JP2983502B2 - 温度センサ素子および同素子を備えた温度センサ - Google Patents

温度センサ素子および同素子を備えた温度センサ

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JP2983502B2
JP2983502B2 JP9281760A JP28176097A JP2983502B2 JP 2983502 B2 JP2983502 B2 JP 2983502B2 JP 9281760 A JP9281760 A JP 9281760A JP 28176097 A JP28176097 A JP 28176097A JP 2983502 B2 JP2983502 B2 JP 2983502B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度センサ素子、
および同素子を用いた温度センサに関するもので、特に
耐熱性、熱応答性、および信頼性に優れた温度センサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の観点から、自動車エン
ジンの排気ガスはできる限り浄化して大気中に放出する
ことが要求されている。そのために排気系統に触媒コン
バーターを取り付けて排気ガスを無害なガスに浄化して
排出している。その場合に浄化効率、すなわち触媒性能
を高めるには、触媒温度を正確に測定する必要がある。
そのための温度センサ素子は、耐熱性に優れ、熱応答性
が速く、抵抗値の経時変化の小さい信頼性の高いもので
あることが必要である。この種の温度センサ素子の1つ
として、図16に示すような構成のものが知られてい
る。この温度センサ素子200は、直線型、非直線型、
負特性型または正特性型を示す感熱体201の焼結体
と、一対の貴金属のリード線202とを一体化したもの
である。この温度センサ素子200は、次のようにして
製造される。すなわち、所定の組成比になるように混合
した原料を仮焼成した後、それを粉砕した粉末を所定の
形状に成形する。この成形体に貴金属のリード線202
を挿入し、1600℃以上の高温で本焼成する。
【0003】このようにして得られる温度センサ素子2
00を用いた温度センサの構造を図17に示す。温度セ
ンサ素子200の貴金属のリード線202を接続した一
対の引き出し用のリード線203は、金属製のハウジン
グ205内の電気絶縁碍子204に固定されている。ハ
ウジング205の一端には、素子200を覆う耐熱金属
製のキャップ208が溶接してあり、ハウジング205
の他端には、被温度測定物に温度センサを固定するため
の金属製フランジ206が固定されている。207は、
リード線203と、ハウジング205およびフランジ2
06とを絶縁する電気絶縁碍子である(例えば、特開平
6−283310号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の温
度センサ素子を有する温度センサは、自動車の触媒コン
バーターに利用しようとすると、熱応答性が悪いという
問題があった。これは、感熱体201が粉末成形体の焼
結体であるために、形状と熱容量が大きい上に、温度セ
ンサ素子200に耐熱性のキャップ208をかぶせてい
るからである。また、この従来の温度センサから耐熱金
属製のキャップ208を除去すると、2本のリード線2
02の間に排気ガス中のカーボンが付着し、リード線2
02間で短絡するという問題があった。本発明は、これ
らの問題点を解消するもので、耐熱性に優れ、熱応答性
が速く、抵抗値が安定し、かつその経時変化の小さい信
頼性の高い温度センサ素子とそれを有する温度センサを
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度に応じて
電気抵抗が変化する感熱性材料からなる感熱膜、および
感熱膜の電気抵抗を測定するための電極膜を薄膜で構成
するとともに、電極膜を感熱膜の膜厚方向の電気抵抗を
測定するように配列することにより、熱応答性が速く、
抵抗値が安定し、かつその経時変化の小さい信頼性の高
い温度センサ素子を提供する。本発明の第1のタイプの
温度センサ素子は、温度に応じて電気抵抗が変化する感
熱性材料からなる感熱膜、リード取り出し部を有し、端
部が前記感熱膜を介して対向する一対の電極膜、前記感
熱膜および電極膜を支持する耐熱性絶縁材からなる基
板、並びに前記感熱膜および電極膜を、電極膜のリード
取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を
具備する。
【0006】本発明の第2のタイプの温度センサ素子
は、温度に応じて電気抵抗が変化する感熱性材料からな
る感熱膜、リード取り出し部を有し、端部が前記感熱膜
の一方の面に接触する一対の電極膜、前記感熱膜の他方
の面において前記一対の電極膜の端部と対向する第3の
電極膜、前記感熱膜、一対の電極膜および第3の電極膜
を支持する耐熱性絶縁材からなる基板、並びに前記感熱
膜、一対の電極膜および第3の電極膜を、一対の電極膜
のリード取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材から
なる膜を具備する。
【0007】本発明は、また感熱性材料に式(Al
1-xーyCrxFey23(0.05≦x+y≦ 0.9
5、0≦y/(x+y)≦0.6)で表されるコランダ
ム型結晶構造の酸化物を用いた温度センサ素子を提供す
る。さらに、本発明は、薄膜化技術により前記の式で表
される酸化物からなる膜を形成した後、これを焼結して
コランダム型結晶構造に変化させる工程を有する温度セ
ンサ素子の製造方法を提供する。すなわち、前記の感熱
膜を形成するに先だって、式(Al1-xーyCrxFey
2O 3(0≦x+y≦ 0.95)で表される拡散防止膜
を成膜し、加熱処理によりコランダム型結晶構造に変化
させ、その後に感熱膜を成膜し、加熱処理をする。これ
によって、電極膜材料が感熱膜に拡散し、感熱膜の特性
を損なうのを防止し、経時変化の小さい信頼性の高い温
度センサ素子を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の温度センサ素子は、上記
のように、基本的には感熱膜、前記感熱膜の厚み方向の
電気抵抗を検知するように配列された電極膜、これらを
支持する電気絶縁性の基板、および前記感熱膜と電極膜
を電極膜のリード取り出し部を除いて被覆する電気絶縁
性膜から構成される。さらに、本発明の好ましい態様の
温度センサ素子は、前記感熱膜と、基板側に位置する電
極膜との間に、拡散防止膜を有する。
【0009】本発明の温度センサ素子の製造方法は、耐
熱性絶縁材からなる基板上に、リード取り出し部を有す
る電極膜を形成する工程、前記電極膜の端部を覆うよう
に式(Al1-xーyCrxFey23(0≦x+y≦0.
