JP2010019889A - 静電潜像現像用キャリア、2成分現像剤、画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたり安定したトナー帯電付与が行える高耐久性を有するとともにリードオフ現象を発生させる様なカウンタチャージを発生させない低抵抗の樹脂被覆層を有する静電潜像現像用キャリアを提供する。
【解決手段】芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアで、キャリア粒子の形状係数が形状係数が100以上120以下の範囲と140以上150以下の範囲にそれぞれピークを有する分布となるキャリア。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電潜像現像用キャリア(以下、簡単にキャリアともいう)と、それを用いた2成分現像剤及び画像形成方法に関する。
静電潜像現像方式の画像形成方法においては、良好な画質が得られやすく、帯電制御が行い易い等の理由により、樹脂被覆キャリアと呼ばれる芯材粒子表面を樹脂被覆した構造のキャリアを用いる2成分現像剤を用いた画像形成が広く行われている。
しかしながら、現状で樹脂被覆キャリアを用いる2成分現像剤を用いた画像形成が全く問題を有していないわけではなく、特に、より一層の耐久性向上が求められている。樹脂被覆キャリアの耐久性を向上させる方法として、樹脂被覆層を厚くすることが挙げられるが、カウンタチャージが残存し易くなる問題を有している。
このため、現像ローラ面と感光体面とが最近接する現像領域で現像ローラ面と感光体面が同一方向に動く正回転(つれ回りともいう)方式の現像では、カウンタチャージの影響で現像ローラ面上のキャリアが感光体面上に移動したトナーを引き戻すおそれがある。
この場合、画像進行方向に高濃度ベタ画像に続いてハーフトーン画像を形成している画像では、隣接部でトナーが抜けて白くなっているいわゆるリードオフ現象が発生することがある。この現象を防止するために、樹脂被覆層を薄くしたり、樹脂層に導電性微粒子を多量に添加する等してキャリアによるトナーの引き戻しを起こさない様にする方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかしながら、樹脂被覆層を薄膜化する場合は膜厚を非常に薄くしないとリードオフ現象を低減することができず、また、膜厚を薄くし過ぎるとキャリア全体の抵抗を確保することができなくなり電荷保持力が低下することになる。特に、高湿環境下で現像を行うとトナーの帯電量が低下してかぶりを発生させることになった。また、キャリアの樹脂被覆層が薄いとトナー等との摩擦や衝撃により被覆層が剥がれ易くなり感光体へのキャリア付着等の問題の原因ともなった。
一方、樹脂被覆層に導電性微粒子を添加する方法では、微粒子が会合し易いため樹脂被覆層中で凝集して微粒子が偏在することになり、キャリア表面に帯電しにくい領域や電荷を逃し易い領域を形成することになる。この様な領域の存在により、かぶりやトナー飛散、画像濃度低下を発生させる問題があった。また、導電性微粒子を多量に添加すると樹脂被覆層の強度が低下し、樹脂被覆層が削れ易くなって剥離し易くなる。
この様に、完全なリードオフ現象の発生防止とさらなる耐久性向上を実現する樹脂被覆キャリアの作製技術はまだ確立されておらず、かぶりやトナー飛散、画像濃度低下の発生防止と被覆層の削れや剥離の発生防止を確実に実現できない状況におかれている。
特開平10−186731号公報 特開平11−202560号公報 特開2000−98666号公報
本発明は、長期にわたり安定したトナー帯電付与が行える高耐久性を有するとともに、リードオフ現象を発生させるカウンタチャージを発生しない樹脂被覆層を有する静電潜像現像用キャリアを提供することを目的とするものである。
すなわち、現像剤を長期間使用しても使用開始時と変わらないトナー帯電を安定して行える高耐久性を有し、リードオフ現象を発生させるカウンタチャージが発生しない低抵抗の樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリアを提供するものである。つまり、使用開始時と長期使用後でも帯電付与性能に変動がなく良好な現像特性が得られるとともに、リードオフ現象を発生させず、安定したトナー濃度が得られトナー飛散やカブリの発生も少ない高品位画像を安定して形成するキャリアを提供するものである。
本発明の課題は、下記に記載のいずれかの構成により解消されることが確認された。
(1)
芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであって、
前記静電潜像現像用キャリアを構成するキャリア粒子の形状係数の分布を測定したときに、
前記分布が、形状係数が100以上120以下の範囲と140以上150以下の範囲にそれぞれピークを有するものになることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
(2)
前記形状係数が100以上125以下となるキャリア粒子数の頻度をS(a)、前記形状係数が135以上155以下となるキャリア粒子数の頻度をS(b)としたとき、
0.2≦S(b)/〔S(a)+S(b)〕≦0.5
