JPH08152742A - 磁性トナーの製造方法,磁性トナーの製造装置および電子写真方法 - Google Patents

磁性トナーの製造方法,磁性トナーの製造装置および電子写真方法

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JPH08152742A
JPH08152742A JP29682894A JP29682894A JPH08152742A JP H08152742 A JPH08152742 A JP H08152742A JP 29682894 A JP29682894 A JP 29682894A JP 29682894 A JP29682894 A JP 29682894A JP H08152742 A JPH08152742 A JP H08152742A
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silicon dioxide
toner
dioxide fine
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JP29682894A
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Hideki Tatematsu
英樹 立松
Yasuhito Yuasa
安仁 湯浅
Akinori Toyoda
昭則 豊田
Noriaki Hirota
典昭 廣田
Tsuneji Hosoe
恒司 細江
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置の構成が簡単で小型にして高性能化と
し、かつフィルミングが起きず、ベタ黒画像上の白点が
発生しない画像を得ること。 【構成】 粉砕室7内において、超音速ノズル6に圧縮
空気5を導入し発生するジェット気流で原材料(試料9)
を衝突板8に超高速衝突させることにより、原材料を粉
砕する解砕手段により解砕された二酸化ケイ素微粒子
が、静かさ密度が0.1g/cc以下、重量平均粒径が5.0μ
m以下、重量分布の10.0μm以上が20%重量以下、個数分
布の10.0μm以上が1.0個数%以下である磁性トナーの製
造方法とその製造装置およびその磁性トナーを用いた電
子写真方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機,プリンタやフ
ァクシミリに用いられる磁性トナーの製造方法,磁性ト
ナーの製造装置および電子写真方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方法を用いた複写機やプリンタ
では、次のプロセスによって印字が行われている。ま
ず、画像形成のために静電潜像保持体(以下、感光体と
称す)を帯電する。帯電方法としては、従来から用いら
れているコロナ帯電器を使用するもの、また近年ではオ
ゾン発生量の低減を狙って、導電性ローラを感光体に直
接押圧した接触型の帯電方法等によって感光体表面を均
一に帯電する手段が実用化されている。
【0003】感光体を帯電した後、複写機であれば、複
写原稿に光を照射して反射光をレンズ系を通じて感光体
に照射する。また、プリンタであれば露光光源としての
発光ダイオードやレーザーダイオードに画像信号を送
り、光のON−OFFによって感光体に潜像を形成す
る。感光体に潜像(表面電位の高低)が形成されると、感
光体は、予め帯電された着色粉体であるトナー(直径が
5μm〜15μm程度)によって顕像化される。
【0004】トナーは感光体の表面電位の高低に従って
感光体表面に付着し、その後、複写用紙に電気的に転写
される。即ち、トナーは予め正または負に帯電してお
り、複写用紙の背面からトナー極性と反対の極性の電荷
を付与して電気的に吸引する。転写時には感光体上の全
てのトナーが複写用紙に移るのではなく、一部は感光体
上に残留する。この残留トナーはクリーニング部でクリ
ーニングブレード等で掻き落とされ廃トナーとなる。
【0005】従来、電子写真方法としては、カスケード
現像法,タッチダウン現像法,ジャンピング現像法など
がある。その中で、感光体に直接現像剤を振りかける現
像法として、米国特許3105770号公報に示されるカスケ
ード現像が知られている。カスケード現像法は、電子写
真方法初の実用複写機に用いられた現像法である。
【0006】また現像ローラに交流バイアスを印加し、
一成分トナーを飛翔させて現像する方法として、米国特
許3866574号公報記載のものがある。この明細書に記載
の発明では、現像ローラに印加する交流バイアスはトナ
ーの動きを活性化する目的に用いられ、トナーは画像部
に飛翔し、非画像部では途中で舞い戻ると説明されてい
る。
【0007】さらに、この交流バイアスを印加する技術
を改良したものとして、特公昭63−42256号公報に示さ
れるジャンピング現像法がある。このジャンピング現像
法はトナーをトナー担持体に担持させ、トナー担持体上
に担持体と微小な間隙で剛性体または弾性体の規制ブレ
ードを設置し、その規制ブレードによりトナーを薄層に
規制し現像部まで運び、そこで交流バイアスにより感光
体の画像部にトナーを付着させる方法である。この特公
昭63−42256号公報の技術思想は、画像部および非画像
部においてトナーが往復運動するという点で、前述の米
国特許3866574号公報記載のものと異なるものである。
【0008】周知のようにこれらの電子写真方法に使用
される静電荷現像用のトナーは、一般的に次のように製
造される。樹脂成分,顔料もしくは染料からなる着色成
分、および可塑剤,磁性体,電荷制御剤等の成分を混合
し、加熱混練する。その後、粉砕機にて粉砕し、微粉を
分級することにより、所望の粒度のトナーを得る。さら
に、1種類または数種類の外添剤を外添し、トナーを作
