JP2002286673A - ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

ガスセンサ及びその製造方法

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JP2002286673A JP2001093953A JP2001093953A JP2002286673A JP 2002286673 A JP2002286673 A JP 2002286673A JP 2001093953 A JP2001093953 A JP 2001093953A JP 2001093953 A JP2001093953 A JP 2001093953A JP 2002286673 A JP2002286673 A JP 2002286673A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性を向上させることができるガスセンサ
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 基板1の表面に支持膜2を形成し、支持
膜2の上に蛇行状のヒータ電極3を形成する。ヒータ電
極3の周囲をヒータ用電気絶縁層4で覆って表面を平坦
化し、ヒータ用電気絶縁層4の上に検出電極6a、6b
を形成する。ヒータ用電気絶縁層4における検出電極6
a、6bの非形成領域に平坦化電気絶縁層9を形成し、
検出電極6a、6bの表面を表出させた状態で検出電極
6a、6bの表面を含めて平坦化電気絶縁層9の表面を
平坦化する。平坦化電気絶縁層9の上に検出電極6a、
6bの表面と当接させて感応膜5を平坦に形成する。基
板1のうちの感応膜5やヒータ電極3の下方に空洞部8
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検ガスを感応膜
の物性値変化で検出するガスセンサ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ガスセンサは特定ガス(水素や二酸化炭
素等)を感知するセンサであり、特定ガスにより物性値
が変化する感応膜を用いている。そして、物性値として
の抵抗、質量、誘電率等が変化することで特定ガスの検
出を行う。ガスセンサの備えるべき特徴としては、高い
感度、優れた選択性、速い応答速度、高い信頼性等を挙
げることができ、他には製造が容易なことや小型である
こと及び消費電力が小さいこと等も挙げられる。
【0003】一般に、ガスセンサの感度やガスの選択性
は感応膜の温度に大きく依存しているため、感応膜付近
にヒータ層を設けて特定温度(300℃〜500℃)ま
で加熱している。このヒータ層を設けたガスセンサとし
ては、例えば、特開平11−201929号公報に開示
されているものがある。図30は、このガスセンサの概
略断面図である。
【0004】図30に示すように、Si等の基板J1の
上に第1の電気絶縁層J2が形成されており、第1の電
気絶縁層J2上にヒータ層J3が形成されている。そし
て、ヒータ層J3上に第2の電気絶縁層J4が形成さ
れ、第2の電気絶縁層J4上には、ヒータ層J3と電気
的に接続されたヒータ層用電極層J5及び温度センサJ
6が形成されている。
【0005】更にその上に第3の電気絶縁層J7が形成
され、第3の電気絶縁層J7上に検出電極J8が形成さ
れ、検出電極J8の上に感応膜J9が形成されている。
従って、感応膜J9の下に検出電極J8が配置され、更
に第2及び第3の電気絶縁層J4、J7を介して温度セ
ンサJ6とヒータ層J3が配置されている。
【0006】このガスセンサでは、ヒータ層J3上に温
度センサJ6を設けてフィードバック制御することで感
応膜J9の温度を均一にしている。そして、所定の温度
における感応膜J9の物性値変化を検出電極J8により
検出して、雰囲気のガス種やガス濃度を測定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この様な構
成のガスセンサでは、少ない電力で感応膜J9の温度を
高くするために感応膜J9のできる限り近くにヒータ層
J3を配置しようとして、第2及び第3の電気絶縁層J
4、J7を薄くしている。そのため、ヒータ層J3や温
度センサJ6のパターンによる凹凸が第2及び第3の電
気絶縁層J4、J7上にも凹凸として現われてしまう。
その結果、凹凸が形成された面に感応膜J9を形成する
ことになる。
【0008】そこで、特開平11−201929号公報
に記載の技術では、バイアススパッタを用いて第3の電
気絶縁層J7を平らに形成する手法を用いているが、検
出電極J8の凸凹だけは感応膜J9を形成する面に残っ
てしまう。
【0009】この様なガスセンサでは感応膜J9を薄膜
で形成するため、感応膜J9を凸凹が形成されている面
に形成すると感応膜J9が破断するという問題がある。
また、感応膜J9がすぐには破断しなくても、この様に
凹凸が形成されている面に感応膜J9が形成されたガス
センサを長期に渡って使用すると、感応膜J9の下に配
置されたヒータ層J3の熱膨張によって感応膜J9の表
面に亀裂が入る恐れがあり長期信頼性に欠けるという問
題がある。
【0010】また、感応膜J9の下に検出電極J8やヒ
ータ層J3を設けると、検出電極J8やヒータ層J3の
間に電気絶縁層を設けなければならない等、多数の層を
形成するために工程数が多くなるという問題もある。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑み、信頼性を向
上させることができるガスセンサ及びその製造方法を提
供することを目的とする。また、製造工程数を低減する
ことができるガスセンサの製造方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、被検ガスを検出するガ
スセンサであって、基板(1)と、基板の上方に形成さ
れたヒータ層(3)と、ヒータ層及び基板の上に形成さ
れたヒータ用電気絶縁層(4)と、ヒータ用電気絶縁層
の上に形成された検出電極(6a、6b)と、ヒータ用
電気絶縁層の上にて、検出電極の表面を表出した状態で
検出電極の非形成領域に形成され、その表面が検出電極
の表面を含めて平坦化された平坦化電気絶縁層(9)
と、平坦化電気絶縁層の上に検出電極の表面と当接して
平坦に形成され、被検ガスに反応して物性値が変化する
感応膜(5)とを有することを特徴としている。
【0013】本発明では、感応膜の物性値変化を検出す
る検出電極を感応膜の下に設けて、検出電極の周囲に平
坦化電気絶縁層を充填した形となるため、検出電極によ
る凹凸を低減し、平坦化された面上に感応膜を形成する
ことができる。従って、感応膜の破断を抑制することが
でき、信頼性を向上させることができるガスセンサを提
供することができる。
【0014】また、請求項2に記載の発明では、被検ガ
スを検出するガスセンサであって、基板(1)と、基板
の上方に形成されたヒータ層(3)と、ヒータ層と同一
面上に形成され、ヒータ層と電気的に絶縁された検出電
極(6a、6b)と、ヒータ層の上に形成され、ヒータ
層を覆いつつ、検出電極の表面を表出した状態で表面が
検出電極の表面を含めて平坦化された平坦化電気絶縁層
(9)と、平坦化電気絶縁層の上に検出電極の表面と当
接して平坦に形成され、被検ガスに反応して物性値が変
化する感応膜(5)とを有することを特徴としている。
【0015】本発明では、感応膜を平坦化電気絶縁層上
に形成しているため、請求項1の発明と同様に感応膜の
破断を抑制することができ、信頼性を向上させることが
できるガスセンサを提供することができる。
【0016】また、請求項3に記載の発明では、被検ガ
スを検出するガスセンサであって、基板(1)と、基板
の上方に形成された電気絶縁層(31)と、電気絶縁層
の上に平坦に形成され、被検ガスに反応して物性値が変
化する感応膜(5)と、基板と電気絶縁層との間のう
ち、感応膜の直下を避けて感応膜の周囲を囲む部位に挿
入されたヒータ層(3)と、感応膜の上に形成され、感
応膜の物性値変化を検出する検出電極(6a、6b)と
を有することを特徴としている。
【0017】本発明では、感応膜の上に検出電極が形成
されており、感応膜の直下を避けてヒータ層が形成され
ているため、凹凸が形成されていない平坦な面に感応膜
を形成することができる。従って、感応膜の破断を抑制
することができ、信頼性を向上させることができるガス
センサを提供することができる。
【0018】この場合、請求項4に記載の発明のよう
に、電気絶縁層のうちの感応膜と当接している表面を、
該表面の凹凸の最大段差が感応膜の膜厚よりも小さくな
るように平坦化すると好適に感応膜の破断を抑制するこ
とができる。
【0019】また、請求項5に記載の発明では、請求項
3又は4の発明において、ヒータ層は枠形状をなし、こ
のヒータ層の内側にはヒータ層と同一面上においてヒー
タ層の温度の伝搬を容易にするための温度制御膜(4
1)が平坦化膜として形成されており、感応膜の上方か
ら見た際に、温度制御膜の外周がヒータ層の内周と感応
膜の外周との間に配置されていることを特徴としてい
る。
【0020】この様に、温度制御膜を設けることによ
り、感応膜の温度の均一性を高めることができる。ま
た、温度制御膜が感応膜よりも大きいため感応膜は平坦
な面に形成することができ、感応膜の破断を抑制するこ
とができる。
【0021】また、請求項6に記載の発明では、請求項
3〜5の発明において、ヒータ層のコーナー部を面取り
