JPWO2009078370A1 - ガスセンサ - Google Patents

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Abstract

ガス検知層(4)とシリコン基板(2)及び絶縁被膜層(3)から構成される基体(15)との間に密着層7を形成し、両者の密着性を高め剥離を防止する。検知電極(6)のガス検知層(4)と対向する側の面(61)及びその両側面は、ガス検知層(4)と当接することで、ガス検知層(4)と検知電極(6)とが電気的に接続され、特定ガスの濃度変化に応じて変化するガス検知層(4)の電気的特性が良好に検知される。また、検知電極(6)は、ガス検知層(4)と接触し、密着層(7)とは非接触であるので、密着層(7)を完全な絶縁層にする必要が無くなり、不完全な絶縁膜や導電性の膜でも密着層として使用可能となる。そのため、密着層(7)の選択肢が広がる。

Description

本発明は、金属酸化物半導体を主成分とするガス検知層を有するガスセンサに関するものである。
従来、酸化スズ(SnO)等の金属酸化物半導体に、白金(Pt)等の貴金属を触媒として担持させ、被検知ガスによって電気的特性(例えば、抵抗値)が変化することを利用して、被検知ガスの濃度変化を検知するガスセンサが知られている。このようなガスセンサのガス検知層は、その製造工程において、貴金属元素を含む溶液中に金属酸化物半導体粉末を含浸させた後、焼成することにより、貴金属を金属酸化物半導体表面上に分散させた状態で担持させている(例えば特許文献1参照)。
ところで、金属酸化物半導体に触媒として塩基性金属酸化物を担持させたガス検知層を用いると、硫化水素やメルカプタン類などに起因すると思われる各種の臭い(特に悪臭)に対して高いガス感度を示すことが知られている(例えば特許文献2参照)。しかし、塩基性金属酸化物は電気抵抗値が高く、特許文献1のように金属酸化物半導体粉末個々に塩基性金属酸化物を触媒として担持させた場合、ガス検知層自体の電気抵抗値が高くなり、ガスセンサの回路設計は困難となる。そこで、金属酸化物半導体粉末よりなるガス検知層を焼結させた後にその焼結体(ガス検知層)の表面上に塩基性金属酸化物を担持すれば、ガス検知層の電気抵抗値の増加を抑制することができる(例えば特許文献3参照)。
一方、このようなガスセンサのガス検知層は、常温では被検知ガスと反応せず、例えば200〜400℃に加熱されることで活性化されて被検知ガスに反応することから、ガス検知層が形成される半導体基板等の基体内に発熱抵抗体が設けられるのが一般的である。しかしながら、発熱抵抗体を用いてガスセンサを高温で駆動した場合、ガス検知層と基体との熱膨張差に起因して界面での剥離が生ずるおそれがある。また、このようなガスセンサでは、高信頼性を得るために、ガス検知層と基体との機械的な密着強度を高めることも当然に求められる。そこで、ガス検知層と基体との間に、密着層を形成するものが種々提案されている。例えば、薄膜抵抗体である白金(Pt)製ヒータと下地の絶縁膜との間に酸化ハフニウム層を形成し、熱膨張を緩和する熱型センサ(例えば特許文献4参照)や、基板上に形成される電極層の表面に凹凸を形成して電極層の表面積を増加させ、さらにこの電極層とガス検知層との間に両者の材料組成を少しずつ変化させた導電性の傾斜機能材料を中間層として用い、熱膨張係数を緩和するガスセンサが提案されている(例えば特許文献5参照)。
特開昭63−279150号公報 特公平6−27719号公報 特公平5−51096号公報 特開2001−91486号公報 特開平9−33470号公報
しかしながら、特許文献4において提案された熱型センサでは、接触面積の大きい薄膜同士の密着性向上には有効であるが、厚膜のガス検知層と基体との接触面積は小さいため有効ではない。また、特許文献5において提案されたガスセンサでは、基体とガス検知層との間の密着性を電極層の表面を凹凸に形成してその電極層上に導電性の中間層を設けることで確保することはできるものの、被検知ガスのガス反応は、検知電極とガス検知層の界面で起こるため、電極層とガス検知層との間にガス検知層とは異なる組成の導電性の中間層を形成してしまっては、ガス感度に悪影響を及ぼす懸念がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、密着層を用いてガス検知層が基体から剥離することを防止するとともに、ガス感度に悪影響を与えずに特定ガスの濃度変化を良好に検知するガスセンサを提供することを目的とする。
本開示の態様1に係るガスセンサは、基体上に形成されるとともに、被検知ガス中の特定ガスの濃度変化に応じて電気的特性が変化する金属酸化物半導体を主成分とするガス検知層を有するガスセンサにおいて、前記基体上には、前記ガス検知層における電気的特性の変化を検出するための一対の検知電極と、前記ガス検知層と接触する密着層とを備え、前記検知電極は、前記ガス検知層と接触し、前記密着層とは非接触であり、前記基体は、板厚方向に開口部が形成された半導体基板と、前記半導体基板上に形成され、前記開口部に対応する部位に隔壁部を有する絶縁層と、前記隔壁部上に形成される発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体を覆うように前記絶縁層上に形成される保護膜とを備え、前記検知電極、前記密着層及び、前記ガス検知層は、前記基体の前記保護層上に形成されていることを特徴とする。
