JPWO2009107866A1 - 低タンパク質食品及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

低タンパク質食品を調製する際に、α−グルコシダーゼを用いることにより、良好な風味、食感、品質を有する低タンパク質食品を得ることができる。

Description

本発明は、α−グルコシダーゼを用いることにより得られる、良好な風味、食感を有する低タンパク質食品及びその製造法に関するものである。
腎臓疾患患者はタンパク質の摂取量を制限することにより、治療効果が上がることが知られている。そのため、食事療法を行っている患者が多いが、通常の食品でタンパク質の摂取量を制限することは困難である。そのため、医療用食品としてタンパク質を低減もしくは除去した低タンパク質食品が開発・販売されている。特に、ごはんや麺類、もち、パンといった主食に関してタンパク質を低減した食品が多く開発されている。
しかしながら、従来の低タンパク質食品は、通常の食品と同様の方法で調理すると溶解して形が崩れてしまったり、あるいは、硬すぎたりぼそぼそした食感であるなど、風味や食感についても十分に満足できるものではなかった。例えば、低タンパク質パンの製造方法として、強力粉などのパン用小麦粉の一部を澱粉に置換することで低タンパク質パンを製造する方法(特開平5−7448号公報)や、小麦粉の55〜80重量%を薄力粉にすることでタンパク質の含量を通常の約半分にする方法(特開平9−168362号公報)、強力粉の一部(25%)を低タンパク米粉に代える方法(特開2005−46108号公報)小麦粉の50重量部以上を澱粉に置き換え、増粘多糖類と食物繊維を添加して混合する方法(特開平11−155467号公報)、小麦粉組成物100重量部に対し、糖質3〜30重量部及び澱粉分解物5〜50重量部を配合する方法(特開平11−289966号公報)などが知られている。これらの方法で調整したパンはグルテン量が減少するため、通常のパンに比べ生地の伸展性が悪くなり、発酵時に十分な容積が得られなくなり、ガス保持機能が低下しヘタレたものとなる。このような生地で焼成したパンは容積が小さく、ソフト感も欠けており、満足できる食感が得られない。
他にも、低タンパク質パンの、グルテンによる網状構造の形成(発酵ガスを包む膜の形成)が困難で、パンの風味を得ることができないという課題を解決する為に、パン生地として、澱粉を主成分とした粉生地に、少なくとも粉生地量に対して膜形成材として1.5%重量以上の増粘多糖類と、硬化抑制材としての適宜量のα化澱粉及びβアミラーゼを添加した生地で、常法通りの製パンを行う方法(特開2007−215464号公報)が開示されているが、通常のパンと比較すると品質において改善の余地が多い。
低タンパク麺としては、米のみを原料にしたライスヌードル(特開平2−234647号公報)、小麦粉と一部がα澱粉である澱粉を原料にしたもの(特開平7−194324号公報)、小麦粉と一部が架橋α澱粉である澱粉を原料にしたもの(特開平9−275919号公報)等がある。しかしながら、ライスヌードルにおいては、根本的に小麦麺と食感、味が異なり満足いくものではない。一方、小麦粉を澱粉で置き換える方法では、つなぎの役割を果たすグルテン量がへることで、麺の弾力が減少し、麺帯の保形成も悪化する。一部をα化、架橋α化澱粉にすることで、若干改善されるが、製造途中の麺の乾燥時に麺線が切れ、歩留まりが悪いなどまだ十分に満足できるものではなかった。
WO2005/096839にはα−グルコシダーゼであるトランスグルコシダーゼをパン、うどん等の品質劣化(澱粉の老化)抑制、品質向上に用いることが記載されているが、低タンパク質食品に用いることは一切記載されていない。
本発明は、良好な風味、食感や品質を有する低タンパク質食品及びその製造法を提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究を行った結果、α−グルコシダーゼを用いることにより、低タンパク質食品の風味、食感や品質を向上することができることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)α−グルコシダーゼを用いることを特徴とする、タンパク質含量が0.7〜6.5%である低タンパク質食品の製造方法。
(2)低タンパク質食品が小麦加工食品である(1)記載の方法。
