JPWO2009119433A1 - 無鉛ガラス及び無鉛ガラスセラミックス用組成物 - Google Patents
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Abstract
無機フィラーと混合して低温焼成基板の作製に使用するのに適した,生産容易な無鉛ガラス,及び当該ガラスと無機フィラーよりなる,Ag系導体と低温同時焼成可能で焼成時の急激な熱収縮が防止でき寸法精度の高い燒結体を与える組成物が開示されている。当該組成物は,SiO2を50〜70重量%,B2O3を10〜20重量%,Al2O3を0.1〜5重量%,CaOを10〜20重量%,Li2O,Na2O及びK2Oより選ばれる1種以上を総量で1〜8重量%,及びTiO2及びZrO2より選ばれる1種以上を総量で0.5〜6重量%含有してなる無鉛ガラス,並びに該無鉛ガラスの粉末40〜60重量%と無機フィラー粉末60〜40重量%とを含んでなる,無鉛ガラスセラミックス用組成物である。
Description
本発明は,電気抵抗の低い銀(Ag)系導体と同時焼成することのできる低温焼成基板用材料として好適な,無鉛ガラスセラミックス用組成物に関する。本発明により得られる低温焼成基板は,限定されないが,例えば半導体素子やコイル(L),コンデンサー(C),抵抗(R)等の電子部品等を搭載することに特に好適である。
従来,コンピュータその他の民生電気・電子機器等に使用されるセラミックス基板材料としてはアルミナが一般的であった。アルミナは焼成温度が1500℃と高いため,基板との同時焼成用配線導体としては,これまでタングステン,モリブデン等の高融点金属材料が用いられてきた。しかしながら,これらの高融点金属材料には電気抵抗が比較的高いという欠点があることから,より電気抵抗の低い導体として,Ag系の金属材料の使用が望まれるに至っている。然るに,モリブデン等の高融点金属に比してAg系の金属材料は,融点が大幅に低いことから,アルミナベースの高温焼成基板とは同時焼成ができない。このため,より低い焼成温度,特に,Ag系の金属材料との同時焼成を可能にする約850℃〜1050℃程度の温度で焼成して燒結体を得ることができるよう,低温焼成ガラスセラミックス用組成物が種々提案されている。
この種の低温で焼成できるガラスセラミックス用組成物としては,例えば特許文献1に記載されているような,鉛含有ガラスとアルミナ粉末とが混合されたものが広く使用されている。しかしながら,これらのガラスセラミックス用組成物は鉛を含有しているため,環境汚染の原因になるという問題があった。
また,硼珪酸ガラスをベースとしたガラスとアルミナ粉末との混合粉末からなるガラスセラミックス用組成物も,Ag系金属導体と同時焼成可能なものとして広く知られている。
特許文献2、3には,CaO+MgOを10〜55重量%,Al2O3を0〜30重量%,SiO2を45〜75重量%,B2O3を0〜30重量%含んでなるガラス粉末にアルミナ粉末を混合して得られるガラスセラミックス用組成物が開示されている。しかしながら当該組成物は,焼成に際して結晶化の制御が困難であった。その原因としては,ガラスに結晶核材を含有させていないことが考えられる。
更に,特許文献4にはガラスセラミックスがガラス粉末とアルミナ粉末を混合してなり,アノーサイト結晶を含み,かつ酸化物換算表記に従ったとき,SiO2を20〜50重量%,B2O3を3〜15重量%,Al2O3を30〜60重量%,CaOを4.5〜15重量%,Li2O+Na2O+K2Oを0〜5重量%,MgO+BaO+ZnOを0〜5重量%,TiO2+ZrO2を0〜5重量%含有することを特徴とするガラスセラミックス用組成物が開示されている。しかしながら,当該文献には,Al2O3を構成成分として含まないガラス粉末を使用したガラスセラミックス用組成物の実施例しか開示されていない。Al2O3を構成成分として含まないこのようなガラスを作製する場合,分相や局所的な結晶化などの不均一が発生し易く,また液相温度と結晶化温度にあまり差がないために,溶融したガラスを取り出す時に早く結晶化が進行して流し出し不能になるなどの問題がある。このためそのようなガラスは,連続生産や大量生産に適さなかった。また、同文献に記載のガラスセラミックス用組成物は,不安定で結晶化しやすいために,焼成時に結晶化が急激に進み,ガラスセラミックス用組成物の焼成収縮挙動も急激に起こり,焼成後に反りが発生し易く、得られる燒結体の寸法精度が悪くなる等の課題があった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり,本発明の第1の目的は,無機フィラーと混合して低温焼成基板の作製に使用するのに適した,有害な鉛を含まずしかも生産が容易な無鉛ガラスを提供することである。
