JP4283188B2 - ガスセンサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスセンサ及びその製造方法に関するものである。
従来、この種のガスセンサとしては、シリコン基板上に複数の薄膜を積層状に形成してなるものが多数提案されている。その一例としては、下記特許文献1にて開示された熱型センサが挙げられる。
このセンサは、酸化ハフニウム層を有しており、この酸化ハフニウム層は、シリコン基板上に積層状に形成したシリコン酸化膜及びシリコン窒化膜からなる絶縁膜と発熱抵抗体との間に薄膜として形成されている。
ここで、絶縁膜は、シリコン基板にその裏面側から形成した空洞部に対する対応部にて、隔壁部を構成している。そして、発熱抵抗体は、酸化ハフニウム層のうち絶縁膜の隔壁部に対する対応部位に薄膜として形成されている。
このような構成のもと、酸化ハフニウム層は、熱源としての発熱抵抗体と絶縁膜との間の熱膨張の差を緩和して、発熱抵抗体と絶縁膜との間の密着性を維持する密着層としての役割を果たす。
特開2001−91486号公報
ところで、上述のような熱型センサにおいて、酸化ハフニウム層や発熱抵抗体のような平坦な薄膜同士の間では、接触面積を多くとることができ、酸化ハフニウム層等の薄膜による密着層が有効であるとも考えられる。
しかし、酸化ハフニウム層等の平坦な薄膜とペーストで形成される厚膜との間では、厚膜が粒子状成分で構成されるため、薄膜と厚膜との間で点接触となり、接触面積を多くとることができず、薄膜による密着層は有効でない。
従って、例えば、上記熱型センサにおいてガス感応膜と発熱抵抗体との間に上述した酸化ハフニウム層を適用したいという要請があっても、当該ガス感応膜は厚膜であることから、酸化ハフニウム層に依っては、発熱抵抗体とガス感応膜との間の密着性を有効には確保することができず、ガス感応膜と発熱抵抗体との間で剥離を招き易いという不具合が生ずる。
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、ゾル溶液が常温では液体性を有しかつ所定温度での焼成により固化性を有することに着目して、このゾル溶液を密着層の形成材料として採用し、当該密着層の厚膜状ガス感知層との密着性を良好に確保するようにしたガスセンサ及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るガスセンサは、請求項の記載によれば、
絶縁性密着層(70)となるゾル溶液でもってゾル溶液層(71)を基体(10,20,30,50)上に形成し、
ガス検知層(80)となるペーストでもってゾル溶液層上にペースト層(81)を形成し、
ゾル溶液層及びペースト層を共に焼成し密着層及びガス検知層として形成し、
密着層が、ガス検知層のうち密着層の近傍部位に密着層の一部が入り込む事で、近傍部位でガス検知層と三次元的に接触するように形成されていることを特徴とする。
このようにゾル溶液層上にペースト層を形成し、当該ゾル溶液層及びペースト層を共に焼成して密着層及びガス検知層として形成するようにした。ここで、上述のようにペースト層をゾル溶液層上に形成すると、ゾル溶液層が液体状であるため、このゾル溶液層がペースト層のうちゾル溶液層の近傍部位と三次元的に混ざり合う。
従って、ゾル溶液層及びガス検知層は、相互に上述のように三次元的に混ざり合った状態にて、共に焼成されて、密着層及びガス検知層として形成される。このため、当該密着層とガス検知層のうち密着層の近傍部位との間の接触面積が三次元方向に拡大する。
これにより、密着層とガス検知層との間の結合が良好に確保され、その結果、ガス検知層の密着層を介する基体との密着性が良好に維持され得る。
また、本発明に係るガスセンサの製造方法は、請求項の記載によれば、
絶縁性密着層(70)となるゾル溶液でもって基体(10,20,30,50)上にゾル溶液層(71)を形成するゾル溶液層形成工程と、
このゾル溶液層形成工程後、ガス検知層(80)となるペーストでもってゾル溶液層上にペースト層(81)を形成するペースト層形成工程と、
このペースト層形成工程後、ゾル溶液層及びペースト層を所定焼成条件にて共に焼成し、密着層及びガス検知層を、ガス検知層のうち密着層の近傍部位に密着層の一部が入り込む事で、前記近傍部位で密着層とガス検知層とが三次元的に接触するように形成する焼成工程とを備える。
このように、密着層となるゾル溶液でもって基体上にゾル溶液層を形成し、ついで、ガス検知層となるペーストでもってゾル溶液層上にペースト層を形成し、然る後、ゾル溶液層及びペースト層を所定焼成条件にて共に焼成し密着層及びガス検知層として形成するようにした。
ここで、上述のようにペースト層をゾル溶液層上に形成すると、ゾル溶液層がペースト層のうちゾル溶液層の近傍部位と三次元的に混ざり合う。従って、ゾル溶液層及びガス検知層は、相互に上述のように三次元的に混ざり合った状態にて、共に焼成されて、密着層及びガス検知層として形成される。このため、当該密着層とガス検知層のうち密着層の近傍部位との間の接触面積が三次元方向に拡大する。
