JP2007284650A - 硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】屈折率の温度依存性や吸湿依存性を制御することにより、耐熱性で使用環境での屈折率変動が小さくかつ、無色透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供する。
【解決手段】特定のビス(メタ)アクリレートと、特定のモノ(メタ)アクリレートと、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとを含む、50℃における粘度が100mPa・s以上である硬化性組成物。当該硬化性組成物中に含まれる(メタ)アクリレート成分100重量部に対する光重合開始剤含有量が0.5重量部未満。該硬化性組成物を中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率が10%以下。該硬化物の吸湿による重量変化率1%に対して、屈折率の変動が−0.0005〜+0.0005。該硬化物の2mmの厚みの黄色度(YI値)が10以下。
【選択図】なし

Description

本発明は、ビス(メタ)アクリレートを含有してなる硬化性組成物に関するものである。
本発明の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物は、屈折率の変動が小さく、プラスチックレンズや光導波路、表示用基板等の光学用プラスチック部材に好適である。
従来、光学部品には、屈折率の多様性や温度、湿度による変動が小さいことから、ガラスが好適に使われてきたが、近年、軽量化や低コスト化等の要求により、プラスチック製品が用いられるようになってきた。
しかし、一般的にプラスチックはガラスに比べて、温度や湿度による屈折率の変動が大きい欠点があった。例えば、透明樹脂としては、ポリメチルメタクリレートが最も代表的なものであるが、ポリメチルメタクリレートは吸湿性が高いため、水分が内部に入ることにより屈折率が変動する問題があった。
また、光硬化性組成物を光硬化させて得られる透明性を有する材料として、例えば、特開平9−152510号公報、特開2001−342222号公報等に、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨格の3,8(又は3,9又は4,8)位置換ビス(メタ)アクリレート化合物とメルカプト化合物よりなる組成物を重合硬化させてなる樹脂が提案されている。これらの技術は透明で複屈折率の小さい光学材料を提供しているが、本発明者らの検討によれば、この技術に基づき作成したサンプルは、湿度変化での屈折率変化が大きかった。
また、特開2004−352781号公報では、トリシクロデカン(メタ)アクリレートとウレタン(メタ)アクリレートおよび多官能(メタ)アクリレートを含む放射線硬化性組成物が提案されている。しかしながら、本発明者らの検討によれば、この技術に基づき作成したサンプルは、湿度変化での屈折率変化が大きいものも含まれていた。しかも、この放射線硬化性組成物で厚膜の硬化物を作成すると黄色を呈し、光学材料として使用することは不可能であった。
特開平9−152510号公報 特開2001−342222号公報 特開2004−352781号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、屈折率の温度依存性や吸湿依存性を制御することにより、高耐熱性で、使用環境での屈折率変動が小さくかつ、無色透明な硬化物を与える硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明はまた、この硬化性組成物を硬化させてなる硬化物、この硬化物を含む光学部品、光学部品、光導波路、表示用光学素子、表示用プラスチック基板、光学用プラスチック部材などを提供しようとするものである。
本発明者らは上記問題点を解決するべく鋭意検討を行った結果、光重合開始剤量を制限し、パラメーターを満たす硬化性組成物組成を調整することにより、耐熱性が高く、屈折率の温度依存性が低く、吸湿時の屈折率変化の小さい、優れた硬化体を得ることができ、この硬化物によりレンズを作成した場合には、環境変化によって焦点距離が変化することがなく、また光導波路を作った場合には環境変化により動作モードが変化することがなく、表示用の基板として用いた場合には、環境変化によって光の反射率が変化することがなく、表示品位の安定した光学部品を作ることができることを見出した。
本発明はこのような知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとを含む、50℃における粘度が100mPa・s以上である硬化性組成物において、当該硬化性組成物中に含まれる(メタ)アクリレート成分100重量部に対する光重合開始剤含有量が0.5重量部未満であり、かつ該硬化性組成物を中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率が10%以下であり、さらに該硬化物の吸湿による重量変化率1%に対して、屈折率の変動が−0.0005〜+0.0005であり、該硬化物の2mmの厚みの黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とする硬化性組成物。
Figure 2007284650
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
Figure 2007284650
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
[2] 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとを含む、50℃における粘度が100mPa・s以上である放射線硬化性組成物において、当該硬化性組成物中に含まれる(メタ)アクリレート成分100重量部に対する光重合開始剤含有量が0.5重量部未満であり、かつ該放射線硬化性組成物を中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率が10%以下であり、さらに該硬化物の温度1℃の変化による屈折率変動率が、−0.0002〜+0.0002であり、該硬化物の2mmの厚みの黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とする硬化性組成物。
Figure 2007284650
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
Figure 2007284650
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
[3] 該硬化物の温度1℃の変化による屈折率変動率が、−0.0002〜+0.0002である[1]に記載の硬化性組成物。
[4] 一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートが下記A群から選ばれる少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートであり、一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートが下記B群から選ばれる少なくとも1種のモノ(メタ)アクリレートであり、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートが下記C群から選ばれる少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートであり、さらに下記D群から選ばれる多官能(メタ)アクリレートを含んでもよい[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化性組成物。
A群:ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
B群:(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
C群:分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレート、エポキシビス(メタ)アクリレート
D群:分子内に3〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート
[5] 分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレートが、脂環骨格を含むウレタンビス(メタ)アクリレートであり、その数平均分子量が100,000以下で、50℃における粘度が5,000〜100,000mPa・sであることを特徴とする[4]に記載の硬化性組成物。
[6] A群から選ばれるビス(メタ)アクリレートとB群から選ばれるモノ(メタ)アクリレートとの合計に対するC群から選ばれるビス(メタ)アクリレートとの重量比が20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする[4]又は[5]に記載の硬化性組成物。
