通常の酸化チタンの作製工程は、この後水
洗、ろ過を繰り返し、焼成によって酸化チタンが得られ
る。さらに必要に応じ解砕、粉砕後シラン化合物による
表面処理の様な処理を施されることになる。しかし、従
来のこの酸化チタンの作製は、焼成工程でTi同士の結
合の強さから粒子同士焼結し、凝集を数多く発生してし
まうという重大な欠点を有する。この重大な欠点を解決
させるために、湿式粉砕の強化、乾燥前の処理剤反応な
ど数多くの工夫がなされているが、この凝集を1次粒子
まで解砕させることは現状ではできていない。この酸化
チタンをトナーの添加剤に適用しても、トナー上のカバ
レッジをシリカ粒子と合わせてもシリカ並みの流動性を
得ることはできず、更にその凝集が起因すると思われ
る、感材傷、フィルミングが発生することになる。ま
た、従来の製法の処理酸化チタンは、シラン化合物の処
理においてその処理できる量に限界がある。一般にシラ
ン化合物の量を増加させる事により、帯電性付与能力が
増大するが、概ね酸化チタンの量に対して15〜20%
の処理量でその能力は飽和する。したがって、高帯電を
付与させるためにカップリング剤の増量を行っても、高
帯電を得られないばかりか、余剰なカップリング剤同士
の反応によって、さらなる凝集粒子の増大、更にトナー
に添加した場合は帯電速度の低下、帯電分布のブロード
化等を招いてしまう事になる。以上のように、従来の酸
化チタンは、凝集粒子の多さ、高帯電付与能力、帯電速
度の遅さ、帯電分布に対し、すべてを満足できるレベル
にはない。
【0027】しかし、本発明におけるチタン化合物は、
上述した湿式工程の中で作製されるTiO(OH)2
シラン化合物あるいはシリコーンオイルを反応、乾燥さ
せて作製される。したがって、数百度という焼成工程を
通らないため、Ti同士の強い結合が形成されず、凝集
が全くなく、粒子はほぼ一次粒子の状態で取りだすこと
ができる。更に、本発明におけるチタン化合物は、Ti
O(OH)2 にシラン化合物あるいはシリコーンオイル
を直接反応させるため、処理できる量を多くすることが
できる。即ち、従来の処理酸化チタンは、帯電能に寄与
する処理量の限界値が低かったが、本発明で使用される
チタン化合物は、その限界値が高く、原体の粒径にもよ
るが、概ね従来品に対し、約3倍量(チタン原体に対し
約50〜70%)まで処理の効果が出る。したがって、
シラン化合物の処理量でトナーの帯電を制御でき、且つ
付与できる帯電能も従来の酸化チタンに対し、大きく改
善することができる。
【0028】更に、余剰なシラン化合物を少なくなるた
め、即ち、シラン化合物同士の反応が少ないため、処理
量を増やす場合においても、帯電速度、帯電分布の特性
を損なうことなく、高帯電を得ることができる。さら
に、感材上への付着等も全くなく、長期にわたり、画質
欠陥をだすことがない。これは、比重が2.8〜3.6
と他の酸化チタンに対し軽いため、トナー表面上の付着
の状態が強固であるため、長期使用に対しても、トナー
上からの脱離がないことと、処理されるシラン化合物同
士の反応が少ないことに起因する(しっかり原体につい
ている)処理剤移行が少ないためであることである。
【0029】本発明において、用いられるチタン化合物
は、平均一次粒子径100nm以下、好ましくは10n
m〜70nmの範囲のものが使用される。また、最近の
高画質要求からトナーは小粒径化の傾向があるが、小粒
径化による付着力増大に加えて重ね合わせトナー像を一
括して最終転写体に転写する際の転写不良を改善するた
めにBET比表面積が20〜100m2 /gのシリカを
上記チタン化合物と共に使用することにより帯電の安定
性と転写性とが両立可能となる。
【0030】本発明で使用するシラン化合物としてはク
ロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル
化剤のいづれのタイプを使用することも可能である。具
体的にはメチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシ
ラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシ
ラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチ
ルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ヘ
キサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリ
ル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)
ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニ
ルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、βー(3.4エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γーメルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラ
ン、を挙げることができるが、本発明における処理剤
は、これら前述の化合物に限定されるものではない。
【0031】また、上記のシラン化合物の処理量は、T
iO(OH)2 の原体の一次粒径により異なるが、一般
的にはTiO(OH)2 の原体100重量部に対して、
シラン化合物量は5〜80重量部の範囲、より好ましく
は10〜50重量部である。シラン化合物の処理量が5
重量部に満たない場合は、処理するシラン化合物の機能
が発揮せず、また、処理量が80重量部を越える場合
は、余剰シラン化合物により、チタン化合物がオイル化
し、トナー流動性に対して不具合を生じはじめる。ただ
し、上記シラン化合物による処理はトナーの高帯電付与
及び環境依存性の改善及びトナー流動性向上、感材イン
