JP3459174B2 - 温度センサ素子および同素子を備えた温度センサ - Google Patents

温度センサ素子および同素子を備えた温度センサ

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JP3459174B2
JP3459174B2 JP13927298A JP13927298A JP3459174B2 JP 3459174 B2 JP3459174 B2 JP 3459174B2 JP 13927298 A JP13927298 A JP 13927298A JP 13927298 A JP13927298 A JP 13927298A JP 3459174 B2 JP3459174 B2 JP 3459174B2
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映志 藤井
秀雄 鳥井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、温度センサ素子、
および同素子を用いた温度センサに関するもので、特に
耐熱性、熱応答性、および信頼性に優れた温度センサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題の観点から、自動車エン
ジンの排気ガスはできる限り浄化して大気中に放出する
ことが要求されている。そのために排気系統に触媒コン
バーターを取り付けて排気ガスを無害なガスに浄化して
排出している。その場合に浄化効率、すなわち触媒性能
を高めるには、触媒温度を正確に測定する必要がある。
そのための温度センサ素子は、耐熱性に優れ、熱応答性
が速く、抵抗値の経時変化の小さい信頼性の高いもので
あることが必要である。
【0003】この種の温度センサ素子の1つとして、図
16に示すような構成のものが知られている。この温度
センサ素子200は、直線型、非直線型、負特性型また
は正特性型を示す感熱体201の焼結体と、一対の貴金
属のリード線202とを一体化したものである。この温
度センサ素子200は、次のようにして製造される。す
なわち、所定の組成比になるように混合した原料を仮焼
成した後、それを粉砕した粉末を所定の形状に成形す
る。この成形体に貴金属のリード線202を挿入し、1
600℃以上の高温で本焼成する。
【0004】このようにして得られる温度センサ素子2
00を用いた温度センサの構造を図17に示す。温度セ
ンサ素子200の貴金属のリード線202を接続した一
対の引き出し用のリード線203は、金属製のハウジン
グ205内の電気絶縁碍子204に固定されている。ハ
ウジング205の一端には、素子200を覆う耐熱金属
製のキャップ208が溶接してあり、ハウジング205
の他端には、被温度測定物に温度センサを固定するため
の金属製フランジ206が固定されている。207は、
リード線203と、ハウジング205およびフランジ2
06と絶縁する電気絶縁碍子である(例えば、特開平6
−283310号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成の温
度センサ素子を有する温度センサは、自動車の触媒コン
バーターに利用しようとすると、熱応答性が悪いという
問題があった。これは、感熱体201が焼結体であるた
めに、形状と熱容量が大きい上に、温度センサ素子20
0に耐熱性のキャップ208をかぶせているからであ
る。また、この従来の温度センサから耐熱金属製のキャ
ップ208を除去すると、2本のリード線202の間に
排気ガス中のカーボンが付着し、リード線202間で短
絡するという問題があった。さらに、この温度センサを
高温で長時間使用すると、耐熱金属製のキャップ208
内の酸素が酸化によって吸収されて、キャップ208内
が還元雰囲気になり、感熱体201の抵抗値が変化する
という問題があった。
【0006】本発明は、これらの問題点を解消するもの
で、耐熱性に優れ、熱応答性が速く、抵抗値が高温、還
元雰囲気で安定し、かつその経時変化の小さい信頼性の
高い温度センサ素子とそれを有する温度センサを提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、温度に応じて
電気抵抗が変化する感熱性材料の感熱膜と、前記感熱膜
と接触する少なくとも一対の電極膜と、前記感熱膜およ
び電極膜を支持する耐熱性絶縁材の基板と、前記感熱膜
および電極膜を前記電極膜のリード取り出し部を除いて
被覆する耐熱性絶縁材の膜を具備し、耐熱性絶縁材の別
の基板が、前記耐熱性絶縁材の膜に無機接着剤により接
着され、前記無機接着剤の一部が前記別の基板と前記基
板とにわたって存在し、前記耐熱性絶縁材の膜における
前記別の基板との対向部および側面部が前記無機接着剤
により覆われてなり、 前記電極膜のリード取り出し部を
除いて、前記耐熱性絶縁材の膜は、前記一対の基板に対
向する面部が前記一対の基板により覆われると共に、側
面部が前記無機接着剤により覆われ、 前記感熱膜は、前
記一対の基板に対向する面部が前記一対の基板により覆
われると共に、側面部が前記耐熱性絶縁材の膜および前
記無機接着剤により覆われ、前記感熱膜および前記耐熱
性絶縁膜が外気に接触しないように構成されたことを特
徴とする温度センサ素子である。又、本発明は、温度に
応じて電気抵抗が変化する感熱性材料の感熱膜と、前記
感熱膜と接触する拡散防止膜と、前記感熱膜および拡散
防止膜に接触する少なくとも一対の電極膜と、前記感熱
膜と拡散防止膜と電極膜とを支持する耐熱性絶縁材の基
板と、前記感熱膜、拡散防止膜および電極膜を前記電極
膜のリード取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材の
膜を具備し、 耐熱性絶縁材の別の基板が、前記耐熱性絶
縁材の膜に無機接着剤により接着され、前記無機接着剤
の一部が前記別の基板と前記基板とにわたって存在し、
前記耐熱性絶縁材の膜における前記別の基板との対向部
および側面部が前記無機接着剤により覆われ、 前記電極
膜のリード取り出し部を除いて、前記耐熱性絶縁材の膜
は、前記一対の基板に対向する面部が前記一対の基板に
より覆われると共に、側面部が前記無機接着剤により覆
われ、 前記感熱膜は、前記一対の基板に対向する面部が
前記一対の基板により覆われると共に、側面部が前記耐
熱性絶縁材の膜および前記無機接着剤により覆われ、前
記感熱膜および前記耐熱性絶縁膜が外気に接触しないよ
うに構成されたことを特徴とする温度センサ素子であ
る。
【0008】ここで、感熱膜には、式(Al1-xーyCrx
Fey23(0.05≦x+y≦0.95、0≦y/
(x+y)≦0.6)で、また拡散防止膜には、式(A
1- xーyCrxFey23(0≦x+y≦ 0.95)で
表される、ともにコランダム型結晶構造の酸化物が好適
に用いられる。
【0009】また、本発明は、耐熱性絶縁材の基板と、
その基板上の一方の端部側に設けられた感熱性材料の感
熱膜と、前記基板上に長手方向に設けられ前記感熱膜に
接触する少なくとも一対の電極膜と、前記電極膜のリー
ド取り出し部を除いて前記感熱膜および電極膜を被覆す
る耐熱性電気絶縁膜を具備し、耐熱性絶縁材の別の基板
が、前記耐熱性絶縁材の膜に無機接着剤により接着さ
れ、前記無機接着剤の一部が前記別の基板と前記基板と
にわたって存在し、前記耐熱性絶縁材の膜における前記
別の基板との対向部および側面部が前記無機接着剤によ
り覆われ、前記電極膜のリード取り出し部を除いて、前
記耐熱性絶縁材の膜は、前記一対の基板に対向する面部
が前記一対の基板により覆われると共に、側面部が前記
無機接着剤により覆われ、前記感熱膜は、前記一対の基
板に対向する面部が前記一対の基板により覆われると共
に、側面部が前記耐熱性絶縁材の膜および前記無機接着
剤により覆われ、前記感熱膜および前記耐熱性絶縁膜が
外気に接触しないように構成された温度センサ素子と、
被温度測定物に温度センサを固定するための金属フラン
ジと、 前記温度センサ素子のリード取り出し部側を覆い
前記金属フランジに固定された金属ハウジングと、 前記
電極膜のリード取り出し部に接続されたリード線と、