また本発明の第2の目的は,そのような無鉛ガラスと無機フィラーとの混合物よりなり,850℃〜1000℃でAg系導体と同時焼成可能であり,焼成時に急激な熱収縮挙動の起こるのが防止できる,寸法精度の高い燒結体を与える無鉛ガラスセラミックス用組成物を提供することを目的とする。
また本発明の第2の目的は,そのような無鉛ガラスと無機フィラーとの混合物よりなり,850℃〜1000℃でAg系導体と同時焼成可能であり,焼成時に急激な熱収縮挙動の起こるのが防止できる,寸法精度の高い燒結体を与える無鉛ガラスセラミックス用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決のため研究を重ねた結果,そのような要求を満たすガラスセラミックス用組成物を見出し,本発明を完成させた。すなわち本発明は以下を提供する。
1.重量百分率でSiO2を50〜70重量%,B2O3を10〜20重量%,Al2O3を0.1〜5重量%,CaOを10〜20重量%,Li2O,Na2O及びK2Oをよりなる群より選ばれる1種以上のアルカリ金属酸化物を総量で1〜8重量%,及びTiO2及びZrO2よりなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物を総量で0.5〜6重量%含有してなる,無鉛ガラス。
2.MgO,SrO,BaO及びZnOよりなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物を,総量で5.0重量%以下含有してなる,上記1の無鉛ガラス。
3.無鉛ガラスセラミックス用ガラスである,上記1又は2の無鉛ガラス。
4.上記1又は2の無鉛ガラスよりなる粉末40〜60重量%と粉末の形の無機フィラー60〜40重量%とを含んでなる混合物である,無鉛ガラスセラミックス用組成物。
5.該無機フィラーが,チタニアとアルミナとの混合物を含んでなるものである,上記4の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
6.該無機フィラーが,α−石英,コージェライト,マグネシアスピネル,ジルコンから選ばれる少なくとも1種を更に含んでなるものである,上記5の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
7.該無機フィラーとしてチタニアを1〜10重量%含むものである,上記4ないし6の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物。
8.上記4ないし7の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物を焼成してなる燒結体。
2.MgO,SrO,BaO及びZnOよりなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物を,総量で5.0重量%以下含有してなる,上記1の無鉛ガラス。
3.無鉛ガラスセラミックス用ガラスである,上記1又は2の無鉛ガラス。
4.上記1又は2の無鉛ガラスよりなる粉末40〜60重量%と粉末の形の無機フィラー60〜40重量%とを含んでなる混合物である,無鉛ガラスセラミックス用組成物。
5.該無機フィラーが,チタニアとアルミナとの混合物を含んでなるものである,上記4の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
6.該無機フィラーが,α−石英,コージェライト,マグネシアスピネル,ジルコンから選ばれる少なくとも1種を更に含んでなるものである,上記5の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
7.該無機フィラーとしてチタニアを1〜10重量%含むものである,上記4ないし6の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物。
8.上記4ないし7の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物を焼成してなる燒結体。