[7] 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、脂環骨格を含むウレタンビス(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物であって、下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと下記一般式(2)で表わされるモノ(メタ)アクリレートとの合計に対する脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートとの重量比が20:80〜60:40の範囲であることを特徴とする硬化性組成物。
Figure 2007284650
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
Figure 2007284650
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
[9] [8]に記載の硬化物を含む光学部品。
[10] [9]に記載の光学部品を用いた表示素子。
本発明の硬化性組成物によれば、耐熱性が高く、屈折率の温度依存性が低く、吸湿時の屈折率変化の小さい優れた硬化体を得ることができる。従って、本発明の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物は、無色透明で耐熱性が高く、使用環境での屈折率の変動が小さいため、各種光学部品、光導波路、表示用光学素子、表示用プラスチック基板、光学用プラスチック部材等、特に光通信用部材として好適である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されない。
なお、本発明において「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート及び/又はメタクリレート」をさす。また、以下において、下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートを「成分A」と称し、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートを「成分B」と称し、数平均分子量が1000以上の(メタ)アクリレートを「成分C」と称し、分子内に3〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートを「成分D」と称す場合がある。
Figure 2007284650
(一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
Figure 2007284650
(一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
本発明の硬化性組成物は、前記成分A、成分B及び成分Cを含有し、更に成分Dを含んでいてもよいものである。
[成分A]
成分Aを示す前記一般式(1)において、R,Rはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基であるが、好ましくはメチル基であり、R,Rはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基であるが、好ましくは直接結合あるいは炭素数1又は2のアルキレン基であり、pは1又は2、qは0であるものが好ましい。
成分Aとして用いる前記一般式(1)で表される含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート化合物(以下、「ビス(メタ)アクリレート」と略すことがある)の具体例としては、例えばビス(アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、ビス(メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(アクリロイルオキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等を挙げることが出来る。
成分Aとしては、これら一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
成分Aとしては、これらのうち、下記A群から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
A群:ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
これらのビス(メタ)アクリレートは、一般的なエステル合成法(日本化学会編、新実験化学講座、14、有機化合物の合成と反応(II)丸善、1977年刊)等に準拠して製造することが出来る。代表的な製造方法としては、次の(i)〜(iii)の方法が挙げられる。
(i)下記一般式(3)で示される含脂環骨格ジオール(以下、「一般式(3)のジオール」又は「ジオール」と略記する事がある)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応による方法(特開昭62−225508号公報参照)
Figure 2007284650
(一般式(3)中、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。tは1又は2を示し、uは0又は1を示す。)
(ii)一般式(3)のジオールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応による方法
(iii)一般式(3)のジオールと(メタ)アクリル酸ハライドとの反応による方法
(i)の一般式(3)のジオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応は、ジオール1モルに対して2〜2.6モルの(メタ)アクリル酸を用い、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオン型イオン交換樹脂等を触媒として、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成する水を留去しながら行えばよい。なお、一般式(3)のジオールの具体例としては、例えばビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等を挙げることが出来る。これらのうち、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンは、「TCDアルコールDM(セラニーズ社商品名)」として市販されている。
また、(ii)の一般式(3)のジオールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、ジオール1モルに対して(メタ)アクリル酸エステルを2〜10モル用い、硫酸、p−トルエンスルホン酸、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、カリウムブトキシド等を触媒として、トルエン、ベンゼン、ヘプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成するメタノールを留去しながら行えばよい。なお、これらの反応は重合禁止剤の存在下に行うのが好ましく、重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチアジン、銅塩等を用いることができる。
[成分B]
成分Bを示す前記一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基であるが、好ましくはメチル基であり、R,Rはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基であるが、好ましくは直接結合あるいは炭素数1又は2のアルキレン基であり、rは1〜2、sは0であるものが好ましい。
成分Bとして用いる前記一般式(2)で表される含脂環骨格モノ(メタ)アクリレート化合物(以下、「モノ(メタ)アクリレート」と略すことがある)の具体例としては、例えば(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシ−アクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシ−メタクリロイルオキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシエチル−アクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン、(ヒドロキシエチル−メタクリロイルオキシエチル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカン等が挙げられる。
成分Bとしては、これら一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
成分Bとしては、これらのうち、下記B群から選ばれる1種又は2種が好ましい。
B群:ビス(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
[成分C]
数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとしては、下記C群から選ばれる1種又は2種以上が好ましく用いられる。