本開示の態様1のガスセンサでは、検知電極は、ガス検知層と接触し、密着層とは非接触である構造となっている。これにより、基体とガス検知層との密着性を効果的に高めつつ、特定ガスに対する良好なガス感度を得ることができる。また、密着層を検知電極と接触しないように配置しているため、密着層を完全な絶縁層にする必要が無くなり、不完全な絶縁膜や導電性の膜でも密着層として使用可能となる。そのため、密着層の選択肢が広がる。また、密着層が検知電極と接触しないので、検知電極の表面を確実にガス検知層と接触させることができ、その観点からもガス感度を良好なものとすることができる。また、ガス検知層を発熱抵抗体と対向するように保護層上に形成しており、この発熱抵抗体は、半導体基板に形成された開口部に対応する位置に形成されるため、ガス検知層を効率よく加熱して活性化させることができ、より良好に特定ガスの濃度変化を検知することができる。
また、本開示のガスセンサは、前記絶縁層及び前記保護膜の厚みの合計は2μm以下であり、且つ、前記保護層の表面の表面粗さRaが0.03μm以下であり、前記保護層の前記表面に対して2μmよりも厚い前記ガス検知層が形成されていても良い。
このガスセンサによれば、絶縁層及び保護膜の厚みの合計は、2μm以下であるので、発熱抵抗体による加熱の熱量を小さな熱量とすることができる。また、半導体基板上に形成される絶縁層及び保護膜は薄膜形成されることから、ガス検知層が積層される表面を構成する保護膜の表面は、自身の表面粗さRaが0.030μm以下といった鏡面に近い状態となる。しかし、本開示では、上述したように、保護膜上に密着層を設けているため、ガス検知層と基体(保護膜)との密着性が高められ、2μm以上の大きな厚みを有するガス検知層を、鏡面に近い状態の保護膜の表面に対し、密着性を確保した状態で形成することができる。
また、本開示のガスセンサは、前記密着層の厚み方向に沿った断面を観察したときに、前記保護層の表面から該密着層の表面の凸をなす頂部までの高さのうち、当該高さが大きい順に採取した5個の高さの平均値が、前記絶縁層及び前記保護膜の厚みの合計よりも大きくても良い。
このガスセンサによれば、保護層の表面から密着層の表面の凸をなす各頂部までの高さのうち、当該高さが大きい順に採取した5個の高さの平均値を、絶縁層及び保護膜の厚みの合計よりも大きくしたので、密着層の凹凸を大きくできてアンカー効果によりガス検知層の密着性を向上できる。なお、この平均値は、本開示では、「密着層を含むようにしてガスセンサを基体を厚み方向に沿って切断し、密着層の厚み方向に沿った断面を走査電子顕微鏡にて所定倍率で拡大して観察したときに、保護層の表面から密着層の表面の凸をなす頂部までの高さ(保護膜の表面に直交する向きの直線距離)のうち、当該高さが大きい順から数えて5個の高さを平均化して求めた値」として定義される。
また、本開示のガスセンサは、前記絶縁層及び前記保護層の厚みの合計は2μm以下であり、且つ、前記保護層の表面の表面粗さが0.03μm以下であり、前記保護層の前記表面に対して2μmよりも厚く、前記合計よりも2倍以上の厚みを有する前記ガス検知層が形成されていても良い。
このガスセンサによれば、絶縁層及び保護膜の厚みの合計は、2μm以下であるので、発熱抵抗体による加熱の熱量を小さな熱量とすることができる。さらに、密着層の存在によってガス検知層と基体(保護膜)との密着性が高められることから、2μm以上の大きな厚みを有し、且つ、絶縁層及び保護層の厚みの合計よりも2倍以上の厚みを有するガス検知層を、表面粗さRaが0.030μm以下といった鏡面に近い状態の保護膜の表面に対し、密着性を確保した状態で形成することができる。
また、本開示のガスセンサは、前記密着層が、少なくとも前記検知電極間に設けられていても良い。
このガスセンサによれば、密着層が、少なくとも検知電極間に設けられている。検知電極同士の間隔は比較的狭いため、検知電極間に位置することになる基体の表面とガス検知層との密着性は向上させ難いが、本開示を適用することで、検知電極間に位置する基体の表面とガス検知層との密着性を効果的に高めることができる。
また、本開示のガスセンサは、前記検知電極は、櫛歯状に形成され、一方の電極の櫛歯の間に、他方の電極の櫛歯が挿入され、前記一方の電極の櫛歯と他方の電極の櫛歯との間に前記密着層が設けられていても良い。
このガスセンサによれば、検知電極は、櫛歯状に形成され、一方の電極の櫛歯の間に、他方の電極の櫛歯が挿入され、一方の電極の櫛歯と他方の電極の櫛歯との間に密着層が設けられているので、検知電極間に位置する基体の表面とガス検知層との密着性をより効果的に高めることができる。
また、本開示のガスセンサは、前記密着層が、前記検知電極間及び前記検知電極の外周に対して連続して設けられていても良い。
このガスセンサによれば、密着層が、検知電極間及び検知電極の外周に対して連続して設けられているので、基体とガス検知層との密着性をより効果的に高めることができる。
また、本開示のガスセンサは、前記密着層が絶縁性であっても良い。