これにより、密着層とガス検知層との間の結合が良好に確保され、その結果、ガス検知層の密着層を介する基体との密着性が良好に維持され得るガスセンサの製造が可能となる。
また、本発明では、請求項の記載によれば、請求項に記載のガスセンサの製造方法において、上記焼成工程後、上記ゾル溶液をガス検知層に滴下する滴下工程と、
この滴下工程後、ガス検知層を密着層とともに所定の再焼成条件にて再焼成する再焼成工程とを備えることを特徴とする。
このように、請求項に記載の焼成工程後、上記ゾル溶液をガス検知層に滴下し、然る後、ガス検知層を密着層とともに所定の再焼成条件にて再焼成する。
これに伴い、上記ゾル溶液が、ガス検知層と密着層との間に行き亘るので、請求項に記載の発明の作用効果を達成し得るのは勿論のこと、ガス検知層と密着層との間の結合度合いをより一層向上し得る。換言すれば、密着層の形成材料と同一の材料であるゾルを、ガス検知層と密着層との双方の全体に行き亘らせることで、ガス検知層と密着層との間の密着力をより一層向上させ得る。
なお、請求項1,2或いは3の記載において、基体は次のような構成であってもよい。
即ち、当該基体は、半導体基板上或いはこの半導体基板上に絶縁層を介し発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗体を覆うように半導体基板上或いは絶縁層上に保護層を形成してなる構成、或いはアルミナ等のセラミック基板上に発熱抵抗体を形成し、この発熱抵抗体を覆うようにセラミック基板上に保護層を形成してなる構成であってもよい。
また、請求項1〜3のいずれかに記載において、密着層の形成材料を、ガス検知層と同一の形成材料とすれば、密着層及びガス検知層の各膨張率の同一性を確保できる。従って、請求項1〜3のいずれかに記載の発明における密着層とガス検知層との間の密着性をより一層向上し得る。
また、請求項1〜3のいずれかに記載において、密着層の形成材料を単一成分の絶縁性セラミックとすれば、当該密着層はガス検知層にとって被毒種となる成分を含まない。従って、密着層がガス検知層に対する被毒原因となることもない。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1及び図2は、本発明に係るガスセンサの一つである接触燃焼式ガスセンサの第1実施形態を示しており、この接触燃焼式ガスセンサは、図1にて示すごとく、シリコン製半導体基板10及び上下両側絶縁層20を備えている。上側絶縁層20は、半導体基板10の表面に形成されており、一方、下側絶縁層20は、半導体基板10の裏面に形成されている。
ここで、半導体基板10には、図1にて図示左右両側空洞部11が、上側絶縁層20の裏面側において、間隔をおいて形成されている。また、下側絶縁層20は、各空洞部11に対応する部位にて、それぞれ除去されて、各空洞部11の開口部として形成されている。
これにより、上側絶縁層20は、その各空洞部11に対する各対応部21(以下、隔壁部21ともいう)にて、当該各空洞部11の開口部を通して外方に露呈している。なお、半導体基板10は、各空洞部11以外の部位にて基板部12を構成する。
また、当該ガスセンサは、図1にて示すごとく、左右両側発熱抵抗体30と、左側、中央側及び右側の各配線膜40とを備えている。左側発熱抵抗体30は、上側絶縁層20の左側隔壁部21上にジグザグ状に形成されており、一方、右側発熱抵抗体30は、上側絶縁層20の右側隔壁部21上にジグザグ状に形成されている。
左側配線膜40は、図1にて示すごとく、上側絶縁層20の表面の左側部上において、半導体基板10の基板部12に対応するように位置しており、この左側配線膜40は、図2にて示すごとく、左側発熱抵抗体30の一端と一体となるように形成されている。
中央側配線膜40は、図1にて示すごとく、上側絶縁層20の表面の中央部上にて、半導体基板10の基板部12に対応するように位置しており、この中央側配線膜40は、図2にて示すごとく、左側発熱抵抗体30の他端及び右側発熱抵抗体30の一端と一体となるように形成されている。
また、右側配線膜40は、図1にて示すごとく、上側絶縁層20の表面の右側部上にて、半導体基板10の基板部12に対応するように位置しており、この右側配線膜40は、図2にて示すごとく、右側発熱抵抗体30の他端と一体となるように形成されている。
また、当該ガスセンサは、図1及び図2にて示すごとく、保護層50と、左側、中央側及び右側の各電極膜60とを備えており、保護層50は、各発熱抵抗体30を覆うように、上側絶縁層20の表面上に形成されている。ここで、保護層50には、左側、中央側及び右側の各コンタクトホール51が、保護層50のうち左側、中央側及び右側の各配線膜40に対応する各部位に形成されている。これにより、左側、中央側及び右側の各配線膜40は、その表面にて、左側、中央側及び右側の各コンタクトホール51を通り外方に露呈している。
また、左側、中央側及び右側の各電極膜60は、左側、中央側及び右側の各コンタクトホール51を通して左側、中央側及び右側の各配線膜40上に形成されている。