となることを特徴とする(1)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(3)
前記芯材粒子表面に形成される樹脂層の厚さが、300nm以上800nm以下であることを特徴とする(1)または(2)に記載の静電潜像現像用キャリア。
(4)
前記芯材粒子の体積平均粒径が、20μm以上50μm以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
(5)
前記芯材粒子がフェライトによりなるものであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
(6)
(1)〜(5)のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、体積基準メディアン径が3.0以上8.0μm以下のトナーから構成されることを特徴とする2成分現像剤。
(7)
(1)〜(5)のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアを用いて、静電潜像担持体上に形成された静電潜像の現像を行う工程を有するものであることを特徴とする画像形成方法。
尚、上記芯材粒子は、磁性体で構成されるため磁性粒子、或いは樹脂被覆キャリアの内部に存在するためコア粒子等と言われることがある。
本発明によれば、長期にわたり安定した帯電付与が行える高耐久性を有し、かつ、リードオフ現象を発生させる様なカウンタチャージを発生させない樹脂被覆層を有する静電潜像現像用キャリアが得られる様になった。すなわち、使用開始時より長期にわたりキャリア抵抗や帯電付与性能が変動せず安定したトナー帯電が行え、かつ、感光体表面に移動したトナーを引き戻すリードオフ現象を発生させるカウンタチャージの発生をなくすことができる様になった。
その結果、使用開始時と長期使用後でも帯電付与性能に変動がなく良好な現像特性が得られ、リードオフ現象を発生させずに安定したトナー濃度が得られ、トナー飛散やカブリの発生の少ない高品位画像を安定して形成するキャリアの提供を可能にした。
本発明は、芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリア(以下、簡単にキャリアともいう)に関する。
本発明に係る静電潜像キャリアは、当該キャリアを構成するキャリア粒子の形状係数の分布を測定したときに、形状係数が100以上120以下の範囲と140以上150以下の範囲にそれぞれピークを有するものである。この様に、キャリア粒子の形状係数の分布を観察すると、2つの形状係数範囲内にそれぞれピークを有するものである。
本発明では、キャリア粒子の形状係数(SF−1)の分布状態に着目し、その分布が上記構成を有するとき、長期にわたり安定したトナー帯電が行え、リードオフ現象を発生させることのない抵抗値を有する樹脂被覆キャリアが得られることを見出した。
前記した通り、樹脂被覆キャリアを適正な抵抗値及び帯電付与力を持つ様に作製することは困難を伴うものであった。樹脂被覆層の調整方法はいずれもキャリアの耐久性を劣化させる方向のものであったため、長期間の使用に耐え得る様にするとともにリードオフ現象を発生させることのない性能で、適正な抵抗値と帯電付与性能を有するキャリアは今日まで見出されていなかった。
しかしながら、本発明ではキャリアの形状係数(SF−1)の頻度分布に少なくとも2つのピークを有し、そのピークが特定範囲内に存在させる様にすることで、各特性のバランスを取りながら高い耐久性を発現するキャリアが得られることがわかったのである。
本発明の構成により、本発明の効果が何故得られるかについては下記の如く考えられる。すなわち、形状係数SF−1が100〜120のキャリア粒子はその形状が真球に近い形状になるので、樹脂被覆キャリアは良好な流動性を有しており、トナーとの均一混合に有利に作用する。ただし、この範囲ではキャリア粒子の耐久性を十分確保できる程度に樹脂被覆層を厚くすると抵抗値が高くなりトナーへの帯電付与性能が十分に発現しにくくなるものと考えられる。
一方、形状係数SF−1が135〜155のキャリア粒子は表面に凹凸が存在して異形形状の傾向を有し、良好な流動性を期待することは難しいが被覆層を厚くしてもその割には抵抗値を小さく抑えることができ、帯電付与性能に寄与するものであると考えられる。
本発明以前の技術水準では、この様に形状係数の分布に差を有するキャリア粒子を混合すると、真球形状のキャリアと異形形状のキャリアの双方の特性が入り交じり、いわば中途半端な特性になると考えられていた。しかしながら、実際は両者を混合して混合比を調節することにより、仮に流動性が低下してもその程度はさほど大きなものではなく、また、帯電付与性能も殆ど低下しないことが見出され、本発明に到ったのである。
従来技術では、本発明の様に真球形状の樹脂被覆キャリアと異形形状の樹脂被覆キャリアとを混合せずに、例えば、キャリア表面の被覆層の厚さを非常に薄くしたり、樹脂被覆層中に導電性粒子を多量に添加して抵抗値を下げる試みが行われていた。しかしながら、これらの対応では、長期使用に耐え得る耐久性を確保することができなかった。
また、本発明では形状係数が100以上125以下となるキャリア粒子数の頻度をS(a)、形状係数が135以上155以下となるキャリア粒子数の頻度をS(b)としたとき、頻度S(a)とS(b)の間に下記関係があることがより好ましいことが分かった。