製する。一般的に、外添剤として流動性を高める目的で
二酸化ケイ素微粒子(以下、シリカと称す)が使用され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、当技術
分野ではよく知られていることであるが、カスケード現
像法は、ベタ画像再現を苦手としていた。また、装置が
大型複雑化するという問題点を有していた。さらに米国
特許3866574号記載の現像器は、装置に高い精度が要求
され、複雑で高いコストがかかるという欠点を有してい
た。また、ジャンピング現像法はトナー層を担持したト
ナー担持体上に極めて均一な薄層を形成することが不可
欠であった。さらに、この方法ではしばしばトナー担持
体上のトナー薄層に前画像の履歴が残り画像に残像が現
れる、いわゆるスリーブゴースト現像が発生していた。
さらに装置が複雑でコストが高いという欠点もある。
【0010】現像部を小型高性能にした、本発明に使用
しようとする電子写真方法(特開平5−72890公報)は、
感光体に固定磁石を内包し、さらに感光体と所定の間隙
を設けて対向する位置に磁石を有する電極ローラから構
成される電子写真方法で、ベタ画像を忠実に再現し、ま
たスリーブゴーストも発生せず、より一層の装置の小型
化,簡素化,低コストが可能になる方法である。しか
し、反面、高画質化のために、より高性能化されたトナ
ー特性が要求される。
【0011】この電子写真方法特有の現象と考えられる
が、トナーを薄層に規制する規制ブレードを用いないた
め、トナーは層規制されずに感光体と電極ローラが回転
する現像場に飛び込んでくる。そのためトナーの帯電機
会がわずかで、いかに俊速にトナーの帯電性を上げられ
るかがポイントとなる。この帯電量に影響を与えている
のがトナーの流動性である。従来の一成分現像や二成分
現像で使用されているトナーの流動性のレベルでは、ベ
タ黒画像部や中間調画像部にむらが生じたり、また非画
像部に地かぶりが増加する傾向にある。流動性の低いト
ナーにこの現象が顕著に現れる。これは流動性の低いト
ナーでは帯電に必要な現像部材との接触確率が低く満足
な帯電量が得られないのと、トナー間で帯電にばらつき
が生じ、俊速なトナー帯電性が得られないためである。
【0012】流動性を向上させるためシリカを添加する
ことは特公昭41−16219号公報に提案されている。耐環
境性を向上するため疎水化されたシリカを添加し、疎水
化処理剤としては、ジメチルジクロロシラン,ヘキサメ
チルジシラザン等のシランカップリング剤が用いられて
いる。
【0013】しかし、単に疎水性シリカを添加するだけ
では、流動性は向上するが、これらの疎水性シリカは疎
水化処理を行っていないシリカに比べ二次凝集性が強い
ため、疎水性シリカの凝集体が発生しやすい。この疎水
性シリカ凝集体は、流動性を阻害したり、またそれが核
となり、クリーニングブレードの押圧力で感光体に打ち
込まれ傷が発生したり、その傷をトリガとした感光体上
へのトナーフィルミングが発生する。また、疎水性シリ
カ凝集体の浮遊物がベタ黒部に付着し、白点が発生する
問題がある。
【0014】そこでトナー母体にシリカを添加する場
合、シリカに解砕処理を施すことが提案されている。
【0015】特開昭57−179866号公報には解砕装置に撹
拌羽根を装備した混合機を用いる方法が提案されてい
る。これは撹拌羽根を高速回転させ、羽根によるせん断
力によりシリカを解砕するものである。
【0016】しかしながら、シリカをこのような混合機
で解砕する場合、シリカの比重が軽いため、羽根による
せん断力を受けずに槽内の空気流に浮遊懸架され続ける
ものが存在してしまう。したがって、均一な解砕が困難
であり、また解砕強度も弱いという欠点がある。
【0017】特開昭60−107036号公報には、シリカ微粉
末にジェット気流を作用せしめて、吹き飛ばす解砕処理
を施すことが提案されている。
【0018】しかしこの解砕処理では、空気を取り入れ
て、見かけのかさ密度を減少させるのには効果がある
が、単に空気を取り入れているだけで、シリカの2次凝
集体を解砕するには効果が少なく、大粒径のシリカ凝集
粒子が残ってしまう。したがって、かさ密度でシリカ解
砕度合いを特定するだけでは不十分である。
【0019】さらに本発明に係る電子写真方法では、現
像時に感光体全面にトナーを付着させるため、従来の電
子写真方法と比較して、トナーと感光体が長く接触する
構成である。そのためシリカ凝集体があるとフィルミン
グが発生しやすくなる。フィルミングが発生すると、帯
電した感光体を露光する際、表面電位が落ちにくくな
り、例えば反転現像ではベタ黒画像が白く抜ける画像欠
陥が生じる。
【0020】本発明は上記問題点に鑑み、より一層の小
型化,装置の簡素化,低コストが可能な電子写真方法を
実現し、高流動性を保持する磁性トナーにより高濃度で
低地かぶりの高画質を達成し、感光体へのトナーフィル
ミングの発生がなく、またベタ黒画像上に白点がなく、
長寿命化が図られる磁性トナーの製造方法とその製造装
置および電子写真方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、本発明の磁性トナーの製造方法とその製造装置およ
び電子写真方法は、少なくとも結着樹脂と磁性体と外添
剤とを有する磁性トナーであって、前記外添剤が、少な
くともシリカ微粒子から構成される。そして本発明の磁
性トナーの製造方法は、供給部から供給された二酸化ケ
イ素微粒子を超音速噴射ノズルからの圧縮空気により加
速し、粉砕室に設けられた衝突板に超高速衝突させて解
砕することにより、解砕後の前記二酸化ケイ素微粒子
は、静かさ密度が0.1g/cc以下、重量平均粒径が5.0μ
m以下、重量粒度分布の10.0μm以上が20重量%以下、個
数粒度分布の10.0μm以上が1.0個数%以下に解砕処理を
施すことを特徴とする。
【0022】さらに、上記磁性トナーの製造方法におい