95)で表される酸化物からなる拡散防止膜を成膜し、
これを1000〜1300℃で熱処理する工程、前記拡
散防止膜上に式(Al1-xーyCrxFey23(0.0
5≦x +y≦0.95、0≦y/(x+y)≦0.
6)で表される感熱膜を成膜し、これを1000〜13
00℃で熱処理する工程、端部が前記感熱膜および拡散
防止膜を介して前記電極膜と対向するように、リード取
り出し部を有する電極膜を形成する工程、並びに前記感
熱膜および両電極膜を、電極膜のリード取り出し部を除
いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を形成する工程を
有する。
【0010】本発明の温度センサ素子の他の製造方法
は、耐熱性絶縁材からなる基板上に、リード取り出し部
を有する一対の電極膜を形成する工程、前記一対の電極
膜の端部を覆うように式(Al1-xーyCrxFey23
(0≦x+y≦0.95)で表される酸化物からなる拡
散防止膜を成膜し、これを1000〜1300℃で熱処
理する工程、前記拡散防止膜上に式(Al1-xーyCrx
y23(0.05≦x +y≦0.95、0≦y/
(x+y)≦0.6)で表される感熱膜を成膜し、これ
を1000〜1300℃で熱処理する工程、前記感熱膜
上に前記一対の電極膜の端部と対向させて第3の電極膜
を形成する工程、並びに前記感熱膜、一対の電極膜およ
び第3の電極膜を、一対の電極膜のリード取り出し部を
除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を形成する工程
を有する。本発明のさらに他の温度センサ素子の製造方
法は、耐熱性絶縁材からなる基板上に、第3の電極膜を
形成する工程、第3の電極膜上に式(Al1-xーyCrx
y23(0≦x+y≦0.95)で表される酸化物
からなる拡散防止膜を成膜し、これを1000〜130
0℃で熱処理する工程、前記拡散防止膜上に式(Al1-
xーyCrxFey23(0.05≦x +y≦0.95、
0≦y/(x+y)≦0.6)で表される感熱膜を成膜
し、これを1000〜1300℃で熱処理する工程、端
部を前記感熱膜および拡散防止膜を介して前記第3の電
極膜と対向させてリード取り出し部を有する一対の電極
膜を形成する工程、並びに前記感熱膜、一対の電極膜お
よび第3の電極膜を、一対の電極膜のリード取り出し部
を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を形成する工
程を有する。
【0011】本発明の温度センサは、上記の温度センサ
素子、被温度測定物に温度センサを固定するための金属
フランジ、温度センサ素子のリード取り出し部側を覆い
金属フランジに固定された金属ハウジング、電極膜のリ
ード取り出し部に接続されたリード線、温度センサ素子
の金属ハウジングから露出する部分を覆うカバー、なら
びに、金属ハウジング内においてリード取り出し部を金
属ハウジングおよび金属フランジから絶縁する電気絶縁
碍子を具備する。
【0012】本発明に用いられる好ましい感熱膜は、A
23にCrまたはCrとFeを固溶したコランダム型
結晶構造の酸化物で、式(Al1-xーyCrxFey23
で表され、0.05≦x+y≦0.95、および0≦y
/(x+y)≦0.6を満足する条件において、後述の
実施例のものと同等の熱応答性および耐久性が得られ
る。 また、拡散防止膜は、Al23単独か、もしくは
Al23にCrまたはFeまたはCrとFeを固溶した
コランダム型結晶構造の酸化物で、式(Al1-xーyCrx
Fey23(0≦x+y≦0.95)で表されるもの
が好ましい。
【0013】前記の感熱膜を電極膜上に成膜し、100
0〜1300℃の温度で加熱処理によりコランダム型結
晶構造に変化させる際、電極膜の材料が感熱膜中に拡散
する。拡散防止膜は、感熱膜への電極膜材料の拡散を防
止し、感熱膜が所定の特性を発揮させるために設けられ
る。この拡散防止膜を1000〜1300℃の温度で熱
