JPH0634591A - ガス検知素子及びその製造方法 - Google Patents

ガス検知素子及びその製造方法

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JPH0634591A
JPH0634591A JP21213992A JP21213992A JPH0634591A JP H0634591 A JPH0634591 A JP H0634591A JP 21213992 A JP21213992 A JP 21213992A JP 21213992 A JP21213992 A JP 21213992A JP H0634591 A JPH0634591 A JP H0634591A
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heater
substrate
gas
thin film
electrodes
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JP21213992A
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Akira Kunimoto
晃 国元
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Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 素子抵抗の安定性が良好で、素子の製造を自
動化するのが容易な構造を有するガス検知素子を提供す
る。 【構成】 電気絶縁性の高い基板の一方の面に、基板の
周縁部に所定のパターンのヒータと、このヒータパター
ンの内側に一対の対向電極とを形成し、続いてヒータを
被覆する形状の電気絶縁性薄膜を形成した後、一対の対
向電極の少なくとも一部分を覆うとともに電極間に延在
してガス感応膜を形成してなるガス検知素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はガス検知素子及びその製
造方法に関し、特に素子抵抗の安定性が良好で、素子の
製造を自動化するのが容易な構造を有するガス検知素
子、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属酸
化物、特にSnO2 を使用した半導体ガスセンサーは、
家庭用ガス漏れ警報器として広く普及しており、すでに
市場に出てから15年以上経過している。この間ガス検知
性能は改善されてきて、かなり高感度で、高選択性を有
するようになってきた。しかしながら、最近では、例え
ば半導体IC製造工場における各種ガス漏れ警報器や火
災早期警報用のH2 、COガス検知、また民生機器レベ
ルにおいては、空気清浄機等に使用する場合におけるタ
バコの煙の検知、空調制御用における悪臭検知、自動車
の排ガス中のNOx 検知など、従来の都市ガス、プロパ
ンガス漏れ検知以外にも広範なガス検知が要求されてき
ている。このため、家庭用ガス漏れ検知では、数千pp
mレベルが警報点であったが、上述したような種々のガ
ス検知では、数十ppmから1ppmレベルの検知能が
必要となってきており、半導体ガスセンサーは、近年一
層の高感度化が要求されている。
【0003】一方、現在広く用いられている焼結型のガ
ス感応体によるガス検知素子の消費電力は、1W程度で
あり、駆動電流は200mA 程度である。これは、機器組込
み用としては、大きな電源負荷となり、コストが大きく
なる要因である。民生用機器レベルにおいては、半導体
ガスセンサーの低消費電力化、低コスト化が必須の条件
となってきている。
【0004】このように半導体ガスセンサーは、一層の
高感度化とともに、民生用機器レベルにおいては、その
低消費電力化、低コスト化が求められている。このよう
な種々の要求は、ガス感応体を薄膜化することにより達
成できる。
【0005】ガス感応体を薄膜化したガスセンサーとし
ては、例えば、従来の粉末焼結方式により作成してきた
ガス感応体(SnO2 が主流)を真空蒸着、スパッタリ
ング等の気相形成法により薄膜として形成したものがあ