C群:分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレート、エポキシビス(メタ)アクリレート
<分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレート>
分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレート(以下「ウレタン(メタ)アクリレート」と称す場合がある。)としては、1分子中に(メタ)アクリロイル基を2〜10個、好ましくは2〜5個有するウレタンオリゴマー等が挙げられ、例えば、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるウレタンプレポリマーと、ヒドロキシ基含有の(メタ)アクリレートとを反応させて製造される(メタ)アクリロイル基含有ウレタンオリゴマーが挙げられる。
ここで用いるポリオール化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールあるいは2種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオール等が挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン性重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、β−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記2種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテンオキシドとエチレンオキシド等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。
ここまでに述べたこれらのポリエーテルジオールは、例えばPTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学(株)製)、PPG1000、EXCENOL2020、1020(以上、旭オーリン(株)製)、PEG1000、ユニセーフDC1100、DC1800(以上、日本油脂(株)製)、PPTG2000、PPTG1000、PTG400、PTGL2000(以上、保土ヶ谷化学(株)製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000A、PBG2000B(以上、第一工業製薬(株)製)等の市販品としても入手することができる。
ポリオール化合物としては、上記のポリエーテルジオールの他にポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられ、これらのジオールをポリエーテルジオールと併用して用いることもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。ここで用いるポリエステルジオールとしては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール等の多価アルコールとフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、セバシン酸等の多塩基酸とを反応して得られるポリエステルポリオール等を挙げることができる。これらの市販品としてはクラポールP−2010、PMIPA、PKA−A、PKA−A2、PNA−2000(以上、(株)クラレ製)等が入手できる。
また、ポリカーボネートジオールとしては、例えば1,6−ヘキサンポリカーボネート等が挙げられ、市販品としてはDN−980、981、982、983(以上、日本ポリウレタン(株)製)、PC−8000(米国PPG(株)製)等が挙げられる。
さらにポリカプロラクトンジオールとしては、ε−カプロラクトンと、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、1,2−ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール等の2価のジオールとを反応させて得られるポリカプロラクトンジオールが挙げられる。これらのジオールは、プラクセル205、205AL、212、212AL、220、220AL(以上、ダイセル(株)製)等の市販品として入手することができる。
上記以外のジオールも数多く使用することができる。このようなジオールとしては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールAのブチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加ジオール、水添ビスフェノールFのブチレンオキサイド付加ジオール、ジシクロペンタジエンのジメチロール化合物、トリシクロデカンジメタノール、β−メチル−δ−バレロラクトン、ヒドロキシ末端ポリブタジエン、ヒドロキシ末端水添ポリブタジエン、ヒマシ油変性ポリオール、ポリジメチルシロキサンの末端ジオール化合物、ポリジメチルシロキサンカルビトール変性ポリオール等が挙げられる。
また上記したようなジオールを併用する以外にも、ポリオキシアルキレン構造を有するジオールとともにジアミンを併用することも可能であり、このようなジアミンとしてはエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンやヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
好ましいジオールとしては1,4−ブタンジオールの重合体であるポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。このジオールの好ましい分子量は数平均分子量で通常50〜15,000であり、特に500〜3,000である。
一方、ポリイソシアネート化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシル ジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−ヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネートは1種でも、2種以上を併用して用いてもよい。中でもイソホロンジイソシアネートやノルボルナンジイソシアネート、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートなどの脂環骨格を有するジイソシアネートが好適に用いられる。脂環骨格を有するジイソシアネートが好ましいのは、芳香環が入ると、紫外域の吸収が入るため、着色の原因となるのに対して、脂環骨格を有するジイソシアネートであれば、このような問題がないことによる。
また、反応に用いる水酸基含有(メタ)アクリレート化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフェート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、さらにアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物を挙げることができる。これらのうち、特に2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が好ましい。
市販のウレタンオリゴマーとしては、EB2ECRYL220(ダイセル・サイテック)、アートレジンUN−3320HA(根上工業)、アートレジンUN−3320HB(根上工業)アートレジンUN−3320HC(根上工業)、アートレジンUN−330(根上工業)及びアートレジンUN−901T(根上工業)、NK−オリゴU−4HA(新中村化学)、NK−オリゴU−6HA(新中村化学)、NK−オリゴU−324A(新中村化学)、NK−オリゴU−15HA(新中村化学)、NK−オリゴU−108A(新中村化学)、NK−オリゴU−200AX(新中村化学)、NK−オリゴU−122P(新中村化学)、NK−オリゴU−5201(新中村化学)、NK−オリゴU−340AX(新中村化学)、NK−オリゴU−511(新中村化学)、NK−オリゴU−512(新中村化学)、NK−オリゴU−311(新中村化学)、NK−オリゴUA−W1(新中村化学)、NK−オリゴUA−W2(新中村化学)、NK−オリゴUA−W3(新中村化学)、NK−オリゴUA−W4(新中村化学)、NK−オリゴUA−4000(新中村化学)、NK−オリゴUA−100(新中村化学)、紫光UV−1400B(日本合成化学工業)、紫光UV−1700B(日本合成化学工業)、紫光UV−6300B(日本合成化学工業)、紫光UV−7550B(日本合成化学工業)、紫光UV−7600B(日本合成化学工業)、紫光UV−7605B(日本合成化学工業)、紫光UV−7610B(日本合成化学工業)、紫光UV−7620EA(日本合成化学工業)、紫光UV−7630B(日本合成化学工業)、紫光UV−7640B(日本合成化学工業)、紫光UV−6630B(日本合成化学工業)、紫光UV−7000B(日本合成化学工業)、紫光UV−7510B(日本合成化学工業)、紫光UV−7461TE(日本合成化学工業)、紫光UV−3000B(日本合成化学工業)、紫光UV−3200B(日本合成化学工業)、紫光UV−3210EA(日本合成化学工業)、紫光UV−3310B(日本合成化学工業)、紫光UV−3500BA(日本合成化学工業)、紫光UV−3520TL(日本合成化学工業)、紫光UV−3700B(日本合成化学工業)、紫光UV−6100B(日本合成化学工業)、紫光UV−6640B(日本合成化学工業)等が使用できる。