(3)小麦加工食品の原料として小麦粉及び小麦粉代替原料を用い、小麦粉代替原料の総重量が小麦粉総重量の33〜300%である(2)記載の方法。
(4)小麦加工食品がパン又は麺類である(2)又は(3)記載の方法。
(5)(3)記載の方法で製造された低タンパク質食品。
(6)(3)記載の方法で製造されたパン又は麺類。
本発明による、良好な風味、食感や品質を有する低タンパク質食品及びその製造法は、α−グルコシダーゼを用いて処理することを特徴とする。α−グルコシダーゼとは非還元末端α−1,4−グルコシド結合を加水分解し、α−グルコースを生成する酵素である。トランスグルコシダーゼは糖転移能を有するα−グルコシダーゼであるが、本発明に用いるα−グルコシダーゼは単に分解活性を有するのみではなく、水酸基を持つ適当な受容体がある場合、グルコースをα−1,4結合よりα−1,6結合へと転移させ、分岐糖を生成する糖転移活性を有する酵素、すなわちトランスグルコシダーゼが好ましい。尚、トランスグルコシダーゼL「アマノ」という商品名で天野エンザイム(株)より市販売されている酵素が、α−グルコシダーゼの一例である。
トランスグルコシダーゼを小麦粉に作用させた場合、小麦粉中の澱粉の分解量はごくわずかであり、特開平11−289966号公報に記載されている「小麦粉組成物100重量部に対し、澱粉分解物5〜50重量部を配合する方法」に該当する程の量の澱粉分解物は生成しないので、本発明は特開平11−289966号公報に記載の発明とは明らかに異なるものである。尚、グルコアミラーゼはα−グルコシダーゼと類似の反応を起こすが、生成するグルコースはα−グルコースではなくβ−グルコースである。また、本発明に用いられる酵素は特開2007−215464号公報に記載の発明で用いられているβアミラーゼとは全く異なるものである。
本発明の低タンパク質食品は、タンパク質原料の一部、好ましくは25〜70%を、低タンパク質原料に置き換えて製造される、タンパク質含量が0.7〜6.5%、好ましくは0.7〜5.1%の食品を意味し、具体的には、うどん、中華麺、そば、パスタ等の麺類、餃子、焼売の皮、点心等の麺帯類、食パン、フランスパン、菓子パン、調理パン等のパン類、ドーナツ、ケーキ、ホットケーキ、ラザニア、マカロニ、饅頭、お好み焼き等の小麦粉を主原料として用いる小麦粉加工品が含まれ、これらの冷凍品も含まれる。
本発明のタンパク質原料は、穀物(米、小麦、そば、大麦、とうもろこし、大豆等)、野菜(馬鈴薯、かぼちゃ等)、果実類、畜肉、魚肉が例として挙げられ、その形態としては粉末、ペースト等が挙げられるが、代表的なタンパク質原料として小麦粉が挙げられる。
本発明の小麦粉代替原料は、澱粉、デキストリン、食物繊維、コンニャク粉、海藻粉末、カラギーナン、アルギン酸塩、ジェランガム等増粘多糖類等を指し、それ以外の調味料、乳化剤、食品保存料、無機塩、有機塩等は本発明の小麦粉代替原料には含まれない。澱粉としては様々なものが考えられ、各種原料由来澱粉及びその混合物に加え、加工澱粉等が挙げられる。
本発明の低タンパク質小麦加工食品は、原料小麦粉の25〜75重量%、好ましくは25〜70重量%、より好ましくは25〜55重量%を小麦粉代替原料に置き換えて得られたものである。すなわち、小麦粉代替原料総重量(複数の代替原料を使用する場合はそれらの合算量)は、小麦粉総重量と小麦粉代替原料総重量との和の25〜75%、好ましくは25〜70%、より好ましくは25〜55%であり、換言すると、小麦粉より置き換えられる小麦粉代替原料の総重量(複数の代替原料を使用する場合はそれらの合算量)が小麦粉総重量の33〜300%、好ましくは33〜233%、より好ましくは33〜122%である。
低タンパク質食品の製造において、原料にα−グルコシダーゼを作用させる場合は、製造工程のどの段階で作用させてもかまわない。例えばパンや麺類であれば、混合時に酵素を添加してもよいし、混合後に酵素を振りかけて作用させてもよい。さらに、該酵素を他の酵素や物質と併用し使用してもかまわない。また、原料の一部あるいは全部に予め酵素処理を行っておいたものを用いても良い。酵素の添加量は、小麦粉等のタンパク質原料1g当り1.5U以上、好ましくは1.5〜150,000U、より好ましくは10U〜150,000U、さらに好ましくは100〜10,000U、特に好ましくは120〜1,200Uの範囲が適正である。