JPH11155467A - パ ン - Google Patents

パ ン

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JPH11155467A
JPH11155467A JP32327997A JP32327997A JPH11155467A JP H11155467 A JPH11155467 A JP H11155467A JP 32327997 A JP32327997 A JP 32327997A JP 32327997 A JP32327997 A JP 32327997A JP H11155467 A JPH11155467 A JP H11155467A
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JP
Japan
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starch
bread
weight
parts
dietary fiber
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JP32327997A
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Inventor
Naoko Honma
直子 本間
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Kameda Seika Co Ltd
Original Assignee
Kameda Seika Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の低蛋白質パンよりもさらに蛋白質含量
を低減し、また従来の低塩のパンよりも含有する塩分を
低減させ、さらにリン及びカリウムを低減させ、かつ通
常のパンと同様の体積を持ち、食感の良好なパンを提供
する。 【解決手段】 澱粉、澱粉+小麦粉、澱粉+エーテル化
澱粉あるいは澱粉+小麦粉+エーテル化澱粉100重量
部に対して、増粘多糖類0.5〜5重量部及び食物繊維
0.1〜10重量部を含有する。蛋白質の含量が低減化
されており、また、生地のだれや食感、パンの内外層の
きめなどが改善されるため食塩を添加する必要がない。
さらに、小麦粉の代わりに澱粉を用いているのでイース
トの添加量の大幅な削減を図ることができるため低リ
ン、低カリウム化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパンに関し、特に腎
臓病患者の食事療法用に好適な低蛋白質のパンに関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】食事療法を行っている
慢性腎不全患者の1日あたりの蛋白質、リン、カリウム
及び食塩の摂取量は症状によって若干異なるものの蛋白
質30〜40g、リン60〜700mg、カリウム1.
2g、食塩5〜8gに制限されている。蛋白質を例にと
って日本人の栄養摂取量と比較すると、平均的な摂取量
が約80gであるから、食事療法を行っている患者の摂
取量はその半量以下ということになる。このため、食事
療法を継続して行うためには、主食(ごはん、めん、パ
ン等)から摂取する蛋白質、リン、カリウム、食塩の量
をできるだけ少なくし、副食(魚、肉、野菜等)からの
摂取量をより多くして、食事内容を充実させるのが望ま
しい。
【0003】そこで、慢性腎不全患者などの腎臓疾患の
患者の食事療法用に、蛋白質、リン、カリウム、食塩を
低減したごはん、めん、もち、パン等の主食が開発され
てきた。
【0004】特に、蛋白質や塩類などを低減化したパン
として特開平5−7448号公報には、強力粉などのパ
ン用小麦粉の一部を澱粉に置換する低蛋白パン用組成物
が開示されている。さらに、この公報には、添加する食
塩の半量を塩化カリウムに置換することが開示されてい
る。しかしながら、この公報に記載されたパンは、強力
粉の一部を澱粉に置換しているため、蛋白質の含量が通
常のパンの約70%程度に低減化される程度であり、食
事療法用のパンとして蛋白質含量を十分に低減化したも
のではないという問題点があった。そこで、より低蛋白
質化するために強力粉と置換する澱粉の量を増やすこと
が考えられるが、そうするとグルテンの量がさらに減少
するため生地の伸展性が悪くなり、発酵時に十分な容積