記温度センサ素子の金属ハウジングから露出する部分を
覆うカバーと、 前記金属ハウジング内においてリード取
り出し部を前記金属ハウジングおよび金属フランジから
絶縁する電気絶縁碍子と、 を具備することを特徴とする
温度センサである。又、本発明は、耐熱性絶縁材の基板
と、前記基板上の一方の端部側に設けられた感熱性材料
の感熱膜と、前記感熱膜と接触する拡散防止膜と、前記
基板上に長手方向に設けられ感熱膜および拡散防止膜に
接触する少なくとも一対の電極膜と、前記電極膜のリー
ド取り出し部を除いて前記感熱膜、拡散防止膜および電
極膜を被覆する耐熱性絶縁膜を具備し、耐熱性絶縁材の
別の基板が、前記耐熱性絶縁材の膜に無機接着剤により
接着され、前記無機接着剤の一部が前記別の基板と前記
基板とにわたって存在し、而して、前記耐熱性絶縁材の
膜における前記別の基板との対向部および側面部が前
無機接着剤により覆われ、前記電極膜のリード取り出し
部を除いて、前記耐熱性絶縁材の膜は、前記一対の基板
に対向する面部が前記一対の基板により覆われると共
に、側面部が前記無機接着剤により覆われ、前記感熱膜
は、前記一対の基板に対向する面部が前記一対の基板に
より覆われると共に、側面部が前記耐熱性絶縁材の膜お
よび前記無機接着剤により覆われ、前記感熱膜および前
記耐熱性絶縁膜が外気に接触しないように構成された温
度センサ素子と、 被温度測定物に温度センサを固定する
ための金属フランジと、 前記温度センサ素子のリード取
り出し部側を覆い前記金属フランジに固定された金属製
ハウジングと、 前記電極膜のリード取り出し部に接続さ
れたリード線と、 前記温度センサ素子の金属ハウジング
から露出する部分を覆うカバーと、 前記金属ハウジング
内においてリード取り出し部を前記金属ハウジングおよ
び金属フランジから絶縁する電気絶縁碍子と、を具備す
ることを特徴とする温度センサである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の温度センサ素子は、上記
のように、基本的には電気絶縁性の基板、この基板上に
成膜によって形成された感熱膜、少なくとも一対の電極
膜、前記感熱膜と電極膜を電極膜のリード取り出し部を
除いて被覆する電気絶縁性膜、およびこれらの膜を形成
した面の上に電極膜のリード取り出し部を除いて無機接
着剤で接着した別の電気絶縁性の基板から構成される。
さらに、本発明の別の温度センサ素子は、上記のよう
に、基本的には電気絶縁性の基板、この基板上に薄膜形
成法によって形成された感熱膜、拡散防止膜、少なくと
も一対の電極膜、前記感熱膜、拡散防止膜と電極膜を電
極膜のリード取り出し部を除いて被覆する電気絶縁性
膜、およびこれらの膜を形成した面の上に、電極膜のリ
ード取り出し部を除いて無機接着剤で接着した別の電気
絶縁性の基板から構成される。
【0011】感熱膜は、Al23にCrまたはCrとF
eを固溶したコランダム型結晶構造の酸化物で、式(A
1-xーyCrxFey23で表され、0.05≦x+y
≦0.95、および0≦y/(x+y)≦0.6を満足
条件において、後述の実施例のものと同等の熱応答性お
よび耐久性が得られる。また拡散防止膜は、Al23
独か、もしくはAl23にCrまたはFeまたはCrと
Feを固溶したコランダム型結晶構造の酸化物で、式
(Al1-xーyCrxFey23で表され、0≦x+y≦
0.95を満足条件において、後述の実施例のものと同
等の熱応答性および耐久性が得られる。この感熱膜およ
び拡散防止膜の形成には、アルミニウム、クロム、鉄の
それぞれの有機金属化合物の単独または混合蒸気の原料
ガスと酸素ガスを用いたプラズマ有機金属化学蒸着(M
OCVD)法が好適に用いられる。
【0012】基板および電気絶縁性膜には、特にアルミ
ナ(Al23)が好適に用いられる。この他炭化ケイ素
(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、ジルコニア(Z
rO 2)、シリカ (SiO2)、ムライト(3Al23
・2SiO2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、フ
ォルステライト(2MgO・SiO2)、サイアロン
(Si34・Al23)、MgO・Al23等の耐熱性
電気絶縁材が用いられる。
【0013】上記の基板を、膜を挟んで接着する無機接
着剤には、特にシリカ(SiO2)を主成分とする耐熱
性の封止ガラスの無機接着剤が好適に用いられる。この
他アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、シ
リカ (SiO2)、マグネシア(MgO)の1種類以上
の混合物を主成分とし、そこに有機物のバインダーを混
合した耐熱性の無機接着剤が用いられる。
【0014】電極膜には、白金、金、タンタル、レニウ
ム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、
パラジウム、およびタングステンからなる群より選ばれ
た少なくとも一種の金属単体、二種以上の合金または化
合物の薄膜が用いられる。そして、これらの薄膜の形成
方法としては、後述の実施例に示すRFスパッタリング
法が好適に用いられる。その他、真空蒸着法、EB蒸着
法、対抗スパッタリング法またはペーストによるスクリ
ーン印刷法で形成することもできる。
【0015】また、感熱膜、拡散防止膜および電気絶縁
性膜を形成する方法としては、後述の実施例に示すプラ
ズマCVD法が好適に用いられる。その他、熱CVD
法、真空蒸着法、反応蒸着法、RFスパッタリング法、
反応スパッタリング法および対抗スパッタリング法で形
成することもできる。なお、感熱膜および拡散防止膜に
ついては、結晶化のための熱処理温度を1000℃〜1
300℃とすることにより、同等の結晶性、熱応答性お
よび耐久性が得られる。
【0016】本発明の温度センサ素子における感熱膜、
拡散防止膜、および電極膜の配置に関しては、いろいろ
な変形が可能である。すなわち、その第1の例は、耐熱
性絶縁材基板上に、感熱膜、および端部が感熱膜の上下
を挟む一対の電極膜、電極膜のリード取り出し部を除い
て被覆する電気絶縁性膜が設けられ、電極膜のリード取
り出し部を除いたこれらの膜の上に、耐熱性絶縁材基板
を接着した構成である。
【0017】第2の例は、耐熱性絶縁材基板上に、第3
の電極膜、第3の電極膜を覆う感熱膜、および端部が感
熱膜の上面を覆う一対の電極膜、電極膜のリード取り出
し部を除いて被覆する電気絶縁性膜が設けられ、電極膜
のリード取り出し部を除いたこれらの膜の上に、耐熱性
絶縁材基板を接着した構成である。
【0018】第3の例は、耐熱性絶縁材基板上に、一対
の電極膜、および前記一対の電極膜の端部を覆う感熱膜
が設けられ、さらに前記感熱膜上に前記電極膜とは接触
しない第3の電極膜、電極膜のリード取り出し部を除い
て被覆する電気絶縁性膜が設けられ、電極膜のリード取
り出し部を除いたこれらの膜の上に、耐熱性絶縁材基板
を接着した構成である。
【0019】第4の例は、耐熱性絶縁材基板上に、第3
の電極膜、第3の電極膜を覆う拡散防止膜、拡散防止膜
を覆う感熱膜、および端部が感熱膜の上面を覆う一対の
電極膜、電極膜のリード取り出し部を除いて被覆する電
気絶縁性膜が設けられ、電極膜のリード取り出し部を除
いたこれらの膜の上に、耐熱性絶縁材基板を接着した構
成である。
【0020】第5の例は、耐熱性絶縁材基板上に、一対
の電極膜、および前記一対の電極膜の端部を覆う拡散防
止膜、拡散防止膜上に前記一対の電極膜とは接触しない
感熱膜が設けられ、さらに前記感熱膜上に前記拡散防止
膜とは接触しない第3の電極膜、電極膜のリード取り出
し部を除いて被覆する電気絶縁性膜が設けられ、電極膜
のリード取り出し部を除いたこれらの膜の上に、耐熱性
絶縁材基板を接着した構成である。
【0021】第6の例は、耐熱性絶縁材基板上に、拡散
防止膜と、拡散防止膜上の感熱膜、および端部が拡散防
止膜と感熱膜の上下を挟む一対の電極膜、電極膜のリー
ド取り出し部を除いて被覆する電気絶縁性膜が設けら
れ、電極膜のリード取り出し部を除いたこれらの膜の上
