JP2951727B2 - 温度センサ素子とそれを有する温度センサおよび温度センサ素子の製造方法 - Google Patents

温度センサ素子とそれを有する温度センサおよび温度センサ素子の製造方法

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秀雄 鳥井
健 鎌田
淳 友澤
映志 藤井
良一 高山
博紀 森分
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は種々の物体の温度測定用の温度センサ素子と
それを有する温度センサおよび温度センサ素子の製造方
法に関するものであり、特に耐熱性、耐熱衝撃性、熱応
答性、信頼性の優れた温度センサ素子とその製造方法に
関する。
背景技術 近年、大気汚染防止の観点から、自動車エンジンの排
気ガスは出来る限り浄化して大気中に放出することが要
求されている。そのために排気系統に触媒コンバータを
取り付けて排気ガスを無害なガスに浄化している。その
場合に浄化効率すなわち触媒性能を高めるには触媒温度
を正確に測定する必要がある。そのため、自動車エンジ
ンの排気温度測定用の温度センサ素子は耐熱性、耐熱衝
撃性に優れ、熱応答が速い信頼性の高いものであること
が必要である。
この種の温度センサ素子の一つとしては図35に示すよ
うに直線型、非直線型、負特性型または正特性型を示す
焼結体100と貴金属のリード線101とを一体化したものが
あった。そして図36に示すように、温度センサ120は温
度センサ素子102の貴金属のリード線101に引き出し用の
リード線103を接続し、リード線103の外周側に電気絶縁
碍子104を介して金属製のハウジング105を設け、そのハ
ウジングのセンサ素子を設けない他端を被温度測定物に
温度センサを固定するための金属製のフランジ106に固
定し、リード線103、ハウジング105、フランジ106を電
気絶縁碍子107によって絶縁し、温度センサ素子102に耐
熱金属製のキャップ108をかぶせたものであった(例え
ば、特開平6−283310号公報、米国特許第5,497,139
号)。
しかしながら、上記のような従来の温度センサ素子を
有する温度センサを自動車の触媒コンバータに取り付け
た場合、熱応答性が悪く、かつ製造工程が複雑であると
いう問題があった。これは感熱体100が焼結体であるた
めに形状と熱容量が大きい上に、温度センサ素子102に
耐熱金属製のキャップ108をかぶせているからである。
この従来の温度センサにおいて耐熱金属製のキャップ10
8を除去して耐熱衝撃試験をすると感熱体100にクラック
が発生するという問題があった。
本発明は、前記従来の問題点を解消するために、耐熱
性と耐衝撃性に優れ、熱応答性が速く、抵抗値の経時変
化の小さい信頼性の高い温度センサ素子とそれを有する
温度センサおよびその製造方法を提供することを目的と
する。
発明の開示 上記の目的を達成するために本発明の温度センサ素子
は、平板形状の金属製支持体と、前記支持体の上に存在
する第一の電気絶縁膜と、前記第一の電気絶縁膜の上に
配置された第一の感熱膜と、前記第一の感熱膜の上に配
置された一対の電極膜と、前記電極膜の上に配置された
第二の感熱膜と、前記第二の感熱膜の上に配置された第
二の電気絶縁膜とを備えたものである。金属製支持体に
は例えば、Cr18原子%、Al3〜4原子%および残部Feを
主成分とする化学組成の耐熱合金が好ましく用いられ
る。他にも、ステンレス鋼(SUS)、耐熱鋼(Cr含有量
の多いステンレス鋼)、チタン鋼、ジュラルミンなどを
用いてもよい。金属製支持体の形状は、特に限定される
ものではなく、その用途にあわせて形成する。好ましい
厚さは例えば、0.2〜10mm程度である。電気絶縁膜には
例えば、アルミナ(Al2O3)、25℃で抵抗率1012Ω・cm
以上のセラミック、またはガラスなどが好ましく用いら
れる。好ましい膜厚は例えば、1〜3μm程度である。
感熱膜にはセラミック半導体が好ましく用いられる。特
に例えば、Al、Cr、およびFeを主成分とするコランダム
型結晶構造またはスピネル型結晶構造の酸化物であるこ
とが好ましい。コランダム(corundum)型の結晶構造と
は、α−アルミナ型構造ともいい、化学式A2B3で表され
る化合物のとる結晶構造の一形式をいう。スピネル(sp
inel)型結晶構造とは、せん晶石型構造ともいい、化学
式AB2X4(A、Bは陽性元素、Xは陰性元素)で示され
る化合物のとる結晶構造の一形式をいう。特に、Al、C
r、およびFeの組成は、(Al1−x−y′Crx′Fey2O
z(但し0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦9)であることが好ましい。電極には
例えば、白金を中心とする貴金属が好ましく用いられ
る。例えば、耐熱性を上げるためにロジウム、イリジウ
ムまたはイットリウムなどを添加した白金や、白金の単
体があげられる。前記添加元素は、ロジウム:約40原子
%まで、イットリウム:約5原子%まで含有可能であ
る。イリジウムなら単体でも使用可能である。電極膜の
膜厚は0.05〜3μm程度が好ましい。
また、前記構成においては、前記第二の電気絶縁膜の
上に金属カバーを存在させることが好ましい。また、こ
の場合には、前記金属カバーと前記平板形状の金属製支
持体を着脱不能に接合すること、例えば、溶接によって
接合することが好ましい。
また、本発明の温度センサ素子の製造方法は、平板形
状の金属製支持体の表面上に第一の電気絶縁膜を形成
し、前記第一の電気絶縁膜の上に第一の感熱膜を形成
し、前記第一の感熱膜の表面に一対の電極膜を形成し、
前記電極膜の上に第二の感熱膜を形成し、前記第二の感
熱膜の上に第二の電気絶縁膜を形成するという構成を備
えたものである。前記電気絶縁膜及び感熱膜は、例え
ば、プラズマ有機金属化学蒸着(MOCVD:Metal Organic
Chemical Vapor Deposition)法によって連続して形成
することができる。前記電極膜は、例えば、スパッタ法
によって形成される。
また、前記本発明の温度センサ素子の製造方法におい
ては、前記第二の電気絶縁膜を形成した後、さらに前記
第二の電気絶縁膜の上に金属カバーを配置し、前記金属
カバーと前記平板形状の金属製支持体を溶接により接合
することが好ましい。
図面の簡単な説明 図1は本発明の実施例1における温度センサ素子の斜
視図である。
図2は本発明の実施例1における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図3は本発明の実施例1における温度センサ素子の断
面図である。
図4は本発明の実施例1における温度センサ素子の電
極を上からみた場合の形状を示す図である。
図5は本発明の実施例1における温度センサの断面図
である。
図6は本発明の実施例2における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図7は本発明の実施例2における温度センサ素子の断
面図である。
図8は本発明の実施例3における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図9は本発明の実施例3における温度センサ素子の断
面図である。
図10は本発明の実施例4における温度センサ素子の斜
視図である。
図11は本発明の実施例4における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図12は本発明の実施例4における温度センサ素子の断
面図である。
図13は本発明の実施例5における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図14は本発明の実施例5における温度センサ素子の断
面図である。
図15は本発明の実施例6における温度センサ素子の多
層構造を示す分解説明図である。
図16は本発明の実施例6における温度センサ素子の断
面図である。
図17は本発明の実施例7における温度センサ素子の斜
視図である。
図18は本発明の実施例7における温度センサの断面図
である。
図19は本発明の一実施例における感熱膜、電極膜を製
造するためのCVD装置の構成を示す図である。
図20は本発明の実施例8における温度センサ素子の斜
視図である。
図21は本発明の一実施例における感熱膜、電極膜を製
造するためのCVD装置の構成を示す図である。
図22(a)は本発明の一実施例の温度センサ素子の断
面図、および図22(b)は温度センサ素子の多層構造を
示す分解説明図である。
図23は本発明の一実施例の温度センサの断面図であ
る。
図24は本発明の一実施例に用いるプラズマCVD装置の
構成を示す図である。
図25は本発明の実施例11におけるXRD分析結果1を示
す図である。
図26は本発明の一実施例に用いるRFスパッタリング装
置の構成を示す図である。
図27は本発明の一実施例に用いる熱CVD装置の構成を
示す図である。
図28は本発明の実施例12におけるXRD分析結果2を示
す図である。
図29は本発明の一実施例に用いる反応蒸着装置の構成
を示す図である。
図30は本発明の実施例13におけるXRD分析結果3を示
す図である。
図31は本発明の実施例14におけるXRD分析結果4を示
す図である。
図32は本発明の実施例15におけるXRD分析結果5を示