て、圧縮空気の圧力は1.0〜10.0kg/cm2・Gであり、さ
らにシリカ微粒子は磁性トナー100重量部に対して0.01
〜5.0重量部含有し、さらに磁性体は磁性トナー母体微
粒子重量に対して15〜70重量%含有し、さらにシリカ微
粒子は一般式(化2)で示される処理剤によって表面処理
された疎水性シリカ微粒子である。
【0023】
【化2】
【0024】また本発明の磁性トナーの製造装置は、磁
性トナーが少なくとも結着樹脂,磁性体,外添剤から構
成され、前記外添剤が少なくとも二酸化ケイ素微粒子か
らなり、前記二酸化ケイ素微粒子を粉砕室に供給する供
給部と、前記二酸化ケイ素微粒子を解砕する粉砕室と、
前記粉砕室内において前記二酸化ケイ素微粒子を圧縮空
気により加速する超音速噴射ノズルと、前記超音速噴射
ノズルで加速された前記二酸化ケイ素微粒子を超高速衝
突させ解砕させる前記粉砕室内に設けられた衝突板とを
有することを特徴とする。
【0025】さらに上記磁性トナーの製造装置おいて、
圧縮空気の圧力は、1.0〜10.0kg/cm2・Gである。
【0026】また、本発明の電子写真方法は、固定磁石
を内包し移動する静電潜像保持体と、前記静電潜像保持
体の表面と所定の間隙を有した位置に設置された内部に
磁石を有する電極ローラとで、トナー溜めから供給され
る磁性トナーを前記静電潜像保持体に内包した固定磁石
により磁気的に吸引して、前記静電潜像保持体の表面に
静電潜像を形成する現像工程と、前記静電潜像保持体上
の静電潜像を可視像化したトナー像を静電力で転写材に
移す転写工程と、転写時に一部前記静電潜像保持体に残
留する前記磁性トナーを前記静電潜像保持体から除去す
るクリーニング工程とを少なくとも有する電子写真方法
であって、 前記磁性トナーが少なくとも結着樹脂と磁
性体と外添剤とを有し、前記外添剤が少なくとも二酸化
ケイ素微粒子からなり、前記二酸化ケイ素微粒子を粉砕
室に供給する供給部と、前記二酸化ケイ素微粒子を解砕
する粉砕室と、前記粉砕室内において前記二酸化ケイ素
微粒子を圧縮空気により加速する超音速噴射ノズルと、
前記超音速噴射ノズルで加速された前記二酸化ケイ素微
粒子を超音速衝突させ解砕させる前記粉砕室内に設けら
れた衝突板とでなる解砕手段により、解砕後の前記二酸
化ケイ素微粒子は静かさ密度が0.1g/cc以下、重量平
均粒径が5.0μm以下、重量粒度分布の10.0μm以上が20
重量%以下、個数粒度分布の10.0μm以上が1.0個数%以
下に解砕処理を施された前記二酸化ケイ素微粒子を、前
記結着樹脂と前記磁性体からなる磁性トナー母体粒子
に、外添処理した磁性トナーを用いることを特徴とす
る。
【0027】さらに圧縮空気の圧力は、1.0〜10.0kg/c
m2・Gで解砕処理を施すシリカを含有する磁性トナーを
用い、さらに前記二酸化ケイ素微粒子は、磁性トナー10
0重量部に対して、0.01〜5.0重量部含有する磁性トナー
を用い、さらに磁性体は磁性トナー母体粒子重量に対し
て15〜70重量%含有する磁性トナーを用い、さらに前記
二酸化ケイ素微粒子は、一般式(化2)で示される処理剤
によって表面処理された疎水性二酸化ケイ素微粒子であ
る磁性トナーを用いる。
【0028】
【作用】本発明の磁性トナーの製造方法およびその製造
装置では、シリカ微粒子を圧縮空気によるジェット気流
により分散させながら超音速に加速し、衝突板に超高速
衝突させるため、衝突確率が高く、二次凝集体を残すこ
となく均一で一次粒子付近まで解砕することができる。
そのため、疎水性シリカ微粒子凝集体が感光体に傷を与
えたり、またその傷を核として、感光体上にトナーフィ
ルミングが発生することを防止でき、そのため長期連続
使用しても安定した画像が得られる。
【0029】本発明のシリカ微粒子は大粒径の凝集体が
存在しないため、ベタ黒画像を出力しても、シリカ凝集
体に起因する白点が存在しない。また、本発明のシリカ
微粒子は、特定の静かさ密度と粒径、粒度分布を持つた
め磁性トナー母体に対し、均一に混合することができ
る。
【0030】また、本発明に係る電子写真方法では、固
定磁石を内包する静電潜像保持体を用い、静電潜像を形
成した静電潜像保持体に磁性トナーを振りかけ磁気的に
付着させ、電極ローラまで担持搬送し、電極ローラに交
流バイアスを印加し、静電潜像保持体の非画像部磁性ト
ナーを静電力と磁力によって除去する。すなわち、本発
明はカスケード現像法に、静電潜像保持体内部に磁石を
設置、電極に交流電圧印加し、より小型高性能化したも
のである。
【0031】本発明では、最初に磁性トナーが静電潜像
保持体に振りかけられたときに現像はほとんど終了して
いる。電極ローラは磁性トナーをトナー溜め内で循環さ
せると同時に、静電潜像の非画像部の磁性トナーを回収
している。すなわち、磁性トナーをトナー溜めから現像
部まで担持し運ぶのは静電潜像保持体である。電極ロー
ラはトナー層を担持しない裸の面が静電潜像保持体に対
向する。電極ローラと静電潜像保持体は逆方向回転であ
る。
【0032】本発明に係る電子写真方法に用いる磁性ト
ナーは、特に絶縁性一成分トナーが好ましい。一成分ト
ナーを用いると、二成分現像で必要なキャリアとトナー
との混合撹拌機構やトナー濃度制御が不必要になるため
装置構成が簡略化できる。
【0033】本発明に係る電子写真方法は一度静電潜像
保持体の全面に磁性トナーを付着させ、後に電極ローラ
により静電力と磁力により非画像部の磁性トナーを除去
する。そのためこの方法では磁性トナーの帯電特性,流
動性が強く画像特性に影響する。流動性が悪いと非画像
部の磁性トナーが静電潜像保持体に強く付着し、除去で
きず地かぶりとなって画像を劣化させるし、また静電潜
像保持体の全面に磁性トナーを付着させるときベタ画像
にむらが発生することがわかった。
【0034】流動性低下の要因に、シリカを外添する際
の大粒径の二次凝集体が関与していることが判明した。