当該ガスセンサは、また、図1にて示すごとく、左右両側密着層70と、多孔質性ガス検知層80及び参照層90を備えている。左側密着層70は、保護層50のうち左側発熱抵抗体30に対する対応部位に積層状に形成されており、当該左側密着層70は、保護層50のうち左側発熱抵抗体30に対する対応部位とガス検知層80との間の密着性を向上させる役割を果たす。
一方、右側密着層70は、保護層50のうち右側発熱抵抗体30に対する対応部位に積層状に形成されており、当該右側密着層70は、保護層50のうち右側発熱抵抗体30に対する対応部位と参照層90との間の密着性を向上させる役割を果たす。
ガス検知層80は、左側密着層70上に積層状に形成されており、一方、参照層90は、右側密着層70上に積層状に形成されている。
本実施形態では、ガス検知層80、左側密着層70及び左側発熱抵抗体30が、接触燃焼式ガスセンサにおけるガス検出部を構成する。また、参照層90、右側密着層70及び右側発熱抵抗体30が、接触燃焼式ガスセンサにおける温度補償部を構成する。なお、当該温度補償部は、上記ガス検出部と熱容量を同一にした構成となっており、かつ、ガスに対して不活性な材質でもって形成されている。
次に、上述のように構成されるガスセンサの製造工程について図3〜図11及び図1を参照して説明する。
(1)各絶縁層20の形成工程
シリコン基板を半導体基板10として準備する(図3参照)。このように半導体基板10としてシリコン基板を採用するのは、当該シリコン基板は、微細加工技術により容易に小型化可能なためである。
このように準備した半導体基板10を洗浄した上で当該半導体基板10の表裏面に酸化シリコン膜(SiO2膜)を、例えば、熱酸化処理により成膜形成する。ついで、半導体基板10の表面に形成した酸化シリコン膜に化学蒸着法により窒化シリコン膜(Si34膜)及び酸化シリコン膜を順次積層状に成膜形成する。一方、半導体基板10の裏面に形成した酸化シリコン膜に化学蒸着法により窒化シリコン膜(Si34膜)を積層状に成膜形成する。
これにより、半導体基板10の表面に上述のように積層状に成膜した酸化シリコン膜、窒化シリコン膜及び酸化シリコン膜が3層構造でもって上側絶縁層20として形成され、一方、半導体基板10の裏面に上述のように積層状に成膜した酸化シリコン膜及び窒化シリコン膜が2層構造でもって下側絶縁層20として形成される(図4参照)。なお、各絶縁層20は、50(nm)〜2000(nm)の範囲以内の厚さ、例えば、100(nm)〜1000(nm)の範囲以内の厚さに形成する。このような厚さでもって、絶縁層20としての電気絶縁特性を良好に確保し得る。
(2)各発熱抵抗体30及び各配線膜40の形成工程
上述のように各絶縁層20を形成した後、所定温度の雰囲気内において、下側タンタル膜(Ta膜)を上側絶縁層20の表面にスパッタリングにより形成し、ついで、白金膜(Pt膜)を上記下側タンタル膜にスパッタリングにより積層状に形成し、さらに、上側タンタル膜を当該白金膜にスパッタリングにより積層状に形成する。なお、上記下側タンタル膜は、上記白金膜の上側絶縁層20との密着強度を高める役割をもつ。
然る後、フォトリソグラフィ処理にて、上記上側タンタル膜、白金膜及び下側タンタル膜のうち各発熱抵抗体30及び各配線膜40に対する対応部以外の部位を、エッチングにより除去する。これにより、左右両側の各発熱抵抗体30並びに左側、中央側及び右側の各配線膜40が、図5にて示すごとく、上側絶縁層20の表面上に形成される。
(3)保護層50の形成工程
上述のように各発熱抵抗体30及び各配線膜40を形成した後、酸化シリコン層(SiO2層)を、化学蒸着法により、各発熱抵抗体30及び各配線膜40を覆うようにして上側絶縁層20の表面上に成膜形成する。さらに、当該酸化シリコン層上に、窒化シリコン層(Si34層)を、化学蒸着法により積層状に成膜形成する。
ついで、当該窒化シリコン層及び酸化シリコン層の積層のうち各配線膜40に対応する各部位を、フォトリソグラフィ処理のもとエッチングにより除去する。これにより、左側、中央側及び右側の各コンタクトホール51を有する保護層50が、図6及び図7にて示すごとく、各発熱抵抗体30を覆うようにして上側絶縁層20の表面上に形成される。
なお、保護層50は、各絶縁層20と同様に、50(nm)〜2000(nm)の範囲以内の厚さ、例えば、100(nm)〜1000(nm)の範囲以内の厚さに形成する。このような厚さでもって、保護層50としての電気絶縁特性を良好に確保し得る。また、各配線膜40は各対応のコンタクトホール51を通り外方に露呈される。
(4)各電極膜60の形成工程
上述のように保護層50を形成した後、白金(Pt)、金(Au)、アルミニウム(Al)或いはニッケル(Ni)等の導電性金属を、化学蒸着法或いは物理蒸着法等の一般的な成膜法でもって、保護層50上に金属膜として形成する。然る後、このように形成した金属膜のうち各コンタクトホール51に対する対応部以外の部位を、フォトリソグラフィ処理のもとエッチングにより除去する。