す図である。
図33は本発明の一実施例に用いる対向スパッタリング
装置の構成を示す図である。
図34は本発明の実施例16におけるXRD分析結果6を示
す図である。
図35は本発明の比較例における温度センサ素子の斜視
図である。
図36は本発明の比較例における温度センサの断面図で
ある。
図37は本発明の比較例における温度センサ素子の斜視
図である。
発明を実施するための最良の形態 前記本発明の第一の温度センサ素子は、図2に示すよ
うに、耐熱性の平板形状の金属製支持体2の上に、Al2O
3からなる電気絶縁膜3を配置し、さらにその上にアル
ミニウム、鉄、クロムの複合組成の酸化物からなる感熱
膜4と、その感熱膜に接触して設けた一対の白金系膜の
電極5、6を配置し、さらにその上にAl2O3からなる電
極保護も兼ねた上部電気絶縁膜7を配置した構成のもの
である。または、図11に示すように、肉厚の薄い耐熱性
の平板形状の金属支持体42の上に、上記と同様に、電気
絶縁膜3、感熱膜4、電極5、6、上部電気絶縁膜7を
配置し、さらにその上に、金属製カバー43を配置した構
成のものである。金属製カバー43を配置することによ
り、電気絶縁膜7などが異物との接触により破損するの
を防ぐことができる。
前記本発明の第一の温度センサの構造を図5に示す。
上記の温度センサ素子のいずれかは、金属製ハウジング
13に接続して固定される。金属製ハウジング13には、被
温度測定物に温度センサを固定するための金属製のフラ
ンジ14が接続されている。前記温度センサ素子の一対の
それぞれの電極に信号取り出し用のリード線(A)15、
リード線(B)16を接続する。それらのリード線の外周
に電気絶縁碍子11を配して前記の金属製ハウジング13お
よび金属製のフランジ14と電気的に絶縁した構造となっ
ている。
前記本発明の第一のセンサ素子の製造方法は、耐熱性
の平板形状の金属製支持体上に、アルミニウム、鉄、ク
ロムのそれぞれの有機金属化合物の混合蒸気を原料ガス
に用い、酸素ガスを反応ガスに用いたプラズマ有機金属
化学蒸着(MOCVD)法によって、Al2O3膜の電気絶縁膜
3、およびアルミニウム、鉄、クロムの複合組成の酸化
物からなる感熱膜4を形成し、その後、白金系貴金属を
ターゲットに用いたRFスパッタ法で一対の電極膜5、6
を形成し、さらにその電極膜の上に上記と同様のプラズ
マMOCVD法でAl2O3からなる上部電気絶縁膜7を形成して
製造される方法である。または、上記と同様に、上部電
気絶縁膜7を形成した後、さらにその上を金属製カバー
43で覆い、金属支持体と溶接して接合する方法である。
上記の構成とすることにより、以下を達成することが
できる。すなわち、 (1)板状の金属支持体に感熱膜を設け、その感熱膜上
に電極膜を設けた構成とすることによって、温度センサ
素子の熱容量が小さく、熱伝達がよくなるために、耐熱
性と耐熱衝撃性に優れ、熱応答が速く、抵抗値の経時変
化の小さい信頼性の高い温度センサ素子とそれを有する
温度センサが得られる。
(2)耐熱キャップがないために温度センサの熱容量と
熱伝達抵抗が小さくなるので熱応答性の優れた温度セン
サが得られる。
(3)感応膜は膜状に形成するために、従来のセラミッ
ク焼結体の製造方法より重量の小さな感熱膜を製造する
ことができる。
次に本発明の第二の温度センサ素子、温度センサおよ
び温度センサ素子の製造方法によれば、前記と同様に温
度センサ素子の熱容量が小さく、熱伝達がよくなるため
に、耐熱性と耐熱衝撃性に優れ、熱応答が速く、抵抗値
の経時変化の小さい信頼性の高い温度センサ素子とそれ
を有する温度センサを達成できる。また感応膜は膜状に
形成するために、従来のセラミック焼結体の製造方法よ
り重量の小さな感熱膜を製造することができる。
次に本発明の第三の温度センサ素子の製造方法によれ
ば、様々な方式の真空気相薄膜形成法によって感熱体の
薄膜を形成した後、加熱処理によって感熱体の薄膜の結
晶化を行うので、比較的低温で薄膜形成を行うことがで
きる。また熱処理によって膜の組織を焼結するので、粒
界の存在による薄膜厚さ方向と基板横方向の抵抗値が異
なるという問題点が解消できる利点がある。さらに、熱
容量が小さくできるため、熱応答性が速くできる。また
耐熱基板上に薄膜を形成することにより、耐熱性と耐熱
衝撃性に優れ、抵抗値が安定し、その経時変化の小さ
い、信頼性の高い温度センサ感熱体を提供できる。これ
によって、従来の焼結体の温度センサ感熱体を用いた温
度センサを自動車の触媒コンバーターに取り付けた場合
の、熱応答性が悪いという問題点が解消できる。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
実施例1 実施例1は本発明の第一の温度センサ素子および温度
センサの実施例である。図1は本実施例の温度センサ素
子1の斜視図である。図2は、同温度センサ素子1の多
層膜構造を示す分解説明図である。図3は、積層したあ
との温度センサ素子1を図2の破線で切った場合の断面
を示す。図4は上からみた電極の形状を示す。図2に従
って説明すると、まず鉄とクロムとアルミニウムからな
る耐熱合金製の幅5mm、長さ25mm、厚み0.8mmの平板形状
の金属製支持体2の表面全面上に、膜厚み1.0μmのAl2
O3の酸化物の電気絶縁膜3を配置し、さらに酸化物絶縁
膜3の形成表面上に、膜厚み2.0μmでアルミニウムと
クロムと鉄の複合組成のコランダム型結晶構造の酸化物
材料の感熱膜4を配置する。
上記のように形成した感熱膜の表面に、イットリウム
3原子%が添加された白金の膜からなる電極(A)5と
電極(B)6を配置する。電極の形状は図4に示すよう
に、一端が幅2.0mm、長さ5.0mmで、他端が幅1.5mm、長
さ15.0mmの、全体の長さが20.0mmで厚み0.8μmであっ
て、電極(A)5と電極(B)6を、電極間隔が0.1mm
で相向かい合うように配置する。次に、前記電極の上に
幅5.0mm、長さ22.0mm、膜厚み2.0μmのAl2O3膜の電気
絶縁膜7を配置する。高電気絶縁性で電極保護を兼ねた
上部電気絶縁膜7は、電極(A)5、電極(B)6の幅
1.5mmの一端側から長さ3.0mmを除いて電極部分全体を覆
うように配置される。
図1に示す上記の温度センサ素子1は、以下のように
して製造した。プラズマMOCVD法で、アルミニウムアセ
チルアセトナートを加熱し、気化した蒸気を原料ガスに
用い、キャリアガスに窒素を用い、酸素を反応ガスに用
いて、基板温度1000℃で、1.0Paの真空度に保ちなが
ら、13.56MHzの高周波の印加によって発生したプラズマ
中で熱CVD反応を起こし、金属性支持体2(クロム18原
子%、アルミニウム3原子%、残部鉄)の表面に、膜厚
み1.0μmのAl2O3の電気絶縁膜3を形成した。続いて、
同じプラズマMOCVD法で、アルミニウムアセチルアセト
ナートの蒸気、クロムアセチルアセトナートの蒸気、お
よび鉄アセチルアセトナートの蒸気の混合ガスを原料ガ
スに用い、それぞれのキャリアガスに窒素を用いて、酸
素を反応ガスに用いて、上記の酸化物の電気絶縁膜3の
表面上にアルミニウムとクロムと鉄の複合組成(組成比
0.71:0.14:0.15)のコランダム型結晶構造の酸化物材料
で厚み2.0μmの感熱膜4を形成した。続いて、イット
リウムが添加された白金をターゲットに用いたRFマグネ
トロンスパッタ法で、基板温度400℃で、スパッタガス
にアルゴンガスを用い1.0Paの真空度に保ちながら、図
4に示す電極形状のマスクを用いて、スパッタリングを
行って、膜厚み0.5μmの白金系貴金属膜からなる電極
(A)5、電極(B)6を形成した。さらに、続いて、
酸化物の電気絶縁膜3の形成と同様にして、プラズマMO
CVD法で、マスクを用いて、形成の必要な面のみ膜厚み
1.0μmのAl2O3の電極保護を兼ねた上部電気絶縁膜7を
形成して、図1に示す温度センサ素子1を製造した。
図5は、実施例1の温度センサ20の構造を示す断面図
である。温度センサ素子1の電極(A)5、電極(B)
6のそれぞれに、白金製のリード線(A)15、リード線
(B)16を接続する。これらのリード線(A)、(B)
は、それぞれのリード線が通る2本の細管が貫通した電
気絶縁碍子(A)11と電気絶縁碍子(B)12を介して、
温度センサ素子1を保持する目的で接続された耐熱性の
管状の金属製ハウジング13と、金属製ハウジング13と接
続した金属製のフランジ14の内部に配置される。すなわ
ち、温度センサ素子1の電気信号を取り出すリード線
(A)15、(B)16は、電気絶縁碍子(A)11、(B)
12で管状の金属製ハウジング13と金属製のフランジ14と
絶縁された配置になっている。
温度センサ20の熱応答性は、温度センサの2本のリー
ド線(A)5、(B)6をセンサ温度検出回路に接続
し、そのセンサ温度検出回路の出力端子にレコーダを接
続し、室温の温度センサをあらかじめ350℃、500℃、80
0℃に保持された恒温槽に瞬時に入れて測定温度がそれ
ぞれ350℃、500℃、800℃にまで上昇し一定値を示すま
での時間を計測することによって測定した。測定は5回
行い平均値を測定結果とした。
本実施例の温度センサ20の熱応答性を測定した結果
は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に
昇温する時間(熱応答性)はそれぞれ4.0秒、4.9秒、7.