0.2≦S(b)/〔S(a)+S(b)〕≦0.5
すなわち、形状係数SF−1の値が100〜125であるキャリア粒子数のカウントされる頻度をS(a)、形状係数SF−1の値が135〜155であるキャリア粒子数のカウントされる頻度をS(b)とした時に上記式が0.2〜0.5となるものである。特に、上記式の値が0.25〜0.35の範囲内にあるときがより好ましいことがわかった。
〔キャリアの形状係数と頻度〕
ここで、本発明に係るキャリアを構成するキャリア粒子の形状を定義付ける形状係数SF−1について説明する。ここで、形状係数SF−1は、粒子の丸さの度合を示すもので、以下に示す式で定義される。すなわち、
SF−1=(粒子の最大長)/(粒子の投影面積)×(π/4)×100
式中、「最大長」とはキャリア粒子の平面上への投影像を2本の平行線で挟んだとき、その平行線の間隔が最大となる幅をいうものである。なお、SF−1の値が100のものはその形状が真球であることを意味するものである。
キャリアの形状係数SF−1は、以下の手順で測定することが可能である。すなわち、走査型電子顕微鏡を用い、ランダムに選出した100個以上のキャリア粒子の写真を200倍で撮影し、得られた写真画像をスキャナー等で読み込み、読み込まれた画像データを画像解析処理装置を用いて解析してその解析結果より算出することができる。
なお、走査型電子顕微鏡の具体的な例としては、たとえば、フィールドエミッション走査型電子顕微鏡「S−4500(日立製作所(株)製)」等が挙げられ、画像解析処理装置の具体例としては、たとえば、「LUZEX AP(ニレコ社製)」等が挙げられる。
上記画像解析処理装置により求められたキャリアの投影面積より、この投影面積を円(π×(半径))と見なしてキャリアの半径を求め、この半径からキャリアを球形と見なして体積(4/3×π×(半径))を算出する。これを累積して累積粒子数で割ることにより体積平均粒径が得られる。同様に頻度及びその分布は、粒径が分布している領域を予め等分に分け、例えば10〜100μmに分布しているならこの範囲を20等分して、各区域の粒径に存在する粒子数をとれば、その頻度分布が得られる。
本発明の場合は形状係数の頻度を規定しているが、考え方は同様である。即ち、形状係数を横軸に取り(範囲は例えば100〜170の間を5刻みでとる)、縦軸には上記の式で求めた各形状係数域の粒子数をとれば、形状係数の頻度分布スペクトルが得られる。
本発明では、キャリアの形状係数(SF−1)の頻度分布スペクトルが、少なくとも2つのピークを有し、小さい側のピークが100〜120、大きい側のピークが140〜150である。さらに、SF−1の値が100〜125であるキャリア粒子数のカウント頻度を(S(a))、SF−1の値が135〜155であるキャリア粒子数のカウント頻度を(S(b))とする時、0.2〜0.5であるのが望ましいというものである。
このことを模式的な頻度分布スペクトルをもとにして説明したものを図1に示した。
また、キャリアの形状係数SF−1はコアとなる芯材粒子の形状を制御することで任意に制御できる。また、その形状分布は、複数種の形状の異なる芯材粒子を混合後に樹脂被覆トしても良いし、それぞれ芯材粒子を樹脂被覆した後、混合することでも達成できる。
図2にキャリア芯材2の上に樹脂被覆層3を設けて形状係数を変えたキャリア1の模式図を示す。
なお、キャリア粒子の形状係数は、キャリア粒子が単独で得られた場合はそれを測定すればよい。しかし、トナーや外添剤と混合され現像剤となっている場合には、まず下記方法によりキャリア粒子の単離を行う。
界面活性剤を添加した純水をいれたビーカーに現像剤を加えてスターラにて撹拌する。ビーカーの底にはマグネットを押し付けてキャリアを吸引し、トナー等が分散した界面活性剤水溶液を取り出す。これを3回繰り返して(必要により回数を増やす)、キャリア粒子のみを分取することができる。単離したキャリア粒子の写真画像を走査型電子顕微鏡で撮影し、得られた写真画像を前述した測定方法で解析することにより形状係数SF−1を算出することができる。
次に、本発明に係るキャリアを構成するキャリア芯材、樹脂被覆層について具体的に説明する。
〔キャリア芯材〕
本発明で使用されるキャリア芯材は、樹脂被覆キャリアより樹脂被覆層を除去した後に露出してくるキャリアの核にあたる部分である。具体的には、下記処理により得られる磁性体粒子等が挙げられる。
現像剤より分離したキャリア2gを20mlのガラス瓶に投入し、続いてガラス瓶にメチルエチルケトン15mlを投入して、ウェーブロータで10分間撹拌処理することにより、溶媒であるメチルエチルケトンで樹脂被覆層を溶解させる。次に、磁石を用いてキャリアを固定した状態で溶媒を除去した後、さらにメチルエチケトン10mlを投入してキャリア芯材を3回洗浄する。洗浄したキャリア芯材粒子を乾燥処理することにより、樹脂被覆層が除去されたキャリア芯材粒子を得ることができる。本発明でいうキャリア芯材には、上記処理により得られるキャリア粒子の他、後述する手順で作製されるキャリア芯材も含まれるものである。
(キャリア芯材粒子の材質)