処理して、ひとたびコランダム型結晶構造の膜になれ
ば、その上に感熱膜を形成しても、拡散防止膜から電極
成分が感熱膜中に拡散することはない。また、感熱膜
は、前記の熱処理によりコランダム型結晶構造に変化す
れば粒界のない均一な組織となり、この上に直接電極膜
を形成しても電極膜材料が感熱膜中へ拡散することは殆
どない。拡散防止膜は、前記のとおり感熱膜とほぼ同じ
組成であることが好ましい。感熱膜の熱処理の際感熱膜
と拡散防止膜との間でCrやFeの相互拡散が生じない
からである。しかし、Al23のような絶縁物の組成で
あってもよい。拡散防止膜の熱処理の際、その下側に位
置する電極膜材料が膜中に拡散し、導電性を有するよう
になる。このため、感熱膜と拡散防止膜とを挟む電極膜
間の電気抵抗は実質的には感熱膜の電気抵抗となる。感
熱膜および拡散防止膜の形成には、アルミニウム、クロ
ム、鉄のそれぞれの有機金属化合物の単独または混合蒸
気からなる原料ガスと酸素ガスを用いたプラズマ有機金
属化学蒸着(MOCVD)法が好適に用いられる。
【0014】基板および電気絶縁性膜には、特にアルミ
ナが好適に用いられる。この他炭化ケイ素(SiC)、
窒化ケイ素(Si34)、ジルコニア(ZrO2)、シ
リカ(SiO2)、ムライト(3Al23・2Si
2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、フォルステ
ライト(2MgO・SiO2)、サイアロン(Si34
・Al23)、MgO・Al23等の耐熱性電気絶縁材
が用いられる。電極膜には、白金、金、タンタル、レニ
ウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、パラジウム、およびタングステンからなる群より選
ばれた少なくとも一種の金属単体、二種以上の合金また
は化合物の薄膜が用いられる。そして、これらの薄膜の
形成方法としては、後述の実施例に示すRFスパッタリ
ング法が好適に用いられる。その他、真空蒸着法、EB
蒸着法、対抗スパッタリング法またはペーストによるス
クリーン印刷法で形成することもできる。また、感熱
膜、拡散防止膜および電気絶縁性膜を形成する方法とし
ては、後述の実施例に示すプラズマCVD法が好適に用
いられる。その他、熱CVD法、真空蒸着法、反応蒸着
法、RFスパッタリング法、反応スパッタリング法およ
び対抗スパッタリング法の薄膜形成法で成膜することも
できる。
【0015】本発明の温度センサ素子は、電極膜を感熱
膜の厚み方向の電気抵抗を測定するように配列している
ため、電極膜間の距離を数百オングストロームのオーダ
ーで制御できる。従って、感熱膜の面積方向の電気抵抗
を測定する方式に比べて格段に電極間の距離を狭くする
ことができる。このため電気抵抗の比較的大きな感熱性
材料からなる感熱膜を用いるのに有利である。前記のコ
ランダム型結晶構造の酸化物の電気抵抗は、800℃に
おいて100〜105Ω/cmである。この酸化物からな
る感熱膜の好ましい膜厚は、0.5〜10μmである。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本発明の温度センサ素子および温度センサは、以
下の実施例に示すものに限定されるものではなく、種々
の変形が可能であることは言うまでもない。なお、素子
の構造を示す図面は、説明の便宜上のものであって、各
要素のサイズや形状は必ずしも正確に表されていない。 《実施例1》図1は本実施例における感熱膜を用いた温
度センサ素子の断面図であり、図2はその分解斜視図で
ある。そして、図1は図2の点線で示す部分で切った断
面図である。このセンサ素子1は、感熱膜3、端部が感
熱膜3を介して対向する一対の電極膜4a、4b、これ
らを支持するアルミナからなる細長い矩形の基板2、並
びに、感熱膜3の全体と後記リード接合部を除いて電極
膜4a、4bを覆うアルミナからなる絶縁膜5から構成
されている。基板2のサイズは、横幅5mm、長さ50
mm、厚さ0.8mmである。感熱膜3の大きさは4.