6秒であり、優れた応答速度を示した。
実施例2 図6は、本実施例における温度センサ素子21の多層膜
構造を示す分解説明図である。図7は、積層したあとの
温度センサ素子21を図6の破線で切った場合の断面を示
す。図6に従って説明すると、まず実施例1で用いたも
のと同様の鉄とクロムとアルミニウムからなる耐熱合金
製の幅5mm、長さ25mm、厚み0.8mmの平板形状の金属性支
持体2の表面全面上に、膜厚み1.0μmのAl2O3の酸化物
絶縁膜3を配置する。次に酸化物絶縁膜3の形成表面上
に、膜厚み2.0μmでアルミニウムとクロムと鉄の複合
組成のコランダム型結晶構造の酸化物材料の感熱膜4を
配置する。次に、上記のように形成した感熱膜4の表面
に、実施例1と同様の図4に示すサイズで厚み0.8μm
の、白金膜からなる電極(A)5と、電極(B)6を、
電極間隔が0.1mmで相向かい合うように配置する。次に
それらの電極(A)5、電極(B)6の幅1.5mmの一端
側から長さ3.0mmを除いて電極部分全体を覆うように、
幅5.0mm、長さ22.0mm、上記の感熱膜4と同じ結晶構造
で同じ組成で、かつ厚さ2.0μmの感熱膜22を配置す
る。さらにその上に感熱膜22と同様の大きさで厚さ2.0
μmのAl2O3膜の高電気絶縁性の上部電気絶縁膜7を配
置する。
上記の温度センサ素子21は、以下のようにして製造し
た。膜構成の各材料の膜は、実施例1と同様にして、プ
ラズマMOCVD法と、RFマグネトロンスパッタ法を用いて
製造した。実施例1と異なる上部感熱膜22は、実施例1
の感熱膜4と同様の膜作製条件で、実施例1のAl2O3
上部電気絶縁膜7の形成時と同様のマスクを用いて形成
して、図7に示す断面をもつ温度センサ素子21を製造し
た。
実施例2の温度センサは、温度センサ素子21の電極
(A)5に白金製のリード線(A)15を、電極(B)6
にリード線(B)16をそれぞれ接続し、以下、実施例1
と同様にして製造した。
温度センサの熱応答性は、実施例1と全く同様にして
測定した。本実施例の温度センサの熱応答性を測定した
結果は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ4.1秒、4.8秒、7.6秒であ
り、優れた応答速度を示した。
実施例3 図8は、本実施例における温度センサ素子31の多層膜
構造を示す分解説明図である。図9は、積層したあとの
温度センサ素子31を図8の破線で切った場合の断面を示
す。図8に従って説明すると、まず実施例1で用いたも
のと同様の鉄とクロムとアルミニウムからなる耐熱合金
製の幅5mm、長さ25mm、厚み0.8mmの平板形状の金属性支
持体2の表面全面上に、膜厚み1.0μmのAl2O3の酸化物
絶縁膜3を配置する。次に酸化物絶縁膜3の形成表面上
に、実施例1と同様の図4に示すサイズで、厚み0.8μ
mの白金膜からなる片方の電極(A)5を配置する。次
に、その上に実施例2と同様のサイズの膜厚み2.0μm
でアルミニウムとクロムと鉄の複合組成のコランダム型
結晶構造の酸化物材料の感熱膜32を配置する。次に、上
記のように形成した感熱膜32の表面に、上記の図4に示
すサイズで厚み0.8μmの白金膜からなるもう一方の電
極(B)6を、感熱膜32を介した投影面において電極間
隔が0.1mmで相向かい合うように配置し、さらに感熱膜3
2と電極6を覆うように、実施例1と同様のサイズの厚
さ1.0μmのAl2O3膜の高電気絶縁性の上部電気絶縁膜7
を配置する。
上記の温度センサ素子31は、以下のようにして製造し
た。膜構成の各材料の膜は、実施例1と同様にして、プ
ラズマMOCVD法と、RFマグネトロンスパッタ法を用いて
製造した。実施例1と異なる白金膜からなる電極(A)
5、電極(B)6は、実施例1の電極(A)、(B)と
同様の膜作製条件で、それぞれ図4の形状を作るマスク
の片側の電極マスクを隠すことでそれぞれ形成して、図
9に示す断面をもつ温度センサ素子31を製造した。
実施例3の温度センサは、温度センサ素子31の電極
(A)5に白金製のリード線(A)15を、電極(B)6
にリード線(B)16をそれぞれ接続し、以下、実施例1
と同様にして製造した。
温度センサの熱応答性は、実施例1と全く同様にして
測定した。本実施例の温度センサの熱応答性を測定した
結果は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ4.0秒、4.7秒、7.5秒であ
り、優れた応答速度を示した。
実施例4 図10は本実施例における温度センサ素子41の斜視図で
ある。実施例4における温度センサ素子41の多層膜構造
を示す分解説明図を図11に示す。図12は、積層したあと
の温度センサ素子41を図11の破線で切った場合の断面を
示す。図11に従って説明すると、まず実施例1で用いた
ものと同様の組成の鉄とクロムとアルミニウムからなる
耐熱合金製で、サイズが幅5mm、長さ25mm、厚み0.3mmの
平板形状の金属性支持体42の表面全面上に、実施例1と
全く同様にして、膜厚み1.0μmのAl2O3の酸化物絶縁膜
3、アルミニウムとクロムと鉄の複合組成のコランダム
型結晶構造の酸化物材料の膜厚み2.0μm感熱膜4、電
極間隔が0.1mmで相向かい合うように配置した2つのパ
ラジウム(85原子%)−白金合金膜からなる電極(A)
5と、電極(B)6、膜厚み2.0μmのAl2O3膜の高電気
絶縁性の上部電気絶縁膜7を配置する。次に、電極
(A)5、(B)6のリード線接続部分を露出させ、他
端を平板形状の支持体42の端に揃えて覆うように、耐熱
ステンレス製の金属製カバー43と支持体42を接続する。
金属製カバーは、例えば断面がコの字型で肉厚が0.4mm
で上部平面の大きさが幅5.8mm、長さ21.0mmであり、コ
の字型の内面平面の大きさが幅5.0mm、長さ21.0mmであ
る。
上記の温度センサ素子41は、以下のようにして製造し
た。平板形状の支持体42の上に、膜構成の各材料の膜
を、実施例1と同様にして、プラズマMOCVD法と、RFマ
グネトロンスパッタ法を用いて作製した。最後にコの字
型の金属製カバー43を各膜を形成後の支持体42に被せ、
二者を溶接により接合して、図12の形状を断面をもつ温
度センサ素子41を製造した。
実施例4の温度センサは、図10に示す温度センサ素子
41の電極(A)5、電極(B)6に、白金製のリード線
(A)15、リード線(B)16をそれぞれ接続し、以下、
実施例1と同様にして製造した。
温度センサの熱応答性は、実施例1と全く同様にして
測定した。本実施例の温度センサの熱応答性を測定した
結果は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ3.9秒、4.8秒、7.5秒であ
り、優れた応答速度を示した。
実施例5 図13は本実施例における温度センサ素子51の多層膜構
造を示す分解説明図である。図14は、積層したあとの温
度センサ素子51を図13の破線で切った場合の断面を示
す。図13に従って説明すると、まず実施例4で用いたも
のと同様の鉄とクロムとアルミニウムからなる耐熱合金
製の平板形状の金属性支持体42の表面全面上に、実施例
2と同様にして、膜厚1.0μmのAl2O3の酸化物絶縁膜
3、膜厚2.0μmのアルミニウムとクロムと鉄の複合組
成のコランダム型結晶構造の酸化物材料の感熱膜4、電
極間隔が0.1mmで相向かい合うように配置した2つの白
金膜からなる電極(A)5と電極(B)6、膜厚さ2.0
μmで感熱膜4と同じ結晶構造で同じ組成の上部感熱膜
22、膜厚1.0μmのAl2O3膜の高電気絶縁性の上部電気絶
縁膜7を配置する。次に、それらの多層膜を内部に取り
囲むように、実施例4と同様にして電極(A)5、
(B)6のリード線接続部分を露出させ、実施例4と同
様のサイズの金属製カバー43を配置して支持体42と接続
する。
上記の温度センサ素子51は、以下のようにして製造し
た。平板形状の支持体42の上に、膜構成の各材料の膜
を、実施例2と同様にして、プラズマMOCVD法と、RFマ
グネトロンスパッタ法を用いて作製した。最後に、実施
例4と同様にして、コの字型の金属製カバー43を各膜を
形成後の支持体42に被せ、二者を溶接により接合して、
図14の形状の断面をもつ温度センサ素子51を製造した。
実施例5の温度センサは、温度センサ素子51の電極
(A)5、電極(B)6に、白金製のリード線(A)1
5、リード線(B)16をそれぞれ接続し、以下、実施例
1と同様にして製造した。
温度センサの熱応答性は、実施例1と全く同様にして
測定した。本実施例の温度センサの熱応答性を測定した
結果は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ3.9秒、4.7秒、7.5秒であ
り、優れた応答速度を示した。
実施例6 図15は本実施例における温度センサ素子61の多層膜構
造を示す分解説明図である。図16は、積層したあとの温
度センサ素子61を図15の破線で切った場合の断面を示
す。図15に従って説明すると、まず実施例4で用いたも
のと同様の鉄とクロムとアルミニウムからなる耐熱合金
製の平板形状の金属性支持体42の表面全面上に、実施例
3と同様にして、1.0μm厚さのAl2O3の酸化物絶縁膜
3、白金膜の電極(A)5、膜厚さ2.0μmのアルミニ
ウムとクロムと鉄の複合組成のコランダム型結晶構造の
酸化物材料の感熱膜32、白金膜の電極(B)5、膜厚さ
2.0μmのAl2O3膜の高電気絶縁性の上部電気絶縁膜7を
配置する。次にそれらの多層膜を内部に取り囲むよう
に、実施例4と同様にして電極(A)5、(B)6のリ
ード線接続部分を露出させて、実施例4と同様のサイズ
の金属製カバー43を配置して支持体42と接続する。
上記の温度センサ素子61は、以下のようにして製造し
た。平板形状の支持体42の上に、膜構成の各材料の膜
を、実施例3と同様にして、プラズマMOCVD法と、RFマ
グネトロンスパッタ法を用いて作製した。最後に、実施
例4と同様にして、コの字型の金属製カバー43を各膜を
形成後の支持体42に被せ、二者を溶接により接合して、
図16の形状の断面をもつ温度センサ素子61を製造した。
実施例6の温度センサは、図15に示す温度センサ素子
61の電極(A)5、電極(B)6に、白金製のリード線
(A)15、リード線(B)16をそれぞれ接続し、以下、
実施例1と同様にして製造した。
温度センサの熱応答性は、実施例1と全く同様にして
測定した。本実施例の温度センサの熱応答性を測定した
結果は、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ3.9秒、4.7秒、7.4秒であ
り、優れた応答速度を示した。
比較例1 比較例として従来の温度センサ素子の斜視図を図35を
示す。本比較例の温度センサ素子102は、直径3.7mm、厚
さ2mmの円板状の、Al:Fe:Crの原子比が0.7:0.15:0.15の
コランダム型結晶構造で負特性型の焼結体100と2本の
白金製のパイプ101とからなっている。
本比較例の温度センサ素子102は、Al2O3、Cr2O3、Fe2
O3を所定量秤量し、仮焼成、粉砕、成形して成形体を製
造し、その後、成形体に2本の白金製のパイプ101を挿
入し、1600℃で本焼成してAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.1
5のコランダム型の結晶構造の焼結体100を形成して製造
した。
従来の温度センサとして、比較例の温度センサ120の
断面図を図36に示す。比較例の温度センサ120は、上記
の温度センサ素子102の2本の白金製のパイプ101に引き
出しリード線103を接続し、管状の金属製ハウジング105
の内部に電気絶縁碍子(A)104を挿入し、その電気絶
縁碍子(A)104の内部に引き出し用のリード線103を通
し、管状の金属製ハウジング105を温度センサ102を設け
ない他端の外周側に金属製のフランジ106を挿入し、次
に、電気絶縁碍子(B)107を金属製のフランジ106内に
挿入してリード線103と金属製のフランジ106を絶縁し、
最後に金属製のハウジング105に耐熱キャップ108を溶接
により固着して製造した。
本比較例の温度センサ120の熱応答性を実施例1と全
く同様の方法で測定した。本比較例の温度センサ120に
ついて、室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間はそれぞれ5.0秒、8.0秒、12.0秒であ
った。どの温度域においても実施例が熱応答性に優れて
いた。
実施例7 実施例7は本発明の第二の温度センサ素子および温度
センサの実施例である。図17は本実施例における温度セ
ンサ素子201の斜視図である。同図において管状の金属
