JP2001357964A - 複層セラミックスヒーター - Google Patents

複層セラミックスヒーター

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JP2001357964A
JP2001357964A JP2000175163A JP2000175163A JP2001357964A JP 2001357964 A JP2001357964 A JP 2001357964A JP 2000175163 A JP2000175163 A JP 2000175163A JP 2000175163 A JP2000175163 A JP 2000175163A JP 2001357964 A JP2001357964 A JP 2001357964A
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ceramic heater
boron nitride
electrically insulating
multilayer ceramic
protective layer
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JP2000175163A
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Masaki Kano
正樹 狩野
Noboru Kimura
昇 木村
Takuma Kushibashi
卓馬 串橋
Kazuto Hirata
和人 平田
Koji Hagiwara
浩二 萩原
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒーターパターンにおいて、発熱部と非発熱
部の温度差を出来るかぎり小さくし、ヒーター全面が均
熱性に優れた複層セラミックスヒーターを提供する。 【解決手段】 電気絶縁性セラミックス支持基板の表面
に導電性発熱体が接合され、該導電性発熱体を覆って電
気絶縁性セラミックス保護層を形成した一体型の抵抗加
熱方式の複層セラミックスヒーターにおいて、電気絶縁
性セラミックス保護層の材質が、赤外線透過率が30%
以下の熱分解窒化硼素であり、前記複層セラミックスヒ
ーターにおける発熱部と非発熱部の表面上での輻射率の
差が10%以内であることを特徴とする複層セラミック
スヒーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体デバイスの
製造工程におけるCVD装置やスパッタ装置、あるいは
生成薄膜をエッチングするエッチング装置等に使用され
る、被加熱物である半導体ウエーハを加熱するための複
層セラミックスヒーターに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体用のデバイスを作製する際には、
半導体ウエーハ上にポリシリコン膜や酸化膜、導体膜、
誘電体膜等をCVD装置やスパッタ装置で形成したり、
逆にエッチング装置により、これらの薄膜をエッチング
したりする技術はよく知られている。そして、これらの
装置において、上記の薄膜の形成やエッチングの品質を
保持するには、被加熱物である半導体ウエーハを所望の
温度に一定に維持することが必要であり、この温度調節
を行うには半導体ウエーハの全面を均一に加熱するヒー
ターが必要とされている。
【0003】従来から半導体製品の製造工程に使用され
るヒーターとしては、石英、アルミナ、窒化硼素、熱分
解窒化硼素、窒化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、
窒化珪素等の電気絶縁性セラミックス支持基板の上に、
発熱体としてモリブデン、タングステン、白金等の金属
や、炭化珪素、熱分解黒鉛等の導電性セラミックス薄膜
から成る電気回路を形成したセラミックスヒーターが考
案され、使用されてきた。
【0004】中でも分子線エピタキシーやCVD、スパ
ッタリング等におけるウエーハの加熱方法としては、基
体内からのアウトガスが無く、高純度、耐熱衝撃性に優
れた熱分解窒化硼素(PBN)と熱分解黒鉛(PG)の
複合セラミックヒーターを用いることが有効とされてお
り(特開昭63−241921号公報参照)、このよう
なヒーターであると従来のタンタルワイヤーヒーターに
比べて装着が容易で、熱変形、断線、ショート等のトラ