に、耐熱性絶縁材基板を接着した構成である。
【0022】第1および第6の例では、一対の電極膜の
間隔が感熱膜、および拡散防止膜と感熱膜の厚さで規制
されるので、感熱膜の電気抵抗が高い場合に有効であ
る。
【0023】第2、第3、第4および第5の例では、一
対の電極膜とは接触しない第3の電極膜を設けることに
よって、第1および第6の例と同じ効果をもたせるよう
にしたものである。
【0024】第4、第5および第6の例では、感熱膜
と、基板上の電極膜の間に拡散防止膜を設けることによ
って、高温での電極の拡散によって生じる感熱膜の抵抗
値の低下を防ぎ、温度センサ素子の高温安定性と歩留ま
りの向上に有効である。
【0025】第1、第2および第3の例では、感熱膜
と、電極膜のリード取り出し部を除いた電極膜と、電気
絶縁性膜を耐熱性絶縁材基板で挟み、耐熱性の無機接着
剤で接着することによって、大気中のみならず自動車排
気ガスなどの還元性ガス中での温度センサ素子の高温で
の抵抗値の安定性に有効である。
【0026】第4、第5および第6の例では、拡散防止
膜と、感熱膜と、電極膜のリード取り出し部を除いた電
極膜と、電気絶縁性膜を耐熱性絶縁材基板で挟み、耐熱
性の無機接着剤で接着することによって、大気中のみな
らず自動車排気ガスなどの還元性ガス中での温度センサ
素子の高温での抵抗値の安定性に有効である。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。なお、素子の構造を示す図面は、説明の便宜上の
ものであって、各要素のサイズや形状は必ずしも正確に
表されていない。
【0028】(実施例1)図1は本実施例における感熱
膜を用いた温度センサ素子の断面図であり、図2はその
分解斜視図である。そして、図1は図2の点線で示す部
分で切った断面図である。このセンサ素子1は、アルミ
ナからなる細長い矩形の基板2、基板2上の一部に設け
た感熱膜3と、一端が感熱膜3を挟んで基板の長手方向
に伸長する一対の電極膜4a、4b、および、感熱膜3
の全体と後記リード接合部を除いた電極膜4a、4bを
覆うアルミナからなる絶縁膜5、これら感熱膜3、一対
の電極膜4a、4b、絶縁膜5の上に、後記リード接合
部を除いて無機接着剤6によって接着された、アルミナ
からなる細長い矩形の基板7から構成されている。
【0029】基板2のサイズは、横幅2mm、長さ80
mm、厚さ0.5mmである。感熱膜3の大きさは1.
8×2.0mmで、厚さは3μmである。白金からなる
電極膜は、厚さが3000オングストロームである。電
気絶縁膜5は、厚さが2μmである。基板7のサイズ
は、横幅2mm、長さ75mm、厚さ0.5mmであ
る。
【0030】図3は、この温度センサ素子1を備えた温
度センサを示す。温度センサ素子1は、その電極膜4
a、4bの露出した側が円筒形の金属製ハウジング10
に挿入され、このハウジング10内でさらに電気絶縁碍
子11の穴13内に挿入されている。そして、電極膜4
a、4bはそれぞれリード線14a、14bに接続され
ている。このリード線14a、14bは、電気絶縁碍子
11および電気絶縁碍子12を貫通し、リード線15
a、15bに接続されている。ハウジング10は、電気
絶縁碍子12を固定したフランジ16に溶接によって取
り付けられている。また、ハウジング10には、素子1
を外部衝撃から保護するための円筒形の穴あきカバー1
7が溶接されている。なお、ハウジング10の素子1を
挿入する開口部および電気絶縁碍子11の穴13の開口
部は、素子1に密着する大きさとしてある。これによっ
て、素子1のリード取り出し部は外気との接触は実質的
になく、この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子1の熱容量が小さく、しかも穴あき
カバー17の中にあるため、感熱膜3が厚さ0.5m
m、幅2mmの耐熱性絶縁材基板2および7を介して直
接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待できる。
【0031】この温度センサ素子1の具体的な製造方法
を以下に説明する。本実施例においては、感熱膜3およ
び電気絶縁膜5はプラズマCVD法によって、また電極
膜4a,4bはRFスパッタリング法によってそれぞれ
形成した。
【0032】まず、図5に示すRFスパッタリング装置
を用いて電極膜4aを形成した。まず、チャンバー81
内の基板ホルダー82上に、アルミナ基板2と、さらに
その上にメタルマスク91を取り付け、真空ポンプ83
によってチャンバー81内を2×10-4Paにまで排気
しながら、ヒーター84によって基板2を400℃にま
で加熱した。基板温度が安定した後、スパッタガスであ
るアルゴンを供給路85からチャンバー81内に導入
し、真空度を1.0Paに保ち、基板回転モーター88
により基板ホルダー82を5回転/分で回転させなが
ら、高周波電源89を作動させて、白金のターゲット9
0を10分間スパッタリングした。これによって、基板
2上の感熱膜3のメタルマスクで覆われていない部分
に、白金の電極膜4aが形成された。
【0033】次に、図4に示すプラズマCVD装置を用
いて感熱膜3を形成した。まず、チャンバー61内の基
板ホルダー62上に、電極膜4aを形成したアルミナ基
板2およびその上にメタルマスク73をセットし、真空
ポンプ63によってチャンバー61内を1Paにまで排
気しながら、ヒーター64によって基板2を400℃に
まで加熱した。基板温度が安定した後、原料ガス供給装
置65よりアルミニウムアセチルアセトナートの蒸気
を、原料ガス供給装置66よりクロムアセチルアセトナ
ートの蒸気を、また原料ガス供給装置67より鉄アセチ
ルアセトナートの蒸気を、それぞれキャリアガス(窒
素)によりチャンバー61内に供給し、供給路68から
の反応ガス酸素とともに供給ノズル69によってアルミ
ナ基板2上に導入した。チャンバー61内を10Paの
真空度に保ち、基板回転モーター70により基板ホルダ
ー62を60回転/分で回転させながら、高周波電源7
1を作動させて、電極72と基板ホルダー62の間にプ
ラズマを20分間発生させた。これによって、アルミナ
基板2上のメタルマスクで覆われていない部分に、アル
ミニウム、クロム、および鉄の酸化物からなる、Al:
Cr:Feの原子比が0.70:0.20:0.10の
感熱膜3が形成された。こうして得られた感熱膜3を結
晶化するため、大気雰囲気にした電気炉内において12
00℃で3時間熱処理した。その結果、アルミニウム、
クロム、および鉄の酸化物の、コランダム構造の薄膜が
得られた。
【0034】次に、再び図5に示すRFスパッタリング
装置を用いて、前述と同じ方法で、電極膜4bを形成し
た。すなわち、チャンバー81内の基板ホルダー82上
に、電極膜4aと、感熱膜3を形成したアルミナ基板2
と、さらにその上にメタルマスク91を取り付け、真空
ポンプ83によってチャンバー81内を2×10-4Pa
にまで排気しながら、ヒーター84によって基板2を4
00℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、スパッ
タガスであるアルゴンを供給路85からチャンバー81
内に導入し、真空度を1.0Paに保ち、基板回転モー
ター88により基板ホルダー82を5回転/分で回転さ
せながら、高周波電源89を作動させて、白金のターゲ
ット90を10分間スパッタリングした。これによっ
て、基板2上の感熱膜3上のメタルマスクで覆われてい
ない部分に、白金の電極膜4bが形成された。
【0035】次に、再び図4のプラズマCVD装置を用
いて、アルミナ基板2上の感熱膜3および電極膜4a、
4bの特定部分にアルミナの電気絶縁膜5を形成した。
すなわち、チャンバー内の基板ホルダー62上に、感熱
膜3および電極膜4a、4bが形成されたアルミナ基板
2と、メタルマスクを取り付け、チャンバー内を1Pa
にまで排気しながら、ヒーターによって基板を400℃
にまで加熱した。そして、原料供給装置65より窒素を
キャリアガスとしてアルミニウムアセチルアセトナート
の蒸気を、また供給路68より酸素をそれぞれ基板2上