支持体202は外径4mm、内径0.6mm、長さ5mmの耐熱ステン
レスからなる。その金属支持体の内周上に膜厚5μm
で、Al:Fe:Crの比が0.7:0.15:0.15のコランダム型結晶
構造の酸化物薄膜からなり、負特性型の感熱膜203を設
ける。その感熱膜上に膜厚0.5mmの耐熱性金属の1種で
あるニッケルからなる電極膜204を設けてある。この温
度センサ素子を有する温度センサは図18に示すように、
温度センサ素子201の電極膜204にリード線(A)205を
設け、そのリード線(A)205の外周側に電気絶縁碍子
(A)206を介してリード線(B)207を有する管状の金
属製ハウジング208を設け、その管状の金属製ハウジン
グの温度センサ素子201を設けない他端の外周側に電気
絶縁碍子(B)209を介して金属製のフランジ210を設
け、リード線(A)205、リード線(B)207、管状の金
属製ハウジング208、金属製のフランジ210を電気絶縁碍
子(C)211で絶縁したものである。
本実施例の温度センサの熱応答性を測定して比較例1
のものと同様の従来の温度センサと比較すると、室温か
ら350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する時
間(熱応答性)はそれぞれ4秒、5秒、8秒であった。
これに対して図36の従来の温度センサの熱応答性はそれ
ぞれ5秒、8秒、12秒であり、どの温度域においても本
実施例の熱応答性が優れていた。熱応答性は、温度セン
サの2本のリード線をセンサ温度検出回路に接続し、そ
のセンサ温度検出回路の出力端子にレコーダを接続し、
室温の温度センサをあらかじめ350℃、500℃、800℃に
保持された恒温槽に瞬時に入れて測定温度がそれぞれ35
0℃、500℃、800℃にまで上昇し一定値を示すまでの時
間を計測することによって測定した。測定は5回行い平
均値を測定結果とした。
次に、本実施例の温度センサ素子の製造方法について
詳細に説明する。
まず、図19に示すように、化学蒸着(CVD)装置の真
空チャンバー212内に外径4mm、内径0.6mm、長さ5mmの耐
熱ステンレス管202を準備した。その耐熱ステンレス管
はヒータ213によって1100℃に加熱した。
次に、耐熱ステンレス管の内部に外径2.2mmのCVDガス
吹き出しノズル214を差し込み、原料ガス供給装置215、
216、217のそれぞれにアルミニウムアセチルアセトナー
トの蒸気、鉄アセチルアセトナートの蒸気、クロムアセ
チルアセトナートの蒸気を供給し、前記3種類の蒸気に
酸素ガスを加えた混合ガスを20分間流した。その間、真
空チャンバー212内は排気ポンプ218によって0.8Torrの
真空度に保ちながら、高周波電源219を作動させて13.56
MHzの高周波を高周波コイル220に印加してプラズマを発
生させた。これによって耐熱ステンレス管202の内周上
で熱CVD反応がおこり、図17に示すAl−Fe−Cr−Oから
なる感熱膜203を製造できた。次に、感熱膜が形成され
た耐熱性ステンレス管をめっき液槽に入れ、耐熱ステン
レス管の内側に外径2mmのプラスチック管のノズルを差
し込み、その中にめっき液を循環させ、最初、無電解パ
ラジウムめっきを行い、続いて電解ニッケルめっきを行
うとニッケルの電極膜204が製造できた。その後、管状
の金属支持体両端を研磨して電極間の短絡を除去した。
本実施例の感熱膜203の重量は従来の温度センサ素子1
02の1/2000であった。
図18に示した温度センサは以下のように製造した。ま
ず、本実施例で製造した温度センサ素子の電極膜204に
リード線(A)205の一端を溶着し、さらに耐熱ステン
レス管202の外周を管状のステンレス製ハウジング208の
一端と溶着し、管状のステンレスハウジング208の他端
にリード線(B)207を接続した。次に、管状のステン
レスハウジング208の内部に電気絶縁碍子206を挿入し、
その電気絶縁碍子206の内部にリード線(A)205を通
し、管状のステンレスハウジング208の温度センサ素子2
01を設けていない他端の外周側に電気絶縁碍子(B)20
9を挿入し、次に、電気絶縁碍子(C)211を金属製のフ
ランジ210内に挿入してリード線(A)205、リード線
(B)207、管状の金属製ハウジング208を絶縁した。
従来の温度センサ素子102(図35)は、Al2O3、Cr
2O3、Fe2O3を所定量秤量し、仮焼成、粉砕、成形して成
形体を製造し、その後、成形体に2本の白金製パイプ10
1を挿入し、1600℃で本焼成してAl:Fe:Crの比が0.7:0.1
5:0.15のコランダム型の結晶構造の焼結体100を形成し
て製造した。従来の温度センサは、比較例1と同様に製
造した。
実施例8 次に、実施例8の温度センサ素子とその製造方法につ
いて図20および図21を参照しながら説明する。
図20は本実施例の温度センサ素子221の斜視図であ
る。図17の実施例7と異なり、本実施例では管状の金属
支持体202の外周上に感熱膜203を設け、その感熱膜上に
電極膜204を設けている。この温度センサ素子の製造方
法を図21を参照しながら説明する。本実施例では、実施
例7と異なり、表面を電気絶縁したヒータ222を管状の
金属支持体202の内部に挿入し(但し、図は挿入前を示
す)、管状の金属支持体202を包むように、外径8mmの開
いた管形状のCVDガス吹き出しノズル223を配置して感熱
膜203を製造した。蒸気の製造方法で得られた温度セン
サ素子221は実施例7と同様の製造方法で温度センサと
し、熱応答性を測定した。その結果、本発明の実施例の
温度センサの室温から350℃、室温から500℃、室温から
800℃に昇温する時間(熱応答性)はそれぞれ4秒、5
秒、7秒であった。この熱応答性はどの温度域において
も従来の温度センサより優れているとともに室温から80
0℃の高温域においては実施例7より優れたものであっ
た。
実施例9 本実施例の温度センサ素子の製造方法が実施例7、8
と相違する点は、長さ5mmに代えて長さ100mmの管状の金
属支持体を使用し、感熱膜と電極膜を製造後、長さ5mm
ずつに切断した点である。本実施例の製造方法によれ
ば、1回の操作で複数個の温度センサ素子が製造できる
とともに両端を研磨して電極間の短絡を除去する工程が
不要になるという効果が得られる。
実施例10 本実施例の温度センサ素子が実施例7、8と相違する
点は、電極膜204をニッケルに代えて膜厚8μmのリチ
ウム(Li)を含有する酸化ニツケル(NiO)膜を使用し
た点である。
電極膜の製造方法は以下の通りである。まず実施例7
で用いた図19のCVD装置を用いて、真空チャンバー212内
で、実施例7と同じ感熱膜203を有する耐熱ステンレス
管202を600℃に保持したヒーター213上に置いて外壁を
加熱した。耐熱ステンレス管202の内部に外径2.2mmのCV
Dガス吹き出しノズル214を差し込み、原料ガス供給装置
215、216にニッケルアセチルアセトナートの蒸気とリチ
ウムジピバロイルメタンの蒸気からなる2種類の蒸気
に、酸素ガスを加えた混合ガスを30分間流した。その
間、真空チャンバー212内は排気ポンプ218によって0.8T
orrの真空度に保ちながら、高数波電源219を作動させて
13.56MHzの高周波を高周波コイル220に印加してプラズ
マを発生させた。これによって耐熱ステンレス管202の
内周上の感熱膜203上でCVD反応が起こり電極膜204を製
造できた。このようにして製造した温度センサ素子を実
施例7と同様の工程で温度センサとした。本実施例の温
度センサの熱応答性は、室温から350℃、室温から500
℃、室温から800℃に昇温する時間(熱応答性)はそれ
ぞれ4秒、5秒、8秒であり、どの温度域においても本
実施例の熱応答性が従来の温度センサより優れていた。
また、本実施例の温度センサ素子とそれを有する温度
センサには酸化物電極を使用したために実施例7、8の
ニッケルの電極膜を使用したものより信頼性の高いもの
が得られた。
なお、実施例においては感熱膜としてAl−Cr−Fe−O
からなる負特性を示すものについて説明したがこれに限
定されるものではなく、Ba−Ti−Oからなる正特性型の
もの、Si−Cからなる非直線型のもの、白金からなる直
線型のものでも同様の効果が得られる。また、電極膜は
ニッケル、リチウムを含有する酸化ニッケルについて説
明したが、白金などの貴金属、白金−ロジウムなど貴金
属合金を用いても同様の効果が得られる。さらに、感熱
膜、電極膜の製造方法については、プラズマCVD法とめ
っき法について説明したが、これに限定されるものでは
なく、真空蒸着法、スパッタリング法などを用いても同
様の効果が得られる。
実施例11 本実施例は本発明の第三の温度センサ素子の製造方法
の実施例である。
図22は、本実施例における温度センサ感熱体を用いた
温度センサ素子の断面図(a)、および素子の多層膜構
造を示す分解説明図(b)である。同図において、耐熱
金属であるインコネルからなる短冊状の基板302の大き
さは横幅3mm、厚さ0.3mm、長さ20mmであった。その基板
302上の全面にアルミナからなる厚さ2μmの絶縁膜303
を設け、絶縁膜303上の一部分に温度センサ感熱体304の
薄膜を設けた。この温度センサ感熱体304の大きさは2.5
×2.0mmで、厚さは2μmであった。この温度センサ感
熱体304の薄膜上に、電極間隔を0.5mmとった2つの白金
からなる、厚さ100nmの電極薄膜305を設けた。さらに温
度センサ感熱体304の全体と電極薄膜305の大部分を覆
う、厚さ2μmのアルミナからなる絶縁保護膜306を設
ける。この温度センサ素子を有する温度センサは、図23
に示すように、温度センサ素子301の電極薄膜305の露出
した側を金属製のハウジング307に取り付ける。このハ
ウジング307中では、露出した電極薄膜305にリード線
(A)308を取り付け、そのリード線(A)308の外側に
電気絶縁碍子(A)309を設ける。リード線(A)は、
電気絶縁碍子(B)310を通ってリード線(B)311に接
続されている。ハウジング307と電気絶縁碍子(B)310
を金属製のフランジ312に取り付ける。
この温度センサ素子301の製造方法は以下の通りであ
る。なお、本実施例においては、絶縁膜303、温度セン
サ感熱体304の薄膜および絶縁保護膜306はプラズマCVD
法によって、電極薄膜305はRFスパッタリング法によっ
て形成した。
まず、図24に示すプラズマCVD装置を用いて、チャン
バー313内の基板ホルダー314上に、耐熱金属であるイン
コネルからなる基板302を取り付け、真空ポンプ315によ
ってチャンバー313内を1Paにまで排気しながら、ヒータ
ー316によって400℃にまで加熱した。基板温度が安定し
た後、原料ガス供給装置317、318、319のうちの原料ガ
ス供給装置317より、アルミニウムアセチルアセトナー
トの蒸気をキャリアガス(窒素)によりチャンバー313
内に供給し、反応ガスである酸素とともに供給ノズル32
0によって基板302上に導入した。チャンバー313内を8Pa
の真空度に保ち、基板回転モーター321により基板ホル
ダー314を60回転/分で回転させながら、高周波電源322
を作動させて、電極323と基板ホルダー314の間にプラズ
マを20分間発生させた。これによって、基板302上全体
にアルミの酸化物からなる絶縁膜を形成した。
次に、同じ図24に示すプラズマCVD装置を用いて、チ
ャンバー313内の基板ホルダー314上に、絶縁膜が形成さ
れた基板302と、さらにその上にメタルマスク324を取り
付け、真空ポンプ315によってチャンバー313内を1Paに
まで排気しながら、ヒーター316によって400℃にまで加
熱した。基板温度が安定した後、原料ガス供給装置317
によりアルミニウムアセチルアセトナートの蒸気を、原
料ガス供給装置318より鉄アセチルアセトナートの蒸気
を、原料ガス供給装置319よりクロムアセチルアセトナ
ートの蒸気を、それぞれキャリアガス(窒素)によりチ
ャンバー313内に供給し、反応ガスである酸素とともに
供給ノズル320によって基板302上に導入した。チャンバ
ー313内を10Paの真空度に保ち、基板回転モーター321に
より基板ホルダー314を60回転/分で回転させながら、
高周波電源322を作動させて、電極323と基板ホルダー31
4の間にプラズマを20分間発生させた。これによって、
基板302上の絶縁膜上のメタルマスクで覆われていない
部分に、アルミニウム、クロム、鉄の酸化物からなる、
Al:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15となる温度センサ感熱体3
04の薄膜を形成した。このインコネル基板302上に形成