が得られなくなる。このような生地を焼成したパンは容
積が小さく気泡膜が厚くなるためソフト感に欠けてお
り、蒸しパンのようにもたつく食感となるため、パンと
して満足できる食感が得られない。一方、食塩量につい
ては、このパンでは食塩を塩化カリウムに置換させてい
るので、ナトリウム含量は減少するもののカリウム含量
が増加するため食事療法用としては不適当であるという
問題点があった。さらに、この従来技術のパンではリン
及びカリウムは低減化されていないという問題点があっ
た。
【0005】また、特開平9−168362号公報に
は、小麦粉の55〜80重量%を薄力粉とすることによ
り蛋白質の含量を通常のパンの約半分とするとともに、
添加する塩の量を通常の半分以下にまで削減した低塩低
蛋白パンが開示されている。しかしながら、小麦粉の大
半をグルテンの少ない薄力粉とした程度では、蛋白質の
含量は通常のパンの約50%程度に低減化される程度で
あり、食事療法用のパンとして蛋白質含量を十分に低減
化したものではないという問題点があった。さらに、こ
の従来技術のパンにおいては、食塩の量を通常のパンで
使用する食塩量の1/5程度まで低減することができる
が、これ以上低塩化すると、生地がダレてしまい製パン
製が低下するという問題点があった。さらに、この従来
技術のパンではリン及びカリウムは低減化されていない
という問題点があった。
【0006】このように食事療法に適したパンとして
は、通常のパンと同様の体積を持ち、より低蛋白質化さ
れたものが求められており、食塩についてもより低塩化
されたものあるいは無塩化されたものが求められてい
る。さらに、食事療法においては、蛋白質及び食塩のみ
ならず、リン、カリウムの摂取も制限している場合があ
ることから、これらを低減したパンを提供できれば、食
事療法用のパンとして望ましい。
【0007】本発明は、上記課題に基づいてなされたも
のであり、従来の低蛋白質パンよりもさらに蛋白質含量
を低減し、かつ通常のパンと同様の体積を持ち、食感の
良好なパンを提供することを目的とする。また、本発明
は、従来の低塩のパンよりも含有する塩分を低減させた
パンを提供することを目的とする。さらに、本発明は蛋
白質及び塩分のみならず、リン及びカリウムをも低減さ
せたパンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、パンの主原料である小麦粉の5
0%以上を澱粉に置換しても、増粘多糖類と食物繊維と
を併用添加することにより、発酵及び焼成中に発生する
ガスを生地中に保持することができ、ソフトな食感で通
常のパンと同じ容積を持ち、澱粉含量を多くしたパンに
特有の蒸しパンのようなもたつく食感が改善されること
を見出した。また、このような配合によれば、食塩を添
加しなくても、生地のだれや食感、パンの内外層のきめ
などが改善されることを見出した。さらに、小麦粉の代
わりに澱粉を用いているのでイーストの添加量の大幅な
削減を図ることができるため、低リン、低カリウムのパ
ンが得られることを見出した。特に本発明者らは、澱粉
の一部をエーテル化澱粉で代替することにより、焼成後
のパンにしっとりとした弾力が付与され、澱粉の使用に
よる食感の劣化を改善することができることを見出し
た。これらに基き、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の請求項1記載のパン
は、澱粉と増粘多糖類と食物繊維とを含有するものであ
る。
【0010】また、請求項2記載のパンは、請求項1記
載のパンにおいて、前記澱粉100重量部に対して、増
粘多糖類0.5〜5重量部及び食物繊維0.1〜10重
量部を含有するものである。
【0011】請求項3記載のパンは、澱粉50重量%以
上と小麦粉50重量%以下とからなる澱粉系原料と増粘
多糖類と食物繊維とを含有するものである。
【0012】請求項4記載のパンは、澱粉70重量%以
上とエーテル化澱粉30重量%以下とからなる澱粉系原
料と増粘多糖類と食物繊維とを含有するものである。
【0013】請求項5記載のパンは、澱粉20重量%以
上と小麦粉50重量%以下とエーテル化澱粉30重量%
以下とからなる澱粉系原料と増粘多糖類と食物繊維とを
含有するものである。
【0014】請求項6記載のパンは、請求項4又は5記
載のパンにおいて、前記エーテル化澱粉のエーテル化度
が0.02〜0.1であるものである。