に導入した。チャンバー内を8Paの真空度に保ち、基
板ホルダー64の回転速度を60回転/分として、電極
72と基板ホルダー64の間にプラズマを20分間発生
させた。こうしてアルミナの電気絶縁膜5を形成した。
【0036】次に、この電気絶縁膜5の上に、シリカ
(SiO2)を主成分とする耐熱性の封止ガラスの無機
接着剤6を塗布し、その上に白金の電極膜4a、4bの
電極取り出し部分を覆わないようにアルミナ基板7を貼
り合わせ、電気炉にて大気中で1200℃で2時間の熱
処理により硬化させ、感熱膜3および電気絶縁膜5が外
気に接触しないように基板同士を接着、密閉した。
【0037】(比較例1)Al23、Cr23、および
Fe23を所定の割合で混合し、これを仮焼成した後、
粉砕し、その粉末を成形した。この成形体にリード線2
02となる2本の白金製パイプを挿入し、1600℃で
本焼成して、図16に示すようなセンサ素子200を作
製した。この感熱体201は、Al:Cr:Feの原子
比が0.7:0.15:0.15のコランダム型の結晶
構造の焼結体である。燒結体のサイズは、直径3.7m
m、厚さ2mmの円盤である。この素子200を用いて
図17に示す構造の温度センサを作製した。
【0038】上記実施例1の温度センサ素子1を用いた
温度センサと、比較例1の温度センサの熱応答性を次の
ようにして比較した。すなわち、温度センサの2本のリ
ード線をセンサ温度検出回路に接続し、そのセンサ温度
検出回路の出力端子にレコーダを接続した。そして、室
温の温度センサをあらかじめ1000℃に保持した高温
槽に瞬時に入れて、測定温度がそれぞれ350℃、50
0℃、または800℃にまで上昇し一定値を示すまでの
時間を計測した。測定は5回行い、平均値で比較した。
測定結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すように、比較例1の温度センサ
の熱応答性は、室温から350℃、室温から500℃、
および室温から800℃に昇温する時間(熱応答性)
は、それぞれ5.0秒、8.3秒、および12.5秒で
あった。これに対して、実施例1の温度センサの熱応答
性は、それぞれ2.6秒、4.2秒、および6.0秒で
あり、どの温度域においても実施例1の熱応答性が優れ
ていた。
【0041】また、実施例1の温度センサの経時変化に
ついて調べるため、室温から800℃までのヒートサイ
クルを100回繰り返した後、再び上記の熱応答性を測
定した。その結果、室温から350℃、室温から500
℃、および室温から800℃に昇温する時間(熱応答
性)は、いずれも上記の測定結果の±0.5秒の範囲に
収まり、経時変化が認められないことが確認された。
【0042】また、実施例1の温度センサの還元性ガス
中での安定性について調べるため、実施例1のアルミナ
の電気絶縁膜5を形成した後、アルミナ基板7を貼り合
わせない構成での温度センサ素子(a)と、無機接着剤
6によってアルミナ基板7を貼り合わせた温度センサ素
子(b)を、還元性ガスである1%ブタンガス中で90
0℃放置し、抵抗値変化を測定した。その結果、図18
に示すように、温度センサ素子(a)は抵抗値が時間の
経過とともに+220%まで増大したのに対して、温度
センサ素子(b)は+6%の変化にとどまり、アルミナ
基板7を貼り合わせることによる還元性ガス中での安定
性が向上することが確認された。
【0043】(実施例2)図6および図7は本実施例の
温度センサ素子21を示す。この温度センサ素子21
は、アルミナからなる細長い矩形の基板22上に、白金
からなる第3の電極膜260を設け、その上に順次感熱
膜23、電極膜24aと24b、およびアルミナからな
る電気絶縁膜25を設け、電極膜24aと24bのリー
ド接合部以外を無機接着剤26によってアルミナからな
る細長い矩形の基板27を接着したものである。基板2
2のサイズは、横幅2mm、長さ80mm、厚さ0.5
mmである。第3の電極膜260の大きさは1.7×
1.8mmであり、厚さは3000オングストロームで
ある。感熱膜3の大きさは1.8×2.0mmで、厚さ
は3μmである。電極膜24aと24bの厚さは300
0オングストロームで、感熱膜上の間隔は0.5mm、
基板上の間隔は1.0mmである。基板27のサイズ
は、横幅2mm、長さ75mm、厚さ0.5mmであ
る。この構成によると、一対の電極膜24a、24b間
の電流は、電極膜24a−感熱膜23−電極膜260−
感熱膜23−電極膜24bと流れるから、電極膜24
a、24bと電極膜260間の感熱膜23の抵抗値を測
定できる。従って、感熱膜23の抵抗値が高い場合に有
効である。これらの膜の成膜方法および基板27の接着
方法は、成膜の順番が異なる以外は実施例1と全く同じ
である。
【0044】この温度センサ素子21を用いて図3のよ
うな温度センサを作製した。この温度センサについて、
実施例1と同様にして熱応答性を調べた。その結果を表
1に示す。表1から明らかなように、どの温度域におい
ても比較例に比べて熱応答性が優れている。また、実施
例1と同様に、室温から800℃までのヒートサイクル
を100回繰り返した後、熱応答性を調べた結果、室温
から350℃、500℃、および800℃に昇温する時
間は、いずれも±0.4秒の範囲に収まり、経時変化が
認められないことが確認された。また、実施例1と同様
に、還元性ガス中での安定性について調べるため、実施
例2のアルミナの電気絶縁膜25を形成した後、アルミ
ナ基板27を貼り合わせない構成での温度センサ素子
(c)と、無機接着剤6によってアルミナ基板7を貼り
合わせた温度センサ素子(d)を、実施例1と同じ方法
で抵抗値変化を測定した。その結果、図19に示すよう
に、温度センサ素子(c)は抵抗値が時間の経過ととも
に+240%まで増大したのに対して、温度センサ素子
(d)は+7%の変化にとどまり、アルミナ基板27を
貼り合わせることによる還元性ガス中での安定性が向上
することが確認された。
【0045】(実施例3)図8および図9は本実施例の
温度センサ素子31を示す。この温度センサ素子31
は、アルミナからなる基板32上に、順次電極膜34
a、34b、感熱膜33、第3の電極膜36、およびア
ルミナからなる電気絶縁膜35を設け、電極膜34aと
34bのリード接合部以外を無機接着剤37によってア
ルミナからなる細長い矩形の基板38を接着したもので
ある。それぞれの基板、電極膜感熱膜の大きさ、厚みの
サイズは実施例2と同様である。この構成によると、一
対の電極膜34a、34b間の電流は、電極膜34a−
感熱膜33−電極膜36−感熱膜33−電極膜34bと
流れるから、電極膜34a、34bと電極膜36間の感
熱膜33の抵抗値を測定できる。従って、感熱膜33の
抵抗値が高い場合に有効である。これらの膜の成膜方法
および基板38の接着方法は、成膜の順番が異なる以外
は実施例1および2と全く同じである。
【0046】この温度センサ素子31を用いて図3のよ
うな温度センサを作製した。この温度センサについて、
実施例1と同様にして熱応答性を調べた。その結果を表
1に示す。表1から明らかなように、どの温度域におい
ても比較例に比べて熱応答性が優れている。また、実施
例1と同様に、室温から800℃までのヒートサイクル
を100回繰り返した後、熱応答性を調べた結果、室温
から350℃、500℃、および800℃に昇温する時
間は、いずれも±0.5秒の範囲に収まり、経時変化が
認められないことが確認された。また、実施例1と同様
に、還元性ガス中での安定性について調べるため、実施
例3のアルミナの電気絶縁膜35を形成した後、アルミ
ナ基板37を貼り合わせない構成での温度センサ素子
(e)と、無機接着剤6によってアルミナ基板7を貼り
合わせた温度センサ素子(f)を、実施例1と同じ方法
で抵抗値変化を測定した。その結果、図20に示すよう
に、温度センサ素子(e)は抵抗値が時間の経過ととも
に+230%まで増大したのに対して、温度センサ素子
(f)は+5%の変化にとどまり、アルミナ基板37を
貼り合わせることによる還元性ガス中での安定性が向上
することが確認された。
【0047】(実施例4)図10および図11は本実施
例における温度センサ素子111を示す。このセンサ素