本発明で用いられるキャリア芯材粒子の材質は、鉄粉、マグネタイト、各種フェライト系粒子等の磁性体粒子、またはそれらを樹脂中に分散したものが挙げられる。好ましい材質としては、マグネタイトや各種フェライト系粒子が挙げられる。フェライト系粒子としては、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン等の重金属を含有するフェライトやアルカリ金属やアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましく用いられる。
キャリア芯材の粒子径は、体積平均粒径で10〜100μmが好ましく、20〜50μmがより好ましい。さらに、キャリア芯材の磁化特性は、飽和磁化で2.5×10−5〜15.0×10−5Wb・m/kgが好ましい。
なお、キャリア芯材粒子の体積平均粒径は、湿式分散器を備えてなるレーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS」(シンパテック社製)により測定される体積基準の平均粒径である。飽和磁化は、「直流磁化特性自動記録装置3257−35」(横河電気株式会社製)により測定される。
〔キャリア芯材の作製方法〕
次に、本発明で用いられるキャリア芯材(以後、単に、芯材と記すこともある)の作製方法について説明する。
キャリア芯材は原料のフェライトを造粒、乾燥した後、加熱処理により焼成を行い、得られた芯材を解砕、分級する工程を経て作製される。従来、焼成工程は、造粒乾燥した粒子を容器に入れ、焼成炉に入れて焼成する。このように焼成した芯材は、芯材同士が寄り集まった状態で焼成される為、芯材同士が凝集したり、凝集容器内の温度分布ムラによる形状の不均一化等が発生する。このため作製された芯材は流動性が悪いために、樹脂を被覆したキャリアとしての流動性も悪く、このためトナーとの混合性が悪くなる。単独ではこのキャリアを画像形成に用いると画像形成装置内でのトナー飛散やかぶり等の問題が発生する。
一方、焼成工程において、芯材を流動させた状態で加熱処理を行い、芯材を作製することもできる。流動状態を作る方法としては、焼成炉内に攪拌装置を導入し、芯材を攪拌させながら焼成を行う。また、装置内に酸素や窒素等の気体を導入することで、キャリアを流動もしくは浮遊させながら焼成を行う(気泡流動型焼却炉)。
気泡流動層型焼却炉の構成は、図3に見るように、略直立円筒状塔56の下部に流動媒体であるキャリア芯材50aを充填して気泡流動領域50(バブリング層領域、流動媒体濃厚層)を形成させ、その下部に散気管その他の流動ガス分散器52を介して予熱空気導入口53より流動用気体としての予熱空気を均一に分散して吹き込み、該吹き込みガスの流速である空塔速度が前記流動媒体の流動開始点を超えさせ、前記流動媒体の間に気泡50bを発生させて濃厚層の上部に流動キャリア芯材層面を持つ均一流動層を形成する。更に空塔速度を気泡流動化開始速度以上に増速させると、流動キャリア芯材層面は沸騰状態になる。
上記製法で作製される芯材は、後述する実施例の記載からも明らかな様に、従来のものよりも球形のものが得られ、かつ、その球形度合いも揃っているものになる。
この様な方法で造られると、キャリアの流動性が向上するので、トナーとの混合性が上がり、短時間でトナーを所望の帯電量にすることが可能な静電潜像現像用キャリアを、提供することが出来る。しかしながら、カウンタチャージが残る傾向が強く、単独で使用すると、リードオフ現象により画像不良が発生する。
本発明においては、上記の芯材作製方法を併用したり、各々別々の方法で造られた芯材を混合して、形状係数が異なるキャリアを作製する。
形状係数が大きく異形側のキャリアが十分異形でなかったり、比率が小さかったりすると、リードオフ現象防止への効果が小さくなる。一方、形状係数が小さく球形側キャリアが十分球形でなかったり、比率が小さかったりすると、キャリア付着が発生したり、現像剤の流動性が悪くなって現像剤の入れ代わりが悪くなり、画質が悪化する。
〔樹脂被覆層〕
本発明に係るキャリアを構成する樹脂被覆層の形成に好適な樹脂としては、たとえば、以下のものが挙げられる。すなわち、
ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビリケトン等のポリビニル及びポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やスチレン−アクリル酸共重合体等の共重合体;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変成樹脂(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン等による変成樹脂);ポリテトラクロルエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロルトリフルロルエチレン等のフッ素樹脂;ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;尿素−ホルムアルデヒド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂等である。なお、トナーのスペント化防止の点で特に好ましい樹脂は、ポリアクリレート樹脂あるいはスチレン−アクリル酸共重合体樹脂である。
(樹脂被覆層の作製方法)