【0015】請求項7記載のパンは、請求項4乃至6の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記エーテル化澱粉
の含有量が澱粉系原料100重量%に対して3重量%以
上30重量%以下であるものである。
【0016】請求項8記載のパンは、請求項3乃至7の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記澱粉系原料10
0重量部に対して、増粘多糖類0.5〜5重量部及び食
物繊維0.1〜10重量部を含有するものである。
【0017】請求項9記載のパンは、請求項1乃至8の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記澱粉が小麦澱
粉、米澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスター
チ、ワキシコーンスターチから選択された1種又は2種
以上であるものである。
【0018】請求項10記載のパンは、請求項1乃至9
のいずれか1項記載のパンにおいて、前記増粘多糖類
が、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、タマリンドガム、カラギーナン、グルコマンナン、
寒天、アラビアガム、CMCから選択された1種又は2
種以上であるものである。
【0019】さらに、請求項11記載のパンは、請求項
1乃至10のいずれか1項記載のパンにおいて、前記食
物繊維が、ペクチン、難消化デキストリン、セルロー
ス、グアーガム分解物から選択された1種又は2種以上
であるものである。
【0020】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、パンの主原料である小麦粉の代わりに澱粉を用いた
ものであり、この澱粉としては、特に制限はなく、小麦
澱粉、米澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスタ
ーチ、ワキシコーンスターチなどを用いることができ
る。
【0021】上述したパンの主原料としては澱粉のみを
使用してもよいが、本発明においては食感の向上や保水
性の向上を目的として、小麦粉及び/又はエーテル化澱
粉を配合することができる。この小麦粉としては、強力
粉、中力粉、薄力粉のいずれも用いることができるが、
リン及びカリウム含量が少ないことから1等粉が好まし
い。また、蛋白質であるグルテンの含量により、得られ
るパンの蛋白質含量や食感が相違するため、必要とされ
る蛋白質含量の低減化の度合いや食感に応じて、使用す
る小麦粉の種類や配合量を適宜設定すればよい。また、
前記エーテル化澱粉とは、小麦澱粉、タピオカ澱粉など
の澱粉を加工してエーテル化したものであり、エーテル
化度(D.S.)が0.02〜0.1のものが好まし
い。エーテル化度(D.S.)が0.02未満では、通
常の澱粉とほとんど変わらずその添加によるパンの食感
の向上効果が十分でない一方、エーテル化度(D.
S.)0.1を超えると、得られるパンがもちっとし
て、通常のパンらしい食感を損なうため好ましくない。
【0022】上述したような小麦粉及びエーテル化澱粉
の配合割合は、澱粉+小麦粉+エーテル化澱粉の合計を
100重量%として、澱粉20重量%以上、小麦粉50
重量%以下、エーテル化澱粉30重量%以下である。澱
粉が20重量%未満、あるいは小麦粉が50重量%を超
えると、得られるパンの蛋白質の低減化が十分でなく、
またエ−テル化澱粉が30重量%を超えると、得られる
パンの食感がもちっとして、通常のパンらしい食感を損
なうため好ましくない。また、小麦粉及びエーテル化澱
粉は、両方を配合する必要はなく、それぞれ単独で配合
してもよい。その場合、澱粉に対し小麦粉のみを配合す
るときには、澱粉+小麦粉を100重量%として小麦粉
を50重量%以下とし、また、澱粉に対しエーテル化澱
粉のみを配合するときには、澱粉+エーテル化澱粉を1
00重量%としてエーテル化澱粉30重量%以下とすれ
ばよい。したがって、本発明においては、パンの主原料
としては澱粉単独の場合の他、澱粉+小麦粉、澱粉+エ
ーテル化澱粉及び澱粉+小麦粉+エーテル化澱粉(以
下、これらをあわせて澱粉あるいは澱粉系原料と呼ぶ)
の場合が存する。
【0023】なお、澱粉系原料としてエーテル化澱粉を
配合する場合、エーテル化澱粉の配合割合の低限につい