上記構成になる本発明の無鉛ガラスは,無鉛ガラスセラミックス用組成物として焼成したとき高い結晶化を達成するに適したガラスでありながら,ガラス状態の安定化が向上しており,このため原料を溶融してガラスを作製する際における分相や局所的な結晶化などの不均一が発生し難く,製造が容易である。またこのガラスの粉末をセラミックス粉末と混合してなるガラスセラミックス用組成物は,約850℃〜1000℃で焼成できるため,Ag系の配線用導体と同時焼成が可能であり,しかも結晶化に対するガラスの安定性が高められているため,同時焼成時の結晶化のコントロールが容易である。すなわち,同時焼成したときガラス内での結晶化の急激な進行が防止でき,それによって焼成時の収縮挙動が防止できるため,焼成して得られる燒結体に反りが発生し難い。従って本発明は,高い寸法精度の燒結体を得るのに適した無鉛ガラスセラミックス用組成物を与える。更に,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物は,無機フィラーとして所定量含有させたチタニアが外部核材として働き,そのためガラスセラミックス用組成物を焼成したとき,ガラス部分の結晶化度の高い燒結体を得ることができ,それにより十分な機械的強度を有するガラスセラミックス燒結体を提供することができる。更に,本発明に係る無鉛ガラスセラミックス用組成物は,鉛を含有しないため環境汚染の問題もない。
本発明において,「ガラスセラミック用組成物」とは,所定温度で焼成してガラスセラミックス燒結体を製造するための組成物をいう。
本明細書において,「Ag系導体」とは,銀を主体とする金属導体であって,約960〜約1200℃の付近に融点を持つものをいう。Ag系導体の例としては,AgもしくはAg/Pdが挙げられるが,これらに限定されない。
本発明の無鉛ガラスは,無機フィラー粉末と混合する際には粉末の形にして用いられる。その場合の無鉛ガラスの粒子径は,好ましくは0.5〜5.0μm,より好ましくは0.7〜3.5μmである。また無機フィラー粉末の粒子径は,好ましくは0.2〜5.0μm,より好ましくは0.3〜2.5μmである。
Al2O3は本発明のガラス形成における必須成分であり,適量を含むことによりガラス溶融時の失透や結晶化に対してガラス安定性を向上させ,ガラスセラミックス用組成物の焼成時において組成物が急激な収縮挙動を示すのを防止することができる。Al2O3の含有量は0.1〜5重量%が好ましく,0.3%〜4重量%がより好ましく、0.3%〜3重量%が更に好ましい。Al2O3の含有量が0.1%重量%未満では,ガラスセラミックス用組成物の焼成時にガラス内で結晶化が急激に進んで組成物が急激に収縮することにより,得られる燒結体に反りを生じる等,寸法精度が低下し,また5重量%を超えると焼成時に結晶化が抑制され過ぎて結晶化が不十分となり,燒結体の機械的強度が低下するためである。
SiO2はガラスのネットワークフォーマーである。SiO2の含有量は50〜70重量%とするのが好ましく,60〜68重量%とするのがより好ましい。SiO2の含有量が50重量%未満ではガラスの化学的耐久性が低下し,また70重量%を超えるとガラスの溶融が困難となるためである。
B2O3は融剤として使用される。B2O3の含有量は10〜20重量%とするのが好ましく,11〜18重量%とするのがより好ましい。B2O3の含有量が10重量%未満ではガラスの溶融が非常に困難となり,また20重量%を超えるとガラスの化学的耐久性が低下するためである。
CaOはガラス作製時の溶融温度を下げると共に,ガラスセラミックス用組成物の焼成時に析出する結晶の構成成分である。CaOの含有量は10〜20重量%とするのが好ましく,11〜15重量%とするのがより好ましい。CaOの含有量が10重量%未満ではガラス作製時の溶融温度が高くなると共に,ガラスセラミック組成物を焼成したときガラスの結晶化度が十分高まらず,燒結体の機械的強度が低下し,また20重量%を超えると焼成時の反りが生じ易くなる。
R2O(R=Li,Na,K)はガラス作製時の溶融温度を下げると共に,適量を含ませることによりガラス溶融時の失透や結晶化に対するガラス安定性を向上させ,焼成時におけるガラスセラミックス用組成物の急激な収縮挙動を防止する成分である。Li2O,Na2O及びK2Oは,これらのうち少なくとも何れか1種が含有されていればよく,2種が又は3種全てが含有されていてもよい。これらの含有量は総量として1〜8重量%とするのが好ましく,3〜7重量%とするのがより好ましい。これらの含有量が1重量%未満ではガラス作製時の溶融温度が高くなると共にガラスセラミックス用組成物の焼成時に結晶化が急激に進んで燒結体の寸法精度を悪化させ,また8重量%を超えても燒結体の反りが大きくなる。
TiO2及びZrO2はガラス作製時の溶融安定性を向上させるとともに,ガラスセラミックス用組成物の焼成時に起こる結晶化反応の核材として働く。TiO2及びZrO2は,これらのうち少なくとも1方が含有されていればよく,双方が同時に含有されていてもよい。これらの含有量は総量として0.5〜6重量%の範囲にあることが好ましい。これらの含有量が0.5重量%未満ではガラスセラミック組成物を焼成したときガラスの結晶化度が十分高まらず,燒結体の機械的強度が低下し,また6重量%を超えるとガラスの溶融が困難となる。