被覆層の具体的な作製法としては、湿式コート法、乾式コート法等の公知の方法が挙げられる。以下に各方法について詳細に述べる。
湿式コート法
(1)流動層式スプレーコート法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液を、流動層を用いて磁性体粒子の表面にスプレー塗布し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(2)浸漬式コート法
被覆用樹脂を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで乾燥して被覆層を作製する方法
(3)重合法
反応性化合物を溶剤に溶解した塗布液中に、磁性体粒子を浸漬して塗布処理し、次いで熱等を加えて重合反応を行い被覆層を作製する方法等を挙げることができる。
乾式コート法
被覆しようとする粒子の表面に樹脂粒子を被着させ、その後機械的衝撃力を加えて、被覆しようとする粒子表面に被着した樹脂粒子を溶融或いは軟化させて固着し被覆層を作製する方法である。キャリア芯材、樹脂及び低抵抗微粒子等を非加熱下、もしくは加熱下で機械的衝撃力が付与できる高速撹拌混合機を用い、高速撹拌して当該混合物に衝撃力を繰り返して付与し、磁性体粒子の表面に溶解あるいは軟化させて固着したキャリアを作製するのである。加熱する場合には、60〜130℃が好ましい。加熱温度が過大になるとキャリア粒子同士の凝集が発生しやすくなるためである。
以上の様に、本発明に係るキャリアは上記記載に基づいて作製することができる。
(トナーの説明)
次に、本発明で使用されるトナーについて説明する。本発明で使用されるトナーは、粉砕法により作製されるものも、いわゆる重合法により作製されるトナー粒子(以下、外添剤等を添加する前のトナー粒子を着色粒子ともいう)でもよく、特に限定されるものではない。
また、トナー作製に使用される結着樹脂も、スチレン/アクリル系共重合体樹脂やポリエステル系樹脂に代表される公知の樹脂を使用することができる。
また、本発明に使用されるトナー用の着色剤としては、以下に示す公知のものがある。先ず、黒色の着色剤としては、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのがよい。
また、本発明に使用されるトナーに使用可能なワックスとしては、以下に示す公知のものがある。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
これらのワックスを2種以上を組み合わせて使用することが可能である。
さらに、また荷電制御剤も添加することが出来、種々の公知のもので、かつ、水系媒体中に分散可能なものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
荷電制御剤は粒子として分散した状態で、数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
〔外添剤の添加〕
外添剤添加は、トナー粒子に、流動性、帯電性の改良及びクリーニング性の向上などの目的で行われる。外添剤を添加するために使用される装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を挙げられる。
外添剤は、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%であることが好ましい。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
外添剤の大きさは数平均一次粒径で4〜800nmのものであり、この大きさを有する無機微粒子や有機微粒子等の粒子を添加して、トナーを作製することが可能である。
外添剤の添加により、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、たとえば、以下に挙げる無機微粒子や有機微粒子、及び、滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することができる。
具体的には、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましく用いることができる。これら無機微粒子としては必要に応じて疎水化処理したものを用いてもよい。
シリカ微粒子としては、例えば日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等がある。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等がある。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等がある。
また、有機微粒子としては数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を使用することができる。
さらに、無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤などによって疎水化処理されていることが好ましい。