した絶縁膜303と温度センサ感熱体304の薄膜は、図25
(1)のXRD分析結果1に示すように、ともにアモルフ
ァスであった。また、この膜の断面をSEMで観察したと
ころ、膜構造は粒界のはっきりした柱状構造であった。
この温度センサ感熱体304を結晶化するため、電気炉
で1000℃と1200℃の2通りで、それぞれ3時間大気中で
熱処理を行った。その結果、図25(2)および(3)の
XRD分析結果1に示すように、絶縁膜303はアルミナの、
温度センサ感熱体304はアルミニウム、クロム、鉄の酸
化物の2層からなり、結晶構造が(2)はスピネル構造
の単相の薄膜、(3)はコランダム構造の単相の薄膜で
あった。また、この膜の断面をSEMで観察したところ、
膜構造は粒界の認められない、一様に焼結した構造であ
った。
次に、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて電極
薄膜305を形成した。まず、チャンバー325内の基板ホル
ダー326上に、絶縁膜303と温度センサ感熱体304の薄膜
を形成した基板302と、さらにその上にメタルマスク327
を取り付け、真空ポンプ328によってチャンバー325内を
2×10-4Paにまで排気しながら、ヒーター329によって4
00℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、スパッタ
ガスであるアルゴンをチャンバー325内に導入し、真空
度を1.0Paに保ち、基板回転モーター330により基板ホル
ダー326を5回転/分で回転させながら、高周波電源331
を作動させて、白金のターゲット332を10分間スパッタ
リングした。これによって、基板302上の絶縁膜303およ
び温度センサ感熱体304の薄膜上のメタルマスクで覆わ
れていない部分に、白金の電極薄膜305を形成した。
次に、再び図24のプラズマCVD装置を用いて、チャン
バー313内の基板ホルダー314上に、絶縁膜303、温度セ
ンサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305が形成された基
板302と、さらにその上にメタルマスク324を取り付け、
真空ポンプ315によってチャンバー313内を1Paにまで排
気しながら、ヒーター316によって400℃にまで加熱し
た。基板温度が安定した後、原料ガス供給装置317よ
り、アルミニウムアセチルアセトナートの蒸気を、キャ
リアガス(窒素)によりチャンバー313内に供給し、反
応ガスである酸素とともに供給ノズル320によって基板3
02上に導入した。チャンバー313内を8Paの真空度に保
ち、基板回転モーター321により基板ホルダー314を60回
転/分で回転させながら、高周波電源322を作動させ
て、電極323と基板ホルダー314の間にプラズマを20分間
発生させた。これによって、基板302上の絶縁膜303、温
度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305上のメタル
マスクで覆われていない部分に、アルミナの絶縁保護膜
306を形成した。
図23に示した温度センサは、本実施例で製造した温度
センサ素子301の電極薄膜305に2本のリード線(A)30
8の一端を溶着し、温度センサ素子301の絶縁保護膜306
の部分まで電気絶縁碍子(A)309を内蔵した金属製の
ハウジング307に挿入し、電極薄膜305とリード線(A)
308が外気に触れないように、温度センサ素子301の電極
薄膜305が露出している部分をハウジング307中に封入し
た。この温度センサ素子301のついたハウジング307から
出ているリード線(A)308を、金属製のフランジ312中
の電気絶縁碍子(B)310に通し、リード線(B)311に
接続し、ハウジング307とフランジ312を固定した。
この構成によって、本実施例の温度センサは、その温
度センサ素子301の熱容量が小さい。しかも温度センサ
感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を介して
直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待できる。
図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方法
は、Al2O3、Cr2O3、Fe2O3を所定量秤量し、仮焼成、粉
砕、成形して成形体を製造し、その後、成形体にリード
線(A)3102となる2本の白金製パイプを挿入し、1600
℃で本焼成してAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15のコラン
ダム型の結晶構造の焼結体の温度センサ感熱体3101を形
成して製造した。この温度センサ素子は、直径3.7mm、
厚さ2mmの円板状の素子であった。比較例に用いた従来
の温度センサは以下のように製造した。すなわち、上記
の温度センサ素子3100の2本の白金線パイプからなるリ
ード線3102に、図36に示した引き出し用のリード線103
を接続し、リード線103を電気絶縁碍子104の内部に通
し、管状のステンレス製ハウジング105の温度センサ素
子3100を設けない他端の外周側に金属製のフランジ106
を挿入し、次に電気絶縁碍子107を金属製のフランジ106
内に挿入して、リード線103と金属製のフランジ106を絶
縁し、最後に金属製のハウジング105の温度センサ素子3
100のある側に耐熱性のキャップ108を溶接により固着し
た。
本実施例の温度センサ素子301を用いた温度センサ
と、従来の温度センサの熱応答性を比較した。測定方法
は、温度センサの2本のリード線をセンサ温度検出回路
に接続し、そのセンサ温度検出回路の出力端子にレコー
ダを接続し、室温の温度センサをあらかじめ350℃、500
℃、800℃に保持した高温槽に瞬時に入れて測定温度が
それぞれ、350℃、500℃、800℃にまで上昇し一定値を
示すまでの時間を計測することによって行った。測定は
5回行い、平均値を測定結果とした。表1に測定結果を
示す。
その結果、本実施例の温度センサの熱応答性は、表1
の(1)、(2)に示すように、スピネル結晶構造の
(1)は室温から350℃、室温から500℃、室温から800
℃に昇温する時間(熱応答性)は、それぞれ3.8秒、4.9
秒、7.5秒であり、コランダム結晶構造の(2)は、そ
れぞれ3.3秒、4.6秒、6.5秒であった。これに対して従
来の温度センサの熱応答性は、表1の(13)に示すよう
に、それぞれ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域
においても本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al、Cr、Feの元素を
主成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′
Fey2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y(x+y)≦
0.6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性
および熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は400℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との混の熱応答性が得られることを確認し
た。
実施例12 本実施例における温度センサ感熱体を用いた温度セン
サ素子および温度センサの構成は、実施例11と同じく図
22および図23に示した通りである。
この温度センサ素子301の本実施例の製造方法は以下
の通りである。なお、本実施例においては、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および絶縁保護膜306は
熱CVD法によって、電極薄膜305はRFスパッタリング法に
よって形成した。
まず、図27に示す熱CVD装置を用いて、縦型のチャン
バー333内のヒーター334上に、耐熱金属であるインコネ
ルからなる基板302を取り付け、真空ポンプ335によって
チャンバー333内を10Paにまで排気しながら、ヒーター3
34によって基板を600℃にまで加熱した。基板温度が安
定した後、原料ガス供給装置336、337、338のうちの原
料ガス供給装置336より、アルミニウムアセチルアセト
ナートの蒸気をキャリアガス(アルゴン)によりチャン
バー333内に供給し、反応ガスである酸素とともに供給
ノズル339によって基板302上に導入し、チャンバー333
内を0.5KPaの真空度に保ち、40分間、基板302上に成膜
した。これによって、基板302上全体にアルミの酸化物
からなる絶縁膜303を形成した。
続いて同じ熱CVD装置を用いて、絶縁膜303が形成され
た基板302と、さらにその上にメタルマスク340を取り付
け、真空ポンプ335によってチャンバー333内を10Paにま
で排気しながら、ヒーター334によって基板を600℃にま
で加熱した。基板温度が安定した後、原料ガス供給装置
336よりアルミニウムアセチルアセトナートの蒸気を、
原料ガス供給装置337より鉄アセチルアセトナートの蒸
気を、原料ガス供給装置338よりクロムアセチルアセト
ナートの蒸気を、それぞれキャリアガス(アルゴン)に
よりチャンバー333内に供給し、反応ガスである酸素と
ともに供給ノズル339によって基板302上に導入した。チ
ャンバー333内を0.5KPaの真空度に保ち、40分間、基板3
02上に成膜した。これによって、基板302上の絶縁膜303
上のメタルマスクで覆われていない部分に、アルミニウ
ム、クロム、鉄の酸化物からなる、Al:Cr:Feの比が0.7:
0.15:0.15となる温度センサ感熱体304の薄膜を形成し
た。このインコネル基板302上に形成した絶縁膜303と温
度センサ感熱体304の薄膜は、図28(1)のXRD分析結果
2に示すように、ともにアモルファスであった。また、
この膜の断面をSEMで観察したところ、膜構造は粒界の
はっきりした柱状構造であった。この温度センサ感熱体
304を結晶化するため、電気炉で1000℃と1200℃の2通
りで、それぞれ3時間大気中で熱処理を行った。その結
果、図28(2)と(3)のXRD分析結果2に示すよう
に、絶縁膜303はアルミナの、温度センサ感熱体304はア
ルミニウム、クロム、鉄の酸化物の2層からなる、その
結晶構造は(2)はスピネル構造の、(3)はコランダ
ム構造のそれぞれ単相の薄膜であった。また、この膜の
断面をSEMで観察したところ、膜構造は粒界の認められ
ない、一様に焼結した構造であった。
次に、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて、実
施例11と同様の方法で白金の電極薄膜305を形成した。
次に、再び図27の熱CVD装置を用いて、チャンバー333
内のヒーター334上に、絶縁膜303、温度センサ感熱体30
4の薄膜および電極薄膜305が形成された基板302と、さ
らにその上にメタルマスク340を取り付け、真空ポンプ3
35によってチャンバー333内を10Paにまで排気しなが
ら、ヒーター334によって基板を600℃にまで加熱した。
基板温度が安定した後、原料ガス供給装置336より、ア
ルミニウムアセチルアセトナートの蒸気を、キャリアガ
ス(アルゴン)によりチャンバー333内に供給し、反応
ガスである酸素とともに供給ノズル339によって基板302
上に導入した。チャンバー333内を0.5KPaの真空度に保
ち、40分間、基板302上に成膜した。これによって、基
板302上の絶縁膜303、温度センサ感熱体304の薄膜およ
び電極薄膜305上のメタルマスクで覆われていない部分
に、アルミナの絶縁保護膜306を形成した。
このようにして形成した温度センサ素子301は、実施
例11と同様の方法によって図23に示すような温度センサ
とした。この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子301の熱容量が小さい。しかも温度
センサ感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を
介して直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待で
きる。図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方
法は、実施例11に記載したのと同様である。
上記方法で作製した本実施例の温度センサ素子301を