0×3.0mmで、厚さは2μmである。白金からなる
電極膜は、厚さは5000オングストロームである。電
気絶縁膜5は、厚さが2μmである。
【0017】図3は、この温度センサ素子1を備えた温
度センサを示す。温度センサ素子1は、その電極膜4
a、4bの露出した側が円筒形の金属製ハウジング10
に挿入され、このハウジング10内でさらに電気絶縁碍
子11の穴13内に挿入されている。そして、電極膜4
a、4bはそれぞれリード線14a、14bに接続され
ている。このリード線14a、14bは、電気絶縁碍子
11および電気絶縁碍子12を貫通し、リード線15
a、15bに接続されている。ハウジング10は、電気
絶縁碍子12を固定したフランジ16に溶接によって取
り付けられている。また、ハウジング10には、素子1
を外部衝撃から保護するための円筒形の穴あきカバー1
7が溶接されている。なお、ハウジング10の素子1を
挿入する開口部および電気絶縁碍子11の穴13の開口
部は、素子1に密着する大きさとしてある。これによっ
て、素子1のリード取り出し部は外気との接触は実質的
になく、この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子1の熱容量が小さく、しかも穴あき
カバー17の中にあるため、感熱膜3が厚さ2μmの電
気絶縁膜5を介して直接外気の熱が伝わるため、高い応
答性が期待できる。
【0018】この温度センサ素子1の具体的な製造方法
を以下に説明する。本実施例においては、感熱膜3およ
び電気絶縁膜5はプラズマCVD法によって、また電極
膜4a,4bはRFスパッタリング法によってそれぞれ
形成した。図4はプラズマCVD装置を示す。まず、チ
ャンバー61内の基板ホルダー62上に、後記のように
電極膜4aを形成したアルミナ基板2およびその上にメ
タルマスク73をセットし、真空ポンプ63によってチ
ャンバー61内を1Paにまで排気しながら、ヒーター
64によって基板2を400℃にまで加熱した。基板温
度が安定した後、原料ガス供給装置65よりアルミニウ
ムアセチルアセトナートの蒸気を、原料ガス供給装置6
6よりクロムアセチルアセトナートの蒸気を、また原料
ガス供給装置67より鉄アセチルアセトナートの蒸気
を、それぞれキャリアガス(窒素)によりチャンバー6
1内に供給し、供給路68からの反応ガス酸素とともに
供給ノズル69によってアルミナ基板2上に導入した。
チャンバー61内を10Paの真空度に保ち、基板回転
モーター70により基板ホルダー62を60回転/分で
回転させながら、高周波電源71を作動させて、電極7
2と基板ホルダー62の間にプラズマを20分間発生さ
せた。これによって、アルミナ基板2上のメタルマスク
で覆われていない部分に、アルミニウム、クロム、およ
び鉄の酸化物からなる、Al:Cr:Feの原子比が
0.72:0.15:0.13の感熱膜3が形成され
た。こうして得られた感熱膜3を結晶化するため、大気
雰囲気にした電気炉内において1200℃で3時間熱処
理した。その結果、アルミニウム、クロム、および鉄の
酸化物の、コランダム構造の薄膜が得られた。
【0019】電極膜は図5に示すRFスパッタリング装
置を用いて形成した。まず、チャンバー81内の基板ホ
ルダー82上に、アルミナ基板2または一方の電極膜4
aと感熱膜3を形成したアルミナ基板2、およびその上
にメタルマスク91を取り付け、真空ポンプ83によっ
てチャンバー81内を2×10-4Paにまで排気しなが
ら、ヒーター84によって基板2を400℃にまで加熱
した。基板温度が安定した後、スパッタガスであるアル
ゴンを供給路85からチャンバー81内に導入し、真空
度を1.0Paに保ち、基板回転モーター88により基
板ホルダー82を5回転/分で回転させながら、高周波
電源89を作動させて、白金のターゲット90を10分
間スパッタリングした。これによって、基板2上のメタ
ルマスクで覆われていない部分に、白金の電極膜4aま
たは4bが形成された。
【0020】次に、再び図4のプラズマCVD装置を用
いて、アルミナ基板2上の感熱膜3および電極膜4a、
4bの特定部分にアルミナの電気絶縁膜5を形成した。
すなわち、チャンバー内の基板ホルダー62上に、感熱
膜3および電極膜4a、4bが形成されたアルミナ基板
2と、メタルマスクを取り付け、チャンバー内を1Pa
にまで排気しながら、ヒーターによって基板を400℃
にまで加熱した。そして、原料供給装置65より窒素を
キャリアガスとしてアルミニウムアセチルアセトナート
の蒸気を、また供給路68より酸素をそれぞれ基板2上
に導入した。チャンバー内を8Paの真空度に保ち、基
板ホルダー64の回転速度を60回転/分として、電極
72と基板ホルダー64の間にプラズマを20分間発生
させた。こうしてアルミナの電気絶縁膜5を形成した。
【0021】《比較例1》Al23、Cr23、および
Fe23の粉末を所定の割合で混合し、これを仮焼成し
た後、粉砕し、その粉末を成形した。この成形体にリー
ド線202となる2本の白金製パイプを挿入し、160
0℃で本焼成して、図16に示すようなセンサ素子20
0を作製した。この感熱体201は、Al:Cr:Fe
の原子比が0.7:0.15:0.15のコランダム型
の結晶構造の焼結体である。焼結体のサイズは、直径
3.7mm、厚さ2mmの円盤である。この素子200
を用いて図17に示す構造の温度センサを作製した。
【0022】上記実施例1の温度センサ素子1を用いた
温度センサと、比較例1の温度センサの熱応答性を次の
ようにして比較した。すなわち、温度センサの2本のリ