分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレートの数平均分子量は1,000〜100,000が好ましく、更に好ましくは2,000〜10,000である。また、50℃における粘度は5,000〜100,000mPa・s、特に8,000〜50,000mPa・sであることが好ましい。
ウレタンビス(メタ)アクリレートとしては、脂環骨格を含むウレタンビス(メタ)アクリレート、中でもメチレンジシクロヘキシルジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールを有するウレタンアクリレートが、透明性、低複屈折性、柔軟性等の点により優れており、好適に利用することができる。
<エポキシ(メタ)アクリレート>
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ基を有する化合物、ビスフェノールA型プロピレンオキサイド付加型の末端グリシジルエーテル、フルオレンエポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。具体的にはビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジプロピレンオキサイドジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、グリセリンジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドリキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアミノアクリレートが挙げられる。
成分Cとしては、これらのウレタンビス(メタ)アクリレート及び/又はエポキシ(メタ)アクリレートの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
[成分D]
成分Dの分子内に3〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、ポリオールの(メタ)アクリル酸エステル等が利用できる。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールセプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
成分Dとしては、これらの(メタ)アクリレートの1種を単独で用いてもよく、2種以上の混合物を用いてもよい。
[成分組成比]
成分A、成分B及び成分C、更に場合により成分Dを含有してなる本発明の硬化性組成物における各成分の組成比は、成分Aと成分Bの合計は、成分A、成分B及び成分Cと、場合により含まれる成分Dとの合計(以下、これら各成分の合計を「成分A〜C(D)」と称す場合がある。)に対して0.1〜99.9重量%であることが好ましく、10〜90重量%であることがより好ましく、30〜70重量%であることが更に好ましい。
また、成分Bであるモノ(メタ)アクリレートは、成分Aと成分Bの合計に対して0.01〜10重量%であることが好ましく、1〜10重量%であることがより好ましい。この割合は、更に0.05〜7重量%であることが好ましく、2〜7重量%であることがより好ましく、最も好ましくは0.1〜5重量%である。
また、成分Cである数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートは成分A〜C(D)に対して0.1〜99.9重量%であることが好ましく、10〜90重量%であることがより好ましく、30〜70重量%であることが更に好ましい。
また成分Dである多官能(メタ)アクリレートは、成分A〜C(D)に対して50重量%以下であることが好ましく、40重量%以下であることがより好ましく、30重量%以下であることが更に好ましい。
また、成分Aと成分Bの合計に対する成分Cの重量比は20:80〜80:20であることが好ましく、30:70〜60:40であることがより好ましく、40:60〜55:45であることが更に好ましい。
上記範囲より成分Aが多いと粘度が低く、少ないと耐熱性が悪くなる傾向である。
また、上記範囲より成分Bが多いと粘度が低く、少ないと硬化物の硬度が上がりすぎ、もろくなってしまう。
また、上記範囲より成分Cが多いと粘度が高くなりすぎたり、硬化物の屈折率の温度依存性が大きくなり、少ないと硬化収縮率が大きくなる。
また、成分Dを配合することにより硬化物の屈折率の温度依存性が小さくなるという効果が得られるが、その配合量が多過ぎると硬化物の屈折率の温度依存性が大きくなる。
ただし、上記成分A〜Dの配合組成は、本発明の硬化性組成物やこれを硬化させて得られる硬化物に要求される物性ないし特性に応じて、後述の如く、より好ましい配合組成が存在する。
[その他の成分]
本発明の硬化性組成物には、本発明の要旨を損なわない範囲で、成分A、成分B、成分C、成分D以外の補助成分を含んでもよい。補助成分としては、ラジカル重合可能な他の単量体、メルカプタン化合物等の連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、染顔料、充填剤、シランカップリング剤、離型剤などが挙げられる。また、後述の光重合開始剤の他に、熱重合開始剤を含んでいてもよい。
<ラジカル重合可能な他の単量体>
ラジカル重合可能な他の単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6―ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサンなどの(メタ)アクリレート化合物;スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレンなどのスチレン系化合物;アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリロニトリルなどのアクリル酸誘導体等の1種又は2種以上が挙げられる。
ラジカル重合可能なこれらの単量体を配合する場合は、成分A〜C(D)に対して通常50重量%以下の割合で含有させる。
<連鎖移動剤>
連鎖移動剤としては、例えば、分子内に2個以上のチオール基を有する多官能メルカプタン化合物の1種又は2種以上を用いることができ、これにより硬化物に適度な靱性を付与する事が出来る。メルカプタン化合物としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオグリコレート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(β−チオグリコレート、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(β−チオグリコレート)等の2〜6価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エステル;トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)プロピル]トリイソシアヌレート、トリス[2−(β−チオグリコニルオキシ)プロピル]トリイソシアヌレート等のω−SH基含有トリイソシアヌレート;ベンゼンジメルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4、4’−ジメルカプトジフェニルスルフィド等のα,ω−SH基含有化合物等が挙げられる。これらの中でもペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロピオネート)、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシエトキシ)エチル]トリイソシアヌレートなどの1種又は2種以上を用いるのが好ましい。
メルカプタン化合物を配合する場合は、成分A〜C(D)に対して、通常30重量%以下の割合で含有させる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤及びベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤から選ばれるものであり、その紫外線吸収剤は1種類を用いてもよいし、2種類以上を併用しても良い。具体的には、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4、4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’、5’−ジターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ターシャリーブチル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、その他マロン酸エステル系のホスタビンPR−25(クラリアント社)、蓚酸アニリド系のサンデュボアVSU(クラリアント社)などの化合物が挙げられる。