る。上記薄膜ガスセンサーにおいては、ガス感応膜表面
層は表面吸着しているO2-イオンのために、電子密度が
低くなっている。すなわち、電荷欠乏層の占める割合が
大きく、従ってガス検知時には抵抗変化量が大きくとれ
る。これは、ガスセンサーにおける薄膜効果であり、基
本的に感度を大きくすることができる。
【0006】このような薄膜型のガス感応膜を用いた従
来の対向電極式の薄膜型ガス検知素子の構造の一例を図
5に示す。ガス検知素子51は、電気絶縁性を有する基板
52と、この基板52の一方の面に形成された一対の電極5
3、53′と、この一対の電極に接続するリード線54、54
と、一対の電極53、53′を覆うとともにこの電極間にわ
たって形成された薄膜状のガス感応膜55とを有し、ま
た、一対の電極53、53′とガス感応膜55とが形成された
面の反対側の基板52の表面には、このガス検知素子51を
所定の作動温度まで加熱するためのヒータ56が形成され
ており、このヒータ56の両端部にもリード線57、57が接
続している。なお、ヒータ56は基板52の表面に蛇行する
ように形成されているので、図5にはヒータ56は破断し
た状態に描かれている。
【0007】このような薄膜型のガス感応膜を用いたガ
ス検知素子において、電極53、53′及びヒータ56も薄膜
化するとともに、IC製造技術であるフォトリソグラフ
ィー技術を用いることにより微細パターンニングすれ
ば、ガス検知素子を一層小型化することが可能である。
通常この方式によれば、1mm×1mm程度の基板サイズま
で小型化が可能であり、その場合の消費電力は、ガス検
知素子の作動温度を400℃として、0.2 〜0.25W程度
と、従来の1/4〜1/5に低減することができる。
【0008】このように、薄膜化ガス感応膜を用いたガ
ス検知素子は非常に有効なものであるが、現状の市場に
おいて汎用的なガス検知を行なえるものはまだ得られて
いない。その最大の理由は、素子の抵抗値の経時安定性
が悪いためである。薄膜センサーにおいて素子の抵抗値
の経時安定性が得られない理由は、いまだ明らかではな
いが、その理由の一つに熱応力による膜ストレスが大き
いことが挙げられる。これは、図5に示すような従来の
方式では、ヒータは基板を蛇行するように形成されてお
り、基板の裏面側から加熱しているので、どうしても基
板中心部の温度が一番高くなってしまう。通常使用され
る基板材は、アルミナ質が多く、この熱膨張係数は、ガ
ス感応膜として使用されるSnO2 やZnOなどに比べて非
常に大きい。このため、基板中心部のガス感応膜にはど
うしても熱応力がかかり、ガス感応膜の粒界部の接触状
態に変化が生じる。これが著しい場合に、素子の抵抗値
が大幅に変動し、安定なガス検知が行えなくなる。すな
わち、図5に例示したガス検知素子においては、根本的
な膜ストレスの問題があると思われる。
【0009】また、図5に示すようなガス検知素子は、
素子の製造を自動化するのが困難であるという問題があ
る。すなわち、素子の消費電力を低減させるために、ヒ
ータの接続、及び電極の接続は、現在のところリード線
による懸架方式により行われている。なお、一部リード
フレーム方式を用いた例もあるが、この方式では、リー
ドフレーム自体から熱流出が起こり、結果的に消費電力
が増大する。このリード線による懸架方式により、図5
に示すようなガス検知素子を製造するには、素子の表裏
にそれぞれリード線を溶接する必要があり、工程が複雑
である。また、一方の面に溶接を行った後、素子を裏返
して他方の面に溶接を行っているので、、ガス検知素子
を表裏反転させる時のリード線の処理が困難である。さ
らに、溶接時に基板に段差が生じるため、安定した溶接
が行えない。このことは、溶接をワイヤーボンダーによ
り行う場合でも、同様の問題点である。
【0010】以上のように、従来の薄膜型ガス検知素子
の構成では、素子抵抗の安定性が十分でなく、さらに素
子製造の自動化、特にリード線の取り付けを安定的かつ
容易に行うのが困難であるという問題がある。
【0011】したがって、本発明の目的は、素子抵抗の
安定性が良好で、素子の製造を自動化するのが容易な構