凝集体等の大粒径シリカが存在していると、流動性を低
下させ、画像を劣化させる。そのため本発明のシリカ微
粒子を用いることにより、凝集した大粒径シリカが存在
しないため、磁性トナーの流動性,帯電性が向上し、良
好な画像が得られる。
【0035】また、現像時、磁性トナーを最初に感光体
全面に付着させる本発明の電子写真方法でも、感光体上
のトナーフィルミングはほとんど起こらない。
【0036】本発明に係る磁性トナーに用いる外添剤
は、静かさ密度が0.1g/cc以下であり、重量平均粒径
が5.0μm以下、重量粒度分布の10.0μm以上が20重量%
以下、個数粒度分布の10.0μm以上が1.0個数%以下のシ
リカ微粒子である。
【0037】静かさ密度が0.1g/cc以下であるため、
シリカの分散が良く、均一な外添処理を行うことができ
る。また、密度の高いシリカ凝集体が存在しないため、
フィルミングが発生せず、白点ノイズも存在しない。
【0038】重量平均粒径が5.0μm以下であるため、大
粒径のシリカ凝集体が存在せず、フィルミングも発生し
ない。
【0039】重量粒度分布の10.0μm以上のシリカ粒子
が20重量%以下であるため、飛び抜けて大きなシリカ粒
子は存在せず、比較的小さなシリカ粒子となっている。
つまり大粒径のシリカ凝集体が存在せず、白点ノイズも
存在しない。また、フィルミングも発生しない。
【0040】個数粒度分布の10.0μm以上のシリカ粒子
が1.0個数%以下であるため、比較的大きなシリカ粒子
の個数が少ない。つまり大粒径のシリカ凝集体が少な
く、フィルミングも発生しない。
【0041】静かさ密度が0.1g/cc以上になると、分
散が悪くなり均一な外添処理が行われなくなる。また、
密度の高いシリカ凝集体によりフィルミングが発生しや
すくなる。
【0042】重量平均粒径が1.0μm以下になると、付着
性が強く均一な外添処理が行われなくなり、地かぶりの
発生が増える。
【0043】重量平均粒径が5.0μm以上になると、シリ
カ凝集体が目立ち、ベタ黒画像上の白点ノイズが見ら
れ、フィルミングが顕著に発生する。
【0044】重量粒度分布の10μm以上が20重量%以上
になると、ベタ黒画像上に比較的大面積の白点ノイズが
発生し、フィルミングが発生しやすくなる。
【0045】個数粒度分布の10μm以上が1.0%個数以上
になると、ベタ黒画像上に比較的多数の白点ノイズが発
生し、フィルミングが発生しやすくなる。
【0046】また、シリカの粒度分布は、従来知られて
いる各種の粒度分布測定装置を利用できる。最も好まし
いのは、粒子を導電性の液に分散し、粒子が細孔を通過
する際に生ずる液体の電気抵抗変化を増幅して粒子の数
と体積を測定する装置で、商品名としてコールターカウ
ンタ(日科機(株)製)として市販される装置である。粒子
は、予め5重量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液中
に分散し、その後、0.1%程度の食塩水中において、70
μmのアパーチャーを用いて測定される。このとき測定
されるのは、すべてシリカの一次粒子径ではなく、いく
つかのシリカ微粒子が凝集した二次粒子径も含まれる。
【0047】シリカの添加量は磁性トナー100重量部に
対して0.01〜5.0重量部が好ましい。
【0048】シリカの添加量が0.01重量部以下である
と、流動性が低くなり、ベタ黒画像部や中間調画像部に
むらが生じ、かぶりの多い画像となる。
【0049】シリカの添加量が5.0重量部以上になる
と、遊離しているシリカ凝集体が目立つようになり、ベ
タ黒画像上の白点ノイズが増加し、フィルミングが顕著
に発生する。
【0050】
【実施例】本発明に係る磁性トナーは、少なくとも結着
樹脂,磁性体,外添剤から構成される。
【0051】本発明に係る磁性トナーの製造方法として
は公知の方法が用いられる。混合,混練,粉砕,外添,
分級処理が行われる。混合は、結着樹脂,磁性体と、そ
の他必要に応じて添加される電荷制御剤,離型剤,顔料
等の内添剤を撹拌羽根を具備したミキサ等により均一分
散する工程で、公知の処理方法が用いられる。そして混
合された材料を加熱してせん断力により結着樹脂に内添
剤を分散させる工程が混練である。このときの混練とし
ては公知の加熱混練機を用いて行うことができる。
【0052】加熱混練機としては、三本ロール型,一軸
スクリュー型,二軸スクリュー型,バンバリーミキサ型
等の混練物を加熱してせん断力をかけて練る装置を使用
することができる。その塊をカッターミル等で粗粉砕
し、その後、ジェットミル粉砕機等で細かく砕く粉砕、
さらに必要に応じて気流式分級機で微粉粒子がカットさ
れ、所望の粒度分布を得る分級と続く。機械式による粉
砕,分級も可能である。例えば、固定したステータに対
して回転するローラとの微小な空隙にトナーを投入し、
粉砕する方法がある。また、分級でも回転するローター
により遠心力で分級する方法もある、いずれも公知の方
法が用いられる。
【0053】これによって得られた磁性トナー母体微粒
子に、以下の処理で解砕されたシリカ微粒子を外添処理
する。外添処理はミキサ等の公知の撹拌混合方法が用い
られる。
【0054】シリカの解砕は超音速ジェット粉砕機であ
るジェットミル等で行う。
【0055】図1は本発明の磁性トナーの製造方法にか
かるシリカ解砕装置の構造を示す図であり、(1)は全体
図、(2)は全体図(1)のA部の拡大図である。これはジェ
ットミルの場合の一例を示す。図中の1は試料供給部、
2は排気、3は二次エアー、4は製品排出口、5は圧縮
空気、6は超音速ノズル、7は粉砕室、8は衝突板、9
は試料である。
【0056】このように構成されたジェットミルの動作
を説明すると、圧縮空気5を矢印a方向から超音速ノズ
ル6に供給することによりジェット気流が発生する。試
料供給部1から供給された試料9は、ジェット気流によ
り加速され、粉砕室7中の衝突板8に矢印b方向から超
