JP5209690B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、ガス感応膜(ガス検知膜)を含む多層構造のガス検知部を備えるとともに、ダイアフラム構造を有する基板型のガスセンサに関するものである。
従来より、例えば特定ガスの濃度や濃度変化を検知するガスセンサとして、ダイアフラム構造を有する基板上にガス感応膜を形成した各種のガスセンサが知られている。
この種のガスセンサとしては、ダイアフラム上にガス感応膜を設けるとともに、ガス感応膜の剥離を防止するために、ガス感応膜の形状をなだらかにして、ヒータ加熱時の応力集中を緩和したものが提案されている(特許文献1参照)。
また、ダイアフラム上のガス感応膜の密着性の向上のために、基板とガス感応膜との間に緻密層を設けることにより、ガス感応膜の剥離を防止する技術が提案されている(特許文献2参照)。
更に、前記ガスセンサとしては、被検出ガス中の被毒物質等からガス感応膜を保護するために、ガス感応膜の表面に、例えば多孔質材料からなる外層膜が形成されたものが知られている。
特開平10−111264号公報 特開2009−282024号公報
しかしながら、上述した様に、ガス感応膜の表面全体を外層膜で覆う構造の場合には、ガスセンサの製造時や使用時に、ガス感応膜及び外層膜からなる多層構造の部分とガス感応膜の周囲の外層膜のみからなる単層構造の部分との領域付近で、外層膜等に剥離が発生するという問題があった。
つまり、多層構造から単層構造にその構造が異なる領域では、(外層膜を厚み方向に破断して見た場合に)外層膜の外側表面の凹凸が大きく変化するような形状、即ち変曲点を有する形状になっていることが多い。そのため、変曲点の近傍においては、応力集中が生じ易いので、変曲点の近傍に大きな応力が加わった場合には、外層膜ひいてはガス感応膜が剥離することがあった。
具体的には、例えばガスセンサの接続端子に超音波を利用してワイヤボンディングを行う際には、ガスセンサの基板には振動が加わるが、特に基板がダイアフラム構造の場合には、ダイアフラム上に形成されたガス検知部においては、この振動の影響が比較的大きい。そのため、変曲点の近傍に過度な応力が加わった場合には、外層膜やガス感応膜が剥離するという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ダイアフラム構造のガスセンサにおいて、大きな応力が加わった場合でも、ガス感応膜を覆う外層膜等の剥離が発生し難いガスセンサを提供することを目的とする。
(1)本発明は、請求項1に記載の様に、基板の一部が薄肉とされたダイアフラム部を有するダイアフラム構造を備えるとともに、前記ダイアフラム部上に、被検出ガス中の特定ガスの検知を行うガス検知部を備えたガスセンサにおいて、前記ダイアフラム部上のガス検知部は、前記特定ガスの検知を行うガス感応膜を含む1又は複数の膜からなる内層膜と、該内層膜の表面及び周囲を覆うTiO 2 からなる外層膜とから形成された多層膜を備え、前記ガス検知部を、前記内層膜と前記外層膜とが重なり合う多重領域を含み、且つ、当該ガス検知部の重心を含むように前記基板に垂直に破断した破断面において、前記外層膜は、前記基板表面に沿った左右両側において、前記外層膜の外縁から当該外層膜の外側表面に沿って二次導関数値を求めたときに当該二次導関数値が負から正の値に転ずる変曲点をそれぞれ有するとともに、前記多重領域における前記外層膜の外側表面の前記基板表面からの高さの平均値をAとし、前記変曲点のうち前記基板表面からの高さの高い方をBとした場合に、前記平均値Aと前記変曲点の高さBとの比B/Aが、0.00<B/A≦0.70の範囲であることを特徴とする。
本発明では、平均値Aと変曲点の高さBとの比B/Aが、0.00<B/A≦0.70の範囲であるので、後述する実験例から明らかなように、ダイアフラム構造のガスセンサにおいて、例えばワイヤボンディングの際の振動等によって、大きな応力が加わった場合でも、ガス感応膜を覆う外層膜等の剥離が発生し難いという顕著な効果を奏する。