紫外線吸収剤を配合する場合、成分A〜C(D)に対して、通常0.01〜1重量%の割合で含有させる。
<充填剤>
充填剤としては、無機粒子や有機高分子などの1種又は2種以上が挙げられる。例えば、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などの無機粒子、ゼオネックス(日本ゼオン社)やアートン(JSR社)などの透明シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートやPMMAなどの汎用熱可塑性ポリマーなどが挙げられる。中でも、ナノサイズのシリカ粒子を用いると透明性を維持することができ好適である。また、有機高分子充填剤として本発明の硬化性組成物中の(メタ)アクリレート成分と構造の似たモノマーを予め重合させて得られた有機高分子を用いると高濃度まで有機高分子を溶解させることが可能であり、好適である。例えば日立化成社のメタクリルモノマー(FA−513M)を重合させたポリマーは、本発明の硬化性組成物中の前記A群ないしB群から得られる(メタ)アクリレート成分と構造がよく似ており、好適である。重合の方法はよく知られた熱重合が用いることができる。
<シランカップリング剤>
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等の1種又は2種以上が挙げられる。中でも、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン、γ−((メタ)アクリロキシプロピル)トリエトキシシラン、γ−(アクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等は分子中に(メタ)アクリルないしアクリル基を有しており、本発明の硬化性組成物中の他のモノマーと共重合することができるので好ましい。
シランカップリング剤は、成分A〜C(D)に対して通常0.1〜50重量%となるように含有させる。好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは1〜20重量%である。シランカップリング剤の配合量が少ない場合には、これを含有させる効果が十分に得られず、多過ぎる場合には、硬化体の透明性などの光学特性が損なわれる恐れがある。
<離型剤>
離型剤としては、各種の市販の材料を用いることができる。例えば炭化水素系、シリコーン系、フッ素系のオイル、界面活性剤、エマルジョン等が利用できる。中でもシリコーン系の界面活性剤、フッ素含有界面活性剤が、その効果、モノマー液との溶解性の点で好適に利用できる。離型剤の具体例としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコール変性パーフルオロアルキル、アミノ変性パーフルオロアルキル等が挙げられる。
離型剤は、成分A〜C(D)に対して通常0.01〜10重量%となるように含有させる。好ましくは0.1〜1重量%である。離型剤の配合量が少ない場合は、型表面での実効離型剤量が足りなく、十分な離型効果が得られない。配合量が多い場合は、モノマーへの溶解性から分離したり、白濁する原因となる。
なお、光重合開始剤、熱重合開始剤については後述する。
[硬化性組成物の粘度]
本発明の硬化性組成物は、50℃での粘度が通常100mPa・s以上、100,000mPa・s以下である。この粘度が100mPa・s未満では型に硬化性組成物を注ぎ入れるときに型の隙間に入り込み、隙間でゲル化した硬化性組成物の硬化物がサンプルに付着して不良率の増加を引き起こす恐れがある。また、50℃での粘度が100,000mPa・sより多いと、注型する際に、気泡が入ったり、しかるべき隙間に入らなかったり、気泡が抜けなかったりするので好ましくない。本発明の硬化性組成物の50℃での粘度は好ましくは500〜10,000mPa・s、更に好ましくは700〜2,000mPa・sである。
なお、本発明の硬化性組成物の粘度を上昇させる方法としては、高粘度のオリゴマーやポリマーを配合する方法、無機のフィラーを配合する方法などが利用できる。高粘度のオリゴマーとしては上記の成分Cとしてのウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレートが利用できる。中でも数平均分子量1000〜10000程度の脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートが好適に利用できる。例えば成分Aとしてのビス(メタ)アクリレートと成分Cとしての数平均分子量3000の脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートを用いる場合は、各々単独の50℃における粘度がそれぞれ20mPa・s,30,000mPa・sであるので、重量比として(成分A+成分B):成分C=20:80〜80:20の範囲で調整すればよい。また、無機フィラーを配合する場合には、例えば、成分Aのビス(メタ)アクリレートと、平均粒径20nm程度のコロイダルシリカを重量比で成分A:コロイダルシリカ=70:30〜50:50の範囲で調整すればよい。
[硬化性組成物の硬化方法]
本発明の硬化性組成物は、公知の方法で重合硬化させて、硬化体とすることができる。
例えば、熱硬化、又は放射線硬化等が挙げられる。好ましくは放射線硬化である。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、電子線等が挙げられるが、好ましくは光である。更に好ましくは波長が200nm〜450nm程度の光であり、更に好ましくは波長が300〜420nmの紫外線である。
本発明の硬化性組成物の硬化方法としては、具体的には、予め硬化性組成物に加熱によりラジカルを発生する熱重合開始剤を添加しておき、加熱して重合させる方法(以下「熱重合」という場合がある)、予め硬化性組成物に紫外線等の放射線によりラジカルを発生する光重合開始剤を添加しておき、放射線を照射して重合させる方法(以下「光重合」という場合がある)等、および熱重合開始剤と光重合開始剤を併用して予め添加しておき、熱と光の組み合わせにより重合させる方法が挙げられる。これらのうち、本発明においては光重合がより好ましい。
<光重合>
光重合のために硬化性組成物に配合する光重合開始剤としては、通常、光ラジカル発生剤の1種又は2種以上が用いられる。光ラジカル発生剤としては、この用途に用い得ることが知られている公知の化合物を用いることができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキサイド、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、ビス(η−2.4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等が挙げられる。これらの中でも、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の配合量は、硬化性組成物中の(メタ)アクリレート成分(通常は成分A〜C(D))100重量部に対して、0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、更に好ましくは0.05重量部以上である。その上限は、通常1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、更に好ましくは0.1重量部以下である。光重合開始剤の添加量が多すぎると、重合が急激に進行し、得られる硬化体の複屈折を大きくするだけでなく色相も悪化する。公知の技術として特開2004−352781号公報に記載されているように、この光重合開始剤の配合量を5重量部とした場合、光重合開始剤の吸収により、紫外線の照射と反対側に光が到達できずに未硬化の部分が生ずる。また、黄色く着色し色相の劣化が著しくなる。一方、少なすぎると放射線照射を行っても重合が十分に進行しないおそれがある。
光重合の際に照射する放射線の量は、光重合開始剤がラジカルを発生させる範囲であれば任意であるが、極端に少ない場合は重合が不完全となるため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の放射線による劣化を生じるので、モノマーの組成および光重合開始剤の種類、量に合わせて、例えば放射線として紫外線を用いる場合は、波長300〜450nmの紫外線を好ましくは0.1〜200J/cmの範囲、更に好ましくは1〜20J/cmの範囲で照射する。
なお、放射線を複数回に分割して照射すると、より好ましい。すなわち1回目に全照射量の1/20〜1/3程度を照射し、2回目以降に必要残量を照射すると、複屈折のより小さな硬化物が得られる。
使用するランプの具体例としては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ、紫外線LEDランプ等を挙げることができる。
重合をすみやかに完了させる目的で、光重合と熱重合を同時に行ってもよい。この場合には、放射線照射と同時に硬化性組成物を30〜300℃の範囲で加熱して硬化を行う。この場合、硬化性組成物には、重合を完結するために後述の熱重合開始剤を添加してもよいが、大量に添加すると硬化物の複屈折の増大と色相の悪化をもたらすので、熱重合開始剤は、成分A〜C(D)に対して0.1〜2重量%、より好ましくは0.3〜1重量%となるように配合する。
