JP3648816B2 - 低塩低蛋白パンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は低塩低蛋白パンの製造方法に関するものであり、特に、腎臓病患者向け、その他低塩低蛋白食品を必要とする患者用の低塩低蛋白パンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、腎臓病の原因が解明されていないため、その治療法として主に食事療法が行われている。腎臓病患者はその病状から低蛋白低ナトリウム、また腎不全の場合には低カリウムの食事を強いられている。しかし、腎臓病の食事療法である食事制限は難しく、また腎臓病患者は在宅患者が多いことからも手軽に食事制限のできる食品が望まれている。従来の腎臓病患者向けの食品は、蛋白質含量を抑えてエネルギーを高めたデザート的なものが多く、そのため甘味が強く常食とするには困難であった。そのため、甘味を抑え飽きのこない淡泊な食品、特に主食として摂取可能な低蛋白、低ナトリウム、低カリウムの食品が求められており、なかでも主食としての低塩低蛋白の食パン、テーブルパンなどの提供が要望されている。
【0003】
一般にパンの主原料である小麦粉はグルテン含量の多少により強力粉(グルテン11.5%重量以上)、中力粉(グルテン10〜11.5%重量)、薄力粉(グルテン10%重量以下)に分けられるが、強力粉はパン用に、中力粉は麺類に、薄力粉は菓子類に使用される。
従来市販されている食パン、テーブルパン等の製造には強力粉であるパン用小麦粉が使用されるが、その含有蛋白質量は11.5〜12.5%であり、この小麦粉を主原料として製造されたパンの含有蛋白質量は8.0〜10%となる。
また、通常のパンでは小麦粉組成物100重量部に対して食塩を2.0〜2.5重量部添加するため、腎臓病患者のように低蛋白低ナトリウム食を必要とする場合には不適切であり、食するパンの量も制限されていた。また、乳化剤等食品添加物の添加はなるべく控えることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の低蛋白パンの製造方法は、主として低蛋白の小麦粉澱粉または含有蛋白質量を調節した薄力粉のみを主原料としていたが、この配合ではパンの比容積が低下し、内層が荒れ、大きな穴が生じる。また、外層が荒れ、表面になめらかさがなく、ひび割れを生じ、食感も重く口溶けの悪いパンとなるなどの問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、低蛋白小麦粉とパン用小麦粉を特定の割合で配合し、油脂および糖質を適当量配合することにより、低蛋白でありながら通常のパンと同様の比容積があり、なおかつソフトで食感の良いパンを得ることに成功した。さらに、低蛋白小麦粉とパン用小麦粉を特定量混合し配合することにより、含有蛋白質量を通常のパンの約半分量の5重量%以下まで削減することができ、なおかつ食塩の添加量も通常の添加量の半分の約1重量%以下まで引き下げることに成功した。また、低蛋白であるために引き起こされるパンの比容積の低下、内層および外層の荒れ、パン表面のひび割れなども乳化剤などの食品添加物を使用せずに油脂および糖質を適当量配合することにより、これらの問題点を解決した。
【0006】
すなわち、本発明の第1は、60〜80重量部の含有蛋白質量が5重量%から6.5重量%未満である低蛋白小麦粉及び40〜20重量部の強力粉からなる小麦粉組成物に、該小麦粉組成物100重量部に対し3〜30重量部の糖質、5〜30重量部の油脂および0.5〜1重量部の食塩を配合しホイロ工程の後に焼成することを特徴とする食塩含有量が0.2〜1重量%でかつ蛋白含有量が4〜5重量%のパンの製造方法である。本発明の第2は、プレミックタイプの組成物とし、これを用いた前記低塩低蛋白パンの製造方法である。
【0007】