疎水化処理の程度としては特に限定されるものではないが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸漬されているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式1により疎水化度が算出される。
(式1) 疎水化度={a/(a+50)}×100
また、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を使用することも可能である。滑剤としては、たとえば、以下の様な高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。すなわち、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
〔トナー物性〕
以上の様にして作製されるトナーは、その粒径が体積基準メディアン径(D50)で3.0〜8.0μmであることが好ましい。このトナーの粒径は、凝集工程における凝集剤の濃度や有機溶剤の添加量、または融着時間、さらにポリエステル樹脂の組成により制御が可能である。体積基準メディアン径(D50)を3.0μm〜8.0μmとすることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しトナーオフセットを発生させる付着力の大きいトナーを少なくする。また、転写効率が向上してハーフトーン画像の画質向上、細線やドット等の精細な画像の画質向上を実現させている。
トナーの体積基準メディアン径(D50)は下記の測定方法により測定されるものである。すなわち、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステム(ベックマン・コールター製)を接続した装置を用いて測定、算出することにより得られるものである。
測定手順としては、トナー0.02gを界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が7%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出する。体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準メディアン径(D50)とする。
本発明に使用されるトナーは、キャリアと混合していわゆる二成分現像剤として使用するものである。上記トナーをキャリアと混合して二成分現像剤とした場合でも、キャリア汚染による画像不良の発生のない良好なトナー画像が得られる。
〔画像形成方法〕
図4は、二成分現像剤を用いてトナー画像を形成する画像形成装置の一例を示す概略図である。
図4において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。また、更に別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、更に他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の感光体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
また、装置本体Aから筐体8を支持レール82L、82Rを介して引き出し可能にしてある。
筐体8は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とを有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
筐体8の引き出し操作により、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、無端ベルト状中間転写体ユニット7とは、一体となって、本体Aから引き出される。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、熱ロール式定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。
トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
また、本発明に係る二成分現像剤を構成するトナーは、現状よりも更に低い温度でトナー画像を定着するいわゆる低温定着対応のものである。すなわち、本発明に係る二成分現像剤を構成するトナーで形成されたトナー画像を形成した転写材を表面温度が90℃〜150℃の加熱ローラで処理すると、折れや曲げ、擦れ等の力を加えても、転写材からのトナー剥離が起きない安定した定着強度が発現される。
以下、本発明を下記の実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、文中「部」とは「質量部」を表す。
〔1〕キャリア芯材の作製
(キャリア芯材1の作製)
マンガン含有量がMnO換算で21.0モル%、マグネシウム含有量がMgO換算で3.3モル%、ストロンチウム含有量がSrO換算で0.7モル%、鉄含有量がFe換算で75.0モル%となるフェライト芯材を以下の手順で作製した。マンガン、マグネシウム、ストロンチウム、鉄の含有量が前述した値となる様に、市販の各種原材料を配合し、配合物に水を添加して、湿式ボールミルで10時間粉砕、混合処理した後、950℃で4時間保持することにより乾燥処理した。