ブルを起さないので使い易く、しかも面上ヒーターであ
るため比較的均熱が得られ易いという利点もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記複合セラ
ミックスヒーターは抵抗加熱方式であり、導電性発熱体
のヒーターパターンの切れ目である非発熱の部分では温
度が下がってしまう。そのために発熱部と非発熱部の温
度差が明確に現れてしまうため、面内で均一な発熱が難
しいという欠点がある。
【0006】そこで本発明は、このような問題点を解決
するためになされたもので、発熱部と非発熱部の温度差
を出来るかぎり小さくし、ヒーター全面で均熱性に優れ
た複層セラミックスヒーターを提供することを主たる目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明に係る複層セラミックスヒーターは、電気絶
縁性セラミックス支持基板の表面に導電性発熱体が接合
され、該導電性発熱体を覆って電気絶縁性セラミックス
保護層を形成した一体型の抵抗加熱方式の複層セラミッ
クスヒーターにおいて、電気絶縁性セラミックス保護層
の材質が、赤外線透過率が30%以下の熱分解窒化硼素
であることを特徴としている(請求項1)。
【0008】このように、複層セラミックスヒーターに
おいて、電気絶縁性セラミックス保護層の材質を熱分解
窒化硼素とすると、熱分解窒化硼素は熱伝導率に異方性
があり、熱が放出される方向に対しては熱伝導率が小さ
く、熱が放出される方向に対して垂直な方向には大きく
なり、この比は数十倍にも及ぶ。従って、発熱体からの
伝熱は放出される方向に対して平面状に広がりながら進
み、均熱化されるようになる。この際、保護層である熱
分解窒化硼素の赤外線透過率を30%以下にすることに
より発熱部の赤色発光はこの層内に吸収され、上記の作
用により発熱部と非発熱の部分の温度差が小さくなり、
面内の均熱性を飛躍的に向上させることができる。
【0009】この場合、前記複層セラミックスヒーター
における発熱部と非発熱部の表面上での輻射率の差が1
0%以内であることが好ましい(請求項2)。このよう
に、複層セラミックスヒーターにおける発熱部と非発熱
部の表面上での輻射率の差を10%以内とすると、発熱
部と非発熱の部分の温度差がより一層小さくなり、面内
の均熱性を飛躍的に向上させることができるからであ
る。
【0010】そしてこの場合、電気絶縁性セラミックス
保護層である熱分解窒化硼素は、炭素または珪素をドー
プしたものが好ましく(請求項3)、その含有量が1〜
20重量%であることが望ましい(請求項4)。
【0011】このように、電気絶縁性セラミックス保護
層である熱分解窒化硼素に炭素または珪素をドープする
と、赤外線透過率が低くなり、この保護層に輻射光が吸
収され易くなり、熱となって保護層を加熱し、保護層表
面から新たに輻射光が放出される。この過程で、熱分解
窒化硼素に熱伝導率の異方性があるためにヒーター表面
はより一層均熱化されるようになる。また、炭素または
珪素であれば、被加熱物である半導体ウエーハに対して
も不純物となりにくいし、赤外線透過率の調整を容易か
つ高精度で行うことが可能である。
【0012】また本発明に係る複層セラミックスヒータ
ーにおいて、電気絶縁性セラミックス支持基板の赤外線
透過率が30%以下であることが好ましく(請求項
5)、該支持基板の輻射率分布が10%以内であること
が望ましい(請求項6)。
【0013】このように、電気絶縁性セラミックス支持
基板の赤外線透過率を30%以下とすれば、従来、支持
基板を透過して裏方向に放出されていた輻射光が、支持
基板内に吸収される。つまり、従来放出されていた輻射
エネルギーが支持基板内で熱となり、複層セラミックス
ヒーター自体を暖めるので、ヒーターの省エネルギー化
に寄与することができる。また、支持基板の輻射率分布
を10%以内とすれば、発熱部と非発熱の部分の温度差
を小さくするように働き、支持基板全面が均熱化され、
ヒーター全面の均熱化に有効である。
【0014】この場合、電気絶縁性セラミックス支持基
板の材質を、熱分解窒化硼素、第3の元素(例えば、炭
素または珪素)をドープしてなる熱分解窒化硼素、窒化
硼素焼結体、窒化硼素と窒化アルミニウムの混合焼結
体、窒化硼素と窒化珪素の混合焼結体、熱分解窒化硼素
コートカーボンの内から選択される1種とすることがで
