JPWO2009116492A1 - 撮像レンズ、撮像装置、デジタル機器、及び撮像レンズの製造方法 - Google Patents

撮像レンズ、撮像装置、デジタル機器、及び撮像レンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

量産性を確保し、吸水による近軸像点位置の変動による画質劣化を防止した低コストの撮像レンズ、撮像装置、デジタル機器、及び撮像レンズの製造方法を提供するために、平行平板であるレンズ基板の物体側面及び像側面のうち少なくとも一方に、正又は負のパワーを有するレンズ部が形成されたレンズブロックを少なくとも1つ有し、レンズ部は、レンズ基板と材質が異なるエネルギー硬化型樹脂材料で形成され、レンズ部のうち少なくとも1つは、吸水による寸法変化率が、レンズ基板の吸水による寸法変化率よりも大きく、且つ、以下の条件式を満足する撮像レンズとする。0.0 ≦ dn ≦ 150×10−5但し、dnはエネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した屈折率dn1と、60℃90%RHに6日間置き測定した屈折率dn2との差

Description

本発明は、CCD(Charge Coupled Devices)型イメージセンサやCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等の固体撮像素子を用いた撮像装置の撮像レンズに関するものであり、より詳しくは、大量生産に適するウェハスケールのレンズを用いた光学系における撮像レンズ、撮像レンズを用いた撮像装置、デジタル機器、並びに撮像レンズの製造方法に関するものである。
コンパクトで薄型の撮像装置(以下、カメラモジュールとも称す)が、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistant)等のコンパクトで、薄型の電子機器である携帯端末に搭載されるようになり、これにより遠隔地へ音声情報だけでなく画像情報も相互に伝送することが可能となっている。
これらの撮像装置に使用される撮像素子としては、CCD型イメージセンサやCMOS型イメージセンサ等の固体撮像素子が使用されている。近年では撮像素子の高画素化が進んでおり、高解像・高性能化が図られてきている。また、これら撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズは、低コスト化のために、安価に大量生産できる樹脂材料で形成されるレンズが用いられるようになってきた。樹脂材料によって構成されるレンズは、加工性が良いにも関わらず複雑な非球面形状を精度良く転写形成できるため、高解像・高性能化された撮像素子にも対応できる。
ここで、撮像装置に用いる撮像レンズとして、樹脂材料レンズで構成される光学系や、ガラスレンズと樹脂材料レンズで構成される光学系が従来からよく知られている。しかるに、特に携帯端末の撮像装置に用いるためには、従来の光学系では不十分であり、これらの光学系の更なる超コンパクト化と携帯端末に求められる量産性を両立することが強く求められているが、かかる両立を低コストで実現することは困難であった。
このような問題点を克服するため、数インチのウェハ上にレプリカ法によってレンズ要素を同時に大量に並べて成形し、それらのウェハをセンサウェハと組み合わせた後、切り離すことにより、カメラモジュールを大量生産する手法が提案されている。こうした製法によって製造されたレンズはウェハスケールレンズ、また、カメラモジュールはウェハスケールカメラモジュールと呼ばれることもある。このような技術に関して、特許文献1、特許文献2にレンズ基板上にレンズ部を備えた撮像レンズが開示されている。
特開2006−323365号公報 特許第3929479号公報
ここで、一般的な光学素子に用いられる樹脂材料は、湿気のある環境下に置かれた場合にガラス材料と比べて吸水しやすく、それにより屈折率変化が生じるという特性がある。一方、ウェハスケールレンズは、熱硬化型樹脂材料やUV硬化型樹脂材料などのエネルギー硬化型樹脂材料から形成されるのが一般的であるが、エネルギー硬化型樹脂材料においても同様に、吸水によって屈折率が変化するという特性があり、かかる屈折率変化によって光学系全体のパワーが変化すると、近軸像点位置の変化(ピントずれ)が生じてしまうため、このようなウェハスケールレンズを撮像レンズとして用いた結果、画質劣化を招くという問題があった。また、ウェハスケールレンズを吸水しやすい樹脂材料を用いて成形をしようとすると、成形品の発泡や、シルバーストリーク(銀条)等が発生してしまい、収率が悪化することによるコストの増大や生産性の低下等を招いていた。さらに、製品に組み込まれたウェハスケールレンズの使用時にも、吸水によって白濁が生じるといった問題もあった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、量産性を確保し、吸水による近軸像点位置の変動による画質劣化を防止した低コストの撮像レンズ、撮像装置、デジタル機器、及び撮像レンズの製造方法を提供することを目的とする。
請求の範囲第1項に記載の撮像レンズは、平行平板であるレンズ基板の物体側面及び像側面のうち少なくとも一方に、正のパワーを有するレンズ部が形成されたレンズブロックを少なくとも1つ有し、前記レンズ部は、前記レンズ基板と材質が異なるエネルギー硬化型樹脂材料で形成され、前記レンズ部のうち少なくとも1つの正のパワーを持つレンズ部は、吸水による寸法変化率が、前記レンズ基板の吸水による寸法変化率よりも大きく、且つ、以下の条件式(1)を満足する。
0.0 ≦ dn ≦ 150×10−5 (1)
但し、dnとは、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した屈折率dn1と、60℃90%RHに6日間置き測定した屈折率dn2との差(dn2−dn1)をいう。尚、本明細書中において、「絶乾状態」とは、雰囲気中に水分を含まない状態をいい、「RH」とは、相対湿度(relative humidity)のことであり、ある温度(ここでは60℃)で雰囲気中に含まれる水蒸気の量(質量絶対湿度)を、その温度の飽和水蒸気量(質量絶対湿度)で割ったもの(単位:%)である。
dnの値を条件式(1)の下限以上とすることで、吸水による屈折率変化が正(上昇)になるので、前記レンズ部が正のパワーを有している場合は、使用時に吸水によって届折率が設計値よりも高くなっていたとしても、近軸像点位置は物体側方向に変化するため、撮像レンズ全体を光軸方向に移動させるフォーカシング機能を有する場合では、フォーカシングを行った際に、撮像レンズが像側に移動することなり、設計全長を超えることが無く、ピントが合わないといった不具合を避けることができる。また、フォーカシング機能を有さず、撮像レンズ全体と固体撮像素子を固定した揚合(固定焦点レンズ)でも、物体距離が無限遠から至近距離の範囲内にピント位置が存在するため、吸水により全くピントが合わなくなるという不具合を避けることができる。
これに対し、吸水による屈折率変化が負(減少)の場合(dn<0)は、吸水によってバックフォーカスが増大してしまうため、予め吸水の影響を考慮し、フォーカシングのための繰り出し余裕量を確保する必要性があり、これにより撮像装置が大きくなってしまうという問題がある。また、フォーカシング機能を有さず、撮像レンズ全体と固体撮像素子を固定した場合は、吸水によりピントの合う物体距離を確保できなくなり、常に画面がボケた状態になってしまう恐れがある。本発明によれば、かかる不具合を解消できる。