高速衝突することにより解砕される。この解砕された試
料9は、矢印c方向からの二次エアー3により微粉と粗
分に分散され、希望の粒径のものは製品排出口4を通っ
て矢印d方向へ回収される。
【0057】本発明の目的は、シリカ微粒子を解砕する
ことにより、シリカ微粒子の二次粒子径を適切な大きさ
にすることである。したがって、解砕強度が弱いのは論
外であるが、シリカ微粒子の一次粒子を粉砕したり、表
面の疎水化処理を損傷するほど解砕強度が強くても、本
発明の目的は得られない。
【0058】このときの圧縮空気の圧力は1.0〜10.0kg
/cm2・Gであることが望ましい。圧縮空気が1.0kg/cm2
・G以下の場合は、希望の解砕強度を得ることができな
い。また、圧縮空気が10.0kg/cm2・G以上の場合、過粉
砕になり、シリカ微粒子の一次粒子まで粉砕してしま
う。
【0059】本発明に係る磁性トナーに添加するシリカ
微粒子には、無水二酸化ケイ素の他、ケイ酸アルミニウ
ム,ケイ酸ナトリウム,ケイ酸カリウム,ケイ酸マグネ
シウム,ケイ酸亜鉛などのケイ酸塩をいずれも適用でき
る。また、これらシリカ微粒子の表面を、熱,オイル,
有機物等で処理して用いてもよい。表面処理としては、
シリコーンオイル,ジメチルジクロロシラン,ヘキサメ
チルジシラザン,ジメチルシロキサン等の公知の処理方
法が疎水性,マイナス帯電性に有効な材料である。
【0060】特に好ましくは四塩化ケイ素を処理して得
られる疎水性シリカ微粒子にシリコーンオイルで表面処
理することにより得られるシリカ微粒子である。疎水化
度が高く、高帯電性が得られる材料である。シリカ微粒
子の表面処理は、混合方法や噴射方法等の公知の方法で
行うことができる。
【0061】本発明に係る磁性トナーに用いる結着樹脂
には、スチレンと、アクリル酸アルキルエステルおよび
メタクリル酸アルキルエステル等のビニル系単量体を重
合または共重合したビニル系重合体が使用できる。この
結着樹脂を構成する単量体のスチレンとしては、例え
ば、スチレン,α−メチルスチレン,P−クロルスチレ
ン等のスチレンおよびその置換体があり、アクリル酸ア
ルキルエステルとしては、例えば、アクリル酸,アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチル,ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸イ
ソブチル、アクリル酸ヘキシルがあり、またメタクリル
酸アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メ
チル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸ブチル,メタ
クリル酸オクチル,メタクリル酸イソブチル,メタクリ
ル酸ドデシル,メタクリル酸ヘキシルなどの二重結合を
有するモノカルボン酸およびその置換体等がある。
【0062】この共重合体を用いるときは、スチレン系
成分を50〜95重量%含むことが好ましい。スチレンの割
合が50重量%未満であると、トナーの溶融特性が劣り、
トナーの定着性が不十分になり、粉砕性が悪化する。
【0063】これらの共重合体の製造には、塊状重合,
溶液重合,懸濁重合,乳化重合などの公知の重合法が用
いられる。
【0064】また、結着樹脂には、このような主要成分
以外に、必要に応じて、ポリエステル系樹脂,エポキシ
系樹脂,ポリウレタン系樹脂等、他の公知の重合体ある
いは共重合体を使用することもできる。
【0065】さらに本発明に係る磁性トナーは磁性体が
配合される。磁性粉としては、鉄,マンガン,ニッケ
ル,コバルト等の金属粉末や、鉄,マンガン,ニッケ
ル,コバルト,亜鉛等のフェライト等がある。粉体の平
均粒径は1μm以下、特に好ましくは0.6μm以下が好ま
しい。添加量は磁性トナー母体粒子重量に対して15〜70
重量%を含有する磁性トナーを用いることが好ましい。
添加量が15重量%以下ではトナー飛散が増加する傾向に
あり、70重量%以上ではトナーの帯電量が低下する傾向
にあり、画質の劣化を引き起こす傾向にある。
【0066】また本発明に係る磁性トナーには、必要に
応じて着色・電荷制御の目的で適切な顔料または染料が
配合される。そのような顔料または染料としては、カー
ボンブラック,鉄黒,グラファイト,ニグロシン,アゾ
染料の金属錯体,フタロシアニンブルー,セルコオイル
ブルー,デュポンオイルレッド,アニリンブルー,ベン
ジジンイエロー,ローズベンガルやこれら等の混合物が
あり、電荷量,着色に必要な量が配合される。
【0067】さらに、本発明に係る磁性トナーは必要に
応じて離型剤がさらに配合される。さらに必要に応じて
他の種類の添加剤を配合せしめることができる。例え
ば、酸化スズ,チタン酸ストロンチウム,タングステン
カーバイド等の研磨剤である。有機材料の微粒子も流動
性補助剤,帯電補助剤,クリーニング補助剤等の目的で
必要に応じて添加される。
【0068】次に、本発明の電子写真方法について図面
を参照しながら説明する。
【0069】図2は本発明の電子写真方法を実施した一
実施例における電子写真装置の主要部の構成を示す断面
図である。この装置の現像方式は一成分方式を用いてい
る。構成要素として、10は有機感光体(以下、感光体と
いう)で、アルミニウムの導電性支持体上にポリビニル
ブチラール樹脂(積水化学製 エレックBL−1)にτ型
無金属フタロシアニン(東洋インキ製)の電荷発生物質を
分散した電荷発生層と、ポリカーボネート樹脂(三菱ガ
ス化学製 Z−200)と、1,1−ビス(P−ジエチルアミ
ノフェニル)−4,4−ジフェニル−1,3−ブタジエ
ン(アナンj製T−405)を含む電荷輸送層を順次積層し
た構成のものである。11は感光体10と同軸で固定された
磁石、12は感光体10をマイナスに帯電するコロナ帯電