或は丸めたことを特徴としている。
【0022】一般に、ヒータ層の発熱による基板上の面
方向の等温線は角を持たずに角が丸まった形状になるの
が通常である。そのため、本発明のようにヒータ層のコ
ーナー部を面取りしたり丸めたりすれば、この等温線の
形状にヒータ層の形状を合わせることができ温度制御し
易くなる。
【0023】また、請求項7に記載の発明では、請求項
3〜6の発明において、感応膜がリング形状になってい
ることを特徴としている。
【0024】一般に、感応膜にはヒータ層との距離によ
って温度分布が形成される。そのため、感応膜をリング
形状にすることでヒータ層から離れた感応膜をなくすこ
とができ、感応膜の温度分布の偏りを小さくすることが
できる。
【0025】また、請求項8に記載の発明では、請求項
3〜7の発明において、感応膜のコーナー部を面取りあ
るいは丸めたことを特徴としている。
【0026】上述した様に、ヒータ層の発熱による基板
上の面方向の等温線は角が丸まった形状になるのが通常
であるため、本発明のように、感応膜のコーナー部を面
取りしたり丸めたりすれば、この等温線の形状に感応膜
の形状を合わせることができ温度制御し易くなる。
【0027】また、請求項9に記載の発明では、請求項
3〜8の発明において、基板の上に支持膜(2)が形成
されており、該支持膜の上にヒータ層が形成されてお
り、基板のうちのヒータ層と感応膜の下方に空洞部
(8)が形成され、該空洞部は支持膜により橋絡されて
おり、支持膜は40MPa以上150MPa以下の引っ
張り応力を持つものであることを特徴としている。
【0028】本発明では、ヒータ層と感応膜の下方に空
洞部を形成することにより、基板への放熱を抑制するこ
とができるため、感応膜を容易に高温にすることができ
ると共に消費電力を低減することができる。また空洞部
を形成した場合、支持膜に圧縮応力が加わると支持膜が
破壊されるが、支持膜に軽い引っ張り応力が加わってい
るため支持膜の破壊を抑制することができる。
【0029】また、請求項10に記載の発明では、請求
項9の発明において、基板表面における空洞部の外周と
感応膜の外周との間にヒータ層が配置されていることを
特徴としている。
【0030】これにより、ヒータ層を感応膜の直下には
配置せずに感応膜を周囲から温めることができる。ま
た、ヒータ層を空洞部の上に形成することができるた
め、ヒータ層から発生した熱が基板に逃げることを抑制
することができる。
【0031】また、請求項11に記載の発明では、請求
項10の発明において、感応膜の上方から見た場合、基
板表面における空洞部の外周、ヒータ層の外周及び感応
膜の外周が、互いに相似形状になっていることを特徴と
している。
【0032】一般に、感応膜における等温線は、空洞
部、ヒータ層及び感応膜の形状に依存する。従って、本
発明のように、空洞部、ヒータ層及び感応膜の外周を相
似形状にすることにより、空洞部の上の支持膜や感応膜
における等温線を同心形状にすることができるため、感
応膜の温度制御を容易に行うことができる。
【0033】また、請求項12に記載の発明のように、
請求項1又は2の発明において、平坦化電気絶縁層から
表出した検出電極の表面及び平坦化電気絶縁層のうち感
応膜と当接している表面の両表面において、該両表面の
凹凸の最大段差を感応膜の膜厚よりも小さくすると好適
に感応膜の破断を抑制することができる。
【0034】また、請求項13の発明では、請求項1、
2、12の発明において、基板の上に支持膜(2)が形
成されており、該支持膜の上にヒータ層が形成されてお
り、基板のうちのヒータ層と感応膜の下方に空洞部
(8)が形成され、該空洞部が支持膜により橋絡されて
おり、支持膜が40MPa以上150MPa以下の引っ
張り応力を持つことを特徴としている。
【0035】これにより、請求項9の発明と同様の効果
を発揮することができる。
【0036】また、請求項14の発明では、請求項9〜
11、13の発明において、支持膜と該支持膜の上に形
成されている全ての部材の応力の合計が、40MPa以
上150MPa以下の引っ張り応力となっていることを
特徴としている。
【0037】一般に、空洞部の上に形成されている支持
膜に圧縮応力が加わると支持膜が破壊されるが、空洞部
の上のヒータ層等まで含んだ膜の合力を引っ張り応力に
することにより支持膜の破壊を抑制することができる。
【0038】また、請求項15に記載の発明では、請求
項9〜11、13、14の発明において、支持膜におけ
る空洞部側に突出部(51)が形成されていることを特
徴としている。
【0039】これにより、支持膜における温度の上がり
易い部位において例えば基板を残す等して突出部を設け
ることで放熱性を向上させ、感応膜の温度制御を更に容
易に行うことができる。
【0040】また、請求項16に記載の発明では、室温
にて被検ガスを検出可能なガスセンサであって、電気絶
縁性の基板(1)と、基板の上に形成され、被検ガスに
反応して物性値が変化する感応膜(5)と、感応膜の上
に形成され感応膜の物性値変化を検出する検出電極(6
a、6b)とを有することを特徴としている。
【0041】この様に室温にて被検ガスを検出するガス
センサの場合、ヒータ層が不要であるので、電気絶縁性
の基板を用い、更に室温で被検ガスが感応する感応膜を
用いることにより、基板上の凹凸の無い面に感応膜を形
成することができる。従って、請求項1の発明と同様に
感応膜の破断を抑制することができ、信頼性を向上させ
ることができるガスセンサを提供することができる。
【0042】また、請求項17に記載の発明の様に、請
求項1〜16の発明において、感応膜の上に特定ガスの
み透過するフィルター(12)を設けると、特定ガスの
選択性を向上させることができる。
【0043】また、請求項18に記載の発明では、請求
項1〜17の発明において、感応膜の厚さが3nm以上
12nm以下であることを特徴としている。
【0044】この様に、感応膜を薄くすることにより、
被検ガスの感応膜における膜内拡散を抑制して応答速度
を向上させることができる。
【0045】また、請求項19〜25の発明は、被検ガ
スに反応して物性値が変化する感応膜に信号検出用の検
出電極を接続してなるガスセンサの製造方法に関するも
のである。
【0046】まず、請求項19に記載の発明では、基板
(1)の上にヒータ層(3)を形成するヒータ層形成工
程と、ヒータ層及び基板の上に第1の電気絶縁層(4)
を形成する第1の電気絶縁層形成工程と、第1の電気絶
縁層の上に検出電極(6a、6b)を形成する検出電極
形成工程と、検出電極を覆うように第1の電気絶縁層の
上に第2の電気絶縁層(9a)を形成する第2の電気絶
縁層形成工程と、第2の電気絶縁層を検出電極の表面が
表出するまで薄肉化して平坦化する平坦化工程と、表出
した検出電極を覆うように、平坦化した第2の電気絶縁
層の上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜
(5)を形成し、検出電極と感応膜とを電気的に接続す
る感応膜形成工程とを備えることを特徴としている。
【0047】これにより、請求項1の発明のガスセンサ
を適切に製造することができる。
【0048】また、請求項20に記載の発明では、基板
(1)の上の同一面上に、ヒータ層(3)と検出電極
(6a、6b)とを高さを変えて同時に形成するヒータ
層検出電極形成工程と、ヒータ層及び検出電極を覆うよ
うに基板の上に電気絶縁層)9b)を形成する電気絶縁
層形成工程と、電気絶縁層を検出電極の表面が表出する
まで薄肉化して平坦化する平坦化工程と、表出した検出
電極を覆うように、電気絶縁層の上に被検ガスに反応し
て物性値が変化する感応膜(5)を形成し、検出電極と
感応膜とを電気的に接続する感応膜形成工程とを備える
ことを特徴としている。
【0049】これにより、請求項2の発明のガスセンサ
を適切に製造することができる。また、ヒータ層と検出
電極を同一面上に同時に形成しているため、製造工程数
を低減することができるガスセンサの製造方法を提供す
ることができる。
【0050】この場合、具体的には、請求項21に記載
の発明のように、ヒータ層検出電極形成工程では、基板
の上に最終的にヒータ層及び検出電極となる金属薄膜
(21)を形成し、該金属薄膜の上にフォトレジスト
(22)を形成し、フォトレジストのうちヒータ層に対
応する部位では、露光装置の解像度以下の微細なパター
ン(23b)を有するフォトマスク(23)を用いてフ
ォトレジストを現像することにより、フォトレジストに
おいてヒータ層に対応する部位(22b)の厚さが、検
出電極に対応する部位(22a)の厚さよりも薄くなっ
ているパターンを形成し、この厚さの異なるパターンに
形成されたフォトレジストを用いて金属薄膜をエッチン
グすることにより、ヒータ層の厚さを検出電極の厚さよ
りも小さくすることができる。
【0051】また、請求項22に記載の発明では、基板
(1)の上にヒータ層(3)を形成するヒータ層形成工
程と、ヒータ層の上に電気絶縁層(31)を形成する電
気絶縁層形成工程と、電気絶縁層の上にヒータ層の直上
を避けて被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜
(5)を形成する感応膜形成工程と、感応膜の上に該感
応膜の物性値変化を検出する検出電極(6a、6b)を
形成する検出電極形成工程とを備えることを特徴として
いる。
【0052】これにより、請求項3のガスセンサを適切
に製造することができる。