ZnO,並びにアルカリ土類金属酸化物のうちMgO,BaO及びSrOは,ガラス作製時の溶融温度を下げるのに有効な成分であるため,含有させてよい。但し,通常,それらの総量がガラス成分全体の5重量%以下となるようにすることが好ましい。総量が5重量%を超えると,ガラスセラミックス組成物の焼成時に結晶化のバランスが崩れ,寸法精度が悪くなるためである。
SeO2,CeO2,Fe2O3,MnO2,CuO,CoO,SnO2,Sb2O3,V2O5,NiO,Cr2O3及びTeO2は,それらの総量が,ガラス成分全体の2重量%以下となる量で,適宜含有させてよい。
次に,本発明に係る無鉛ガラスセラミックス用組成物の構成要素である無機フィラーについて以下に説明する。
無機フィラーの含有量はガラスセラミックス用組成物全体に対し,40〜60重量%であることが望ましい。40重量%より少ない場合,十分な機械的強度が得られず,60重量%以上では焼成し難くなるためである。
無機フィラーの含有量はガラスセラミックス用組成物全体に対し,40〜60重量%であることが望ましい。40重量%より少ない場合,十分な機械的強度が得られず,60重量%以上では焼成し難くなるためである。
チタニアは,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物における無機フィラーとしての必須成分であり,焼成時にこれが外部核材として働き,それによりガラス粉末と無機フィラーとの界面からガラス内部に向かって結晶が析出する反応を促進させる。従って,チタニアを無機フィラーに配合しておくことで,ガラスセラミックス用組成物の燒結体におけるガラス部分に高い結晶化度を達成することができ,機械的強度を向上させることができる。チタニアがガラスセラミックス用組成物の1重量%未満であるか又は10重量%より多い場合,外部核材としての効果が弱くなること,及び他の無機フィラーやガラス粉末とのバランスをも考慮すると,チタニアの含有量は,無鉛ガラスセラミックス用組成物の1〜10重量%であることが好ましく,5〜10重量%であることがより好ましい。
アルミナは,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物における無機フィラーとしての必須成分であり,焼成によりガラスセラミックス用組成物中に析出する結晶の構成成分である。アルミナの含有量はガラスセラミックス用組成物の10〜59重量%であることが好ましく20〜45重量%であることがより好ましい。アルミナの含有量が10重量%より少ない場合,焼成時の析出結晶量が不十分となって機械的強度が低下し,59重量%以上では焼成し難くなるからである。
α−石英及びマグネシアスピネルは無機フィラーとしての必須成分ではないが,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物から得られる燒結物の熱膨張係数を増大させることができる成分である。これらの種類と量を,ガラスセラミックス用組成物の0〜40重量%の範囲で必要に応じて適宜調整することにより,燒結体の熱膨張係数の増大の程度を調整することができる。
コージェライト及びジルコンは無機フィラーとしての必須成分ではないが,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物から得られる燒結物の熱膨張係数を低下させることができる成分である。これらの種類と量を,ガラスセラミックス用組成物の0〜40重量%の範囲で必要に応じて適宜調整することにより,燒結体の熱膨張係数の低下の程度を調整することができる。
以下,実施例を参照して本発明を更に詳細に説明するが,本発明がそれらの実施例に限定されることは意図しない。
表1〜3に示したガラス組成となるように原料を調合,混合してこの調合原料を1500〜1650℃で2時間溶融した後,急冷しガラスを形成した。得られたガラスを,有機系媒質としてイソプロパノールを用いたボールミルによる湿式粉砕で,平均粒径2μmのガラス粉末を作製した。得られたガラス粉末の平均粒径は,レーザー散乱式粒度分布測定器(日機装製マイクロトラック)を用いて測定した。このガラス粉末と,平均粒径0.3μmのチタニア粉末,平均粒径1.5μmのアルミナ粉末,平均粒径2μmのα−石英及び平均粒径2μmのジルコンとを,表1〜3に示した配合比率で十分に混合し,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物を混合粉末として得た。得られた混合粉末のガラス転移点を示差熱分析(DTA)により測定した。該混合粉末を圧力10MPaで金型成型し,これを表1〜3に示す焼成温度に1時間保持することにより燒結体を得た。得られた燒結体につき,50℃から400℃における平均熱膨張係数を熱機械測定(TMA)により測定した。