用いた温度センサと、従来の温度センサの熱応答性を比
較した。測定方法は実施例11と同様である。その結果、
本実施例の温度センサの熱応答性は、表1の(3)、
(4)に示すように、スピネル結晶構造の(3)は室温
から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する
時間(熱応答性)は、それぞれ4.0秒、5.1秒、7.7秒で
あり、コランダム結晶構造の(4)は、それぞれ3.5
秒、4.8秒、6.8秒であった。これに対して従来の温度セ
ンサの熱応答性は、表1の(13)に示すように、それぞ
れ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域においても
本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al:Cr:Feの元素を主
成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′Fe
y2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性お
よび熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は600℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との間の熱応答性が得られることを確認し
た。
実施例13 本実施例における温度センサ感熱体を用いた温度セン
サ素子および温度センサの構成は、実施例11と同じく図
22および図23に示した通りである。
この温度センサ素子301の本実施例の製造方法は以下
の通りである。なお、本実施例においては、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および絶縁保護膜306は
反応蒸着法によって、電極薄膜305はRFスパッタリング
法によって形成した。
まず、図29に示す反応蒸着装置を用いて、チャンバー
341内のヒーター342上に、耐熱金属であるインコネルか
らなる基板302を取り付け、真空ポンプ343によってチャ
ンバー341内を1×10-3Paにまで排気しながら、ヒータ
ー342によって300℃にまで加熱した。基板温度が安定し
た後、反応ガスである酸素をチャンバー341内に導入し
てチャンバー341内を5×10-3Paに保ち、金属原子供給
源であるエルクトロン・ビーム銃(以下、EBガンと略
す)344、345、346のうちのEBガン344より金属アルミニ
ウムを飛ばしながら、シャッター347を開け、アルミニ
ウムの酸化物薄膜を40分間、基板302上に成膜した。こ
れによって、金属アルミニウムの原子を反応ガスである
酸素とプラズマ中で反応させ、基板302上全体にアルミ
の酸化物からなる絶縁膜303を形成した。
続いて同じ図29に示す反応蒸着装置を用いて、絶縁膜
303が形成された基板302と、さらにその上にメタルマス
ク348を取り付け、真空ポンプ343によってチャンバー34
1内を1×10-3Paにまで排気しながら、ヒーター342によ
って300℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、反
応ガスである酸素をチャンバー341内に導入してチャン
バー341内を5×10-3Paに保ち、EBガン344により金属ア
ルミニウムを、EBガン345より金属クロムを、EBガン346
より金属鉄を飛ばしながら、シャッター347を開け、ア
ルミニウムとクロムと鉄の化合物の酸化物薄膜を30分
間、基板302上に成膜した。これによって、金属アルミ
ニウムと金属クロムと金属鉄の原子を反応ガスである酸
素とプラズマ中で反応させ、基板302上の絶縁膜303上の
メタルマスクで覆われていない部分に、アルミニウム、
クロム、鉄の酸化物からなるAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:
0.15となる温度センサ感熱体304の薄膜を形成した。こ
のインコネル基板302上に形成した絶縁膜303と温度セン
サ感熱体304の薄膜は、図30(1)のXRD分析結果3に示
すように、ともにアモルファスであった。また、この膜
の断面をSEMで観察したところ、膜構造は粒界のはっき
りした柱状構造であった。
この温度センサ感熱体304を結晶化するため、電気炉
で1000℃と1200℃の2通りで、それぞれ3時間大気中で
熱処理を行った。その結果、図30(2)と(3)のXRD
分析結果3に示すように、絶縁膜303はアルミナの、温
度センサ感熱体304はアルミニウム、クロム、鉄の酸化
物の2層からなる、その結晶構造は(2)はスピネル構
造の、(3)はコランダム構造のそれぞれ単相の薄膜で
あった。また、この膜の断面をSEMで観察したとろ、膜
構造は粒界の認められない、一様に焼結した構造であっ
た。
次に、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて、実
施例11と同様の方法で白金の電極薄膜305を形成した。
次に、再び図29の反応蒸着装置を用いて、チャンバー
341内のヒーター342上に、絶縁膜303、温度センサ感熱
体304の薄膜および電極薄膜305が形成された基板302
と、さらにその上にメタルマスク348を取り付け、真空
ポンプ343によってチャンバー341内を1×10-3Paにまで
排気しながら、ヒーター342によって400℃まで加熱し
た。基板温度が安定した後、反応ガスである酸素をチャ
ンバー341内に導入してチャンバー341内を5×10-3Paに
保ち、EBガン344、345、346のうちのEBガン344より金属
アルミニウムを飛ばしながら、シャッター347を開け、
アルミニウムの酸化物薄膜を40分間、基板302上に成膜
した。これによって、金属アルミニウムの原子を反応ガ
スである酸素とプラズマ中で反応させ、基板302上の絶
縁膜303、温度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜30
5上のメタルマスクで覆われていない部分に、アルミナ
の絶縁保護膜306を形成した。
このようにして形成した温度センサ素子301は、実施
例11と同様に方法によって図23に示すような温度センサ
とした。この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子301の熱容量が小さく、しかも温度
センサ感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を
介して直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待で
きる。図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方
法は、実施例11に記載したのと同様である。
上記方法で作製した本実施例の温度センサ素子301を
用いた温度センサと、従来の温度センサの熱応答性を比
較した。測定方法は実施例11と同様である。その結果、
本実施例の温度センサの熱応答性は、表1の(5)、
(6)に示すように、スピネル結晶構造の(5)は室温
から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する
時間(熱応答性)は、それぞれ3.9秒、5.1秒、7.6秒で
あり、コランダム結晶構造の(6)は、それぞれ3.3
秒、4.8秒、6.7秒であった。これに対して従来の温度セ
ンサの熱応答性は、表1の(13)に示すように、それぞ
れ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域においても
本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al:Cr:Feの元素を主
成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′Fe
y2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性お
よび熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は300℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との間の熱応答性が得られることを確認し
た。
実施例14 本実施例における温度センサ感熱体を用いた温度セン
サ素子および温度センサの構成は、実施例11と同じく図
22および図23に示した通りである。
この温度センサ素子301の本実施例の製造方法は以下
の通りである。なお、本実施例においては、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜、電極薄膜305および絶
縁保護膜306はすべてRFスパッタリング法によって形成
した。
まず、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて、タ
ーゲット332にアルミナのターゲットを取り付け、チャ
ンバー325内の基板ホルダー326上に、耐熱金属であるイ
ンコネルからなる基板302を取り付け、真空ポンプ328に
よってチャンバー325内を2×10-4Paにまで排気しなが
ら、ヒーター329によって400℃にまで加熱した。基板温
度が安定した後、スパッタガスであるアルゴンおよび酸
素を5対1の割合でチャンバー325内に導入し、真空度
を0.5Paに保ち、基板回転モーター330により基板ホルダ
ー326を5回転/分で回転させながら、高周波電源331を
作動させて、アルミナのターゲット332を3時間スパッ
タリングした。これによって、基板302上全体にアルミ
の酸化物からなる絶縁膜303を形成した。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332を、所定の組成比にしたアルミニウ
ム、クロム、鉄の酸化物化合物のターゲットに取り替
え、チャンバー325内の基板ホルダー326上に、絶縁膜30
3と電極薄膜305が形成された基板302と、さらにその上
にメタルマスク348を取り付け、真空ポンプ328によって
チャンバー325内を2×10-4Paにまで排気しながら、ヒ
ーター329によって400℃にまで加熱した。基板温度が安
定した後、スパッタガスであるアルゴンおよび酸素を5
対1の割合でチャンバー325内に導入し、真空度を0.5Pa
に保ち、基板回転モーター330により基板ホルダー326を
5回転/分で回転させながら、高周波電源331を作動さ
せて、アルミニウム、クロム、鉄の酸化物化合物のター
ゲット332を4時間スパッタリングした。これによっ
て、基板302上の絶縁膜303上のメタルマスクで覆われて
いない部分に、アルミニウム、クロム、鉄の酸化物から
なる、Al:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15となる温度センサ
感熱体304の薄膜を形成した。このインコネル基板302上
に形成した絶縁膜303と温度センサ感熱体304の薄膜は、
図31(1)のXRD分析結果4に示すように、ともにアモ
ルファスであった。また、この膜の断面をSEMで観察し
たところ、膜構造は粒界のはっきりした柱状構造であっ
た。
この温度センサ感熱体304を結晶化するため、電気炉
で1000℃と1200℃の2通りで、それぞれ3時間大気中で
熱処理を行った。その結果、図31(2)と(3)のXRD
分析結果4に示すように、絶縁膜303はアルミナの、温
度センサ感熱体304はアルミニウム、クロム、鉄の酸化
物の2層からなる、その結晶構造は(2)はスピネル構
造の、(3)はコランダム構造のそれぞれ単相の薄膜で
あった。また、この膜の断面をSEMで観察したところ、
膜構造は粒界の認められない、一様に焼結した構造であ
った。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332を白金のターゲットに取り替え、実
施例11と同様の方法で白金の電極薄膜305を形成した。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332にアルミナのターゲットを取り付
け、チャンバー325内の基板ホルダー326上に、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305が形
成された基板302と、さらにその上にメタルマスク348を
取り付け、真空ポンプ328によってチャンバー325内を2