【0053】また、請求項23に記載の発明の様に、請
求項19〜22の発明において、基板とヒータ層との間
に支持膜(2)を形成する工程と、基板における感応膜
形成面とは反対側の面に、感応膜の下方に相当する部位
に開口部(11a)を有するマスク(11)を形成する
マスク形成工程と、基板をマスクを介してエッチングす
ることにより、開口部に対応した領域に空洞部(8)を
形成する空洞部形成工程とを備えることを特徴としてい
る。
【0054】これにより、請求項9及び13のガスセン
サを適切に接続することができる。
【0055】この場合、請求項24に記載の発明では、
マスク形成工程において、開口部のうち所望の部位(1
1b)がマスクされた形状のマスクを形成し、空洞部形
成工程において、基板をマスクを介してエッチングする
ことにより空洞部を形成すると共に空洞部の底面の一部
を残すことを特徴としている。
【0056】これにより、空洞部の底面で残った部位が
突出部となるため、請求項15のガスセンサを適切に製
造することができる。
【0057】また、請求項25に記載の発明では、請求
項23又は24の発明において、ヒータ層のパッド部
(7c、7d)と検出電極のパッド部(7a、7b)を
形成するパッド部形成工程と、パッド部形成工程の後
に、感応膜及びパッド部の上に特定ガスのみ透過するフ
ィルター(12)を形成するフィルター形成工程と、空
洞部形成工程の後に、パッド部の上のフィルターを除去
する工程とを備えることを特徴としている。
【0058】これにより、請求項17のガスセンサを適
切に製造することができる。
【0059】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0060】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、図に示す
実施形態について説明する。図1は本実施形態のガスセ
ンサの上面図であり、図2は、図1におけるA−A断面
の概略図である。
【0061】図2に示すように、基板1の上に支持膜2
が形成されている。この基板1としては、例えばSi等
からなる半導体基板を用いている。また、支持膜2はシ
リコン酸化膜とシリコン窒化膜を層状に積層してなる。
【0062】また、支持膜2の上にはヒータ層としての
ヒータ電極3が形成されている。ヒータ電極3は後述の
感応膜5を例えば500℃程度に温めるためのものであ
り、発熱し易くするためにできるだけ幅を細くして長さ
を長くしている。また、感応膜5を均一に温めるために
感応膜5の直下全体に相当する領域にヒータ電極3を配
置している。
【0063】具体的には、感応膜5の直下となる領域に
蛇行状にヒータ電極3を配置している。また、ヒータ電
極3の両端は基板1の周辺部まで伸ばされている。ここ
で、ヒータ電極3は、PtやAu等の貴金属物質、又は
RuO2やポリシリコン等で構成することができる。
【0064】また、ヒータ電極3及び支持膜2の上には
ヒータ用電気絶縁層4が形成されている。このヒータ用
電気絶縁層4はシリコン酸化膜とシリコン窒化膜を組み
合わせた膜である。理想的には、ヒータ電極3に対して
対称になるように支持膜2とヒータ用電気絶縁層4とを
構成するとよい。これは、次のような理由による。な
お、対称とは、例えば支持膜2をシリコン窒化膜の上に
シリコン酸化膜を積層することで構成した場合は、ヒー
タ用電気絶縁層4をシリコン酸化膜の上にシリコン窒化
膜を積層することで構成することを示す。
【0065】支持膜2やヒータ用電気絶縁層4は、後述
のように基板1に形成された空洞部8上に配置されて架
空状態となっているため、ヒータ電極3によって支持膜
2やヒータ用電気絶縁層4が温められることにより、シ
リコン酸化膜とシリコン窒化膜の熱膨張の程度の差から
支持膜2やヒータ用電気絶縁層4が撓むことがある。し
かし、支持膜2とヒータ用電気絶縁層4を対称に形成す
ればこの撓みを抑制することができる。
【0066】また、ヒータ用電気絶縁層4の上面は平坦
になっている。平坦にするためには、ヒータ用電気絶縁
層4をCMP(Chemical Mechanical Polishing)等に
より研磨したり、ヒータ用電気絶縁層4を形成する時に
平らになるように雰囲気の圧力や温度、ガスの組成比等
の条件を設定したりするとよい。また、スピンオンガラ
ス等を用いて平坦になるようにしてもよい。
【0067】ヒータ用電気絶縁層4の上には、後述の感
応膜5の物性値変化を検出する検出電極6a、6bが形
成されている。本実施形態では、感応膜5の物性値変化
として抵抗値変化を測定する。この検出電極6a、6b
は一対設けられており、各々の検出電極6a、6bは櫛
歯状に形成され、ガスセンサの上方から見た場合に蛇行
状に配置されたヒータ電極3の間に検出電極6a、6b
の櫛歯部分が配置された状態となっている。そして、各
々の検出電極6a、6bの端部は基板1の周辺部に向け
て延設されて、各々の検出電極6a、6bの端部におい
て検出電極用パッド部7a、7bが形成されている。
【0068】この検出電極6a、6bとしては、Ptや
Au等の貴金属、WやTi等の金属或はAl(アルミニ
ウム)等からなるものを用いることができる。また、こ
れらの合金でも良い。また、検出電極用パッド部7a、
7bとしては例えばAlやAu等を用いることができ、
後述のように検出電極用パッド部7a、7bに形成され
るボンディングワイヤと密着強度のある材料を使用す
る。
【0069】また、ヒータ用電気絶縁層4の上におい
て、検出電極6a、6bの表面を表出した状態で検出電
極6a、6bの非形成領域に平坦化電気絶縁層9が形成
されている。また、この平坦化電気絶縁層9の表面はヒ
ータ用電気絶縁層4から表出した検出電極6a、6bの
表面を含めて平坦化されている。
【0070】つまり、検出電極6a、6bの表面と平坦
化電気絶縁層9の表面とが同一面上にあるように、検出
電極6a、6bの周囲に平坦化電気絶縁層9が充填され
ている。この平坦化電気絶縁層9は、例えばシリコン酸
化膜とシリコン窒化膜等を組み合わせた膜を用いること
ができる。
【0071】また、平坦化電気絶縁層9の上に検出電極
6a、6bの表面と当接して感応膜5が平坦に形成され
ている。この感応膜5は、被検ガスに反応して抵抗値が
変化するものである。具体的には、感応膜5としては、
SnO2、TiO2、ZnO及びIn23等の酸化物半導
体からなるものを用いることができる。また、感応膜5
は数nm程度の厚さで成膜するとよい。具体的には、感
応膜5の厚さを3nm以上12nm以下にすると好まし
い。
【0072】この様に感応膜5の厚さを薄くすることに
より、被検ガスが感応膜5の内部に拡散すること(膜内
拡散)を抑制して、被検ガスが感応膜5に拡散する時間
を低減して応答速度を向上させることができる。この場
合、感応膜5の厚さを、被検ガスが感応膜5に吸着する
ことによって生ずる空乏層の厚さと同程度に設定する
と、高応答となるのと同時に大きな感度を得ることがで
きる。また、ガスの種類によっては感応膜5に不純物を
添加してガスの感度をあげても良い。
【0073】また、ヒータ電極3における基板1の周辺
部まで伸ばされた両端の上方では、ヒータ用電気絶縁層
4と平坦化電気絶縁層9に開口部が形成されて電極取り
出し口4aが形成されている。また、電極取り出し口4
aにおける平坦化電気絶縁層9の表面には、ヒータ用パ
ッド部7c、7dが形成され、ヒータ電極3と電気的に
接続されている。このヒータ用パッド部7c、7dとし
ては、検出電極用パッド部7a、7bと同じ材質のもの
を用いることができる。
【0074】また、基板1のうちヒータ電極3、検出電
極6a、6b、及び感応膜5の下方には空洞部8が形成
されている。この空洞部8は基板1の裏面側において開
口しており、基板1の表面側において支持膜2により橋
絡されている。
【0075】この様な空洞部8に橋絡した支持膜2に圧
縮応力が加わると支持膜2が破壊されるため、この支持
膜2には全体に軽い引っ張り応力を持たせてある。詳細
にはシリコン酸化膜は圧縮応力を持っており、シリコン
窒化膜は引っ張り応力を持っているので、これらの膜厚
を調整して支持膜2全体に軽い引っ張り応力を持たせる
ようにしている。
【0076】具体的な引っ張り応力は200℃程度加熱
した時に30MPaの引張応力を有する支持膜2が破壊
することがわかっているため、支持膜2に40MPa以
上150MPa以下の引っ張り応力を持たせると最適で
ある。
【0077】また、望ましくは、支持膜2とこの支持膜
2の上に形成されている全ての部材(ヒータ電極3、ヒ
ータ用電気絶縁層4、検出電極6a、6b、平坦化電気
絶縁層9、感応膜5)の応力の合計が、40MPa以上
150MPa以下の引っ張り応力となっていると更に確
実に支持膜2の破壊を抑制することができる。
【0078】また、図示しないが、検出電極用パッド部
7a、7b及びヒータ用パッド部7c、7dに対して、
例えばボンディングワイヤを電気的に接続することによ
り、検出電極6a、6b及びヒータ電極3と外部との電
気的な授受を行うようにしている。この様にして、本実
施形態のガスセンサが構成されている。
【0079】この様なガスセンサでは、ヒータ電極3を
作動させて発熱させることで感応膜5を300℃〜50
0℃程度の種々の温度にし、その各々の温度における感
応膜5の抵抗値変化を検出電極6a、6bにより検出す
る。また、各々の温度における感応膜5の抵抗値変化は
被検ガスの種類と濃度に依存し、更に、被検ガスの種類
によって感応膜5の抵抗値変化の温度依存性が異なる。