乾燥処理後、得られた乾燥物を再びスラリー化して、さらに、湿式ボールミルで24時間粉砕処理を行うことによりスラリーを造粒、乾燥させた。次に、撹拌装置を内蔵した焼成炉内に造粒乾燥物を投入し、周速12m/s、温度1300℃にて4時間保持した後、解砕処理を行って「キャリア芯材1」を作製した。解砕処理は、芯材の体積平均粒径が35μmになる様に粒度調整をしながら行った。
(キャリア芯材2の作製)
「キャリア芯材1」の作製において、焼成炉内での周速を2m/s、焼成温度を1400℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材2」を作製した。
(キャリア芯材3の作製)
「キャリア芯材1」の作製において、湿式ボールミルによる24時間粉砕処理で形成した造粒乾燥物を投入する焼成炉内に撹拌装置を設けずに温度1300℃で4時間の保持を行った他は同様の手順で体積平均粒径が35μmの「キャリア芯材3」を作製した。
(キャリア芯材4の作製)
「キャリア芯材3」の作製において、焼成炉の温度を1400℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材4」を作製した。
(キャリア芯材5の作製)
「キャリア芯材3」の作製において、焼成炉の温度を1350℃、保持時間を4.5時間に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材5」を作製した。
(キャリア芯材6の作製)
「キャリア芯材5」の作製において、焼成炉の温度を1450℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材6」を作製した。
(キャリア芯材7の作製)
「キャリア芯材2」の作製において、焼成炉内の撹拌装置の周速を0.5m/s、焼成炉の温度を1450℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材7」を作製した。
(キャリア芯材8の作製)
「キャリア芯材1」の作製において、焼成炉の温度を1350℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材8」を作製した。
(キャリア芯材9の作製)
「キャリア芯材3」の作製において、焼成炉の温度を1450℃に変更した他は同様の手順で「キャリア芯材9」を作製した。
以上の手順により、体積平均粒径が35μmの「キャリア芯材1〜9」を作製した。
〔2〕キャリアの作製
(キャリア1の作製)
キャリア芯材1 65部
キャリア芯材3 35部
をアクリル樹脂1.7部(膜厚420μm)と混合し、機械的衝撃力にてキャリア芯材1及び2を樹脂被覆した。この様にして「キャリア1」を作製した。
(キャリア2〜10の作製)
キャリア1と同様にして表1に示す組合せでキャリア芯材を用いてキャリア2〜10を作製した。
(キャリア11の作製)
キャリア芯材8 85部
キャリア芯材9 15部
をアクリル樹脂3.2部(膜厚780μm)と混合し、機械的衝撃力にてキャリア芯材8及び9を樹脂被覆しキャリア11を得た。キャリア11のS(b)/S(a)+S(b)は0.15であった。
(キャリア12〜15の作製)
キャリア芯材8及び9を用い、S(b)/S(a)+S(b)が0.20〜0.55になるキャリア12〜15を作製した。
以上の様にして作成したキャリア1〜15の形状係数SF−1、S(b)/S(a)+S(b)の値を表1に示す。
Figure 2010019889
〔3〕現像剤の作製
キャリア1〜15の各々に、体積基準におけるメディアン径が6.5μmの樹脂と着色剤よりなるトナーを混合し、トナー濃度が7.5質量%の現像剤を作製した。
なお、外添剤としてシリカ粒子(一次数平均粒径:20nm)をトナーに対し1.0質量%加えた。
〔4〕評価
市販の複合機「bizhub Pro C500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)」を使用して、リードオフの発生、トナー帯電量、画像濃度、トナー飛散、カブリについて評価した。なお、下記評価は結果が最も明らかに出やすいとされる黒トナーを用いて行った。
〈リードオフの発生〉
A4版上質紙(64g/m)に黒色トナーにて画素率が10%の画像(文字画像が7%、人物顔写真、ベタ白画像、ベタ黒画像がそれぞれ1/4等分にあるオリジナル画像)を出力した。初期、30万枚画出し耐久テスト後に評価した。
スタート時と30万枚後の画像のリードオフの有無を評価した。
◎:全くリードオフなし
○:リードオフ僅かにあるが目立たない
△:リードオフがあるが、何とか実用範囲内
×:リードオフ明確にあり、実用上問題あり。
〈トナー帯電量〉
初期と30万枚プリント終了後の帯電量を測定した。帯電量評価は初期と30万枚プリント終了後の差で行った。
帯電量の測定法は下記方法によった。
平行平板(アルミニウム製)電極間に現像剤を配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像させた際の現像効率を測定した。現像されたトナーの電荷量と質量を測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/G)を帯電量とした。