造を有するガス検知素子、及びそれを製造する方法を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、電気絶縁性の高い基板の一方の面
に、基板の周縁部に所定のパターンのヒータと、このヒ
ータパターンの内側に一対の対向電極とを形成し、続い
てヒータを被覆する形状の電気絶縁性薄膜を形成した
後、一対の対向電極の少なくとも一部分を覆うとともに
電極間に延在してガス感応膜を形成してなるガス検知素
子は、基板の温度分布がほぼ均一であるので、素子抵抗
の安定性が良好であり、さらに基板の片面にヒータ、電
極及びガス感応膜が形成されているため、素子の製造工
程の自動化が容易であることを見出した。また、本発明
者は、上記ガス検知素子において、ヒータを被覆する形
状の電気絶縁性薄膜を形成するには、まず金属の薄膜を
気相成膜により形成し、この金属薄膜を酸化性雰囲気中
で焼成すれば、緻密な絶縁膜が得られることを見出し
た。以上の発見に基づき本発明に想到した。
【0013】すなわち、本発明のガス検知素子は、電気
絶縁性の高い基板と、前記基板の一方の面の周縁部に所
定のパターンに形成されたヒータと、前記ヒータに接続
するリード線と、前記ヒータを被覆する形状に形成され
た金属酸化物からなる電気絶縁性薄膜と、前記ヒータの
形成パターンの内側に形成された一対の対向電極と、前
記一対の電極に接続するリード線と、前記一対の電極の
少なくとも一部分を覆うとともに前記電極間に延在する
ガス感応膜とを有することを特徴とする。
【0014】また、上記ガス検知素子を製造する本発明
の方法は、(a) 電気絶縁性の高い基板の周縁部に所定の
パターンのヒータと、前記ヒータの形成パターンの内側
に一対の対向電極とを形成し、(b) 前記ヒータを被覆す
る形状の金属薄膜を気相成膜し、(c) 続いて酸化性雰囲
気中で焼成して前記金属薄膜を酸化させることにより電
気絶縁性金属酸化物とし、(d) 前記一対の対向電極の少
なくとも一部分を覆うとともに前記対向電極間に延在す
るガス感応膜を形成することを特徴とする。
【0015】
【実施例】以下本発明を詳細に説明する。図1は本発明
の一実施例によるガス検知素子を示す概略断面図であ
り、図2は、ガス感応膜を形成する前の状態を示す平面
図である。このガス検知素子1は、電気絶縁性の高い基
板2と、この基板の一方の面の周縁部に所定のパターン
に形成されたヒータ3と、このヒータに接続するヒータ
リード線4と、ヒータを被覆する形状に形成された金属
酸化物からなる電気絶縁性薄膜5と、ヒータパターンの
内側に形成された一対の対向電極6、6′と、この一対
の対向電極に接続する電極リード線7と、一対の対向電
極の少なくとも一部分を覆うとともに電極間延在するガ
ス感応膜8とを有する。なお、ヒータ3は、基板2の周
縁部に形成されているので、図1には破断した状態に描
かれている。
【0016】まず、本発明のガス検知素子の各構成要素
について説明する。 〔1〕基板 基板2は、電気絶縁性の高い材料から形成されている。
またヒータ3により300 〜500 ℃に加熱されるので、大
きな熱衝撃抵抗を有する必要があり、さらにハンドリン
グ等を考慮して、十分な強度を有する必要もある。この
ような要求を満たすセラミックス材料としては、アルミ
ナ(Al2 3 )、シリカ(SiO2 )及びアルミナ・シリ
カ(3Al2 3 ・2SiO2 )等が好ましい。上記セラミ
ックス材料は、緻密質、多孔質のいずれも用いることが
できる。多孔質体の場合、その細孔径は、0.1 〜0.5 μ
mであるのが好ましく、また空孔率は5〜20%であるの
が好ましい。
【0017】上記基板2は、100 〜1000μmの厚みを有
するのが好ましい。基板2が100 μm未満であると、強
度が不十分なため製造工程中のハンドリング等が難し
い。また1000μmを超えると、ヒータ3による加熱効率
が低くなりすぎ、消費電力が大きくなってしまう。より
好ましい厚みは150 〜300 μmである。
【0018】以上のような基板2は、例えばドクターブ
レード法等により成形した後、公知の焼結法により形成
することができる。例えば、上記アルミナ等のセラミッ
クス材料に適当なバインダーを添加して、スラリーを生