これにより、左側、中央側及び右側の各電極膜60が、図8に示すごとく、各コンタクトホール51に対応して形成される。なお、各電極60の厚さは、100(nm)〜2000(nm)の範囲以内、例えば、400(nm)〜1200(nm)の範囲以内の厚さとするのが望ましい。
(5)各空洞部11の形成工程
上述のように各電極膜60を形成した後、下側絶縁層20のうち左右両側発熱抵抗体30に対応する各部位を、フォトリソグラフィ処理のもと、エッチングにより除去し、ついで、この除去部位に対応する半導体基板10の各部位を水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて異方性エッチングにより除去して、上側絶縁層20のうち各発熱抵抗体30に対応する部位を外方に露呈させる。
これにより、左右両側空洞部11が、図9にて示すごとく、半導体基板10及び下側絶縁層20のうち各発熱抵抗体30に対応する各部位に形成される。
(6)各密着層70並びにガス検知層80及び参照層90の形成工程
上述のように各空洞部11を形成した後、次のようにして各密着層70並びにガス検知層80及び参照層90を共に形成する。
左側及び右側の各密着層70となるゾル溶液を、保護層50の表面のうち各発熱抵抗体30に対する対応表面部位にスピンコート法により層状に塗布し左側及び右側の各ゾル溶液層71として形成する(図10参照)。なお、上記ゾル溶液が保護層50の表面のうち各発熱抵抗体30に対する対応表面部位以外の部位に塗布されることを防ぐため、当該ゾル溶液を塗布する際に、各発熱抵抗体30に対する対応表面部位以外の部位にテープ等のマスキング処理を施し、当該ゾル溶液が塗布されることを防止する。
ついで、ガス検知層80及び参照層90となる各ペーストを上記左側及び右側の各ゾル溶液層71の表面にスクリーン印刷法により印刷して左側ペースト層81及び右側ペースト層91として形成する(図11参照)。なお、ゾル溶液層はスピンコート法で塗布形成するので、当該ゾル溶液層は簡便に形成でき安価に済む。
ここで、ガス検知層80となるペーストは、当該ガス検知層80の厚さを5(μm)以上500(μm)以下とするような厚さに塗布することが望ましい。このようにガス検知層80の厚さを5(μm)以上とするのは、ガス検知層80をいわゆる厚膜として構成するためである。また、ガス検知層80の厚さを500(μm)以下とするのは、当該ガス検知層の熱容量の極度な増加を抑制するためである。本実施形態では、各ペースト層81、91の厚さは、例えば、50(μm)とした。また、上述した各ゾル溶液層71の厚さは、例えば、1.0(μm)とした。
また、各密着層70となるゾル溶液としては、アルミナゾルからなる溶液を採用する。本実施形態において、当該溶液としては、10(nm)〜20(nm)の範囲以内の粒径のアルミナ水和物のコロイド粒子を水に対し約20(%)分散し、3乃至5の範囲以内のpH及び1(mPa・s)〜25(mPa・s)の範囲以内の粘度(25(℃)における粘度)を有するアルミナゾルからなる溶液を採用する。
一方、ガス検知層80となるペーストとしては、アルミナ(Al23)、酸化シリコン(SiO2)或いは酸化チタン(TiO2)等の多孔質性セラミックスに、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)或いはロジウム(Rh)やこれらの合金等の貴金属種を担持させて粉末触媒とし、この粉末触媒に、適量のバインダーや溶剤を混合して作製したペーストを採用する。また、参照層90となるペーストは、ガスに対して不活性な材質を採用する。
但し、各密着層70のガス検知層80及び参照層90との間の熱膨張率の同一性の確保という観点から、上記ゾル溶液は、ガス検知層となるペーストと同一の材料を主体として有することが望ましい。例えば、ガス検知層となるペーストがアルミナを基体とする場合には、ゾル溶液はアルミナゾルとするのが望ましい。本実施形態では、ガス検知層となるペースト及びゾル溶液共にアルミナを成分として採用した。
上述のように各ペースト層81、91を各ゾル溶液層71の表面に形成すると、左側ゾル溶液層71は、左側ペースト層81と共に液状であるため、当該ペースト層81との間の接触箇所にて、このペースト層81と相互に三次元的に混ざり合い、このペースト層81の下部の全体に行き亘っていく。このような過程では、左側ゾル溶液層71のゾル成分が液体状であるため、当該左側ゾル溶液層71は、ペースト層81の下部全体と相互に三次元的に混ざり合うように当該下部全体に埋まっていく。これに伴い、左側ゾル溶液層71は左側ペースト層81の下部との混合層となる。
一方、右側ゾル溶液層71は、右側ペースト層91と共に液状であるため、当該ペースト層91との間の接触箇所にて、このペースト層91と相互に三次元的に混ざり合い、このペースト層91の下部の全体に行き亘っていく。このような過程では、右側ゾル溶液層71のゾル成分が液体状であるため、当該右側ゾル溶液層71は、右側ペースト層91の下部全体と相互に三次元的に混ざり合うように当該下部全体に埋まっていく。これに伴い、右側ゾル溶液層71は右側ペースト層91の下部との混合層となる。