尚、「エネルギー硬化型樹脂材料」としては、例えば、紫外線エネルギーを加えることで硬化するUV硬化型樹脂であれば、エポキシ系を含むUV硬化型樹脂などがあり、またアクリル系を含むUV硬化樹脂など、熱エネルギーを加えることで硬化する熱硬化型樹脂であれば、エポキシ系を含む熱硬化型樹脂あるいはアクリル系を含む熱硬化型樹脂などがある。
以下の条件式(1’)を満足すると望ましい。
0.0 ≦ dn ≦ 100×10−5 (1’)
dnの値を条件式(1’)の上限以下とすることで、吸水による屈折率変化をより抑えることで、屈折率による近軸像点位置の変動を更に低減することができる。
以下の条件式(1”)を満足すると更に望ましい。
0.0 ≦ dn ≦ 50×10−5 (1”)
dnの値を条件式(1”)の上限以下とすることで、吸水による屈折率変化をより有効に抑えることで、屈折率による近軸像点位置の変動を一層低減することができる。
請求の範囲第2項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項に記載の発明において、前記レンズ部のうち少なくとも1つは、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする。
0.5 ≦ |f1/f| ≦ 1.1 (2)
但し、f1は前記レンズ部の物体側と像側が空気に接しているとしたときの焦点距離であり、fは前記撮像レンズ全系の合成焦点距離である。
|f1/f|の値を条件式(2)の下限以上となるようにすることで、前記レンズ部のパワーが強くなりすぎず、吸水に伴う屈折率変化による近軸像点位置の変化が大きくなりすぎることを防止することができる。一方で、前記レンズ部のパワーが小さければ、吸水に伴う屈折率変化による近軸像点位置を小さくできるから、|f1/f|の値を条件式(2)の上限以下となるようにすることで、前記レンズ部のパワーが弱くなりすぎず、全長が大きくなってしまうという不具合を防止できる。
以下の条件式(2’)を満足すると、より望ましい。
0.5 ≦ |f1/f| ≦ 0.7 (2’)
条件式(2’)を満足することにより、吸水に伴う屈折率変化による近軸像点位置の変動を、より効果的に低減することができる。
請求の範囲第3項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項に記載の発明において、前記条件式(1)を満足するレンズ部は、前記撮像レンズにおいて最も物体側に配置されていることを特徴とする。
請求の範囲第4項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第2項に記載の発明において、前記条件式(2)を満足するレンズ部は、前記撮像レンズにおいて最も物体側に配置されていることを特徴とする。
最も物体側のレンズ部が全長短縮のために、撮像レンズのパワーを主に負担しており、このレンズ部の吸水にともなう屈折率変化で生じる近軸像点位置の変動を低減することで、撮像レンズ系全体の吸水に伴う近軸像点位置の変動を効果的に抑制できる。
請求の範囲第5項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第4項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部のうち少なくとも1つは、以下の条件式(3)を満足し、凹面形状を有することを特徴とする。
l/h ≦ 3.5 (3)
但し、lは前記レンズ部の光学面部最外周から前記レンズ部の外径までの半径方向の長さであり、hは前記レンズ部の有効半径である。
l/hの値が条件式(3)の上限以下となるようにすることで、前記レンズ部の有効径から外径までの樹脂材料の体積が、前記レンズ部の有効径内の樹脂材料の体積に比べて大きくなりすぎず、吸水に伴う寸法変化によって、レンズ部の有効径外の樹脂材料から有効径内の樹脂材料が押し出されることにより、吸水に伴う寸法変化による近軸像点位置の変動が大きくなりすぎることを防止することができる。
以下の条件式(3’)を満足すると、より望ましい。
l/h ≦ 1.5 (3’)
条件式(3’)を満足することで、吸水に伴う寸法変化による近軸像点位置の変動が大きくなりすぎることを、より効果的に防止することができる。
請求の範囲第6項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第5項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料の吸水による寸法変化率αは、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする。
|α| ≦ 3.0% (4)
但し、寸法変化率αとは、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した寸法w1と、60℃90%RHに6日間置き測定した寸法w2との差(w2−w1)における、絶乾時寸法w1に対する変化量の割合(w2−w1)/w1×100[%]をいう。
寸法変化率の絶対値|α|を条件式(4)の上限以下とすることで、前記レンズ部が吸水によって寸法変化を繰り返した結果、前記レンズ基板部から剥離してしまうという不具合を防ぐことができる。
以下の条件式(4’)を満足すると、より望ましい。
|α| ≦ 1.5% (4’)
寸法変化率の絶対値|α|を条件式(4’)の上限以下とすることで、前記レンズ部の吸水による寸法変化がより小さくなり、前記レンズ部の曲率が変化することによる近軸像点位置の変化を低減できる。
以下の条件式(4”)を満足すると、更に望ましい。
|α| ≦ 1.0% (4”)
寸法変化率の絶対値|α|を条件式(4”)の上限以下とすることで、前記レンズ部の吸水による寸法変化が一層小さくなり、前記レンズ部の曲率が変化することによる近軸像点位置の変化をより有効に低減できる。
請求の範囲第7項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第6項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料は、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする。
ρ ≦ 4.5% (5)
但し、ρは吸水率であり、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した重量m1と、60℃90%RHに6日間置き測定した重量m2との差(m2−m1)における、絶乾時重量m1に対する変化量の割合(m2−m1)/m1×100[%]をいう。
吸水率ρを条件式(5)の上限以下とすることで、前記レンズ部の成形時に発泡したり、シルバーストリーク(銀条)等が発生したりすることを防ぐことができる。これらの欠陥が前記レンズ部に発生してしまうと、製品の収率を低下させることとなり、これは大量生産を目的とするウェハレベルレンズにとって、非常に大きなデメリットとなるからである。
以下の条件式(5’)を満足すると、より望ましい。
ρ ≦ 3.5% (5’)
吸水率ρを条件式(5’)の上限以下とすることで、前記レンズ部の成形時に発泡したり、シルバーストリーク(銀条)等が発生したりすることを、より効果的に防ぐことができる。
以下の条件式(5”)を満足すると、更に望ましい
ρ ≦ 2.0% (5”)
吸水率ρを条件式(5”)の上限以下とすることで、前記レンズ部の成形時に発泡したり、シルバーストリーク(銀条)等が発生したりすることを、一層効果的に防ぐことができる。
請求の範囲第8項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第7項までのいずれか一項に記載の発明において、前記エネルギー硬化型樹脂材料は、UV硬化型樹脂材料であることを特徴とする。