本発明は60〜80重量部の含有蛋白質量が5〜5.5重量%である低蛋白小麦粉及び40〜20重量部の含有蛋白質量が11.5〜12.5重量%である強力粉からなる小麦粉組成物に、該小麦粉組成物100重量部に対し3〜30重量部の糖質、5〜30重量部の油脂および0.5〜1重量部の食塩を配合しホイロ工程の後に焼成することを特徴とするする請求項1記載の低塩低蛋白パンの製造方法である。この製造方法により蛋白質含量が4〜5重量%でかつ食塩含量が0.2〜1重量%の低塩低蛋白パンが製造できる。蛋白質含量が5重量%を越え食塩含量が1重量%を越えると腎臓病患者向けの低塩低蛋白パンとしては好ましくなく、蛋白質含量が4重量%未満で食塩含量が0.2重量%未満であるとパンの比容積の低下、内層および外層の荒れ、パン表面のひび割れなどの製パン性能が悪くなり好ましくない。
【0008】
本発明に使用する低蛋白小麦粉はグルテンの少い低蛋白小麦粉を使用する。すなわち、本発明において低蛋白小麦粉として主に使用する低蛋白小麦粉の含有蛋白質量は5〜5.5重量%であり、この低蛋白小麦粉を小麦粉組成物100重量部の内の60〜80重量部配合して製造したパンの含有蛋白質量は4〜5重量%となる。すなわち、本発明の特徴は60〜80重量部の含有蛋白質量が5〜5.5重量%である低蛋白小麦粉及び40〜20重量部の含有蛋白質量が11.5〜12.5重量%である強力粉からなる小麦粉組成物に、該小麦粉組成物100重量部に対し3〜30重量部の糖質、5〜30重量部の油脂および0.5〜1重量部の食塩を配合しホイロ工程の後に焼成して、蛋白質含量が4〜5重量%でかつ食塩含量が0.2〜1重量%に押さえ、なおかつ製パン性能の良いパンを提供することである。
【0009】
本発明で用いる糖質は、ナトリウムおよびカリウムを抑えることが望ましいことから、上白糖に比較しナトリウム、カリウムの含有量の少ない、例えば、粉飴、結晶性ぶどう糖またはグラニュー糖が好ましい。
糖質はパンの出来上がりに直接影響を及ぼす重要な原料である。製パンにおける糖質の使用目的は、酵母の栄養源となり、パンの色付けと風味を向上させ、甘みをつけ、老化防止ができる。
その添加量は、小麦粉組成物100重量部に対して3〜30重量部で有効であるが、好ましくは5〜25重量部の範囲がよい。3重量部未満ではソフト感が劣り内層が荒くなる。また、30重量部を越えると甘味を強く感じ好ましくない。
【0010】
本発明で用いる油脂は、従来から用いられている食用動植物油脂、例えば大豆油、菜種油、コーン油、パーム油、バター、牛脂、豚脂およびこれらの配合油、分別油、硬化油、エステル交換油等を配合した練り込み用マーガリンなどであるが、腎臓病患者はその病状からナトリウムまたはカリウムの摂取を制限されていることから、ナトリウムおよびカリウムの含有量の少ない無塩バターまたは無塩マーガリンを用いることが望ましい。
油脂の使用目的は、パンに風味を与え、食感を改善する、生地の伸張性を増し、ガス保持力を改良しパンの容積を大きくし、老化を遅らせ保存性を増すことができる。
その添加量は、小麦粉組成物100重量部に対して5〜30重量部で有効である。好ましくは10〜25重量部である。5重量部未満では硬い食感となり、また30重量部を越えると油っこさを感じ好ましくない。
【0011】
食塩の使用目的は、適度な塩味を与え、グルテンを引き締め、発酵速度を抑制持続し、生地の変敗をある程度抑制し、内相色を白くする等がある。
食塩の添加量としては、小麦粉組成物100重量部に対して通常のパンの半分以下である0.4〜1重量部の添加量である。好ましくは0.5〜1重量部の範囲がよい。0.4重量部未満では比容積が劣り、内層、外層ともに荒く食感も悪くなる。 また、1重量部を越えるとナトリウム、カリウムの摂取を制限されている腎臓病患者などには不適切である。
本発明で対象とするパンは、例えば食パン、テーブルパンのような主食または準主食として食用に供するパンである。なお、この低塩低蛋白パンは、最終製品としての含有蛋白質量は5重量%以下であり、すなわち通常の食パンの60重量%程度、ロールパンの55重量%程度の値となる。またナトリウムおよびカリウムについても、食塩1重量部添加として、ナトリウム含有量は通常の食パンの約30重量%程度、またカリウム含量は約70重量%程度の値となり、腎臓病患者等の低塩低蛋白質食を必要とする場合の食品として好ましいものとなる。