このような状態にある構造体(図11参照)を所定の焼成条件にて焼成する。これにより、各ペースト層81、91及び各ゾル溶液層71は、上記所定の焼成条件のもと、共に、同時に焼成される。
このような同時焼成の過程において、上述のように左側密着層70となるゾル溶液層71が、ガス検知層80となるペースト層81の下部全体と混合した状態で焼成されて固体化していくとともに、上述のように右側密着層70となるゾル溶液層71が、参照層90となるペースト層91の下部全体と混合した状態で焼成されて固体化していく。
換言すれば、上述のような同時焼成過程において、左側ゾル溶液層71及び左側ペースト層81が共に固体化し左側密着層70及びガス検知層80として形成されるとともに、右側ゾル溶液層71及び右側ペースト層91が共に固体化し左側密着層70及び参照層90として形成される(図1参照)。
そして、このような形成状態においては、左側密着層70は、ガス検知層80の下部全体に埋まるように行き亘っている。このため、ガス検知層80の左側密着層70との接触面積は、三次元方向に拡大する。従って、左側密着層70は、ガス検知層80の下部全体と広範囲に隙間なく三次元的に接触して化学的に結合する。
その結果、ガス検知層80と左側密着層70との間に優れた密着性を確保することができ、ガス検知層80の左側発熱抵抗体30からの剥離を未然に防止し得る。また、接触燃焼式ガスセンサにおいては、上述のようにガス検知層80の左側密着層70との接触面積が拡大することで、ガス検知層80の左側発熱抵抗体30への熱伝達が良好となる。
また、上述のような形成状態においては、右側密着層70は、参照層90の下部全体に埋まるように行き亘っている。このため、参照層90の右側密着層70との接触面積は、三次元方向に拡大する。従って、右側密着層70は、参照層90の下部全体と広範囲に隙間なく三次元的に接触して化学的に結合する。その結果、参照層90と右側密着層70との間に優れた密着性を確保することができ、参照層90の右側発熱抵抗体30からの剥離を未然に防止し得る。
また、密着層70となるゾル溶液層のゾル成分は、上述のごとくアルミナであって、ガス検知層80や参照層90となるペースト層の基体の成分と同じである。従って、左側密着層70及びガス検知層80は熱膨張係数をほぼ同一にするから、上述したガス検知層80と左側密着層70との間の密着性がさらに向上する。このようなことは、右側密着層70と参照層90との間でも同様である。
ここで、ガス検知層80及び左側密着層70は上述のごとく同時焼成で形成されるので、焼成回数が一回で済む。従って、ガス検知層80及び左側密着層70の形成は簡便で、焼成のための焼成炉の電気代の節約にも役立つ。
また、ゾル溶液層71のゾル成分は、単一成分のアルミナであって被毒物質を含まないから、密着層70が被毒種となることはない。従って、密着層70がガス検知層80の劣化原因になることもない。
また、一度焼成されたゾル溶液層71は再流動することがないので、密着層70は、そのガス検知層や参照層に対する密着性を安定的に維持し得る。
また、各密着層70の厚さは、特に限定されないが、上述した密着性を良好に確保するには、ガス検知層80及び参照層90の厚さの少なくとも1(%)の厚さを有することが望ましい。また、左側密着層70のガス検知層80との接触面積が多すぎるとガス検知層80のガスに対する感度の低下を招くため、左側密着層70の厚さは、ガス検知層80の厚さの10(%)以下とするのが望ましい。なお、右側密着層70の厚さも、参照層90の厚さの10(%)以下とするのが望ましい。
従って、このような厚さを満たすように各ゾル溶液層71を形成することが望ましい。以上のような工程を経て、当該接触燃焼式ガスセンサが製造される。
なお、上記温度補償部の発熱抵抗体30は、上記ガス検出部の発熱抵抗体30の抵抗値の変化の影響を受けないように形成するのが望ましい。上記温度補償部の発熱抵抗体30は、上記ガス検出部の発熱抵抗体30と組み合わせて用いられるため、両発熱抵抗体の各抵抗値の変化が共にほぼ同じであることが望ましい。
また、上述のようにガス検出部及び温度補償部が同一の半導体基板上に設けられるため、当該ガス検出部及び温度補償部が相互に熱による影響を受けないようにすることが望ましい。
ちなみに、本実施形態におけるガスセンサにおいてガス検知層80及び左側密着層70を保護層50と共に走査型電子顕微鏡で撮影をしたところ、図12にて示すような撮影写真が得られた。これによれば、ガス検知層80の下部と左側密着層70の接触状態が三次元的になっていることが分かる。
また、本実施形態におけるガスセンサの剥離試験を比較例との対比において行った。但し、当該比較例は、本実施形態におけるガスセンサにおいて密着層を廃止して、ガス検知層80及び参照層90を保護層50上に直接形成したガスセンサである。
しかして、上記比較例においてガス検知層80の表面に粘着テープ(コクヨ社製T−112型メンディングテープ)を貼りその後に当該粘着テープを剥がしたところ、ガス検知層80が保護層50から剥離した(図13参照)。なお、図13において、保護層50の表面上に描かれている略楕円領域は、ガス検知層80の剥がれの跡を示す。