ード線をセンサ温度検出回路に接続し、そのセンサ温度
検出回路の出力端子にレコーダを接続した。そして、室
温の温度センサをあらかじめ350℃、500℃、また
は800℃に保持した高温槽に瞬時に入れて、測定温度
がそれぞれ350℃、500℃、または800℃にまで
上昇し一定値を示すまでの時間を計測した。測定は5回
行い、平均値で比較した。測定結果を表1に示す。
【0023】表1に示すように、比較例1の温度センサ
の熱応答性は、室温から350℃、室温から500℃、
および室温から800℃に昇温する時間(熱応答性)
は、それぞれ5.0秒、8.3秒、および12.5秒で
あった。これに対して、実施例1の温度センサの熱応答
性は、それぞれ3.3秒、4.6秒、および6.8秒で
あり、どの温度域においても実施例1の熱応答性が優れ
ていた。また、実施例1の温度センサの経時変化につい
て調べるため、室温から800℃までのヒートサイクル
を100回繰り返した後、再び上記の熱応答性を測定し
た。その結果、室温から350℃、室温から500℃、
および室温から800℃に昇温する時間(熱応答性)
は、いずれも上記の測定結果の±0.5秒の範囲に収ま
り、経時変化が認められないことが確認された。
【0024】《実施例2》図6および図7は本実施例の
温度センサ素子21を示す。この温度センサ素子21
は、アルミナからなる基板22上に、白金からなる第3
の電極膜26を設け、その上に順次感熱膜23、電極膜
24aと24b、およびアルミナからなる電気絶縁膜2
5を設けたものである。第3の電極膜26は、大きさは
3.5×2.5mmであり、厚さは5000オングスト
ロームである。電極膜26以外の要素のサイズや製膜条
件は実施例1と同じである。また、電極膜26の製膜条
件は、電極膜24a、24bと同様である。この構成に
よると、一対の電極膜24a、24b間の電流は、電極
膜24a−感熱膜23−電極膜26−電極膜24bと流
れるから、電極膜24a、24bと電極膜26間の感熱
膜の抵抗値を測定できる。この温度センサ素子21を用
いて図3のような温度センサを作製し、実施例1と同様
にして熱応答性を調べた。その結果を表1に示す。表1
から明らかなように、どの温度域においても比較例に比
べて熱応答性が優れている。また、室温から800℃ま
でのヒートサイクルを100回繰り返した後の熱応答性
についてもその変化は±0.5秒の範囲に収まった。
【0025】《実施例3》図8および図9は本実施例の
温度センサ素子31を示す。この素子は、アルミナから
なる基板32上に、電極膜34aと34b、感熱膜3
3、第3の電極膜36、アルミナからなる電気絶縁膜3
5を設けたものである。電極膜34a、34bと第3の
電極膜36の位置が入れ替わった他は実施例2のものと
同じである。この温度センサ素子31を用いて図3のよ
うな温度センサを作製し、実施例1と同様にして熱応答
性を調べた。その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、どの温度域においても比較例1に比べて熱応答
性が優れている。また、室温から800℃までのヒート
サイクルを100回繰り返した後の熱応答性についても
その変化は±0.5秒の範囲に収まった。
【0026】《実施例4》図10および図11は本実施
例における温度センサ素子111を示す。このセンサ素
子111は、アルミナからなる細長い矩形の基板11
2、基板112上に設けた第3の電極膜116、電極膜
116の全体を覆う拡散防止膜117、拡散防止膜全体
を覆う感熱膜113、一端が感熱膜113に接触して基
板の長手方向に伸長する一対の電極膜114aと114
b、および、感熱膜113の全体とリード接合部を除い
た電極膜114a、114bを覆うアルミナからなる絶
縁膜115から構成されている。基板112のサイズ
は、横幅5mm、長さ50mm、厚さ0.8mmであ
る。第3の電極膜の大きさは3.0×2.0mmで、厚
さは5000オングストロームである。拡散防止膜11
7の大きさは3.5×2.5mmで、厚さは2μmであ
る。感熱膜113の大きさは4.0×3.0mmで、厚
さは2μmである。白金からなる一対の電極膜114
a,114bは、感熱膜113上における電極膜間隔は
0.5mmであり、厚さは10μmである。電気絶縁膜
115は、厚さが2μmである。
【0027】この温度センサ素子111の具体的な製造
方法を以下に説明する。本実施例においては、拡散防止
膜117、感熱膜113、および電気絶縁膜115はプ
ラズマCVD法によって、また第3の電極膜116はR
Fスパッタリング法によって、また一対の電極膜114
a,114bは白金ペーストを印刷する方法によってそ
れぞれ形成した。図5に示すRFスパッタリング装置を
用いて第3の電極膜116を形成した。まず、チャンバ
ー81内の基板ホルダー82上に、アルミナ基板112
と、さらにその上にメタルマスク91を取り付け、真空
ポンプ83によってチャンバー81内を2×10-4Pa
にまで排気しながら、ヒーター84によって基板112
を400℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、ス
パッタガスであるアルゴンを供給路85からチャンバー
81内に導入し、真空度を1.0Paに保ち、基板回転
モーター88により基板ホルダー82を5回転/分で回
転させながら、高周波電源89を作動させて、白金のタ
ーゲット90を10分間スパッタリングした。これによ
って、基板112上のメタルマスクで覆われていない部
分に、白金の電極膜116が形成された。