熱重合開始剤としては、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシエステル、ジアシルパーオキサイド、パーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等が挙げられる。具体的にはベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)ジクミルパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等を用いることができる。光照射時に熱重合が開始されると、重合を制御することが難しくなるので、これらの熱重合開始剤は好ましくは1分半減期温度が120℃以上であることがよい。これらの熱重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
また、光重合後に、得られた硬化物を更に加熱してもよい。これにより重合反応の完結及び重合時に発生した内部歪みを低減させることが可能である。この場合の加熱温度は、硬化物の組成やガラス転移温度に合わせて適宜選択されるが、通常、ガラス転移温度付近かそれ以下の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると硬化物の色相悪化をもたらすおそれがある。
本発明の硬化性組成物を、特に放射線によりシート状に成形硬化させる場合には、少なくとも一面が放射線を透過可能な平板である成形型を用いた注入型に、成分A、成分B及び成分Cと、場合により含まれる成分Dと、光重合開始剤等を含む本発明の硬化性組成物を注入し、放射線を照射して重合硬化させる。成形型の材質は、硬化後のシートの表面平滑性から、好ましくは研磨ガラス、又は研磨ガラスと同等な表面平滑性を得られるアクリル板等のプラスチック等が挙げられるが、熱等により容易にその形状を変化させないものであればよい。また、必要により成形型上に剥離材等の塗布、又は剥離層を設け、硬化後の透明プラスチックシートを成形型より除去しやすくする処理を行うこともできる。キャビティを形成させるスペーサー等については、特に限定しないが、所望のシート厚さが得られるものであればよい。例えば、シリコンゴム等のゴム製、金属製の板もしくは棒状部材、テフロン(登録商標)等の樹脂製の板もしくは棒状部材等が挙げられる。
なお、本発明の硬化性組成物をこの様にシート状に成形した後、金属や金属酸化物例えばSiO膜やITO膜等の無機膜を成膜してもよい。この場合の成膜方法は蒸着でもスパッタリングでも良い。スパッタリング法は膜厚の制御が行いやすく、緻密な膜を形成しやすいので好適である。ITO膜の厚みは必要とされる抵抗値に応じて選ぶことができるが、50〜2000Åが好適に用いられる。特に膜厚100〜200Åで表面抵抗値が500Ω/□付近になるため好適である。
[硬化収縮率]
本発明の硬化性組成物は、中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率(以下単に「硬化物収縮率」と称す。)が10%以下であることが好ましい。この硬化収縮率が10%よりも大きい場合は放射線硬化の時に型から剥がれ、表面の形状が悪くなったり、所定のレンズ形状やリブ形状の場合形状が得られなかったりする恐れがある。硬化収縮率は好ましくは9%以下、更に好ましくは8%以下である。
硬化収縮率を小さくするためには、硬化性組成物中の(メタ)アクリロイル基含有量を減らせばよい。具体的には成分Cのウレタン(メタ)アクリレートやエポキシ(メタ)アクリレートなどの比較的分子量が大きく、(メタ)アクリロイル基が少ない材料を用いると良い。
[硬化物の温度/湿度依存性]
本発明の硬化性組成物を重合硬化させてなる硬化物を光学用途で用いる場合、屈折率の温度依存性及び湿度依存性は小さいことが好ましい。実際の使用環境では冬場には氷点下になり、夏場では50℃程度まで上がることがある。また、季節によって環境の湿度が変化した場合、湿度10%〜90%まで変動することがある。このとき、屈折率の変動が大きければ、例えばレンズに成形加工した場合、焦点距離がずれる恐れがある。また、光導波路を形成した場合は、コア部とシェル部の屈折率差に変化が生じて、導波モードが崩れ、伝搬しないことが起こる。更に、ディスプレイ用途で反射防止膜としてコーティングした場合、波長の1/4の倍数で膜厚みを制御しているため、屈折率が変動すると、所望の反射特性が得られなくなる恐れがある。
従って、屈折率変動の範囲としては、温度1℃当たりの屈折率変動(以下「温度特性」と称す場合がある。)が±0.0002以内すなわち±200ppm以内が好ましい。更に好ましくはこの屈折率変化は±0.0001以内、すなわち±100ppm以内が好ましい。
また、湿度の影響で、硬化物の吸湿により硬化物の水分が入り込み重量が1%変化したときの屈折率の変動(以下「吸湿特性」と称す場合がある。)として、±0.0005以内、すなわち±500ppm以内が好ましく、更に好ましくは±0.0003以内、すなわち±300ppm以内である。
湿度による屈折率変動を小さくする具体的な方法としては、吸湿により屈折率が増加する成分と減少する成分を組み合わせることにより達成することができる。例えば吸湿により屈折率は増加する成分として成分Aが挙げられ、減少する成分として成分Cが挙げられる。各成分の組み合せは、例えば成分Aのビス(メタ)アクリレートと成分(B)のモノ(メタ)アクリレートとの合計と成分Cの脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートを重量比が(成分A+成分B):成分C=30:70〜100:0で配合するとよい。これらの組成において、屈折率の変動が小さくなるメカニズムについては詳しく解明されているわけではないが、以下の現象によると思われる。
すなわち、成分Aのビス(メタ)アクリレートは脂環骨格を有する2官能性の(メタ)アクリレートであるため、重合すると非常に硬い構造体を形成する。ここに水分が侵入した場合、水分がポリマー鎖を押し広げることがなく、空気と置き換わり、屈折率が高くなる。また、成分Cのウレタン(メタ)アクリレートは一般的な高分子と同様、比較的柔らかい構造であり、水分の侵入に伴い高分子鎖が押し広げられるため、体積が膨張し結果として屈折率が低下する。従って、これらの成分組成を調節することにより、水分を吸収しても屈折率が変動しない硬化物を実現することができる。
また、温度による屈折率変動を小さくする具体的な方法としては、組成物中に多くの架橋成分を配合することにより達成することができる。例えば、成分Aのビス(メタ)アクリレートや成分Dの多官能(メタ)アクリレートを用いると、ポリマー鎖内に高度に架橋された部分が生じ、加熱されたときに高分子の熱振動が押さえられ、膨張しにくくなる。屈折率の変動は体積変化によって影響を受けるため、熱膨張が小さければ屈折率の変動も比例して小さくなる。更に具体的には成分Aのビス(メタ)アクリレートや成分Dの多官能(メタ)アクリレートの量と成分Bのモノ(メタ)アクリレートや成分Cの高分子量ビス(メタ)アクリレートの比を調節する。温度による屈折率変動のみを考慮すると、成分Dの配合量が多いものが良好である。しかし、他の物性を考えると成分Aのビス(メタ)アクリレートと成分Bのモノ(メタ)アクリレート、成分Cの脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートおよび成分Dの多官能(メタ)アクリレートの全重量を100としたとき、成分Dの重量比が5〜40で混合するとよい。
このように、成分A〜Dの種類と組成比を調整することにより、温度変化や湿度変化に対する屈折率の変動が小さい硬化物を設計することが可能である。
[硬化物の色相、その他の特性]
本発明の硬化物を光学材料として用いる場合、更に光線透過率や色相を制御する必要がある。
光線透過率としてはJIS K7136に準拠して、透過法により測定する。光線透過率やヘーズはサンプルの厚みに依存するので、厚みを2mmに揃える。全光線透過率は80%以上、ヘーズは10%以内が好ましい。更に好ましくは全光線透過率90%以上、ヘーズ1%以内である。光線透過率が低く、ヘーズが高い場合は透過する光線の量が減少して、暗くなることや、光線が散乱して結像がぼけるなどの影響がある。
また、JIS K7103に準拠して透過法により測定される色相については次の通りである。ここで、黄色度はサンプルの厚みに依存するので厚みを2mmに揃える。色相は各種あるが、イエローネスインデックス(YI値)が本用途の評価に最適である。YI値は値が大きいと黄色みを帯びる値であり、0以上、10以下が光学用途では好適である。YI値が10を超えると黄色く着色し、レンズ用途で用いた場合は得られた画像が黄ばみ、導波路用途で用いる場合は、導波する波長に依存するが例えば波長405nmのレーザーを用いると損失が大きくなってしまう。反射膜で用いる場合でもYI値が10を超えると透過光が黄色くなり好ましくない。YI値の更に好ましい範囲は0以上3以下である。
これらの各種パラメータを達成するために、本発明の硬化性組成物中の成分A,B,C,Dおよび光重合開始剤の重量組成比は下記の割合とすることが望ましい。
(1) 成分Dを含まない場合は、成分Aと成分Bと成分Cの混合物の総量を100としたとき、成分Cが20〜80であることが好ましい。