このガスセンサによれば、密着層が絶縁性であるので、ガス検知層の導電性に影響を与えないため、特定のガスに対する良好なガス感度を得ることができる。
また、本開示のガスセンサは、前記密着層を構成する物質の粒子の間に前記ガス検知層を構成する物質が入り込んでいても良い。
このガスセンサによれば、密着層を構成する物質の粒子の間にガス検知層を構成する物質が入り込んでいるので、密着層とガス検知層との密着性をより高めて、密着層とガス検知層との剥離を防止できる。
また、本開示のガスセンサは、前記基体上に形成される前記ガス検知層側から前記ガス検知層と前記密着層との接触面を投影したときの投影面積は、前記基体上に形成される当該ガス検知層側から当該ガス検知層と前記密着層及び前記検知電極との接触面を投影したときの投影面積の50%以上を占めても良い。
このガスセンサによれば、基体上に形成されるガス検知層側からガス検知層と前記密着層との接触面を投影したときの投影面積は、基体上に形成される当該ガス検知層側から当該ガス検知層と密着層及び検知電極との接触面を投影したときの投影面積の50%以上を占めるようにすることにより、基体とガス検知層との密着性をより確実に得ることができる。
ガスセンサ1の平面図である。 ガスセンサ1の図1に示すA−A線における矢視方向断面図である。 ガスセンサ1が備える発熱抵抗体5の平面図である。 ガスセンサ1の図1に示すB−B線における矢視方向断面図である。 ガスセンサ1の図2に示すC−C線における矢視方向断面図である。 図1に示すA−A線におけるガス検知層4近傍の矢視方向断面図の部分拡大図である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 ガスセンサ1の製造工程の途中に於けるガスセンサ1の縦断面である。 密着層7の第一変形例のガスセンサ1の図2に示すC−C線における矢視方向断面図である。 密着層7の第二変形例のガスセンサ1の図2に示すC−C線における矢視方向断面図である。 検知電極6の変形例のガスセンサ1の図2に示すC−C線における矢視方向断面図である。 図1に示すA−A線におけるガス検知層4近傍の矢視方向断面図の部分拡大図である。 衝撃試験の結果を示すグラフである。 変形例のガスセンサの密着層7の状態を示すため、走査電子顕微鏡により拡大してガスセンサを撮影した断面である。
以下、本発明を具体化したガスセンサの一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図6を参照して、ガスセンサ1の構造について説明する。なお、図2において、上下方向を上下方向と言い、図1乃至6において、左右方向を左右方向と言う。
ガスセンサ1は、図1に示すように、縦が2.6mm,横が2mmの矩形状の平面形状を有するガスセンサであり、図2に示すように、シリコン基板2の上面に絶縁被膜層3が形成され、この絶縁被膜層3には、発熱抵抗体5が内包されるとともに、その上面には密着層7及びガス検知層4が形成された構造を有する。ガス検知層4は、被検知ガス中の特定ガスによって自身の抵抗値が変化する性質を有する。ここで、本ガスセンサ1では、二酸化スズに0.2重量%の酸化カルシウムを触媒として含有させてガス検知層4が設けられており、このガス検知層4を用いて被検知ガス中のアンモニア(NH)、硫化水素(HS)、二硫化メチル((CH)、メチルメルカプタン(CHSH)、トリメチルアミン((CH)N)などの特定ガスを検知するように構成されている。なお、本発明における「検知」とは、被検知ガスに含まれる特定ガスの有無を検知するのみならず、当該特定ガスの濃度変化を検知することも含む趣旨である。また、シリコン基板2が、本発明における「半導体基板」に相当し、シリコン基板2及び絶縁被膜層3(基体15)が、本発明における「基体」に相当する。さらに、絶縁被膜層3が本発明における「絶縁層」に相当する。以下、ガスセンサ1を構成する各部材について詳述する。
また、図2に示すように、シリコン基板2は、所定の厚みを有するシリコン製の平板である。このシリコン基板2の下面はシリコン基板2の一部が除去され、絶縁層32の一部が隔壁部39として露出された開口部21が形成されている。即ち、ガスセンサ1では、開口部21を有するシリコン基板2と絶縁被膜層3とにより、ダイヤフラム構造を有する基体15をなすものである。この開口部21は、隔壁部39の位置が、開口部21の開口側から平面視したとき、絶縁層33内に埋設された発熱抵抗体5が配置される位置となるように形成されている。
絶縁被膜層3は、シリコン基板2の上面に形成された絶縁層32,33及び保護層35から構成される。シリコン基板2の上面に形成された絶縁層32は、所定の厚みを有する窒化ケイ素(Si)膜であり、この絶縁層32の下面の一部は、シリコン基板2の開口部21に露呈している。また、この絶縁層32の上面に形成された絶縁層33は、所定の厚みを有する酸化ケイ素(SiO)膜である。この絶縁層33の中には、後述する発熱抵抗体5及び、発熱抵抗体5に通電するためのリード部12の他が形成されている。この絶縁層33の上面には、所定の厚みを有する窒化ケイ素(Si)膜からなる保護層35が形成されている。この保護層35は、後述する発熱抵抗体5及び、発熱抵抗体5に通電するためのリード部12を覆うように配設されることでこれらの汚染や損傷を防ぐ役割を果たす。これら絶縁層32,33及び保護層35は、後述するように薄膜形成されており、保護層35の表面(ガス検知層4が形成される面)の表面粗さRaが0.030μm以下(本実施の形態では0.002μm)とされており、鏡面に近い状態となっている。なお、保護層35の表面粗さRaは、KLA-Tencor社製の段差計(装置名:SURFACE PROFILER Alpha-Step 500)を用いて測定することができる。