前記レンズ部をUV硬化型の樹脂材料で構成することにより、硬化時間を短くでき量産性を改善できる。また、近年では耐熱性に優れた樹脂および硬化型の樹脂材料が開発されており、実装電子部品のハンダ付けのために高温下に曝される、いわゆるリフロー処理にも耐えることができる。
請求の範囲第9項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第8項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料に最大長30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させたことを特徴とする。
樹脂材料にて構成される少なくとも1つの前記レンズ部に、30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させることで、温度が変化しても性能の劣化や、像点位置変動を低減でき、しかも光透過率を低下させることなく、環境変化に関わらず優れた光学特性を有する撮像レンズを提供できる。
一般に、透明な樹脂材料に微粒子を混合させると、光の散乱が生じ透過率が低下するため、光学材料として使用することは困難であったが、微粒子の大きさを透過光束の波長より小さくすることにより、散乱が実質的に発生しないようにできる。また、樹脂材料はガラス材料に比べて屈折率が低いことが欠点であったが、屈折率の高い無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、屈折率を高くできることがわかってきた。
具体的には、母材となる樹脂材料に30ナノメートル以下、なお、望ましくは、母材となる樹脂材料に20ナノメートル以下、さらに望ましくは15ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、任意の温度依存性を有する材料を提供できる。さらに、樹脂材料は湿度が上昇することにより屈折率が低下してしまうが、温度が上昇すると屈折率が上昇する無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、これらの性質を打ち消しあうように作用するので、温度変化に対する屈折率変化を小さくできることも知られている。また、逆に、温度が上昇すると屈折率が低下する無機粒子を母材となる樹脂材料に分散させると、温度変化に対する屈折率変化を大きくできることも知られている。具体的には、母材となる樹脂材料に30ナノメートル以下、なお、望ましくは、母材となる樹脂材料に20ナノメートル以下、さらに、望ましくは15ナノメートル以下の無機粒子を分散させることにより、任意の温度依存性を有する材料を提供できる。
例えば、樹脂に酸化アルミニウム(Al)やニオブ酸リチウム(LiNbO)の微粒子を分散させることにより、高い屈折率の樹脂材料が得られるとともに、温度に対する屈折率変化を小さくすることができる。
請求の範囲第10項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第9項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部の少なくとも1つは、レンズ中心を除く、有効径内の領域において、レンズ面形状の傾きの符号が同じであることを特徴とする。
吸水による寸法変化が生じると、レンズ中心を除く有効径内の面形状において、特に、凸形状及び凹形状といった箇所に内部応力が生じ易い。ところが、内部応力が発生してしまうと、複屈折や屈折率分布が生じ、光学性能劣化を引き起こしてしまう恐れがある。ここで、レンズ面形状の傾きの符号を同じにすることにより、吸水による寸法変化が生じた際にも、内部応力が少なく性能劣化を抑えた光学系を実現できる。尚、「レンズ面形状の傾きの符号を同じにする」とは、撮像レンズにおいて光軸を含む断面をとり、光軸直交方向を基準方向としたときに、レンズ面形状に沿って光軸から有効径側に向かう間に、レンズ面形状の各点における接線の方向が、基準方向に対して常に同じ側(基準方向に向かって左側もしくは右側)を向いていることをいうものとする。例えば、後述の実施例1である図6のレンズ部L1a〜L2bの形状は該当するが、レンズ部L3a、L3bの形状は該当しない。
請求の範囲第11項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第10項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ部の空気と接する全ての面が非球面形状であることを特徴とする。このようにすることで、空気と接している面と前記レンズ部の境界面において、最も屈折率差が大きく非球面の効果を最大限活用できる。また、レンズ面をすべて非球面形状とすることで、諸収差の発生を最小限に押さえることができ、高性能化が容易に可能となる。
請求の範囲第12項に記載の撮像レンズは、請求の範囲第1項から第11項までのいずれか一項に記載の発明において、前記レンズ基板と、少なくとも1つの前記レンズ部とが、光学薄膜及び接着剤のうち少なくとも一方を介して間接的に形成されていることを特徴とする。
前記レンズ部と前記レンズ基板との間に、開口絞りや赤外線カットフィルタといった機能を有する光学薄膜を配置して形成することにより、光学部材の簡略化が可能となり、低コスト化が実現できる。また、接着剤等で前記レンズ基板と前記レンズ部を固着することによって、前記レンズ部の樹脂材料のみでは密着性の悪い素材であっても、光学特性を優先して選択することが可能となり、高性能化、高機能化が実現できる。更に、光学薄膜及び接着剤のいずれの場合においても極めて薄いため、光学薄膜及び接着の吸水による寸法変化率はほぼ無視できることから、前記レンズ部と前記レンズ基板との吸水による寸法変化率の差が、光学薄膜や接着剤などを介して間接的に固着されるレンズブロックにおいても、重要なファクターとなる。
請求の範囲第13項に記載の撮像装置は、請求の範囲第1項から第12項までのいずれか一項に記載の撮像レンズと、光学像を電気的な信号に変換する撮像素子を有し、前記撮像レンズにより前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成することを特徴とする。これにより、低コストかつ湿度の高い環境でも使用に耐えうる撮像装置を提供することができる。
請求の範囲第14項に記載のデジタル機器は、請求の範囲第13項に記載の撮像装置を含み、被写体の静止画撮影、動画撮影の内の少なくとも一方の機能が付加されていることを特徴とする。これにより、低コストかつ湿度の高い環境でも使用に耐えうる、撮像機能を有したデジタル機器を提供することができる。
請求の範囲第15項に記載のデジタル機器は、請求の範囲第14項に記載の発明において、携帯端末であることを特徴とする。これにより、低コストかつ湿度の高い環境においても使用に耐えうる撮像機能を有した携帯端未を提供することができる。
請求の範囲第16項に記載の撮像レンズの製造方法は、請求の範囲第1項から第12項までのいずれか一項に記載の撮像レンズの製造方法であって、前記レンズブロックが複数並べられたレンズブロックユニットを形成する工程と、複数の前記レンズブロックユニットを、間隔規定部を介在させてつなげる連結工程と、連結された前記レンズブロックユニットを前記間隔規定部に沿って切断することにより、前記レンズブロック毎に分離する切断工程と、を含むことを特徴とする。これにより、撮像レンズをより低コストで大量生産できるようになる。
本発明によれば、量産性を確保し、吸水による近軸像点位置の変動による画質劣化を防止した低コストの撮像レンズ、撮像装置、デジタル機器、及び撮像レンズの製造方法を提供することができる。