タラクション低減を目的とするものであって、処理量は
使用されるトナー、現像剤担持体、TiO(OH)2
原体の粒径等の兼ね合いから適宜調整しなければならな
い。
【0032】また、本発明のチタン化合物は、TiO
(OH)2 、特に湿式法で作製されたTiO(OH)2
とシリコーンオイルまたはシリコーンワニスとの反応に
よっても得られる。本発明に用いるシリコーンオイルと
しては、一般式(1)で示されるものが好ましい。
【0033】
【化1】 (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基を表し、R’は
アルキル基、ハロゲン変性アルキル基、フェニル基、変
性フェニル基を表し、R”は炭素数1〜3のアルキル基
又はアルコキシ基を表し、m、nは整数を表す。)
【0034】これらのシリコーンオイルとしては、例え
ば、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコー
ンオイル、α−メチルスルホン変性シリコーンオイル、
クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコー
ンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等が挙げられ
る。
【0035】トナーに添加されるチタン化合物の量は、
トナー粒径等により変化するが、トナー100重量部に
対して、0.1〜5.0重量部、より好ましくは0.2
〜2.0重量部である。チタン化合物の量が0.1重量
部に満たない場合は、トナーの流動性を得ることができ
ず、チタン化合物の量が5.0重量部を越えるケースで
は、定着工程において、定着温度の高温化、定着強度の
低下を引き起こすとともに、フルカラーで使用する場合
は、光透過性の低下による重ねあわされた下地の色の発
色性の妨げになる。
【0036】トナーに添加されるシリカとしては、BE
T比表面積が20〜100m2 /gの範囲であれば種々
表面処理されたものが使用可能である。BET比表面積
が20m2 /g未満の場合はトナーの流動性が低下する
ことによる画像ムラが発生しやすく、100m2 /gを
越える場合は、特に最下層のトナーにおいて転写不良が
起こりやすい。トナーに添加されるシリカの量はトナー
100重量部に対して、0.1〜5.0重量部、より好
ましくは0.2〜2.0重量部である。0.1重量部未
満の場合は、転写不良改善効果が不十分で5.0重量部
を越える場合では、トナーの流動性が低下することによ
る画像ムラを発生させやすい。また、本発明におけるチ
タン化合物とシリカとの配合割合は、1:10〜10:
1が好ましい。チタン化合物とシリカとの配合割合がこ
の範囲を越えると、現像性と転写性とを同時に満足しな
い場合が発生しやすくなるため、好ましくない。
【0037】本発明において、トナー粒子としては、結
着樹脂と着色剤を主要成分として構成される公知のもの
が使用される。使用される結着樹脂としては、スチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビ
ニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ドデシル等のαーメチレン脂肪族モノカルボ
ン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチル
エーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニ
ルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、それら単
独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に
代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンー
アクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸
アルキル共重合体、スチレンーアクリルニトリル共重合
体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マ
レイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等を
あげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレ
タン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変
性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができ
る。
【0038】また、トナーの着色剤としては、カーボン
ブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロム
イエロー、ウルトラマリンブルー、デユポンオイルレッ
ド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタ
ロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、
ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント
・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド12:
2、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピ
グメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロ
ー12、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.