発熱抵抗体5は、一例として、図2及び図3に示すように、シリコン基板2の開口部21の上部に対応する部位であって、絶縁層33中に、平面視渦巻き状に形成されている。また、絶縁層33中には、発熱抵抗体5に接続され、発熱抵抗体5に通電するためのリード部12が埋設されており、図4に示すように、このリード部12の末端にて、外部回路と接続するためのコンタクトパッド9が形成されている。発熱抵抗体5及びリード部12は、白金(Pt)層とタンタル(Ta)層とから構成された2層構造を有する。また、このコンタクトパッド9は、白金(Pt)層とタンタル(Ta)層とから構成された引き出し電極の表面上に、金(Au)からなるコンタクトパッドが形成された構造を有する。なお、コンタクトパッド9は、ガスセンサ1に一対設けられている。
保護層35の上面には、発熱抵抗体5上に位置するように検知電極6と、検知電極6に通電するためのリード部10(図4参照)とが、それぞれシリコン基板2と平行な同一平面上に形成されている。この検知電極6及びリード部10は、保護層35の上に形成されるタンタル(Ta)層と、その表面上に形成された白金(Pt)層とから構成されている。また、図4に示すように、リード部10の末端には、その表面上に金(Au)からなるコンタクトパッド11が形成され、外部回路と接続するための酸化物半導体コンタクト部8として構成されている。なお、酸化物半導体コンタクト部8は、図1及び図4に示すように、ガスセンサ1に一対設けられている。
検知電極6は、一例として、図5に示すように、櫛歯状の平面形状を有し、一方の電極の櫛歯67の間に、他方の電極の櫛歯67が挿入され、一方の電極の櫛歯67と他方の電極の櫛歯67との間に、当該櫛歯67と非接触に間隔を空けて密着層7が蛇行しながら連続的に設けられている。この検知電極6は、ガス検知層4における電気的特性の変化を検出するための一対の電極である。また、密着層7は、図5に示すように、検知電極6の櫛歯67の間だけでなく、検知電極6の周囲(外周)にまで連続的に連なって形成されている。なお、密着層7は、検知電極6の外縁部に対しても、非接触に間隔を空けて形成されている。図2に示すように、この検知電極6のガス検知層4に対向する側の面61及びその両側面は全面、ガス検知層4と当接し、ガス検知層4と検知電極6とが電気的に接続されている。このように、ガス検知層4と、検知電極6の面61及びその両側面とが全面接触しているので、ガス検知層4と検知電極6との界面におけるガス反応が密着層7を含めた他部材によって何ら阻害されることがない。また、発熱抵抗体5により加熱されてガス検知層4が速やか且つ良好に活性化することから、その観点からもガスセンサ1のガス感度を高めることができる。一方、この検知電極6の保護層35と対向する側の面62は、保護層35と当接している。そして、互いに隣接する検知電極6の間には、基体15とガス検知層4との密着性を向上させ、ガス検知層4が基体15から剥離することを防ぐ密着層7が、前記検知電極6と非接触に設けられている。即ち、検知電極6は、ガス検知層4と接触し、密着層7とは非接触となっている。
この密着層7は、図6に模式的に示すように、基体15とガス検知層4との間の密着性を向上させるための層であって、絶縁性の金属酸化物からなる複数の粒子が凝集した構造をなしている。そのため、密着層7は、自身の表面が凹凸面71になっている。そして、密着層7を構成する物質の粒子の間にはガス検知層4を構成する物質が入り込んでいる。これにより、基体15と厚膜状に形成されたガス検知層4との密着性が高められている。なお、この密着層7は、例えば、ヒロックAl膜をスパッタリング法により成膜後、酸化により形成している。
そして、この密着層7は、図5に示す横断面図のように、櫛歯状に形成された一対の検知電極6間の領域に延設されて形成されるとともに、検知電極6の周縁部とは、非接触となっている。また、図2に示す縦断面図のように、検知電極6のガス検知層4との間にも密着層7が形成されておらず、検知電極6の面62以外の外周面は全面、ガス検知層4と当接する構成を有する。そして、隣接する検知電極6の間に密着層7が設けられるが、検知電極6と密着層7とは、非接触となっている。このような構成により、検知電極6とガス検知層4との界面で起こるガス反応に影響を及ぼすことなく、基体15とガス検知層4との密着性を向上させている。さらに、ガス検知層4が剥離する場合には、ガス検知層4の端部から剥離することが多いが、本実施形態の密着層7は検知電極6の周囲にまで形成されており、その上面において、ガス検知層4の端部と当接しているため、ガス検知層4の端部から剥離することも防止することができる。