【0028】次に、図4に示すプラズマCVD装置を用
いて、電極膜116の付いたアルミナ基板112上に拡
散防止膜117を形成した。まず、チャンバー61内の
基板ホルダー62上に、電極膜116の付いたアルミナ
基板112およびその上にメタルマスク73をセット
し、真空ポンプ63によってチャンバー61内を1Pa
にまで排気しながら、ヒーター64によって基板112
を400℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、原
料ガス供給装置65よりアルミニウムアセチルアセトナ
ートの蒸気を、原料ガス供給装置66よりクロムアセチ
ルアセトナートの蒸気を、また原料ガス供給装置67よ
り鉄アセチルアセトナートの蒸気を、それぞれキャリア
ガス(窒素)によりチャンバー61内に供給し、供給路
68からの反応ガス酸素とともに供給ノズル69によっ
てアルミナ基板112上に導入した。チャンバー61内
を10Paの真空度に保ち、基板回転モーター70によ
り基板ホルダー62を60回転/分で回転させながら、
高周波電源71を作動させて、電極72と基板ホルダー
62の間にプラズマを20分間発生させた。これによっ
て、アルミナ基板上のメタルマスクで覆われていない部
分に、アルミニウム、クロム、および鉄の酸化物からな
る、Al:Cr:Feの原子比が0.80:0.15:
0.05の拡散防止膜117が形成された。こうして得
られた拡散防止膜117を結晶化するため、大気雰囲気
にした電気炉内において1200℃で3時間熱処理し
た。その結果、アルミニウム、クロム、および鉄の酸化
物の、コランダム構造の薄膜が得られた。
【0029】次に、同じ図4に示すプラズマCVD装置
を用いて、拡散防止膜117および電極膜116の付い
たアルミナ基板112上に感熱膜113を形成した。感
熱膜の成膜条件は、原料ガスであるアルミニウムアセチ
ルアセトナート、クロムアセチルアセトナート、および
鉄アセチルアセトナートの蒸気の供給割合が異なる他は
前記の拡散防止膜の成膜条件と同じである。Al:C
r:Feの原子比が0.70:0.20:0.10の感
熱膜113を形成した。この感熱膜113を結晶化する
ため、大気雰囲気にした電気炉内において1200℃で
3時間熱処理した。その結果、アルミニウム、クロム、
および鉄の酸化物の、コランダム構造の薄膜が得られ
た。次に、一対の電極膜114a、114bをPtペー
ストを印刷する方法によって形成した。すなわち、電極
膜116、拡散防止膜117、感熱膜113の形成され
たアルミナ基板112上の所定の場所に、スクリーン印
刷によって一対の電極膜114a、114bのパターン
を印刷した。150℃の乾燥器中でペースト中の溶剤を
蒸発、乾燥させた後、大気雰囲気にした電気炉内におい
て1200℃で10分間熱処理して焼結させ、Ptによ
る電極膜114a、114bを形成した。
【0030】次に、再び図4のプラズマCVD装置を用
いて、アルミナ基板112上の電極膜116、拡散防止
膜117、感熱膜113および電極膜114a、114
bの特定部分にアルミナの電気絶縁膜115を形成し
た。すなわち、チャンバー内の基板ホルダー62上に、
電極膜116、拡散防止膜117、感熱膜113および
電極膜114a、114bが形成されたアルミナ基板1
12と、メタルマスクを取り付け、チャンバー内を1P
aにまで排気しながら、ヒーターによって基板を400
℃にまで加熱した。そして、原料供給装置65より窒素
をキャリアガスとしてアルミニウムアセチルアセトナー
トの蒸気を、また供給路68より酸素をそれぞれ基板2
上に導入した。チャンバー内を8Paの真空度に保ち、
基板ホルダー64の回転速度を60回転/分として、電
極72と基板ホルダー64の間にプラズマを20分間発
生させた。こうしてアルミナの電気絶縁膜115を形成
した。
【0031】この構成によると、一対の電極膜114
a、114b間の電流は、電極膜114a−感熱膜11
3−拡散防止膜117−電極膜116−拡散防止膜11
7−感熱膜113−電極膜114bと流れるから、電極
膜114a、114bと電極膜116間の拡散防止膜と
感熱膜の抵抗値を測定できる。拡散防止膜117を電極
膜116と感熱膜113の間に設けることによって、高
温での電極膜の拡散によって生じる感熱膜の抵抗値の低
下を防ぐことができ、温度センサ素子の高温安定性と歩
留まりの向上に有効である。この温度センサ素子111
を用いて図3のような温度センサを作製した。この温度
センサについて、実施例1と同様にして熱応答性を調べ
た。その結果を表1に示す。表1から明らかなように、
どの温度域においても比較例に比べて熱応答性が優れて
いる。また、実施例1と同様に、室温から800℃まで
のヒートサイクルを100回繰り返した後、熱応答性を
調べた結果、室温から350℃、500℃、および80
0℃に昇温する時間は、いずれも±0.5秒の範囲に収
まり、経時変化が認められないことが確認された。
【0032】《実施例5》図12および図13は本実施
例の温度センサ素子121を示す。この素子は、アルミ
ナからなる基板122上に、電極膜124aと124
b、拡散防止膜127、感熱膜123、第3の電極膜1
26、およびアルミナからなる電気絶縁膜125を設け
たものである。電極膜124a、124bと第3の電極
膜126の位置が入れ替わり、電極膜の形成方法をすべ
てRFスパッタリング法にし、厚さを5000オングス
トロームにした以外は、実施例4のものと同じである。
拡散防止膜127を電極膜124a、124bと感熱膜