器、13は感光体10の帯電電位を制御するグリッド電極、
14は信号光、15は信号光14より下流側に配置されたトナ
ー溜め、16はトナー溜め15内に溜められた磁性一成分ト
ナー(以下、トナーという)、17はトナー溜め15の下流側
に感光体10とギャップを開けて設定した非磁性電極ロー
ラ(以下、電極ローラという)、18は電極ローラ17の内部
に設置された磁石、19は電極ローラ17に電圧を印加する
交流高圧電源、20は電極ローラ17上のトナーを掻き落と
すポリエステルフィルム製のスクレーパ、21は感光体10
上のトナー像を紙に転写する転写コロナ帯電器である。
【0070】22は、トナー溜め15内でのトナーの流れを
スムーズにし、またトナーが自重で押しつぶされ、感光
体10と電極ローラ17との間でのつまりが発生するのを防
止するためのダンパ、23はトナー像を転写する転写紙、
24は転写されずに感光体10に残った廃トナー、25は感光
体10上の廃トナー24を掻き落とすためのクリーニングブ
レード、26は廃トナー24を溜めておく廃トナーボックス
である。
【0071】なお感光体10表面での磁束密度は600Gsで
ある。電極ローラ17内部の磁力の方を強くして搬送性を
向上させた。また、図中に示す磁石11の磁極角θは15度
に設定した。感光体10の直径は30mmで、周速60mm/sで
図中の矢印eの方向に回転させ用いた。電極ローラ17の
直径は16mmで、周速40mm/sで感光体10の進行方向とは
逆方向(図中の矢印f方向)に回転させ用いた。感光体10
と電極ローラ17とのギャップは300μmに設定した。
【0072】上記各構成要素よりなる電子写真装置の動
作について、以下説明する。感光体10をコロナ帯電器12
(印加電圧−4.5kV、グリッド電極13の電圧−500V)で−
500Vに帯電させた。この感光体10に信号光14を照射し
静電潜像を形成した。このとき、感光体10の露光電位は
−90Vであった。この感光体10表面上に、トナー16をト
ナー溜め15内で磁石により付着させた。
【0073】次に感光体10を電極ローラ17の前を通過さ
せた。感光体10の未帯電域の通過時には、電極ローラ17
には交流高圧電源19により、0Vの直流電圧を重畳した
750V0-p(ピーク・ツー・ピーク 1.5kV)の交流電圧(周
波数1kHz)を印加した。その後、−500Vに帯電し静電
潜像が書き込まれた感光体10の通過時には、電極ローラ
17には交流高圧電源19により、−350Vの直流電圧を重
畳した750V0-p(ピーク・ツー・ピーク 1.5kV)の交流電
圧(周波数1kHz)を印加した。すると、感光体10の帯電
部分に付着したトナー16は電極ローラ17に回収され、感
光体10上には画像部のみのネガポジ反転したトナー像が
残った。
【0074】次に矢印f方向に回転する電極ローラ17に
付着したトナー16は、スクレーパ20よって掻き取られ回
収される。こうして感光体10上に得られたトナー像を、
転写紙23に、転写コロナ帯電器21によって転写した後、
定着器(図示せず)により熱定着して複写画像が得られ
る。転写されずに感光体10に残った廃トナー24は、クリ
ーニングブレード25により感光体10からはぎ落とされ、
廃トナーボックス26に保存される。
【0075】次にトナー16の材料組成および製造方法を
述べる。実施例中の部数はすべて重量(wt)%である。シ
リカの添加量のみ磁性トナー100重量部に対する重量部
で示している。また実施例中のモノマー比はすべて重量
%である。
【0076】(実施例1)実施例1で使用されるトナーa
1の材料組成を(表1)に示す。
【0077】
【表1】
【0078】(表1)に示した混合物をヘンシェルミキサ
FM20B(三井三池化工機(株)製)にて混合し、その混合
物を二軸混練押出機PCM30(池貝鉄工社製)にて加熱混
練し、ジェットミル粉砕機IDS−2型(日本ニューマ
チック工業(株)製)にて微粉砕を行い、その後、気流分
級機DS−2型(日本ニューマチック工業(株)製)にて微
粉をカットし、平均粒径8μmの磁性トナー母体粒子が
得られた。その後、外添処理として上記によってできた
磁性トナー母体粒子とジェットミル粉砕機IDS−2型
(日本ニューマチック工業(株)製)を用い、空気圧力6.0k
g/cm2・G、供給速度500g/hの条件で解砕したジメチ
ルシリコーンオイルで処理された疎水性シリカを、ヘン
シェルミキサFM20B(三井三池化工機(株)製)にて混合
し外添処理した。解砕したシリカの物性は(表2)に示
す。
【0079】
【表2】
【0080】これを本発明に提示された電子写真方法で
複写テストを10,000枚行い、画像濃度を反射濃度計(マ
クベス社)で測定し、評価を行った。その結果、横線の
乱れやトナーの飛び散りなどがなくベタが均一で、濃度
が1.4の16本/mmの画線をも再現した極めて高解像度高
画質の画像が得られた。初期画像において反射濃度1.4
の高濃度の画像が得られ、ベタ黒画像上の白点も見られ
なかった。
【0081】またトナーの流動性も高く、高い電荷量を
維持し、感光体上にフィルミングの発生は起こっていな
い。
【0082】(表3)に各トナーの複写テストで、A4ベ
タ黒画像上に目視により確認できた白点の個数およびト
ナーの静かさ密度を示す。
【0083】
【表3】
【0084】(実施例2)実施例1と同様の材料組成で磁
性トナー母体粒子を作製し、その後、外添処理としてジ
ェットミル粉砕機IDS−2型(日本ニューマチック工
業(株)製)を用い、空気圧力4.0kg/cm2・G、供給速度30
0g/hの条件で解砕した疎水性シリカを、実施例1と
同様の外添処理でトナーa2を作製した。解砕したシリ
カの物性は(表2)に示す。
【0085】これを本発明に提示された電子写真方法で
複写テストを10,000枚行い、画像濃度を反射濃度計(マ
クベス社)で測定し、評価を行った。その結果、横線の