尚、この密着層7は、検知電極6とは非接触であるので、導電性の材料により構成することもできる。また、密着層7は、好ましくは、検知電極6とガス検知層4との界面で起こるガス反応に影響を及ぼさないよう、アルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の絶縁性の酸化物により構成しても良い。
次に、上記構造を有するガスセンサ1の製造工程について、図7乃至図13を参照して説明する。なお、作製途中のガスセンサ1の中間体を、基板と称する。
(1)シリコン基板2の洗浄
まず、厚みが400μmのシリコン基板2を洗浄液中に浸し、洗浄処理を行う。
(2)絶縁層32及び絶縁層232の形成
次に、LP−CVDにてジクロルシラン(SiHCl)、アンモニア(NH)をソースガスとし、シリコン基板2の上面及び下面に、厚さが200nmの窒化ケイ素膜(Si)膜からなる絶縁層32及び絶縁層232を形成した(図7参照)。
(3)絶縁層33の形成
次に、プラズマCVDにてテトラエトキシシラン(TEOS)、酸素(O)をソースガスとし、絶縁層32の表面上に厚さが100nmの酸化ケイ素(SiO)膜からなる絶縁層33を形成した(図7参照)。
(4)発熱抵抗体5及びリード部12の形成
その後、DCスパッタ装置を用い、絶縁層33の表面上に厚さ20nmのタンタル(Ta)層を形成し、その層上に厚さ220nmの白金(Pt)層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、王水を用いたウエットエッチング処理で発熱抵抗体5及びリード部12のパターンを形成した(図8参照)。
(5)絶縁層33の膜厚の増加処理
そして、(3)と同様に、プラズマCVDにてテトラエトキシシラン(TEOS)、酸素(O)をソースガスとし、絶縁層33,発熱抵抗体5及びリード部12の表面上に厚さが100nmの酸化ケイ素(SiO)膜からなる新たな絶縁層を図9に示すように形成して絶縁層33の膜厚を厚くした。このようにして、厚さ200nmの絶縁層33内に発熱抵抗体5及びリード部12を埋設した。
(6)保護層35の形成
さらに、(2)と同様に、LP−CVDにてジクロルシラン(SiHCl)、アンモニア(NH)をソースガスとし、絶縁層33の上面に、厚さが200nmの窒化ケイ素(Si)膜からなる保護層35を形成した(図9参照)。
(7)コンタクトパッド9の開口の形成
次いで、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ドライエッチング法で保護層35,絶縁層33のエッチングを行い、コンタクトパッド9を形成する部分にコンタクトホール13をあけ、リード部12の末端の一部を露出させた(図9参照)。
(8)検知電極6及びリード部10の形成
次に、DCスパッタ装置を用い、保護層35の表面上に厚さ20nmのタンタル(Ta)層を形成し、さらにその表面上に厚さ40nmの白金(Pt)層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、王水によるウエットエッチング処理で櫛歯状の検知電極6及びリード部10等のパターンを形成した(図10参照)。
(9)密着層7の形成
検知電極6及び保護層35上に、密着層7となるヒロックAl膜をスパッタリング法により成膜する。次いで、フォトリソグラフィによるレジストパターニング後、検知電極6上及び周囲等の不要なAl膜をリン酸を主としたウエットエッチング処理により除去し、その後、酸化によりAlにし、密着層7を櫛歯状の検知電極6間及びその周囲の保護層35上に形成した(図10参照)。
(10)コンタクトパッド11,9の形成
DCスパッタ装置を用い、上記電極部分の作製された基板の電極側の表面上に、厚さ400nmの金(Au)層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ウエットエッチング処理でコンタクトパッド11,9を形成した(図11参照)。
(11)開口部21の形成(ダイアフラムの形成)
次いで、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、マスクとなる絶縁膜をドライエッチング処理により形成した。そして水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)溶液中に基板を浸し、シリコン基板2の異方性エッチングを行うことで、下面が開口され、発熱抵抗体5の配置位置に対応する部分の絶縁層32の隔壁部39となる部分が露出されるように、開口部21を形成した(図12参照)。
(12)ガス検知層4の形成
さらに、検知電極6及び密着層7上に、酸化スズを主成分とし、酸化カルシウムを添加した酸化物半導体ペーストを厚膜印刷により塗布し、厚さ30μmのペースト層を形成して、ガス検知層4を形成した(図12参照)。なお、酸化物半導体ペーストは以下の手順により作製した。まず、純水に塩化スズ(SnCl)を加え、十分撹拌して溶解させた後、アンモニア水を滴下して、水酸化スズを析出させた。その後、沈殿粉末を純水で数回洗浄してアンモニウムイオン及び塩素イオンを除去し、乾燥させた。乾燥後、純水に沈殿粉末と水酸化カルシウム(Ca(OH))を分散させ、十分に攪拌させた後、乾燥させた。このときの、水酸化カルシウムの添加量は、酸化カルシウム(CaO)換算で0.2重量%となるように添加した。乾燥後、800℃、5時間の条件で焼成し、得られた粉末5gをらいかい機で1時間粉砕した。その後、有機溶剤を混合し、らいかい機(もしくはポットミルでもよい)で4時間粉砕した。さらに、バインダー及び粘度調製剤を添加して4時間粉砕を行い、25℃にて粘度140Pa・sのペーストに調製した。