(2)本発明は、請求項2に記載の様に、内層膜と外層膜とが重なっている多重領域において、外層膜の厚みが内層膜の厚みより薄いガスセンサに適用できる。
つまり、この様に外層膜の厚みが内層膜の厚みより薄い場合には、例えばワイヤボンディングの際の振動等によって、大きな応力が加わった場合に、外層膜等に剥離が発生し易いので、上述した様に、B/Aの範囲を設定することが好ましい。
(3)本発明は、請求項3に記載の様に、ガス検知部が、ガス感応膜からなる内層膜と、ガス感応膜を保護する保護膜からなる外層膜との2重構造を有するガスセンサに適用できる。
なお、本発明は、前記2重構造や3重構造のガスセンサに限らず、複数の膜が積層された内層膜を覆う外層膜構造のガスセンサに適用することができる。
実施例のガスセンサの平面図である。 図1のA−A断面を示すガスセンサの断面図である。 図1のB−B断面を示すガスセンサの断面図である。 図1のガス検知部のA−A断面を上下方向に拡大して示す説明図である。 実験結果を示すグラフである。 その他のガスセンサの断面を示す説明図である。
以下、本発明が適用される実施例について図面を用いて説明する。
a)まず、本実施例のガスセンサの構造について説明する。
図1に示す様に、本実施例のガスセンサ1は、ダイアフラム構造を有しており、平板形状の矩形の基板3(例えば縦2.3mm×横2mm×厚み0.4mm)の一表面に、被検出ガス中の特定ガスの検知(特定ガスの濃度の変化の検知)を行うガス検知部5が形成されている。
つまり、このガスセンサ1は、基板3の中央近傍に設けられた薄肉のダイアフラム部7の表面にガス検知部5が形成されたダイアフラム構造を有している。
なお、ここでは、基板3の厚み方向(図1の紙面方向)をガスセンサ1の上下方向とし、ガス検知部5が形成された面側をガスセンサ1の上側として説明する。以下、各構成について説明する。
まず、前記基板3は、その平面における中央部付近(図1の基板中央よりやや上方より)に、平面形状が正方形で薄肉(例えば縦1.0mm×横1.0mm×厚み0.7μm)の前記ダイアフラム部7を備えるとともに、ダイアフラム部7の周囲に、ダイアフラム部7より厚肉の四角枠状の枠部9を備えている。
詳しくは、基板3は、図2に示す様に、所定の厚みを有するシリコン基板11と、シリコン基板11の上面に形成された絶縁被覆層13と、シリコン基板11の下面に形成された絶縁被覆層15とを有する。
このうち、前記シリコン基板11には、ダイアフラム部7の形成位置に対応するように、即ち上下方向における形成位置及び投影形状が一致するように、厚み方向に貫通する開口部17が設けられており、開口部17は、その内周面19がシリコン基板11の上面側から下面側に向けて広がるように形成されている。つまり、開口部17の上面側が基板3のダイアフラム部7であり、この開口部17によってダイアフラム構造が形成されている。
前記絶縁被覆層13は、絶縁層21〜24及び保護層25から構成される。このうち、絶縁層21はSiO2膜からなり、絶縁層22はSi34からなり、絶縁層23、24はSiO2膜からなり、保護層25はSi34からなる。絶縁層23と絶縁層24との間には、発熱抵抗体27や(発熱抵抗体27に通電する)リード部29が設けられている。
前記絶縁被覆層15は、絶縁層31、33から構成される。このうち、絶縁層31はSiO2膜からなり、絶縁層33はSi34からなる。なお、前記絶縁被覆層15は、シリコン基板11の開口部17に対応する部分が除去されている。
また、図3に示す様に、リード部29のそれぞれの端末の位置には、絶縁層24及び保護層25を貫通するスルーホール35が形成されている。スルーホール35には、内部に露出したリード部29と電気的に接続し、保護層25の上面側へ電極を引き出す引出電極37が、それぞれ設けられている。この引出電極37の表面上に、発熱抵抗体27への通電のため外部回路(図示せず)との接続を担う一対の接続端子39が形成されている。