そのため、種々の温度における感応膜5の抵抗値変化を
検出することにより、被検ガスの種類と濃度を検出する
ことができる。
【0080】次に、上記したガスセンサの製造方法につ
いて説明する。図3は、図2に対応する断面において製
造方法を示す工程図であり、図4は図3に続く工程図で
ある。
【0081】[図3(a)の工程] まず、基板1を用
意し、基板1の上に熱酸化法やプラズマCVD法又はL
P−CVD法により支持膜2を形成する。そして、支持
膜2の上にヒータ電極3を形成する(ヒータ層形成工
程)。具体的には、支持膜2の上にヒータ電極3を形成
する膜としてのPt膜を、真空蒸着機を用いて200℃
で250nm堆積させる。
【0082】この時、支持膜2とヒータ電極3との密着
性を向上させるための密着層としてのTi層(図示せ
ず)を、Pt膜と支持膜2との問に5nm程度堆積させ
ている。そして、エッチングによりパターニングするこ
とでヒータ電極3が形成される。
【0083】次に、ヒータ電極3の表面をすべて覆うよ
うにして、ヒータ電極3及び支持膜2の上に第1の電気
絶縁層としてのヒータ用電気絶縁層4をLP−CVD法
やプラズマCVD法により形成する(第1の電気絶縁層
形成工程)。この際、ヒータ用電気絶縁層4の表面は凸
凹が有れば研磨してもよい。
【0084】[図3(b)の工程] 次に、ヒータ用電
気絶縁層4の上に検出電極6a、6bを形成する(検出
電極形成工程)。具体的には、まず、ヒータ用電気絶縁
層4の上に、検出電極6a、6bとなる金属を真空蒸着
機により堆積して金属薄膜を形成する。
【0085】この時、ヒータ用電気絶縁層4と検出電極
6a、6bとの密着性を向上させるための密着層(図示
せず)としてTi、Cr及びNi等を形成することによ
り、検出電極6a、6bの剥がれを防止することができ
る。そして金属薄膜をパターニングして、櫛歯状の検出
電極6a、6bを形成する。
【0086】その後、検出電極6a、6bを覆うように
ヒータ用電気絶縁層4の上に第2の電気絶縁層9aを形
成する(第2の電気絶縁層形成工程)。
【0087】[図3(c)の工程] 次に、検出電極6
a、6bの表面が表出するまで第2の電気絶縁層9aを
薄肉化して平坦化する(平坦化工程)。具体的には、C
MP等により第2の電気絶縁層9aの表面を削る。そし
て、検出電極6a、6bの表面が第2の電気絶縁層9a
から表出した時点で研磨を止める。その後、検出電極6
a、6b上を洗浄してさらに平らになるようにしてもよ
い。これにより、第2の電気絶縁層9aが平坦化電気絶
縁層9となる。
【0088】この時、検出電極6a、6bが直接感応膜
5に当接しなければ感応膜5の抵抗値変化を検出するこ
とができないため、確実に検出電極6a、6bの表面を
表出させる必要がある。
【0089】[図4(a)の工程] 次に、表出した検
出電極6a、6bを覆うように、平坦化した第2の電気
絶縁層(平坦化電気絶縁層)9の上に感応膜5を形成
し、検出電極6a、6bと感応膜5とを電気的に接続す
る(感応膜形成工程)。
【0090】具体的には、まず、感応膜5となる薄膜を
スパッタや焼結等の方法を用いて成膜する。ここで、ア
ニールを行うことにより薄膜のアモルファス層を結晶化
させてもよい。また、数nm程度の薄膜を形成する場合
にはALE(原子層成長法)やイオンビームスパッタ等
により成膜してもよい。そして、エッチングにより感応
膜5の形状に薄膜をパターニングする。
【0091】その後、ヒータ用電気絶縁層4と平坦化電
気絶縁層9をエッチングすることにより電極取り出し口
4aを形成する。
【0092】[図4(b)の工程] 次に、ヒータ電極
3用のパッド部7a、7bと検出電極6a、6b用のパ
ッド部7c、7dを形成する(パッド部形成工程)。具
体的には、平坦化電気絶縁層9の上に例えばAuを真空
蒸着機により堆積した後に、エッチングにより各々のパ
ッド部7a〜dの形状にパターニングする。この時、検
出電極6a、6b及びヒータ電極3と各々のパッド部7
a〜dとの間にCrからなる密着層(図示せず)を形成
して、互いの密着性を向上させている。
【0093】なお、各々のパッド部7a〜dとしては、
Au以外にもAlやPt等を用いることができる。ま
た、密着層はヒータ電極3とオーミックコンタクトのあ
る材料であればよく、TiやNi等でも良い。
【0094】[図4(c)の工程] 基板1における感
応膜形成面とは反対側の面(裏面)に、感応膜5の下方
に相当する部位に開口部11aを有するマスク11を形
成する(マスク形成工程)。具体的には、基板1の裏面
一面にシリコン酸化膜若しくはシリコン窒化膜を形成し
た後、エッチング等により開口部11aを形成すること
でマスク11を形成する。
【0095】その後、マスク11を介して基板1をエッ
チングすることによりマスク11の開口部11aに対応
した領域に空洞部8を形成する(空洞部形成工程)。具
体的には、基板1の裏面からTMAH溶液もしくはKO
H溶液により基板1であるSiの異方性エッチングを行
う。
【0096】ここで、TMAH溶液によってエッチング
を行う際は、基板1の表面側に形成されている各々のパ
ッド部7a〜dや感応膜5等の表面がエッチングされな
いように保護膜を設けると良い。または、TMAH溶液
がこれらの表面に塗布されないように、TMAH溶液に
浸透される部位がエッチングされる面だけになるような
治具を用いると良い。この様にして、上記構成のガスセ
ンサが完成する。
【0097】ところで、本実施形態では、検出電極6
a、6bの周囲に平坦化電気絶縁層9を充填した形とな
るため、検出電極6a、6bによる凹凸を低減し、平坦
化された面上に感応膜5を形成することができる。その
ため、感応膜5の破断を抑制することができ、ガスセン
サの信頼性を向上させることができる。
【0098】この際、検出電極6a、6bの表面と平坦
化電気絶縁層9の表面は同一面上にあると望ましいが、
多少の段差があっても良く、平坦化電気絶縁層9から表
出した検出電極6a、6bの表面及び平坦化電気絶縁層
9のうち感応膜5と当接する表面の両表面において、こ
の両表面の凹凸の最大段差が感応膜5の膜厚よりも小さ
ければ感応膜5の破断を抑制することができる。つま
り、感応膜5と当接する面における凹凸の最大段差が感
応膜5の膜厚よりも小さくなっていれば良い。
【0099】また、検出電極6a、6bの表面を表出し
た状態で平坦化電気絶縁層9で平坦化する際に、検出電
極6a、6bを第2の電気絶縁層9aで覆った後、この
第2の電気絶縁層9aを研磨することで検出電極6a、
6bを表出させているため、適切に検出電極6a、6b
を表出させることができると共に感応膜5が当接する面
を平坦化することができる。
【0100】また、基板1に空洞部8を設けているた
め、基板1への放熱を抑制することができる。そのた
め、感応膜5を容易に高温にすることができると共に消
費電力を低減することができる。
【0101】(第2実施形態)本実施形態は第1実施形
態と比較して、検出電極6a、6bをヒータ電極3と同
一面上に形成している点が異なる。本実施形態のガスセ
ンサの上面図は図1と同じであるため省略し、図5に図
1のA−A断面に相当する部位における本実施形態のガ
スセンサの概略図を示す。以下、主として第1実施形態
と異なる部分について説明し、図5中図2と同一部分は
同一符号を付して説明を省略する。
【0102】図5に示すように、支持膜2の上にヒータ
電極3が形成されており、このヒータ電極3の同一面上
に検出電極6a、6bが形成されている。また、蛇行状
のヒータ電極3と櫛歯状の検出電極6a、6bは交互に
所定の間隔をもって配置されており、ヒータ電極3と検
出電極6a、6bは電気的に絶縁されている。また、検
出電極6a、6bの方がヒータ電極3よりも膜厚が厚く
なっている。
【0103】また、支持膜2及びヒータ電極3の上には
平坦化電気絶縁層9が形成されており、この平坦化電気
絶縁層9はヒータ電極3を覆いつつ、検出電極6a、6
bの表面を表出した状態で表面が検出電極6a、6bの
表面を含めて平坦化されている。
【0104】つまり、検出電極6a、6bの表面と平坦
化電気絶縁層9の表面とが略同一面上になるように検出
電極6a、6bの周囲が充填されて、検出電極6a、6
bの凹凸が平坦化電気絶縁層9により平坦化されてい
る。
【0105】また、検出電極6a、6bの端部では、平
坦化電気絶縁層9から表出した検出電極6a、6bの表
面の端部と電気的に接続されるように、平坦化電気絶縁
層9の表面において線形状の配線6cが形成されてい
る。そして、この配線6cのうちの検出電極6a、6b
とは反対側の端部が検出電極用パッド部と電気的に接続
されている。
【0106】つまり、上面図において検出電極6a、6
bとヒータ電極3とが交差するように見える部分では、
ヒータ電極3の上に検出電極6a、6bが離れて位置し
ており、両者の間は平坦化電気絶縁層9により電気的に
絶縁されている。
【0107】この様にヒータ電極3と検出電極6a、6
bを同一面上に形成しているため、第1実施形態で形成
されていたヒータ用電気絶縁層4が形成されていない構
成となっている。
【0108】また、感応膜5の上には特定ガスのみ透過
するフィルター12が形成されている。これにより、特
定ガスの選択性を向上させることができる。この場合、
例えば、水素の選択性を向上させるためにはフィルター
12としてシリコン酸化膜を形成すれば良い。何故な
ら、シリコン酸化膜は分子サイズの小さい水素は透過す
るが、それよりも分子サイズの大きな分子は透過しない