尚、酵素活性については1mM α−メチル−D−グルコシド1mlに0.02M酢酸バッファー(pH5.0)1mlを加え、酵素溶液0.5ml添加して、40℃、60分間を作用させた時に、反応液2.5ml中に1μgのブドウ糖を生成する酵素量を1Uと定義した。酵素の反応時間は、酵素が基質物質に作用することが可能な時間であれば特に構わなく、非常に短い時間でも逆に長時間作用させても構わないが、現実的な作用時間としては5分〜24時間が好ましい。また、反応温度に関しても酵素が活性を保つ範囲であればどの温度であっても構わないが、現実的な温度としては0〜100℃での作用させることが好ましい。すなわち、通常の食品製造工程中で十分な反応時間が得られる。例えばパンであればホイロ工程中、麺類であれば寝かし工程中で十分な反応時間が得られる。
図1は、クロワッサンの官能評価結果である(実施例1)。
図2は、クロワッサンの外観評価(高さ、比容積)結果である(実施例1)。
図3は、クロワッサンの官能評価結果である(実施例2)。
図4は、低タンパク質うどんの物性測定結果である(実施例3)。
図5は、中力粉を40%小麦澱粉で代替したときの麺帯の状態である(実施例3)。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。本発明は、この実施例により何ら限定されない。
仕込み水に「トランスグルコシダーゼL」(天野エンザイム社製)(以下TGLと表記することがある)を添加した中種を用い、クロワッサン形状のパンを製造した。一般的なクロワッサンの小麦粉の配合割合は、強力粉60〜70重量部に対し薄力粉40〜30重量部である(小麦粉として100重量部)が、強力粉30重量部、薄力粉25重量部(小麦粉計55重量部)、食物繊維30重量部、小麦澱粉15重量部(小麦粉代替原料計45重量部)とした。すなわち、通常小麦粉100重量部のところ、小麦粉45重量部に相当する分を食物繊維と小麦澱粉に代替したものを用いた。この場合、小麦粉代替原料の総重量は小麦粉総重量の82%である。小麦粉代替原料試験区分は、酵素を添加しないコントロール区分、TGLをA、Bの濃度で添加した区分の3試験区とした。
表1に示した中種の原料をミキサー(愛工舎製作所 縦型ミキサー)にて、低速回転で2分間、中速回転で3分間混捏し(捏ね上げ温度20℃)、5℃で24時間発酵させ、中種とした。次に、この中種と表2に示した本捏ねの原料を低速回転で3分間、中速回転で2分間混捏し(捏ね上げ温度15℃)、冷凍庫にて30分程度冷却し、対生地30%の油脂を折り込んだ。折り込みは、4つ折りを3回行い、生地休めとして2回目の4つ折り後と3回目の4つ折り後に、冷凍庫にて30分冷却した。この生地を55±5gになるようにクロワッサン成型し、−30℃にて35分間凍結した。その後、−20℃にて冷凍保存したものを、芯温20℃まで解凍(22℃、湿度75%)し、最終発酵(35℃、40%)後、オーブンにて15分間焼成(上面190℃、下面210℃)した。酵素使用量は、TGLを小麦粉1gあたり、試験区Aでは120U、試験区Bでは1,200Uとした。焼成したパンは、常温にて約60分間放冷後、個包装し、−20℃にて1日、1週間保存したものを、2時間常温解凍し、官能評価と外観評価を行った。尚、得られたパンのタンパク質含量は3.1%である。
官能評価は、冷凍保存1日、1週間それぞれについて行い、酵素を添加しないコントロール区を0点とし、酵素添加区を±5点にて点数評価した。
試験区Aにおける官能評価結果を図1に、外観評価結果(高さ、比容積)を図2に示す。図1より、TGL添加により、コントロールと比較して焼成後、1日(図中 D+1)、7日後(図中 D+7)ともソフト感、弾力感、しっとり感、口溶け感の向上が認められ、また図2より、TGL添加によりボリューム感の増大効果が認められた。
これらの結果より、TGLを添加することで、タンパク質含量3.1%の低タンパク質パンのボリュームを増大させ、その食感を向上させることが明らかとなった。なお、酵素の添加量は、小麦粉1gに対し100〜10,000U、好ましくは120〜1,200Uの範囲が適性であった。
次いで、表3に示した中種原料、表4に示した本捏ね原料を用い、強力粉30重量部(小麦粉計30重量部)、小麦澱粉40重量部、食物繊維30重量部(小麦粉代替原料計70重量部)、すなわち、小麦粉70重量部に相当する分を小麦澱粉と食物繊維に代替したものを原料として、実施例1の試作方法と同様の方法でパンを試作し、製パン性を評価した。この場合、小麦粉代替原料の総重量は小麦粉総重量の233%であり、得られたパンのタンパク質含量は2.2%となる。試験区分は、酵素を添加しないコントロール区分、TGLを小麦粉1gあたり120U添加した区分(試験区C)とした。