きる(請求項7)。このように、電気絶縁性セラミック
ス支持基板の材質としてこれらの材料を使用すれば、い
ずれの材質であっても熱伝導率が高く、耐熱性も高いの
で、複層セラミックスヒーターの支持基板として好適で
ある。
【0015】そして本発明の複層セラミックスヒーター
に係る導電性発熱体は、熱分解黒鉛、硼素含有熱分解黒
鉛、珪素含有熱分解黒鉛、白金、銀、白金と銀の合金、
チタン、タングステン、タンタル、モリブデンの内から
選択される1種とすることができる(請求項8)。これ
らの材料は、導電性発熱体として支持基板および保護層
とよく密着し、ヒーターとして使用中に剥離することな
く、耐酸化性に優れているので、長期間安定使用が可能
な複層セラミックスヒーターとなる。
【0016】さらに本発明の複層セラミックスヒーター
に係る電気絶縁性セラミックス保護層および導電性発熱
体は、化学気相蒸着法で形成されたものとすることがで
きる(請求項9)。このように、電気絶縁性セラミック
ス保護層および導電性発熱体をCVD法で形成すれば、
高純度、高密度で、寸法精度に優れたものを作ることが
でき、耐熱性、化学的安定性、相互の密着性に優れ、絶
縁不良や剥離の極めて少ない長寿命の複層セラミックス
ヒーターとすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて詳細に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではない。ここで、図1は本発明の複層セラミッ
クスヒーターの一例を示したもので、(a)はその平面
図であり、(b)はY−Y線縦断面図である。
【0018】図1(a)において、本発明の複層セラミ
ックスヒーター1は、円板状電気絶縁性セラミックスか
ら成る支持基板2の表面に、導電性発熱体から成る渦巻
き形のヒーターパターンを持つヒーター発熱体3が接合
され、さらに発熱体3は電気絶縁性セラミックス保護層
4で覆われ発熱部が形成されている。この発熱部の両端
には給電端子5が設けられ、外部電源とは導線で接続さ
れるようになっている。
【0019】本発明者等は、本発明の目的を達成するた
め鋭意調査、検討を行った結果、従来公知の支持基板と
導電性発熱体と絶縁保護層からなる複層セラミックスヒ
ーターにおいて、電気絶縁性セラミックス保護層(以
下、単に保護層ということがある)の赤外線透過率に着
目し、この保護層の赤外線透過率を低めに抑え、発熱部
と非発熱部の表面上での輻射率の差を小さくすることに
より均熱性が飛躍的に向上することを知見し、諸条件を
精査して本発明を完成させた。
【0020】本発明の複層セラミックスヒーターを構成
する電気絶縁性セラミックス保護層に使用される熱分解
窒化硼素は、熱伝導率に異方性をもっており、通常、熱
が放出される方向に対しては熱伝導率が小さく、熱が放
出される方向に対して垂直な方向には大きくなり、この
比は数十倍にも及ぶ。従って、発熱体からの伝熱は放出
される方向に対して平面状に広がりながら進み、均熱化
が進行する。
【0021】しかしながら、従来の複層セラミックスヒ
ーターでは、500℃以上の高温になるにつれて導電性
発熱体のパターンの切れ目である非発熱の部分と発熱部
の温度差が明確なものになってしまい、ヒーター全面の
均熱性は得られないものとなった。
【0022】そこで本発明者等は、鋭意調査、検討を行
った結果、電気絶縁性セラミックス保護層の赤外線透過
率が高い場合、高温では導電性発熱体の発熱部は赤色発
光し、保護層をこの赤外線輻射光が透過してしまうた
め、導電性発熱体のパターンの切れ目である非発熱の部
分と発熱部の温度差が明確なものになってしまっていた
ことが判明した。そこで、この保護層の赤外線透過率を
30%以下にすることにより発熱部の赤色発光はこの保
護層内に吸収され、発熱部と非発熱の部分の温度差がな
くなり、面内の均熱性が飛躍的に向上することを知見し
た。
【0023】また、この複層セラミックスヒーターの発
熱部と非発熱部の表面上での輻射率の差が10%以内と
なれば、確実に発熱部と非発熱の部分の温度差がなくな
り、面内の均熱性がより一層飛躍的に向上することが判
った。
【0024】従来公知の熱分解窒化硼素を用いると赤外
線透過率が高いために導電性発熱体のパターンの切れ目
である非発熱の部分と発熱部の温度差が明確なものにな
ってしまっていた。そこで、炭素または珪素をドープし
た熱分解窒化硼素は赤外線透過率が低くなり、輻射光は