ては特に制限はないが、澱粉系原料100重量%に対し
てエーテル化澱粉3重量%未満では、その配合による食
感の向上や保水性の向上効果が十分に得られないため、
エーテル化澱粉3重量%以上とするのが好ましい。
【0024】本発明においては、上述したような澱粉あ
るいは澱粉系原料に対して、増粘多糖類及び食物繊維を
添加する。
【0025】本発明で使用する増粘多糖類とは食用に供
するもので、キサンタンガム、グアーガム、ローカスト
ビーンガム、タマリンドガム、カラギーナン、グルコマ
ンナン、寒天、アラビアガム、CMC等が上げられ、そ
の添加量は澱粉あるいは澱粉系原料100重量部に対し
て、0.5〜5重量部であるのが好ましい。増粘多糖類
の添加量が0.5重量部未満では、生地の弾力性が不足
し発酵及び焼成中に発生するガスを保持することができ
ず十分な容積が得られなくなる一方、5重量部を超える
と生地の弾力性が大きくなりすぎてかたくなり、発酵時
に十分な容積が得られなくなり、これを焼成しても膨ら
みの不十分な食感のかたいパンになるため好ましくな
い。
【0026】また、本発明で使用する食物繊維として
は、ペクチン、難消化デキストリン、セルロース、グア
ーガム分解物等が挙げられ、その添加量は澱粉あるいは
澱粉系原料100重量部に対して0.1〜10重量部で
あるのが好ましい。前記食物繊維の添加量が0.1重量
部未満では食物繊維の添加による食感の改善の効果が十
分でない一方、10重量部を超えると生地の粘弾性が悪
くなり、かたい生地となるために、発酵時に十分な容積
が得られずこれを焼成しても膨らみの不十分な食感のか
たいパンになるため好ましくない。
【0027】さらに、本発明においては食味の向上を目
的として、前述した増粘多糖類及び食物繊維の他、澱粉
あるいは澱粉系原料に対して、乳化剤を添加するのが好
ましい。この乳化剤としてはショ糖脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、レシチン等が挙げられ、その
添加量は澱粉あるいは澱粉系原料100重量部に対して
0.3〜0.5重量部であるのが好ましい。
【0028】なお、本発明においては、上述したような
各種成分の他、イースト、砂糖、ショートニング、バタ
ー、牛乳、水などパンの製造時に一般に添加される各種
成分を本発明の効果を損なわない範囲で適宜配合するこ
とができる。
【0029】上述したような各種原料からなる本発明の
パンは、常法により、例えば、澱粉あるいは澱粉系原料
に増粘多糖類、食物繊維及び必要に応じて配合される各
種成分を混合し、これにあらかじめイーストと砂糖とを
溶かした水を加え、十分に混捏して生地を作り、この生
地をねかせて発酵させたものをガス抜きし、所望の形状
に成型してパン型に詰め、ホイロ中で膨脹させた後、焼
成することにより製造することができる。
【0030】このようにして得られる本発明のパンは、
通常のパンとほぼ同様の体積を持ち、小麦粉の代わりに
澱粉を配合しているので、蛋白質含量がおよそ0.5〜
4.0%であり通常のパンの半分以下に低減化したもの
となっている。また、増粘多糖類と食物繊維との併用に
より、生地のだれや食感、パンの内外層のきめなどが改
善されるため、食塩を添加する必要がなく、無塩パンと
することができる。特にエーテル化澱粉を使用した場合
には、エーテル化澱粉と増粘多糖類と食物繊維との相乗
効果により食感や弾力性の良好なパンとなっている。さ
らに、小麦粉の含量が少ないことに加え、イーストの配
合量が通常のパンの約1/3程度と少なくて済むため、
リン及びカリウムの含量も大幅に低減している。
【0031】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。実施例1 タピオカ澱粉50重量%と強力粉50重量%とからなる
澱粉系原料100重量部に対して、グルコマンナン1重
量部、ペクチン0.5重量部及び乳化剤0.5重量部を
添加して良く混合したものに、あらかじめ調製しておい
たイースト1重量部と上白糖10重量部を溶かした水6
5重量部を加え、ミキサーで低速2分、中高速4分混捏
し、5重量部のショートニングを加えて更に低速2分、
中高速4分混捏して生地を得た。
【0032】次にこの生地を28℃湿度85%でおよそ
60分間のフロアタイムの後、ガス抜きを行い、室温で
15分間ベンチタイムをとった後、計量、成型して、パ
ン型に詰め、温度38℃湿度85%でおよそ80分ホイ