本実施の形態にかかる撮像装置50の斜視図である。 図1の構成を矢印II−II線で切断して矢印方向に見た断面図である。 撮像装置50を携帯端末としての携帯電話機100に装備した状態を示す図である。 携帯電話機100の制御ブロック図である。 本実施の形態に用いる撮像レンズを製造する工程を示す図である。 実施例1の断面図である。 実施例1にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。 実施例2の断面図である。 実施例2にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。 実施例3の断面図である。 実施例3にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。
符号の説明
10 撮像レンズ
50 撮像装置
51 イメージセンサ
51a 光電変換部
52 基板
60 入力部
70 表示部
80 無線通信部
92 記憶部
100 携帯電話機
101 制御部
LS1、LS2、LS3 レンズ基板
L1a、L1b、L2a、L2b、L3a、L3b レンズ部
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態にかかる撮像装置50の斜視図であり、図2は、図1の構成を矢印II−II線で切断して矢印方向に見た断面図である。図2に示すように、撮像装置50は、光電変換部51aを有する固体撮像素子としてのCMOS型イメージセンサ51と、このイメージセンサ51の光電変換部51aに被写体像を撮像させる撮像レンズ10と、イメージセンサ51を保持すると共にその電気信号の送受を行う外部接続用端子(不図示)を有する基板52とを備え、これらが一体的に形成されている。尚、撮像レンズ10は、第1レンズブロックBK1と、第2レンズブロックBK2と、第3レンズブロックBK3とを有する。
上記イメージセンサ51は、その受光側の平面の中央部に、画素(光電変換素子)が2次元的に配置された、受光部としての光電変換部51aが形成されており、不図示の信号処理回路に接続されている。かかる信号処理回路は、各画素を順次駆動し信号電荷を得る駆動回路部と、各信号電荷をデジタル信号に変換するA/D変換部と、このデジタル信号を用いて画像信号出力を形成する信号処理部等から構成されている。また、イメージセンサ51の受光側の平面の外縁近傍には、多数のパッド(図示略)が配置されており、不図示のワイヤを介して基板52に接続されている。イメージセンサ51は、光電変換部51aからの信号電荷をデジタルYUV信号等の画像信号等に変換し、ワイヤ(不図示)を介して基板52上の所定の回路に出力する。ここで、Yは輝度信号、U(=R−Y)は赤と輝度信号との色差信号、V(=B−Y)は青と輝度信号との色差信号である。なお、固体撮像素子は上記CMOS型のイメージセンサに限定されるものではなく、CCD等の他のものを使用しても良い。
イメージセンサ51を支持する基板52は、不図示の配線により、イメージセンサ51に対して通信可能に接続されている。
基板52は、不図示の外部接続用端子を介して外部回路(例えば、撮像装置を実装した携帯端末の上位装置が有する制御回路)と接続し、外部回路からイメージセンサ51を駆動するための電圧やクロック信号の供給を受けたり、また、デジタルYUV信号を外部回路へ出力したりすることを可能とする。
イメージセンサ51の上部は、基板52の上面に固定された赤外線カットフィルタなどのプレートPTにより封止されている。プレートPTの上面には、間隔規定部であるスペーサ部材B3の下端が固定されている。更に、スペーサ部材B3の上端には、第3レンズブロックBK3が固定され、第3レンズブロックBK3の上面には、間隔規定部である別のスペーサ部材B2の下端が固定され、スペーサ部材B2の上端には、第2レンズブロックBK2が固定され、第2レンズブロックBK2の上面には、間隔規定部である別のスペーサ部材B1の下端が固定され、スペーサ部材B1の上端には、第1レンズブロックBK1が固定されている。なお、図示では、間隔規定部としてスペーサ部材B1〜B3を別部材で構成した例を示しているが、これに限るものでなく、例えばレンズ基板上に形成されるレンズ部L1b、L2aの少なくとも一方に、間隔規定部としてスペーサ部材B1の機能に相当する形状を一体で形成してもよい。また、レンズ部L2b、L3aの少なくとも一方に、間隔規定部としてスペーサ部材B2の機能に相当する形状を一体で形成してもよい。また、レンズ部L3aに一体で、間隔規定部としてスペーサ部材B2に相当する形状を形成し、レンズ部L3bに一体で、間隔規定部としてスペーサ部材B3に相当する形状を形成してもよい。
第1レンズブロックBK1は、平行平板であるレンズ基板LS1と、その物体側及び像面側に形成されたレンズ部L1a、L1bとからなり、第2レンズブロックBK2は、平行平板であるレンズ基板LS2と、その物体側及び像面側に形成されたレンズ部L2a、L2bとからなり、第3レンズブロックBK3は、平行平板であるレンズ基板LS3と、その物体側及び像面側に形成されたレンズ部L3a、L3bとからなる。尚、第1レンズ部L1aとレンズ基板LS1との間に、絞りを構成する開口を有する光学薄膜を形成すると好ましい。
例えば、後述の実施例1の場合、レンズ部L1a、L2b及びL3aの吸水による寸法変化率は、レンズ基板の吸水による寸法変化率よりも大きく、且つ、正のパワーを有するレンズ部L1a、L2b及びL3aが以下の条件式(1)を満足するものである。
0.0 ≦ dn ≦ 150×10−5 (1)
但し、dnとは、レンズ部L1a〜L3aの素材であるUV硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した屈折率dn1と、60℃90%RHに6日間置き測定した屈折率dn2との差(dn2−dn1)をいう。
また、後述の実施例1の場合、レンズ部L1a、L2a及びL3bは、以下の条件式(2)を満足する。
0.5 ≦ |f1/f| ≦ 1.1 (2)
但し、f1はレンズ部L1a、L2a及びL3bの物体側と像側が空気に接しているとしたときの焦点距離であり、fは撮像レンズ10全系の合成焦点距離である。
更に、後述の実施例1の場合、レンズ部L1b、L2a及びL3bは、以下の条件式(3)を満足し、凹面形状を有する。
l/h ≦ 3.5 (3)
但し、lはレンズ部L1b、L2a及びL3bの有効径部最外周からレンズ部L1b、L2a及びL3bの外径までのそれぞれ半径方向の長さであり、hはレンズ部L1b、L2a及びL3bの有効半径である。
更に、後述の実施例1の場合、レンズ部L1a〜L3aの素材であるUV硬化型樹脂材料の吸水による寸法変化率αは以下の条件式(4)を満足する。
|α| ≦ 3.0% (4)
但し、寸法変化率αとは、レンズ部L1a〜L3aの素材であるUV硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した寸法w1と、60℃90%RHに6日間置き測定した寸法w2との差(w2−w1)における、絶乾時寸法w1に対する変化量の割合(w2−w1)/w1×100[%]をいう。
更に、後述の実施例1の場合、レンズ部L1a〜L3aの素材であるUV硬化型樹脂材料は以下の条件式(5)を満足する。
ρ ≦ 4.5% (5)
但し、ρは吸水率であり、レンズ部L1a〜L3aの素材であるUV硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した重量m1と、60℃90%RHに6日間置き測定した重量m2との差(m2−m1)における、絶乾時重量m1に対する変化量の割合(m2−m1)/m1×100「%]をいう。