この層に吸収されることに着目し、電気絶縁性セラミッ
クス保護層に炭素または珪素を含有してなる熱分解窒化
硼素を用いることとした。また、炭素または珪素であれ
ば、被加熱物である半導体ウエーハに対しても不純物と
なりにくいし、赤外線透過率の調整を容易かつ高精度で
行うことが可能となる。
【0025】この場合、炭素または珪素の含有量が1〜
20重量%であることが望ましい。ドープ量をこの範囲
内に収めると熱分解窒化硼素の赤外線透過率を30%以
下に抑えることができるとともに、本来の熱分解窒化硼
素の特性を著しく劣化させることもない。
【0026】このように、電気絶縁性セラミックス保護
層である熱分解窒化硼素に炭素または珪素をドープする
と、赤外線透過率が低くなり、この保護層に輻射光が吸
収され易くなり、熱となって保護層を加熱し、保護層表
面から新たに輻射が放出される。この過程で、熱分解窒
化硼素に熱伝導率の異方性があるためにヒーター表面は
より一層均熱化されるようになる。
【0027】また、炭素または珪素を含有してなる熱分
解窒化硼素を保護層に用いるだけでなく、電気絶縁性セ
ラミックス支持基板として用いてもよい。すなわち、従
来支持基板を透過して裏方向に放出されていた輻射光
が、支持基板内に吸収されることになるのである。この
ようにすれば、従来放出されていた輻射エネルギーが支
持基板内で熱となり、複層セラミックスヒーター自体を
暖めるので、ヒーターの省エネルギー化に寄与するとい
う有利性も与えられる。
【0028】この場合も電気絶縁性セラミックス支持基
板の赤外線透過率が30%以下であることが好ましく、
該支持基板の輻射率分布が10%以内であることが望ま
しい。このように、電気絶縁性セラミックス支持基板の
赤外線透過率を30%以下とすれば、従来、支持基板を
透過して裏方向に放出されていた輻射光が、支持基板内
に十分に吸収される。つまり、従来放出されていた輻射
エネルギーが支持基板内で熱となり、複層セラミックス
ヒーター自体を暖めるので、ヒーターの省エネルギー化
に寄与することができる。また、支持基板の輻射率分布
を10%以内とすれば、支持基板全面が均熱化され、発
熱部と非発熱の部分の温度差を小さくするように働き、
より均熱化が図られる。
【0029】この場合、電気絶縁性セラミックス支持基
板の材質を、熱分解窒化硼素、第3の元素をドープして
なる熱分解窒化硼素、窒化硼素焼結体、窒化硼素と窒化
アルミニウムの混合焼結体、窒化硼素と窒化珪素の混合
焼結体、熱分解窒化硼素コートカーボンの内から選択す
ることができる。このように、電気絶縁性セラミックス
支持基板の材質としてこれらの材料を使用すれば、いず
れの材質であっても熱伝導率が高く、耐熱性も高いの
で、複層セラミックスヒーターの支持基板として好適で
あり、安価に構成することができる。
【0030】そして本発明の複層セラミックスヒーター
の導電性発熱体は、熱分解黒鉛、硼素含有熱分解黒鉛、
珪素含有熱分解黒鉛、白金、銀、白金と銀の合金、チタ
ン、タングステン、タンタル、モリブデンの内から選択
することができる。これらの材料を使用すれば、導電性
発熱体として支持基板および保護層とよく密着し、ヒー
ターとして使用中に剥離することなく、耐酸化性に優
れ、長期間安定した複層セラミックスヒーターとするこ
とができる。
【0031】さらに本発明の複層セラミックスヒーター
の電気絶縁性セラミックス保護層および導電性発熱体
は、化学気相蒸着法で形成するのが良い。このように、
電気絶縁性セラミックス保護層および導電性発熱体をC
VD法で形成すれば、高純度、高密度で、寸法精度に優
れたものを作ることができ、耐熱性、化学的安定性、相
互の密着性に優れ、絶縁不良や剥離の極めて少ない長寿
命の複層セラミックスヒーターとすることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。 (実施例1、比較例1)アンモニアと三塩化硼素とを1
00Torrの圧力下に1800℃で反応させて厚さ1
mmの熱分解窒化硼素製支持基板を作製した。次いで、
メタンガスを1650℃、50Torrの条件下で熱分
解して厚さ100μmの熱分解黒鉛層を形成し、ヒータ
ーパターンを加工した。次に、アンモニアと三塩化硼素
とメタンガスを100Torr下に1800℃で反応さ
せて厚さ100μmの炭素を含有した熱分解窒化硼素を
保護層として設けて、図1に示したような複層セラミッ