ロ中で膨脹させた。その後210℃で40分間焼成し無
塩パンを得た。
【0033】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質4.0g、リン34mg、カリウム37mgであり、
通常のパンにおける蛋白質8.4g、リン70mg、カ
リウム95mgと比較すると、およそ蛋白質は48%、
リン49%、カリウム39%でいずれも50%以下であ
った。実施例2 実施例1において、米澱粉80重量%と薄力粉20重量
%とからなる澱粉系原料100重量部に対して、キサン
タンガム2重量部、難消化性デキストリン5重量部、乳
化剤0.5重量部、イースト1重量部、上白糖10重量
部、水65重量部、ショートニング5重量部の配合とし
た以外は同様にして無塩パンを製造した。
【0034】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質1.8g、リン27mg、カリウム26mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は21%、リン3
9%、カリウム27%で、いずれも大幅に低減化されて
いた。実施例3 実施例1において、小麦澱粉60重量%と米澱粉40重
量%との合計100重量部に対して、キサンタンガム5
重量部、セルロース7重量部、乳化剤0.5重量部、イ
ースト1重量部、上白糖5重量部、水70重量部、ショ
ートニング5重量部の配合とした以外は同様にして無塩
パンを製造した。
【0035】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質0.7g、リン27mg、カリウム11mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は8%、リン39
%、カリウム12%で、蛋白質が特に低減化されてい
た。実施例4 実施例1において、米澱粉70重量%とエーテル化澱粉
10重量%と強力粉20重量%とからなる澱粉系原料1
00重量部に対して、グルコマンナン3重量部、難消化
性デキストリン5重量部、乳化剤0.5重量部、イース
ト1重量部、上白糖10重量部、水71重量部、ショー
トニング5重量部の配合とした以外は同様にして無塩パ
ンを製造した。
【0036】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質2.1g、リン29mg、カリウム14mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は25%、リン4
1%、カリウム15%で、いずれも大幅に低減化されて
いた。実施例5 実施例1において、小麦澱粉75重量%とエーテル化澱
粉15重量%と薄力粉10重量%とからなる澱粉系原料
100重量部に対して、グアーガム4重量部、ペクチン
4重量部、乳化剤0.5重量部、イースト1重量部、上
白糖5重量部、水75重量部、ショートニング5重量部
の配合とした以外は同様にして無塩パンを製造した。
【0037】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質1.1g、リン34mg、カリウム20mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は13%、リン4
9%、カリウム21%で、いずれも大幅に低減化されて
いた。実施例6 実施例1において小麦澱粉85重量%とエーテル化澱粉
15重量%とからなる澱粉系原料100重量部に対し
て、カラギーナン5重量部、セルロース5重量部、乳化
剤0.5重量部、イースト1重量部、上白糖10重量
部、水71重量部、ショートニング5重量部の配合とし
た以外は同様にして無塩パンを製造した。
【0038】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質0.5g、リン30mg、カリウム11mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は6%、リン43
%、カリウム12%で、蛋白質が特に低減化されてい
た。比較例1 実施例3の配合から増粘多糖類であるキサンタンガムを
除いた配合として、生地を混捏したところ、生地として
まとまらなかったため、製パンすることができなかっ
た。実施例7 実施例3の配合で増粘多糖類であるキサンタンガムを6