×10-4Paにまで排気しながら、ヒーター329によって400
℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、スパッタガ
スであるアルゴンおよび酸素を5対1の割合でチャンバ
ー325内に導入し、真空度を0.5Paに保ち、基板回転モー
ター330により基板ホルダー326を5回転/分で回転させ
ながら、高周波電源331を作動させて、アルミナのター
ゲット332を3時間スパッタリングした。これによっ
て、基板302上の絶縁膜303、温度センサ感熱体304の薄
膜および電極薄膜305上のメタルマスクで覆われていな
い部分に、アルミナの絶縁保護膜306を形成した。
このようにして形成した温度センサ素子301は、実施
例11と同様に方法によって図23に示すような温度センサ
とした。この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子301の熱容量が小さく、しかも温度
センサ感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を
介して直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待で
きる。図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方
法は、実施例11に記載したのと同様である。
上記方法で作製した本実施例の温度センサ素子301を
用いた温度センサと、従来の温度センサの熱応答性を比
較した。測定方法は実施例11と同様である。その結果、
本実施例の温度センサの熱応答性は、表1の(7)、
(8)に示すように、スピネル結晶構造の(7)は室温
から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する
時間(熱応答性)は、それぞれ3.6秒、4.8秒、7.3秒で
あり、コランダム結晶構造の(8)は、それぞれ3.1
秒、4.3秒、6.0秒であった。これに対して従来の温度セ
ンサの熱応答性は、表1の(13)に示すように、それぞ
れ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域においても
本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al:Cr:Feの元素を主
成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′Fe
y2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性お
よび熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は400℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との間の熱応答性が得られることを確認し
た。
実施例15 本実施例における温度センサ感熱体を用いた温度セン
サ素子および温度センサの構成は、実施例11と同じく図
22および図23に示した通りである。
この温度センサ素子301の本実施例の製造方法は以下
の通りである。なお、本実施例においては、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および絶縁保護膜306はR
Fスパッタリング装置を用いた反応スパッタリング法に
よって、また電極薄膜305はRFスパッタリング法によっ
て形成した。
まず、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて、タ
ーゲット332に金属アルミのターゲットを取り付け、チ
ャンバー325内の基板ホルダー326上に、耐熱金属である
インコネルからなる基板302を取り付け、真空ポンプ328
によってチャンバー325内を2×10-4Paにまで排気しな
がら、ヒーター329によって500℃にまで加熱した。基板
温度が安定した後、スパッタガスであるアルゴンおよび
反応ガスである酸素をチャンバー325内に導入し、真空
度を1.0Paに保ち、基板回転モーター330により基板ホル
ダー326を5回転/分で回転させながら、高周波電源331
を作動させて、金属アルミのターゲット332を4時間ス
パッタリングした。これによって、金属アルミニウムの
原子を反応ガスである酸素とプラズマ中で反応させ、基
板302上全体にアルミの酸化物からなる絶縁膜303を形成
した。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332を、所定の組成比にしたアルミニウ
ム、クロム、鉄の合金のターゲットに取り替え、チャン
バー325内の基板ホルダー326上に、絶縁膜303と電極薄
膜305が形成された基板302と、さらにその上にメタルマ
スク348を取り付け、真空ポンプ328によってチャンバー
325内を2×10−-4Paにまで排気しながら、ヒーター329
によって500℃にまで加熱した。基板温度が安定した
後、スパッタガスであるアルゴンおよび反応ガスである
酸素をチャンバー325内に導入し、真空度を1.0Paに保
ち、基板回転モーター330により基板ホルダー326を5回
転/分で回転させながら、高周波電源331を作動させ
て、アルミニウム、クロム、鉄の合金のターゲット332
を5時間スパッタリングした。これによって、金属アル
ミニウムと金属クロムと金属鉄の原子を反応ガスである
酸素とプラズマ中で反応させ、基板302上の絶縁膜303上
のメタルマスクで覆われていない部分に、アルミニウ
ム、クロム、鉄の酸化物からなる、Al:Cr:Feの比が0.7:
0.15:0.15となる温度センサ感熱体304の薄膜を形成し
た。このインコネル基板302上に形成した絶縁膜303と温
度センサ感熱体304の薄膜は、図32(1)のXRD分析結果
5に示すように、ともにアモルファスであった。また、
この膜の断面をSEMで観察したところ、膜構造は粒界の
はっきりした柱状構造であった。
この温度センサ感熱体304を結晶化するため、電気炉
で1000℃と1200℃の2通りで、それぞれ3時間大気中で
熱処理を行った。その結果、図32(2)と(3)のXRD
分析結果5に示すように、絶縁膜303はアルミナの、温
度センサ感熱体304はアルミニウム、クロム、鉄の酸化
物の2層からなる、その結晶構造は(2)はスピネル構
造の、(3)はコランダム構造のそれぞれ単相の薄膜で
あった。また、この膜の断面をSEMで観察したところ、
膜構造は粒界の認められない、一様に焼結した構造であ
った。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332を白金のターゲットに取り替え、実
施例11と同様の方法で白金の電極薄膜305を形成した。
次に、同じ図26に示すRFスパッタリング装置を用い
て、ターゲット332に金属アルミのターゲットを取り付
け、チャンバー325内の基板ホルダー326上に、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305が形
成された基板302と、さらにその上にメタルマスク348を
取り付け、真空ポンプ328によってチャンバー325内を2
×10-4Paにまで排気しながら、ヒーター329によって500
℃にまで加熱した。基板温度が安定した後、スパッタガ
スであるアルゴンおよび反応ガスである酸素をチャンバ
ー325内に導入し、真空度を1.0Paに保ち、基板回転モー
ター330により基板ホルダー326を5回転/分で回転させ
ながら、高周波電源331を作動させて、金属アルミのタ
ーゲット332を4時間スパッタリングした。これによっ
て金属アルミニウムの原子を反応ガスである酸素とプラ
ズマ中で反応させ、基板302上の絶縁膜303、温度センサ
感熱体304の薄膜および電極薄膜305上のメタルマスクで
覆われていない部分に、アルミナの絶縁保護膜306を形
成した。
この様にして形成した温度センサ素子301は、実施例1
1と同様に方法によって図23に示すような温度センサと
した。この構成によって本実施例の温度センサは、その
温度センサ素子301の熱容量が小さく、しかも温度セン
サ感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を介し
て直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待でき
る。図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方法
は、実施例11に記載したのと同様である。
上記方法で作製した本実施例の温度センサ素子301を
用いた温度センサと、従来の温度センサの熱応答性を比
較した。測定方法は実施例11と同様である。その結果、
本実施例の温度センサの熱応答性は、表1の(9)、
(10)に示すように、スピネル結晶構造の(9)は室温
から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する
時間(熱応答性)は、それぞれ3.7秒、4.8秒、7.5秒で
あり、コランダム結晶構造の(10)は、それぞれ3.3
秒、4.5秒、6.2秒であった。これに対して従来の温度セ
ンサの熱応答性は、表1の(13)に示すように、それぞ
れ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域においても
本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al:Cr:Feの元素を主
成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′Fe
y2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性お
よび熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は500℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との間の熱応答性が得られることを確認し
た。
実施例16 本実施例における温度センサ感熱体を用いた温度セン
サ素子および温度センサの構成は、実施例11と同じく図
22および図23に示した通りである。
この温度センサ素子301の本実記例の製造方法は以下
の通りである。なお、本実施例においては、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および絶縁保護膜306は
対向スパッタリング法によって、また電極薄膜305はRF
スパッタリング法によって形成した。
まず、図33に示す対向スパッタリング装置を用いて、
ターゲット349にアルミナのターゲットを取り付け、チ
ャンバー350内の基板ヒーター351上に、耐熱金属である
インコネルからなる基板302を取り付け、真空ポンプ352
によってチャンバー350内を2×10-4Paにまで排気しな
がら、ヒーター351によって400℃にまで加熱した。基板
温度が安定した後、スパッタガスであるアルゴンおよび
酸素を10対1の割合でチャンバー350内に導入し、真空
度を5Paに保ち、チャンバー350の外側のマグネティック
・コイル353により所定の磁界を印可し、所定の電力を
ターゲット349に印可してDCプラズマを発生させ、アル
ミナのターゲット349を2時間スパッタリングした。こ
れによって、基板302上全体にアルミの酸化物からなる
絶縁膜303を形成した。
次に、同じ図33に示す対向スパッタリング装置を用い
て、ターゲット349を、所定の組成比にしたアルミニウ
ム、クロム、鉄の酸化物化合物のターゲットに取り替
え、チャンバー350内の基板ヒーター351上に、絶縁膜30
3と電極薄膜305が形成された基板302と、さらにその上
にメタルマスク354を取り付け、真空ポンプ352によって
チャンバー350内を2×10-4Paにまで排気しながら、ヒ
ーター351によって400℃にまで加熱した。基板温度が安
定した後、スパッタガスであるアルゴンおよび酸素を10
対1の割合でチャンバー350内に導入し、真空度を5Paに
保ち、チャンバー350の外側のマグネティック・コイル3
53により所定の磁界を印可し、所定の電力をターゲット
349に印可してDCプラズマを発生させ、アルミニウム、
クロム、鉄の酸化物化合物のターゲット349を3時間ス
パッタリングした。これによって、基板302上の絶縁膜3
03上のメタルマスクで覆われていない部分に、アルミニ
ウム、クロム、鉄の酸化物からなる、Al:Cr:Feの比が0.