一方、本実施形態におけるガスセンサにおいてガス検知層80の表面に粘着テープを貼りその後に当該粘着テープを剥がしたところ、ガス検知層80は剥離しなかった(図14参照)。これによっても、本実施形態におけるガスセンサにおいて密着層70が、ガス検知層80と保護層50との間の密着性を良好に維持し得ることが分かる。
また、本実施形態にて製造したガスセンサの発熱抵抗体をパルス駆動により断続通電しても、ガス検知層80は剥離することはなかった。さらには、当該ガスセンサを床上1(m)の高さから落下させる試験を行ったが、ガス検知層80が剥離することはなかった。従って、当該ガスセンサの輸送中においてこのガスセンサに外的な衝撃が加わっても、ガス検知層80が剥離することはない。
(第2実施形態)
図15は、本発明の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、上記第1実施形態にて述べたガスセンサにおいて、下側絶縁層20及び参照層90が廃止され、半導体基板10がその各空洞部11を廃止した形状となっている。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
このように構成した本第2実施形態においては、ガスセンサの製造にあたり、上記第1実施形態にて述べた下側絶縁層20の形成を行う行程、半導体基板10の各空洞部11の形成を行う工程及び参照層90の形成を行う行程を廃止するが、その他の工程は、上記第1実施形態と同様になされる。これにより、図15にて示す断面形状を有するガスセンサが製造される。
この製造工程においては、上記第1実施形態にて述べたと同様の同時焼成のもと、ガス検知層80が、左側密着層70上に形成される(図10、図11参照)。
これにより、上記第1実施形態にて述べたと同様に、ガス検知層80と左側密着層70との間において、優れた密着性を確保することができ、その結果、上記第1実施形態と同様の作用効果を達成し得る。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1実施形態にて述べたガスセンサの製造工程とは、次のような工程を付加する製造工程となっている点で相違する。その他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
即ち、本第3実施形態でも、上記第1実施形態にて述べたと同様に、その製造工程において、最終的に、図11にて示した構造体を上記所定の焼成条件にて焼成することで、左右両側密着層70となる両ゾル溶液層71、ガス検知層80となるペースト層81及び参照層90となるペースト層91を同時焼成する。これにより、上記第1実施形態にて述べたと同様に、左右両側密着層70、ガス検知層80及び参照層90(図1参照)が形成される。
然る後、本第3実施形態においては、アルミナゾル溶液を純水にて10倍に希釈した希釈溶液を、ガス検知層80及び参照層90(図1参照)の双方にその各上部から滴下する。ここで、当該滴下は、上記希釈溶液がガス検知層80及び参照層90の双方の全体に亘り浸透する程度の量でもって2回行われる。
このようにして希釈溶液の滴下を行った後、図1のガスセンサを所定の再焼成条件(例えば、焼成温度700(℃)及び焼成時間1(時間))のもとに付加的に焼成する。これにより、上述のように上記希釈溶液が浸透してなるガス検知層80及び参照層90が上記再焼成条件でもって同時焼成される。
これに伴い、上記アルミナゾル溶液が、ガス検知層80と左側密着層70との間及び参照層90と右側密着層70との間に行き亘る。従って、ガス検知層80と左側密着層70との間の結合度合い及び参照層90と右側密着層70との間の結合度合いが、上記第1実施形態にて述べたガスセンサの場合よりも、より一層向上する。
換言すれば、密着層70の形成材料と同一の材料であるアルミナゾルを、ガス検知層80と左側密着層70との双方の全体及び参照層90と右側密着層70との双方の全体に行き亘らせることで、ガス検知層80と左側密着層70との間の密着力及び参照層90と右側密着層70との間の密着力を上記第1実施形態にて述べたガスセンサの場合よりも、より一層向上させ得る。
これにより、上記第1実施形態にて述べた製造工程において最終的に焼成された段階では、ガス検知層や参照層が凝集して密着層との界面において部分的な剥離が存在するとしても、このような部分的な剥離は、本第3実施形態にて述べた付加的工程の採用でもって未然に防止され得る。なお、上記希釈溶液の滴下量を適度な量とすることで、ガスセンサとしてのガス検知特性を低下させることなく、上述したガス検知層80と左側密着層70との間の密着力及び参照層90と右側密着層70との間の密着力のみを向上させ得る。
ちなみに、本第3実施形態におけるガスセンサにおいてガス検知層80及び左側密着層70を保護層50と共に走査型電子顕微鏡で撮影をしたところ、図16にて示すような撮影写真が得られた。これによれば、上述のような希釈溶液の滴下でもって、上記アルミナゾルがガス検知層80と左側密着層70との間に行き亘り、ガス検知層80と左側密着層70との間の結合度合いがより一層向上していることが分かる。