子111は、アルミナからなる細長い矩形の基板11
2、基板112上に設けた第3の電極膜116、電極膜
全体を覆う拡散防止膜117、拡散防止膜全体を覆う感
熱膜113、一端が感熱膜113に接触して基板の長手
方向に伸長する一対の電極膜114a、114b、およ
び、感熱膜113の全体とリード接合部を除いた電極膜
114a、114bを覆うアルミナからなる絶縁膜11
5、電極膜114aと114bのリード接合部以外を無
機接着剤118によって接着したアルミナからなる細長
い矩形の基板119から構成されている。基板112の
サイズは、横幅2mm、長さ80mm、厚さ0.5mm
である。第3の電極膜116の大きさは1.7×1.8
mmで、厚さは3000オングストロームである。拡散
防止膜117の大きさは1.8×2.0mmで、厚さは
2μmである。感熱膜113の大きさは1.9×2.2
mmで、厚さは3μmである。白金からなる一対の電極
膜114a,114bは、感熱膜113上における電極
膜間隔は0.5mmであり、基板上の間隔は1.0m
m、厚さは5μmである。電気絶縁膜115は、厚さが
3μmである。基板119のサイズは、横幅2mm、長
さ75mm、厚さ0.5mmである。
【0048】この温度センサ素子111の具体的な製造
方法を以下に説明する。本実施例においては、拡散防止
膜117、感熱膜113、および電気絶縁膜115はプ
ラズマCVD法によって、また第3の電極膜116はR
Fスパッタリング法によって、また一対の電極膜114
a、114bは白金ペーストを印刷する方法によってそ
れぞれ形成した。
【0049】図5に示すRFスパッタリング装置を用い
て第3の電極膜116を形成した。まず、チャンバー8
1内の基板ホルダー82上に、アルミナ基板112と、
さらにその上にメタルマスク91を取り付け、真空ポン
プ83によってチャンバー81内を2×10-4Paにま
で排気しながら、ヒーター84によって基板112を4
00℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、スパッ
タガスであるアルゴンを供給路85からチャンバー81
内に導入し、真空度を1.0Paに保ち、基板回転モー
ター88により基板ホルダー82を5回転/分で回転さ
せながら、高周波電源89を作動させて、白金のターゲ
ット90を10分間スパッタリングした。これによっ
て、基板112上のメタルマスクで覆われていない部分
に、白金の電極膜116が形成された。次に、図4に示
すプラズマCVD装置を用いて、電極膜116の付いた
アルミナ基板112上に拡散防止膜117を形成した。
まず、チャンバー61内の基板ホルダー62上に、電極
膜116の付いたアルミナ基板112およびその上にメ
タルマスク73をセットし、真空ポンプ63によってチ
ャンバー61内を1Paにまで排気しながら、ヒーター
64によって基板112を400℃にまで加熱した。基
板温度が安定した後、原料ガス供給装置65よりアルミ
ニウムアセチルアセトナートの蒸気を、原料ガス供給装
置66よりクロムアセチルアセトナートの蒸気を、また
原料ガス供給装置67より鉄アセチルアセトナートの蒸
気を、それぞれキャリアガス(窒素)によりチャンバー
61内に供給し、供給路68からの反応ガス酸素ととも
に供給ノズル69によってアルミナ基板112上に導入
した。チャンバー61内を10Paの真空度に保ち、基
板回転モーター70により基板ホルダー62を60回転
/分で回転させながら、高周波電源71を作動させて、
電極72と基板ホルダー62の間にプラズマを20分間
発生させた。これによって、アルミナ基板2上のメタル
マスクで覆われていない部分に、アルミニウム、クロ
ム、および鉄の酸化物からなる、Al:Cr:Feの原
子比が0.80:0.15:0.05の拡散防止膜11
7が形成された。こうして得られた拡散防止膜117を
結晶化するため、大気雰囲気にした電気炉内において1
200℃で3時間熱処理した。その結果、アルミニウ
ム、クロム、および鉄の酸化物の、コランダム構造の薄
膜が得られた。
【0050】次に、同じ図4に示すプラズマCVD装置
を用いて、拡散防止膜117および電極膜116の付い
たアルミナ基板112上に感熱膜113を形成した。す
なわち、チャンバー61内の基板ホルダー62上に、拡
散防止膜117および電極膜116の付いたアルミナ基
板112およびその上にメタルマスク73をセットし、
真空ポンプ63によってチャンバー61内を1Paにま
で排気しながら、ヒーター64によって基板112を4
00℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、原料ガ
ス供給装置65よりアルミニウムアセチルアセトナート
の蒸気を、原料ガス供給装置66よりクロムアセチルア
セトナートの蒸気を、また原料ガス供給装置67より鉄
アセチルアセトナートの蒸気を、それぞれキャリアガス
(窒素)によりチャンバー61内に供給し、供給路68
からの反応ガス酸素とともに供給ノズル69によってア
ルミナ基板112上に導入した。チャンバー61内を1
0Paの真空度に保ち、基板回転モーター70により基
板ホルダー62を60回転/分で回転させながら、高周
波電源71を作動させて、電極72と基板ホルダー62
の間にプラズマを20分間発生させた。これによって、
アルミナ基板2上のメタルマスクで覆われていない部分
に、アルミニウム、クロム、および鉄の酸化物からな
る、Al:Cr:Feの原子比が0.70:0.20:
0.10の感熱膜113が形成された。こうして得られ
た感熱膜113を結晶化するため、再び大気雰囲気にし
た電気炉内において1200℃で3時間熱処理した。そ
の結果、アルミニウム、クロム、および鉄の酸化物の、
コランダム構造の薄膜が得られた。
【0051】次に、一対の電極膜114a、114bを
Ptペーストを印刷する方法によって形成した。すなわ
ち、電極膜116、拡散防止膜117、感熱膜113の
形成されたアルミナ基板112上の所定の場所に、スク
リーン印刷によって一対の電極膜114a、114bの
パターンを印刷した。150℃乾燥器中でペースト中の
溶剤を蒸発、乾燥させた後、大気雰囲気にした電気炉内
において1200℃で10分間熱処理して焼結させ、P
tによる電極膜114a、114bを形成した。
【0052】次に、再び図4のプラズマCVD装置を用
いて、アルミナ基板112上の電極膜116、拡散防止
膜117、感熱膜113および電極膜114a、114
bの特定部分にアルミナの電気絶縁膜115を形成し
た。すなわち、チャンバー内の基板ホルダー62上に、
電極膜116、拡散防止膜117、感熱膜113および
電極膜114a、114bが形成されたアルミナ基板1
12と、メタルマスクを取り付け、チャンバー内を1P
aにまで排気しながら、ヒーターによって基板を400
℃にまで加熱した。そして、原料供給装置65より窒素
をキャリアガスとしてアルミニウムアセチルアセトナー
トの蒸気を、また供給路68より酸素をそれぞれ基板2
上に導入した。チャンバー内を8Paの真空度に保ち、
基板ホルダー64の回転速度を60回転/分として、電
極72と基板ホルダー64の間にプラズマを20分間発
生させた。こうしてアルミナの電気絶縁膜115を形成
した。
【0053】次に、この電気絶縁膜115の上に、シリ
カ(SiO2)を主成分とする耐熱性の封止ガラスの無
機接着剤118を塗布し、その上に白金の電極膜114
a、114bの電極取り出し部分を覆わないようにアル
ミナ基板119を貼り合わせ、電気炉にて大気中で12
00℃で2時間の熱処理により硬化させ、感熱膜113
および電気絶縁膜115が外気に接触しないように基板
同士を接着、密閉した。 この温度センサ素子111の
構成によると、一対の電極膜114a、114b間の電
流は、電極膜114a−感熱膜113−拡散防止膜11
7−電極膜116−拡散防止膜117−感熱膜113−
電極膜114bと流れるから、電極膜114a、114
bと電極膜116間の拡散防止膜と感熱膜の抵抗値を測
定できる。従って、感熱膜113の抵抗値が高い場合に
有効である。また、拡散防止膜117を電極膜116と