クスヒーターを作製した。メタンガスの流量の条件を変
えて、保護層の赤外線透過率が25%のものと35%の
ものを作製した。発熱部と非発熱部の表面上の輻射率の
差は、前者が10%、後者が15%であった。
【0033】ここで、赤外線透過率と輻射率の測定方法
を説明する。赤外線透過率測定は、FT−IR分光器を
用い、波長域2.5〜10μmでの平均値を赤外透過率
とした。輻射率は、同様にFT−IR分光器を用い、黒
体の発光強度に対する発光の割合を輻射率とし、波長域
2.5〜10μmでの平均値を輻射率とした。
【0034】そして、これらを真空中で1000℃にな
るように電力を投入し、この時のヒーター表面径方向の
温度分布を測定したところ、図2に示したとおりの結果
が得られた。図中のAが保護層の赤外線透過率が25%
のもの、Bが35%のものである。この結果から、赤外
線透過率が30%以下で、さらに発熱部と非発熱部の表
面上の輻射率の差が10%以内であれば、発熱部と非発
熱の部分の温度差がほぼなくなり、均一な加熱が可能で
あることが確認された。
【0035】(比較例2)アンモニアと三塩化硼素とを
100Torrの圧力下に1800℃で反応させて厚さ
1mmの熱分解窒化硼素製基板を作製し、メタンガスを
1650℃、50Torrの条件下で熱分解して厚さ1
00μmの熱分解黒鉛層を形成し、ヒーターパターンを
加工した。ついで、アンモニアと三塩化硼素を100T
orr下に1800℃で反応させて厚さ100μmの炭
素を含有した熱分解窒化硼素絶縁保護層を設けて図1と
同形状の複層セラミックスヒーターを作製した。
【0036】この保護層の赤外線透過率は75%であ
り、発熱部と非発熱の部分の輻射率差は60%で、肉眼
でも発熱部と非発熱部のパターンが確認できるものであ
った。そして、上記と同様に真空中で1000℃になる
ように電力を投入し、この時のヒーター表面径方向の温
度分布を測定したところ、図3に示したとおりの結果が
得られ、回路パターンの切れ目の低温部が見られ、均熱
加熱体とすることができないものであることが確認され
た。
【0037】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0038】例えば、上記では、熱分解窒化硼素の赤外
線透過率を30%以下とするのに、炭素または珪素をド
ープしたが、本発明はこれには限定されず、保護層であ
る熱分解窒化硼素の赤外線透過率を30%以下とするの
に、他の元素をドープしたり他の方法によってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば電
気絶縁性セラミックス支持基板の表面に導電性発熱体が
接合され、該導電性発熱体を覆って電気絶縁性セラミッ
クス保護層を形成した一体型の抵抗加熱方式の複層セラ
ミックスヒーターにおいて、電気絶縁性セラミックス保
護層の材質を赤外線透過率30%以下である熱分解窒化
硼素とし、発熱部と非発熱部の表面上での輻射率の差を
10%以内とすることにより、ヒーター面内全体が均一
加熱できるヒーターとすることができる。
【0040】従って、本発明のヒーターは、CVD法や
スパッタ法によって薄膜を形成する際の基板やウエーハ
の加熱用ヒーターとして有用であり、さらに炭素または
珪素を含有した熱分解窒化硼素を電気絶縁性セラミック
ス支持基板として用いることにより、消費電力が少なく
て済むという経済性に優れるとともに、一層均熱化を図
ることができる複層セラミックスヒーターを供給するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による複層セラミックスヒーターの一例
を示した概略図である。(a)平面図、 (b)Y−Y
線縦断面図。
【図2】実施例1、比較例1により得られた複層セラミ
ックスヒーター通電時の径方向の温度分布図である。A
…保護層の赤外線透過率25%(実施例1)、 B…保
護層の赤外線透過率35%(比較例1)。
【図3】比較例2における複層セラミックスヒーター通
電時の径方向の温度分布図である。
【符号の説明】
1…複層セラミックスヒーター、 2…支持基板、 3