また、本第3実施形態におけるガスセンサの剥離試験を行った。この剥離試験は、当該ガスセンサのガス検知層80が水滴に埋没する程度まで、水滴を当該ガスセンサに対し滴下して、このガスセンサを400(℃)にて通電加熱することで行った。また、この剥離試験は、上記第1実施形態にて述べたガスセンサにも比較例として適用した。
これによれば、本第3実施形態にて述べたようなアルミナゾル溶液の滴下を行わないガスセンサ(上記第1実施形態のガスセンサ)では剥離が発生するものがあるが、本第3実施形態のガスセンサでは、上記剥離試験を10回行っても、剥離や破損が何ら発生しなかった。従って、本第3実施形態のガスセンサにおけるガス検知層と密着層との間の密着強度が上記第1実施形態のガスセンサに比べてさらに向上していることが分かる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第2実施形態と同様に、上記第1実施形態にて述べたガスセンサにおいて下側絶縁層20及び参照層90を廃止し、かつ半導体基板10をその各空洞部11を廃止した形状となっている。そして、このような形状のガスセンサの製造にあたり、上記第3実施形態にて述べた製造工程が本第4実施形態において採用されている。
即ち、本第4実施形態では、ガスセンサの製造にあたり、上記第1実施形態にて述べた下側絶縁層20の形成を行う行程、半導体基板10の各空洞部11の形成を行う工程及び参照層90の形成を行う行程を廃止するが、その他の工程は、上記第3実施形態と同様になされる。
従って、本第4実施形態では、上記第1実施形態と同様の同時焼成後、上記第3実施形態にて述べたと同様に、上記希釈溶液を、ガス検知層80の全体に亘り浸透する程度の量でもって2回滴下する。然る後、図15のガスセンサを上記第3実施形態にて述べた再焼成条件でもって付加的に焼成する。これにより、上述のように上記希釈溶液が浸透してなるガス検知層80が上記再焼成条件でもって焼成される。その結果、ガス検知層80と左側密着層との間の結合度合いや密着力に関し、上記第3実施形態と同様の作用効果が達成され得る。
なお、本発明の実施にあたり、上記各実施形態に限ることなく、次のような種々の変形例が挙げられる。
(1)各絶縁層20或いは保護層50は、上記各実施形態にて述べたように複層のものに限らず、酸化シリコン膜(SiO2膜)或いは窒化シリコン膜(Si34膜)でもって単層に形成してもよい。
なお、窒化シリコン膜に代えて、酸化タンタル膜(Ta25膜)或いはアルミナ(Al23膜)を採用してもよい。なお、絶縁層20の薄膜形成法は、化学蒸着法に限らず、例えば、物理蒸着法或いはスピンコート法であってもよい。
(2)各絶縁層20は次のように形成してもよい。即ち、半導体基板10を洗浄した上で当該半導体基板10の表裏面に酸化シリコン膜(SiO2膜)を薄膜形成法(例えば、化学蒸着法)により形成する。
ついで、半導体基板10の上下両側の各酸化シリコン膜に化学蒸着法により上下両側の各窒化シリコン膜(Si34膜)をそれぞれ積層形成する。これにより、半導体基板10の上側酸化シリコン膜及び上側窒化シリコン膜を上側絶縁層20として形成し、一方、半導体基板10の下側酸化シリコン膜及び下側窒化シリコン膜を下側絶縁層20として形成する。
(3)発熱抵抗体30は、上側絶縁層20の隔壁部21やガス検知層80を所定温度に加熱することができればよい。従って、発熱抵抗体30は、白金膜に代えて、金(Au)或いはルテニウム(Ru)からなる膜であってもよく、一般的には貴金属であってもよい。また、当該発熱抵抗体30は、シリコン(Si)で形成されていてもよい。
なお、発熱抵抗体の形成工程にて述べたタンタル膜は必要に応じて廃止してもよい。また、発熱抵抗体30の抵抗温度係数は、正或いは負のいずれであってもよい。
(4)密着層70となるゾル溶液をゾル溶液層として形成するにあたっては、スピンコート法に限ることなく、スクリーン印刷法や塗布法に依ってもよい。これによっても、スピンコート法による場合と同様に簡便にゾル溶液層を形成することができ、安価に済む。
(5)ガス検知層80となるペーストは、上記多孔質性セラミックスのみをペースト化し、このようにペースト化したものを、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)或いはロジウム(Rh)等の貴金属を含有する溶液に浸漬させて当該貴金属を担持させて形成したものでもよい。
(6)ガス検知層80となるペーストをペースト層として形成するにあたっては、スクリーン印刷法に限ることなく、ディスペンサーによるディップ等に依ってもよい。
(7)上記ゾル溶液は、上述のようにゾル溶液層として形成された後、液状を保つため、単独では焼成されないが、当該ゾル溶液層に脱水処理程度の加熱処理を施してもよい。