成し、これをドクターブレード法等により所定の厚さに
成形し、乾燥後焼結する。
【0019】〔2〕ヒータ 基板2の周縁部に形成されたヒータ3はPt族金属から
なるのが望ましい。ヒータ3の厚さは0.1 〜10μmが好
ましい。このようなヒータ3は、白金ペーストを用いた
スクリーン印刷法やフォトリソグラフィー法等により形
成することができる。特にフォトリソグラフィー法によ
れば、容易にかつ精度よくヒータ3をパターニングで
き、生産効率が非常に高い。また、パターニング精度が
高いので、ヒータ3の抵抗値のバラツキも非常に小さ
い。
【0020】〔3〕電気絶縁性薄膜 ヒータ3と、電極6、6′及びガス感応膜8とが短絡
し、漏れ電流が存在すると、素子抵抗変化量が見かけ上
減少することになり、検出感度が低下するため、ヒータ
3を被覆するように電気絶縁性薄膜5を形成する。
【0021】このような電気絶縁性薄膜5は、緻密でか
つ電気絶縁性の高い金属酸化物から形成されている。上
記金属酸化物としては、アルミナ(Al2 3 )、シリカ
(SiO2 )及びアルミナ・シリカ(3Al2 3 ・2SiO
2 )等が好ましい。
【0022】上記電気絶縁性薄膜5は、500 〜3000オン
グストロームの厚みを有するのが好ましい。電気絶縁性
薄膜5が500 μm未満であると、ヒータ3と、ガス感応
膜8とが短絡しやすくなり、また3000μmを超えると、
酸化物膜形成時に工程上不利であるため好ましくない。
より好ましい厚みは1000〜2000オングストロームであ
る。
【0023】このような電気絶縁性薄膜5は、後に詳述
するように、まず真空蒸着法あるいはRFスパッタリン
グ法等により、Al、Si等の金属の薄膜を形成し、これを
酸化性雰囲気下で焼結することにより形成する。
【0024】〔4〕電極 基板2の周縁部に形成されたヒータ3の内側に形成され
る電極6、6′は、ともにPt、Pt族金属、またはこれら
の合金から形成するのが望ましい。この2つの電極6、
6′の厚さはそれぞれ500 〜4000オングストローム程度
とするのが好ましい。電極6、6′はフォトリソグラフ
ィー法等により形成することができる。
【0025】〔5〕ガス感応膜 基板2の電極6、6′形成面には、SnO2 やZnO等の所
望とする検知対象のガスに応じた金属の酸化物を基材と
したガス感応膜8が形成されている。このガス感応膜8
は一対の電極6、6′を覆うとともに、電極6、6′間
に延在して形成されている。
【0026】また、ガス感応膜8の厚さは、1μm以下
とするのが好ましく、特に500 〜5000オングストローム
程度とするのが好ましい。ガス感応膜8の厚さが1μm
を超すと、ガス検知素子の感度が低下する。また下限に
ついては、一般に、膜厚を薄くするほど感度が良好とな
るが、ガス感応膜8の厚さを500 オングストローム未満
とすると膜のインピーダンスが大きくなりすぎる。
【0027】このようにガス感応膜8は薄いので、気相
成長法により形成するのが好ましい。具体的には、スパ
ッタリング法、CVD法等の蒸着法等により形成する。
また気相成長法以外の形成方法として、ゾルゲル法、溶
液法等を用いることもできる。
【0028】気相成長法としては、特に高周波スパッタ
リング法等のスパッタリング法が好ましい。この方法に
よると、1μm程度の厚さのガス感応膜8を容易に形成
することができる。高周波スパッタリング法で金属酸化
物を成膜する場合、通常成膜速度は40〜100 オングスト
ローム/分程度であるので、2〜4時間のスパッタリン
グを行えば1μm程度の厚さとすることができる。な
お、高周波スパッタリング法によりガス感応膜8を形成
した場合は、層中に生じた金属酸化物の酸素欠損を補完
したり、層中に生じた歪みを除去する等の目的で、大気
中での加熱処理を行うのが好ましい。
【0029】〔6〕リード線 ヒータ3、及び電極6、6′に接続されるヒータリード
線4、及び電極リード線7としては、Pt又はPt系合金か
らなる導線を用いることができる。
【0030】上述したような各構成要素からなる本発明
のガス検知素子は、図1及び図2に例示するようにヒー
タ3、電極6、6′及びガス感応膜8が基板2の一方の