前記図2に戻り、基板3のダイアフラム部7の上面に形成されたガス検知部5は、検知電極43と、密着層45と、(内層膜である)ガス感応膜47と、(ガス感応膜47を覆う)外層膜49とを有する。
このうち、前記検知電極43は、基板3の上面に、櫛歯状のパターンに形成された一対の電極(図1参照)からなり、基板3の厚み方向において、発熱抵抗体27と重なる位置に配置されている。
前記密着層45は、ガス感応膜47と保護層25とを密着させるためのものであり、表面が凹凸構造を有するアルミナからなる層である。
前記ガス感応膜47は、金属酸化物半導体のSnO2を主成分とし、被検知ガス中の特定ガスによって自身の電気的特性(具体的には電気抵抗値)が変化する特性を有する。なお、ガス感応膜47は、被検出ガス中に含まれるCH3COOC25や、NH3、H2S、(CH33Nなどの臭気性のある特定ガスの有無や濃度に応じて、自身の電気抵抗値が変化する。
前記外層膜49は、TiO2からなり、後に詳述する様に、ガス感応膜47を覆って、ガス感応膜8を有機シリコン等の被毒から保護するための多孔質のコーティング層(保護膜)である。
また、前記図1に示す様に、基板3の表面には、前記一対の検知電極43に通電するために、一対のリード部51のパターンが形成されている。そして、各リード部51の端末の表面には、外部回路との接続を行う接続端子41が形成されている。この接続端子41は、前記接続端子39と同様に、ガスセンサ1の長手方向の一方(図1の下側)の縁部寄りの位置に配置されている。
なお、これらの接続端子39、41には、ワイヤボンディングによって、前記外部回路と電気的に接続される。
b)次に、本実施例の要部であるガス検知部5の構成について、更に詳細に説明する。
図1及び図2に示す様に、本実施例のガス検知部5は、基板3の表面に形成されたガス感応膜47と、ガス感応膜47の表面及びその周囲を覆うように配置された外層膜49とからなる2重構造の多層膜50を有している。つまり、ガス感応膜47と外層膜49とから膜が2重の多重領域が形成されており、ガス感応膜47の周囲(即ち多重領域の周囲)は外層膜49のみからなる単層構造である。
このうち、前記ガス感応膜47は、その平面形状は、正方形(例えば縦0.6mm×横0.6mm)であり、前記正方形のダイアフラム部7上にて、ダイアフラム部7内に納まるように形成されている。同様に、ガス感応膜47を覆う外層膜49も(従ってガス検知部5も)、その平面形状は、正方形(例えば縦0.8mm×横0.8mm)であり、ダイアフラム部7内に納まるように形成されている。
特に本実施例では、図4に図1のA−A断面を上下方向に拡大して示す様に、外層膜49の厚みは、左右方向において均一ではない。なお、A−A断面は、図1のガス検知部5のガス感応膜47と外層膜49とが重なり合う領域(多重領域)を含み、且つ、ガス検知部5の重心を含むように破断された断面にあたる。
詳しくは、ガス感応膜47上における外層膜49の厚み、即ちガス感応膜47と外層膜49との2重構造の領域(多重領域)における厚みは、ほぼ均一であるが、2重構造の部分と外層膜49の単層構造の部分との間の境界部分(左右両側の境界部分)の近傍では、外層膜49の厚み(即ちガス感応膜47の表面の接線に垂直な方向の厚み)が大きく変化している。
特に外層膜49の外側表面においては、前記両境界部分の近傍では変曲点(b1、b2)を有する様に大きく変化(カーブ)している。なお、外層膜49の外側表面における変曲点(b1、b2)は、詳細には、上記の断面(A−A断面)でみたときの基板3の表面に沿った左右両側において、外層膜49の外縁から当該外層膜49の外側表面に沿って二次導関数値を求めたときに当該二次導関数値が負から正の値に転ずる点に該当する。