その結果、小麦粉代替原料の総重量が小麦粉総重量の82%の場合と同様の形状のパンが得られ、製パン性に問題のないことが確認された。また、酵素を添加しないコントロール区分を0点として官能評価した結果、酵素無添加区分に比べ、TGLを添加した試験区Cはソフト感、しっとり感、口溶け感が向上した。結果を図3に示す。
これらの結果より、TGLを用いることにより、小麦粉70重量部に相当する分を小麦粉代替原料に置き換えても、品質の良好な、タンパク質含量2.2%のパンを得ることができることが確認された。
市水37gに食塩3gを加えた20℃の食塩水に、TGLを添加し溶解させた。また、原料は中力粉「手打ちうどんの小麦粉」(日清フーズ社製)を小麦澱粉「ジェルコール」(J−オイルミルズ社製)で30%代替したものを用いた。この場合、小麦粉代替原料の総重量は小麦粉総重量の43%であり、得られたうどんのタンパク質含量は6.3%となる。試験区分は、酵素を添加しないコントロール区分、TGLを添加した区分の2試験区とした。原料100gを混練機(HORBAT社製)にて混合しながら、上記酵素溶液を添加し、混練機設定のスピード1にて3分間、同スピード2にて7分間混練した。その後、恒温恒湿槽「LH21−12P」(ナガノ科学機械製作所社製)を用いて15℃で1時間寝かせ、パスタマシン「R.M.」(IMPERIA社製)を用いてバラ掛け、複合、圧延、切り出しを行った。圧延はパスタマシン設定の厚さ6、切り出しは裁断幅4mmのパスタマシン付属のカッター「R.220」(IMPERIA社製)にて行った。酵素使用量は、TGLを原料小麦粉1gあたり500Uとした。
製造した生麺を沸騰水にて8分間ゆでた後、官能評価を行った。また1部はチャック付ビニル袋に入れ、1日冷蔵保存後に官能評価を行った。その結果、無添加区の食感はやわらかくてブヨブヨとしたものとなり、非常に好ましくない食感であった。一方TGL添加により、硬さ、弾力、粘り、中芯感の向上が認められた。この効果は、テクスチャーアナライザー「TA−XT plus」(Stable Micro Systems社製)でも確認された(図4)。また、1日冷蔵保存後の老化抑制効果も同様に確認された。
次いで、中力粉を小麦澱粉で40%代替したものを原料として同様にうどんを試作し製造適性評価を行った。この場合、小麦粉代替原料の総重量は小麦粉総重量の67%であり、得られたうどんのタンパク質含量は5.4%である。試験区分は酵素を添加しないコントロール区分、TGLを原料粉末1gあたり500U添加した区分、TGLを原料粉末1gあたり5000U添加した区分の3試験区とした。その結果、酵素無添加では、30%代替までは製麺が可能であったが、40%では生地がもろく、ひび割れを起こし製麺が不可能であった。一方、TGL添加区では生地のひび割れが添加量を増すにつれて減少し、5000U処理では製麺可能であった。(図5)
これらの結果より、TGLを添加することで、タンパク質含量5.4%の低タンパク質うどんの食感を改善させることができ、また製造適性も向上させることが明らかとなった。
低タンパク質食品は腎臓病患者の食事療法において欠かせないものであるが、食感や品質が通常食に比べて著しく劣っているのが現状である。本発明によれば、低タンパク質食品の風味、食感及び品質を向上することができるので、本発明は医療食分野において極めて有用である。

Claims (6)

  1. α−グルコシダーゼを用いることを特徴とする、タンパク質含量が0.7〜6.5%である低タンパク質食品の製造方法。
  2. 低タンパク質食品が小麦加工食品である請求の範囲第1項記載の方法。
  3. 小麦加工食品の原料として小麦粉及び小麦粉代替原料を用い、小麦粉代替原料の総重量が小麦粉総重量の33〜300%である請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 小麦加工食品がパン又は麺類である請求の範囲第2項又は第3項記載の方法。
  5. 請求の範囲第3項記載の方法で製造された低タンパク質食品。
  6. 請求の範囲第3項記載の方法で製造されたパン又は麺類。
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