感熱膜113の間に設けることによって、結晶化のため
の高温熱処理時の電極膜の拡散によって生じる感熱膜の
抵抗値の低下および短絡を防ぐことがでぎ、温度センサ
素子の高温安定性と歩留まりの向上に有効である。
【0054】この温度センサ素子111を用いて図3の
ような温度センサを作製した。この温度センサについ
て、実施例1と同様にして熱応答性を調べた。その結果
を表1に示す。表1から明らかなように、どの温度域に
おいても比較例に比べて熱応答性が優れている。また、
実施例1と同様に、室温から800℃までのヒートサイ
クルを100回繰り返した後、熱応答性を調べた結果、
室温から350℃、500℃、および800℃に昇温す
る時間は、いずれも±0.4秒の範囲に収まり、経時変
化が認められないことが確認された。また、実施例1と
同様に、還元性ガス中での安定性について調べるため、
実施例4のアルミナの電気絶縁膜115を形成した後、
アルミナ基板119を貼り合わせない構成での温度セン
サ素子(g)と、無機接着剤118によってアルミナ基
板119を貼り合わせた温度センサ素子(h)を、実施
例1と同じ方法で抵抗値変化を測定した。その結果、図
21に示すように、温度センサ素子(g)は抵抗値が時
間の経過とともに+190%まで増大したのに対して、
温度センサ素子(h)は+6%の変化にとどまり、アル
ミナ基板119を貼り合わせることによる還元性ガス中
での安定性が向上することが確認された。
【0055】(実施例5)図12および図13は本実施
例の温度センサ素子121を示す。この素子は、アルミ
ナからなる細長い矩形の基板122上に、電極膜124
aと124b、拡散防止膜127、感熱膜123、第3
の電極膜126、電極膜124aと124bのリード接
合部以外を無機接着剤128によって接着したアルミナ
からなる細長い矩形の基板129を設けたものである。
電極膜124a、124bと第3の電極膜126の位置
が入れ替わり、電極膜の形成方法をすべてRFスパッタ
リング法にし、厚さを4000オングストロームにした
以外は、実施例4のものと同じである。従って、感熱膜
123の抵抗値が高い場合に有効な構成である。また、
拡散防止膜127を電極膜124a、124bと感熱膜
123の間に設けることによって、高温熱処理時の電極
膜の拡散によって生じる感熱膜の抵抗値の低下および短
絡を防ぐことがでぎ、温度センサ素子の高温安定性と歩
留まりの向上に有効である。
【0056】この温度センサ素子121を用いて図3の
ような温度センサを作製した。この温度センサについ
て、実施例1と同様にして熱応答性を調べた。その結果
を表1に示す。表1から明らかなように、どの温度域に
おいても比較例に比べて熱応答性が優れている。また、
実施例1と同様に、室温から800℃までのヒートサイ
クルを100回繰り返した後、熱応答性を調べた結果、
室温から350℃、500℃、および800℃に昇温す
る時間は、いずれも±0.5秒の範囲に収まり、経時変
化が認められないことが確認された。また、実施例1と
同様に、還元性ガス中での安定性について調べるため、
実施例4のアルミナの電気絶縁膜125を形成した後、
アルミナ基板129を貼り合わせない構成での温度セン
サ素子(i)と、無機接着剤118によってアルミナ基
板119を貼り合わせた温度センサ素子(j)を、実施
例1と同じ方法で抵抗値変化を測定した。その結果、図
22に示すように、温度センサ素子(i)は抵抗値が時
間の経過とともに+210%まで増大したのに対して、
温度センサ素子(h)は+7%の変化にとどまり、アル
ミナ基板129を貼り合わせることによる還元性ガス中
での安定性が向上することが確認された。
【0057】(実施例6)図14および図15は本実施
例の温度センサ素子131を示す。この温度センサ素子
131は、アルミナからなる基板132上に、順次電極
膜134a、拡散防止膜137、感熱膜133、電極膜
134b、アルミナからなる電気絶縁膜135、電極膜
134aと134bのリード接合部以外を無機接着剤1
38によって接着したアルミナからなる細長い矩形の基
板139を設けた構成を有する。電極膜134a、13
4bで拡散防止膜137と感熱膜133をサンドイッチ
する構成にし、電極膜134a、134bの形成方法を
両方ともPtペーストのスクリーン印刷法にし、厚さを
3μmにした以外は、実施例4と同様にして作製したも
のである。従って、感熱膜133の抵抗値が高い場合に
有効である。また、拡散防止膜137を電極膜134a
と感熱膜133の間に設けることによって、高温熱処理
時の電極膜の拡散によって生じる感熱膜の抵抗値の低下
および短絡を防ぐことがでぎ、温度センサ素子の高温安
定性と歩留まりの向上に有効である。
【0058】この温度センサ素子131を用いて図3の
ような温度センサを作製した。この温度センサについ
て、実施例1と同様にして熱応答性を調べた。その結果
を表1に示す。表1から明らかなように、どの温度域に
おいても比較例に比べて熱応答性が優れている。また、
実施例1と同様に、室温から800℃までのヒートサイ
クルを100回繰り返した後、熱応答性を調べた結果、
室温から350℃、500℃、および800℃に昇温す
る時間は、いずれも±0.5秒の範囲に収まり、経時変
化が認められないことが確認された。また、実施例1と
同様に、還元性ガス中での安定性について調べるため、
実施例4のアルミナの電気絶縁膜125を形成した後、
アルミナ基板139を貼り合わせない構成での温度セン
サ素子(k)と、無機接着剤118によってアルミナ基
板119を貼り合わせた温度センサ素子(l)を、実施
例1と同じ方法で抵抗値変化を測定した。その結果、図
23に示すように、温度センサ素子(k)は抵抗値が時
間の経過とともに+180%まで増大したのに対して、
温度センサ素子(l)は+4%の変化にとどまり、アル
ミナ基板139を貼り合わせることによる還元性ガス中
での安定性が向上することが確認された。
【0059】なお、上記の実施例においては、拡散防止
膜、感熱膜および電気絶縁性膜の基板上への成膜温度は
400℃で行ったが、この基板温度に限定されることは
ない。基板温度の範囲が200℃〜800℃の範囲であ
れば、同等の熱応答性および耐久性が得られる。
【0060】また、上記の実施例においては、拡散防止
膜、および感熱膜の結晶化のための大気中熱処理温度は
1200℃で行ったが、この熱処理温度に限定されるこ
とはない。熱処理温度の範囲が1000℃から1300
℃であれば、同等の結晶性を持つ拡散防止膜および感熱
膜が得られる。
【0061】また、上記の実施例においては、基板およ
び電気絶縁性膜にはアルミナ(Al 23)を用いたが、
この材料に限定されることはない。この他に炭化ケイ素
(SiC)、窒化ケイ素(Si34)、ジルコニア(Z
rO2)、シリカ (SiO2)、ムライト(3Al23
・2SiO2)、ステアタイト(MgO・SiO2)、フ
ォルステライト(2MgO・SiO2)、サイアロン
(Si34・Al23)、MgO・Al23等の耐熱性
電気絶縁材であれば、同等の高温安定性および強度を有
する温度センサ素子が得られる。
【0062】また、上記の実施例においては、基板を接
着する無機接着剤にはシリカ(SiO2)を主成分とす
る耐熱性の封止ガラスの無機接着剤を用いたが、この材
料に限定されることはない。この他にアルミナ(Al2
3)、ジルコニア(ZrO2)、シリカ (SiO2)、
マグネシア(MgO)の1種類以上の混合物を主成分と
し、そこに有機物のバインダーを混合した耐熱性の無機
接着剤で気密が保たれる物であれば、同等の高温安定性
および耐環境性を有する温度センサ素子が得られる。
【0063】また、上記の実施例においては、電極膜に
は白金を用いたが、この材料に限定されることはない。
この他に金、タンタル、レニウム、オスミウム、イリジ
ウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、およびタン
グステンからなる群より選ばれた少なくとも一種の金属
単体、二種以上の合金または化合物の薄膜であれば、同
等の高温安定性および電気伝導性を有する温度センサ素
子が得られる。
【0064】また、上記の実施例においては、電極膜の