本発明者らの研究によれば、この変曲点において応力集中が大きくなるので、変曲点の近傍で、外層膜49の剥離が生じ易いことが分かっている。
そこで、本実施例では、この様な剥離を防止するために、後の実験例による実験結果等に基づいて、0.00<B/A≦0.70と規定している。つまり、この範囲内であれば、外層膜49の剥離49が少ないことが分かっているので、B/Aを前記範囲に設定している。
ここで、Aとは、(a1+a2+a3)/3であり、Bとは、b1、b2のうちの高い方を示している。なお、a1〜a3は、ガス感応膜47の底辺の左右方向の長さの4等分点において、基板3の表面からの外層膜49の外側表面までの各高さ(長さ)であり、b1、b2は、変曲点における基板3の表面からの外層膜49の外側表面までの各高さ(長さ)である。
c)次に、本実施例のガスセンサの製造方法について説明する。
<基板の作製工程>
(1)シリコン基板11の洗浄
まず、厚み400μmのシリコン基板11を洗浄液中に浸し、洗浄処理を行った。
(2)絶縁層21、31の形成
前記シリコン基板11を熱処理炉に入れ、熱酸化処理にて、シリコン基板11の両面に、厚さ100nmのSiO2膜からなる絶縁層21、31を形成した。
(3)絶縁層22、33の形成
次に、LP−CVDにて、SiH2Cl2、NH3をソースガスとして、絶縁層21、31の各表面に、厚さが200nmのSi34膜からなる絶縁層22、33を形成した。
(4)絶縁層23の形成
次に、プラズマCVDにて、TEOS、O2をソースガスとし、絶縁層22の表面に、厚さ100nmのSiO2膜からなる絶縁層23を形成した。
(5)発熱抵抗体27及びリード部29の形成
次に、DCスパッタ装置を用い、絶縁層23の表面に、厚さ20nmのTa層を形成し、その層上に、厚さ220nmのPt層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィにより、レジストのパターニングを行い、ウエットエッチング処理で、発熱抵抗体27及びリード部29を形成した。
(6)絶縁層24の形成
次に、前記(4)と同様にして、プラズマCVDにて、TEOS、O2をソースガスとし、絶縁層23、発熱抵抗体27及びリード29の表面に、厚さ100nmのSiO2膜からなる絶縁層24を形成した。このようにして、厚さ200nmのSiO2膜からなる絶縁層23、24内に、発熱抵抗体27及びリード部29を埋設した。
(7)保護層25の形成
次に、前記(3)と同様にして、LP−CVDにて、SiH2Cl2、NH3をソースガスとして、絶縁層24の表面に、厚さが200nmのSi34膜からなる保護層25を形成した。
(8)接続端子39の開口の形成
次に、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ドライエッチング法で保護層25及び絶縁層24のエッチングを行い、接続端子39を形成する予定の部分に、スルーホール35を開け、リード部29の末端の一部(ヒータコンタクト部)を露出させた。
(9)検知電極43、リード部51、引出電極37の形成
次に、DCスパッタ装置を用い、保護層25の表面に、厚さ20nmのTa層を形成し、さらにその表面上に、厚さ40nmのPt層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ウエットエッチング処理にて、櫛歯状の平面形状を有する検知電極43及びリード部51のパターンを形成した。また、前記(8)で形成したスルーホール35内及び周辺にもTa層及びPt層を形成し、リード部29の末端の保護層25の上面側に引き出す引出電極37のパターンを形成した。
(10)接続端子39、41の形成
次に、DCスパッタ装置を用いて、前記電極部分が作製された基板の電極側の表面に、厚さ400nmのAu層を形成した。スパッタ後、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、ウエットエッチング処理で、(ボンディングパッドである)接続端子39、41を形成した。