(13)基板の焼成
基板を熱処理炉に挿入し、650℃で1時間の焼成条件にて焼成し、検知電極6、密着層7及びガス検知層4が形成された基板を得た。
(14)基板の切断
ダイシングソーを用いて基板を切断し、平面視、2.6mm×2mmの大きさのガスセンサ1を得た。この得られたガスセンサ1のガス検知層4の厚み(平均厚み)を、上記した段差計を用いて確認したところ、約15μmであった。これにより、絶縁層32,33及び保護膜35の厚みの合計(600nm)よりも2倍以上の厚みを有するガス検知層4が、表面粗さRaが0.03μm以下の保護膜35の表面上に密着して形成されていることが確認された。
尚、上述したガスセンサ1の製造工程においては、上記「(2)絶縁層32及び絶縁層232の形成」の前に、シリコン基板2に熱酸化膜を成膜しても良い。また、「(7)コンタクトパッド9の開口の形成」において、コンタクトホール13を形成したが、「(8)検知電極6及びリード部10の形成」後にコンタクトホール13を形成しても良い。また、「(9)密着層7の形成」を「(11)開口部21の形成」の形成後に行っても良い。さらに、「(9)密着層7の形成」において、ヒロックAlを酸化によりAl にする工程を省略しても良い。
以上詳述したように、本実施形態のガスセンサ1では、検知電極6のガス検知層4と対向する側の面及びその両側面を、ガス検知層4と当接させて検知電極6とガス検知層4との接触面積を確保することができる。また、検知電極6は、密着層7とは非接触である構造となっている。これにより、基体15とガス検知層4との密着性を効果的に高めつつ、特定ガスに対する良好なガス感度を得ることができる。
さらに、検知電極6は、櫛歯状に形成され、一方の電極の櫛歯67の間に、他方の電極の櫛歯67が挿入され、一方の電極の櫛歯67と他方の電極の櫛歯67との間に密着層が設けられているので、一対の検知電極6間に位置する基体15の表面とガス検知層4との密着性をより効果的に高めることができる。
また、本実施形態のガスセンサ1によれば、基体15とガス検知層4との間の密着性を向上させつつ、良好なガス感度が得られるという従来の技術にはない効果を得ることができる。さらに、ガス検知層4に流す電流又は印加する電圧の大きさを小さくしても十分に特定ガスの濃度変化を検知できるので、ガスセンサの回路設計を容易且つ安価なものとすることができるといった効果も副次的に得られる。さらに、この発熱抵抗体5は、シリコン基板2に形成された開口部21に対応する位置に形成されるため、ガス検知層4を効率よく加熱して活性化することができ、良好に被検知ガス中の特定ガスの濃度変化を検知することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。例えば、基体15をなすシリコン基板2はシリコンにより作製したが、アルミナ(Al)や半導体材料から作製してもよい。また、作製されたガスセンサ1の平面形状は矩形に限らず、多角形や円形であってもよく、その大きさ、厚み、各部材の配置も限定されるものではない。
また、ガスセンサ1の製造方法は、上記実施の形態に限定されず、適宜変更を加えることが可能である。例えば、上記実施の形態にでは、「(9)密着層7の形成」において、密着層7を、ヒロックAl膜をスパッタリング法により成膜する。その後、フォトリソグラフィによるレジストパターニング後、検知電極6の周囲等の不要なAl膜等をリン酸を主としたウエットエッチング処理により除去する。最後に、酸化によりAlにすることにより形成したが、ディップ法、電気泳動法、液膜転送法、ミスト輸送法、スクリーン印刷法、スピンコート法など、その他の方法により形成してもよい。また、密着層7を検知電極6及びリード部10の形成後に行っていたが、検知電極6及びリード部10の形成前に行うようにしてもよい。その場合には、例えば、密着層7となるゾル溶液層を保護層35上に膜状に形成した後、検知電極6及びリード部10の形成を形成する箇所をエッチング等により除去し、続いて当該除去部分に検知電極6及びリード部10を形成する。
また、絶縁被膜層3は酸化ケイ素及び窒化ケイ素からなる複層構造としたが、酸化ケイ素又は窒化ケイ素からなる単層構造としてもよい。また、本実施の形態では、絶縁層33内に発熱抵抗体5を埋設させたが、これに限定されない。例えば、絶縁層32内に発熱抵抗体5を埋設させるようにしてもよい。