I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとし
て例示することができる。
【0039】また、本発明におけるトナーは、必要に応
じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤として
は、公知のものを使用できるが、フッ素系界面活性剤、
サリチル酸金属錯体、アゾ系金属化合物のような含金属
染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のご
とき高分子酸、四級アンモニウム塩、ニグロシン等のア
ジン系染料、カーボンブラック、あるいは帯電制御樹脂
等が用いられるが、特にZn、Alのサリチル酸錯体、
四級アンモニウム塩が好ましく、0.1〜10重量%の
範囲で用いられる。
【0040】また、本発明に用いるトナーにおいては、
耐オフセット性をより良好にすることを目的として、離
型剤を添加しても良い。離型剤としては、炭素数8以上
のパラフィン、ポリオレフィン等が好ましく、例えばパ
ラフィンワックス、パラフィンラテックス、マイクロク
リスタリンワックス等、又はポリプロピレン、ポリエチ
レン等があげられ、これらを単独あるいは併用して用い
る。添加量は0.3〜10重量%の範囲が好ましく用い
られる。
【0041】本発明に用いるトナーの粒径は、体積平均
粒径で3〜15μmが好適に使用でき、更に好ましくは
5〜10μmが好適に使用できる。体積平均粒径が3μ
m以下では流動性が著しく悪化するため画像ムラの原因
となり、15μm以上では解像度が低下し高画質が得ら
れなくなる。本発明に用いるトナーは、公知の如何なる
方法によっても製造できるが、特に、混練、粉砕方式が
好ましい。即ち、結着樹脂と着色剤等をニーダーやエク
ストルーダーなどの混練機にて溶融混練し、冷却後粉
砕、分級を行い、添加剤を添加混合する方法が好まし
い。
【0042】本発明において上記チタン化合物とシリカ
はトナー粒子に添加し、混合されるが、混合は、例えば
V型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサ
ー等によって行うことができる。更に必要に応じ、振動
篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を
取り除いても一向にかまわない。
【0043】また、本発明に用いるトナーの粒度は 、
コールターカウンター社製粒度測定器TA−II、アパ
ーチャー径100μmで測定した。また、本発明に用い
るチタン化合物の比重は、ルシャテリエ比重瓶を用いJ
IS−K−0061,5−2−1に準拠し測定した。操
作は次の通りである。 ルシェテリエ比重瓶に約250mlの水を入れ、メ
ニスカスが目盛りの位置にくるように調整する。 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2
°Cになったとき、メニスカスの位置を比重瓶の目盛り
で正確に読み取る。(精度0.025mlとする) 試料を約100gを1mgのけたまで量り取り、そ
の質量をWとする。 量り取った試料を比重瓶に入れ泡を除く。 比重瓶を恒温水槽に浸し、液温が20.0±0.2
°Cに保ち、メニスカスの位置を比重瓶の目盛りで正確
に読み取る。(精度0.025mlとする)
【0044】 比重は次の方法で算出される。 D=W/(L2 −L1 ) S=D/0.9982 ここに、D:試料の密度(20°C)(g/cm3 ) S:試料の比重(20/20°C) W:試料の見かけの質量(g) L1 :試料を比重瓶に入れる前のメニスカスの読み(2
0°C)(ml) L2 :試料を比重瓶に入れた後のメニスカスの読み(2
0°C)(ml) 0.9982:20°Cにおける水の密度(g/c
3
【0045】また、BET比表面積の測定方法は次の通
りである。表面積は、ベータソープ自動表面積計(Mo
del 4200(日機装株式会社))を用い、窒素と
ヘリウムの混合ガスを用いて測定した。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。なお以下の説明において、特に断りのない限
り、『部』はすべて『重量部』を意味する。
【0047】本発明は、湿式法で生成される酸化チタ
ン、即ち硫酸法、塩酸法が適用されるが、実施例で用い
る酸化チタンはイルメナイトを鉱石として用い、硫酸に
溶解させ鉄分を分離し、TiOSO4 を加水分解してT
iO(OH)2 を生成させる湿式沈降法を用いた。この
調整でのキー技術は核生成のための加水分解と分散調整
及び水洗であり、特に分散処理におけるPH調整(酸の
中和)、スラリー濃度の調整は、後のチタン化合物の一
次粒子を決めるものであり、高いレベルの制御が必要で
ある。
【0048】外添剤Aの調整 上記手法で生成されたTiO(OH)2 100部に対
し、40重量部にあたるイソブチルトリメトキシシラン
を混合し、熱をかけ反応させる。その後、水洗、ろ過を
行い120°Cで乾燥、ピンミルでソフト凝集をほど
き、平均粒径25nm、比重3.1のチタン化合物Aを
得た。外添剤Bの調整 粒径調整のためのPH調整、分散調整を換えて40重量
部にあたるイソブチルトリメトキシシランを混合した以
外は外添剤Aと同様な手法で平均粒径50nm、比重
3.1、のチタン化合物Bを得た。外添剤Cの調整 TiO(OH)2 100部に対し、25重量部にあたる