ため、水素ガスのみ感応膜5に達して検出することがで
きるためである。
【0109】次に、本実施形態のガスセンサの製造方法
を説明する。図6は図5と同一断面において示す工程図
であり、図7は図6に続く工程図である。なお、製造方
法も主として第1実施形態と異なる部分について説明す
る。
【0110】[図6(a)の工程] 基板1の上に支持
膜2を形成した後、支持膜2上にヒータ電極3と検出電
極6a、6bとを高さを変えて同時に形成する(ヒータ
層検出電極形成工程)。具体的には、まず、ヒータ電極
3及び検出電極6a、6bと支持膜2とを密着させるた
めの密着層であるTi層(図示せず)を支持膜2上に堆
積した後、最終的にヒータ電極3及び検出電極6a、6
bとなる金属薄膜としてのPt膜を真空蒸着機により堆
積させる。そして、エッチング等によりPt膜をヒータ
電極3及び検出電極6a、6bの形状にパターニングす
る。
【0111】このヒータ層検出電極形成工程について詳
細に説明する。図8は図6と同一断面においてヒータ層
検出電極形成工程を詳細に示す工程図である。
【0112】まず、図8(a)に示すように、支持膜2
の上にPt膜21を250nm以上堆積させる。次に、
図8(b)に示すように、ポジ型のフォトレジスト22
をPt膜21の上にスピンコート等により塗布する。そ
して、ヒータ電極3のパターン23bと検出電極6a、
6bのパターン23aが形成されたフォトマスク23を
用いてフォトレジスト22を現像する。
【0113】これにより、図8(c)に示すように、フ
ォトレジスト22においてヒータ電極3に対応する部位
22bの厚さが検出電極6a、6bに対応する部位22
aの厚さよりも薄くなる。ここで、この様に、一回の現
像で厚さの異なるパターンをフォトレジスト22に形成
する方法について説明する。
【0114】図9はフォトマスク23の上面図である。
また、図10(a)は図9における部位Cの拡大図であ
って、(b)は(a)に示すフォトマスク23を用いて
光を照射した場合のフォトレジスト22の各部位におけ
る光の透過量を示し、(c)はフォトレジスト22に光
を照射して現像した後のフォトレジスト22の形状を示
す。
【0115】図9に示すように、フォトマスク23のう
ち検出電極6a、6bに対応する部位では、Cr等によ
り完全に遮光されるようなパターン(以下、このパター
ンを遮光パターンという)23aが形成されており、ヒ
ータ電極3に対応する部位では、露光装置の解像度以下
の微細なパターン(以下、このパターンを微細パターン
という)23bが形成されている。
【0116】この微細パターン23bは、図10(a)
に示すように、例えば、光が透過する微小な矩形の窓が
多数形成されており、これらの窓が所定の密度で分布さ
れて形成されている。この矩形の窓の大きさはこのフォ
トマスク23を使って露光する露光装置の解像度以下の
寸法になっている。例えば、使用する露光装置が10対
1の縮小露光装置で、その解像度が1ミクロンである場
合、この矩形の窓の一辺の大きさは10倍のレチクルサ
イズで1ミクロン以下が適当である。
【0117】また、フォトレジストにおけるその他の部
位は完全に光を透過するようになっている。
【0118】そして、このフォトマスク23を介してフ
ォトレジスト22に光を照射すると、図10(b)に示
すように、遮光パターン23aに対応する部位では光の
透過量は0%となり、パターンが形成されていない部位
では光の透過量は100%となり、微細パターン23b
に対応する部位では光の透過量は0%と100%の間に
なる。なお、この微細パターン23bに対応する部位に
おける光の透過量は矩形の窓の密度によって変えること
ができる。
【0119】その後、この様に光を照射したフォトレジ
スト22を現像すると、図10(c)に示すように、遮
光パターン23aに対応する部位22aではフォトレジ
ストが完全に残り、微細パターン23bに対応する部位
22bではフォトレジストの膜厚が減少し、その他の部
位22cではフォトレジストが完全に除去される。従っ
て、フォトレジストが図8(c)に示す状態になる。
【0120】そして、この様に厚さの異なるパターンに
形成されたフォトレジスト22を用いてPt膜をエッチ
ングする。この際、ドライエッチングを行い、エッチン
グガスとしては、金属エッチング用ガスであるArガス
若しくはCF4ガスに、フォトレジスト22をエッチン
グするためのO2ガスを加えたものを用いると望まし
い。
【0121】また、Arガス若しくはCF4ガスによる
Pt膜のエッチングレートと、O2によるフォトレジス
ト22のエッチングレートが等しくなるように、各々の
ガスの流量や圧力を設定すると、パターニングされたフ
ォトレジスト22の形状がそのままPt膜21に移され
る。その結果、図8(d)に示す様に、ヒータ電極3の
厚さを検出電極6a、6bの厚さよりも小さくすること
ができる。
【0122】[図6(b)の工程] 次に、ヒータ電極
3及び検出電極6a、6bを覆うように支持膜2の上に
電気絶縁層9bを形成する(電気絶縁層形成工程)。
【0123】[図6(c)の工程] そして、検出電極
6a、6bの表面が表出するまで電気絶縁層9bを薄肉
化する。具体的には、上記第1実施形態における[図3
(c)の工程]において、第2の電気絶縁層9aを薄膜
化した方法と同様に平坦化工程を行う。この結果、電気
絶縁層9bが平坦化電気絶縁層9となる。
【0124】[図7(a)の工程] 感応膜形成工程を
行い、電極取り出し口4aを形成する。
【0125】[図7(b)の工程] パッド部形成工程
を行った後、感応膜5及び各々のパッド部7a〜dの上
を含む平坦化電気絶縁層9の上にフィルター12として
のシリコン酸化膜を形成する(フィルター形成工程)。
【0126】[図7(c)の工程] 空洞部形成工程を
行った後、各々のパッド部7a〜d上のフィルター12
をエッチング等によって除去する。そして、各々のパッ
ド部7a〜dと外部とをボンディングワイヤ等により電
気的に接続する。このようにして、本実施形態のガスセ
ンサが完成する。
【0127】ところで、本実施形態のガスセンサでも感
応膜5を平坦な面に形成することができるため、感応膜
5の破断を抑制することができ、ガスセンサの信頼性を
向上させることができる。
【0128】また、ヒータ電極3と検出電極6a、6b
を同一面上に形成しているため、ヒータ電極3と検出電
極6a、6bとの間に電気絶縁層を設ける必要がない。
また、厚さの異なるヒータ電極3と検出電極6a、6b
を同時に形成することができるため、一回の露光や現像
でヒータ電極3と検出電極6a、6bを形成することが
できる。従って、本実施形態では製造工程数を低減する
ことができる。
【0129】また、フィルター形成工程を行って感応膜
5、配線6cおよび各々のパッド部7a〜dをフィルタ
ー12で覆った後、空洞部形成工程を行っているため、
空洞部形成工程におけるTMAH溶液などのエッチング
液から感応膜5、配線6cおよび各々のパッド部7a〜
dを保護することができる。
【0130】また、フィルター12を形成することによ
り、感応膜5及び検出電極6a、6bの上にも酸化膜等
のフィルター12を形成することができる。そのため、
周辺の雰囲気に存在する雑ガスによる感応膜5や検出電
極6a、6bの劣化を防ぐことができ、ゴミ等が感応膜
5や検出電極6a、6bに付着することを防止できる。
【0131】(第3実施形態)本実施形態では、第1及
び第2実施形態と比較して、検出電極6a、6bを感応
膜5の上に形成しており、ヒータ電極3を感応膜5の直
下を避けて形成している点が異なる。図11は、本実施
形態のガスセンサの上面図であり、図12は図11にお
けるD−D断面の概略図である。以下、主として第1及
び第2実施形態と異なる部分について説明し、図11、
12中、図1、2と同一部分は同一符号を付して説明を
省略する。
【0132】図12に示すように、支持膜2の上にヒー
タ電極3が形成されている。このヒータ電極3は感応膜
5の直下を避けて形成されており、図1に示すように、
感応膜5の周囲を囲む部位に形成されている。具体的に
は、ヒータ電極3は枠形状(リング形状)になってい
る。
【0133】また、基板1の表面における空洞部8の外
周と感応膜5の外周との間にヒータ電極3が配置されて
いる。また、感応膜5の上方から見た場合、基板1の表
面における空洞部8の外周、ヒータ電極3の外周及び感
応膜5の外周が、互いに相似形状になっている。
【0134】そして、例えば、ヒータ電極3の外周で囲
まれた面積が、基板1の表面における空洞部8の外周で
囲まれた面積の80%程度になり、感応膜5の外周によ
り囲まれた面積がヒータ電極3の外周で囲まれた面積の
80%程度になるように、空洞部8とヒータ電極3と感
応膜5とが配置されている。
【0135】また、支持膜2及びヒータ電極3の上には
電気絶縁層31が形成されている。また、電気絶縁層3
1の上のうちヒータ電極3に囲まれる部位、つまりヒー
タ電極3の直上を避けた部位に感応膜5が平坦に形成さ
れている。
【0136】また、感応膜5の上に検出電極6a、6b
が形成されている。また、電気絶縁層31の上にヒータ
用パッド部7c、7dと検出電極用パッド部7a、7b
が形成されている。また、電気絶縁層31、感応膜5、
検出電極6a、6bおよび各々のパッド部7a〜dの上
にフィルター12が形成されている。そして、各々のパ
ッド部7a〜dの上においてフィルター12が開口され
ている。
【0137】次に、本実施形態のガスセンサの製造方法