また、ガス検知層4は、主成分として金属酸化物半導体である酸化スズを用いたが、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、酸化チタン(TiO)、酸化バナジウム(VO2)など、その他の金属酸化物半導体を用いてもよい。また、金属酸化物半導体に添加する塩基性金属酸化物としては、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ベリリウム(Be)などのアルカリ土類金属の酸化物、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)などのアルカリ金属の酸化物、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、その他、ランタノイド系元素などの希土類の酸化物を用いてもよい。
ところで、密着層7の形状は、上記の実施の形態に限られず、密着層7の構成を以下に述べる変形例のようにしてもよい。以下、密着層7の変形例を図14、図15を参照して説明する。なお、変形例のガスセンサ1の構成は、密着層7の構成を除き、第一の実施形態と同様であるので、同様の形態の説明は省略する。図14乃至図16において、上下方向を上下方向と、左右方向を左右方向と言う。
図14に示すように、第一変形例に係る密着層7は、平面視、短冊状に形成され、互いに離間した複数の密着層7から構成されている。この複数の密着層7が互いに離間して、一方の検知電極6の櫛歯67と他方の検知電極6の櫛歯67との間に配列されている。尚、密着層7は、櫛歯67と非接触に配列されている。
また、図15に示すように、第二変形例に係る密着層7は、平面視、短冊状に形成され、互いに離間した複数の密着層7から構成され、一方の検知電極6と他方の検知電極6との周囲を囲むように整列して配置されている。尚、密着層7は、検知電極6と非接触に配列されている。
次に、図16を参照して、検知電極6の変形例について説明する。尚、図16では、密着層7は省略してある。図16に示すように、検知電極6の変形例では、検知電極6を櫛歯状に形成するのではなく、Tの字を根本で折り曲げた対称形に形成して、当該Tの字の頂辺を互いに一定間隔開けて対向するようにした平行電極でも良い。この場合には、密着層7は、上記の何れの形状でも良い。
また、上記実施の形態及び変形例において、基体15上に形成されるガス検知層4側からガス検知層4と密着層7との接触面を投影したときの投影面積は、基体15上に形成されるガス検知層4側から当該ガス検知層4と前記密着層7及び前記検知電極6との接触面を投影したときの投影面積の50%以上を占めるようにすることが望ましい。この構成により、基体15とガス検知層4との密着性をより確実に得ることが出来る。なお、上述した実施の形態では、ガス検知層4側から基体15上のガス検知層4と密着層7との接触面を投影したときの投影面積が、ガス検知層4側から基体15上の当該ガス検知層4と密着層7及び検知電極6との接触面を投影したときの投影面積の68%となるように、ガスセンサ1を構成してなる。
次に、図17を参照して、ガス検知層4及び基体15の厚みの変形例について説明する。この変形例では、図17に模式的に示すように、絶縁層32,33及び保護層35の合計の厚みよりも、密着層7の厚めに形成し、密着層7の凹凸の度合を高めている。尚、密着層7の厚みを厚めに形成するに従って、密着層7の凹凸の度合が高くなる傾向がある。
この変形例のガスセンサは、上述した実施の形態のガスセンサの製造方法のうち、「(9)密着層7の形成」におけるヒロックAl膜の成膜量を調整し、密着層7の厚みを厚めに形成すると共に密着層7の凹凸度合を高めた以外は、上述した実施の形態のガスセンサの製造方法と同じ工程(処理)を用いて形成した。ここで、絶縁層32,33及び保護層35は薄膜形成されるため、その厚みは、2μm以下となっており、より具体的には、600nmとなっている。そして、密着層7の厚みをこの絶縁層32,33及び保護層35よりも厚めに形成しているので、薄膜形成された絶縁層32,33及び保護層35の撓みを防止できる。
この変形例のガスセンサ1の密着層7の状態を確認するため、密着層7を含むようにしてガスセンサ1をシリコン基板2の厚み方向に沿って切断し、密着層7の厚み方向に沿った断面を走査電子顕微鏡にて10000倍に拡大して観察した。図19は、この変形例のガスセンサの密着層7を走査顕微鏡により拡大して撮影した写真である。この図19から密着層7の表面が凹凸面71になっていることが分かる。さらに、この密着層7の凹凸度合を確認するべく、保護層35の表面から密着層7の表面の凸をなす頂部までの高さ(保護膜35の表面に直交する向きの直線距離)のうち、当該高さが大きい順から数えて5個の頂部81〜85高さの平均値を算出した。その結果、この平均値の大きさが、絶縁層32,33,保護層35の合計厚み(600nm)よりも大きくなっていることが確認された。このように、絶縁層32,33及び保護層35の合計厚みよりも、密着層7の上記平均値を大きくすることで、ガス検知層4と基体15との密着性をより高めることができる。尚、この変形例のガス検知層4の厚み(平均厚み)は、上述した実施の形態と同様、約15μmであり、保護層35の表面粗さRaは、0.002μmであった。