乱れやトナーの飛び散りなどがなくベタが均一で、濃度
が1.4の16本/mmの画線をも再現した極めて高解像度高
画質の画像が得られた。初期画像において反射濃度1.4
の高濃度の画像が得られ、ベタ黒画像上の白点も見られ
なかった。
【0086】また流動性も高く、高い電荷量を維持し、
感光体上にフィルミングの発生は起こっていない。
【0087】また、A4ベタ黒画像上で目視により確認
できた白点ノイズはなかった。
【0088】(比較例1)実施例1と同様の材料組成で、
磁性トナー母体粒子を作製し、その後、外添処理として
磁性トナー母体粒子と、ヘンシェルミキサFM20B(三
井三池化工機(株)製)を用い、投入量200g、回転数2700
rpmの条件で解砕した疎水性シリカを、実施例1と同様
の外添処理でトナーb1を製作した。解砕したシリカの
物性は(表2)に示す。
【0089】複写テストの結果、地かぶりが多く、中間
調の画像にむらが多く発生した。
【0090】また、(表3)に示すとおり、ベタ黒画像上
に白点が多く見受けられた。また、トナーa1と比較し
て流動性も低いものとなった。
【0091】(比較例2)実施例1と同様の材料組成で、
磁性トナー母体粒子を作製し、その後、外添処理として
磁性トナー母体粒子と、スーパーミキサSM20(川田製
作所(株)製)を用い、投入量200g、回転数2000rpmの条
件で解砕した疎水性シリカを、実施例1と同様の外添処
理でトナーb2を製作した。解砕したシリカの物性は(表
2)に示した。
【0092】その結果、浮遊シリカ凝集体による有機感
光体フィルミングが3,000枚から発生した。また、帯電
量分布が不均一になり、むら,地かぶりの多い低品位な
画像になった。また、(表3)に示すとおりベタ黒画像上
の白点も少し見受けられた。
【0093】(比較例3)実施例1と同様の材料組成で、
トナー母体微粒子を作製し、その後、解砕処理を行って
いない疎水性シリカを、実施例1と同様の外添処理でト
ナーb3を製作した。解砕したシリカの物性は(表2)に
示す。
【0094】その結果、浮遊シリカ微粒子による感光体
フィルミングが1,500枚から発生した。また、帯電量分
布が不均一になり、むら,地かぶりの多い低品位な画像
になった。また、(表3)に示すとおりベタ黒画像上の白
点も数多く見受けられ、流動性も低かった。
【0095】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁性トナーの製造方法およびその製造装置では、シリ
カ微粒子を圧縮空気によるジェット気流により分散させ
ながら超音速に加速し、衝突板に超高速衝突させるた
め、衝突確率が高く、二次凝集体を残すことなく均一で
一次粒子付近まで解砕することができる。そのため、疎
水性シリカ微粒子凝集体が感光体に傷を与えたり、また
その傷を核として、感光体上にトナーフィルミングが発
生することを防止でき、そのため長期連続使用しても安
定した画像が得られる。
【0096】本発明のシリカ微粒子は大粒径の凝集体が
存在しないため、ベタ黒画像を出力しても、シリカ凝集
体に起因する白点が存在しない。また、本発明のシリカ
微粒子は、特定の静かさ密度と粒径,粒度分布を持つた
め磁性トナー母体に対し、均一に混合することができ
る。
【0097】また、本発明に係る電子写真方法では、固
定磁石を内包する静電潜像保持体を用い、静電潜像を形
成した静電潜像保持体に磁性トナーを振りかけ磁気的に
付着させ、電極ローラ部まで担持搬送し、電極ローラに
交流バイアスを印加し、静電潜像保持体の非画像部トナ
ーを静電力と磁力によって除去する。すなわち本発明は
カスケード現像法に、静電潜像保持体内部に磁石を設
置、電極に交流電圧印加し、より小型高性能化したもの
である。
【0098】本発明に係る電子写真方法に用いる磁性ト
ナーは、特に絶縁性一成分トナーが好ましい。一成分ト
ナーを用いると二成分現像で必要なキャリアとトナーと
の混合撹拌機構やトナー濃度制御が不必要になるため装
置構成が簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁性トナーの製造方法に係るシリカ解
砕装置の構造を示す図である。
【図2】本発明の電子写真方法を実施した電子写真装置
の主要部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…試料供給部、 2…排気、 3…二次エアー、 4
…製品排出口、 5…圧縮空気、 6…超音速ノズル、
7…粉砕室、 8…衝突板、 9…試料、 10…有機
感光体、 11…感光体に内包された固定磁石、 12…コ
ロナ帯電器、 13…グリッド電極、 14…信号光、 15
…トナー溜め、 16…磁性一成分トナー、17…非磁性電
極ローラ、 18…電極ローラ内部に設置された磁石、
20…スクレーパ、 21…転写コロナ帯電器、 22…ダン
パ、 23…転写紙、 24…廃トナー、 25…クリーニン
グブレード、 26…廃トナーボックス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/08 507 L G03G 9/08 371 375 (72)発明者 廣田 典昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 細江 恒司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性トナーが少なくとも結着樹脂,磁性
    体,外添剤から構成され、前記外添剤が少なくとも二酸
    化ケイ素微粒子からなり、供給部から供給された前記二
    酸化ケイ素微粒子を超音速噴射ノズルからの圧縮空気に
    より加速し、粉砕室に設けられた衝突板に超高速衝突さ
    せて解砕することにより、解砕後の前記二酸化ケイ素微
    粒子は、静かさ密度が0.1g/cc以下、重量平均粒径が