を説明する。図13は図12と同一断面において示す工
程図であり、図14は図13に続く工程図である。な
お、製造方法も主として第1及び第2実施形態と異なる
部分について説明する。
【0138】[図13(a)の工程] まず、基板1の
上に支持膜2を形成する。その後、ヒータ層形成工程を
行う。
【0139】[図13(b)の工程] ヒータ電極3の
上に電気絶縁層31を形成する電気絶縁層形成工程を行
う。
【0140】[図13(c)の工程] 感応膜形成工程
を行う。また、電極取り出し口4aを形成する。
【0141】[図14(a)の工程] 検出電極形成工
程を行う。この時、パッド部形成工程も同時に行う。つ
まり、電気絶縁層31と感応膜5の上にAu膜を真空蒸
着機により堆積した後、エッチングによりAu膜を検出
電極6a、6bと各々のパッド部7a〜dの形状にパタ
ーニングする。
【0142】この際、検出電極6a、6bと感応膜5と
の間に密着層(図示せず)としてのCrを堆積させてい
る。
【0143】[図14(b)の工程] フィルター形成
工程を行う。また、マスク形成工程を行う。
【0144】[図14(c)の工程] 空洞部形成工程
を行う。その後、各々のパッド部7a〜dにおけるフィ
ルター12を除去する。この様にして、本実施形態のガ
スセンサが完成する。
【0145】ところで、本実施形態では、感応膜5の上
に検出電極6a、6bが形成されており、感応膜5の直
下を避けてヒータ電極3が形成されているため、凹凸が
形成されていない平坦な面に感応膜5を形成することが
できる。従って、感応膜5の破断を抑制することがで
き、信頼性を向上させることができるガスセンサを提供
することができる。
【0146】特に、感応膜5の厚さが検出電極6a、6
bの厚さよりも薄い場合は、本実施形態のように感応膜
5の上に検出電極6a、6bを設けると有利である。こ
れは、仮に感応膜5の下に検出電極6a、6bを形成す
ると、感応膜5は検出電極6a、6bの段差により断切
れする可能性が高いためである。
【0147】また、空洞部8の外周と感応膜5の外周と
の間にヒータ電極3を設けているため、ヒータ電極3を
感応膜5の直下に配置せずに感応膜5を周囲から温める
(加熱)ことができる。また、ヒータ電極3を空洞部8
上に形成することができるため、ヒータ電極3から発熱
した熱が基板1に逃げることを抑制することができる。
【0148】また、一般に、感応膜5における等温線
は、空洞部8、ヒータ電極3及び感応膜5の形状に依存
する。従って、本実施形態のように、空洞部8、ヒータ
電極3及び感応膜5の外周を相似形状にすることによ
り、空洞部8上の支持膜2や感応膜5における等温線を
同心形状にすることができるため、感応膜5の温度制御
を容易に行うことができる。
【0149】(他の実施形態)以下、上記第1〜第3実
施形態の変形例について説明する。まず、上記第1及び
第2実施形態に係る変形例について説明する。
【0150】(第1変形例)ヒータ電極3を感応膜5の
直下に配置して感応膜5を全体的に加熱するだけでな
く、図15のガスセンサの上面図に示すように、支持膜
2上にて空洞部8の全体に蛇行状に配置しても良い。
【0151】この様に、感応膜5の周囲も加熱できる構
成にすることにより、感応膜5からの放熱を減少させる
ことができる。また、空洞部8の上の膜の全てを均一に
加熱することができるため、感応膜5における温度分布
の偏りが小さくなり、検出感度を一定にすることができ
る。
【0152】(第2変形例)図16のガスセンサの上面
図に示すように、ヒータ電極3のうち感応膜5の直下に
位置する部位において線幅を太くしても良い。これによ
り、ヒータ電極3の急激な発熱を抑えることで感応膜5
の温度制御を容易に行うことができる。また、感応膜5
の直下以外の部位ではヒータ電極3の線幅を小さくし
て、感応膜5の直下部分よりも周囲部における発熱量を
増加させても良い。これにより、感応膜5の周囲からの
放熱を抑制することができる。これらにより、感応膜5
の温度の均一性を向上させることができる。
【0153】次に、上記第3実施形態に係る変形例につ
いて説明する。
【0154】(第3変形例)図17のガスセンサの上面
図と、図17におけるE−E断面を示す図18に示すよ
うに、ヒータ電極3と同一面上のヒータ電極3の内側に
温度制御膜41を形成しても良い。この温度制御膜41
はヒータ電極3の温度の伝搬を容易にするためのもので
ある。
【0155】また、図17に示すように、感応膜5の上
方から見た際に、この温度制御膜41の外周がヒータ電
極3の内周と感応膜5の外周との間に配置されている。
そして、温度制御膜41は感応膜5を形成する面に凹凸
が形成されない様にするために、厚さが均一である平坦
化膜となっている。つまり、温度制御膜41は感応膜5
よりも大きくヒータ電極3よりも小さいベタ膜となって
いる。
【0156】なお、この温度制御膜41としてはヒータ
電極3と同じ材料を用いることができる。そして、温度
制御膜41は、ヒータ層形成工程においてパターンを変
えることにより、ヒータ電極3と同時に形成することが
できる。
【0157】この様に温度制御膜41を設けることによ
り、感応膜5の温度の均一性を高めることができる。そ
の結果、感度を向上させることができる。また、温度制
御膜41が感応膜5よりも大きいため感応膜5は平坦な
面に形成することができ、感応膜5の破断を抑制すると
同時に感応膜5の温度の均一性を高めることができる。
【0158】(第4変形例)図19や図20のガスセン
サの上面図に示すように、ヒータ電極3のコーナー部を
面取りしても良い。また、感応膜5のコーナー部を面取
りしても良い。また、第3変形例における温度制御膜4
1のコーナー部を面取りしてもよい。
【0159】一般に、ヒータ電極3の発熱による基板1
の上の面方向の等温線は角を持たずに角が丸まった形状
になるのが通常である。そのため、ヒータ電極3や感応
膜5または温度制御膜41のコーナー部を面取りすれ
ば、この等温線の形状にヒータ電極3や感応膜5又は温
度制御膜41の形状を合わせることができるため温度制
御し易くなる。また、感応膜5の温度分布の偏りを低減
することができる。
【0160】(第5変形例)図21や図22のガスセン
サの上面図に示すように、ヒータ電極3や感応膜5又は
温度制御膜41のコーナー部を丸めて楕円形状にしても
良い。これにより、第4変形例よりも更に感応膜5の温
度分布の偏りを低減することができる。
【0161】(第6変形例)図23のガスセンサの上面
図に示すように、感応膜5をリング形状にしても良い。
一般に、感応膜5にはヒータ電極3との距離によって温
度分布が形成される。そのため、感応膜5をリング形状
にすることでヒータ電極3から離れた感応膜5をなくし
て、ヒータ電極3から一定の距離に感応膜5を配置する
ことができ、感応膜5の温度分布の偏りを小さくするこ
とができる。
【0162】(第7変形例)また、例えば、図24のガ
スセンサの概略断面図に示すように、フィルター12か
ら検出電極6a、6bを露出させても良い。但し、感応
膜5と検出電極6a、6bとは電気的に接続しなければ
ならないため、例えば、フィルター12にコンタクトホ
ールを形成して検出電極6a、6bとの電気的な接続を
確保する。
【0163】次に、上記各実施形態に係る変形例につい
て説明する。
【0164】(第8変形例)図25のガスセンサの上面
図、及び、図25におけるF−F断面の概略図である図
26に示すように、支持膜2における空洞部8側に突出
部51を形成してもよい。この突出部51はヒータ電極
3により温められた感応膜5の温度を均一にするため
に、温度の上がりやすい部位に設けられている。
【0165】具体的には、この突出部51は、感応膜5
の上方から見た際に、感応膜5と相似形状で感応膜5の
中央部に配置されており、感応膜5の外周に囲まれてい
る面積の10〜50%程度の領域において、突出部51
が設けられていると好ましい。そして、この突出部51
は、例えば基板1を残すことにより形成することができ
る。
【0166】これにより、温度の上がりやすい部位の熱
が突出部51に放熱され、突出部51の直上の感応膜5
の温度が低下する。従って、感応膜5の温度分布の偏り
を低減して、感応膜5の温度制御を更に容易に行うこと
ができる。
【0167】この様な突出部51を形成する際は、マス
ク形成工程において、開口部11aのうち突出部51を
形成する予定の部位(所望の部位)がマスクされた形状
のマスク11を形成する。つまり、マスク形成工程に対
応した概略断面図である図27(図4(c)や図14
(b)に対応している)に示すように、基板1の裏面に
おける突出部51に対応する部位である感応膜5の下方
にもマスク11bを形成し、空洞部8を形成するための
開口部11aを一部覆うようにする。
【0168】そして、空洞部形成工程において、上記各
実施形態と同様にこのマスク11を介して基板1をエッ
チングすることにより空洞部8を形成すると共に空洞部
8の底面の一部を残して突出部51を形成することがで
きる。
【0169】このように、突出部51はSi(基板)の
異方性エッチングのエッチング残りで形成することがで
きるため、マスク11を追加したり工程を追加したりす
ること無しに突出部51を形成することができる。
【0170】(第9変形例)また、図28のガスセンサ
の概略断面図に示すように、アルミナ基板やサファイヤ
基板等の電気絶縁性の基板1を用いた場合は、支持膜2
を形成しなくても基板1の上に直接ヒータ電極3や温度
制御膜41等を形成すればよい。この様な電気絶縁性の