ジメチルシリコーンオイル(KF96 信越化学工業
(株))を混合し、熱をかけて反応させた。その後、外
添剤Aと同様な方法で平粒粒径35nm、比重3.3の
チタン化合物を得た。外添剤Dの調整 上記手法で調整されたTiO(OH)2 を水洗、ろ過
後、焼成し、粒径25nmの酸化チタンを得た。この
後、ジェットミルにて粉砕し、平均粒径25nm、比重
4.0の外添剤Dを得た。
【0049】Yトナー粒子の製造 結着樹脂(テレフタール酸/ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物 Mw=3300、Tg=67℃、軟化点97℃) 95部 イエロー顔料(C.Iピグメント・イエロー97) 5部 上記材料をヘンシェルミキサーで混合した後、エクスト
ルーダーにより溶融混練し、冷却後ジェットミルにより
微粉砕を行い、更に分級機で分級して、平均粒径9.0
μmのイエロー粒子1を得た。Mトナー粒子の製造 着色剤をC.I.ピグメント・レッド57:1を5部に
した以外はトナー粒子1と同様にして平均粒径9.1μ
mのマゼンタトナー粒子2を得た。Cトナー粒子の製造 着色剤をC.I.ピグメント・ブルー15:3を5部に
した以外はトナー粒子1と同様にして平均粒径8.9μ
mのシアントナー粒子3を得た。Kトナー粒子の製造 着色剤としてカーボンブラックを5部にした以外はトナ
ー粒子1と同様にして平均粒径9.0μmのブラックト
ナー粒子4を得た。
【0050】実施例1 トナー粒子1〜4各々100部と外添剤A1.0部及び
BET比表面積60m 2 /gの疎水性シリカ0.5部を
ヘンシェルミキサーにて混合して4色トナーを作成し
た。 実施例2 外添剤Aを外添剤Bに換えた以外は、実施例1と全く同
様な方法で、4色トナーを作成した。 実施例3 外添剤Aを外添剤Cにかえた以外は、実施例1と全く同
様な方法で、4色トナーを作成した。 実施例4 実施例1の4色トナーそれぞれ7部と平均粒径50μm
のフェライトコアに0.8重量%に当たるシリコーン樹
脂をニーダー装置を用いコーティングしキャリヤ93部
をV型ブレンダーにて混合し、4色の現像剤を得た。
【0051】比較例1 外添剤Aを外添剤Dにかえた以外は、実施例1と全く同
様な方法で、4色トナーを作成した。 比較例2 シリカのBET比表面積を15m2 /gのものにかえた
以外は、実施例1と全く同様な方法で、4色トナーを作
成した。 比較例3 シリカのBET比表面積を150m2 /gのものにかえ
た以外は、実施例1と全く同様な方法で、4色トナーを
作成した。 比較例4 外添剤Aを外添剤Dにかえた以外は、実施例4と全く同
様な方法で、4色の現像剤を作成した。
【0052】上記の方法で得られたトナー及び現像剤を
図1に示した画像形成装置にて28°C,85%RHの
高温高湿環境下および10°C,30%RHの低温低湿
環境下にて1万枚のプリントテストを行った。その結果
を、表1に示す。
【0053】(画像形成装置)図1に、画質評価に用い
た画像形成装置を示す。図1において、潜像保持体(感
光体)1周辺にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラッ
クのトナーを有する4つの現像機3を、現像剤担持体4
が、潜像保持体1と一定の間隙となるように配置した。
また潜像保持体1はコロトロン帯電器2で帯電させた
後、レーザー光で露光し静電潜像を形成し、現像剤担持
体4と現像剤供給ローラー5には交流電圧と直流電圧と
をかけて静電潜像を現像するようにし、4色トナーの帯
電、露光、現像を4サイクルで行った。現像剤担持体4
でのトナー層形成はゴム製の層形成ブレードを現像剤担
持体4に一定の線圧で当接させておこなった。現像剤担
持体4の素材は、SUSを用いた。また、潜像保持体
(感光体)1の周速は100mm/s.、現像剤担持体
4の周速は150mm/s.とし、トナーの転写は転写
ローラー6を用い、感光体上に4色トナー像を重ね合わ
せた後、一括で転写した後、定着器7を介して定着し
た。クリーニングはブレード式クリーナー8を用い一括
転写終了時のみ行うようにした。
【0054】また、二成分現像剤の評価(実施例4と比
較例4)は、図1の装置の現像機を二成分現像剤用のも
のに入れ換え可能な様に改造して実施した。上記の方法
で得られたトナー及び現像剤を図1に示した画像形成装
置にて28℃,85%RHの高温高湿環境下および10
℃,30%RHの低温低湿環境下にて1万枚のプリント
テストを行った。その結果を、表1に示す。
【0055】<濃度維持性>X−Rite社製の濃度測
定器、X−Rite404Aによる濃度測定において ○…≧1.4 △…1.1〜1.4 ×…<1.1 <濃度環境差>28°C,85%RHの高温高湿環境下
および10°C,30%RHの低温低湿環境下における
濃度差 ○…<0.2 △…0.2〜0.4 ×…≧0.4 <濃度ムラ>ベタ画像内における濃度差 ○…<0.2 △…0.2〜0.4 ×…≧0.4 <カブリ維持性>50倍のルーペで背景部観察した感応
評価した。全くなし、若干あり、かなりありをそれぞれ
○、△、×と評価した。 <転写効率> 転写紙上のトナー像重量÷感光体上のトナー像重量×1
00 ○…≧90% △…80〜90% ×…<80% <フィルミング>それぞれの状態を目視にて評価した。 ○…全くなし △…感光体上で確認できるが画像上はなし ×…画像上であり