面に配置された構造を有する。このため、リード線の取
り付け工程は、基板の片面に対してのみ行えばよく、素
子の製造工程の自動化、量産化が非常に容易である。
【0031】また、本発明のガス検知素子1において
は、ヒータ3が基板2の周縁部に設けられている。この
ため、基板2の端部と中心部との温度差が極めて小さく
なっている。このようなヒータ3の形成パターンの内側
に電極6、6′及びガス感応膜8が配置されているの
で、ガス感応膜に熱応力がほとんど発生せず、これによ
り、素子抵抗の安定性が大幅に改善される。
【0032】しかも、ヒータ3は、電気絶縁性薄膜5に
より覆われているので、ヒータ3からの洩れ電流が無
く、ガス感知時のガス感応膜の抵抗変化量が効率よく出
力として取り出せる。また、電極リード線7とヒータ3
との短絡もない。
【0033】次に、上述したガス検知素子を製造する本
発明の方法について説明する。まず、基板2の表面に、
上述したようなヒータ3及び一対の対向電極6、6′を
フォトリソグラフィー法等の公知の方法により形成す
る。
【0034】この基板上の電極6、6′(及び電極を包
含する領域)と、ヒータ3のリード線取り付け部に、フ
ォトレジスト法等によりレジスト膜を形成し、マスキン
グする。
【0035】次にレジスト膜を形成した基板2上に、ま
ず、Al、Si等の金属を、通常のRFスパッタリング法や
真空蒸着法等により薄膜として形成する。これは、通
常、アルミナ(Al2 3 )、シリカ(SiO2 )及びアル
ミナ・シリカ(3Al2 3 ・2SiO2 )等の金属酸化物
を基板上に直接成膜するには、CVD法、真空蒸着法あ
るいはRFスパッタリング法等の条件を高温、長時間に
する必要があり、そうするとプラズマ等による熱により
レジスト膜が変質(重合)して、レジスト膜の剥離が困
難になってしまう可能性が高いためである。Al、Si等の
金属は、RFスパッタリング法や真空蒸着法等によれ
ば、極短時間に膜形成されるので、レジスト膜の変質が
少なく、その後のリフトオフ時の剥離性も良好である。
【0036】上記RFスパッタリング法や真空蒸着法等
による金属薄膜の厚さは、500 〜3000オングストローム
とするのが好ましい。
【0037】続いて、剥離液により、レジスト膜を剥離
する。この時レジスト膜上の金属膜も同時に除去され、
フォトリソグラフィー法の一手法であるいわゆるリフト
・オフ法を用いたことになる。この時点で、ヒータ3は
金属膜により被覆された状態にある。
【0038】レジスト膜除去後、大気中、好ましくは高
酸素濃度雰囲気中で焼成して金属膜を酸化させることに
より、アルミナ(Al2 3 )、シリカ(SiO2 )及びア
ルミナ・シリカ(3Al2 3 ・2SiO2 )等の金属酸化
物からなる電気絶縁性薄膜5を形成する。焼成温度は6
50〜900℃が好ましく、焼成時間は1〜3時間であ
るのが好ましい。焼成温度が600℃未満では、金属酸
化物の形成が困難となり、また900℃を超えると、P
t電極膜が破損する恐れが生じる。また、焼成時間が1
時間未満では、金属酸化物の形成が困難となり、また3
時間を超えても工程時間が長くなるだけである。特に好
ましい焼成条件は、750 〜850 ℃で、2〜3時間であ
る。
【0039】次に、ヒータ3のリード線取り付け部、及
び電極のリード線取り付け部に、フォトレジスト法等に
よりレジスト膜を形成してマスキングした後、電極6上
にスパッタリング法、CVD法等の蒸着法、ゾルゲル
法、溶液法等の公知の方法によりガス感応膜8を形成す
る。
【0040】最後に電極6及びヒータ3のリード取り付
け部のレジスト膜を剥離液により剥離した後、それぞれ
にリード線を溶接することにより本発明のガス検知素子
を得ることができる。
【0041】以上、本発明を添付図面を参照にして説明
してきたが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想
を逸脱しないかぎり種々変更できる。
【0042】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0043】実施例1及び比較例1 ガス検知素子の基板として厚さ約250 μmで1.5 mm×1.