次に、図18に示すグラフを参照して、ガスセンサの衝撃試験の結果を説明する。この衝撃試験では、絶縁層32,33及び保護層35の合計厚みを0.6μm(600nm)とし、密着層7をアルミナ(Al)から形成し、密着層7の凹凸度合を適宜調整したサンプルを5つ作製して行った。なお、密着層7をそれぞれ形成したサンプルについては、衝撃試験後に、保護層35の表面から密着層7の表面の凸をなす頂部81〜85までの高さの平均値を算出した。なお、この平均値の算出は上述した方法で行った。その結果、この平均値が0.010μm、0.672μm、1.168μm、1.238μm、2.067μmの密着層7が設けられていたことが確認された。尚、この衝撃試験は、AVEX社製衝撃試験機SM−110−MP(商品名)を用いて行った。
この衝撃試験の結果では、密着層7の上記平均値が0.010μmの場合には、2214Gまで、ガス検知層4が基体15から剥離しなかった。また、密着層7の上記平均値が0.672μmの場合には、2500Gまで、ガス検知層4が基体15から剥離しなかった。また、密着層7の上記平均値が1.168μmの場合には、3000Gまで、ガス検知層4が基体15から剥離しなかった。また、密着層7の上記平均値が1.238μmの場合には、2806Gまで、ガス検知層4が基体15から剥離しなかった。また、密着層7の上記平均値が2.067μmの場合には、2794Gまで、ガス検知層4が基体15から剥離しなかった。従って、密着層7の上記平均値が、絶縁層32,33及び保護層35の合計厚みよりも大きいガスセンサは、2500G以上の衝撃に耐えることができ、ガス検知層4と基体15との密着性を飛躍的に向上させられる。
本発明は、半導体式ガスセンサに適用することができる。

Claims (10)

  1. 基体上に形成されるとともに、被検知ガス中の特定ガスの濃度変化に応じて電気的特性が変化する金属酸化物半導体を主成分とするガス検知層を有するガスセンサにおいて、
    前記基体上には、前記ガス検知層における電気的特性の変化を検出するための一対の検知電極と、前記ガス検知層と接触する密着層とを備え、
    前記検知電極は、前記ガス検知層と接触し、前記密着層とは非接触であり、
    前記基体は、板厚方向に開口部が形成された半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成され、前記開口部に対応する部位に隔壁部を有する絶縁層と、
    前記隔壁部上に形成される発熱抵抗体と、
    前記発熱抵抗体を覆うように前記絶縁層上に形成される保護膜とを備え、
    前記検知電極、前記密着層及び、前記ガス検知層は、前記基体の前記保護層上に形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記絶縁層及び前記保護膜の厚みの合計は2μm以下であり、且つ、前記保護層の表面の表面粗さRaが0.030μm以下であり、前記保護層の前記表面に対して2μmよりも厚い前記ガス検知層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記密着層の厚み方向に沿った断面を観察したときに、前記保護層の表面から該密着層の表面の凸をなす各頂部までの高さのうち、当該高さが大きい順に採取した5個の高さの平均値が、前記絶縁層及び前記保護膜の厚みの合計よりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
  4. 前記絶縁層及び前記保護層の厚みの合計は2μm以下であり、且つ、前記保護層の表面の表面粗さが0.030μm以下であり、前記保護層の前記表面に対して2μmよりも厚く、前記合計よりも2倍以上の厚みを有する前記ガス検知層が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 前記密着層が、少なくとも前記検知電極間に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のガスセンサ。
  6. 前記検知電極は、櫛歯状に形成され、一方の電極の櫛歯の間に、他方の電極の櫛歯が挿入され、
    前記一方の電極の櫛歯と他方の電極の櫛歯との間に前記密着層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のガスセンサ。
  7. 前記密着層が、前記検知電極間及び前記検知電極の外周に対して連続して設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のガスセンサ。
  8. 前記密着層が絶縁性であることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載のガスセンサ。
  9. 前記密着層を構成する物質の粒子の間に前記ガス検知層を構成する物質が入り込んでいることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載のガスセンサ。
  10. 前記基体上に形成される前記ガス検知層側から前記ガス検知層と前記密着層との接触面を投影したときの投影面積は、前記基体上に形成される当該ガス検知層側から当該ガス検知層と前記密着層及び前記検知電極との接触面を投影したときの投影面積の50%以上を占めることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載のガスセンサ。
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