【0012】
また、本発明では、粉末油脂を使用し全ての材料を予め混合し粉体状のプレミックスの組成物で使用することができる。また本発明の製造方法における配合物を冷凍生地または冷凍パンとして使用することもできる。
本発明では、前記以外にも必要に応じ微量栄養素であるビタミン類、カルシウム、鉄などを配合してもよいし、さらに果汁、野菜などを配合することもできる。
【0013】
本発明の製造方法では、従来から知られているストレート法や中種法を用いることができる。ストレート法は小麦粉、副原料および水の全部を同時に加えてミキシングして生地を作る方法である。
中種法は小麦粉の一部に酵母の全量と水とを加え混合して中種を作り発酵を待つてこの発酵生地に残りの小麦粉、その他の原料および適量の水を加えて本捏する方法である。
【0014】
【実施例】
実施例1
表1に示した材料を用い、以下のストレート法により食パンを製造した。
主原料である低蛋白小麦粉(商品名:昭和小麦粉、昭和産業株式会社製、蛋白質含量5.5重量%)600gと強力粉(商品名:スーパーカメリア、日清製粉株式会社、蛋白質含量12重量%)400gを用い粉飴50g、生イースト40gを10コートのミキサーに投入し、低速で2分間、中高速で2分間混練し、無塩バター300gを加えてさらに低速で2分間、中速で4分間混練した。次に、この生地をフロアタイムを1時間とり、240gづづに分割し、次いで丸めを行い20分のベンチタイムの後、成型、型詰めして、温度38℃湿度85%でおよそ50分のホイロをとり、200℃、30分で焼成を行い食パンを製造した。この食パンについて以下の方法で測定した結果、食塩0.7重量%、蛋白質5.0重量%であった。 また、下記の評価法により製パンの諸性質を評価し、結果を表2に示した。なお、蛋白質の含有量はマクロケルダー法により粗蛋白質を測定した。また食塩の含有量は配合より算出した。
【0015】
[製パンの諸性質の評価法]
10人のパネラーによる官能検査を次の項目と基準でおこなつた。
風味・食感:10人のパネラーが食して風味・食感を評価した。
外観:パンをパン切りナイフで切り、パンの内層・外層を目視により判断した。
弾力性 ○印:弾力性あり。 ×印:弾力性なし。
総合評価 ○印:8人以上が良好と評価した。△印:4人〜7人以上が良好と評価した。 ×印:7人以上が不良と評価した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
実施例2および3
実施例1に準じて、表1に示した材料で実施例2および3の生地を調整し240gづつに分割し、食パンを製造した。この食パンについて実施例1と同じ方法で測定した結果、食塩の含有量はそれぞれ0.7重量%であり、蛋白質の含有量は4.9重量%と4.3重量%であった。また、実施例1と同様に製パンの諸性質を評価し結果を表2に示した。
【0019】
比較例1
実施例1に準じて、表1に示した材料で主原料である低蛋白小麦粉と強力粉を、小麦澱粉(商品名:小麦澱粉、長田産業株式会社製、蛋白質含量0.2重量%)63重量部と強力粉37重量部に置き換え、実施例1に準じて食パンを製造した。 この食パンについて測定した結果、食塩の含有量は0.7重量%であり、蛋白質の含有量は3.9重量%であった。また、実施例1と同様に製パンの諸性質を評価し結果を表2に示した。
【0020】
比較例2〜4
表1に示した材料で比較例2〜4の生地を調整し、実施例1に準じて食パンを製造した。この食パンについて測定した結果、食塩の含有量は各々0.7重量%であり、蛋白質の含有量は各々3.6重量%、3.9重量%、5.5重量%であった。 また、実施例1と同様に製パンの諸性質を評価し結果を表2に示した。
【0021】
表2から明らかなように、低蛋白小麦粉と強力粉を併用した本発明の実施例1〜3は弾力性もあり、内層外層共にパンらしく、食感も良かった。また小麦でんぷんを用いたもの(比較例1)、低蛋白小麦粉のみのもの(比較例2)は内層外層とも肌理が粗く、食感もぼそぼそしていた。低蛋白小麦粉の割合が多すぎる比較例3は、風味、食感、弾力性、内層外層の肌理が悪く、また低蛋白小麦粉の割合が少ない比較例4は風味、食感、弾力性、内層外層の肌理の製パン性能は良いが、蛋白質含量は5.5重量%と高く低蛋白パンとしての総合評価はよくなかった。食塩の含有量ははいずれも0.7重量%であつた。