重量部に増量した以外同様にしてパンを製造したとこ
ろ、実施例3と同様の蛋白質、リン及びカリウム含量の
パンが得られた。しかしながら、このパンは、その製造
工程において、生地がかたくて発酵時に十分な容積が得
られないため、焼成しても膨らみの不十分な食感のかた
いものであった。比較例2 実施例3の配合から食物繊維であるセルロースを除いた
配合とした以外同様にしてパンを製造したところ、得ら
れたパンは、蒸しパンのようなもたつく食感であった。実施例8 実施例3の配合で食物繊維であるセルロースを11重量
部に増量した以外同様にしてパンを製造したところ、実
施例3と同様の蛋白質、リン及びカリウム含量のパンが
得られた。しかしながら、このパンは、その製造工程に
おいて、生地がかたく発酵時に十分な容積が得られない
ため、焼成しても膨らみの不十分な食感のかたいもので
あった。比較例3 通常のストレート法で、薄力粉100重量部に対して、
イースト1重量部、上白糖5重量部、水71重量部、シ
ョートニング5重量部の配合で製パンした。
【0039】このパンの100gあたりの成分は、蛋白
質6.3g、リン57mg、カリウム98mgであり、
通常のパンと比較するとおよそ蛋白質は74%、リンは
82%、カリウムは103%にあたるものであった。
【0040】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のパンは、澱粉と
増粘多糖類と食物繊維とを含有するものである。このた
め、蛋白質の含量が大幅に低減化されており、また、生
地のだれや食感、パンの内外層のきめなどが改善される
ため食塩を添加する必要がない。さらに、小麦粉の代わ
りに澱粉を用いているのでイーストの添加量の大幅な削
減を図ることができるため低リン、低カリウム化されて
いる。
【0041】また、請求項2記載のパンは、前記請求項
1記載のパンにおいて、澱粉100重量部に対して、増
粘多糖類0.5〜5重量部及び食物繊維0.1〜10重
量部を含有するものである。このため、パンとしての食
感が特に向上したものとなっている。
【0042】請求項3記載のパンは、澱粉50重量%以
上と小麦粉50重量%以下とからなる澱粉系原料と増粘
多糖類と食物繊維とを含有するものである。このため、
蛋白質の含量が低減化されており、また、生地のだれや
食感、パンの内外層のきめなどが改善されるため食塩を
添加する必要がない。さらに、小麦粉の代わりに澱粉を
用いているのでイーストの添加量の大幅な削減を図るこ
とができるため低リン、低カリウム化されている。
【0043】請求項4記載のパンは、澱粉70重量%以
上とエーテル化澱粉30重量%以下とからなる澱粉系原
料と増粘多糖類と食物繊維とを含有するものである。こ
のため、蛋白質の含量が低減化されており、また、生地
のだれや食感、パンの内外層のきめなどが改善されるた
め食塩を添加する必要がない。さらに、小麦粉の代わり
に澱粉を用いているのでイーストの添加量の大幅な削減
を図ることができるため低リン、低カリウム化されてい
る。
【0044】請求項5記載のパンは、澱粉20重量%以
上と小麦粉50重量%以下とエーテル化澱粉30重量%
以下とからなる澱粉系原料と増粘多糖類と食物繊維とを
含有するものである。このため、蛋白質の含量が低減化
されており、また、生地のだれや食感、パンの内外層の
きめなどが改善されるため食塩を添加する必要がない。
さらに、小麦粉の代わりに澱粉を用いているのでイース
トの添加量の大幅な削減を図ることができるため低リ
ン、低カリウム化されている。
【0045】請求項6記載のパンは、請求項4又は5記
載のパンにおいて、前記エーテル化澱粉のエーテル化度
が0.02〜0.1であるものである。このため、パン
としての食感が特に向上したものとなっている。
【0046】請求項7記載のパンは、請求項4乃至6の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記エーテル化澱粉
の含有量が澱粉系原料100重量%に対して3重量%以
上30重量%以下であるものである。このため、パンの
食感及びパンにおける保水性が向上したものとなってい
る。
【0047】請求項8記載のパンは、請求項3乃至7の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記澱粉系原料10
0重量部に対して、増粘多糖類0.5〜5重量部及び食