7:0.15:0.15となる温度センサ感熱体304の薄膜を形成し
た。このインコネル基板302上に形成した絶縁膜303と温
度センサ感熱体304の薄膜は、図34(1)のXRD分析結果
6に示すように、ともにアモルファスであった。また、
この膜の断面をSEMで観察したところ、膜構造は粒界の
はっきりした柱状構造であった。
この温度センサ感熱体304を結晶化するため、電気炉
で1000℃と1200℃の2通りで、それぞれ3時間大気中で
熱処理を行った。その結果、図34(2)と(3)のXRD
分析結果6に示すように、絶縁膜303はアルミナの、温
度センサ感熱体304はアルミニウム、クロム、鉄の酸化
物の2層からなる、その結晶構造は(2)はスピネル構
造の、(3)はコランダム構造のそれぞれ単相の薄膜で
あった。また、この膜の断面をSEMで観察したところ、
膜構造は粒界の認められない、一様に焼結した構造であ
った。
次に、図26に示すRFスパッタリング装置を用いて、実
施例11と同様の方法で白金の電極薄膜305を形成した。
次に、再び図33に示す対向スパッタリング装置を用い
て、ターゲット349にアルミナのターゲットを取り付
け、チャンバー350内の基板ヒーター351上に、絶縁膜30
3、温度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305が形
成された基板302と、さらにその上にメタルマスク354を
取り付け、真空ポンプ352によってチャンバー350内を2
×10-4Paにまで排気しながら、ヒーター351によって400
℃まで加熱した。基板温度が安定した後、スパッタガス
であるアルゴンおよび酸素を10対1の割合でチャンバー
350内に導入し、真空度を5Paに保ち、チャンバー350の
外側のマグネティック・コイル353により所定の磁界を
印可し、所定の電力をターゲット349に印可してDCプラ
ズマを発生させ、アルミナのターゲット349を2時間ス
パッタリングした。これによって、基板302上の絶縁膜3
03、温度センサ感熱体304の薄膜および電極薄膜305上の
メタルマスクで覆われていない部分に、アルミナの絶縁
保護膜306を形成した。
このようにして形成した温度センサ素子301は、実施
例11と同様に方法によって図23に示すような温度センサ
とした。この構成によって、本実施例の温度センサは、
その温度センサ素子301の熱容量が小さく、しかも温度
センサ感熱体304の薄膜が厚さ2μmの絶縁保護膜306を
介して直接外気の熱が伝わるため、高い応答性が期待で
きる。図37に示した従来の温度センサ素子3100の製造方
法は、実施例11に記載したのと同様である。
上記方法で作製した本実施例の温度センサ素子301を
用いた温度センサと、従来の温度センサの熱応答性を比
較した。測定方法は実施例11と同様である。その結果、
本実施例の温度センサの熱応答性は、表1の(11)、
(12)に示すように、スピネル結晶構造の(11)は室温
から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温する
時間(熱応答性)は、それぞれ3.7秒、4.9秒、7.5秒で
あり、コランダム結晶構造の(12)は、それぞれ3.2
秒、4.5秒、6.3秒であった。これに対して従来の温度セ
ンサの熱応答性は、表1の(13)に示すように、それぞ
れ5.0秒、8.3秒、12.5秒であり、どの温度域においても
本実施例の熱応答性が優れていた。
また、本実施例の温度センサの経時変化について調べ
るため、室温から800℃までのヒートサイクルを100回繰
り返した後、再び上記の熱応答性の測定を行った結果、
室温から350℃、室温から500℃、室温から800℃に昇温
する時間(熱応答性)は、それぞれ上記の測定結果の±
0.5秒範囲に収まり、経時変化が認められないことを確
認した。
なお、本実施例での温度センサ感熱体の薄膜の組成
は、酸化物中のAl:Cr:Feの比が0.7:0.15:0.15であった
が、この組成に限定することなく、Al:Cr:Feの元素を主
成分とする酸化物の組成が、(Al1−x−y′Crx′Fe
y2Oz(0.05≦x+y≦0.95、0.05≦y/(x+y)≦0.
6、かつ8/3≦z≦3)の範囲であれば、同等の結晶性お
よび熱応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜、温度センサ感熱体の膜お
よび絶縁保護膜の基板上への成膜温度は400℃で行った
が、この基板温度に限定することなく、基板温度の範囲
が200℃〜800℃の範囲であれば、同等の結晶性および熱
応答性が得られることを確認した。
なお、本実施例での絶縁膜および温度センサ感熱体の
膜の結晶化のための大気中熱処理温度は1000℃および12
00℃で行ったが、この熱処理温度に限定されることな
く、熱処理温度の範囲が900℃から1100℃であれば、同
等の結晶性を持つスピネル構造の膜が得られ、また1100
℃から1300℃であれば、同等の結晶性を持つコランダム
構造の膜が得られ、これらの膜を用いれば同等の熱応答
性が得られることを確認した。また1100℃付近ではスピ
ネル構造とコランダム構造の混ざった膜が得られ、この
膜を用いれば、スピネル構造単独の膜と、コランダム構
造単独の膜との間の熱応答性が得られることを確認し
た。
なお、上記の実施例11から16において、絶縁膜、温度
センサ感熱体の膜および絶縁保護膜の形成には、それぞ
れプラズマCVD法、熱CVD法、反応蒸着法、RFスパッタリ
ング法、反応スパッタリング法、対向スパッタリング法
を同じ実施例では同じ方法で行ったが、絶縁膜、温度セ
ンサ感熱体の膜および絶縁保護膜の形成に上記の薄膜形
成法を組み合わせて行った場合でも、結晶化のための熱
処理条件が900℃〜1300℃であれば、同等の結晶性およ
び熱応答性が得られることを確認した。
産業上の利用可能性 以上説明した通り、本発明の温度センサ素子とそれを
有する温度センサおよび温度センサ素子の製造方法によ
れば、次の効果が得られる。
(1)金属支持体に感熱膜を設け、その感熱膜上に電極
膜を設けた構成とすることによって、温度センサ素子の
熱容量が小さく、熱伝達がよくなるために、耐熱性と耐
熱衝撃性に優れ、熱応答が速く、抵抗値の経時変化の小
さい信頼性の高い温度センサ素子とそれを有する温度セ
ンサを提供できる。
(2)耐熱キャップがないために温度センサの熱容量と
熱伝達抵抗が小さくなるので熱応答性の優れた温度セン
サを提供できる。
(3)感応膜は膜状に形成するために、従来のセラミッ
ク焼結体の製造方法より重量の小さな感熱膜を製造する
ことができる。
従って、耐熱性、耐熱衝撃性に優れ、熱応答が速い信
頼性の高い自動車エンジンの排気温度測定用の温度セン
サ素子および温度センサを提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 良一 大阪府吹田市藤が丘町8番33号 (72)発明者 森分 博紀 兵庫県三田市大原1588番地1号 トーカ ンマンション新三田C306号 (56)参考文献 特開 平5−45234(JP,A) 特開 昭62−261934(JP,A) 特開 平6−283310(JP,A) 特開 昭63−262533(JP,A) 特開 昭63−88802(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01K 7/16 - 7/22 H01C 17/06 - 17/20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平板形状の金属製支持体と、前記支持体の
    上に存在する第一の電気絶縁膜と、前記第一の電気絶縁
    膜の上に配置された第一の感熱膜と、前記第一の感熱膜
    の上に配置された一対の電極膜と、前記電極膜の上に配
    置された第二の感熱膜と、前記第二の感熱膜の上に配置
    された第二の電気絶縁膜とを備えた温度センサ素子。
  2. 【請求項2】前記第二の電気絶縁膜の上に金属カバーを
    存在させた請求の範囲第1項に記載の温度センサ素子。
  3. 【請求項3】前記金属カバーと前記平板形状の金属製支
    持体を着脱不能に接合した請求の範囲第2項に記載の温
    度センサ素子。
  4. 【請求項4】平板形状の金属製支持体の表面上に第一の
    電気絶縁膜を形成し、前記第一の電気絶縁膜の上に第一
    の感熱膜を形成し、前記第一の感熱膜の表面に一対の電
    極膜を形成し、前記電極膜の上に第二の感熱膜を形成
    し、前記第二の感熱膜の上に第二の電気絶縁膜を形成す
    る温度センサ素子の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第二の電気絶縁膜を形成した後、さら
    に前記第二の電気絶縁膜の上に金属カバーを配置し、前
    記金属カバーと前記平板形状の金属製支持体を溶接によ
    り接合する請求の範囲第4項に記載の温度センサ素子の
    製造方法。
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