形成方法にはRFスパッタリング法またはペーストによ
るスクリーン印刷法を用いたが、この方法に限定される
ことはない。この他に真空蒸着法、EB蒸着法、対抗ス
パッタリング法による成膜方法であれば、同等の高温安
定性および電気伝導性を有する温度センサ素子が得られ
る。
【0065】また、上記の実施例においては、感熱膜、
拡散防止膜および電気絶縁性膜の形成方法にはプラズマ
CVD法を用いたが、この方法に限定されることはな
い。この他に熱CVD法、真空蒸着法、反応蒸着法、R
Fスパッタリング法、反応スパッタリング法および対抗
スパッタリング法で形成し、結晶化のために1000℃
〜1300℃で熱処理を行えば、同等の結晶性、熱応答
性および高温耐久性を有する温度センサ素子が得られ
る。
【0066】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、小型で、
熱容量が小さく、従って熱応答性に優れた温度センサ素
子が得られる。
【0067】さらに素子部分が基板2枚で密閉された構
造をとることにより、耐環境性に優れた温度センサ素子
が得られる。
【0068】従って、本発明によれば、温度センサの熱
伝達抵抗が小さくなり、耐環境性が向上するので、熱応
答性および信頼性に優れた温度センサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の温度センサ素子の断面図で
ある。
【図2】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図3】同温度センサ素子を用いた温度センサの縦断面
図である。
【図4】本発明の実施例に用いたプラズマCVD装置の
概略構成を示す図である。
【図5】本発明の実施例に用いたRFスパッタリング装
置の概略構成を示す図である。
【図6】本発明の実施例2の温度センサ素子の断面図で
ある。
【図7】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図8】本発明の実施例3の温度センサ素子の断面図で
ある。
【図9】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図10】本発明の実施例4の温度センサ素子の断面図
である。
【図11】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図12】本発明の実施例5の温度センサ素子の断面図
である。
【図13】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図14】本発明の実施例6の温度センサ素子の断面図
である。
【図15】同温度センサ素子の分解斜視図である。
【図16】従来の温度センサ素子の斜視図である。
【図17】同温度センサ素子を用いた温度センサの縦断
面図である。
【図18】本発明の実施例1の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【図19】本発明の実施例2の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【図20】本発明の実施例3の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【図21】本発明の実施例4の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【図22】本発明の実施例5の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【図23】本発明の実施例6の温度センサの還元ガス中
での抵抗値変化試験結果である。
【符号の説明】
1、21、31、111、121、131
温度センサ素子 2、7、22、27、32、38、112、119、1
22、129、132、139
基板 3、23、33、113、123、133
感熱膜 4a、4b、24a、24b、34a、34b、114
a、114b、124a、124b、134a、134
b 電極膜 5、25、35、115、125、135
電気絶縁膜 6、26、37、118、128、138
無機接着剤 260、36、116、126
第3の電極膜 117、127、137
拡散防止膜 10 ハウジング 13 穴 11、12 電気絶縁碍子 14a、14b、15a、15b リード線 16 フランジ 17 カバー 61 チャンバー 62 基板ホルダー 63 真空ポンプ 64 ヒーター 65、66、67 原料ガス供給装置 68 供給路 69 供給ノズル 70 基板回転モーター 71 高周波電源 72 電極 73 メタルマスク 81 チャンバー 82 基板ホルダー 83 真空ポンプ 84 ヒーター 85、86 供給路 87 供給ノズル 88 基板回転モーター 89 高周波電源 90 ターゲット 91 メタルマスク 200 温度センサ素子 201 感熱体 202 リード線 203 リード線 204 電気絶縁碍子 205 ハウジング 206 金属製フランジ 207 電気絶縁碍
子 208 キャップ
フロントページの続き (72)発明者 鳥井 秀雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 高山 良一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−92607(JP,A) 特開 平2−87032(JP,A) 特開 平5−26740(JP,A) 特開 昭62−211525(JP,A) 特開 平7−111206(JP,A) 特開 昭64−1204(JP,A) 特公 昭54−40736(JP,B1) 国際公開96/035932(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/16 - 7/18 H01C 7/00 - 7/22

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度に応じて電気抵抗が変化する感熱性
    材料の感熱膜と、前記感熱膜と接触する少なくとも一対
    の電極膜と、前記感熱膜および電極膜を支持する耐熱性
    絶縁材の基板と、前記感熱膜および電極膜を前記電極膜
    のリード取り出し部を除いて被覆する耐熱性絶縁材の膜
    を具備し、 耐熱性絶縁材の別の基板が、前記耐熱性絶縁材の膜に無
    機接着剤により接着され、前記無機接着剤の一部が前記
    別の基板と前記基板とにわたって存在し、前記耐熱性絶
    縁材の膜における前記別の基板との対向部および側面部
    が前記無機接着剤により覆われてなり、 前記電極膜のリード取り出し部を除いて、前記耐熱性絶
    縁材の膜は、前記一対の基板に対向する面部が前記一対
    の基板により覆われると共に、側面部が前記無機接着剤
    により覆われ、 前記感熱膜は、前記一対の基板に対向する面部が前記一
    対の基板により覆われると共に、側面部が前記耐熱性絶
    縁材の膜および前記無機接着剤により覆われ、前記感熱
    膜および前記耐熱性絶縁膜が外気に接触しないように構
    成されたことを特徴とする温度センサ素子。
  2. 【請求項2】 温度に応じて電気抵抗が変化する感熱性
    材料の感熱膜と、前記感熱膜と接触する拡散防止膜と、
    前記感熱膜および拡散防止膜に接触する少なくとも一対
    の電極膜と、前記感熱膜と拡散防止膜と電極膜とを支持
    する耐熱性絶縁材の基板と、前記感熱膜、拡散防止膜お
    よび電極膜を前記電極膜のリード取り出し部を除いて被
    覆する耐熱性絶縁材の膜を具備し、 耐熱性絶縁材の別の基板が、前記耐熱性絶縁材の膜に無
    機接着剤により接着され、前記無機接着剤の一部が前記
    別の基板と前記基板とにわたって存在し、前記耐熱性絶
    縁材の膜における前記別の基板との対向部および側面部
    が前記無機接着剤により覆われ、 前記電極膜のリード取り出し部を除いて、前記耐熱性絶
    縁材の膜は、前記一対の基板に対向する面部が前記一対