123の間に設けることによって、高温での電極膜の拡
散によって生じる感熱膜の抵抗値の低下を防ぐことがで
き、温度センサ素子の高温安定性と歩留まりの向上に有
効である。この温度センサ素子121を用いて図3のよ
うな温度センサを作製し、実施例6と同様にして熱応答
性を調べた。その結果を表1に示す。表1から明らかな
ように、どの温度域においても比較例に比べて熱応答性
が優れている。また、室温から800℃までのヒートサ
イクルを100回繰り返した後の熱応答性についてもそ
の変化は±0.5秒の範囲に収まった。
【0033】《実施例6》図14および図15は本実施
例の温度センサ素子131を示す。この温度センサ素子
131は、アルミナからなる基板132上に、順次電極
膜134a、拡散防止膜137、感熱膜133、電極膜
134b、およびアルミナからなる電気絶縁膜135を
設けた構成を有する。電極膜134a、134bで拡散
防止膜137と感熱膜133をサンドイッチする構成に
し、電極膜134a、134bの形成方法を両方ともP
tペーストのスクリーン印刷法にし、厚さを10μmに
した以外は、実施例4と同様にして作製したものであ
る。拡散防止膜137を電極膜134aと感熱膜133
の間に設けることによって、高温での電極膜の拡散によ
って生じる感熱膜の抵抗値の低下を防ぐことがでぎ、温
度センサ素子の高温安定性と歩留まりの向上に有効であ
る。この温度センサ素子131を用いて図3のような温
度センサを作製し、実施例6と同様にして熱応答性を調
べた。その結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に、どの温度域においても比較例に比べて熱応答性が優
れている。また、室温から800℃までのヒートサイク
ルを100回繰り返した後の熱応答性についてもその変
化は±0.5秒の範囲に収まった。
【0034】
【表1】
【0035】なお、上記の実施例においては、拡散防止
膜、感熱膜および電気絶縁性膜の基板上への成膜温度は
400℃で行ったが、この基板温度に限定されることは
ない。基板温度の範囲が200℃〜800℃の範囲であ
れば、同等の熱応答性および耐久性が得られる。また、
上記の実施例においては、拡散防止膜、および感熱膜の
結晶化のための大気中熱処理温度は1200℃で行った
が、この熱処理温度に限定されることはない。熱処理温
度の範囲が1000℃から1300℃であれば、同等の
結晶性を持つ拡散防止膜および感熱膜が得られる。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、小型で、
熱容量が小さく、従って熱応答性に優れた温度センサ素
子が得られる。また、本発明によれば、温度センサの熱
伝達抵抗が小さくなり、耐環境性が向上するので、熱応
答性および信頼性に優れた温度センサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の温度センサ素子の断面図で
ある。
【図2】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図3】同温度センサ素子を用いた温度センサの縦断面
図である。
【図4】実施例に用いたプラズマCVD装置の概略構成
を示す図である。
【図5】実施例に用いたRFスパッタリング装置の概略
構成を示す図である。
【図6】実施例2の温度センサ素子の断面図である。
【図7】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図8】実施例3の温度センサ素子の断面図である。
【図9】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図10】実施例4の温度センサ素子の断面図である。
【図11】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図12】実施例5の温度センサ素子の断面図である。
【図13】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図14】実施例6の温度センサ素子の断面図である。
【図15】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図16】従来の温度センサ素子の斜視図である。
【図17】同温度センサ素子を用いた温度センサの縦断
面図である。
【符号の説明】
1、21、31、111、121、131 温度センサ
素子 2、22、32、112、122、132 基板 3、23、33、113、123、133 感熱膜 4a、4b、24a、24b、34a、34b、54
a、54b、114a、114b、124a、124
b、134a、134b 電極膜 5、25、35、115、125、135 電気絶縁膜 26、36、116、126 第3の電極膜 117、127、137 拡散防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−82315(JP,A) 特開 昭64−1204(JP,A) 特開 平7−111206(JP,A) 特開 平7−335409(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/02 - 7/22

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(Al 1-x-y Cr x Fe y 2 3 (0.
    05≦x+y≦0.95、0≦y/(x+y)≦0.