【0022】
実施例4〜6
表1に示した実施例1〜3と同じ配合組成を用いて実施例4〜6の生地として調整し、30gづつに分割して実施例1に準じてテーブルパンの代表としてロールパンを製造した。この食パンについて、測定した結果、食塩の含有量が各々食塩0.7重量%で、蛋白質の含有量が各々5.0重量%、4.9重量%、4.3重量%であった。 また、実施例1と同様に食パンの諸性質を評価し、結果を表3に示した。
【0023】
【表3】
【0024】
比較例5〜8
表1に示した比較例1〜4と同じ配合組成を用いて比較例5〜8の生地として調整し、30gづつに分割して実施例4に準じてロールパンを製造した。この食パンについて測定した結果、食塩の含有量は各々0.7重量%であり、蛋白質の含有量は各々3.9重量%、3.6重量%、3.9重量%、5.5重量%であった。また、実施例1と同様に製パンの諸性質を評価し結果を表3に示した。
【0025】
表3から明らかなように、低蛋白小麦粉と強力粉を併用した本発明の実施例4〜6は弾力性もあり、内層外層共にパンらしく、食感も良かった。比較例の小麦澱粉を用いたもの(比較例5)、また低蛋白小麦粉のみのもの(比較例6)は内層外層とも肌理が粗く、食感もぼそぼそしていた。低蛋白小麦粉の割合が多すぎる比較例7は、風味、食感、弾力性、内層外層の肌理が悪く、また低蛋白小麦粉の割合が少ない比較例8は風味、食感、弾力性、内層外層の肌理の製パン性能は良いが、蛋白質含量は5.5重量%と高く低蛋白パンとしての総合評価はよくなかった。
【0026】
実施例7
中種法により、表4に示した材料のうち、中種用の材料をミキサーに投入し、低速で2分間、中速で2分間混練した。得られた中種生地を温度27℃湿度75%で4時間発酵させた。さらに前記中種生地と表4に示した本捏用材料(無塩バターを除く)をミキサーに投入し、低速で2分間中速で2分間混練し、無塩バターを加え、さらに低速で2分間中速で4分間混練した。次に、この生地をフロアタイム30分とり、240gづつに分割し、次いで丸めを行い20分のベンチタイムの後、成型、型詰めし、温度38℃湿度85%でおよそ40分のホイロをとり、200℃、30分の焼成を行って食パンの製造した。この食パンについて、測定した結果、食塩の含量が0.7重量%、蛋白質の含量が5.0重量%であった。また、実施例1と同様に食パンの諸性質を評価し、結果を表6に示した。
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】
実施例8および9
表4に示した材料で実施例8および9の生地を調整し、これらの生地を各々240gに分割し、実施例7に準じて中種法により食パンを製造した。この食パンについて、測定した結果、食塩の含有量がそれぞれ0.7重量%で、蛋白質の含有量がそれぞれ4.9重量%、4.3重量%であった。また、実施例1と同様に食パンの諸性質を評価し、結果を表6に示した。
【0031】
比較例9〜12
表5に示した材料で比較例9〜12の生地を調整し、これらの生地を各々240gに分割し、実施例7に準じて中種法による食パンを製造した。この食パンについて、測定した結果、食塩の含有量がいずれも0.7重量%で、蛋白質の含有量がそれぞれ3.9重量%、3.6重量%、3.9重量%、5.5重量%であった。 また、実施例1と同様に食パンの諸性質を評価し、結果を表6に示した。
【0032】
表4〜表6からも明らかなように、低蛋白小麦粉と強力粉とを適切な比率で併用した実施例7〜9ものが、弾力性もあり、内層外層共にパンらしく、食感も良かった。比較例の小麦澱粉を用いたもの(比較例9)、また低蛋白小麦粉のみのもの(比較例10)は内層外層とも肌理が粗く、食感もぼそぼそしていた。低蛋白小麦粉の割合が多すぎる比較例11は、風味、食感、弾力性、内層外層の肌理が悪く、また低蛋白小麦粉の割合が少ない比較例12は風味、食感、弾力性、内層外層の肌理の製パン性能は良いが、蛋白質含量は5.5重量%と高く低蛋白パンとしての総合評価はよくなかった。