【0056】
【表1】
【0057】表1から、焼成して得られたチタン化合物
を用いた比較例1では、濃度維持性、濃度環境差、カブ
リ維持性等が悪く、シリカのBET比表面積が15m2
/gと小さい比較例2では濃度ムラ、カブリ維持性が低
下している。また、シリカのBET比表面積が150m
2 /gと大きい比較例3では、カブリ維持性、転写効率
が低下しており、焼成して得られたチタン化合物を用
い、フェライトコアによるキャリアを用いた2成分現像
剤の比較例4では、濃度維持性、濃度環境差が特に低下
していることがわかる。
【0058】
【発明の効果】本発明の多色画像形成方法は、重ね合わ
せトナー像の転写性、帯電性、帯電速度、環境依存性、
感材汚染等の多色画像形成方法に要求されるすべての特
性を満足するため、長期に渡り画像濃度変動、低現像
性、カブリ、画質欠陥等の問題を発生しない優れた画質
を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多色画像形成方法が適用されるのに好
適な画像形成装置の一実施の形態を示す概略的構成図で
ある。
【符号の説明】
1 潜像保持体 2 コロトロン帯電器 3 現像器 4 現像剤担持体 5 現像剤供給ローラ 6 転写ロール 7 定着器 8 クリーナー
フロントページの続き (72)発明者 鳥越 哲 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (72)発明者 奥山 浩江 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (72)発明者 藤井 隆寿 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (72)発明者 吉原 宏太郎 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (72)発明者 内田 正博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (72)発明者 中沢 博 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼ ロックス 株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−188633(JP,A) 特開 平7−225489(JP,A) 特開 平2−108069(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 507 G03G 9/08 374 G03G 9/08 375 G03G 15/01 111

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潜像保持体上に形成された潜像を複数の
    現像剤を用いて繰り返し現像する工程と、前記潜像保持
    体上あるいは中間転写体に重ね合わせて形成された多色
    トナー像を転写シート上に一括転写する工程とを有する
    画像形成方法において、前記現像剤が少なくとも結着樹
    脂、着色剤を含有するトナー粒子と添加剤とを含有する
    現像剤であり、該添加剤がTiO(OH) 2 100重量
    部に対しシラン化合物またはシリコーンオイルを5重量
    部以上反応させたチタン化合物、およびBET比表面積
    が20〜100m2/gのシリカであることを特徴とす
    る多色画像形成方法。
  2. 【請求項2】 前記チタン化合物が、比重2.8乃至
    3.6のチタン化合物であることを特徴とする請求項1
    に記載の多色画像形成方法。
  3. 【請求項3】 前記TiO(OH)2 が、湿式法で作製
    されたTiO(OH)2 であることを特徴とする請求項
    1に記載の多色画像形成方法。
  4. 【請求項4】 前記結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含
    有することを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成
    方法。
  5. 【請求項5】 前記現像剤が、非磁性一成分系現像剤で
    あることを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成方
    法。
  6. 【請求項6】 前記現像剤が、二成分系現像剤であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成方法。
  7. 【請求項7】 前記チタン化合物が、トナー100重量
    部に対して、0.1乃至5.0重量部含有されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成方法。
  8. 【請求項8】 前記シリカが、トナー100重量部に対
    して0.1乃至5.0重量部含有されていることを特徴
    とする請求項1に記載の多色画像形成方法。
  9. 【請求項9】 前記チタン化合物の平均一次粒子径が1
    0乃至70nmであることを特徴とする請求項1に記載
    の多色画像形成方法。
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