表1〜3に示したガラス組成となるように原料を調合,混合してこの調合原料を1500〜1650℃で2時間溶融した後,急冷しガラスを形成した。得られたガラスを,有機系媒質としてイソプロパノールを用いたボールミルによる湿式粉砕で,平均粒径2μmのガラス粉末を作製した。得られたガラス粉末の平均粒径は,レーザー散乱式粒度分布測定器(日機装製マイクロトラック)を用いて測定した。このガラス粉末と,平均粒径0.3μmのチタニア粉末,平均粒径1.5μmのアルミナ粉末,平均粒径2μmのα−石英及び平均粒径2μmのジルコンとを,表1〜3に示した配合比率で十分に混合し,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物を混合粉末として得た。得られた混合粉末のガラス転移点を示差熱分析(DTA)により測定した。該混合粉末を圧力10MPaで金型成型し,これを表1〜3に示す焼成温度に1時間保持することにより燒結体を得た。得られた燒結体につき,50℃から400℃における平均熱膨張係数を熱機械測定(TMA)により測定した。
更に,上記で得られた混合粉末に可塑剤(アジピン酸ジオクチル),溶剤(トルエン),及びバインダー(ポリビニルブチラール)を添加し24時間混合後、スラリーを得た。このスラリーを用いて,ドクターブレード法により厚み100μmのグリーンシートを作製した。このグリーンシートを75mm角に切断し,パンチングにより50mm間隔で2点のスルーホールを形成した後,グリーンシートを表1〜3に示す焼成温度に1時間保持し,焼結体を得た。得られた焼結体のスルーホール間の寸法を測定した。寸法精度の評価方法は焼成収縮後の焼結体のヴィアホール間の寸法のばらつき(n=10)で評価し、そのばらつきが平均値の0.2%未満のときは○,0.2%以上0.4%未満のときは△,そして0.4%以上のときは×とした。
表から明らかなように,実施例1〜12で示した本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物は,1000℃以下の温度で焼成することができるため,Ag系導体と同時焼成が可能である。また燒結体の結晶化度が高く,実用上十分な200MPa以上の機械的強度(抗折強度)を有することに加え、寸法精度にも優れている。これに対して,比較例1の組成物は200MPa以上の抗折強度は有するものの寸法精度が悪く、また比較例2〜9の組成物は何れも抗折強度が200MPa以下であり,機械的強度に劣る。
本発明の無鉛ガラスは,ガラスセラミックス用組成物中での比較的低い温度での焼成により高い結晶化を達成するに適したガラスでありながら,ガラス状態が比較的安定化されており,その作製時に分相や局所的な結晶化などの不均一が発生し難く,製造が容易である。また,本発明の無鉛ガラスセラミックス用組成物は有害な鉛化合物を含まない上,約850℃〜1000℃という比較的低い温度で焼成でき,焼成時の急激な焼成収縮挙動も防止でき,得られる燒結体に実用上十分な機械的強度を与えるため,Ag系導体との同時焼成用その他の種々の用途の低温焼成基板用ガラスセラミックス用組成物として好適である。
Claims (8)
- 重量百分率でSiO2を50〜70重量%,B2O3を10〜20重量%,Al2O3を0.1〜5重量%,CaOを10〜20重量%,Li2O,Na2O及びK2Oをよりなる群より選ばれる1種以上のアルカリ金属酸化物を総量で1〜8重量%,及びTiO2及びZrO2よりなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物を総量で0.5〜6重量%含有してなる,無鉛ガラス。
- MgO,SrO,BaO及びZnOよりなる群より選ばれる1種以上の金属酸化物を,総量で5.0重量%以下含有してなる,請求項1の無鉛ガラス。
- 無鉛ガラスセラミックス用ガラスである,請求項1又は2の無鉛ガラス。
- 請求項1又は2の無鉛ガラスよりなる粉末40〜60重量%と粉末の形の無機フィラー60〜40重量%とを含んでなる混合物である,無鉛ガラスセラミックス用組成物。
- 該無機フィラーが,チタニアとアルミナとの混合物を含んでなるものである,請求項4の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
- 該無機フィラーが,α−石英,コージェライト,マグネシアスピネル,ジルコンから選ばれる少なくとも1種を更に含んでなるものである,請求項5の無鉛ガラスセラミックス用組成物。
- 該無機フィラーとしてチタニアを1〜10重量%含むものである,請求項4ないし6の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物。
- 請求項4ないし7の何れかの無鉛ガラスセラミックス用組成物を焼成してなる燒結体。
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