    の基板により覆われると共に、側面部が前記無機接着剤
    により覆われ、 前記感熱膜は、前記一対の基板に対向する面部が前記一
    対の基板により覆われると共に、側面部が前記耐熱性絶
    縁材の膜および前記無機接着剤により覆われ、前記感熱
    膜および前記耐熱性絶縁膜が外気に接触しないように構
    成されたことを特徴とする温度センサ素子。
  3. 【請求項3】 前記感熱膜が、式(Al1-x-yCrxFe
    y23(0.05≦x +y≦0.95、0≦y/(x
    +y)≦0.6)で表されるコランダム型結晶構造の酸
    化物で構成される請求項1又は2記載の温度センサ素
    子。
  4. 【請求項4】 前記拡散防止膜が、式(Al1-x-yCrx
    Fey23(0≦x+y≦0.95)で表されるコラ
    ンダム型結晶構造の酸化物で構成される請求項2記載の
    温度センサ素子。
  5. 【請求項5】 前記電極膜が、白金、金、タンタル、レ
    ニウム、オスミウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウ
    ム、パラジウム、およびタングステンからなる群より選
    ばれた少なくとも一種の金属単体、二種以上の合金また
    は化合物の薄膜で構成される請求項1又は2記載の温度
    センサ素子。
  6. 【請求項6】 前記感熱膜、電極膜および耐熱性絶縁材
    の膜を支持する耐熱性絶縁材の基板上に、それらの膜を
    挟んで、耐熱性絶縁材の別の基板を耐熱性の無機接着剤
    で接着して密閉し、前記感熱膜および耐熱性絶縁材の膜
    が外気に接触しないように構成された請求項1記載の温
    度センサ素子。
  7. 【請求項7】 前記感熱膜、拡散防止膜、電極膜および
    耐熱性絶縁材の膜を支持する耐熱性絶縁材の基板上に、
    それらの膜を挟んで、耐熱性絶縁材の別の基板を耐熱性
    の無機接着剤で接着して密閉し、前記感熱膜、拡散防止
    膜および耐熱性絶縁材の膜が外気に接触しないように構
    成された請求項2記載の温度センサ素子。
  8. 【請求項8】 前記基板上に、前記感熱膜、および端部
    が感熱膜の上下を挟む一対の電極膜が設けられ、これら
    の膜を形成した面の上に、耐熱性絶縁材の別の基板を無
    機接着剤で接着して密閉した請求項1記載の温度センサ
    素子。
  9. 【請求項9】 前記基板上に、第3の電極膜、第3の電
    極膜を覆う感熱膜、および端部が前記感熱膜の上面を覆
    う一対の電極膜が設けられ、これらの膜を形成した面の
    上に、耐熱性絶縁材の別の基板で挟んで無機接着剤で接
    着して密閉した請求項1記載の温度センサ素子。
  10. 【請求項10】 前記基板上に、前記一対の電極膜、お
    よび前記一対の電極膜の端部を覆う感熱膜が設けられ、
    さらに前記感熱膜上に前記電極膜とは接触しない第3の
    電極膜が設けられ、これらの膜を形成した面の上に、耐
    熱性絶縁材の別の基板で挟んで無機接着剤で接着して密
    閉した請求項1記載の温度センサ素子。
  11. 【請求項11】 前記基板上に、第3の電極膜、前記第
    3の電極膜を覆う拡散防止膜、前記拡散防止膜の上面を
    覆う感熱膜、端部が前記感熱膜の上面を覆う一対の電極
    膜が設けられ、これらの膜を形成した面の上に、耐熱性
    絶縁材の別の基板で挟んで無機接着剤で接着して密閉し
    た請求項2記載の温度センサ素子。
  12. 【請求項12】 前記基板上に、前記一対の電極膜、前
    記一対の電極膜の端部を覆う拡散防止膜、前記拡散防止
    膜の上面に前記一対の電極膜とは接触しない感熱膜、お
    よび前記感熱膜の上面に前記拡散防止膜とは接触しない
    第3の電極膜が設けられ、これらの膜を形成した面を耐
    熱性絶縁材の別の基板で挟んで無機接着剤で接着した請
    求項2記載の温度センサ素子。
  13. 【請求項13】 前記基板上に、拡散防止膜、前記拡散
    防止膜の上面に感熱膜、および端部が前記拡散防止膜と
    前記感熱膜の上下を挟む一対の電極膜が設けられ、これ
    らの膜を形成した面を耐熱性絶縁材の別の基板で挟んで
    無機接着剤で接着した請求項2記載の温度センサ素子。
  14. 【請求項14】 耐熱性絶縁材の基板と、その基板上の
    一方の端部側に設けられた感熱性材料の感熱膜と、前記
    基板上に長手方向に設けられ前記感熱膜に接触する少な
    くとも一対の電極膜と、前記電極膜のリード取り出し部
    を除いて前記感熱膜および電極膜を被覆する耐熱性電気
    絶縁膜を具備し、耐熱性絶縁材の別の基板が、前記耐熱
    性絶縁材の膜に無機接着剤により接着され、前記無機接
    着剤の一部が前記別の基板と前記基板とにわたって存在
    し、前記耐熱性絶縁材の膜における前記別の基板との対
    向部および側面部が前記無機接着剤により覆われ、前記
    電極膜のリード取り出し部を除いて、前記耐熱性絶縁材
    の膜は、前記一対の基板に対向する面部が前記一対の基
    板により覆われると共に、側面部が前記無機接着剤によ
    り覆われ、前記感熱膜は、前記一対の基板に対向する面
    部が前記一対の基板により覆われると共に、側面部が前
    記耐熱性絶縁材の膜および前記無機接着剤により覆わ
    れ、前記感熱膜および前記耐熱性絶縁膜が外気に接触し
    ないように構成された温度センサ素子と、 被温度測定物に温度センサを固定するための金属フラン
    ジと、 前記温度センサ素子のリード取り出し部側を覆い前記金
    属フランジに固定された金属ハウジングと、 前記電極膜のリード取り出し部に接続されたリード線
    と、 前記温度センサ素子の金属ハウジングから露出する部分
    を覆うカバーと、 前記金属ハウジング内においてリード取り出し部を前記
    金属ハウジングおよび金属フランジから絶縁する電気絶
    縁碍子と、 を具備することを特徴とする温度センサ。
  15. 【請求項15】 耐熱性絶縁材の基板と、前記基板上の
    一方の端部側に設けられた感熱性材料の感熱膜と、前記
    感熱膜と接触する拡散防止膜と、前記基板上に長手方向
    に設けられ感熱膜および拡散防止膜に接触する少なくと
    も一対の電極膜と、前記電極膜のリード取り出し部を除
    いて前記感熱膜、拡散防止膜および電極膜を被覆する耐
    熱性絶縁膜を具備し、耐熱性絶縁材の別の基板が、前記
    耐熱性絶縁材の膜に無機接着剤により接着され、前記無
    機接着剤の一部が前記別の基板と前記基板とにわたって
    存在し、而して、前記耐熱性絶縁材の膜における前記別
    の基板との対向部および側面部が前記無機接着剤により
    覆われ、前記電極膜のリード取り出し部を除いて、前記
    耐熱性絶縁材の膜は、前記一対の基板に対向する面部が
    前記一対の基板により覆われると共に、側面部が前記無
    機接着剤により覆われ、前記感熱膜は、前記一対の基板
    に対向する面部が前記一対の基板により覆われると共
    に、側面部が前記耐熱性絶縁材の膜および前記無機接着
    剤により覆われ、前記感熱膜および前記耐熱性絶縁膜が
    外気に接触しないように構成された温度センサ素子と、 被温度測定物に温度センサを固定するための金属フラン
    ジと、 前記温度センサ素子のリード取り出し部側を覆い前記金
    属フランジに固定された金属製ハウジングと、 前記電極膜のリード取り出し部に接続されたリード線
    と、 前記温度センサ素子の金属ハウジングから露出する部分
    を覆うカバーと、 前記金属ハウジング内においてリード取り出し部を前記
    金属ハウジングおよび金属フランジから絶縁する電気絶
    縁碍子と、 を具備することを特徴とする温度センサ。
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