(2) 成分A,B,C及びDの混合物の総量を100として、成分Dが5〜40であることが好ましい。
いずれの場合においても、光重合開始剤は成分A,B,C及びDの混合物の総量を100として、0.01以上0.5以下が好ましく、より好ましくは0.05以上0.2以下である。
また、成分Aとしての、ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及び(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンの1種又は2種以上と、成分Bとしての、(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及び/又は(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンと、成分Cとしての、数平均分子量3000であり、脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートを用い、上記成分Aと成分Bと成分Cとの総重量を100としたとき、成分Cの重量比が80〜20であることが好ましく、更に好ましくは70〜40である。また、この組成において、光重合開始剤として、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等の1種又は2種以上を、成分A〜Cの合計100部に対して重量比で0.001〜0.5部、更に好ましくは0.05〜0.2部配合することが好ましい。
[用途]
本発明の硬化性組成物は、光学部品として好適に用いることができる。
また、本発明の硬化性組成物は、接着剤、各種コーティング剤、インキ、塗料としても使用することができる。
本発明の硬化性組成物の硬化体は、無色透明で耐熱性が高く、使用環境での屈折率の変動が小さいため、光学レンズ、導光板、光学用シート、光学用プラスチック部材等に適する。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、以下において「部」は「重量部」である。また、硬化性組成物及び硬化物の諸物性は下記の試験法により測定した。
(1)光線透過率:JIS−K7105に従って全光線透過率を測定した。
(2)屈折率:カルニュー社製精密屈折計KPR−2を用いて、波長587.6nm光の屈折率を測定した。
(3)硬化収縮率:硬化前の組成物の23℃での密度をδ、硬化後の23℃での密度をδとすると、下記の式により求めた。
硬化収縮率(%)=((δ−δ)/δ)×100
すなわち、硬化前の密度δが1.095g/cmであり、硬化後の密度δが1.152g/cmであった場合、硬化収縮率は5.2%である。
(4)粘度:E型粘度計を用い、50℃にて測定した。
(5)黄色度(YI値):JIS K7105より測定した。測定サンプルの厚みは2mmとした。
(6)湿度特性:下記のように測定した。
まず、サンプルを熱風オーブンにて120℃で2時間乾燥した後、シリカゲルを入れたデシケーター中に保管し、室温までさました。室温になったサンプルの重量を測定しW(g)とした。このサンプルの屈折率(R)を23℃にて測定した。次に、60℃、90%の恒温恒湿器内に7日間放置し、取り出したサンプルの重量を測定してW(g)とした。このサンプルの屈折率(R)を23℃にて測定した。
吸湿特性(単位:ppm)は下記の式にて計算した。
吸湿特性=((R−R)/(W−W))×10
(7)温度特性:下記のように測定した。
上記の熱風オーブンで乾燥させたサンプルを23℃、50%の恒温恒湿器内に7日間放置し、取り出したサンプルの屈折率(R)を23℃にて測定した。次に、50℃にサンプルを加熱し、サンプル温度が50℃になったときに屈折率(R)を測定した。
温度特性(単位:ppm)は下記の式にて計算した。
温度特性=((R−R)/(50−23))×10
実施例1
ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(以下「化合物A−1」)9.5重量部、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(以下「化合物B−1」)0.5重量部、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネートとポリテトラメチレンエーテルグリコールとアクリル酸メチルの縮合物で数平均分子量がおよそ3000、粘度が30,000mPa・sのジアクリレート(以下「化合物C−1」)50重量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(以下「化合物D−1」)40重量部、これに光重合開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(以下「開始剤1」)0.1重量部を混合して、60℃にて均一になるまで撹拌した。得られた組成物の粘度を測定し、結果を表1に示した。
また、これを2.0mmのスペーサーを介して2枚のガラス板間に注入し、18mW/cmメタルハライドランプの下にて10分間紫外線を照射した(光量11J/cm)。ガラス板を外して硬化物を取り出し、アセトンで洗浄した後、150℃にて真空オーブン中で4時間加熱した。室温に放置後、25mm角に切断し、直交する端面を光学研磨した。
これをサンプルとして、厚み方向に光を通過させて全光線透過率を測定した。また、研磨した端面を用いて屈折率を各種条件で精密に測定し、温度・湿度依存性を調べた。また、色相としてYI値、硬化収縮率を測定した。これらの結果を表1に示す。
実施例2〜7,12,13
化合物A−1,B−1,C−1,D−1の配合割合を表1に示す通りとした他は、実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例8,9
化合物A−1,B−1,C−1を表1に示す割合で用い、更に、メチルエチルケトン溶液に均一分散した、粒径分布の中心が20nmのコロイダルシリカ溶液をシリカ分が表1に示す割合となるように添加し、その後エバポレーターで溶媒を除去した後、これに開始剤1を0.1重量部混合した他は、実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例10
化合物A−1,B−1と、芳香族系のウレタンアクリレートとして、ダイセル・サイテック株式会社製のEBECRYL220(以下「化合物C−2」:芳香族ジイソシアネートとグリコールからなるウレタンアクリレート,数平均分子量560,粘度2000mPa・s(50℃))とジペンタエリスリトールペンタアクリレート(以下「化合物D−2」)と、開始剤1とを表1に示す配合割合で用いたこと以外は、実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
実施例11
化合物A−1,B−1と、ウレタンアクリレートとして、根上工業株式会社製のアートレジンUN−3320HS(以下「化合物C−3」:分子内に官能基数15を有する芳香族ジイソシアネートとグリコールからなるウレタンアクリレート,数平均分子量1200,粘度9100mPa・s(50℃))と、化合物D−2と開始剤1とを表1に示す配合割合で用いたこと以外は、実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
比較例1
化合物C−1,D−1を用いず、化合物A−1,B−1を表1に示す配合割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
このものは粘度が低く、成形性に問題があった。
比較例2
化合物C−1を用いず、化合物A−1,B−1,D−1を表1に示す配合割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。
このものは、硬化収縮率が大きく、また吸湿特性が3500ppmであり、屈折率変化が大きく問題であった。
比較例3,4
化合物C−1の代りに化合物C−2又はC−3を、化合物D−1の代りに化合物D−2を用い、化合物A−1,B−1,C−2又はC−3,D−2及び開始剤1を表1に示す配合割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。ただし、いずれのものも、硬化時に、サンプルの片側から紫外光を当てたが、光重合開始剤の量が多く紫外線が窮されてしまい、反対面が硬化しなかったので、反対面からも同様に同量の紫外線を当てて硬化させた後、ガラス型から剥がしたが、得られたサンプルは反りが大きかった。また、YIが大きく、黄ばんだサンプルであり、光学用途に用いるのに問題であった。
比較例5
化合物C−1の代りに、新中村化学工業株式会社製のNKオリゴU−15HA(以下「化合物C−4」:脂肪族ジイソシアネートとグリコールからなるウレタンアクリレート)を用い、化合物D−1の代りに化合物D−2を用い、化合物A−1,B−1,C−4,D−2及び開始剤1を表1に示す配合割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。ただし、サンプルの片側から紫外光を当てたが光重合開始剤の量が多く紫外線が窮されてしまい、反対面が硬化しなかったので、反対面からも同様に同量の紫外線を当てて硬化させた後、ガラス型から剥がしたが、得られたサンプルは反りが大きかった。また、YIが大きく、黄ばんだサンプルであり、光学用途に用いるのに問題であった。しかも吸湿特性が910ppmであり、屈折率変化が大きく問題であった。