基板は熱絶縁性が大きいものが多いことから、この場合
はヒータ電極3から熱が逃げにくいため空洞部8を形成
しなくてもよい。
【0171】(第10変形例)上記第9変形例におい
て、更に室温でガスが感応するような場合には、ヒータ
電極3も設けなくてもよい。つまり、図29のガスセン
サの概略断面図に示すように、室温にて被検ガスを検出
可能なガスセンサでは、電気絶縁性の基板1の上に室温
で被検ガスが感応する感応膜5が形成され、感応膜5の
上に検出電極6a、6bが形成されていれば良い。
【0172】この様に室温にて被検ガスを検出するガス
センサの場合、基板上の凹凸の無い面に感応膜5を形成
することができるため、感応膜5の破断を抑制すること
ができる。ここで、室温にて被検ガスを検出するとは、
ヒータ電極3により感応膜5を加熱することなく被検ガ
スを検出することができることを示している。
【0173】なお、上記各変形例は各実施形態に対し
て、複数種類適用することができる。
【0174】また、感応膜5の物性値変化としては電気
抵抗値変化を検出するものについて記述したが、その
他、誘電率変化、静電気容量変化、重量変化等を検出し
てもよい。
【0175】また、空洞部8を形成するためのエッチン
グは、空洞部8が形成できればTMAH溶液による異方
性エッチング以外の方法を用いても良い。特に、第4変
形例や第5変形例のようにヒータ電極3や感応膜5のコ
ーナー部を面取りしたり丸めたりして、これらと相似形
状の空洞部8を形成する際は、面方位を利用した異方性
エッチングは行わない様にするとよい。
【0176】また、第1実施形態では最低限、平坦化電
気絶縁層9の表面を平坦化すれば良いが、ヒータ用電気
絶縁層4の表面も研磨等により平坦化し、その上に検出
電極6a、6bと平坦化電気絶縁層9を形成してもよ
い。
【0177】また、第1及び第2実施形態における平坦
化工程において、研磨等のみで平坦化工程を終了するの
ではなく、研磨等を行った後、化学的に研磨(平坦化)
してもよい。また、研磨せずに平坦化しても良い。ま
た、検出電極6a、6bの表面の自然酸化膜や窒化膜も
除去するとよく、例えば、フッ酸やリン酸を用いてこれ
らの除去を行うことができる。
【0178】また、上記第1実施形態ではフィルターを
形成していないが、上記第2及び第3実施形態のように
フィルター12を形成しても良い。また、上記第2及び
第3実施形態ではフィルター12を形成しているが、感
応膜5が特定ガスに対して選択性を持っていれば、フィ
ルター12を形成しなくても良い。感応膜5に選択性を
持たせるためには、特定ガス種に反応する不純物を感応
膜5に付加したりすれば良い。
【0179】また、上記各実施形態に示すように、支持
膜2が露出した空洞部8を形成するのではなく、空洞部
8の底部において基板1が薄肉状に残っているような空
洞部8を形成してもよい。この場合、支持膜2を形成し
なくても、この残った薄肉状の基板1を支持膜2の代わ
りとして用いることができる。
【0180】また、ガスセンサとしては、臭いセンサや
湿度センサも含めるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るガスセンサの上面図であ
る。
【図2】図1におけるA−A断面の概略図である。
【図3】第1実施形態に係るガスセンサの製造方法を示
す工程図である。
【図4】図3に続く製造方法を示す工程図である。
【図5】第2実施形態に係るガスセンサの概略断面図で
ある。
【図6】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法を示
す工程図である。
【図7】図6に続く製造方法を示す工程図である。
【図8】第2実施形態に係るガスセンサの製造工程にお
けるヒータ層形成工程を詳細に示す工程図である。
【図9】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法で用
いるフォトレジストの上面図である。
【図10】第2実施形態に係るガスセンサの製造方法に
おいてフォトレジストの膜厚を変える方法について説明
する図である。
【図11】第3実施形態に係るガスセンサの上面図であ
る。
【図12】図11におけるD−D断面の概略図である。
【図13】第3実施形態に係るガスセンサの製造方法を
示す工程図である。
【図14】図13に続く製造方法を示す工程図である。
【図15】他の実施形態の第1変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図16】他の実施形態の第2変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図17】他の実施形態の第3変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図18】図17におけるE−E断面の概略図である。
【図19】他の実施形態の第4変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図20】他の実施形態の第4変形例に係る他のガスセ
ンサの上面図である。
【図21】他の実施形態の第5変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図22】他の実施形態の第5変形例に係る他のガスセ
ンサの上面図である。
【図23】他の実施形態の第6変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図24】他の実施形態の第7変形例に係るガスセンサ
の概略断面図である。
【図25】他の実施形態の第8変形例に係るガスセンサ
の上面図である。
【図26】図25におけるF−F断面の概略図である。
【図27】他の実施形態の第8変形例に係るガスセンサ
製造方法に関する概略断面図である。
【図28】他の実施形態の第9変形例に係るガスセンサ
の概略断面図である。
【図29】他の実施形態の第10変形例に係るガスセン
サの概略断面図である。
【図30】従来のガスセンサの概略断面図である。
【符号の説明】
1…基板、2…支持膜、3…ヒータ電極、4…ヒータ用
電気絶縁層、5…感応膜、6a、6b…検出電極、7
a、7b…検出電極用パッド部、7c、7d…ヒータ用
パッド部、8…空洞部、9…平坦化電気絶縁層、11…
マスク、11a…マスクの開口部、12…フィルター、
21…金属薄膜、22…フォトレジスト、23…フォト
マスク、31…電気絶縁層、41…温度制御膜、51…
突出部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹内 幸裕 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 岩城 隆雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2G046 AA01 BA01 BB06 BE03 BJ02 DB05 EA02 EA07 EA11

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検ガスを検出するガスセンサであっ
    て、 基板(1)と、 前記基板の上方に形成されたヒータ層(3)と、 前記ヒータ層及び前記基板の上に形成されたヒータ用電
    気絶縁層(4)と、 前記ヒータ用電気絶縁層の上に形成された検出電極(6
    a、6b)と、 前記ヒータ用電気絶縁層の上にて、前記検出電極の表面
    を表出した状態で前記検出電極の非形成領域に形成さ
    れ、その表面が前記検出電極の表面を含めて平坦化され
    た平坦化電気絶縁層(9)と、 前記平坦化電気絶縁層の上に前記検出電極の表面と当接
    して平坦に形成され、前記被検ガスに反応して物性値が
    変化する感応膜(5)とを有することを特徴とするガス
    センサ。
  2. 【請求項2】 被検ガスを検出するガスセンサであっ
    て、 基板(1)と、 前記基板の上方に形成されたヒータ層(3)と、 前記ヒータ層と同一面上に形成され、前記ヒータ層と電
    気的に絶縁された検出電極(6a、6b)と、 前記ヒータ層の上に形成され、前記ヒータ層を覆いつ
    つ、前記検出電極の表面を表出した状態で表面が前記検
    出電極の表面を含めて平坦化された平坦化電気絶縁層
    (9)と、 前記平坦化電気絶縁層の上に前記検出電極の表面と当接
    して平坦に形成され、前記被検ガスに反応して物性値が
    変化する感応膜(5)とを有することを特徴とするガス
    センサ。
  3. 【請求項3】 被検ガスを検出するガスセンサであっ
    て、 基板(1)と、 前記基板の上方に形成された電気絶縁層(31)と、 前記電気絶縁層の上に平坦に形成され、前記被検ガスに
    反応して物性値が変化する感応膜(5)と、 前記基板と前記電気絶縁層との間のうち、前記感応膜の
    直下を避けて前記感応膜の周囲を囲む部位に挿入された
    ヒータ層(3)と、 前記感応膜の上に形成され、前記感応膜の物性値変化を
    検出する検出電極(6a、6b)とを有することを特徴
    とするガスセンサ。
  4. 【請求項4】 前記電気絶縁層のうちの前記感応膜と当
    接している表面において、該表面の凹凸の最大段差が前
    記感応膜の膜厚よりも小さくなるように平坦化されてい
    ることを特徴とする請求項3に記載のガスセンサ。
  5. 【請求項5】 前記ヒータ層は枠形状をなし、このヒー