更に、後述の実施例1の場合、レンズ部L1a〜L2bは、レンズ中心を除く有効径内の領域において、レンズ面形状の傾きの符号が同じである。レンズブロックBK1、BK2、BK3において、レンズ基板LS1、LS2、LS3がガラス材料からなり、空気に接するレンズ面が全て非球面であるレンズ部L1a〜L3bは樹脂材料からなる。尚、レンズ部L1a〜L3aは、最大長30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させたUV硬化型樹脂材料からなると好ましい。
上述した撮像装置50の使用態様について説明する。図3は、撮像装置50をデジタル機器である携帯端末としての携帯電話機100に装備した状態を示す図である。また、図4は携帯電話機100の制御ブロック図である。
撮像装置50は、例えば、撮像レンズの物体側端面が携帯電話機100の背面(液晶表示部側を正面とする)に設けられ、液晶表示部の下方に相当する位置になるよう配設される。
撮像装置50の外部接続用端子(不図示)は、携帯電話機100の制御部101と接続され、輝度信号や色差信号等の画像信号を制御部101側に出力する。
一方、携帯電話機100は、図4に示すように、各部を統括的に制御すると共に、各処理に応じたプログラムを実行する制御部(CPU)101と、番号等をキーにより支持入力するための入力部60と、撮像した画像や映像等を表示する表示部70と、外部サーバとの間の各種情報通信を実現するための無線通信部80と、携帯電話機100のシステムプログラムや各種処理プログラム及び端末ID等の必要な諸データを記憶している記憶部(ROM)91と、制御部101によって実行される各種処理プログラムやデータ、若しくは処理データ、或いは撮像装置50による撮像データ等を一時的に格納する作業領域として用いられる一時記憶部(RAM)92とを備えている。
携帯電話機100を把持する撮影者が、被写体に対して撮像装置50の撮像レンズ10を向けると、イメージセンサ51に静止画又は動画の画像信号が取り込まれる。所望のシャッタチャンスで、図3に示すボタンBTを撮影者が押すことでレリーズが行われ、画像信号が撮像装置50に取り込まれることとなる。撮像装置50から入力された画像信号は、上記携帯電話機100の制御系に送信され、記憶部92に記憶されたり、或いは表示部70で表示され、さらには、無線通信部80を介して映像情報として外部に送信されることとなる。
本実施の形態にかかる撮像レンズの製造方法について説明する。図5は、本実施の形態にかかる撮像レンズを製造する工程を示す図である。まず、図5(a)の断面図に示すような、複数のレンズブロックBKを二次元的に並べて含むレンズブロックユニットUTを製造する。かかるレンズブロックユニットUTは、例えば、多数のレンズLを同時に作製できるとともに低コストであるレプリカ法で製造することができる(なお、レンズブロックユニットUTに含まれるレンズブロックBKの数は単数であっても複数であってもよい)。
また、レプリカ法とは、レンズウェハ上に、金型を用いて硬化性の樹脂をレンズ形状にして転写するものである。つまり、レプリカ法では、レンズウェハ上に、多数のレンズが同時に作製されることとなる。
そして、これらのような方法によって製造されたレンズブロックユニットUTから、撮像レンズ10が製造される。この撮像レンズの製造工程の一例を、図5(b)の概略断面図で示す。
第1のレンズブロックユニットUT1は、平行平板である第1レンズ基板LS1と、その一方の平面に形成された複数の第1レンズ部L1aと、他方の平面に形成された複数の第2レンズ部L1bと、で構成される。このとき、第1レンズ基板LS1とレンズ部L1aとは、光学薄膜で形成された絞りを介して形成されている。絞りや赤外線カットフィルタをレンズ基板上に設けると、別に設ける場合よりも、構成部材を削減できるので好ましい。更に、レンズ基板上に透明薄膜、例えば、反射防止コートを設ければ、レンズ部とレンズ基板での反射を防止でき、フレアやゴーストを低減できる。尚、レンズ基板LS1上に、レンズ部L1aおよびL1bを直接形成することが好ましいが、接着剤等を用いて形成されたものでもよい。
第2のレンズブロックユニットUT2は、平行平板である第2レンズ基板LS2と、その一方の平面に形成された複数の第3レンズL2aと、他方の平面に形成された複数の第4レンズL2bと、で構成される。同様に、レンズ基板上に反射防止コートを設ければ、レンズ部とレンズ基板での反射を防止でき、フレアやゴーストを低減できる。尚、レンズ基板LS2上に、レンズ部L2aおよびL2bを直接形成することが好ましいが、接着剤等を用いて形成されたものでもよい。
第3のレンズブロックユニットUT3は、平行平板である第3レンズ基板LS3と、その一方の平面に形成された複数の第5レンズL3aと、他方の平面に形成された複数の第6レンズL3bと、で構成される。同様に、レンズ基板上に反射防止コートを設ければ、レンズ部とレンズ基板での反射を防止でき、フレアやゴーストを低減できる。尚、レンズ基板LS3上に、レンズ部L3aおよびL3bを直接形成することが好ましいが、接着剤等を用いて形成されたものでもよい。
間隔規定部としての格子状のスペーサ部材(スペーサ)B1を、第1のレンズブロックユニットUT1と第2のレンズブロックユニットUT2との間(具体的には、第1レンズ基板LS1と第2レンズ基板LS2との間)に介在させ、両レンズブロックユニットUT1、UT2の間隔を一定に保つ。さらに、間隔規定部としての別のスペーサ部材B2を、第2のレンズブロックユニットUT2と第3のレンズブロックユニットUT3との間に介在させ、両レンズブロックユニットUT2、UT3との間隔を一定に保つ。さらに、間隔規定部としての別のスペーサ部材B3を、プレートPTと第3のレンズブロックユニットUT3との間に介在させ、プレートPTとレンズブロックユニットUT3との間隔を一定に保つ(つまり、スペーサ部材B1、B2、B3は3段格子といえる)。かかる状態で、スペーサ部材B1、B2、B3の格子の穴の部分に、各レンズ部L1a〜L3bが位置する。
なお、プレートPTは、マイクロレンズアレイを含むウェハレベルのセンサーチップサイズパッケージ、あるいはセンサーカバーガラスまたは赤外線カットフィルタ等の平行平面板である。
ここで、スペーサ部材B1が、第1のレンズブロックユニットUT1と第2のレンズブロックユニットUT2との間に介在し、スペーサ部材B2が、第2のレンズブロックユニットUT2と第3のレンズブロックユニットUT3との間に介在し、スペーサ部材B3が、第3のレンズブロックユニットUT3とプレートPTとの間に介在することで、レンズ基板LS同士(第2レンズL1b〜第6レンズL3b)が封止され一体化する。
そして、一体化した第1レンズ基板LS1、第2レンズ基板LS2、第3レンズ基板LS3、スペーサ部材B1、B2、B3及びプレートPTが、スペーサ部材B1、B2、B3の格子枠(破線Qの位置)に沿って切断されると、図5(c)に示すように、レンズブロック毎にそれぞれ一体化した3枚玉構成の撮像レンズ10が複数得られることとなる。プレートPTが赤外線カットフィルタ等の平行平面板の場合は、その後、図示していないが、イメージセンサ51をプレートPTと基板52との間に挟持するようにして、撮像レンズ10を基板52に取り付けることで、図2に示す撮像装置を得ることができる。
このように、複数のレンズブロックBK(第1レンズブロックBK1、第2レンズブロックBK2および第3レンズブロックBK3)の組み込まれた部材が切り離されることで、撮像レンズ10が製造されると、撮像レンズ10毎のレンズ間隔の調整および組み立てが不要になる。そのため、高画質が期待される撮像装置の大量生産が可能となる。