比較例6
化合物C−1を用いず、化合物D−1の代りにペンタエリスリトールテトラキスチオ(β−プロピオネート)(以下「化合物D−3」)を用い、化合物A−1,B−1,及びD−3を表1に示す配合割合で用いたこと以外は実施例1と同様にして組成物の調製、硬化及び評価を行い、結果を表1に示した。このものは吸湿特性が1250ppmであり、屈折率変化が大きく問題であった。また、粘度が低く、成形性に問題があった。
比較例7
市販のポリメチルメタアクリレート板(2mm厚み)について屈折率を測定し、温度特性と湿度特性を調べ、結果を表1に示した。このものは湿度特性が1190ppmであり、吸湿による屈折率変化が大きく問題であった。
比較例8
市販のポリカーボネート板(2mm厚み)について屈折率を測定し、温度特性と湿度特性を調べ、結果を表1に示した。このものは湿度特性が1460ppmであり、吸湿による屈折率変化が大きく問題であった。
Figure 2007284650
製造例1
50μm×50μmの正方形の断面を持ち長さが10mmのリブ状のトッキが表面にあるニッケルメッキした金属製の型と平面のガラス板を2.0mmのシリコーンゴム製のスペーサーを介して2mmのギャップ隔てて相対させ、このギャップに実施例1〜12記載の硬化性組成物を各々注入し、出力18mW/cmのメタルハライドランプの下にて10分間紫外線を照射した(光量11J/cm)。ガラス板を外して硬化物を取り出し、アセトンで洗浄した後、リブ状の凹み部分にできたクラッド部分を得た。別に、高屈折率の硬化性組成物を調製した。この高屈折率硬化性組成物としては実施例1〜12の硬化性組成物にp−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)キシリレンを所定量添加することによりクラッド部分の硬化物の屈折率よりも、0.01高い屈折率を有する高屈折率の光硬化性組成物を調製した。このようにして調製した高屈折率硬化性組成物を上記のリブ状の凹みに注入し、窒素雰囲気下で、上記と同様にして、紫外線を照射して硬化させた。
次いで得られた硬化物のコア部分が端面に出るようにできたシートを切断して、端面をアルミナの懸濁液で研磨した。120℃にて2時間乾燥後、シリカゲルを入れたデシケーター中で室温に戻したサンプルに、405nmのレーザーを端面から照射したとき、反対側の端面から光を取り出すことができた。該サンプルを60℃,90%の恒温恒湿器中に7日間保管し、十分に吸湿させた後、室温にさましてから、同様にレーザーを導波させたところ、問題なく導波した。該サンプルを120℃で同様に乾燥させて、23℃,50%の恒温恒湿器で7日間放置した後50℃に加温しながら同様にレーザーを導波させたところ、問題なく導波した。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとを含む、50℃における粘度が100mPa・s以上である硬化性組成物において、
    当該硬化性組成物中に含まれる(メタ)アクリレート成分100重量部に対する光重合開始剤含有量が0.5重量部未満であり、かつ該硬化性組成物を中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率が10%以下であり、さらに該硬化物の吸湿による重量変化率1%に対して、屈折率の変動が−0.0005〜+0.0005であり、該硬化物の2mmの厚みの黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 2007284650
    (一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
    Figure 2007284650
    (一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
  2. 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートとを含む、50℃における粘度が100mPa・s以上である放射線硬化性組成物において、
    当該硬化性組成物中に含まれる(メタ)アクリレート成分100重量部に対する光重合開始剤含有量が0.5重量部未満であり、かつ該放射線硬化性組成物を中心波長360nmで10J/cmの光量を当てた後、減圧下で150℃にて4時間加熱する条件にて硬化物を形成させた際の硬化収縮率が10%以下であり、さらに該硬化物の温度1℃の変化による屈折率変動率が、−0.0002〜+0.0002であり、該硬化物の2mmの厚みの黄色度(YI値)が10以下であることを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 2007284650
    (一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
    Figure 2007284650
    (一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
  3. 該硬化物の温度1℃の変化による屈折率変動率が、−0.0002〜+0.0002である請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 一般式(1)で表されるジ(メタ)アクリレートが下記A群から選ばれる少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートであり、一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートが下記B群から選ばれる少なくとも1種のモノ(メタ)アクリレートであり、数平均分子量1000以上の(メタ)アクリレートが下記C群から選ばれる少なくとも1種のビス(メタ)アクリレートであり、さらに下記D群から選ばれる多官能(メタ)アクリレートを含んでもよい請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    A群:ビス(アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(アクリロイルオキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
    B群:(ヒドロキシメチル−アクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、(ヒドロキシメチル−メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
    C群:分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレート、エポキシビス(メタ)アクリレート
    D群:分子内に3〜8個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート
  5. 分子内にウレタン結合を有するビス(メタ)アクリレートが、脂環骨格を含むウレタンビス(メタ)アクリレートであり、その数平均分子量が100,000以下で、50℃における粘度が5,000〜100,000mPa・sであることを特徴とする請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. A群から選ばれるビス(メタ)アクリレートとB群から選ばれるモノ(メタ)アクリレートとの合計に対するC群から選ばれるビス(メタ)アクリレートとの重量比が20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする請求項4又は5に記載の硬化性組成物。
  7. 下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレートと、下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートと、脂環骨格を含むウレタンビス(メタ)アクリレートとを含む硬化性組成物であって、下記一般式(1)で表されるビス(メタ)アクリレート及び下記一般式(2)で表されるモノ(メタ)アクリレートとの合計に対する脂環骨格を含むウレタン(メタ)アクリレートとの重量比が20:80〜80:20の範囲であることを特徴とする硬化性組成物。
    Figure 2007284650
    (一般式(1)中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。pは1又は2を示し、qは0又は1を示す。)
    Figure 2007284650
    (一般式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に直接結合又は炭素数6以下のアルキレン基を表す。rは1又は2を示し、sは0又は1を示す。)
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
  9. 請求項8に記載の硬化物を含む光学部品。
  10. 請求項9に記載の光学部品を用いた表示素子。
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