初期と30万枚プリント終了後で帯電量差が、5μC/g以下であれば問題ないレベルである。
〈画像濃度〉
画像濃度の測定は、30万枚目の上記プリント上に出力されたベタ黒画像部の濃度を濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用し、紙をゼロとした相対反射濃度で測定した。
◎:べた画像部の各濃度が1.2以上(良好)
○:べた画像部の各濃度が0.8以上(実用上問題なし)
×:べた画像部の各濃度が0.8未満
〈トナー飛散〉
上記の評価機で30万枚のプリントを行い、トナー飛散の状態を目視で確認し、またユーザーが現像ユニットを交換したときの手の汚れ具合で評価した。
◎:トナー飛散が全く見られない。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない
○:現像ローラ付近の上蓋に飛散したトナーの付着が見られる。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない程度
△:現像ユニットの上蓋の一部に飛散したトナー付着が見られる
×:ユーザーが現像ユニットを交換した後、手洗いが必要なほどトナー飛散が認められる。
〈かぶり〉
カブリ濃度の測定は、まず印字されていない白紙について、マクベス反射濃度計「RD−918」を用いて20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、白紙濃度とする。次に評価形成画像30万枚目の白地部分について、同様に20ヶ所の絶対画像濃度を測定して平均し、この平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として評価した。カブリ濃度が0.010以下であれば、カブリは実用上問題ないと判断した。
結果を表2に示す。
Figure 2010019889
表2の結果に示す様に、本発明内のキャリア1〜4、及び、キャリア11〜15を用いたものは何れの特性の良好な結果が得られ、本発明の効果を奏するものであることが確認された。一方、本発明外のキャリア5〜10を用いたものは、少なくとも何れかの特性に問題があることが確認された。
キャリアの形状係数(SF−1)の頻度分布を説明する図である。 本発明に係わる樹脂被覆キャリアの形状を説明する図である。 キャリア芯材作製方法の一例を説明する構成断面図である。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す断面構成図である。
符号の説明
1 樹脂被覆キャリア
2 キャリア芯材
3 樹脂被覆層
1Y、1M、1C、1K 感光体
2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3Y、3M、3C、3K 露光手段
4Y、4M、4C、4K 現像手段
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール
10Y、10M、10C、10K 画像形成部
22A、22B、22C、22D 中間ロール
P 記録部材(転写紙)

Claims (7)

  1. 芯材粒子表面に樹脂を被覆してなる静電潜像現像用キャリアであって、
    前記静電潜像現像用キャリアを構成するキャリア粒子の形状係数の分布を測定したときに、
    前記分布が、形状係数が100以上120以下の範囲と140以上150以下の範囲にそれぞれピークを有するものになることを特徴とする静電潜像現像用キャリア。
  2. 前記形状係数が100以上125以下となるキャリア粒子数の頻度をS(a)、前記形状係数が135以上155以下となるキャリア粒子数の頻度をS(b)としたとき、
    0.2≦S(b)/〔S(a)+S(b)〕≦0.5
    となることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像用キャリア。
  3. 前記芯材粒子表面に形成される樹脂層の厚さが、300nm以上800nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像用キャリア。
  4. 前記芯材粒子の体積平均粒径が、20μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  5. 前記芯材粒子がフェライトによりなるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリア。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアと、体積基準メディアン径が3.0以上8.0μm以下のトナーから構成されることを特徴とする2成分現像剤。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電潜像現像用キャリアを用いて、静電潜像担持体上に形成された静電潜像の現像を行う工程を有するものであることを特徴とする画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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