5 mmのアルミナ基板を用意した。この基板の片面に、フ
ォトリソグラフィー法により、図1に示すようなパター
ンに薄膜状Ptヒータ(厚さ2000オングストローム)及
び一対の薄膜状Pt電極(厚さ2000オングストローム)
を形成した。
【0044】このようにしてヒータと電極とを形成した
基板の電極部と、ヒータのリード線取り付け部とをレジ
スト膜によりマスキングし、アルミニウムを真空蒸着し
て、厚さ約1500オングストロームのアルミニウム膜を形
成した。
【0045】この基板上のレジスト膜を剥離液により剥
離することにより、レジスト膜上のアルミニウム膜を除
去し、ヒータ部を被覆するようにアルミニウム薄膜を残
存させた。
【0046】続いて、この基板を850 ℃で、2時間、大
気中にて焼成し、アルミニウム薄膜を酸化させ、Al2
3 による電気絶縁性薄膜を形成した。
【0047】次に、ヒータ及び電極のリード線取り付け
部をレジスト膜によりマスキングし、SnO2 からなる
厚さ4000オングストロームのガス感応膜をスパッタリン
グ法により形成した。
【0048】このようにしてガス感応膜を形成した後、
ヒータ及び電極のリード線取り付け部のレジスト膜を剥
離液により剥離し、続いてヒータ及び電極のリード線取
り付け部に50μmの径のPt線をマイクロ溶接し、ガス
検知素子を得た。
【0049】このようにして得られたガス検知素子を、
ヒータにより400 ℃に加熱し、通常作動温度を約400 ℃
に設定した時のガス検知素子の基板の表面温度分布を放
射温度計により測定した。また比較のために、実施例1
と同様のガス感応膜を有する図4に示すような構造によ
る従来のガス検知素子(比較例1)の基板の素子温度分
布を測定した。結果を図3に示す。
【0050】図3から明らかなように、本発明のガス検
知素子は、従来のガス検知素子と比べて、温度分布が均
一であり、ガス感応膜にほとんど熱ストレスが生じな
い。
【0051】実施例2及び比較例2 実施例1のガス検知素子を作動温度400 ℃として、設定
電圧状態と、無通電状態とのON−OFFサイクル試験
を行い、エアーレベルでの素子の抵抗値の変動を調べ
た。結果を図4に示す。なお、ON−OFFの1サイク
ルはON状態で1分保持、OFF状態で1分保持の計2
分である。
【0052】また比較のために、比較例1のガス検知素
子の素子抵抗値の変動を、実施例2と同様にして調べ
た。結果を図4に示す。
【0053】図3から明らかなように、本発明のガス検
知素子は、従来のガス検知素子と比べて、素子抵抗値の
変動が少なく、安定性に優れているのがわかる。
【0054】
【発明の効果】以上の構成からなる本発明のガス検知素
子は、以下の効果を有する。
【0055】(1) 基板の片面にヒータ、電極及びガス感
応膜が形成されているため、素子の製造工程の自動化、
量産化が非常に容易となる。特にリード取り付け工程を
基板の片面に対してのみ行えばよいので、自動化に好適
である。
【0056】(2) ヒータが基板周縁部に形成されている
ため、基板の温度分布がほぼ均一である。そのため、ガ
ス感応膜に熱応力がほとんど発生しないので、素子抵抗
の安定性が大幅に改善される。
【0057】(3) ヒータとガス感応膜とが金属酸化物層
により絶縁されているため、ヒータ部からの洩れ電流が
無く、ガス感知時のガス感応膜抵抗変化量が効率よく出
力として取り出せる。また、リード線とヒータ部との短
絡もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガス検知素子を示す概
略断面図である。
【図2】図1のガス検知素子において、ガス感応膜の形
成前の状態を示す平面図である。
【図3】実施例1と比較例1におけるガス検知素子の基
板の表面の温度分布を示すグラフである。
【図4】実施例2と比較例2におけるガス検知素子の素
子抵抗値の変動を示すグラフである。
【図5】従来のガス検知素子の一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1、51・・・ガス検知素子 2、52・・・基板 3、56・・・ヒータ 4、7、54、57・・・リード線 5・・・電気絶縁性薄膜 6、6′、53、53′・・・電極 8、55・・・ガス感応膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の高い基板と、前記基板の一
    方の面の周縁部に所定のパターンに形成されたヒータ
    と、前記ヒータに接続するリード線と、前記ヒータを被
    覆する形状に形成された金属酸化物からなる電気絶縁性
    薄膜と、前記ヒータの形成パターンの内側に形成された
    一対の対向電極と、前記一対の電極に接続するリード線
    と、前記一対の電極の少なくとも一部分を覆うとともに
    前記電極間に延在するガス感応膜とを有することを特徴
    とするガス検知素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のガス検知素子におい
    て、前記金属酸化物からなる電気絶縁性薄膜が、SiO2
    及び/又はAl2 3 を主成分とすることを特徴とするガ
    ス検知素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のガス検知素子の
    製造方法であって、(a) 電気絶縁性の高い基板の周縁部
    に所定のパターンのヒータと、前記ヒータの形成パター
    ンの内側に一対の対向電極とを形成し、(b) 前記ヒータ
    を被覆する形状の金属薄膜を気相成膜し、(c) 続いて酸
    化性雰囲気中で焼成して前記金属薄膜を酸化させること
    により電気絶縁性金属酸化物とし、(d) 前記一対の対向
    電極の少なくとも一部分を覆うとともに前記対向電極間
    に延在するガス感応膜を形成することを特徴とするガス
    検知素子の製造方法。
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