これにより、接続端子39はリード部29の末端と電気的に接続され、接続端子41は、引出電極37を介してリード部51の末端と電気的に接続された。
(11)開口部17の形成
次に、フォトリソグラフィによりレジストのパターニングを行い、マスクとなる絶縁膜(図示せず)をドライエッチング処理により形成した。そして、TMAH溶液中にシリコン基板11を浸し、シリコン基板11の異方性エッチングを行って下面側に開口部21を形成した。これにより、ダイアフラム部5の下面側の凹部を形成した。
(12)密着層45の形成
櫛歯状の検知電極43間及びその周囲の保護層25上に、スパッタや酸化処理等によって、Al23からなる密着層7を形成した。
これにより、基板3が完成した。
<ガス検知部の作製工程>
(1)塩化第2スズ水溶液の調整
塩化第2スズに純水を加え、塩化第2スズ水溶液を所定量のpHに調節した。
(2)アンモニア水の調整
アンモニア水に純水を加え、アンモニア水を所定量のpHに調整した。
(3)中和
前記塩化第2スズ水溶液に、前記アンモニア水を攪拌しながら滴下し、水酸化スズを析出させた。
(4)濾過・洗浄
前記水酸化スズから、純水及び塩化アンモニウムイオンを除去するため、濾過を行った。
(5)乾燥
前記濾過後の水酸化スズを、150℃で乾燥後、焼成を行った。
(6)担持
ガス選択性を得るため、前記焼成後の水酸化スズに、Ir、Pt、リン酸を所定量加えた後、600℃で担持焼成を行った。
(7)粉砕
前記担持後の酸化スズ粉末を、粉砕器で所定の粒度になるまで粉砕した。
(8)ペーストの調製
前記粉末に溶剤とバインダとを加え、混連して、ガス感応膜ペーストを作製した。
(9)ガス感応膜47の形成
そして、上述した<基板の作製工程>にて作製した基板3のダイアフラム部7の表面に、メタルマスクを用いて、前記ガス感応膜ペーストを塗布し、乾燥後、560℃で焼成し、ガス感応膜47を作製した。
(10)外層膜49の形成
次に、前記ガス感応膜47の表面及びその周囲に、メタルマスクを用いて、TiO2ペーストを塗布し、乾燥後、500℃で熱処理し、ガス感応膜47を覆う外層膜49を作製した。なお、TiO2ペーストは、TiO2粉末に、溶剤とバインダとを加えて作製したものである。
これにより、基板3上にガス検知部5を形成した。
なお、本実施例では、上述した様に、ガス検知部5における各高さの比を、「0.00<B/A≦0.70」と規定しているが、この範囲に調節するためには、TiO2を形成する際に用いるメタルマスクの厚みを変更するか、若しくは、TiO2ペースト中のTiO2の配合量を変更すればよい。
つまり、メタルマスクの厚みを厚くすれば、B/Aが小さくなり、逆に、メタルマスクの厚みを薄くすれば、B/Aが大きくなるので、メタルマスクの厚みを調節すれば、B/Aの値を調節することが可能である。またTiO2ペースト中のTiO2の配合量を変更すればペーストの流動性が変わり、結果B/Aを変更することができる。TiO2の配合量を多くすればB/Aは大きくなり、TiO2の配合量を少なくすればB/Aは小さくなる。
d)効果
上述した様に、本実施例では、平均値Aと変曲点(b1、b2)の高さBとの比B/Aを、0.00<B/A≦0.70の範囲に設定しているので、ダイアフラム構造のガスセンサ1において、ワイヤボンディングの際の振動等によって、大きな応力が加わった場合でも、ガス感応膜47を覆う外層膜49の剥離が発生し難いという顕著な効果を奏する。
特に、外層膜49の厚みがガス感応膜47の厚みより薄い場合には、ワイヤボンディングの際の振動等によって、外層膜49等に剥離が発生し易いので、上述した様に、B/Aの範囲を設定することが好ましい。
[実験例1]
次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
上述した実施例の製造方法で、実験に供するガスセンサの試料を作製した。