…発熱体、4…保護層、 5…給電端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/10 H05B 3/12 A 3/12 H01L 21/302 B (72)発明者 串橋 卓馬 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 平田 和人 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 (72)発明者 萩原 浩二 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社群馬事業所内 Fターム(参考) 3K034 AA02 AA03 AA05 AA08 AA10 AA21 AA35 BA06 BA15 BB06 BB14 BC01 BC16 BC17 BC29 CA28 CA32 FA21 FA24 FA27 HA01 HA10 3K092 PP20 QA05 QB02 QB15 QB33 QB44 QB76 QB78 QC37 QC42 QC59 RF03 RF11 RF26 SS32 SS34 SS42 VV09 VV22 4K030 AA03 AA10 AA13 BA01 BA12 BA17 BA18 BA20 BA27 BA29 BA39 CA04 CA12 FA10 KA23 KA46 5F004 BB26 BB29 5F045 EK09 EM09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性セラミックス支持基板の表面
    に導電性発熱体が接合され、該導電性発熱体を覆って電
    気絶縁性セラミックス保護層を形成した一体型の抵抗加
    熱方式の複層セラミックスヒーターにおいて、電気絶縁
    性セラミックス保護層の材質が、赤外線透過率が30%
    以下の熱分解窒化硼素であることを特徴とする複層セラ
    ミックスヒーター。
  2. 【請求項2】 前記複層セラミックスヒーターにおける
    発熱部と非発熱部の表面上での輻射率の差が10%以内
    であることを特徴とする請求項1に記載した複層セラミ
    ックスヒーター。
  3. 【請求項3】 前記電気絶縁性セラミックス保護層であ
    る熱分解窒化硼素が炭素または珪素をドープしてなるも
    のであることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載した複層セラミックスヒーター。
  4. 【請求項4】 前記熱分解窒化硼素中の炭素または珪素
    の含有量が1〜20重量%であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した複層セラ
    ミックスヒーター。
  5. 【請求項5】 前記電気絶縁性セラミックス支持基板の
    赤外線透過率が30%以下であることを特徴とする請求
    項1ないし請求項4のいずれか1項に記載した複層セラ
    ミックスヒーター。
  6. 【請求項6】 前記電気絶縁性セラミックス支持基板の
    輻射率分布が10%以内であることを特徴とする請求項
    1ないし請求項5のいずれか1項に記載した複層セラミ
    ックスヒーター。
  7. 【請求項7】 前記電気絶縁性セラミックス支持基板の
    材質が、熱分解窒化硼素、第3の元素をドープしてなる
    熱分解窒化硼素、窒化硼素焼結体、窒化硼素と窒化アル
    ミニウムの混合焼結体、窒化硼素と窒化珪素の混合焼結
    体、熱分解窒化硼素コートカーボンの内から選択される
    1種であることを特徴とする請求項1ないし請求項6の
    いずれか1項に記載した複層セラミックスヒーター。
  8. 【請求項8】 前記導電性発熱体が、熱分解黒鉛、硼素
    含有熱分解黒鉛、珪素含有熱分解黒鉛、白金、銀、白金
    と銀の合金、チタン、タングステン、タンタル、モリブ
    デンの内から選択される1種であることを特徴とする請
    求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載した複層セ
    ラミックスヒーター。
  9. 【請求項9】 前記電気絶縁性セラミックス保護層およ
    び導電性発熱体が、化学気相蒸着法で形成されたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれ
    か1項に記載した複層セラミックスヒーター。
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