    タ層の内側には前記ヒータ層と同一面上において前記ヒ
    ータ層の温度の伝搬を容易にするための温度制御膜(4
    1)が平坦化膜として形成されており、 前記感応膜の上方から見た際に、前記温度制御膜の外周
    が前記ヒータ層の内周と前記感応膜の外周との間に配置
    されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のガ
    スセンサ。
  6. 【請求項6】 前記ヒータ層のコーナー部を面取り或は
    丸めたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1つ
    に記載のガスセンサ。
  7. 【請求項7】 前記感応膜がリング形状になっているこ
    とを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1つに記載の
    ガスセンサ。
  8. 【請求項8】 前記感応膜のコーナー部を面取りあるい
    は丸めたことを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1
    つに記載のガスセンサ。
  9. 【請求項9】 前記基板の上に支持膜(2)が形成され
    ており、該支持膜の上に前記ヒータ層が形成されてお
    り、 前記基板のうちの前記ヒータ層と前記感応膜の下方に空
    洞部(8)が形成され、該空洞部は前記支持膜により橋
    絡されており、 前記支持膜は40MPa以上150MPa以下の引っ張
    り応力を持つものであることを特徴とする請求項3乃至
    8のいずれか1つに記載のガスセンサ。
  10. 【請求項10】 前記基板表面における前記空洞部の外
    周と前記感応膜の外周との間に前記ヒータ層が配置され
    ていることを特徴とする請求項9に記載のガスセンサ。
  11. 【請求項11】 前記感応膜の上方から見た場合、前記
    基板表面における前記空洞部の外周、前記ヒータ層の外
    周及び前記感応膜の外周が、互いに相似形状になってい
    ることを特徴とする請求項10に記載のガスセンサ。
  12. 【請求項12】 前記平坦化電気絶縁層から表出した前
    記検出電極の表面及び前記平坦化電気絶縁層のうち前記
    感応膜と当接している表面の両表面において、該両表面
    の凹凸の最大段差が前記感応膜の膜厚よりも小さくなっ
    ていることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスセ
    ンサ。
  13. 【請求項13】 前記基板の上に支持膜(2)が形成さ
    れており、該支持膜の上に前記ヒータ層が形成されてお
    り、 前記基板のうちの前記ヒータ層と前記感応膜の下方に空
    洞部(8)が形成され、該空洞部が前記支持膜により橋
    絡されており、 前記支持膜が40MPa以上150MPa以下の引っ張
    り応力を持つことを特徴とする請求項1、2及び12の
    いずれか1つに記載のガスセンサ。
  14. 【請求項14】 前記支持膜と該支持膜の上に形成され
    ている全ての部材の応力の合計が、40MPa以上15
    0MPa以下の引っ張り応力となっていることを特徴と
    する請求項9乃至11、13のいずれか1つに記載のガ
    スセンサ。
  15. 【請求項15】 前記支持膜における前記空洞部側に突
    出部(51)が形成されていることを特徴とする請求項
    9乃至11、13、14のいずれか1つに記載のガスセ
    ンサ。
  16. 【請求項16】 室温にて被検ガスを検出可能なガスセ
    ンサであって、 電気絶縁性の基板(1)と、 前記基板の上に形成され、被検ガスに反応して物性値が
    変化する感応膜(5)と、 前記感応膜の上に形成され前記感応膜の物性値変化を検
    出する検出電極(6a、6b)とを有することを特徴と
    するガスセンサ。
  17. 【請求項17】 前記感応膜の上に、特定ガスのみ透過
    するフィルター(12)を設けることを特徴とする請求
    項1乃至16のいずれか1つに記載のガスセンサ。
  18. 【請求項18】 前記感応膜の厚さが3nm以上12n
    m以下であることを特徴とする請求項1乃至17のいず
    れか1つに記載のガスセンサ。
  19. 【請求項19】 基板(1)の上にヒータ層(3)を形
    成するヒータ層形成工程と、 前記ヒータ層及び前記基板の上に第1の電気絶縁層
    (4)を形成する第1の電気絶縁層形成工程と、 前記第1の電気絶縁層の上に検出電極(6a、6b)を
    形成する検出電極形成工程と、 前記検出電極を覆うように前記第1の電気絶縁層の上に
    第2の電気絶縁層(9a)を形成する第2の電気絶縁層
    形成工程と、 前記第2の電気絶縁層を前記検出電極の表面が表出する
    まで薄肉化して平坦化する平坦化工程と、 前記表出した検出電極を覆うように、前記平坦化した第
    2の電気絶縁層の上に被検ガスに反応して物性値が変化
    する感応膜(5)を形成し、前記検出電極と前記感応膜
    とを電気的に接続する感応膜形成工程とを備えることを
    特徴とするガスセンサの製造方法。
  20. 【請求項20】 基板(1)の上の同一面上に、ヒータ
    層(3)と検出電極(6a、6b)とを高さを変えて同
    時に形成するヒータ層検出電極形成工程と、 前記ヒータ層及び前記検出電極を覆うように前記基板の
    上に電気絶縁層(9b)を形成する電気絶縁層形成工程
    と、 前記電気絶縁層を前記検出電極の表面が表出するまで薄
    肉化して平坦化する平坦化工程と、 前記表出した検出電極を覆うように、前記電気絶縁層の
    上に被検ガスに反応して物性値が変化する感応膜(5)
    を形成し、前記検出電極と前記感応膜とを電気的に接続
    する感応膜形成工程とを備えることを特徴とするガスセ
    ンサの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記ヒータ層検出電極形成工程では、 前記基板の上に最終的に前記ヒータ層及び前記検出電極
    となる金属薄膜(21)を形成し、該金属薄膜の上にフ
    ォトレジスト(22)を形成し、 前記フォトレジストのうち前記ヒータ層に対応する部位
    では、露光装置の解像度以下の微細なパターン(23
    b)を有するフォトマスク(23)を用いて前記フォト
    レジストを現像することにより、 前記フォトレジストにおいて前記ヒータ層に対応する部
    位(22b)の厚さが、前記検出電極に対応する部位
    (22a)の厚さよりも薄くなっているパターンを形成
    し、 この厚さの異なるパターンに形成されたフォトレジスト
    を用いて前記金属薄膜をエッチングすることにより、前
    記ヒータ層の厚さを前記検出電極の厚さよりも小さくす
    ることを特徴とする請求項20に記載のガスセンサの製
    造方法。
  22. 【請求項22】 基板(1)の上にヒータ層(3)を形
    成するヒータ層形成工程と、 前記ヒータ層の上に電気絶縁層(31)を形成する電気
    絶縁層形成工程と、 前記電気絶縁層の上に前記ヒータ層の直上を避けて被検
    ガスに反応して物性値が変化する感応膜(5)を形成す
    る感応膜形成工程と、 前記感応膜の上に該感応膜の物性値変化を検出する検出
    電極(6a、6b)を形成する検出電極形成工程とを備
    えることを特徴とするガスセンサの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記基板と前記ヒータ層との間に支持
    膜(2)を形成する工程と、 前記基板における感応膜形成面とは反対側の面に、前記
    感応膜の下方に相当する部位に開口部(11a)を有す
    るマスク(11)を形成するマスク形成工程と、 前記基板を前記マスクを介してエッチングすることによ
    り、前記開口部に対応した領域に空洞部(8)を形成す
    る空洞部形成工程とを備えることを特徴とする請求項1
    9乃至22のいずれか1つに記載のガスセンサの製造方
    法。
  24. 【請求項24】 前記マスク形成工程において、前記開
    口部のうち所望の部位(11b)がマスクされた形状の
    前記マスクを形成し、 前記空洞部形成工程において、前記基板を前記マスクを
    介してエッチングすることにより前記空洞部を形成する
    と共に前記空洞部の底面の一部を残すことを特徴とする
    請求項23に記載のガスセンサの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記ヒータ層のパッド部(7c、7
    d)と前記検出電極のパッド部(7a、7b)を形成す
    るパッド部形成工程と、 前記パッド部形成工程の後に、前記感応膜及び前記パッ
    ド部の上に特定ガスのみ透過するフィルター(12)を
    形成するフィルター形成工程と、 前記空洞部形成工程の後に、前記パッド部の上の前記フ
    ィルターを除去する工程とを備えることを特徴とする請
    求項23又は24に記載のガスセンサの製造方法。
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