【0033】
つぎに、実施例7に準じて、中種法による食パンを塩分、油脂成分、糖質の添加量を各々かえて製造し比較例13〜18とし、それらの影響を調べた。
比較例13、14
中種法により実施例7で用いた配合において、食塩の添加量を0.3重量部または2.0重量部として、それ以外の成分は実施例7と同様にして食パンを製造した。実施例7と同様に食パンの諸性質を評価し、実施例7と合わせて結果を表7に示した。
【0034】
【表7】
【0035】
表7からも明らかなように、食塩の添加量を1.0重量部のものが食感、風味、製パン性能ともに良好であった。食塩の添加量を0.3重量部のもの(比較例13)は食感が硬く、内層の肌理が粗く、外層にひびは入り不合格であつた。食塩の添加量を2.0重量部のもの(比較例14)は製パン性能は良いが塩味が強くでてしまい低塩としては不合格であつた。
【0036】
比較例15、16
中種法により実施例7で用いた配合において、油脂の量をそれぞれ3重量部および35重量部を添加し、それ以外のものは実施例1に準じて食パンを製造し比較例15および16とし、実施例1と同様に諸性質を評価した。その結果を実施例7と合わせて表8に示す。
【0037】
【表8】
【0038】
表8からも明らかなように、油脂30重量部添加した実施例7のものが食感、風味、製パン性能ともに良好であった。一方比較例の3重量部添加したもの(比較例15)は、内層の肌理が荒く所々に穴があいており、35重量部添加したもの(比較例16)は、比容積がなく内層が荒れ、大きな穴が目立ち食感も油っぽく不適合であった。
【0039】
比較例17〜18
中種法により、実施例7で用いた配合において、表9に示す量の糖質をそれぞれ添加し、それ以外のものは実施例7と同様に行い食パンを製造し、諸性質を評価しその結果を表9に示した。
【0040】
【表9】
【0041】
表9からも明らかなように、糖質を5重量部添加したものが食感、物性ともに良好であった。また、2重量部添加したもの(比較例17)は食感が固く、内層の肌理が荒く大きさにばらつきがあり大きな穴が生じた。35重量部添加したもの(比較例18)は、ソフトでしっとりしているが甘味が強く、内層に大きな穴が生じた。
【0042】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、パン中の蛋白質量を市販のパンの約半分である5重量%以下にすることができる。また、本発明の製造方法で製パン性能を低下させることなく食塩の添加量も1重量%にまで削減することが可能であることから、蛋白質、ナトリウムおよびカリウムの摂取を制限される腎臓病患者向けの常食の低蛋白低ナトリウム低カリウム食品として有用である。さらに、乳化剤を使用しなくても、低塩低蛋白パンでありながら通常のパンと同様の比容積があり、なおかつソフトで食感の良いパンを得ることができる。
Claims (2)
- 60〜80重量部の含有蛋白質量が5重量%から6.5重量%未満である低蛋白小麦粉及び40〜20重量部の強力粉からなる小麦粉組成物に、該小麦粉組成物100重量部に対し3〜30重量部の糖質、5〜30重量部の油脂および0.5〜1重量部の食塩を配合しホイロ工程の後に焼成することを特徴とする食塩含有量が0.2〜1重量%でかつ蛋白含有量が4〜5重量%のパンの製造方法。
- 60〜80重量部の含有蛋白質量が5重量%から6.5重量%未満である低蛋白小麦粉及び40〜20重量%の強力粉からなる小麦粉組成物に、該小麦粉組成物100重量部に対し3〜30重量部の糖質、5〜30重量部の油脂および0.5〜1重量部の食塩を配合したプレミックスを用い、ホイロ工程の後に焼成することを特徴とする食塩含有量が0.2〜1重量%でかつ蛋白含有量が4〜5重量%の低塩低蛋白パンの製造方法。
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