    6)で表されるコランダム型結晶構造の酸化物からなる
    感熱膜、 リード取り出し部を有し、端部が前記感熱膜を介して対
    向する一対の電極膜、 前記感熱膜および電極膜を支持する耐熱性絶縁材からな
    る基板、並びに前記感熱膜および電極膜を、電極膜のリ
    ード取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる
    膜を具備することを特徴とする温度センサ素子。
  2. 【請求項2】 式(Al 1-x-y Cr x Fe y 2 3 (0.
    05≦x+y≦0.95、0≦y/(x+y)≦0.
    6)で表されるコランダム型結晶構造の酸化物からなる
    感熱膜、 リード取り出し部を有し、端部が前記感熱膜の一方の面
    に接触する一対の電極膜、 前記感熱膜の他方の面において前記一対の電極膜の端部
    と対向する第3の電極膜、 前記感熱膜、一対の電極膜および第3の電極膜を支持す
    る耐熱性絶縁材からなる基板、並びに前記感熱膜、一対
    の電極膜および第3の電極膜を、一対の電極膜のリード
    取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を
    具備することを特徴とする温度センサ素子。
  3. 【請求項3】 前記感熱膜と基板側に位置する一方の電
    極膜との間に、拡散防止膜を有する請求項1記載の温度
    センサ素子。
  4. 【請求項4】 前記感熱膜と基板側に位置する電極膜と
    の間に、拡散防止膜を有する請求項2記載の温度センサ
    素子。
  5. 【請求項5】 前記拡散防止膜が、式(Al1-x-yCrx
    Fey23(0≦x+y≦0.95)で表されるコラ
    ンダム型結晶構造の酸化物からなる請求項3または4記
    載の温度センサ素子。
  6. 【請求項6】 電極膜が白金、金、タンタル、レニウ
    ム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、
    パラジウム、およびタングステンからなる群より選ばれ
    た少なくとも一種の金属単体、二種以上の合金または化
    合物の薄膜からなる請求項1または2記載の温度センサ
    素子。
  7. 【請求項7】 耐熱性絶縁材からなる基板上に、リード
    取り出し部を有する電極膜を形成する工程、前記電極膜
    の端部を覆うように式(Al1-x-yCrxFey2
    3(0≦x+y≦0.95)で表される酸化物からなる
    拡散防止膜を成膜し、これを1000〜1300℃で熱
    処理する工程、前記拡散防止膜上に式(Al1-x-yCrx
    Fey23(0.05≦x+y≦0.95、0≦y/
    (x+y)≦0.6)で表される感熱膜を成膜し、これ
    を1000〜1300℃で熱処理する工程、端部が前記
    感熱膜および拡散防止膜を介して前記電極膜と対向する
    ように、リード取り出し部を有する電極膜を形成する工
    程、並びに前記感熱膜および両電極膜を、電極膜のリー
    ド取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜
    を形成する工程を有する温度センサ素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 耐熱性絶縁材からなる基板上に、リード
    取り出し部を有する一対の電極膜を形成する工程、前記
    一対の電極膜の端部を覆うように式(Al1-x-yCrx
    y23(0≦x+y≦0.95)で表される酸化物
    からなる拡散防止膜を成膜し、これを1000〜130
    0℃で熱処理する工程、前記拡散防止膜上に式(Al
    1-x-yCrxFey23(0.05≦x+y≦0.9
    5、0≦y/(x+y)≦0.6)で表される感熱膜を
    成膜し、これを1000〜1300℃で熱処理する工
    程、前記感熱膜上に前記一対の電極膜の端部と対向させ
    て第3の電極膜を形成する工程、並びに前記感熱膜、一
    対の電極膜および第3の電極膜を、一対の電極膜のリー
    ド取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜
    を形成する工程を有する温度センサ素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 耐熱性絶縁材からなる基板上に、第3の
    電極膜を形成する工程、第3の電極膜上に式(Al
    1-x-yCrxFey23(0≦x+y≦0.95)で表
    される酸化物からなる拡散防止膜を成膜し、これを10
    00〜1300℃で熱処理する工程、前記拡散防止膜上
    に式(Al1-x-yCrxFey23(0.05≦x+y
    ≦0.95、0≦y/(x+y)≦0.6)で表される
    感熱膜を成膜し、これを1000〜1300℃で熱処理
    する工程、端部を前記感熱膜を介して前記第3の電極膜
    と対向させてリード取り出し部を有する一対の電極膜を
    形成する工程、並びに前記感熱膜、一対の電極膜および
    第3の電極膜を、一対の電極膜のリード取り出し部を除
    いて被覆する耐熱性絶縁材からなる膜を形成する工程を
    有する温度センサ素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜のいずれかに記載の温度
    センサ素子、被温度測定物に温度センサを固定するため
    の金属フランジ、温度センサ素子のリード取り出し部側
    を覆い金属フランジに固定された金属ハウジング、電極
    膜のリード取り出し部に接続されたリード線、温度セン
    サ素子の金属ハウジングから露出する部分を覆うカバ
    ー、ならびに、金属ハウジング内においてリード取り出
    し部を金属ハウジングおよび金属フランジから絶縁する
    電気絶縁碍子を具備することを特徴とする温度センサ。
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