このようにしても、ガス検知層や参照層となるペースト層を当該加熱処理後のゾル溶液層上に形成する際、このゾル溶液層は、ペースト層から水分を吸収して再び液体状となり、上記脱水処理前の液体状に戻るためである。
(8)半導体基板10及び上側絶縁層20に代えて、アルミナ基板を採用し、このアルミナ基板上に発熱抵抗体を介し密着層を形成し、当該密着層上にガス検知層を形成するようにしてもよい。
(9)接触燃焼式ガスセンサに限ることなく、例えば、当該接触燃焼式ガスセンサの発熱抵抗体及びガス検知層に相当する発熱抵抗体及びガス検知層を有する半導体式ガスセンサに本発明を適用してもよい。
ここで、当該半導体式ガスセンサの多孔質性ガス検知層となるペーストとしては、酸化錫(SnO2)或いは酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体を基体とし、この基体に白金(Pt)或いはパラジウム(Pd)等を担持させてなるペーストを採用する。
また、当該ペーストは、酸化物半導体に予め担持した粉末状の白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)或いはロジウム(Rh)等の貴金属をペースト化したものであってもよく、また、上記酸化物半導体のみをペースト化し、このようにペースト化したものを、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)或いはロジウム(Rh)等の粉末状の貴金属を含有する溶液に浸漬させて当該貴金属を担持させて形成したものでもよい。
なお、当該半導体式ガスセンサは、そのガス検知層によるガスの吸着現象に基づくガス検知層の電気抵抗の変化でもってガスの濃度を検出する。
(10)上記第1実施形態にて述べたガスセンサにおいて、上記温度補償部を構成する上記参照層を廃止して、当該温度補償部を発熱抵抗体のみからなる温度補償部としてもよく、さらには、温度補償部を廃止してもよい。
(11)上述の密着層70となるゾル溶液としては、アルミナゾルからなる溶液に限ることなく、例えば、シリカゾル或いはチタニアゾルからなる溶液を採用してもよく、一般的には、焼成後に電気絶縁体となる材料からなる溶液であればよい。
図2にて1−1線に沿う断面図である。 本発明に係る接触燃焼式ガスセンサの第1実施形態を示す概略平面図である。 図1の半導体基板の断面図である。 図3の半導体基板に対する上下両側絶縁層の形成工程を示す断面図である。 図3の上側絶縁層に対する各配線膜及び各発熱抵抗体の形成工程を示す断面図である。 図5の上側絶縁層に対する保護層の形成工程を示す断面図である。 図6の保護層に対する各配線膜の形成工程を示す断面図である。 図7の保護層に対する各電極膜の形成工程を示す断面図である。 図8の下側絶縁層を介する半導体基板の各空洞部の形成工程を示す断面図である。 図9の保護層に対する各ゾル溶液層の形成工程を示す断面図である。 図10の各ゾル溶液層に対する各ペースト層の形成工程を示す断面図である。 上記第1実施形態におけるガス検知層を左側密着層及び保護層と共に撮影した部分撮影断面図である。 比較例に剥離試験を施した後の部分平面図である。 上記第1実施形態のガスセンサに剥離試験を施した後の部分平面図である。 本発明の第2実施形態の断面図である。 上記第3実施形態におけるガス検知層を左側密着層及び保護層と共に撮影した部分撮影断面図である。
符号の説明
10…半導体基板、11…空洞部、20…絶縁層、21…隔壁部、30…発熱抵抗体、
50…保護層、70…密着層、71…ゾル溶液層、80…ガス検知層、81…ペースト層、90…参照層。

Claims (3)

  1. 絶縁性密着層となるゾル溶液でもってゾル溶液層を基体上に形成し、
    ガス検知層となるペーストでもって前記ゾル溶液層上にペースト層を形成し、
    前記ゾル溶液層及び前記ペースト層を共に焼成し前記密着層及び前記ガス検知層として形成し、
    前記密着層が、前記ガス検知層のうち前記密着層の近傍部位に前記密着層の一部が入り込む事で、前記近傍部位で前記ガス検知層と三次元的に接触するように形成されていることを特徴とするガスセンサ。
  2. 絶縁性密着層となるゾル溶液でもって基体上にゾル溶液層を形成するゾル溶液層形成工程と、
    このゾル溶液層形成工程後、ガス検知層となるペーストでもって前記ゾル溶液層上にペースト層を形成するペースト層形成工程と、
    このペースト層形成工程後、前記ゾル溶液層及び前記ペースト層を所定焼成条件にて共に焼成し、前記密着層及びガス検知層を、前記ガス検知層のうち前記密着層の近傍部位に前記密着層の一部が入り込む事で、前記近傍部位で前記密着層と前記ガス検知層とが三次元的に接触するように、形成する焼成工程とを備えるガスセンサの製造方法。
  3. 前記焼成工程後、前記ゾル溶液を前記ガス検知層に滴下する滴下工程と、
    この滴下工程後、前記ガス検知層を前記密着層とともに所定の再焼成工程にて再焼成する再焼成工程とを備えることを特徴とする請求項に記載のガスセンサの製造方法。
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