物繊維0.1〜10重量部を含有するものである。この
ため、パンとしての食感が特に向上したものとなってい
る。
【0048】請求項9記載のパンは、請求項1乃至8の
いずれか1項記載のパンにおいて、前記澱粉が小麦澱
粉、米澱粉、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスター
チ、ワキシコーンスターチから選択された1種又は2種
以上であるものである。このためパンの主原料である小
麦粉の代替物として入手が容易で安価である。
【0049】請求項10記載のパンは、請求項1乃至9
のいずれか1項記載のパンにおいて、前記増粘多糖類
が、キサンタンガム、グアーガム、ローカストビーンガ
ム、タマリンドガム、カラギーナン、グルコマンナン、
寒天、アラビアガム、CMCから選択された1種又は2
種以上であるものである。このため、小麦粉を澱粉に置
換しても、発酵及び焼成中に発生するガスを生地中に保
持することができ、ソフトな食感で通常のパンと同じ容
積を持つことができる。
【0050】さらに、請求項11記載のパンは、請求項
1乃至10のいずれか1項記載のパンにおいて、前記食
物繊維が、ペクチン、難消化デキストリン、セルロー
ス、グアーガム分解物から選択された1種又は2種以上
であるものである。このため、ソフトな食感で通常のパ
ンと同じ容積を持ち、澱粉含量を多くしたパンに特有の
蒸しパンのようなもたつく食感が改善される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉と増粘多糖類と食物繊維とを含有す
    ることを特徴とするパン。
  2. 【請求項2】 前記澱粉100重量部に対して、増粘多
    糖類0.5〜5重量部及び食物繊維0.1〜10重量部
    を含有することを特徴とする請求項1記載のパン。
  3. 【請求項3】 澱粉50重量%以上と小麦粉50重量%
    以下とからなる澱粉系原料と増粘多糖類と食物繊維とを
    含有することを特徴とするパン。
  4. 【請求項4】 澱粉70重量%以上とエーテル化澱粉3
    0重量%以下とからなる澱粉系原料と増粘多糖類と食物
    繊維とを含有することを特徴とするパン。
  5. 【請求項5】 澱粉20重量%以上と小麦粉50重量%
    以下とエーテル化澱粉30重量%以下とからなる澱粉系
    原料と増粘多糖類と食物繊維とを含有することを特徴と
    するパン。
  6. 【請求項6】 前記エーテル化澱粉のエーテル化度が
    0.02〜0.1であることを特徴とする請求項4又は
    5記載のパン。
  7. 【請求項7】 前記エーテル化澱粉の含有量が澱粉系原
    料100重量%に対して3重量%以上30重量%以下で
    あることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記
    載のパン。
  8. 【請求項8】 前記澱粉系原料100重量部に対して、
    増粘多糖類0.5〜5重量部及び食物繊維0.1〜10
    重量部を含有することを特徴とする請求項3乃至7のい
    ずれか1項記載のパン。
  9. 【請求項9】 前記澱粉が小麦澱粉、米澱粉、タピオカ
    澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシコーンスタ
    ーチから選択された1種又は2種以上であることを特徴
    とする請求項1乃至8のいずれか1項記載のパン。
  10. 【請求項10】 前記増粘多糖類が、キサンタンガム、
    グアーガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、
    カラギーナン、グルコマンナン、寒天、アラビアガム、
    CMCから選択された1種又は2種以上であることを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載のパン。
  11. 【請求項11】 前記食物繊維が、ペクチン、難消化デ
    キストリン、セルロース、グアーガム分解物から選択さ
    れた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1
    乃至10のいずれか1項記載のパン。
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