    5.0μm以下、重量粒度分布の10.0μm以上が20重量%以
    下、個数粒度分布の10.0μm以上が1.0個数%以下に解砕
    処理を施すことを特徴とする磁性トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記圧縮空気の圧力は1.0〜10.0kg/cm2
    ・Gであることを特徴とする請求項1記載の磁性トナー
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記二酸化ケイ素微粒子は、磁性トナー
    100重量部に対して0.01〜5.0重量部含有することを特徴
    とする請求項1記載の磁性トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】 磁性体は、磁性トナー母体微粒子重量に
    対して15〜70重量%含有することを特徴とする請求項1
    記載の磁性トナーの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記二酸化ケイ素微粒子は、一般式(化
    1)で示される処理剤によって表面処理された疎水性二
    酸化ケイ素微粒子であることを特徴とする請求項1記載
    の磁性トナーの製造方法。 【化1】
  6. 【請求項6】 磁性トナーが少なくとも結着樹脂,磁性
    体,外添剤から構成され、前記外添剤が少なくとも二酸
    化ケイ素微粒子からなり、前記二酸化ケイ素微粒子を粉
    砕室に供給する供給部と、前記二酸化ケイ素微粒子を解
    砕する粉砕室と、前記粉砕室内において前記二酸化ケイ
    素微粒子を圧縮空気により加速する超音速噴射ノズル
    と、前記超音速噴射ノズルで加速された前記二酸化ケイ
    素微粒子を超高速衝突させ解砕させる前記粉砕室内に設
    けられた衝突板とを有することを特徴とする磁性トナー
    の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記圧縮空気の圧力は、1.0〜10.0kg/c
    m2・Gであることを特徴とする請求項6記載の磁性トナ
    ーの製造装置。
  8. 【請求項8】 固定磁石を内包し移動する静電潜像保持
    体と、前記静電潜像保持体の表面と所定の間隙を有した
    位置に設置された内部に磁石を有する電極ローラとで、
    トナー溜めから供給される磁性トナーを前記静電潜像保
    持体に内包した固定磁石により磁気的に吸引して、前記
    静電潜像保持体の表面に静電潜像を形成する現像工程
    と、 前記静電潜像保持体上の静電潜像を可視像化したトナー
    像を静電力で転写材に移す転写工程と、 転写時に一部前記静電潜像保持体に残留する前記磁性ト
    ナーを前記静電潜像保持体から除去するクリーニング工
    程とを少なくとも有する電子写真方法であって、 前記
    磁性トナーが少なくとも結着樹脂と磁性体と外添剤とを
    有し、前記外添剤が少なくとも二酸化ケイ素微粒子から
    なり、 前記二酸化ケイ素微粒子を粉砕室に供給する供給部と、
    前記二酸化ケイ素微粒子を解砕する粉砕室と、前記粉砕
    室内において前記二酸化ケイ素微粒子を圧縮空気により
    加速する超音速噴射ノズルと、前記超音速噴射ノズルで
    加速された前記二酸化ケイ素微粒子を超音速衝突させ解
    砕させる前記粉砕室内に設けられた衝突板とでなる解砕
    手段により、解砕後の前記二酸化ケイ素微粒子は静かさ
    密度が0.1g/cc以下、重量平均粒径が5.0μm以下、重
    量粒度分布の10.0μm以上が20重量%以下、個数粒度分
    布の10.0μm以上が1.0個数%以下に解砕処理を施された
    前記二酸化ケイ素微粒子を、前記結着樹脂と前記磁性体
    からなる磁性トナー母体粒子に、外添処理した磁性トナ
    ーを用いることを特徴とする電子写真方法。
  9. 【請求項9】 圧縮空気の圧力は1.0〜10.0kg/cm2・G
    で解砕処理を施すシリカを含有する磁性トナーを用いる
    ことを特徴とする請求項8記載の電子写真方法。
  10. 【請求項10】 前記二酸化ケイ素微粒子は、磁性トナ
    ー100重量部に対して、0.01〜5.0重量部含有する磁性ト
    ナーを用いることを特徴とする請求項8記載の電子写真
    方法。
  11. 【請求項11】 磁性体は、磁性トナー母体粒子重量に
    対して15〜70重量%含有する磁性トナーを用いることを
    特徴とする請求項8記載の電子写真方法。
  12. 【請求項12】 前記二酸化ケイ素微粒子は、一般式
    (化1)で示される処理剤によって表面処理された疎水性
    二酸化ケイ素微粒子である磁性トナーを用いることを特
    徴とする請求項8記載の電子写真方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1086748A1 (en) 1999-09-08 2001-03-28 Vishnu Co.,Ltd. Jet mill
WO2001042372A1 (en) 1999-12-08 2001-06-14 Nippon Aerosil Co., Ltd. Fine metal oxide powder having high dispersibility and toner composition comprising the same
WO2009123329A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 キヤノン株式会社 トナー及び画像形成方法

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