しかも、間隔規定部であるスペーサ部材B1、B2、B3が格子形状であるため、このスペーサ部材B1、B2、B3が、複数のレンズブロックBKの組み込まれた部材から撮像レンズ10を切り離す場合の印にもなる。したがって、複数のレンズブロックBKに組み込まれた部材から撮像レンズ10を容易に切り出すことができ、手間がかからない。その結果、撮像レンズ10を安価に大量生産できる。
以上を踏まえると、撮像レンズ10の製造方法は、レンズブロックBKが複数並べられたレンズブロックユニットUTを形成する工程と、レンズブロックユニットUTを間隔規定部である格子状のスペーサ部材を介在させてつなげる連結工程と、連結されたレンズブロックユニットUTを間隔規定部の格子枠に沿って切断することにより、レンズブロック毎に分離する切断工程と、を含むものといえる。このような製造方法は、安価なレンズ系の量産に向いている。尚、単一のレンズブロックユニットをプレートにつなげるのみでも良い。
尚、レンズブロックユニットを、間隔規定部であるスペーサ部材を介して接着する例で説明したが、これに限るものでなく、レンズ基板上に形成されるレンズ部の少なくとも一方の光学有効面以外の部位に、間隔規定部として、スペーサ部材に相当する機能部を一体で形成したものであってもよい。
次に、上述した実施の形態に好適な実施例について説明する。但し、以下に示す実施例により本発明が限定されるものではない。実施例における各符号の意味は以下の通りである。
Fl :撮像レンズ全系の焦点距離
BF :バックフォーカス
Fno :Fナンバー
Ymax:像面の対角長さ
r :レンズ面の近軸曲率半径
d :レンズの面間隔
Nd :レンズのd線における屈折率
νd :レンズのd線におけるアッベ数
w :半画角
TL :レンズ全長
* :非球面位置
stop:絞り位置
また、本発明における非球面形状は以下のように定義する。すなわち、面頂点の接平面からの光軸方向の距離(サグ量)をX、光軸からの高さをhとして、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A(=4、6、8、…、14)を第n次の非球面係数としたとき、Xは以下の数式[数1]で表せるものとする。
(実施例1)
第1実施例におけるレンズデータを表1に示す。尚、以降の表中では、10のべき乗数(例えば、2.5×10−3)を、e(例えば、2.5×e−03)を用いて表すものとする。以下の実施例1のコンストラクションデータ表1内に記載したF値、半画角、全長、バックフォーカスはすべて、レンズ全長、有限の物体距離、つまり表内の物体距離における実効値である。また、バックフォーカスとは、レンズ最終面から近軸像面までの距離を空気換算長により表記し、レンズ全長とは、レンズ最前面からレンズ最終面までの距離にバックフォーカスを加えたものである。
図6は実施例1のレンズの断面図である。図7は、実施例1にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。ここで、球面収差図において、一点鎖線はg線、実線はd線、破線はC線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図において、実線はサジタル面、破線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
実施例1の撮影レンズは、3つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1a、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1、第2レンズ部L1bより、第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第3レンズ部L2a、第2レンズ基板LS2、第4レンズ部L2bより、第2レンズブロックBK2が構成され、最後に、第5レンズ部L3a、第3レンズ基板LS3、第6レンズ部L3bより、第3レンズブロックBK3が構成される。また、全ての空気と接するレンズ部の面は非球面形状である。
(実施例2)
第2実施例におけるレンズデータを表2に示す。
図8は実施例2のレンズの断面図である。図9は、実施例2にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。ここで、球面収差図において、一点鎖線はg線、実線はd線、破線はC線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図において、実線はサジタル面、破線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
実施例2の撮影レンズは、2つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1a、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1、第2レンズ部L1bより、第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第3レンズ部L2a、第2レンズ基板LS2、第4レンズ部L2bより、第2レンズブロックBK2が構成される。また、全ての空気と接するレンズ部の面は非球面形状である。
(実施例3)
第3実施例におけるレンズデータを表2に示す。
図10は実施例3のレンズの断面図である。図11は、実施例3にかかる撮像レンズの球面収差(a)、非点収差(b)、及び歪曲収差(c)の収差図である。ここで、球面収差図において、一点鎖線はg線、実線はd線、破線はC線に対する球面収差量をそれぞれ表す。また、非点収差図において、実線はサジタル面、破線はメリディオナル面をそれぞれ表す。
実施例3の撮影レンズは、2つのレンズブロックを有する。より具体的には、物体側から順に、第1レンズ部L1a、光学薄膜からなる開口絞りS、第1レンズ基板LS1、第2レンズ部L1bより、第1レンズブロックBK1が構成され、次に、第3レンズ部L2a、第2レンズ基板LS2、第4レンズ部L2bより、第2レンズブロックBK2が構成される。また、全ての空気と接するレンズ部の面は非球面形状である。
実施例1〜3の各条件式に対応する値を表4に示す。
ここで、実施例1の撮像レンズを例にとり、本発明における、吸水による近軸像点位置の変動を補正する効果のあるレンズ部を有する場合と、有さない場合の吸水時の近軸像点位置の変動量の違いを示す。実施例1の樹脂材料は、Ndが1.52、νdが57のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である低分散樹脂材料と、Ndが1.55、νdが32のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である高分散樹脂材料を使用している。本実施例では、2種類の樹脂材料を使用しているが、1種類もしくは、3種類以上の樹脂材料を使用しても構わない。
実施例1の低分散樹脂材料を、95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Lを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Lを測定した。その屈折率dn2Lと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Lとの差dnLは、30×10−5であった。又、実施例1の高分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Hを測定した。その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHは、260×10−5であった。吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.001[mm]となる。