詳しくは、下記表1に示す様に、B/Aの異なる試料を各100個作製した。そして、各試料の4個の接続端子に対して、超音波によってワイヤボンディングを行った。
そして、ワイヤボンディングによって外層膜に剥離が発生したか否かを調べ、その剥離した割合(剥離率)を求めた。その結果を、同じく下記表1に記す。
この表1から明らかな様に、B/Aが0.7以下の場合には、外層膜の剥離率が少ないことが分かる。それに対して、B/Aが0.75以上の場合には、剥離率が大きくなり好ましくないことが分かる。
[実験例2]
次に、前記実験例1において剥離率が増加した理由を、シミュレーションによって調べた実験例について説明する。
この実験は、解析ソフトとしてANSYS(ANSYS社製)を用いたものであり、前記実施例と同様なガスセンサを構成する各部材の材料やその寸法のデータを入力したモデルにおいて、ダイアフラム部の下側から上方向に10000Gの力を加えたものである。
そして、その際に、各B/Aにおける変曲点の応力を求め、その応力を応力比(B/A=0.05を基準1とした比)として求めた。
その結果を、下記表2及び図5に示す。
表2及び図5から明らかな様に、B/Aの増加に伴い応力比が増加する傾向にあり、応力比0.70と0.75の間において、密着性の限界点に達し、剥離の発生確率が増加するものと推定される。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば図6に示す様に、本発明は、ガス検知部61が、ガス感応膜63とガス感応膜63を覆う触媒(例えばAu、Pd、Pt)を含む触媒膜65とからなる内層膜67と、ガス感応膜63等を保護する外層膜69との3重構造を有するガスセンサ71にも適用できる。この場合でも、外層膜69の剥離を防止できる。なお、触媒膜65は多孔質状の連続した膜や触媒領域が海島状に分散した不連続な膜にて形成されればよい。
1、71…ガスセンサ
3…基板
5、61…ガス検知部
7…ダイアフラム部
47、63…ガス感応膜
49…外層膜
50、69…多層膜
65…触媒膜

Claims (3)

  1. 基板の一部が薄肉とされたダイアフラム部を有するダイアフラム構造を備えるとともに、前記ダイアフラム部上に、被検出ガス中の特定ガスの検知を行うガス検知部を備えたガスセンサにおいて、
    前記ダイアフラム部上のガス検知部は、
    前記特定ガスの検知を行うガス感応膜を含む1又は複数の膜からなる内層膜と、該内層膜の表面及び周囲を覆うTiO 2 からなる外層膜とから形成された多層膜を備え、
    前記ガス検知部を、前記内層膜と前記外層膜とが重なり合う多重領域を含み、且つ、当該ガス検知部の重心を含むように前記基板に垂直に破断した破断面において、
    前記外層膜は、前記基板表面に沿った左右両側において、前記外層膜の外縁から当該外層膜の外側表面に沿って二次導関数値を求めたときに当該二次導関数値が負から正の値に転ずる変曲点をそれぞれ有するとともに、
    前記多重領域における前記外層膜の外側表面の前記基板表面からの高さの平均値をAとし、前記変曲点のうち前記基板表面からの高さの高い方をBとした場合に、前記平均値Aと前記変曲点の高さBとの比B/Aが、0.00<B/A≦0.70の範囲であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 前記内層膜と前記外層膜とが重なっている多重領域において、前記外層膜が前記内層膜より薄いことを特徴とする請求項1に記載のガスセンサ。
  3. 前記ガス検知部が、前記ガス感応膜からなる前記内層膜と、前記ガス感応膜を保護する保護膜からなる前記外層膜との2重構造であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセンサ。
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