一方、比較例1として、吸水による屈折率変化が条件式(1)を満足しないような既存の低分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1L’を測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2L’を測定した。その屈折率dn1L’と、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn2L’との差dnL’は、200×10−5であった。又、高分散樹脂材料は、実施例1と同じ95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1H’を測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2H’を測定した。その屈折率dn2H’と、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1H’との差dnH’は、260×10−5であるものを使用した。かかる比較例を使用した場合、吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.017[mm]となる。
実施例1の撮像レンズのF値は2.88で、撮像レンズと組み合わされる撮像素子の画素ピッチが1.70μm以上の例えば1.75μmの場合、焦点深度はおよそ2εF(但し、εは許容錯乱円、FはF値)で表されることから、許容錯乱円を2画素ピッチと仮定すると、焦点深度は20.2μmとなる。この値は、設計値となる像面を略中心とした、光軸方向での範囲であるため、吸水による設計値の近軸像点位置の変動量としては半分の10.1μm以下に納まっていることが望ましい。実施例1の高分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き屈折率dn2Hを測定し、その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHが260×10−5である場合において、実施例1の低分散樹脂材料を、95℃絶乾状態で3日間置き屈折率dn1Lを測定してから、60℃90%RHに6日間置き屈折率dn2Lを測定し、その屈折率dn2Lと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Lとの差dnLの値が、30×10−5、70×10−5、110×10−5、150×10−5、190×10−5、200×10−5、220×10−5のとき、吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は以下の表5の通りである。
以上のように、吸水後の屈折率dn2Lと完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Lとの差dnLが150×10−5以下であれば、吸湿による近軸像点位置の変動があっても実用上問題ないことがわかる。
なお、今後画素ピッチが狭くなっていくことが予想されるが、例えば画素ピッチが1.0μm以上の場合においても、屈折率dn1Lとの差dnLが100×10−5以下であれば吸湿による近軸像点位置の変動による影響による問題は発生しない。
次に、実施例2の撮像レンズを例にとり、本発明における、吸水による近軸像点位置の変動を補正する効果のあるレンズ部を有する場合と、有さない場合の吸水時の近軸像点位置の変動量の違いを示す。
実施例2の樹脂材料は、Ndが1.51、νdが57のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である低分散樹脂材料と、Ndが1.57、νdが34のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である高分散樹脂材料を使用している。本実施例では、2種類の樹脂材料を使用しているが、1種類もしくは、3種類以上の樹脂材料を使用しても構わない。
実施例2の低分散樹脂材料を、95℃絶乾状態で3日間置き屈折率dn1Lを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Lを測定した。その屈折率dn2Lと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Lとの差dnLは、100×10−5であった。又、実施例2の高分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Hを測定した。その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHは、60×10−5であった。吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.008[mm]となる。
一方、比較例2として、吸水による屈折率変化が条件式(1)を満足しないような既存の低分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1L’を測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2L’を測定した。その屈折率dn1L’と、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn2L’との差dnL’は、200×10−5であった。又、高分散樹脂材料は、実施例2と同じ95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Hを測定した。その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHは、60×10−5であるものを使用した。かかる比較例を使用した場合、吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.016[mm]となる。
次に、実施例3の撮像レンズを例にとり、本発明における、吸水による近軸像点位置の変動を補正する効果のあるレンズ部を有する場合と、有さない場合の吸水時の近軸像点位置の変動量の違いを示す。
実施例3の樹脂材料は、Ndが1.52、νdが55のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である低分散樹脂材料と、Ndが1.57、νdが34のエポキシ系を含むUV硬化樹脂である高分散樹脂材料を使用している。本実施例では、2種類の樹脂材料を使用しているが、1種類もしくは、3種類以上の樹脂材料を使用しても構わない。
実施例3の低分散樹脂材料を、95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Lを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Lを測定した。その屈折率dn2Lと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Lとの差dnLは、140×10−5であった。又、実施例3の高分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Hを測定した。その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHは、60×10−5であった。吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.011[mm]となる。
一方、比較例3として、吸水による屈折率変化が条件式(1)を満足しないような既存の低分散樹脂材料を95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1L’を測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2L’を測定した。その屈折率dn1L’と、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn2L’との差dnL’は、200×10−5であった。又、高分散樹脂材料は、実施例3と同じ95℃絶乾状態で3日間置き、屈折率dn1Hを測定してから、60℃90%RHに6日間置き、屈折率dn2Hを測定した。その屈折率dn2Hと、初めの完全に乾燥させた状態での屈折率dn1Hとの差dnHは、60×10−5であるものを使用した。かかる比較例を使用した場合、吸水によって屈折率のみが変化したと仮定すると、近軸像点位置の変動量は−0.017[mm]となる。
本発明に係るレンズ部を含まない比較例と比較すると、吸水時の屈折率の変化による近軸像点位置の変動量が小さく抑えられていることが分かる。また、各レンズ部に異なった寸法変化率αと屈折率変化dnを有する樹脂材料を使用してもよく、その場合は、それぞれのレンズの吸水時の近軸像点位置の変動の寄与の大きさを考慮して、設計をすることで、撮像レンズ全体で吸水による近軸像点位置の変動をほとんど生じないようにすることも可能となる。

Claims (16)

  1. 平行平板であるレンズ基板の物体側面及び像側面のうち少なくとも一方に、正のパワーを有するレンズ部が形成されたレンズブロックを少なくとも1つ有し、前記レンズ部は、前記レンズ基板と材質が異なるエネルギー硬化型樹脂材料で形成され、前記レンズ部のうち少なくとも1つの正のパワーを持つレンズ部は、吸水による寸法変化率が、前記レンズ基板の吸水による寸法変化率よりも大きく、且つ、以下の条件式(1)を満足することを特徴とする撮像レンズ。
    0.0 ≦ dn ≦ 150×10−5 (1)
    但し、dnとは、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した屈折率dn1と、60℃90%RHに6日間置き測定した屈折率dn2との差(dn2−dn1)をいう。
  2. 前記レンズ部のうち少なくとも1つは、以下の条件式(2)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項に記載の撮像レンズ。
    0.5 ≦ |f1/f| ≦ 1.1 (2)
    但し、f1は前記レンズ部の物体側と像側が空気に接しているとしたときの焦点距離であり、fは前記撮像レンズ全系の合成焦点距離である。
  3. 前記条件式(1)を満足するレンズ部は、前記撮像レンズにおいて最も物体側に配置されていることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の撮像レンズ。
  4. 前記条件式(2)を満足するレンズ部は、前記撮像レンズにおいて最も物体側に配置されていることを特徴とする請求の範囲第2項に記載の撮像レンズ。
  5. 前記レンズ部のうち少なくとも1つは、以下の条件式(3)を満足し、凹面形状を有することを特徴とする請求の範囲第1項から第4項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
    l/h ≦ 3.5 (3)
    但し、lは前記レンズ部の光学面部最外周から前記レンズ部の外径までの半径方向の長さであり、hは前記レンズ部の有効半径である。
  6. 前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料の吸水による寸法変化率αは、以下の条件式(4)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第5項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
    |α| ≦ 3.0% (4)
    但し、寸法変化率αとは、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した寸法w1と、60℃90%RHに6日間置き測定した寸法w2との差(w2−w1)における、絶乾時寸法w1に対する変化量の割合(w2−w1)/w1×100[%]をいう。
  7. 前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料は、以下の条件式(5)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項から第6項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
    ρ ≦ 4.5% (5)
    但し、ρは吸水率であり、前記エネルギー硬化型樹脂材料を95℃絶乾状態に3日間置き測定した重量m1と、60℃90%RHに6日間置き測定した重量m2との差(m2−m1)における、絶乾時重量m1に対する変化量の割合(m2−m1)/m1×100[%]をいう。
  8. 前記エネルギー硬化型樹脂材料は、UV硬化型樹脂材料であることを特徴とする請求の範囲第1項から第7項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  9. 前記レンズ部の少なくとも1つに用いる前記エネルギー硬化型樹脂材料に最大長30ナノメートル以下の無機微粒子を分散させたことを特徴とする請求の範囲第1項から第8項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  10. 前記レンズ部の少なくとも1つは、レンズ中心を除く、有効径内の領域において、レンズ面形状の傾きの符号が同じであることを特徴とする請求の範囲第1項から第9項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  11. 前記レンズ部の空気と接する全ての面が非球面形状であることを特徴とする請求の範囲第1項から第10項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  12. 前記レンズ基板と、少なくとも1つの前記レンズ部とが、光学薄膜及び接着剤のうち少なくとも一方を介して間接的に形成されていることを特徴とする請求の範囲第1項から第11項までのいずれか一項に記載の撮像レンズ。
  13. 請求の範囲第1項から第12項までのいずれか一項に記載の撮像レンズと光学像を電気的な信号に変換する撮像素子を有し、前記撮像レンズにより前記撮像素子の受光面上に被写体の光学像を形成することを特徴とする撮像装置。
  14. 請求の範囲第13項に記載の撮像装置を含み、被写体の静止画撮影、動画撮影のうちの少なくとも一方の機能が付加されていることを特徴とするデジタル機器。
  15. 前記デジタル機器は、携帯端末であることを特徴とする請求の範囲第14項に記載のデジタル機器。
  16. 請求の範囲第1項から第12項までのいずれか1項に記載の撮像レンズの製造方法であって、
    前記レンズブロックが複数並べられたレンズブロックユニットを形成する工程と、
    複数の前記レンズブロックユニットを、間隔規定部を介在させてつなげる連結工程と、
    連結された前記レンズブロックユニットを前記間隔規定部に沿って切断することにより、前記レンズブロック毎に分離する切断工程と、を含むことを特徴とする撮像レンズの製造方法。
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